JP3851820B2 - 肌用水調整器 - Google Patents

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技術分野
本発明は、水道水などの原水を陽イオン交換樹脂に通すことにより肌の保湿や保健に有用な弱酸性軟水からなる肌用水を調製するための肌用水調製器に関する。
背景技術
水道水を陽イオン交換樹脂に通すことにより人の肌の保湿や保健に有用な軟水を調製する肌用水調製器は、例えば、特許第2989150号に提案されている。この特許第2989150号に記載された肌用水調製器のうちの一つを図4に示すが、これは、原水1を収容する本体容器2と、陽イオン交換樹脂を収容するカートリッジ容器3と、本体容器2の上端口部に取り付けられるとともに、カートリッジ容器3の上部にその吸上管17を連結した噴霧装置4とからなり、本体容器2内の原水1をカートリッジ容器3にこれの下部から通して噴霧装置4より噴霧する構成としてある。
前記カートリッジ容器3の内部は仕切板30を介して原水1の流れ方向に沿って平行に区画した第1収容筒部31と第2収容筒部32とを設け、第1収容筒部31内にNa型又はK型の陽イオン交換樹脂を充填してNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層33を形成し、第2収容筒部32内にH型の陽イオン交換樹脂を充填してH型の陽イオン交換樹脂層34を形成してある。
かくして、噴霧装置4の押圧操作により本体容器2内の原水1がカートリッジ容器3内においてNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層33側とH型の陽イオン交換樹脂層34側に分かれて通り、原水1中に存在するカルシウムイオン、マグネシウムイオンなど硬質なイオンがNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層33で軟質なNaイオン又はKイオンにイオン交換されるとともに、H型の陽イオン交換樹脂層34でHイオンにイオン交換される。その後、前記イオン交換された2種の軟水は、活性炭素35、焼結フィルタ36、及び制菌性フィルタ層37を通って混合され、この混合水が吸上管17内の吸上管18を通って噴霧装置4の先端のノズル部19bより噴霧されるというものである。
しかし、原水1をNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層33とH型の陽イオン交換樹脂層34に同時に並行に通して処理する上記肌用水調製器では、軟水が得られるだけで、肌や髪のpHに近くて刺激が少なく、美容に良いとされる弱酸性の軟水を得ることが難しい。
すなわち、H型の陽イオン交換樹脂層34を通る原水は該陽イオン交換樹脂層34に存在する水素イオンと原水中のカルシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換して軟化される同時に水素イオンが増加するため、強酸性になる。またNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層33を通る原水は該陽イオン交換樹脂層33に存在するナトリウムイオン又はカリウムイオンなどと原水中のカルシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換して水中にナトリウムイオン又はカリウムイオンが増えることになるため、軟水が得られるが、水素イオンが増えるわけではないので、弱酸性にはならない。つまり、原水が並列状に配されたNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層33とH型の陽イオン交換樹脂層34を並行に通って処理される上記肌用水調製器では、軟水化することができても、美容に良いとされる弱酸性化にすることが難しい。
また、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂とH型の陽イオン交換樹脂とは粒度や密度が違うため、原水のNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層での通水速度とH型の陽イオン交換樹脂層での通水速度が異なり、両層を同一速度で通水させることができない。したがって、原水1をNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層33とH型の陽イオン交換樹脂層34に並行して通水した後に混合するにしても安定したpH値を得ることができない。
本発明の目的は、水道水などの原水を異種の陽イオン交換樹脂に通すことにより弱酸性軟水からなる肌用水を簡単に調製できる肌用水調製器を提供することにある。本発明の他の目的は、異種の陽イオン交換樹脂層の組み合わせと配列の仕方に工夫を凝らすことにより、原水の水質いかんにかかわらず、常に安定したpHの弱酸性軟水からなる肌用水を簡単に調製できる肌用水調製器を提供することにある。
発明の開示
本発明は、原水を収容する本体容器と、この本体容器の内部に装着され異種類の陽イオン交換樹脂を収容するカートリッジ容器と、前記本体容器の上端口部に取り付けられるとともに、前記カートリッジ容器の上部にその吸上管を連結した噴霧装置とからなり、前記本体容器内の原水を前記カートリッジ容器内にこれの下部から通して前記噴霧装置より噴霧する構成とした肌用水調製器において、前記カートリッジ容器の内部にNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層と、H型の陽イオン交換樹脂層を上下二層またはそれ以上の複数層に形成し、そのうち最下層にH型の陽イオン交換樹脂層が、最上層にNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層がそれぞれ配されるようにしたものである。
