JP3894621B2 - Cord member terminal processing device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、成形ドラムへのコード部材の巻付け時に該コード部材の端末を処理するコード部材の端末処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コード部材の成形ドラムへの巻付けは、成形ドラムを回転させながらガイドローラによってコード部材を成形ドラム(実際には成形ドラムに装着されているタイヤ中間体)に押付け圧着することで行うようにしている。そして、コード部材が成形ドラムの周囲に所定回数巻付けられると、ガイドローラを成形ドラムから離隔させる。次に、作業者がガイドローラと成形ドラムとの間に張り渡されたコード部材を途中において掴むとともに、該掴んだ位置より成形ドラム側のコード部材を作業者が手動カッターによって切断し、その後、切断されたコード部材の終端部を終端巻付けローラによって該成形ドラムの周囲に巻付ける。このようにしてコード部材の巻付けが終了すると、巻付けられたコード部材を、前述のようにタイヤ中間体と共に成形ドラムから取り出すとともに、新しいタイヤ中間体を成形ドラムに装着し、次に、作業者が掴んでいるコード部材の始端を成形ドラムに供給して押付け圧着した後、該コード部材を前述と同様に成形ドラムの周囲に巻付けるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来においては、コード部材の端末処理を作業者が手作業で行うようにしているため、成形ドラムの周囲に人員を配置しておく必要があり、しかも、このようなことから作業能率が低くなってしまうという問題点がある。
【0004】
この発明は、省力化を図りながらコード部材の端末処理を高能率で行うことができるコード部材の端末処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、成形ドラムに接近離隔可能で、成形ドラムにコード部材を巻付けるとき、成形ドラムに接近して該コード部材を成形ドラムに押し付け圧着するとともに、成形ドラムにコード部材が所定回数巻付けられると、成形ドラムから離隔するガイド部材と、離隔位置にあるガイド部材と成形ドラムとの間に張り渡されているコード部材を把持することができるとともに、成形ドラムに対して接近離隔することができる把持部材と、前記コード部材を把持部材と成形ドラムとの間で切断するカッターと、切断されたコード部材の終端部を回転している成形ドラムに押付けて巻付ける終端巻付け部材と、ガイド部材、把持部材が共に成形ドラムに接近したとき、把持部材の把持から解放されたコード部材の始端を成形ドラムに押し付け圧着する圧着部材と、を備えたコード部材の端末処理装置において、前記把持部材を、圧着部材よりガイド部材側に配置された第2把持部材と反ガイド部材側に配置された第1把持部材とから構成し、前記切断されたコード部材の始端部を、カッターによる切断時とガイド部材の成形ドラムへの接近時との間に第1把持部材から第2把持部材に受渡すようにすることにより達成することができる。
【0006】
今、回転している成形ドラムに供給されたコード部材が接近位置のガイド部材によって該成形ドラム(成形ドラムに装着されているタイヤ中間体)に押付けられながら圧着され、その周囲に巻付けられているとする。そして、コード部材が成形ドラムの周囲に所定回数巻付けられると、接近位置のガイド部材を成形ドラムから離隔させる。次に、離隔位置のガイド部材と成形ドラムとの間に張り渡されているコード部材の途中を把持部材によって把持した後、該コード部材をカッターによって把持部材と成形ドラムとの間で切断する。この結果、切断端と成形ドラムとの間のコード部材は成形ドラムに巻付けられたコード部材の終端部となるが、この終端部は回転している成形ドラムの周囲に終端巻付け部材によって巻付けられる。一方、切断端とガイド部材との間のコード部材は成形ドラムに次に巻付けられるコード部材の始端部となるが、この始端部は前述のように把持部材によって把持されている。このようにしてコード部材の巻付けが終了すると、巻付けられたコード部材をタイヤ中間体と共に成形ドラムから取り出すとともに、新しいタイヤ中間体を成形ドラムに装着する。このとき、コード部材の始端部が成形ドラムの近傍に位置していると、前述の作業の邪魔となるので、コード部材の始端部を把持部材と共に成形ドラムから離隔退避させる。そして、前述の作業が終了すると、ガイド部材、把持部材を成形ドラムに共に接近させ、前記ガイド部材によってコード部材を成形ドラムに押し付け圧着するとともに、コード部材の始端部を成形ドラムの近傍まで移送する。次に、コード部材の始端部を把持部材による把持から解放するとともに、該コード部材の始端を圧着部材によって成形ドラムに押し付け圧着した後、成形ドラムを回転させてコード部材を成形ドラムの周囲に巻付ける。このようにコード部材の終端部および始端部の処理を人手に頼ることなく機械的に行うことができるため、省力化を達成することができるとともに作業能率を向上させることができる。
【0007】
