JP3896276B2 - 音響効果付加装置および音響効果付加方法 - Google Patents

音響効果付加装置および音響効果付加方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽音に対して様々な音響効果を付加する音響効果付加装置および音響効果を付加する音響効果付加方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
楽音を再生することによって音楽を楽しむ人たちの中には、楽音を再生するときに、再生速度を調整して楽音を再生したり、ピッチを調整して楽音を再生したりして、オリジナルの音楽とは異なる音楽を楽しむ人がいる。このような音響効果を付加する音響効果付加装置では、時間軸の長さを一定にしてピッチを変えたり、ピッチを一定にして時間軸の長さを変えたりして、楽音に対して効果を付加して再生される音楽にバリエーションを持たせている。このように再生される音楽にバリエーションを持たせるときに楽音に対して時間軸の長さの変更やピッチの変更を行う場合には、音響効果付加装置内に配備される時間軸圧縮伸張装置及びピッチ変換装置が使用される。この時間軸圧縮伸張装置やピッチ変換装置によって楽音が再生されるときに楽音に対して効果を付加して再生される音楽に豊富なバリエーションを持たせている。
【0003】
しかし、このような従来の音響効果付加装置では楽音に対して効果を付加しても、再生される音楽には、さほど多くのバリエーションが期待できない。
【0004】
このような音響効果付加装置を使用して音楽を楽しみたいという人達の中からは再生される楽音に与えられる効果が少ないので、もっと楽音に付加される効果を増やして欲しいという声が上がっている。そしてこのような人達の間ではもっと付加される効果が豊富でバリエーションの在る音楽を楽しめる音響効果付加装置の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、従来の音響効果付加装置では楽音に対して付加される効果が少ないので再生される音楽がバリエーションに欠けるという問題がある。
【0006】
そこで本発明の音響効果付加装置は、楽音に対して多くの効果を付加して再生される音楽に豊富なバリエーションを持たせる音響効果付加装置および音響効果を付加する音響効果付加方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の音響効果付加装置は、楽音を複数の周波数帯域ごとの部分帯域楽音に分割する帯域分割手段と、
各周波数帯域ごとの再生速度を表わすパラメータを設定するための操作子と、
前記操作子により設定された各帯域ごとの再生速度を表わすパラメータに応じて、前記帯域分割手段により分割された各部分帯域楽音の再生速度を調整する調整手段と、
前記調整手段により、各部分帯域楽音の再生速度が調整された後の複数の部分帯域楽音を合成する合成手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の上記音響効果付加装置によれば、再生中であっても上記操作子を操作することによって、各周波数帯域ごとの再生速度の変更を行えるので、再生速度が変更された、各周波数帯域ごとの部分帯域楽音を上記合成手段によって合成すれば、バリエーションの在る音楽を再生することができる。
【0009】
本発明の音響効果付加方法は、楽音を複数の周波数帯域ごとの部分帯域楽音に分割する帯域分割手段と、
各周波数帯域ごとの再生速度を表わすパラメータを設定するための操作子と、
前記操作子により設定された各周波数帯域ごとの再生速度を表わすパラメータに応じて、前記帯域分割手段により分割された各部分帯域楽音の再生速度を調整する調整手段と、
前記調整手段により再生速度が調整された後の複数の部分帯域楽音を合成する合成手段とを備え、
前記帯域分割手段により分割された各部分帯域楽音ごとに、前記操作子を用いて再生速度を設定してその設定された再生速度に基づいて調整手段により各部分帯域楽音ごとに再生速度の変更を行ってから前記合成手段により各部分帯域楽音を合成することを特徴とする音響効果付加方法。
【0010】
