JP3884369B2 - Steering control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用のステアバイワイヤ・システムの操舵反力を制御するステアリング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来のステアバイワイヤ・システムの操舵反力を制御するステアリング制御装置としては、下記の特許文献1に記載されているものや、或いは、下記の特許文献2に記載されているもの等が一般に広く知られている。
これらの従来装置においては、運転者の操舵操作に伴う操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサが具備されており、ステアリングホイールに適度な手応え感を与えるための反力トルク(操舵反力TR)の出力値を決定するために利用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−334947号公報 (第4−5頁、第1図)
【特許文献2】
特開平5−105100号公報 (第2−4頁、第1−3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の様な従来のステアバイワイヤ・システムにおいては、トルクセンサが故障した際に、手動操舵機構に切り換えなければならなかったため、以下のような問題があった。
(問題点1)
トルクセンサが故障した際に、手動操舵機構に切り換える場合、操舵感が急に重くなるため、運転者は戸惑いや違和感を覚える。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、トルクセンサが故障した際にも、操舵方式或いはステアリング制御の制御方式の切り換えを比較的円滑に実施できる様にすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、操舵アクチュエータがステアリング・ホイールに付与すべき操舵反力TRを制御する操舵機構と、転舵輪の実舵角に係わる転舵変位量xを制御する転舵機構とが機械的に分離されており、これら双方を連結する連結機構が電気的な連動機構によって代替的に構成されているステアバイワイヤ・システムにおいて、上記の操舵機構に、ステアリング・ホイールに運転者が付与する操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサと、路面反力による転舵機構に働く転舵反力Fを算定する転舵反力算定手段と、操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクTと転舵反力算定手段により算定された転舵反力Fとに基づいて、操舵反力T R を演算する操舵反力演算手段とを有し、操舵反力演算 手段は、操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、操舵反力TRの算定において、操舵トルクセンサが検出した操舵トルクTの入力又は利用を中止する操舵トルク関連値切り離し手段とを備える。
【0007】
この様な構成に従えば、操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、操舵反力TRの算定において、操舵トルクセンサが正しく検出したとものとして扱われてしまう操舵トルクTの検出値の入力又は利用が中止されるため、ステアリングホイールに、極端に的を外れた不当な操舵反力が付与される恐れが無くなる。
即ち、上記の第1の手段に従えば、必ずしも手動操舵機構に切り換えなくとも、ステアリング制御を続行することにより、運転者に操舵操作を継続させることが可能となるため、前述の問題点1については解決することができる。
【0008】
しかしながら、上記の構成を用いた場合、以下の問題が派生する。
(問題点2)
トルクセンサが故障した際に、運転者がステアリングホイールに付与する操舵トルクの検出値Tを恒等的に0と仮定すると、操舵感が急に軽くなるため、運転者は戸惑いや違和感を覚える。
【0009】
本発明の第1の手段は、この問題点2に対する対策を更に追加したものである。
即ち、操舵反力演算手段は、操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、転舵反力Fの係数値、又は転舵反力Fの関連値の係数値を変更する第1ゲイン変更手段を備える。
【0010】
この様な係数値(ゲイン)の修正により、操舵トルクの検出値Tが恒等的に0と仮定される場合にも、操舵アクチュエータから出力すべき所望の操舵反力TRの値を概算的に補正(適正化)することができる。このため、転舵反力F(又はその推定値Fh)の操舵感に対する影響度が、圧倒的或いは極端に支配的となる恐れが無くなる。
【0011】
また、第2の手段は、上記の第1の手段において、操舵反力演算手段は、ステアリングホイールの回転速度ωHに基づいて、操舵機構の慣性モーメントに係わる慣性トルクTKを、操舵反力TRを構成する項の一つとして設定する慣性補償手段と、操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、慣性トルクTKの係数値、又は慣性トルクTKの関連値の係数値を変更する第2ゲイン変更手段とを備えることである。
【0012】
この様な構成に従えば、従来、トルクセンサの正常動作時に、主に操舵トルクT等を用いて演算処理されていた操舵機構或いは転舵機構の慣性に係わるシミュレーション(即ち、慣性トルクの出力)を、例えばステアリングホイールの回転速度ωH等に基づいて、実施することができる様になる。
これにより、操舵感が極端に軽くなることを回避でき、よって、問題の違和感を軽減することが可能となる。
【0013】
また、第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、操舵反力演算手段は、ステアリングホイールの回転速度ωHに基づいて、操舵機構或いは転舵機構の内部摩擦に係わる摩擦トルクTDを、操舵反力TRを構成する項の一つとして設定する摩擦補償手段と、操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、摩擦トルクTDの係数値、又は摩擦トルクTDの関連値の係数値を変更する第3ゲイン変更手段とを備えることである。
【0014】
この様な構成に従えば、従来、トルクセンサの正常動作時に、主に操舵トルクT等を用いて演算処理されていた操舵機構或いは転舵機構の内部の摩擦力に係わるシミュレーション(即ち、摩擦トルクの出力)を、例えばステアリングホイールの回転速度ωH等に基づいて、実施することができる様になる。
これにより、操舵感が極端に軽くなることを回避でき、よって、問題の違和感を軽減することが可能となる。
【0015】
また、第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段の転舵反力算定手段において、転舵反力Fの位相を補正する転舵反力位相補正手段と、操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、転舵反力Fの位相に対する補正量を変更する位相補正量変更手段とを備えることである。
【0016】
操舵トルクTが検出できない場合、操舵トルクに関するフィードバックループが構成できなくなるため、操舵反力TRを生成出力する際の応答性が劣化する。この影響を軽減するためには、転舵反力Fに係わるオープン制御系の応答性を高くする(或いは低下させない)処置が有効となる。
上記の第5の手段によれば、転舵反力Fの位相に対する補正量を変更することにより、転舵反力Fの位相を早めること(或いは遅らせないこと)ができるので、これにより、操舵機構の操舵操作に対する応答性の劣化を軽減することができる。
【0017】
また、第5の手段は、上記の第1乃至第4の何れか1つの手段の転舵反力算定手段において、転舵反力Fを測定する転舵反力センサを備えることである。
この様な構成に従えば、転舵反力を転舵反力センサから直接測定することができるため、より高い精度で確実に転舵反力Fを求めることができる。
また、この様な構成に従えば、公知のオブザーバ等を用いた高度或いは複雑な推定処理により、転舵反力Fを推定する必要が無くなるため、このオブザーバ等に関する装置コスト、又は、オブザーバ等に関する処理プログラムの開発工数を削減することができる。
また、上記の構成に従えば、オブザーバをプログラムで構成する場合に比べて、制御装置使用時のCPUオーバヘッドを削減することができる。
【0018】
また、第6の手段は、上記の第1乃至第4の何れか1つの手段の転舵反力算定手段において、転舵機構が有する転舵アクチュエータに流れる転舵電流の、測定値Ia、指令値In又は関連値urに基づいて、転舵反力Fを推定する転舵反力推定手段を備えることである。
【0019】
ただし、上記の関連値urは、転舵アクチュエータに対する制御量ならば任意で良い。例えば、転舵モータの駆動回路における指令電圧やPWM制御におけるデューティー値等でも良い。また、勿論、転舵モータに流れる電流(転舵電流)の値や、その指令値等を用いても良い。
【0020】
上記の構成に従えば、転舵反力Fを推定することにより、必ずしも転舵反力センサを具備しなくともステアリング制御装置を構成することが可能となるため、部品点数や部品コストの面で有利な制御装置を構成することが可能となる。
また、上記の構成に従えば、転舵反力センサの接続仕様(規格)、測定精度、価格、耐熱性、耐振性、耐久性、大きさ、形状、重量等について詳細に検討する必要が無くなり、また、これらの諸条件が設計上のネックになる様な恐れも無くなる。
【0021】
また、第7の手段は、上記の第6の手段の転舵反力推定手段において、「転舵機構が有する転舵アクチュエータに流れる転舵電流の、測定値Ia、指令値In、又は関連値ur」と、「転舵変位量x、その指令値xn、又はこれらに関連する関連値」とに基づいて、上記の転舵反力Fを推定する外乱オブザーバを備えることである。
【0022】
この様な構成に従えば、比較的高い精度で上記の転舵反力Fを推定することができるため、転舵反力Fの推定精度と装置の部品コストの両面で、比較的合理的で均整の取れた制御装置を構成することができる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
〔第1実施例〕
図1は、本実施例のステアリング制御装置100のシステム構成図である。このステアリング制御装置100は、運転者が操作するステアリングホイール(ハンドル)1を有する操舵機構と、転舵輪16を転舵する転舵機構と、これらの操舵機構と転舵機構との連動制御を電気的に行う制御装置(コンピュータ)8等から構成されている。
【0024】
操舵機構は、操舵反力を生成する操舵アクチュエータ(反力モータ5)を備える。反力モータ駆動回路6は、制御装置8から与えられる制御量(TR)に応じて反力モータ5を駆動する。反力モータ5の出力軸は減速器を介して操舵軸(ステアリングシャフト)2に連結されており、この操舵軸2は操舵ハンドル1に連結されている。
