JP3872926B2 - Adsorption device for taking out goods - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばリンゴ、梨、トマト等の農産物を収容するトレイパックを、積み重ねられた状態から一枚ずつ分離して取り出すことのできる物品取出し用の吸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、物品を吸着して取出す装置としては、例えば実開平3−115212号公報、特公昭55−43876号公報あるいは実開昭55−175089号公報に開示されている。先ず、実開平3−115212号公報に開示の物品の吸着保持体(吸着装置Aという)は、吸着パッドの下端開口部に、非通気性のゴムスポンジ等を所定幅で環状に設けたものである。
【0003】
また、特公昭55−43876号公報に開示の重量物搬送用吸盤(吸着装置Bという)は、逆じょうご状の真空室の周囲に中空の加圧室を設け、加圧室に空気圧または水等の流体源と連結した取入口を設けると共に真空室を真空源に連結し、加圧室を圧入することによりその内圧と真空室の吸引力と相俟って、平面を持つ重量物を吸着するようにしたものである。さらに、実開昭55−175089号公報に開示の吸着筺(吸着装置Cという)は、吸着筺本体の下面側に取り付けられた多孔板の下面に、通気性のスポンジ板を設けたもので、タイル等の平板状の物品の吸着に適するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吸着装置Aにあっては、一般的に使用されている蛇腹式吸着盤の改良型であり、被吸着面の凹凸の差が比較的少ない物品や緩やかな物品(例えば筋状、イボ状、あるいは網目状の凹凸等を有する物品)で、かつ球状型の青果物等の物品の吸着保持には好適であるものの、被吸着面の凹凸の差が急激で大きな物品の場合には吸着ミスが生じ易いという問題点があった。すなわち、凹凸の差が大きく急激な物品かあるいは凹凸がある部分に集中しているような物品の場合、当該凹凸部分の段差が、環状ゴムスポンジの弾性変形及び撓み変形範囲内で吸収できないことがあり、環状ゴムスポンジが物品の被吸着面に確実に接触せず、吸着ミスが生じ易くなる。
【0005】
また、吸着装置Bにあっては、加圧室を形成するゴム等の弾性質の吸着壁を物品の被吸着面に吸着させる方式であるため、吸着壁の弾性変形及び撓み変形範囲内で、物品の被吸着面の凹凸を吸収することは難しい。さらに、吸着装置Cにあっても、スポンジの圧縮変形によって物品を吸着する方式であるため、スポンジの圧縮変形範囲内で、物品の被吸着面の凹凸を吸収することが難しい。したがって、これらの吸着装置B、Cにあっても、被吸着面の凹凸の段差が急激で大きな物品の場合には、吸着装置Aと同様の問題点を有していることになる。
【0006】
ところで、被吸着面の凹凸の段差が急激で大きく変化する物品の一例として、各種農産物の包装箱詰め時に使用される農産物収容用のトレイパックが上げられる。このトレイパックは、段差の大きな多数の凹部が所定の配列で隣設して形成されているもので、凹部の配列及びその形状、大きさは多種多様に設定されている。そして、このようなトレイパックに農産物を箱詰めする場合、一般的に、農産物の選別包装施設に設置されている箱詰めロボット等によって自動的に行われるが、この自動箱詰め時に多数枚積層されたトレイパック群から各トレイパックを一枚づつ取上げて箱詰め位置にセットする必要がある。
【0007】
このトレイパック群からの各トレイパックの取上げは、取上げ時に、特定の1種類のトレイパックを限定して、例えば前記吸着装置Aで、トレイパックの凹部の底部や平らな凸部に吸着パッドを接触させて吸着取上げることは可能である。しかし、多種多様の形態のトレイパックを取り扱う選別包装施設においては、凹部の配列及び形状、大きさに応じた多くの形状の吸着パッドを用意しなければならず、吸着装置Aでは、コスト、運営操作性及び配置スペース等の点において実用的でない。
【0008】
また、トレイパックは、その隣設する凹部間の仕切壁(立上がり壁)についても、その形状が外周縁部(上端面)と同一のもの、あるいは仕切壁の上部に凹みを有するものがある等、多種多様である。そのため、仕切壁がトレイパックの外周縁部と全て同一で、上方から平らな板等を伏せた時に空気漏れが生じ難いトレイパックの場合は、平面を持つ物品を取上げることを目的とした、前記吸着装置Aや吸着装置B等で吸着できる可能性は高い。しかし、仕切壁の高さが低かったり前記凹みを有するようなトレイパックの場合は、平らな吸着面に接触させるだけでは隙間ができるため、空気漏れが生じ易く前述した吸着装置B、C等での吸着は困難である。そこで、トレイパックの仕切壁の形状等に応じて、吸着装置B、C等を選択的に使い分けることも考えられるが、これも実際上困難であり汎用的でない。
【0009】
つまり、前記吸着装置Aにあっては、トレイパックの凹部の配列、形状等が多種多様にある場合に、この吸着装置Aを用いて各種形態のトレイパックを確実に吸着取上げることは困難であり、吸着装置Aがトレイパックの形態毎に専用化されて吸着装置A自体のコストアップを招くことになる。また、吸着装置Bや吸着装置Cにあっては、吸着壁やスポンジの圧縮変形に限度があることから、隣設する凹部の間の仕切壁の高さが様々あるトレイパックを安定して吸着することが難しい。また、吸着装置A〜Cで同一形状のトレイパックを吸着取上げたとしても、トレイパックの厚さが比較的薄いことから、吸着時にトレイパック全体の反りや曲がりが発生し易く、吸着ミスを一層招き易いという問題点があるのも実情である。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1記載の発明の目的は、物品の被吸着面が一定でなかったり凹凸の段差が急激なもの等であっても、シート状部材の被吸着面への密着性を高めて、物品を一枚ずつ確実に分離し得る物品取出し用の吸着装置を提供することにある。また、請求項2または3記載の発明の目的は、請求項1記載の発明の目的に加え、シート状部材の被吸着面への密着性をより高め得る物品取出し用の吸着装置を提供することにある。