JP3873597B2 - Manufacturing method of sealed contact device - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電流を遮断する接点及び電気絶縁性ガスが気密空間に配置された封止接点装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
気密空間が形成されたハウジング内に固定接点と可動接点とが配置された封止接点装置が種々提案されている。
特開平9−320411号公報に示された封止接点装置の構造は、ハウジングを構成するセラミック製の容器本体の開口端に金属蓋が気密的に接合されている。金属蓋に給排気用孔が形成されていて、この給排気用孔からハウジング内の空気を排出したり電気絶縁性ガスを充填したりする。給排気用孔を溶接等の手段で接合して封止してしまえば、ハウジング内は気密状態になる。
【0003】
これとは別に、金属材料を溶接によって接合する技術において、接合面を水素ガス雰囲気または水素を主成分とするガス雰囲気に置くことで、溶接強度を向上させ得ることが知られている。接合面に存在して溶接性を阻害する酸化皮膜が水素の還元作用によって除去されるため、大気中で溶接する場合に比べて、はるかに高い溶接強度が得られる。また、溶接時の電流が比較的に低電流条件であっても高強度が得られ、溶接条件の幅が広くなるという利点も有している。
前記した封止接点装置の製造においても、接合工程を水素ガス雰囲気で行うことが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来例の製造方法では、容器本体に金属蓋を接合する工程と、給排気用孔を封止する工程との2回の接合工程を行う必要があり、手間および時間がかかるという問題がある。
特に、ハンジングの気密性等を高めるために、2回の接合工程を何れも、前記した水素ガス雰囲気中での溶接で行おうとすると、それぞれの接合工程の度に、溶接を行う部材を気密チャンバー内に搬入および搬出したり、チャンバー内の雰囲気を水素ガスに置換したり水素ガスを排出したりする作業工程が必要になり、作業工数が大幅に増えてしまう。
【0005】
さらに、容器本体や金属蓋に給排気用孔を設ける加工の手間も増えるため、部品コストが増大したり、全体の生産能率が損なわれるという問題も発生する。
本発明の課題は、前記した封止接点装置の製造技術において、工程の削減と加工コストの低減を果たし、しかも、気密性に優れた封止接点装置を提供できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる封止接点装置の製造方法は、金属べ一スと金属キャップとを接合してできる内部空間に接点を有し、接点の周囲の内部空間が水素混合ガスで充填された封止接点装置を製造する方法である。チャンバー内に金属キャップと金属べ一スとを配置する工程(a) と、チャンバー内を水素混合ガス雰囲気にする工程(b) と、水素混合ガス雰囲気中で金属キャップと金属べ一スとの接合部を溶接する工程(c) とを含む。
前記工程(c) が、金属ベースと金属キャップとの何れか一方の接合部にプロジェクションを配置しておき、抵抗溶接することができる。
【0007】
記工程(c) では、金属ベースと金属キャップとの接合部の間に、ろう材を介在させて溶接することができる。
前記工程(c) の前に、金属ベースと金属キャップとの接合部を予熱する工程(-c)をさらに含むことができる。
【0008】
前記工程(-c)が、前記工程(b) で前記チャンバー内に予熱された水素混合ガスを充填することにより果たされることができる。
前記工程(c) が、抵抗溶接で行われ、前記工程(-c)が、金属ベースと金属キャップとの接合部に予備通電して予熱することができる。
前記工程(-c)が、金属ベースと金属キャップとの接合部にレーザ照射して予熱することができる。
前記工程(-c)が、予熱に伴って、金属ベースと金属キャップとの接合部を熱変形させて密着させることができる。
【0009】
前記工程(c) が、気密状態に維持されたチャンバー内で、金属ベースおよび金属キャップに当接する一対の電極のうち少なくとも一方を、金属ベースと金属キャップの接合部を互いに密着させる方向に移動させたあと、一対の電極に通電して接合部を溶接することができる。
前記工程(b) が、チャンバー内を真空状態にする工程(b-1) と、真空状態のチャンバー内に水素混合ガスを充填する工程(b-2) とを含むことができる。
前記工程(b) が、前記工程(b-1) の前に、チャンバー内を窒素ガス雰囲気にする工程(b-0) をさらに含むことができる。
【0010】
前記工程(b-1) でチャンバー内を昇温させることができる。
【0011】
【発明の実施形態】
〔封止接点装置〕
図1は、封止接点装置の組立前の全体構造を示している。
封止接点装置は、接点部品100が搭載された金属ベース10と金属キャップ20とで構成されている。
金属キャップ20は、鉄やステンレス等の金属を主体として構成され、概略直方体のキャップ状をなしている。キャップ部20の下端の開口部には、外周に延びるフランジ部22を有しており、フランジ部22の下面が、金属ベース10との接合部になる。金属キャップ20は、全体が金属のみからなるものであってもよいし、一部がセラミックなど金属以外の材料で構成されていても構わない。但し、接合部については金属で構成されている必要がある。
【0012】
金属ベース10は、接点部品100が搭載された酸化アルミナなどからなる概略矩形のセラミック基板部12と、セラミック基板部12の外周上面に接合されて外周に延びている矩形の外周枠部14とで構成されている。外周枠部14は、金属キャップ20と同じく、鉄やステンレスなどの金属で構成されている。外周枠部14の上面を、金属キャップ20のフランジ部22の下面と溶接することで、金属キャップ20と金属ベース10とが接合される。金属ベース10は、全体を金属のみで構成することもできる。
金属ベース10に搭載される接点部品100は、通常の接点装置と同様の構造を有する機構部材や部品で構成される。基本的な接点装置の機能を果たすことができれば、使用する部品の形状構造や配置などは特に限定されない。基本的な部品としては、例えば、固定接点105、固定接点103と接離する可動接点103、可動接点103を駆動する電磁コイル107などを含む。図には示されていないが、固定接点105は、紙面奥側にも同じものが設けられており、一対の固定接点105が可動接点103の接離によって開閉動作する。固定接点105の一端は、金属ベース10を貫通して裏側に突出し、外部端子109を構成している。
【0013】
金属ベース10に金属キャップ20を被せ、フランジ部22を外周枠部14に接合することで、接点部品100が収容された内部空間が気密状態で封止される。この内部空間には電気絶縁性のガスが封入される。
〔製造装置の基本構造〕
図2に示す実施形態は、金属ベース10と金属キャップ20の接合工程を行う製造装置であり、基本的な作業を行う部分を表している。
気密空間を構成するチャンバー30の内部に、上下一対の電極42、44を備える。電極42、44には、チャンバー30の外部に通じる配線46が接続されている。
【0014】
上下の電極42、44の間に、金属ベース10および金属キャップ20を配置する。上部電極42の下面には、金属キャップ20が収容される空間43が開口している。下部電極44の上面には、金属ベース10が収容される空間45が開口している。上部電極42の外周縁部が金属キャップ20のフランジ部22の上面に当接し、下部電極44の外周縁部が金属ベース10の外周枠部14の下面に当接する。電極42、44の両方あるいは一方は、上下方向に移動自在に取り付けられており、フランジ部22と外周枠部14とを密着させる方向に移動する。フランジ部22と外周枠部14とを電極42、44で挟み付けて密着させた状態で電極42、44に通電すれば、電極42、44とフランジ部22および外周枠部14を貫通して電流が流れ、フランジ部22と外周枠部14との接合部で抵抗発熱が生じて、両者が抵抗溶接されることになる。
【0015】
チャンバー30には、配管50が連結されており、この配管50を通じて、チャンバー30内を真空排気したり、チャンバー30内に特定のガスを供給したりすることができる。
〔製造装置の全体構造〕
図3は、製造装置の全体構造を示している。
チャンバー30に設けられた電極42、44のうち、上部電極42は、チャンバー30の天井を貫通して外部まで延びている。上部電極12の上端には、昇降自在なエアシリンダ60が配置されており、エアシリンダ60の作動ピストン62が上部電極12に連結されていて、上部電極12を昇降作動させる。
【0016】
上部電極42の上端と、チャンバー30の上面外壁との間には、弾性ゴムなどからなり蛇腹状をなし伸縮自在なベローズ32が取り付けられている。上下に移動する上部電極42と周囲のチャンバー30との間に隙間があっても、ベローズ32によって、チャンバー30の内部空間の気密が確実に維持される。
上部電極42に当接している作動ピストン62に、電源48につながる配線46が接続されている。電源48から供給された電力は、配線46から作動ピストン62を経て上部電極42へと給電される。
下部電極44の下端は、チャンバー30を貫通して外部に延びている。下部電極44とチャンバー30の間には、Oリングなどの気密保持材36が配置されている。気密保持材36がOリングのように摺動可能な構造を有していれば、下部電極44をチャンバー30に対して昇降させることができる。気密保持材36が電気絶縁性を有していれば、下部電極44とチャンバー30との電気絶縁を図ることができる。
【0017】
チャンバー30の外で下部電極44には接続部材49を介して配線46が接続され、配線46は電源48につながっている。接続部材49が、前記した上部電極42の場合と同様に昇降駆動する機構を備えていれば、下部電極44を昇降作動させることもできる。
チャンバー30の側壁途中に絶縁材34が設けられており、上下の電極42、44間の絶縁を確保するのに有効である。
チャンバー30に連結された配管50は、バルブ51を経て真空ポンプ52につながっている。真空ポンプ52を作動させることで、チャンバー30内を真空排気することができる。
【0018】
