JP3888971B2 - 慢性骨髄性白血病の免疫療法 - Google Patents

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    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia

Description

【0001】
[背景技術]
慢性骨髄性白血病(CML)は、疾病に特徴的な差異を示す白血球の総数を含む厳密な血液学的パラメータにより定義される高度の特異的疾患である。CMLは、フィラデルフィア染色体が骨髄中に存在するのが普通で、これはヒト腫瘍性疾患に常に見られる最も重要な染色体異常である。慢性骨髄性白血病は、世界中に分布する疾患で、中年に目立って出現する。この疾患は、分化した腫瘍として機能し、単純で非集中的な治療に非常によく反応する最初の慢性期に特徴がある。種々の期間を経て、CMLは、治療に殆どまたは全く反応せず、集中治療にさえ殆どまたは全く反応しない不応期に変性する。Spiers, Semin. Oncol., 22(4):380-95(1995参照)。変性期には、多様な臨床病像および血液学的病像が出現し、CMLは骨髄増殖性疾患、異形成脊髄、亜急性白血病、急性骨髄性白血病(AML)または急性リンパ球性白血病(ALL)に類似した症状を呈示することがある。慢性期からいわゆる急性転化に突然爆発的に移行するという古い概念は誤りである。Spiers, Semin. Oncol., 22(4):380-95(1995)参照。多くの場合、CMLは、例えば、慢性期から加速骨髄増殖期へ、それからAMLに類似した期へと、二段階以上の進化を経ることが観察されている。
【0002】
CMLには種々の治療方法が用いられてきた。化学療法や放射線療法を含む従来の白血病治療方法は、毒性の副作用によりその有用性は限られている。放射性核種、毒素またはその他の治療物質を腫瘍部位に選択的に向けるためのモノクローナル抗体の利用により、正常組織に対する毒性濃度は減少した。しかし、大量の複合体を投与しなければならないために、このような治療方法はなお毒性の副作用を引き起こし続けている。別の治療方法である同種骨髄移植は、CML患者の生存率に最も大きな影響を与えた。Clarkson, J.Clin.Oncol.,3:135-139(1985)参照。しかし、従来の治療方法と同様に、骨髄移植も患者による許容度は低い。
【0003】
最近の研究により、裸の抗体を利用する免疫療法は、特定の癌治療にとって有効な手段となり得ることが示されている。裸のヒト化抗CD33抗体は、急性骨髄性白血病の治療と患者の残存疾患の減少に有効であることが証明された。Caron et al., Clin.Cancer Res., 4:1421-1428(1998); Jurcic et al., Clin.Cancer Res., 6:372-380(2000)参照。同様に、裸のヒト化抗HER2/neu抗体を含む免疫療法は、乳癌の治療に有望な効果を上げた。Baselga et al., Semin.Oncol.,26:78-83(1999); Weiner, Semin.Oncol.,26:43-51(1999)参照。CD20に対する非結合免疫グロブリンは、進行性無痛性非ホジキンリンパ腫の患者の50%において部分的な応答および完全な応答を引き起こすことが明らかにされた。Weiner, Semin.Oncol.,26:43-51(1999)。
【0004】
悪性腫瘍の治療に裸の抗体を利用するには幾つかの利点がある。第一に、裸の抗体のみを含む免疫療法は、放射性免疫療法(RAIT)または結合毒素を利用する免疫療法のようなその他の治療方法に関連する毒性副作用がない。第二に、循環している裸の抗体は、他の治療方法よりも治療活性が長く残存する。例えば、RAITの有効性は、接合した同位元素の半減期により制限され、典型的には1週間以下である。同様に、接合した免疫毒素の有効性は、毒素の生体内修飾により寿命が短縮される可能性がある。第三に、裸の抗体は患者による許容度が高いので、治療を複数回行うことができる。第四に、裸の抗体を利用する併用療法は、有効な効果を上げるために必要な、併用される毒性成分量が少なくて済むため、患者は許容することができる。最後に、裸の抗体の利用により、貯蔵寿命が短く、典型的には投与に特別な施設や人員を要する高価な放射性または治療用複合体が不要となるため、癌治療の費用が劇的に削減される。従って、このような費用削減により、より多くの患者が治療による利益を得ることが可能となる。
【0005】
従って、CMLの治療に裸の抗体を利用する免疫療法の開発が必要である。このような治療方法により、毒性副作用を引き起こさずに、費用に対し最も効率よく患者を治療できるであろう。
【0006】
[発明の概要]
従って、裸の免疫療法を用いる骨髄性白血病の治療方法を提供することが本発明の一つの目的である。
【0007】
本目的とその他の目的の達成において、本発明の一面によれば、製薬学的に許容可能な担体と少なくとも一つの裸の抗顆粒球抗体とを含む治療用組成物を投与するステップを含む、患者における慢性骨髄性白血病(CML)の治療方法が提供される。種々の抗顆粒球抗体を本発明において使用できる。具体例には、抗NCA−90、抗NCA−95、MN−2、MN−15、NP−1およびNP−2が含まれるが、これらに限定されない。一実施の形態において一つの裸の抗顆粒球抗体が患者に投与され、一方、別の実施の形態において一つ以上の抗顆粒球抗体が投与される。更に別の実施の形態において、少なくとも一つの裸の抗顆粒球抗体が、抗CD−33または抗CD−15抗体のような、一つの顆粒球前駆体に存在する抗原に向けられる裸の抗体と併用して、患者に投与される。
【0008】
本発明の別の実施の形態において、免疫複合体または他の癌治療と併用して、裸の抗顆粒球抗体が使用される。好ましい免疫複合体は、放射性標識された抗体成分および抗顆粒球抗体成分とサイトカイン、幹細胞増殖因子、リンホトキシンまたは造血因子等の免疫活性調節因子の複合体が含まれる。更なる別の実施の形態において、本発明の併用療法は、抗体と毒素との融合タンパク質を含むことができる。
【0009】
本発明の更に別の実施の形態において、裸の抗顆粒球抗体は、標的抗原を増強または誘導する誘導物質と併用して投与される。このような誘導物質は、目的の細胞表面における標的抗原の発現をアップレギュレーションすることにより投与療法の有効性を高める。更に、誘導物質は、これらの細胞表面に通常は表れない抗原の発現を誘導することにより、更なる細胞型および癌に対する本発明の治療方法の腫瘍殺傷能を拡大できる。従って、本発明の抗体は、CMLと共に、AMLの治療にも使用できる。
【0010】
従って、本発明の別の実施の形態において、製薬学的に許容可能な担体、および少なくとも一つの裸の抗顆粒球抗体、および骨髄芽球表面に最小限しか表示されない抗原の発現を誘導する誘導物質を含む治療用組成物の患者への投与を含む患者の急性骨髄性白血病(AML)または急性前骨髄球性白血病(APML)の治療方法が提供されている。上記に説明されているように、本発明の方法は更にその他の裸の抗顆粒球抗体、抗体と毒素との融合タンパク質およびその他の癌治療、例えば、免疫複合体または化学療法と併用できる。
【0011】
本発明のその他の目的、特徴、利点は以下の詳細な説明により明らかにする。詳細な説明と具体例は、好ましい実施の形態を示しているものの、説明のためにのみ提供されている。本発明の意図と目的の範囲内の種々の変更および改変が、この詳細な説明から本技術に精通する者にとって明らかである。更に、具体例は本発明の原則を示すものであり、従来の技術に精通する者にとって明らかに有用であるような感染症の全ての例に対する本発明の適用例の具体的な説明と考えるべきではない。
【0012】
[詳細な説明]
本発明は、骨髄性白血病、特にCMLの改善された治療方法を提供する。本発明の方法は、従来の治療形態と通常関連性を有する毒性副作用を発揮せずに、骨髄性白血病細胞を破壊するために裸の抗顆粒球抗体を利用している。一つの実施の形態において、本発明の治療方法は裸の抗顆粒球抗体のみを利用している。別の実施の形態において、裸の抗顆粒球抗体は、免疫複合体またはその他の治療方法と併用して使用されている。どちらの治療形態においても、患者は、典型的な量の抗癌剤投与に伴う毒性の副作用を引き起こすことなく、慢性骨髄性白血病を有効に治療する方法が提供される。
【0013】
本発明に使用される抗顆粒球抗体は、顆粒球系列の種々の細胞型と関連する抗原に向けられる。AMLの場合と異なり、CML患者の悪性骨髄芽球は、骨髄球、後骨髄球、杆状球、および顆粒球等の種々の細胞型に分化する。従って、これらの細胞型の一つまたは二つに向けられる免疫療法が、白血病細胞を有意義に減少することは不可能である。本発明の治療方法の抗体は、未熟顆粒球および成熟顆粒球を認識するので、本発明はCML患者の骨髄からの悪性細胞の有効な除去方法を提供する。
【0014】