上記音響効果付加方法によれば、分割された、各周波数帯域の部分帯域楽音ごとに再生速度の変更を行えて、再生速度が変更された、各周波数帯域の部分帯域楽音を上記合成手段を用いて合成することによって様々な音楽の再生を行える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態を示す音響効果付加装置のハードウエア構成図である。
【0013】
この音響効果付加装置100には、CPU10と、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)20が備えられており、CPU10によってDSP20が制御され、後述するように、DSP20によって再生波形が生成される。また、このDSPによって波形の分割も行われており、その分割の仕方については既に特開2000−29467号明細書によって波形分割装置が開示されている。
【0014】
また、この音響効果付加装置100には、ROM30と、第1のRAM40と、操作子50が備えられている。ROM30には、CPU10およびDSP20の動作を表すプログラムが格納されており、DSP20の動作を表すプログラムはCPU10によってDSP20へと転送される。第1のRAM40は、CPU10のワーキングメモリとして用いられ、操作子50は、CPU10に対して、音響効果付加装置100の使用者が動作を指示するためのものである。
【0015】
また、この音響効果付加装置100には、A/D変換器60と、第2のRAM80と、D/A変換器70が備えられている。A/D変換器60には、外部から、原波形を表すアナログ信号が入力され、そのアナログ信号がA/D変換器60によって、原波形を表すディジタル信号に変換される。このディジタル信号が示す原波形データは、DSP20を介して第2のRAM80に格納される。後述するように、第2のRAM80に格納された原波形データに基づいて、DSP20によって、本発明にいう部分帯域楽音を表す複数の分割波形データが生成されて第2のRAM80に格納される。また、後述するように、第2のRAM80に格納された複数の部分帯域楽音に基づいて、DSP20によって、原波形が合成パラメータによって加工された再生波形が生成されてD/A変換器70に送られる。D/A変換器70は、DSP20によって生成された再生波形を表すディジタル信号、もしくはDSP20によって生成されて第2のRAM80に格納された分割波形データを構成するディジタル信号をアナログ信号に変換し、外部に出力する。
【0016】
本発明の動作を、概念図を参照して説明する。図2は、本発明の音響効果付加装置および音響効果付加方法を示す概念図である。
【0017】
図2には、本発明の音響効果付加装置100およびこの音響効果付加装置で行われる音響効果の付加方法の概念が示されている。
【0018】
まず、オリジナル波形が周波数帯域分割部に入力されて、帯域ごとに楽曲全体の波形が部分帯域楽音として分割される。この部分帯域楽音は、波形データ記憶手段81のそれぞれの記憶領域にそれぞれ格納される。この波形データ記憶手段81は、第2のRAM80に相当する。
【0019】
この波形データ記憶部81に在る、それぞれの記憶領域の先頭アドレスはDSP20に所定の値として与えられている。ここでは、それらの帯域を、それぞれ、高い周波数帯域を持つ方から、帯域バンド1、帯域バンド2、帯域バンド3、帯域バンド4、帯域バンド5、帯域バンド6として区別している。帯域バンド1では、3KHz以上の周波数成分を有する部分帯域楽音が、その帯域に対応する記憶領域に記憶され、帯域バンド2では1.5KHz以上3KHz未満の周波数成分を有する部分帯域楽音がその帯域に対応する波形データ記憶部81の対応する記憶領域に記憶される。以下、帯域バンド3では750Hz以上1.5KHz未満、帯域バンド4では375Hz以上750Hz未満、帯域バンド5では100Hzより大きく375Hz未満、帯域バンド6では100Hz以下の部分帯域楽音がそれぞれ、対応する記憶領域に記憶される。
【0020】
この波形データ記憶部81に記憶された各帯域部分楽音を波形合成部22へ供給する。波形合成部22には、波形合成パラメータ部40aからパラメータが供給されており、波形合成部22でこの合成パラメータにしたがった処理が行われる。
【0021】
