JP3864336B2

JP3864336B2 - Skin material for automobile doors

Info

Publication number: JP3864336B2
Application number: JP2002347215A
Authority: JP
Inventors: 晴英川井; 哲生野寺
Original assignee: Okamoto Industries Inc
Current assignee: Okamoto Industries Inc
Priority date: 2001-12-06
Filing date: 2002-11-29
Publication date: 2006-12-27
Anticipated expiration: 2022-11-29
Also published as: JP2003231783A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の脂肪による膨潤性を改善した自動車のドア部用表皮材関する。
【０００２】
【従来技術】
近年、インストルメントパネル、ドア表皮材、天井、座席レザーなどの自動車の内装材、或はソファーなどの家具用に、ポリ塩化ビニルに代えてオレフィン系熱可塑性エラストマーが用いられている。オレフィン系熱可塑性エラストマーは、成形加工性がよく、特にカレンダー成形が可能であり、また真空成形が可能であることから多用されている。
【０００３】
オレフィン系熱可塑性エラストマーの一種に部分架橋ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマーがある。この部分架橋ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマーは、オレフィン系ゴム（ジエン系共重合体など）とポリオレフィン系樹脂と場合によりプロセスオイル加えた混合物を有機過酸化物の存在下で動的架橋により架橋したエラストマーである。このときポリオレフィン系樹脂とプロセスオイルは基本的には架橋反応に関与せず、そのままの状態でオレフィン系熱可塑性エラストマー中に存在する。すなわち、部分架橋ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマーは、架橋オレフィン系ゴムとポリオレフィン樹脂と、場合によりプロセスオイルとの混合物である。
【０００４】
そして、上記の部分架橋ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマー中のオレフィン系ゴムは部分架橋されたオレフィン系ゴムであるため、完全架橋されたオレフィン系ゴムを含むオレフィン系熱可塑性エラストマーに比べ、エンボス模様の転写性が高いと言う装飾シートの重要な要件を備えている反面、耐油性に劣り、鉱物油や油脂類によって膨潤しやすい短所がある。そのため、自動車内装材に用いた場合、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマーを素材とするドア表皮材に人体が触れると、人体から分泌する脂肪や化粧料中の油性物質がドア表皮材に付着し、その表面を膨潤させ、しわができたり、膨れたりして美観を損ねる問題点がある。特に発泡材をラミネートした表皮材はこの傾向が著しく、発泡倍率が高い例えば２５倍以上に発泡させた発泡材をラミネートさせた表皮材に殊更に著しい。
【０００５】
また、部分架橋オレフィン系ゴムの耐油性はプロセスオイルを添加することにより改善されることが知られているが、プロセスオイルを増量すると部分架橋ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマーのカレンダー成形性、真空成形性、強度などが悪化する。また、このオレフィン系熱可塑性エラストマーのシートの裏面に軟らかな発泡（フォーム）材を積層した積層物においては、プロセスオイルの添加量が増加すると、シワが深く入り、外観を異常に損ねる現象を生じる。この現象は、特に、発泡倍率２０倍以上のポリオレフィン又はポリウレタン発泡材を使用したときに甚だしい。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、部分架橋ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマーの鉱物油や油脂類による膨潤性を改善したエンボス模様の転写性が良い耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の層、及び発泡体の層からなる自動車のドア部用表皮材を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく種々検討した結果、部分架橋ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマー組成部について、部分架橋オレフィン系ゴムの含有量及びプロセスオイルの含有量並びに該プロセスオイルと該部分架橋オレフィン系ゴムとの差を特定量にすること、またアイソタクチックポリプロピレン、無機物質を配合することによって、人体から分泌される脂肪に対する耐油性を向上させ、カレンダー成型性を良くし、プロセスオイルを増量したときの支障を解消しえることを見出し、本発明を完成した。
【０００８】
すなわち、本発明は、（Ａ）部分架橋ブレンド型ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーにポリプロピレン及び無機物質を配合したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、該組成物は部分架橋オレフィン系ゴム１４〜３０重量％、プロセスオイル１０〜４０重量％、アイソタクチックポリプロピレン５〜３０重量％及び無機物質１〜２０重量％を含み、且つ上記のエラストマー組成物中の部分架橋オレフィン系ゴムの量が１４重量％〜２０重量％未満のときは、プロセスオイルの量と部分架橋オレフィン系ゴムの量との差〔プロセスオイルの量−部分架橋オレフィン系ゴムの量〕が−７〜０重量％であり、上記のエラストマー組成物中の部分架橋オレフィン系ゴムの量が２０重量％〜３０重量％のときは、プロセスオイルの量と部分架橋オレフィン系ゴムの量との差〔プロセスオイルの量−部分架橋オレフィン系ゴムの量〕が−４〜０重量％であるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の層、及び（Ｂ）発泡体の層からなる自動車のドア部用表皮材である。
【０００９】
また、本発明は、上記のの自動車のドア用表皮材において、そのオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の層の表面に、シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン層を設けてなる自動車のドア部用表皮材である。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる（Ａ）部分架橋ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマーは、オレフィン系ゴムとポリオレフィン系樹脂と場合によりプロセスオイル加えた混合物を有機過酸化物の存在下で動的架橋により部分架橋したエラストマーである。これは、例えば、ジエン系共重合体とポリオレフィン系樹脂の混合物を、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどの有機パーオキサイドの存在下に動的に熱処理して（例えば、溶融状態で混練して）部分的に架橋することにより得られる。このとき、必要に応じてプロセスオイルを加える。このオレフィン系熱可塑性エラストマーは、部分架橋オレフィン系ゴムとポリオレフィン樹脂と、場合によりプロセスオイルとの混合物である。プロセスオイルはオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を調製するときに配合してもよい。この架橋ブレンド型ポリオレフィン系エラストマーは市販品としては、例えば三井化学（株）製のミラストマー（商標名）などがある。
【００１１】
上記の部分架橋オレフィン系ゴムの原料であるオレフィン系ゴムはジエン系共重合体が好ましい。ジエン系共重合体としては、エチレンと他のαオレフィン（例えばプロピレン、１−ブテン、４−メチル−１−ペンテン、１−ヘキセン、１−オクテン、１−デセンなど）との共重合体に２−エチリデン−５−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ブタジエン、イソプレンなどのジエンを共重合させたもので、例えばエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−メチレンノルボネン共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロオクタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。
【００１２】
また、上記の架橋反応時に配合するポリオレフィン系樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン又はプロピレンと他の少量のαオレフィン（例えば１−ブテン、４−メチル−１−ペンテン、１−ヘキセン、１−オクテン、１−デセンなど）とのランダム共重合体などが挙げられる。プロピレンのランダムコポリマー（ランダムポリプロピレン）が好ましく使用される。また、上記のプロセスオイルとしては、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、芳香族系鉱油などが挙げられるが、パラフィン系鉱油が部分架橋オレフィン系ゴムやポリオレフィン系樹脂との相溶性の良さの点から好ましい。
【００１３】
部分架橋されたオレフィン系ゴムの配合割合が１４重量％未満であるとオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は硬くて実用的でなく、また３０重量％を超えるとオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の油性物質に対する膨潤性改良が充分でない。また、プロセスオイルの配合割合が１０重量％未満であるとオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の油性物質に対する膨潤性改良が充分でなく、また４０重量％を越えるとオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の強度が低下する。プロセスオイルの配合量は、部分架橋オレフィン系ゴムを合成する時に配合した量とその後のエラストマー組成物の調製時に配合したプロセスオイルとの合計量である。
【００１４】
そして、本発明では、エラストマー組成物中の部分架橋オレフィン系ゴムの量が１４重量％〜２０重量％未満のときは、プロセスオイルの量と部分架橋オレフィン系ゴムの量との差〔プロセスオイルの量−部分架橋オレフィン系ゴムの量〕が−７〜０重量％になるように調整し、またエラストマー組成物中の部分架橋オレフィン系ゴムの量が２０重量％〜３０重量％のときは、プロセスオイルの量と部分架橋オレフィン系ゴムの量との差〔プロセスオイルの量−部分架橋オレフィン系ゴムの量〕が−４〜０重量％になるように調整する。組成物中のプロセスオイルの量と部分架橋オレフィン系ゴムの量との差〔プロセスオイルの量−部分架橋オレフィン系ゴムの量〕が−４重量％未満或は−７重量％未満であると十分な耐油性、すなわち油性物質に対する膨潤性改良が十分に得られなく、０重量％を超えるとロールへの粘着が生じドローダウンが大きくなり、好ましくない。
【００１５】
本発明において、部分架橋ブレンド型ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーに配合するポリプロピレンは特に限定されないが、最終的にエラストマー組成物中にアイソタクチックポリプロピレンが５〜３０重量％存在するように調整する。すなわち、部分架橋ブレンド型ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造時にポリオレフィン系樹脂としてアイソタクチックポリプロピレンを用いていない場合は上記した量をエラストマーに配合する。また部分架橋ブレンド型ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造時にポリオレフィン系樹脂としてアイソタクチックポリプロピレンを用いた場合は、その使用量を勘案してエラストマーへの配合量を決める。アイソタクチックポリプロピレンの配合割合が５重量％未満であると上述の支障を抑えることができなく、また３０重量％を越えるとオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は硬くて実用的でない。なお、アイソタクチックポリプロピレンの融点はカレンダー加工温度付近にあるため、１５重量％以上配合するとカレンダー加工性が悪くなる。そのため、脂肪酸金属塩（例えばステアリン酸亜鉛など）及び／又はリン酸エステル（例えばトリアルキルホスフェートなど）を０．０１〜１重量％配合するのが好ましい。
【００１６】
また、上記の無機物質は例えばタルク、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタンなどの粉末であり、特にタルクが好ましい。タルクとしては限定はなく通常の含水珪酸マグネシウム粉末が好ましく用いられる。これらの配合割合が１重量％未満では上記の支障を抑えることができなく、２０重量％を越えるとカレンダー加工性が悪化する。無機物質の添加によるカレンダー加工性が低下するが、殊にタルクと炭酸カルシウムを併用することによりカレンダー加工性を一層向上させることができる。
【００１７】
また、本発明の部分架橋オレフィン系ゴムとパラフィンオイルとアイソタクチックポリプロピレンと無機物質とを含む上記のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に、アイソタクチックポリプロピレンと融点の異なるオレフィン系樹脂を添加配合することにより、カレンダー加工適性を上げることができ、成形性、カレンダー加工性を向上させることができる。例えば、融点１６０℃程度のアイソタクチックポリプロピレンに対し、融点１４０℃程度のランダムポリプロピレン、融点１２０℃程度のポリエチレンを添加配合することによって、耐油性を保持したまま、カレンダー加工性を向上させることができる。これらを配合したときのオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の配合割合は、例えば、部分架橋オレフィン系ゴム１４〜３０重量％、プロセスオイル１０〜４０重量％、アイソタクチックポリプロピレン５〜３０重量％、無機物質１〜２０重量％、ランダムポリプロピレン５〜２５重量％、ポリエチレン５〜２０重量％である。
【００１８】
本発明の耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じてフェノール系やリン系などの酸化防止剤、ヒンダードアミン系などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、無機充填剤等の各種添加剤を添加してもよい。この種の添加剤はオレフィン系樹脂に対して使用される既知のものが好ましく使用される。
【００１９】
本発明の耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、押出成形又はカレンダー成形などによって、シートやフィルムに成形できる。多品種少量生産にむくカレンダー成形によるのが好ましい。このシートは、ドアやインストルメントパネル等の自動車内装材などに用いる装飾シートとして適する。
【００２０】
上記の（Ａ）耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の層に、（Ｂ）発泡体の層を積層して本発明の自動車のドア部用表皮材を得る。発泡体としては、ポリウレタン発泡体、ポリオレフィン発泡体などが好ましく用いられる。これらの発泡体を用いる場合は、接着剤を使用しなくても加熱加圧によって積層できる利点がある。また、発泡体が樹脂層と同一系統の素材でない場合はリサイクルには粉砕、分離等の操作が必要となるが同一系統の場合はこの操作が不要であるから、発泡体はオレフィン系熱可塑性エラストマーと同一系統のものが好ましい。
【００２１】
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の層を発泡体層に積層するには、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を押出成形又はカレンダー成形などでシートに成形して発泡体層に積層する。オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物をカレンダーでシーティングし発泡体層に直接熱ラミネートしてもよいし、発泡体層の表面に例えばウレタン系接着剤や変性エチレン−酢酸ビニル共重合体の水性エマルジョン型接着剤を塗布した後に熱ラミネートしてもよい。発泡体層がポリプロピレンの場合は直接熱ラミネートで良好に積層できる。
【００２２】
上記の如くして製造した装飾シートの表面に、シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタンの表面層を設けることによって、耐油性が更に向上し、また耐摩耗性も向上する。そして、シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン表面層は、シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン塗料を塗布して形成させる。特に、装飾シートの表面にシリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン表面層を設け、その裏面にポリプロピレン発泡体層を設けたものはドアやインストルメントパネル等の自動車内装材などに用いる表皮材に適する。このシリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン塗料は、オルガノポリシロキサン骨格を含有するポリカーボネイト系ポリウレタン樹脂を素材にする塗料である。シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は種々の方法で製造したものが用いられる。
【００２３】
シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、例えば、アミノ基を導入したアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ基を導入したエポキシ変性シリコーンオイル、水酸基を導入したアルコール変性シリコーンオイル、カルボキシル基を導入したカルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト基を導入したメルカプト変性シリコーンオイルなどの変性シリコーン化合物と有機ポリイソシアネートとを、反応生成物中にイソシアネート基が含有されるような割合で反応させて、分子中にオルガノポリシロキサン骨格を有し且つ１個以上のイソシアネート基を有する反応生成物を製造し、この反応生成物を単独で或は他の有機ポリイソシアネートと併用してポリカーボネートポリオールと反応させて、分子中にオルガノポリシロキサン骨格を含有するポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を製造する。
【００２４】
【実施例】
実施例１〜４及び比較例１〜３
表１に示す実施例１〜４及び比較例１〜３の組成の配合物（重量部）を、それぞれカレンダーで厚さ０．７ｍｍのシートに成形し、絞押しした。その表面にシリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン塗料を塗布し、加熱乾燥して、表面処理した。その裏面に２５倍発泡の厚さ２ｍｍの電子線照射架橋ポリプロピレン発泡体を加熱加圧によってラミネートした。このラミネートを基材と共に真空成形して自動車のドア表皮材を製造した。全ての例において、カレンダー加工、絞加工は良好に行なえた。
【００２１】
表１において、部分架橋ブレンド型ＴＰＯ（部分架橋ブレンド型ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー）は、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム（ＥＰＤＭ）４８重量％とランダムポリプロピレン２０重量％とパラフィンオイル３２重量％とを動的に部分架橋させたものである。また直鎖状低密度ポリエチレンはメタロセン触媒を用いて重合させたものである。また、「成分の配合比率」の欄は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中に占める各成分の割合を示す。また無機物質粉末の量は、タルク粉末と炭酸カルシウム粉末と顔料中に４３重量％含まれる酸化チタンなどの無機物質粉末との合計量である。
【００２２】
得られた実施例１〜４及び比較例１〜３の自動車用ドア表皮材について耐油性を調べた。その結果を合わせて表１に示す。耐油性は、流動パラフィン１．５ｇを１０ｃｍ×１０ｃｍの面積に塗布し、８０℃で４８時間放置し、その外観を目視で調べ、評価した。評価は、３級：シワなし、２級：浅いシワあり、１級：深いシワあり、を表す。
【００２３】
【表１】

【００２４】
【発明の効果】
本発明の自動車のドア部用表皮材は、手の脂肪や化粧品の油脂が付着しても膨潤することがないので表皮材の外観を損ねることがない。 [0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a skin material for a door part of an automobile, which has improved swelling property due to fat of a human body .
[0002]
[Prior art]
In recent years, olefin-based thermoplastic elastomers have been used in place of polyvinyl chloride for automobile interior materials such as instrument panels, door skin materials, ceilings, seat leather, and furniture such as sofas. Olefin-based thermoplastic elastomers are widely used because they have good moldability, in particular, can be calendered and can be vacuum-formed.
[0003]
One type of olefinic thermoplastic elastomer is a partially crosslinked blend type olefinic thermoplastic elastomer. This partially cross-linked blend type olefinic thermoplastic elastomer is obtained by cross-linking a mixture of an olefinic rubber (such as a diene copolymer) and a polyolefinic resin and optionally a process oil by dynamic crosslinking in the presence of an organic peroxide. It is an elastomer. At this time, the polyolefin-based resin and the process oil basically do not participate in the crosslinking reaction and exist in the olefin-based thermoplastic elastomer as they are. That is, the partially crosslinked blend type olefinic thermoplastic elastomer is a mixture of a crosslinked olefinic rubber, a polyolefin resin, and optionally a process oil.
[0004]
Since the olefin rubber in the partially crosslinked blend type olefin thermoplastic elastomer is a partially crosslinked olefin rubber, it has an embossed pattern as compared with an olefin thermoplastic elastomer containing a completely crosslinked olefin rubber. While it has the important requirement of a decorative sheet that has high transferability, it has poor oil resistance and has the disadvantage of being easily swelled by mineral oils and fats. Therefore, when used for automobile interior materials, for example, when the human body touches the door skin material made of olefinic thermoplastic elastomer, fat secreted from the human body and oily substances in cosmetics adhere to the door skin material, There is a problem that the surface is swollen and wrinkled or swollen, which impairs the beauty. In particular, this tendency is remarkable in the skin material laminated with the foam material, and it is particularly remarkable in the skin material in which the foam material having a foaming ratio of, for example, 25 times or more is laminated.
[0005]
In addition, it is known that the oil resistance of partially crosslinked olefinic rubber is improved by adding process oil. However, when the amount of process oil is increased, calenderability and vacuum forming of partially crosslinked blended olefinic thermoplastic elastomer. Properties and strength deteriorate. In addition, in a laminate in which a soft foam (foam) material is laminated on the back side of the sheet of this olefinic thermoplastic elastomer, when the amount of process oil added increases, wrinkles deeply enter and a phenomenon that abnormally deteriorates the appearance occurs. . This phenomenon is particularly serious when a polyolefin or polyurethane foam having an expansion ratio of 20 times or more is used.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and is an oil-resistant olefin-based thermoplastic elastomer composition having a good embossed pattern transferability and improved swelling properties of partially crosslinked blend-type olefin-based thermoplastic elastomers by mineral oils and fats and oils. An object of the present invention is to provide a skin material for a door portion of an automobile comprising a layer of an object and a layer of a foam .
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of various studies to solve the above-mentioned problems, the present inventor has found that the partially crosslinked olefinic thermoplastic elastomer composition part has a partially crosslinked olefinic rubber content, a process oil content, and the process oil and the By making the difference from the partially cross-linked olefin rubber a specific amount, and by blending isotactic polypropylene and inorganic substances, the oil resistance to fat secreted from the human body is improved and the calendar moldability is improved. The present invention has been completed by finding out that the problem of increasing the amount of oil can be solved.
[0008]
That is, the present invention provides (A) an olefinic thermoplastic elastomer composition in which polypropylene and an inorganic substance are blended with a partially crosslinked blend type polyolefinic thermoplastic elastomer, and the composition comprises 14 to 30 parts by weight of a partially crosslinked olefinic rubber. %, Process oil 10 to 40% by weight, isotactic polypropylene 5 to 30% by weight and inorganic substance 1 to 20% by weight, and the amount of the partially crosslinked olefinic rubber in the elastomer composition is 14% by weight to When the amount is less than 20% by weight, the difference between the amount of the process oil and the amount of the partially crosslinked olefinic rubber [the amount of the process oil−the amount of the partially crosslinked olefinic rubber] is −7 to 0% by weight. When the amount of the partially crosslinked olefin rubber in the composition is 20% by weight to 30% by weight, A layer of an olefinic thermoplastic elastomer composition having a difference from the amount of the partially crosslinked olefinic rubber [amount of process oil−amount of partially crosslinked olefinic rubber] of −4 to 0% by weight , and (B) the foam It is the skin material for the door part of the automobile which consists of layers .
[0009]
The present invention also provides an automobile door skin material, wherein a silicone-modified polycarbonate polyurethane layer is provided on the surface of the olefinic thermoplastic elastomer composition layer in the automobile door skin material described above. .
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(A) Partially cross-linked blend type olefinic thermoplastic elastomer used in the present invention is an elastomer obtained by partially cross-linking a mixture of an olefinic rubber and a polyolefinic resin and optionally a process oil by dynamic cross-linking in the presence of an organic peroxide. It is. For example, a mixture of a diene copolymer and a polyolefin resin is dynamically heat-treated in the presence of an organic peroxide such as dicumyl peroxide or di-tert-butyl peroxide (for example, in a molten state). Obtained by partially crosslinking). At this time, process oil is added if necessary. This olefinic thermoplastic elastomer is a mixture of partially cross-linked olefinic rubber, polyolefin resin, and optionally process oil. The process oil may be blended when preparing the olefinic thermoplastic elastomer composition. As this cross-linked blend type polyolefin-based elastomer, there is a commercial product, for example, Miralastomer (trade name) manufactured by Mitsui Chemicals.
[0011]
The olefin rubber that is the raw material of the partially crosslinked olefin rubber is preferably a diene copolymer. Examples of the diene copolymer include copolymers of ethylene and other α-olefins (for example, propylene, 1-butene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, 1-octene, 1-decene, etc.). -Copolymerized diene such as ethylidene-5-norbornene, dicyclopentadiene, butadiene, isoprene, such as ethylene-propylene-ethylidene norbornene copolymer, ethylene-propylene-methylene norbornene copolymer, ethylene- Examples include a propylene-dicyclopentadiene copolymer, an ethylene-propylene-dicyclooctadiene copolymer, and an ethylene-propylene-butadiene copolymer.
[0012]
Moreover, as polyolefin resin mix | blended at the time of said crosslinking reaction, polyethylene, a polypropylene, ethylene, or propylene, and another small quantity alpha olefin (For example, 1-butene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, 1-octene, And random copolymers with 1-decene and the like. A random copolymer of propylene (random polypropylene) is preferably used. Examples of the process oil include paraffinic mineral oil, naphthenic mineral oil, and aromatic mineral oil. Paraffinic mineral oil is preferable from the viewpoint of good compatibility with partially cross-linked olefin rubber and polyolefin resin. .
[0013]
If the proportion of the partially crosslinked olefin rubber is less than 14% by weight, the olefinic thermoplastic elastomer composition is hard and impractical, and if it exceeds 30% by weight, the oily substance of the olefinic thermoplastic elastomer composition Swellability improvement with respect to is not sufficient. When the blending ratio of the process oil is less than 10% by weight, the swellability of the olefinic thermoplastic elastomer composition is not improved sufficiently, and when it exceeds 40% by weight, the strength of the olefinic thermoplastic elastomer composition is increased. Decreases. The blending amount of the process oil is a total amount of the amount blended when synthesizing the partially crosslinked olefin rubber and the process oil blended when preparing the elastomer composition thereafter.
[0014]
In the present invention, when the amount of the partially crosslinked olefinic rubber in the elastomer composition is 14% by weight to less than 20% by weight, the difference between the amount of the process oil and the amount of the partially crosslinked olefinic rubber [of the process oil When the amount of the partially crosslinked olefinic rubber in the elastomer composition is 20% to 30% by weight, the amount of the partially crosslinked olefinic rubber is adjusted to -7 to 0% by weight. The difference between the amount of oil and the amount of partially crosslinked olefin rubber is adjusted so that the amount of process oil-the amount of partially crosslinked olefin rubber is -4 to 0% by weight. It is sufficient that the difference between the amount of process oil in the composition and the amount of partially crosslinked olefinic rubber [the amount of process oil−the amount of partially crosslinked olefinic rubber] is less than −4 wt% or less than −7 wt% Oil resistance, that is, improvement in swelling property for oily substances cannot be obtained sufficiently, and if it exceeds 0% by weight, adhesion to the roll occurs and drawdown increases, which is not preferable.
[0015]
In the present invention, the polypropylene blended in the partially crosslinked blend type polyolefin-based thermoplastic elastomer is not particularly limited, but is adjusted so that the isotactic polypropylene is finally present in an amount of 5 to 30% by weight in the elastomer composition. That is, when isotactic polypropylene is not used as the polyolefin resin during the production of the partially crosslinked blend type polyolefin thermoplastic elastomer, the above-mentioned amount is blended in the elastomer. In addition, when isotactic polypropylene is used as the polyolefin resin during the production of the partially crosslinked blend type polyolefin thermoplastic elastomer, the amount to be used is determined in consideration of the amount used. If the blending ratio of isotactic polypropylene is less than 5% by weight, the above-mentioned problems cannot be suppressed, and if it exceeds 30% by weight, the olefinic thermoplastic elastomer composition is hard and impractical. In addition, since the melting point of isotactic polypropylene is in the vicinity of the calendering temperature, if it is blended in an amount of 15% by weight or more, the calenderability is deteriorated. Therefore, it is preferable to blend 0.01 to 1% by weight of a fatty acid metal salt (for example, zinc stearate) and / or a phosphate ester (for example, trialkyl phosphate).
[0016]
Moreover, said inorganic substance is powders, such as a talc, a calcium carbonate, magnesium hydroxide, aluminum hydroxide, a titanium oxide, for example, A talc is especially preferable. There is no limitation as talc, and normal hydrous magnesium silicate powder is preferably used. If the blending ratio is less than 1% by weight, the above-mentioned trouble cannot be suppressed, and if it exceeds 20% by weight, the calendering processability is deteriorated. Although calendar workability by addition of an inorganic substance falls, especially calender workability can be further improved by using talc and calcium carbonate together.
[0017]
In addition, an olefin resin having a melting point different from that of isotactic polypropylene is added to the olefin thermoplastic elastomer composition containing the partially crosslinked olefin rubber, paraffin oil, isotactic polypropylene, and inorganic substance of the present invention. As a result, the suitability for calendering can be improved, and the moldability and calenderability can be improved. For example, by adding and blending random polypropylene having a melting point of about 140 ° C. and polyethylene having a melting point of about 120 ° C. with respect to isotactic polypropylene having a melting point of about 160 ° C., calendar workability can be improved while maintaining oil resistance. it can. The blending ratio of the olefinic thermoplastic elastomer composition when blended with these is, for example, 14-30% by weight of partially crosslinked olefinic rubber, 10-40% by weight of process oil, 5-30% by weight of isotactic polypropylene, inorganic 1-20% by weight of material, 5-25% by weight of random polypropylene, 5-20% by weight of polyethylene.
[0018]
The oil-resistant olefin-based thermoplastic elastomer composition of the present invention includes, as necessary, antioxidants such as phenols and phosphoruss, light stabilizers such as hindered amines, UV absorbers such as benzotriazoles, lubricants, electrification Various additives such as an inhibitor, a pigment, and an inorganic filler may be added. As this type of additive, known ones used for olefinic resins are preferably used.
[0019]
The oil-resistant olefin-based thermoplastic elastomer composition of the present invention can be formed into a sheet or film by extrusion molding or calendar molding. It is preferable to use calendering for multi-product small-volume production. This sheet is suitable as a decorative sheet used for automobile interior materials such as doors and instrument panels.
[0020]
The (A) oil-resistant olefin-based thermoplastic elastomer composition layer is laminated with the (B) foam layer to obtain the automobile door skin material of the present invention. As the foam, a polyurethane foam, a polyolefin foam or the like is preferably used. When these foams are used, there is an advantage that they can be laminated by heating and pressing without using an adhesive. Also, if the foam is not the same material as the resin layer, recycling requires operations such as crushing and separation, but if the same system is used, this operation is not necessary, so the foam is an olefin thermoplastic elastomer. The same system is preferable.
[0021]
In order to laminate the layer of the olefinic thermoplastic elastomer composition on the foam layer, for example, the olefinic thermoplastic elastomer composition is formed into a sheet by extrusion molding or calendering and laminated on the foam layer. An olefinic thermoplastic elastomer composition may be sheeted with a calender and heat laminated directly to the foam layer, or an aqueous emulsion type adhesive of urethane adhesive or modified ethylene-vinyl acetate copolymer, for example, to the surface of the foam layer. You may heat laminate after apply | coating an agent. When the foam layer is polypropylene, it can be laminated well by direct thermal lamination.
[0022]
By providing a surface layer of silicone-modified polycarbonate polyurethane on the surface of the decorative sheet produced as described above, the oil resistance is further improved and the wear resistance is also improved. The silicone-modified polycarbonate polyurethane surface layer is formed by applying a silicone-modified polycarbonate polyurethane coating. In particular, the surface of the decorative sheet provided with a silicone-modified polycarbonate polyurethane surface layer and the back surface thereof provided with a polypropylene foam layer is suitable for a skin material used for automobile interior materials such as doors and instrument panels. This silicone-modified polycarbonate polyurethane coating is a coating made of a polycarbonate polyurethane resin containing an organopolysiloxane skeleton. As the silicone-modified polycarbonate-based polyurethane resin, those produced by various methods are used.
[0023]
Silicone-modified polycarbonate polyurethane resins include, for example, amino-modified silicone oil introduced with amino groups, epoxy-modified silicone oil introduced with epoxy groups, alcohol-modified silicone oil introduced with hydroxyl groups, carboxyl-modified silicone oil introduced with carboxyl groups, mercapto A modified silicone compound such as a mercapto-modified silicone oil into which a group has been introduced and an organic polyisocyanate are reacted at a ratio such that an isocyanate group is contained in the reaction product, and has an organopolysiloxane skeleton in the molecule; A reaction product having one or more isocyanate groups is produced, and the reaction product is reacted alone or in combination with other organic polyisocyanates with a polycarbonate polyol to form an organopolysiloxane in the molecule. Producing polycarbonate-based polyurethane resin containing a rating.
[0024]
【Example】
Examples 1-4 and Comparative Examples 1-3
Formulations (parts by weight) having the compositions of Examples 1 to 4 and Comparative Examples 1 to 3 shown in Table 1 were each formed into a sheet having a thickness of 0.7 mm with a calender and squeezed. A silicone-modified polycarbonate-based polyurethane paint was applied to the surface, heat-dried, and surface-treated. On the back surface, an electron beam irradiation crosslinked polypropylene foam having a 25-fold foam thickness of 2 mm was laminated by heating and pressing. The laminate was vacuum formed together with the base material to produce an automobile door skin material. In all examples, calendaring and drawing were performed well.
[0021]
In Table 1, the partially cross-linked blend type TPO (partially cross-linked blend type polyolefin thermoplastic elastomer) moves 48% by weight of ethylene-propylene-diene rubber (EPDM), 20% by weight of random polypropylene and 32% by weight of paraffin oil. It is partially cross-linked. The linear low density polyethylene is polymerized using a metallocene catalyst. Moreover, the column of “component blend ratio” indicates the ratio of each component in the olefin-based thermoplastic elastomer composition. The amount of the inorganic substance powder is the total amount of the talc powder, the calcium carbonate powder and the inorganic substance powder such as titanium oxide contained in the pigment by 43% by weight.
[0022]
The oil resistance of the obtained door skin materials for automobiles of Examples 1 to 4 and Comparative Examples 1 to 3 was examined. The results are shown in Table 1. The oil resistance was evaluated by applying 1.5 g of liquid paraffin to an area of 10 cm × 10 cm, leaving it at 80 ° C. for 48 hours, visually examining its appearance. The evaluation represents the third grade: no wrinkles, the second grade: shallow wrinkles, the first grade: deep wrinkles.
[0023]
[Table 1]

[0024]
【The invention's effect】
The skin material for a door part of an automobile according to the present invention does not swell even if the fat of the hand or the oil of cosmetics adheres, so that the appearance of the skin material is not impaired .

Claims

(A) An olefinic thermoplastic elastomer composition in which polypropylene and an inorganic substance are blended with a partially crosslinked blend type polyolefin thermoplastic elastomer, the composition comprising 14 to 30% by weight of partially crosslinked olefinic rubber, 10 When containing 40 wt%, isotactic polypropylene 5-30 wt% and inorganic substance 1-20 wt%, and the amount of the partially crosslinked olefinic rubber in the elastomer composition is 14 wt% to less than 20 wt% The difference between the amount of the process oil and the amount of the partially crosslinked olefinic rubber [the amount of the process oil−the amount of the partially crosslinked olefinic rubber] is −7 to 0% by weight, and the partially crosslinked in the elastomer composition When the amount of olefin rubber is 20 wt% to 30 wt%, the amount of process oil and partially crosslinked olefin The difference between the amount of beam - a layer of [the amount of process oil part amount of crosslinked olefin rubber] is -4 to 0% by weight olefinic thermoplastic elastomer composition, and (B) an automobile comprising a layer of foam Skin material for door parts.

In claim 1 automotive skin materials for doors according to the surface of the layer of the olefinic thermoplastic elastomer composition, a car door portion for skin material formed by providing a silicone-modified polycarbonate-based polyurethane layer.