JP3853023B2 - 電子部品接着用ボンドの塗布方法 - Google Patents

電子部品接着用ボンドの塗布方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3853023B2
JP3853023B2 JP12532497A JP12532497A JP3853023B2 JP 3853023 B2 JP3853023 B2 JP 3853023B2 JP 12532497 A JP12532497 A JP 12532497A JP 12532497 A JP12532497 A JP 12532497A JP 3853023 B2 JP3853023 B2 JP 3853023B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bond
application
amount
substrate
syringe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP12532497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10322005A (ja
Inventor
成孝 阿部
裕治 大武
稔 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP12532497A priority Critical patent/JP3853023B2/ja
Publication of JPH10322005A publication Critical patent/JPH10322005A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3853023B2 publication Critical patent/JP3853023B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/303Surface mounted components, e.g. affixing before soldering, aligning means, spacing means

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を基板に接着するためのボンドを基板に塗布する電子部品接着用ボンドの塗布方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
様々な品種の電子部品を基板に接着するために、基板の所定位置にボンドを塗布することが行われる。この場合、ボンドの塗布量が過少であれば電子部品の接着力不足を生じ、また過多であると電子部品がボンドに埋没するなどの問題が生じるため、ボンドの塗布量は適正になるように調整されなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この塗布量の調整は、従来はシリンジに貯溜されたボンドを加圧する空気圧の大きさ、加圧時間などの変更により行われていた。しかしながら、ボンドの塗布装置によってボンドの塗布を行う場合には、空気圧の大きさや加圧時間などの因子以外にも、ボンドの塗布量に影響を及ぼす因子が存在する。例えば、シリンジを基板に対して移動させるすなわち塗布タイミングのインターバル距離や、シリンジを基板上に下降させて塗布を行うタイミングなどの因子によっては基板に塗布されるボンドの塗布量が異なることが経験的に知られている。しかしこれらの因子とボンドの塗布量との関連は明らかにされておらず、因子の設定を変更して塗布量の調整を行った場合でも、基板にボンドを塗布する際には、各塗布点によって塗布量のばらつきが発生するという問題点があった。
【0004】
そこで本発明は、シリンジの移動距離や塗布タイミングなどの塗布条件が異なる基板の多数の塗布点に対して、ボンドの塗布量のばらつきがなく、しかも高速度で安定したボンドの塗布が行える電子部品接着用ボンドの塗布方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内部に貯溜されたボンドを空気圧で加圧することによりノズルから吐出して基板に塗布するシリンジと、シリンジの下方に設けられた基板の位置決め部と、シリンジを基板に対して相対的に水平方向へ移動させる移動テーブルとを備えたボンドの塗布装置による電子部品接着用ボンドの塗布方法であって、シリンジに吐出動作を行わせるための空気圧の加圧を開始するタイミングからシリンジが基板に対して相対的に水平移動してノズルの下端部に吐出されたボンドを基板に塗布するまでの吐出遡及時間のパラメータと基板に塗布されるボンドの塗布量との関係を示す塗布条件調整データを予め実験により求めて塗布条件調整データ記憶部に記憶させておき、各ボンド塗布点の位置データにより求められる前記パラメータと前記塗布条件調整データに基づいて前記空気圧の加圧時間を調整してシリンジのノズルの下端部に付着するボンドの量を調整することにより基板に塗布されるボンドの塗布量を調整するようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記構成の本発明によれば、ノズルの下端部よりボンドの吐出が開始されてから基板に塗布されるまでの吐出遡及時間のパラメータに応じて、予め実験により求められ記憶された塗布条件調整データに基づき加圧時間を調整することにより、塗布タイミングでノズルの下端部に付着しているボンド量が一定になるように調整することができ、したがって塗布量が安定したボンドの塗布が行える。