本発明において種々の抗顆粒球抗体を利用できる。一実施の形態において、本発明の方法は抗NCA−90抗体を利用している。このような抗体の好ましい具体例は、MN−3である。Hansen et al., Cancer,71:3478-3485(1993); Becker et al., Semin.Nucl.Med.,24(2):142-53(1994)参照。別の実施の形態において、抗NCA−95抗体が使用されている。更に他の実施の形態において、クラスIIa抗CEA抗体であるMN−2およびNP−2、およびクラスI抗CEA抗体であるMN−15およびNP−1が利用されている。Hansen et al., Cancer,71:3478-3485(1993); Primus et al., Cancer Res.,43:686-692(1983)参照。これらの抗体のヒト型およびキメラ型が好ましく、完全なヒト型およびヒト化型が最も好ましい。
【0015】
[定義]
以下の説明において、多くの用語が広範囲にわたって使用されている。以下の定義は、本発明の理解を容易にするために提供されている。
【0016】
「骨髄性白血病(myelocytic leukemia)」という言葉は、顆粒球性白血病(granulocytic leukemia)、骨髄性白血病(myelogenic leukemia 、myelogenous leukemia 、myeloid leukemia)と同義である。
【0017】
慢性骨髄性白血病は、骨髄および髄外部における造血細胞の制御不能の増殖を特徴とし、そこで悪性骨髄芽球は分化して、骨髄球、後骨髄球、杆状球、顆粒球を生じることができる。
【0018】
急性骨髄性白血病は、骨髄芽球の制御不能の増殖を特徴とし、骨髄芽球は更に成熟した細胞種に分化することはできない。
【0019】
「抗顆粒球抗体」という言葉は、顆粒球/
骨髄球系列の二種類以上の細胞種に存在する抗原を認識する抗体を意味する。
【0020】
「キメラ抗体」は、げっ歯動物由来の可変領域と相補性決定領域とを含む組み換えタンパク質であり、一方、抗体分子の残りはヒト抗体に由来するものである。
【0021】
「ヒト化抗体」は、モノクローナル抗体のマウスの相補性決定領域が、マウス免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の可変領域から、ヒト可変領域に移されている組み換えタンパク質である。
【0022】
「治療物質」は、抗体部分と結合して、治療に有用な複合体を生成することができる分子または原子である。治療物質の例として、薬物類、毒素類、免疫活性調節因子類、ホウ素化合物類、感光性物質類または色素類、サイトカイン類、ホルモン放射性医薬品類および放射性同位体類が含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
「裸の抗体」は、抗体断片とは対照的に、完全な抗体(entire antibody)であり、治療物質と複合体を形成していない。裸の抗体は、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の両方と、キメラ抗体やヒト化抗体のような特定の組み換え抗体とを含む。
【0024】
「抗体成分」という言葉は、完全な抗体と抗体断片との両方を含む。
【0025】
「免疫複合体(immunoconjugate)」は、抗体成分と治療物質との複合体である。
【0026】
「抗体融合タンパク質」という言葉は、一つ以上の抗体成分と治療物質を含む組み換え分子を指す。このような融合タンパク質に適した治療物質の例として、免疫活性調節因子(「抗体と免疫活性調節因子との融合タンパク質」)および毒素(抗体と毒素との融合タンパク質)が挙げられる。融合タンパク質は、単一の抗体成分、異なる抗体成分の多価の組み合わせ、または同じ抗体成分の複数のコピーを含むことができる。
【0027】
「構造遺伝子」は、メッセンジャーRNA(mRNA)に転写され、次にそれが特異的ポリペプチドに特有のアミノ酸配列に翻訳されるDNA配列である。
【0028】
「プロモーター」は、構造遺伝子での転写を命令するDNA配列である。典型的にはプロモーターは、遺伝子の5’領域、構造遺伝子の転写開始部位に隣接して位置する。プロモーターが誘導性プロモーターであれば、転写速度は誘導物質に応じて増大する。これに反して、プロモーターが構成的プロモーターである場合には、転写速度は誘導物質により調節されない。
【0029】
「孤立したDNA分子(isolated DNA molecule)」は、生物体のゲノムDNAに組み込まれていないDNA断片である。例えば、クローン化された抗体遺伝子は、哺乳動物細胞のゲノムDNAから分離されたDNA断片である。孤立したDNA分子の別の例は、生物体のゲノムDNAに組み込まれていない化学的に合成されたDNA分子である。
【0030】
「エンハンサー」は、転写開始部位に関する距離または方向に関係なく、転写効率を高めることができるDNA調節要素である。
【0031】
「相補的DNA」(cDNA)は、逆転写酵素によりmRNA鋳型から形成される一本鎖DNA分子である。典型的には、mRNAの部分に相補的なプライマーが、逆転写開始に使用される。本技術に精通する者は、「cDNA」という言葉を、一本鎖DNA分子とその相補的DNA鎖とからなる二本鎖DNA分子を指すためにも使用する。
【0032】
「発現」という言葉は、遺伝子産物の生合成を意味する。例えば、構造遺伝子の場合、発現とは構造遺伝子のmRNAへの転写とmRNAの一つ以上のポリペプチドへの翻訳を含む。
【0033】
「クローニングベクター」は、宿主細胞において自己複製能を有するプラスミド、コスミド、バクテリオファージのようなDNA分子である。クローニングベクターは、典型的に、ベクターの必須の生物学的機能を喪失することなく、確定的に外来DNA配列が挿入され得る一つまたは少数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位と、クローニングベクターにより形質転換された細胞の識別と選択に使用するのに適したマーカー遺伝子を含む。マーカー遺伝子には、典型的にはテトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性を提供する遺伝子が含まれる。
【0034】
「発現ベクター」は、宿主細胞において発現される遺伝子を含むDNA分子である。典型的には遺伝子発現は、構成的プロモーター類または誘導性プロモーター類、組織特異的調節要素類、エンハンサー類を含む特定の調節因子の制御下に置かれる。このような遺伝子は、調節因子と「機能的に連結されている」と表現される。
【0035】
「組み換え宿主」は、クローニングベクターまたは発現ベクターのいずれかを含む原核細胞または真核細胞である。この言葉は、遺伝子工学により宿主細胞の染色体またはゲノムにクローン化遺伝子を含むように操作された原核細胞または真核細胞も含む。
【0036】
「抗体断片」はF(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab等のような抗体の一部である。構造とは無関係に、抗体断片は、無傷の抗体により認識される抗原と同じ抗原に結合する。例えば、抗CD−22モノクローナル抗体断片は、CD22の抗原決定基に結合する。
【0037】
「抗体断片」という言葉は、特異的抗原に結合し複合体を形成することにより抗体のように作用する合成タンパク質または遺伝子工学により作製されたあらゆるタンパク質も含む。例えば、抗体断片には、軽鎖可変領域からなる分離断片、軽鎖および重鎖の可変領域からなる「Fv」断片、軽鎖および重鎖の可変領域がペプチドリンカー(「sFvタンパク質」)により結合されている組み換え一本鎖ポリペプチド分子、超可変領域に似たアミノ酸残基から成る最小認識単位が含まれる。
【0038】
[抗体類の産生]
顆粒球に特異的なげっ歯動物モノクローナル抗体は、本技術に精通する者にとって既知の方法により得ることができる、一般に、Kohler and Milstein, Nature 256:49581975); Coligan et al.(編), CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY(John Wiley & Sons 1991)を参照。簡単に述べると、モノクローナル抗体は、例えば、NCA−90を含む組成物をマウスに注射し、血清試料を取り出すことにより抗体産生の存在を確認し、脾臓を摘出し、Bリンパ球を入手し、Bリンパ球を骨髄細胞と融合し、ハイブリドーマを産生し、ハイブリドーマをクローニングし、抗NCA−90抗体を産生する陽性クローンを選択し、抗原決定基に対する抗体を産生するクローンを培養し、ハイブリドーマ培養から抗体を分離することにより入手できる。
【0039】
モノクローナル抗体は、多様な既知の技術によりハイブリドーマ培養から分離精製できる。このような分離技術には、プロテインAセファロースを用いるアフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーが含まれる。Coligan et al.(編), CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY(John Wiley & Sons 1991); Baines et al., pages 79-104, METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY (The Humana Press, Inc.1992) 参照。
【0040】
