JP3878761B2 - ヒートシンクファン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CPU等の電子部品上に配されて該電子部品の放熱を行うヒートシンクファンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のヒートシンクファンは図1に示すようにヒートシンク2とヒートシンク上に配されるファン装置3とから成っている。ヒートシンク2は底壁4の下面がCPU等の電子部品に密着され、底壁4上に複数の放熱フィン5と側端壁6a、6bとを有している。ファン装置3はモータと一体のファン(不図示)がハウジング9により覆われている。
【0003】
ハウジング9の上面には開口部9aが設けられ、下面に側壁7a、7bが設けられている。そして、ヒートシンク2の側端壁6a、6b上にハウジング9の側壁7a、7bが載置され、ヒートシンク2に設けられた係合孔(不図示)にハウジング9に設けられた係合爪(不図示)が係合して固定されている。
【0004】
そして、ヒートシンクファン1は、ファンの回転により開口部9aから外気が取り込まれて放熱フィン5と熱交換し、側端壁6a、6b間及び側壁7a、7b間の排気口1aから排気して電子部品の冷却を行うようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなヒートシンクファン1は、ヒートシンク2上にファン装置3を容易に装着できるように、前記係合爪の幅に対して前記係合孔の幅を余裕を持って大きく形成している。このため、ヒートシンク2上でファン装置3が図1において矢印Aの方向にスライドして所定の配置からずれる場合がある。
【0006】
この時に、ファンが放熱フィン5に接触し、騒音、振動の発生の原因となるとともに、この接触によってファンが破損するおそれがある。また、ファン装置3が所定の配置からずれることで、ヒートシンク2上での空気の流れが変化し所望の冷却効果を得ることができない等の問題がある。
【0007】
本発明は、ヒートシンク上のファン装置のスライドを防止して、ファン装置を簡単に位置決めすることのできるヒートシンクファンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載された本発明のヒートシンクファンは、電子部品上に配され両端に一対の側端壁を有する底壁を備え該底壁上の該一対の側端壁間に複数の放熱フィンを立設してなるヒートシンクと、前記ヒートシンクに対し冷却用の空気流を供給するファン装置が支持される上壁部と前記一対の側端壁に上面から当接するよう該上端壁から垂下する一対の側壁部とを有してなる筐体とを備え、前記底壁と前記上壁部とは略同一の平面形状を有するとともに、前記底壁と前記上壁部とは平面的に重なるように配置され、前記底壁の両端に位置する一対の側端壁の少なくとも一方と、これに当接する前記側壁部とに、相互に嵌合する嵌合部が形成され、前記嵌合部は、前記側端壁と前記側壁部との一方の一部に他方に向かって突出するように設けられた凸部と、前記側端壁と前記側壁部との他方の一部に前記凸部と同一形状に形成された凹部と、で構成され、前記側端壁と前記側壁部との他方に係合孔が形成されており、前記側端壁と前記側壁部との一方には前記係合孔と係合する係合爪が設けられており、前記係合孔と前記係合爪とが係合されていることを特徴としている。
【0009】
この構成によると、CPU等の電子部品上に配されるヒートシンクは底壁上に一対の側端壁が設けられ、上壁部でファン装置を支持する筐体は端部に垂下する側壁を形成している。側端壁と側壁とは嵌合部により嵌合してヒートシンクとファン装置とが位置決めされるようになっている。そして、ファン装置内に設けられたファンの回転によって空気流が側端壁及び側端壁に沿って流れ、放熱フィンと熱交換されて電子部品の冷却が行われる。
【0010】
その結果、ヒートシンクと筐体とを嵌合したときに相互にスライドし、ファン装置が放熱フィンに接触して騒音、振動が発生することを防止することができる。また、ファン装置が所定の位置からずれることでヒートシンク上の空気の流れが変化し、冷却効率が低下することを防止することができる。
【0011】
加えて、ヒートシンクの側端壁と筐体の側壁部とが当接して接合されることで、ヒートシンク側部からの空気流の漏洩を防止することができ、冷却効率を向上させることができる。また、嵌合部の形状は、筐体及びヒートシンクの材料によって、適宜選択することができる。
【0014】
また本発明は、上記構成のヒートシンクファンにおいて、前記嵌合部は、前記側壁部と前記側端壁との接合部の中央部に形成されることを特徴としている。この構成によると、ヒートシンクファンの形状及び大きさに応じて、嵌合部が側壁部と側端壁との接合部の中央部に形成される。