この肌用水調製器によれば、原水をカートリッジ容器内にこれの下部から通すと、原水はH型の陽イオン交換樹脂層を通過後にNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層を通過することになる。原水は、先ずH型の陽イオン交換樹脂層を通過することにより、陽イオン交換樹脂層に存在する水素イオンと原水中のカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換して軟化されると同時に、水素イオンが増加するため強酸性になる。次いで、この強酸性水は、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層を通過することにより該陽イオン交換樹脂層に存在するナトリウムイオン又はカリウムイオンなどと水中のカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換して軟水化されると同時に、過剰な水素イオンがナトリウムイオン又はカリウムイオンなどの陽イオンとイオン交換され、中性化されて弱酸性水になり、肌や髪に対して刺激が少なく、美容に良い弱酸性の肌用水を得ることができる。
しかも、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層とH型の陽イオン交換樹脂層とを上下に直列状に配しておくと、原水は各イオン交換樹脂層を同じ速度で通過することになるため、安定したpHの弱酸性水が得られる。
他の発明に係る肌用水調製器は、上記の肌用水調製器において、最下層のH型の陽イオン交換樹脂層の下側に活性炭素層を設けるというものである。
この肌用水調製器によれば、水道水による原水が最下層のH型の陽イオン交換樹脂層に通る前に活性炭素層により水道水中に含まれる殺菌用の塩素が除去されるので、肌用水として好ましいばかりか、陽イオン交換樹脂層の塩素による劣化を防止できる。
更に、他の発明に係る肌用水調製器は、上記の肌用水調製器において、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層とH型の陽イオン交換樹脂層との間に焼結フィルタを介在するというものである。
この肌用水調製器によれば、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂とH型の陽イオン交換樹脂とが焼結フィルタを介して仕切られるため混ざることが無くなる。
更に又、他の発明に係る肌用水調製器は、上記の肌用水調製器において、最上層のNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層の上側に焼結フィルタを介して制菌性フィルタを設けるというものである。
この肌用水調製器によれば、噴霧前の弱酸性軟水に菌が発生するのを防止できる。
更に又、原水の総硬度は地域によってさまざまであるので、上記の肌用水調製器において、原水の総硬度に応じてH型の陽イオン交換樹脂層の体積比率を適宜調製することが肌用水の弱酸性水を得るうえで好ましいが、その調製の頻度を少なくし、幅広い地域に対応させるためには、H型の陽イオン交換樹脂層の体積比率は20〜50%、より好ましくは20〜30%とするとよい。
H型の陽イオン交換樹脂層の体積比率が20%未満では、H型の陽イオン交換樹脂層に存在する水素イオンと原水中のカルシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換しても水素イオンが増えないためpH値が著しく低下することはなく、50%を越えると、H型の陽イオン交換樹脂層に存在する水素イオンと原水中のカルシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換することにより水素イオンが過剰に増加するためpHが極度に減少する。したがって、pH値を目標とする人の肌や髪のpHに近い4から6程度(弱酸性水)に調製するに際し、地域により異なる原水の総硬度に応じたH型の陽イオン交換樹脂層の体積比率の調製の頻度を少なくし、幅広い地域に対応させるためにはH型の陽イオン交換樹脂層の体積比率が20〜50%、より好ましくは20〜30%とするとよい。
更に又、他の発明に係る肌用水調製器は、上記の肌用水調製器において、容器本体及びカートリッジ容器を透明材料により形成し、H型の陽イオン交換樹脂層は指示薬染料で着色するというものである。
この肌用水調製器によれば、H型の陽イオン交換樹脂層の変色により陽イオン交換樹脂の能力限界(寿命)を一目で判別することができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の最良の実施形態を図1に基づき説明する。本発明の肌用水調製器は、透光性を有する樹脂又は透明ガラスからなって水道水などの原水1が収容される本体容器2と、この本体容器2の内部に装着され異種類の陽イオン交換樹脂を収容するカートリッジ容器3、本体容器1に着脱可能に取り付けられる噴霧装置4、及び噴霧装置4に被せるキャップ5を備える。
カートリッジ容器3は、本体容器2と同様に透光性を有する樹脂又は透明ガラスからなり、本体容器2の上端の口部6の内径より小径の有底筒形状に形成され、その底7が本体容器2の内底面の近傍に位置するように装着される。このカートリッジ容器3の底7には原水1の流入孔8が設けられる。カートリッジ容器3の内部には活性炭層9、焼結フィルタ10、H型の陽イオン交換樹脂層11、焼結フィルタ12、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層13、焼結フィルタ14、及び制菌性フィルタ層15が順次設けられている。また制菌性フィルタ層15の上部には貯水室16が設けられている。
