JP3890091B2 - 遮断器 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は遮断器に関し、特に遮断器作動機構を遠隔操作できるようにした遮断器に関する。
【０００２】
【発明の背景】
発明の名称「改良された作動機構を持つ遮断器」の米国特許第４，００１，７４２号には、数百ボルトの電位で数千アンペアの回路電流を遮断し得る遮断器が記載されている。この米国特許に記載されている様に、作動機構が、遮断器接点を開閉する強力な作動バネを制御する。一旦作動機構が応答して接点を引き離すと、接点を担持する可動接点アームに十分な動力を供給する為には、作動ばねを再びチャージ（ｃｈａｒｇｅ）しなければならない。
【０００３】
遮断器外被から離れた所から遮断器を作動する時、保持ソレノイド、閉路ソレノイド、不足電圧解放付属機器等を使って、遮断器接点閉路ばねを解放する。こう云う装置は米国特許第４，３０１，４３３号、同第４，１６６，９８９号及び同第４，３０１，４３４号に記載されている。しかし、高アンペア定格の遮断器内に強力な接点閉路ばねが使われる場合、この様な遠隔閉路装置自体は、接点閉路ばねが既に解放された後にソレノイドを作動する試みが繰り返えされる時に遠隔閉路ソレノイドを損傷から保護しながら、接点閉路ばねを解放することが出来ない。
【０００４】
遮断器閉路ばねの遠隔作動に伴う別の問題は、接点が開離していて閉路ばねが十分にチャージされていない時に遮断器接点を再び閉路しようと試みた場合に、ソレノイド並びに接点を損傷する惧れのある閉路ばねの有害な「ポンピング（ｐｕｍｐｉｎｇ）動作」が起こることである。
１９９４年１０月１１日出願の米国特許出願番号第０８／３２３，３０５号、発明の名称「遮断器遠隔閉路作動装置」には、対応する１対のリミット・スイッチと相互作用する第１及び第２の１対のソレノイドを配置して、ポンピングを防止すると共に、閉路ばねを直ちに作動した時にソレノイドが過熱されるのを防止することが記載されている。
【０００５】
このように二重ソレノイド及び二重リミット・スイッチを使うことは、コスト増加を招くと共に、ソレノイド及びリミット・スイッチの機械的な部品に伴う慣性効果により、遠隔閉路動作を遅くする。
米国特許第４，６４２，７２６号には、ソレノイドの動作を制御する為に、３つのスイッチ及び閉路ソレノイドと接続される個別の電子回路部品を使うことが記載されている。
【０００６】
【発明の目的】
本発明の１つの目的は、接点閉路ばねのポンピングを防止する為に余分のソレノイド又は余分のスイッチを使わずに、且つ電子回路部品のコストを大幅に増加することなく、遮断器接点を敏速に閉路し得る遠隔遮断器接点閉路ばね作動装置を提供することである。
【０００７】
【発明の概要】
遠隔閉路作動装置が遮断器外被の中に配置されていて、遮断器作動機構を遠隔操作して、遮断器接点を閉じることが出来る様にする。簡単な論理回路が閉路ソレノイドの動作を制御して、接点が閉じた後に接点閉路ばねを解放しようとするそれ以上の試みを防止する。
【０００８】
【好ましい実施態様の説明】
図１に示す高アンペア定格の遮断器１０は、数百ボルトの電位で数千アンペアの休止回路電流を切換えることが出来る。遮断器は電気的に絶縁された基部１１を持ち、やはり電気絶縁材料で構成された上側カバー１３を取付ける前に、この基部に同じ様な絶縁材料の中間カバー１２が取付けられる。内部の通電部品との電気接続は、基部の片側から伸びる負荷端子ストラップ１９及び反対側から伸びる線路端子ストラップ（図に示してない）によって行われる。内部部品が、上側カバー１３の上面にある凹部１４内に収容された電子式引外し装置によって制御される。引外し装置は米国特許第４，６５８，３２３号に記載されているものと同様であって、更に付属機器用凹部１５内にある付属機器（アクセサリ）と相互作用して、例えば米国特許第４，８０１，９０７号に記載されている様なある範囲の保護作用及び制御作用を行う。１９９４年２月２８日出願の米国特許出願番号第０８／２０３，０６２号、発明の名称「高アンペア定格の遮断器に対する定格モジュール装置」に記載される様な作動機構が、閉路軸２５を含み、これは作動機構の強力な接点閉路ばね２５をチャージするのに必要な力を供給する。