JP3851807B2 - Method for suppressing prozone phenomenon in immune reaction and reagent for measuring immune reaction - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は免疫凝集反応や免疫沈降反応等の免疫反応において、被測定物質を広濃度範囲にわたって測定しようとする際に障害となるプロゾーン現象を抑制する薬剤及び方法、これを利用した免疫測定方法、及び免疫反応測定用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、臨床検査等の分野における各種検査では、自動化及び測定時間の短縮が図られている。それら検査において、免疫反応を利用する測定方法が、生体試料中の微量物質を測定するために広く用いられている。免疫測定方法には、RIA法、EIA法、免疫比濁法、ラテックス凝集法、金属コロイド凝集法、イムノクロマト法等多くの方法があるが、その中でもラテックス凝集法や金属コロイド凝集法は反応液の分離や洗浄を行わないため、自動化に適している。
【0003】
従来、生体試料中の被測定物質を免疫測定する際、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または両性界面活性剤を免疫反応液中に添加することにより、被測定物質である抗原(又は抗体)の低濃度領域において測定感度及び測定精度を改良できることが知られていた(特開昭58−187802号公報)。一方、免疫沈降反応や免疫凝集反応などの免疫反応において、等量域より抗原(又は抗体)が過剰に存在する場合、沈降物や凝集塊が生成しにくくなって沈降物量が却って減少する現象(「プロゾーン(prozone)現象」という。)が知られている。このため、生体試料中の被測定物質である抗原(又は抗体)が免疫反応液中に高濃度に存在する場合等、ラテックスや金属コロイド等不溶性担体粒子に結合させた抗体(又は抗原)に比して抗原(又は抗体)が過剰に存在する場合、ラテックス凝集法や金属コロイド凝集法で測定するとプロゾーン現象のために測定値が却って小さくなり、このため測定に全く信頼が置けなくなる場合があった。
【0004】
このような問題を改善する方法としては、硫酸塩類および必要に応じてポリエチレングリコールを含有させた免疫学的凝集反応試薬(特開平11−344492号公報)、又は特定量のジカルボン酸を含有させた免疫学的凝集反応試薬(特開平11−344494号公報)を用いる測定法等が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの方法では、プロゾーン現象を幾らかは抑制できるものの、ラテックス凝集法や金属コロイド凝集法等の、自動化に適したホモジニアス測定系に用いるには、抑制効果が不十分であり、プロゾーン現象の抑制のための新たな技術が切望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記背景のもとで、プロゾーン現象を十分に抑制し、免疫反応液中に被測定物質である抗原(又は抗体)が不溶性担体粒子に結合させた抗体(又は抗原)に比して過剰に含まれていても適切な測定値が得られるようにし、それにより、低濃度から高濃度まで、広い濃度範囲にわたる被測定物質の測定を可能にする方法、これに用いるプロゾーン現象抑制剤、またこれを用いた免疫反応測定用試薬、免疫反応測定方法及びプロゾーン現象の抑制方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、免疫測定においてプロゾーン現象を抑制する新たな技術を求めて検討した結果、被測定物質を含む免疫反応液中に、各種の界面活性剤のうちスルホン酸塩型又は硫酸エステル塩型の陰イオン性界面活性剤を含有させれば、意外にもプロゾーン現象を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、硫酸エステル塩系及びスルホン酸塩系の陰イオン性界面活性剤よりなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなる、免疫反応測定用プロゾーン現象抑制剤を提供する。ここに、硫酸エステル塩系及びスルホン酸塩系の陰イオン性界面活性剤の好ましい例としては、アルキル硫酸エステル塩系、アルキルベンゼンスルホン酸塩系、アルキルナフタレンスルホン酸塩系、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩系、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩系、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル塩系及びアルカンスルホン酸塩系の陰イオン性界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
また本発明は、これらの化合物を免疫反応におけるプロゾーン現象抑制剤として含有することを特徴とする、免疫反応測定用試薬をも提供する。該免疫反応測定用試薬は、該プロゾーン現象抑制剤を、免疫反応液中の該プロゾーン現象抑制剤の濃度が0.008〜4%になる量で含有するものであることが好ましい。該免疫反応測定用試薬は、更に好ましくは金コロイド凝集反応によるものである。該免疫反応測定用試薬は、反応促進剤を含有することが更に好ましい。
【0010】
また本発明は、上記免疫反応測定用プロゾーン現象抑制剤を含有する反応液中で免疫反応を行うことにより、免疫反応におけるプロゾーン現象を抑制して免疫反応を行わせることを特徴とする、免疫反応測定方法をも提供する。該免疫反応測定方法においては、上記免疫反応測定用プロゾーン現象抑制剤の含有量を0.008〜4%とすることが好ましい。また、本発明における該免疫反応測定方法は、免疫凝集反応測定法によるものの場合特に効果的であり、金コロイド凝集反応測定法は、特に好ましい免疫反応凝集測定法の一例である。また、反応液中に反応促進剤を含有させることが更に好ましい。
【0011】
本発明はまた、免疫反応液中に、硫酸エステル塩系及びスルホン酸塩系の陰イオン性界面活性剤よりなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有させることを特徴とする、免疫測定法におけるプロゾーン現象抑制方法をも提供する。ここに、硫酸エステル塩系及びスルホン酸塩系の陰イオン性界面活性剤の好ましい例としては、アルキル硫酸エステル塩系、アルキルベンゼンスルホン酸塩系、アルキルナフタレンスルホン酸塩系、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩系、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩系、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル塩系及びアルカンスルホン酸塩系の陰イオン性界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。該プロゾーン現象抑制方法において、該免疫反応液中の該化合物の濃度は、好ましくは0.008〜4%である。本発明における該プロゾーン現象抑制方法は、免疫凝集反応測定法において特に効果的であり、金コロイド凝集反応測定法は、特に好ましい免疫凝集反応測定法の一例である。また、反応液中に反応促進剤を含有させることが更に好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のプロゾーン現象抑制剤としては、公知のスルホン酸塩型または硫酸エステル塩型の陰イオン性界面活性剤の中から適宜選択して使用でき、特にアルキルフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩系〔例:ペレックスSSH;花王(株)、エレミノールMON2;三洋化成工業(株)〕、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩系〔例:ペレックスNBL;花王(株)〕、アルカンスルホン酸ナトリウム塩系〔例右:ラテムルPS;花王(株)〕、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩系〔例:エマールE70C;花王(株)〕、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩系〔例:サンデットENM;三洋化成工業(株)〕、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩系〔例:サンデットEN;三洋化成工業(株)〕、アルキル硫酸エステル塩系、アルキルベンゼンスルホン酸系、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸塩系の陰イオン性界面活性剤が好ましい。