【0007】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置の斜視図、図2は同ボンドの塗布装置によるボンドの塗布態様を示す基板の斜視図、図3は同ボンドの塗布装置の制御系のブロック図、図4(a)は同ボンドの塗布装置の塗布動作のタイミングチャート、図4(b)は同ボンドの塗布装置のノズルの拡大図、図4(c)は同ボンドの塗布装置のノズルの下端部のボンド付着量を示すグラフ、図5(a)は同ボンドの塗布装置の塗布動作のタイミングチャート、図5(b)は同ボンドの塗布装置のノズルの拡大図、図5(c)は同ボンドの塗布装置のノズルの下端部のボンド付着量を示すグラフ、図6(a)は同ボンドの塗布装置の塗布動作のタイミングチャート、図6(b)は同ボンドの塗布装置のノズルの拡大図、図6(c)は同ボンドの塗布装置のノズルの下端部のボンド付着量を示すグラフ、図7は同ボンドの塗布装置の塗布量をフィードフォワードするためのフローチャート、図8は同ボンドの塗布装置のシリンジの移動距離と塗布面積との関係を表すグラフ、図9は同ボンドの塗布装置の加圧時間と塗布面積との関係を表すグラフである。
【0008】
まず、図1を参照してボンドの塗布装置の全体構造を説明する。図1において、本体フレーム11の上部には透明なカバーボックス12が被蓋されており、このカバーボックス12の内部に以下に述べる部品が配置されている。13はXテーブル、14はXテーブル13の両側部にこれと直交するように配設されたYテーブルであって、Xテーブル13には、ヘッド15が装着されている。このヘッド15には、複数本のシリンジ16とカメラ10が保持されている。
【0009】
それぞれのシリンジ16には、ボンドが貯溜されているが、それぞれのシリンジ16によるボンドの塗布量は異なっており、対象基板や対象チップなどに応じて選択的に使用される。移動テーブルであるXテーブル13とYテーブル14にはモータMx,MyやこのモータMx,Myに駆動されて回転するボールねじ18などが配設されており、モータMx,Myが駆動すると、ヘッド15はX方向や、Y方向に水平移動する。なお作図の都合上モータMx,Myやボールねじ18はその一部のみを図示している。
【0010】
ヘッド15の移動路の下方には、左右一対の棒状のガイドレール19a,19bが配設されている。このガイドレール19a,19bの内面には、基板20を搬送するコンベアベルト21が設けられている。また一方のガイドレール19aの中央部にはクランパ19cが設けられており、基板20を他方のガイドレール19b側へ押しつけて固定する。従って、ガイドレール19bとクランパ19cは基板20の位置決め部を構成している。そして、このように位置決めされた基板20に対してボンドが塗布される。
【0011】
22はコンベアベルトの駆動用モータ、23は基板20の横幅に応じてガイドレール19aとガイドレール19bの間隔を調整するために、一方のガイドレール19aを他方のガイドレール19bに対して基板20の横幅方向(Y方向)に移動させるためのモータ、24はそのガイドである。
【0012】
次にガイドレール19bの側部に設けられたボンド1の試し塗布部30について説明する。ガイドレール19bの側方には、繰り出しリール31と巻き取りリール32が対設されており、繰り出しリール31に卷回されたテープ33を巻き取りリール32で巻き取る。このテープ33は、透明もしくは半透明の光透過性のテープであり、合成樹脂などからなっている。
【0013】
このテープ33の水平走行部の下方には光源を有する光源部(図示せず)が配設されており、テープ33へ向かって光を照射する。34はテープ33の水平走行部の直下に配設されたテープ33の受け台であって、テープ33を水平に保持させるためのものであり、透明や白色の光透過板にて形成されている。このテープ33の水平走行部は、ボンドを試し塗布するためのステージとなる。
【0014】
図2は、ボンドの塗布態様を示している。シリンジ16は基板20上をX方向やY方向へ水平移動しながら、ノズル16aからボンド1を吐出し、基板20の所定の塗布点P(P1、P2、P3、・・・Pn)に順に塗布する。図中、D(D1、D2、D3、・・・Dn)は各塗布点間のシリンジの移動距離である。また、Ta(Ta1、Ta2、Ta3、・・・Tan)は、各塗布点間における吐出遡及時間(後述)である。後に詳述するように、本ボンドの塗布装置は、移動距離Dが異なる各塗布点間をシリンジ16を高速度で移動させながら、ノズル16aからボンド1を吐出するためにシリンジ16内に空気圧を加える加圧時間を調整することにより、各塗布点P1〜Pnにおいて塗布量が均一な安定したボンド1の塗布を実現するものである。