ここで、さらに本発明の音響効果付加装置100および本装置で行われる音響効果の付加方法の理解を深めるため、図3を参照して説明を行う。図3は本発明の音響効果付加装置100における波形合成部22と操作子50との係わりを示す概念図である。図2の波形合成パラメータ40aが操作子群50と、操作子群50によって設定されるピッチ、タイム、レベルそれぞれのパラメータを一次記憶しておくためのバッファ41〜46とで構成される。
【0022】
図3を参照して波形合成部22と操作子群50との係わりを説明する。
【0023】
図3に示すように操作子群50と波形合成部22との間には、操作子群50によって設定された、ピッチを表わすパラメータ「ピッチ」と、再生速度を表わすパラメータ「タイム」と、音量を表わすパラメータ「レベル」とをそれぞれ、一旦保持しておくためのバッファ41〜46が設けられている。これらのバッファ41〜46は、第1のRAM40に相当する。これらのバッファ41〜46では、設定された各パラメータが一旦、保持されていて、波形合成部22からの指示によってバッファ41〜46の内容を波形合成部22へ供給する。この波形合成部22の動作は図1ではCPU10及びDSP20の動作に相当する。また、このタイマ11によってバッファ部41〜46から波形合成部22への供給タイミングが設定される。このタイマ11の動作は図1ではCPU10の動作に相当する。
【0024】
ここで図3で示した波形合成部22を具体的に実現する回路を図4に示して説明する。
【0025】
図4は、波形合成部22の動作を示す概略ブロック図である。
【0026】
この概略ブロック図の左方には6つの波形記憶手段81a〜81fと、合成パラメータ部41〜46とが示されており、中央には6つの変調処理部22a,・・・,22fが示されている。波形データ記憶手段81a〜81fは、図1に示す第2のRAM80に相当しており、合成パラメータ41〜46は第1のRAM40に相当する。また、これらの変調処理部22a,・・・,22fも、図1に示すDSP20に相当する。6つの変調処理部22a,・・・,22fには、各波形データ記憶手段の各帯域の波形データと各バッファ41,・・・,46の各パラメータとが、波形アドレス制御部24の指示に基づいて変調処理部22a〜22fへ供給される。
【0027】
また、図4の上方に在る波形アドレス制御部24には、波形データ記憶部81a〜81fの各記憶領域の先頭アドレスが記憶されていて、各記憶領域のデータを、その先頭アドレスに基づいて変調処理部22a〜22fへと供給する。この波形アドレス制御部24の動作も上述の如く、図1ではDSP20の動作に相当する。
【0028】
さらに、図4の右方にはそれぞれの変調処理部22a〜22fに対応して加算回路23a〜23eが示されており、これらの加算回路23a〜23eで各変調処理部22で処理された部分帯域楽音波形がそれぞれ加算されて合成される。
【0029】
図5は、図1に示すDSP20に波形合成処理を行わせるためのフローチャートである。以下、図5を参照して説明する。
【0030】
音響効果付加装置100が備える操作子群の一つであるプレイ釦「PLAY」が押されて、再生が指示されると図5のフローで示されるプログラムが起動される。この操作子群については後述する。
【0031】
まず、ステップS51で整数nを1としている。整数nには1がセットされているので、ステップS52で1番目の帯域の処理が行われる。そして1番目の帯域の各パラメータがバッファ41から取得されたら、次のステップS53へと進められる。
【0032】
ステップS53では、変調処理が行われる。この変調処理が行われるときには、第2のRAM80に記憶されている部分帯域楽音の波形データが第2DSP20へと供給される。そしてピッチ、音量、再生速度といった各パラメータに応じて波形が変調処理されて次のステップS54へと進められる。
【0033】
ステップS54では帯域の合成処理が行われる。図4の加算回路の部分がこれに相当する。そして、これらの一連の処理がn=1から6まで繰り返されて、分割数6よりnが大きくなった時点で処理が終えられて次のステップS57へと進められる。
【0034】
次のステップS57では再生の処理が行われて、外部へ出力される。
【0035】