【0013】
本発明のプロゾーン現象抑制剤は、免疫測定法に用いられる試薬中に添加して使用することができる。本発明の免疫反応測定用試薬は、プロゾーン現象抑制剤を用いること以外は、公知の免疫測定法で通常用いられる試薬を使用することで足りる。
【0014】
免疫反応液中のこれら陰イオン性界面活性剤の濃度は0.008〜4%(本発明において重量%を表す。)であり、好ましくは0.008〜1%、更に好ましくは0.016〜0.4%である。
【0015】
更に免疫反応測定用試薬に反応促進剤を配合することにより、プロゾーン現象を抑制したまま測定感度を高めることができる。反応促進剤としては、測定感度を上昇させるものであれば何れのものでもよく、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、コンドロイチン硫酸、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、プルラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリドン等が挙げられるが、これらに限られない。
【0016】
例えば、ポリエチレングリコールは、公知のポリエチレングリコールのうちから適宜選択して使用できる。その平均分子量は1000〜50000で、好ましくは4000〜20000である。測定時の免疫反応液中のポリエチレングリコール濃度には、反応促進効果を発揮させる上で特に明確な上限はないが、通常0.01〜5.0%、好ましくは0.1〜3.0%、特に好ましくは0.2〜2.0%になるように、免疫反応測定用試薬に配合すればよい。
【0017】
また、本発明は、免疫反応測定用試薬に非イオン性界面活性剤を配合することを妨げるものではない。非イオン性界面活性剤を配合する場合、公知の非イオン性界面活性剤の中から適宜選択すればよい。特に好ましいのは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル系、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系、ソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル系、グリセリン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系、アルキルアルカノールアミド系の非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤を配合する場合、測定時の免疫反応液中の濃度が0.001〜3.0%、好ましくは0.02〜2.0%になるように免疫反応測定用試薬に配合すればよい。
【0018】
本発明の免疫反応測定用試薬を使用するのに特に適した免疫測定法は、免疫凝集反応を伴うものである。それらのうち、特に好ましいのは、ラテックス凝集法及び金属コロイド凝集法である。金属コロイド凝集法で用いられる金属コロイドとしては、金、銀、セレン等のコロイドがあり、何れでもよいが、利用しやすいという点からは、金コロイドが好ましい。
【0019】
例えば、抗原(又は抗体)である被測定物質を測定する場合、ラテックス凝集法、金属コロイド凝集法では、被測定物質である抗原(又は抗体)に対応する抗体(又は抗原)を、担体のラテックスや金属コロイドにあらかじめ結合させておく。その測定例として、金コロイド凝集法の場合、あらかじめ金コロイドと結合させた標識抗体(又は標識抗原)が、被測定物質である抗原(又は抗体)を介して凝集する。その際に生じる色差(色調変化)を光学的に測定し、抗原量または抗体量を測定する。
【0020】
本発明の免疫反応測定試薬にて測定される被測定物質としては、タンパク質、脂質、糖類があり、それには例えば、各種抗原、抗体、レセプター、酵素などが含まれる。具体的にはC反応性タンパク(CRP)、繊維素分解産物(FDP)、ヘモグロビン、ヘモグロビンA1c,α−フェトプロテイン(AFP)、シスタチンC、癌胎児性抗原(CEA)、CA19−9、前立腺特異抗原(PSA)、ペプシノーゲンIおよびII、コラーゲン、血清アミロイドA(SAA)、フェリチン、トランスフェリン、α1−マイクログロブリン、α2−マクログロブリン、β2−マイクログロブリン、α1−アンチキモトリプシン(ACT)、ミオグロビンなどの血液中タンパク質や、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヘリコバクターピロリ、およびこれらに対する抗体などの、感染症に関する抗原や抗体などが挙げられる。本発明によれば、免疫測定反応におけるプロゾーン現象、取り分け抗原過剰によるプロゾーン現象が抑制され、これら被測定物質を、広い濃度範囲にわたって測定することができる。
【0021】
本発明において、免疫反応を過度に酸性又はアルカリ性の条件下で行うことは好ましくない。反応液のpHとしては4.5〜9.5の範囲とするのがよく、より好ましいのは5.5〜8.5の範囲である。pHの維持のためには適当な緩衝剤、例えばリン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液、コハク酸緩衝液、あるいはグリシルグリシン、MES(2−(N−モノホリノ)エタンスルホン酸)、HEPES(N−2−ヒドロキシエチル−ピペラジン−N'−エタンスルホン酸)、TES(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸))、DIPSO(3−(N'N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−2−ヒドロキシエチルプロパンスルホン酸)、Tricine(トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン)、TAPS(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸)等のグッド緩衝液が好適に用いられる。緩衝剤の使用濃度としては、測定時の免疫反応液中における濃度が5〜1000mMになるように、免疫反応測定用試薬に配合すればよく、より好ましくは20〜500mMの範囲になるようにすればよい。
【0022】
なお、本発明の免疫反応用試薬中には、動物血清、γ−グロブリン、ヒトIgGやIgMに対する特異抗体、アルブミン、またはそれらの変性物や分解物、塩化ナトリウムやその他の無機塩類、糖類、アミノ酸類、EDTA等のキレート剤、DTT等のSH試薬、アジ化ナトリウム等を配合してもよい。これらの物質は、通常この分野で使用される濃度範囲で含まれてよい。
【0023】
【作用】
本発明の試薬を用いれば、試料中に被測定物質である抗原(又は抗体)が高濃度に存在するなど、ラテックスや金属コロイド等不溶性担体粒子に結合させた抗体(又は抗原)に比して過剰量の抗原(又は抗体)が存在している場合でも、プロゾーン現象を抑制することができ、試料の希釈等により抗原と抗体の濃度バランスを調節し直すことなしに、広い濃度範囲での被測定物質の免疫反応測定が可能となる。
【0024】
【実施例】
以下、典型的な実施例として金コロイド凝集反応に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらによって限定されることは意図しない。