また、請求項4記載の発明の目的は、請求項1記載の発明の目的に加え、各種形状の物品に容易に対応して汎用性を向上させ得る物品取出し用の吸着装置を提供することにある。また、請求項5記載の発明の目的は、請求項1記載の発明の目的に加え、シート状部材の被吸着面への密着性をより一層高め得る物品取出し用の吸着装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、物品が複数枚積層された物品群から物品を一枚ずつ吸着して分離し取出す物品取出し用の吸着装置であって、中央部分に吸引装置に接続される吸引口が上下に貫通して設けられた平板状の基盤と、その内周縁部が吸引口の周囲全面に亘って固着され、その外周縁部が基盤の外周縁部に固着されると共に、基盤の下面側に弛みを持たせて張設されてその内側に内部空間を形成する柔軟なシート状部材と、該シート状部材の内面に配設されると共に複数の錘を有する錘部材と、を備えたことを特徴とする。この吸着装置を実施するために用いられるシート状部材は、厳密の意味での気体を通過させないという機能を必ずしも必要とするものではなく、物品を吸着保持し得る負圧が確保できるものであればよく、例えば各種の生地の繊維製品(布)や合成樹脂シート部材のいずれであってもよい。
【0012】
このように構成することにより、例えば基盤を下降させてその下面側に張設されてその内側に内部空間を形成するシート状部材を、物品の被吸着面に接触させて吸引装置を作動させると、基盤の下面側で吸引口の周囲全周に亘って設けられているシート状部材が、吸引口からの吸引作用で被吸着面の凹凸に沿いつつ吸引口方向に移動する。このシート状部材の移動により、柔軟で弛みを持って張設されたシート状部材が物品の被吸着面に馴染むが、この時、シート状部材の内面に配設されている錘部材がシート状部材を所定の張力で下方に引っ張っていることから、シート状部材を物品の被吸着面の凹凸形状に馴染ませつつ密着させるので、シート状部材と物品の被吸着面との密着性が高まる。このシート状部材の十分な密着によって、積み重ねられた物品が一枚ずつ確実に分離される。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、錘部材が、多数の錘を連結することによって鎖状に形成されて吸引口の外側に略環状に配設されていることを特徴とし、請求項3記載の発明は、錘部材の複数の錘が所定の間隔を有して吸引口の外側に略同心円状に配設されていることを特徴とする。このように構成することにより、錘部材が例えば鉛や金属片からなる多数の錘を鎖状に連結させて形成したり、複数の錘を所定間隔で略環状に配設することによって形成されることから、錘部材自体にシート状部材の変形に良好に追従する柔軟性が得られて、シート状部材の物品の被吸着面への密着性がより高まる。
【0015】
また、請求項4記載の発明は、錘部材の多数の錘が吸引口の外側に散乱状態で配設されていることを特徴とする。このように構成することにより、錘部材を形成する多数の錘が、吸引口の外側に散乱状態で配設されていることから、シート状部材の略全域を下方に所定の張力で引っ張ることができて、物品の被吸着面の形状に係わらず良好な密着性が得られると共に、各種物品の吸着に適用できその汎用性が向上する。また、請求項5記載の発明は、シート状部材には、前記内部空間内の空気を換気させる通気孔が設けられていることを特徴とする。このように構成することにより、吸引口からの吸引作用によるシート状部材の移動時に、通気孔から外気が導入されるため、この外気によってもシート状部材の移動がよりスムーズに行われ、シート状部材の被吸着面への密着性をより一層高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5は、本発明に係わる物品取出し用の吸着装置の一実施例を示し、図1がその一部破断した斜視図、図2が断面図、図3がその底面図、図4が農産物収容用のトレイパックの断面図、図5が吸引動作時の断面図である。
【0017】
図1〜図3において、吸着装置1は、鉄板等からなる平板状の基盤2を有し、この基盤2の下面2bには、スポンジ等からなる弾性体3を介して、柔軟なシート状部材4が取り付けられている。このシート状部材4は、各種の生地の繊維製品(例えばポリエスル繊維)や、合成樹脂シート(例えばポリエチレンシート)等の非通気性を有する薄いシートによって、比較的浅型の略袋状に形成されている。
【0018】
そして、シート状部材4は、その内周縁部4aが、基盤2と弾性体3の中心位置に設けた円形の吸引口5の開口全域に適宜の固着手段で固着されると共に、その外周縁部4bが、基盤2(及び弾性体3)の外周縁部に接着等の適宜の固着手段で固着されている。また、シート状部材4の内部には、鉛や金属片等の多数の錘6aを糸6bで連結することによって鎖状に形成された錘部材6が円環状に配設されており、この錘部材6は、シート状部材4の内面4cの所定位置に固定糸7で縫い付けられることによって該シート状部材4に一体化されている。
【0019】
これにより、シート状部材4は、基盤2の下面2b側(弾性体3の下面側)に、錘部材6の重量に対応した張力で引っ張られかつ所定の弛みを有する状態で固着されて、その内部には環状の内部空間8が形成されている。なお、錘部材6のシート状部材4の内面4cへの配設は縫い付けによる固着に限らず、例えば各錘6aを接着剤によって固着しても良いし、あるいはシート状部材4の内面4cに袋状の錘収容部を設け、この錘収容部内に糸6bで連結することなく各錘6aを単に挿入させて配設する等、適宜の構造を採用することができる。また、錘部材6として、金属製の鎖を用いることも勿論可能である。
【0020】
前記基盤2の上面2a側で吸引口5部分には、吸気管9の一端が接続され、この吸気管9の他端は、図示しない吸引装置に接続されている。この吸引装置の作動で吸引口5を介して、シート状部材4の外面4d(下面)と物品としてのトレイパック10の被吸着面10aとで形成される空間11(図5参照)が、後述する如く負圧になることによって、所定の弛みを有するシート状部材4がトレイパック10の被吸着面10aの形状に馴染みながら移動することになる。
【0021】