次のステップS58では、操作子群の一部であるストップ操作子「STOP」が押されて終了指示が行われているかどうかが判定される。ここでストップ「STOP」が選択されていたら、YESと判定されて、処理が終えられる。
【0036】
ここで操作子群50が設けられている操作パネルを、図6を参照して説明する。図6は本発明の一実施形態である音響効果付加装置の操作パネルの外観を示す図である。
【0037】
図6に示すように帯域バンド1に対応してBand1、帯域バンド2に対応してBand2、帯域バンド3に対応してBand3、帯域バンド4に対応してBand4、帯域バンド5に対応してBand5、帯域バンド6に対応してBand6の設定領域が設けられている。それぞれの設定領域に、ピッチを表わすパラメータ「pitch」、再生速度を表わすパラメータ「time」、音量を表わすパラメータ「level」の3つのパラメータを設定するためのスライドスイッチがそれぞれ、設けられている。
【0038】
これらのスライドスイッチの下方には、数値で値が示される表示部が設けられており、スライドスイッチの位置に応じて数値が表示される。
【0039】
さらに、図6の右方には、再生指示を行うプレイ釦「PLAY」、再生終了を指示するストップ釦「STOP」、この処理の他の処理へ移る場合に使用される釦「EXIT」、すべての設定データをリセットするためのリセット釦「RESET」がそれぞれ設けられている。また、各バンドのディレイタイムを設定するバンドディレイの設定および表示を行う部分も設けられている。
【0040】
図6はたとえば、LCD表示パネルの画面上に作成された設定画面に在る各部品を外部に設けられたマウス、ジョイスティック、といった操作子を用いて操作するものであっても、通常の操作パネルのように操作子となるスイッチ部品を操作するものであっても、タッチパネルであっても良い。
【0041】
ここで本フローによって処理が行われた場合の再生波形を参照しながら詳細な説明を行う。
【0042】
まず、図7に図6の操作を行う場合の、楽音信号の原波形を示す。横軸には時間を、縦軸には振幅をそれぞれ示してある。
【0043】
この原波形で示される楽音は、キック、スネア、ハイハットから成るシンプルなドラムフレーズであり、1小節にハイハットが4回発音している。この模様が図7に示される。これは図6で示すパラメータの設定を行う前の楽音を再生した場合の波形である。ハイアットは主に3KHzから22.05KHzの周波数成分で表わされる。したがって、Band1のパラメータの中にあるタイムTimeを変更することでハイハットが8回発音するように操作している。
【0044】
すなわち、図6に示すように再生速度を表わす時間パラメータTimeを200に設定することによって図7に示す波形が図8に示す波形のように変えられる。図6では、帯域Band1の再生速度を表わす時間パラメータが200に設定されているので、帯域Band1の部分波形だけの時間進行が2倍になって後の帯域の波形は時間進行が変わっていない。これは帯域Band1の部分波形だけを2倍速で再生させていることを示しており、他の帯域はBand1を基準にすると、1/2の再生時間で再生させていることになる。
【0045】
図7では1小節に4回、ハイハットが発音しているが図8ではBand1のタイムTimeの変更に基づく操作が時間軸の圧縮伸張動作に基づいて行われて1小節に8回、ハイハットが発音している。なお、本出願人は、同様のハードウエア構成を有している圧縮伸張装置を特願平8−271072号明細書で提示している。
【0046】
したがって、最も高い周波数帯域Band1においてだけ時間軸の圧縮伸張が行われて、Band1の帯域にある波形の時間進行だけが2倍になることになる。
【0047】
このようにすると、図7では4回発音しているハイハットの部分が図8では2倍の速さで2回繰り返し、合計8回発音して再生されることになる。
【0048】
ここまでは再生速度を表わすパラメータであるタイムTimeを操作した場合に、波形合成部22が有する時間軸圧縮伸張動作に基づいた本発明の効果を示した。
【0049】
