JP3886927B2 - Model animal for accelerated aging and immunodeficiency - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子変異動物を作製する技術分野に属し、特に、特定の酵素をコードする遺伝子が欠損しており老化促進や免疫不全症などのモデルとして有用な新規な非ヒト哺乳動物に関する。
【0002】
【従来の技術】
トランスジェニックマウスおよびノックアウトマウスに代表される遺伝子変異動物は、特定の遺伝子を人為的に導入したり欠損(破壊)させることによりその遺伝子の関与する表現型の変化を直接観察することができ、その解析を通して新しい薬剤や治療法の開発に資するものとして各種のモデルマウス等が提案されている。
【0003】
老化や免疫不全は新規な薬剤や治療法の開発にきわめて重要な表現型と考えられるが、特定の遺伝子との関連においてこれらの表現型を直接の対象として案出されたモデル動物は意外に少ない。例えば、特表2001−513991号公報(特許文献1)には、腫瘍サプレッサーであるBRCA2が減損した非ヒトトランスジェニック動物が早期複製老化のモデルとして有用であることが開示され、また、特許第3326770号公報(特許文献2)にはRAG2をコードする遺伝子を欠損している非ヒト哺乳動物が自己免疫疾患のモデル動物として有用であることが開示されている程度である。この他に、特定の病態を対象とするモデルマウス等は多数提案されているが、老化促進および免疫不全症の研究一般に適用でき、それらの対する薬剤や治療法の開発に有用性が期待されるようなマウス等のモデル動物は殆ど見当らない。
【特許文献1】
特表2001−513991号
【特許文献2】
特許第3326770号
【非特許文献1】
B. Demple他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88 (1991) 11450-11454
【非特許文献2】
C. N. Robson他、Nucleic Acids Res. 19 (1991) 5519-5523
【非特許文献3】
S. Seki他、Biochim. Biophsc. Acta 1131 (1992) 287-299
【非特許文献4】
S. Xanthoudakis他、EMBO J. 11 (1992) 653-665
【非特許文献5】
D. Tsuchimoto他、Nucleic Acids Res. 29 (2001) 2349-2360
【非特許文献6】
M. Z. Hadi他、Environ. Mol. Mutagen. 36 (2000) 312-324
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、広く老化促進や免疫不全症などの多くの病態のモデルとして有用な新しいタイプの遺伝子変異動物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、研究を重ねた結果、APエンドヌクレアーゼの1種である酵素が欠損(破壊)した哺乳動物が老化促進や免疫不全症のモデルとして好適な表現型を呈することを見出し、本発明を導き出したものである。
【0006】
かくして、本発明に従えば、APエンドヌクレアーゼであるAPEX2酵素をコードする遺伝子が欠損していることを特徴とする非ヒト哺乳動物が提供される。本発明の特に好ましい態様においては非ヒト哺乳動物はマウスであり、APエンドヌクレアーゼであるマウスAPEX2酵素をコードする遺伝子が欠損していることを特徴とするマウスが提供される。
【0007】
本発明に従えば、さらに、上記の非ヒト哺乳動物の作製に使用されるものとして、APエンドヌクレアーゼであるAPEX2酵素をコードする遺伝子がその機能欠損型変異遺伝子に置換されていることを特徴とする非ヒト哺乳動物由来のES細胞が提供され、特に好ましい態様としてマウス由来の当該ES細胞が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に従うモデル動物として主としてノックアウトマウスの場合に沿ってその作製法や材料等に関して本発明の実施の形態を説明する。
APEX2酵素 本発明において遺伝子欠損(破壊)の対象となるAPEX2とは、塩基除去修復(BER: Base Excision Repair)に関与するAPエンドヌクレアーゼに属する酵素の1種である。
【0009】
DNA中に生じた損傷塩基や一部の誤対合塩基は特異的なDNAグリコシラーゼにより除去され、生じた脱塩基部位の5’側で脱塩基部位特異的DNAエンドヌクレアーゼ(APエンドヌクレアーゼ)によりリン酸ジエステル結合が切断されることにより塩基除去修復(BER)が進行する。従来より、哺乳動物では主要なAPエンドヌクレアーゼとしてAPEX1(APE1、HAP1、またはREF−1と記されることもある)が知られていた〔B. Demple他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88 (1991) 11450-11454(非特許文献1);C. N. Robson他、Nucleic Acids Res. 19 (1991) 5519-5523(非特許文献2);S. Seki他、Biochim. Biophsc. Acta 1131 (1992) 287-299(非特許文献3);S. Xanthoudakis他、EMBO J. 11 (1992) 653-665(非特許文献4)〕。これに対して、本発明者らは、先に、第2のAPエンドヌクレアーゼ(APEX2)をコードするヒトの遺伝子のクローニングに成功している〔D. Tsuchimoto他、Nucleic Acids Res. 29 (2001) 2349-2360(非特許文献5);M. Z. Hadi他、Environ. Mol. Mutagen. 36 (2000) 312-324(非特許文献6)〕。