なお、シート状部材4の外周縁部4bと基盤2との固着部で、基盤2の対角線位置には内部空間8内の空気を換気させる通気孔12が設けられると共に、基盤2と弾性体3の適宜位置には、シート状部材4内にエアーを供給して強制的に膨らませ元の状態に復帰させる図示しないエアー送風口が設けられている。これらの通気孔12やエアー送風口は必ずしも必要ではなく、例えば通気孔12を省略し、内部空間8内の換気をシート状部材4自体の材質(所定の通気性)によって行うことも勿論可能であるし、シート状部材4の復帰をその自重で行うこともできる。
【0022】
また、前記吸引口5内には吸込防止機構13が設けられている。この吸込防止機構13は、吸気管9の下端に固定された支持板14と、この支持板14の下端に固定された金網15とで形成され、金網15の下面位置(支持板14の高さ)は、弾性体3の下面より若干上方に位置するように設定されている。この吸込防止機構13によって、板厚が薄く変形し易いトレイパック10等の吸引口5内への吸い込みが防止される。
【0023】
次に、この吸着装置1による農産物収容用のトレイパック10の吸着取出し動作について説明する。先ず、農産物収容用の一般的なトレイパック10は、図1及び図4に示すように、平面視直方体形状でその被吸着面10aには、多数の凹部16が所定の配列を有する如く発泡樹脂等で形成されている。このトレイパック10の隣設する凹部16間の仕切壁17(立上がり壁)には、凹部16内に収容された農産物の取出し等を容易にするための凹み17aがそれぞれ形成されると共に、凹部16間及び外周縁部には平坦部18が形成されている。このように形成されたトレイパック10は、上下のトレイパック10の凹部16部分を軽く嵌合させることで積層されて、図1に示すように、トレイパック群19を形成している。
【0024】
そして、このトレイパック群19から、最上段のトレイパック10を吸着装置1で吸着して取上げる(持ち上げる)場合、吸着装置1のシート状部材4が膨らみ下方に弛んだ状態で、吸着装置1(吸気管9及び基盤2)を下降させてシート状部材4の外面4dをトレイパック10の被吸着面10aに押し付ける。この時、シート状部材4は所定の張力で下方に弛んだ状態となっているため、シート状部材4がトレイパック10の被吸着面10aの平坦部18に収縮した状態で接触すると共に、凹部16や仕切壁17部分に所定圧(下降量に応じた圧力)で接触した状態となる。また、例えばトレイパック10の被吸着面10aの仕切壁17の凹み17a部分においては、被吸着面10aの凹凸の段差が急激に変化するため、シート状部材4とトレイパック10との間に多少の隙間を有する箇所も生じることになる。
【0025】
ところがこの隙間は、シート状部材4を被吸着面10aに押し付けた状態で吸引装置を作動させることによって塞がれる。すなわち、図5に示すように、吸気管9及び吸引口5を介して、シート状部材4の外面4dとトレイパック10の被吸着面10aで形成される空間11内が負圧となり、この負圧によって柔軟なシート状部材4が吸引口5方向に引っ張られて移動する。シート状部材4が吸引口5方向に移動すると、シート状部材4が柔軟であると共に、錘部材6で下方に所定の張力で引っ張られていることから、トレイパック10の被吸着面10aの凹凸の段差に沿ってシート状部材4が段差に馴染みつつ移動して、前記隙間がシート状部材4で塞がれることになる。
【0026】
この隙間が塞がれることによって空間11内が密閉された状態となり、所定の吸引圧でシート状部材4がトレイパック11の被吸着面10aの平坦部18、凹部16及び仕切壁17の凹み17a部分等の全域に密着する。この時、シート状部材4の内部に錘部材6が配設されていることから、この錘部材6が凹部16内にはまり込み、シート状部材4の被吸着面10aへの密着性が高まって、短時間に良好な密着状態が得られる。そして、この状態で吸着装置1が上昇することによって、最上段のトレイパック10が直下のトレイパック10から分離して取上げられる。
【0027】
なお、隙間が塞がれると空間11内が密閉状態となり、板厚の薄いトレイパック10が吸引口5内に吸い込まれ易くなる。しかし、この吸い込みは、吸引口5に設けた吸込防止機構13の金網15によって防止され、吸着時のトレイパック10の反り等の変形がなくなり、上下のトレイパック10の分離がスムーズとなる。また、シート状部材4の移動時に、シート状部材4の4隅の外周縁部4bに通気孔12を設けた場合は、この通気孔12から外気が導入されるため、この外気によってもシート状部材4の移動がよりスムーズに行われる。
【0028】
そして、この取上げられたトレイパック10は、例えば後述する選別包装施設22の所定位置まで移送された後に、吸引装置の作動を停止させることにより、シート状部材4がトレイパック10の被吸着面10aから離れ、トレイパック10が所定位置にセットされる。この時、吸引装置の停止で吸引口5からの吸引作用が停止すると、シート状部材4は、例えばその自重で垂れ下がって元の膨らんだ状態に復帰して再使用可能な状態となる。なお、シート状部材4の復帰は、前述したエアー送風口からの送風によってシート状部材4を強制的(かつ短時間に)膨らますことで行うこともできる。
【0029】
このように本発明の吸着装置1によれば、柔軟なシート状部材4を錘部材6で下方に所定の張力を付与させつつ弛ませた状態で設け、このシート状部材4を吸引作用によって吸引口5方向に移動させることにより、シート状部材4をトレイパック10の被吸着面10aの凹凸形状に馴染ませつつ密着させる。そのため、被吸着面10aの凹凸の段差が大きくかつ急激な形状のトレイパック10であっても、シート状部材4をその被吸着面10aに確実に密着させて取上げることができ、トレイパック10の形状に係わらず、一つの吸着装置1で各種形状のトレイパック10の取上げが可能になる。
【0030】
次に、前記吸着装置1を使用した農産物の選別包装施設の概略を図6〜図11に基づいて説明する。図6〜図9において、選別包装施設22は、供給されてくる農産物を選別するための選別コンベア23を有し、この選別コンベア23にはその搬送方向と直交する方向に2列対になった貯留集積コンベア24が複数列接続されている。そして、この各貯留集積コンベア24は、その上流側に排出装置25がそれぞれ配置されると共に、その下流側には箱詰め部26が設けられている。
【0031】