CD66cとも呼ばれるNCA−90の適切な量は、本技術分野において既知の標準技術を用いて得ることができる。例えば、NCA−90タンパク質は、NCA−90を過剰産生するトランスフェクトされた培養細胞から得ることができる。NCA−90をコードするDNA分子を含む発現ベクターは、公表されているNCA−90ヌクレオチド配列を用いて作製できる。Oikawa et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 146:464-460(1987);Wilson et al., J. Exp. Med. 173:137(1991); Wilson et al., J. Immunol. 150:5013 (1993) 参照。同様に、NCA−95タンパク質の発現ベクターは、公表されているNCA−95ヌクレオチド配列を用いて作製できる。Berling et al., Cancer Res.,50:6534-6539(1990)参照。
【0041】
例として、NCA−90をコードするDNA分子は、相互にプライマーとして作用する長いオリゴヌクレオチドを用いてDNA分子を合成することにより得ることができる。Ausubel et al.,(編), CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (John Wiley & Sons Inc. 1990); Wosnick et al., Gene 60:115 (1987) , Ausbel et al. ( 編), SHORT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(John Wiley & Sons Inc. 1995)参照。ポリメラーゼ連鎖反応を用いる確立された技術により、1.8キロベースの長さの遺伝子を合成することができる。Adang et al., Plant Molec. Biol.,21:1131 (1993); Bambot et al., PCR Methods and Applications, 2:266 (1993); White(編)、METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, pages 263-268 ( Humana Press, Inc.1993) 参照。この方法の変形方法において、本技術分野において既知の技術を用いて、骨髄細胞をNCA−90 cDNAを安定的にトランスフェクトされたマウスB前駆細胞系により免疫感作されたマウスの脾臓細胞と融合することにより、抗NCA−90モノクローナル抗体を得ることができる。
【0042】
適切なマウス抗NCA−90モノクローナル抗体の一例は、MN−3モノクローナル抗体である。MN−3抗体は、GW−39ヒト結腸腺癌異種移植片に由来する部分的に精製された癌胎児性抗原(CEA)により免疫感作されたBALB/cマウス由来のハイブリドーマから分離された。Hansen et al., Cancer, 71:3478-3485 (1993)参照。MN−3抗体は、NCA−90抗原、顆粒球に発現される同型の接着分子、および正常結腸粘膜および結腸腺癌に特異的である。Becker et al., Semin. Nucl. Med., 24(2):142-53(1994); Watt et al., Blood, 78:63-74(1991)参照。
【0043】
適切なマウス抗NCA−95抗体は、BW250/183抗体である。Bosslet et al., Int. J. Cancer, 36:75-84(1985); Meller et al., J. Nucl. Med., 39:1248-1253参照。別の有用な抗NCA−95抗体はMab47である。Audette et al., Mol. Immunol., 24:1177-1186(1987)参照。
【0044】
別の適切な抗体はMN−2モノクローナル抗体である。MN−2抗体は、GW−39ヒト結腸腺癌異種移植片に由来する部分的に精製された癌胎児性抗原(CEA)により免疫感作されたBALB/cマウス由来のハイブリドーマから分離された。Hansen et al., Cancer, 71:3478-3485 (1993)参照。クラスIIA抗CEA抗体として、MN−2は、本技術分野において既知のブロッキングアッセイを用いて容易に識別できる。引用することにより本明細書の一部をなすものとする米国特許No.4,818,709を参照。
【0045】
別の適切な抗体は、MN−15モノクローナル抗体である。MN−15抗体は、NCA−90とNCA−95に交差反応性を示す。MN−15は、GW−39ヒト結腸腺癌異種移植片に由来する部分的に精製された癌胎児性抗原(CEA)により免疫感作されたBALB/cマウス由来のハイブリドーマから分離された。Hansen et al., Cancer, 71:3478-3485 (1993)参照。クラスIIA抗CEA抗体として、MN−15は、本技術分野において既知のブロッキングアッセイを用いて容易に識別できる。
更に別の適切な抗体は、NP−2モノクローナル抗体である。NP−2は、MN−2の特異性と同様の特異性を有する。NP−2は、Newman et al.(Cancer Res.,34:2125(1974))により改変された、Krupey et al.(Immunochem., 9:617(1972))の手順に従い、ヒト結腸腺癌の肝臓転移に由来する部分的に精製された癌胎児性抗原(CEA)により免疫感作されたBALB/cマウス由来のハイブリドーマから分離された。Primus et al., Cancer Res., 43:686-92(1983);米国特許No.4,818,709参照。
【0046】
更に別の適切な抗体は、NP−1モノクローナル抗体である。NP−1は、MN−15の特異性と同様の特異性を有する。NP−1は、Newman et al.(Cancer Res.,34:2125(1974))により改変された、Krupey et al.(Immunochem., 9:617(1972))の手順に従い、ヒト結腸腺癌の肝臓転移由来の部分精製癌胎児性抗原(CEA)により免疫感作されたBALB/cマウス由来のハイブリドーマから分離された。Primus et al., Cancer Res., 43:686-92(1983);米国特許No.4,818,709参照。
【0047】
多様式治療方法(multimodal therapy)に適した抗体の一例はM195である。米国特許No.6,007,814参照。この抗体は、骨髄細胞と単核細胞に存在するCD33抗原に特異性である。M195は、SP2/0−Ag14マウス骨髄細胞とAML(FAB−M2)患者の白血病細胞により免疫感作された5週令BALB/cマウスの脾臓細胞の融合体から得られるハイブリドーマから産生された。
【0048】
多様式治療に適した抗体のその他の例は、抗SSEA−1およびPM−81である。Thakur et al., J. Nucl. Med., 37:1789-1795(1996); Ball et al., J. Immunol., 30:2937-2941(1983)参照。これらの抗体は、種々の骨髄細胞に存在するCD−15抗原を認識する。抗SSEA−1は、マウス奇形癌細胞由来のハイブリドーマから産生される。PM−81は、NS−1骨髄腫細胞系の細胞とHL−60前骨髄球白血病細胞系により免疫感作されたマウスの細胞との融合により得られるハイブリドーマから産生される。
【0049】
更なる実施の形態において、本発明の抗体は、ヒト抗体の可変領域が、例えば、げっ歯動物抗NCA−90抗体可変領域により置換されたキメラ抗体である。キメラ抗体の利点には、免疫原性の低下と生体内安定性の上昇が含まれる。キメラ抗体の作製技術は、本技術に精通する者にとって既知である。Leung et al., Hybridoma, 13:469(1994)参照。
【0050】
別の実施の形態において、本発明の抗体はヒトより下等な霊長類の抗体(subhuman primate antibody)である。ヒヒにおいて治療に有用な抗体を生じさせる一般的な技術は、例えば、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとするGoldenberg et al., 国際公開.WO91/11465号(1991)、およびLosman et al., Int. J. Cancer, 46:310(1990)に記載されている。
【0051】
更に別の実施の形態において、本発明の抗体は「ヒト化」モノクローナル抗体である。すなわち、マウスの相補性決定領域が、マウス免疫グロブリンの重鎖と軽鎖の可変領域からヒト可変領域に移され、続いてそれらのマウスの対応物のフレームワーク領域内の幾つかのヒト残基の置換が起こる。本発明のヒト化モノクローナル抗体は、治療方法に使用するのに適している。マウス免疫グロブリン可変領域の一般的なクローニング技術は、例えば、Orlandi et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA, 86:3833(1989)の出版物により説明されている。ヒト化モノクローナル抗体の産生技術は、例えば、Jones et al., Nature, 321:522(1986), Riechmann et al., Nature, 332:323 (1988)、Verhoeyen et al., Science, 239:153481988)、Carter et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992)、Sandhu, Crit. Rev. Biotech., 12:437(1992)およびSinger et al., J. Immun., 150:2844(1993)により説明されている。