前記活性炭層9は繊維状の活性炭からなる。前記制菌性フィルタ層15は、光エネルギー変換作用を有して有機物を分解できる光半導体セラミックを無機繊維の不織布からなる微多孔質基材に固定した光半導体不織布からなる。
前記噴霧装置4は、吸上管17、注出管18、ヘッド部材19、軸受部材20、及び取付部材21からなる周知の直圧式のものである。
前記吸上管17は、その下部がカートリッジ容器3にカートリッジシール材からなる連結材22を介して一体的に連結されている。該吸上管17には、前記連結部材22との接続部の上部に空気孔17aが設けられるとともに、前記貯水室16内に位置する下端部が小径に搾られ、この搾られ部分の上部に逆止玉弁26が収容されている。
前記注出管18は、前記吸上管17の内部に軸心に沿って上下方向に移動可能に挿入されるパイプ材からなる。そして、この注出管18には、その下端閉鎖部の側面に給水孔18aが設けられるとともに、その略中央部には抜止め用の鍔部18bが設けられている。また、この注出管18の下部には、前記吸上管17の内周面との間をシールするシール部材23が取り付けられるとともに、このシール部材23の上側にばね24を入れ、このばね24により注出管18を常に上方に押し上げ付勢している。
前記ヘッド部材19は注出管18の上端部に取り付けられるもので、該注出管18の中空部と連通する流水路19aが設けられるとともに、該流水路19aの先端に霧状に噴霧するノズル部19bが形成されている。
前記軸受部材20は、その軸心の挿通孔20a内に前記注出管18を上下移動可能に挿通保持するとともに、前記吸上管17の上端部を保持しており、該吸上管17を介して前記カートリッジ容器3が一体的に保持されている。また軸受部材20には、前記鍔部18bと係合する係止部20bが設けられている。
前記取付部材21は軸受部材20を本体容器2の口部6上に位置決めして取り付けるもので、その下端内周面には本体容器2の上部外周面に設けた外ねじ部2aに螺合する内ねじ部21aが設けられている。なお、前記軸受部材20と本体容器2との間にはシール用のパッキン25を装着してある。
上記構成の肌用水調製器を使用するには、原水1として一般家庭などで簡単に入手できる水道水を本体容器2に噴霧装置4を外して入れ、次いで噴霧装置4を付け直して噴霧装置4のヘッド部材19を下向きに押圧する。これにより、注出管18が一体に下降し、ヘッド部材19と取付部材21との間の空気が注出管18と軸受部材20との隙間を通って吸上管17内に押し込まれた後、該吸上管17の空気孔17aを通って本体容器2内に供給される。
このように本体容器2内に空気が供給されると、その空気圧により本体容器2内の原水1がカートリッジ容器3の底7の流入孔8よりカートリッジ容器3内に活性炭層9及び焼結フィルタ10を介して流入する。その際、活性炭素層9により原水1中に殺菌用の塩素が含まれている場合その塩素が除去される。また焼結フィルタ10により原水1中の混入物が除去される。
そして、原水1は、H型の陽イオン交換樹脂層11を通って上昇する間に原水1中に含有しているカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンが陽イオン交換樹脂層11に存在する水素イオンとイオン交換されて軟水となると同時に、水素イオンが増加するため強酸性水になる。この強酸性軟水は、更に、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層13を通過することにより該陽イオン交換樹脂層13に存在するナトリウムイオン又はカリウムイオンなどと水中のカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換して軟水化されると同時に、過剰な水素イオンがナトリウムイオン又はカリウムイオンなどの陽イオンとイオン交換され、中性化されて弱酸性水になる。
また、このとき原水1はH型の陽イオン交換樹脂層11を同じ速度で通過し、この通過後、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層13をも同じ速度で通過するため、安定したpHの弱酸性水が得られる。
次いで、このように調製された弱酸性軟水は、焼結フィルタ14及び制菌性フィルタ層15を通過して貯水室16内に流入する。その際に弱酸性軟水中に混入物がある場合は焼結フィルタ14により再度除去され、細菌が発生している場合は制菌性フィルタ層15により殺菌され、またヘッド部材19のノズル部19bを介して外部からカートリッジ容器3内に侵入する微生物の活性を喪失することもできる。
このように弱酸性軟水が肌用水に調製されて貯水室16内に流入すると、噴霧装置4の吸上管17に吸い上げられて逆止玉弁26を上方に持ち上げながら該吸上管17内に流入する。その後、肌用水は、吸上管17内に挿通した注出管18の給水孔18aより該注出管18内に流入し、該注出管18内を更に上昇してヘッド部材19の流水路19aを通り、先端のノズル部19bから霧状に噴霧される。本体容器2内の原水1が無くなると、再び原水1を本体容器2に入れて使用することができる。