【0010】
APEX2(APE2)をコードする遺伝子(Apex2)は、X染色体上にマップされ、APEX2はAPEX1とホモロジーの高いN末端側のAPエンドヌクレアーゼドメインに続いてAPEX2に特有のC末端領域を有している。すなわち、APEX2のC末端領域には、DNA合成の足場タンパク質となるPCNAへの結合モチーフとDNA複製停止の解除に関わるトポイソメラーゼIIIのC末端領域の繰り返し配列にホモロジーを持つ配列が保存されている。大部分のAPEX2は細胞の核に局在し、一部がミトコンドリアに局在する。PCNAへの結合モチーフを有するので、APEX2は、PCNA依存性である複製後BERに関与するものと考えられるが、その機能の詳細については未だ不明な点も残されている。
【0011】
Apex 2遺伝子のcDNA 本発明に従いAPEX2酵素をコードする遺伝子(Apex2)が欠損している非ヒト哺乳動物を作製するには、先ず、当該遺伝子のcDNAを単離することが必要である。マウスの場合、このcDNAの単離は、例えば次のようにして行なうことができる。
【0012】
C57BL/6マウスから作製したマウスの脾臓cDNAライブラリーからPCR法によりApex2遺伝子のcDNAをクローニングした。PCRのプライマーとしてヒトのAPEX2をコードするcDNAにホモロジーのあるEST(GenBankのAccession No. AA032608)を用い、また、ベクターとしてはLambda ZAP II(Stratagene製)を用いた。得られるマウスのApex2遺伝子のcDNAは、ポリ(A)テールを含めると1903個の塩基から成る。そのオープンリーディングフレームは516個のアミノ酸残基をコードする1548個の塩基から成り、これはヒトのAPEX2をコードするcDNAに比べて6塩基分短い。このマウスのApex2遺伝子のcDNAは、配列番号1として末尾の配列表に記しており、また、本発明者によりGenBankのデータライブラリーにアクセションNo. AB072498として登録している。
他の動物についても同様の操作によりそれぞれのAPEX2酵素をコードするcDNAを入手することができる。
【0013】
Apex 2遺伝子のゲノムDNA 本発明に従うノックアウト非ヒト哺乳動物を作製するには、欠損対象となるApex2遺伝子のゲノムDNAを単離することが必要である。これは、一般に、Apex2遺伝子のcDNA配列に基づくプローブを用いてそれぞれのゲノムDNAライブラリーをスクリーニングすることにより行なわれ、例えば、本発明者が実施した方法によれば、マウスの場合、次のように行なわれる。
【0014】
既述のようにして得られたマウスのApex2遺伝子のcDNA(配列番号1)から調製したプローブを用いて、129vJマウスのλファージゲノムDNAライブラリー(Stratagene製)から3種類のクローン(λmAPEX2M1−1、O1−1、Q1−1)を単離した(図1参照)。次に、PCR法により、CCE ES細胞のゲノムDNAから、クローンQ1−1の3’端およびクローンM1−1の5’端をカバーするゲノムDNAを増幅しクローニングした(pT7:mAPEX2EX3−6)。この際、用いるプライマーは、既述のマウスApex2遺伝子のcDNA(配列番号1)にハイブリダイズするものであり、また、DNAポリメラーゼとしては、例えば、LA Taq(宝酒造製)を用い、ベクターとしては、例えば、pT7Blue T(Novagen製)を用いる。
【0015】
得られるマウスApex2遺伝子のゲノムDNAは、X染色体63.0にあるAlas2遺伝子に3’端が接しており、長さ16.5kbで、6つのエキソンから成る。また、このApex2遺伝子の5’端には、106bpの遺伝子間配列から成る新規な遺伝子が接していることも見出されている。マウスApex2遺伝子の最長のエキソンはエキソン6であり、1175bpから成りcDNAの62%をカバーし、また、イントロン5は11.5kbの長さを有し、対応するヒトApex2遺伝子のもの(2.65kb)より長い(図1参照)。このマウスApex2遺伝子のゲノムDNAは、本発明者により、アクセションNo.AB085234およびNo.085235としてGenBankのデータライブラリーに登録されている。
他の動物についても同様の操作によりそれぞれのApex2遺伝子のゲノムDNAを単離することができる。既述のマウスApex2遺伝子のcDNA(配列番号1)は、そのような単離操作におけるプローブとしてきわめて有用である。
【0016】
Apex 2遺伝子欠損動物 上記のようにしてApex2遺伝子のゲノムDNAが得られれば、よく知られたように、その遺伝子の機能を欠損(破壊)するとともに、薬剤で選別し得るように構築したベクターをES細胞に導入し、もとの遺伝子と相同組換えで置き換えることによって遺伝子が破壊されたES細胞(Apex2遺伝子がその機能欠損型変異遺伝子に置換されているES細胞)を樹立し、このES細胞を用いて動物個体を作製する。すなわち、ES細胞が確立されている系に公知の遺伝子ターゲッティング法を適用することによって所望のApex2遺伝子欠損非ヒト哺乳動物を得ることができる。ES細胞は、マウスについては古くから確立されており、この他に、ラット(Dev. Biol. 163(1): 288-292, 1994)、サル(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 92(17): 7844-7848, 1995)、ウサギ(Mol. Reprod. Dev. 45(4): 439-443, 1998)などにおいても確立している。したがって、本発明のApex2遺伝子欠損非ヒト哺乳動物は、これらの動物種を対象に作製することができるが、特に、遺伝子ノックアウト動物の作製に関して技術の蓄積の多いマウスに適用されるのが好ましい。Apex2遺伝子欠損マウスを作製する具体的方法は、後の実施例に詳述している。
