JP3896243B2 - Deep drawing decoration film for simultaneous molding - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のインジケータパネルや家電用オーディオパネルなど立体形状の樹脂成形品を装飾するための加飾用フィルムであり、とくに深絞り形状に装飾するために用いられるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のインジケータパネルや家電用オーディオパネルを得る方法として、基材フィルムに図柄を印刷して加飾用フィルムを得た後、射出成形用金型内に供給し、立体形状の成形品を成形すると同時に加飾用フィルムを成形品に一体的に接着して装飾を行う成形同時加飾法がある。この加飾用フィルムの基材フィルムとしては、従来多くの場合、耐熱性を有する無延伸のポリカーボネートフィルム(熱変形温度135〜150℃)が使用されてきた(特開平2−215511参照)。
【0003】
この無延伸のポリカーボネートフィルムは耐熱性を持つため、これに図柄層などの印刷層を設ける工程で乾燥熱(主に60〜80℃)がかかったとしても基材フィルムの寸法変化が少ない(図2参照)。したがって、基材フィルム上に印刷された図柄パターンにひずみが発生しにくく、また多色印刷工程での各色パターンどうしの見当合わせもしやすい。
【0004】
そして、このような加飾用フィルムを射出成形用金型内に供給する前又は供給した後に、真空成形や真空・圧空成形等の予備成形にて射出成形用金型の可動型のキャビティ形成面に沿うように立体形状に加工するに当たっては、無延伸のポリカーボネートフィルムが耐熱性を有するため、加工しやすいように加熱板21等のヒーター表面温度を300℃〜400℃として加飾用フィルムを高温加熱することが一般的である(図5参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ポリカーボネート樹脂からなる基材フィルムは、耐溶剤性及び耐薬品性に極めて劣るという問題があった。耐溶剤性及び耐薬品性に劣ると、印刷工程で使用される有機溶剤に侵されて脆くなり、予備成形時に破れやすい。また、成形品の表面に一体化接着されてから洗剤やアルコール等を含んだもので表面を拭くとクラックが入りやすい。
【0006】
また、高温加熱の場合、ヒーターと外気温度との差が大きいため、ヒーター外周部の放熱が激しく、加飾用フィルムの全面を均一に加熱するように制御することは困難である。また、ヒーターと外気温度との差が大きいため、対流やヒータの移動によって起こる風が当たるとヒータが放熱しやすく、加飾用フィルムにかかる温度をいつでも一定に保つように制御することも困難である。したがって、このような加熱状態で真空成形や真空・圧空成形等の予備成形を行なった場合、加飾用フィルムの伸びやすさが部分によって異なったり、個々の予備成形で伸びやすさのばらつきがでたりするという熱成形性上の問題があった。あるいは、部分的に加熱しすぎて真空引きにより穴があくこともあった。
【0007】
したがって、本発明は、上記のような問題点を解消し、耐溶剤性及び耐薬品性が向上し、且つ予備成形の際の熱成形性がよい基材フィルムを使用した、成形同時加飾に使用する深絞り可能な加飾用フィルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の加飾用フィルムは、以上の目的を達成するために、基材フィルム上に印刷工程を経て少なくとも図柄層が形成され射出成形用の金型内にセットされて成形樹脂の表面に一体化接着される加飾用フィルムであって、基材フィルムを構成する樹脂成分としてポリカーボネート樹脂と、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートおよびこれらの変性樹脂のうち少なくとも1つとを用い、且つ基材フィルムのASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が85〜120℃のものを用いるように構成した。
【0009】
また、上記構成において、基材フィルムを構成する樹脂成分について、ポリカーボネート樹脂と、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートおよびこれらの変性樹脂のうち少なくとも1つとの重量組成比が82:19〜38:62であるように構成した。
【0010】
また、上記各構成において、印刷工程を経た基材フィルムに、ASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が120℃以下のバッキングシートが積層されているように構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0012】
図1および図3は本発明に係る加飾用フィルムの一実施例を示す断面図、図2は加飾用フィルムの印刷工程の一実施例を示す図、図4〜8は加飾用フィルムを用いた成形同時加飾工程の一実施例を示す図である。図中、1は加飾用フィルム、2は基材フィルム、3は図柄層、4はバッキングシート、5は巻出部、6はインキパン、7は版胴、8は圧胴、9は乾燥部、10は巻取部、11はガイドロール、12は可動型、13は固定型、14はキャビティ形成面、15はクランプ部材、16はゲート部、17は成形樹脂、18は樹脂成形品、19は真空吸引孔、20はキャビティ、21は加熱板をそれぞれ示す。
【0013】
本発明の加飾用フィルム1は、基材フィルム2上に印刷工程を経て少なくとも図柄層3が形成され射出成形用の金型内にセットされて成形樹脂17の表面に一体化接着される加飾用フィルムである(図1参照)。
【0014】
基材フィルム2は、その樹脂成分としてポリカーボネート樹脂とポリカーボネート樹脂以外の樹脂とからなるものを用いる。このような樹脂成分の基材フィルム2は、従来のポリカーボネート樹脂単体からなる基材フィルムよりも耐溶剤性及び耐薬品性の向上した加飾フィルムを得ることができる。なお、本発明でポリカーボネート樹脂とは、下記の化学式1で示される構造単位中に炭酸エステル型構造を持つ化合物の総称であるが、ここでは芳香族ポリカーボネートを指す。特に、芳香族ポリカーボネートで使用されているものとしてポリ−4,4′−イソプロピレンジフェニルカーボネート(化学式2)がある。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
また、ポリカーボネート樹脂とともに基材フィルム2を構成する上記ポリカーボネート樹脂以外の樹脂としては、例えばAAS(アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン)、EEA(エチレン・アクリル酸エステル)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)や、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、およびこれらを変性したものを使用することができるが、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂であれば特に限定されない。なお、印刷工程で使用される有機溶剤にほとんど侵されない程度および成形品の表面に一体化接着されてから洗剤やアルコール等を含んだもので表面を拭いても全くクラックが入らない程度まで耐溶剤性及び耐薬品性を大きく向上させるには、ポリカーボネート樹脂とポリカーボネート樹脂以外の樹脂との重量組成比が85:15であるか、該重量組成比よりもポリカーボネート樹脂以外の樹脂の比率が高くなるように混合すればよい。
【0018】
また、基材フィルム2は、そのASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が85〜120℃であるものを用いる。このような特性の基材フィルム2を用いることにより、印刷時の寸法安定性と予備成形時の熱成形性とを兼ね備えた加飾フィルムを得ることができる。
【0019】
加飾フィルムの印刷時の寸法安定性を考えると、基材フィルム2が、その上に図柄層3などの印刷層を設ける工程において60〜80℃で乾燥加熱され且つ長尺の基材フィルム2について巻き取り装置付き機械で印刷するとき(ロールツーロールという)には巻き取り等のテンションをかけられた状態で寸法変化を起こさない材料、又は寸法変化を少量起こしても良いがその変化が一定量に管理される材料でなければならない。本発明者が各種の熱変形温度の基材フィルム2について印刷乾燥を試みた結果、本発明のように基材フィルム2としてASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が85〜120℃であるものを用いる。このような特性のによる熱変形温度(荷重たわみ温度)が85℃以上のものを用いれば、印刷工程時の寸法安定寸性を得ることができることがわかった。なお、ここで寸法変化が起こるとは、熱膨張以外の伸縮が元の長さに対し1%以上起こることをいう。
【0020】
一方、加飾用フィルムの予備成形時の熱成形性を考えると、ヒーターと外気温度との差が大きくならないように、基材フィルム2は、予備成形時に加える熱が低くて済むような材料でなければならない。本発明者が各種の熱変形温度の基材フィルム2を有する加飾用フィルムについて予備成形を試みた結果、本発明のように基材フィルム2としてASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が120℃以下のものを用いれば、予備成形時にヒーターと外気温度との差が充分に小さくでき、その結果、加飾用フィルムの伸びやすさが部分によって異なったり、個々の予備成形で伸びやすさのばらつきがでたりすることがなく、また部分的に加熱しすぎた状態での真空引きにより穴があくこともなく、予備成形時の熱成形性を得ることができることがわかった。
