JP3855249B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンと変速機の間に介設されて、エンジンを始動したり、エンジンのトルクをアシストしたり、車両の運動エネルギーを回生させたりする回転電機を有する車両用動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の動力伝達システムとしては、SAE910247に示される如く一つの公知の誘導機を二つのクラッチを介して連結する構成のもの(図14)、特許公報2574725号に示される如く、公知の同期機をエンジンクランクシャフトに直結し、その後にクラッチを介して変速機に継ぐ構成のもの(図15)。及び、The 15th Internatinal Electric Vehicle Symposium(1998.10.1〜10.3)での発表論文Dual electric motor hybrid powertrainに示される如く、エンジンに直結された第一回転電機と、クラッチ及びトランスミッションの間に設けた第二回転電機とをもつ構成のもの(図16)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図14に示す構成のものは、クラッチK1を接続して走行中に誘導機によるトルクアシストが可能であり、制動時にクラッチK2をOFFすることによりエンジンのフリクションエネルギー損失なく車両の運動エネルギーを回生することができる。
【0004】
しかしながら、クラッチK1をOFFしてクラッチK2をONさせるとき、上記誘導機でエンジンを始動することができるが、クラッチK2を介してエンジンと接続しているのでエンジンのトルク変動を誘導機で吸収減少させることができない。
【0005】
また、機構が複雑で摩耗部材をもつクラッチを2個も必要とするので、体格増大、制御の複雑化、メンテナンス負担の増大が欠点となる。
【0006】
図15の構成のものは、回転電機ここでは励磁式の同期機がエンジン軸に直結されているので、クラッチがOFFしている時、この同期機によりエンジンの始動が可能であり、且つエンジンに直結されているので、エンジンのトルク変動を同期機で吸収減少することができる。これにより、例えばアイドリング回転数を下げて燃費を減少させることや、減筒運転等によって生じる振動を制振する事ができるため、省燃費性に優れたパワートレインを実現することができる。又、クラッチを継いでの走行中において同期機で加速アシストを行なうことができる。
【0007】
しかしながら、制動時には車両の運転エネルギーを回生する際にエンジンクランクシャフトと直結しているため、車両の運転エネルギーがエンジンのフリクショントルクで消費されて回生エネルギーが充分とれないという欠点がある。
【0008】
図16の構成のものは、エンジンと変速機の間にクラッチを介して二つの回転電機を持つために、上記図14、図15で述べた構成では実現できない機能をもつことができるが、二つの回転電機を直列に配置しているためパワトレインの軸長が長くなるとう欠点を有していた。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その構成の複雑化、重量増大を抑止しつつ、エンジンと変速機の間に介在させる回転電機の機能性を向上した車両用動力伝達装置を提供する事をその目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の車両用動力伝達装置によれば、一対の多相巻線が巻装されてハウジングに固定された固定子の内周側に第一ロータを、外周側に第二ロータを配置し、これら両ロ−タを相対回転可能に同軸配置した回転電機(以下、二重ロータ型回転電機ともいう)を用いる。
【0011】
第一ロータは、クランクシャフトに結合されて固定子内周側の第一多相巻線とエネルギー授受可能に電磁結合し、第二ロータは、クラッチ(本明細書ではロックアップ機構付きトルクコンバータを含むものとする)を介して変速機に連結されて固定子外周側の第二多相巻線とエネルギー授受可能に電磁結合する。
【0012】
更に本構成では、両ロータはワンウエイクラッチにより第一ロータから第二ロータにトルク伝達可能に連結される。なお、これら両ロータは、公知の誘導機の籠形ロータ構造、同期機の磁石型ロ−タ構造、レラクタンス型ロータ構造、界磁コイル型ロ−タ構造から適宜選択して構成することができる。
【0013】
このようにすれば、ワンウエイクラッチの構造簡素で耐久性に富み、制御も不要であるという特性を活かして、エンジンと変速機の間に介在させる回転電機の機能性向上を小型軽量で簡素な構造で実現することができる。
【0014】
また、両ロ−タはそれぞれ固定子と電磁結合するので、両ロータを通じてトルクアシストや制動を行うことができ、大きな伝達トルクを得ることができる。また、エンジン側と車輪側とに対して独立にトルク付与や制動を行うことができ、多様な使用形態を利用することができるという優れた利点を有する。
【0015】
また、両ロ−タは固定子を径方向に挟んで配置されるので、特に装置の軸長短縮を実現することができる。
【0016】
また、クランクシャフトは内周側の第一ロータに、クラッチ側は外周側の第二ロータに結合されるので、第二ロータに連結されて第二ロータを支持する回転部材を、この二重ロータ型回転電機の後端面や第二ロータの外周面に延在させることができ、これらの面を利用して後部のクラッチなどとの結合、補機とのトルク伝達に有効利用することができる利点も持つ。
【0017】
また、通常の動作モ−ドのエンジンによる補機や車輪駆動ではエンジントルクは第一ロ−タから第二ロ−タへワンウエイクラッチを通じて機械的に伝達され、車両制動時には径大位置に形成された第二ロ−タとステータとの間の電磁結合面を通じて発電制動を行えるので、第二ロ−タをステータの内周側に配置する場合に比べて、この第二ロ−タが大きな電磁制動トルクを発生することができる。