本実施形態においては、再生速度の他に従来より知られている各帯域ごとのピッチや音量の変更を行なうことで楽音にバリエーションを持たせることもできる様にしているので、ピッチやレベルの変更による効果も、図9〜図12を参照して説明しておく。図9は操作パネルの設定例である。図10は、再生する場合に基準となるオリジナルの波形を示す図である。図11は、図9に示すパネルの設定を行なう前の波形を示す図である。このときには一律、ピッチが5に設定されている。図12は、図9に示す設定を行なって、図10に示すオリジナル波形に近づけた場合の波形を示す図である。
【0050】
図11と図12比較して、設定パネルの操作によって楽音全体波形にどのような調整が行われるかを説明する。
【0051】
図11は、本発明の音響効果付加装置を通して出力される波形が示されている。このときには、ピッチを表わすパラメータは全帯域にわたって一律5半音となる5が設定されている。図11では、ピッチを5半音上げるような設定を行っているので、楽音波形全体が高周波の方へ拡がりを持っている。特にこの拡がりの中で図11にbで示す部分が人間の音声では人間ばなれした音声を発生させる要因となる。これは調整が行われることによってBand1で示される帯域、つまり周波数波数3KHz以上の成分に上昇移動が起こることによって起きていることから推察される。つまり、Band1のピッチが一律に半音上げられることによって、高周波数の方へ楽音波形全体が動いてしまう。これを調整するには一番高い帯域バンド1のピッチを調整することが効果的である。そこで、このピッチ「pitch」を1に設定して、5半音から1半音に設定し直している。しかし、帯域Band1のピッチのみを調整しても、それだけでは充分でないので各帯域の音量を表わすパラメータ「LEVEL」も調整している。そこで、図9に示すように帯域Band2の音量を表わすパラメータを調整している。なお、他のバンドBand2〜Band6の再生速度を表わす時間以外のパラメータについては楽音を確認しながら、適宜、パラメータの設定を行っている。
【0052】
このように調整すると図12に示す波形が得られる。
【0053】
図12中、Bで示すような拡がりを持っていた波形が、図11中、bに示すように抑制されている。これは帯域Band1を調整した後に帯域Band2と帯域Band3で音量を表わすパラメータ「LEVEL」を調整したことによるものである。これは、楽音全体波形に対し、各帯域のパラメータを調整することによって、よりオリジナル波形の再生音に近づけようとする試みであり、楽音全体波形の周波数特性を変えていることに他ならない。
【0054】
つまり、各帯域の音量を表わすパラメータを調整することによって、楽音波形全体が示す周波数特性を調整しているのである。これはフォルマントの調整を行っていることを示している。
【0055】
また、図12中、Aで示す部分も帯域BAND2、帯域Band3の調整によって図11中、aで示される部分の波形に比べて、オリジナル波形に近い特性に変更されている。帯域Band2は1.5KHzから3KHz、帯域Band3は0.75KHzから1.5KHzまでの帯域を示している。図12のAで示される部分は、ちょうど、これらの帯域に相当する部分である。
【0056】
また、いままでは本発明の音響効果付加装置によって楽音波形全体をオリジナル波形に近づけるような調整が行えることを説明したが、最後に、全く異なる音質を持つ楽音の再生も行えるのでこれについて説明する。
【0057】
図13は操作パネルを示す図である。
【0058】
この図13の操作パネルで示すパラメータの設定を行って調整した場合の結果を図14(a)、(b)に示す。
【0059】
ここでは帯域Band3のピッチを表わすパラメータを調整して波形に変調を加えている。
【0060】
帯域Band3のピッチを表わすパラメータを−10として、10半音下げたピッチを持つ楽音の再生を行わせている。
【0061】
このようにすると、帯域Band3の部分帯域楽音が10半音下げることになり、図14(a)のBで示した部分の成分が図14(b)では低周波数の方Aへ移動している。このときには、他の帯域の成分は、図14(a)と(b)とで変化していない。したがって、音質の全く異なる楽音の再生が行える。
【0062】
以上、説明したように本発明の音響効果付加装置によれば、元の楽音波形全体を生成することも、元の楽音波形とは異なる楽音波形を生成することも自在になる。
