JP3851569B2 - Ink jet recording ink and ink jet recording method - Google Patents

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JP3851569B2 JP2002032494A JP2002032494A JP3851569B2 JP 3851569 B2 JP3851569 B2 JP 3851569B2 JP 2002032494 A JP2002032494 A JP 2002032494A JP 2002032494 A JP2002032494 A JP 2002032494A JP 3851569 B2 JP3851569 B2 JP 3851569B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録画像の品質が高く、吐出安定性に優れ、しかも得られた画像の保存性が優れたインクジェット記録用インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピューターの普及に伴いインクジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
【0003】
これらのインクジェット記録用インクに用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、オゾン、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。特に、良好なシアン色相を有し、オゾン堅牢性に優れた着色剤が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは難しい。
一方で、インク組成物を調液する際に、その組成物中の固形分が適当な範囲を超えると、インクの吐出性や画像の耐候性に問題があることがわかった。また、インク中で不溶性の粒子成分が増加すると、同様にインクの吐出性に問題があることがわかった。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、色相、耐候性に優れたインクジェット記録用インク組成物を提供することにある。
本発明の更なる課題は、吐出安定性が高く、色相、耐候性、耐水性に優れ、画質面での欠点がないインクジェット記録用インク組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記1〜11項記載のインクジェット記録用インク組成物ならびに1213項記載のインクジェット記録方法によって達成された。
1.下記一般式(I)で表される少なくとも1種の水溶性染料を、水性媒体中に溶解してなるインク組成物であって、該インク組成物の固形分濃度が0.50質量%以上20質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
一般式(I)
【0007】
【化3】

Figure 0003851569
【0008】
上記一般式(I)中;X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12、スルホ基、−CONR12、または−CO21を表す。上記Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。上記R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、Zが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、一価の置換基を表す。なお、X1〜XおよびY1〜Yのいずれかが複数個存在するとき、それらは、同一でも異なっていてもよい。a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4、およびY1〜Y4の置換基数を表し、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、全てが同時に0になることはなく、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。なお、a 1 〜a 4 及びb 1 〜b 4 が2以上の数を表す時、複数のX 1 〜X 4 、及びY 1 〜Y 4 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
【0009】
2. 一般式(I)で表される水溶性染料が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする上記1.に記載のインクジェット記録用インク組成物。
一般式(II)
【0010】
【化4】
Figure 0003851569
【0011】
上記一般式(II)中;X 11 X 12 X 13 および X 14 は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO −Z、−SO NR 、スルホ基、−CONR または−CO を表す。上記Zは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。上記R 、R は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、Zが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Y 11 〜Y 18 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、スルホ基を表す。なお、 X 11 X 14 のいずれかが複数個存在するとき、それらは、同一でも異なっていてもよい。11〜a1 は、それぞれ X 11 X 14 の置換基数を表し、それぞれ独立に、1または2の整数である。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
【0012】
3.前記一般式( II )中、 X 11 X 12 X 13 および X 14 が、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO −Z、−SO NR 、または−CONR を表すことを特徴とする上記2.に記載のインクジェット記録用インク組成物。
4.前記一般式( II )中、 X 11 X 12 X 13 および X 14 が、−SO −Zを表すことを特徴とする上記2.または3.に記載のインクジェット記録用インク組成物。
5.前記一般式( II )中、Y 11 〜Y 18 がそれぞれ水素原子を表すことを特徴とする上記2.〜4.のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
6.前記水溶性染料の 20 ℃における水への溶解度が 2 質量%以上であることを特徴とする上記1.〜5.のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
7.前記水溶性染料を0.5〜15質量%含有することを特徴とする上記1.〜6.のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
8.前記水溶性染料がイオン性親水性基を有することを特徴とする上記1.〜7.のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
9.前記水溶性染料がイオン性親水性基を1分子中に少なくとも2個以上有することを特徴とする上記1.〜8.のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
10.上記一般式(I)で表される水溶性染料又は一般式(II)で表される水溶性染料を少なくとも1種水性媒体中に溶解してなるインク組成物であって、該インク組成物1cm3中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
11.インク組成物1cm3中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3以下であることを特徴とする上記1.〜9.のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
【0013】
12上記1.〜11.のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
13.支持体上に白色無機顔料粒子を含有する受像層を有する受像材料にインク滴を記録信号に応じて吐出させ、受像材料上に画像を記録するインクジェット記録方法であって、インク滴が上記1.〜11.のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用インクに含有される染料は、上記一般式(I)で表されるフタロシアニン染料である。
フタロシアニン染料は堅牢な染料として知られていたが、インクジェット用記録染料として使用した場合、オゾンガスに対する堅牢性に劣ることが知られている。
本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、フタロシアニン骨格に電子求引性基を導入して酸化電位を1.0V(vs SCE)よりも貴とすることが望ましい。酸化電位は貴であるほど好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)よりも貴であるものがより好ましく、1.2V(vs SCE)より貴であるものが最も好ましい。
【0015】
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New Instrumental Methods in Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers社刊)、A.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)などに記載されている。
【0016】
具体的には、酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムなどの支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルなどの溶媒中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6モル/リットルの濃度に溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
なお、電位を一義的に規定するために、本発明では、0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染料の濃度は0.001moldm-3)で直流ポーラログラフィーにより測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
【0017】
Eox(酸化電位)の値は試料から電極への電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、フタロシアニン骨格に電子求引性基を導入して酸化電位をより貴とすることが望ましい。従って、置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であるハメットの置換基定数σp値を用いれば、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のようにσp値が大きい置換基を導入することにより酸化電位をより貴とすることができると言える。
このような電位調節をする理由からも、上記一般式(I)で表されるフタロシアニン染料を用いることは好ましい。