【0018】
更に、本構成では、両ロ−タにコイルを必要とせず、その結果、回転するコイルへ給電するためのスリップリングやブラシなどを必要としないという利点もある。
【0019】
本構成の車両用動力伝達装置の他の作用効果を以下、更に詳しく説明する。
(1)エンジン始動
第一多相巻線に給電し、固定子の第一多相巻線と第一ロータとの間の電磁結合を通じて第一ロータを駆動すれば、エンジンを始動させることができる。なお、この時、ワンウエイクラッチが接続状態(車両が停止状態)であれば第二ロータとの間のクラッチを解離して固定子により変速機を駆動するのを回避でき、ワンウエイクラッチが解離(エンジンストップ)し、車両が低速走行状態であれば、上記クラッチの解離なしにエンジンを始動することができる。
(2)エンジン制振
第一ロータはエンジンのクランクシャフトに機械的に連結されているので、エンジンの爆発燃焼に伴うクランクシャフトに生じるトルク変動を第一多相巻線と第一ロータとの間の発電・電動制御動作によって吸収し、低減することができる。このため、アイドル回転数を低減することができ、車両の静粛性の向上と燃費向上を実現できる。
【0020】
同様に、燃費向上のために減筒運転を行う場合でも、増大する振動低減のために上記と同じく固定子と第一ロータとの間の発電・電動制御動作によってエンジンのトルク変動を吸収し、低減することができる。
【0021】
更には、アイドルストップシステムにおいてエンジンを止める時は制止側において生じるエンジンとボディー間の共振点を制動によってすばやく通過させて車体の振動を低減することもできる。
(3)トルクアシスト
車両加速時にバッテリから第一ロータもしくは第一ロータ及び第二ロータを付勢してトルクアシストすることができる。第一ロータのアシストトルクは、第一ロータからワンウエイクラッチを介して第二ロータに対して伝達され、変速機を通じて車輪に伝達される。
(4)発電
第一多相巻線と第一ロータのペア、又は、第二多相巻線と第二ロータとの間の電磁結合を介してエンジン動力により固定子を発電動作させ、バッテリや車両負荷に給電することができる。
(5)その他
更に、本構成では、ワンウエイクラッチを通じて第一ロータから第二ロータへ一方向にトルク伝達するので、第二ロータがクラッチ又はロックアップ機構付きのトルクコンバータに接続される構成を有するので以下の作用効果を奏することができる。
【0022】
まず、エンジントルクはエンジンによる変速機駆動時にはワンウエイクラッチを通じて変速機にロスなく機械的に伝達され、第二ロータに補機を結合することにより、これら補機(例えばA/C用コンプレッサー等)をエンジンで直接駆動することができる。
【0023】
次に、車両減速や坂道降下の場合、エンジンの回転がアクセルOFFによってアイドル回転状態にもどったり、エンジンOFF等によって第一ロータの回転が低下乃至停止したりしても、車軸から変速機、クラッチ(又はこのような場合にロックアップを行うロックアップ機構付きトルクコンバータ)を介して第二ロータを駆動できるので、第二ロータで第二多相巻線を発電して、車軸の制動を促進するとともに電力回生動作を行うことができる。更に、この場合にエンジンロスを回避できるので回生電力を増大することができる。
【0024】
なお、ロックアップ機構付きトルクコンバータを採用する場合について更に説明すると、従来のロックアップ機構付きトルクコンバータではロックアップ機構のオン(ロックアップ)及びオフ(ロックアップオフ)は、車両やアクセルペダルやブレーキペダルの操作により自動的に制御される。従来の通常の制御では、ある車速以上の定速走行時にロックアップを行って、エンジン動力をダイレクトに車輪へ伝達して燃費低減を図ったり、減速時及び降坂時にロックアップを行って車両の運動エネルギーをエンジンのフリクションロスで消費して制動性を向上させている。
【0025】
したがって、本構成では、ブレーキペダルの操作により制動を検出した場合に、上記と同様なロックアップ機構付きトルクコンバータのロックアップ動作を行い、これにより車両の走行エネルギーを第二ロータに伝達し、第二ロータで第二多相巻線を発電させればよい。
【0026】
この時、エンジンはワンウエイクラッチによって分離されているので、車両動力はエンジンの回転数上昇による摩擦損失で無駄に消費されることなく、電力として有効に回生できるわけである。当然、エンジン始動時にはロックアップは解除されることが好ましい。
【0027】
請求項2記載の構成によれば請求項1記載の車両用動力伝達装置において更に、略円筒状のコアバックを挟んで内周側及び外周側に形成されたスロットに第一、第二多相巻線が個別に巻装される。
【0028】
このようにすれば、単一のコアバックが外周側の回転電機のステ−タコアのいわゆるヨ−ク部と、内周側の回転電機のステータコアのヨ−ク部を最小の寸法で構成できるので、それらを別々に形成する場合に比較して平均磁束密度を減らして鉄損を低減し、ステータコアの径方向寸法の短縮よる小型軽量化を実現することができる。
【0029】
請求項3記載の構成によれば請求項2記載の車両用動力伝達装置において更に、第一多相巻線の相巻線の電気角ピッチと第二固定子巻線の相巻線の電気角ピッチとが等しくされるので、固定子巻線巻装用の巻線機の巻線時における巻装動作が同じとなり、同一の制御アルゴリズムで第一巻線と第二巻線を巻装できるため、巻線機の構成を簡素化することができる。。
【0030】
請求項4記載の構成によれば請求項1又は2記載の車両用動力伝達装置において更に、両ロータが磁石型ロ−タ構造をもつので第一多相巻線及び第二多相巻線が励磁用磁界を形成する必要がなく、回転機の簡素化、効率向上を実現することができる。
【0031】
