JP3888844B2 - 積層リングの組立装置 - Google Patents

積層リングの組立装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3888844B2
JP3888844B2 JP2000276327A JP2000276327A JP3888844B2 JP 3888844 B2 JP3888844 B2 JP 3888844B2 JP 2000276327 A JP2000276327 A JP 2000276327A JP 2000276327 A JP2000276327 A JP 2000276327A JP 3888844 B2 JP3888844 B2 JP 3888844B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combination
data
layer
component
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000276327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002089630A (ja
Inventor
浩二 齊藤
快彦 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000276327A priority Critical patent/JP3888844B2/ja
Publication of JP2002089630A publication Critical patent/JP2002089630A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3888844B2 publication Critical patent/JP3888844B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Assembly (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機(CVT)用のベルト等、複数の無端帯状のリング部品を積層して組立てられる積層リングの組立装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車等の変速装置として用いられるCVT(無段変速機)のベルトは、複数の無端帯状の金属製のリング部品をそれらの厚み方向に積層して組立てた積層リングにより構成されている。この種の積層リングは、例えば次のように製造される。
【0003】
すなわち、積層リングの各層を構成するリング部品があらかじめ製造され、各層毎の複数のリング部品が部品収納庫等に保管される。この場合、各層のリング部品は、基本的には、その周長値や半径が設計値(これは各層毎に互いに相違する)になるように製造されるものの、一般には、製造上の誤差を生じる。このため、各層のリング部品の周長値や半径は、常に高精度に設計値に一致するわけではなく、設計値を中心にある程度のばらつきを生じる。そして、各層の各リング部品の周長値等のサイズデータは、該リング部品の製造後に別途測定され、その測定データは、個々のリング部品と対応づけて保管される。
【0004】
次に、上記のように製造されて保管された各層の複数のリング部品から、個々の積層リングを組立てるために用いるリング部品を1個づつ選択し、それらを組合わせて積層する。そして、この作業を、積層リングの必要個数の回数、繰り返す。
【0005】
この場合、上述のように各層のリング部品のサイズにはばらつきがあるため、各層のリング部品を任意に(無作為に)1個ずつ選択して組合わせても、所望の積層リングを得ることができるとは限らない。すなわち、CVTのベルト等に用いる積層リングでは、例えば互いに隣り合うリング部品同士の周長値の差あるいは半径の差等が所定の許容範囲内にあること等、あらかじめ定められた所定の規格要件を満たすことが要求される。このため、各層のリング部品を選択して組合わせるための組合わせ条件があらかじめ定められている。
【0006】
この組合わせ条件は、例えば個々の積層リングを得るために最初にどの層のどのリング部品を選択すべきかを規定する条件や、組合わせ作業中に、ある層のリング部品を選択したとき、それに隣合う層のどのリング部品を選択すべきかを規定する条件等があり、それらの条件がリング部品のサイズ等に基づいてあらかじめ定められる。例えば前者の条件は、積層リングの最も内輪側の層のリング部品の中から、前記測定データが設計値に最も近いものを選択する、というように定められ、後者の条件は、例えば互いに隣合う二つの層のリング部品の周長差が所定の許容範囲内にあり、且つ、該許容範囲の中心値に最も近いものを選択する、というように定められる。
【0007】
しかしながら、従来は、積層リングを構成する各層のリング部品の選択及び組合わせは、作業者が前記測定データのログを見ながら行っているのが実状であり、その作業に手間を有するものとなっていた。
【0008】
また、積層リングの量産性を高める上では、製造して保管した各層のリング部品からできるだけ多くの積層リングを得ることが望まれる。しかるに、従来は、各層のリング部品を組合わせるための組合わせ条件は、固定的に定められているため、より多くの積層リングを得ることができない場合も多いと共に、組合わせることができずに残存するリング部品も生じることが多いという不都合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、より多くの積層リングを効率よく得ることができる積層リングの組立装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層リングの組立装置は、かかる目的を達成するために、複数の無端帯状のリング部品を積層して組立てられる積層リングの組立装置において、前記積層リングの各層毎に用意された複数のリング部品のそれぞれの少なくとも周長値を表すサイズデータを含む部品データを記憶保持する部品データ管理手段と、各層毎のリング部品を前記積層リングの全層分、組み合わせるための所定の第1の組合わせ条件に基づいて、前記部品データ管理手段が保持する各層の部品データを組合わせる組合わせ試算を行い、該第1の組合わせ条件に適合して各層の部品データを1個ずつ全層分、組合わせてなる積層組合わせデータを生成する第1の組合わせ試算手段と、該第1の組合わせ試算手段による組合わせ試算によって組合わせられなかった残りの部品データに対し、前記第1の組合わせ条件と異なる第2の組合わせ条件に基づいて各層の部品データを組合わせる組合わせ試算を行い、該第2の組合わせ条件に適合する前記積層組合わせデータを生成する第2の組合わせ試算手段と、前記第1及び第2の組合わせ手段により生成された積層組合わせデータから、実際に前記積層リングを組立てるために用いる各層のリング部品を選定するリング部品選定手段とを備える。
この場合、前記第1及び第2の組合わせ試算手段がそれぞれ実行する組合わせ試算は、あらかじめ定めた特定層の複数の部品データを一つずつ順次選択する特定層データ選択処理と、該特定層の部品データの選択の都度、その選択した特定層の部品データに対して組合わせる他の層の部品データを該特定層に隣接する層から順番に一つずつ選択する層間選択処理と、該層間選択処理により前記積層組合わせデータが生成されたときには、その積層組合わせデータを構成する各層の部品データを次回以降の層間選択処理での選択対象から除外する処理とから構成され、前記第1及び第2の組合わせ条件は、それぞれ前記特定層データ選択処理における前記特定層の部品データの選択順位を規定する試算起点選択条件と、前記層間選択処理において選択済の一つの層の部品データに対して該層に隣接する部品データの中からどの部品を選択すべきかを規定する層間選択条件とを含むと共に、該試算起点選択条件及び層間選択条件の少なくともいずれか一方の選択条件が互いに異なる組合わせ条件である。
そして、本発明は、前記リング部品選定手段で選定されたリング部品を用いて前記積層リングを組立てることを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、前記部品データ管理手段が保持する部品データ、すなわちあらかじめ用意された各層のリング部品に係わる全ての部品データに対して、前記第1の組合わせ条件に基づいて前記第1の組合わせ試算手段が前記組合わせ試算を実行して、前記積層組合わせデータを生成する。そして、さらに、この第1の組合わせ試算手段の組合わせ試算によって積層組合わせデータとして組合わせられなかった残りの部品データに対して、前記第1の組合わせ試算手段が、前記第2組合わせ条件と異なる第2の組合わせ条件に基づく組合わせ試算によって積層組合わせデータを生成する。このため、積層リングを組立てることが可能な各層のリング部品の組合わせとしての積層組合わせデータを、第1の組合わせ条件だけに基づいて生成した場合よりも多数、生成することが可能となる。
【0012】
そして、本発明では、それらの第1及び第2の組合わせ条件に基づく積層組合わせデータを合わせた積層組合わせデータから、実際に積層リングを組立てるためのリング部品を選定して、積層リングを組立てる。このため、組立てが要求される積層リングの個数が多くても、それぞれの積層リングを構成する全層分のリング部品の組を、用意されたリング部品のなかから得ることができる。
【0013】
従って、本発明によれば、あらかじめ用意されたリング部品から、より多くの積層リングを組立てることができることとなり、積層リングの量産性を高めることができる。
【0015】
また、前記の如く前記第1及び第2組合わせ条件を、前記試算起点選択条件及び層間選択条件の一方もしくはその両者が互いに異なるものとすることで、それらの組合せ条件の相違が、生成される積層組合わせデータに反映しやすくなり、第1及び第2の各組合せ条件毎に、互いに異なる積層組合わせデータを適正に生成することができる。
【0016】
また、本発明では、好ましくは、前記第1の組合わせ試算手段は、前記各層毎のリング部品を前記積層リングの全層分、組み合わせるための組合わせ条件を可変的に複数種類設定すると共に、その設定した各種類の組合せ条件毎に、前記組合わせ試算を実行する手段と、該各種類の組合わせ条件に対応して前記組合わせ試算により得られる前記積層組合わせデータの個数を評価し、該個数が最大となる組合わせ条件を前記第1の組合わせ条件として決定する手段とを備える。
【0017】
これによれば、前記第1の組合わせ試算手段は、前記複数種類の組合わせ条件のそれぞれに基づいて前記組合わせ試算を実行して、積層組合わせデータを生成する。そして、該第1の組合わせ試算手段は、生成された積層組合わせデータの個数が最大となるような組合わせ条件を前記第1の組合わせ条件として決定する。このため、第1の組合わせ条件で生成される積層組合わせデータの個数を可能な限り多くすることができる。従って、この積層組合わせデータと第2の組合わせ条件で生成される積層組合わせデータとを合わせた積層組合わせデータの個数をさらに多くすることができ、ひいては、積層リングの量産性をさらに高めることができる。
【0018】