【0021】
上記ASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が85〜120℃となるような基材フィルム2とは、上記基材フィルム2に用いるポリカーボネート樹脂以外の樹脂としてアクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートおよびこれらの変性樹脂のうち少なくとも1つを用い、ポリカーボネート樹脂とポリカーボネート樹脂以外の樹脂との重量組成比が82:19〜38:62であるものが適していることがわかった。
【0022】
ポリカーボネート樹脂の割合が上記重量組成比82:19より多くなると、基材フィルムのASTM−D648法による荷重たわみ温度が120℃より高くなり、ポリカーボネート樹脂単体のフィルム(荷重たわみ温度125〜150℃)に近い耐熱性になる。すなわち、予備成形時の熱成形性が充分に得られない。一方、ポリカーボネート樹脂の割合が上記重量組成比38:62より少なくなると、基材フィルム2のASTM−D648法による荷重たわみ温度が85℃より低くなり、印刷工程での乾燥熱(主に60〜85℃)に対する基材フィルム2の寸法安定性が十分に得られない。
【0023】
また、上記基材フィルムの厚みは0.05〜1mmの範囲にするのが好ましい。厚みが0.05mm未満だと、成形同時加飾の際の樹脂圧力で破れやすくなるという問題や、射出成形用金型外で予備成形して金型内に供給する際にフィルムが薄すぎて取り扱いにくくなるという問題があるからである。また、厚みが1mmを超えると、印刷機が対応できないものが多く、印刷が困難になるという問題があるからである。
【0024】
また、本発明の基材フィルムには無延伸フィルムを用いるのが好ましい。無延伸フィルムとは、未延伸フィルムともいい、成膜の際に延伸工程を故意にかけないものをいう。なお、基材フィルムを長尺で製造する場合、最後に巻き取り工程があるために基材フィルムを巻き取る方向には延伸がいくらかかかるが、その際にはできるだけテンション値を小さくして巻くようにする。一般に、延伸されたフィルムは延伸によってフィルム内での結晶化が進み、機械的強度が強すぎる。そのため、延伸されたフィルムを基材フィルムに用いた加飾フィルムは予備成形がしにくく、とくに深絞り成形にはあまり向いていないという問題がある。これに対し無延伸フィルムでは、延伸がされないため結晶化が進まず、機械的強度が強すぎない。したがって、無延伸フィルムを基材フィルムに用いた加飾フィルムは予備成形がしやすく、深絞り成形も容易である。無延伸フィルムの製造には、Tダイ押出し法、カレンダー法、キャスティング法等が使用できる。
【0025】
なお、上記ASTM−D648法(1.82MPa)はJIS K−6871(18.6kg)と同様の測定法であるため、本発明の加飾用フィルム1は、基材フィルム2のJIS K−6871(18.6kg)による熱変形温度(荷重たわみ温度)を85〜120℃としてもよい。
【0026】
本発明に用いる加飾用フィルム1としては、転写材やインサート材を用いることができる。
【0027】
インサート材は、基材フィルム2上に図柄層3などが形成されたものである。
【0028】
図柄層3は、基材フィルム2の表面または裏面のどちらか片面、あるいは両面にパターンの印刷をして形成するとよい。図柄層3は、通常、印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂、熱可塑性エラストマーなどの樹脂、好ましくは柔軟な皮膜を作ることができる樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。印刷の主な流れは、例えばグラビア輪転の場合を例にとると、印刷されるシートを巻出部5より連続的に送り出した後、先ず最初の印刷ユニットにおいて、表面にインキパン6からインキが供給された回転する版胴7とこの版胴7に対して圧力を加える圧胴8との間にシートを通すことによってシート上にインキを転移して印刷層を形成し、続けてシートを蒸気ドラム、熱風、冷風などの乾燥部9に通すことによって印刷層を乾燥した後、シートを次の印刷ユニットに送り、前印刷ユニットと同様にして別の印刷層をシート上に形成するといった工程を何度かくり返し、全ての印刷層を形成した後にシートを巻取部10に巻き取るという工程を経るというものである。なお、見当合わせのためには、多数のガイドロール11にてテンションを微細に調節すればよい。どのような印刷方法にしろ、インキ中の溶剤、シンナー分を乾燥させるため、印刷層は自然乾燥ではなく、加熱によって行なわれる。本発明の加飾用フィルム1は、基材フィルムのASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が85〜120℃のものを用いるので、印刷時の乾燥熱によっても、基材フィルム上に印刷された図柄パターンにひずみが発生したり、また多色印刷工程での各色パターンどうしの見当合わせが難しかったりすることがない。
【0029】
また、図柄層3は、印刷層だけでもよし、また印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜層は、図柄層3として金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用する。部分的な金属薄膜層を形成する場合の一例としては、金属薄膜層を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。この場合によく用いる溶剤は、水または水溶液である。また、別の一例としては、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層を除去する方法がある。
【0030】
また、接着層を形成してもよい。接着層は、成形樹脂17にインサート材を接着するものであり、必要に応じて加飾用フィルム1の図柄層3側または基材フィルム2側に形成する。接着層としては、成形樹脂17の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂17の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂17の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、成形樹脂17の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0031】
また、上記印刷工程を経た基材フィルムに、バッキングシート4を積層してもよい(図3参照)。バッキングシート4は、加飾用フィルム1に腰の強さを付与して射出成形の型外で加飾用フィルムを予備成形をする場合や射出成形型内に加飾用フィルムを供給する場合の取り扱いを容易にし、また射出成形樹脂と融着させるためのものである。ただし、バッキングシート4はASTM−D648法(1820MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が120℃以下のフィルムを使用する。バッキングシート4の熱変形温度が120℃を超えると、加飾用フィルムを予備成形するために高温が必要となり、加飾用フィルムの伸びやすさが部分によって異なったり、個々の予備成形で伸びやすさのばらつきがでたりするからである。なお、本発明のバッキングシート4は印刷工程を経ないので、変形温度(荷重たわみ温度)が85℃以上である必要はない。上記ASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が120℃以下であるバッキングシート4としては、たとえば、ポリプロピレン(熱変形温度49〜60℃)樹脂などを使用すればよい。
【0032】
次に、加飾用フィルム1を転写材として用いる場合について説明する。転写材は、基材フィルム2上に、剥離層、図柄層3、接着層などからなる転写層が設けられたものである。
【0033】
基材フィルム2としては、インサート材の場合と同様のものを用いることができる。基材フィルム2からの転写層の剥離性を改善するためには、基材フィルム2上に転写層を設ける前に、離型層を全面的に形成してもよい。離型層は、転写後に基材フィルム2を剥離した際に、基材フィルム2とともに転写層から離型する。離型層の材質としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤およびこれらの複合型離型剤などを用いることができる。離型層の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0034】
剥離層は、基材フィルム2または離型層上に全面的または部分的に形成する。剥離層は、転写後に基材フィルム2を剥離した際に、基材フィルム2または離型層から剥離して被転写物の最外面となる層である。剥離層の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用いるとよい。剥離層に硬度が必要な場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用いるとよい。剥離層は、着色したものでも、未着色のものでもよい。剥離層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0035】
図柄層3は、インサート材の場合と同様にして設けるとよい。
【0036】
接着層は、成形樹脂17表面に上記の各層を接着するものである。接着層は、接着させたい部分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的なら、図柄層3上に接着層を全面的に形成する。また、接着させたい部分が部分的なら、図柄層3上に接着層を部分的に形成する。接着層は、インサート材の場合と同様にして設けるとよい。
