JP3878260B2 - 超伝導コイルシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超伝導コイルシステムに関し、特に超伝導素線における偏流の発生を抑止低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に、従来の超伝導コイルシステムを構成するケーブルインコンジット(Cable-in-onduit onductor、CICC、「CIC導体」ともいう)の断面の一例 を示す。
【0003】
図1を参照して、ケーブルインコンジット導体は、ステンレスのコンジット(パイプ状のもの)の中に超伝導の素線(Strand、ストランド)が数十本〜数百 本撚り線にして詰めてなるものである。
【0004】
ケーブルインコンジット導体において、断面内の素線面積を除いた割合を表わすボイド率は、通常35〜37%程度とされている(例えば、高橋その他、「ケーブルインコンジット導体の結合損失へのクロムメッキ厚依存性」、第52回、1994年度秋季低温工学・超電導学会予稿集、A3−6、第225頁参照、「文献1」という)。
【0005】
これらの素線の間に液体He(ヘリウム)又は超臨界Heを流し、素線を冷却することにより、素線には超伝導状態で電流が流れることになる。
【0006】
コンジットは、導体に働く巨大な電磁力に対抗して支持するという機能の他に、Heの流路を確保する作用をなすものである。
【0007】
図2に、この種のCIC導体の作製法の一例を示す。
【0008】
図2を参照して、素線の径は0.76mmとされ、これは銅とNbTiやNb3Sn等とからなる超伝導フィラメントが中心部に埋め込まれている。
【0009】
図2の例では、この素線を3本ずつ撚って一本の撚り線とし、さらにその撚り線を3本に撚って、一本の撚り線とし、さらにこの操作を2回繰り返し、最終的に6本のケーブルを、寸法23.0×27.6mmのコンジットの中に収容する。
【0010】
結局、図2に示す例では、3×3×3×3×6=486本の素線が用いられていることになる。
【0011】
このように、多数の撚り線を用いることは幾つかの理由がある。
【0012】
一の理由は、AC損(AC loss)を低減させるためである。交流回路もしくは時間的に変化する磁場中にある導体には渦電流が導体表面に流れる(この現象を表皮効果という)。
【0013】
図2に示すように、素線の表面は銅から構成されているため、素線表面では渦電流が流れ易く、銅の抵抗によって発熱が生じ、超伝導コイルの安定性が損なわれることになる。従って、渦電流損を低減するため径の細い素線が用いられる。
【0014】
ところで、表皮効果の特性的深さ(侵入深さ)をδ、素線径をdとすれば、一つの設計基準は、次式(1)で与えられる。
【0015】
d < δ …(1)
【0016】
このような細い径の素線は、NbTiなどをフィラメント状に加工することと整合性が良い。
【0017】
また、素線を何本も撚り合せて製作する理由は、一つにはコイルを形成するための導体であるため、折曲げることが必要とされるからである。
【0018】
その際、素線を撚ってないと、曲げ加工性が悪い他、場合によっては、破断することもある。
【0019】
コイル作製時、コイルは一般に一方向に曲げられる。そして、コイルの内径側と外径側で長さが異なることになる。
【0020】
仮に素線が撚られていないものとすると、外径側では素線は延び、内径側は縮むことになる。
【0021】
このような非対称構造による超伝導導体の特性の低下を防ぐために撚り線加工が行われる。
【0022】
そして、このように製作されたCIC導体を所定の形状に巻回することによってコイルを製作する。
【0023】
この時、AC回路等に用いる際には、上述の理由によって素線間は電気的に絶縁されていることが望ましい。これは素線の表面が電気的に接続されているものとすると、複数の素線は、表面積が大きく、体積も大きな一つの導体と見なすことができ、この結果、渦電流損Wが増大するからである。渦電流損は特徴的な大きさの2乗に比例する。
【0024】
【数1】
Figure 0003878260
【0025】
ここにWは渦電流損を表わし、dは特徴的な素線径を表わしている。
【0026】
実際には接触部は一つの素線でも数多くあることから、渦電流は複雑な流れ方をする。
【0027】
以上の理由によって、原子力研究所(以下「原研」)の実証ポロイダルコイル(DPC)計画において、NbTi−30KA級コイル(DPC−U)をCIC導体で作る際に、各々の素線はフォルマル(Formvar)絶縁を行なっている。