前記箱詰め部26は、吸着装置1が装着されたトレイパック供給装置27と、箱詰め装置28及び空箱供給装置29等で構成されている。トレパック供給装置27は、複数列の貯留集積コンベア24の下流側上方に1列状態で配置された、例えば18玉、20玉及び24玉の3種類のトレイパック10用の載置台30と、緩衝シート31用の載置台32を有し、この各載置台30、32の上方に吸着装置1が位置し得るように構成されている。なお、載置台30、32の一つの角部上方には、前記吸着装置1によるトレイパック10の取上げ前に、トレイパック10の上面端部を所定位置まで持ち上げる補助吸着装置33がそれぞれ配置されている。
【0032】
そして、吸着装置1は、トレイパック供給装置27に次のようにして取り付けられている。すなわち、図7に示すように、吸気管9の上端に支持杆34が連結され、この支持杆34の上部に軸受35が配置されると共に、支持杆34上部と軸受35には1対の平行アーム36a、36bの一端が連結されている。また、平行アーム36aの他端はモータ37に連結され、平行アーム36bの他端は支軸に連結され、さらに、モータ37や平行アーム36a、36bの他端が固定されるフレーム38は、そのガイド39がモータ41の回転で上下動するガイド杆40に係合している。
【0033】
これにより、モータ37が回転することにより、一対の平行アーム36a、36bが、図6に示す載置台30、32の位置と箱詰め位置S1との間で矢印イの如く水平面内で回動する。また、モータ41が回転することにより、フレーム38(すなわち一対の平行アーム36a、36b)が、カイド杆40に沿って図7の矢印ロ方向(Z方向)に上下動し、図6に示すモータ42が回転することにより、矢印ハ方向(Y方向)に移動する。
【0034】
前記箱詰め装置28は、所定数の吸着パッド45を有する箱詰めヘッド44を有し、この箱詰めヘッド44は、図9に示すモータ46が回転することによってY方向に移動すると共に、モータ47の回転によってZ方向に移動し、さらに図6に示すモータ48の回転によってX方向に移動可能に設けられている。この箱詰めヘッド44は、その吸着パッド45によって、貯留集積コンベア24の下流側に接続された搬送コンベア49の、箱詰め待機位置S2に待機しているトレイ50上の農産物Wを吸着して取上げる。そして、この農産物Wが、X方向前方に移動することによって、前記トレイパック供給装置27で取上げられ、箱詰め位置S1にセットされているトレイパック10の凹部16内に収容(箱詰め)される。
【0035】
前記空箱供給装置29は、図7に示すように、箱詰め装置28の反箱詰め位置S1側に設置された空箱降下装置51と、この空箱降下装置51の下端に連結され空箱52を箱詰め位置S1下方まで搬送する空箱搬送コンベア53と、この箱詰め位置S1下方まで搬送された空箱52を箱詰め位置S1まで上昇させる空箱上昇装置54等で構成されている。なお、空箱降下装置51には、例えば4種類の空箱52を供給する4列の配函コンベア55が接続されており、この配函コンベア55で搬送されてくる空箱52が、適宜に選択されて空箱降下装置51に供給される。
【0036】
なお、前記補助吸着装置33は、図7及び図8に示すエアーシリンダー57によって上下動する吸着パッド56と、図10及び図11に示す一対の抵抗部材58をそれぞれ有し、各吸着パッド56は、載置台30上のトレイパック10の角部端部の凹部16内に浸入して当接し得ると共に、載置台32上の緩衝シート31の角部端部に当接し得るように配置されている。また、抵抗部材58は、三角形状の5個の係合部59aを有する板体59をそれぞれ有し、トレイパック10の長手方向の両端部に所定の圧力で当接し得る位置に配置されている。
【0037】
ここで、この選別包装施設22における農産物Wと空箱52等の流れの概略について説明する。先ず、等階級等が判定(仕分け分類)された農産物Wは、仕分け分類に応じて対応する排出装置25が作動することによって、選別コンベア23から所定の貯留集積コンベア24上に供給されて貯留集積される。この貯留集積された農産物Wは、貯留集積コンベア24の下流側に接続された搬送コンベア49上に適宜に供給されて箱詰め待機位置S2で待機させられる。一方、4種類の空箱52は、造られた状態(上面が開けられた状態)で配函コンベア55で搬送されて、各空箱降下装置51の位置で停止させられて待機し、所定の空箱52が空箱降下装置51内に供給される。この空箱52は、空箱搬送コンベア53で搬送され、空箱上昇装置54によって2箇所の箱詰め位置S1にそれぞれセットされる。
【0038】
そして、所定の農産物Wが箱詰め待機位置S2に所定数待機され、箱詰め位置S1に空箱52がセットされたら、トレイパック供給装置27が作動して、前述したように、シート状部材4の吸着によって、所定のトレイパック群19の最上段のトレイパック10が取上げられる。この最上段のトレイパック10の取上げは次のようにして行われる。すなわち、先ず、図10に示すように、補助吸着装置33を作動させて、その吸着パッド56をトレイパック10の端部の凹部16内に位置させ、吸引装置を作動させて吸着パッド56を凹部16内面に密着(吸着)させる。
【0039】
この状態で、吸着パッド56を図10の実線で示す待機位置まで上昇させた後吸着を解除し、この吸着パッド56を吸着装置1の回動動作に支障のない退避位置(図10の二点鎖線の位置)までさらに上昇させる。そして、この吸着パッド56によってトレイパック10を吸着して上昇する時に、トレイパック10の端部が一方の抵抗部材58の係合部59aに当接して、最上段のトレイパック10が直下のトレイパック10と分離される。そして、係合部材58によって係合されて傾斜状態のトレイパック10は、図11に示すように、吸着装置1のシート状部材4が当接され、この吸着装置1で前述したように取上げられる。
【0040】
このようにして吸着装置1で取上げられたトレイパック10は、平行アーム36a、36bが回転することにより、箱詰め位置S1に移送され空箱52内に嵌装されてセットされる。この状態で、箱詰め装置28が作動して、その箱詰めヘッド44の吸着パッド45で、箱詰め待機位置S2に待機しているトレイ50上の農産物Wが所定数一括吸着されて取上げられ、箱詰め位置S1まで移動させられる。
【0041】