請求項5記載の構成によれば請求項1又は2記載の車両用動力伝達装置において更に、両ロータが籠形ロータ構造をもつので構造を簡素化し、ロ−タ剛性及び経済性に優れた構造とすることができ、更にエンジン回転中における発電電圧を固定子巻線から自由に調整することができる。
【0032】
請求項6記載の構成によれば請求項1又は2記載の車両用動力伝達装置において更に、両ロータを鉄心のみによって構成することができ、両ロ−タをレラクタンス型ロータ構造をもつので、籠形ロータ構造や磁石型ロ−タ構造とする場合に比べて耐熱性及び経済性を向上することができる。
【0033】
請求項7記載の構成によれば請求項1又は2記載の車両用動力伝達装置において更に、第一ロータを磁石式ロータ、第二ロータを籠形ロータとするので、コスト増大を抑止しつつ小型化を図ることができる。
【0034】
更に説明すると、第一ロータ及び第一多相巻線により構成される内側回転電機は固定子の径内側に配置されるため、必要トルクを得るために外周側のもう一つの回転電機に比較して単位電磁結合面当たりのトルク密度を増大する必要があり、また、冷却が容易でない内側の第一多相巻線の温度上昇を減らす必要がある。
【0035】
そこで本構成では、第一ロータとしてレラクタンス型ロータ構造や籠形ロータ構造に比較してトルク密度向上が可能な磁石型ロ−タ構造を採用するので、第一多相巻線に励磁電流を通電する必要がなく、その温度上昇を低減することができ、更に小型で大きなトルクを発生することができる。 更に説明すれば、第一ロータの径を小型化できるので、体格増大を抑止しつつ必要な出力を確保することができる。そして、電磁結合面の径大きいので相対的に低出力密度でよい第二ロータが籠形ロータ構造をもつのでコストダウンを図ることができ、結局、両ロ−タの必要出力を確保しつつコスト低減を実現することができる。
【0036】
請求項8記載の構成によれば請求項2記載の車両用動力伝達装置において更に、固定子はそのコアバックに圧入された通しボルトによってハウジングに締結されるので、他の部位をハウジングに固定するのに比べて、この通しボルトによる出力低下を低減でき、更にこの通しボルトは電磁鉄心の積層シートを一体化する効果も併せて奏することができる。
【0037】
請求項9記載の構成によれば請求項1記載の車両用動力伝達装置において更に、第一ロータから第二ロータ側へトルクを伝達するワンウエイクラッチを第一ロータの径内側に配置する構成を採用しているので、車両用動力伝達装置の軸方向長を短縮することができ、また、ワンウエイクラッチと第一ロータとの間のトルク伝達距離を短縮して、これら両者間のトルク伝達部材の小型軽量化を図ることができる。
【0038】
特に、実施例で示すように椀状の固定部材を介してその外周部に第一ロータに電磁鉄心を固定し、この椀状固定部材の内周部にワンウエイクラッチの外径を圧入固定し、ワンウエイクラッチの内径部を第二ロータの固定部材である椀状の取付部材と回転不能に嵌着すれば、ワンウエイクラッチとエンジンやクラッチとの連結が容易となる。
【0039】
請求項10記載の構成において請求項1記載の車両用動力伝達装置において更に、第二ロータはその外周部に外部へその回転力を取り出すための回転伝達部であるギア又はベルト用Vミゾを設けているので、この回転伝達部からギアヤベルトによって車両のエアコンコンプレッサ等の補機装置を回転駆動する事ができる。この構成の効果は例えば交差点で車両が停止中エンジンをも停止して燃料を節約しようとする時、従来ではエンジン駆動のエアコン用コンプレッサーも止まってしまうが、本構成では第二多相巻線によって第二ロータで電動駆動することができ、停車時でもエアコン用コンプレッサーなどの補機を支障なく駆動する事ができる。
【0040】
この場合、第二ロータにつながるクラッチをOFF状態にさえすればワンウエイクラッチによってクランクシャフトへトルク伝達することなくこのエアコン用コンプレッサのみを駆動する事ができる。
【0041】
請求項11記載の構成では請求項1乃至10のいずれか記載の車両用動力伝達装置において更に、両多相巻線は直交双方向変換用のコンバータを有しているので、両ロータを互いに独立に最適どうすることができる。
【0042】
請求項12記載の構成によれば請求項11記載の車両用動力伝達装置において更に、第一多相巻線によって第一ロータを付勢してエンジンを始動させることができ、更にエンジンを停止させる時も第一多相巻線によってエンジンを強制的に減勢してエンジンのトルク変動によるボディーとの共振点部をすばやく通過させて振動を抑制することが出来る。この機能はアイドルストップシステムのように頻繁にエンジンを止めるシステムにおいては特に有用である。
【0043】
請求項13記載の構成によれば請求項11記載の車両用動力伝達装置において更に、第二多相巻線によって第二ロータを付勢して車両の駆動軸にクリープトルクを発生させることができるので、坂道で停車中エンジンを止めても車両がバックすることを防止でき、更に車両の加速時に必要ならトルクアシストすることができる。
【0044】
請求項14記載の構成によれば請求項11記載の車両用動力伝達装置において更に、第二多相巻線によって第二ロータを減勢して減速時車両の運動エネルギーを電力として回生することができる。
【0045】
なお、この減速開始後、第一多相巻線によって第一ロータを同じく減勢させて、エンジン回転数を急速に停止もしくはアイドリング領域へ降下させて更なる回生発電を行うこともできる。
【0046】
請求項15記載の構成によれば請求項1、2、3、5、、8、9記載の車両用動力伝達装置において更に、第一多相巻線を電動動作専用とし、第二多相巻線を発電機専用ととして、構成の簡素化を実現することができる。
【0047】
請求項16記載の構成によれば請求項10記載の車両用動力伝達装置において更に、アイドルストップなどのエンジン停止時に、第二多相巻線を通じて第二ロ−タを電動動作させるので、エンジンを駆動することなく、補機を駆動することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明の車両用動力伝達装置の好適な実施態様を図面を参照して以下に説明する。