【0028】
すなわち、図2に示す素線の表面に絶縁材のフォルマルを数μm塗布している(図3参照)。すなわち図3に示すように、素線の表面に絶縁材を塗布することによって、素線間の絶縁が完全に確保されている。
【0029】
このような構造を取ることによって、AC損(=渦電流損の他に、AC回路で用いる超伝導コイルの損はヒステリシス損、近接効果損等があるが、一般には渦電流損が支配的である)の少ない安定した超伝導コイルが出来る予定であった。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、原研で行なわれたDPCの実験は、実際には以下に説明するように、うまく行かなかった。
【0031】
AC電流を通電する前に、パルス状の電流波形で実験を行なった(図4参照)。コイルへの単独励磁のため、コイルによって発生する磁場波形も図4と相似となる。
【0032】
したがって、0〜t1の間の磁場変化率dB/dt(磁場の時間微分)が求まる。実験では0〜t1までの時間及びI0の値を外部電源によって制御し、磁場変化率dB/dtを変え、超伝導コイルの安定性等のデータを取得した。
【0033】
この結果、この超伝導コイルにおいては、安定に運転できる磁場変化率dB/dtの値は当初設計値の約1/1000となった。
【0034】
本来は磁場変化率dB/dtについて世界記録を達成することを予定したものが、結果的に、従来のコイルよりもはるかに低い磁場変化率dB/dtの値でコイルがクエンチを生じたのである。
【0035】
このため、原研及びメーカー、大学の研究者の間でその原因について盛んに研究され、それは各々の素線の電流が同じでなく大きな偏流があるためであることが発見された。その解析についての概要を以下に記す。
【0036】
簡単のため素線を2本とした場合の等価回路を図5に示す。
【0037】
図5を参照して、L1、r1は素線1の自己インダクタンス及び抵抗、L2、r2は素線2の自己インダクタンス及び抵抗、Mは相互インダクタンスを表わしている。
【0038】
回路網方程式は、次式(3)、(4)で与えられる。
【0039】
V=r1・i1+jωL1・i1+jωM・i2 …(3)
【0040】
V=r2・i2+jωL2・i2+jωM・i1 …(4)
【0041】
ここに、ωは回路の振動周波数を、jはj2=−1なる虚数をそれぞれ表わしている。
【0042】
上式(3)、(4)を電流i1、i2について解くと、次式(5)が導出される。
【0043】
【数2】
Figure 0003878260
【0044】
ここで、素線は超伝導状態にあることから、上式(5)において、r1=r2=0とすると、2つの素線の電流比は、次式(5′)にて与えられる。
【0045】
1/i2=(L2−M)/(L1−M) …(5′)
【0046】
図2のCIC導体の製作方法の説明によって容易に理解されるように、素線は互いに密に巻いてあるため、相互インダクタンスMは自己インダクタンスL1、L2に極めて近い値を取る。
【0047】
さらに、自己インダクタンスL1、L2も完全に同じ値ではなく、互いに少しづつ異なることが一般的である。
【0048】
原研DPCでは測定の結果自己インダクタンスのばらつきは約1%以内であり、相互インダクタンスは自己インダクタンスの99%程度であることが判明した。これを上式(5′)に代入すると、次式(6)が導出される。
【0049】
1/i2=(101−99)/(100−99)=2/1 …(6)
【0050】
このように、わずかのインダクタンスの差が素線間の電流比を2倍にすることがわかる。
【0051】
一方、素線には臨界電流ICがあり、一定以上の電流が流れるとクエンチが生じる。
【0052】
すなわち、上述した原研DPCの構成においては、数本の(全部で486本の素線)素線の電流がICを超せばクエンチが生じることになる。
【0053】
これが、コイル全体のクエンチを誘い、その結果、当初予定の磁場変化率dB/dtの値の1/1000程度しか安定に電流を流せなかったのである。
【0054】
この現象についての解析は現在も盛んに研究されており、その研究結果は例えば下記に示す各種文献に記載されている。
【0055】
(1)安藤その他、「交流・パルス用超電導撚線導体の内部に接触点があるときの偏流の解析」、第52回、1994年度秋季低温工学・超電導学会予稿集、E1−22、第229頁(「文献2」という)。
【0056】