なお、実施例において以下の陰イオン性界面活性剤を使用した。
・ペレックスSSH: アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株))
・ペレックスNBL: アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(花王(株))
・ラテムルPS: アルカンスルホン酸ナトリウム(花王(株))
・エマールE70C: ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株))
・エレミノールMON2: アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(三洋化成工業(株))
・サンデットENM: 高級アルキルエーテル硫酸エステル塩(三洋化成工業(株))
・サンデットEN: ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(三洋化成工業(株))
【0025】
<参考例1> 金コロイド液の調製
95℃の蒸留水1Lに10%塩化金酸溶液2mLを撹拌しながら加え、1分後に2%クエン酸ナトリウム溶液10mLを加え、さらに20分間撹拌した後30℃に冷却した。冷却後、0.1M炭酸カリウム溶液でpH7.1に調整した。
【0026】
<参考例2> 抗シスタチンC抗体結合金コロイド試薬の調製
抗シスタチンC抗体(ダコ・ジャパン株式会社)を、0.05%アジ化ナトリウムを含む10mM HEPES pH7.1で希釈して50μg/mLの濃度に調整した。この液100mLを上記参考例1で調製した金コロイド液約1Lに加え、冷蔵条件下で2時間撹拌した。次いでこれに5.46%マンニトール、0.5%BSA及び0.05%アジ化ナトリウムを含む、10mM HEPES pH7.1を110mL添加し、37℃で90分撹拌した。8,000回転で40分遠心し、上清を除去した後、3%マンニトール、0.1%BSA及び0.05%アジ化ナトリウムを含む、5mM HEPES pH7.5(A溶液)を約1L加え、抗体結合金コロイドを分散させた後、8,000回転で40分遠心し、上清を除去し、A溶液で抗体結合金コロイドを分散させ全量を160mLとし、抗シスタチンC抗体結合金コロイド試薬を調製した。
【0027】
<参考例3> 抗AFP抗体結合金コロイド試薬の調製
抗AFP抗体(ダコ・ジャパン株式会社)を、0.05%アジ化ナトリウムを含む10mM HEPES pH7.1で希釈して50μg/mLの濃度に調整した。この液100mLを上記参考例1で調製した金コロイド液約1Lに加え、冷蔵条件下で2時間撹拌した。次いでこれに5.46%マンニトール、0.5%BSA及び0.05%アジ化ナトリウムを含む、10mM HEPES pH7.1を110mL添加し、37℃で90分撹拌した。8,000回転で40分遠心し、上清を除去した後、3%マンニトール、0.1%BSA及び0.05%アジ化ナトリウムを含む、5mM HEPES pH7.5(A溶液)を約1L加え、抗体結合金コロイドを分散させた後、8,000回転で40分遠心し、上清を除去し、A溶液で抗体結合金コロイドを分散させ全量を160mLとし、抗AFP抗体結合金コロイド試薬を調製した。
【0028】
<実施例1>
0〜50μg/mLの濃度のシスタチンCを含む血清3μLに、0.2%EDTA・2Na及び1%NaClを含む0.2MのMES緩衝液(pH6.0)に、下記の何れかの陰イオン性界面活性剤を、それぞれ示した濃度で添加することにより、又は何れの陰イオン性界面活性剤も添加せずに、調製した各R1試薬溶液を240μL加えた。
ペレックスSSH・・・・・・0.03%(図1)
ペレックスNBL・・・・・・0.1%(図1)
ラテムルPS・・・・・・・・0.03%(図1)
エマールE70C・・・・・・0.05%(図2)
エレミノールMON2・・・・0.03%(図2)
ラテムルS−180A・・・・0.1%(図2)
サンデットENM・・・・・・0.2%(図3)
サンデットEN・・・・・・・0.2%(図3)
次いで、37℃で5分後に、R2試薬溶液として参考例2で調製した抗シスタチンC抗体結合金コロイド溶液を60μL添加し、37℃で反応させ、日立7150型自動分析装置により27ポイントと50ポイントにおける吸光度差(主波長546nm副波長660nm)を測定した。その結果を図1、2及び3に示す。図から明らかなように、これらの陰イオン性界面活性剤を添加して製した何れの反応液においても、プロゾーン現象は認められなかった。これに対して陰イオン性界面活性剤無添加の反応液では、プロゾーン現象が起こるのが認められた。
【0029】
<実施例2>
免疫反応液に非イオン性界面活性剤を添加して、プロゾーン現象の抑制効果の有無を、陰イオン性界面活性剤ペレックスSSH添加の場合と比較した。非イオン性界面活性剤としてTritonX100、Tween80及びレオドール−TW?L120を用い、それらの何れかを濃度0.2%で含有する、0.2%EDTA・2Na及び1%NaClを含む0.2MのMES緩衝液(pH6.0)を各R1試薬溶液とし、それを用いて実施例1と同様にシスタチンCを測定した。同時に、ペレックスSSHを0.03%の濃度になるように添加した、0.2%EDTA・2Na及び1%NaClを含む0.2MのMES緩衝液(pH6.0)をR1試薬溶液とし、それを用いて実施例1と同様にシスタチンCを測定した。その結果を図4に示す。図から明らかなように、非イオン性界面活性剤には、プロゾーン現象の抑制効果は認められなかった。
【0030】
<実施例3>
特開平11−344492号には、硫酸塩によるプロゾーン現象の抑制効果が記載されている。そこで、硫酸ナトリウムを添加した免疫反応液を調製し、プロゾーン現象の抑制効果につき、硫酸エステル基を含む陰イオン性界面活性剤ペレックスSSHを添加した免疫反応液と比較した。硫酸ナトリウムをそれぞれ0、2.0、5.0又は9.0%の濃度で含有させた、0.2%EDTA・2Na及び1%NaClを含む0.2MのMES緩衝液(pH6.0)をR1試薬溶液とし、これらを用いて実施例1と同様にシスタチンCを測定した。同時に、ペレックスSSHを0.03%の濃度になるように添加した、0.2%EDTA・2Na及び1%NaClを含む0.2MのMES緩衝液(pH6.0)をR1試薬溶液とし、これを用いて実施例1と同様にシスタチンCを測定した。結果を図5に示す。図より明らかなとおり、硫酸ナトリウム添加では、シスタチンCの高濃度50μg/mLにおける測定値が、シスタチンC濃度4μg/mLにおける測定値を下回っており、プロゾーン現象は全く解消されていなかった。これに対し、ペレックスSSH0.03%添加では、シスタチンCの高濃度50μg/mLにおける測定値がこれより低濃度域における測定値を下回ることがなく、プロゾーン現象は完全に解消された。
【0031】
<実施例4>
ペレックスSSH又はエマールE70Cを0、0.01、0.02又は0.03%の濃度になるように添加した、0.2%EDTA・2Na及び1%NaClを含む0.2MのMES緩衝液(pH6.0)をR1試薬溶液とし、これらを用いて実施例1と同様にシスタチンCを測定した。その結果を図6、7に示す。図6より明らかなとおり、ペレックスSSHの濃度0.01%を添加した場合、シスタチンCの高濃度50μg/mLにおける測定値が、無添加の場合に比して上昇することが認められた。ペレックスSSHの濃度0.03%の添加では、シスタチンCの高濃度50μg/mLにおける測定値が、それより低濃度域におけるシスタチンCの測定値を下回ることがなく、プロゾーン現象は完全に解消された。
【0032】
図7のエマールE70C添加においても、濃度0.01%の添加でシスタチンCの高濃度50μg/mLにおける測定値が無添加の場合に比して上昇することが認められた。エマールE70Cの濃度0.02%の添加では、シスタチンCの高濃度50μg/mLにおける測定値が、それより低濃度域におけるシスタチンCの測定値を下回ることがなく、プロゾーン現象は完全に解消された。
【0033】
これらのことから、ペレックスSSH又はエマールE70Cには、0.01%の低濃度でもプロゾーン現象の抑制効果があるあることが判る。
