JP3853598B2 - 発射体とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、砲身等から発射されて防護物などに深く侵徹することを必要とする徹甲弾用弾心などに用いられる発射体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
徹甲弾用弾心は、砲身等から発射されて防護物などに侵徹するものであり、深い侵徹性を有することが必要である。このため、該弾心には、高強度高靭性かつ高比重のW−Ni−Fe合金焼結体などのいわゆるヘビーメタルや劣化ウランのような比重の大きな材料が用いられている。
ところで、徹甲弾用弾心の侵徹量は可能な限り大きい方が良く、上記の材料では劣化ウランの侵徹能力が比較的優れている。しかし、劣化ウラン弾は侵徹性能に優れているもののその放射線から環境問題が指摘されている。
一方、W合金は環境問題はないが侵徹性能が劣化ウランより劣る。そこで現状で得られている侵徹力をさらに向上させたヘビーメタル型の弾心の開発が望まれている。また、W焼結合金の侵徹はバラツキが大きい。侵徹長の短いデータは弾着時心ずれが生じその後心ずれが加速されたなどの結果が多い。安定した侵徹ができれば性能向上の可能性を示唆している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
弾心の侵徹力は、同一速度で撃ち出した場合、弾心材の比重が大きいほど高い事が知られており、W−Ni−Fe系合金焼結体を用いた弾心でも、その比重を増やすことで侵徹力の向上が期待できる。
しかし、W−Ni−Fe合金焼結体はすでにバインダー量を少なくして、比重が大きいタングステンを多く含有させることにより大比重化を実現しており、バインダとしてのNiとFe量を少なくしてW量を増加させる余地は少ない。また、バインダ量を少なくしてW量を増加させると焼結体の延性、靭性を低下させる恐れがある。その上、弾心の比重の増加は重量の増加となり弾心の発射速度が低下して侵徹能力を阻害する問題もある。
また、上記した弾心材の比重を増加させる方法の他に、弾心の長さを長くすることによって侵徹力を増大させる方法が考えられる。ところが、単に長さを長くするのは、比重を増加させる場合と同様に重量が増大して発射速度が低下する。そこで、弾心の径を小さくして重量の増大を抑える方法を考えたが、弾心の径を減少させると強度が低下し、発射時や目標物に撃ち当たった時に弾心が破損する場合がある。
【0004】
本発明は、上記のように侵徹力を増大させる課題を解決することを目的とし、重量の増大や強度低下させることなく、侵徹力を向上させた発射体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
ところで、W−Ni−Fe系合金焼結体で、十分な侵徹力が得られるようにするためには、液相温度までの十分な加熱にて液相焼結組織にし、強度および延性、靭性が十分高い焼結体にする必要がある。液相焼結組織では、球状のW粒の周囲を比較的、延・靭性の高いNi、Fe主体としたバインダーで囲んだ組織となり、強度、延性、靱性において優れた特性を示す。一方、固相温度域での焼結では、延・靭性に乏しいWマトリックス中に、Ni、Feを主体としたバインダーが散在しているような固相焼結組織となるため、強度および延性、靭性は極めて不十分な焼結体しか得られない。
しかし本発明者等は、上記の知識に拘わらず、発射体を組織の異なる心材と表層材とで構成することにより侵徹力の増大が可能であることを見出し本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
すなわち、本発明の発射体のうち第1の発明は、心材とその外層にある表層材とからなり、前記心材が液相焼結組織からなり、前記表層材が固相焼結組織からなることを特徴とする。
第2の発明の発射体は、前記表層材の引張強度が心材の引張強度よりも小さいことを特徴とする。
第3の発明の発射体は、前記心材の焼結粒径が表層材よりも大径であることを特徴とする。
第4の発明の発射体は、前記心材及び表層材が同一原料からなることを特徴とする。
【0007】
の発明の発射体の製造方法は、第1の原料粉末を液相焼結させて心材を形成し、該心材の周囲に第1又は第2の原料粉末を配して該原料粉末を固相焼結させて表層材を形成することを特徴とする。