【0037】
次に、成形同時加飾成形品の製造方法を説明する。
【0038】
まず、加飾用フィルム1を射出成形用の金型である可動型12の表面にクランプ部材15によりセットする(図4参照)。
【0039】
可動型12へのセットの仕方の具体例としては、ロール軸に長尺の加飾用フィルム1を一旦巻き取ってロール状巻物とし、このロール状巻物を射出成形用の可動型12の上部に可動型12と一体的に移動可能に載置し、ロール状巻物から加飾用フィルム1を巻き出しながら、退避した可動型12と固定型13との間を通過させ、射出成形用の可動型12の下部に可動型12と一体的に移動可能に設置したフィルム巻き取り手段のロール軸により加飾用フィルム1を巻き取るようにすればよい。別の例としては、枚葉の加飾用フィルム1を用いて、ロボットや人手により可動型12の表面にセットしてもよい。加飾用フィルム1の可動型12の表面へのセットに際しては、加飾用フィルム1を可動型12の表面に配置した後、可動型12の表面に対する加飾用フィルム1の位置を位置決めセンサーなどにより決定し、加飾用フィルム1を射出成形用の可動型12の表面にクランプ部材15によって押さえ付けるとよい。
【0040】
次いで、加飾用フィルム1を射出成形用の可動型12の表面にセットした後に、射出成形用の可動型12に形成された真空吸引孔19を利用して、加飾用フィルム1を可動型12のキャビティ形成面14に沿わせるように真空吸引することにより、射出成形用の可動型12の凹部すなわちキャビティ20のキャビティ形成面14に沿うように予備成形する(図5参照)。具体例としては、可動型12と固定型13との間に挿入した加熱板21などのヒーターで、可動型12の表面にセットした加飾用フィルム1を加熱して軟化させ、射出成形用の可動型12の凹部と加飾用フィルム1との間の空間を密閉して真空吸引孔19から排気して真空吸引し、射出成形用の可動型12の凹部内面(キャビティ形成面14)に加飾用フィルム1を密着させる方法がある。予備成形を行なう際、あるいはクランプ部材15で加飾用フィルム1を押さえ付けて固定する際に、加飾用フィルム1の不要部分の打抜き加工をしてもよい。本発明の加飾用フィルム1は、基材フィルムのASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が85〜120℃のものを用いるので、上記予備成形時にヒーターと外気温度との差を充分に小さくでき、その結果、加飾用フィルムの伸びやすさが部分によって異なったり、個々の予備成形で伸びやすさのばらつきがでたりすることがない。また、部分的に加熱しすぎて真空引きにより穴があくこともない。
【0041】
上記方法に代えて、加飾用フィルム1を射出成形用の可動型12の表面にセットする前に、射出成形用の可動型12と固定型13とは別の立体加工成形用型を用いて加飾用フィルム1をあらかじめ所望の立体形状に予備成形し、また所望の形状に打抜き加工したのち、射出成形用の可動型12の凹部内に、予備成形された加飾用フィルム1をはめ込むようにしてもよい(図6参照)。所望の立体形状としては、射出成形用の可動型12または固定型13のキャビティ形成面14に合致する形状などがある。立体形状に加工する方法としては、真空成形法や圧空成形法、熱せられたゴムを押しつける押圧成形法などがある。所望の形状に打抜き加工する方法としては、トムソン打抜き法、金型によるプレス法などがある。打抜き形状としては、所定形状の外周に沿った線や所定形状の孔などがある。なお、立体形状に加工する際に同時に打抜き加工をしてもよい。
【0042】
次に、固定型13に対して可動型12を型閉めして溶融状態の成形樹脂17を固定型13のゲート部16からキャビティ20内に射出し、成形樹脂17を固化させてキャビティ20内で樹脂成形品18を形成すると同時にその表面に加飾用フィルム1を一体化接着させる(図7参照)。
【0043】
その後、樹脂成形品18を可動型12から取り出したのち、樹脂成形品18に接着した加飾用フィルム1のうち不要な部分を除去する(図8参照)。なお、上記したようにあらかじめ所望の形状に打ち抜き加工していた場合には、加飾用フィルム1の不要な部分を除去する作業は不要である。
【0044】
射出成形用の金型としての可動型12と固定型13は、上記した実施形態に特に限定されることはなく、成形樹脂17を射出するゲート部16を有する固定型13と可動型12から構成され、固定型13と可動型12とが型閉めされることによって、固定型13および可動型12のキャビティ形成面14によって囲まれた単数あるいは複数のキャビティ20が形成されるものを使用すればよい。射出成形用の可動型12と固定型13とにより形成されるキャビティ20内にセットされた加飾用フィルム1は、キャビティ形成面14を覆うことになる。キャビティ20は樹脂成形品18に孔部を形成するものであってもよい。キャビティ20を形成する凹部は固定型13あるいは可動型12のいずれかに形成されていてもよい。可動型12または固定型13は、凹部の周囲で加飾用フィルム1を押さえ付けて固定するクランプ部材15を有してもよい。クランプ部材15は固定型13あるいは可動型12に設置されてもよい。
【0045】
成形樹脂17は、特に限定されることはない。たとえば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂などを用いることができる。また、自動車の内装部品や外装部品に用いられる代表的な成形樹脂17としては、タルクを含有したポリプロピレン樹脂、変成ポリプロピレン樹脂などを挙げることができる。
【0046】
次いで、型開きして加飾用フィルム1が一体化して接着された樹脂成形品18を取り出す。加飾用フィルム1が転写材の場合は、基材フィルム2を剥離する。このようにして、成形同時加飾成形品を得ることができる。
【0047】
なお、横型射出成形機の場合には、上記のとおりであるが、縦型射出成形機の場合には、固定型13と可動型12の関係が横型射出成形機の場合と逆になる。また、射出成形機の金型は2枚型の場合だけでなく、3枚型の場合にも同様に適用することができる。
【0048】
【実施例】
<実施例1> 基材フィルムを構成する樹脂成分として下記組成のポリカーボネート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂を混練してコンパウンドした。この樹脂のASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が106℃であった。これをTダイ押出し法により0.18mmの厚みの無延伸フィルムに成膜して基材フィルムを得た。
ポリカーボネート樹脂:
レキサン131(押出し加工グレード:日本ジーイープラス
チック株式会社製・熱変形温度 135℃) 60重量部
ポリブチレンテレフタレート樹脂:
プラナック BT−1500(押出し加工グレード:大日本イ
ンキ化学工業株式会社製・熱変形温度 70℃) 40重量部
【0049】
この基材フィルム上に、グラビアの印刷工程で5色の木目印刷を施し、一旦巻き取り後、さらにスクリーン印刷工程で接着層1色を含む計8色の車のインジケータ(メータ)部分を印刷した。グラビアの印刷工程での乾燥温度は75℃、スクリーン印刷の乾燥温度は80℃であった。各工程でのフィルム伸縮は基材フィルム全長の中でばらつくことなく0.3%未満におさえられたため、印刷での各色間での見当ずれがない加飾フィルムを得た。
【0050】
以上のようにして得られた加飾フィルムを射出成形用の金型内にセットした後、加熱ヒーターにて220℃、15秒間の条件で加熱し、フィルム表面温度が108℃となるようにした。この後真空引き行い、加飾フィルムの基材フィルム側が金型のキャビティ形成面に密着するように予備成形を行った。予備成形後の加飾フィルムは、均一に伸ばされており、インジケータパネル部分の文字変形がないものであった。また、加熱しすぎることがなく、真空工程で圧力による穴空きが発生することもなかった。しかも、印刷工程で使用される有機溶剤に基材フィルムが侵されていないため、加飾フィルムは予備成形に耐えるだけの強度を有していた。
【0051】
型閉め後、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂からなる成形樹脂をキャビティ内に射出し、成形樹脂を固化させて樹脂成形品を形成すると同時にその表面に加飾フィルムを一体化接着させ、木目パネルの中にインジケータ部分が存在する自動車用インジケータパネルを得た。このようにして得られたインジケータパネルは、印刷の見当ずれや文字変形のない美麗な加飾の施されたものであった。また、このインジケータパネルは、油よごれがついた場合に拭くエチルアルコール、中性洗剤に対してクラックの発生しないものであった。
【0052】
<実施例2> 基材フィルムを構成する樹脂成分として下記組成のポリカーボネート樹脂とアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂を混練してコンパウンドし、この樹脂のASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)を115℃とする以外は実施例1と同様の条件とした。
ポリカーボネート樹脂:
レキサン131(押出し加工グレード:日本ジーイープラス
チック株式会社製・熱変形温度 135℃) 70重量部
アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂:
トヨラック930(透明グレード:東レ株式会社製・熱変形
温度80℃) 30重量部
【0053】