【0052】
別の実施の形態において、本発明の抗体はヒトモノクローナル抗体である。このような抗体は、抗原の攻撃に反応して特異的なヒト抗体を産生するように「作製」されたトランスジェニックマウスから得られる。この技術において、ヒト重鎖および軽鎖の遺伝子座の成分が、内因性重鎖および軽鎖の遺伝子座の標的化された破壊を含む胚幹細胞系から得られるマウスの系統に導入される。トランスジェニックマウスは、ヒト抗原に特異的なヒト抗体を合成することができ、マウスはヒト抗体分泌ハイブリドーマを産生するために利用できる。トランスジェニックマウスからヒト抗体を入手する方法は、本技術分野において既知である。Green et al., Nature Genet., 7:13 (1994); Lonberg et al., Curr. Opin. Biotechonol., 8:455-458 (1997)参照。あるいは、目的の抗原に対するヒト抗体は、ファージディスプレイを用いても入手できる。Aujame et al., Hum. Antibodies, 8:155-168 (1997)参照。
【0053】
[免疫複合体の調製]
本発明は、CMLの主な治療用組成物として裸の抗顆粒球抗体の使用を企図している。しかし、本発明の一実施形態において、裸の抗顆粒球抗体、例えば、MN−3またはMN−2は、一つ以上の免疫複合体と組み合わせて患者に投与される。このような免疫複合体は、治療物質と抗体成分とを結合することにより調製することができる。一般的な技術は、引用することにより本明細書の一部をなすものとするShih et al., Int. J. Cancer, 41:832-839(1988)、Shih et al., Int. J. Cancer,46:1101-1106 (1990)および米国特許No.5,057,313に説明されている。一般的な方法には、酸化された炭水化物部分を有する抗体成分を、少なくとも一つの遊離アミン基を持ち、複数の薬物、毒素、ホウ素アデンド(boron addends)またはその他の治療物質を負荷された担体ポリマーと反応させる方法を含む。この反応により、最初のシッフ塩基(イミン)結合が生じ、これは第二アミンへの還元により最終複合体を形成することにより安定化できる。
【0054】
担体ポリマーは、好ましくは少なくとも50個のアミノ酸残基からなるアミノデキストランまたはポリペプチドであるが、その他の実質的に同等のポリマー担体も使用できる。投与と効率的な標的化を容易にするために、最終免疫複合体は好ましくは哺乳動物の血清のような水性溶液に可溶性である。従って、担体ポリマーの可溶化作用は、最終免疫複合体の血清可溶性を増強する。特にアミノデキストランが好ましい。
【0055】
アミノデキストランを有する免疫複合体の調製過程は、典型的にはデキストランポリマー、有利には平均分子量約5,000〜100,000のデキストランから開始される。デキストランを酸化剤と反応させ、その炭水化物環の一部を制御しつつ酸化し、アルデヒド基を作製する。酸化は、好都合には、従来の手順に従って、NaIO4のような解糖試薬類により行われる。
【0056】
次に、酸化デキストランをポリアミン、好ましくはジアミン、より好ましくはモノまたはポリヒドロキシジアミンと反応させる。適切なアミンには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、またはその他の同様のポリメチレンジアミン、ジエチレントリアミンまたは同様のポリアミンが含まれる。デキストランのアルデヒド基に対して過剰のアミンは、アルデヒド基のシッフ塩基へのほぼ完全な転換を確認するために使用される。
【0057】
NaBH4、NaBH3CN等の還元剤を、生成されたシッフ塩基中間体の還元的安定化に使用する。生成されたアダクト(adduct)は、従来のサイジングカラムを通過させることにより精製し、架橋結合デキストランを除去できる。デキストランにアミン基を導入するその他の従来の誘導方法も利用でき、例えば、臭化シアンとの反応後、ジアミンと反応させる。次に、アミノデキストランを、特定の薬物、毒素、キレート剤、免疫活性調節因子、ホウ素アデンドまたはその他の付加すべき治療物質を、従来の方法、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはその水溶性変異型を使用して調製される活性型誘導体、好ましくはカルボキシル活性化誘導体と反応させ、中間物アダクトを形成する。
【0058】
あるいは、アメリカヤマゴボウ抗ウィルスタンパク質またはリシンA鎖等のポリペプチド毒素を、グルタルアルデヒド縮合により、またはタンパク質の活性化されたカルボキシル基とアミノデキストランのアミンとの反応により、アミノデキストランと結合させることができる。放射性金属または磁気共鳴エンハンサーのキレート剤は本技術分野において既知である。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)および1,3,4,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N’”四酢酸(DOTA)の誘導体が典型的である。これらのキレート剤は、典型的には、担体に付着することを可能にする基を側鎖に持っている。このような基には、例えば、イソシアン酸ベンジルが含まれ、これによってDTPAまたはEDTAは担体のアミン基に結合することができる。あるいは、既知の方法により、活性化または予め誘導体形成してから、結合することにより、キレート剤のカルボキシル基またはアミン基を、担体に結合することができる。
【0059】
カルボランのようなホウ素アデンドを、従来の方法により抗体成分に付着させることができる。例えば、本技術分野において既知のように、カルボランを附属の側鎖のカルボキシル基により調製できる。このようなカルボランのアミノデキストラン等の担体への付着は、カルボランのカルボキシル基の活性化と担体のアミンとの縮合により中間複合体を形成することにより達成できる。次に、このような中間複合体を抗体成分に付着させ、下記のような治療に有用な免疫複合体を生成する。
【0060】
アミノデキストランの代わりにポリペプチド担体を使用できるが、ポリペプチド担体は鎖に少なくとも50個のアミノ酸残基を、好ましくは100〜5000個のアミノ酸残基を含まなくてはならない。アミノ酸の少なくとも幾つかはリジン残基またはグルタミン酸残基でなくてはならない。リジン残基の附属のアミノ酸と、グルタミンおよびアスパラギン酸の附属のカルボン酸とは、薬物、毒素、免疫活性調節因子、キレート剤、ホウ素アデンドまたはその他の治療物質を付着するのに好都合である。生成される負荷された担体と免疫複合体に所望の溶解性を付与するために適切なポリペプチド担体の例として、ポリリジン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、それらのコポリマー、およびこれらのアミノ酸およびその他のセリンのようなアミノ酸の混合ポリマーが挙げられる。
【0061】
中間複合体と抗体成分の結合は、抗体成分の炭水化物部分の酸化と、得られたアルデヒド(およびケトン)のカルボニルと、薬物、毒物、キレート剤、免疫活性調節因子、ホウ素アデンドまたはその他の治療物質を負荷した後に担体に残ったアミン基と反応させることにより実施される。あるいは、中間複合体は、治療物質を負荷した後の中間複合体に導入されたアミン基を介して酸化抗体成分に付着させることができる。好都合には、酸化は、例えば、NaIO4またはその他の解糖試薬により化学的に、あるいはノイラミニナーゼおよびガラクトース酸化酵素により酵素的に実施される。アミノデキストラン担体の場合、典型的にはアミノデキストランの全てのアミンが利用されるわけではない。アミノデキストランの残りのアミンは、酸化抗体成分と縮合し、シッフ塩基アダクトを形成し、これは次にホウ化水素還元剤により還元的に安定化される。
【0062】
類似の手順により、本発明のその他の免疫複合体が生成される。負荷されたポリペプチド担体は、好ましくは、抗体成分の酸化炭水化物部分と縮合するために残された遊離リジン残基を有する。ポリペプチド担体のカルボキシルは必要な場合には、例えば、DCCによる活性化と過剰のジアミンとの反応によりアミンに転換できる。最終免疫複合体は、セファクリルS−300を用いるサイジングクロマトグラフィーのような従来の技術を用いて精製される。
【0063】
あるいは、免疫複合体は、抗体成分と治療物質とを直接結合することにより調製できる。一般的な方法は、治療物質が酸化抗体成分に直接付着される以外は、間接的な複合体形成方法と類似している。
【0064】
本明細書に説明されているキレート剤をその他の治療物質に代えることができることは明らかである。本技術に精通する者は、過度の実験を行わずに複合体形成方法を考案することができる。