【0015】
次にボンドの塗布装置の制御系の構成について説明する。図3において、40は主制御部であり、以下に説明する各部からのデータを受け、また各部に指令を出して全体の動作を制御する。塗布データ記憶部41は、塗布対象の基板20の各塗布点の座標を記憶する。塗布条件記憶部42は、ボンド1を吐出するための加圧時間を記憶する。塗布条件調整データ記憶部43は、前述の加圧時間の調整データを記憶する。
【0016】
認識部44は、カメラ10によって撮像された各塗布点の画像データに基づき、各塗布点に塗布されたボンド1の塗布面積を算出する。この塗布面積は、各塗布点でのボンド1の塗布量を表す指標として用いられる。モータ駆動部45は、シリンジ16を水平移動するXテーブル13やYテーブル14の各軸のモータMx,Myや、シリンジ16の上下移動をするZ軸モータMzを制御する。バルブ駆動部46は、シリンジ16に空気圧を付与する加圧バルブ47の動作を制御する。
【0017】
このボンドの塗布装置は上記のような構成より成り、以下このボンドの塗布装置による電子部品接着用ボンドの塗布方法について説明する。まず、塗布装置の具体的な動作を説明する前に、空気圧を用いてボンド1を塗布する方法について図4(b)を参照して説明する。
【0018】
このボンドの塗布装置では、ノズル16aを下降させ、吐出されてノズル16aの下端部に付着したボンド1(このボンド1の量Qを以下、「付着量」という)を基板20に転写することによりボンド1の塗布が行われるため、塗布が行われるタイミング(図4(b)の(ホ)に示すように、ノズル16aが下降してその下端部に吐出されたボンド1が基板20に着地するタイミング)での付着量(以下、「塗布時付着量」という)Qeが、実際に基板20に塗布されるボンド1の量(以下、単に「塗布量」という)Qtを左右することになる。すなわち、この塗布時付着量Qeが多ければ塗布量Qtは多くなり、逆に少なければ塗布量Qtは少なくなる。したがって、塗布量Qtが均一な安定したボンド1の塗布を実現するためには、塗布時付着量Qeを均一にすることが求められる。なお、図4(b)の(ニ)は、ボンド1が基板20に着地する直前の状態を示したものであり、このときの付着量Qは前述の塗布時付着量Qeとほぼ等しいと考えて良い。
【0019】
そこで、塗布時付着量Qeと、シリンジ16をXY方向やZ方向へ移動させるタイミングや加圧バルブ47の駆動タイミングとの関係について、図4〜図6を参照して説明する。図4〜図6において、(a)はシリンジ16の水平方向(XY方向)の速度パターン、ノズル16aの上下動(Z方向)の速度パターン、および加圧バルブ47の開閉タイミングを示すタイミングチャートである。また(b)は、シリンジ16内に空気圧を加圧することにより吐出されるボンド1の付着量Qの変化およびノズル16aの高さを各タイミングごとに示すものである。また、(c)はボンド1の付着量Qの時間的変化を示している。
【0020】
後述するように、ボンド1の塗布量Qtは、シリンジ16に吐出動作を行わせるための空気圧の加圧を開始するタイミングt0からシリンジ16が基板20に対して相対的に水平移動し、かつノズル16aが下降してノズル16aの下端部に吐出されたボンド1を基板20に着地させて塗布するタイミングt5までの間の時間(本発明では、「吐出遡及時間」という)Taによって左右される(t0,t5,Taについては各図を参照)。すなわち吐出遡及時間Taは、基板20に塗布されるボンドの塗布量Qtのパラメータである。また、この吐出遡及時間Taは、シリンジ16がある塗布点から次の塗布点へ移動する距離移動距離Dと略比例する関係にあるので、移動距離Dは吐出遡及時間Taのパラメータとなる(図2も参照)。図4はこの移動距離Dが標準的な数値(例えば10mm)である標準移動距離Dsの場合(すなわち、吐出遡及時間Taが標準の場合)を示し、また図5は移動距離Dが図4のDsと比較して短い場合、図6は長い場合を示している。
【0021】
図4において、時間原点t0は一連の動作が開始するタイミング、すなわち1つの塗布点での塗布を終了し、次の塗布点への移動を開始するタイミングである。まず時間原点t0において、シリンジ16のXY方向への移動速度が立ち上がり、t1にて最高速に到達しその後減速してt2にて停止する。すなわち、シリンジ16はこのタイミングt2で塗布点に到達する。次いで、このタイミングt2にてZ軸モータMzが駆動を開始しノズル16aが下降を開始する。また、時間原点t0においてXY方向への移動動作を開始するのと同時に加圧バルブ47が開になり、ノズル16aの下端部よりボンド1の吐出が開始される。なお図4(b)において破線矢印A,B,C,Dはノズル16a内におけるボンドの流れ方向を示している。この加圧バルブ47は予め設定された時間(加圧時間Td)だけ開にされる。なお、標準移動距離Dsにおける加圧時間をTdsとする。