【0018】
一般式(I)において、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12、スルホ基、−CONR12、または−CO21を表す。これらの置換基の中でも、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12および−CONR12が好ましく、特に−SO2−Zおよび−SO2NR12が好ましく、−SO2−Z が最も好ましい。ここで、その置換基数を表すa1〜a4のいずれかが2以上の数を表す場合、X1〜X4の内、複数存在するものは同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に上記のいずれかの基を表す。また、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−Zと−SO2NR12を含んでいてもよい。
【0019】
上記Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。
上記R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なかでも、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、および置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、および置換複素環基がさらに好ましい。但し、R1、R2がいずれも水素原子であることは好ましくない。
【0020】
1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。なお、アルキル基の炭素原子数は置換基の炭素原子を含まず、他の基についても同様である。
【0021】
1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のシクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、およびスルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
【0022】
1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアルケニル基としては、炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
【0023】
1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアラルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
【0024】
1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子吸引性基が特に好ましい。電子吸引性基としては、ハメットの置換基定数σp値が正のものを挙げられる。なかでも、ハロゲン原子、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基が好ましく、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基が更に好ましい。
【0025】
1、R2およびZが表す複素環基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。以下にR1、R2およびZで表される複素環基を、置換位置を省略して複素環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。なかでも、芳香族複素環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。好ましい置換基は前記アリール基の置換基と、更に好ましい置換基は、前記アリール基の更に好ましい置換基とそれぞれ同じである。
【0026】
1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基、またはスルホ基を挙げる事ができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
【0027】
なかでも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
【0028】
Z、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下に挙げる置換基を更に有してもよい。
【0029】
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖または分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基(以上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性およびインクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素を有するものが特に好ましい。以上の各基の具体例:例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec-ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、複素環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、
【0030】
シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、
【0031】
カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、複素環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、
【0032】
シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、複素環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基)が挙げられる。
【0033】
前記一般式(I)で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中少なくとも2個有することが好ましく、スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ましい。
【0034】
1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表すが、全てが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。なお、a1〜a4およびb1〜b4のいずれかが2以上の整数であるときは、X1〜X4およびY1〜Y4のいずれかは複数個存在することになり、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0035】
1とb1は、a1+b1=4の関係を満たす。特に好ましいのは、a1が1または2を表し、b1が3または2を表す組み合わせであり、そのなかでも、a1が1を表し、b1が3を表す組み合わせが最も好ましい。
1とb1、a1とb1、a1とb1の各組み合わせにおいても、a1とb1の組み合わせと同様の関係であり、好ましい組み合わせも同様である。
【0036】
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
Mとして好ましいものは、水素原子の他に、金属元素として、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、GeO等が好ましく挙げられる。
また、水酸化物としては、Si(OH)2、Cr(OH)2、Sn(OH)2等が好ましく挙げられる。さらに、ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl2、VCl、VCl2、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。なかでも、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
【0037】
また、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L-M−Pc)または3量体を形成してもよく、その時のMはそれぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
【0038】
Lで表される2価の連結基は、オキシ基−O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニル基−SO2−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH2−、およびこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
【0039】
前記一般式(I)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
【0040】
前記一般式(I)で表されるフタロシアニン染料のなかでも、前記一般式(II)で表される構造のフタロシアニン染料が更に好ましい。以下に本発明の一般式(II)で表されるフタロシアニン染料について詳しく述べる。
【0041】
前記一般式(II)において、X11〜X14、Y11〜Y18は一般式(I)の中のX1〜X4、Y1〜Y4とそれぞれ同義であり、好ましい例も同じである。また、Mは一般式(I)中のMと同義であり、好ましい例も同様である。
【0042】
一般式(II)中、a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2の整数であり、好ましくは4≦a11+a12+a13+a14≦6を満たし、特に好ましくはa11=a12=a13=a14=1のときである。
【0043】
11、X12、X13およびX14は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−Zと−SO2NR12を含んでいてもよい。
一般式(II)で表されるフタロシアニン染料のなかでも、特に好ましい置換基の組み合わせは、以下の通りである。
【0044】
11〜X14としては、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12または−CONR12が好ましく、特に−SO2−Zまたは−SO2NR12が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。
【0045】
Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、そのなかでも、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
【0046】
1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、そのなかでも、水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基がより好ましい。ただしR1,R2が共に水素原子であることは好ましくない。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
【0047】
11〜Y18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、またはスルホ基であることが好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