実施例2でも、実施例1同様に印刷各工程でのフィルム伸縮は巻きの中でばらつくことなく0.3%未満におさえられたため、印刷での各色間での見当ずれがない加飾フィルムを得た。また、予備成形後の加飾フィルムは、均一な伸ばされており、インジケータパネル部分の文字変形や穴あきがないものであった。さらに、印刷工程で使用される有機溶剤に基材フィルムが侵されていないため、加飾フィルムは予備成形に耐えるだけの強度を有していた。結果、得られたインジケータパネルは、印刷の見当ずれや文字変形のない美麗な加飾の施されたものであった。また、このインジケータパネルは、油よごれがついた場合に拭くエチルアルコール、中性洗剤に対してクラックの発生しないものであった。
【0054】
<実施例3>
基材フィルムを構成する樹脂成分として下記組成のポリカーボネート樹脂と共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を混練してコンパウンドし、この樹脂のASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)を103℃とする以外は実施例1と同様の条件とした。
ポリカーボネート樹脂:
レキサン131(押出し加工グレード:日本ジーイープラス
チック株式会社製・熱変形温度 135℃) 55重量部
共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂:
KR−560(シート用グレード:三菱レイヨン株式会社製・
熱変形温度64℃) 45重量部
【0055】
実施例3でも、実施例1および実施例2同様に印刷各工程でのフィルム伸縮は巻きの中でばらつくことなく0.3%未満におさえられたため、印刷での各色間での見当ずれがない加飾フィルムを得た。また、予備成形後の加飾フィルムは、均一な伸ばされており、インジケータパネル部分の文字変形や穴あきがないものであった。さらに、印刷工程で使用される有機溶剤に基材フィルムが侵されていないため、加飾フィルムは予備成形に耐えるだけの強度を有していた。結果、得られたインジケータパネルは、印刷の見当ずれや文字変形のない美麗な加飾の施されたものであった。また、このインジケータパネルは、油よごれがついた場合に拭くエチルアルコール、中性洗剤に対してクラックの発生しないものであった。
【0056】
<実施例4>
実施例1〜3と同じ印刷済みフィルムの基材フィルムの印刷面に、ポリプロピレン (ノバテックPP MA3:日本ポリケム株式会社製・熱変形温度68℃)の0.35mmの厚みのフィルムをバッキングシートとしてドライラミネートで貼り合せ加飾フィルムを得、実施例1〜3と同様の方法で目パネルの中にインジケータ部分が存在する自動車用インジケータパネルを得た。予備成形後の加飾フィルムは、均一な伸ばされており、インジケータパネル部分の文字変形や穴あきがないものであった。また、得られたインジケータパネルは、印刷の見当ずれや文字変形のない美麗な加飾の施されたものであった。また、このインジケータパネルは、油よごれがついた場合に拭くエチルアルコール、中性洗剤に対してクラックの発生しないものであった。
【0057】
<比較例>
実施例で使用したポリカーボネート樹脂であるレキサン131(押出し加工グレード:日本ジーイープラスチック株式会社製・熱変形温度 135℃)のみを用い、Tダイ押出し法により0.18mmの厚みの無延伸フィルムに成膜して基材フィルムを得た。
【0058】
印刷工程は実施例と同様とした。印刷工程での問題は実施例と同様に問題なかった。
【0059】
この加飾フィルムを用い、実施例と同じ条件で予備成形を行ったが、フィルムの絞り性が悪く、ヒータ温度を徐々に上げた。ヒータ温度が320℃で15秒加熱した時にようやく加飾フィルムは実施例と同様の絞り程度になった。しかし、加飾フィルムにかかる温度が安定しないためか、10枚中3枚は部分的に加熱しすぎの部分で印刷の変形がみられかつ、1枚は後の真空工程で圧力による穴空きが発生した。また、1枚は印刷工程で使用される有機溶剤に基材フィルムが侵されて脆くなってたためか、予備成形中に破断した。結果、得られたインジケータパネルは、印刷の見当ずれや文字変形、加飾フィルムが破損した部分があった。また、得られたインジケータパネルは、実施例と同様のエチルアルコール、中性洗剤に対してクラックが発生した。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、前記した構成からなるので、次のような効果を奏する。
【0061】
本発明の加飾用フィルムは、基材フィルム上に印刷工程を経て少なくとも図柄層が形成され射出成形用の金型内にセットされて成形樹脂の表面に一体化接着される加飾用フィルムであって、基材フィルムを構成する樹脂成分としてポリカーボネート樹脂と、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートおよびこれらの変性樹脂のうち少なくとも1つとを用い、且つ基材フィルムのASTM−D648法(1.82MPa)による熱変形温度(荷重たわみ温度)が85〜120℃のものを用いるので、耐溶剤性及び耐薬品性が向上し、且つ予備成形時の熱成形性のよいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加飾用フィルムの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る加飾用フィルムの印刷工程の一実施例を示す図である。
【図3】本発明に係る加飾用フィルムの一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る加飾用フィルムを用いた成形同時加飾工程の一実施例を示す図である。
【図5】本発明に係る加飾用フィルムを用いた成形同時加飾工程の一実施例を示す図である。
【図6】本発明に係る加飾用フィルムを用いた成形同時加飾工程の一実施例を示す図である。
【図7】本発明に係る加飾用フィルムを用いた成形同時加飾工程の一実施例を示す図である。
【図8】本発明に係る加飾用フィルムを用いた成形同時加飾工程の一実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 加飾用フィルム
2 基材フィルム
3 図柄層
4 バッキングシート
5 巻出部
6 インキパン
7 版胴
8 圧胴
9 乾燥部
10 巻取部
11 ガイドロール
12 可動型
13 固定型
14 キャビティ形成面
15 クランプ部材
16 ゲート部
17 成形樹脂
18 樹脂成形品
19 真空吸引孔
20 キャビティ
21 加熱板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a decorative film for decorating three-dimensional resin molded products such as automobile indicator panels and home appliance audio panels, and more particularly to a film used for decorating a deep drawing shape.
[0002]
[Prior art]
After obtaining a decorative film by printing a design on a base film as a method for obtaining an automotive indicator panel or an audio panel for home appliances, supplying it into an injection mold and molding a three-dimensional molded product At the same time, there is a molding simultaneous decorating method in which a decoration film is integrally bonded to a molded product for decoration. As a base film for the decorative film, conventionally, an unstretched polycarbonate film having a heat resistance (thermal deformation temperature of 135 to 150 ° C.) has been used (see JP-A-2-215511).
[0003]
Since this unstretched polycarbonate film has heat resistance, even if it is subjected to drying heat (mainly 60 to 80 ° C.) in the process of providing a printed layer such as a design layer, the dimensional change of the base film is small (see FIG. 2). Therefore, the pattern pattern printed on the base film is less likely to be distorted, and each color pattern is easily registered in the multicolor printing process.
[0004]