尚、前述のように組合わせ条件が前記試算起点選択条件と層間選択条件とを含む場合、第1の組合わせ試算手段に係わる組合わせ条件を複数種類設定するためには、該試算起点選択条件及び層間選択条件の一方、もしくは両者を複数種類設定するようにすればよい。
【0019】
また、本発明で、前述のように組合わせ条件が前記試算起点選択条件と層間選択条件とを含む場合、前記第2の組合わせ試算手段は、前記残りの部品データのうち、前記層間選択処理で最後に選択すべき層を除く各層の各部品データに対して、該層に隣接する層の部品データのうち前記第2の組合わせ条件に係わる前記層間選択条件に基づいて選択可能な部品データの個数を組合わせ可能数として計数する手段を備え、前記層間選択処理において、選択済の一つの層の部品データに対して該層に隣接する層の部品データのうち、前記組合わせ可能数が零でない部品データが複数あるとき、その複数の部品データの中から、該組合わせ可能数が最も少ない部品データを前記積層組合わせデータの構成要素として選択することが好ましい。
【0020】
これによれば、第2の組合わせ試算手段が積層組合わせデータを生成するとき、前記層間選択処理において、選択済の一つの層の部品データに対して該層に隣接する層の部品データのうち、前記組合わせ可能数が零でない部品データが複数あるとき、その複数の部品データの中から、該組合わせ可能数が最も少ない部品データを前記積層組合わせデータの構成要素として選択するので、積層組合わせデータを構成し難い部品データが優先的に積層組合わせデータの構成要素として選択されることとなる。つまり、第2の組合わせ試算手段が組合わせ試算の対象とする前記残りの部品データは、前記第1の組合わせ条件による組合わせ試算で、積層組合わせデータとして組合わせられなかったものであるため、積層組合わせデータの構成要素となり難いものである。このため、本発明では、このような部品データを用いてできるだけ多くの積層組合わせデータを生成するために、前記組合わせ可能数がより少ないものを優先的に積層組合わせデータの構成要素として選択し、該部品データが第2の組合わせ試算手段による組合わせ試算の早期の段階で積層組合わせデータの構成要素となるようにする。
【0021】
これにより、第2の組合わせ試算手段による組合わせ試算で生成される積層組合わせデータの個数を多くすることができ、積層組合わせデータを構成し難い部品データ、ひいては、積層リングを構成し難いリング部品がいつまでも、積層リングを組立てるための部品として使用されずに残るというような事態を防止することができる。
【0022】
さらに、この場合、本発明では、前記第2の組合わせ試算手段は、前記層間選択条件が同一で且つ前記試算起点選択条件が互いに異なる複数種類の組合わせ条件を設定すると共に、その設定した各種類の組合せ条件毎に、前記組合わせ試算を実行する手段と、該各種類の組合わせ条件に対応して前記組合わせ試算により得られる前記積層組合わせデータの個数を評価し、該個数が最大となる組合わせ条件を前記第2の組合わせ条件として決定する手段とを備えることが好ましい。
【0023】
これによれば、前記第2の組合わせ試算手段は、前記複数種類の組合わせ条件のそれぞれに基づいて前記組合わせ試算を実行して、積層組合わせデータを生成する。このとき、各組合せ条件は、前記試算起点選択条件のみが互いに異なるので、前記層間選択条件に基づく層間選択処理では、前述のように前記組合わせ可能数がより少ない部品データが優先的に選択される。そして、該第2の組合わせ試算手段は、生成された積層組合わせデータの個数が最大となるような組合わせ条件を前記第2の組合わせ条件として決定する。このため、第2の組合わせ条件で生成される積層組合わせデータの個数を可能な限り多くすることができる。従って、この積層組合わせデータと第1の組合わせ条件で生成される積層組合わせデータとを合わせた積層組合わせデータの個数をさらに多くすることができ、ひいては、積層リングの量産性をさらに高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図9を参照して説明する。図1は本実施形態で組立てる積層リングを用いて構成される無段変速機(CVT)のベルトの構造を示す説明図、図2は該ベルトを構成する積層リングを組立てる装置の全体的システム構成を示すブロック図、図3〜図9は本実施形態の作動を説明するためのフローチャートである。
【0025】
まず、CVTのベルトの構造を図1を参照して簡単に説明しておく。図1(a)はCVTのベルトの側面図であり、図1(b)は該ベルトの部分的斜視図である。これらの図に示すように、CVTのベルト1は、複数の板状のエレメント2を一対の積層リング3,3に係合させて、それらの積層リング3,3に沿って環状に配列した構造となっている。そして、各積層リング3は、図1(b)に示すように、複数(N個)の薄肉な無端帯状の金属製リング部品41,42,43,…,4Nをそれらの厚み方向で積層することにより組立られている。
【0026】
尚、以下の説明では、リング部品41,42,43,…,4Nを特に区別する必要が無いときは、それらを総称的にリング部品4と称する。また、各積層リング3の各層を、最も内側のものから順に第1層、第2層、…、第N層というように称する。さらに、個々の積層リング3を構成する第1〜第N層のリング部品41〜4Nの組(セット)を組リング部品(4)と称する。また、CVTのベルト1の一対の積層リング3,3を区別するとき、それらのうちの一方を第1積層リング3a、他方を第2積層リング3bと称する(図1(b)を参照)。
【0027】
本実施形態の装置は、前記ベルト1を構成する積層リング3,3を組立てるための装置であり、図2に示すように、各積層リング3の各層を構成するリング部品41〜4Nを層別に分類して収容する部品収容庫10と、図示しない前工程ステーションで製造されて搬入される各層のリング部品41〜4Nを部品収容庫10に入庫する入庫装置11と、部品収容庫10から各積層リング3を組立てるための組リング部品(4)を出庫する出庫装置12と、後述の各種演算処理や、入庫装置11及び出庫装置12の動作指令を行うコンピュータ13と、出庫装置12より出庫された組リング部品(4)のリング部品41〜4Nを積層する作業を実行して、積層リング3を組立てる積層作業装置14とを具備している。
【0028】
尚、詳細な図示は省略するが、コンピュータ13は、CPU、RAM、ROM等を有する基本的な回路ユニットを具備することはもちろん、ハードディスク等の記録媒体、キーボードやディスプレイ等の入出力機器、他のコンピュータ等との通信手段(LANデバイス等)、各種処理を実行するためのソフトウェア等を含んでいる。また、コンピュータ13は、一台のコンピュータで構成したものであってもよいが、複数のパソコン等を相互にデータの授受を可能に接続して構成したものであってもよい。
【0029】
コンピュータ13は、その主要な機能的手段として、部品収容庫10に収容されている各リング部品4に関する部品データを記憶保持して保管する部品データ管理手段14と、該部品データ管理手段15が保管する部品データ等を用いて後述の各種演算処理を実行する演算処理手段16とを具備している。
【0030】
ここで、部品データ管理手段15が保管する部品データは、例えば、部品収容庫10の各リング部品4が積層リング3のどの層に対応するものであるかを識別するためのデータ(以下、層識別データという)、部品収容庫10における各リング部品4の収容場所を表すデータ(以下、収容番地データという)、各リング部品4のサイズデータとしての周長値の実測データ、各リング部品4の製造日付のデータ、各リング部品のロットナンバーのデータ等から構成される複合データである。尚、上記サイズデータについては、各リング部品4の周長値の実測データの代わりに、例えば各リング部品4の半径もしくは直径のデータであってもよく、さらには、必要に応じて各リング部品4の厚みや幅等のデータを含めてもよい。
【0031】
部品データ管理手段15が保管するこれらのデータのうち、前記収容番地データを除くデータ(図2では入庫品製造情報と称している)は、リング部品4の製造ステーション(図示しない)から各リング部品4が搬入される際に、例えば該製造ステーションに備えられたコンピュータ(図示しない)から通信手段を介してコンピュータ13に与えられるものである。また、前記収容番地データは、搬入されたリング部品4を前記入庫装置11により部品収容庫10に入庫する際に、コンピュータ13が上記入庫品製造情報の層識別データ等を参照しながら適宜決定するものである。
【0032】
そして、コンピュータ13は、部品データ管理手段15により、図示しない製造ステーションのコンピュータから与えられたデータ(入庫品製造情報)と上記収容番地データとを合わせて保管する。この場合、コンピュータ13は、部品収容庫10へのリング部品4の入庫や該部品収容庫10からの組リング部品(4)の出庫が行われたときに部品データ管理手段15に保管するデータを更新する。すなわち、部品収容庫10にリング部品4が新たに入庫されると、そのリング部品4の部品データを、部品収容庫10に既に収容されているリング部品4の部品データと併せて部品データ管理手段15に保管し、部品収容庫10から組リング部品(4)が出庫されると、その組リング部品(4)を構成する第1〜第N層の各リング部品4の部品データの保管を解除して、該データを部品データ管理手段15から消去する。
【0033】
尚、前記演算処理手段16は、詳細な説明は後述するが、本発明における第1及び第2の組合わせ試算手段、並びにリング部品選定手段としての機能を有するものである。
【0034】
次に、本実施形態の装置の作動を詳細に説明する。
【0035】
コンピュータ13は、組リング部品(4)の出庫の要求(積層リング3の組立要求)があると、図3及び図4のフローチャートに示す処理を実行する。
【0036】
まず、コンピュータ13は、演算処理手段16による後述する組合わせ試算等の処理を行うために必要な基本的な要件項目を演算処理手段16に取り込む(STEP1)。この要件項目は、CVTのベルト1用の積層リング3として要求される規格要件、出庫するリング部品4を選定するための要件(以下、出庫品選定要件という)等である。これらの要件項目は、あらかじめコンピュータ13に入力され、図示しないハードディスク等に保存されている。
【0037】
この場合、積層リング3として要求される規格要件としては、本実施形態では、例えば積層リング3の隣合う二つの層のリング部品4,4の半径の差(以下、リング間クリアランスΔrという)を規定する要件と、該リング間クリアランスΔrの全層分の総和(以下、トータルクリアランスΣΔrという)を規定する要件と、CVTのベルト1を得るときに対となる第1及び第2積層リング3a,3b(図1参照)のそれぞれの第1層(最も内側の層)のリング部品41,41の周長値の差の絶対値(以下、第1層周長差ΔL1という)を規定する要件とがある。
【0038】
そして、リング間クリアランスΔrの規格要件は、例えば該リング間クリアランスΔrの許容範囲がA±α[μm](但し、A,αは正の定数)である、すなわち、A−α≦Δr≦A+αであるというように定められている。また、トータルクリアランスΣΔrの規格要件は、例えばその許容範囲が、0≦ΣΔr≦B[μm](但し、Bは正の定数)であるというように定められ、第1層周長差ΔL1の規格要件は、例えばその許容範囲が0≦ΔL1≦C[μm](但し、Cは正の定数)であるというように定められている。