【0034】
<実施例5>
非イオン性界面活性剤共存下での陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象抑制効果ついて検討した。非イオン性界面活性剤としてTween80を0.2%の濃度になるように添加した、0.2%EDTA・2Na及び1%NaClを含む0.2MのMES緩衝液(pH6.0)に、陰イオン性界面活性剤としてペレックスNBLを濃度がそれぞれ0、0.2、0.3、0.4、0.5%になるように添加し、R1試薬溶液とした。これらを用いて実施例1と同様にシスタチンCを測定した。その結果を図8に示す。ペレックスNBLの濃度0.3%で、シスタチンCの高濃度50μg/mLにおける測定値が、それより低濃度領域のシスタチンCの測定値を下回ることがなく、プロゾーン現象は完全に解消された。ペレックスNBLの濃度を0.3%より高めると、全体的に測定値の低下が認められるが、プロゾーン現象は抑制されたままであった。このことから、陰イオン性界面活性剤を非イオン性界面活性剤と共に用いても、陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象抑制効果は損なわれないことが判る。
【0035】
<実施例6>
実施例5においてペレックスNBLの濃度を0.5%になるように添加したとき、シスタチンCの測定値は全体的に著しく低下した(図5)。そこで、反応促進剤共存下での陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象の抑制効果ついて検討した。反応促進剤としてポリエチレングリコール20000を用い、濃度がそれぞれ0、0.5、0.75、1.0又は1.25%になるように、実施例5のペレックスNBLを0.5%含有するR1試薬溶液に添加して、実施例1と同様にシスタチンCを測定した。同時に、ペレックスNBL無添加のR1試薬溶液に0.5%になるようにポリエチレングリコール20000を添加して、実施例1と同様にシスタチンCを測定した。結果を図9に示す。ペレックスNBL無添加のR1試薬溶液にポリエチレングリコール20000を添加した場合、ポリエチレングリコールによる反応促進効果により測定値は上昇するが、シスタチンCの全濃度域で単に均一に上昇するために、ポリエチレングリコールのみの添加ではプロゾーン現象の抑制効果は認められない。これに対し、ペレックスNBLを0.5%含有するR1試薬溶液にポリエチレングリコール20000を添加した場合、プロゾーン現象を抑制したまま、測定値が上昇した。しかも、このポリエチレングリコールの効果は、試験した濃度に対応して一貫して高まり、その効果が頭打ちとなる明確な上限濃度は認められなかった。このことから、陰イオン性界面活性剤添加でプロゾーン現象を抑制した際に測定値が全体的に低下しても、ポリエチレングリコールなどの反応促進剤を適宜の量添加することでプロゾーン現象を抑制したまま測定値を上昇させ、自由に測定感度を設定できることが判る。
【0036】
<実施例7>
陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象抑制効果を、シスタチンC以外の測定試薬であるAFP測定試薬について検討した。0〜250μg/mLの濃度のAFPを含む血清3μLに、0.2%TritonX100、0.2%EDTA・2Na及び1%NaClを含む、0.2MのMES緩衝液(pH6.0)をR1試薬溶液として240μL加えた。次いで37℃で5分後に、R2試薬溶液として参考例3で調製した抗AFP抗体結合金コロイド溶液を60μL添加し、37℃で反応させ、日立7150型自動分析装置により27ポイントと50ポイントにおける吸光度差(主波長546nm副波長660nm)を測定した。前記R1試薬溶液に、陰イオン性界面活性剤としてペレックスSSHを0.1%濃度で添加し、同様にしてAFPを測定し、陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象抑制効果について検討した。結果を図10に示す。AFP測定試薬においても、陰イオン性界面活性剤ペレックスSSH添加により、プロゾーン現象の抑制効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象抑制効果を示すグラフ(シスタチンC)。
【図2】 陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象抑制効果を示すグラフ(シスタチンC)。
【図3】 陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象抑制効果を示すグラフ(シスタチンC)。
【図4】 非イオン性界面活性剤添加でのプロゾーン現象を示すグラフ(シスタチンC)。
【図5】 プロゾーン現象抑制における硫酸ナトリウムと陰イオン性界面活性剤との比較を示すグラフ(シスタチンC)。
【図6】 ペレックスSSHの濃度とプロゾーン現象抑制効果との関係を示すグラフ(シスタチンC)。
【図7】 エマール70Cの濃度とプロゾーン現象抑制効果との関係を示すグラフ(シスタチンC)。
【図8】 非イオン性界面活性剤共存下での陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象抑制効果を示すグラフ(シスタチンC)。
【図9】 非イオン性界面活性剤及び反応促進剤の共存下での陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象抑制効果を示すグラフ(シスタチンC)。
【図10】 陰イオン性界面活性剤のプロゾーン現象抑制効果を示すグラフ(AFP)。
【符号の説明】
Abs*1000=吸光度×1000
Cys.C=シスタチンC[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a drug and method for suppressing a prozone phenomenon that becomes an obstacle when measuring a substance to be measured over a wide concentration range in an immune reaction such as an immunoaggregation reaction or an immunoprecipitation reaction, and an immunoassay method using the same And an immune reaction measurement reagent.
[0002]
[Prior art]
In recent years, various tests in fields such as clinical tests have been automated and shortened in measurement time. In these tests, a measurement method using an immune reaction is widely used to measure a trace amount substance in a biological sample. There are many immunoassay methods such as RIA method, EIA method, immunoturbidimetric method, latex agglutination method, metal colloid agglutination method, and immunochromatography method. Among them, latex agglutination method and metal colloid agglutination method are the reaction solutions. It is suitable for automation because it does not separate or wash.