箱詰め位置S1まで移動させられた農産物Wは、箱詰めヘッド44の下降により、トレイパック10の凹部16内に例えば一列状態で収容され、この作業を所定回数繰り返すことにより、所定玉数の農産物Wがトレイパック10の各凹部16内にそれぞれ収容(箱詰め)される。1枚目のトレイパック10の全ての凹部16に農産物Wが箱詰めされたら、トレイパック供給装置27を作動させて、載置台32上に積層載置されている最上段の緩衝シート31を、吸着装置1のシート状部材4で吸着して取上げる。
【0042】
この緩衝シート31の吸着取上げも、シート状部材4のトレイパック10に対する作用と同様の作用によって取上げられ、この緩衝シート31が箱詰め位置S1まで移送されて、箱詰めされた空箱52内の農産物W上に載置される。そして、箱詰め形態が2段積みの場合は、この緩衝シート31上にさらに次のトレイパック10が積層されて農産物Wが箱詰めされ、所定段数箱詰めされた時点で箱詰め作業が終了する。この農産物Wが箱詰めされた包装箱は、製品搬送コンベアで下流側に搬送され、農産物Wが箱詰めされた包装箱が排出された箱詰め位置S1には、空箱供給装置29により次の空箱52が供給される。
【0043】
このように上記実施例の吸着装置1によれば、基盤2の吸引口5の下面2b外周に柔軟なシート状部材4を弛ませた状態で取り付けると共に、シート状部材4の内部に鎖状の錘部材6を配設しているため、シート状部材4に所定の張力を付与させつつ吸引装置の作動で吸引口5方向に移動させることができ、シート状部材4をトレイパック10の凹凸形状に馴染ませつつ被吸着面10aに密着させることができる。その結果、仕切壁17に凹み17aを有する凹凸の段差が大きく急激であるトレイパック10であっても、シート状部材4を被吸着面10aの全域に良好に吸着させることができて、最上段のトレイパック10を吸着ミスすることなく確実に取上げることができる。
【0044】
特に、シート状部材4の吸引による移動時に、シート状部材4が錘部材6で下方に所定の張力で引っ張られると共に、錘部材6が多数の錘6aを糸6bで連結することによって鎖状に形成されてシート状部材4の変形に追従し得る柔軟性を有していることから、錘部材6が凹部16内等に良好にはまり込み、シート状部材4の被吸着面10aへの密着性を高めることができて、トレイパック10の取上げをより短時間で確実に行うことが可能になる。
【0045】
また、シート状部材4が基盤2に所定厚さの弾性体3を介して取り付けられているため、この弾性体3の弾性変形により、トレイパック10の被吸着面10aの多少の凹凸を吸収することができ、シート状部材4のトレイパック10への吸着をよりスムーズに行うことができる。さらに、吸引口5に金網15を有する吸込防止機構13が設けられているため、比較的薄いトレイパック12や緩衝シート31の吸引による吸引口5内への吸い込みが確実に防止されて、吸着取上げ時のトレイパック10等の反りや変形が抑えられ、積層状態のトレイパック10の分離及び取上げをよりスムーズに行うことができる。
【0046】
これらのことから、この吸着装置1を農産物Wの選別包装施設22のトレイパック供給装置27に適用することにより、積層状態のトレイパック群19から最上段のトレイパック10を一枚づつ確実に分離して取上げて、箱詰め位置S1にセットすることができる。その結果、吸着取上げミスの発生頻度を従来の方式に比較して極めて小さくすることができて、農産物Wの箱詰め包装作業における作業効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0047】
また、吸着装置1のシート状部材4を、トレイパック10の被吸着面10aの凹凸形状に係わらず密着させることができるため、1台(1種類の)の吸着装置1で各種形態のトレイパック10や緩衝シート31を吸着して取上げることができ、各トレイパック10に応じて吸着装置1を一々用意する必要がなくなり、トレイパック供給装置27自体の構成を簡素化することができると共に、安価に形成することができる。さらに、柔軟なシート状部材4でトレイパック10の被吸着面10aとの隙間をできるだけ塞いだ状態で、吸引装置を作動させることができるため、吸引装置自体の吸引容量を過大なものとする必要がなくなり、必要最小限の容量で実現できて、より安価な吸着装置1(トレイパック供給装置27)が得られる。
【0048】
図12〜図15は、本発明に係わる吸着装置のそれぞれ他の実施例を示し、以下、上記実施例と同一部位には同一符号を付して説明する。先ず、図12及び図13に示す吸着装置1の特徴は、円環状の錘部材6を吸引口5の外側に複数条配設した点にある。すなわち、多数の錘6aを連結することによって鎖状に形成された長さが異なる例えば3種類の錘部材6を、吸引口5の外側に所定の間隔を有して円環状に配設する。
【0049】
この場合、各条の錘部材6はその各錘6aの重量(大きさ)等を全て同一としても良いし、各条毎に異ならせても良い。この実施例の吸着装置1においても、錘部材6によってシート状部材4の被吸着面10aへの密着性を高めることができて、上記実施例と同様の作用効果が得られる、また、複数条の錘部材6のうちの少なくとも一つを被吸着面10aの凹部16内に容易にはめ込むことができる等、被吸着面10aの形状により的確に対応し、シート状部材4のトレイパック10への密着性をより高めることができるという作用効果も得られる。
【0050】
また、図14に示す吸着装置1の特徴は、錘部材6を鎖状ではなく分割状態としてこれをシート状部材4の内面4cに所定の間隔を有して配設した点にある。この実施例の吸着装置1においても、錘部材6によってシート状部材4の被吸着面10aへの密着性を高めることができて、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。また、所定間隔で配設された錘部材6間に十分な柔軟性が得られて、被吸着面10aへの密着性がより高まると共に、予めトレイパック10の形状が特定化されている場合等に、例えば吸着し難い部分にのみ錘部材6を効果的に配設することができたり、シート状部材4の構成をより簡略化することができるという作用効果も得られる。
【0051】