【0025】
操舵軸2には、この軸の回転角である操舵角θを検出する操舵角センサ3と、操舵軸2に加わる操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサ4が配設されている。ただし、操舵角センサ3の代わりに、反力モータの回転角を検出する反力モータ角センサを備え、反力モータの回転角から操舵角θを推定してもよい。この場合、減速比のみに基づいて反力モータの回転角を操舵角θに換算してもよいし、操舵軸の捩れ剛性を考慮して、操舵角θを補正してもよい。
【0026】
一方、転舵機構は、転舵軸13を転舵する転舵アクチュエータ(転舵モータ11)を備える。転舵モータ駆動回路9は、制御装置8から与えられる制御量(ur)に応じて転舵モータ11を駆動する。転舵モータ11の回転運動を直線運動に変換する変換器(減速器12)は、例えば、ボールねじ機構等から構成することができる。転舵軸13の両端は、タイロッド14、ナックルアーム15を介して転舵輪16に接続されている。
【0027】
転舵軸13には、この軸の転舵変位量xを検出する転舵変位量センサ10と、外部(転舵輪16側)から転舵軸13に加わる転舵反力Fを検出する図示しない転舵反力センサとを備えても良いが、本実施例では、後者の転舵反力センサを外乱オブザーバにて置換した構成例について詳しく例示する。
【0028】
また、転舵変位量センサ10の代わりに、転舵モータの回転角を検出する転舵モータ角センサを備え、この転舵モータの回転角から転舵変位量xを推定してもよい。この場合、減速比のみで換算してもよいし、転舵軸13の軸方向の剛性を考慮して補正してもよい。
【0029】
制御装置8には、操舵角センサ3、操舵トルクセンサ4、転舵変位量センサ10、車速センサ7の各検出結果(操舵角θ,操舵トルクT,転舵変位量x,車速V)が入力され、これらの検出結果を基に、反力モータ5と転舵モータ11が所定の駆動力を出力するように各駆動回路(6,9)へ制御信号(反力モータの制御量TR,転舵モータの制御量ur)を出力する。
【0030】
図2は、ステアリング制御装置100の制御装置8の操舵反力生成方式に係わる論理的な主要構成を例示する制御ブロックダイヤグラムである。
反力モータ駆動回路6への制御信号(反力モータの制御量TR)は、反力モータの制御量演算器85により算出される。
【0031】
一方、転舵モータ駆動回路9への制御信号(転舵モータの制御量ur)は、位置制御器82により算出される。この位置制御器82は、目標値演算器81が算出する転舵変位量の目標値xnと、転舵変位量センサ10が検出した転舵変位量xに基づいて、周知のPD制御(比例・積分制御)により、上記の転舵モータの制御量urを算出する。勿論、例えばPID制御(比例・積分・微分制御)等の公知のその他の制御理論に基づいて、上記の転舵モータの制御量urを算出しても良い。
【0032】
転舵反力推定器88は、転舵変位量xと転舵モータの制御量urに基づいて転舵反力Fの推定値Fhを算定する。
この転舵反力推定器88は、転舵反力Fを直接的に検出する転舵反力センサと置換することも可能であるが、以下の第1実施例では、転舵反力推定器88を有するステアリング制御装置(100)について、主要部分に関する説明を中心とする「I.正常時の動作」と、本発明の特徴部分に直接係わる詳細な説明を展開する「II.異常時の動作」の2部に分けて説明する。
【0033】
I.正常時の動作
以下、上記の制御装置8の通常の動作(操舵トルクセンサ4の正常時の動作)について説明する。
図3は、ステアリング制御装置100の制御装置8が実行する制御手順の概要を例示するフローチャートである。この制御手順は、図2のステアリング制御を具現する手段である。
【0034】
図3の制御手順では、まず最初に、ステップ510によりシステムの初期化を行う。この初期化は、制御変数の初期化等の処理が中心である。これらの具体的な内容については、後から断片的に例示する。
【0035】
ステップ520では、操舵角センサ3、操舵トルクセンサ4、転舵変位量センサ10、車速センサ7の各検出結果(操舵角θ,操舵トルクT,転舵変位量x,車速V)を入力する。
ステップ530では、転舵モータ制御を行うサブルーチン(図4)を呼び出して実行する。このサブルーチンは、図2の目標値演算器81と位置制御器82を具現するサブルーチンである。
【0036】
ステップ540では、転舵反力を求める。この転舵反力は、転舵反力センサにて直接的に検出された信号から求めても良いが、本実施例では、転舵反力推定器88により、転舵変位量xと転舵モータの制御量urに基づいて転舵反力Fの推定値Fhを算定する手順について詳しく例示する。
ステップ550では、反力モータ制御を行うサブルーチン(図8)を呼び出して実行する。このサブルーチンは、図2の反力モータの制御量演算器85を具現するサブルーチンである。
【0037】
ステップ560では、ステップ520以降の処理を定期的(1例:0.5ms周期)に実行するために、タイマ割り込みの予約設定処理等を行い、タイマ割り込みの待ち状態に遷移する。
次に、ステップ530でサブルーチンとしてコールされる転舵モータ制御を行うサブルーチン(図4)に付いて、詳細に説明する。
【0038】
1.転舵軸の制御手順
図4は、図1、図2の制御装置8により具現される転舵モータ制御部(即ち、上記の目標値演算器81、及び位置制御器82)が実行する制御手順を例示するフローチャートである。
【0039】
操舵角θから転舵変位量xの目標値xnを式(1)により決定する。伝達比Grには定数を用いても良いが、操舵角θや車速V等に応じて、例えば図5の様なマップ(a),(b)を用いて、「Gr=gr1×gr2」の様な形式にして、決定してもよい。例えばこの様な車速に応じた設定によれば、所望のステアリングギヤ比可変手段を具現することが可能である。
【0040】
【数1】
xn=Grθ …(1)
例えばこの様にして、目標値演算器81の演算処理(ステップ620、及びステップ640)を実行することができる。
【0041】
偏差(xn−x)、及びその時間微分d(xn−x)/dtに基づいて転舵モータ11の制御量urを式(2)により決定し、転舵変位量xが上記の目標値xnに追従するように駆動制御を行う。ゲイン係数Gpx,Gdxは定数である。
【数2】
ur=Gpx(xn−x)+Gdx・d(xn−x)/dt …(2)
例えばこの様にして、位置制御器82の演算処理(ステップ660、及びステップ680)を実行することができる。
【0042】
以下、外乱オブザーバに関する演算手法により、この転舵反力の推定値Fhを算定する手順(図3のステップ540)について、図6と図7を用いて具体的に例示する。
【0043】
2.転舵反力の推定手順
転舵機構の運動方程式は式(3)で記述される。ただし、ここで、Mは、ラック軸質量やモータの慣性(イナーシャ)等から決まる転舵機構の転舵変位方向の有効質量である。
【数3】
M・d2x/dt2=ur−f−F≡d …(3)
【0044】
ただし、上記のfは転舵モータ11、変換器(減速器12)等の転舵機構内部に生じる摩擦力である。この摩擦力fは、例えば、x,vの関数y等として求めておくと良い。この関数yは、x,v等に関する数式として求めておいても良いし、関数yを近似するマップ(テーブルデータ)と所定の補間処理から求めても良い。
【数4】
f=y(x,v) …(4)
ただし、上記の小文字の変数vは、次式(5)によって定義される転舵軸13の転舵速度である。
【数5】
v=dx/dt …(5)
【0045】
ここで、式(3)の力dを外乱オブザーバにおける外乱とみなせば、図7の式(a)の形で表現される外乱オブザーバを構成することができる。ただし、以下、行列Gはオブザーバゲイン(3行2列の定数行列)であり、Fh,xh,vh,dhは、それぞれF,x,v,dの各推定値を表すものとする。
【0046】
時刻kにおけるオブザーバの状態量をx0(k)(3行1列の列ベクトル)とする。この時、オブザーバゲインGを極配置法によって決定し、サンプリング時間を適当な時間間隔(1例:約0.5ms程度)で離散化すると、上記の状態量x0(k)は、図7の式(b)の形で、逐次算出することができる。したがって、上記の力dの推定値dhは、図7の式(c)の形で、逐次算出することができる。
ただし、ここで、kはサンプリング時刻を表す時刻パラメータ(整数変数)であり、行列A,Cはそれぞれ3行3列の定数行列、行列B,Dはそれぞれ3行2列の定数行列である。また、状態量x0(k)の初期値x0(0)は0ベクトルで良い。また、転舵速度vの初期値v(0)も0で良い。
【0047】
したがって、上記の力dの推定値dhを用いて、転舵反力Fの推定値Fhは、次式(6)にて逐次求めることができる。
【数6】
Fh(k)=ur(k)−f(k)−dh(k) …(6)
【0048】
例えばこの様にして、転舵反力センサの検出値Fの代わりに、転舵反力の推定値Fhを用いて、反力モータの制御量TRを設定すれば、転舵反力センサが不要になるのでコストを低減できる。また、転舵反力センサのノイズに起因する振動が発生しないので、滑らかな操舵感が得られる。
【0049】
これらの理論に基づいて、図2の本発明に係わる転舵反力推定器88(即ち、図3のステップ540)を構成することができる。
図6は、制御装置8により具現される転舵反力推定器88が実行する制御手順を例示するフローチャートである。
【0050】
本制御手順では、まず、最初に、ステップ910により、上記の式(5)により、転舵軸の移動速度v(k)の値を求める。
次に、ステップ920では、図7の式(c)によりdh(k)の値を求める。
ステップ930では、上記の式(6)により、Fh(k)の値を求める。
ステップ940では、このFhの値を、転舵反力を表す変数Fに代入する。これにより、反力モータの制御量演算器85において、転舵反力Fの値が参照可能となる。
【0051】
ステップ950及びステップ960では、次回の制御周期における演算処理の準備をしておく。即ち、ステップ950では、図7の式(b)に従って、x0(k+1)の値を算出し、所定の記憶領域に記憶しておく。
また、ステップ960では、時刻パラメータkを更新する。
【0052】
尚、ステップ960の処理は、前述のステップ560の中で実行しても良い。また、k=0,x0(0)=0,v(0)=0等の各種の使用変数の初期化処理は、前述のステップ510で実行するものとする。
【0053】
次に、図3のステップ550でサブルーチンとしてコールされる反力モータ制御に付いて、詳細に説明する。
【0054】
3.操舵軸(反力モータ)の制御手順
操舵トルクTとその時間微分dT/dt、及び転舵反力Fとその時間微分dF/dtに基づいて、反力モータ5の制御量TRを次式(7)に従って決定しても良いが、本実施例では、下記の式(8)により反力モータ5の制御量TRを決定する例を示す。ただし、ここで、ゲイン係数Gpt、Gdt、Gpf、Gdfは適当な定数であり、式(7)、式(8)の各右辺の第3項及び第4項の転舵反力Fには、前述の推定値Fhを代入するものとする。