[0003]
Conventionally, when immunologically measuring a substance to be measured in a biological sample, an antigen (or a substance to be measured) is added by adding a nonionic, anionic, cationic or amphoteric surfactant to the immune reaction solution. It has been known that measurement sensitivity and measurement accuracy can be improved in a low concentration region of (antibody) (Japanese Patent Laid-Open No. 58-187802). On the other hand, in an immune reaction such as an immunoprecipitation reaction or an immunoagglutination reaction, when an antigen (or antibody) is present in excess from the equivalent range, a precipitate or aggregate is less likely to be formed, resulting in a decrease in the amount of precipitate ( "Prozone phenomenon" is known). For this reason, compared to antibodies (or antigens) bound to insoluble carrier particles such as latex or metal colloids, such as when antigens (or antibodies), which are substances to be measured in biological samples, are present in high concentrations in immune reaction solutions. If there is an excessive amount of antigen (or antibody), the measurement value will be smaller when measured by the latex agglutination method or metal colloid agglutination method due to the prozone phenomenon. It was.
[0004]
As a method for solving such a problem, an immunological agglutination reagent containing sulfates and, if necessary, polyethylene glycol (Japanese Patent Laid-Open No. 11-344492), or a specific amount of dicarboxylic acid was contained. A measurement method using an immunological agglutination reagent (Japanese Patent Laid-Open No. 11-344494) has been proposed.
[0005]
However, although these methods can suppress the prozone phenomenon to some extent, the suppression effect is insufficient for use in homogeneous measurement systems suitable for automation such as latex agglutination and metal colloid agglomeration. A new technique for suppressing the zonal phenomenon has been eagerly desired.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In the present invention, the prozone phenomenon is sufficiently suppressed based on the above background, compared with an antibody (or antigen) in which an antigen (or antibody) as a substance to be measured is bound to insoluble carrier particles in an immune reaction solution. In this way, it is possible to obtain an appropriate measurement value even if it is contained excessively, thereby enabling measurement of a substance to be measured over a wide concentration range from a low concentration to a high concentration, and the prozone phenomenon used in this method. It is an object to provide an inhibitor, a reagent for measuring an immune reaction using the same, a method for measuring an immune reaction, and a method for suppressing a prozone phenomenon.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of studying for a new technique for suppressing the prozone phenomenon in immunoassay, the present inventors have found that a sulfonate type or sulfate ester among various surfactants in an immune reaction solution containing a substance to be measured. It was found that if a salt type anionic surfactant is contained, the prozone phenomenon can be suppressed unexpectedly, and the present invention has been completed.
[0008]
That is, the present invention provides a prozone phenomenon inhibitor for immune reaction measurement, comprising one or two or more compounds selected from the group consisting of sulfate ester-based and sulfonate-based anionic surfactants. To do. Here, preferred examples of sulfate ester and sulfonate anionic surfactants include alkyl sulfate ester, alkyl benzene sulfonate, alkyl naphthalene sulfonate, alkyl diphenyl ether sulfonate. , Polyoxyethylene alkyl sulfate ester, polyoxyethylene alkyl allyl sulfate, and alkane sulfonate anionic surfactants, but are not limited thereto.
[0009]
The present invention also provides a reagent for measuring an immune reaction, which contains these compounds as a prozone phenomenon inhibitor in an immune reaction. It is preferable that the reagent for measuring immune reaction contains the prozone phenomenon inhibitor in such an amount that the concentration of the prozone phenomenon inhibitor in the immune reaction solution is 0.008 to 4%. The immune reaction measurement reagent is more preferably a gold colloid agglutination reaction. More preferably, the reagent for measuring an immune reaction contains a reaction accelerator.
[0010]
Further, the present invention is characterized in that an immune reaction is performed by suppressing a prozone phenomenon in an immune reaction by performing an immune reaction in a reaction solution containing the prozone phenomenon inhibitor for immune reaction measurement. An immune response measurement method is also provided. In the immune reaction measurement method, the content of the prozone phenomenon inhibitor for immune reaction measurement is preferably 0.008 to 4%. In addition, the immunoreaction measurement method in the present invention is particularly effective in the case of using an immunoagglutination reaction measurement method, and the gold colloid agglutination reaction measurement method is an example of a particularly preferred immune reaction agglutination measurement method. Moreover, it is more preferable to include a reaction accelerator in the reaction solution.
[0011]
The present invention is also characterized in that the immune reaction solution contains one or more compounds selected from the group consisting of sulfate-based and sulfonate-based anionic surfactants, A prozone phenomenon suppression method in an immunoassay is also provided. Here, preferred examples of sulfate ester and sulfonate anionic surfactants include alkyl sulfate ester, alkyl benzene sulfonate, alkyl naphthalene sulfonate, alkyl diphenyl ether sulfonate. , Polyoxyethylene alkyl sulfate ester, polyoxyethylene alkyl allyl sulfate, and alkane sulfonate anionic surfactants, but are not limited thereto. In the method for suppressing the prozone phenomenon, the concentration of the compound in the immune reaction solution is preferably 0.008 to 4%. The prozone phenomenon suppression method in the present invention is particularly effective in the immunoagglutination reaction measurement method, and the gold colloid agglutination reaction measurement method is an example of a particularly preferred immunoagglutination reaction measurement method. Moreover, it is more preferable to include a reaction accelerator in the reaction solution.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The prozone phenomenon inhibitor of the present invention can be appropriately selected from known sulfonic acid salt type or sulfate ester type anionic surfactants, and in particular, alkylphenyl ether disulfonic acid sodium salt system [Example : Perex SSH; Kao Co., Ltd., Eleminol MON2; Sanyo Chemical Industries, Ltd.], alkylnaphthalene sulfonic acid sodium salt system [Example: Perex NBL; Kao Corporation], alkane sulfonic acid sodium salt system [Example right: Latemul PS; Kao Corporation], polyoxyethylene lauryl ether sulfate sodium salt system [Example: Emar E70C; Kao Corporation], higher alkyl ether sulfate ester system [Example: Sandet ENM; Sanyo Chemical Industries, Ltd.] Polyoxyethylene lauryl ether sulfate sodium salt type [Example: Sandet EN Sanyo Chemical Industries, Ltd.], alkyl sulfate ester salts, alkylbenzene sulfonic acid, polyoxyethylene alkyl aryl anionic surfactant of sulfate systems are preferred.
[0013]
The prozone phenomenon inhibitor of the present invention can be used by being added to a reagent used in an immunoassay. The reagent for measuring the immune reaction of the present invention may be any reagent that is usually used in a known immunoassay method, except that a prozone phenomenon inhibitor is used.