(2)小泉その他、「30kA級NbTi導体の偏流現象」、第52回、1994年度秋季低温工学・超電導学会予稿集、A3−10、第229頁(「文献3」という)。
【0057】
(3)樋田その他、「交流用超電導撚線導体における交流通電時のクエンチ特性について」、第52回、1994年度秋季低温工学・超電導学会予稿集、A3−3、第222頁(「文献4」という)。
【0058】
このうち、小泉その他(原研)は、前記文献3において、クエンチ電流値の冷媒温度依存性に基づき、数本の素線には平均電流値の7.1倍もの電流が流れた可能性を指摘している。そして、DPC−U導体では素線の自己インダクタンスの乱れは0.12%、素線長で0.06%と見積っている。
【0059】
以上の解析結果より、最近製作されるCIC導体においては、図3に示すように素線表面に対するフォルマル絶縁は施されず、代って、クロムメッキが施されるように至っている。
【0060】
素線の表面をクロムメッキを行った場合、素線間は完全には絶縁されないため、最初に説明したように、渦電流損が増大するが、しかし、銅表面のままよりは少ない。これは、クロムが銅に比べて電気伝導度が低いことによる。
【0061】
一方、素線の偏流により一部の素線電流が臨界電流を超えるとクエンチが始まる。一般にクエンチはその素線のある部分から始まる。
【0062】
するとクエンチが生じた部分では抵抗による電圧が発生するため、クロムメッキの接触部から他の素子(素線)に電流が転流(即ち分流)する。
【0063】
図6に、2本の素線におけるクエンチによる分流の様子を示す。図6において、R1は臨界電流ICを超えたために発生したクエンチによる抵抗を表わし、RCはクロムメッキの接触抵抗を表わしている。
【0064】
素線1を流れている電流I1は、クエンチ部にて分流する。この大きさは抵抗R1とRCによって決まるが、抵抗R1が大きくなると素線2に分流する割合が大きくなる。
【0065】
実際には多くの素線間でこの現象が生じる。このような分流が行なわれることによって、素線電流が均一化され、コイルが安定に運転できるようになる。
【0066】
しかし、このような構造を採用すればクロムメッキの厚さや、クロムメッキの厚さに応じた転流等を検討することが必要とされ、このため解析は複雑になり、実験が要求される。この研究は、例えば前記文献1、前記文献4、及び下記の文献等に記載されている。
【0067】
土岡その他、「ケーブル導体における素線間偏流の解析」、第52回、1994年度秋季低温工学・超電導学会予稿集、E1−24、第121頁(「文献5」という)。
【0068】
結局、この種の研究の要旨は、渦電流損を低減するには完全に絶縁すれば良いが、素線の偏流が生じることから、コイルの要求仕様に応じて、クロムメッキ等の調整を行うことがCIC導体の最も重要な設計法である。
【0069】
しかしながら、現状では、コイルの要求仕様に応じて、クロムメッキ等の調整を行なうための完全な設計法は確立されてない。
【0070】
そして、上記した通り、超伝導素線は、それぞれ電気絶縁されている場合、並列回路になるので電流偏流が生じ、それによってクエンチが生じる。
【0071】
超伝導素線は、内側にNbTi等の超伝導材料が細線化して、銅等に埋め込まれている。素線の表面はフォルマル等の絶縁物でコーティングされているものから、Niメッキされているもの、銅そのものが表面になっているものまである。
【0072】
素線に偏流の生じる原因は、複数の素子の自己インダクタンス及びこれらの間の相互インダクタンスがわずか(〜1%又はそれ以下)に異ること、及び、超伝導コイルのため、回路に殆ど抵抗成分が存在しない、という2つの理由によって生じる。詳細は文献(安藤伸一郎他、『大電流交流・パルス用超電導撚線導体の偏流に関する実験的研究』、電気学会論文誌A、第223〜238頁、Vol.115-A、No.3、1995年、「文献6」という)等に記載されている。
【0073】
以上の情況に対して、本発明者は、先に特願平6−316071号にて、超伝導コイルシステムを構成する電流リードの素線をそれぞれ電気絶縁し、それを超伝導素線にそれぞれ接続する方法を提案した。
【0074】
上記特願平6−316071号に提案される方法によれば、超伝導素線の電気回路に電流リード部の素線の抵抗が入り、電流の偏流が解消される。
【0075】
そして、上記方法によれば、電流リード部の抵抗は素線の温度が室温から低温にまで亘るため、室温で超伝導となる材料が発見されない限り、電流リード部の抵抗は必ず存在することになる。