【数7】
TR=GptT+Gdt・dT/dt−GpfF−Gdf・dF/dt …(7)
【数8】
TR=GptT+Gdt・dT/dt−fpf(F)−Gdf・dF/dt …(8)
【0055】
上記の式(7),(8)の各々の第3項と第4項は、操舵トルクが付与された方向と逆方向に作用する制御量である。第3項によってセルフアライニングトルク等の転舵反力に応じた操舵反力が生成される。また、第4項によって転舵反力に対して速やかに操舵反力が生成されると伴に、転舵反力に起因する振動が抑制される。そのため、転舵反力(路面情報)を違和感無く運転者に伝えることができると伴に、滑らかな操舵感が得られる。
【0056】
一方、第1項と第2項は、操舵トルクが付与された方向に操舵軸を回転させるための制御量である。第1項によって減速器の摩擦に起因する操舵反力が抑制され、第2項によって反力モータのコギングに起因する振動が抑制される。そのため、転舵反力に応じた操舵反力を正確に付与することができる。
【0057】
これらの理論に基づいて、図2の本発明に係わる制御量演算器85(即ち、図3のステップ550でサブルーチンとしてコールされる反力モータ制御)を構成することができる。
図8は、制御装置8により具現される反力モータの制御量演算器85が実行する制御手順を例示するフローチャートである。
まず、ステップ810では、式(8)の演算を実行する準備として、操舵トルクT、及び転舵反力Fの時間微分の値を求める。
次に、ステップ830では、式(8)のゲイン係数Gdfを決定する。
【0058】
図9は、ゲイン係数Gpf,Gdfの算出に用いられるデータマップを例示するグラフである。ゲイン係数Gpf,Gdfは、車速Vに応じて図9のようなマップ(a),(b)に基づいて変更してもよい。例えばこの様に、車速Vが大きい時程ゲイン係数Gpf,Gdfを大きくすることによって、車速Vが大きい時程操舵反力が大きくなるので、操舵感がより向上する。
【0059】
この様に車速Vに応じて、ゲイン係数Gpf,Gdfを最適化する手段も、所望のステアリングギヤ比可変手段を具現する一例である。また、ゲイン係数Gpfを大きくすると制御系の安定性が悪化して振動が発生しやすくなるが、同時にゲイン係数Gdfも大きくすることによって振動を抑制できるので、この様な設定によっても滑らかな操舵感が得られる。
【0060】
次に、ステップ850では、式(8)の第3項を決定する。ここで、上記の関数fpf(F)は図10の様に車速Vに依存した関数にしてもよい。図10は、上記の式(8)の第3項として利用することができる関数fpf(F,V)の設定形態を例示するグラフである。
【0061】
転舵反力が小さい領域ほど操舵反力の増加率を大きくすることによって、ハンドルを中立位置から切り始めた際に、操舵反力は急峻立ち上がるので、ビルドアップ感の良い操舵感が得られる。更に、図10に例示する様な車速Vに依存する関数fpf(F,V)を用いることにより、車速Vに応じて式(8)の第3項を最適化することが可能となる。例えばこの様な手段も、所望のステアリングギヤ比可変手段を具現する一例である。この様な設定に従えば、車速Vが大きい時程操舵反力が大きくなるので、操舵感がより向上する。
【0062】
これらの手順により、式(8)の各項を求めることができる。ステップ870では、式(8)の演算処理を実行する。ステップ890では、ステップ870で算出した制御量TRを反力モータ駆動回路6に出力する。
以上の制御手順により、本第1実施例のステアリング制御装置100において、安い生産コストで所望の操舵感を生成することが可能或いは容易となる。
【0063】
II.異常時の動作
以下、本第1実施例のステアリング制御装置100の、操舵トルクセンサ4の異常時における動作について説明する。
図11は、本実施例の反力モータの制御量演算器85(図2)に関する更に詳しい論理的な構成を例示する制御ブロックダイヤグラムである。本実施例の反力モータの制御量演算器85では、既に式(8)と図8、図9、図10を用いて説明した様に、制御量TR(反力モータ5の出力トルク又は駆動電流)を算出して、反力モータ駆動回路6に出力する。
【0064】
これらの動作は、操舵トルクセンサ4の異常時においても前述の正常時と同じであり、図11が示している動作と図2の制御量演算器85が示している動作とは一致している。
即ち、図11の操舵トルク関連値演算部851では、次式(9)に従って、操舵トルク関連値Ttを算出する。また、転舵反力関連値演算部852では、次式(10)に従って、転舵反力関連値Tfを算出する。
【数9】
Tt=GptT+Gdt・dT/dt …(9)
【数10】
Tf=fpf(F,V)+Gdf・dF/dt …(10)
その後、操舵トルク関連値Ttと転舵反力関連値Tfは、次式(11)に従って処理される。
【数11】
TR=a1Tt+a2Tf (初期値:a1=1,a2=−1) …(11)
【0065】
しかしながら、操舵トルクセンサ4の異常時においては、上記のゲインの値が、上記の正常時の値(a1=1,a2=−1)とは異なる。即ち、このゲイン(係数a1,a2)の値を異常時に、動的に切り換える手段が、本発明の最も大きな特徴部の一つになっている。
【0066】
図12は、トルクセンサ異常検出時の、本第1実施例の反力モータの制御量演算器85(図11)に関する処理を説明するフローチャート(a)及びゲイン設定規準を表す変数規準表(b)である。
図12(a)の異常時処理を実行するサブルーチンは、操舵トルクセンサ4に異常が有った際に、前述のプログラムとは非同期に呼び出して実行される。この様なサブルーチンは、割り込み処理ルーチンとして登録しておく等の手法が最も一般的である。例えば、操舵トルクセンサ4が自らその異常時に直接制御装置に対して外部割り込みを掛けることができる場合等がそれである。
【0067】
また、操舵トルクセンサ4の異常状態は、上記の各物理変数F,x,θ,T,V等の間に矛盾がある場合に、これらの各変数間の不自然な関係(矛盾)をソフトウェアによって解析することにより検知する様にしても良い。
【0068】
上記のサブルーチン(図12(a))では、例えば図12(b)の変数規準表に従って、図11の各ゲイン(係数a1,a2)の値を以下の式(12)の様に書き換える。
【数12】
a1=0 (操舵トルク関連値切り離し手段に対応),
a2=−1/2 (第1ゲイン変更手段に対応) …(12)
【0069】
例えばこの様に、ステアリング制御を続行することにより、運転者に操舵操作を継続させることが可能となるため、前述の問題点1に示した様に、操舵感が急激に重くなる様な事態を回避することが可能となる。
また、係数a2を書き換える上記の第1ゲイン変更手段によれば、上記の様に操舵トルクの検出値Tが恒等的に0と仮定される場合にも、操舵アクチュエータから出力すべき所望の操舵反力TRの値を概算的に補正(適正化)することができる。このため、転舵反力Fの推定値Fhの操舵感に対する影響度が、圧倒的或いは極端に支配的となる恐れが無くなる。
【0070】
尚、式(11)から分る様に、上記の第1ゲイン変更手段によれば、式(10)の右辺の第1項及び第2項の両方にゲイン(係数a2)の変更の影響が及ぶが、この他の変形例としては、例えば、式(10)の右辺第2項は不変とし、式(10)の右辺第1項だけを上記の第1ゲイン変更手段によって半減させる様にしても良い。この様に第1ゲイン変更手段の影響範囲を限定すれば、操舵反力TRの出力時に位相が遅れ難くなるため、操舵反力の応答性が劣化しない。
【0071】
また、式(10)の右辺第2項(Gdf・dF/dt)は、位相補償項と解釈する以外にも、転舵系のダンパー項を表現しているものと解釈することもできるので、操舵時の粘性感の向上のためにも、式(10)の右辺第2項は不変とし、式(10)の右辺第1項だけを半減させる様にすると良いものと考えられる。
これらの手法については、後述の第3実施例でも、位相補正量変更手段等として言及する。
【0072】
〔第2実施例〕
上記の第1実施例のステップ540では、転舵反力センサを用いて転舵反力Fを直接測定する代わりに、転舵モータの制御量urと転舵変位量xに基づいて、転舵反力Fの値を推定しているが、一般のステアリング制御装置(SBWシステム)においては、勿論、転舵反力センサを搭載して転舵反力Fをその転舵反力センサから直接求める様にしても良い。
【0073】
図13は、本第2実施例のステアリング制御装置200の論理的なシステム構成図である。このステアリング制御装置200は、転舵反力センサ20を有する点が、前述の第1実施例のステアリング制御装置100とは異なっている。
例えば、この様に転舵反力センサ20を具備する場合には、部品コストやノイズ対策等が問題となる場合もあるが、しかし、この様な方式によれば、上記の外乱オブザーバに関して、それらの開発工数や運用時のCPUオーバヘッド等を削減或いは抑制することができる。
【0074】
図14は、本第2実施例のステアリング制御装置200の制御装置8の操舵反力生成方式に係わる論理的な主要構成を例示する制御ブロックダイヤグラムである。この制御装置200では上記の構成を採るため、転舵反力推定器が配備されていないが、その他にも、操舵角θが反力モータの制御量演算器85′に入力されている点が、前述の第1実施例とは大きく異なっている。
【0075】
図15は、本第2実施例の反力モータの制御量演算器85′(図14)に関する更に詳しい論理的な構成を例示する制御ブロックダイヤグラムである。即ち、この制御方式によれば、反力モータ5の制御量TRは、次式(13)に従って、算定される。
【数13】
TR=a1Tt+a2Tf+a3TK+a4TD,
TK=gKτKK,
TD=gDτDD …(13)
【0076】
ただし、ここで、Tt,Tfは、前記の式(9)、式(10)に従って算出するものとする。また、各係数a1,a2,a3,a4の初期値は、それぞれ、1,−1,0,0とする。また、変数τKK,gKは、それぞれ図16のマップ(a),(b)によって決定される操舵速度ωH(=dθ/dt)若しくは車速Vの関数である。また、変数τDD,gDは、それぞれ図17のマップ(a),(b)によって決定される操舵速度ωH若しくは車速Vの関数である。
【0077】
即ち、図15の慣性トルク関連値演算部853では、図16のマップ(a),(b)を用いて、慣性トルクTK(=gKτKK)を算出する。また、図15の摩擦トルク関連値演算部854では、図17のマップ(a),(b)を用いて、摩擦トルクTD(=gDτDD)を算出する。
【0078】
図18に、本第2実施例の反力モータの制御量演算器85′(図15)に関する、トルクセンサ異常検出時の、処理を説明するフローチャート(a)及びゲイン設定規準を表す変数規準表(b)を例示する。
このサブルーチン(図18(a))では、前述の第1実施例と同様に、例えば図18(b)の変数規準表に従って、図15の各ゲイン(係数a1,a2,a3,a4)の値を以下の式(14)の様に書き換える。
【数14】