【0063】
本発明の音響効果付加装置を用いれば、楽音にバリエーションを持たせた再生が無数に行える。
【0064】
また、本発明の音響効果付加装置を用いて、再生半ばにパラメータを変化させることによって、再生している最中にバリエーションを持たせた楽音の再生が行える。
【0065】
また、操作パネルには表示部が設けられているので、状況を確認しながら操作を行って、再生音楽にバリエーションを持たせることができる。
【0066】
さらに、パラメータの調整を、楽音を聞きながら行えるので、再生半ばに調整を行いながら、そのときの雰囲気にあった音楽に調整できる。
【0067】
以上の説明したように本発明による音響効果付加装置および音響効果付加方法では、楽音を各帯域部分楽音に分割することによって、分割された楽音ごとに効果を与え、各帯域ごとに効果が与えられた部分帯域楽音を合成することによって様々な音響効果を与えられる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、楽音に対して多くの効果を付加して再生される音楽に豊富なバリエーションを持たせる音響効果付加装置および音響効果を付加する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の音響効果付加装置の回路構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態である音響効果付加装置の概念を示す概念図である。
【図3】図2の波形合成パラメータ部の概念を示す概念図である。
【図4】図2の波形合成処理部の概念を示す概念図である。
【図5】図1のDSPで行われる再生処理の手順を示す図である。
【図6】図2の操作子群で再生速度を表わすパラメータを調整する場合の操作パネルを示す図である。
【図7】図6の操作を行う場合の、楽音信号の現波形を示す図である。
【図8】図6の操作を行ったときの、再生される楽音信号の波形を示す図である。
【図9】図2の操作子群でピッチを表わすパラメータを調整する場合の操作パネル図である。
【図10】楽音のオリジナル波形を示す図である。
【図11】図9で設定されたパラメータのうち、ピッチを表わすパラメータに一律に5を設定したときに再生される波形を示す図である。
【図12】図9でパラメータを設定して、音量を表わすパラメータを調整したときに再生される波形を示す図である。
【図13】操作子群で別のパラメータを変更した場合の操作パネルを示す図である。
【図14】図13で設定されたパラメータに基づいて楽音を再生した場合の波形を示す図である。
【符号の説明】
10 CPU
20 DSP
30 ROM
40 80 RAM
50 操作子群
60 A/D変換器
70 D/A変換器
100 音響効果付加装置

Claims (2)

  1. 楽音を複数の周波数帯域ごとの部分帯域楽音に分割する帯域分割手段と、
    各周波数帯域ごとの再生速度を表わすパラメータを設定するための操作子と、
    前記操作子により設定された各帯域ごとの再生速度を表わすパラメータに応じて、前記帯域分割手段により分割された各部分帯域楽音の再生速度を調整する調整手段と、
    前記調整手段により再生速度が調整された後の複数の部分帯域楽音を合成する合成手段とを備えたことを特徴とする音響効果付加装置。
  2. 楽音を複数の周波数帯域ごとの部分帯域楽音に分割する帯域分割手段と、
    各周波数帯域ごとの再生速度を表わすパラメータを設定するための操作子と、
    前記操作子により設定された各周波数帯域ごとの再生速度を表わすパラメータに応じて、前記帯域分割手段により分割された各部分帯域楽音の再生速度を調整する調整手段と、
    前記調整手段により再生速度が調整された後の複数の部分帯域楽音を合成する合成手段とを備え、
    前記帯域分割手段により分割された各部分帯域楽音ごとに、前記操作子を用いて再生速度を設定してその設定された再生速度に基づいて調整手段により各部分帯域楽音ごとに再生速度の変更を行ってから前記合成手段により各部分帯域楽音を合成することを特徴とする音響効果付加方法。
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