11〜a14は、それぞれ独立に、1または2であることが好ましく、全てが1であることが特に好ましい。
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表し、特にCu、Ni、Zn、Alが好ましく、なかでも特に特にCuが最も好ましい。
【0048】
前記一般式(II)で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中に少なくとも2個有することが好ましく、スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ましい。
【0049】
前記一般式(II)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
【0050】
本発明のフタロシアニン染料の化学構造としては、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のような電子吸引性基を、フタロシアニンの4つの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.6以上となるように導入することが好ましい。
ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
【0051】
前記一般式(I)で表されるフタロシアニン誘導体は、その合成法によって不可避的に置換基Xn(n=1〜4)およびYm(m=1〜4)の導入位置および導入個数が異なる類縁体混合物である場合が一般的であり、従って一般式はこれら類縁体混合物を統計的に平均化して表している場合が多い。本発明では、これらの類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、特定の混合物が特に好ましいことを見出したものである。すなわち前記一般式(I)および(II)で表されるフタロシアニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づいて以下の三種類に分類して定義する。
【0052】
(1)β-位置換型:2およびまたは3位、6およびまたは7位、10およびまたは11位、14およびまたは15位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
(2)α-位置換型:1およびまたは4位、5およびまたは8位、9およびまたは12位、13およびまたは16位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料(3)α,β-位混合置換型:1〜16位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン染料
【0053】
本明細書中において、構造が異なる(特に、置換位置が異なる)フタロシアニン染料の誘導体を説明する場合、上記β-位置換型、α-位置換型、α,β-位混合置換型を使用する。
【0054】
本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
【0055】
本発明の一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、世界特許00/17275号、同00/08103号、同00/08101号、同98/41853号、特開平10−36471号などに記載されているように、例えば無置換のフタロシアニン化合物のスルホン化、スルホニルクロライド化、アミド化反応を経て合成することができる。この場合、スルホン化がフタロシアニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化される個数も制御が困難である。従って、このような反応条件でスルホ基を導入した場合には、生成物に導入されたスルホ基の位置と個数は特定できず、必ず置換基の個数や置換位置の異なる混合物を与える。従ってそれを原料として本発明の化合物を合成する時には、複素環置換スルファモイル基の個数や置換位置は特定できないので、本発明の化合物としては置換基の個数や置換位置の異なる化合物が何種類か含まれるα,β-位混合置換型混合物として得られる。
【0056】
前述したように、例えばスルファモイル基のような電子求引性基を数多くフタロシアニン核に導入すると酸化電位がより貴となり、オゾン耐性が高まる。上記の合成法に従うと、電子求引性基が導入されている個数が少ない、即ち酸化電位がより卑であるフタロシアニン染料が混入してくることが避けられない。従って、オゾン耐性を向上させるためには、酸化電位がより卑である化合物の生成を抑えるような合成法を用いることがより好ましい。
【0057】
本発明の一般式(II)で表されるフタロシアニン化合物は、例えば下記式で表されるフタロニトリル誘導体(化合物P)および/またはジイミノイソインドリン誘導体(化合物Q)を一般式(III)で表される金属誘導体と反応させるか、或いは下記式で表される4-スルホフタロニトリル誘導体(化合物R)と一般式(III)で表される金属誘導体を反応させて得られるテトラスルホフタロシアニン化合物から誘導することができる。
【0058】
【化5】
Figure 0003851569
【0059】
上記各式中、Xpは上記一般式(II)におけるX11、X12、X13またはX14に相当する。また、Yq、Yq'は、それぞれ上記一般式(II)におけるY11、Y1 2、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17またはY18に相当する。化合物Rにおいて、M’はカチオンを表す。
M’が表わすカチオンとしては、Li、Na、Kなどのアルカリ金属イオン、またはトリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンなどの有機カチオンなどが挙げられる。
【0060】
一般式(III):M−(Y)d
一般式(III)中、Mは前記一般式(I)および(II)のMと同義であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセトネート、酸素などの1価または2価の配位子を示し、dは1〜4の整数である。
【0061】
即ち、上記の合成法に従えば、望みの置換基を特定の数だけ導入することができる。特に本発明のように酸化電位を貴とするために電子求引性基を数多く導入したい場合には、上記の合成法は、一般式(I)のフタロシアニン化合物を合成するための既に述べた方法と比較して極めて優れたものである。
【0062】
かくして得られる前記一般式(II)で表されるフタロシアニン化合物は、通常、Xpの各置換位置における異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物の混合物、すなわちβ-位置換型となっている。
【0063】
【化6】
Figure 0003851569
【0064】
【化7】
Figure 0003851569
【0065】
【化8】
Figure 0003851569
【0066】
【化9】
Figure 0003851569
【0067】
上記合成法において、Xpとして全て同一のものを使用すればX11、X12、X13およびX14が全く同じ置換基であるβ−位置換型フタロシアニン染料を得ることができる。一方、Xpとして異なるものを組み合わせて使用すれば、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基をもつ染料や、あるいは、互いに異なる種類の置換基をもつ染料を合成することができる。一般式(II)の染料のなかでも、互いに異なる電子吸引性置換基を持つこれらの染料は、染料の溶解性、会合性、インクの経時安定性などを調整できるので、特に好ましい。
【0068】
本発明では、いずれの置換型においても酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であることが堅牢性の向上に非常に重要であることが見出され、その効果の大きさは前記先行技術から全く予想することができないものであった。また、原因は詳細には不明であるが、なかでも、α,β-位混合置換型よりはβ-位置換型の方が色相、光堅牢性、オゾンガス耐性等において明らかに優れている傾向にあった。
【0069】
前記一般式(I)および(II)で表されるフタロシアニン染料の具体例(例示化合物I−1〜I−12および101〜190)を下記に示すが、本発明に用いられるフタロシアニン染料は、下記の例に限定されるものではない。
【0070】
【化10】
Figure 0003851569
【0071】
【化11】
Figure 0003851569
【0072】
【化12】
Figure 0003851569
【0073】
【化13】
Figure 0003851569
【0074】
【化14】
Figure 0003851569
【0075】
【化15】
Figure 0003851569
【0076】
【表1】
Figure 0003851569
【0077】
【表2】
Figure 0003851569
【0078】
【表3】
Figure 0003851569
【0079】
【表4】
Figure 0003851569
【0080】
【表5】
Figure 0003851569
【0081】
【表6】
Figure 0003851569
【0082】
【表7】
Figure 0003851569
【0083】
【表8】
Figure 0003851569
【0084】
【表9】
Figure 0003851569
【0085】
【表10】
Figure 0003851569
【0086】
【表11】
Figure 0003851569
【0087】
なお、表8〜表11のM−Pc(Xp1)m(Xp2)nで示されるフタロシアニン化合物の構造は下記の通りである
【0088】
【化16】
Figure 0003851569
【0089】
前記一般式(I)で表されるフタロシアニン染料は、前述した特許に従って合成することが可能である。また、一般式(II)で表されるフタロシアニン染料は、前記した合成方法の他に、特開2001−226275号、同2001−96610号、同2001−47013号、同2001−193638号の各公報に記載の方法により合成することができる。また、出発物質、染料中間体および合成ル−トについてはこれらに限定されるものでない。
【0090】
本発明のインクジェット記録用インクは、前記フタロシアニン染料を好ましくは0.2〜20質量%含有し、より好ましくは0.5〜15質量%含有する。
【0091】
本発明のインク組成物には、前記フタロシアニン染料とともに、フルカラーの画像を得るための色調を整えるために、他の色素を併用してもよい。併用することができる他の色素の例としては、以下の染料や顔料を挙げることができる。
【0092】
イエロー染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエローを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
【0093】
マゼンタ染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてマゼンタを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
【0094】
シアン染料としては、例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてシアンを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
また、ポリアゾ染料などのブラック染料も使用することができる。
【0095】