【0017】
Apex 2遺伝子欠損の表現型 Apex2遺伝子欠損マウスに代表される本発明のApex2遺伝子欠損非ヒト哺乳動物は、老化促進と免疫不全症に関与する表現型を呈することが見出されている。すなわち、Apex2遺伝子が破壊されたマウスは、当該遺伝子が正常に機能する野生型のものに比べて、顕著な体重増加の遅延を伴なう全身性の発育遅延を示す。また、このApex2欠損マウスは、野生株に比べて胸腺等の免疫担当臓器の発達不全が著しく、さらに、T細胞およびB細胞(リンパ球)の分化成熟が不全であり、免疫応答時のT細胞およびB細胞の増殖の活性化が著しく低下している(後述の実施例参照)。これは、Apex2欠損マウスは、DNA中の自然損傷(塩基の酸化、脱塩基等)を修復できず、成長・老化の過程で蓄積したDNA中の損傷が全身性に発達障害を引き起こし、さらに細胞増殖の最も盛んな免疫担当細胞の分化成熟不全を引き起こすためと考えられる。
【0018】
【実施例】
以下に、本発明の実施の形態をさらに具体的に示すため実施例を記す。実施例1は、本発明に従うApex2遺伝子欠損マウスの作製法を例示し、また、実施例2〜5は本発明のApex2遺伝子欠損マウスに現われる表現型を調べるための実験例である。
実施例1: Apex 2遺伝子欠損マウスの作製
まずApex2遺伝子のイントロン5とエキソン6を含むマウスゲノムDNA断片をプラスミドに挿入、更にイントロン5の一部とエキソン6の一部をネオマイシン耐性遺伝子カセットと置き換え、さらに、単純ヘルペスウィルスのチミジンキナーゼのウィルス(HSV−tk)をつないだターゲティングベクターを作成した。このターゲティングベクターをエレクトロポレーションによりマウス胚性幹細胞(ES細胞)株CCEに導入、G418抵抗性を指標に相同組換え株を単離した(図2参照)。なお、このCCE細胞株は研究目的であれば無償配布されており(Robertson, E. J. Tetracarcinomas and Embrionic Stem Cells: A Practical Approach, IRL Press, NY (1987)参照)、同等のES細胞は、例えば、ATCCよりCRL−11632としても入手することができる。単離株はサザンブロット法およびノザンブロット法により標的組換えを確認し、Apex2遺伝子欠損ES細胞(APEX2酵素をコードする遺伝子がその機能欠損型遺伝子に置換されているマウスES細胞)とした(図3A、B)。
樹立したES株は常法に従い、C57BL/6Jマウスの胚盤胞に注入し、仮親であるICRマウスの子宮へ移入した。生まれてきたマウスの中でオスのキメラマウスを選択しメスのC57BL/6Jマウスと交配させた。生まれてきたマウスの中で変異Apex2対立遺伝子を有するアグーチのメスマウスをF1世代(Apex2 /-)とした。
これ以降はApex2 /-メスマウスとC57BL/6Jオスマウスを交配させることにより戻し交配を続けた。この交配により生まれてくるマウスは、Apex2遺伝子がX染色体上に位置することから,伴性遺伝の法則に従いApex2 / メスマウス、Apex2 /-メスマウス、Apex2オスマウス、Apex2-オスマウスが各々1:1:1:1の比で生まれてくることが期待される。実際に出生率を調べたところ、4タイプのマウスがほぼ同率の割合で生まれてくることが確認された(図4)。こうして生まれてきたApex2-オスマウス(Apex2遺伝子欠損マウス)とApex2オスマウス(野生型マウス)について、以下の実施例2〜5に示すように、その表現型を次のように比較した。
【0019】
実施例2:マウス表現型1(発育不全)
新生児マウスの体重を測定したところ、Apex2遺伝子欠損マウス(KO)の体重は同腹の野生型マウス(WT)の平均値に対して82%と低い値を示し、胎生期において既に発育遅延が起きていることが示された(図5A)。
4週齢のApex2遺伝子欠損マウス13匹の体重の平均値は同腹野生型マウス11匹の平均値の約83%であった(図5B)。更に8腹由来のApex2遺伝子欠損マウス7匹と野生型マウス12匹について2歳齢までの体重変化を調べたところ一貫してApex2遺伝子欠損マウスの発育遅延を認めた(図5C)。
4週齢のマウスについて各臓器重量を測定し、体重比の値を比較したところ脾臓、精巣、腎臓、心臓、肺、肝臓、脳の各臓器ではApex2遺伝子欠損マウスと野生型マウスの間で有意な差を認めなかったが、調べた中では唯一Apex2遺伝子欠損マウス(KO)の胸腺重量の体重比の値が野生型マウス(WT)の値の約50%と有意に減少していた(図6)。
【0020】
実施例3:マウス表現型2(胸腺細胞の異常)
Apex2遺伝子欠損マウス(KO)の胸腺の組織切片をヘマトキシリン/エオシン(HE)染色して観察したところ、野生型(WT)に比べて大型細胞の割合が増加していた(図7)。胸腺より回収した胸腺細胞を顕微鏡下で計数したところ、Apex2遺伝子欠損マウスでは胸腺細胞数が野生型マウス約20%と著しく減少していた。更にこの胸腺細胞をヨウ化プロピジウム染色してフローサイトメトリーで解析したところ、Apex2遺伝子欠損マウスでは小型胸腺細胞の減少が顕著であった(80.7%→44.9%)(図8)。更に蛍光強度の比較から細胞周期のS期およびG2/M期の細胞集団の比率が各々8.2%から12.2%へ、9.7%から19.0%へとApex2遺伝子欠損マウスにおいて上昇していた(図9)。