配管50のうち、バルブ51と真空ポンプ52の間には、2本の分岐配管があり、それぞれが、バルブ53またはバルブ55を介して、窒素ガスタンク54と水素混合ガスタンク56とに連結されている。これによって、チャンバー30内に、窒素ガスあるいは水素混合ガスを送り込むことができる。
水素混合ガスは、水素のみからなるガスであってもよいし、水素と窒素との混合ガスであってもよい。
配管50のうち、チャンバー30に近い側の外周にはヒータ58が巻き付けられている。ヒータ58を作動させることで、配管50を流れるガスを加熱することができる。
【0019】
〔基本的な製造工程〕
前記した製造装置を用いて、封止接点装置を製造する方法を説明する。
図3に示すように、チャンバー30内の電極42、44にそれぞれ、金属キャップ20と金属ベース10とを装着する。
配管50のバルブ55、51を開いて、水素混合ガスタンク56からチャンバー30へと水素混合ガスを供給する。
チャンバー30内が水素混合ガス雰囲気になった段階で、上部電極42を下降させる。
【0020】
図2に示すように、電極42、44の間に、金属キャップ20のフランジ部22と金属ベース10の外周枠部14とが挟み付けられた状態になる。電極42、44間に圧力を加えながら、電極42、44からフランジ部22および外周枠部14に通電すると、抵抗溶接によって、フランジ部22と外周枠部14との当接面が接合される。通電する電流の量や時間、加圧力などの溶接条件は、使用する部材の材質や形状、要求性能などに合わせて設定される。基本的には、通常の抵抗溶接の場合と同様の範囲に設定できる。
チャンバー30内は水素混合ガス雰囲気になっており、フランジ部22と外周枠部14との接合面にも水素混合ガスが存在しているので、接合面の酸化皮膜が還元作用を受け、高い溶接強度を得ることができる。その結果、金属ベース10と金属キャップ20の内部空間の気密性を向上させることができる。溶接不良による欠陥品の発生が少なくなり、製品歩留りが向上する。
【0021】
フランジ部22と外周枠部14との溶接によって、金属キャップ20と金属ベース10との間で密閉された内部空間は、必然的に水素混合ガスが封入された状態になる。水素混合ガスが封入された封止接点装置は、使用時に優れた接点機能を発揮することになる。
金属キャップ20および金属ベース10には、給排気用孔などの特別な構造を設ける必要がないので、部品の構造が簡素化され、部品コストも低減される。
金属キャップ20と金属ベース10の溶接と同時に、水素混合ガスの封入も行われるので、作業工程が削減され、加工コストが低減される。チャンバー30内の全体を水素混合ガス雰囲気にした状態で封入作業が行われるので、封入接点装置の内部空間に水素混合ガスが確実に封入され、封入接点装置の製造歩留りが向上する。
【0022】
〔プロジェクション溶接〕
金属キャップ20のフランジ部22と金属ベース10の外周枠部14との溶接に、プロジェクション溶接を採用することができる。
図5(a) に示すように、外周枠部14の上面に、プロジェクション(突起)となる突条16を設けておく。突条16は、外周枠部14の全周にわたって連続する環状に配置されている。突条16の断面形状は、上端が尖った三角形状をなしている。外周枠部14に突条16を加工するには、プレス加工や切削加工、パンチ加工などが採用される。
【0023】
前記実施形態と同様に、電極42、44でフランジ部22と外周枠部14とを圧接しながら通電すると、フランジ部22と外周枠部14とが接触している突条16部分のみに集中的に電流が流れ、通常のプロジェクション溶接と同様の作用によって、フランジ部22と外周枠部14とが溶接される。図4に示すように、通電する電流は、通電開始とともに急激に電流値が増えて、tp時間後にピーク値Ipを示したあと、急激に電流値が下がるパターン示す。
図5(b) に示すように、突条16が溶融して押し潰され、フランジ部22と外周枠部14とが密着した状態になり、突条16およびその周辺の材料による溶融部18によって、フランジ部22と外周枠部14とが溶接される。
【0024】
プロジェクション溶接の具体的な溶接条件として、以下の条件が採用できる。
<溶接条件>
加圧力:24500N(2500kgf)
電流ピーク値Ip:85kA
通電時間 tp:20ms
上記したプロジェクション溶接を採用することで、溶接時に接合部に高い圧力を加えて密着させるクランプ機構を用いる必要がなくなる。比較的短時間で気密溶接を完了することができる。
【0025】
上記実施形態では、外周枠部14の上面に突条16を設けていたが、フランジ部22の下面に突条16を設けたり、外周枠部14とフランジ部22の両方に突条16を設けておくこともできる。
プロジェクションの配置構造は、上記実施形態に限らず、通常のプロジェクション溶接で採用されている技術を適用することができる。
〔ろう材による溶接〕
金属ベース10と金属キャップ20との溶接に、ろう材を用いることができる。
【0026】
図6に示すように、フランジ部22と外周枠部14との間に、薄いシート状のろう材70を配置しておく。ろう材70としては、JIS規格に規定されるBAg8などのろう材が使用できる。
上下の電極42、44で、フランジ部22、ろう材70および外周枠部14を圧接しながら通電すると、ろう材70が抵抗加熱によって発熱し溶融して、フランジ部22と外周枠部14とを溶接する。
接合部同士を直接に溶接する場合、フランジ部22および外周枠部14の材料自体が溶融しなければならないため、材料の溶融温度以上に加熱しなければならないのに対し、ろう材を用いた溶接では、比較的に融点の低いろう材70を溶融させるので、接合部の材料自体は溶融しない程度の低い温度でも溶接できる。
【0027】
例えば、金属ベース10または金属キャップ20の材料に、熱伝導性の良い銅やアルミニウム、銅合金等を用いた場合、通常の抵抗溶接やレーザ溶接では、溶接時に接合部に供給された熱が周囲に放熱されてしまい、接合部で材料が溶融する温度まで昇温され難く、溶接が非常に困難である。しかし、前記したろう材を介する溶接であれば、このような熱伝導性の高い材料であっても、簡単にかつ確実な気密接合を達成することができる。
なお、ろう材による溶接の際にも、チャンバー30内が水素混合ガス雰囲気であることによって、水素混合ガスが接合部の酸化皮膜を還元させる還元ガスとして機能する。
【0028】
上記実施形態は、電極42、44を用いる抵抗加熱で、ろう材を溶融接合させる方法を説明したが、後述するレーザ加熱によって、ろう材を溶融させて溶接を行うこともできる。その他、通常のろう材を用いた溶接あるいはろう付け技術において採用されている装置や作業条件などを組み合わせることが可能である。
〔レーザ溶接〕
電極42、44を用いた抵抗溶接の代わりに、レーザ照射による溶接を採用することができる。
図7(a) に示すように、チャンバー30の内部に設けられた載置台82の上に、金属ベース10を載せ、金属ベース10の上に金属キャップ20を被せておく。
【0029】
金属キャップ20の上面には、上方から下方へと弾力的に押圧力を加えて、金属キャップ20および金属ベース10をクランプするクランプ治具84が配置される。クランプ治具84の押圧力によって、フランジ部22と外周枠部14とが密着して圧接された状態になる。
チャンバー30の天井壁には、図示を省略したレーザ照射装置に、光ファイバ81で接続されたレーザ出射ユニット80が取り付けられている。レーザ出射ユニット80がチャンバー30の天井壁を貫通する個所は、気密構造になっている。
【0030】
レーザ出射ユニット80から下方へとレーザ光Lが照射され、金属キャップ20のフランジ部22および金属ベース10の外周枠部14の接合部に当たる。レーザ光Lが照射された部分は加熱昇温する。レーザ光Lの焦点位置を、フランジ部22と外周枠部14との接合位置に設定しておくことで、接合部に集中的にレーザエネルギーを供給して、接合部を効率的に加熱し、溶融させて溶接することができる。
金属キャップ20の外周に沿って環状に溶接を行うためには、環状の接合部に沿ってレーザ光Lの照射位置を移動させる。レーザ光Lの移動は、レーザ出射ユニット80を機械的に移動させることで果たすことができる。例えば、直方体状をなす封止接点装置であれば、金属キャップ20の外周に沿って矩形の接合部が配置されるので、接合部の各辺に沿って直線的に移動自在なレーザ出射ユニット80を配置しておけばよい。1台のレーザ出射ユニット80を、接合部の矩形輪郭に沿って直線および屈曲移動させることも可能である。レーザ出射ユニット80を固定したまま、レーザ光Lの照射角度を変えることで、照射位置を移動させることもできる。
【0031】
レーザ溶接における溶接条件は、通常のレーザ溶接で採用されている範囲で適宜に設定できる。例えば、以下の溶接条件が採用できる。
<溶接条件>
レーザ種類:パルス式YAG
エネルギ :15J/パルス
繰り返し数:10pps
パルス幅 :10ms
Df :0
移動速度 :1mm/sec
金属ベース10と金属キャップ20との接合に上記したレーザ溶接を採用すれば、前記した抵抗溶接の場合に必要な電極などの機構が不要になる。溶接する接合部の配置構造に合わせて、レーザ光Lの照射経路を変えることで、寸法形状の異なる封止接点装置にも比較的容易に対応することができる。
【0032】
〔レーザ透過部〕
レーザ溶接を行う際に、レーザ照射装置の全体をチャンバー30の外部に設置しておくことができる。
図7(b) に示すように、チャンバー30の天井壁を、ガラスなどのレーザ透過材からなるレーザ透過部86で構成しておく。レーザ透過部86と周囲の壁構造との間は気密構造にしておく。
図示を省略したレーザ照射装置から照射されたレーザ光Lを、レンズやミラー等の光学系を経て、レーザ透過部86の上方からチャンバー30の内部に照射させる。チャンバー30内に照射されたレーザ光Lは、金属ベース10と金属キャップ20との接合部に照射されてレーザ溶接が行われる。
【0033】
この方法の場合も、レーザ溶接の溶接条件は、通常のレーザ溶接と同様の範囲に設定できる。前項で例示した具体的条件を採用することもできる。
上記した実施形態では、チャンバー30の壁構造の一部にレーザ透過部86を設けておくだけで、その他のレーザ照射のための構造部分は、チャンバー30の外部に設置しておけばよいので、レーザ照射に関わる設備が簡易になる。チャンバー30の気密構造も簡単になる。レーザ照射装置の点検や保守などの作業も容易に行える。
〔接合部の予熱〕
金属ベース10と金属キャップ20との接合部を予熱した後で溶接を行うことができる。
【0034】