コード部材を良好に切断するためには、把持部材の近傍においてコード部材をカッターによって切断することが望ましいが、このようにすると、把持部材より始端側のコード部材がかなり短くなって圧着部材によるコード部材の始端の成形ドラムへの圧着が困難となる。しかしながら、前述のように構成すれば、第1把持部材から第2把持部材へのコード部材の受渡しによって把持位置より始端側に位置するコード部材の長さが長くなり、圧着部材によるコード部材の始端の成形ドラムへの圧着が容易となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は円筒状のタイヤ成形ドラムであり、この成形ドラム11は回転可能でかつ拡縮径可能である。この成形ドラム11にはトロイダル状をしたカーカス層、ビードコア、ベルト層等からなるタイヤ中間体12が装着されている。
【0009】
15は前記成形ドラム11の後方に設置され成形ドラム11の軸線方向に往復動することができる端末処理装置であり、この端末処理装置15は上面に前後方向に延びる案内レール17が敷設されたベース16を有する。18は前記案内レール17に摺動可能に係合するスライドベアリング19が下面に取り付けられた移動台であり、この移動台18には前記ベース16に支持された前後方向に延びるシリンダ20のピストンロッド21の先端が連結されている。この結果、前記シリンダ20が作動してピストンロッド21が突出したり引っ込んだりすると、移動台18は案内レール17に案内されながら前後方向に移動し、成形ドラム11に接近離隔する。23は前記移動台18の前端部上面に固定された取付けブラケットであり、この取付けブラケット23の上端部にはガイド部材としてのガイドローラ24が回転可能に支持され、このガイドローラ24の外周には円周方向に延びる図示していないガイド溝が形成されている。そして、このガイドローラ24の後方から供給されてきたコード部材25はガイド溝に嵌合案内された後、成形ドラム11、詳しくはタイヤ中間体12に導かれる。ここで、コード部材25としては、例えばアラミド繊維、スチール等の高張力コードの周囲にゴムを被覆したものが用いられ、コードの本数は1本でもよく、あるいは数本のコードを平行に並べて帯状としたものでもよい。そして、前記ガイドローラ24は前述したシリンダ20の作動により成形ドラム11に接近離隔することができ、成形ドラム11(タイヤ中間体12)にコード部材25を巻付けるときには、成形ドラム11に接近して該コード部材25を成形ドラム11(タイヤ中間体12)に押し付け圧着し、一方、コード部材25が成形ドラム11(タイヤ中間体12)に所定回数巻付けられると、成形ドラム11から離隔して成形ドラム11(タイヤ中間体12)との間にコード部材25を張り渡す。
【0010】
図1、2、3において、28は移動台18の前端部下面に固定され、該移動台18と一体的に移動することができる取付けフレームであり、この取付けフレーム28には前方に向かうに従い上方に傾斜したガイドレール29が敷設され、このガイドレール29には可動台30の下面に取り付けられたスライドベアリング31が摺動可能に係合している。32は取付けフレーム28に支持され前記ガイドレール29に平行に延びるシリンダであり、このシリンダ32のピストンロッド33の先端は前記可動台30に連結されている。この結果、シリンダ32が作動してピストンロッド33が突出したり引っ込んだりすると、可動台30は成形ドラム11、詳しくは成形ドラム11と離隔位置のガイドローラ24との間に張り渡されたコード部材25に接近離隔する。35は可動台30に取り付けられたスライドベアリングであり、このスライドベアリング35には上下方向に延びるスライド部材36が昇降可能に支持されている。このスライド部材36の上端には成形ドラム11の軸線に平行に延びるシリンダ37のヘッド側が固定され、このシリンダ37のロッド側にはL字形をした一方の把持爪38が固定されている。また、前記シリンダ37のピストンロッド39の先端には略Z形をした他方の把持爪40が固定されている。そして、前記シリンダ37が作動してピストンロッド39が引っ込むと、把持爪40の把持部40aは把持爪38の把持部38aに接近し、成形ドラム11(タイヤ中間体12)とガイドローラ24との間に張り渡されたコード部材25を両側から把持する。前述した把持爪38、40は全体として、離隔位置にあるガイドローラ24と成形ドラム11(タイヤ中間体12)との間に張り渡されているコード部材25をシリンダ37の作動により把持することができるとともに、シリンダ20およびシリンダ32の作動により成形ドラム11に対して接近離隔することができる第1把持部材41を構成する。
【0011】
45は可動台30に固定され前記シリンダ32に平行に延びるシリンダであり、このシリンダ45の2本のピストンロッド46の先端には支持ブロック47が取り付けられている。48は支持ブロック47に固定されたモータであり、このモータ48の出力軸には円板状のロータリーカッター49が固定され、このカッター49は外周に切断刃を有するとともに、前記第1把持部材41より成形ドラム11側に該第1把持部材41に近接して配置されている。そして、このカッター49がモータ48に駆動されて軸線回りに高速回転しているとき、シリンダ45のピストンロッド46が突出すると、該カッター49はコード部材25を第1把持部材41と成形ドラム11との間において切断するが、この際、カッター49として前述のようなロータリーカッターを用いているので、コード部材25が前述のアラミド繊維のような高強度の素材から構成されたものである場合でも、該コード部材25を長時間良好に切断することができる。