【0049】
【実施例1】
本発明の車両用動力伝達装置の第一実施例を図1及び図2を参照して説明する。
【0050】
(全体構造)
100はエンジン、101はエンジンの出力軸でクランクシャフト、110はエンジン100をコントロ−ルするエンジンコントローラである。
【0051】
200は二重ロータ型の回転電機であり、ハウジング201に固定子210が固定されており、固定子210の内周側に第一ロータ(第一ロータ)220が配置され、固定子210の外周側に第二ロータ(第二ロータ)230が配置されている。第一ロータ220はエンジン100のクランクシャフト101に支承され、第二ロータ230は第一ロータ220にワンウエイクラッチ240を介して連結されている。
【0052】
第二ロータ230の外周部には外部の補機を駆動する回転伝達部(たとえばプ−リ部)236が設けられており、第二ロータ230はクラッチ(又はロックアップ機能付トルクコンバータ)250及び必要により回転センサー291のロータが連結されている。
【0053】
第一ロータ220の外周部及び第二ロータ230の内周部には、磁極としての永久磁石222、232が所定ピッチで周方向極性交互に固定されている。
【0054】
固定子210の電磁鉄心211の内周側スロット213、外周側スロットには第一多相巻線2121、第二2122が個別に巻装されている。コアバックをなす電磁鉄心211の径方向中央部217には、穴が軸方向に設けられ、棒状の固定部材215がこの穴に圧入されている。固定部材215は、支持部材216を介してハウジング102に固定されている。
【0055】
ワンウエイクラッチ240は、図2、図3に示すように径方向同配置された内、外輪241、242と、それらの間に互いに周方向へ所定間隔離れて自転的回動可能に介設された多数のスプラグ243とをもつ。
【0056】
ワンウエイクラッチ240の外輪242は第一椀状部材223を介してクランクシャフト101に固定され、第一椀状部材223の外周は第一ロータ220の内周に固定されている。ワンウエイクラッチの内輪241には第二椀状部材233の小径筒部に嵌着、固定され、第二椀状部材233の径方向に延在する輪板部の後端面にはクラッチ250が固定され、第二椀状部材233の大径筒部の外周には外部の補機類を駆動するための伝達係合部230が固定されている。
【0057】
内輪241が外輪242に対して一方向に相対回転する場合、スプラグ243はそれらとの摩擦により周方向に寝る向きへ回動し、これにより内、外輪241、242間のトルク伝達が切断される。逆に、内輪241が外輪242に対して逆方向に相対回転する場合、スプラグ243はそれらとの摩擦により径方向に立つ向きへ回動し、これにより内、外輪241、242をトルク伝達可能に接続する。この種のスプラグ式ワンウエイクラッチ構造自体は周知であるので詳細な説明を省略する。ワンウエイクラッチ240に内、外輪241、242を接続する姿勢のスプラグ243を寝る方向に弾性付勢する板状ばねを追加してもよく、ワンウエイクラッチ240として他の形成のものを用いてもよいことは当然である。ワンウエイクラッチ240は、第一ロータ220が第二ロータ230を駆動する場合に結合され、逆の場合に解離する。250は第二ロータ230と変速機300との間に介設されるクラッチであり、変速機300のギヤシフト時に用いられる。
【0058】
400は車軸、500はデイファレンシャルギア、600は車輪である。260は回転電機を電気的に駆動するため、双方向交直変換型のコンバータであり、バッテリー270と第一多相巻線(三相)2121との間で交直変換する第一インバ−タ部と、バッテリー270と第二多相巻線(三相)2122との間で交直変換する第二インバ−タ部とをもつ。この種の双方向インバ−タは周知であるため、説明は省略する。
【0059】
280はエンジンコントローラ110と協調して回転電機200を制御するコントローラであって、回転センサ290、291からの両ロ−タ220、230の回転数などの信号に基づいて回転電機200を制御する。
【0060】
(動作)
上記装置の動作について以下説明する。
・エンジン始動動作
停車状態からエンジン100を始動させる場合、コントローラ280は、回転電機200の固定子210の第一多相巻線2121から第一ロータ220を作動させてエンジン100を駆動し、エンジンコントローラ110と協調してエンジン100を始動させる。
【0061】
このエンジン始動時に、第二ロータ230はワンウエイクラッチ240を通じて第一ロータ220より駆動されるが、クラッチ250は解離(解放)されており、変速機300にトルクが伝達されることはない。
・エンジン走行動作
エンジン100が始動した後、固定子210の第一多相巻線2121への給電を停止すると、第二ロータ230はワンウエイクラッチ240により第一ロータ220と一体で回転する。次に、クラッチ250を接続すると、車両はエンジン100の駆動力により走行状態に入る。
・トルクアシスト動作
急加速又はエンジン100が発生する以上のトルク要求をアクセルペダル踏角から検出すると、コントローラ280は固定子210の第二多相巻線2122から第二ロータ230を付勢する。すなわち、第二ロータ230はトルクアシストしてクラッチ250を通じて変速機300を駆動する。なお必要により第一多相巻線2121から第一ロータ220を付勢し、第一ロータ220、第二ロータ230の合成トルクで強力にトルクアシストできることはもちろんである。
【0062】
また、車両が極低速時の加速、即ち坂道発進や渋滞走行時等のクリープ走行においても上記と同様にトルクアシストすることができ、なめらかな発進を可能となる。
・減筒運転動作