金属ベース10と金属キャップ20との接合部、具体的にはフランジ部22の下面と外周枠部14の上面およびその周辺を、予熱温度500〜800℃程度に昇温させておくことで、接合部の表面における水素還元反応が容易に起こるようになる。水素還元反応が良好に生じることで、接合部の表面における酸化物を効率的に除去して減少させることができる。その結果、溶接強度が向上し、気密性の高い接合が可能になる。
〔水素混合ガスの予熱〕
接合部の予熱方法として、水素混合ガスを予熱しておくことができる。
【0035】
図3に示すように、チャンバー30内に水素混合ガスを供給する配管50に設置されたヒータ58を作動させれば、チャンバー30内に供給される水素混合ガスが加熱される。
加熱された水素混合ガスが、金属ベース10および金属キャップ20に接触して昇温させる。その結果、金属ベース10と金属キャップ20との接合部が予熱されることになる。
この方法では、溶接する接合部に直接に水素混合ガスが接触して伝熱するので、加熱効率が高く、迅速に予熱することができる。
【0036】
〔予備通電による予熱〕
電極42、44を用いた抵抗溶接あるいはプロジェクション溶接を行うときに、予備通電を行って接合部を予熱することができる。
通常の溶接時には接合される材料を溶融させることができるだけのエネルギが発生する電流値あるいは電気エネルギを通電供給する。
これに対し、予備通電では、上記した溶接時の通電エネルギよりも低いエネルギを接合部に供給する。接合部の材料は、抵抗発熱によって昇温し、予熱が行われる。但し、接合部が溶融することはない。
【0037】
この方法では、抵抗発熱を起こす接合部の界面付近のみが局所的に予熱されるので、加熱効率が高く、エネルギの無駄がない。予熱のために特別な機構や装置を備えておく必要がないので、設備が簡単である。溶接と同じ操作を通電量を変えて実施するだけなので、予熱作業は簡単である。予熱工程から溶接工程への移行も連続的に行え、作業時間が短縮される。
予熱工程の処理条件の具体例を以下に示す。
<予熱条件>
加圧力:24500N(2500kgf)
電流ピーク値Ip:60kA
通電時間 tp:50ms
なお、前記した水素混合ガスの予熱と予備通電による予熱とを組み合わせて実施することも可能である。また、予備通電による予熱は、ろう材による溶接の場合にも適用することができる。
【0038】
〔レーザ照射による予熱〕
前記した接合部の予熱を、レーザ照射で行うことができる。
接合部をレーザ溶接する際に供給するレーザ光エネルギよりも低いエネルギでレーザ光を接合部に照射すれば、接合部が予熱されることになる。
レーザ光の照射位置におけるエネルギ密度は、焦点位置が最も高く、焦点位置から離れるほど弱くなる。溶接を行う際には当然、エネルギ密度の高い焦点位置を接合部またはそれに近い位置に配置する。焦点位置を接合部から少し上方あるいは下方に移動させることで、接合部に供給されるエネルギ密度を低くして、予熱に適したエネルギを供給することができる。レーザ光の焦点位置の変更は、照射経路に配置された光学系の作動によって容易に行える。また、レーザ光の移動速度を速くしたり1個所における照射時間を短くしたりして、照射位置に供給するエネルギを弱くすることもできる。
【0039】
レーザ照射による予熱の場合も、前記した予備通電による予熱と同様に、接合部だけを局所的に効率的に予熱することができ、予熱工程から溶接工程への移行も連続的に行うことができる。
予熱工程の処理条件の具体例を以下に示す。
<予熱条件>
レーザ種類:パルス式YAG
エネルギ :10J/パルス
繰り返し数:10pps
パルス幅 :10ms
Df :+10mm
移動速度 :5mm/sec
周回数 :3周
上記したレーザ照射による予熱方法は、前記した水素混合ガスの予熱など他の予熱方法と併用することもできる。
【0040】
〔接合部の熱変形〕
前記した予熱で、接合部を熱変形させて、接合部の密着性あるいは一体性を高めることができる。
図8(a) に示すように、金属ベース10の外周枠部14に、外周縁部よりも少し内側に収容凹部15を設けておく。収容凹部15の内部に、金属キャップ20のフランジ部22が収容される。収容凹部15の深さはフランジ部22の厚みと同程度である。収容凹部15の内側形状はフランジ部22の外形状よりも1回り大きい。
【0041】
したがって、金属ベース10の上に金属キャップ20を配置するときには、金属ベース10の収容凹部15に金属キャップ20のフランジ部22が容易に挿入される。しかも、収容凹部15とフランジ部22との係合によって、金属キャップ20と金属ベース10がほぼ位置決めされる。
このような構造の金属ベース10と金属キャップ20とを、レーザ照射によって予熱し溶接する。
図8(a) に示すように、金属キャップ20のフランジ部22の上方からレーザ光L0 を照射する。この場合のレーザ光L0 は、溶接に用いるレーザ光Lよりも接合部に供給されるエネルギの密度が低い予熱用のレーザ光L0 である。この場合、レーザ光L0 の焦点位置は、接合部よりも少し上方空間に設定されている。具体的な予熱条件は、前項で例示された条件を採用することができる。
【0042】
レーザ光L0 が照射されたフランジ部22は加熱昇温し熱膨張を起こす。フランジ部22だけでなく、その下方にある金属ベース10の外周枠部14も予熱されるが、レーザ光L0 が直接に照射されているフランジ部22のほうが、外周枠部14よりも強く加熱され、高い温度になり、大きな熱膨張を起こすことになる。
図8(b) に示すように、外周枠部14よりも大きく熱膨張したフランジ部22は、外周側に伸びて、フランジ部22の外周端が外周枠部14の収容凹部15の内側壁に当接して強く押しつけられ密着することになる。
【0043】
その後、フランジ部22の外周端と収容凹部15の内側壁との密着部分に、溶接用のレーザ光Lを照射する。フランジ部22の外周端と収容凹部15の内側壁との密着部分が溶融して接合される。具体的な溶接条件は、前項までで説明したレーザ溶接の実施形態と同様でよい。
この方法では、金属キャップ20と金属ベース10との間にクランプ治具84などで大きな圧力を加えておかなくても、予熱工程を経ることによって、接合部であるフランジ部22の外周端と収容凹部15の内側壁とが良好な密着状態になり、溶接によって良好な接合を果たすことができる。
【0044】
金属ベース10の外周枠部14に、金属キャップ20の材料よりも熱膨張率の小さな材料を用いれば、前記した熱膨張量の違いが大きくなり、フランジ部22と収容凹部15との密着力を高めることができる。金属ベース10の外周枠部14が当接する載置台82を、放熱性の良い材料または構造にして、外周枠部14が昇温し難いようにしておいても、フランジ部22と外周枠部14との熱膨張量の差を大きくして、前記した密着力を高めることができる。さらに、外周枠部14を積極的に冷却すれば、フランジ部22と外周枠部14との熱変形量の差はより大きくなり、密着効果はさらに向上する。
【0045】
〔チャンバー内の真空排気〕
チャンバー30を水素混合ガス雰囲気にする前に、チャンバー30の内部を真空状態にする工程を加えることで、防爆性を向上できる。
水素ガスの爆発限界は、濃度4%〜75%である。したがって、チャンバー30内を水素混合ガス雰囲気にする過程で、上記した水素ガスの爆発の危険性がある状態に出来るだけならないようにすることが、防爆性を高める上で有効である。
チャンバー30内に水素混合ガスを供給する工程では、水素混合ガスの供給開始時には、チャンバー30内に大気等の気体が存在している可能性がある。水素混合ガスの供給によって大気等は追い出され、徐々に水素混合ガスの濃度が高くなる。この過程において、水素混合ガスの濃度が前記した爆発限界内になる可能性が生じる。
【0046】
そこで、図2に示す装置において、チャンバー30内に金属ベース10および金属キャップ20を装着したあと、バルブ51を開き、ポンプ52を駆動させて、チャンバー30内を真空排気する。チャンバー30内が、例えば真空度300Torr以上の真空状態になれば、ポンプ52を停止させる。バルブ55を開いて、水素混合ガスタンク56からチャンバー30に水素混合ガスを供給する。
この方法によれば、チャンバー30内を真空状態にしてから水素混合ガスを供給するので、チャンバー30内で水素混合ガスの濃度が爆発限界内に入ることが防げる。その結果、防爆性が高まる。
【0047】
なお、図2の実施形態は、電極42、44を用いた抵抗溶接を行う場合であるが、図7に示されているようなレーザ溶接を採用する場合であっても、水素混合ガスを使う場合には、上記した真空状態を経ることが有用である。
〔窒素ガス充填〕
チャンバー30内を水素混合ガス雰囲気にする工程、あるいは、その前に真空状態にする工程のさらに前に、チャンバー30内に窒素ガスを充填することが有効である。
図2に示す装置において、チャンバー30内に金属ベース10および金属キャップ20が装着された後、バルブ51、53を開いて、窒素ガスタンク54からチャンバー30内に窒素ガスを供給する。窒素ガスが金属ベース10および金属キャップ20、特にフランジ部22や外周枠部14の接合部の表面に接触することで、表面に付着している水分や吸着ガスが除去される。また、金属ベース10に搭載された接点部品100の表面においても、水分や吸着ガスの除去が行われる。
【0048】
水分や吸着ガスは、接合部における溶接強度や接合性を損なう要因であり、窒素ガスによって水分や吸着ガスを除去しておくことで、接合性能や気密性を高めることができる。接点部品100の表面から水分や吸着ガスを除去しておくことで、封止接点装置の使用時における接点開閉特性を改善することもできる。
窒素ガス充填によって、水分や吸着ガスが除去されたあとは、バルブ53を閉じて、ポンプ52を作動させれば、チャンバー30内を真空状態にすることができる。さらに、バルブ55を開いて、水素混合ガスをチャンバー30に充填することができる。
【0049】
〔真空排気と昇温〕
チャンバー30内を真空排気する工程で、チャンバー30内を昇温させておくことが有効である。
図2に示す装置において、チャンバー30には、ヒータなどの加熱手段を設けておく。
チャンバー30内が真空排気されるとともに昇温されると、金属ベース10や金属キャップ20の表面に付着している水分や吸着ガスが、付着している表面から脱落し易くなる。真空排気される気体とともに水分や吸着ガスが、チャンバー30の外に運び出される。
【0050】
その結果、前記したように、水分や吸着ガスの除去による溶接性能の向上、および、封止接点装置を使用する際における接点開閉性能の向上を達成することができる。