a1=0 (操舵トルク関連値切り離し手段に対応),
a2=−1/2 (第1ゲイン変更手段に対応),
a3=1 (第2ゲイン変更手段に対応),
a4=1 (第3ゲイン変更手段に対応) …(14)
【0079】
以上の様な構成に従えば、従来、トルクセンサの正常動作時に、主に操舵トルクT等を用いて演算処理されていた、操舵機構或いは転舵機構の慣性に係わるシミュレーション(即ち、慣性トルクの出力)や、或いは、操舵機構或いは転舵機構の内部の摩擦力に係わるシミュレーション(即ち、摩擦トルクの出力)等を、ステアリングホイールの回転速度ωHや車速V等に基づいて実施することができる様になる。これにより、操舵感が極端に軽くなることを回避でき、よって、問題の違和感を軽減することが可能となる。
【0080】
尚、ゲインが0となる変数は、演算を省略しても良い。例えば、上記の場合、正常時には、式(13)の慣性トルクTK(=gKτKK)や摩擦トルクTD(=gDτDD)等は、特に演算する必要が無い。例えば、制御量演算器85′(図15)をプログラムにより構成する場合、この様な省略によりCPUオーバヘッドが削減できることは言うまでもない。
【0081】
〔第3実施例〕
本第3実施例では、上記の第2実施例と略同様の異常時処理を実施するが、本第3実施例では、前述の式(10)を以下の式(15)の様に変形して用いる点が、大きく異なっている。ここで、ゲインλの初期値は1である。
【数15】
Tf=fpf(F,V)+λGdf・dF/dt …(15)
【0082】
図19は、本第3実施例の反力モータの制御量演算器85′(図17)に関する、トルクセンサ異常検出時の、処理を説明するフローチャート(a)及びゲイン設定規準を表す変数規準表(b)である。
このサブルーチン(図19(a))では、前述の第2実施例と同様に、例えば図19(b)の変数規準表に従って、各ゲイン(係数a1,a2,a3,a4,λ)の値を以下の式(16)の様に書き換える。
【数16】
a1=0 (操舵トルク関連値切り離し手段に対応),
a2=−1/2 (第1ゲイン変更手段に対応),
a3=1 (第2ゲイン変更手段に対応),
a4=1 (第3ゲイン変更手段に対応),
λ=2 (位相補正量変更手段に対応) …(16)
【0083】
以上の様な構成に従えば、第1実施例の最後でも言及した様に、操舵反力TRの出力時に位相が遅れ難くなるため、操舵反力の応答性が劣化せず、また、操舵時の粘性感も劣化しない。
【0084】
尚、図19(b)の変数規準表において、係数a3、a4の各初期値(正常時の値)はそれぞれ1/5,3/10などに設定されているが、例えばこの様に、最初から正常時においても、慣性トルクや摩擦トルク(ダンパートルク)等を操舵速度ωHや車速V等に基づいて生成して、操舵反力TRを構成する項の中にそれら(例:前記式(13)のTKやTD等)を標準的に入れておいても良い。
【0085】
この様な設定によれば、正常時においても最初から、操舵速度ωH等をも考慮した慣性トルクや摩擦トルク(ダンパートルク)等を生成・出力することができると共に、上記の式(16)に例示される様な変更(切り換え)を行った際の移行に伴う違和感が、若干でも緩和できると言った効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係わるステアリング制御装置100の論理的なシステム構成図。
【図2】 ステアリング制御装置100の制御装置8の操舵反力生成方式に係わる論理的な主要構成を例示する制御ブロックダイヤグラム。
【図3】 ステアリング制御装置100の制御装置8が実行する制御手順の概要を例示するフローチャート。
【図4】 制御装置8により具現される転舵モータ制御部(目標値演算器81、位置制御器82)が実行する制御手順を例示するフローチャート。
【図5】 伝達比Grの算出に用いられるデータマップを例示するグラフ。
【図6】 制御装置8により具現される転舵反力推定器88が実行する制御手順を例示するフローチャート。
【図7】 転舵反力推定器88が使用するベクトル演算公式をまとめた公式表。
【図8】 制御装置8により具現される反力モータの制御量演算器85が実行する制御手順を例示するフローチャート。
【図9】 ゲイン係数Gpf,Gdfの算出に用いられるデータマップを例示するグラフ。
【図10】 関数fpf(F,V)の設定形態を例示するグラフ。
【図11】 第1実施例の反力モータの制御量演算器85(図2)に関する更に詳しい論理的な構成を例示する制御ブロックダイヤグラム。
【図12】 第1実施例の反力モータの制御量演算器85(図11)に関する、トルクセンサ異常検出時の、処理を説明するフローチャート(a)及びゲイン設定規準を表す変数規準表(b)。
【図13】 第2実施例のステアリング制御装置200の論理的なシステム構成図。
【図14】 ステアリング制御装置200の制御装置8の操舵反力生成方式に係わる論理的な主要構成を例示する制御ブロックダイヤグラム。
【図15】 第2実施例の反力モータの制御量演算器85′(図16)に関する更に詳しい論理的な構成を例示する制御ブロックダイヤグラム。
【図16】 第2実施例の慣性トルクTKの算定に係わるグラフ。
【図17】 第2実施例の摩擦トルクTD(ダンパートルク)の算定に係わるグラフ。
【図18】 第2実施例の反力モータの制御量演算器85′(図17)に関する、トルクセンサ異常検出時の、処理を説明するフローチャート(a)及びゲイン設定規準を表す変数規準表(b)。
【図19】 第3実施例の反力モータの制御量演算器85′(図17)に関する、トルクセンサ異常検出時の、処理を説明するフローチャート(a)及びゲイン設定規準を表す変数規準表(b)。
【符号の説明】
100 … ステアリング制御装置
1 … ステアリングホイール(ハンドル)
2 … 操舵軸(ステアリングシャフト)
3 … 操舵角センサ
4 … 操舵トルクセンサ
5 … 反力モータ
6 … 反力モータ駆動回路
7 … 車速センサ
8 … 制御装置(コンピュータ)
9 … 転舵モータ駆動回路
10 … 転舵変位量センサ
11 … 転舵モータ
12 … 減速器
13 … 転舵軸
81 … 目標値演算器
82 … 位置制御器
85 … 反力モータの制御量演算器
851… 操舵トルク関連値演算部
852… 転舵反力関連値演算部
853… 慣性トルク関連値演算部
854… 摩擦トルク関連値演算部
88 … 転舵反力推定器
T … 操舵トルク
F … 転舵反力
V … 車速
θ … 操舵角
x … 転舵変位量
xn … 転舵変位量の目標値
ur … 転舵モータの制御量
TR … 反力モータの制御量
TK … 慣性トルク
TD … 摩擦トルク(ダンパートルク)
Fh … 転舵反力の推定値
f … 転舵機構内部に生じる摩擦力
G … オブザーバゲイン(3行2列の定数行列)
k … サンプリング時刻を表す時刻パラメータ
x0(k) … 時刻kにおけるオブザーバの状態量(状態ベクトル)
A,C … 3行3列の定数行列
B,D … 3行2列の定数行列[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a steering control device that controls a steering reaction force of a vehicle-mounted steer-by-wire system.
[0002]
[Prior art]
For example, as a steering control device for controlling the steering reaction force of a conventional steer-by-wire system, a device described in the following
In these conventional apparatuses, a steering torque sensor for detecting a steering torque T accompanying a steering operation of a driver is provided, and a reaction force torque (steering reaction force T for giving an appropriate feel to the steering wheel) is provided.R) Is used to determine the output value.
[0003]
[Patent Document 1]
JP 2001-334947 A (page 4-5, FIG. 1)
[Patent Document 2]
JP-A-5-105100 (Page 2-4, Figure 1-3)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional steer-by-wire system as described above has the following problems because it must be switched to the manual steering mechanism when the torque sensor fails.
(Problem 1)
When switching to the manual steering mechanism when the torque sensor breaks down, the steering feeling suddenly increases, so the driver feels confused and uncomfortable.
[0005]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and its object is to enable a relatively smooth switching of the steering method or the control method of the steering control even when the torque sensor fails. Is to do.
[0006]
[Means for Solving the Problem, Action, and Effect of the Invention]
In order to solve the above problems, the following means are effective.