【0039】
尚、前記リング間クリアランスΔrに関しては、詳しくは、第1層と第2層との間のリング間クリアランス、第2層と第3層との間のリング間クリアランス、……、第N−1層と第N層との間のリング間クリアランス、というようにN−1種類のリング間クリアランスがあるが、本実施形態では、互いに隣り合ういずれの層間のリング間クリアランスΔrについても、それに対する規格要件(A−α≦Δr≦A+αという要件)は同一である。
【0040】
また、該リング間クリアランスΔrは、より詳しくは、互いに隣り合う二つのリング部品4,4のうちの外側のリング部品4の内周面の半径(内径)と内側のリング部品4の外周面の半径(外径)との差である。この場合、各層のリング部品4の厚みが一定である場合には、隣り合うリング部品4,4のそれぞれの内径の差、あるいは外径の差、もしくは、それらの差から各層のリング部品4の厚みの設計値(一定値)を加えたものをリング間クリアランスΔrとしてよい。本実施形態では、後述する処理でリング間クリアランスΔrを求めるに際しては、例えば上記内径の差(これは各層のリング部品4の内周面の周長値の測定値から算出される)をリング間クリアランスΔrとして得るようにしている。但し、各層のリング部品4の厚みがばらつきを生じるような場合には、例えば隣り合うリング部品4,4の内径の差から内側のリング部品4の厚みを減算したたもの、あるいは、リング部品4,4の外径の差から外側のリング部品4の厚みを減算したものをリング間クリアランスΔrとして得るようにすることが好ましい。
【0041】
また、前記出庫品選定要件は、出庫する組リング部品(4)の優先順位を規定する要件であるが、これについては、詳細を後述する。
【0042】
次いで、コンピュータ13は、部品データ管理手段15により保管している部品データ、すなわち、部品収容庫10に現在収容されているリング部品4の部品データを整理する(STEP2)。より具体的には、部品データを各層別に分類したり、各層毎の部品データを周長値データの大きさ順に配列する等のソート処理を行う。
【0043】
次いで、コンピュータ13は、各層の部品データを組合わせるための複数種類の組合わせ条件を規定するパラメータを演算処理手段16に取り込む(STEP3)。ここで、これらの組合わせ条件について説明する前に、演算処理手段16が実行する組合わせ試算の基本的概要を説明しておく。
【0044】
本実施形態における組合わせ試算では、まず、部品収容庫10に収容されている第1層(特定層)のリング部品41のそれぞれの部品データの中から、一つのリング部品41の部品データを選択し、その選択した第1層の部品データに対して組合わせる第2層の一つのリング部品42の部品データを選択する。さらに、その選択した第1層及び第2層の部品データに対して組合わせる第3層の一つのリング部品43の部品データを選択する。以下、同様にして、第4層、第5層、…、第N層のリング部品44,45,…,4Nの部品データから、順次、一つずつ部品データを選択し、積層リング3の全層分(N層分)の部品データを組合わせてなる積層組合わせデータ(これは前記組リング部品(4)に対応する)を生成する。そして、このようにして積層組合わせデータを生成する処理を繰り返し、複数の積層組合わせデータを生成する。この場合、積層組合わせデータが生成される都度、その生成された積層組合わせデータに含まれる各層の部品データは、以後に新たな積層組合わせデータを生成する処理における選択対象から除外される。
【0045】
この場合、本実施形態では、上記のような組合わせ試算を行うための組合わせ条件は、それを大別すると、前記部品データ管理手段15が保持している各層の全ての部品データについて組合わせ試算を行うための組合わせ条件(以下、全部品組合わせ条件ということがある)と、この全部品組合わせ条件に基づく組合わせ試算で生成される積層組合わせデータの構成要素とならなかった残りの部品データについて組合わせ試算を行うための組合わせ条件(以下、残部品組合わせ条件ということがある)とがある。そして、上記全部品組合わせ条件及び残部品組合わせ条件のいずれの組合わせ条件も、第1層のリング部品41の部品データをどの順番で選択するかを規定する試算起点選択条件と、第i層(i=1,2,…,N−1)の一つの部品データを選択したとき、その層に隣り合う第i+1層のいずれの部品データを選択するかを規定する層間選択条件とを含んでおり、これらの選択条件を次のように定めている。
【0046】
すなわち、前記全部品組合わせ条件及び残部品組合わせ条件のいずれの組合わせ条件についても、前記試算起点選択条件は、基本的には、ある特定の周長値により近い周長値データを有するものから順番に第1層の部品データを選択するというように定められている。さらに、本実施形態では、前記全部品組合わせ条件及び残部品組合わせ条件のいずれの組合わせ条件に基づく組合わせ試算においても、より多くの積層組合わせデータを生成し得る上記特定の周長値を見出すために、該特定の周長値を可変的に設定するパラメータとし、このパラメータ(以下、試算起点周長パラメータという)を複数種類の値に設定することで、複数種類の試算起点選択条件を設定可能としている。この場合、本実施形態では、試算起点周長パラメータの値として採り得る複数種類(例えば10種類)の値、あるいはそれらの値を規定する設定データがあらかじめ定められてコンピュータ13のハードディスク等に記憶保持されている。
【0047】
一方、前記層間選択条件については、本実施形態では、前記全部品組合わせ条件及び残部品組合わせ条件の各組合せ条件について、各別の形態の層間選択条件が定められている。この場合、前記全部品組合わせ条件に係わる層間選択条件は、基本的には、上述のような組合わせ試算中に、選択した第i層(i=1,2,…,N−1)の部品データに対して、前記リング間クリアランスΔrが、前記規格要件(A−α≦Δr≦A+αという要件)を満たし、且つ、該リング間クリアランスΔrが、ある特定の目標値に最も近いものを第i+1層の部品データから選択する、というように定められている。
【0048】
また、前記残部品組合わせ条件に係わる層間選択条件は、基本的には、組合わせ試算中に選択した第i層(i=1,2,…,N−1)の部品データに対して、前記リング間クリアランスΔrが、前記規格要件(A−α≦Δr≦A+αという要件)を満たし、且つ、後述のSTEP4で算出される組合わせ可能数が最も少ないもの(但し、組合わせ可能数が「0」のものは除く)を選択する、というように定められている。
【0049】
さらに、全部品組合わせ条件に係わる層間選択条件に関しては、本実施形態では、該全部品組合わせ条件に基づく組合わせ試算において、より多くの積層組合わせデータを生成し得る前記リング間クリアランスの特定の目標値を見出すために、前記試算起点周長パラメータと同様、該リング間クリアランスΔrの特定の目標値を可変的に設定するパラメータとし、このパラメータ(以下、目標クリアランスパラメータという)を複数種類の値に設定することで、複数種類の層間選択条件を設定可能としている。この場合、前記試算起点周長パラメータと同様、目標クリアランスパラメータの値として採り得る複数種類(例えば10種類)の値、あるいはそれらの値を規定する設定データがあらかじめ定められてコンピュータ13のハードディスク等に記憶保持されている。
【0050】
そして、コンピュータ13は、前記STEP3では、上記の複数種類の試算起点周長パラメータの値と、複数種類の目標クリアランスパラメータの値とをそれぞれ、複数種類の組合わせ条件を規定するパラメータとして演算処理手段16に取り込む。この場合、前記全部品組合わせ条件に関しては、試算起点選択条件及び層間選択条件を合わせた組合わせ条件の種類数は、試算起点選択条件の種類数(=試算起点周長パラメータの値の種類数)と、層間選択条件の種類数(=目標クリアランスパラメータの値の種類数)との積の値の種類数(例えば10×10=100種類)となる。また、前記残部品組合わせ条件に関しては、組合わせ条件の種類数は、試算起点選択条件の種類数と同数(例えば10種類)となる。
【0051】
尚、以下の説明では、試算起点周長パラメータの値の種類数をX個とし、それらの値をP1,P2,…,PXと表す。同様に、目標クリアランスパラメータの値の種類数をY個とし、それらの値をQ1,Q2,…,QYと表す。
【0052】
次に、コンピュータ13は、部品データ管理手段15が保管している第1〜第N−1の各層の各部品データに対して、該層に隣接する次の層(第2〜第N層)の部品データの中から組合わせることが可能な部品データ(より詳しくは前記リング間クリアランスΔrがA−α≦Δr≦A+αという規格要件を満たす部品データ)の個数を事前にカウントする処理(組合わせ可能数カウント処理)を実行する(STEP4)。
【0053】
この組合わせ可能数カウント処理は、図5のフローチャートに示すように実行される。
【0054】
すなわち、まず、第1〜第N−1層から一つの層(第i層)を選択し(STEP4−1)、さらに、その選択した第i層の部品データの中から一つの部品データDiを選択する(STEP4−2)。
【0055】
そして、その選択した第i層の部品データDiと、この第i層に隣接する第i+1層の各部品データとの前記リング間クリアランスΔrを算出する(STEP4−3)。さらに、そのリング間クリアランスΔrが前述の規格要件(A−α≦Δr≦A+αという要件)を満たしている第i+1層の部品データの個数を、第i層の部品データDiに係わる組合わせ可能数としてカウントする(STEP4−4)。この場合、上記リング間クリアランスΔrは、部品データDiの周長値データと、第i+1層の各部品データの周長値データとから算出される(以下、同様)。
【0056】
尚、上記ようにカウントされた個数は、第i層の部品データDiと対応づけて部品データ管理手段15により保管される。
【0057】
次いで、現在選択している第i層の全ての部品データをSTEP4−2で選択したか否かを判断し(STEP4−5)、未だ選択していない第i層の部品データがある場合には、STEP4−2からの処理を繰り返す。この場合、STEP4−2では、第i層の部品データのなかから、未選択の一つの部品データが選択される。
【0058】
尚、STEP4−2で、上記のように第i層の部品データを一つずつ選択する処理は、例えば第i層に対応して部品データ管理手段15が保管している部品データの配列順に第i層の各部品データを選択したり、第i層の各部品データに含まれる周長値データの大きさ順に各部品データを順番に選択したりすることで行うことができる。
【0059】
また、STEP4−2で第i層の全ての部品データを選択したことがSTEP4−5で確認された場合には、次に、第1〜第N−1層の全ての層をSTEP4−1で選択したか否かを判断し(STEP4−6)、未だ選択していない層がある場合には、STEP4−1からの処理を繰り返す。この場合、STEP4−1では、第1〜第N−1層のなかから、未選択の一つの層が選択される。
【0060】
尚、STEP4−1で、上記のように第1〜第N−1層の各層を一つずつ選択するためには、例えばそれらの各層を第1層から順番に選択するようにすればよい。