Then, before or after supplying such a decorative film into the injection mold, the cavity forming surface of the movable mold of the injection mold by pre-molding such as vacuum forming or vacuum / pressure forming When processing into a three-dimensional shape so as to follow, the non-stretched polycarbonate film has heat resistance, so that the surface temperature of the heater such as the heating plate 21 is set to 300 ° C. to 400 ° C. so that it can be easily processed. It is common to heat (see FIG. 5).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the base film made of the polycarbonate resin has a problem that it is extremely inferior in solvent resistance and chemical resistance. If the solvent resistance and chemical resistance are inferior, the organic solvent used in the printing process is fragile and brittle, and is easily broken during preforming. Further, if the surface is wiped with a material containing detergent or alcohol after being integrally bonded to the surface of the molded product, cracks are likely to occur.
[0006]
Further, in the case of high temperature heating, since the difference between the heater and the outside air temperature is large, the heat radiation at the outer periphery of the heater is intense, and it is difficult to control the entire surface of the decorative film to be heated uniformly. In addition, since the difference between the heater and the outside air temperature is large, it is easy for the heater to dissipate heat when the wind generated by convection or movement of the heater hits it, and it is difficult to control the temperature applied to the decorative film at any time. is there. Therefore, when preforming such as vacuum forming or vacuum / pressure forming in such a heated state, the easiness of elongation of the decorative film varies depending on the part, or the easiness of elongating varies between individual preforms. There was a problem in thermoformability. Alternatively, it was sometimes heated too much and evacuated to create holes.
[0007]
Therefore, the present invention eliminates the above-described problems, improves solvent resistance and chemical resistance, and uses a base film with good thermoformability at the time of preforming, for simultaneous molding decoration. An object is to provide a decorative film that can be deep-drawn to be used.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the decorative film of the present invention is formed on at least a pattern layer on a base film through a printing process and set in a mold for injection molding so as to be integrated with the surface of the molding resin. A decorative film to be bonded, polycarbonate resin as a resin component constituting the base film, At least one of acrylonitrile butadiene styrene, polybutylene terephthalate, polyethylene terephthalate and their modified resins; And a base film having a thermal deformation temperature (deflection temperature under load) of 85 to 120 ° C. according to ASTM-D648 method (1.82 MPa) is used.
[0009]
Moreover, in the said structure, about the resin component which comprises a base film, A polycarbonate resin and at least one of acrylonitrile butadiene styrene, polybutylene terephthalate, polyethylene terephthalate and their modified resins; The weight composition ratio is 82:19 to 38:62.
[0010]
Moreover, in each said structure, the ASTM-D648 method ( 1.82 A backing sheet having a thermal deformation temperature (deformation temperature under load) of 120 ° C. or less was laminated.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0012]
1 and 3 are cross-sectional views showing an embodiment of a decorative film according to the present invention, FIG. 2 is a view showing an embodiment of a printing process of the decorative film, and FIGS. 4 to 8 are decorative films. It is a figure which shows one Example of the shaping | molding simultaneous decorating process using the. In the figure, 1 is a decorative film, 2 is a base film, 3 is a design layer, 4 is a backing sheet, 5 is an unwinding part, 6 is an ink pan, 7 is a plate cylinder, 8 is an impression cylinder, and 9 is a drying part. 10 is a winding part, 11 is a guide roll, 12 is a movable mold, 13 is a fixed mold, 14 is a cavity forming surface, 15 is a clamp member, 16 is a gate part, 17 is a molded resin, 18 is a resin molded product, 19 Denotes a vacuum suction hole, 20 denotes a cavity, and 21 denotes a heating plate.