さらに、図15に示す吸着装置1の特徴は、錘部材6を吸引口5の外側にランダムに配設した点にある。この錘部材6は、図12と同様、その重量や形状を全て同一に設定することもできるし異ならせることもでき、この実施例の吸着装置1においても、錘部材6でシート状部材4の被吸着面10aへの密着性を高めることができて、上記実施例と同様の作用効果が得られる。また、ランダムに配設された錘部材6により、シート状部材4の全域に所定の張力を容易に付与させることができると共に、各種形状の被吸着面10aに容易に対応することができて、その汎用性を向上させることができるという作用効果も得られる。
【0052】
なお、本発明に係わる吸着装置1は、上記した各実施例のそれぞれに限定されるものでもなく、各実施例を適宜に組み合わせて構成することもできるし、錘部材6の形状や配設状態も適宜に設定することができる。また、上記実施例においては、吸着して取上げる物品として、農産物収容用のトレイパック10や緩衝シート31を例にして説明したが、本発明に係わる吸着装置は、各種板材やシート材等の積み重ねられる各種物品の吸着取出しに適用することができる。さらに、上記実施例における基盤2の形状や吸引口5の大きさ及び形状、選別包装施設22、トレイパック供給装置27、箱詰め装置28及び空箱供給装置29の構成等も一例であって、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることはいうまでもない。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、その内周縁部が吸引口の周囲全面に亘って固着され、その外周縁部が基盤の外周縁部に固着されると共に、基盤の下面側に弛みを持たせて張設されてその内側に内部空間を形成する柔軟なシート状部材と、該シート状部材の内面に配設されると共に複数の錘を有する錘部材とを備えるため、吸引口からの吸引作用により、基盤の下面側に弛みを持たせて張設されてその内側に内部空間を形成する柔軟なシート状部材が吸引口方向に引っ張られて物品の被吸着面の凹凸形状に沿いつつ吸引口方向に移動すると、シート状部材がその内面に配設された錘部材の複数の錘で下方に所定の張力で引っ張られていることから、シート状部材が被吸着面の凹凸形状に馴染みつつ密着するので、被吸着面の凹凸の段差が大きくかつ急激な形状の物品であっても、シート状部材と物品の被吸着面との密着性を高めることができて、積み重ねられた物品を一枚ずつ確実に分離することができる。
【0054】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、錘部材が多数の錘を連結することによって鎖状に形成されて吸引口の外側に略環状に配設されているため、錘部材にシート状部材の変形に追従し得る所定の柔軟性を得ることができて、シート状部材の物品の被吸着面への密着性をより高めることができる。
【0055】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、錘部材が複数の錘を所定の間隔を有して吸引口の外側に略同心円状に配設されているため、錘部材自体に十分な柔軟性が得られ、シート状部材を錘部材で下方に引っ張りつつ錘部材をシート状部材の変形に良好に追従させることができて、シート状部材の物品の被吸着面への密着性をより高めることができる。
【0057】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、錘部材の多数の錘が吸引口の外側に散乱状態で配設されているため、シート状部材の略全域を下方に所定の張力で引っ張ることができ、物品の被吸着面の形状に係わらず良好な密着状態を得ることができると共に、各種形態の被吸着面に対応することができて、汎用性を向上させることができる。また、請求項5の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、シート状部材には、その内側の内部空間内の空気を換気させる通気孔が設けられているため、吸引口からの吸引作用によるシート状部材の移動時に、通気孔から外気が導入されるので、この外気によってもシート状部材の移動がよりスムーズに行われ、シート状部材の被吸着面への密着性をより一層高めることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる物品取出し用の吸着装置の一実施例を示す一部破断した斜視図
【図2】同その断面図
【図3】同底面図
【図4】同農産物収容用のトレイパックの断面図
【図5】同吸着装置の吸引動作時の断面図
【図6】同吸着装置を使用した農産物の選別包装施設の要部平面図
【図7】同図6のA−A線矢視図
【図8】同図6のB−B線矢視図
【図9】同図6のC−C線矢視図
【図10】同トレイパック供給装置の動作説明図
【図11】同トレイパック供給装置の他の動作説明図
【図12】本発明に係わる物品取出し用の吸着装置の他の実施例を示す断面図
【図13】同その底面図
【図14】本発明に係わる物品取出し用の吸着装置のさらに他の実施例を示す底面図
【図15】本発明に係わる物品取出し用の吸着装置のさらに他の実施例を示す底面図
【符号の説明】
1・・・・・・・・吸着装置
2・・・・・・・・基盤
3・・・・・・・・弾性体
4・・・・・・・・シート状部材
4a・・・・・・・内周縁部
4b・・・・・・・外周縁部
4c・・・・・・・内面
4d・・・・・・・外面
5・・・・・・・・吸引口
6・・・・・・・・錘部材
6a・・・・・・・錘
6b・・・・・・・糸
7・・・・・・・・固定糸
10・・・・・・・トレイパック
10a・・・・・・被吸着面
13・・・・・・・吸込防止機構
15・・・・・・・金網
16・・・・・・・凹部
17・・・・・・・仕切壁
17a・・・・・・凹み
19・・・・・・・トレイパック群
22・・・・・・・選別包装施設
27・・・・・・・トレイパック供給装置
28・・・・・・・箱詰め装置
29・・・・・・・空箱供給装置
33・・・・・・・補助吸着装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an adsorbing device for taking out articles, which can take out tray packs containing agricultural products such as apples, pears and tomatoes one by one from the stacked state.