That is, the first means of the present invention is the steering reaction force T that the steering actuator should apply to the steering wheel.RThe steering mechanism that controls the steering wheel and the steering mechanism that controls the steering displacement amount x related to the actual steering angle of the steered wheels are mechanically separated. In a steer-by-wire system that is configured alternatively, the steering mechanism includes a steering torque sensor that detects a steering torque T applied by the driver to the steering wheel, and a road surface reaction.By forceA steering reaction force calculating means for calculating a steering reaction force F acting on the steering mechanism;Based on the steering torque T detected by the steering torque sensor and the turning reaction force F calculated by the turning reaction force calculation means, the steering reaction force T R Steering reaction force calculation means for calculating the steering reaction force calculation MeansWhen an abnormality of the steering torque sensor is detected, the steering reaction force TRAnd a steering torque related value separating means for stopping the input or use of the steering torque T detected by the steering torque sensor..
[0007]
According to such a configuration, when an abnormality of the steering torque sensor is detected, the steering reaction force TRIn this calculation, the input or use of the detected value of the steering torque T, which is treated as if the steering torque sensor was correctly detected, is stopped, so that an unreasonable steering reaction force on the steering wheel is extremely inappropriate. No fear of being granted.
That is, according to the first means described above, the driver can continue the steering operation by continuing the steering control without necessarily switching to the manual steering mechanism. Can be solved.
[0008]
However, the aboveConstitutionWhen using, the following problem is derived.
(Problem 2)
If the detected value T of the steering torque applied to the steering wheel by the driver is assumed to be zero when the torque sensor breaks down, the steering feeling suddenly becomes light, and the driver feels confused and uncomfortable.
[0009]
BookInventionFirstMeasures against this problem 2Added moreIs.
That isThe steering reaction force calculation means isFirst gain changing means for changing the coefficient value of the steering reaction force F or the coefficient value of the related value of the steering reaction force F when an abnormality of the steering torque sensor is detected is provided.The
[0010]
Even when the detected value T of the steering torque is assumed to be zero by such correction of the coefficient value (gain), a desired steering reaction force T to be output from the steering actuator is obtained.RCan be roughly corrected (adjusted). For this reason, the steering reaction force F (or its estimated value F)hThe influence on the steering feeling of) is overwhelming or extremely dominant.
[0011]
Also,SecondMeans aboveFirst meansInSteering reaction force calculation meansSteering wheel rotation speed ωHBased on the inertia torque T related to the moment of inertia of the steering mechanismKThe steering reaction force TRInertia compensation means set as one of the terms constituting the inertia torque T when the steering torque sensor abnormality is detectedKCoefficient value or inertia torque TKAnd a second gain changing means for changing the coefficient value of the related value.
[0012]
According to such a configuration, a simulation related to the inertia of the steering mechanism or the steering mechanism that has been conventionally processed mainly using the steering torque T or the like during normal operation of the torque sensor (ie, output of inertia torque). For example, the rotational speed ω of the steering wheelHIt becomes possible to carry out based on the above.
As a result, it is possible to avoid the steering feeling from becoming extremely light, and thus it is possible to reduce the uncomfortable feeling of the problem.
[0013]
Also,ThirdMeans aboveFirst or second meansInSteering reaction force calculation meansSteering wheel rotation speed ωHFriction torque T related to the internal friction of the steering mechanism or the steering mechanism based onDThe steering reaction force TRAnd friction compensation means set as one of the terms constituting the friction torque T when the abnormality of the steering torque sensor is detectedDCoefficient value or friction torque TDAnd a third gain changing means for changing the coefficient value of the related value.
[0014]
According to such a configuration, a simulation related to the frictional force in the steering mechanism or the steering mechanism that has been conventionally processed mainly using the steering torque T or the like during normal operation of the torque sensor (ie, friction torque). Output), for example, the rotational speed of the steering wheel ωHIt becomes possible to carry out based on the above.