[0014]
The concentration of these anionic surfactants in the immune reaction solution is 0.008 to 4% (in the present invention, it represents% by weight), preferably 0.008 to 1%, more preferably 0.016 to 0.4%.
[0015]
Further, by adding a reaction accelerator to the reagent for measuring immune reaction, the measurement sensitivity can be increased while suppressing the prozone phenomenon. Any reaction accelerator may be used as long as it increases the measurement sensitivity, and examples thereof include polyethylene glycol, polyacrylic acid, chondroitin sulfate, carboxymethylcellulose, dextran, pullulan, polyvinyl alcohol, and polyvinylpyridone. Not limited to.
[0016]
For example, polyethylene glycol can be appropriately selected from known polyethylene glycols. The average molecular weight is 1000-50000, preferably 4000-20000. The concentration of polyethylene glycol in the immune reaction solution at the time of measurement has no specific upper limit for exerting the reaction promoting effect, but is usually 0.01 to 5.0%, preferably 0.1 to 3.0%. In particular, it may be added to the reagent for measuring the immune reaction so that it is preferably 0.2 to 2.0%.
[0017]
Further, the present invention does not preclude blending a nonionic surfactant with the reagent for measuring immune reaction. What is necessary is just to select suitably from well-known nonionic surfactant, when mix | blending a nonionic surfactant. Particularly preferred are polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl allyl ether, polyoxyethylene fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitol fatty acid ester, glycerin fatty acid Ester-based, polyoxyethylene alkylamine-based, and alkyl alkanolamide-based nonionic surfactants. When a nonionic surfactant is added, the immune reaction measurement reagent is used so that the concentration in the immune reaction solution at the time of measurement is 0.001 to 3.0%, preferably 0.02 to 2.0%. What is necessary is just to mix | blend.
[0018]
An immunoassay method particularly suitable for using the reagent for measuring an immune reaction of the present invention involves an immunoaggregation reaction. Of these, the latex aggregation method and the metal colloid aggregation method are particularly preferable. The metal colloid used in the metal colloid aggregation method includes colloids such as gold, silver, and selenium, and any of them may be used, but gold colloid is preferable from the viewpoint of easy use.
[0019]
For example, when measuring a substance to be measured which is an antigen (or antibody), in latex agglutination method or metal colloid aggregation method, an antibody (or antigen) corresponding to the antigen (or antibody) which is a substance to be measured is used as a carrier latex. Or pre-bonded to metal colloids. As an example of the measurement, in the case of the gold colloid aggregation method, a labeled antibody (or labeled antigen) previously bound to a gold colloid aggregates via an antigen (or antibody) that is a substance to be measured. The color difference (color tone change) generated at that time is optically measured to measure the amount of antigen or antibody.
[0020]
Substances to be measured to be measured with the immune reaction measuring reagent of the present invention include proteins, lipids, and saccharides, and examples thereof include various antigens, antibodies, receptors, enzymes, and the like. Specifically, C-reactive protein (CRP), fibrin degradation product (FDP), hemoglobin, hemoglobin A1c, α-fetoprotein (AFP), cystatin C, carcinoembryonic antigen (CEA), CA19-9, prostate specific antigen (PSA), pepsinogen I and II, collagen, serum amyloid A (SAA), ferritin, transferrin, α1-microglobulin, α2-macroglobulin, β2-microglobulin, α1-antichymotrypsin (ACT), myoglobin Examples include proteins, antigens and antibodies related to infectious diseases such as hepatitis B virus, hepatitis C virus, human immunodeficiency virus, Helicobacter pylori, and antibodies to these. According to the present invention, the prozone phenomenon in the immunoassay reaction, particularly the prozone phenomenon due to the excess of antigen, is suppressed, and these substances to be measured can be measured over a wide concentration range.
[0021]
In the present invention, it is not preferable to perform the immune reaction under excessively acidic or alkaline conditions. The pH of the reaction solution is preferably in the range of 4.5 to 9.5, more preferably in the range of 5.5 to 8.5. For maintaining the pH, suitable buffers such as phosphate buffer, Tris-HCl buffer, succinate buffer, glycylglycine, MES (2- (N-monophorino) ethanesulfonic acid), HEPES (N 2-hydroxyethyl-piperazine-N′-ethanesulfonic acid), TES (N-tris (hydroxymethyl) methyl-2-aminoethanesulfonic acid), PIPES (piperazine-1,4-bis (2-ethanesulfonic acid) )), DIPSO (3- (N′N-bis (2-hydroxyethyl) amino) -2-hydroxyethylpropanesulfonic acid), Tricine (tris (hydroxymethyl) methylglycine), TAPS (N-tris (hydroxymethyl)) Good buffer solution such as (methyl-3-aminopropane sulfonic acid) is preferably used. The buffering agent may be used in the immune reaction measurement reagent so that the concentration in the immune reaction solution at the time of measurement is 5 to 1000 mM, and more preferably in the range of 20 to 500 mM. That's fine.
[0022]
In the reagent for immune reaction of the present invention, animal serum, γ-globulin, specific antibodies against human IgG and IgM, albumin, or a modified or decomposed product thereof, sodium chloride and other inorganic salts, saccharides, amino acids A chelating agent such as EDTA, an SH reagent such as DTT, sodium azide, and the like. These substances may be included in the concentration range normally used in this field.
[0023]
[Action]
When the reagent of the present invention is used, the antigen (or antibody), which is the substance to be measured, is present in the sample at a high concentration, compared to the antibody (or antigen) bound to insoluble carrier particles such as latex or metal colloid. Even in the presence of an excessive amount of antigen (or antibody), the prozone phenomenon can be suppressed, and a wide concentration range can be obtained without re-adjusting the concentration balance of antigen and antibody by dilution of the sample. It is possible to measure the immune reaction of the substance to be measured.
[0024]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically based on a colloidal gold agglutination reaction as a typical example, but it is not intended that the present invention be limited thereto.
In the examples, the following anionic surfactants were used.
・ Perex SSH: Sodium alkyldiphenyl ether disulfonate (Kao Corporation)
・ Perex NBL: Sodium alkylnaphthalene sulfonate (Kao Corporation)
・ Latemul PS: Sodium alkane sulfonate (Kao Corporation)
・ Emar E70C: Sodium polyoxyethylene lauryl ether sulfate (Kao Corporation)
・ Eleminol MON2: Sodium alkyldiphenyl ether disulfonate (Sanyo Chemical Industries, Ltd.)
・ Sandet ENM: Higher alkyl ether sulfate ester (Sanyo Chemical Industry Co., Ltd.)