なお、昇温させる温度は高いほど水分や吸着ガスの除去を果たすクリーニング効果は高まるが、接点部品100などの品質劣化を起こす心配がある。そこで、これらの条件を考慮して昇温温度を設定する。具体的には、50℃〜100℃の範囲に設定するのが好ましい。
また、チャンバー30内に水素ガスが存在していると、昇温によって防爆性が低下する。昇温させる際の真空度を300Torr以下に設定しておけば、防爆性を良好に維持できる。
【0051】
【発明の効果】
この発明にかかる封止接点装置の製造方法は、チャンバーに配置された金属キャップと金属べ一スとの接合部を水素混合ガス雰囲気中で溶接することにより、気密溶接と同時に水素混合ガスの封入が行われる。
その結果、気密接合工程が削減でき、加工コストを削減でき、製品歩留りを向上できる。部品に給排気用孔が不要であるため、部品コストが低減される。水素混合ガスの還元作用によって、良好な溶接が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表し、封止接点装置の組立前の正面図
【図2】 製造装置の基本構造を示す断面図
【図3】 製造装置の全体構造を示す断面図
【図4】 通電電流の変化を示すグラフ
【図5】 プロジェクション溶接の工程を段階的に示す断面図
【図6】 ろう材を用いた溶接を示す断面図
【図7】 レーザ溶接を示す断面図
【図8】 溶接部を熱変形させる方法を示す断面図
【符号の説明】
10 金属ベース
12 セラミック基板部
14 外周枠部
16 突条
18 溶融部
20 金属キャップ
22 フランジ部
30 チャンバー
32 ベローズ
42、44 電極
48 電源
50 配管
52 ポンプ
54 窒素ガスタンク
56 水素混合ガスタンク
58 ヒータ
60 エアシリンダ
70 ろう材
80 レーザ出射ユニット
84 レーザ透過部
100 接点部品
L レーザ光
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sealed contact device in which a contact for interrupting current and an electrically insulating gas are arranged in an airtight space.
[0002]
[Prior art]
Various sealed contact devices have been proposed in which a fixed contact and a movable contact are arranged in a housing in which an airtight space is formed.
In the structure of the sealed contact device disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 9-320411, a metal lid is airtightly joined to an opening end of a ceramic container body constituting a housing. An air supply / exhaust hole is formed in the metal lid, and air in the housing is discharged from this air supply / exhaust hole or an electrically insulating gas is filled. If the air supply / exhaust holes are joined and sealed by means such as welding, the inside of the housing becomes airtight.
[0003]
In addition to this, it is known that, in a technique for joining metal materials by welding, it is possible to improve the welding strength by placing the joining surface in a hydrogen gas atmosphere or a gas atmosphere mainly containing hydrogen. Since the oxide film that exists on the joint surface and impairs the weldability is removed by the reducing action of hydrogen, a much higher welding strength can be obtained compared to welding in the atmosphere. Moreover, even if the current at the time of welding is a relatively low current condition, high strength can be obtained, and the width of the welding condition is widened.
In manufacturing the above-described sealed contact device, it has been proposed to perform the bonding step in a hydrogen gas atmosphere.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the manufacturing method of the conventional example described above, it is necessary to perform two joining steps, that is, a step of joining the metal lid to the container body and a step of sealing the air supply / exhaust hole, which is troublesome and takes time. is there.
In particular, in order to improve the airtightness of the handling and the like, if both of the two joining steps are performed by welding in the hydrogen gas atmosphere described above, the member to be welded is sealed in the airtight chamber at each joining step. An operation process for carrying in and out of the chamber, replacing the atmosphere in the chamber with hydrogen gas, or discharging the hydrogen gas is required, and the number of work steps is greatly increased.
[0005]
Furthermore, since the labor of processing to provide the air supply / exhaust holes in the container main body and the metal lid increases, there arises a problem that the cost of parts increases and the overall production efficiency is impaired.
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a sealed contact device that achieves a reduction in process and processing cost in the manufacturing technology of the sealed contact device described above, and that is excellent in airtightness.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
A manufacturing method of a sealed contact device according to the present invention includes a contact in an internal space formed by joining a metal base and a metal cap, and the internal space around the contact is filled with a hydrogen mixed gas. A method of manufacturing a contact device. A step (a) of disposing a metal cap and a metal base in the chamber; a step (b) in which the chamber is filled with a hydrogen mixed gas atmosphere; and a metal cap and a metal base in a hydrogen mixed gas atmosphere. (C) welding the joint.
In the step (c), it is possible to perform resistance welding by disposing a projection at one of the joint portions of the metal base and the metal cap.