次に個体における胸腺細胞のX線感受性を調べた。マウスをX線照射し、21時間後に胸腺細胞を回収、生細胞数を計数したところ、Apex2遺伝子欠損マウスの胸腺細胞の顕著な減少を認め、Apex2欠損胸腺細胞が野生型に比してX線高感受性を示すことが明らかになった(図10)。
胸腺細胞の分化マーカーをフローサイトメトリーで解析したところ、CD4CD8細胞、CD4CD8細胞、CD4CD8細胞、CD4CD8細胞の数は各々野生型の31%、179%、40%、50%であった(各2匹の13週齢マウスのデータ)。さらに、CD3、4、8トリプルネガティブ細胞に関して調べたところ、トリプルネガティブ細胞数は野生型マウスと同等であったが、そのうちのCD44CD25細胞数が36.3%に減少していた。一方、CD44CD25細胞とCD44CD25細胞は減少しておらず、むしろ若干増加していた。CD44CD25細胞は野生型マウスの27.8%に減少していた(各2匹の10週齢マウスのデータ)。
【0021】
実施例4:マウス表現型3(末梢血リンパ球異常)
末梢血中の白血球数を動物用血球計算装置により計数したところ白血球数の減少を認めた(野生型の55%)。更に白血球中の各分画をフローサイトメトリーにより解析したところ、T細胞は野生型の37%、B細胞は野生型の47%まで減少していた。一方NK細胞数は177%に増大していた(各2匹の15週齢マウスのデータ)。T細胞中のCD4CD8/CD4CD8比は正常値であった。
【0022】
実施例5:マウス表現型4(脾臓リンパ球の異常)
Apex2遺伝子欠損マウスの脾臓細胞数は野生型マウスの63.2%に減少していた。脾臓細胞の表面マーカーをフローサイトメトリーで解析したところ、脾臓細胞中でのT細胞(CD3)とB細胞(B220)の比率は,野生型マウスでは各々26.0%、75.7%であったのに対し、Apex2遺伝子欠損マウスでも28.7%、73.8%と変化は認められなかった。
次に脾臓細胞をLPSまたはコンカナバリンA(ConA)を添加した培地中で増殖させ、トリパンブルー染色した後に顕微鏡下で観察して計数したところ、Apex2遺伝子欠損マウス由来脾臓細胞はいずれのマイトジェンの刺激下においても野生型マウス由来脾臓細胞に比べて細胞数が低下していた。この際に死細胞数にはほとんど差が無かった。またLPS刺激48時間後、あるいはConA刺激60時間後の脾臓細胞の細胞周期をフローサイトメトリーで解析したところいずれもG2/M期の細胞の比率の増加を認めた(図11)。
【0023】
【発明の効果】
APEX2酵素欠損マウスに代表される本発明のAPEX2酵素欠損非ヒト哺乳動物は、自然DNA損傷に起因すると考えられる発生・発育遅延の表現型を呈し、この全身性の自然DNA損傷の修復欠損がもたらす表現型は、胎児の発生遅延、新生児の発育遅延、また老化の促進など多くの病態と関連しており、本発明のAPEX2欠損動物は、これらの病態のモデルとしてその治療法や薬剤の開発に有用である。
【0024】
さらに、APEX2欠損マウス等の本発明のAPEX2欠損非ヒト哺乳動物においては、全身の組織細胞に比較して免疫担当細胞が特に自然DNA損傷に起因する障害に感受性が高く、通常から免疫担当細胞の減少が顕著である。このことから、APEX2欠損マウスに代表される本発明のAPEX2欠損動物は、自然DNA損傷の修復欠損の結果として特発性の免疫不全症や易感染性のモデルとして有用であり、それらの疾患の治療法や薬剤の開発に資することもできる。
【0025】
【配列表】

Figure 0003886927
Figure 0003886927

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従い欠損対象となるApex2遺伝子のゲノム上の位置関係(A)およびイントロン/エキソン境界のヌクレオチド配列(B)を示す。
【図2】本発明に従うApex2遺伝子欠損ES細胞を作製するために用いられたターゲティングベクターを正常および変異後の対立遺伝子の位置と対比して示す。
【図3】本発明に従うApex2遺伝子欠損ES細胞が樹立されたことを示すデータである。
【図4】本発明に従いApex2遺伝子欠損マウスが作製されたことを示すデータである。
【図5】本発明に従うApex2遺伝子欠損マウスが発育不全を呈することを示すデータである。
【図6】本発明に従うApex2遺伝子欠損マウスにおいては、胸腺が萎縮していることを示すデータである。
【図7】 本発明に従うApex2遺伝子欠損マウスにおいては、通常の細胞が少なく大型細胞の割合が増加することを示すデータである。
【図8】本発明に従うApex2遺伝子欠損マウスにおける胸腺細胞のサイズを解析して野性型のものと対比して示すデータである。
【図9】本発明に従うApex2遺伝子欠損マウスにおける胸腺細胞の細胞周期分布を解析して野性型のものと対比して示すデータである。
【図10】本発明に従うApex2遺伝子欠損マウスが野性型のものに比べてX線照射に対して感受性が高いことを示すデータである。
【図11】本発明に従うApex2遺伝子欠損マウスの脾臓細胞のマイトジェンによる活性化の様子を野性型のものと対比して示すデータである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention belongs to the technical field of producing gene-mutated animals, and particularly relates to a novel non-human mammal that is deficient in a gene encoding a specific enzyme and is useful as a model for promoting aging, immunodeficiency, and the like.