の発明の発射体の製造方法は、タングステンを主成分として、残部がニッケル及び鉄を含む混合粉末を材料とし、少なくとも中心軸線方向の一部の径方向での焼結組織が変化する加工品を焼結によって得る発射体の製造方法において、前記成分の第一混合粉末を圧縮成形したものを液相焼結して中間液相焼結を形成し、この中間液相焼結体を機削りして所定形状の心材となし、更に前記第一混合粉末と同じ又は異なる成分比で第二混合粉末を心材の周囲に表層材として配置して、再度圧縮成形したものを固相焼結して棒状体を形成し、この棒状体を機削りして所定形状の加工品となすことを特徴とする。
【0008】
すなわち、本発明の発射体によれば、心材の外層に強度等が低い表層材があるので、侵徹中に表層が発射体本体である心材より早く全周一様に、かつ容易に離脱する結果、安定した侵徹がなされバラツキが少なくなる。該表層材は好適には心材の周囲を覆うように配される。
また、本発明の発射体の製造方法によれば、効率的な工程により、本発明の発射体を得ることができる。得られた発射体は、心材が強度および延性、靭性が十分に高い液相焼結体になり、表層材が比較的、強度、延性、靱性に劣った焼結体組織となる。該表層材組織は固相焼結したものである。上記の液相焼結とは、固相線以上の温度で焼結がなされたものであり、固相焼結とは固相線よりも低い温度で焼結がなされたものである。液相焼結された組織としては、球状のW粒の周囲を比較的延・靱性の高いNi、Fe主体としたバインダが囲んだ組織と説明でき、固相焼結組織としては金属拡散接合状態の紛状組織と説明できる。
【0009】
さらに、第7の発明の製造方法によれば、液相焼結したW−Ni−Fe焼結体が心材となり、固相焼結したW−Ni−Fe焼結体が表層材となった、適宜形状の棒状体を効率よく、また、良好な組織状態を持って製造することができる。得られた棒状体は、発射体として上記した本発明の作用をなす。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
本発明の発射体には、材料として、通常、いわゆるヘビーメタルが使用される。このヘビーメタルとしてはWを主成分として残部にNi、Feを含むW−Ni−Fe合金が例示される。本発明としては、これらの成分比は特に限定されるものではなく、また、構成成分の種別についても特に限定されるものではない。本発明の発射体は、好適には粉末冶金によって製造される。その具体例を以下に説明する。
【0011】
所定の成分(Wを主成分とするW−Ni−Fe合金)に調製した原料粉末を混合し、CIP等の方法により所望の形状(通常は棒状)に成形する。この成形粉体は発射体の心材となるものであり、液相焼結に供する。液相焼結では、成形体を固相線温度以上に加熱する。固相線温度は、成形体の成分によっても異なるものであるが、Wを90質量%以上含むようなものでは、固相線温度は1470℃となり、この温度以上、例えば1500℃で0.5〜1時間の時間加熱して液相焼結させる。液相焼結した組織は、球状のW粒の周囲を比較的延・靱性の高いNi、Fe主体としたバインダが囲んだ組織となっており、比較的、強度、延靱性に優れている。
【0012】
焼結した心材1は、機削りによって外形を整える。一方、表層材2として、上記心材と同成分または成分を変えた原料粉末を用意し、これを混合し、上記焼結により得られた心材の周囲に配し、CIP等の方法により心材1を新たな原料粉末で覆った棒状体とする。この棒状体を固相線温度未満の温度である例えば1400℃で1〜4時間の時間加熱して固相焼結させる。この固相焼結組織は、延・靱性に乏しいWマトリックス中にNi、Feを主体としたバインダが散在している組織状態にあり、比較的、強度、延靱性に劣っている。この固相焼結に際し、心材では組織変化は殆どなく、強度、延靱性に優れた特性が維持される。固相焼結後の棒状体は機削りによって外形を整え、所望の形状の発射体3を得る。
なお、上記実施形態では、発射体の製造方法として心材1、表層材2を2段階で焼結する工程について説明したが、本発明としては、その他の製造方法を排除するものではなく、結果として本発明の発射体を得られるものであればよい。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の実施例を比較例と対比しつつ説明する。