[0007]
in front Step (c) Then It is possible to perform welding by interposing a brazing material between the joint portion of the metal base and the metal cap.
Before the step (c), a step (-c) of preheating the joint between the metal base and the metal cap can be further included.
[0008]
The step (-c) can be performed by filling the hydrogen mixed gas preheated in the chamber in the step (b).
The step (c) is performed by resistance welding, and the step (-c) can be preheated by pre-energizing the joint between the metal base and the metal cap.
In the step (-c), the junction between the metal base and the metal cap can be preheated by laser irradiation.
In the step (-c), the joint between the metal base and the metal cap can be thermally deformed and brought into close contact with the preheating.
[0009]
In the step (c), in the chamber maintained in an airtight state, at least one of the pair of electrodes contacting the metal base and the metal cap is moved in a direction in which the joint between the metal base and the metal cap is brought into close contact with each other. After that, the joint can be welded by energizing the pair of electrodes.
The step (b) can include a step (b-1) for bringing the chamber into a vacuum state, and a step (b-2) for filling the vacuum chamber with a hydrogen mixed gas.
The step (b) may further include a step (b-0) of bringing the inside of the chamber into a nitrogen gas atmosphere before the step (b-1).
[0010]
The temperature in the chamber can be raised in the step (b-1).
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Sealed contact device]
FIG. 1 shows the overall structure of the sealed contact device before assembly.
The sealed contact device includes a metal base 10 on which a contact component 100 is mounted and a metal cap 20.
The metal cap 20 is mainly composed of metal such as iron or stainless steel, and has a substantially rectangular parallelepiped cap shape. The opening at the lower end of the cap portion 20 has a flange portion 22 extending to the outer periphery, and the lower surface of the flange portion 22 serves as a joint portion with the metal base 10. The metal cap 20 may be entirely made of metal, or a part of the metal cap 20 may be made of a material other than metal such as ceramic. However, the joint portion needs to be made of metal.
[0012]
The metal base 10 includes a substantially rectangular ceramic substrate portion 12 made of alumina oxide or the like on which the contact component 100 is mounted, and a rectangular outer peripheral frame portion 14 that is bonded to the outer peripheral upper surface of the ceramic substrate portion 12 and extends to the outer periphery. It is configured. Similar to the metal cap 20, the outer peripheral frame portion 14 is made of a metal such as iron or stainless steel. The metal cap 20 and the metal base 10 are joined by welding the upper surface of the outer peripheral frame portion 14 to the lower surface of the flange portion 22 of the metal cap 20. The metal base 10 can also be composed entirely of metal.
The contact component 100 mounted on the metal base 10 is composed of a mechanism member or component having the same structure as that of a normal contact device. If the function of a basic contact device can be fulfilled, the shape structure and arrangement of the parts to be used are not particularly limited. The basic components include, for example, a fixed contact 105, a movable contact 103 that contacts and separates from the fixed contact 103, an electromagnetic coil 107 that drives the movable contact 103, and the like. Although not shown in the figure, the same fixed contact 105 is also provided on the back side of the drawing, and the pair of fixed contacts 105 opens and closes when the movable contact 103 contacts and separates. One end of the fixed contact 105 penetrates the metal base 10 and protrudes to the back side to constitute an external terminal 109.
[0013]
By covering the metal base 10 with the metal cap 20 and joining the flange portion 22 to the outer peripheral frame portion 14, the internal space in which the contact component 100 is accommodated is sealed in an airtight state. This internal space is filled with an electrically insulating gas.
[Basic structure of manufacturing equipment]
The embodiment shown in FIG. 2 is a manufacturing apparatus that performs a joining process of the metal base 10 and the metal cap 20, and represents a portion that performs basic operations.
A pair of upper and lower electrodes 42 and 44 are provided inside the chamber 30 constituting the airtight space. A wiring 46 that leads to the outside of the chamber 30 is connected to the electrodes 42 and 44.
[0014]
The metal base 10 and the metal cap 20 are disposed between the upper and lower electrodes 42 and 44. A space 43 in which the metal cap 20 is accommodated is open on the lower surface of the upper electrode 42. A space 45 in which the metal base 10 is accommodated is opened on the upper surface of the lower electrode 44. The outer peripheral edge of the upper electrode 42 contacts the upper surface of the flange portion 22 of the metal cap 20, and the outer peripheral edge of the lower electrode 44 contacts the lower surface of the outer peripheral frame portion 14 of the metal base 10. Both or one of the electrodes 42 and 44 is attached so as to be movable in the vertical direction, and moves in a direction in which the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 are brought into close contact with each other. If the electrodes 42 and 44 are energized in a state where the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 are held in close contact with each other by the electrodes 42 and 44, the current passes through the electrodes 42 and 44, the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14. Flows, resistance heat is generated at the joint between the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14, and both are resistance-welded.
[0015]
A pipe 50 is connected to the chamber 30, and the inside of the chamber 30 can be evacuated or a specific gas can be supplied into the chamber 30 through the pipe 50.
[Overall structure of manufacturing equipment]
FIG. 3 shows the overall structure of the manufacturing apparatus.
Of the electrodes 42 and 44 provided in the chamber 30, the upper electrode 42 extends through the ceiling of the chamber 30 to the outside. An air cylinder 60 that can be moved up and down is disposed at the upper end of the upper electrode 12, and an operating piston 62 of the air cylinder 60 is connected to the upper electrode 12 to move the upper electrode 12 up and down.
[0016]
Between the upper end of the upper electrode 42 and the upper outer wall of the chamber 30, a bellows 32 made of elastic rubber or the like and having a bellows shape is attached. Even if there is a gap between the upper electrode 42 that moves up and down and the surrounding chamber 30, the bellows 32 ensures that the internal space of the chamber 30 is kept airtight.
A wiring 46 connected to a power source 48 is connected to the working piston 62 that is in contact with the upper electrode 42. The electric power supplied from the power supply 48 is supplied from the wiring 46 to the upper electrode 42 through the operation piston 62.
The lower end of the lower electrode 44 extends through the chamber 30 to the outside. An airtight holding member 36 such as an O-ring is disposed between the lower electrode 44 and the chamber 30. If the airtight holding member 36 has a slidable structure like an O-ring, the lower electrode 44 can be raised and lowered with respect to the chamber 30. If the hermetic holding material 36 has electrical insulation, electrical insulation between the lower electrode 44 and the chamber 30 can be achieved.
[0017]
Outside the chamber 30, a wiring 46 is connected to the lower electrode 44 through a connection member 49, and the wiring 46 is connected to a power supply 48. If the connecting member 49 has a mechanism for driving up and down as in the case of the upper electrode 42 described above, the lower electrode 44 can be moved up and down.
An insulating material 34 is provided in the middle of the side wall of the chamber 30 and is effective in ensuring insulation between the upper and lower electrodes 42 and 44.
A pipe 50 connected to the chamber 30 is connected to a vacuum pump 52 via a valve 51. The chamber 30 can be evacuated by operating the vacuum pump 52.
[0018]
Among the pipes 50, there are two branch pipes between the valve 51 and the vacuum pump 52, and each is connected to a nitrogen gas tank 54 and a hydrogen mixed gas tank 56 via a valve 53 or a valve 55. . Thereby, nitrogen gas or hydrogen mixed gas can be fed into the chamber 30.
The hydrogen mixed gas may be a gas consisting only of hydrogen or a mixed gas of hydrogen and nitrogen.
A heater 58 is wound around the outer periphery of the pipe 50 near the chamber 30. The gas flowing through the pipe 50 can be heated by operating the heater 58.
[0019]
[Basic manufacturing process]
A method of manufacturing a sealed contact device using the manufacturing apparatus described above will be described.
As shown in FIG. 3, the metal cap 20 and the metal base 10 are attached to the electrodes 42 and 44 in the chamber 30, respectively.
The valves 55 and 51 of the pipe 50 are opened, and the hydrogen mixed gas is supplied from the hydrogen mixed gas tank 56 to the chamber 30.
When the inside of the chamber 30 is in a hydrogen mixed gas atmosphere, the upper electrode 42 is lowered.
[0020]
As shown in FIG. 2, the flange portion 22 of the metal cap 20 and the outer peripheral frame portion 14 of the metal base 10 are sandwiched between the electrodes 42 and 44. When electricity is applied to the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 from the electrodes 42 and 44 while applying pressure between the electrodes 42 and 44, the contact surfaces of the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 are joined by resistance welding. The welding conditions such as the amount of current to be applied, the time, and the applied pressure are set in accordance with the material and shape of the member to be used, the required performance, and the like. Basically, it can be set in the same range as in ordinary resistance welding.