【0022】
図4(b)、(c)に示すように、ノズル16aの下端部に吐出されたボンド1の付着量Qは、動作開始タイミング(イ)でのボンド1の量、すなわち初期付着量Qiから順次増大し、(ハ)に示すように加圧バルブ47が閉じられるタイミングt4にて最大量Qmとなる。この後、加圧バルブ47が閉じられた後には、(ニ)において破線矢印Cで示すようにボンド1はノズル16a内をわずかに逆流してボンド1の付着量Qはある時間(図4(c)で示すt4〜t6の間、以下「戻り時間」Twという)の間わずかずつ減少を続け、ボンド1の「戻り」の現象を示す。(ニ)において、破線で示すボンド1は最大量Qmの状態を示し、また実線で示すボンド1は「戻り」により減少しつつあるボンド1を示している。そしてこの時間Twを経過した後はボンド1の付着量Qは一定量Qrとなる。
【0023】
次に、タイミングt5にてノズル16aは下降動作の下死点に達し下端部に付着しているボンド1を基板20の表面に着地させて塗布する。このタイミングt5でのボンド1の量は前述の塗布時付着量Qeであり、この場合は移動距離が標準移動距離Dsの場合の塗布時付着量Qesである。このうち塗布量Qts(移動距離が標準移動距離Dsの場合の塗布量)が基板20に塗布される。その結果、タイミングt5にてボンドの付着量Qは図4(c)に示すようにQts(移動距離が標準移動距離Dsの場合の塗布量)だけ減少し、その後も戻り時間Twの間はなお減少を続ける(図4(b)(へ)にて示す破線矢印D参照)。そしてタイミングt6にて一定量になる。図4(c)にてタイミングt5以後を鎖線で示すグラフq’は塗布が行われなかった場合の付着量Qを示しており、実線のグラフqはこの鎖線のグラフをタイミングt5にて塗布量Qtsだけ下にずらしたものとなっている。なお、(ヘ)にて示すSは基板20上に塗布された塗布量Qtsのボンド1の塗布面積を意味しており、(ト)はタイミングt7にてノズル16aが完全に上昇し、かつ戻り時間Twが経過し付着量Qが一定量となってノズル16aの下端部に残留する量(以下、「残留量」Qnという)Qns(移動距離が標準移動距離Dsの場合の残留量)となった状態を示している。
【0024】
次に、図5を参照してシリンジ16の移動距離Dが短い場合(すなわち吐出遡及時間Taが短い場合)について説明する。図5(a)に示すように、t0からt2までのXY方向の加減速時間が図4の標準移動距離Dsの場合と比較して短い、すなわちシリンジ16の移動距離Dが短いことを示している。図5(c)のボンド1の付着量Qの時間的変化を示すグラフにおいて、実線で示すグラフaは図4に示す標準移動距離Dsの場合と同一の標準加圧時間Tdsで塗布を行った場合を示す。タイミングt5以後の鎖線で示すグラフq’は図4の場合と同様に塗布を行わない場合のボンド1の付着量Qを表す。また、破線で示すグラフbは加圧時間Tdの調整を行った場合を示しており、これについては後述する。
【0025】
移動距離Dが短い場合には、加圧時間Tdがタイムアップするタイミングt4前にXY方向の移動動作が完了しており(t2)、加圧バルブ47が閉になったタイミングt4に前後してノズル16aの下降が開始され、タイミングt5にて基板20へのボンド1の塗布が行われる。このため、付着量Qが戻りにより余り減少しないうちに、すなわち塗布時付着量がQe1(移動距離Dが短い場合の塗布時付着量。Qe1>Qes)の状態で塗布が行われ、この結果、基板20表面に塗布されるボンド1の塗布量Qt1(移動距離Dが短い場合の塗布量)は、図4の場合と比較して多くなる。この場合には、塗布が行われるタイミングt5以後もボンド1の付着量Qは戻り時間Tw(t4〜t6)の間減少を続け(図5(b)(へ)、(ト)にて示す破線矢印D,E参照)、その後一定の残留量Qn1(移動距離Dが短い場合の残留量)になる。図5(b)(チ)は、タイミングt6、t7以後でボンド1の戻りおよびノズル16aの上昇が完了した状態を示している。
【0026】
次に図6は、反対に移動距離Dが長い場合(すなわち吐出遡及時間Taが長い場合)を示している。図6(a)のグラフで示すように、t0からt1までの加速後に定速度を維持している時間(t1〜t1’)が長く、移動距離Dが長いことを示している。図6(c)のボンド1の付着量Qの時間的変化を示すグラフにおいて、実線で示すグラフcは図4に示す標準移動距離Dsの場合と同一の標準加圧時間Tdsで塗布を行った場合を示す。タイミングt5以後の鎖線で示すグラフq’は、塗布を行わない場合の付着量Qを示す。また、破線で示すグラフdは加圧時間Tdの調整を行った場合を示しており、これについては後述する。
【0027】
移動距離Dが長い場合には、ノズル16aが下降を開始し(t3)、下死点に到達してその下端部に付着したボンド1を基板20に塗布するタイミングt5には、ボンド1の戻りはすでに終了し(t6)、ボンド1の付着量QはQrとなっている。すなわち塗布時付着量Qe2(移動距離Dが長い場合の塗布時付着量)はQrに等しく(Qe2=Qr<Qes)、この結果、塗布量Qt2(移動距離Dが長い場合の塗布量)は前記図4,図5の2例の場合よりも少ない。図6(b)(チ)は、タイミングt7にてノズル16aの上昇が完了した状態を示しており、付着量Qは残留量Qn2(移動距離Dが長い場合の残留量)となっている。