W粉:93質量% Ni粉:4.9質量% Fe粉:2.1質量%の粉末(平均粒径5μm)を混合し、CIP成形にて心材となる棒状体に成形した。この棒状体を1500℃で30分間加熱して液相焼結させた後、機削りを行って径6mm、長さ130mmの心材1を得た。さらに、心材1の外周部にゴムモールド内にて上記と同成分の混合粉を充填配置して心材1の周囲を覆った状態でCIP成形した。その後、1400℃で180分間加熱する固相焼結を実施して表層材2を心材1と一体化させた。得られた棒状体をさらに機削りして径10mm×長さ100mmの発射体3を作成した。この発射体の平均比重は17.2であった。また、比較のために、W粉91質量%、Ni粉6.3質量%、Fe粉2.7質量%とを混合してCIP成形し、1500℃で液相焼結した後、機削りにて径10×長さ100mmの比較用発射体を用意した。尚、これら発射体はいずれも同一重量とした。
【0014】
図2は、発明材の発射体の断面における組織写真であり、心材(液相焼結)と表層材(固相焼結)とで明らかな組織状態が異なっていることが分かる。
次に、上記発射体を初速Vで打ち出して装甲物に撃ち当てその際の侵徹量Pを測定した。その結果は図3に示す通りである。
Lは発射体の長さであり、評価は侵徹比P/Lとした。図から明らかなように、初速の大小に拘らず、発明材の方が比較材より侵徹比が大きく、すなわち侵徹量が多いことが明らかになっている。
これは、図4に示すように、発明材では侵徹中に発射体3の外層の固相焼結体の強度が心材1のそれに比べて低いことから、比較材10(単一材)に比べて侵徹中の発射体先端部で形成されるマッシュルームの形状に違いがあるためと考えられる。
すなわち、単一材である比較材に比べて、複合材である発明材の方が強度がより低い(すなわち、せん断強度も低い)固相焼結された外層部が侵徹中のマッシュルーム形成時に破壊しやすいため、発射本体である心材から容易に、かつ全周一様に離脱する結果、侵徹中の穴の径が比較材より小さくなって侵徹長がより深くなるものと考えられる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の発射体によれば、心材とその周囲に配された表層材からなる構造とし、表層材をより強度、延性、靱性に劣った材料とすることにより発射体本体である心材から容易に離脱する結果、安定した侵徹現象が再現されることにより侵徹長のバラツキが少なくなり侵徹性能を飛躍的に向上させることができる。
そして、液相焼結組織を有するタングステン合金焼結体で構成された棒状の発射体本体の外周に、固相焼結組織を有するタングステン合金焼結体を筒状に装着すれば、強度および延性・靭性を損なうことなく、侵徹性を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の発射体を示す正面断面図および側面図である。
【図2】 同じく断面の金属組織写真である。
【図3】 実施例における発明材と比較材の初速に対する侵徹量を示すグラフである。
【図4】 発射体と侵徹状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 心材
2 表層材
3 発射体
10 発射体

Claims (6)

  1. 心材とその外層にある表層材とからなり、前記心材が液相焼結組織からなり、前記表層材が固相焼結組織からなることを特徴とする発射体。
  2. 前記表層材の引張強度が心材の引張強度よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の発射体。
  3. 前記心材の焼結粒径が表層材よりも大径であることを特徴とする請求項1または2に記載の発射体。
  4. 心材及び表層材が同一原料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発射体。
  5. 第1の原料粉末を液相焼結させて心材を形成し、該心材の周囲に第1又は第2の原料粉末を配して該原料粉末を固相焼結させて表層材を形成することを特徴とする発射体の製造方法。
  6. タングステンを主成分として、残部がニッケル及び鉄を含む混合粉末を材料とし、少なくとも中心軸線方向の一部の径方向での焼結組織が変化する加工品を焼結によって得る発射体の製造方法において、前記成分の第一混合粉末を圧縮成形したものを液相焼結して中間液相焼結を形成し、この中間液相焼結体を機削りして所定形状の心材となし、更に前記第一混合粉末と同じ又は異なる成分比で第二混合粉末を心材の周囲に表層材として配置して、再度圧縮成形したものを固相焼結して棒状体を形成し、この棒状体を機削りして所定形状の加工品となすことを特徴とする発射体の製造方法。
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