The inside of the chamber 30 is in a hydrogen mixed gas atmosphere, and the hydrogen mixed gas is also present on the joint surface between the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14, so that the oxide film on the joint surface is subjected to a reducing action and is highly welded. Strength can be obtained. As a result, the airtightness of the internal space of the metal base 10 and the metal cap 20 can be improved. The occurrence of defective products due to poor welding is reduced and the product yield is improved.
[0021]
The internal space sealed between the metal cap 20 and the metal base 10 is inevitably in a state in which the hydrogen mixed gas is sealed by welding the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14. The sealed contact device in which the hydrogen mixed gas is sealed exhibits an excellent contact function during use.
Since it is not necessary to provide the metal cap 20 and the metal base 10 with a special structure such as an air supply / exhaust hole, the structure of the parts is simplified and the cost of the parts is reduced.
Since the hydrogen mixed gas is sealed simultaneously with the welding of the metal cap 20 and the metal base 10, the work process is reduced and the processing cost is reduced. Since the sealing operation is performed in a state where the entire chamber 30 is in a hydrogen mixed gas atmosphere, the hydrogen mixed gas is reliably sealed in the internal space of the sealed contact device, and the manufacturing yield of the sealed contact device is improved.
[0022]
[Projection welding]
Projection welding can be employed for welding the flange portion 22 of the metal cap 20 and the outer peripheral frame portion 14 of the metal base 10.
As shown in FIG. 5 (a), a protrusion 16 serving as a projection (protrusion) is provided on the upper surface of the outer peripheral frame portion. The ridge 16 is arranged in an annular shape that extends continuously over the entire circumference of the outer peripheral frame portion 14. The cross-sectional shape of the protrusion 16 has a triangular shape with a sharp upper end. In order to process the protrusion 16 on the outer peripheral frame portion 14, press working, cutting, punching, or the like is employed.
[0023]
Similarly to the above-described embodiment, when the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 are energized with the electrodes 42 and 44 while being pressed, the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 are concentrated only on the ridge 16 portion in contact. A current flows through the flange portion 22, and the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 are welded by the same action as in ordinary projection welding. As shown in FIG. 4, the current to be energized shows a pattern in which the current value suddenly increases with the start of energization, and after the peak value Ip after tp time, the current value suddenly decreases.
As shown in FIG. 5 (b), the ridge 16 is melted and crushed, and the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 are brought into close contact with each other. The flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 are welded.
[0024]
The following conditions can be adopted as specific welding conditions for projection welding.
<Welding conditions>
Pressure: 24500N (2500kgf)
Current peak value Ip: 85 kA
Energizing time tp: 20 ms
By adopting the above-described projection welding, it is not necessary to use a clamp mechanism that applies a high pressure to the joint portion during welding to bring it into close contact. Airtight welding can be completed in a relatively short time.
[0025]
In the above embodiment, the ridge 16 is provided on the upper surface of the outer peripheral frame portion 14. However, the ridge 16 is provided on the lower surface of the flange portion 22, or the ridge 16 is provided on both the outer peripheral frame portion 14 and the flange portion 22. You can also keep it.
The arrangement structure of the projection is not limited to the above embodiment, and a technique adopted in normal projection welding can be applied.
[Welding with brazing material]
A brazing material can be used for welding the metal base 10 and the metal cap 20.
[0026]
As shown in FIG. 6, a thin sheet-like brazing material 70 is disposed between the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14. As the brazing material 70, a brazing material such as BAg8 defined in the JIS standard can be used.
When the upper and lower electrodes 42, 44 are energized while pressing the flange portion 22, the brazing material 70 and the outer peripheral frame portion 14, the brazing material 70 generates heat and melts by resistance heating, and the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 are connected. Weld.
When welding the joint portions directly, the materials themselves of the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 must be melted, so that they must be heated to a temperature higher than the melting temperature of the material, whereas welding using a brazing material Then, since the brazing filler metal 70 having a relatively low melting point is melted, welding can be performed even at a low temperature that does not melt the material of the joint portion itself.
[0027]
For example, when copper, aluminum, copper alloy or the like having good thermal conductivity is used as the material of the metal base 10 or the metal cap 20, in normal resistance welding or laser welding, the heat supplied to the joint at the time of welding is ambient. It is difficult to raise the temperature to a temperature at which the material melts at the joint, and welding is very difficult. However, if welding is performed through the brazing material described above, even such a highly heat-conductive material can easily and reliably achieve hermetic joining.
In addition, also in welding with a brazing material, the hydrogen mixed gas functions as a reducing gas for reducing the oxide film at the joint portion because the inside of the chamber 30 is in a hydrogen mixed gas atmosphere.
[0028]
In the above embodiment, the method of melting and joining the brazing material by resistance heating using the electrodes 42 and 44 has been described. However, the brazing material can be melted and welded by laser heating described later. In addition, it is possible to combine apparatuses and working conditions employed in welding or brazing techniques using ordinary brazing materials.
[Laser welding]
Instead of resistance welding using the electrodes 42 and 44, welding by laser irradiation can be employed.
As shown in FIG. 7A, the metal base 10 is placed on the mounting table 82 provided inside the chamber 30, and the metal cap 20 is put on the metal base 10.
[0029]
A clamp jig 84 that clamps the metal cap 20 and the metal base 10 by elastically applying a pressing force from above to below is disposed on the upper surface of the metal cap 20. Due to the pressing force of the clamping jig 84, the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 are brought into close contact with each other and pressed.
On the ceiling wall of the chamber 30, a laser emitting unit 80 connected by an optical fiber 81 is attached to a laser irradiation device (not shown). The portion where the laser emitting unit 80 penetrates the ceiling wall of the chamber 30 has an airtight structure.
[0030]
Laser light L is irradiated downward from the laser emitting unit 80 and hits the joint between the flange portion 22 of the metal cap 20 and the outer peripheral frame portion 14 of the metal base 10. The portion irradiated with the laser beam L is heated and heated. By setting the focal position of the laser beam L at the joint position between the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14, the laser energy is intensively supplied to the joint portion to efficiently heat the joint portion, It can be melted and welded.
In order to perform welding in a ring shape along the outer periphery of the metal cap 20, the irradiation position of the laser beam L is moved along the ring-shaped joint. The movement of the laser beam L can be achieved by mechanically moving the laser emitting unit 80. For example, in the case of a sealed contact device having a rectangular parallelepiped shape, a rectangular joint portion is disposed along the outer periphery of the metal cap 20, so that the laser emitting unit 80 that is linearly movable along each side of the joint portion. Should be placed. It is also possible to move one laser emitting unit 80 linearly and bent along the rectangular outline of the joint. The irradiation position can also be moved by changing the irradiation angle of the laser light L while the laser emitting unit 80 is fixed.
[0031]
The welding conditions in laser welding can be set as appropriate within the range employed in normal laser welding. For example, the following welding conditions can be employed.
<Welding conditions>
Laser type: Pulsed YAG
Energy: 15J / pulse
Number of repetitions: 10pps
Pulse width: 10 ms
Df: 0
Movement speed: 1mm / sec
If the laser welding described above is employed for joining the metal base 10 and the metal cap 20, a mechanism such as an electrode necessary for the resistance welding described above becomes unnecessary. By changing the irradiation path of the laser beam L in accordance with the arrangement structure of the joints to be welded, it is possible to relatively easily cope with sealed contact devices having different dimensional shapes.
[0032]
(Laser transmission part)
When performing laser welding, the entire laser irradiation apparatus can be installed outside the chamber 30.
As shown in FIG. 7B, the ceiling wall of the chamber 30 is constituted by a laser transmitting portion 86 made of a laser transmitting material such as glass. An airtight structure is provided between the laser transmitting portion 86 and the surrounding wall structure.
Laser light L emitted from a laser irradiation device (not shown) is irradiated from above the laser transmitting portion 86 into the chamber 30 through an optical system such as a lens and a mirror. The laser beam L irradiated into the chamber 30 is irradiated onto the joint between the metal base 10 and the metal cap 20 and laser welding is performed.
[0033]
Also in this method, the welding conditions for laser welding can be set in the same range as in ordinary laser welding. The specific conditions exemplified in the previous section can also be adopted.
In the above-described embodiment, the laser transmitting portion 86 is only provided in a part of the wall structure of the chamber 30, and other structural portions for laser irradiation may be installed outside the chamber 30. Equipment related to laser irradiation is simplified. The airtight structure of the chamber 30 is also simplified. Work such as inspection and maintenance of the laser irradiation device can be easily performed.
[Preheating of joints]
Welding can be performed after preheating the joint between the metal base 10 and the metal cap 20.
[0034]
The joint between the metal base 10 and the metal cap 20, specifically, the lower surface of the flange portion 22, the upper surface of the outer peripheral frame portion 14, and the vicinity thereof are heated to a preheating temperature of about 500 to 800 ° C. The hydrogen reduction reaction on the surface of the part easily occurs. When the hydrogen reduction reaction occurs favorably, the oxide on the surface of the joint can be efficiently removed and reduced. As a result, the welding strength is improved and a highly airtight joint is possible.