水溶性染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等が挙げられる。好ましいものとしては、
C.I. ダイレクトレッド2、4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、21、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247、
C.I. ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101、
C.I. ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163、
C.I. ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291、
C.I. ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199、
C.I. アシッドレッド35、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、128、131、143、151、154、158、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397、
C.I. アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126、
C.I. アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227、
C.I. アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、112、113、120、127:1、129、138、143、175、181、205、207、220、221、230、232、247、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326、
C.I. アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172、
C.I. リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49、55、
C.I. リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34、
C.I. リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42、
C.I. リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38、
C.I. リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34、
C.I. ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46、
C.I. ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48、
C.I. ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40、
C.I. ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71、
C.I. ベーシックブラック8、等が挙げられる。
【0096】
本発明で使用するフタロシアニン染料を含む色素は実質的に水溶性又は水分散性のものである。具体的には20℃における色素の水への溶解度は2質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上である。また、本発明で使用yするフタロシアニン染料は、20℃における色素の水への溶解度が2質量%以上であるものが好ましい。
【0097】
本発明に用いられる顔料としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。文献に関してはカラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便覧」日本顔料技術協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技術」CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版(1984年刊)、W. Herbst, K. Hunger共著によるIndustrial Organic Pigments (VCH Verlagsgesellschaft、1993年刊)等がある。具体的には、有機顔料ではアゾ顔料(アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等)、染付けレーキ顔料(酸性または塩基性染料のレーキ顔料)、アジン顔料等があり、無機顔料では、黄色顔料のC. I. Pigment Yellow 34, 37, 42, 53など、赤系顔料のC. I. Pigment Red 101, 108など、青系顔料のC. I. Pigment Blue 27, 29,17:1など、黒系顔料のC. I. Pigment Black 7,マグネタイトなど、白系顔料のC. I. Pigment White 4,6,18,21などを挙げることができる。
【0098】
画像形成用に好ましい色調を持つ顔料としては、青ないしシアン顔料ではフタロシアニン顔料、アントラキノン系のインダントロン顔料(たとえばC. I. Pigment Blue 60など)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料が好ましく、特にフタロシアニン顔料(好ましい例としては、C. I. Pigment Blue 15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6などの銅フタロシアニン、モノクロロないし低塩素化銅フタロシアニン、アルニウムフタロシアニンでは欧州特許860475号に記載の顔料、C. I. Pigment Blue 16である無金属フタロシアニン、中心金属がZn、Ni、Tiであるフタロシアニンなど、中でも好ましいものはC. I. Pigment Blue 15:3、同15:4、アルミニウムフタロシアニン)が最も好ましい。
【0099】
赤ないし紫色の顔料では、アゾ顔料(好ましい例としては、C. I. Pigment Red 3、同5、同11、同22、同38、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49:1、同52:1、同53:1、同57:1、同63:2、同144、同146、同184)など、中でも好ましいものはC. I. Pigment Red 57:1、同146、同184)、キナクリドン系顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Red 122、同192、同202、同207、同209、C. I. Pigment Violet 19、同42、なかでも好ましいものはC. I. Pigment Red 122)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料(好ましい例としてはキサンテン系のC. I. Pigment Red 81:1、C. I. Pigment Violet 1、同2、同3、同27、同39)、ジオキサジン系顔料(例えばC. I. Pigment Violet 23、同37)、ジケトピロロピロール系顔料(例えばC. I. Pigment Red 254)、ペリレン顔料(例えばC. I. Pigment Violet 29)、アントラキノン系顔料(例えばC. I. Pigment Violet 5:1、同31、同33)、チオインジゴ系(例えばC. I. Pigment Red 38、同88)が好ましく用いられる。
【0100】
黄色顔料としては、アゾ顔料(好ましい例としてはモノアゾ顔料系のC. I. Pigment Yellow 1, 3, 74, 98、ジスアゾ顔料系のC. I. Pigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 83、総合アゾ系のC. I. Pigment Yellow 93, 94, 95, 128, 155、ベンズイミダゾロン系のC. I. Pigment Yellow 120, 151, 154, 156, 180など、なかでも好ましいものはベンジジン系化合物を原料に使用しなもの)、イソインドリン・イソインドリノン系顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Yellow 109, 110, 137, 139など)、キノフタロン顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Yellow 138など)、フラパントロン顔料(例えばC. I. Pigment Yellow 24など)が好ましく用いられる。
【0101】
黒顔料としては、無機顔料(好ましくは例としてはカーボンブラック、マグネタイト)やアニリンブラックを好ましいものとして挙げることができる。
この他、オレンジ顔料(C. I. Pigment Orange 13, 16など)や緑顔料(C. I. Pigment Green 7など)を使用してもよい。
【0102】
本技術に使用できる顔料は、上述の裸の顔料であっても良いし、表面処理を施された顔料でも良い。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート、ジアゾニウム塩から生じるラジカルなど)を顔料表面に結合させる方法などが考えられ、次の文献や特許に記載されている。
▲1▼ 金属石鹸の性質と応用(幸書房)
▲2▼ 印刷インキ印刷(CMC出版 1984)
▲3▼ 最新顔料応用技術(CMC出版 1986)
▲4▼ 米国特許5,554,739号、同5,571,311号
▲5▼ 特開平9-151342号、同10-140065号、同10-292143号、同11-166145号
特に、上記▲4▼の米国特許に記載されたジアゾニウム塩をカーボンブラックに作用させて調製された自己分散性顔料や、上記▲5▼の日本特許に記載された方法で調製されたカプセル化顔料は、インク中に余分な分散剤を使用することなく分散安定性が得られるため特に有効である。
【0103】
本発明においては、顔料はさらに分散剤を用いて分散されていてもよい。分散剤は、用いる顔料に合わせて公知の種々のもの、例えば界面活性剤型の低分子分散剤や高分子型分散剤を用いることが出来る。分散剤の例としては特開平3-69949号、欧州特許549486号等に記載のものを挙げることができる。また、分散剤を使用する際に分散剤の顔料への吸着を促進するためにシナジストと呼ばれる顔料誘導体を添加してもよい。
本技術に使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μの範囲であることが好ましく、0.05〜1μであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
【0104】
本発明のインク組成物は、上記一般式(I)で表される染料を含有すると共に、インク組成物中の固形分濃度がインク総量に対して0.50質量%以上20質量%以下であるという特徴を有する。ここで、固形分濃度とは、以下の式で求められる値を指す。
【0105】
固形分濃度(質量%)
=100×(インク1000ml中の固形分質量)/1000ml
【0106】