【0065】
更なる説明として、治療物質を還元抗体成分のヒンジ領域にジスルフィド結合形成を介して付着できる。例えば、破傷風トキソイドペプチドを、ペプチドを抗体成分に付着させるために使用される一つのシステイン残基により作製できる。代替物として、このようなペプチドは、N−スクシニル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸(SPDP)のような異種二官能基架橋結合剤を用いて抗体に付着させることが可能である。Yu et al., Int. Cancer, 56:244(1994)参照。このような複合体形成の一般技術は本技術において既知である。Wong, CHEMISTRY OF PROTEIN CONJUGATION AND CROSS-LINKING (CRC Press 1991);Birch et al. ( 編), MONOCLONAL ANTIBODIES: PRINCIPLES AND APPLICATIONS, 187-230ページ(Wiley-Liss, Inc. 1995); Ritter et al.(編)、MONOCLONAL ANTIBODIES: PRODUCTION, ENGINEERING AND CLINICAL APPLICATION, pages 60-84 (Cambridge University Press 1995)参照。
【0066】
上記のように、抗体のFc領域の炭水化物成分を治療物質の結合に利用できる。しかし、抗体断片が、免疫複合体の抗体成分として利用される場合には、Fc領域は利用できない。それにもかかわらず、炭水化物部分を抗体または抗体断片の軽鎖可変領域に導入することができる。引用することによりその全体を本明細書の一部をなすものとするLeung et al., J. Immunol., 154:5919 (1995);米国特許No.5,443,953参照。次に、作製された炭水化物部分を治療物質を付着させるために使用する。
【0067】
更に、本技術に精通する者は、複合体形成方法の多数の変形方法を認識している。例えば、血液、リンパ液、またはその他の細胞外液中の無傷の(intact)抗体またはその抗原結合断片の半減期を延長するために、炭水化物部分を利用してポリエチレングリコールを付着させることができる。更に、治療物質を炭水化物部分に、そして遊離スルフヒドリル基に付着させることにより、「二価の免疫複合体」を作製することができる。このような遊離スルフヒドリル基は、抗体成分のヒンジ領域に配置される。
【0068】
[抗体断片の作製]
本発明の併用療法に利用される免疫複合体は、抗体断片を含むことができる。このような抗体断片は、従来の方法により完全な抗体のペプシンまたはパパイン消化により得ることができる。例えば、抗体断片は、ペプシンによる抗体の酵素切断により作製でき、F(ab’)2と表示される5S断片を供給する。この断片は、更にチオール還元剤と、任意でジスルフィド結合の切断により生じるスルフヒドリル基の遮断薬を用いて切断でき、3.5SFab’一価断片を生じる。あるいは、ペプシンを用いる酵素切断により二つの一価Fab断片とFc断片を直接産生する。これらの方法は、例えば、米国特許No.4,036,945および4,331,647およびそれらに含まれる引用文献に説明されている。Nisonoff et al., Arch. Biochem. Biophys., 89:230(1960); Porter, Biochem. J., 73:119(1959); Edelman et al., METHODS IN ENZYMOLOGY, p. 422 (Academic Press 1967)、およびColigan et al. (編), CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY, (John Wiley & Sons 1991)も参照。
【0069】
断片が、無傷の抗体により認識される抗原に結合する限り、その他の抗体切断方法、例えば、重鎖の分離による一価の軽鎖−重鎖断片の形成、断片の更なる切断またはその他の酵素、化学または遺伝技術も、利用できる。例えば、Fv断片は、VHおよびVl鎖の結合を含む。Inbar et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA, 69:2659(1972)に説明されているように、この結合は非共有結合でよい。あるいは、可変鎖は、分子間ジスルフィド結合またはグルタルアルデヒドのような化学薬品による架橋結合により結合され得る。Sandhu, Crit. Rev. Biotech., 12:437(1992)参照。
【0070】
好ましくは、Fv断片は、ペプチドリンカーにより結合されたVHおよびVL鎖を含む。これらの単鎖抗原結合タンパク質(sFv)は、オリゴヌクレオチドにより結合されるVHおよびVLドメインをコードするDNA配列を含む構造遺伝子を作製することにより作製される。構造遺伝子は、続いて大腸菌のような宿主細胞に導入される発現ベクターに挿入される。組み換え宿主細胞は、二つのVドメインを架橋するリンカーペプチドを持つ単鎖ポリペプチドを合成する。sFvの作製方法は本技術分野において既知である。Whitlow et al., Methods: A Companion to Methods in Enzymology 2:97 (1991); Bird et al., Science, 242:42381988);米国特許No.4,946,778; Pack et al., Bto/Technology, 11:1271 (1993),およびSandhu, Crit. Rev. Biotech., 12:437 (1992)参照。
【0071】
別の形態の抗体断片は、一つの相補性決定領域(CDR)をコードするペプチドである。CDRペプチド(「最小認識単位」)は、目的の抗体のCDRをコードする遺伝子を作製することにより得ることができる。このような遺伝子は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を利用することにより、抗体産生細胞のRNAから可変領域を合成することにより作製される。Larrick et al., MethosdsA Companion to Methods in Enzymology 2:106 (1991);Ritter et al.(編)、MONOCLONAL ANTIBODIES: PRODUCTION, ENGINEERING AND CLINICAL APPLICATION, 166-179ページ (Cambridge University Press 1995);Birch et al. ( 編), MONOCLONAL ANTIBODIES: PRINCIPLES AND APPLICATIONS, 137-185ページ(Wiley-Liss, Inc. 1995)参照。
【0072】
[抗顆粒球抗体の治療用途]
本発明の治療の抗体は、未熟顆粒球および成熟顆粒球に存在する抗原を認識するので、本発明は、骨髄性白血病患者、特にCML患者から悪性細胞を除去するのに有効な方法を提供する。上記に論じられているように、種々の抗顆粒球抗体が本発明の治療に利用できる。
【0073】
本発明は、腫瘍治療用組成物として裸の抗顆粒球抗体の利用を企図している。そのような組成物は、ポリクローナル抗顆粒球抗体またはモノクローナル抗顆粒球抗体を含むことができる。
【0074】
抗顆粒球抗体の結合特異性の決定方法は、本技術分野において既知である。一般的な方法は、例えば、Manson(編),METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY; IMMUNOCHEMICAL PROTOCOLS, pages 105-116 (The Humana Press, Inc.1992)により提供されている。エピトープ特異性も、特定のドメインを欠失している一連の抗原と試験抗体を結合することにより識別できる。
【0075】
本発明の別の実施の形態において、裸の抗顆粒球抗体は、その他の癌治療、例えば、免疫複合体または化学療法と併用できる。このような併用療法は、本発明の技術において過去に実施されていた治療よりも、毒素を生じることなく有効な効果を達成できるため有利である。従って、そのような治療は、癌治療に典型的に伴う副作用を排除し、または大幅に減少する。そのような多様式治療において、補足治療用組成物は、裸の抗顆粒球抗体投与の前に、裸の抗顆粒球抗体投与と同時に、または裸の抗顆粒球抗体投与後に投与できる。
【0076】
好ましくは免疫複合体は、放射性標識された抗体成分および抗顆粒球抗体成分と免疫活性調節因子の複合体を含む。放射性標識された免疫複合体は、α放射ラジオアイソトープ、β放射ラジオアイソトープ、γ放射ラジオアイソトープ、オージェ電子エミッタ、α粒子を放射する中性子捕獲物質または電子捕獲により崩壊するラジオアイソトープを含むことができる。適切なラジオアイソトープには、198Au、32P、125I、131I、90Y、186Re、188Re、67Cu、211At、213Bi、224Ac等が含まれる。ホウ素アデンド(boron addends)は、αエミッタに転換される好ましい中性子捕獲物質である。