【0015】
また本発明は、上記構成のヒートシンクファンにおいて、前記凸部を押圧することによって前記側壁部が弾性変形し、前記係合孔と前記係合爪との係合が解除されることを特徴としている。この構成によると、側壁部が弾性体で形成され、凸部を押圧することで係合部が解除され、ヒートシンクから冷却ファンを容易に取り外しすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図を参照して説明する。説明の便宜上従来例の図1と同一の部材については同一の符号を付している。図2は第1実施形態のヒートシンクファンを示す概略斜視図であり、図3の(a)、(b)、(c)は夫々ヒートシンクの平面図、側面図及び正面図である。これらの図によると、ヒートシンクファン1はヒートシンク2と、ヒートシンク2上に配されるファン装置3とから成っている。
【0017】
ヒートシンク2は、CPU等の電子部品に密着性をよくするために底壁4の下面に平面精度の高い密着部4aが形成されている。底壁4上には複数の放熱フィン5と両端部に側端壁6a、6bが形成されている。側端壁6a、6bの下部には底壁4に渡って開口する係合孔2a、2bが設けられており、側端壁6aの上端中央部には凹部6cが設けられている。放熱フィン5は後述するファン10に対面する高さの低い低部5b(図3(a)の斜線部)を有し、ファン10の外側に配される放熱フィン5を高くして(高部5a)、放熱特性を向上させるようになっている。
【0018】
ファン装置3はヒートシンク2と略一致する平面形状を有しており、モータと一体のファン10を上壁面7gで支持するハウジング9(筐体)により覆われている。ハウジング9の上面には開口部9aが設けられ、下面に側壁7a、7bが設けられている。側壁7a、7bには係合孔2a、2bと係合可能な係合爪7d、7eが設けられており、係合爪7d、7eの幅は係合孔2a、2bと容易に係合できるように係合孔2a、2bの幅より余裕を持って大きく形成されている。また、側壁7aには、凹部6cと嵌合する凸部7cが下方に突出して設けられている。
【0019】
ファン装置3をヒートシンク2に取り付ける際には、まず、係合孔2bに係合爪7eを係合させる。その後、凹部6cと凸部7cとが嵌合するように側壁7aの上部を下方に押圧することによって側壁7a、7bが弾性変形し、係合爪7dが係合孔2aに係合する。そして、ヒートシンクファン1は、ファン10の回転により開口部9aから外気が取り込まれて放熱フィン5と熱交換し、側端壁6a、6b間及び側壁7a、7b間の排気口1aから排気して電子部品の冷却を行うようになっている。
【0020】
また、凸部7cを矢印Bの方向に手指で押圧することにより、係合孔2aと係合爪7dとの係合が解除され、その状態でファン装置3を矢印Cの方向に回動させることで係合孔2bと係合爪7eの係合も解除されて、ファン装置3をヒートシンク2から取り外すことができるようになっている。
【0021】
このようなヒートシンクファン1によると、凸部7cと凹部6cとが嵌合することによりヒートシンク2とファン装置3とのずれが生じない。従って、ファン10と放熱フィン5との接触による騒音、振動の発生を防止することができるとともに、ファン装置3は常に所定の位置でヒートシンク2に空気流を供給することになり、冷却効率の低下を防止することができる。
【0022】
また、ヒートシンクファン1を組み立てる際に、ファン装置3がヒートシンク2より大きいと互いの位置が大きくずれても判別できない。しかし、本実施形態のヒートシンクファンは、ファン装置3がヒートシンク2と略一致した平面形状を有しているので、ヒートシンク2に対するファン装置3の位置ずれを目視により確認しながら概略位置合わせすることができる。そして、凸部7cと凹部6cとを嵌合させることにより、簡単にファン装置3をヒートシンク2上の所定位置に設置できる。従って、組立が容易になって製造工数を削減することができる。ファン装置3の平面形状をヒートシンク2より小さくしてもよい。
【0023】
凸部7cを側壁7a、7bの両方に設けて、対応する凹部6cを側端壁6a、6bに設けてもよく、側壁7a、7bに凹部を設け、側端壁6a、6bに凸部を設けてもよい。
【0024】
また、本実施形態のように凸部7cをファン装置3の側に設けると、着脱可能なファン装置3を手指で保持するスペースを確保することができる。これにより、凸部7cを押圧してファン装置3とヒートシンク2との係合を簡単に解除してファン装置3の取り外しができるので望ましい。
【0025】