・ Sandet EN: Polyoxyethylene alkyl ether sulfate sodium salt (Sanyo Chemical Industry Co., Ltd.)
[0025]
<Reference Example 1> Preparation of colloidal gold solution
To 1 L of distilled water at 95 ° C., 2 mL of 10% chloroauric acid solution was added with stirring, and after 1 minute, 10 mL of 2% sodium citrate solution was added, stirred for another 20 minutes, and then cooled to 30 ° C. After cooling, the pH was adjusted to 7.1 with 0.1 M potassium carbonate solution.
[0026]
Reference Example 2 Preparation of anti-cystatin C antibody-binding gold colloid reagent
Anti-cystatin C antibody (Dako Japan Co., Ltd.) was diluted with 10 mM HEPES pH 7.1 containing 0.05% sodium azide to adjust the concentration to 50 μg / mL. 100 mL of this solution was added to about 1 L of the colloidal gold solution prepared in Reference Example 1 and stirred for 2 hours under refrigerated conditions. Next, 110 mL of 10 mM HEPES pH 7.1 containing 5.46% mannitol, 0.5% BSA and 0.05% sodium azide was added thereto, followed by stirring at 37 ° C. for 90 minutes. After centrifuging at 8,000 rpm for 40 minutes and removing the supernatant, about 1 L of 5 mM HEPES pH 7.5 (A solution) containing 3% mannitol, 0.1% BSA and 0.05% sodium azide was added. After the antibody-bound gold colloid is dispersed, the mixture is centrifuged at 8,000 rpm for 40 minutes, the supernatant is removed, the antibody-bound gold colloid is dispersed with the solution A to a total volume of 160 mL, and the anti-cystatin C antibody-bound gold colloid reagent Was prepared.
[0027]
Reference Example 3 Preparation of anti-AFP antibody-bound colloidal gold reagent
Anti-AFP antibody (Dako Japan Co., Ltd.) was diluted with 10 mM HEPES pH 7.1 containing 0.05% sodium azide to adjust the concentration to 50 μg / mL. 100 mL of this solution was added to about 1 L of the colloidal gold solution prepared in Reference Example 1 and stirred for 2 hours under refrigerated conditions. Next, 110 mL of 10 mM HEPES pH 7.1 containing 5.46% mannitol, 0.5% BSA and 0.05% sodium azide was added thereto, followed by stirring at 37 ° C. for 90 minutes. After centrifuging at 8,000 rpm for 40 minutes and removing the supernatant, about 1 L of 5 mM HEPES pH 7.5 (A solution) containing 3% mannitol, 0.1% BSA and 0.05% sodium azide was added. After the antibody-bound gold colloid is dispersed, the mixture is centrifuged at 8,000 rpm for 40 minutes, the supernatant is removed, the antibody-bound gold colloid is dispersed with the solution A to a total volume of 160 mL, and the anti-AFP antibody-bound gold colloid reagent is added. Prepared.
[0028]
<Example 1>
One of the following anions is added to 3 μL of serum containing cystatin C at a concentration of 0 to 50 μg / mL, to 0.2 M MES buffer (pH 6.0) containing 0.2% EDTA · 2Na and 1% NaCl. 240 μL of each prepared R1 reagent solution was added by adding the active surfactant at the indicated concentration, or without adding any anionic surfactant.
Perex SSH: 0.03% (Figure 1)
Perex NBL ... 0.1% (Fig. 1)
Laterum PS ... 0.03% (Fig. 1)
Emar E70C ... 0.05% (Fig. 2)
Eleminol MON2 ... 0.03% (Fig. 2)
Laterum S-180A ... 0.1% (Fig. 2)
Sandet ENM 0.2% (Figure 3)
Sandet EN ... 0.2% (Fig. 3)
Then, after 5 minutes at 37 ° C., 60 μL of the anti-cystatin C antibody-conjugated gold colloid solution prepared in Reference Example 2 was added as an R2 reagent solution, reacted at 37 ° C., and 27 points and 50 points using Hitachi 7150 automatic analyzer. The difference in absorbance (main wavelength 546 nm, subwavelength 660 nm) was measured. The results are shown in FIGS. As is clear from the figure, no prozone phenomenon was observed in any of the reaction solutions prepared by adding these anionic surfactants. On the other hand, it was observed that the prozone phenomenon occurred in the reaction solution without an anionic surfactant.
[0029]
<Example 2>
A nonionic surfactant was added to the immune reaction solution, and the presence or absence of the effect of suppressing the prozone phenomenon was compared with the case of adding the anionic surfactant Perex SSH. Using Triton X100, Tween 80 and Rhedol-TW? L120 as nonionic surfactants, containing 0.2% EDTA · 2Na and 1% NaCl, each containing 0.2% EDTA. Cystatin C was measured in the same manner as in Example 1 using MES buffer (pH 6.0) as each R1 reagent solution. At the same time, 0.2M MES buffer solution (pH 6.0) containing 0.2% EDTA · 2Na and 1% NaCl to which a concentration of Perex SSH was added to 0.03% was used as an R1 reagent solution. Cystatin C was measured in the same manner as in Example 1. The result is shown in FIG. As is clear from the figure, the nonionic surfactant did not have an inhibitory effect on the prozone phenomenon.
[0030]
<Example 3>
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-344492 describes the effect of suppressing the prozone phenomenon by sulfate. Therefore, an immune reaction solution to which sodium sulfate was added was prepared and compared with an immune reaction solution to which the anionic surfactant Plex SSH containing a sulfate group was added for the effect of suppressing the prozone phenomenon. 0.2 M MES buffer (pH 6.0) containing 0.2% EDTA · 2Na and 1% NaCl containing sodium sulfate at a concentration of 0, 2.0, 5.0, or 9.0%, respectively. Were used as R1 reagent solutions, and cystatin C was measured in the same manner as in Example 1 using these solutions. At the same time, 0.2M MES buffer (pH 6.0) containing 0.2% EDTA · 2Na and 1% NaCl to which a concentration of Perex SSH was added to 0.03% was used as an R1 reagent solution. Cystatin C was measured in the same manner as in Example 1. The results are shown in FIG. As is clear from the figure, when sodium sulfate was added, the measured value of cystatin C at a high concentration of 50 μg / mL was lower than the measured value of cystatin C concentration of 4 μg / mL, and the prozone phenomenon was not eliminated at all. In contrast, when Perex SSH was added at 0.03%, the measured value of cystatin C at a high concentration of 50 μg / mL did not fall below the measured value at a lower concentration range, and the prozone phenomenon was completely eliminated.