燃費改善のために減筒運転を行う場合のエンジントルク変動を低減するために、それと逆位相のトルクを固定子210の第一多相巻線2121から第一ロータ220に加えると、エンジントルク変動を低減して車体振動を低減することができる。
・回生運転動作
車両の走行エネルギーを電力として固定子210の第二多相巻線2122と第二ロータ230とによりバッテリー270に回収する。
【0063】
この時、ワンウエイクラッチ240が解離するので、エンジン100のロスによってこの走行エネルギーを無駄に消費することがない。
【0064】
更に具体的に説明すれば、たとえば高速走行状態からブレーキペダル操作によって減速走行に入るとエンジンコントローラ110はアクセルの戻る動作に応じて燃料の噴射をしぼり、エンジン100の回転数を下げる動作を行う。この時、車速がたとえば40km/H以下と低速では、エンジン100を止めて燃費を改善することが考えられる。このような場合、第一ロータ220の回転数もそれに応じて低下し、場合によっては回転を停止する。この時、車両は慣性走行中であるため、車軸400によって第二ロータ230は駆動されており、第二ロータ230と第二多相巻線2122によって電力を取り出すことができる。
【0065】
この時、ワンウエイクラッチ240が解離されており、第二ロータ230は第一ロータ220やそれにつながるエンジン100を駆動しないので、それに伴うロスが生じない。
【0066】
なお、減速途中で加速する場合には、エンジン100をトルクアシストすることによりエンジン回転数を車両駆動可能な回転数域まで急加速することができる。車速が40Km/h以下でエンジンの回転を止めた時は図示しない車速センサーの信号と回転センサーからのエンジン100の停止信号とアクセルペダルの加速信号等により固定子210の第一多相巻線2121によって第一ロータ220を駆動し、エンジン100を再度始動させ、その後、第二ロータ230の回転数までエンジン回転を上げて以後通常の駆動に入ることができる。
・一時停車時のエンジン停止中での補機類の駆動(アイドルストップ)
燃費改善を目的として交差点等で車両が一時停止したとき、エンジン100を停止して不要な燃料消費を防ぐことができる。この場合、従来のエンジンのアイドル回転によって駆動されていた補機類、例えばエアコン用コンプレッサー、パワステアリング用オイルモータ等は別の手段によって駆動してやる必要がある。
【0067】
そこで、回生動作によって蓄えた電力によって第二多相巻線211に電流を供給して第二ロータ230を駆動することにより、その回転伝達部236から外部補機へのベルトやチエーン等によってこれら補機を駆動する。これにより、車両の快適性や操作性を損なうことなしに駆動エネルギーも回生エンジンに利用するので、燃料を無駄に消費することなくアイドルストップシステムを実効あるものにすることができる。
(各部構造の説明)
この車両用動力伝達装置の回転電機200の構造を以下に説明する。図3は図1における回転電機のAーA線に沿う断面の半断面図を示す。
【0068】
図3において、回転電機200は、三相巻線2121、2122が、固定子210の電磁鉄心211のスロット213、214に12極全節巻きで巻装されている。218、219は電磁鉄心211のティースである。217は共通のコアバックである。この実施例では、外周側スロット214、内周側スロット213はそれぞれ周方向同位置、かつ周方向等ピッチに同数設けられている。
【0069】
コアバック217に軸方向に設けられた貫通孔2171には棒状の固定部材215が嵌着され、固定部材215の一端部は図1、図2に示す支持部材216を介してエンジンハウジング102に固定されている。
【0070】
231は、第二ロータ230の電磁鉄心であり、電磁鉄心231の内周部には、12個の永久磁石231が、内周側端面が磁極面をなすように周方向へ磁性交互に一定ピッチで内装されている。また、電磁鉄心231は、椀状支持部材233の大径側筒部の内周面に嵌着、固定されると共に、小径側筒部の外周面においてワンウエイクラッチ240の内輪241に嵌着固定され、更にその側面部にクラッチ250が接続されている。
【0071】
ワンウエイクラッチ240の外輪242は椀状支持部材223の大径側筒部の内径に嵌着、固定されると共に、椀状支持部材223の小径側筒部の外径においてエンジン100のクランクシャフト101に連結されている。
(コントローラ280の説明)
次に、コントローラ280の構成について図6を用いて説明する。
【0072】
図1において、コントローラ280は各種センサ等の信号を入力するための入力端子291〜296を有する。入力端子291は図示しないブレーキ検出手段からブレーキ信号が入力される。入力端子292にはSOC(充電状態)検出手段から充電状態を表わす信号が入力される。入力端子293には始動スイッチが接続されており始動信号が入力される。入力端子294にはシフト位置検出手段からシフト信号が入力される。入力端子296にはアクセル操作検出手段からアクセル信号が入力される。
【0073】
コントローラ280の通信端子2905〜2907には、それぞれ原動機コントローラ110、第一インバータ261、第二インバータ262が接続されており、制御に必要な情報を相互に通信出来る構成となっている。
【0074】
アナログ信号入力部2901は演算増巾器を含む公知の電圧増巾回路より構成され、入力端子296から入力されるアクセル信号を所定の電圧レベルに増巾する。デジタル信号入力部2902は比較器あるいはトランジスタを含む公知のデジタル信号入力回路にて構成されて、入力端子291〜295から入力される信号をTTLレベルの信号に変換する。
【0075】