【0012】
52は前記前記可動台30の前端に固定されたブラケットであり、このブラケット52には前記成形ドラム11と軸線が平行である終端巻付け部材としての巻付けローラ53が回転可能に支持され、この巻付けローラ53はカッター49と成形ドラム11との間においてコード部材25に重なり合うよう配置されている。そして、この巻付けローラ53は、前述したカッター49によるコード部材25の切断後、シリンダ32によって成形ドラム11(タイヤ中間体12)に押し付けられ、切断によって形成されたコード部材25の終端部を回転している成形ドラム11(タイヤ中間体12)に押付けて巻付ける。
【0013】
図1、2、4において、57は取付けブラケット23の上端部にヘッド側が固定されたシリンダであり、このシリンダ57は成形ドラム11の軸線に平行に延びている。58は取付けブラケット23に取り付けられた一方の把持爪であり、59は前記シリンダ57のピストンロッド60の先端に固定された他方の把持爪である。そして、前記シリンダ57が作動してピストンロッド60が突出すると、把持爪59の把持部59aは把持爪58の把持部58aに接近し、第1把持部材41とガイドローラ24との間に張り渡されているコード部材25をガイドローラ24の近傍において両側から把持する。前述した把持爪58、59は全体として、コード部材25をシリンダ57の作動により把持することができるとともに、シリンダ20の作動により成形ドラム11に対して接近離隔することができる第2把持部材61を構成する。そして、この第2把持部材61には第1把持部材41から切断されたコード部材25の始端部が、カッター49によるコード部材25の切断時とガイドローラ24の成形ドラム11への接近時との間に受け渡される。前述した第1、第2把持部材41、61は全体として把持部材62を構成する。
【0014】
65は前記取付けブラケット23に固定された取付けプレートであり、この取付けプレート65の下面には前後方向に延びるシリンダ66が取り付けられている。68はシリンダ66の2本のピストンロッド67の先端に固定され成形ドラム11の軸線に沿って延びる圧着部材であり、この圧着部材68は前記第2把持部材61の直下にこれに近接して配置され、前記シリンダ66が作動してピストンロッド67が突出したり引っ込んだりすることにより、成形ドラム11に接近離隔する。このようなことから前記第2把持部材61はこの圧着部材68よりガイドローラ24側に配置され、一方、前記第1把持部材41は圧着部材68の反ガイドローラ24側に配置されていることになる。そして、この圧着部材68はシリンダ20の作動によりガイドローラ24、把持部材62が成形ドラム11に接近したとき、シリンダ66の作動によってコード部材25の始端を成形ドラム11(タイヤ中間体12)に押し付け圧着する。
【0015】
次に、この発明の一実施形態の作用について説明する。
今、回転している成形ドラム11、詳しくは成形ドラム11に装着されたタイヤ中間体12にコード部材25が後方から次々と供給され、接近位置のガイドローラ24により押付け圧着されることで、図5に示すように成形ドラム11(タイヤ中間体12)の周囲に巻付けられているとする。このとき、端末処理装置15は成形ドラム11の軸方向に移動するため、コード部材25は成形ドラム11(タイヤ中間体12)の周囲に螺旋状に巻付けられる。そして、コード部材25が成形ドラム11(タイヤ中間体12)の周囲に所定回数巻付けられレイヤー、キャップと呼ばれる補強層を構成すると、成形ドラム11の回転、端末処理装置15の軸方向への移動およびコード部材25の成形ドラム11への供給を停止させる。次に、シリンダ20のピストンロッド21を引っ込ませ、移動台18、ガイドローラ24を一体的に案内レール17に沿って離隔位置まで後方に移動させる。この結果、成形ドラム11(タイヤ中間体12)とガイドローラ24との間に間隙が発生するが、このとき、コード部材25は連続しているので、該コード部材25の一部が図6に示すように、離隔位置のガイドローラ24と成形ドラム11(タイヤ中間体12)との間に張り渡される。
【0016】
次に、シリンダ32を作動してピストンロッド33を突出させ、図7に示すように第1把持部材41、巻付けローラ53を成形ドラム11(タイヤ中間体12)から離反した位置近傍のコード部材25に向かって移動させる。そして、前記第1把持部材41、巻付けローラ53の移動は、巻付けローラ53が成形ドラム11(タイヤ中間体12)の外周に離反位置近傍のコード部材25を押し付けたとき停止するが、このとき、張り渡されたコード部材25の途中は第1把持部材41の開放した把持爪38、40間、詳しくは把持部38a、40a間に位置する。次に、シリンダ37を作動してピストンロッド39を引っ込めることにより、把持爪40の把持部40aを把持爪38の把持部38aに接近させ、離隔位置のガイドローラ24と成形ドラム11(タイヤ中間体12)との間に張り渡されているコード部材25の途中をこれら把持部38a、40aによって両側から把持する。
【0017】