図4は、第2実施形態のヒートシンクファンを示す概略斜視図である。第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。本実施形態は、ハウジング7の側壁7a、7bの両端部に設けられた凸部7fに、ヒートシンク6の長手方向に部分的に設けられた側端壁6a、6b(6bは不図示)の両端部を切り欠いて形成した凹部6eを嵌合するようになっている。その他の構成は第1実施形態と同様である。ヒートシンク6の側端壁6a、6bの両端に凸部を設け、ハウジング7の側壁7a、7bの両端に凹部を設けて嵌合するようにしてもよい。
【0026】
このような構成においても第1実施形態と同様に、ファン装置3がヒートシンク2と略一致した平面形状を有しているので、ヒートシンク2に対するファン装置3の位置ずれを目視により確認しながら概略位置合わせすることができ、側壁7a、7bと側端壁6a、6bを嵌合させることにより、ファン装置3を所定位置からずれないようにすることができる。従って、冷却効率の低下を防止するとともに組立を容易にして製造工数を削減することができる。
【0027】
また、図5の(a)、(b)の側面図に示すように、ハウジング7の上壁面7gまたは、ヒートシンク6の底壁4の上面4aと同じ高さまで側壁7a、7bまたは側端壁6a、6bを切り欠いて、側端壁6aまたは側壁7aと嵌合するようにしても同様の効果を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明のヒートシンクによれば、ヒートシンクの底壁の両端に位置する一対の側端壁と、この一対の側端壁の上端に当接する筐体の側壁部とに相互に嵌合する嵌合部が設けられている。その結果、ヒートシンクとハウジングとを結合したときに相互にスライドし、ファン装置が放熱フィンに接触し、騒音、振動が発生することを防止することができるとともに、この接触によってファンが破損することを防止することができる。また、ファン装置が所定の位置からずれることによってヒートシンク上での空気の流れが変化し、冷却効率が低下することも防止することができる。
【0029】
また、ヒートシンクの底壁と筐体の上壁部とが略同一の平面形状を有することで、ヒートシンクファンを取り付けるに当たり必要なスペースを最小限に押さえることができることから、このヒートシンクファンが取り付けられる装置の小型化に寄与することもできるとともに、取り付けを容易にして製造工数を削減することができる。加えて、ヒートシンクの側端壁と筐体の側壁部とが当接して接合されることでヒートシンク側部からの空気流の漏洩を防止することができ、冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のヒートシンクファンを示す斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のヒートシンクファンを示す斜視図である。
【図3】 本発明の第1実施形態のヒートシンクファンのヒートシンクを示す図である。
【図4】 本発明の第2実施形態のヒートシンクファンを示す斜視図である。
【図5】 本発明の他の実施形態のヒートシンクファンを示す側面図である。
【符号の説明】
1 ヒートシンクファン
2 ヒートシンク
3 ファン装置
4 底壁
5 放熱フィン
6a、6b 側端壁
7a、7b 側壁
6c 凸部
7c 凹部
9 ハウジング
10 ファン
Claims (3)
- 電子部品上に配され両端に一対の側端壁を有する底壁を備え該底壁上の該一対の側端壁間に複数の放熱フィンを立設してなるヒートシンクと、前記ヒートシンクに対し冷却用の空気流を供給するファン装置が支持される上壁部と前記一対の側端壁に上面から当接するよう該上端壁から垂下する一対の側壁部とを有してなる筐体とを備え、
前記底壁と前記上壁部とは同一の平面形状を有するとともに、前記底壁と前記上壁部とは平面的に重なるように配置され、前記底壁の両端に位置する一対の側端壁の少なくとも一方と、これに当接する前記側壁部とに、相互に嵌合する嵌合部が形成され、
前記嵌合部は、前記側端壁と前記側壁部との一方の一部に他方に向かって突出するように設けられた凸部と、前記側端壁と前記側壁部との他方の一部に前記凸部と同一形状に形成された凹部と、で構成され、
前記側端壁と前記側壁部との他方に係合孔が形成されており、前記側端壁と前記側壁部との一方には前記係合孔と係合する係合爪が設けられており、前記係合孔と前記係合爪とが係合されていることを特徴とするヒートシンクファン。 - 前記嵌合部は、前記側壁部と前記側端壁との接合部の中央部に形成されることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンクファン。
- 前記凸部を押圧することによって前記側壁部が弾性変形し、前記係合孔と前記係合爪との係合が解除されることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートシンクファン。
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