【0076】
現状の電流リード設計においては、超伝導コイルの民生応用の最も大きな市場と考えられている、SMES(Superconducting Magnets Energy Storage Systems、超伝導コイルに電力を保存するシステム)のパラメータでは、上記方法によって、素線の偏流は解消され、安定な超伝導コイル運転が可能になる。
【0077】
しかしながら、商用周波数(60Hz〜50Hz)では、電流リード部の抵抗では偏流を防ぐことはできない。
【0078】
そもそも、超伝導コイルが利用される理由は、電気抵抗がない(電気抵抗=0)ことによるためであり、今後の研究開発においても、電流リード部の抵抗値を低くすることが指向されるはずである。
【0079】
また、現在電力の大部分は、商用周波数で利用されているため、超伝導コイルも商用周波数で利用可能になることが望ましい。
【0080】
そのため、超伝導コイルを商用周波数で運転を行う必要があり、安定に運転するためには、超伝導素線の偏流を防止することが必須とされる。
【0081】
本発明は、本発明者の上記知見によりなされたものであって、商用周波数で運転を行うことを可能とすると共に偏流の発生を回避する超伝導コイルシステムを提供することを目的とする。
【0082】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、2本の素線が略円筒中空磁性体の中空部で電流の向きが互いに逆向きとなるように配設されてなることを特徴とする超伝導コイルシステムを提供する。
【0083】
また、本発明においては、好ましくは、前記磁性体がn×n個アレイ状に配設され、n対の素線(2n本)が、前記磁性体の各々について中空部でそれぞれ対として電流の向きが互いに逆向きとなるように貫通して配設されたことを特徴とする。
【0084】
また、本発明においては、好ましくは、前記磁性体が2行n列の形態にアレイ状に配設され、n対の素線(2n本)が、前記磁性体の各々について中空部でそれぞれ対として電流の向きが互いに逆向きとなるように貫通して配設されたことを特徴とする。
【0085】
そして、本発明においては、前記素線が商用周波数電源で駆動されることを特徴とするものである。
【0086】
さらに、本発明においては、電流リードを形成する複数本(2n本)のリード線を束ねることなく、n×n個アレイ状に配設された中空略円筒形状の磁性体の中空部を貫通するように配設された2n本の素線にそれぞれ接続されてなる。
【0087】
本発明においては、鉄芯又はフェライト・コアを利用する。これは一般には巻鉄芯と呼ばれるもので、複数枚の薄板を中空同軸に巻いて、図7に示すような、鉄芯を作る。すなわち、巻鉄芯は中心部に貫通孔が設けられており、略円筒状の形状をしている。
【0088】
図7に示す鉄芯を複数個用いて、好ましくは、図8に示すようなアレイ状(マトリクス)の構成とする。
【0089】
図8を参照して、鉄芯は、全部で3×3=9個をマトリクス状に配設され、複数本の素線(6本)は、図示の如く▲1▼から▲6▼まで採番され、電流は同一素線の番号間の実線で示され、図の上から下に向かって電流が流れる(電流の向きは矢印で示す)。
【0090】
各々鉄芯の中空部を2本の素線が貫通しており、さらにその2本の素線の電流方向は貫通穴の中では互いに逆向きになっている。
【0091】
図8に示すような構成とした場合、n×n=n2(一般にm×n個)の鉄芯に対して、素線の数は 2n本設けられることになる。
【0092】
後に説明するように、本発明によれば、素線間の偏流は無視し得る程の大きさに抑止低減されるとともに、商用電源で駆動することができる。
【0093】
なお、素線が互いに電気的に絶縁されていれば、鉄芯を貫通する部分は必ずしも超伝導状態でなくてよい(例えば、液体窒素温度付近に配設される)。この場合、素線としては例えばNbTi等の代りに銅線等が鉄芯コア中を貫通して配設される。
【0094】
さらに本発明においては、好ましくは、鉄芯コアを図14に示すような構成(2行×4列=2×n,n=4)とした場合に2n本の素線に対して鉄芯コアの個数は2n個で済むことになる。換言すればこれは次の通りとなる。即ち、中空磁性体コアがm×n個アレイ状に配設され、n対の素線(2n本)が前記コアの各々をそれぞれ対として電流の向きが互いに逆向きとなるように貫通して配設され、コアの行列[k,m]アレイにおいて、1対の素線は第k行の1つのコア「k,m]を通過後、次行の同列のコア[k+1,m]の左右隣接のコア[k+1,m−1],[k+1,m+1]を夫々貫通し、但し、次行の両端では、1対の素線のうち1本は次行の同列のコア[k+1,m]を再び前行と逆向きの方向に貫通する。