[0002]
[Prior art]
Genetically mutated animals such as transgenic mice and knockout mice can directly observe changes in the phenotype involved in the gene by artificially introducing or deleting (destroying) a specific gene. Various model mice have been proposed to contribute to the development of new drugs and treatments through analysis.
[0003]
Aging and immunodeficiency are considered to be extremely important phenotypes for the development of new drugs and therapies, but surprisingly few model animals have been devised to directly target these phenotypes in relation to specific genes . For example, JP-T-2001-513991 (Patent Document 1) discloses that a non-human transgenic animal in which BRCA2, which is a tumor suppressor, is impaired, is useful as a model for early replication aging, and Japanese Patent No. 3326770. No. (Patent Document 2) discloses that a non-human mammal lacking a gene encoding RAG2 is useful as a model animal for autoimmune diseases. In addition to this, many model mice targeting specific pathological conditions have been proposed, but they can be applied to general research on accelerated aging and immunodeficiency, and are expected to be useful for the development of drugs and treatments for them. There are almost no model animals such as mice.
[Patent Document 1]
JP-T-2001-513991 [Patent Document 2]
Patent No. 3326770 [Non-Patent Document 1]
B. Demple et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88 (1991) 11450-11454
[Non-Patent Document 2]
CN Robson et al., Nucleic Acids Res. 19 (1991) 5519-5523
[Non-Patent Document 3]
S. Seki et al., Biochim. Biophsc. Acta 1131 (1992) 287-299
[Non-Patent Document 4]
S. Xanthoudakis et al., EMBO J. 11 (1992) 653-665
[Non-Patent Document 5]
D. Tsuchimoto et al., Nucleic Acids Res. 29 (2001) 2349-2360
[Non-Patent Document 6]
MZ Hadi et al., Environ. Mol. Mutagen. 36 (2000) 312-324
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a new type of genetically mutated animal that is useful as a model for many pathological conditions such as aging promotion and immunodeficiency.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of repeated research, the present inventor has found that a mammal deficient (destroyed) an enzyme, which is one of AP endonucleases, exhibits a suitable phenotype as a model for accelerated aging and immunodeficiency. Is derived.
[0006]
Thus, according to the present invention, there is provided a non-human mammal characterized in that the gene encoding the APEX2 enzyme that is an AP endonuclease is deficient. In a particularly preferred embodiment of the present invention, there is provided a mouse characterized in that the non-human mammal is a mouse and a gene encoding a mouse APEX2 enzyme that is an AP endonuclease is deleted.
[0007]
According to the present invention, it is further characterized in that the gene encoding the APEX2 enzyme, which is an AP endonuclease, is replaced with a function-deficient mutant gene as used in the production of the above-mentioned non-human mammal. ES cells derived from non-human mammals are provided. In a particularly preferred embodiment, the ES cells derived from mice are provided.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the following, embodiments of the present invention will be described with respect to the production method, materials and the like mainly in the case of knockout mice as model animals according to the present invention.
APEX2 enzyme In the present invention, APEX2, which is the target of gene deletion (disruption), is one of the enzymes belonging to the AP endonuclease involved in base excision repair (BER).
[0009]
Damaged bases and some mismatched bases generated in DNA are removed by specific DNA glycosylase, and phosphorylated by abasic site-specific DNA endonuclease (AP endonuclease) on the 5 ′ side of the generated abasic site. Base excision repair (BER) proceeds by cleavage of the acid diester bond. In mammals, APEX1 (also sometimes referred to as APE1, HAP1, or REF-1) has been known as a major AP endonuclease in mammals [B. Demple et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 88 (1991) 11450-11454 (Non-Patent Document 1); CN Robson et al., Nucleic Acids Res. 19 (1991) 5519-5523 (Non-Patent Document 2); S. Seki et al., Biochim. Biophsc. Acta 1131 (1992) 287-299 (Non-Patent Document 3); S. Xanthoudakis et al., EMBO J. 11 (1992) 653-665 (Non-Patent Document 4)]. In contrast, the present inventors have succeeded in cloning a human gene encoding the second AP endonuclease (APEX2) [D. Tsuchimoto et al., Nucleic Acids Res. 29 (2001). 2349-2360 (Non-Patent Document 5); MZ Hadi et al., Environ. Mol. Mutagen. 36 (2000) 312-324 (Non-Patent Document 6)].
[0010]
The gene (APex2) encoding APEX2 (APE2) is mapped on the X chromosome, and APEX2 has an AP endonuclease domain on the N-terminal side that is highly homologous to APEX1, followed by a C-terminal region unique to APEX2. . That is, in the C-terminal region of APEX2, a sequence having a homology with a binding motif to PCNA serving as a scaffold protein for DNA synthesis and a repetitive sequence of the C-terminal region of topoisomerase III involved in release of DNA replication stop is conserved. Most of APEX2 is localized in the cell nucleus and partly in mitochondria. Since it has a binding motif to PCNA, APEX2 is considered to be involved in post-replication BER, which is PCNA-dependent, but the details of its function still remain unclear.