コントローラ280の制御を実行する制御ユニット2903は公知のシングルチップマイクロコンピュータを主体に構成され、制御プログラムやデータが格納されているROM、演算に必要なRAM、アナログ信号を取り込むA/Dコンバータ、シリアル通信機能などが内蔵されている。この制御ユニット2903はアナログ信号入力部2901及びデジタル信号入力部2902に接続されており、アクセル位置検出手段520の検出結果に基づいてアクセル開度ACC、ブレーキ検出手段等の検出結果に基づきブレーキ状態BRK、シフト位置検出手段294にシフト信号に基づきシフト位置SFT、及び、始動スイッチ293のON/OFF信号に基づいて、始動状態STAを取りこむ。通信バッファ回路よりなる通信部2904は制御ユニット2903と通信端子2905、2906、2907との間に設けられている。
(コンバ−タ260の説明)
次に、双方向コンバ−タ260を構成する第一、第二インバータ261、262について図7及び図1を参照して説明する。
【0076】
各スイッチS1〜S6はIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ素子)又はMOSFET素子とフリーホィールダイオ−ドからなり、各スイッチS1〜S6はコントローラ280からのトルク指令値T1’、T2’に応じて各ゲートG1〜G6に印加される制御電圧により所望のタイミングでONーOFF制御される。それらの交流出力端子261U、261V、261W、262U、262V、262Wは回転電機200の第一、第二多相巻線2121、2122に接続されている。直流入力端子2619、2619’、2629、2629’は蓄電手段270の正極と負極に接続されている。2612、2622は平滑コンデンサ、2617、2627は電流センサである。
【0077】
ゲート駆動部2613、2623はIGBTモジュール2611、2621に内蔵されている個々のIGBT素子のゲート電極を駆動する。信号処理部2615、2625は第一、第二センサ290、291が検出するアナログ信号を接続端子2618、2628より入力してデジタル信号に変換して回転子の位置、回転数を演算して出力する。
【0078】
制御ユニット2614、2624は、たとえば公知のシングルチップマイクロコンピュータを主体に構成されコントローラ280から通信端子2616、2626より入力される第一ロータ220へのトルク指令値T1’と第二ロータ230へのトルク指令値T2’、第一ロータ220の位置、回転数、第二ロータ230の位置、回転数、第一多相巻線2121のU相電流、W相電流、第二多相巻線2122のU相電流、W相電流に基づいて、内蔵ROMに記憶されているプログラムにより公知のベクトル制御を実施して第一ロータ220及び第二ロータ230を夫々のトルク指令値T1’、トルク指令値T2’通りに制御する。また、第一ロータ220及び第二ロータ230の回転情報N1、N2をコントローラ280に送信する。
(原動機コントローラ110の説明)
原動機コントローラ110の構成について図1及び図8を参照して以下に説明する。
【0079】
原動機コントローラ110は、原動機100に発生させるべき車両駆動パワーPv’をコントローラ280から受け、この入力値に基づいて図示しないスロットルアクチュエータを駆動すると共にエンジン100に搭載された図示しない原動機の運転状態センサの信号に基づいて燃料噴射電磁弁の開弁時間を制御し、図示しない点火装置の点火タイミングを決定し点火装置を駆動する。これらの燃料噴射制御や点火制御によりエンジン100の燃焼状態が制御される。
【0080】
【実施例2】
実施例2を図4に示す。ただし、主要機能が共通する構成要素には同一符号を付す。図4は、図2のAーA線に沿う断面図を示し、固定子210及び第一、第二ロ−タ220、230が誘導機として構成されている。
【0081】
固定子210は、4極36スロット78%短節重ね巻きの場合の固定子巻線をもつ。224、234は誘導機ロータの2次導体である。これらは銅線で籠形ロータに成形しても良く、アルミダイキヤストで一体成形しても良い。
【0082】
【実施例3】
実施例3を図5に示す。ただし、主要機能が共通する構成要素には同一符号を付す。図5は、図2のAーA線に沿う断面図を示し、固定子210及び第一、第二ロ−タ220、230がシンクロナスレラクタンスモータとして構成されている。
【0083】
225、235は電磁鉄心221、231に設けられた打抜き穴部でサークル円の中心部とサークル円間で磁気抵抗に差をつけていわゆる凸極構造を形成したものである。
【0084】
以上の実施例では第一多相巻線2121及び第一ロータ220のペアと、第二多相巻線2122及び第二ロータ230のペアとを同一種類の回転電機方式で構成しているが、一方のペアを誘導機とし、他方のペアを同期機とするなど、適宜、必要な回転電機方式を採用することができる。
【0085】
【実施例4】
実施例4を図9に示す。ただし、主要機能が共通する構成要素には同一符号を付す。
【0086】
この車両用動力伝達装置は、図1、図2に示す第一実施例の車両用動力伝達装置において、クラッチ250をロックアップ機構付きトルクコンバータ251に変更したものである。
【0087】
このロックアップ機構付きトルクコンバータ251は、従来のものとまったく同じ制御で制御される。
【0088】
すなわち、従来のロックアップ機構付きトルクコンバータ251におけるロックアップ機構の基本的な動作は、ある車速以上の定速走行状態を検出した場合にロックアップを行ってエンジン動力をダイレクトに駆動軸に伝達してトルクコンバータにおける損失を回避する動作(いわゆる定速走行モ−ドロックアップ)と、減速状態及び降坂状態を検出した場合にロックアップを行って車両の運動エネルギーをエンジンのフリクションロスで消費して制動性能を向上させる(又は機械的制動機構の減耗を低減する)動作(いわゆる制動降坂モ−ドロックアップ)との二つである。
【0089】