【0061】
また、STEP4−6で第1〜第N−1層の全ての層を選択したことが確認された場合には、図3のメインルーチンの処理に復帰する。
【0062】
以上のようなSTEP4の処理によって、部品データ管理手段15が保管している第1〜第N−1の各層の全ての部品データのそれぞれに対して、それとリング間クリアランスΔrの規格要件を満たすような部品データの個数、換言すれば、第i層(i=1,2,…,N−1)の各部品データに対して、前記層間選択条件に基づいて組合わせ可能な第i+1層の部品データの個数が、組合わせ可能数として事前にカウントされる。そして、このようにカウントされた組合わせ可能数が、第1〜第N−1の各層の各部品データと対応づけられて部品データ管理手段15により保管される。尚、第N層の部品データは、前記に概要を説明した組合わせ試算において最後に選択されて組合わせられるものであるため、STEP4の処理の対象外とされる。
【0063】
図3のフローチャートの説明に戻って、次に、コンピュータ13は、演算処理手段16により、STEP5〜12において、前記全部品組合わせ条件による組合わせ試算に係わる処理を実行する。
【0064】
さらに詳細には、コンピュータ13の演算処理手段16は、まず、前記STEP3で取り込んだ複数種類の試算起点選択条件に係わる複数(X個)の試算起点周長パラメータP1,P2,…,PXから一つの試算起点周長パラメータPmを選択する(STEP5)。
【0065】
さらに、演算処理手段16は、STEP3で取り込んだ複数種類の層間選択条件に係わる複数(Y個)の目標クリアランスパラメータQ1,Q2,…,QYから一つの目標クリアランスパラメータQnを選択する(STEP6)。これにより、試算起点周長パラメータ及び目標クリアランスパラメータにより定まる複数種類(X×Y種類)の組合わせ条件の中から一つの組合わせ条件が設定される。
【0066】
そして、演算処理手段16は、選択した試算起点周長パラメータPm及び目標クリアランスパラメータQnの組により定まる一つの種類の組合わせ条件(以下、これを組合わせ条件(Pm,Qn)と表記する)に基づいて、部品データ管理手段15が保持している全ての部品データに対する組合わせ試算を実行する(STEP7)。
【0067】
この組合わせ試算は、図6〜図8のフローチャートに示すように行われる。尚、図6及び図7に示した括弧付きのSTEP番号は、後述のSTEP14の処理を説明するためのものである。
【0068】
図6を参照して、コンピュータ13の演算処理手段16は、まず、前記STEP5で選択した試算起点周長パラメータPmにより規定される試算起点選択条件に基づいて、第1層の部品データのなかから一つの部品データD1を選択する(STEP7−1)。
【0069】
すなわち、現在設定されている試算起点周長パラメータPmにより規定される試算起点選択条件は、基本的には該パラメータPmの値により近い周長値データを有するものから順番に第1層の部品データD1を一つずつ選択するというように第1層の部品データの選択順位を規定するものであると共に、STEP7−1の処理は、一つの種類の組合わせ条件(Pm,Qn)における組合わせ試算中に繰り返し実行される処理である。そして、STEP7−1では、基本的には、この処理が実行される毎に、上記のように試算起点周長パラメータPmに応じて定まる選択順位に従って、第1層の一つの部品データD1が選択される。
【0070】
但し、この場合、前記STEP4で事前にカウントされた組合わせ可能数「0」であるか、又は使用済フラグがON状態になっている第1層の部品データはSTEP7−1での選択対象から除外される。
【0071】
ここで、上記使用済フラグは、第1〜第Nの各層の各部品データに対して、組合わせ試算中に後述のように適宜、ON状態に設定されるものであり、STEP7の処理の開始時に、全ての層の全ての部品データについてOFF状態に初期化されるものである。
【0072】
尚、STEP7−1で、同一の周長値データを有する部品データが複数あるときには、例えば、部品データ管理手段15における部品データの配列順位に従って一つの部品データを選択したり、あるいは、各部品データに含まれる前記製造日付データや、ロットナンバーのデータ等を考慮して一つの部品データを選択する。
【0073】
次いで、演算処理手段16は、STEP7−1で選択した部品データD1の周長値データと、第1層の他の全ての部品データの周長値データとの差の絶対値、すなわち前記第1層周長差ΔL1を算出する(STEP7−2)。そして、この第1層周長差ΔL1が、前述の規格要件(0≦ΔL1≦Cという要件)を満たしている第1層の部品データを部品データD1に対するペアリング候補としてその個数(以下、ペアリング候補数という)をカウントする(STEP7−3)。
【0074】
但し、このとき、前記STEP4で事前にカウントされた組合わせ可能数が「0」であるか、又は、使用済フラグがON状態となっている部品データについては、ペアリング候補数のカウント対象から除外される。
【0075】
このようにカウントされるペアリング候補数は、CVTのベルト1を構成する積層リング3,3の対に対応して、STEP7−1で選択した第1層の部品データD1と対になる可能性のある第1層の他の部品データの個数である。
【0076】
次いで、演算処理手段16は、STEP7−3でカウントしたペアリング候補数それが「0」であるか否かを判断する(STEP7−4)。そして、ペアリング候補数=0であるとき、すなわち、部品データD1を含む積層組合わせデータを生成しても、それと対になる積層組合わせデータを生成することが不可能であるときには、STEP7−1の処理に戻って、第1層の新たな部品データD1を選択する。これは、本実施形態では、CVTの個々のベルト1には、一対の積層リング3,3が必要であることを考慮し、2個の積層リング3,3を1セットとして組立てるためである。
【0077】
一方、STEP7−1でペアリング候補数が「0」でない第1層の部品データD1が選択され、それがSTEP7−4で確認されると、演算処理手段16は、その第1層の部品データD1に対して、第2〜第N層までの部品データを一つずつ組合わせて積層組合わせデータを生成する積層組合わせ処理を実行する(STEP7−5)。
【0078】
この積層組合わせ処理は、図8のフローチャートに示すように行われる。
【0079】
すなわち、演算処理手段16は、まず、層番号を表すパラメータiの値を「1」に初期設定した後(STEP7−5−1)、現在選択されている第i層の部品データDiと、第i+1層の各部品データとのリング間クリアランスΔrを各部品データの周長値データを用いて算出する(STEP7−5−2)。この場合、積算組合わせ処理の開始当初は、i=1であるので、第i層の部品データDiは、前記STEP7−1〜7−4の処理を経て選択された第1層の部品データD1である。
【0080】
次いで、演算処理手段16は、第i+1層の部品データのなかから、上記STEP7−5−2で算出したリング間クリアランスΔrが前述の規格要件(A−α≦Δr≦A+αという要件)を満たす部品データを、第i層の部品データDiに対する組合わせ許容部品データとして抽出する(STEP7−5−3)。
【0081】
但し、このとき、第i+1層の部品データのうち、前記STEP4で事前にカウントされた組合わせ可能数が「0」であるか、又は、使用済フラグもしくは選択禁止フラグがON状態となっている部品データは、抽出対象から除外される。
【0082】
ここで、上記選択禁止フラグは、第2〜第N−1の各層の各部品データに対して、組合わせ許容部品データが存在しない場合に後述のSTEP7−5−13でON状態に設定されるものであり、前記使用済フラグと同様、STEP7の処理の開始時に、第2〜第N−1の各層の全ての部品データについてOFF状態に初期化される。
【0083】
尚、STEP7−5−3で前記組合わせ許容部品データを抽出する際に、層番号iがi=N−1であるときには、第i+1層(=第N層)の部品データに係わる組合わせ可能数「0」であるか否かの条件と、選択禁止フラグがON状態であるか否かの条件とは無視される。これは、第N層の部品データは、積層組合わせデータを得る際に最後に選択されるものであるため、前記STEP4で組合わせ可能数が算出されないと共に、後述のSTEP7−5−13で前記選択禁止フラグがON状態に設定されることもないからである。従って、STEP7−5−3の処理の際に、i=N−1であるときには、第N層(=第i+1層)の部品データのなかから、第N−1層の選択された部品データDN-1とのリング間クリアランスΔrが前述の規格要件(A−α≦Δr≦A+αという要件)を満たし、且つ、使用済フラグがON状態でないものが抽出されることとなる。
【0084】
次いで、演算処理手段16は、このSTEP7−5−3で抽出した組合わせ許容部品データの抽出数が「0」であるか否かを判断する(STEP7−5−4)。
【0085】
このとき、抽出数≠0(抽出数>0)である場合、すなわち、選択されているの第i層の部品データDiに対して組合わせることを許容できる第i+1層の部品データが少なくとも一つある場合には、演算処理手段16は、抽出された第i+1層の組合わせ許容部品データのなかから、前記STEP6で設定された現在の目標クリアランスパラメータQnにより規定される層間選択条件に基づいて、既に選択されている第1〜第i層の部品データD1〜Diと組合わせる一つの部品データDi+1を選択する(STEP7−5−5)。すなわち、抽出された組合わせ許容部品データのなかから、前記STEP7−5−2で算出した第i層の部品データDiとのリング間クリアランスΔrが現在設定されている目標クリアランスパラメータQnの値に最も近い部品データDi+1を選択する。
【0086】
さらに、演算処理手段16は、新たに選択した第i+1層の部品データDi+1に係わる使用済フラグをON状態に設定する(STEP7−5−6)。
【0087】
次いで、演算処理手段16は、層番号iの値を現在の値から「1」だけ増加させた後(STEP7−5−7)、その増加させた層番号iの値が、積層リング3の層数N以上になったか否かを判断する(STEP7−5−8)。このとき、i<Nである場合には、前記STEP7−5−2からの処理を繰り返す。また、i≧Nである場合、すなわち、第1層から第N層までの全ての層の部品データを一つずつ選択し終えて、それらの各層の部品データD1〜DNから成る積層組合わせデータを生成した場合には、その積層組合わせデータに係わる前記トータルクリアランスΣΔrを算出する(STEP7−5−9)。そして、このトータルクリアランスΣΔrが、前述の規格要件(0≦ΣΔr≦Bという要件)を満たしているか否かを判断し(STEP7−5−10)、この要件を満たしている場合には、STEP7−5の積層組合わせ処理を終了し、図6の処理に復帰する。
【0088】
また、上記トータルクリアランスΣΔrが、規格要件を満たしていない場合には、積層組合わせデータにおける第2〜第N層の各部品データについて前記STEP7−5−6でON状態とされた使用済フラグをOFF状態に戻した後(STEP7−5−11)、前記図6の処理に復帰する。
【0089】