【0077】
上述のように、ラジオアイソトープは、直接またはキレート剤を介して間接的に抗体成分に付着させることができる。例えば、半減期が61.5時間でβ粒子とγ線を豊富に供給することから、免疫療法に関してより有望なラジオアイソトープの一つと考えられている67Cuはキレート剤、P−ブロモアセトアミドベンジルテトラエチルアミン四酢酸(TETA)を用いて抗体成分に結合できる。Gennaro et al.,(編), REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCE, pages 624-652 (Mack Publishing Co.1990)参照。あるいは、強力なβ粒子を放射する90Yは、DTPAまたはDOTAを用いて抗体成分に結合できる。更に、抗体成分の131Iによる直接放射性標識が、Stein et al., Antibody Immunoconj. Radiopharm., 4:703 (1991)に説明されている。あるいは、カルボランのようなホウ素アデンドを、上記のように抗体成分に付着できる。
【0078】
別の実施の形態において、免疫複合体は免疫活性調節因子を含むことができる。本明細書に使用されている「免疫活性調節因子」という言葉は、サイトカイン、幹細胞成長因子、腫瘍壊死因子(TNF)のようなリンホトキシン、造血因子、例えば、インターロイキン(例えば、インターロイキン−1(IL−1)、IL−2、IL−3、IL−6、IL−10、IL−12)、コロニー刺激因子(例えば、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、インターフェロン(例えば、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ)、「S1因子」と呼ばれる幹細胞成長因子、エリスロポイエチン、トロンボポイエチンを含む。
【0079】
関連する免疫複合体は、一つ以上の抗体部分と免疫活性調節因子部分とを含む融合タンパク質である。有用な抗体部分には、例えば、NCA−90またはNCA−95と結合する抗体成分が含まれる。二価構築物、三価構築物、四価構築物を本発明に従って使用できる。
【0080】
抗体と免疫活性調節因子との融合タンパク質の作製方法は、本技術分野において既知である。例えば、インターロイキン−2部分を含む抗体融合タンパク質は、Boleti et al., Ann. Oncol., 6:945(1995)、Nicolet et al., Cancer Gene Ther., 2:161 (1995)、Becker et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA, 93:7826 (1996), Hank et al., Clin. Cancer Res., 2:1951 81996)およびHu et al., Cancer Res., 56:4998 (1996)により説明されている。更に、Yang et al. は、F(ab')2断片と腫瘍壊死因子α部分を含む融合タンパク質を説明している。
【0081】
このような免疫複合体および抗体と免疫活性調節因子との融合タンパク質は、免疫活性調節因子を標的細胞に運ぶ手段を提供し、腫瘍細胞に対して特に有用である。免疫活性調節因子の細胞毒性作用は本技術分野において既知である。Pressuto et al.(編), BIOTECHNOLOGY AND PHARMACY, p. 53-70 (Chapman & Hall 1993)参照。説明として、インターフェロンは、種々の細胞表面のクラスI組織適合抗原の発現増大を誘導することにより細胞増殖を阻害でき、従って、細胞毒性Tリンパ球による細胞の破壊速度を増強する。更に、TNF−αのような腫瘍壊死因子は、DNA断片化を誘導することにより細胞毒性作用を引き起こすと考えられている。
【0082】
治療に有用な免疫複合体は、抗体成分を毒素または化学療法剤に結合させて調製することができる。このような複合体の調製における利用に適した毒素および薬物の例として、カリチェアミシン(calicheamicin)、リシン、アブリン、リボヌクレアーゼ、DNase、RNase、ブドウ球菌エンテロトキシンA、アメリカヤマゴボウ抗ウィルスタンパク質、ゲロニン、ジフテリア毒素、シュードモナスエキソトキシン、シュードモナスエンドトキシンが挙げられる。別の例として、カリチェアミシンに結合された抗CD33抗体が挙げられる。例えば、タンパク質阻害剤、DNA、RNA、細胞周期毒素等のその他の適切な毒素は、本技術分野において既知である。
【0083】
別の実施の形態において、裸の抗顆粒球抗体を利用する併用療法は、抗体と毒素との融合タンパク質を含むことができる。抗体と毒素との融合タンパク質は、一つ以上の抗体部分と一つの毒素部分を含む融合タンパク質である。有用な抗体部分にはNCA−90またはNCA−95と結合する抗体成分を含む。二価、三価、四価の構築物が本発明に従って利用できる。抗体と毒素との融合タンパク質の作製方法は本技術において既知である。例えば、抗体とシュードモナスエキソトキシンAとの融合タンパク質は、Chaudhary et al., Nature, 339:394 (1989)、Brinkamann et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA, 88:8616 (1991)、Batra et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA, 89:5867 (1992)、Friedman et al., J. Immunol., 150:3054 (1993)、Wels et al., Int. J. Can., 60:137 (1995)、Fominaya et al., J. Biol. Chem., 271:10560(1996)、Kaun et al., Biochemistry, 35:2872 (1996)およびSchmidt et al., Int. J. Can., 65:538 (1996)により説明されている。ジフテリア毒素部分を含む抗体と毒素との融合タンパク質は、Kreitman et al., Leukemia, 7:553 81993)、Nichols et al., J. Biol. Chem. 268:5302 (1993)、Thompson et al., J. Biol. Chem., 270:28037 (1995)およびVallera et al., Blood, 88:2342 81996)により説明されている。Deonarain et al. (Tumor Targeting, 1:177 81995))は、リボヌクレアーゼ部分を持つ抗体と毒素との融合タンパク質を説明し、一方Linardou et al. (Cell Biophys., 24-25:243 (1994))は、デオキシリボヌクレアーゼI成分を含む抗体と毒素との融合タンパク質を生産した。ゲロニンは、Wang et al. の抗体と毒素との融合タンパク質の毒性部分として使用された。第209回ACS国際学会、アナハイム、カリフォルニア州、1995年4月2日〜6日、第一部BIOT005の要約を参照。更なる具体例として、Dohlsten et al. (Proc. Nat'l Acad. Sci. USA, 91:8945 (1994))は、ブドウ球菌エンテロトキシンAを含む抗体と毒素との融合タンパク質を報告した。
【0084】
免疫複合体の作製に有用な癌化学療法剤には、カリチェアミシン、ナイトロジェンマスタード類、アルキルスルホン酸類、ニトロソウレア類、トリアゼン(triazene)類、葉酸類似体類、ピリミジン類似体類、プリン類似体類、抗生物質類、エピポドフィロトキシン類、白金配位錯体類、ホルモン類等が含まれる。適切な化学療法剤は、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES (Mack Publishing Co. 1995) およびGOODMAN AND GILMAN'S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS (MacsMillan Publishing Co. 1985)に説明されている。実験薬剤のようなその他の適切な化学療法剤は、本技術分野において既知である。
【0085】