【0095】
【発明の実施の形態】
本発明の原理及び実施の形態を詳細に説明する。
【0096】
本発明に係る超伝導コイルシステムの全体構成を図13に模式的に示す。図13を参照して、超伝導コイルシステムは、超伝導コイル1を駆動するための電源と、この電源と超伝導コイルとを電気的に接続するための電流リードと、本発明に係る鉄芯コア(core)と、超伝導コイルと、から構成されている。なお、図13には、例えば超伝導コイルの液体ヘリウムによる冷却手段及び電流リードの冷却手段等は省略されている。
【0097】
また、図13において、鉄芯コアシステムは、超伝導コイルと電流リードとの間であればどこに挿入してもよい。
【0098】
図9は、鉄芯、電流、座標の関係を模式的に示している。
【0099】
鉄芯の中心に電流Iを流すと、電流Iによって磁場Hが発生する。図3を参照して、Iは電流(鉄芯の中心を流れる)、rは鉄芯中心からの距離を示し、磁場Hは次式(7)で与えられる。
【0100】
【数3】
Figure 0003878260
【0101】
この磁場Hによって、鉄芯の透磁率をμとすると、次式(8)の磁束密度Bが鉄芯中に発生する。
【0102】
【数4】
Figure 0003878260
【0103】
この磁束密度Bを鉄芯の断面Sで積分すると(次式(9)参照)、この鉄芯の磁束Φが得られる。
【0104】
【数5】
Figure 0003878260
【0105】
一般に磁性材料の特性は、図10に示すようなB−H曲線で表わされる。図10において、Brは残留磁束密度、Hcは保磁力を示している。
【0106】
最初に磁化する時は、原点Oより出発するが、その後は磁性体特有のヒステリシスを示す。Hc、Brは材料によって決まり、さらに交流を流した時は渦電流損などによってHcが増大するのが一般的である。
【0107】
一般商用でトランス等で利用されている材料では次式(10)程度である。
【0108】
【数6】
Figure 0003878260
【0109】
さて、簡単のため、以下では2本の素線の回路を考える。この場合、鉄芯は1個であり、その等価回路は図11に示すようなものとなる。
【0110】
図11は、鉄芯を含む素線の等価回路であって、LAは素線Aの自己インダク タンス、LBは素線Bの自己インダクタンス、Mは相互インダクタンス、Rは回 路抵抗を示している。
【0111】
図11に示す等価回路の回路方程式は、次式(11)、(12)のようになる。
【0112】
【数7】
Figure 0003878260
【0113】
【数8】
Figure 0003878260
【0114】
ここで、IAは素線Aの電流、IBは素線Bの電流、Vは外部電源電圧、ΦAはIAによって鉄芯中に生じる磁束、ΦBはIBによって鉄芯中に生じる磁束をそれぞれ示している。
【0115】
2本の素線は同じコイルを形成するため、自己インダクタンスは互いに近い値を持つ。即ち、次式(13)で表される。
【0116】
【数9】
Figure 0003878260
【0117】
同様に、相互インダクタンスMも自己インダクタンスLA、LBに近い値を持つ。即ち、次式(14)で表される。
【0118】
【数10】
Figure 0003878260
【0119】
自己インダクタンスLAとLBが完全に等しければコイルに偏流がなく、安定に運転できる。
【0120】
ここで、素線Aと素線Bの電流の差電流は次式(15)のように表わされる。
【0121】
ΔIAB=IA−IB …(15)
【0122】
一方、上式(11)、(12)の両辺の差を取ると、次式(16)が得られる。
【0123】
【数11】
Figure 0003878260
【0124】
上式(16)においてΦAB=ΦA−ΦBである。
【0125】
上式(16)の初期条件(t=0)としては、ΔIAB=0,IB=0,ΦAB=0とされる。
【0126】
そして、上式(16)の左辺は、ΔIABを電流とし、インダクタンスLA+M,抵抗Rの回路とみなし、右辺はその回路の外部電源電圧と見なすことが出来る。次に、上式(16)の右辺をさらに検討する。
【0127】
一本の素線電流は幾つかの導体について調べると、次式(17)の通りである。
【0128】
IB≦50〜120A …(17)
【0129】