以上説明した処理が、積層組合わせ処理の基本的な処理であり、上述のように、前記STEP7−1〜STEP7−4の処理で選択・決定された第1層の部品データD1に対して第2〜第N層の各層の部品データD2〜DNが一つずつ順次選択され、それらを組合わせてなる一つの積層組合わせデータが生成される。
【0090】
一方、前記STEP7−5−4の判断で、組合わせ許容部品データの抽出数が「0」である場合、すなわち、選択している第i層の部品データDiに対して組合わせることを許容できる第i+1層の部品データが存在しない場合には、演算処理手段16は、次のような処理を実行する。
【0091】
すなわち、STEP7−5−4の判断で、組合わせ許容部品データの抽出数が「0」である場合には、演算処理手段16は、現在の層番号iの値を判断する(STEP7−5−12)。このとき、i=1である場合には、選択している第1層の部品データD1を含む積層組合わせデータを生成することは不可能であるので、積層組合わせ処理を終了して、前記図6の処理に復帰する。
【0092】
また、STEP7−5−12の判断で、i>1である場合には、現在選択している第i層の部品データDiに係わる選択禁止フラグをON状態に設定する(STEP7−5−13)。尚、このとき、この第i層の部品データDiの選択は解除され、第1層〜第i−1層の部品データD1〜Di-1が選択されている状態となる。
【0093】
さらに層番号iの値を「1」だけ減少させた後(STEP7−5−14)、前記STEP7−5−2の処理に戻る。
【0094】
すなわち、STEP7−5−3で第i層(i>1)の選択中の部品データDiに対して、第i+1層の組合わせ許容部品データの抽出数が「0」であるときには、第i層の部品データDiの選択を解除し、一つ前の層(=第i−1層)に戻って、その第i−1層の既に選択された部品データDi-1に対する第i層の組合わせ許容部品データの抽出を再度行う。そして、この抽出された組合わせ許容部品データから、第i−1層の部品データDi-1と組合わせる第i層の部品データDiが改めてSTEP7−5−5で選択される。
【0095】
この場合、先に選択された第i層の部品データについては、上記STEP7−5−13で選択禁止フラグがON状態に設定されるため、以後は、その部品データが第i−1層の部品データに対する組合わせ許容データとして抽出されることはなく、ひいては、STEP7−5−5で積層組合わせデータを構成する部品データとして選択されることもない。
【0096】
より具体的には、例えば第1層〜第3層の部品データD1〜D3が選択された状態で、第3層の部品データD3に対して前記STEP7−5−3で抽出された第4層の組合わせ許容部品データの抽出数が「0」であった場合には、既に選択されている第2層の部品データD2に対して、再度、第3層の組合わせ許容部品データが抽出されることとなる。そして、基本的には、その新たに抽出された組合わせ許容部品データ(これには先に選択された第3層の部品データD3は含まれない)のなかから、積層組合わせデータを構成する第3層の部品データがSTEP7−5−5において改めて選択される。
【0097】
尚、上述のようにSTEP7−5−3の抽出処理を再度行ったとき、先に選択された第i層の部品データDi(上記の例示では第3層の部品データD3)の選択禁止フラグがON状態にされることで、再度のSTEP7−5−3の処理で抽出される組合わせ許容部品データの抽出数が「0」となる場合もあり得る。この場合には、STEP7−5−4の判断処理を経て、STEP7−5−13及びSTEP7−5−14の処理が行われることで、層番号iをさらに遡って、部品データの選択処理が改めて行われることとなる。
【0098】
図6の説明に戻って、上述のようにしてSTEP7−5の積層組合わせ処理を実行した後、演算処理手段16は、前記トータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たした積層組合わせデータが生成されたか否かを判断する(STEP7−6)。
【0099】
このとき、前記STEP7−5−11あるいはSTEP7−5−12を経てSTEP7−5の積層組合わせ処理を終了した場合には、上記トータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たす積層組合わせデータは生成されていない。そして、この場合には、演算処理手段16は、部品データ管理手段15が保持する第1層の全ての部品データ(前記組合わせ可能数が「0」であるか又は使用済フラグがON状態であるものを除く)をSTEP7−1で選択したか否かを判断し(STEP7−7)、未選択のものがある場合には、第1層の新たな部品データD1を選択する前記STEP7−1の処理に戻る。また、未選択のものがない場合には、後述のSTEP7−17に進む。
【0100】
一方、STEP7−5の積層組合わせ処理によりトータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たした積層組合わせデータが生成された場合(前記STEP7−5−10の判断結果がYESの場合)には、演算処理手段16は、これを前記STEP7−6で確認した後、該積層組合わせデータと対になる積層組合わせデータを生成するための処理を図7に示すSTEP7−8から実行する。尚、以下の説明では、STEP7−5で生成された積層組合わせデータを、CVTのベルト1を構成する積層リング3,3のうちの第1積層リング3aに対応させて、第1積層組合わせデータと称し、これと対となるものとして以下に説明するように生成される積層組合わせデータを第2積層組合わせデータ(これは前記第2積層リング3bに対応する)と称することがある。
【0101】
演算処理手段16は、STEP7−5で第1積層組合わせデータを生成した後、第1層の部品データのなかから、第1積層組合わせデータの第1層の部品データD1に対応して前記STEP7−3で個数をカウントしたペアリング候補を抽出する(STEP7−8)。
【0102】
そして、この第1層のペアリング候補の部品データのなかから、一つの部品データD1’を選択する(STEP7−9)。この場合、選択する部品データD1’は任意でよいが、例えば前記第1積層組合わせデータの第1層の部品データD1’の周長値データの値により近い周長値データを有するもの優先的に一つ選択する。尚、このとき、上記ペアリング候補の個数は少なくとも1個以上であることが、前記STEP7−4で既に確認されている。
【0103】
そして、演算処理手段16は、STEP7−9で選択した第1層の部品データD1’に対して、第2〜第N層までの部品データを一つずつ組合わせて積層組合わせデータを生成する積層組合わせ処理を実行する(STEP7−10)。この積層組合わせ処理は、前記STEP7−5の積層組合わせ処理と全く同様に行われる(図8参照)。
【0104】
次いで、演算処理手段16は、前記STEP7−10の積層組合わせ処理によって、トータルクリアランスΣΔrの規格要件(0≦ΣΔr≦Bという規格要件)を満たす積層組合わせデータ(第2積層組合わせデータ)が生成されたか否かを、前記STEP7−6の判断処理と全く同様にして判断する(STEP7−11)。
【0105】
このとき、トータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たす積層組合わせデータが生成されなかった場合には、さらに、前記STEP7−8で抽出したペアリングの候補の部品データの全てをSTEP7−9で選択したか否かを判断する(STEP7−12)。そして、未選択のペアリング候補の部品データがある場合には、STEP7−9の処理に戻って、ペアリング候補の部品データから、新たな一つの部品データD1’を選択し、STEP7−10の積層組合わせ処理を実行する。尚、この場合、上記のようにSTEP7−9の処理を繰り返すとき、例えば前記第1積層組合わせデータの第1層の部品データD1の周長値データにより近い周長値データを有するものから順番に、ペアリング候補の部品データから部品データD1’が順番に選択される。
【0106】
また、前記STEP7−9で全てのペアリング候補の選択が完了し終えたことがSTEP7−12で確認された場合には(この場合、トータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たす第2積層組合わせデータは生成されていない)、第1積層組合わせデータの第2〜第N層の各部品データD2〜DNに係わる使用済フラグ(これらは前記STEP7−5でON状態に設定されている)をOFF状態にリセットした後(STEP7−13)、後述のSTEP7−16に進む。
【0107】
一方、STEP7−10の積層組合わせ処理によってトータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たす第2積層組合わせデータ(第1積層組合わせデータと対になる積層組合わせデータ)が生成されたことがSTEP7−11で確認された場合には、演算処理手段16は、第1積層組合わせデータの第1層の部品データD1と第2積層組合わせデータの第1層の部品データD1’とに係わる使用済フラグをON状態に設定した後(STEP7−14)、前記STEP5,6(図3参照)で設定された一つの種類の組合わせ条件(Pm,Qn)に対応して現在までに生成された積層組合わせデータの個数M(Pm,Qn)をカウントする処理を実行する(STEP7−15)。この処理は、上記個数M(Pm,Qn)(以下、積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)という)の現在値に前記STEP7−5及び7−10で順次生成された積層組合わせデータの個数である「2」を加算することで行われる。尚、積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)は、例えばSTEP7の処理の開始時に、「0」に初期化されている。
【0108】
このように積層組合わせデータは、基本的には第1及び第2積層組合わせデータを対として、2個ずつ生成される。そして、トータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たす第1積層組合わせデータが生成されても、それと対となる第2積層組合わせデータが生成されない場合には、積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)はカウントアップされない。従って、本実施形態では、積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)は偶数値であり、それを「2」で除算した値が、第1及び第2積層組合わせデータの対の生成数を意味するものとなる。
【0109】
また、トータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たす第2積層組合わせデータが生成されない場合には、先に生成された第1積層組合わせデータの第2〜第N層の部品データD2〜DNに係わる使用済フラグがOFF状態に設定されるので、それらの部品データD2〜DNは、他の第1もしくは第2積層組合わせデータの部品データの候補として残される。
【0110】