[0011]
Apex 2 gene cDNA In order to produce a non-human mammal deficient in the gene encoding the APEX2 enzyme (Apex2) according to the present invention, it is first necessary to isolate the cDNA of the gene. In the case of a mouse, this cDNA can be isolated, for example, as follows.
[0012]
Apex2 gene cDNA was cloned by PCR from a mouse spleen cDNA library prepared from C57BL / 6 mice. EST (GenBank Accession No. AA032608) homologous to cDNA encoding human APEX2 was used as a primer for PCR, and Lambda ZAP II (Stratagene) was used as a vector. The resulting cDNA of the mouse Apex2 gene consists of 1903 bases, including the poly (A) tail. The open reading frame consists of 1548 bases encoding 516 amino acid residues, which is 6 bases shorter than the cDNA encoding human APEX2. The cDNA of the mouse Apex2 gene is described in the sequence listing at the end as SEQ ID NO: 1, and is registered as an accession No. AB072498 in the GenBank data library by the present inventor.
For other animals, cDNAs encoding the respective APEX2 enzymes can be obtained by the same procedure.
[0013]
Apex 2 gene genomic DNA In order to produce a knockout non-human mammal according to the present invention, it is necessary to isolate the genomic DNA of the Apex 2 gene to be deleted. This is generally performed by screening each genomic DNA library using a probe based on the cDNA sequence of the Apex2 gene. For example, according to the method performed by the present inventor, in the case of a mouse, as follows: To be done.
[0014]
Using the probe prepared from the mouse Apex2 gene cDNA (SEQ ID NO: 1) obtained as described above, three types of clones (λmAPEX2M1-1) from the λ phage genomic DNA library (Stratagene) of 129vJ mouse were used. , O1-1, Q1-1) was isolated (see FIG. 1). Next, genomic DNA covering the 3 ′ end of clone Q1-1 and the 5 ′ end of clone M1-1 was amplified and cloned from the genomic DNA of CCE ES cells by PCR (pT7: mAEX2EX3-6). In this case, the primer used is one that hybridizes to the cDNA of the aforementioned mouse Apex2 gene (SEQ ID NO: 1), and as the DNA polymerase, for example, LA Taq (manufactured by Takara Shuzo) is used, For example, pT7Blue T (Novagen) is used.
[0015]
The resulting genomic DNA of the mouse Apex2 gene has a 3 ′ end in contact with the Alas2 gene on X chromosome 63.0, is 16.5 kb in length, and consists of 6 exons. It has also been found that a novel gene consisting of a 106 bp intergenic sequence is in contact with the 5 ′ end of the Apex2 gene. The longest exon of the mouse Apex2 gene is exon 6, which consists of 1175 bp and covers 62% of the cDNA, and intron 5 has a length of 11.5 kb, from the corresponding human Apex2 gene (2.65 kb) Long (see FIG. 1). The genomic DNA of this mouse Apex2 gene has been registered in the GenBank data library by the present inventors as Accession Nos. AB085234 and No.085235.
For other animals, the genomic DNA of each Apex2 gene can be isolated by the same operation. The mouse Apex2 gene cDNA described above (SEQ ID NO: 1) is extremely useful as a probe in such an isolation procedure.
[0016]
Apex 2 gene deficient animal Once the Apex2 gene genomic DNA is obtained as described above, a vector constructed so that the function of the gene is deficient (destroyed) and can be selected with a drug, as is well known. Established ES cell (ES cell in which Apex2 gene is replaced with its function-deficient mutant gene) by introducing into ES cell and replacing it with homologous recombination with the original gene, and establishing this ES cell An animal individual is prepared using That is, a desired Apex2 gene-deficient non-human mammal can be obtained by applying a known gene targeting method to a system in which ES cells are established. ES cells have been established for a long time for mice, and in addition, rats (Dev. Biol. 163 (1): 288-292, 1994), monkeys (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92 (17) ): 7844-7848, 1995) and rabbits (Mol. Reprod. Dev. 45 (4): 439-443, 1998). Therefore, the Apex2 gene-deficient non-human mammal of the present invention can be prepared for these animal species, but it is particularly preferred to be applied to mice that have a lot of accumulated technology regarding the generation of gene knockout animals. Specific methods for producing Apex2 gene-deficient mice are described in detail in the Examples below.
[0017]
Apex 2 gene-deficient phenotype Apex 2 gene-deficient non-human mammals represented by Apex 2 gene-deficient mice have been found to exhibit phenotypes involved in aging promotion and immunodeficiency. That is, a mouse in which the Apex2 gene is disrupted exhibits systemic growth delay accompanied by a significant delay in weight gain, as compared to a wild type in which the gene functions normally. In addition, this Apex2-deficient mouse is markedly deficient in the development of organs responsible for immunity such as the thymus compared to the wild strain, and further, the differentiation and maturation of T cells and B cells (lymphocytes) is incomplete. And the activation of proliferation of B cells is remarkably reduced (see Examples below). This is because Apex2-deficient mice cannot repair the natural damage in DNA (base oxidation, abasic, etc.), and the damage in the DNA accumulated during the growth and aging causes systemic developmental damage. This is thought to be due to the failure of differentiation and maturation of the immunocompetent cells, which are most proliferating.