また、例えば文献(R.I.Schermer and B.P.Turek,"Current Sharing Between Insulated Strands in a Superconducting Cable",Adv.Cryog.Eng.26,(1980),第599頁)には、自己インダクタンス1Hのもので、適切に作製すると、そのバラツキは10-5H程度であると記載さている。
【0130】
従って、今検討している2本の素線のモデルは次式(18)となる。
δL=10-5H=10μH …(18)
【0131】
ここで、IB=50Aとすれば、次式(19)となる。
δL・IB=5.0 × 10-4 VS …(19)
【0132】
従って、鉄芯の飽和磁束Φmaxがほぼ5.0×10-4VSであれば、上式(16)の右辺は常にゼロにすることが可能とされ、電流差ΔIABは、図10の保磁力の範囲内でゼロと見なすことが出来る。
【0133】
次に、本発明の実施例として、図12に示す鉄芯の具体的な値を求める(鉄芯の長さl=4cm、外径a1=2.5cm、内径a2=0.5cm、飽和磁束密度=1.4Tesla)と、鉄芯の飽和磁束Φmaxは、次式(20)のようなものとなる。
【0134】
Φmax=1.4×1.0-2×4.0-2=5.6×10-4VS …(20)
【0135】
これは上式(19)の値を超える。
【0136】
一方、図12に示す形状(鉄芯の長さl=4cm、外径a1=2.5cm、内径a2=0.5cm、飽和磁束密度=1.4Tesla)では、保磁力に対応する回路の電流Icは、上式(7)より次式(21)のような値が導かれる。
【0137】
【数12】
Figure 0003878260
【0138】
上式(21)において、<r>は鉄芯の平均半径であり、0.75cmとした。
【0139】
従って、この様な鉄芯を用いれば、素線A、Bでは、最大0.14Aの差しか生ぜず、これは、本来流すべき電流50Aに比べて極めて低い値であり、実質的に偏流問題は解消されたと考えてよい。
【0140】
しかも、これは上式(16)について説明したように、保磁力としては1000Hzの値を利用している。即ち、極めて高い周波数までこの方法は利用可能である(従って商用周波数に対応可)。
【0141】
素線の電流をバランスさせる装置の大きさについて考えてみる。
【0142】
上記した自己インダクタンス1Hのコイルに電流50Aの素線が1000本あるとすれば、コイルの磁気エネルギーEMは次式(22)で表される。
【0143】
【数13】
Figure 0003878260
【0144】
これは、現状では世界最大級の超伝導コイルとなる。この程度のパラメータのコイルとしては核融合プラズマの閉込めに利用する「ITER」と呼ばれる装置が知られている。これは高さ15m、横巾10m、厚さ1m程のコイルが20個程度利用される予定である。
【0145】
一方、本発明において提案される、鉄芯を利用した電流バランス装置は、例えば1000本の素線が配設されているので、鉄芯は500×500個必要になる。
【0146】
隣接鉄芯との絶縁スペースも考えると、1個の鉄芯の占める空間は、次式(23)に示す。
【0147】
3.5cm × 3.5cm × 6cm
=7.35×10-53 …(23)
【0148】
従って、鉄芯500×500の場合、次式(24)のサイズとなる。
500 × 500 × 7.35×10-5=18.4m3 ・・・(24)
【0149】
従って、このサイズはコイルに比べて極めて小さい体積の装置となり、実用上問題にならない。
【0150】
本発明の別の実施形態を図14を参照して以下に説明する。図14に示すように、本実施形態においては、2n本(▲1▼〜▲8▼)の素線を2行×n列(図14では、簡単のためn=4としている)のアレイ状に配設された鉄芯コアの中空部を互いに電流の向きが逆方向となるように対形式で貫通して配設されている。図8に示した鉄芯コアのアレイ構成と比べて、本実施形態によれば、偏流防止のための鉄芯コアの数が大幅に削減することができる。かくて、コアのn×n配列の場合500×500=250000個必要とされるものが、2×500=1000個で済むことになり、1/250に低減している。なお、上記ITERのコイルでは、素線数は、1,024本程度である。
【0151】