さらに、トータルクリアラアンスΣΔrの規格要件を共に満たす第1及び第2積層組合わせデータの対が生成された場合には、それらの積層組合わせデータの第1層の部品データD1,D1’の使用済フラグがON状態にされるので、それらの第1層の部品データD1,D1’は、以後、STEP7−1あるいはSTEP7−9で、積層組合わせデータの構成要素として選択されることはない。尚、STEP7−5で生成された第1積層組合わせデータの第1層の部品データD1は、その使用済フラグがOFF状態であっても、元々、一度しかSTEP7−1で選択されることはないが(これはSTEP7−1では前記試算起点選択条件に従って第1層の各部品データを順番に選択するからである)、該部品データD1の使用済フラグがOFF状態である場合には、STEP7−9で第2積層組合わせデータの第1層の部品データとして選択されることがある。
【0111】
上述のようにして、積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)をカウントする処理をSTEP7−15で実行した後、あるいは、第2積層組合わせデータを生成できずに、前記STEP7−13の処理を実行した後には、演算処理手段16は、次に、前記STEP7−1における第1層の部品データD1の選択処理が完了したか否か、すなわち、部品データ管理手段15が保持する第1層の全ての部品データD1(組合わせ可能数が「0」であるか又は使用済フラグがON状態であるものを除く)について、前記試算起点選択条件に基づく選択が完了したか否かを判断する(STEP7−16)。そして、このとき、第1層の未選択の部品データがある場合には、前記図6のSTEP7−1からの処理を繰り返す。
【0112】
また、STEP7−16あるいは、前記STEP7−7で、第1層の部品データの選択が完了したことが確認された場合には、演算処理手段16は、最終的に得られた積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)の値を現在設定されている組合わせ条件(Pm,Qn)に対応づけて前記部品データ管理手段15等に記憶保持する(STEP7−17)。
【0113】
以上により、図3のSTEP7の組合わせ試算(一つの組合わせ条件(Pm,Qn)に基づく組合わせ試算)が終了し、その組合わせ条件(Pm,Qn)に対応する積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)、すなわち、該組合わせ条件(Pm,Qn)に基づいて生成できる積層組合わせデータの総数が求められる。
【0114】
図3のフローチャートの説明に戻って、上述のようにしてSTEP5,6で設定した試算起点周長パラメータPm及び目標リング間クリアランスQnにより規定される一種類の組合わせ条件に基づく組合わせ試算を実行した後、演算処理手段16は、次に、STEP3で取り込んだ全ての目標クリアランスパラメータQ1〜QYをSTEP6で選択したか否かを判断する(STEP8)。このとき、未選択の目標クリアランスパラメータがある場合には、STEP6で未選択の新たな目標クリアランスパラメータQnを選択し(このとき、試算起点周長パラメータPmの値は現状に維持される)、その新たに選択された目標クリアランスパラメータQnと現在選択中の試算起点周長パラメータPmとにより規定される組合わせ条件(Pm,Qn)に基づいて前記STEP7の組合わせ試算を前述したように実行する。
【0115】
尚、STEP6で、上記のように目標クリアランスパラメータQ1〜QYを一つずつ選択する処理は、例えばそれらの目標クリアランスパラメータQ1〜QYをその値の大きさ順に順番に選択することで行われる。
【0116】
一方、STEP6での目標クリアランスパラメータの選択が完了したことがSTEP8で確認された場合には、演算処理手段16は、次に、STEP3で取り込んだ全ての試算起点周長パラメータP1〜PXをSTEP5で選択したか否かを判断する(STEP9)。このとき、未選択の試算起点周長パラメータがある場合には、STEP5で未選択の新たな試算起点周長パラメータPmを選択し、さらに一つの目標クリアランスパラメータQnを改めて選択した後、それらの選択した試算起点周長パラメータPm及び目標クリアランスパラメータQnとにより規定される組合わせ条件(Pm,Qn)に基づいて前記STEP7の組合わせ試算を前述したように実行する。
【0117】
尚、STEP5で、試算起点周長パラメータPmを一つずつ選択する処理は、前記STEP6の場合と同様、例えば試算起点周長パラメータP1〜PXをその値の大きさ順に順番に選択することで行われる。
【0118】
以上のようにして、前記STEP3で取り込んだX種類の試算起点周長パラメータP1〜PXと、Y種類の目標クリアランスパラメータQ1〜QYとにより規定される(X×Y)種類の各組合せ条件(Pm,Qn)毎に、部品データ管理手段15に保持されている全ての部品データに対してSTEP7の組合わせ試算が行われ、トータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たす積層組合わせデータが生成されると共に、その生成個数、すなわち積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)が求められる。
【0119】
上記のようにして、(X×Y)種類の全ての種類の組合せ条件(Pm,Qn)について、STEP7の組合わせ試算を行った後(STEP9でYES)、演算処理手段16は、図4のフローチャートに示すように、各種類の組合わせ条件(Pm,Qn)に対応して求められた積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)を相互に比較し(STEP10)、該積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)が最も大きなものとなる組合わせ条件(Pm,Qn)を本発明に係わる第1組合わせ条件(Pm1,Qn1)として設定する(STEP11)。この場合、積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)が同一の最大値となるような組合わせ条件(Pm,Qn)が二つ以上ある場合には、例えば、試算起点周長パラメータPmの可変範囲の中央値により近い試算起点周長パラメータPmや、目標クリアランスパラメータQnの可変範囲の中央値により近い目標クリアランスパラメータQnを有する組合わせ条件(Pm,Qn)を優先的に第1組合わせ条件(Pm1,Qn1)として設定する。
【0120】
そして、この設定した第1組合わせ条件に基づいて前記STEP7と同様にして、組合わせ試算を行い、この組合わせ試算により生成される積層組合わせデータ(トータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たすもの)を前記部品データ管理手段15等に記憶保持させる(STEP12)。
【0121】
尚、前記STEP7において、各種類の組合わせ条件(Pm,Qn)毎に、生成された積層組合わせデータをその組合わせ条件(Pm,Qn)に対応づけて記憶保持するようにした場合には、STEP12の処理は省略してよい。
【0122】
以上のようにして前記全部品組合わせ条件による組合わせ試算に係わる処理を実行した後、次に、コンピュータ13は、演算処理手段16により、STEP13〜18において、前記残部品組合わせ条件による組合わせ試算に係わる処理を実行する。
【0123】
さらに詳細には、コンピュータ13の演算処理手段16は、まず、前記STEP5の処理と同様に、前記STEP3で取り込んだ複数種類の試算起点選択条件に係わる複数(X個)の試算起点周長パラメータP1,P2,…,PXから一つの試算起点周長パラメータPmを選択する(STEP13)。
【0124】
この場合、前述のように、残部品組合わせ条件では、前記層間選択条件は、組合わせ試算中に選択した第i層(i=1,2,…,N−1)の部品データに対して、前記リング間クリアランスΔrが、前記規格要件(A−α≦Δr≦A+αという要件)を満たし、且つ、後述のSTEP4で算出される組合わせ可能数が最も少ないもの(但し、組合わせ可能数が「0」のものは除く)を選択する、というように定められた固定的な条件である。従って、STEP13で試算起点周長パラメータの一つPmを選択することで、一つの組合わせ条件が設定されることとなる。以下、このように設定される組合わせ条件(残部品組合わせ条件)を組合わせ条件(Pm,R)と称する。
【0125】
次いで、演算処理手段16は、前記部品データ管理手段15が保持する部品データのうち、前記STEP12で保持した全ての積層組合わせデータに含まれる各層の部品データを除く部品データに対して、上記組合わせ条件(Pm,R)、すなわちSTEP13で選択した試算起点周長パラメータPmにより定まる組合わせ条件(Pm,R)に基づく組合わせ試算を実行する(STEP14)。
【0126】
このSTEP14における組合わせ試算の基本的処理内容は、前記STEP7の処理と同様であり、前記図6及び図7のSTEP7−1〜7−17にそれぞれ対応させて、これらの図6及び図7に括弧付きの番号で表したSTEP14−1〜14−17の処理を前記STEP7と同じ手順で実行することにより、STEP14の組合わせ試算(組合わせ条件(Pm,R)に基づく組合わせ試算)が行われ、この組合わせ試算により生成される積層組合わせデータの生成個数(以下、これに参照符号M(Pm,R)を付して積層組合わせ生成個数M(Pm,R)という)がカウントされる。ここで、図7のSTEP14−15及びSTEP14−17では、同図中の参照符号「M(Pm,Qn)」は、上記参照符号「M(Pm,R)」に読み替えるものとする。
【0127】
但し、この場合、STEP14の組合わせ試算では、その試算の対象とする部品データは、前記部品データ管理手段15が保持している全ての部品データ(部品収容庫10に収容されている全てのリング部品4に対応する部品データ)ではなく、前記STEP12で保持した全ての積層組合わせデータに含まれる各層の部品データを除いた残りの部品データである。
【0128】
また、STEP14の組合わせ試算では、前記STEP7の組合わせ試算と前記層間選択条件が相違することに起因して、図6及び図7のSTEP14−5及びSTEP14−10の積層組合わせ処理は、それぞれ、その処理の一部が前記STEP7における処理と相違している。具体的には、例えばSTEP14−5における積層組合わせ処理は、図9のフローチャートに示すように行われる。
【0129】
図9に示すように、このSTEP14−5の積層組合わせ処理では、STEP14−5−5の処理のみが、前記図8に示したSTEP7−5の積層組合わせ処理と相違し、STEP14−5−1〜14−5−4及び14−5−6〜14−5−14の処理は、それぞれ前記STEP7−5−1〜7−5−4及び7−5−6〜7−5−14と同一である。
【0130】