この変形例のロックアップ機構付きトルクコンバータ251も上記従来の動作と同じ動作を行い、これにより定速走行時の燃費低減と減速、降坂時の制動性能向上(又は機械的制動機構の減耗低減)を実現する。更にこの実施例では上記減速、降坂時のロックアップ状態にて、既に説明した第二ロータと第二多相巻線により回生制動を行ない車両の走行エネルギーを固定子に電力として回収する。
【0090】
たとえば、ブレーキペダルが所定しきい値以上操作されたことを検出した場合には制動と判定してロックアップ機構付きトルクコンバータ251のロックアップクラッチ2511をロックアップして、これにより車両の走行エネルギーをモータの第二ロータ230に伝達する。次に、第二ロータ230から第二多相巻線、第二コンバータから電力回生制御を行う。これにより、ロックアップ機構付きトルクコンバータ251を有する車両においても制動エネルギーを電力として回生できる。エンジン始動時などではロックアップは解除されるなど通常のロックアップ機構付きトルクコンバータを有するエンジン搭載車におけるロックアップ制御と同じ制御をこのロックアップ機構付きトルクコンバータ251に実施させればよい。これにより、一層の燃費低減を図ることができる。なお、上述した定速走行状態の検出によるロックアップ制御状態の検出自体は本発明の要旨ではないので説明を省略する。また、減速状態及び降坂状態の検出自体はブレーキペダルの踏み量など検出されるが、この種の減速及び降坂状態の検出自体は従来のロックアップ機構付きトルクコンバータの場合と同じであり、かつ、周知事項であるので更なる説明は省略する。
【0091】
【実施例5】
実施例5を図10に示す。ただし、主要機能が共通する構成要素には同一符号を付す。図10は図1における双方向コンバータ260の1部即ち第二多相巻線2122につながるコンバータの回路部分である第二インバ−タ262を整流器のみとしたもので、これにより簡素な構成で減速時の運動エネルギーを第二発電機から電力として回生することができる。
【0092】
【実施例6】
実施例6を図11に示す。ただし、主要機能が共通する構成要素には同一符号を付す。図11は、この実施例の車両用動力伝達装置をエンジンシステム全体の中で示したもので、エンジンのクランクプーリはオルタネ−タを駆動して車載負荷に供給する。この場合、車両用動力伝達装置に搭載された回転電機と電圧を分けることができる。例えばクランクプーリで駆動される発電機は12V系の負荷に電力を供給し、車両用動力伝達装置の回転電機はより高圧な42V又144V等の電圧で作動させて損失低減を図ることができる。
【0093】
【実施例7】
実施例7を図12に示す。
【0094】
図12は固定子210の電磁鉄心1000の一部を示す径方向部分断面図を示す。
【0095】
1001は内側スロット、1002は内側ティ−ス、1003はコアバック、1004は外側スロット、1005は外側ティ−スである。
【0096】
この実施例では、内側スロット1001の周方向中心は、外側スロット1004の周方向中心と周方向に半スロットピッチだけずれて同数配置されている。
【0097】
このようにすれば、内外両方のスロット1001、1004に巻装される一対の多相巻線2121、2122により形成される磁束を合成した合成磁束が流れるコアバック1003の磁気抵抗を減らして鉄損を低減することができ、あるいは鉄損同一でコアバック1003の周方向寸法を低減することができる。
【0098】
なお、多相巻線2121、2122を丸線とすれば、スロット1001、1004の底面角部を丸めることができ、一層、磁気抵抗を減らすことができる。
【0099】
図13は図12において、スロット1001、1004の周方向中心位置を一致させた比較例を示し、コアバック1003における磁路幅は平均して小さいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用動力伝達装置を用いた車両用動力伝達装置の実施例1を示す全体構成図である。
【図2】図1に示す回転電機のエンジン部分への実装形態を示す断面図である。
【図3】図1に示す回転電機のAーA線矢視半断面図である。
【図4】図1に示す車両用動力伝達装置の実施例2を示す半断面図である。
【図5】図1に示す車両用動力伝達装置の実施例3を示す半断面図である。
【図6】図1に示すコントローラのブロック図である。
【図7】図1に示す双方向コンバータの回路図である。
【図8】図1に示す原動機コントローラのブロック図である。
【図9】図1に示す車両用動力伝達装置の実施例4を示す軸方向断面図である。
【図10】図1に示す車両用動力伝達装置の実施例5を示す回路図である。
【図11】図1に示す車両用動力伝達装置の実施例6を示す模式図である。
【図12】図1に示す車両用動力伝達装置の実施例7を示す固定子鉄心の部分径方向断面図である。
【図13】図12の固定子鉄心の比較例を示す部分径方向断面図である。
【図14】従来公知の車両用動力伝達装置の構成図である。
【図15】従来公知の車両用動力伝達装置の構成図である。
【図16】従来公知の車両用動力伝達装置の構成図である。
【符号の説明】
100…エンジン
110…エンジンコントローラ
101…クランクシャフト
200…回転電機
210…回転電機の固定子
220…回転電機の第一ロータ
230…回転電機の第二ロータ
240…ワンウエイクラッチ
250…クラッチ
251…ロックアップ機構付きトルクコンバータ
260…双方向コンバ−タ
280…コントローラ
300…変速機
201…回転電機のハウジング
210…回転電機の固定子
211…回転電機の固定子の電磁鉄心
2112…回転電機の固定子の三相巻線(第一多相巻線)
2122…回転電機の固定子の三相巻線(第二多相巻線)
217…コアバック
220…第一ロータ
221…第一ロータの電磁鉄心
222…第一ロータの磁石
230…第二ロータ
231…第一ロータの電磁鉄心
232…第二ロータの磁石
270…バッテリ

Claims (16)