ここでいう固形分とは、インクを調液する際に使用する原材料の中で、常温(15℃〜30℃)、大気圧条件下において固体状態で存在する物質の総量を表す。このような原材料としては先に挙げた染料の他に、防腐剤、界面活性剤、浸透助剤、分散用可塑剤、高分子添加剤等、種々の添加剤の中で、固体状態のものを挙げることができる。
【0107】
これらの固体状態の原材料を、水をはじめとする溶媒に溶解して、一般式(I)で表される染料を含有するインク組成物を調液する際、本発明のインク組成物においては固形分濃度で0.50質量%以上20質量%以下となるようにする。固形分濃度として好ましくは0.80質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上10質量%以下である。これにより、インク物性をコントロールし、流動性を改良することができる。
【0108】
一方、本発明のインク組成物は、上記一般式(I)で表される染料を含有すると共に、インク組成物1cm3中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3以下であるという特徴を有する。これはインク調液を行った際に、不溶性成分として存在するインク中の固形分のことを表す。これはインク組成物に用いる染料や固形の添加物、溶媒などに含まれるゴミや、調液時に環境から混入してくるゴミが主たる固形分となる。これらの固形分総体積をこれらの固形分の、インク組成物1cm3中に存在する総体積を3.5×10-6cm3以下とすることにより、目詰まりのコントロールが可能である。粒子総体積を3.5×10-6cm3/cm3とするためには、クラス1000以下のクリーンルームやクリーンベンチを使用して調液作業を行ったり、インク組成物をポアサイズの微小な濾過フィルターで濾過したりすることにより行うことができる。濾過フィルターを使用する場合、そのポアサイズとしては10μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μm以下である。
【0109】
インク組成物中に存在する粒子の総体積を測定するには、特許登録第3027982号記載のコールターカウンター法を使用することができる。本発明においては、インク組成物1cm3中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3以下、好ましくは3.5×10-7cm3以下である。
【0110】
本発明のインク組成物は、特に、一般式(I)で表される染料を含有すると共に、インク組成物中の固形分濃度がインク総量に対して0.5質量%以上20質量%以下であり、且つインク組成物1cm3中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3以下であることが好ましい。
【0111】
次に、本発明のインクジェット記録用インク組成物が含有し得る他の成分について説明する。
本発明のインクジェット記録用インク組成物には、界面活性剤を含有させることが好ましく、これにより、インクの液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモイニウムクロライド、テロラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
【0112】
界面活性剤の含有量はインクに対して0.001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量である。
【0113】
本発明のインクジェット記録用インクは、水性媒体中に前記のフタロシアニン染料と界面活性剤を溶解および/または分散させることによって作製することができる。本発明における「水性媒体」とは、水又は水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて湿潤剤、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。
【0114】
本発明において用いることができる水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミンン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶剤は、2種類以上を併用してもよい。
【0115】
前記フタロシアニン染料が油溶性染料の場合は、該油溶性染料を高沸点有機溶媒中に溶解させ、水性媒体中に乳化分散させることによって調製することができる。
本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は150℃以上であるが、好ましくは170℃以上である。
例えば、フタール酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート)、リン酸又はホスホンのエステル類(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステル酸(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アルコール類またはフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルアゼレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフィン類)、トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−tert−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノール、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノール)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデカン酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチルヘキシル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられる。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、数種の混合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチルフタレート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよい。
【0116】
本発明において用いられる高沸点有機溶媒の前記以外の化合物例及び/またはこれら高沸点有機溶媒の合成方法は例えば米国特許第2,322,027号、同第2,533,514号、同第2,772,163号、同第2,835,579号、同第3,594,171号、同第3,676,137号、同第3,689,271号、同第3,700,454号、同第3,748,141号、同第3,764,336号、同第3,765,897号、同第3,912,515号、同第3,936,303号、同第4,004,928号、同第4,080,209号、同第4,127,413号、同第4,193,802号、同第4,207,393号、同第4,220,711号、同第4,239,851号、同第4,278,757号、同第4,353,979号、同第4,363,873号、同第4,430,421号、同第4,430,422号、同第4,464,464号、同第4,483,918号、同第4,540,657号、同第4,684,606号、同第4,728,599号、同第4,745,049号、同第4,935,321号、同第5,013,639号、欧州特許第276,319A号、同第286,253A号、同第289,820A号、同第309,158A号、同第309,159A号、同第309,160A号、同第509,311A号、同第510,576A号、東独特許第147,009号、同第157,147号、同第159,573号、同第225,240A号、英国特許第2,091,124A号、特開昭48-47335号、同50-26530号、同51-25133号、同51-26036号、同51-27921号、同51-27922号、同51-149028号、同52-46816号、同53-1520号、同53-1521号、同53-15127号、同53-146622号、同54-91325号、同54-106228号、同54-118246号、同55-59464号、同56-64333号、同56-81836号、同59-204041号、同61-84641号、同62-118345号、同62-247364号、同63-167357号、同63-214744号、同63-301941号、同64-9452号、同64-9454号、同64-68745号、特開平1-101543号、同1-102454号、同2-792号、同2-4239号、同2-43541号、同4-29237号、同4-30165 号、同4-232946号、同4-346338号等に記載されている。
上記高沸点有機溶媒は、油溶性染料に対し、質量比で0.01〜3.0倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用する。
【0117】
本発明では油溶性性染料や高沸点有機溶媒は、水性媒体中に乳化分散して用いられる。乳化分散の際、乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を用いることができる。低沸点有機溶媒としては、常圧で沸点約30℃以上150℃以下の有機溶媒である。例えばエステル類(例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロピオネート、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセテート)、アルコール類(例えばイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、セカンダリーブチルアルコール)、ケトン類(例えばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)等が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
【0118】
乳化分散は、高沸点有機溶媒と場合によっては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした油相を、水を主体とした水相中に分散し、油相の微小油滴を作るために行われる。この際、水相、油相のいずれか又は両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、染料安定化剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
乳化法としては水相中に油相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いることができる。
【0119】
乳化分散する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
【0120】
また、乳化直後の安定化を図る目的で、上記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加することもできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好ましい。さらに染料分散物の安定化のためには実質的に水性媒体中に溶解しないアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニルエーテル類、アクリロニトリル類の重合により得られるポリビニルやポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することができる。これらのポリマーは−SO2-、−COO-を含有していること好ましい。これらの実質的に水性媒体中に溶解しないポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒の20質量%以下用いられることが好ましく、10質量%以下で用いられることがより好ましい。