As a result, it is possible to avoid the steering feeling from becoming extremely light, and thus it is possible to reduce the uncomfortable feeling of the problem.
[0015]
Also,4thMeans above1st to 3rdWhen the steering reaction force calculation means of any one of the means detects an abnormality in the steering reaction force phase correction means for correcting the phase of the steering reaction force F and the steering torque sensor, the steering reaction force F is detected. And a phase correction amount changing means for changing the correction amount for the phase.
[0016]
If the steering torque T cannot be detected, a feedback loop related to the steering torque cannot be formed, and therefore the steering reaction force TRThe responsiveness when generating and outputting is deteriorated. In order to reduce this influence, a measure for increasing (or not reducing) the responsiveness of the open control system related to the steering reaction force F is effective.
According to the fifth means, the phase of the steering reaction force F can be advanced (or not delayed) by changing the correction amount for the phase of the steering reaction force F. It is possible to reduce the deterioration of responsiveness to the steering operation of the mechanism.
[0017]
Also,5thMeans above1st to 4thThe steering reaction force calculation means of any one of the means is provided with a steering reaction force sensor for measuring the steering reaction force F.
According to such a configuration, since the turning reaction force can be directly measured from the turning reaction force sensor, the turning reaction force F can be obtained with higher accuracy and reliability.
Further, according to such a configuration, it is not necessary to estimate the turning reaction force F by an advanced or complicated estimation process using a known observer or the like. Processing program development man-hours can be reduced.
Further, according to the above configuration, the CPU overhead when using the control device can be reduced as compared with the case where the observer is configured by a program.
[0018]
Also,6thMeans above1st to 4thIn the turning reaction force calculation means of any one means, the measured value I of the turning current flowing in the turning actuator of the turning mechanisma, Command value InOr related value urA steering reaction force estimation means for estimating the steering reaction force F is provided.
[0019]
Where the related value urMay be arbitrary as long as it is a control amount for the steering actuator. For example, a command voltage in the drive circuit of the steering motor, a duty value in PWM control, or the like may be used. Of course, the value of the current (steering current) flowing in the steering motor, the command value thereof, or the like may be used.
[0020]
According to the above configuration, since the steering reaction force F is estimated, the steering control device can be configured without necessarily having the steering reaction force sensor. An advantageous control device can be constructed.
In addition, according to the above configuration, there is no need to examine in detail the connection specifications (standards), measurement accuracy, price, heat resistance, vibration resistance, durability, size, shape, weight, etc. of the steering reaction force sensor. Moreover, there is no fear that these conditions become a design bottleneck.
[0021]
Also,7thMeans above6thIn the turning reaction force estimation means of the means, “measured value I of the turning current flowing in the turning actuator of the turning mechanism”a, Command value InOr related value ur"," Steering displacement amount x, its command value xnOr a related value related thereto ”is to provide a disturbance observer for estimating the turning reaction force F described above.
[0022]
According to such a configuration, the above-described steering reaction force F can be estimated with relatively high accuracy. Therefore, both the estimation accuracy of the steering reaction force F and the component costs of the device are relatively reasonable. A well-balanced control device can be configured.
By the above means of the present invention, the above-mentioned problem can be effectively or rationally solved.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described based on specific examples. However, the present invention is not limited to the following examples.
[First embodiment]
FIG. 1 is a system configuration diagram of a
[0024]
The steering mechanism includes a steering actuator (reaction force motor 5) that generates a steering reaction force. The reaction force
[0025]
The steering
[0026]
On the other hand, the steering mechanism includes a steering actuator (steering motor 11) that steers the steering
[0027]
The steered
[0028]
Further, instead of the turning
[0029]
The detection results (steering angle θ, steering torque T, steering displacement amount x, vehicle speed V) of the
[0030]
FIG. 2 is a control block diagram illustrating a logical main configuration related to the steering reaction force generation method of the
Control signal to reaction force motor drive circuit 6 (control amount T of reaction force motorR) Is calculated by the
[0031]
On the other hand, a control signal to the steered motor drive circuit 9 (control amount u of steered motor ur) Is calculated by the
[0032]
The turning
The steered
[0033]
I. Normal operation
Hereinafter, the normal operation of the control device 8 (the normal operation of the steering torque sensor 4) will be described.
FIG. 3 is a flowchart illustrating an outline of a control procedure executed by the
[0034]
In the control procedure of FIG. 3, first, the system is initialized in
[0035]
In
In
[0036]
In
In
[0037]
In
Next, the subroutine (FIG. 4) for performing the steering motor control called as a subroutine in
[0038]
1. Steering axis control procedure
FIG. 4 is a flowchart illustrating a control procedure executed by the steered motor control unit (that is, the
[0039]
Target value x of steering displacement x from steering angle θnIs determined by equation (1). Transmission ratio GrAlthough a constant may be used, for example, maps (a) and (b) as shown in FIG.r= Gr1× gr2It may be determined in a format such as For example, according to such setting according to the vehicle speed, a desired steering gear ratio variable means can be realized.
[0040]
[Expression 1]
xn= Grθ (1)
For example, in this way, the calculation processing (
[0041]
Deviation (xn-X) and its time derivative d (xn-X) Control amount u of the steered
[Expression 2]
ur= Gpx(Xn-X) + Gdx・ D (xn-X) / dt (2)
For example, in this way, the calculation process (
[0042]
Hereinafter, the estimated value F of the steering reaction force is calculated by a calculation method related to the disturbance observer.hThe procedure for calculating the value (
[0043]
2. Steering reaction force estimation procedure
The equation of motion of the turning mechanism is described by equation (3). Here, M is an effective mass in the steering displacement direction of the steering mechanism determined from the rack shaft mass, the inertia of the motor, and the like.
[Equation 3]
M ・ d2x / dt2= Ur-F-F≡d (3)
[0044]
However, said f is the frictional force which arises inside steering mechanisms, such as the
[Expression 4]
f = y (x, v) (4)
However, the lower case variable v is the turning speed of the turning
[Equation 5]
v = dx / dt (5)
[0045]
Here, if the force d in Expression (3) is regarded as a disturbance in the disturbance observer, a disturbance observer expressed in the form of Expression (a) in FIG. 7 can be configured. However, hereinafter, the matrix G is an observer gain (a constant matrix of 3 rows and 2 columns), and Fh, Xh, Vh, DhRepresent the estimated values of F, x, v, and d, respectively.
[0046]
The state quantity of the observer at time k is x0(k) (column vector of 3 rows and 1 column). At this time, if the observer gain G is determined by the pole placement method and the sampling time is discretized at an appropriate time interval (for example, about 0.5 ms), the above state quantity x0(k) can be calculated sequentially in the form of equation (b) in FIG. Therefore, the estimated value d of the above force dhCan be sequentially calculated in the form of equation (c) in FIG.
Here, k is a time parameter (integer variable) representing the sampling time, matrices A and C are constant matrices of 3 rows and 3 columns, respectively, and matrices B and D are constant matrices of 3 rows and 2 columns, respectively. Also, the state quantity x0Initial value x of (k)0(0) may be a 0 vector. Also, the initial value v (0) of the steering speed v may be zero.
[0047]
Therefore, the estimated value d of the above force dhUsing the estimated value F of the steering reaction force FhCan be sequentially obtained by the following equation (6).
[Formula 6]
Fh(k) = ur(k) -f (k) -dh(k) ... (6)
[0048]
For example, in this way, instead of the detected value F of the turning reaction force sensor, the estimated value F of the turning reaction forcehIs used to control the reaction amount T of the reaction force motor.RSince the steering reaction force sensor becomes unnecessary, the cost can be reduced. Further, since vibration due to noise of the turning reaction force sensor does not occur, a smooth steering feeling can be obtained.
[0049]
Based on these theories, the turning reaction force estimator 88 (that is,
FIG. 6 is a flowchart illustrating a control procedure executed by the turning
[0050]
In this control procedure, first, in
Next, in
In
In
[0051]
In
In
[0052]
Note that the processing in
[0053]
Next, the reaction motor control called as a subroutine in
[0054]
3. Steering shaft (reaction force motor) control procedure
Based on the steering torque T and its time derivative dT / dt, and the turning reaction force F and its time derivative dF / dt, the control amount T of the
[Expression 7]
TR= GptT + Gdt・ DT / dt-GpfFGdfDF / dt (7)
[Equation 8]
TR= GptT + GdtDT / dt-fpf(F) -GdfDF / dt (8)
[0055]
The third term and the fourth term of each of the above formulas (7) and (8) are control amounts acting in the direction opposite to the direction in which the steering torque is applied. A steering reaction force corresponding to a turning reaction force such as self-aligning torque is generated by the third term. Further, when the steering reaction force is quickly generated with respect to the turning reaction force by the fourth term, vibration caused by the turning reaction force is suppressed. Therefore, the steering reaction force (road surface information) can be transmitted to the driver without a sense of incongruity, and a smooth steering feeling can be obtained.