この場合、STEP14−5−5では、コンピュータ13の演算処理手段16は、STEP14−5−3で抽出された第i+1層の組合わせ許容部品データ(これは第i層の選択された部品データDiとリング間クリアランスΔrの規格要件を満たすと共に、前記STEP4で算出された組合わせ可能数が「0」でなく、且つ、使用済フラグおよび選択禁止フラグのいずれもがOFFである)のなかから、前記組合わせ可能数が最も少ない一つの部品データDi+1を、既に選択されている第1〜第i層の部品データD1〜Diと組合わせる部品データとして選択する。このとき、第i+1層の組合わせ許容部品データのうち、組合わせ可能数が最も少ない部品データが二つ以上あった場合には、例えば、選択済の第i層の部品データDiとのリング間クリアランスΔrがその許容範囲(A−α≦Δr≦A+α)の中心値Aにより近い部品データDi+1を選択する。
【0131】
このようなSTEP14−5の積層組合わせ処理によって、図6のSTEP14−1〜STEP14−4を経て選択された第1層の一つの部品データD1に対して積層組合わせデータを生成するとき、STEP4で算出した組合わせ可能数がより少ない部品データ(但し、組合わせ可能数=0の部品データは除く)が積層組合わせデータの構成要素として優先的に選択される。
【0132】
尚、かかるSTEP14−5の積層組合わせ処理は、前記STEP14−10の積層組合わせ処理においても全く同様に行われる。
【0133】
そして、STEP14の組合わせ試算によって、最終的に、前記STEP13で選択した一つの試算起点周長パラメータPmに対応して定まる一つの組合わせ条件(Pm,R)に対応して生成される積層組合わせデータの総数、すなわち積層組合わせ生成個数M(Pm,R)が求められる。
【0134】
図4の説明に戻って、上述のようにSTEP14の組合わせ試算を実行した後、演算処理手段16は、STEP3で取り込んだ全ての試算起点周長パラメータP1〜PXをSTEP13で選択したか否かを判断する(STEP15)。このとき、未選択の試算起点周長パラメータがある場合には、STEP13で未選択の新たな試算起点周長パラメータPmを選択した後、その選択した試算起点周長パラメータPmにより定まる組合わせ条件(Pm,R)に基づいて前記STEP14の組合わせ試算を前述したように実行する。
【0135】
以上のようにして、前記STEP3で取り込んだX種類の試算起点周長パラメータP1〜PXにより規定されるX種類の各組合せ条件(Pm,R)毎に、前記STEP12で保持した全ての積層組合わせデータに含まれる各層の部品データを除いた残りの部品データに対してSTEP14の組合わせ試算が行われ、トータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たす積層組合わせデータが生成されると共に、その生成個数、すなわち積層組合わせ生成個数M(Pm,R)が求められる。
【0136】
上記のようにして、試算起点選択条件が相違するX種類の組合せ条件(Pm,R)について、STEP14の組合わせ試算を行った後(STEP15でYES)、演算処理手段16は、前記STEP10,11の処理と同様に、各種類の組合わせ条件(Pm,R)に対応して求められた積層組合わせ生成個数M(Pm,R)を相互に比較し(STEP16)、該積層組合わせ生成個数M(Pm,R)が最も大きなものとなる組合わせ条件(Pm,R)を本発明に係わる第2組合わせ条件(Pm2,R)として設定する(STEP17)。この場合、積層組合わせ生成個数M(Pm,R)が同一の最大値となるような組合わせ条件(Pm,R)が二つ以上ある場合には、例えば、試算起点周長パラメータPmの可変範囲の中央値により近い試算起点周長パラメータPmを有する組合わせ条件(Pm,R)を優先的に第2組合わせ条件(Pm2,R)として設定する。
【0137】
そして、この設定した第2組合わせ条件に基づいて、前記STEP14と同様にして、組合わせ試算を行い、この組合わせ試算により生成される積層組合わせデータ(トータルクリアランスΣΔrの規格要件を満たすもの)を、前記STEP12で生成した積層組合わせデータと共に、前記部品データ管理手段15等に記憶保持させる(STEP18)。
【0138】
尚、前記STEP14において、組合わせ条件(Pm,R)毎に、生成された積層組合わせデータをその組合わせ条件(Pm,R)に対応づけて記憶保持するようにした場合には、STEP18の処理は省略してよい。
【0139】
以上のようにしてSTEP13〜STEP18で、前記残部品組合わせ条件による組合わせ試算に係わる処理を実行した後、次に、コンピュータ13の演算処理手段16は、上述のように記憶保持した第1組合わせ条件(Pm1,Qn1)及び第2組合わせ条件(Pm2,R)に基づく積層組合わせデータから、組立ての要求がある積層リング3の個数(以下、出庫必要数という)の積層組合わせデータを選定する(STEP19)。尚、本実施形態では、CVTのベルト1を製造するために一対の積層リング3a,3bが必要であるため、上記出庫必要数は、二個単位の数値(偶数)である。そして、前記組合わせ試算で、対として生成される第1及び第2積層組合わせデータは、その一方が選定されるとき、他方も選定される。
【0140】
この場合、この積層組合わせデータの選定は、前記STEP1で取り込まれた出庫品選定要件に基づいて行われる。この出庫品選定要件は、積層組合わせデータを選定するための優先順位を規定するものである。そして、本実施形態では、その優先順位を規定する項目として、例えば各積層組合わせデータにおける互いに隣接する層間のリング間クリアランスΔrのばらつき度合い(例えばΔrの標準偏差)、各積層組合わせデータのトータルクリアランスΣΔr、各積層組合わせデータに対応する第1〜第N層のリング部品4の製造日付、該リング部品4のロット番号等の項目がある。
【0141】
そして、前記STEP1で取り込まれる出庫品選定要件は、例えば、リング間クリアランスΔrのばらつき度合いがより小さい積層組合わせデータを優先して選定する、あるいは、トータルクリアランスΣΔrがあらかじめ定めた所定値により近い積層組合わせデータを優先して選定する、あるいは、製造日付データが最も古いリング部品4に対応する部品データを含む積層組合わせデータを優先して選定する、あるいは、ロット番号データがあらかじめ定めた所定値に一致するような部品データを含む積層組合わせデータを優先して選定する、というようにあらかじめ定められている。
【0142】
そして、STEP19では、このように定められた出庫品選定要件に従って、前記出庫必要数の積層組合わせデータが選定される。例えば、リング間クリアランスΔrのばらつき度合いがより小さい積層組合わせデータを優先して選定するというように出庫品選定要件が定められている場合にあっては、前記適正組合わせ条件(Pm1,Qn1)に対応して生成された積層組合わせデータのなかから、互いに対となる第1及び第2積層組合わせデータの両者について、その各層間のリング間クリアランスΔrのばらつき度合いがより小さいものから順番に、出庫必要数分、選定される。
【0143】
このようにして、演算処理手段16により、出庫必要数の積層組合わせデータを選定した後には、コンピュータ13は、その選定した積層組合わせデータに含まれる部品データに対応するリング部品41〜4Nを前記部品収容庫10から取り出して前記積層作業装置14に供給するように前記出庫装置12に指令する(STEP14)。
【0144】
このような指令が与えられた出庫装置12は、その指令された各積層組合わせデータ(より詳しくは第1及び第2積層組合わせデータの対)を構成する第1〜第N層の部品データに対応するリング部品41〜4Nの組、すなわち前記組リング部品(4)を各積層組合わせデータ毎に部品収容庫10から取り出して積層作業装置14に供給する。そして、この積層作業装置14に供給されたリング部品41〜4Nが該積層作業装置14により積層されて、前記積層リング3が組立てられる。
【0145】
以上のようにして、本実施形態では、前記全部品組合わせ条件としての前記第1組合わせ条件に基づく組合わせ試算によって、積層組合わせデータを生成し、さらに、この組合わせ試算では、積層組合わせデータの構成要素とならなかった部品データに対して、前記第1組合わせ条件と相違する前記残部品組合わせ条件としての前記第2組合わせ条件に基づく組合わせ試算によって積層組合わせデータを生成する。そして、それらの積層組合わせデータを合わせた積層組合わせデータから、前記出庫品選定要件に従って、出庫必要数の積層組合わせデータを選定し、その選定した積層組合わせデータに対応する組リング部品(4)を部品収容庫10から積層作業装置14に出庫して、積層リング3を組立てる。
【0146】
このため、第1組合わせ条件だけで積層組合わせデータを生成した場合に比して、部品収容庫10に収容されているリング部品4から、積層リング3に組立てることができるより多くの組リング部品(4)を得ることが可能となり、出庫必要数(要求される積層リング3の個数)が多くても、その出庫必要数分の組リング部品(4)を部品収容庫10から積層作業装置14に供給して積層リング3を組立てることができる。
【0147】
従って、積層リング3の量産性を高めることができると共に、製造されて部品収容庫10に入庫されたリング部品4を効率よく(歩留まりよく)使用して、積層リング3を組立てることができる。
【0148】
しかも、本実施形態では、前記第1組合わせ条件は、複数の前記試算起点周長パラメータP1〜PXと複数の前記目標クリアランスパラメータQ1〜QYとにより定まる複数種類(X×Y種類)の組合わせ条件(Pm,Qn)のうち、積層組合わせ生成個数M(Pm,Qn)が最も多くなるような組合わせ条件である。同様に、前記第2組合わせ条件は、複数の前記試算起点周長パラメータP1〜PXにより規定される複数種類(X種類)の組合わせ条件(Pm,R)のうち、積層組合わせ生成個数M(Pm,R)が最も多くなるような組合わせ条件である。
【0149】
このため、第1及び第2の組合わせ条件に基づく組合わせ試算によって、より多くの積層組合わせデータを生成することができ、ひいては積層リングの量産性をさらに高めることができる。
【0150】
さらに、第2組合わせ条件に基づく組合わせ試算では、前記STEP4で算出した組合わせ可能数がより少ない部品データが、組合わせ試算の早期の段階で優先的に積層組合わせデータの構成要素として選択される。このため、第2組合わせ条件に基づく組合わせ試算では、積層リング3の構成要素となり難いリング部品4に対応する部品データを含む積層組合わせデータが優先的に選択される。従って、そのようなリング部品4を使用して積層リング3を組立てる機会が高まり、積層リング3の構成要素と使用されずに、部品収容庫10内にいつまでも残存してしてしまうようなリング部品4を少なくできる。
【0151】
尚、以上説明した実施形態では、前記第1組合わせ条件を決定するための組合わせ試算(STEP7)と、前記第2組合わせ条件を決定するための組合わせ試算(STEP14)とで、可変的に設定する試算起点周長パラメータP1〜PXの種類を同一としたが、互いに異なるものとしてもよい。
【0152】
また、前記実施形態では、第1組合わせ条件を決定するために組合わせ条件(Pm,Qn)を可変化して組合わせ試算を行うものを示したが、第1組合わせ条件をあらかじめ固定的に定めるようにしてもよい。同様に、第2組合わせ条件をあらかじめ固定的に定めるようにしてもよい。
【0153】