【0121】
乳化分散により油溶性性染料や高沸点有機溶媒を分散させて水性インクとする場合、特に重要なのはその粒子サイズのコントーロールである。インクジェットにより画像を形成した際の、色純度や濃度を高めるには平均粒子サイズを小さくすることが必須である。体積平均粒子サイズで好ましくは1μm以下、より好ましくは5〜100nmである。
前記分散粒子の体積平均粒径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の417〜418ページに記載されている方法を用いるなど、公知の方法で容易に測定することができる。例えば、インク中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留水で希釈して、市販の体積平均粒子サイズ測定機(例えば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったものである。体積平均粒径については「高分子ラテックスの化学」(室井 宗一著 高分子刊行会)」119ページに記載がある。
【0122】
また、粗大粒子の存在も印刷性能に非常に大きな役割を示すことが明らかになった。即ち、粗大粒子がヘッドのノズルを詰まらせる、あるいは詰まらないまでも汚れを形成することによってインクの不吐出や吐出のヨレを生じ、印刷性能に重大な影響を与えることが分かった。これを防止するためには、インクにした時にインク1μl中で5μm以上の粒子を10個以下、1μm以上の粒子を1000個以下に抑えることが重要である。
これらの粗大粒子を除去する方法としては、公知の遠心分離法、精密濾過法等を用いることができる。これらの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤を加えた後、インクカートリッジに充填する直前でもよい。
平均粒子サイズを小さくし、且つ粗大粒子を無くす有効な手段として、機械的な乳化装置を用いることができる。
【0123】
乳化装置としては、簡単なスターラーやインペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いることができるが、高圧ホモジナイザーの使用は特に好ましいものである。
高圧ホモジナイザーは、US−4533254号、特開平6−47264号等に詳細な機構が記載されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナイザー(A.P.V GAULIN INC.)、マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX INC.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等がある。
また、近年になってUS−5720551号に記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳化装置の例として、DeBEE2000(BEE INTERNATIONAL LTD.)があげられる。
【0124】
高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は50MPa以上であり、好ましくは60MPa以上、更に好ましくは180MPa以上である。
例えば、撹拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法である。また、一度これらの乳化装置で乳化分散した後、湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した後、カートリッジにインクを充填する間に再度高圧ホモジナイザーを通過させる方法も好ましい方法である。
高沸点有機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安定性及び安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ましい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点有機溶剤の除去工程は乳化直後、できるだけ速やかに行うのが好ましい。
【0125】
本発明で得られたインクジェット記録用インク組成物には、インクの噴射口での乾操による目詰まりを防止するための乾燥防止剤、インクを紙によりよく浸透させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤等の添加剤を適宜選択して適量使用することができる。
【0126】
本発明に使用される乾燥防止剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
【0127】
本発明に使用される浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
【0128】
本発明で画像の保存性を向上させるために使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
【0129】
本発明では、画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
【0130】
本発明に使用される防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
尚、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
【0131】
本発明に使用されるpH調整剤は、pH調節、分散安定性付与などの点で好適に使用する事ができ、25℃でのインクのpHが8〜11に調整されていることが好ましい。pHが8未満である場合は染料の溶解性が低下してノズルが詰まりやすく、11を超えると耐水性が劣化する傾向がある。pH調整剤としては、塩基性のものとして有機塩基、無機アルカリ等が、酸性のものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。
前記有機塩基としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。前記無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アンモニウム等が挙げられる。また、前記有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アルキルスルホン酸等が挙げられる。前記無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。
【0132】
本発明では前記した界面活性剤とは別に表面張力調整剤として、ノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。例えばアニオン系界面活性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができ、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等を挙げることができる。アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
本発明のインクの表面張力は、これらを使用してあるいは使用しないで20〜60mN/mが好ましい。さらに25〜45mN/mが好ましい。
【0133】
本発明に用いられるインクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましいので、粘度を調製する目的で、粘度調整剤が使用されることがある。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162〜174頁に記載されている。
【0134】
また本発明では分散剤、分散安定剤として上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性剤、消泡剤としてフッソ系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるれるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
【0135】
本発明のインク液を調液する際には、水溶性インクの場合、まず水に溶解することが好ましい。そのあと、各種溶剤や添加物を添加し、溶解、混合して均一なインク液とする。
このときの溶解方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
【0136】
本発明の画像記録方法に用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムおける支持体はLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等をからなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚み10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
支持体にそのまま受像層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、受像層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよい。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)やポリエチレンテレフタレートでラミネートした紙およびプラスチックフイルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィンポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
【0137】
支持体上に設けられる受像層には、多孔質材料や水性バインダーが含有される。また、受像層には顔料を含むのが好ましく、顔料としては、白色顔料が好ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法(気相法)によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。これらの顔料は2種以上を併用してもよい。
【0138】
上記顔料を受像層に含有する記録紙としては、具体的には、特開平10−81064号、同10−119423、同10−157277、同10−217601、同11−348409、特開2001−138621、同2000−43401、同2000−211235、同2000−309157、同2001−96897、同2001−138627、特開平11−91242、同8−2087、同8−2090、同8−2091、同8−2093、同8−174992、同11−192777、特開2001−301314などに開示されたものを用いることができる。
【0139】
受像層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独または2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
【0140】
受像層は、顔料及び水性バインダーの他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、耐ガス性向上剤、界面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有することができる。