  1. それぞれ固定子巻線である第一多相巻線及び第二多相巻線を内周側及び外周側に個別に有してハウジングに固定された固定子、並びに、前記固定子の内周側及び外周側にそれぞれ回転自在に配設される第一ロータ及び第二ロータを有し、
    前記第一ロータは、前記固定子の内周側とエネルギー授受可能に電磁結合するとともにエンジンのクランクシャフトに連結され、
    前記第二ロータは前記固定子の外周側とエネルギー授受可能に電磁結合するとともにクラッチ又はロックアップ機構付きトルクコンバータを介して変速機に連結され、
    前記第一ロータ及び前記第二ロータは、前記第一ロータから前記第二ロータへトルクを伝達するワンウエイクラッチにより結合されることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の車両用動力伝達装置において、
    前記固定子は、
    前記第一ロータに対面する内周面及び前記第二ロータに対面する外周面に周方向へ所定ピッチで交互に設けられたスロット及びティース、並びに、外周側の前記スロットと内周側の前記スロットとの間にて前記両スロットを分離するコアバックを有する電磁鉄心を有し、
    前記第一多相巻線は内周側の前記スロットに、前記第二多相巻線は外周側の前記スロットに巻装されることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  3. 請求項2記載の車両用動力伝達装置において、
    前記内周側のスロット及び前記外周側のスロットは、前記コアバックを挟んで周方向略同位置に同数設けられ、
    前記両多相巻線の各相巻線は、同一の電気角ピッチで、周方向略同位置の前記内周側のスロット及び外周側スロットに巻装されることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  4. 請求項1又は2記載の車両用動力伝達装置において、
    前記両ロータは、界磁極を形成する永久磁石を有する磁石型ロ−タ構造を有することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  5. 請求項1又は2記載の車両用動力伝達装置において、
    前記両ロータは、籠形ロータ構造を有することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  6. 請求項1又は2記載の車両用動力伝達装置において、
    前記両ロータは、レラクタンス型ロータ構造を有することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  7. 請求項1又は2記載の車両用動力伝達装置において、
    前記第一ロータは磁石型ロ−タ構造を、前記第二ロータは籠形ロータ構造を有することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  8. 請求項2記載の車両用動力伝達装置において、
    前記固定子は、前記コアバックに略軸方向に圧入された棒状支持部材によりハウジングに固定されることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  9. 請求項1記載の車両用動力伝達装置において、
    前記ワンウエイクラッチは、前記第一ロータの径内側に収容されることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  10. 請求項1記載の車両用動力伝達装置において、
    前記第二ロータは、車両用補機とトルク伝達可能に連結されるトルク伝達部を有することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか記載の車両用動力伝達装置において、
    前記両多相巻線と車載バッテリーとの間で個別に送電電力の交直双方向変換を行う第一コンバ−タ及び第二コンバータと、
    前記両コンバ−タを制御する制御部とを有することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  12. 請求項11記載の車両用動力伝達装置において、
    前記制御部は、前記第一多相巻線を通電制御することにより、前記第一ロータを駆動制御して前記エンジンに始動トルク又は制動トルクを与えることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  13. 請求項11記載の車両用動力伝達装置において、
    前記制御部は、前記第二多相巻線を通電制御することにより、車両に制動トルク又は加速トルクを与えることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  14. 請求項11記載の車両用動力伝達装置において、
    前記制御部は、車両制動時に前記第二多相巻線を通電制御することにより、車両の走行エネルギ−を電力として回生させることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  15. 請求項1、2、3、5、8、9、10のいずれか記載の車両用動力伝達装置において、
    車載バッテリーの直流電力を交流電力に変換して前記第一多相巻線に送電するインバ−タと、
    前記第二多相巻線の交流電力を直流電力に変換して前記車載バッテリーを充電する整流器と、
    を有することを特徴とする。
  16. 請求項10記載の車両用動力伝達装置において、
    前記制御部は、前記エンジンの停止中に前記第二多相巻線を通電制御することにより前記第二ロータを駆動し、
    前記第二ロータにより車両用補機を駆動することを特徴とする車両用動力伝達装置。
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