[0018]
【Example】
Hereinafter, examples will be described in order to more specifically illustrate the embodiments of the present invention. Example 1 illustrates a method for producing an Apex2 gene-deficient mouse according to the present invention, and Examples 2 to 5 are experimental examples for examining phenotypes appearing in the Apex2 gene-deficient mouse of the present invention.
Example 1: Preparation of an Apex 2 gene-deficient mouse First, a mouse genomic DNA fragment containing intron 5 and exon 6 of Apex 2 gene was inserted into a plasmid, and a part of intron 5 and a part of exon 6 were resistant to neomycin. A targeting vector was prepared by replacing the gene cassette and connecting the herpes simplex virus thymidine kinase virus (HSV-tk). This targeting vector was introduced into a mouse embryonic stem cell (ES cell) strain CCE by electroporation, and a homologous recombination strain was isolated using G418 resistance as an index (see FIG. 2). This CCE cell line is distributed free of charge for research purposes (see Robertson, EJ Tetracarcinomas and Embrionic Stem Cells: A Practical Approach, IRL Press, NY (1987)). Also available as CRL-11632. The isolated strain was confirmed to have targeted recombination by Southern blotting and Northern blotting, and Apex2 gene-deficient ES cells (mouse ES cells in which the gene encoding the APEX2 enzyme was replaced with its function-deficient gene) (FIG. 3A). , B).
The established ES strain was injected into a blastocyst of a C57BL / 6J mouse according to a conventional method, and transferred to the uterus of an ICR mouse as a foster parent. Among the born mice, male chimeric mice were selected and mated with female C57BL / 6J mice. The female mice of the agouti having a mutation Apex2 allele in mice that were born F1 generation - was (Apex2 + /).
After this APEX2 + / - continued backcrossing by mating female mice and C57BL / 6J male mice. Mice born by this cross, since the APEX2 gene is located on the X chromosome, APEX2 + / + female mice following the law of sex linkage, APEX2 + / - female mice, APEX2 + male mice, APEX2 - male mice are each 1: It is expected to be born at a ratio of 1: 1: 1. When the birth rate was actually examined, it was confirmed that four types of mice were born at the same rate (FIG. 4). Apex2 - male mice (Apex2 gene-deficient mice) and Apex2 + male mice (wild-type mice) born in this way were compared in phenotype as follows, as shown in Examples 2 to 5 below.
[0019]
Example 2: Mouse phenotype 1 (stunted)
When the weight of the newborn mouse was measured, the weight of the Apex2 gene-deficient mouse (KO) was as low as 82% with respect to the average value of the wild-type mouse (WT) of the same litter. (FIG. 5A).
The average body weight of 13 4-week-old Apex2 gene-deficient mice was about 83% of the average of 11 littermate wild-type mice (FIG. 5B). Furthermore, when changes in body weight up to 2 years of age were examined for 8 Apex2 gene-deficient mice and 12 wild-type mice derived from 8 abdomen, growth delay of Apex2 gene-deficient mice was consistently recognized (FIG. 5C).
We measured the weight of each organ in 4 week-old mice and compared the values of the body weight ratios. Significant between Apex2 gene-deficient mice and wild-type mice in each organ of spleen, testis, kidney, heart, lung, liver, and brain Although there was no significant difference, the only weight ratio of Apex2 gene-deficient mice (KO) to thymus weight was significantly reduced to about 50% of that of wild-type mice (WT). 6).
[0020]
Example 3: Mouse phenotype 2 (Thymocyte abnormality)
When a tissue section of the thymus of Apex2 gene-deficient mouse (KO) was observed by staining with hematoxylin / eosin (HE), the proportion of large cells was increased compared to wild type (WT) (FIG. 7). When thymocytes collected from the thymus were counted under a microscope, the number of thymocytes in Apex2 gene-deficient mice was remarkably reduced to about 20% of wild-type mice. Further, when this thymocyte was stained with propidium iodide and analyzed by flow cytometry, the decrease in small thymocytes was remarkable in Apex2 gene-deficient mice (80.7% → 44.9%) (FIG. 8). Furthermore, from comparison of fluorescence intensities, the ratio of cell populations in the S phase and G2 / M phase of the cell cycle increased from 8.2% to 12.2% and from 9.7% to 19.0% in Apex2 gene-deficient mice, respectively (FIG. 9). .
Next, the X-ray sensitivity of thymocytes in the individual was examined. The mice were irradiated with X-rays, and thymocytes were collected 21 hours later, and the number of viable cells was counted. As a result, a marked decrease in thymocytes in Apex2-deficient mice was observed. Apex2-deficient thymocytes were X-rays compared to the wild type. It became clear that high sensitivity was shown (FIG. 10).
When the differentiation markers of thymocytes were analyzed by flow cytometry, the numbers of CD4 + CD8 + cells, CD4 CD8 cells, CD4 + CD8 cells, and CD4 CD8 + cells were 31% and 179% of the wild type, respectively. 40% and 50% (data from two 13-week-old mice each). Furthermore, when the CD3, 4, 8 triple negative cells were examined, the number of triple negative cells was the same as that of the wild type mouse, but the number of CD44 + CD25 cells was reduced to 36.3%. On the other hand, CD44 + CD25 + cells and CD44 CD25 + cells were not decreased but rather increased slightly. CD44 CD25 cells were reduced to 27.8% of wild type mice (data from 2 10-week-old mice each).