次に、モータ48によってカッター49を軸線回りに高速回転させるとともに、シリンダ45のピストンロッド46を突出させてカッター49をコード部材25に向かって移動させる。これにより、カッター49は張り渡されているコード部材25を第1把持部材41と成形ドラム11(タイヤ中間体12)との間、詳しくは第1把持部材41の近傍において切断する。ここで、張り渡されたコード部材25のカッター49より成形ドラム11側は成形ドラム11(タイヤ中間体12)と巻付けローラ53とにより機械的に把持され、一方、カッター49よりガイドローラ24側は第1把持部材41により機械的に把持されており、しかも、カッター49が切断するのは第1把持部材41に把持されている部位の近傍であるため、コード部材25が撓んだりコードパスが乱れるようなことはなく、この結果、コード部材25は良好に切断される。また、このコード部材25の切断は、前述のように外周に切断刃を有する円板状のロータリーカッター49によって行うようにしているため、コード部材25がアラミド繊維のような高強度のものである場合にも、該コード部材25を長時間良好に切断することができる。そして、前述のようにしてコード部材25を切断すると、切断端と成形ドラム11(タイヤ中間体12)との間のコード部材25は、成形ドラム11(タイヤ中間体12)に巻付けられているコード部材25の終端部となるが、この終端部は、成形ドラム11を所定角度だけ回転させて引き込みながら巻付けローラ53よりタイヤ中間体12に押し付け圧着することで、成形ドラム11(タイヤ中間体12)の周囲に巻付ける。このとき、シリンダ45のピストンロッド46を引っ込めてカッター49を初期位置に復帰させるとともに、モータ48の作動を停止させてカッター49の回転を停止させる。
【0018】
一方、切断端とガイドローラ24との間のコード部材25は、成形ドラム11(タイヤ中間体12)に次に巻付けられるコード部材25の始端部となるが、この始端部は前述のように第1把持部材41によって把持されている。そして、前述のようにして成形ドラム11(タイヤ中間体12)へのコード部材25の巻付けが終了すると、該タイヤ中間体12の周囲にトレッドを貼付けてグリーンタイヤとした後、グリーンタイヤ(コード部材25を含む)を成形ドラム11から取出し、その後、カーカス層、ビードコア、ベルト層等からなる新しいタイヤ中間体12を成形ドラム11の周囲に装着する。ここで、前述のような作業時、コード部材25の始端部が成形ドラム11の近傍に位置していると、これら作業の邪魔となるので、これら作業に先立ち、コード部材25の始端部を第1把持部材41と共に成形ドラム11から離隔退避させる。このような離隔退避は、シリンダ32のピストンロッド33を引っ込め第1把持部材41、カッター49、巻付けローラ53を後方に移動させることで行う。このとき、第1把持部材41は斜め下方に移動するため、ガイドローラ24と第1把持部材41との間の距離が変化し、これにより、ガイドローラ24と第1把持部材41との間のコード部材25がたるんだりあるいは不要な力で引き出されたりしてコード部材25がガイドローラ24のガイド溝から外れたり捻れたりするおそれがあるが、この実施形態においては、第1把持部材41を上下に移動可能なスライド部材36に取り付け、第1把持部材41の移動によって第1把持部材41とガイドローラ24との間の距離が広がっていくとき、スライド部材36を上方に移動させて第1把持部材41とガイドローラ24との間の距離の変化を吸収し、これにより、前述のような事態を阻止するとともに、第1把持部材41、スライド部材36等の自重によってコード部材25の始端部を下方に引っ張ることで該コード部材25にたるみが発生するのを阻止している。そして、前記第1把持部材41、カッター49、巻付けローラ53が初期位置に復帰すると、シリンダ32の作動を停止させるが、このとき、ガイドローラ24と第1把持部材41との間に張り渡されたコード部材25の途中は、図8に示すように第2把持部材61の開放した把持爪58、59間、詳しくは把持部58a、59a間に導かれ、また、コード部材25の始端は圧着部材68の直前まで導かれる。次に、シリンダ57のピストンロッド60を突出させて把持爪59の把持部59aを把持爪58の把持部58aに接近させ、ガイドローラ24と第1把持部材41との間に張り渡されているコード部材25の途中をこれら把持部58a、59aによって両側から把持する。次に、シリンダ37のピストンロッド39を突出させてコード部材25を第1把持部材41の把持から解放し、該コード部材25を第1把持部材41から第2把持部材61に受渡す。これにより、第1把持部材41を引き上げる力が消失し、スライド部材36、第1把持部材41は自重により下降して初期位置に復帰する。
【0019】
そして、前述のように新しいタイヤ中間体12が成形ドラム11に装着されると、シリンダ20のピストンロッド21を突出させて移動台18、ガイドローラ24、第1、第2把持部材41、61を成形ドラム11(タイヤ中間体12)に接近させ、図9に示すように、ガイドローラ24によってコード部材25を成形ドラム11(タイヤ中間体12)に押し付け圧着するとともに、第2把持部材61に把持されているコード部材25の始端部を成形ドラム11(タイヤ中間体12)の近傍まで移送する。次に、シリンダ57のピストンロッド60を引っ込めてコード部材25の始端部を第2把持部材61による把持から解放する。このような解放直後に、シリンダ66のピストンロッド67を突出させ、図10に示すように自由となったコード部材25の始端を圧着部材68により成形ドラム11(タイヤ中間体12)まで搬送して押し付け圧着する。ここで、前述のように切断されたコード部材25の始端部を、カッター49による切断時とガイドローラ24の成形ドラム11への接近時との間において、第1把持部材41から第2把持部材61に受渡すようにすれば、把持位置より始端側に位置するコード部材25の長さが長くなり、これにより、圧着部材68によるコード部材25の始端の成形ドラム11(タイヤ中間体12)への圧着が、受渡しを行わない場合に比較して容易となる。次に、シリンダ66のピストンロッド67を引っ込め圧着部材68を初期位置に復帰させる。