[0013]
The decorative film 1 of the present invention is a process in which at least a
[0014]
The base film 2 is made of a polycarbonate resin and a resin other than the polycarbonate resin as the resin component. The base film 2 having such a resin component can provide a decorative film having improved solvent resistance and chemical resistance as compared with a base film made of a conventional polycarbonate resin alone. In the present invention, the polycarbonate resin is a general term for compounds having a carbonate type structure in the structural unit represented by the following chemical formula 1, and refers to an aromatic polycarbonate here. In particular, poly-4,4'-isopropylene diphenyl carbonate (Chemical Formula 2) is used as an aromatic polycarbonate.
[0015]
[Chemical 1]
[0016]
[Chemical 2]
[0017]
Moreover, as resin other than the said polycarbonate resin which comprises the base film 2 with polycarbonate resin, For example, AAS (acrylonitrile / acrylic rubber / styrene), EEA (ethylene / acrylic acid ester), ABS (acrylonitrile butadiene styrene), ACS (acrylonitrile / chlorinated polyethylene / styrene), PEN (polyethylene naphthalate), PBT (polybutylene) Polyester resins such as terephthalate) and PET (polyethylene terephthalate), and modified ones thereof can be used, but are not particularly limited as long as they are resins other than polycarbonate resins. Solvent resistant to the extent that it is hardly attacked by the organic solvent used in the printing process and to the extent that no cracks occur even if the surface is wiped with a substance containing detergent or alcohol after being integrally bonded to the surface of the molded product. In order to greatly improve the property and chemical resistance, the weight composition ratio between the polycarbonate resin and the resin other than the polycarbonate resin is 85:15, or the ratio of the resin other than the polycarbonate resin is higher than the weight composition ratio. To be mixed.
[0018]
Moreover, the base film 2 is the ASTM-D648 method ( 1.82 A material having a heat deformation temperature (a deflection temperature under load) of 85 to 120 ° C. is used. By using the base film 2 having such characteristics, a decorative film having both dimensional stability during printing and thermoformability during preforming can be obtained.
[0019]
Considering the dimensional stability at the time of printing of the decorative film, the base film 2 is dried and heated at 60 to 80 ° C. in the process of providing a printing layer such as the
[0020]
On the other hand, considering the thermoformability at the time of preforming the decorative film, the base film 2 is made of a material that requires less heat to be applied during the preforming so that the difference between the heater and the outside air temperature does not increase. There must be. As a result of pre-molding of the decorative film having the base film 2 having various heat distortion temperatures by the present inventor, the ASTM-D648 method ( 1.82 If the heat deformation temperature (deformation temperature under load) of 120 MPa or less is used, the difference between the heater and the outside air temperature can be made sufficiently small at the time of preforming. Does not vary depending on the individual pre-molding, and does not vary in easiness of stretching, and there is no hole due to evacuation in a partially heated state. It turns out that you can get.
[0021]
The above ASTM-D648 method ( 1.82 (MPa) is a base film 2 having a thermal deformation temperature (deflection temperature under load) of 85 to 120 ° C. As a resin other than the polycarbonate resin used for the base film 2, acrylonitrile butadiene styrene, polybutylene terephthalate, polyethylene terephthalate In addition, it was found that a resin having a weight composition ratio of 82:19 to 38:62 between the polycarbonate resin and the resin other than the polycarbonate resin using at least one of these modified resins is suitable.
[0022]
When the proportion of the polycarbonate resin is greater than the above weight composition ratio 82:19, the deflection temperature under load according to ASTM-D648 method of the base film becomes higher than 120 ° C, and the film of the polycarbonate resin alone (the deflection temperature under load is 125 to 150 ° C). Near heat resistance. That is, sufficient thermoformability at the time of preforming cannot be obtained. On the other hand, when the proportion of the polycarbonate resin is less than the above weight composition ratio 38:62, the deflection temperature under load according to the ASTM-D648 method of the base film 2 becomes lower than 85 ° C., and the drying heat (mainly 60 to 85 in the printing process). The dimensional stability of the base film 2 with respect to (° C.) cannot be sufficiently obtained.
[0023]
Moreover, it is preferable to make the thickness of the said base film into the range of 0.05-1 mm. If the thickness is less than 0.05mm, the film is too thin when it is pre-molded outside the mold for injection molding and supplied into the mold. This is because it is difficult to handle. Further, if the thickness exceeds 1 mm, there are many problems that the printing press cannot handle, and there is a problem that printing becomes difficult.
[0024]
Moreover, it is preferable to use an unstretched film for the base film of the present invention. An unstretched film is also referred to as an unstretched film, and refers to a film that does not intentionally undergo a stretching process during film formation. In addition, when the base film is manufactured in a long length, since there is a winding process at the end, it takes some stretching in the direction of winding the base film. To. In general, a stretched film is crystallized in the film by stretching, and its mechanical strength is too strong. For this reason, a decorative film using a stretched film as a base film is difficult to be preformed, and is not particularly suitable for deep drawing. In contrast, an unstretched film is not stretched, so that crystallization does not proceed and mechanical strength is not too strong. Therefore, a decorative film using an unstretched film as a base film is easy to preform and deep drawing is easy. For the production of an unstretched film, a T-die extrusion method, a calendar method, a casting method, or the like can be used.
[0025]
The ASTM-D648 method ( 1.82 (MPa) is a measurement method similar to JIS K-6871 (18.6 kg). Therefore, the decorative film 1 of the present invention has a heat distortion temperature (18.6 kg) of the base film 2 according to JIS K-6871 (18.6 kg). The deflection temperature under load) may be 85 to 120 ° C.
[0026]
As the decorative film 1 used in the present invention, a transfer material or an insert material can be used.
[0027]
The insert material is obtained by forming the
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
Further, an adhesive layer may be formed. The adhesive layer adheres the insert material to the molding resin 17, and is formed on the
[0031]
Moreover, you may laminate | stack the backing sheet 4 on the base film which passed through the said printing process (refer FIG. 3). The backing sheet 4 is used when the decorative film 1 is given waist strength and the decorative film is preformed outside the mold for injection molding or when the decorative film is supplied into the injection mold. It is for facilitating handling and fusing with injection molding resin. However, the backing sheet 4 uses a film having a heat deformation temperature (a deflection temperature under load) of 120 ° C. or less according to the ASTM-D648 method (1820 MPa). When the thermal deformation temperature of the backing sheet 4 exceeds 120 ° C., a high temperature is required for preforming the decorative film, and the stretchability of the decorative film varies depending on the part, and it can be easily stretched by individual preforming. This is because there are variations in thickness. In addition, since the backing sheet 4 of the present invention does not go through the printing process, the deformation temperature (the deflection temperature under load) need not be 85 ° C. or higher. The above ASTM-D648 method ( 1.82 As the backing sheet 4 having a heat deformation temperature (deformation temperature under load) of 120 MPa or less, for example, a polypropylene (heat deformation temperature 49 to 60 ° C.) resin or the like may be used.