【0141】
受像層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
【0142】
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
【0143】
耐光性向上剤、耐ガス性向上剤としては、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、チオエーテル化合物、チオ尿素化合物、チオシアン酸化合物、アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、TEMPO化合物、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物、アミジン化合物、ビニル基含有化合物、エステル化合物、アミド化合物、エーテル化合物、アルコール化合物、スルフィン酸化合物、糖類、水溶性還元性化合物、有機酸、無機酸、ヒドロキシ基含有有機酸、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、へテロ環化合物、水溶性金属塩、有機金属化合物、金属錯体等があげられる。
これらの具体的な化合物例としては、特開平10-182621号、特開2001-260519号、特開2000-260519号、特公平4‐34953号、特公平4-34513号、特公平4-34512号、特開平11-170686号、特開昭60-67190号、特開平7-276808号、特開2000-94829号、特表平8-512258号、特開平11-321090号等に記載のものがあげられる。
【0144】
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
【0145】
硬膜剤としては特開平1−161236号公報の222頁、特開平9-263036号、特開平10-119423号、特開2001-310547号に記載されている材料等を用いることが出来る。
【0146】
その他の受像層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
【0147】
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0148】
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0149】
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バック層を含む)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止できる。
【0150】
本発明では、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット)方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
【0151】
本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェット記録以外の用途に使用することもできる。例えば、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料および屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
【0152】
ディスプレイ画像用材料としては、ポスター、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、商業宣伝用チラシ、包装紙、ラッピング材料、紙袋、ビニール袋、パッケージ材料、看板、交通機関(自動車、バス、電車など)の側面に描画や添付した画像、ロゴ入りの洋服、等各種の物を指す。本発明の染料をディスプレイ画像の形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
【0153】
室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、照明器具の部材、家具の部材、床や天井のデザイン部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
【0154】
屋外装飾材料としては、壁材、ルーフィング材、看板、ガーデニング材料屋外装飾小物(置物や人形など)、屋外照明器具の部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像ののみならず、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
【0155】
以上のような用途において、パターンが形成されるメディアとしては、紙、繊維、布(不織布も含む)、プラスチック、金属、セラミックス等種々の物を挙げることができる。染色形態としては、媒染、捺染、もしくは反応性基を導入した反応性染料の形で色素を固定化することもできる。この中で、好ましくは媒染形態で染色されることが好ましい。
【0156】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0157】
実施例1
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してライトシアン用インク液(LC-101)を調製した。
【0158】
〔ライトシアンインク(LC-101)処方〕
(固形分)
本発明のシアン色素(154) 17.5g/l
尿素 37g/l
ベンゾトリアゾール 0.08g/l
PROXEL XL2、 3.5g/l
【0159】
(液体成分)
ジエチレングリコール(DEG) 150g/l
グリセリン(GR) 130g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l
トリエタノールアミン(TEA) 6.9g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
【0160】
インク液(LC-101)の固形分濃度は、5.8質量%である。これに対して、下表−Aのようにインク液(LC-101)を希釈したインク(LC-102)〜(LC-107)をそれぞれ調製した。
【0161】
【表12】
Figure 0003851569
【0162】
さらに上記処方でシアン色素(154)を68gに増量したシアン用インク液 (C-101)を調製した。
【0163】
〔シアンインク(C-101)処方〕
(固形分)
本発明のシアン色素(154) 68g/l
尿素 37g/l
ベンゾトリアゾール(BTZ) 0.08g/l
PROXEL XL2、 3.5g/l
【0164】
(液体成分)
ジエチレングリコール(DEG) 150g/l
グリセリン(GR) 130g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l
トリエタノールアミン(TEA) 6.9g/l
サーフィノールSTG(SW) 10g/l
【0165】
インク液(C-101)に対して、インク処方を変更したシアンインク(C-102)〜(C-106)を下表−Bの処方で調製した。
【0166】
【表13】
Figure 0003851569
【0167】
このとき、濾過前後のインクを、コールターカウンターTA-IIを用いてアパーチャー径を10μmとして、特許登録第3027982号第5ページ記載と同様の方法でインク組成物中に存在する粒子個数を測定した。濾過前後のインク1cm3あたりの粒子体積(×10-7cm3)は表−Cに示す通りであった。
【0168】
【表14】
Figure 0003851569
【0169】
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM-950Cのシアンインク・ライトシアンインクのカートリッジに装填し、その他の色のインクはPM-950Cのインクを用いて、シアンの単色画像を印字させた。受像シートは富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙EXに画像を印刷し、画像堅牢性の評価を行った。
各水準でインク濃度が異なるため、各実験水準で印字濃度を調節して画像評価を行った。
【0170】
【表15】
Figure 0003851569
【0171】
これらのインクを用いて、下記の評価を行った。
(評価実験)
1)吐出安定性については、カートリッジをプリンターにセットし全ノズルからのインクの突出を確認した後、A4を20枚出力し、以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B:印字の乱れのある出力が発生する
C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり
D:印刷途中で不吐出が認められた
【0172】
2)細線の滲み▲1▼については、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの細線パターンを印字し目視にて評価を行った。
○:問題ないレベル、△:やや悪いレベル、×:問題レベル
【0173】
細線の滲み▲2▼については、ブラックについてはシアンインクをベタに印字した後、ブラックの細線を印字し、2色の接触による滲みの評価を行った。
○:問題ないレベル、△:やや悪いレベル、×:問題レベル
【0174】
3)耐水性については、得られた画像を10秒間脱イオン水に浸漬した後、画像の滲みを評価した。
○:問題ないレベル、△:やや悪いレベル、×:問題レベル
【0175】
4)画像保存性については、シアンのベタ画像印字サンプルを作成し、以下の評価を行った。
▲1▼光堅牢性については、印字直後の画像濃度CiをX-rite 310にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を10日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci*100を求め評価を行った。染料残像率について反射濃度が1、1.5及び2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が70%以上の場合をA、2点が70%未満の場合をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとした。
【0176】
▲2▼熱堅牢性については、80℃15%RHの条件下に10日間、試料を保存する前後での濃度を、X-rite 310にて測定し染料残存率を求め評価した。染料残像率について反射濃度が1、1.5及び2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が90%以上の場合をA、2点が90%未満の場合をB、全ての濃度で90%未満の場合をCとした。
【0177】
▲3▼オゾン耐性については、前記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボックス内に7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が80%以上の場合をA、1又は2点が80%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
【0178】
得られた結果を表−Eに示す。
【0179】
【表16】
Figure 0003851569
【0180】
上記インクセット102〜115において、濾過前のインクを用いて、上記と同様に使用して評価を行ったところ、吐出性の評価において、インクセット102〜108においては評価がDに、インクセット109〜115においては評価がCとなった。