【0020】
次に、成形ドラム11を回転させながらタイヤ中間体12にコード部材25を次々と供給するとともに、端末処理装置15を軸方向に移動させ、該コード部材25を成形ドラム11(タイヤ中間体12)の周囲に螺旋状に巻付ける。このようにコード部材25の終端部および始端部の処理を人手に頼ることなく行うことができるため、省力化を達成することができるとともに作業能率を向上させることができる。
【0021】
なお、前述の実施形態においては、タイヤ中間体12、詳しくはベルト層の外側にコード部材25を螺旋状に巻付けてレイヤー、キャップと呼ばれる補強層を成形するようにしたが、この発明においては、カーカス層の外側にコード部材25を螺旋状に巻付けて該コード部材25によりベルト層を成形するようにしてもよい。さらに、前述の実施形態においては、コード部材25の始端部を第2把持部材61の把持から解放した直後にコード部材25の始端を圧着部材68によって成形ドラム11(タイヤ中間体12)に圧着するようにしたが、この発明においては、これらの動作を同時に行うようにしてもよい。また、この発明においては、スライド部材36、シリンダ37または第1把持部材41と、取付けフレーム28またはスライドベアリング35との間にスライド部材36を下方に付勢するスプリングを介装し、このスプリングによってコード部材25のたるみを除去したり、第1把持部材41の初期位置への復帰を迅速に行うようにしてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、省力化を図りながらコード部材の端末処理を高能率で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】その拡大正面図である。
【図3】図1のIーI矢視図である。
【図4】図1のIIーII矢視図である。
【図5】作動状態を説明する説明図である。
【図6】作動状態を説明する説明図である。
【図7】作動状態を説明する説明図である。
【図8】作動状態を説明する説明図である。
【図9】作動状態を説明する説明図である。
【図10】作動状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
11…成形ドラム 15…端末処理装置
24…ガイド部材 25…コード部材
41…第1把持部材 49…カッター
53…終端巻付け部材 61…第2把持部材
62…把持部材 68…圧着部材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cord member terminal processing apparatus for processing a terminal of a cord member when the cord member is wound around a forming drum.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, the cord member is wound around the molding drum by pressing and pressing the cord member against the molding drum (actually a tire intermediate body mounted on the molding drum) by a guide roller while rotating the molding drum. I have to. When the cord member is wound around the molding drum a predetermined number of times, the guide roller is separated from the molding drum. Next, the operator grips the cord member stretched between the guide roller and the molding drum in the middle, and the operator cuts the cord member on the molding drum side from the gripped position by a manual cutter, and then The terminal portion of the cut cord member is wound around the forming drum by a terminal winding roller. When the winding