【0028】
このように、基板20に塗布されるボンド1の塗布量Qtは吐出遡及時間Ta(タイミングt0〜t5間の時間)によってばらつくが、このばらつきは、前述のボンド1の戻り現象に起因するものである。すなわち、戻り現象によりボンド1の付着量Qが変動している戻り時間Twの間に塗布が行われる場合には、戻り時間Tw中のどのタイミングでノズル16aの下端部に付着するボンド1を基板20に着地させて塗布するかよって塗布時付着量Qeが異なり、したがって塗布量Qtが異なるからである。従来は、吐出遡及時間Taが長く、塗布の行われるタイミングは戻り時間Twが経過した後、すなわちボンド1の付着量Qが一定量Qrになった状態であったため、塗布時付着量Qeは常にこの一定量Qrであり塗布量Qtのばらつきは発生しなかった。しかし吐出遡及時間Taが長いため、結果としてタクトタイムが長くなり、高速化の妨げとなっていた。
【0029】
したがって、タクトタイムを短縮するためには、吐出遡及時間Taを短縮することが必要であり、必然的に戻り時間Tw中に塗布を行わなければならないが、この場合には塗布時付着量Qeは吐出遡及時間Taによってばらつくこととなる。
【0030】
なお、シリンジ16が水平移動を開始するタイミングとボンド1塗布のための加圧を開始するタイミングとが同期しており、吐出遡及時間Taは、シリンジ16が塗布点間を移動する時間に等しい。また、この移動に要する時間と、シリンジ16が基板20上の各塗布点間を移動する移動距離Dは、略比例していると見なして差し支えない。従ってこの移動距離Dは吐出遡及時間Taのパラメータとして用いることができる。すなわち、移動距離Dが異なる場合には、塗布時付着量Qeにばらつきが生じ、結果として塗布量Qtがばらつくこととなる。
【0031】
また、実際の塗布装置において基板20の各塗布点の塗布条件を考慮する場合には、実際の基板20上での距離として直感容易な移動距離Dを用いる方が便宜であることから、本実施の形態では塗布量Qtのばらつきを制御するための因子として、移動距離Dを用いる場合を例にとって説明する。
【0032】
実際の基板20上の塗布点の配列は様々であり、各塗布点間をシリンジ16が移動する場合の移動距離Dは一定していない(図2の塗布点P1〜Pn参照)。したがってこの場合に全ての塗布点について同一の塗布条件で塗布を行えば、上記説明のように塗布量Qtはばらつく。このため、均一な塗布量Qtを得ようとすれば各塗布点について塗布条件を適切に調整する必要がある。以下、この目的で行われる塗布条件のフィードフォワード制御について図7のフローに沿って各図を参照して説明する。
【0033】
まず塗布作業を開始する場合、または1つの塗布点の塗布を終えて次の塗布点へ移動する場合、移動指令により、塗布データ記憶部41(図3)に記憶された各塗布点の位置データに基づきシリンジ16が移動する移動距離Dが算出される(ST1)。ついでこの移動距離Dに基づいて塗布面積Sのばらつきの予測計算が行われる(ST2)。この予測計算の基準となる計算式は、図8に示すグラフで表される。図8は標準加圧時間Tdsで、移動距離Dを変化させた系統的な塗布実験のデータを整理して2本の直線で近似したものである。ST1にて移動距離Dが与えられると、図8のグラフより標準加圧時間Tdsでの塗布面積Sが求められる。従ってこの塗布面積Sと所望する塗布面積Sdとの差ΔSが求められ、このΔSが予測される塗布面積Sのばらつきとなる。
【0034】
ついで、この塗布面積SのばらつきΔSに対応する調整加圧時間Δtが図9のグラフより求められる(ST3)。このグラフも同様に加圧時間Tdと塗布面積Sとの関係を実験データより求め、グラフで近似したものである。上述のSd及び調整すべきばらつきΔSが与えられると、図9に示すように対応するΔtが求められる。これらの塗布条件調整データは塗布条件調整データ記憶部43に記憶されており、必要時に主制御部40に送られる。主制御部40では、この調整加圧時間Δtを標準塗布時間Tdsに加えあわせ、個別の加圧時間Tdが求められる。すなわち各塗布点ごとにシリンジ16の移動距離Dに応じて調整された異なる加圧時間Tdによってボンド1が吐出され、塗布が行われる。
【0035】
この調整加圧時間Δtをフィードフォワードして塗布が行われた場合について再び図5、図6を参照して説明する。図5において、(a)のタイミングチャートに示すΔt1は上述の移動距離Dが短い場合の調整加圧時間Δtである。すなわち、この場合には塗布時付着量Qeを小さくするため、加圧時間TdをΔt1だけ短くする調整が行われる。この結果、ボンド1の付着量Qを示すグラフは、(c)に示す破線のグラフbとなり、塗布時付着量QeはQe’1(=Qes)で示されるように、図4で示す標準移動距離Dsの場合と等しくなっている。