[0021]
Example 4: Mouse phenotype 3 (abnormal peripheral lymphocytes)
When the number of white blood cells in the peripheral blood was counted with an animal hemocytometer, a decrease in the white blood cell count was observed (55% of the wild type). Furthermore, when each fraction in leukocytes was analyzed by flow cytometry, T cells were reduced to 37% of the wild type and B cells were reduced to 47% of the wild type. On the other hand, the number of NK cells increased to 177% (data of two 15-week-old mice each). The CD4 + CD8 / CD4 CD8 + ratio in T cells was normal.
[0022]
Example 5: Mouse phenotype 4 (abnormal spleen lymphocytes)
The number of spleen cells in Apex2 gene-deficient mice decreased to 63.2% of wild-type mice. When the surface markers of spleen cells were analyzed by flow cytometry, the ratio of T cells (CD3 + ) and B cells (B220 + ) in the spleen cells was 26.0% and 75.7% in the wild type mice, respectively. In contrast, Apex2 gene-deficient mice did not show changes of 28.7% and 73.8%.
Next, spleen cells were grown in a medium supplemented with LPS or concanavalin A (ConA), stained with trypan blue and counted under a microscope, and spleen cells derived from Apex2 gene-deficient mice were subjected to any mitogen stimulation. In FIG. 5, the number of cells was reduced as compared with spleen cells derived from wild-type mice. At this time, there was almost no difference in the number of dead cells. In addition, when the cell cycle of spleen cells 48 hours after LPS stimulation or 60 hours after ConA stimulation was analyzed by flow cytometry, an increase in the ratio of G2 / M phase cells was observed (FIG. 11).
[0023]
【The invention's effect】
Apex2 enzyme-deficient non-human mammals of the present invention represented by APEX2 enzyme-deficient mice exhibit a developmental / developmental phenotype thought to be caused by natural DNA damage, and this systemic natural DNA damage repair defect results The phenotype is associated with many pathological conditions such as delayed fetal development, neonatal growth delay, and accelerated aging. The APEX2-deficient animal of the present invention is used as a model for these pathological conditions in the development of therapies and drugs. Useful.
[0024]
Furthermore, in the APEX2-deficient non-human mammal of the present invention, such as APEX2-deficient mice, the immunocompetent cells are particularly sensitive to damage caused by natural DNA damage as compared to the whole body tissue cells, and the normal immunocompetent cells The decrease is significant. Therefore, the APEX2-deficient animal of the present invention represented by the APEX2-deficient mouse is useful as a model of idiopathic immunodeficiency or susceptibility as a result of repair deficiency of natural DNA damage, and treatment of those diseases It can also contribute to the development of laws and drugs.
[0025]
[Sequence Listing]
Figure 0003886927
Figure 0003886927

[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the positional relationship (A) on the genome of Apex2 gene to be deleted according to the present invention and the nucleotide sequence (B) at the intron / exon boundary.
FIG. 2 shows the targeting vector used to generate Apex2 gene-deficient ES cells according to the present invention compared to the positions of normal and mutated alleles.
FIG. 3 is data showing that Apex2 gene-deficient ES cells according to the present invention were established.
FIG. 4 is data showing that Apex2 gene-deficient mice were prepared according to the present invention.
FIG. 5 is data showing that Apex2 gene-deficient mice according to the present invention exhibit growth failure.
FIG. 6 is data showing that the thymus is atrophied in Apex2 gene-deficient mice according to the present invention.
FIG. 7 is data showing that Apex2 gene-deficient mice according to the present invention have fewer normal cells and an increased proportion of large cells.
FIG. 8 shows data comparing the size of thymocytes in Apex2 gene-deficient mice according to the present invention and comparing them with those of the wild type.
FIG. 9 shows data comparing the cell cycle distribution of thymocytes in the Apex2 gene-deficient mouse according to the present invention and comparing it with that of the wild type.
FIG. 10 is data showing that Apex2 gene-deficient mice according to the present invention are more sensitive to X-ray irradiation than wild-type mice.
FIG. 11 is data showing the state of activation of spleen cells of Apex2 gene-deficient mice according to the present invention by mitogen in comparison with the wild type.

Claims (2)

APエンドヌクレアーゼであるAPEX2酵素をコードする遺伝子が欠損している非ヒト哺乳動物を、胸腺細胞数の減少、脾臓細胞数の減少、および末梢血リンパ球の減少のモデル動物として使用する方法。  A method of using a non-human mammal deficient in a gene encoding APEX2 enzyme, which is an AP endonuclease, as a model animal for a decrease in the number of thymocytes, a decrease in the number of spleen cells, and a decrease in peripheral blood lymphocytes. APエンドヌクレアーゼであるマウスAPEX2酵素をコードする遺伝子が欠損しているマウスを、胸腺細胞数の減少、脾臓細胞数の減少、および末梢血リンパ球の減少のモデル動物として使用する方法。  A method of using a mouse deficient in a gene encoding mouse APEX2 enzyme, which is an AP endonuclease, as a model animal for a decrease in the number of thymocytes, a decrease in the number of spleen cells, and a decrease in peripheral blood lymphocytes.
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