上記H型の陽イオン交換樹脂層11を形成する陽イオン交換樹脂は、この陽イオン交換樹脂の能力限界(寿命)を色により判別できるものを使用する。そのために前記H型の陽イオン交換樹脂は指示薬染料により着色してあり、その指示薬染料としてはチモールレッドが使用される。チモールレッドは硬度成分により退色する染料で、H型の陽イオン交換樹脂の交換座席にあるH成分が硬度成分と交換放出されるに伴って本来の色を失って変色し、この変色は、原水が通るにつれてH型の陽イオン交換樹脂層11の下部から起こる。したがって、使用者はその変色状態を透明な本体容器2及びカートリッジ容器3を通してH型の陽イオン交換樹脂層11がイオン交換能力限界に達している否かを一目で判別することができる。
次に、上記のように上下に配列するNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層13とH型の陽イオン交換樹脂層11の好ましい体積比率について説明する。調製する肌用水のpHの値は人の肌や髪のpHに近い4から6程度の弱酸性水にすることを目標にしている。この目標を達成するには、H型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率は20〜50%、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層13の体積比率は50〜80%とし、より好ましくはH型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率は20〜30%、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層13の体積比率は70〜80%とする。
H型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率が20%未満で、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層13の体積比率が80%を越えると、H型の陽イオン交換樹脂層11に存在する水素イオンと原水中のカルシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換しても水素イオンが増えないためpH値が著しく低下することはなく、H型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率が50%を越え、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層13の体積比率が50%未満では、H型の陽イオン交換樹脂層11に存在する水素イオンと原水中のカルシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換することにより水素イオンが過剰に増加するためpH値が極度に減少するため、H型の陽イオン交換樹脂層11とNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層13の体積比率は上記した数値範囲が好ましい。
水道水など原水の総硬度(mg/L)は地域により異なるため(平均の総硬度(mg/L);60)、これにより調製される肌用水のpH値も異なってしまう。肌用水は、常に所望のpHの弱酸性であることが望ましく、地域により異なることは好ましくない。
このように原水の総硬度(mg/L)が地域により異なる場合も、上下に配列したNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層13とH型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率においてH型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率を20〜50%、より好ましくは20〜30%に設定してあると、広い地域にわたって所望のpH値の弱酸性肌用水を調製できることが、図2に示す実験結果で確認できた。図2は原水の総硬度と上記カートリッジ容器3内への通水後のpH値との関係を示す図表である。これによれば、以下のようなことが判る。H型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率を20%に設定した場合は、水道水の総硬度が40〜110(mg/L)の範囲内で、所望のpH4〜5.5程度の弱酸性水に調製することができる。H型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率を30%に設定した場合は、水道水の総硬度が10〜80(mg/L)の範囲内で、所望のpH4〜5.5程度の弱酸性水に調製することができる。H型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率を40%に設定した場合は、水道水の総硬度が10〜40(mg/L)の範囲内で、所望のpH4〜4.5程度の弱酸性水に調製することができる。H型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率を50%に設定した場合は、水道水の総硬度が10(mg/L)程度で、所望のpH4程度の弱酸性水に調製することができる。因みに、H型の陽イオン交換樹脂層11の体積比率を100%に設定した場合は、いかなる総硬度の場合もすべてpH値が4未満で、強酸性水しか得られないことがわかった。