[Preheating of hydrogen mixed gas]
As a method for preheating the joint, a hydrogen mixed gas can be preheated.
[0035]
As shown in FIG. 3, when the heater 58 installed in the pipe 50 for supplying the hydrogen mixed gas into the chamber 30 is operated, the hydrogen mixed gas supplied into the chamber 30 is heated.
The heated hydrogen mixed gas is brought into contact with the metal base 10 and the metal cap 20 to raise the temperature. As a result, the joint between the metal base 10 and the metal cap 20 is preheated.
In this method, since the hydrogen mixed gas directly contacts and transfers heat to the joint to be welded, the heating efficiency is high and the preheating can be performed quickly.
[0036]
[Preheating by pre-energization]
When resistance welding or projection welding using the electrodes 42 and 44 is performed, preliminary joining can be performed to preheat the joint.
In normal welding, a current value or electric energy that generates energy sufficient to melt the materials to be joined is supplied.
On the other hand, in preliminary energization, energy lower than the energization energy at the time of welding described above is supplied to the joint. The material of the joint is heated by resistance heating and preheated. However, the joint is not melted.
[0037]
In this method, since only the vicinity of the interface of the joint that causes resistance heat generation is locally preheated, the heating efficiency is high and energy is not wasted. Since it is not necessary to provide a special mechanism or device for preheating, the facility is simple. Since the same operation as welding is performed only by changing the amount of energization, preheating work is simple. The transition from the preheating process to the welding process can be performed continuously, and the working time is shortened.
Specific examples of processing conditions for the preheating step are shown below.
<Preheating conditions>
Pressure: 24500N (2500kgf)
Current peak value Ip: 60 kA
Energizing time tp: 50 ms
It is also possible to combine the preheating of the hydrogen mixed gas and the preheating by preliminary energization as described above. Moreover, preheating by pre-energization can also be applied in the case of welding with a brazing material.
[0038]
[Preheating by laser irradiation]
The preheating of the joining portion described above can be performed by laser irradiation.
If the laser beam is irradiated onto the bonded portion with energy lower than the laser beam energy supplied when laser welding the bonded portion, the bonded portion is preheated.
The energy density at the irradiation position of the laser beam is highest at the focal position and becomes weaker as the distance from the focal position increases. Naturally, when performing welding, a focal position having a high energy density is arranged at or near the joint. By moving the focal position slightly upward or downward from the joint, the energy density supplied to the joint can be lowered and energy suitable for preheating can be supplied. The focal position of the laser beam can be easily changed by operating an optical system disposed in the irradiation path. Further, the energy supplied to the irradiation position can be weakened by increasing the moving speed of the laser beam or shortening the irradiation time at one place.
[0039]
Also in the case of preheating by laser irradiation, similarly to the preheating by the pre-energization described above, only the joint can be locally efficiently preheated, and the transition from the preheating process to the welding process can also be continuously performed. .
Specific examples of processing conditions for the preheating step are shown below.
<Preheating conditions>
Laser type: Pulsed YAG
Energy: 10J / pulse
Number of repetitions: 10pps
Pulse width: 10 ms
Df: + 10mm
Movement speed: 5mm / sec
Number of laps: 3 laps
The preheating method by laser irradiation described above can be used in combination with other preheating methods such as the preheating of the hydrogen mixed gas.
[0040]
[Thermal deformation of the joint]
With the above-described preheating, the joint portion can be thermally deformed to improve the adhesion or integrity of the joint portion.
As shown in FIG. 8A, the housing recess 15 is provided in the outer peripheral frame portion 14 of the metal base 10 slightly inside the outer peripheral edge portion. The flange portion 22 of the metal cap 20 is accommodated in the accommodating recess 15. The depth of the housing recess 15 is approximately the same as the thickness of the flange portion 22. The inner shape of the housing recess 15 is one turn larger than the outer shape of the flange portion 22.
[0041]
Therefore, when the metal cap 20 is disposed on the metal base 10, the flange portion 22 of the metal cap 20 is easily inserted into the housing recess 15 of the metal base 10. In addition, the metal cap 20 and the metal base 10 are substantially positioned by the engagement between the housing recess 15 and the flange portion 22.
The metal base 10 and the metal cap 20 having such a structure are preheated and welded by laser irradiation.
As shown in FIG. 8 (a), the laser beam L from above the flange portion 22 of the metal cap 20. 0 Irradiate. Laser light L in this case 0 Is a preheating laser beam L having a lower density of energy supplied to the joint than the laser beam L used for welding. 0 It is. In this case, the laser beam L 0 The focal position is set in a space slightly above the joint. The specific preheating conditions can employ the conditions exemplified in the previous section.
[0042]
Laser light L 0 The flange portion 22 irradiated with is heated and heated to cause thermal expansion. Not only the flange portion 22 but also the outer peripheral frame portion 14 of the metal base 10 below it is preheated. 0 The flange portion 22 to which is directly irradiated is heated more strongly than the outer peripheral frame portion 14, becomes a high temperature, and causes a large thermal expansion.
As shown in FIG. 8 (b), the flange portion 22 that is thermally expanded larger than the outer peripheral frame portion 14 extends to the outer peripheral side, and the outer peripheral end of the flange portion 22 is formed on the inner wall of the housing recess 15 of the outer peripheral frame portion 14. It comes into contact and is pressed strongly and comes into close contact.
[0043]
Thereafter, the laser beam L for welding is irradiated to the close contact portion between the outer peripheral end of the flange portion 22 and the inner wall of the housing recess 15. The close contact portion between the outer peripheral end of the flange portion 22 and the inner wall of the housing recess 15 is melted and joined. Specific welding conditions may be the same as those of the laser welding embodiments described in the previous section.
In this method, even if a large pressure is not applied between the metal cap 20 and the metal base 10 by the clamping jig 84 or the like, the outer peripheral end of the flange portion 22 that is a joint portion is accommodated by performing a preheating process. The inner wall of the recess 15 is in good contact with the inner wall, and good bonding can be achieved by welding.
[0044]
If a material having a smaller coefficient of thermal expansion than the material of the metal cap 20 is used for the outer peripheral frame portion 14 of the metal base 10, the difference in the amount of thermal expansion described above becomes large, and the adhesion between the flange portion 22 and the housing recess 15 is increased. Can be increased. Even if the mounting table 82 with which the outer peripheral frame portion 14 of the metal base 10 abuts is made of a material or structure having a good heat dissipation property so that the temperature of the outer peripheral frame portion 14 is not easily raised, the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14. The above-mentioned adhesion can be increased by increasing the difference in the amount of thermal expansion. Furthermore, if the outer peripheral frame portion 14 is positively cooled, the difference in thermal deformation amount between the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14 becomes larger, and the adhesion effect is further improved.
[0045]
[Vacuum exhaust in chamber]
The explosion-proof property can be improved by adding a step of evacuating the interior of the chamber 30 before making the chamber 30 into a hydrogen mixed gas atmosphere.
The explosion limit of hydrogen gas is a concentration of 4% to 75%. Therefore, it is effective in increasing the explosion-proof property to prevent the above-described hydrogen gas explosion from occurring in the process in which the inside of the chamber 30 is in a hydrogen mixed gas atmosphere.
In the step of supplying the hydrogen mixed gas into the chamber 30, there may be a gas such as the atmosphere in the chamber 30 at the start of the supply of the hydrogen mixed gas. By supplying the hydrogen mixed gas, the atmosphere and the like are expelled, and the concentration of the hydrogen mixed gas gradually increases. In this process, there is a possibility that the concentration of the hydrogen mixed gas falls within the explosion limit described above.
[0046]
Therefore, in the apparatus shown in FIG. 2, after the metal base 10 and the metal cap 20 are mounted in the chamber 30, the valve 51 is opened and the pump 52 is driven to evacuate the chamber 30. If the inside of the chamber 30 is in a vacuum state of, for example, a vacuum degree of 300 Torr or more, the pump 52 is stopped. The valve 55 is opened to supply the hydrogen mixed gas from the hydrogen mixed gas tank 56 to the chamber 30.
According to this method, since the hydrogen mixed gas is supplied after the inside of the chamber 30 is evacuated, the concentration of the hydrogen mixed gas in the chamber 30 can be prevented from entering the explosion limit. As a result, the explosion-proof property is enhanced.
[0047]
The embodiment of FIG. 2 is a case where resistance welding using the electrodes 42 and 44 is performed, but even when laser welding as shown in FIG. 7 is employed, a hydrogen mixed gas is used. In some cases, it is useful to go through the vacuum state described above.