【0036】
また、図6において、Δt2は移動距離Dが長い場合の調整加圧時間Δtであり、この場合には塗布時付着量Qeを大きくするため、加圧時間をΔt2だけ長くする調整が行われる。この結果、ボンド1の付着量Qを示すグラフは、(c)に示す破線のグラフdとなり、塗布時付着量QeはQe’2(=Qes)で示されるように、図4で示す標準移動距離Dsの場合と等しくなっている。
【0037】
上述のように、シリンジ16の移動距離Dが異なる場合でも、加圧時間Tdを移動距離Dに応じて調整することにより、常に均一な塗布時付着量Qeを得ることができる。なお、上記実施の形態では、吐出遡及時間Taのパラメータとして移動距離Dを例にとって説明したが、吐出遡及時間Taのパラメータとしては、吐出遡及時間Taそのものでもよく、あるいはX軸モータやY軸モータの駆動時間や回転数などでもよく、要は吐出遡及時間Taと相関関係のあるパラメータを用いればよいものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、ノズル下端部よりボンドの吐出が開始されてから基板に塗布されるまでの吐出遡及時間のパラメータに応じて、予め実験により求められ記憶された塗布条件調整データに基づきボンドを吐出する加圧時間を調整するようにしているので、塗布タイミングでノズル下端部に付着しているボンド量を一定に保つことができ、加圧バルブの駆動時間を調整するという簡単な方法で塗布量が安定したボンドの塗布が行える。さらに、ノズルからボンドを吐出させた後のボンドの付着量が安定していないボンドの戻り時間中にノズルを基板に着地させてボンドの塗布を行うことができるため、吐出遡及時間を短縮することができ、したがって各塗布点での塗布動作の時間間隔が短縮され、トータルのタクトタイムを著しく短縮することができる。これにより、従来では不可能であった高速度でしかも塗布量の安定した基板へのボンドの塗布が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置によるボンドの塗布態様を示す基板の斜視図
【図3】本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置の制御系のブロック図
【図4】(a)本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置の塗布動作のタイミングチャート
(b)本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置のノズルの拡大図
(c)本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置のノズルの下端部のボンド付着量を示すグラフ
【図5】(a)本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置の塗布動作のタイミングチャート
(b)本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置のノズルの拡大図
(c)本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置のノズルの下端部のボンド付着量を示すグラフ
【図6】(a)本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置の塗布動作のタイミングチャート
(b)本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置のノズルの拡大図
(c)本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置のノズルの下端部のボンド付着量を示すグラフ
【図7】本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置の塗布量をフィードフォワードするためのフローチャート
【図8】本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置のシリンジの移動距離と塗布面積との関係を表すグラフ
【図9】本発明の一実施の形態のボンドの塗布装置の加圧時間と塗布面積との関係を表すグラフ
【符号の説明】
1 ボンド
10 カメラ
11 Xテーブル
12 Yテーブル
16 シリンジ
16a ノズル
19a ガイドレール
19b ガイドレール
19c クランパ
20 基板
31 繰り出しリール
32 巻き取りリール
33 テープ
40 主制御部
41 塗布データ記憶部
42 塗布条件記憶部
43 塗布条件調整データ記憶部
44 認識部

Claims (1)