素線の配置法としては、2n本の素線を一側端からI1〜I2nと採番した場合に、2行n列の形態にアレイ状に配設された鉄芯コアの一列目に配設された鉄芯コアを貫通する一対の素線は互いに隣り合うもの(Ii,Ii+1)とし、2列目に配設された鉄芯コアを貫通する一対の素線は、両端部を除いて(Ii、Ij)、但し、j−i=2n−3(この場合n=4、j−i=5となる)、の組合せとなるように配置され、この場合、2n個のコアで済むことになる。これを換言すれば、コアの行列アレイ内位置を[k,m]で表示すると、行列位置[k,m]において(両行端部を除き)、ある1対の素線は、第1行の1つの中空磁性体コア[k,m]を通過後次行の同列コア[k+1,m]の左右隣接のコア[k+1,m−1]、[k+1,m+1]を夫々通る。但し、両行端部では、1対のうち1本はコア[k+1、m](次行、同列コア)を前行とは逆向きに再び通る。このようにして各素線間の電流I1,I2...Ii,Ii+1...I2nは均一化され、偏流は抑止、解消される。
【0152】
本発明のさらに別の実施形態として、図15に示すように、鉄芯コアにクエンチ検出用の計測線(ケーブル)を所定ターン数巻回することにより、素線のクエンチ電圧を検出することができる。計測線の巻回数として例えば10ターンとすれば、クエンチ電圧は10倍として検出することが可能とされ計測を容易化する。
【0153】
さらにまた、本発明の別の実施形態は、図16に示すように、クエンチ電圧検出用の計測線の端部に電源を接続し、前記素線に電流が流れていない時に、電源から、例えば図17に電流波形として示すような電流を流し、鉄芯コアをリセットする回路構成としたものである。この回路構成により、鉄芯は一度素線への通電が終わった後に、図10に示したB−H曲線の原点に復帰することができるため、後の通電が安定化する。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鉄芯の間に電流の向きが互いに逆方向の超伝導素線対を配設したことにより、素線の偏流を抑止低減することができるという効果を有する。また、本発明によれば、超伝導コイルで商用周波数で駆動することができるという利点を有する。
【0155】
さらに、本発明によれば、互いに電流が逆向きの1対の素線を中空部に貫通してなる鉄芯コアの構成は、2n本の素線に対して、n×n(一般的にm×n)あるいはこれよりも大幅に少ない数の2×n個で構成することが可能とされ、鉄芯コア部のサイズは超伝導コイルに比べて極めて小さな容積の装置として構成されることになる。
【0156】
さらにまた、本発明によれば、素線のクエンチ検出用計測線を用いて鉄芯コアをリセットする手段を備えたことにより、素線の通電の安定化を図ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のケーブルインコンジット導体の構成を説明する断面図である。
【図2】素線からケーブルインコンジット導体を作製する工程を説明する図である。
【図3】素線の表面に電気的絶縁材を塗布した構成を示す図である。
【図4】素線に通電される電流信号の波形の一例を示す図である。
【図5】素線を2本とした場合の簡易モデルの等価回路を示す図である。
【図6】2本の素線におけるクエンチによる分流の様子を示す図である。
【図7】鉄芯の概略形状を示す図である。
【図8】本発明における鉄芯と素線の配置の一例を示す図である。
【図9】電流と鉄芯中の磁場の関係を説明する図である。
【図10】磁性体のB−H曲線の一例を示す図である。
【図11】鉄芯に配設された2本の素線の構成の等価回路を示す図である。
【図12】鉄芯の具体的な寸法を説明するための図である。
【図13】本発明に係る鉄芯を含む超伝導コイルシステムの全体構成を説明するための図である。
【図14】本発明の別の実施形態を説明するための図である。
【図15】本発明のさらに別の実施形態を説明するための図である。
【図16】本発明の別の実施形態を説明するための図である。
【図17】鉄芯コアのリセット用の電流波形を示す図である。

Claims (19)

  1. 電流バランス装置を備えた超伝導コイルシステムであって、
    前記電流バランス装置は、2本の素線が略円筒中空形状の磁性体の中空部を電流の向きが互いに逆向きとなるように貫通して配設されてなることを特徴とする超伝導コイルシステム。
  2. 電流バランス装置を備えた超伝導コイルシステムであって、
    前記電流バランス装置は、
    n×n個アレイ状に配設された略円筒中空形状の磁性体を備え、n対の素線(2n本)が、前記磁性体の各々について中空部をそれぞれ対として電流の向きが互いに逆向きとなるように貫通して配設されたことを特徴とする超伝導コイルシステム。
  3. 前記素線が商用電源で駆動されることを特徴とする請求項1又は2記載の超伝導コイルシステム。