[0032]
Next, the case where the decorating film 1 is used as a transfer material will be described. The transfer material is obtained by providing a transfer layer composed of a release layer, a
[0033]
As the base film 2, the same material as in the case of the insert material can be used. In order to improve the peelability of the transfer layer from the base film 2, the release layer may be formed on the entire surface before the transfer layer is provided on the base film 2. The release layer is released from the transfer layer together with the base film 2 when the base film 2 is peeled off after the transfer. As the material of the release layer, melamine resin release agent, silicone resin release agent, fluororesin release agent, cellulose derivative release agent, urea resin release agent, polyolefin resin release agent, Paraffin-type release agents and composite release agents thereof can be used. As a method for forming the release layer, there are a coating method such as a roll coating method and a spray coating method, a printing method such as a gravure printing method and a screen printing method.
[0034]
The release layer is formed entirely or partially on the base film 2 or the release layer. The release layer is a layer that peels from the base film 2 or the release layer and becomes the outermost surface of the transfer object when the base film 2 is peeled after transfer. The release layer can be made of acrylic resin, polyester resin, polyvinyl chloride resin, cellulose resin, rubber resin, polyurethane resin, polyvinyl acetate resin, or vinyl chloride-vinyl acetate copolymer system. A copolymer such as a resin or an ethylene-vinyl acetate copolymer resin may be used. When the release layer requires hardness, a photo-curing resin such as an ultraviolet curable resin, a radiation curable resin such as an electron beam curable resin, or a thermosetting resin may be selected and used. The release layer may be colored or uncolored. As a method for forming the release layer, there are a coating method such as a gravure coating method, a roll coating method and a comma coating method, a printing method such as a gravure printing method and a screen printing method.
[0035]
The
[0036]
The adhesive layer adheres each of the above layers to the surface of the molding resin 17. The adhesive layer is formed on a portion to be bonded. That is, when the part to be bonded is the entire surface, an adhesive layer is formed on the
[0037]
Next, a method for producing a simultaneously molded decorative molded product will be described.
[0038]
First, the decorative film 1 is set on the surface of the movable mold 12 which is an injection mold (see FIG. 4).
[0039]
As a specific example of how to set the movable mold 12, a long decorative film 1 is temporarily wound around a roll shaft to form a roll-shaped roll, and this roll-shaped scroll is placed on the upper part of the movable mold 12 for injection molding. The movable mold 12 is placed so as to be movable integrally with the movable mold 12, and the decorative film 1 is unwound from the roll-shaped scroll while passing between the retracted movable mold 12 and the fixed mold 13 so that the movable mold for injection molding is used. What is necessary is just to wind up the film 1 for decorating with the roll axis | shaft of the film winding means installed in the lower part of 12 so that the movable mold | type 12 could move integrally. As another example, a sheet of decorative film 1 may be used and set on the surface of the movable mold 12 by a robot or manually. When the decorative film 1 is set on the surface of the movable mold 12, the decorative film 1 is arranged on the surface of the movable mold 12, and then the position of the decorative film 1 with respect to the surface of the movable mold 12 is determined by a positioning sensor or the like. The decorative film 1 may be pressed against the surface of the movable mold 12 for injection molding by the clamp member 15.
[0040]
Next, after the decorative film 1 is set on the surface of the movable mold 12 for injection molding, the decorative film 1 is moved by using the vacuum suction holes 19 formed in the movable mold 12 for injection molding. Then, vacuum suction is performed along the
[0041]
Instead of the above method, before setting the decorative film 1 on the surface of the movable mold 12 for injection molding, a three-dimensional machining mold different from the movable mold 12 for injection molding and the fixed mold 13 is used. The decorative film 1 is preformed into a desired three-dimensional shape in advance, and after punching into a desired shape, the preformed decorative film 1 is inserted into the recess of the movable mold 12 for injection molding. Alternatively, see FIG. Examples of the desired three-dimensional shape include a shape matching the
[0042]
Next, the movable mold 12 is closed with respect to the fixed mold 13, and the molten molding resin 17 is injected into the cavity 20 from the
[0043]
Thereafter, after the resin molded product 18 is taken out from the movable mold 12, unnecessary portions of the decorative film 1 adhered to the resin molded product 18 are removed (see FIG. 8). In addition, when it punched in a desired shape previously as mentioned above, the operation | work which removes the unnecessary part of the film 1 for decorating is unnecessary.
[0044]
The movable mold 12 and the fixed mold 13 as injection molds are not particularly limited to the above-described embodiment, and are constituted by the fixed mold 13 and the movable mold 12 having the
[0045]
The molding resin 17 is not particularly limited. For example, an acrylic resin, a polystyrene resin, a polyacrylonitrile styrene resin, a polyacrylonitrile butadiene styrene resin, or the like can be used. Moreover, as a typical molding resin 17 used for interior parts and exterior parts of automobiles, there can be mentioned polypropylene resin containing talc, modified polypropylene resin, and the like.
[0046]
Next, the mold is opened, and the resin molded product 18 to which the decorative film 1 is integrated and bonded is taken out. When the decorative film 1 is a transfer material, the base film 2 is peeled off. In this way, a simultaneously molded decorative molded product can be obtained.
[0047]
In the case of a horizontal injection molding machine, it is as described above. However, in the case of a vertical injection molding machine, the relationship between the fixed mold 13 and the movable mold 12 is opposite to that in the case of a horizontal injection molding machine. Moreover, the mold of the injection molding machine can be similarly applied not only to the case of two sheets but also to the case of three sheets.
[0048]
【Example】
<Example 1> A polycarbonate resin and a polybutylene terephthalate resin having the following composition were kneaded and compounded as resin components constituting the base film. ASTM-D648 method of this resin ( 1.82 (MPa), the heat distortion temperature (deflection temperature under load) was 106 ° C. This was formed into an unstretched film having a thickness of 0.18 mm by a T-die extrusion method to obtain a base film.
Polycarbonate resin:
Lexan 131 (extrusion grade: Nihon GE Plus)
60 parts by weight manufactured by Chick Co., Ltd. (heat distortion temperature 135 ° C)
Polybutylene terephthalate resin:
Planac BT-1500 (extrusion processing grade: Dainippon
40 parts by weight, manufactured by NKI CHEMICAL INDUSTRIES CO., LTD.
[0049]
On this base film, 5 colors of wood grain printing was performed in the gravure printing process, and after winding up, a total of 8 color car indicator (meter) parts including 1 color of the adhesive layer were printed in the screen printing process. . The drying temperature in the gravure printing process was 75 ° C., and the drying temperature in screen printing was 80 ° C. Since the film expansion and contraction in each step was suppressed to less than 0.3% without variation in the entire length of the base film, a decorative film having no misregistration between colors in printing was obtained.
[0050]
After the decorative film obtained as described above was set in a mold for injection molding, it was heated with a heater at 220 ° C. for 15 seconds so that the film surface temperature became 108 ° C. . Thereafter, vacuuming was performed, and preforming was performed so that the base film side of the decorative film was in close contact with the cavity forming surface of the mold. The decorative film after the preforming was stretched uniformly, and there was no character deformation of the indicator panel portion. Moreover, it did not heat too much and the vacancy by pressure did not generate | occur | produce in the vacuum process. Moreover, since the base film is not attacked by the organic solvent used in the printing process, the decorative film has sufficient strength to withstand the preforming.