of the cord member is completed in this way, the wound cord member is removed from the molding drum together with the tire intermediate as described above, and a new tire intermediate is mounted on the molding drum. The cord member gripped by the user is supplied to the forming drum and pressed and pressure-bonded, and then the cord member is wound around the forming drum in the same manner as described above.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In this way, conventionally, since the operator performs the terminal processing of the cord member manually, it is necessary to arrange personnel around the forming drum. There is a problem that becomes low.
[0004]
An object of the present invention is to provide a cord member terminal processing apparatus capable of performing terminal processing of a cord member with high efficiency while saving labor.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The purpose is to be able to approach and separate from the forming drum. When the cord member is wound around the forming drum, the cord member approaches the forming drum and presses and presses the cord member against the forming drum. When wound, the guide member that is separated from the forming drum and the cord member that is stretched between the guide member and the forming drum that are separated from each other can be gripped and separated from the forming drum. A gripping member that can be cut, a cutter that cuts the cord member between the gripping member and the forming drum, and an end winding member that presses and winds the end portion of the cut cord member against the rotating forming drum When the guide member and gripping member approach the molding drum, the starting end of the cord member released from the gripping member is pressed against the molding drum. In the terminal processing unit of the code member comprising a compression member for wearing, and the gripping member, a first gripping member disposed on the second gripping member and the counter-guide member side disposed on the guide member side of the crimping member And the starting end of the cut cord member is transferred from the first gripping member to the second gripping member between the time of cutting by the cutter and the approach of the guide member to the forming drum. Can be achieved.