上記実施例ではカートリッジ容器3内においてNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層13とH型の陽イオン交換樹脂層11とが上下二層のみに配列されているが、これに限られず、図3に示すように、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層13とH型の陽イオン交換樹脂層11とを上下に四層以上の複数層(偶数層)に交互に焼結フィルタ12を介して配列することもできる。ただし、この場合最下層にH型の陽イオン交換樹脂層11が位置し、最上層にNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層13が位置するように配することが肝要である。また最下層のH型の陽イオン交換樹脂層11の下側に焼結フィルタ10を介して活性炭素層9を設ける。最上層のNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層13の上側には焼結フィルタ14を介して制菌性フィルタ15を設ける。
上記噴霧装置4は蓄圧式でもよく、本体容器2内の原水をカートリッジ容器3内を通して外部に噴霧できるものであればよい。また制菌性フィルタ層15の構成材料は光半導体不織布に限定されず、抗菌剤を含有した粒子状の樹脂などを充填して構成することもできる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、肌の保湿や保健に有用なpHで安定した弱酸性軟水からなる肌用水を簡単に調製して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は肌用水調製器の縦断面図である。
図2は原水の総硬度と調製後のpHの関係を示す図表である。
図3は他の実施例の肌用水調製器の縦断面図である。
図4は従来例の肌用水調製器の縦断面図である。

Claims (7)

  1. 原水を収容する本体容器と、この本体容器の内部に装着され異種類の陽イオン交換樹脂を収容するカートリッジ容器と、前記本体容器の上端口部に取り付けられるとともに、前記カートリッジ容器の上部にその吸上管を連結した噴霧装置とからなり、前記本体容器内の原水を前記カートリッジ容器にこれの下部から通して前記噴霧装置より噴霧する構成とした肌用水調製器において、
    前記カートリッジ容器の内部にNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層と、H型の陽イオン交換樹脂層とが上下方向で複数層をなす状態に配置され、その複数層のうちの最下層にH型の陽イオン交換樹脂層を、最上層にNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層をそれぞれ位置させ、原水の総硬度に応じて人の肌や髪のpHに近い4から6の弱酸性水が得られるようにH型の陽イオン交換樹脂層の体積比率を20〜50%に設定し、残りの50〜80%をNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層の体積比率に設定したことを特徴とする肌用水調製器。
  2. H型の陽イオン交換樹脂層の体積比率は20〜30%、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂層の体積比率は70〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の肌用水調製器。
  3. 前記カートリッジ容器内において最下層のH型の陽イオン交換樹脂層の下側に活性炭素層を設けてあることを特徴とする請求項1または2に記載の肌用水調製器。
  4. 前記H型の陽イオン交換樹脂層とNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層との間に焼結フィルタを介在している請求項1から3のいずれか1項に記載の肌用水調製器。
  5. 前記最上層のNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層の上側に焼結フィルタを介して制菌性フィルタを設けている請求項1〜4のいずれか1項に記載肌用水調製器。
  6. 容器本体及びカートリッジ容器は透明材料により形成し、H型の陽イオン交換樹脂層は指示薬染料で着色してあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の肌用水調製器。
  7. 原水を収容する本体容器と、この本体容器の内部に装着され異種類の陽イオン交換樹脂を収容するカートリッジ容器と、前記本体容器の上端口部に着脱可能に取り付けられるとともに、前記カートリッジ容器の上部にその吸上管を連結した噴霧装置とからなり、前記本体容器内の原水を前記カートリッジ容器にこれの下部から通して前記噴霧装置より噴霧する構成とした肌用水調製器において、
    前記カートリッジ容器の内部にNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層とH型の陽イオン交換樹脂層とを上下に位置させ、
    最上層に位置するNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層と最下層に位置するH型の陽イオン交換樹脂層との間に焼結フィルタが介在されており、
    最下層に位置するH型の陽イオン交換樹脂層の下側に焼結フィルタを介して活性炭素層を設けてあり、
    最上層に位置するNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層の上側に焼結フィルタを介して制菌性フィルタを設け、
    原水の総硬度に応じて人の肌や髪のpHに近い4から6の弱酸性水が得られるようにH型の陽イオン交換樹脂層の体積比率を20〜50%に設定し残りの50〜80%をNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層の体積比率に設定していることを特徴とする肌用水調製器。
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