操作把手１６が、遮断器作動機構を手作業で作動することが出来る様にすると共に、接点閉路ばねをチャージする手動手段になる。作動機構の部品が作動機構の側枠２１に取付けられており、上に引用した幾つかの米国特許出願に記載される様な形で、閉路軸２５がこの側枠を通抜けている。遮断器接点（図に示してない）は開路ボタン１８によって開路され、その場合には「開」表示フラグがアクセス溝孔１８Ａの下に見え、また閉路ボタン１７によって閉路され、その場合には「閉」表示フラグがアクセス溝孔１７Ａの下に見える。本発明では、遠隔接点閉路ばね集成体２４が、側枠２１の溝孔２３を通抜けるアクチュエータ片２２と相互作用するように側枠２１に取付けられ、前に引用した米国特許出願番号第０８／２０３，０６２号に記載されている様に閉路ボタン１７と相互接続される。閉路ソレノイド２６が遠隔信号に応答し、復帰ばね３３のバイアスに逆らってレバー２７を回転させて、レバー上の直立の柱２８をアクチュエータ片２２に押し当てて動かし、これにより閉路ばね２０を解放して、閉路軸２５を回転させて遮断器接点を閉じる。本発明による印刷配線板２９が、図２に示す論理回路３０を担持していて、ソレノイドを過熱から保護すると共に閉路ばねのポンピングを防止するために、次に述べる様に動作する。
【０００９】
入力端子３１に制御電力が印加されると、この電力がダイオードＤ１〜Ｄ４によって整流されて、出力端子３２からソレノイドに印加される。抵抗Ｒ１及びツェナー・ダイオードＺ１の組合せが、蓄積コンデンサＣ１の両端の初期電圧を設定する。抵抗Ｒ２を介してＦＥＴ（電界効果トランジスタ）Ｑ１のベースに供給されたベース駆動電圧がＦＥＴをターンオンし、出力端子３２を通ってソレノイドに電流が流れる様にする。Ｃ１の両端の電圧が、Ｃ１及びＲ１によるＲＣ（抵抗−容量）時定数の値に応じた一杯の値に充電されるや否や、ベース駆動抵抗Ｒ２の両端の電圧がゼロに下がって、ＦＥＴを遮断し、ソレノイドに対する電流の流れを遮断する。その後、コンデンサＣ１が抵抗Ｒ３を介して放電して、回路は別の入力電力を受取る状態になる。
【００１０】
Ｃ１及びＲ１に対して選ばれるＲＣ時定数の値は、過熱を伴わずにソレノイドの敏速な作動を保証するために、限られた時間部分の間ソレノイドを過駆動するのに十分な初期電力をソレノイドに供給する。
初期の急速な作動の為にソレノイドを過駆動すると共に、過熱及び接点閉路ばねのポンピングを防止する為にソレノイドに対する電力を遮断する、１個のソレノイドに使われる簡単な制御回路を説明した。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による遠隔接点閉路作動装置を示す為に遮断器カバーの一部分を破断した、高アンペア定格の遮断器の斜視図。
【図２】図１の遠隔閉路作動装置に使われる論理回路の回路図。
【符号の説明】
１１ 絶縁基部
１３ 絶縁カバー
２０ 閉路ばね
２１ 作動機構の側枠
２４ 遠隔接点閉路ばね集成体
２５ 閉路軸
２６ 閉路ソレノイド
２９ 印刷配線板
３０ 論理回路
３１ 入力端子

Claims (3)

1. 高アンペア定格の回路遮断の為の遮断器に於て、
   絶縁基部と、
   前記基部の上方にあって、作動機構の側枠から伸びる閉路軸及び閉路ばねを包み込む絶縁カバーと、
   前記閉路ばねと相互作用し、前記閉路ばねを解放して前記閉路軸を回転させる閉路ソレノイドと、
   前記ソレノイド及び作動電力源と接続された論理回路であって、前記ソレノイドを過熱させずに、前記閉路ばねを解放するのに十分な期間の間、前記ソレノイドに作動電力を供給するコンデンサを含んでおり、
   前記論理回路が更に、電子スイッチのオン時間を制御する手段であって、該オン時間を制御する手段が、前記ソレノイドと直列である、前記オン時間を制御する手段を含んでいる論理回路とを有することを特徴とする遮断器。
2. 前記電子スイッチがＦＥＴで構成されている請求項１記載の遮断器。
3. 前記コンデンサが前記ＦＥＴのゲートに接続されていると共にベース駆動抵抗に接続されていて、最初に前記ＦＥＴをターンオンし、予定の期間の後に該ＦＥＴをターンオフする請求項２記載の遮断器。

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