[0006]
Now, the cord member supplied to the rotating molding drum is pressed against the molding drum (the tire intermediate body mounted on the molding drum) by the approaching guide member while being pressed and wound around the circumference. Suppose that When the cord member is wound around the molding drum a predetermined number of times, the guide member at the approach position is separated from the molding drum. Next, the middle of the cord member stretched between the guide member and the molding drum at the separation position is gripped by the gripping member, and then the cord member is cut between the gripping member and the molding drum by a cutter. As a result, the cord member between the cut end and the forming drum becomes the end portion of the cord member wound around the forming drum, and this end portion is wound around the rotating forming drum by the end winding member. Attached. On the other hand, the cord member between the cut end and the guide member becomes the starting end portion of the cord member that is wound next around the forming drum, and this starting end portion is held by the holding member as described above. When the winding of the cord member is completed in this manner, the wound cord member is taken out from the molding drum together with the tire intermediate body, and a new tire intermediate body is mounted on the molding drum. At this time, if the starting end portion of the cord member is positioned in the vicinity of the forming drum, it interferes with the above-described operation. Therefore, the starting end portion of the cord member is retracted away from the forming drum together with the holding member. When the above-described operation is completed, the guide member and the gripping member are brought close to the forming drum, the code member is pressed against the forming drum by the guide member, and the leading end of the code member is transferred to the vicinity of the forming drum. . Next, the starting end of the cord member is released from gripping by the gripping member, and the starting end of the cord member is pressed against the forming drum by the crimping member, and then the forming drum is rotated to wind the cord member around the forming drum. wear. Thus, since the processing of the terminal end portion and the start end portion of the cord member can be mechanically performed without relying on human hands, labor saving can be achieved and the work efficiency can be improved.
[0007]
In order to cut the cord member satisfactorily, it is desirable to cut the cord member with a cutter in the vicinity of the gripping member, but in this case, the cord member on the start end side is considerably shorter than the gripping member, and the cord by the crimping member is used. It is difficult to press the member to the forming drum. However, if configured as described above, the length of the cord member positioned on the start end side from the gripping position becomes longer due to the delivery of the cord member from the first gripping member to the second gripping member, and the start end of the cord member by the crimping member It becomes easy to press-fit to the forming drum .
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
1 and 2,
[0009]
15 is a terminal processing device installed behind the forming
[0010]
In FIGS. 1, 2, and 3,
[0011]
A
[0012]
52 is a bracket fixed to the front end of the movable table 30, and a winding
[0013]
In FIGS. 1, 2, and 4, 57 is a cylinder whose head side is fixed to the upper end of the mounting
[0014]
[0015]
Next, the operation of one embodiment of the present invention will be described.
Now, the
[0016]
Next, the
[0017]
Next, the
[0018]
On the other hand, the
[0019]
When the new tire intermediate 12 is mounted on the
[0020]
Next, the
[0021]
In the above-described embodiment, the
[0022]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to perform the terminal processing of the cord member with high efficiency while saving labor.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic front view showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an enlarged front view thereof.
FIG. 3 is a view taken in the direction of arrows II in FIG. 1;
4 is a view taken in the direction of arrows II-II in FIG.
FIG. 5 is an explanatory diagram for explaining an operating state.
FIG. 6 is an explanatory diagram for explaining an operating state.
FIG. 7 is an explanatory diagram for explaining an operating state.
FIG. 8 is an explanatory diagram for explaining an operating state.
FIG. 9 is an explanatory diagram for explaining an operating state.
FIG. 10 is an explanatory diagram illustrating an operating state.
[Explanation of symbols]
11 ... Molding drum 15 ... Terminal processing equipment
24 ...
41 ... First gripping
53 ... Terminal winding
62…
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