[Nitrogen gas filling]
It is effective to fill the chamber 30 with nitrogen gas before the step of bringing the chamber 30 into a hydrogen mixed gas atmosphere or the step of bringing the chamber 30 into a vacuum state before that.
In the apparatus shown in FIG. 2, after the metal base 10 and the metal cap 20 are mounted in the chamber 30, the valves 51 and 53 are opened to supply nitrogen gas from the nitrogen gas tank 54 into the chamber 30. Nitrogen gas comes into contact with the metal base 10 and the metal cap 20, particularly the surfaces of the joints of the flange portion 22 and the outer peripheral frame portion 14, thereby removing moisture and adsorbed gas adhering to the surface. Also, moisture and adsorbed gas are removed from the surface of the contact component 100 mounted on the metal base 10.
[0048]
Moisture and adsorbed gas are factors that impair the welding strength and bondability at the joint, and by removing the moisture and adsorbed gas with nitrogen gas, the bonding performance and airtightness can be improved. By removing moisture and adsorbed gas from the surface of the contact component 100, it is possible to improve the contact switching characteristics when using the sealed contact device.
After moisture and adsorbed gas are removed by filling with nitrogen gas, the chamber 30 can be evacuated by closing the valve 53 and operating the pump 52. Furthermore, the valve 55 can be opened to fill the chamber 30 with the hydrogen mixed gas.
[0049]
[Evacuation and temperature rise]
It is effective to raise the temperature in the chamber 30 in the process of evacuating the chamber 30.
In the apparatus shown in FIG. 2, the chamber 30 is provided with heating means such as a heater.
When the inside of the chamber 30 is evacuated and heated, the moisture and adsorbed gas adhering to the surfaces of the metal base 10 and the metal cap 20 easily fall off from the adhering surfaces. Moisture and adsorbed gas are carried out of the chamber 30 together with the gas to be evacuated.
[0050]
As a result, as described above, it is possible to improve the welding performance by removing moisture and adsorbed gas and to improve the contact opening / closing performance when using the sealed contact device.
In addition, although the cleaning effect which removes a water | moisture content and adsorption gas increases so that temperature to raise is high, there exists a possibility of causing quality degradation of the contact component 100 grade | etc.,. Therefore, the temperature rise temperature is set in consideration of these conditions. Specifically, it is preferable to set in the range of 50 to 100 ° C.
In addition, if hydrogen gas is present in the chamber 30, the explosion-proof property is lowered by the temperature rise. If the degree of vacuum at the time of raising the temperature is set to 300 Torr or less, the explosion-proof property can be maintained well.
[0051]
【The invention's effect】
The method of manufacturing a sealed contact device according to the present invention includes sealing a hydrogen mixed gas simultaneously with hermetic welding by welding a joint between a metal cap and a metal base disposed in a chamber in a hydrogen mixed gas atmosphere. Is done.
As a result, the hermetic joining process can be reduced, the processing cost can be reduced, and the product yield can be improved. Since no air supply / exhaust hole is required in the part, the part cost is reduced. Due to the reducing action of the hydrogen gas mixture, good welding becomes possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of an embodiment of the present invention before assembly of a sealed contact device
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the basic structure of a manufacturing apparatus
FIG. 3 is a cross-sectional view showing the overall structure of the manufacturing apparatus
FIG. 4 is a graph showing changes in energization current
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a step-by-step process of projection welding
FIG. 6 is a cross-sectional view showing welding using a brazing material
FIG. 7 is a sectional view showing laser welding.
FIG. 8 is a sectional view showing a method for thermally deforming a welded portion.
[Explanation of symbols]
10 Metal base
12 Ceramic substrate
14 Outer frame
16 ridges
18 Melting part
20 Metal cap
22 Flange
30 chambers
32 Bellows
42, 44 electrodes
48 power supply
50 piping
52 Pump
54 Nitrogen gas tank
56 Hydrogen mixed gas tank
58 Heater
60 Air cylinder
70 Brazing material
80 Laser emission unit
84 Laser transmission part
100 contact parts
L Laser light

Claims (10)

金属べ一スと金属キャップとを接合してできる内部空間に接点を有し、接点の周囲の内部空間が水素混合ガスで充填された封止接点装置を製造する方法であって、
チャンバー内に金属キャップと金属べ一スとを配置する工程(a) と、
チャンバー内を水素混合ガス雰囲気にする工程(b) と、
水素混合ガス雰囲気中で金属キャップと金属べ一スとの接合部を溶接する工程(c) とを含み、
前記工程 (c) では、金属ベースと金属キャップとの何れか一方の接合部にプロジェクションを配置しておき、気密状態に維持されたチャンバー内で、金属ベースおよび金属キャップに対応する一対の電極のうち少なくとも一方を、金属ベースと金属キャップの接合部を互いに密着させる方向に移動させたあと、一対の電極に通電して接合部を溶接する、
ことを特徴とする封止接点装置の製造方法。
A method of manufacturing a sealed contact device having a contact in an internal space formed by joining a metal base and a metal cap, and the internal space around the contact filled with a hydrogen mixed gas,
Placing a metal cap and a metal base in the chamber (a);
A step (b) of making the inside of the chamber a hydrogen mixed gas atmosphere;
Look including the step (c) welding the joint portion between the metal cap and the metal base Ichisu hydrogen mixed gas atmosphere,
In the step (c) , a projection is arranged at any one of the joint portions of the metal base and the metal cap, and the pair of electrodes corresponding to the metal base and the metal cap is kept in a chamber maintained in an airtight state. At least one of them is moved in a direction in which the joint portion of the metal base and the metal cap is brought into close contact with each other, and then the joint portion is welded by energizing the pair of electrodes.
The manufacturing method of the sealing contact apparatus characterized by the above-mentioned .
請求項1に記載の方法において、前記工程(c) では、金属ベースと金属キャップとの接合部の間に、ろう材を介在させて溶接する封止接点装置の製造方法。The method according to claim 1, wherein the step (c), between the junction of the metal base and the metal cap, is interposed brazing material to welding, method for producing a sealed contact device. 請求項1または2に記載の方法において、前記工程(c) の前に、金属ベースと金属キャップとの接合部を予熱する工程(-c)をさらに含む封止接点装置の製造方法。 3. The method of manufacturing a sealed contact device according to claim 1, further comprising a step (-c) of preheating a joint portion between the metal base and the metal cap before the step (c). 請求項に記載の方法において、前記工程(-c)が、前記工程(b) で前記チャンバー内に予熱された水素混合ガスを充填することにより果たされる封止接点装置の製造方法。The method according to claim 3, wherein step (-c) is, the step (b) the played by filling a preheated hydrogen mixed gas into the chamber, the manufacturing method of the sealed contact device. 請求項に記載の方法において、前記工程(c) では、抵抗溶接で行われ、前記工程(-c)が、金属ベースと金属キャップとの接合部に予備通電して予熱する封止接点装置の製造方法。The method according to claim 3, wherein in step (c), carried out by resistance welding, wherein the step (-c) is preheated and pre-energized at the junction between the metal base and the metal cap, sealed contact Device manufacturing method. 請求項に記載の方法において、前記工程(-c)では、金属ベースと金属キャップとの接合部にレーザ照射して予熱する封止接点装置の製造方法。4. The method of manufacturing a sealed contact device according to claim 3 , wherein in the step (-c) , the joint between the metal base and the metal cap is preheated by laser irradiation. 請求項に記載の方法において、前記工程(-c)では、予熱に伴って、金属ベースと金属キャップとの接合部を熱変形させて密着させる封止接点装置の製造方法。7. The method of manufacturing a sealed contact device according to claim 6 , wherein, in the step (-c) , the joint between the metal base and the metal cap is thermally deformed and brought into close contact with the preheating. 請求項1〜の何れかに記載の方法において、前記工程(b) が、チャンバー内を真空状態にする工程(b-1) と、真空状態のチャンバー内に水素混合ガスを充填する工程(b-2) とを含む封止接点装置の製造方法。The method according to any one of claims 1 to 7 , wherein the step (b) includes a step (b-1) of bringing the chamber into a vacuum state, and a step of filling the vacuum chamber with a hydrogen mixed gas ( b-2) and a manufacturing method of a sealed contact device. 請求項に記載の方法において、前記工程(b) が、前記工程(b-1) の前に、チャンバー内を窒素ガス雰囲気にする工程(b-0) をさらに含む封止接点装置の製造方法。The method according to claim 8, wherein step (b), prior to the step (b-1), further comprising the step (b-0) to the chamber has a nitrogen gas atmosphere, the sealed contact device Production method. 請求項またはの何れかに記載の方法において、前記工程(b-1) でチャンバー内を昇温させる封止接点装置の製造方法。The method according to claim 8 or 9, wherein the step (b-1) raising the temperature of the chamber, the manufacturing method of the sealed contact device.
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