さらに前記実施形態では、第1及び第2組合わせ条件は、前記層間選択条件が互いに異なるものとしたが、例えば層間選択条件を同一とし、試算起点選択条件が互いに異なるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で組立てる積層リングを含むCVT(無段変速機)のベルトを説明するための説明図。
【図2】図1のベルトの積層リングを組立てる装置の全体構成を示すシステム構成図。
【図3】図2の装置の作動を説明するためのフローチャート。
【図4】図2の装置の作動を説明するためのフローチャート。
【図5】図3のフローチャートのサブルーチン処理を説明するためのフローチャート。
【図6】図3及び図4のフローチャートのサブルーチン処理を説明するためのフローチャート。
【図7】図3及び図4のフローチャートのサブルーチン処理を説明するためのフローチャート。
【図8】図6のフローチャートのサブルーチン処理を説明するためのフローチャート。
【図9】図6のフローチャートのサブルーチン処理を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
3…積層リング、4…リング部品、15…部品データ管理手段、16…演算処理手段(第1及び第2組合わせ試算手段、リング部品選定手段)。

Claims (4)

  1. 複数の無端帯状のリング部品を積層して組立てられる積層リングの組立装置において、前記積層リングの各層毎に用意された複数のリング部品のそれぞれの少なくとも周長値を表すサイズデータを含む部品データを記憶保持する部品データ管理手段と、各層毎のリング部品を前記積層リングの全層分、組み合わせるための所定の第1の組合わせ条件に基づいて、前記部品データ管理手段が保持する各層の部品データを組合わせる組合わせ試算を行い、該第1の組合わせ条件に適合して各層の部品データを1個ずつ全層分、組合わせてなる積層組合わせデータを生成する第1の組合わせ試算手段と、該第1の組合わせ試算手段による組合わせ試算によって組合わせられなかった残りの部品データに対し、前記第1の組合わせ条件と異なる第2の組合わせ条件に基づいて各層の部品データを組合わせる組合わせ試算を行い、該第2の組合わせ条件に適合する前記積層組合わせデータを生成する第2の組合わせ試算手段と、前記第1及び第2組合わせ手段により生成された積層組合わせデータから、実際に前記積層リングを組立てるために用いる各層のリング部品を選定するリング部品選定手段とを備えると共に、
    前記第1及び第2の組合わせ試算手段がそれぞれ実行する組合わせ試算は、あらかじめ定めた特定層の複数の部品データを一つずつ順次選択する特定層データ選択処理と、該特定層の部品データの選択の都度、その選択した特定層の部品データに対して組合わせる他の層の部品データを該特定層に隣接する層から順番に一つずつ選択する層間選択処理と、該層間選択処理により前記積層組合わせデータが生成されたときには、その積層組合わせデータを構成する各層の部品データを次回以降の層間選択処理での選択対象から除外する処理とから構成され、前記第1及び第2の組合わせ条件は、それぞれ前記特定層データ選択処理における前記特定層の部品データの選択順位を規定する試算起点選択条件と、前記層間選択処理において選択済の一つの層の部品データに対して該層に隣接する部品データの中からどの部品を選択すべきかを規定する層間選択条件とを含むと共に、該試算起点選択条件及び層間選択条件の少なくともいずれか一方の選択条件が互いに異なる組合わせ条件であり、
    前記リング部品選定手段で選定されたリング部品を用いて前記積層リングを組立てることを特徴とする積層リングの組立装置。
  2. 前記第2の組合わせ試算手段は、前記残りの部品データのうち、前記層間選択処理で最後に選択すべき層を除く各層の各部品データに対して、該層に隣接する層の部品データのうち前記第2の組合わせ条件に係わる前記層間選択条件に基づいて選択可能な部品データの個数を組合わせ可能数として計数する手段を備え、前記層間選択処理において、選択済の一つの層の部品データに対して該層に隣接する層の部品データのうち、前記組合わせ可能数が零でない部品データが複数あるとき、その複数の部品データの中から、該組合わせ可能数が最も少ない部品データを前記積層組合わせデータの構成要素として選択することを特徴とする請求項1記載の積層リングの組立装置。
  3. 前記第2の組合わせ試算手段は、前記層間選択条件が同一で且つ前記試算起点選択条件が互いに異なる複数種類の組合わせ条件を設定すると共に、その設定した各種類の組合せ条件毎に、前記組合わせ試算を実行する手段と、該各種類の組合わせ条件に対応して前記組合わせ試算により得られる前記積層組合わせデータの個数を評価し、該個数が最大となる組合わせ条件を前記第2の組合わせ条件として決定する手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の積層リングの組立装置。
  4. 前記第1の組合わせ試算手段は、前記各層毎のリング部品を前記積層リングの全層分、組み合わせるための組合わせ条件を可変的に複数種類設定すると共に、その設定した各種類の組合せ条件毎に、前記組合わせ試算を実行する手段と、該各種類の組合わせ条件に対応して前記組合わせ試算により得られる前記積層組合わせデータの個数を評価し、該個数が最大となる組合わせ条件を前記第1の組合わせ条件として決定する手段とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層リングの組立装置。
JP2000276327A 2000-09-12 2000-09-12 積層リングの組立装置 Expired - Fee Related JP3888844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000276327A JP3888844B2 (ja) 2000-09-12 2000-09-12 積層リングの組立装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000276327A JP3888844B2 (ja) 2000-09-12 2000-09-12 積層リングの組立装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002089630A JP2002089630A (ja) 2002-03-27
JP3888844B2 true JP3888844B2 (ja) 2007-03-07

Family

ID=18761812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000276327A Expired - Fee Related JP3888844B2 (ja) 2000-09-12 2000-09-12 積層リングの組立装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3888844B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002089630A (ja) 2002-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107526862B (zh) 用于分析包括组成部件的结构的修复的装置和方法
CN106476300B (zh) 用于形成复合结构的方法
JP3888844B2 (ja) 積層リングの組立装置
US10343370B2 (en) Tailored coefficient of thermal expansion of composite laminates using fiber steering
Nezhad et al. Pareto-based optimization of part orientation in stereolithography
JP3764139B2 (ja) 積層リングの組立装置
JP3745334B2 (ja) 積層リングの組立装置
JP3888843B2 (ja) 積層リングの組立装置
JP3930239B2 (ja) 積層リングの組立装置
EP3140706B1 (en) A method and system for quantifying the impact of features on composite components
Ghuge et al. Determining and Validating the Spare Parts Selection Criteria for Additive Manufacturing Using Delphi Technique
JP2017200753A (ja) 多層複合部品のためのプライ最適化実行可能性分析
Hasan et al. Incorporation of part complexity into system scalability for flexible/reconfigurable systems
JP5909251B2 (ja) 積層リングの製造方法
JP2013134651A (ja) 在庫中間製品に対する製品引当方法及び製品引当装置
CN115392831B (zh) 一种物料下单方法、系统、设备以及存储介质
US11966955B1 (en) Methods and apparatuses for generating a manufacturing quote
JP5905497B2 (ja) 積層リングの製造方法
Kutin et al. Method of workpiece group’s creation and selection of parts representatives in digital manufacturing
Rzucidło et al. DECISION SUPPORT SYSTEM IN RAPID PROTOTYPING TECHNOLOGY
EP3591596A1 (en) A computer implemented method and process for crank train assembly
CN116451959A (zh) 一种基于时间维度的物料供需平衡管理方法
Sormaz et al. Rule-based process selection of hole making operations for integrated process planning
JP2019195993A (ja) 複合構造の面品質の改善
JPH04184558A (ja) 生産計画システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111208

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111208

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121208

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131208

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees