JP3855460B2 - 生体モニタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の循環動態を判定する生体モニタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の生体モニタ装置は特開平7−124129号公報に記載されているようなものが一般的であった。この生体モニタ装置は血圧測定用のカフにより生体の動脈を圧迫した際の脈波の振幅を検出し、カフ圧と前記振幅とに基づき図17に示すような圧力−容積曲線を求め、この曲線の傾きから動脈硬化の程度を判定するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の生体モニタ装置では、動脈硬化の度合いが判定できてもそれによって影響を受ける心臓の収縮力のような生体の血液循環動態を判定することはできないという課題があった。また、病的な動脈硬化と測定時の室温が低かったり精神的な緊張等の環境変化による血管抵抗の増大とを区別して判定することができないという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、生体の脈波を検出する脈波検出手段と、前記脈波検出手段の出力信号に基づき心臓の収縮時間を演算する心収縮時間演算手段と、前記生体の心電位を検出する心電位検出手段と、前記前記脈波検出手段と前記心電位検出手段との出力信号に基づき、脈波伝播時間を演算する脈波伝播時間演算手段と、前記心収縮時間演算手段と前記脈波伝播時間演算手段との出力信号に基づき前記生体の血液循環動態を判定する循環動態判定手段と、前記循環動態判定手段の出力信号を表示する表示手段とを備えたものである。
【0005】
上記発明によれば、生体の脈波から心収縮時間を演算するとともに、生体の脈波と心電位から脈波伝播時間を演算し、演算した心収縮時間と脈波伝播時間に基づき生体の血液循環動態を判定するので簡便に生体の血液循環動態を判定することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかる生体モニタ装置は、生体の脈波を検出する脈波検出手段と、前記脈波検出手段の出力信号に基づき心臓の収縮時間を演算する心収縮時間演算手段と、前記生体の心電位を検出する心電位検出手段と、前記前記脈波検出手段と前記心電位検出手段との出力信号に基づき、脈波伝播時間を演算する脈波伝播時間演算手段と、前記心収縮時間演算手段と前記脈波伝播時間演算手段との出力信号に基づき前記生体の血液循環動態を判定する循環動態判定手段と、前記循環動態判定手段の出力信号を表示する表示手段とを備えたものである。
【0007】
そして、生体の脈波から心収縮時間を演算するとともに、生体の脈波と心電位から脈波伝播時間を演算し、演算した心収縮時間と脈波伝播時間に基づき生体の血液循環動態を判定するので簡便に生体の血液循環動態を判定することができる。
【0008】
以下、本発明の参考例について図面を用いて説明する。
【0009】
(参考例1)
図1は本発明の参考例1の生体モニタ装置のブロック図である。図1において、1は脈波を検出する光電型の脈波検出手段で、指に装着する光電型の脈波プローブ2と、脈波プローブ2からの出力信号から脈波信号を抽出する脈波抽出部3を備えている。脈波プローブ2使用時は、脈波プローブ2を心臓の高さにして使用する。なお、複数個の脈波プローブ2を複数部位に装着して脈波を検出してもよい。また、脈波を検出する部位は指に限定するものではなく他の部位でもよい。また、ここでは光電型の脈波プローブ2を用いているが、例えば手首の動脈から圧力センサや加速度センサ等を用いて圧脈波を検出してもよい。
【0010】
4は前記脈波検出手段1の脈波抽出部3の出力信号に基づき、心臓の収縮時間を演算する心収縮時間演算手段、5は脈波検出手段1の脈波抽出部3の出力信号に基づき脈拍のゆらぎを演算するゆらぎ演算手段、6は血液の循環動態判定手段で、心収縮時間演算手段4と脈波のゆらぎ演算手段5との出力信号に基づき判定基準値との比較において生体の血液循環動態を判定する判定部7と、この判定部7の判定結果を記憶する記憶部8と、身長、体重、年齢、治療内容、食事内容、運動量、睡眠時間といった個人情報を入力できる個人情報入力部9と、前記判定部7の判定結果に基づき必要な運動量の基準値や上限値を演算する運動量基準値演算部10と、前記運動量を検出する運動量検出部11とを備えている。12は判定部7の判定結果と記憶部8の記憶内容を表示できる表示手段である。運動量検出部11は例えば加速度センサで歩行量等を検出するもので、腰ベルト等に装着可能となっている。
【0011】
次に動作、作用について説明する。図1のように指に脈波プローブ2を装着して脈波の測定を開始する。図2は本参考例の動作手順を示したフローチャートである。まずステップST1で脈波検出手段1により脈波を検出する。ここで、脈波プローブ2で検出した脈波信号は身体の動き等により基線の動揺が生じる場合があるため、検出した各々の脈波信号に対応して、脈波抽出部3により脈波信号から一拍毎の脈波波形を複数個抽出して基線を合わせて平均し、平均的な脈波波形を求める。図3はこのようにして得られた代表的な脈波波形を示したもので、図3(a)は健康な成年に見られ、正常後隆波と呼ばれ、図3(b)は高血圧者や動脈硬化者等に見られ、前隆波と呼ばれている。なお、この波形を基に必要に応じて脈波間隔Piを求め、元の脈波波形の時間軸を補正してもよい。これは脈拍数には個人差があり後述する脈波波形の特徴量のうち時間的要素については個人差を補正する必要があるためである。補正式については例えば(数1)で示されるBazzet(Bazzet,H,C.,1920年)の式を用いる。
【0012】
【数1】
Figure 0003855460
【0013】
続いて、ステップST2では心収縮時間演算手段4により心臓の収縮時間Tuを演算する。この心収縮時間Tuは図3の脈波波形の立ち上がり時点Sから波形ピーク時点Pまでの時間として演算する。そしてステップST3で循環動態判定手段6の判定部7により心収縮時間Tuが判定基準値Tu0より大であるかどうかが判定される。心力が低下すると心拍出量を補うため心臓の心収縮時間Tuを延長させることから、Tuが判定基準値Tu0より大である場合はステップST4で判定部7により心臓の収縮力、すなわち心力が低下していると判定される。判定結果はステップST5で表示手段12に表示される。ステップST3で判定部7により心収縮時間Tuが判定基準値Tu0以下である場合はステップST6で判定部7により心力は正常であると判定され、判定結果はステップST5で表示手段12に表示される。
【0014】
前記判定結果は判定部7の記憶部8に記憶してもよく、記憶内容は表示手段12に表示可能である。また、判定部7で用いる判定基準値Tu0は個人情報入力部9の入力値に基づき変更してもよい。例えば個人情報入力部9から年齢を入力して年齢に応じて判定基準値Tu0の値を変更する場合は、年齢が高くなるに従い判定基準値Tu0の値が大きくなるよう変更する。
【0015】
また判定部7の判定結果に基づき運動量基準値演算部10により必要な運動量の基準値や上限値を演算し、運動量検出部11により検出された運動量が前記基準値未満となったり前記上限値以上となった場合は表示手段12により警報を発生させるようにしてもよい。例えば、心力が低下していると判定された場合は、心力か正常と判定された場合よりも必要な運動量の基準値や上限値を低く演算して心臓に過剰な負担がかからないようにする。
【0016】
上記では判定部7が心臓の収縮時間に基づき心力の低下の有無を判定する際の動作手順を示したが、次に、判定部7が心収縮時間演算手段4で演算した心臓の収縮時間Tuとゆらぎ演算手段5で演算した脈拍のゆらぎFrに基づいて血液循環動態を判定する動作手順について述べる。ゆらぎ演算手段5では脈波検出手段1の出力信号に基づき脈拍のゆらぎFrを演算する。Frは例えば一拍毎に脈波間隔Piを求め、ある単位時間に得られた脈波間隔Piのデータ系列の標準偏差を演算して求めればよい。判定部7ではこのようにして求めた心収縮時間Tuと脈拍のゆらぎFrに基づき血液循環動態を判定する。図4は判定を行う際の心収縮時間Tu、脈拍のゆらぎFrと判定結果D1〜D4の関係を示したものである。図中、Tu0とFr0は心収縮時間と、脈拍のゆらぎの各判定基準値である。
【0017】
一般にストレスがかかると脈拍のゆらぎが減少すると言われている。従って、図4においてD1のように心収縮時間Tuが判定基準値Tu0以下で脈拍のゆらぎFrが判定基準値Fr0より大の場合は、心力は正常でストレスもかかっていない状態なので心臓は正常であると判定する。D2のように心収縮時間Tuが判定基準値Tu0以下で脈拍のゆらぎFrが判定基準値Fr0以下の場合は、心力は正常であるがストレスがかかっている状態、D3のように心収縮時間Tuが判定基準値Tu0より大で脈拍のようらぎFrが判定基準値Fr0より大の場合は、心力が低下しているがストレスはかかっていない状態で、いずれも心臓機能の低下への境界領域であると判定する。D4のように心収縮時間Tuが判定基準値Tu0より大で脈拍のゆらぎFrが判定基準値Fr0以下の場合は、心力が低下しストレスがかかっている状態なので心臓機能が低下し注意を要すると判定する。なお、個人情報入力部9の入力値に基づき脈拍のゆらぎの判定基準Fr0の値を変更するようにしてもよい。
【0018】
本発明の参考例1によれば、生体の脈波から心収縮時間を演算し、演算した心収縮時間Tuに基づき心臓の収縮力のような生体の血液循環動態を判定するので、簡便に生体の血液循環動態を判定することができる。
【0019】
また、生体の脈波から心収縮時間と脈拍のゆらぎを演算し、演算した心収縮時間と脈拍のゆらぎfrに基づき生体の血液循環動態を判定するので簡便に生体の血液循環動態を判定することができる。
【0020】
また、脈波検出手段1の出力信号の波形の立ち上がり時点Sから波形ピーク時点Pまでの時間を演算して心収縮時間Tuが演算されるので、簡便に生体の血液循環動態を判定することができる。
【0021】
また、判定結果を記憶するとともに、記憶部8の記憶内容を表示することができるので、判定結果の過去からの推移を知ることができ健康管理に役立つ。
【0022】
また、入力された個人情報に基づき判定基準を変更できるので、例えば年齢に応じた循環動態の判定が可能となる。
【0023】
さらに、判定結果に基づき必要な運動量の基準値や上限値を演算し、検出された運動量が基準値未満となったり前記上限値以上となった場合は表示手段12により警報を発生させるので健康管理に役立つ。
【0024】
(参考例2)
本発明の参考例2の生体モニタ装置を以下に説明する。図5は本参考例2のブロック図である。本参考例2において脈波検出手段1を除き、参考例1と同一符号のものは同一構造と機能を有し、詳細な説明は省略する。そして、参考例1と異なる点は、図5のように血圧を測定する血圧測定手段13と、脈波検出手段1の出力信号に基づき加速度脈波を演算する加速度脈波演算手段17を備え、循環動態判定手段6が心収縮時間演算手段4と血圧測定手段13と加速度脈波演算手段17との出力信号に基づき血液循環動態を判定する点にある。図5のように、血圧測定手段13は上腕部に装着するカフ14と、カフ14内を加圧・減圧する圧力調整部14aと、カフ14内の圧力を検出する圧力検出部15と、圧力検出部15の出力信号から脈波信号を検出する脈波検出手段1と、圧力検出部15と脈波検出手段1との出力信号に基づき最高血圧と最低血圧を演算する血圧演算部16とを備えている。上記ではカフ14は上腕部に装着したが、手首や指に装着してもよい。
【0025】
次に動作、作用について説明する。図6は本参考例の動作手順を示したフローチャートである。先ずステップST7で圧力調整部14aによりカフ14の加圧を行って上腕部を圧迫し、圧力検出部15によりカフ圧が所定圧力になるまでカフ14内を昇圧する。そしてステップST8でカフの減圧を開始し、ステップST9で前記の減圧時に圧力検出部15で検出した圧力信号から脈波検出手段1により脈波信号を抽出する。ステップST10では血圧演算部16により脈波検出手段1で脈波信号が検出し始めた時点の圧力を最高血圧に、脈波信号の振幅変化がなくなった時点の圧力を最低血圧として演算する。ステップST11では血圧演算部16が最低血圧を演算した後に心収縮時間演算手段4により心臓の収縮時間を演算する。この心臓の収縮時間Tuの演算手順は参考例1と同様である。そしてステップ12で判定部7により血液循環動態が判定される。図7は前記判定を行う際の心臓の収縮時間心収縮時間Tu、血圧Bpと判定結果D5〜D8の関係を示したものである。図中、心収縮時間Tu0とBp0は判定基準である。ここで、Bpは最高血圧または最低血圧であるとする。
【0026】
図7においてD5のように心収縮時間Tuが判定基準値Tu0以下で血圧Bpが判定基準値Bp0以下の場合は、心力は正常で血圧も正常である状態なので心臓、血管抵抗ともに正常であると判定する。D6のように心収縮時間Tuが判定基準値Tu0以下で血圧Bpが判定基準値Bp0より大の場合は、動脈硬化等の血管抵抗の増大に対して心力を増加させ血圧を高めて心拍出量を確保している状態で、このような心力増加状態が継続すると負担に耐えきれず心力低下へと移行する遷移状態であると判定する。D7のように心収縮時間Tuが判定基準値Tu0より大で血圧Bpが判定基準値Bp0より大の場合は、動脈硬化等の血管抵抗の増大が長期間継続したため負担に耐えきれず心力が低下してしまい、心収縮時間の延長により血圧を高めて心拍出量を確保している状態で、この状態が継続すると心収縮時間の延長によっても心拍出量を確保できないという危険な状態へ移行する境界領域であると判定する。D8のように心収縮時間Tuが心判定基準値Tu0より大で血圧Bpが判定基準値Bp0以下の場合は、動脈硬化等の血管抵抗の増大がさらに進んで心収縮時間の延長によっても血圧を高められず心拍出量を確保できないという危険な状態で、心不全等の発生の可能性が高く注意を要すると判定する。判定結果はステップST13で表示手段12に表示される。なお、個人情報入力部9の入力値に基づき心収縮時間Tu0や血圧の判定基準値Bp0の値を変更するようにしてもよい。
【0027】
上記では判定部7が心臓の収縮時間と血圧に基づき血液の循環動態を判定する動作手順を示したが、次に、判定部7が血圧演算手段13で演算した血圧と加速度脈波演算手段17で演算した加速度脈波に基づいて血液循環動態を判定する動作手順について述べる。加速度脈波演算手段17では血圧演算部16が最低血圧を演算した後に脈波検出手段1の出力信号を2回微分して加速度脈波を演算する。そして、判定部7では演算された加速度脈波をいくつかの波形パターンに分類する。図8はその際の加速度脈波パターンの分類を示したもので、A〜Gの7つに分類される。この分類方法は例えば小山内ら(1985)に記されているように、加速度脈波の各ピークa〜eの位置関係により分類するもので、心力低下や動脈硬化等により血液循環動態が悪化するとAから順にGへ移行するとされている。
【0028】
判定部7では上記の波形パターンA〜Gの分類結果と血圧Bpに基づき血液循環動態を判定する。図9は判定を行う際の波形パターンA〜G、血圧Bpと判定結果D9〜D12の関係を示したものである。ここで、図9のD9〜D12はそれぞれ図7のD5〜D8に対応し、同様な判定を行うため、ここでの説明は省略する。
【0029】
本発明の参考例2によれば、生体の脈波から心収縮時間を演算するとともに、生体の血圧を測定し、演算した心収縮時間と測定した血圧に基づき生体の血液循環動態を判定するので簡便に生体の血液循環動態を判定することができる。
【0030】
また、生体の脈波から加速度脈波を演算するとともに、生体の血圧を測定し、演算した加速度脈波と測定した血圧に基づき生体の血液循環動態を判定するので簡便に生体の血液循環動態を判定することができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0032】
(実施例1)
本発明の実施例1の生体モニタ装置を以下に説明する。図10は本実施例1のブロック図である。本実施例1において、参考例1と同一構造および機能を有するものには同一符号を付して詳細な説明を省略する。そして、参考例1と異なる点は、図10のように心電位を検出する心電位検出手段18と、脈波検出手段1の波脈抽出部3と心電位検出手段18の心電位演算部21との出力信号に基づき脈波伝播時間を演算する脈波伝播時間演算手段22とを備え、判定部7が心収縮時間演算手段4と脈波伝播時間演算手段22との出力信号に基づき血液循環動態を判定する点にある。心電位検出手段18は両手首に装着した心電位用電極19、20と、心電位用電極19、20の出力信号から心電位を抽出する心電位演算部21とを備えている。
【0033】
次に動作、作用について説明する。図11は本実施例の動作手順を示したフローチャートである。まずステップST14、ステップST15は実施例1の図2におけるST1、ステップST2と同様な処理を行う。次にステップ16で心電位検出手段18により心電位を検出する。ステップST17では脈波伝播時間演算手段22により脈波伝播時間が演算される。脈波演算時間は脈波検出手段1で検出した脈波波形のピーク時点と心電位検出手段18により検出された心電位のR波のピーク時点との時間差を演算することにより求まる。そしてステップST18では判定部7により心臓の収縮時間心収縮時間Tuと脈波伝播時間Pttに基づき血液の循環動態の判定が行われる。図12は判定を行う際の心収縮時間Tu、脈波伝藩時間Pttと判定結果D13〜D15の関係を示したものである。図中、心収縮時間Tu0とPtt0は判定基準である。
【0034】
一般に動脈硬化の度合いが増すと脈波伝播時間が短くなることが知られている。従って、図12においてD13のように心収縮時間Tuが判定基準値Tu0以下で脈波伝播時間Pttが判定基準値Ptt0より大の場合は、心力は正常で脈波伝播時間も長い状態なので心臓、血管抵抗ともに正常であると判定する。D14のように心収縮時間Tuが判定基準値Tu0以下で脈波伝播Pttが判定基準値Ptt0以下の場合は、動脈硬化等の血管抵抗の増大に対して心力を増加させて血圧を高め心拍出量を確保している状態で、このような心力増加状態が継続すると負担に耐えきれず心力低下へと移行する遷移状態であると判定する。D15のように心収縮時間Tuが判定基準値Tu0より大で脈波伝播Pttが判定基準値Ptt0以下の場合は、動脈硬化等の血管抵抗の増大が長期間継続したため負担に耐えきれず心力が低下してしまい、心収縮時間の延長により血圧を高め心拍出量を確保している状態で、この状態が継続すると心収縮時間の延長によっても心拍出量を確保できないという危険な状態へ移行する境界領域であると判定する。判定結果はステップST19で表示手段12に表示される。なお、個人情報入力部9の入力値に基づき心収縮時間Tu0や脈波伝播時間の判定基準値Ptt0の値を変更するようにしてもよい。
【0035】
本発明の実施例1によれば、生体の脈波から心収縮時間を演算するとともに、生体の脈波と心電位から脈波伝播時間を演算し、演算した心収縮時間と脈波伝播時間に基づき生体の血液循環動態を判定するので簡便に生体の血液循環動態を判定することができる。
【0036】
参考例3
本発明の参考例3の生体モニタ装置を以下に説明する。図13は本参考例3のブロック図である。本参考例3において、参考例1、2、及び、実施例1と同一構造および機能を有するものには同一符号を付して詳細な説明を省略する。そして、参考例1、2、及び、実施例1と異なる点は、図13のように上腕部の動脈を圧迫する圧迫手段としてのカフ14と、カフ14を備えた血圧測定手段13と、上腕部より末梢側の指から脈波を検出する脈波検出手段1と、脈波検出手段1の脈波抽出部3からの出力信号に基づき加速度脈波を演算する加速度脈波演算手段17とを備え、判定部7が心収縮時間演算手段4の出力信号と圧迫手段14により前記動脈を圧迫している際の加速度脈波演算手段17の出力信号とに基づき生体の血液循環動態を判定する点にある。なお、23は圧力検出部15の出力信号から脈波を抽出する脈波検出部で、血圧演算部16は圧力検出部15と脈波演算部23との出力信号に基づき血圧を演算する。
【0037】
次に動作、作用について説明する。図14は本実施例の動作手順を示したフローチャートである。先ずステップST20で圧力調整部14aによりカフ7の加圧を行って上腕部を圧迫し、圧力検出部15によりカフ圧が所定圧力になるまでカフ14内を昇圧する。そしてステップST21で圧力調整部14aによりカフの減圧を開始し、ステップST22で脈波検出部23により減圧時に圧力検出部15で検出した圧力信号から脈波信号を抽出する。ステップST23では血圧演算部16により脈波検出部23で脈波信号が検出し始めた時点の圧力を最高血圧に、脈波信号の振幅変化がなくなった時点の圧力を最低血圧として演算する。ステップST24では血圧演算部16が最低血圧を演算した後に加速度脈波演算手段17により指で検出された脈波から加速度脈波を演算する。
【0038】
ここで、カフ減圧時の加速度脈波の変化について述べる。図15は減圧時の加速度脈波の波形パターンの変化を模式的に示したものである。図15(a)はカフ圧Pcの経時変化でP1、P2はそれぞれ最高血圧と最低血圧を示す。図15(b)、図15(c)はそれぞれ動脈硬化は無いが室温が低かったり精神的な緊張により血管抵抗が増大している人の加速度脈波と動脈硬化のある人の加速度脈波で、いずれも図15(a)における時刻t=t1とt=t2での波形を示している。図15よりカフ非加圧時のt=t2で図15(b)、図15(c)のように双方とも加速度脈波波形がEパターンであっても、t=t1で上腕部が加圧状態の際の指の加速度脈波波形は図15(c)の場合は加圧により緊張による血管抵抗が解除されるため波形がAパターンを示す。一方、図15(b)の場合はもともと血管自体に動脈硬化があるので加圧されても波形パターンに変化がない。
【0039】
従ってステップ25では判定部7により、減圧過程のt=t1で加速度脈波の波形がAパターンを示すかどうかが比較され、Aパターンを示す場合はステップ26で判定部7により動脈硬化がなく正常であると判定される。判定結果はステップST27で表示手段12に表示される。ステップ25でAパターンを示さない場合はステップST28で判定部7により動脈硬化有りと判定され、判定結果はステップST27で表示手段12に表示される。なお、t=t1で比較される加速度波形はAパターンに限らず他の波形パターンでもよい。
【0040】
判定部7では心収縮時間演算手段4の出力信号と圧迫手段14により上腕部の動脈を圧迫している際の加速度脈波演算手段17の出力信号とに基づき生体の血液循環動態を判定してもよい。図16は判定を行う際の心臓の収縮時間Tu、上腕部の動脈を圧迫している際の加速度脈波の変化から求めた動脈硬化の有無、及び判定結果D16〜D18の関係を示したものである。図中のD16〜D18は実施例1における図12のD13〜D15の判定結果に相当する。
【0041】
本発明の参考例3によれば、圧迫手段14により動脈を圧迫している際の加速度脈波の波形変化に基づき動脈硬化といった生体の血液循環動態を判定するので、病的な動脈硬化と測定時の室温が低かったり精神的な緊張等の環境変化による血管抵抗の増大とを区別して判定することができる。
【0042】
また、生体の脈波から心収縮時間を演算するとともに、圧迫手段により動脈を圧迫している際の加速度脈波を演算し、演算された心収縮時間と加速度脈波に基づき生体の血液循環動態を判定するので簡便に生体の血液循環動態を判定することができる。
【0043】
なお、以上の各実施例、各参考例では本発明を人体へ適用する場合について述べたが、人間以外の他の動物に適用してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる生体モニタ装置は、生体の脈波から心収縮時間を演算するとともに、生体の脈波と心電位から脈波伝播時間を演算し、演算した心収縮時間と脈波伝播時間に基づき生体の血液循環動態を判定するので、簡便に生体の血液循環動態を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1における生体モニタ装置のブロック図
【図2】 同装置の動作手順を示すフローチャート
【図3】 (a)健康な青年に見られる代表的な脈波の波形を示す特性図
(b)高血圧者などに見られる代表的な脈波の波形を示す特性図
【図4】 同装置による判定結果を、心収縮時間と脈拍のゆらぎとの関係で示した特性図
【図5】 本発明の参考例2における生体モニタ装置のブロック図
【図6】 同装置の動作手順を示すフローチャート
【図7】 同装置による判定結果を、心収縮時間と血圧との関係で示した特性図
【図8】 同装置において、使用する加速度脈波の波形パターン分類を示す特性図
【図9】 同装置において使用する加速度脈波の波形パターンと血圧との関係を示す特性図
【図10】 本発明の実施例1における生体モニタ装置のブロック図
【図11】 同装置の動作手順を示すフローチャート
【図12】 同装置による判定結果を、心収縮時間と脈波伝播時間との関係で示した特性図
【図13】 本発明の参考例3における生体モニタ装置のブロック図
【図14】 同装置の動作手順を示すフローチャート
【図15】 (a)カフ減圧時の加速度脈波の径時変化の波形を示す特性図
(b)精神的な緊張により血管が増大している人のカフ減圧時の加速度脈波の波形変化を示す特性図
(c)動脈硬化のある人のカフ減圧時の加速度脈波の波形変化を示す特性図
【図16】 同装置における判定結果を、心収縮時間と動脈硬化の有無との関係で示した特性図
【図17】 従来の生体モニタ装置の圧力−容積曲線を示す特性図
【符号の説明】
1 脈波検出手段
4 心収縮時間演算手段
5 ゆらぎ演算手段
6 循環動態判定手段
8 記憶部
9 個人情報入力部
10 運動量基準値演算部
11 運動量検出部
12 表示手段
13 血圧測定手段
17 加速度脈波演算手段
18 心電位検出手段
22 脈波伝播時間演算手段

Claims (1)

  1. 生体の脈波を検出する脈波検出手段と、前記脈波検出手段の出力信号に基づき心臓の収縮時間を演算する心収縮時間演算手段と、前記生体の心電位を検出する心電位検出手段と、前記脈波検出手段と前記心電位検出手段との出力信号に基づき脈波伝播時間を演算する脈波伝播時間演算手段と、前記心収縮時間演算手段と前記脈波伝播時間演算手段との出力信号に基づき前記生体の血液循環動態を判定する循環動態判定手段と、前記循環動態判定手段の出力信号を表示する表示手段とを備えた生体モニタ装置。
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