更に、治療に有用な免疫複合体は、感光性薬剤または色素を抗体成分に結合することにより得られる。可視光線に対して過敏なポルフィリンのような蛍光およびその他の色素原または色素は、適切な光を病変に当てる事により病変を検出し、治療するために使用されてきた。治療において、これは光放射、光線療法、または光力学療法と呼ばれてきた。Jori et al. (編), PHOTODYNAMIC THERAPY OF TUMORS AND OTHER DISEASES(Libreria Progetto 1985); van den Berg, Chem. Britain, 22:430 (1986)参照。更に、光線療法を達成するために、モノクローナル抗体が感光性色素に結合された。Mew et al., J. Immunol., 130:1473 (1983); Mew et al., Cancer Res., 45:4380 (1985); Oseroff et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83:8744 (1986); Mew et al., Photochem. Photobiol., 46:83 (1987); Hasan et al., Prog. Clin. Biol. Res., 288:471 (1989); Tatsuta et al., Lasers Surg. Med., 9:422 (1989); Pelegrin et al., Cancer, 67:2529 (1991) 参照。しかし、これらの初期研究は、特に抗体断片または補助断片を利用した内視鏡治療への利用は含んでいなかった。従って、本発明は、感光性物質または色素を含む免疫複合体の治療への利用を企図している。
【0086】
本発明の多様式治療は更に、二つ以上の裸の抗顆粒球抗体を含む免疫療法を含む。別の実施の形態において、多様式治療は、単一の顆粒球前駆体に表示される抗原に向けられた裸の抗体によって補足された裸の抗顆粒球抗体を投与するステップを含む。例えば、裸のMN−3抗体を、抗CD33および/または抗CD15抗体と併用して投与できる。
【0087】
本発明の別の実施の形態において、裸の抗体は誘導物質と併用して投与される。誘導物質は、目的の細胞種において標的化された抗原の発現を誘導し、または増強する。種々の誘導物質が本技術分野において既知である。例えば、酸化ヒ素は、急性前骨髄球性白血病細胞においてNCA−90の発現をアップレギュレーションすることが明らかにされている。Di Noto et al., Tissue Antigens, 54:597-602 (1999)参照。同様に、レチノイン酸も、急性前骨髄球性白血病細胞においてNCA−90の発現を増強する。Boccuni et al., Tissue Antigens, 52:1-8(1998)参照。
【0088】
細胞表面の標的抗原の発現をアップレギュレーションすることにより、そのような誘導物質は、投与された免疫療法の有効性を高める。従って、一実施の形態において、誘導物質は、治療の毒性を増強するために、本発明の裸の抗体と同時投与される。
【0089】
別の実施の形態において、誘導物質は、治療範囲を拡大するために、裸の抗体と一緒に同時投与される。特定の細胞種の表面に通常は表示されない抗原の発現を誘導することにより、誘導物質は、更なる細胞種および癌に対する治療能を拡大する。例えば、レチノイン酸または酸化ヒ素は、急性前骨髄球性白血病細胞においてNCA−90をアップレギュレーションするために投与できる。Di Noto et al., Tissue Antigens, 54:597-602 (1999); Boccuni et al., Tissue Antigens, 52:1-8(1998)参照。従って、本発明の抗体は、CMLと同様に、AMLの治療にも利用できる。
【0090】
別の形態の多様式治療において、患者は裸の抗顆粒球抗体と標準化学療法を受ける。化学療法剤の例として、ダウノルビシン、シタラビン、6−チオグアニン、エトポシド、ミトキサントロン、ジアジクオン、イダルビシン、ホモハリングトニン、アムサクリン、ブサルファン、ヒドロキシウレア、カリチェアミシン、CVB(1.5g/m2のシクロホスファミド、200〜400mg/m2のエトポシド、150〜200mg/m2のカルムスチン)、C−MOPP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、およびプレドニゾン)、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾン),m−BACOD(メトトレキセート、ブレマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾン、およびロイコボリン)およびMACOP−B(メトトレキセート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシン、およびロイコボリン)が含まれるが、これらに限定されない。更なる有用な薬物には酪酸フェニルおよびブリオスタチン−1が含まれる。
【0091】
一般に、投与される裸の抗顆粒球抗体、免疫複合体、融合タンパク質および更なる治療剤の投与量は、患者の年齢、体重、身長、性別、医学的全身状態、疾病状態、既往歴等の因子によって異なる。典型的には、約1pg/kgから20mg/kg(薬剤量/患者の体重)の範囲の投与量の抗体、免疫複合体または融合タンパク質を患者に投与することが望ましいが、それより少ない、あるいは多い投与量も状況によっては投与できる。
【0092】
患者への抗体、抗体成分、免疫複合体または融合タンパク質の投与は、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、胸膜内、クモ膜下投与、局所カテーテルによる還流、または直接病変内注射により投与できる。注入により治療用タンパク質を投与する場合、投与は連続的な注入または単一回ボーラス投与または複数回ボーラス投与が可能である。
【0093】
本技術分野に通常の技術を有する者にとって、迅速な抗体分布に関して循環血液が完全であることから、静脈内注射が有用な投与方法であることは明らかである。しかし、静脈内投与は、血管系の内皮細胞と内皮下基質を含む血管バリアーにより制限を受ける。更に、血管バリアーは充実性腫瘍による治療用抗体の取り込みに関してより顕著な問題である。リンパ腫は、血流速度が比較的速く、有効な抗体輸送に寄与する。皮下注射または筋肉内注射、またはリンパ管のカテーテル挿入のようなリンパ内投与経路は、有用なリンパ腫治療手段を提供する。
【0094】
好ましくは、裸の抗顆粒球抗体は、低タンパク質用量、例えば、1回の投与につき20〜1500mgのタンパク質を、一度に、または反復して非経口投与する。あるいは、裸の抗顆粒球抗体は、1回の投与あたり20〜1000mgのタンパク質、20〜500mgのタンパク質、あるいは20〜100mgのタンパク質の用量を投与する。
【0095】
上記のように、本発明は、免疫複合体または融合タンパク質の投与により補足された裸の抗顆粒球抗体による治療方法も企図している。一つの変形方法において、裸の抗顆粒球抗体は、低線量の放射性標識された抗顆粒球抗体または断片類と共に投与される。第二の代替法として、裸の抗顆粒球抗体は、低線量の放射性標識された抗顆粒球抗体とサイトカインとの免疫複合体と共に投与される。第三の代替法として、裸の抗顆粒球抗体は、放射性標識されていない抗顆粒球とサイトカインとの免疫複合体と共に投与される。「低線量」の131I−標識された免疫複合体に関して、好ましい線量は15〜40mCiで、最も好ましい範囲は20〜30mCiである。対比すると、90Y−標識免疫複合体の好ましい線量は、10〜30mCiで、最も好ましい範囲は10〜20mCiである。
【0096】
熱中性子活性化療法のためのホウ素アデンド負荷担体を有する免疫複合体は、通常同様に実施される。しかし、中性子照射が実施される前に、標的とならなかった免疫複合体が消失するまで待つのが有利である。消失は、免疫複合体に結合する抗体を利用することにより促進できる。引用することにより本明細書の一部をなすものとする米国特許No.4,624,846参照。
【0097】
本発明の抗顆粒球抗体、免疫複合体、融合タンパク質は、既知の方法により処方でき、製薬学的に有用な組成物を調製でき、それによって治療用担体を製薬学的に許容可能な担体と共に混合物に組み合わせる。組成物は、その投与が患者により許容できる場合には、「製薬学的に許容可能な担体」と呼ばれる。滅菌されたリン酸緩衝食塩水は、製薬学的に許容可能な担体の一例である。その他の適切な担体は本技術分野において既知である。REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES (Mack Publishing Co. 1995)参照。
【0098】
治療を目的として、本発明において説明されている抗体と製薬学的に許容可能な担体は、治療有効量を患者に投与する。抗体と製薬学的に許容可能な担体と、任意選択的に免疫複合体/融合タンパク質をいっしょに組み合わせることは、投与量が生理学的に有意であれば、「治療有効量」を投与されたと表現される。ある薬剤の存在により投与された患者の生理機能に検出可能な変化が生じた場合、その薬剤は生理学的に有意である。今回の状況においては、ある薬剤の存在により標的腫瘍細胞の成長が阻害された場合、その薬剤は生理学的に有意である。
【0099】
治療応用例において、抗体、免疫複合体、または融合タンパク質の作用期間を調節するために、更なる製薬学的方法を利用できる。抗体、免疫複合体、または融合タンパク質を結合または吸収するためにポリマーを利用することにより、徐放剤を調製できる。例えば、生体適合性ポリマーには、ポリ(エチレンコビニル酢酸)の基質およびステアリン酸ダイマーとセバシン酸のポリ無水物コポリマーの基質が含まれる。Sherwood et al., BioTechnology, 10:1446 (1992) 参照。このような基質からの抗体(または免疫複合体)の放出速度は、タンパク質の分子量、基質内の抗体/免疫複合体/融合タンパク質の量、分散粒子のサイズによって異なる。Saltzman et al., Biophys. J., 55:163 (1989); Sherwood et al., BioTechnology, 10:1446 (1992) 参照。その他の固体投与形態が、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES (Mack Publishing Co. 1995)に説明されている。