[0002]
[Prior art]
Conventional apparatuses for adsorbing and taking out articles are disclosed in, for example, Japanese Utility Model Laid-Open No. 3-115212, Japanese Patent Publication No. 55-43876, or Japanese Utility Model Laid-Open No. 55-175089. First, an adsorbing holder (referred to as adsorbing device A) of an article disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 3-115212 is formed by providing a non-breathable rubber sponge or the like in an annular shape with a predetermined width at the lower end opening of an adsorbing pad. is there.
[0003]
In addition, the sucker for heavy object conveyance (referred to as adsorption device B) disclosed in Japanese Patent Publication No. 55-43876 is provided with a hollow pressurization chamber around a reverse funnel-shaped vacuum chamber, and air pressure or water is provided in the pressurization chamber. An intake port connected to the fluid source is provided, and the vacuum chamber is connected to the vacuum source. By press-fitting the pressurizing chamber, a heavy object having a flat surface is adsorbed in combination with the internal pressure and the suction force of the vacuum chamber. It is what I did. Furthermore, the suction cup (referred to as adsorption device C) disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 55-175089 is provided with a breathable sponge plate on the lower surface of a porous plate attached to the lower surface side of the suction cup body. It is suitable for adsorption of flat articles such as tiles.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the suction device A is an improved version of a commonly used bellows-type suction disk, and is an article having a relatively small difference in unevenness on the surface to be attracted or a loose article (for example, a streak shape or a wart shape). Or an article having mesh-like irregularities), and suitable for adsorbing and holding articles such as spherical fruits and vegetables. There was a problem that it was likely to occur. That is, in the case of an article with a large difference in unevenness or an article that is concentrated on a portion with unevenness, the unevenness of the unevenness portion may not be absorbed within the elastic deformation and deformation range of the annular rubber sponge. In addition, the annular rubber sponge does not surely come into contact with the surface to be adsorbed, and an adsorption error is likely to occur.
[0005]
Further, in the adsorption device B, since the elastic adsorption wall such as rubber forming the pressurizing chamber is adsorbed on the adsorption surface of the article, within the elastic deformation and deflection deformation range of the adsorption wall, It is difficult to absorb the unevenness of the surface to be adsorbed. Further, even in the adsorption device C, since the article is adsorbed by the compression deformation of the sponge, it is difficult to absorb the unevenness of the surface to be adsorbed within the compression deformation range of the sponge. Therefore, even in the suction devices B and C, when the article has an abrupt and large step on the suction surface, the same problem as that of the suction device A occurs.
[0006]
By the way, as an example of an article in which the unevenness of the surface to be adsorbed changes suddenly and greatly, a tray pack for accommodating agricultural products used when packing various agricultural products in a packaging box is raised. This tray pack is formed by adjoining a plurality of concave portions having large steps in a predetermined arrangement, and the arrangement, shape and size of the concave portions are set in various ways. When packaging agricultural products in such a tray pack, it is generally performed automatically by a boxing robot or the like installed in the agricultural product sorting and packaging facility. It is necessary to pick up each tray pack from the group one by one and set it in the boxing position.
[0007]
When picking up each tray pack from this tray pack group, at the time of picking up, a specific type of tray pack is limited. For example, with the suction device A, a suction pad is placed on the bottom of the concave portion of the tray pack or a flat convex portion. It is possible to pick up the material by contact. However, in a sorting and packaging facility that handles a wide variety of tray packs, it is necessary to prepare a number of suction pads according to the arrangement, shape, and size of the recesses. It is not practical in terms of operability and arrangement space.
[0008]
In addition, the tray pack has a partition wall (rising wall) between the adjacent recesses that has the same shape as the outer peripheral edge (upper end surface) or has a recess in the upper part of the partition wall. A wide variety. Therefore, in the case of a tray pack in which the partition wall is all the same as the outer peripheral edge of the tray pack and air leakage is difficult to occur when a flat plate or the like is turned down from above, the purpose is to pick up an article having a flat surface. The possibility of being adsorbed by the adsorption device A or the adsorption device B is high. However, in the case of a tray pack where the height of the partition wall is low or the dents are present, a gap is formed only by contacting the flat suction surface. Is difficult to adsorb. Therefore, it is conceivable to selectively use the adsorption devices B and C depending on the shape of the partition wall of the tray pack, but this is also practically difficult and not universal.
[0009]
That is, in the suction device A, when there are various arrangements, shapes, and the like of the concave portions of the tray pack, it is difficult to reliably pick up the various types of tray packs using the suction device A. The adsorption device A is dedicated for each form of tray pack, resulting in an increase in the cost of the adsorption device A itself. In addition, in the adsorption device B and the adsorption device C, because there is a limit to the compression deformation of the adsorption wall and sponge, it is possible to stably adsorb tray packs having various partition wall heights between adjacent recesses. Difficult to do. Further, even if the tray packs having the same shape are picked up by the suction devices A to C, since the thickness of the tray pack is relatively thin, the entire tray pack is likely to be warped or bent at the time of suction. There is also a problem that it is easy to invite.