  4. 駆動電源と超伝導コイルとを電気的に接続する電流リードを形成する複数本(2n本)のリード線を束ねることなく、n×n個アレイ状に配設された中空略円筒形状の磁性体の中空部を貫通するように配設されてなる2n本の素線にそれぞれ接続されたことを特徴とする超伝導コイルシステム。
  5. 前記磁性体が、所定の軟磁性材料からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の超伝導コイルシステム。
  6. 前記磁性体が、巻鉄芯(コア)からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の超伝導コイルシステム。
  7. 前記素線が、それに電気的に接続されかつ他の素線とは電気絶縁された導線を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一に記載の超伝導コイルシステム。
  8. 前記磁性体が、所定温度に冷却されてなることを特徴とする請求項7記載の超伝導コイルシステム。
  9. 前記素線が電気的絶縁が施されてなることを特徴とする請求項1から6のいずれか一に記載の超伝導コイルシステム。
  10. 前記素線が、超伝導状態に設定される超伝導素線を含むことを特徴とする請求項1記載の超伝導コイルシステム。
  11. 駆動電源と超伝導コイルとを電気的に接続する電流リードを形成する複数本(2n本)のリード線を束ねることなく、2行n列の形態にアレイ状に配設された中空略円筒形状の磁性体の中空部を貫通するように配設されてなる2n本の素線にそれぞれ接続されたことを特徴とする超伝導コイルシステム。
  12. 2n本の素線を一側端からI1〜I2nと採番した場合において、2行n列の形態にアレイ状に配設された中空略円筒形状の磁性体の一段目(2行n列の1行目)に配設された前記磁性体を貫通する一対の素線は互いに隣り合うもの(Ii,Ii+1)とし、
    2段目(2行n列の2行目)に配設された前記磁性体を貫通する一対の素線が、両端部を除いてIi、Ij(j−i=2n−3)の組合せとなるように配線されることを特徴とする請求項11記載の超伝導コイルシステム。
  13. 前記磁性体の中空部を互いに2本の素線が電流の向きが逆向きとなるように配設されてなることを特徴とする請求項11記載の超伝導コイルシステム。
  14. 前記磁性体にクエンチ検出用の計測線を所定ターン巻回したことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一に記載の超伝導コイルシステム。
  15. 電流バランス装置を備えた超伝導コイルシステムであって、
    前記電流バランス装置は、2本の素線が略円筒中空型状の磁性体の中空部を電流の向きが互いに逆向きとなるように貫通して配設されてなり、
    前記磁性体にケーブルを所定ターン巻回してなるクエンチ検出手段を備えると共に、前記ケーブルには、前記素線に電流が流れていない間に、電流源から所定の減衰率で減衰する交番電流を流し、前記磁性体をリセットする手段を備えたことを特徴とする超伝導コイルシステム。
  16. 前記磁性体が、所定の軟磁性材料からなることを特徴とする請求項15記載の超伝導コイルシステム。
  17. 前記磁性体が、巻鉄芯(コア)からなることを特徴とする請求項15記載の超伝導コイルシステム。
  18. 電流バランス装置を備えた超伝導コイルシステムであって、
    前記電流バランス装置は、
    m×n個アレイ状に配設された中空磁性体コアを備え、
    n対の素線(2n本)が前記コアの各々をそれぞれ対として電流の向きが互いに逆向きとなるように貫通して配設され、コアの行列[k,m]アレイにおいて、1対の素線は第k行の1つのコア「k,m」を通過後、次行の同列のコア[k+1,m]の左右隣接のコア[k+1,m−1],[k+1,m+1]を夫々貫通し、但し、次行の両端では、1対の素線のうち1本は次行の同列のコア[k+1,m]を再び前行と逆向きの方向に貫通することを特徴とする超伝導コイルシステム。
  19. 前記電流バランス装置は、電流リードと超伝導コイルの間の任意の位置に配置される、ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一に記載の超伝導コイルシステム。
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