[0031]
<Example 4>
0.2M MES buffer containing 0.2% EDTA · 2Na and 1% NaCl with Perex SSH or Emar E70C added to a concentration of 0, 0.01, 0.02 or 0.03% ( Cystatin C was measured in the same manner as in Example 1 using pH 6.0) as the R1 reagent solution. The results are shown in FIGS. As apparent from FIG. 6, it was recognized that when the concentration of Perex SSH was 0.01%, the measured value of cystatin C at a high concentration of 50 μg / mL increased as compared with the case of no addition. When Perex SSH is added at a concentration of 0.03%, the measured value of cystatin C at a high concentration of 50 μg / mL does not fall below the measured value of cystatin C at a lower concentration range, and the prozone phenomenon is completely eliminated. It was.
[0032]
Even when Emar E70C in FIG. 7 was added, it was observed that the measured value at a high concentration of 50 μg / mL of cystatin C increased with the addition of 0.01% compared to the case without addition. When Emul E70C is added at a concentration of 0.02%, the measured value of cystatin C at a high concentration of 50 μg / mL does not fall below the measured value of cystatin C at a lower concentration range, and the prozone phenomenon is completely eliminated. It was.
[0033]
From these, it can be seen that PELEX SSH or EMAL E70C has an effect of suppressing the prozone phenomenon even at a low concentration of 0.01%.
[0034]
<Example 5>
The effects of anionic surfactants in the presence of nonionic surfactants on the prozone phenomenon were investigated. To 0.2M MES buffer (pH 6.0) containing 0.2% EDTA · 2Na and 1% NaCl with Tween 80 added to a concentration of 0.2% as a nonionic surfactant, Perex NBL was added as an ionic surfactant so that the concentrations would be 0, 0.2, 0.3, 0.4, and 0.5%, respectively, to obtain an R1 reagent solution. Cystatin C was measured using these in the same manner as in Example 1. The result is shown in FIG. When the concentration of Perex NBL was 0.3%, the measured value of cystatin C at a high concentration of 50 μg / mL did not fall below the measured value of cystatin C in the lower concentration region, and the prozone phenomenon was completely eliminated. When the concentration of Perex NBL was increased from 0.3%, a decrease in the measured value was observed as a whole, but the prozone phenomenon remained suppressed. From this, it can be seen that even if an anionic surfactant is used together with a nonionic surfactant, the effect of suppressing the prozone phenomenon of the anionic surfactant is not impaired.
[0035]
<Example 6>
When the concentration of Perex NBL was added to 0.5% in Example 5, the measured value of cystatin C was significantly decreased as a whole (FIG. 5). Therefore, the effect of suppressing the prozone phenomenon of an anionic surfactant in the presence of a reaction accelerator was investigated. R1 containing 0.5% of Plex NBL of Example 5 so that polyethylene glycol 20000 is used as a reaction accelerator and the concentration is 0, 0.5, 0.75, 1.0, or 1.25%, respectively. Cystatin C was measured in the same manner as in Example 1 by adding to the reagent solution. At the same time, polyethylene glycol 20000 was added to the R1 reagent solution without Plex NBL at 0.5%, and cystatin C was measured in the same manner as in Example 1. The results are shown in FIG. When polyethylene glycol 20000 is added to the R1 reagent solution without Plex NBL added, the measured value increases due to the reaction promoting effect of polyethylene glycol. However, since it simply increases uniformly over the entire concentration range of cystatin C, In addition, the suppression effect of the prozone phenomenon is not recognized. On the other hand, when polyethylene glycol 20000 was added to the R1 reagent solution containing 0.5% PELEX NBL, the measured value increased while suppressing the prozone phenomenon. Moreover, the effect of this polyethylene glycol was consistently increased corresponding to the concentration tested, and no clear upper limit concentration at which the effect peaked was found. From this, even if the measured value decreases when the prozone phenomenon is suppressed by adding an anionic surfactant, the prozone phenomenon can be reduced by adding an appropriate amount of a reaction accelerator such as polyethylene glycol. It can be seen that the measurement sensitivity can be freely set by increasing the measured value while suppressing it.
[0036]
<Example 7>
The inhibitory effect of anionic surfactants on the prozone phenomenon was examined for AFP measurement reagents other than cystatin C. Add 0.2 M MES buffer (pH 6.0) containing 0.2% Triton X100, 0.2% EDTA · 2Na and 1% NaCl to 3 μL of serum containing AFP at a concentration of 0 to 250 μg / mL as R1 reagent. 240 μL was added as a solution. Then, after 5 minutes at 37 ° C., 60 μL of the anti-AFP antibody-bound gold colloid solution prepared in Reference Example 3 was added as an R2 reagent solution, reacted at 37 ° C., and absorbance at 27 and 50 points using Hitachi 7150 automatic analyzer. The difference (main wavelength 546 nm, subwavelength 660 nm) was measured. Perex SSH was added to the R1 reagent solution as an anionic surfactant at a concentration of 0.1%, AFP was measured in the same manner, and the effect of inhibiting the prozone phenomenon of the anionic surfactant was examined. The results are shown in FIG. Also in the AFP measurement reagent, the effect of suppressing the prozone phenomenon was recognized by the addition of the anionic surfactant Perex SSH.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph (cystatin C) showing the prozone phenomenon inhibitory effect of an anionic surfactant.
FIG. 2 is a graph (cystatin C) showing the effect of inhibiting the prozone phenomenon of an anionic surfactant.
FIG. 3 is a graph (cystatin C) showing the prozone phenomenon inhibitory effect of an anionic surfactant.
FIG. 4 is a graph showing the prozone phenomenon with addition of a nonionic surfactant (cystatin C).
FIG. 5 is a graph (cystatin C) showing a comparison between sodium sulfate and an anionic surfactant in suppressing prozone phenomenon.
FIG. 6 is a graph (cystatin C) showing the relationship between the concentration of Perex SSH and the effect of suppressing the prozone phenomenon.
FIG. 7 is a graph showing the relationship between the concentration of Emar 70C and the effect of suppressing the prozone phenomenon (cystatin C).
FIG. 8 is a graph (cystatin C) showing the prozone phenomenon inhibitory effect of an anionic surfactant in the presence of a nonionic surfactant.
FIG. 9 is a graph (cystatin C) showing the prozone phenomenon inhibitory effect of an anionic surfactant in the presence of a nonionic surfactant and a reaction accelerator.
FIG. 10 is a graph (AFP) showing the effect of suppressing the prozone phenomenon of an anionic surfactant.
[Explanation of symbols]
Abs * 1000 = absorbance × 1000
Cys. C = cystatin C
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