[0010]
The present invention has been made in view of such circumstances, and the object of the invention of
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve this object, the invention described in
[0012]
By configuring in this way, for example, the base is lowered and its lower surface~ sideStretched onAn internal space is formed insideWhen the sheet-like member is brought into contact with the suction surface of the article and the suction device is operated, the baseSuction port on the bottom sideThe sheet-like member provided over the entire circumference of theFrom the suction portIt moves in the direction of the suction port while following the unevenness of the attracted surface by the suction action. By moving this sheet-like member,SlackThe sheet-like member stretched with a grip fits into the surface to which the article is adsorbed.surfaceThe weight member disposed in theDown at a predetermined tensionBecauseBecause the sheet-like member is closely attached to the uneven shape of the surface to be adsorbed,The adhesion between the sheet-like member and the surface to be adsorbed of the article is enhanced. The stacked articles are surely separated one by one by sufficient adhesion of the sheet-like members..
[0013]
The invention according to
[0015]
Claims4The described invention is characterized in that a large number of weights of the weight member are arranged in a scattered state outside the suction port. By configuring in this way, a large number of weights forming the weight member are arranged in a scattered state outside the suction port.DownIn addition to being able to be pulled with a predetermined tension, good adhesion can be obtained regardless of the shape of the surface to be adsorbed of the article, and it can be applied to the adsorption of various articles, thereby improving its versatility.The invention according to
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
1 to 5 show an embodiment of an adsorbing apparatus for taking out articles according to the present invention, FIG. 1 is a partially broken perspective view, FIG. 2 is a sectional view, FIG. 3 is a bottom view, and FIG. Is a cross-sectional view of a tray pack for accommodating agricultural products, and FIG. 5 is a cross-sectional view during a suction operation.
[0017]
1 to 3, the
[0018]
The sheet-
[0019]
Thereby, the sheet-
[0020]
One end of an
[0021]
In addition, a
[0022]
A
[0023]
Next, the operation of sucking and taking out the
[0024]
When the
[0025]
However, this gap is closed by operating the suction device in a state where the sheet-
[0026]
By closing the gap, the
[0027]
When the gap is closed, the
[0028]
Then, after the picked-up
[0029]
As described above, according to the
[0030]
Next, an outline of the agricultural product sorting and packaging facility using the
[0031]
The
[0032]
The
[0033]
As a result, when the
[0034]
The
[0035]
As shown in FIG. 7, the empty
[0036]
The
[0037]
Here, an outline of the flow of the agricultural products W and the
[0038]
Then, when a predetermined number of predetermined agricultural products W are waited at the boxing standby position S2 and the
[0039]
In this state, the
[0040]
The
[0041]
The agricultural products W moved to the boxing position S1 are accommodated, for example, in a row in the
[0042]
The suction pickup of the
[0043]
As described above, according to the
[0044]
In particular, when the sheet-
[0045]
Further, since the sheet-
[0046]
Therefore, by applying this
[0047]
Further, since the sheet-
[0048]
12 to 15 show other embodiments of the adsorption apparatus according to the present invention. Hereinafter, the same parts as those in the above-described embodiment will be described with the same reference numerals. First, the
[0049]
In this case, the
[0050]
Further, the
[0051]
Further, the
[0052]
In addition, the adsorption |
[0053]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the invention described in
[0054]
According to the invention described in
[0055]
According to the invention described in
[0057]
Claims4According to the described invention, in addition to the effect of the invention of the first aspect, since a large number of weights of the weight member are arranged in a scattered state outside the suction port, substantially the entire area of the sheet-like member is covered.DownIt can be pulled with a predetermined tension, and a good adhesion state can be obtained regardless of the shape of the surface to be adsorbed of the article. be able to. According to the invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially broken perspective view showing an embodiment of a suction device for taking out articles according to the present invention.
FIG. 2 is a sectional view thereof.
[Figure 3] Bottom view
FIG. 4 is a cross-sectional view of a tray pack for containing the agricultural product
FIG. 5 is a cross-sectional view of the suction device during suction operation
[Fig. 6] Plan view of the main part of the agricultural product sorting and packaging facility using the adsorption device.
7 is a view taken along the line AA in FIG.
FIG. 8 is a view taken along the line BB in FIG.
9 is a view taken along line CC in FIG. 6;
FIG. 10 is a diagram illustrating the operation of the tray pack supply device.
FIG. 11 is a diagram illustrating another operation of the tray pack supply device.
FIG. 12 is a cross-sectional view showing another embodiment of an adsorbing device for taking out articles according to the present invention.
FIG. 13 is a bottom view thereof.
FIG. 14 is a bottom view showing still another embodiment of the suction device for taking out articles according to the present invention.
FIG. 15 is a bottom view showing still another embodiment of a suction device for taking out articles according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 ... Adsorption device
2 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Base
3 ... Elastic body
4 ... Sheet-like member
4a ... Inner peripheral edge
4b .... Outer peripheral edge
4c ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Inside
4d .... Outer surface
5 ... Suction port
6 ... Weight member
6a ・ ・ ・ ・ ・ Weight
6b ... thread
7 ... Fixing thread
10 ... Tray pack
10a ... Adsorbed surface
13 .... Suction prevention mechanism
15 ..... Wire mesh
16 .... Recess
17 ...... Partition wall
17a .... Dent
19 ... Tray pack group
22 ···· Sorting and packaging facility
27 ... Tray pack supply device
28 ..... Boxing equipment
29 .... Empty box feeder
33 .... Auxiliary adsorption device
Claims (5)
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