[0056]
On the other hand, the first term and the second term are control amounts for rotating the steering shaft in the direction in which the steering torque is applied. The first term suppresses the steering reaction force due to the friction of the speed reducer, and the second term suppresses the vibration due to the cogging of the reaction force motor. Therefore, the steering reaction force according to the steering reaction force can be accurately applied.
[0057]
Based on these theories, the
FIG. 8 is a flowchart illustrating a control procedure executed by the reaction amount motor
First, in
Next, in
[0058]
FIG. 9 shows the gain coefficient Gpf, GdfIt is a graph which illustrates the data map used for calculation of. Gain factor Gpf, GdfMay be changed based on the maps (a) and (b) as shown in FIG. For example, the gain coefficient G increases as the vehicle speed V increases.pf, GdfSince the steering reaction force increases as the vehicle speed V increases, the steering feeling is further improved.
[0059]
In this way, the gain coefficient G depends on the vehicle speed V.pf, GdfThe means for optimizing is also an example for realizing a desired steering gear ratio variable means. The gain coefficient GpfIf the value is increased, the stability of the control system deteriorates and vibration is likely to occur.dfSince the vibration can be suppressed by increasing the value, smooth steering feeling can be obtained even with such a setting.
[0060]
Next, in
[0061]
By increasing the rate of increase of the steering reaction force in the region where the steering reaction force is smaller, the steering reaction force rises sharply when the steering wheel is turned from the neutral position, so that a steering feeling with a good build-up feeling can be obtained. Further, the function f depending on the vehicle speed V as illustrated in FIG.pfBy using (F, V), it is possible to optimize the third term of the equation (8) according to the vehicle speed V. For example, such a means is also an example for realizing a desired steering gear ratio variable means. According to such a setting, the steering reaction force increases as the vehicle speed V increases, and the steering feeling is further improved.
[0062]
By these procedures, each term of equation (8) can be obtained. In
With the above control procedure, it is possible or easy to generate a desired steering feeling at a low production cost in the
[0063]
II. Abnormal operation
Hereinafter, the operation of the
FIG. 11 is a control block diagram illustrating a more detailed logical configuration related to the control amount calculator 85 (FIG. 2) of the reaction force motor of this embodiment. In the
[0064]
These operations are the same as when the
That is, in the steering torque related
[Equation 9]
Tt= GptT + GdtDT / dt (9)
[Expression 10]
Tf= Fpf(F, V) + GdfDF / dt (10)
Then, steering torque related value TtAnd steering reaction force related value TfIs processed according to the following equation (11).
## EQU11 ##
TR= A1Tt+ A2Tf (Initial value: a1= 1, a2= -1) (11)
[0065]
However, when the
[0066]
FIG. 12 is a flowchart (a) for explaining the processing relating to the reaction amount motor control amount calculator 85 (FIG. 11) of the first embodiment when a torque sensor abnormality is detected, and a variable criterion table (b) representing gain setting criteria. ).
The subroutine for executing the abnormal time processing of FIG. 12A is executed by being called asynchronously with the aforementioned program when the
[0067]
In addition, when there is a contradiction among the above-described physical variables F, x, θ, T, V, etc., the abnormal state of the
[0068]
In the above subroutine (FIG. 12A), for example, according to the variable criterion table of FIG.1, A2) Is rewritten as the following equation (12).
[Expression 12]
a1= 0 (corresponds to the steering torque related value disconnection means),
a2= −1 / 2 (corresponding to the first gain changing means) (12)
[0069]
For example, by continuing the steering control in this way, it becomes possible for the driver to continue the steering operation. It can be avoided.
The coefficient a2According to the first gain changing means that rewrites the desired steering reaction force T to be output from the steering actuator even when the detected value T of the steering torque is assumed to be zero as described above.RCan be roughly corrected (adjusted). For this reason, the estimated value F of the steering reaction force FhThere is no possibility that the degree of influence on the steering feeling becomes overwhelming or extremely dominant.
[0070]
As can be seen from equation (11), according to the first gain changing means, the gain (coefficient a) is added to both the first and second terms on the right side of equation (10).2However, as another modification, for example, the second term on the right side of Equation (10) is not changed, and only the first term on the right side of Equation (10) is changed to the first gain changing means. You may make it halve by. In this way, if the range of influence of the first gain changing means is limited, the steering reaction force TRTherefore, the response of the steering reaction force does not deteriorate.
[0071]
In addition, the second term (GdfDF / dt) can be interpreted not only as a phase compensation term but also as a damper term for a steering system. It is considered that the second term on the right side of (10) should be unchanged and only the first term on the right side of equation (10) should be halved.
These techniques are also referred to as phase correction amount changing means and the like in the third embodiment described later.
[0072]
[Second Embodiment]
In
[0073]
FIG. 13 is a logical system configuration diagram of the
For example, in the case where the steering
[0074]
FIG. 14 is a control block diagram illustrating a logical main configuration related to the steering reaction force generation method of the
[0075]
FIG. 15 is a control block diagram illustrating a more detailed logical configuration regarding the
[Formula 13]
TR= A1Tt+ A2Tf+ AThreeTK+ AFourTD,
TK= GKτKK,
TD= GDτDD ... (13)
[0076]
Where Tt, TfIs calculated according to the above equations (9) and (10). Each coefficient a1, A2, AThree, AFourAre initial values of 1, -1, 0, 0, respectively. The variable τKK, GKIs the steering speed ω determined by the maps (a) and (b) of FIG.H(= Dθ / dt) or a function of the vehicle speed V. The variable τDD, GDIs the steering speed ω determined by the maps (a) and (b) of FIG.HAlternatively, it is a function of the vehicle speed V.
[0077]
That is, the inertia torque related
[0078]
FIG. 18 shows a flowchart (a) for explaining the processing when a torque sensor abnormality is detected and a variable criterion table representing gain setting criteria for the
In this subroutine (FIG. 18A), as in the first embodiment described above, each gain (coefficient a in FIG. 15) according to the variable criterion table of FIG.1, A2, AThree, AFour) Is rewritten as the following equation (14).
[Expression 14]
a1= 0 (corresponds to the steering torque related value disconnection means),
a2= -1 / 2 (corresponding to the first gain changing means),
aThree= 1 (corresponding to the second gain changing means),
aFour= 1 (corresponding to the third gain changing means) (14)
[0079]
According to the above configuration, a simulation related to the inertia of the steering mechanism or the steering mechanism that has been conventionally processed mainly using the steering torque T or the like during normal operation of the torque sensor (that is, the inertia torque) Output), or a simulation related to the frictional force inside the steering mechanism or the steering mechanism (ie, the output of the friction torque), etc.HAnd the vehicle speed V can be implemented. As a result, it is possible to avoid the steering feeling from becoming extremely light, and thus it is possible to reduce the uncomfortable feeling of the problem.
[0080]
It should be noted that the calculation for a variable with a gain of 0 may be omitted. For example, in the above case, the inertia torque TK(= GKτKK) And friction torque TD(= GDτDD) Etc. need not be particularly calculated. For example, when the
[0081]
[Third embodiment]
In the third embodiment, the abnormality processing is performed in substantially the same manner as in the second embodiment, but in the third embodiment, the above-described equation (10) is transformed into the following equation (15). The point of use is greatly different. Here, the initial value of the gain λ is 1.
[Expression 15]
Tf= Fpf(F, V) + λGdfDF / dt (15)
[0082]
FIG. 19 is a flowchart (a) for explaining the processing and a variable criterion table representing gain setting criteria when a torque sensor abnormality is detected with respect to the
In this subroutine (FIG. 19A), in the same manner as in the second embodiment, each gain (coefficient a1, A2, AThree, AFour, Λ) is rewritten as the following equation (16).
[Expression 16]
a1= 0 (corresponds to the steering torque related value disconnection means),
a2= -1 / 2 (corresponding to the first gain changing means),
aThree= 1 (corresponding to the second gain changing means),
aFour= 1 (corresponding to the third gain changing means),
λ = 2 (corresponding to phase correction amount changing means) (16)
[0083]
According to the above configuration, as mentioned at the end of the first embodiment, the steering reaction force TRTherefore, the response of the steering reaction force does not deteriorate, and the feeling of viscosity at the time of steering does not deteriorate.