  1. 内部に貯溜されたボンドを空気圧で加圧することによりノズルから吐出して基板に塗布するシリンジと、シリンジの下方に設けられた基板の位置決め部と、シリンジを基板に対して相対的に水平方向へ移動させる移動テーブルとを備えたボンドの塗布装置による電子部品接着用ボンドの塗布方法であって、シリンジに吐出動作を行わせるための空気圧の加圧を開始するタイミングからシリンジが基板に対して相対的に水平移動してノズルの下端部に吐出されたボンドを基板に塗布するまでの吐出遡及時間のパラメータと基板に塗布されるボンドの塗布量との関係を示す塗布条件調整データを予め実験により求めて塗布条件調整データ記憶部に記憶させておき、各ボンド塗布点の位置データにより求められる前記パラメータと前記塗布条件調整データに基づいて前記空気圧の加圧時間を調整してシリンジのノズルの下端部に付着するボンドの量を調整することにより基板に塗布されるボンドの塗布量を調整することを特徴とする電子部品接着用ボンドの塗布方法。
JP12532497A 1997-05-15 1997-05-15 電子部品接着用ボンドの塗布方法 Expired - Lifetime JP3853023B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12532497A JP3853023B2 (ja) 1997-05-15 1997-05-15 電子部品接着用ボンドの塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12532497A JP3853023B2 (ja) 1997-05-15 1997-05-15 電子部品接着用ボンドの塗布方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10322005A JPH10322005A (ja) 1998-12-04
JP3853023B2 true JP3853023B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=14907305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12532497A Expired - Lifetime JP3853023B2 (ja) 1997-05-15 1997-05-15 電子部品接着用ボンドの塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3853023B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10322005A (ja) 1998-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4711383B2 (ja) 粘性材料を吐出する方法及び非接触式粘性材料噴射システム
US7075036B2 (en) Electronic part compression bonding apparatus and method
KR101334514B1 (ko) 가공 장치 및 가공 방법
CN103817052B (zh) 全自动led荧光粉涂覆设备及其控制方法
JP2000140742A (ja) ペーストの形成方法
US20050095367A1 (en) Method of noncontact dispensing of viscous material
JP3853023B2 (ja) 電子部品接着用ボンドの塗布方法
JP3436071B2 (ja) 電子部品接着用ボンドの塗布方法
JP3853022B2 (ja) 電子部品接着用ボンドの塗布方法
US6460756B2 (en) Method of applying bonding paste
US6080249A (en) Method for adhering a member and apparatus for adhering a member
JPH10322003A (ja) 電子部品接着用ボンドの塗布方法
US6348234B1 (en) Paste applying method
JPH0724390A (ja) 液体塗布装置及び塗布方法
JP2631475B2 (ja) ペレットボンディング用ペースト塗布装置
JP3449139B2 (ja) チップの圧着装置
JP4134888B2 (ja) ペースト塗布装置およびペースト塗布方法
JP3738596B2 (ja) ペースト塗布装置およびペースト塗布方法
JP3893838B2 (ja) ペースト塗布方法
JP3419248B2 (ja) 電子部品接着用ボンドの塗布方法
TWM556933U (zh) 佈膠裝置
JP2741505B2 (ja) ペレットボンディング用ペースト塗布装置
JP4329189B2 (ja) ボンディングペーストの塗布装置
JP2630316B2 (ja) ペレットボンディング用ペースト塗布装置
JPH0731927A (ja) 接着剤塗布方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060905

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6