【0100】
本発明は、正常細胞、および特に造血細胞の放射線により誘発される、あるいは薬物により誘発される毒性を予防し、緩和し、または消失させるために免疫活性調節因子が投与される治療方法も企図している。補助的免疫活性調節因子療法により、投与される哺乳動物の耐性が高まることにより、より高用量の細胞毒性物質の投与が可能になる。更に、補助的免疫活性調節因子による療法は、用量を制限する骨髄毒性を、予防し、緩和し、または消失させることができる。補助的療法に適した免疫活性調節因子には、G−CSF、GM−CSF、トロンボポイエチン、IL−1、IL−3、IL−12等が含まれる。補助的免疫活性調節因子療法は、引用することにより本明細書の一部をなすものとするGoldenberg, 米国特許No.5,120,525により説明されている。
【0101】
例えば、組み換えIL−2は、6x105IU/kgを静脈内ボーラス投与するか、18x106IU/mm2/dの用量で連続的に注入できる。Weiss et al., J. Clin. Oncol., 10:275 (1992)参照。あるいは、組み換えIL−2は、12x106IUの用量で皮下投与できる。Volgelzang et al., J.Clin. Oncol., 11:1809 (1993)参照。INF−γは、1.5x106Uの用量で皮下投与できる。Lienard et al., J. Clin. Oncol., 10:52 (1992)参照。Nadeau et al., (J. Pharmacol. Exp. Ther., 274:78 (1995))は、アカゲザルにおいて、組み換えIL−12の単一回静脈内投与(42.5μg/kg)により、INF−γ濃度が上昇することを明らかにした。適切なIL−2処方には、プロロイキン(Chiron crop., エメリービル、カリフォルニア州)およびテセロイキン(Hoffman-La Roche, Inc.;ナトリー、ニュージャージー州)が含まれる。アクチミューン(Genentech, Inc., サウスサンフランシスコ、カリフォルニア州)は、適切なINF−γ製剤である。
【0102】
以下の具体例は、説明のために提供されており、本発明を制限することを目的とするものではない。
【0103】
[具体例]
[1. 裸の抗NCA−90抗体を用いるCML治療方法]
CML患者にIFN−α2bを6ヶ月間投与したが、加速期へのゆっくりした進行を示し、骨髄中のPh1細胞が顕著に増加した。この時点で、患者に500mgの裸のヒト化MN−3モノクローナル抗体を毎週合計4週間注入した。6週間後、骨髄中のPh1細胞は非常に少数まで減少し、10週間後には検出不能となった。1年後、患者はPh1細胞の増加、貧血、血小板減少症により証明される急速な進行を示した。4週間のhMN3治療を繰り返した。治療2ヶ月後、Ph1細胞は骨髄に検出されず、赤血球も血小板も正常濃度であった。
【0104】
[2. 裸の抗NCA−90抗体を含む併用療法を用いるCML治療方法]
CML患者にIFN−α2bを6ヶ月間投与したが、加速期への緩徐な進行を示し、骨髄中のPh1細胞が顕著に増加した。この時点で、患者に500mgの裸のヒト化MN−3モノクローナル抗体を毎週合計4週間注入した。6週間後、骨髄中のPh1細胞は非常に少数まで減少し、10週間後には検出不能となった。1年後、患者はPh1細胞の増加、貧血、血小板減少症により証明される急速な進行を示した。4週間のhMN3治療を繰り返したが、ヒト化抗CD33抗体を含む裸の免疫療法を併用し、類似用量で投与した。併用療法2ヶ月後、Ph1細胞は骨髄に検出されず、赤血球も血小板も正常濃度であった。
【0105】
[3. 裸の抗NCA−90抗体を用いるAPML治療方法]
レチノイン酸療法を、急性前骨髄性白血病と診断された患者において開始した。NCA−90が悪性細胞に導入されたことを認めたときに、患者に500mgのヒト化MN−3を注入した。治療を毎週繰り返し、合計4回の注入を行った。3ヶ月後、患者の骨髄中に正常細胞が優位を占めた。
【0106】
開示された実施に種々の改変が可能であり、このような改変は、以下の請求項により定義される本発明の範囲内となるべきであることは、本発明の技術において通常の技術を有する者にとって明らかである。

Claims (20)

  1. 製薬学的に許容可能な担体と、少なくとも一つの裸の抗顆粒球抗体とを含む骨髄性白血病の治療において使用するための治療用組成物であって、該抗顆粒球抗体が抗NCA−90抗体または抗NCA−95抗体であり、該裸の抗顆粒球抗体が治療物質と複合体を形成していない抗体である治療用組成物。
  2. 製薬学的に許容可能な担体と、少なくとも一つの裸の抗顆粒球抗体とを含む骨髄性白血病の治療において使用するための治療用組成物であって、該抗顆粒球抗体がMN−3、MN−2、MN−15、NP−1またはNP−2であり、該裸の抗顆粒球抗体が治療物質と複合体を形成していない抗体である治療用組成物。
  3. 抗CD33抗体をさらに含む請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記抗CD33抗体がM−195である請求項3に記載の組成物。
  5. 抗CD15抗体をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 慢性骨髄性白血病(CML)の治療において使用するための請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 骨髄芽球の表面に最小限に表示される抗原の発現を誘導する誘導物質としてレチノイン酸または酸化ヒ素をさらに含み、患者における急性骨髄性白血病(AML)または急性前骨髄性白血病(APML)の治療において使用するための請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  8. 前記抗顆粒球抗体が、ヒトより下等な霊長類抗体、マウスモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. 前記裸の抗体の前に、同時にまたは後に投与するための、治療物質と抗体成分とを含む免疫複合体をさらに含む請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記免疫複合体が、インターロイキン−1(IL−1)、IL−2、IL−3、IL−6、IL−10、IL−12、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、G−CSFまたはGM−CSFをさらに含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記免疫複合体が放射性標識されている請求項9または10に記載の組成物。
  12. 前記放射性標識された免疫複合体が、198Au、32P、125I、131I、90Y、186Re、188Re、67Cu、211At、213Bi、または225Acである核種を
    含む請求項11に記載の組成物。
  13. 前記免疫複合体が抗体融合タンパク質である請求項9に記載の組成物。
  14. 前記抗体融合タンパク質が、抗体と免疫活性調節因子との融合タンパク質、または抗体と毒素との融合タンパク質である請求項13に記載の組成物。
  15. 前記抗体融合タンパク質が、異なる抗体成分の多価の組み合わせ、または同じ抗体成分の複数のコピーである請求項13に記載の組成物。
  16. 前記免疫複合体が、(i)抗NCA−90抗体とリボヌクレアーゼとの複合体または(ii)抗CD33抗体とカリチェアミシンとの複合体である請求項9に記載の組成物。
  17. 前記裸の抗体の前に、同時にまたは後に投与するための化学療法剤をさらに含む請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
  18. 前記化学療法剤が、ダウノルビシン、シタラビン、6−チオグアニン、ミトキサントロン、ジアジクオン、イダルビシン、ホモハリントニン、アムサクリン、ブスルファン、ヒドロキシウレア、シクロホスファミド、エトポシド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾン、カルムスチン、ドキソルビシン、メトトレキセート、ブレオマイシン、デキサメタゾン、酪酸フェニル、ブロスタチン−1、カリチェアミシン、またはロイコボリンである請求項17に記載の組成物。
  19. 二つ以上の裸の抗顆粒球抗体を含む請求項1〜18のいずれかに記載の組成物。
  20. 標的化される抗原または複数の標的化される抗原の発現を増強する誘導物質としてレチノイン酸または酸化ヒ素をさらに含む請求項1〜19のいずれかに記載の組成物。
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