[0084]
In the variable criterion table of FIG.Three, AFourEach initial value (normal value) is set to 1/5, 3/10, etc., but for example, inertia torque, friction torque (damper torque), etc. Steering speed ωHBased on the vehicle speed V and the like, and the steering reaction force TRIn the terms constituting (for example, T in the above formula (13))KAnd TDEtc.) may be included as standard.
[0085]
According to such settings, the steering speed ωHIt is possible to generate and output inertia torque, friction torque (damper torque), etc. that also take account of the above, and the discomfort associated with the transition when changing (switching) as exemplified in the above equation (16) However, there is an effect that it can be alleviated even a little.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a logical system configuration diagram of a
FIG. 2 is a control block diagram illustrating a logical main configuration related to a steering reaction force generation method of the
FIG. 3 is a flowchart illustrating an outline of a control procedure executed by the
FIG. 4 is a flowchart illustrating a control procedure executed by a steered motor control unit (
[Fig.5] Transmission ratio GrThe graph which illustrates the data map used for calculation.
FIG. 6 is a flowchart illustrating a control procedure executed by a turning
7 is a formula table summarizing vector calculation formulas used by the steering
FIG. 8 is a flowchart illustrating a control procedure executed by a
FIG. 9 Gain factor Gpf, GdfThe graph which illustrates the data map used for calculation.
FIG. 10: Function fpfThe graph which illustrates the setting form of (F, V).
FIG. 11 is a control block diagram illustrating a more detailed logical configuration related to a control amount calculator 85 (FIG. 2) of the reaction force motor according to the first embodiment;
FIG. 12 is a flowchart (a) illustrating a process and a variable criterion table (b) indicating a gain setting criterion when a torque sensor abnormality is detected with respect to the control amount calculator 85 (FIG. 11) of the reaction force motor of the first embodiment. ).
FIG. 13 is a logical system configuration diagram of a
14 is a control block diagram illustrating a logical main configuration related to a steering reaction force generation method of the
FIG. 15 is a control block diagram illustrating a more detailed logical configuration related to a
FIG. 16 shows an inertia torque T of the second embodiment.KGraph related to calculation.
FIG. 17 shows a friction torque T according to the second embodiment.DGraph related to calculation of (damper torque).
FIG. 18 is a flowchart (a) illustrating a process and a variable criterion table representing a gain setting criterion when a torque sensor abnormality is detected with respect to the
FIG. 19 is a flowchart (a) illustrating a process and a variable criterion table representing a gain setting criterion when a torque sensor abnormality is detected with respect to the
[Explanation of symbols]
100 ... Steering control device
1… Steering wheel (handle)
2… Steering shaft (steering shaft)
3 ... Steering angle sensor
4 ... Steering torque sensor
5 ... Reaction force motor
6 ... Reaction force motor drive circuit
7 ... Vehicle speed sensor
8 ... Control device (computer)
9 ... Steering motor drive circuit
10 ... Steering displacement sensor
11 ... Steering motor
12 ... Reducer
13 ... Steering shaft
81 ... Target value calculator
82 ... Position controller
85 ... Control amount calculator for reaction force motor
851 ... Steering torque related value calculation unit
852 ... Steering reaction force related value calculation section
853 ... Inertia torque related value calculation section
854 ... Friction torque related value calculation unit
88… Steering reaction force estimator
T: Steering torque
F ... Steering reaction force
V ... Vehicle speed
θ… steering angle
x ... Steering displacement
xn … Target value of turning displacement
ur ... Control amount of steering motor
TR ... Control amount of reaction force motor
TK … Inertia torque
TD … Friction torque (damper torque)
Fh … Estimated steering reaction force
f ... Frictional force generated in the steering mechanism
G: Observer gain (3-by-2 constant matrix)
k ... Time parameter indicating sampling time
x0(k) ... Observer state quantity at time k (state vector)
A, C ... 3-by-3 constant matrix
B, D ... 3-by-2 constant matrix
Claims (7)
前記操舵機構は、
前記ステアリング・ホイールに運転者が付与する操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサと、
路面反力による前記転舵機構に働く転舵反力Fを算定する転舵反力算定手段と、
前記操舵トルクセンサにより検出された前記操舵トルクTと前記転舵反力算定手段により算定された前記転舵反力Fとに基づいて、操舵反力T R を演算する操舵反力演算手段とを有し、
前記操舵反力演算手段は、
前記操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、前記操舵反力TRの算定において、前記操舵トルクセンサが検出した前記操舵トルクTの入力又は利用を中止する操舵トルク関連値切り離し手段と、
前記操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、前記転舵反力Fの係数値、又は前記転舵反力Fの関連値の係数値を変更する第1ゲイン変更手段とを有することを特徴とするステアリング制御装置。A steering mechanism for steering actuator controls the steering reaction force T R to be applied to the steering wheel, a steering mechanism for controlling the turning displacement x according to the actual steering angle of the steered wheels are mechanically separated In a steer-by-wire system in which the coupling mechanism that couples both of these is alternatively configured by an electrical interlocking mechanism,
The steering mechanism is
A steering torque sensor for detecting a steering torque T applied by a driver to the steering wheel;
A turning reaction force calculating means for calculating a turning reaction force F acting on the turning mechanism by a road surface reaction force ;
On the basis of the said turning reaction force F which is calculated by said detected by the steering torque sensor and the steering torque T the turning reaction force calculating means, and a steering reaction force calculation means for calculating a steering reaction force T R Have
The steering reaction force calculating means includes
Wherein when the abnormality of the steering torque sensor is detected, the calculation of the steering reaction force T R, the steering torque related value disconnecting means to stop the input or use of the steering torque T that the steering torque sensor detects,
And a first gain changing means for changing a coefficient value of the steering reaction force F or a coefficient value of a related value of the steering reaction force F when an abnormality of the steering torque sensor is detected. Steering control device.
前記ステアリングホイールの回転速度ωHに基づいて、前記操舵機構の慣性モーメントに係わる慣性トルクTKを、前記操舵反力TRを構成する項の一つとして設定する慣性補償手段と、
前記操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、前記慣性トルクTKの係数値、又は前記慣性トルクTKの関連値の係数値を変更する第2ゲイン変更手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。 The steering reaction force calculating means includes
Based on the rotational speed omega H of the steering wheel, the inertia torque T K according to the moment of inertia of the steering mechanism, the inertia compensation means for setting as one term that constitutes the steering reaction force T R,
When the steering torque sensor abnormality is detected, the coefficient value of the inertia torque T K, or characterized by having a second gain changing means for changing the coefficient values of the associated value of the inertia torque T K The steering control device according to claim 1 .
前記ステアリングホイールの回転速度ωHに基づいて、前記操舵機構或いは転舵機構の内部摩擦に係わる摩擦トルクTDを、前記操舵反力TRを構成する項の一つとして設定する摩擦補償手段と、
前記操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、前記摩擦トルクTDの係数値、又は前記摩擦トルクTDの関連値の係数値を変更する第3ゲイン変更手段とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のステアリング制御装置。 The steering reaction force calculating means includes
Based on the rotational speed omega H of the steering wheel, the friction torque T D according to the internal friction of the steering mechanism or the steering mechanism, a friction compensation unit for setting as one term that constitutes the steering reaction force T R ,
When the steering torque sensor abnormality is detected, the coefficient value of the friction torque T D, or characterized by having a third gain changing means for changing the coefficient values of the relevant values of the friction torque T D The steering control device according to claim 1 or 2 .
前記転舵反力Fの位相を補正する転舵反力位相補正手段と、
前記操舵トルクセンサの異常が検出された場合に、前記転舵反力Fの位相に対する補正量を変更する位相補正量変更手段とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のステアリング制御装置。The steering reaction force calculating means is:
A turning reaction force phase correcting means for correcting the phase of the turning reaction force F;
Wherein when the abnormality of the steering torque sensor is detected, any one of claims 1 to 3; and a phase correction amount changing means for changing the correction amount for the turning reaction force F of the phase The steering control device according to item 1.
前記転舵機構が有する転舵アクチュエータに流れる転舵電流の測定値Ia、指令値In、又はこれらの関連値と、
前記転舵変位量x、その指令値xn、又はこれらに関連する関連値とに基づいて、
前記転舵反力Fを推定する外乱オブザーバを有することを特徴とする請求項6に記載のステアリング制御装置。The steering reaction force estimation means is
Measurements I a of the turning current flowing in the steering actuator to the steering mechanism has the command value I n, or with these related values,
Based on the steering displacement amount x, its command value x n , or related values related thereto,
The steering control device according to claim 6 , further comprising a disturbance observer that estimates the steering reaction force F.
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