[0051]
After closing the mold, a molding resin made of acrylonitrile butadiene styrene resin is injected into the cavity, and the molding resin is solidified to form a resin molded product. An automotive indicator panel with a part was obtained. The indicator panel thus obtained was beautifully decorated without printing misregistration or character deformation. Further, this indicator panel did not generate cracks with respect to ethyl alcohol or a neutral detergent that was wiped when oil was dirty.
[0052]
<Example 2> As a resin component constituting the base film, a polycarbonate resin having the following composition and an acrylonitrile butadiene styrene resin are kneaded and compounded, and the resin is subjected to ASTM-D648 method ( 1.82 The conditions were the same as in Example 1 except that the heat distortion temperature (deformation temperature under load) was 115 ° C.
Polycarbonate resin:
Lexan 131 (extrusion grade: Nihon GE Plus)
70 parts by weight manufactured by Chick Co., Ltd. (heat distortion temperature 135 ° C)
Acrylonitrile butadiene styrene resin:
Toyolac 930 (Transparent grade: Toray Industries, Inc., thermal deformation
30 parts by weight)
[0053]
In Example 2, as in Example 1, the film expansion and contraction in each printing step was suppressed to less than 0.3% without variation in the winding, so a decorative film with no misregistration between colors in printing was obtained. Obtained. Moreover, the decorative film after preforming was uniformly stretched, and there was no character deformation or perforation of the indicator panel portion. Furthermore, since the base film was not attacked by the organic solvent used in the printing process, the decorative film had a strength sufficient to withstand the preforming. As a result, the obtained indicator panel was beautifully decorated without misregistration of printing and character deformation. Further, this indicator panel did not generate cracks with respect to ethyl alcohol or a neutral detergent that was wiped when oil was dirty.
[0054]
<Example 3>
As a resin component constituting the base film, a polycarbonate resin of the following composition and a copolymerized polyethylene terephthalate resin are kneaded and compounded, and this resin is subjected to ASTM-D648 method ( 1.82 The conditions were the same as in Example 1 except that the heat distortion temperature (deformation temperature under load) was 103 ° C.
Polycarbonate resin:
Lexan 131 (extrusion grade: Nihon GE Plus)
55 parts by weight manufactured by Chick Co., Ltd. (heat distortion temperature 135 ° C)
Copolyethylene terephthalate resin:
KR-560 (grade for sheet: manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.)
45 parts by weight)
[0055]
In Example 3 as well as Example 1 and Example 2, the film expansion and contraction in each printing step was suppressed to less than 0.3% without variation in the winding, so there was no misregistration between colors in printing. A decorative film was obtained. Moreover, the decorative film after preforming was uniformly stretched, and there was no character deformation or perforation of the indicator panel portion. Furthermore, since the base film was not attacked by the organic solvent used in the printing process, the decorative film had a strength sufficient to withstand the preforming. As a result, the obtained indicator panel was beautifully decorated without misregistration of printing and character deformation. Further, this indicator panel did not generate cracks with respect to ethyl alcohol or a neutral detergent that was wiped when oil was dirty.
[0056]
<Example 4>
On the printing surface of the base film of the same printed film as in Examples 1 to 3, a 0.35 mm thick film of polypropylene (Novatech PP MA3: manufactured by Nippon Polychem Co., Ltd., heat distortion temperature 68 ° C.) is dried as a backing sheet. A laminated decorative film was obtained by lamination, and an automotive indicator panel in which an indicator portion was present in the eye panel was obtained in the same manner as in Examples 1 to 3. The decorative film after preforming was uniformly stretched, and there was no character deformation or perforation in the indicator panel portion. Further, the obtained indicator panel was beautifully decorated without misprinting or character deformation. Further, this indicator panel did not generate cracks with respect to ethyl alcohol or a neutral detergent that was wiped when oil was dirty.
[0057]
<Comparative example>
Using only Lexan 131 (extrusion processing grade: Nippon GE Plastics Co., Ltd., heat distortion temperature 135 ° C.), which is a polycarbonate resin used in the Examples, a film was formed on an unstretched film having a thickness of 0.18 mm by a T-die extrusion method. Thus, a base film was obtained.
[0058]
The printing process was the same as in the example. There were no problems in the printing process as in the examples.
[0059]
Using this decorative film, preforming was performed under the same conditions as in the Examples, but the drawability of the film was poor and the heater temperature was gradually raised. When the heater temperature was 320 ° C. and heated for 15 seconds, the decorative film finally became the same aperture as in the examples. However, because the temperature applied to the decorative film is not stable, 3 out of 10 sheets are partially heated too much, and printing deformation is observed in one part, and one sheet has holes due to pressure in the subsequent vacuum process Occurred. In addition, one of the sheets broke during the pre-molding because the base film was damaged by the organic solvent used in the printing process. As a result, the obtained indicator panel had a part where the misregistration of printing, character deformation, and the decorative film were damaged. Also, In the obtained indicator panel, cracks occurred in the same ethyl alcohol and neutral detergent as in the examples.
[0060]
【The invention's effect】
Since this invention consists of an above-described structure, there exist the following effects.
[0061]
The decorative film of the present invention is a decorative film in which at least a design layer is formed on a base film through a printing process, is set in a mold for injection molding, and is integrally bonded to the surface of a molding resin. And a polycarbonate resin as a resin component constituting the base film, At least one of acrylonitrile butadiene styrene, polybutylene terephthalate, polyethylene terephthalate and their modified resins; Is used, and the base film has a heat deformation temperature (deflection temperature under load) of 85 to 120 ° C. according to ASTM-D648 method (1.82 MPa), so that the solvent resistance and chemical resistance are improved, and It has good thermoformability during molding.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an embodiment of a decorative film according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an example of a printing process of a decorative film according to the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing an example of a decorative film according to the present invention.
FIG. 4 is a view showing an example of a simultaneous molding and decorating process using the decorative film according to the present invention.
FIG. 5 is a view showing one example of a simultaneous molding and decorating step using the decorative film according to the present invention.
FIG. 6 is a view showing one example of a simultaneous molding and decorating step using the decorative film according to the present invention.
FIG. 7 is a diagram showing an example of a simultaneous molding and decorating process using the decorating film according to the present invention.
FIG. 8 is a view showing one example of a simultaneous molding and decorating step using the decorative film according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Decorating film
2 Base film
3 design layers
4 backing sheet
5 Unwinding part
6 Ink pan
7 Plate cylinder
8 impression cylinder
9 Drying section
10 Winding part
11 Guide roll
12 Movable type
13 Fixed type
14 Cavity forming surface
15 Clamp member
16 Gate part
17 Molding resin
18 resin molded products
19 Vacuum suction hole
20 cavities
21 Heating plate
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