上記の結果から、本発明に従う固形分濃度を有し、且つ不溶性の粒子成分の少ないインクセットを使用した系109〜115ではすべての性能で優れていることがわかった。
また、本発明のインクは、EPSON社PM−950のインクと同等の色相が得られた。
【0181】
【発明の効果】
本発明によれば、吐出安定性が高く、色相、耐候性、耐水性や画質面での欠点がないインクジェット記録用インク組成物を得ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink composition for ink jet recording having high quality of a recorded image, excellent ejection stability, and excellent storability of an obtained image, and an ink jet recording method using the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the spread of computers, ink jet printers are widely used for printing on paper, film, cloth and the like not only in offices but also at home.
Ink jet recording methods include a method of ejecting droplets by applying pressure with a piezo element, a method of ejecting droplets by generating bubbles in ink by heat, a method of using ultrasonic waves, or a droplet by electrostatic force. There is a method of sucking and discharging. As these inks for inkjet recording, water-based inks, oil-based inks, or solid (melting type) inks are used. Among these inks, water-based inks are mainly used from the viewpoints of production, handleability, odor, safety, and the like.
[0003]
For the colorant used in these inks for ink jet recording, it has high solubility in solvents, high density recording is possible, hue is good, light, heat, air, ozone, water, Excellent fastness to chemicals, good fixability to image-receiving materials, low bleeding, excellent storage stability as ink, no toxicity, high purity, and low cost It is required to be able to do it. However, it is extremely difficult to search for colorants that meet these requirements at a high level. In particular, a colorant having a good cyan hue and excellent ozone fastness is strongly desired.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Various dyes and pigments have already been proposed and actually used for inkjet, but no colorant that satisfies all the requirements has yet been discovered. Conventionally well-known dyes and pigments having a color index (CI) number are difficult to achieve both hue and fastness required for ink jet recording inks.
On the other hand, it has been found that when the ink composition is prepared, if the solid content in the composition exceeds an appropriate range, there is a problem in ink ejection properties and image weather resistance. Further, it was found that when the insoluble particle component in the ink increases, there is a problem in the ink ejection property.
[0005]
Therefore, the problem to be solved by the present invention is to provide an ink composition for ink jet recording excellent in hue and weather resistance.
A further object of the present invention is to provide an ink composition for ink jet recording which has high ejection stability, excellent hue, weather resistance and water resistance, and has no image quality defects.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The above problems of the present invention are as follows.11The ink composition for ink jet recording according to the item, and12,13It was achieved by the ink jet recording method described in the item.
  1. Represented by the following general formula (I)At least one water-soluble dye,Soluble in aqueous mediaUnravelAn ink composition for ink jet recording, wherein the solid content concentration of the ink composition is 0.50 mass% or more and 20 mass% or less.
Formula (I)
[0007]
[Chemical Formula 3]
Figure 0003851569
[0008]
  In the above general formula (I); X1, X2, XThreeAnd XFourAre each independently -SO-Z, -SO2-Z, -SO2NR1R2, Sulfo group, -CONR1R2Or -CO2R1Represents. Z above, Each independentlyA substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, or a substituted or unsubstituted heterocyclic group Represents. R above1, R2Each independently represents a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, Or a substituted or unsubstituted heterocyclic group. When a plurality of Z are present, they may be the same or different. Y1, Y2, YThreeAnd YFourEach independently represents a monovalent substituent. X1~ X4And Y1~ Y4When a plurality of any of these are present, they may be the same or different. a1~ AFourAnd b1~ BFourAre each X1~ XFourAnd Y1~ YFourRepresents the number of substituents of1~ AFourAre each independently an integer of 0 to 4, and all are not 0 at the same time, b1~ BFourAre each independently an integer of 0 to 4.A 1 ~ A Four And b 1 ~ B Four When X represents a number of 2 or more, a plurality of X 1 ~ X Four And Y 1 ~ Y Four May be the same or different.M is a hydrogen atom, a metal atom or an oxide, hydroxide or halide thereof.
[0009]
2. Represented by general formula (I)Water solubleThe dye is represented by the following general formula (II)RukoThe above-described 1. An ink composition for ink jet recording described in 1.
Formula (II)
[0010]
[Formula 4]
Figure 0003851569
[0011]
  In the above general formula (II);X 11 , X 12 , X 13 and X 14 Are each independently -SO-Z, -SO 2 -Z, -SO 2 NR 1 R 2 , Sulfo group, -CONR 1 R 2 Or -CO 2 R 1 Represents. Z is a substituted or unsubstituted alkyl group, substituted or unsubstituted cycloalkyl group, substituted or unsubstituted alkenyl group, substituted or unsubstituted aralkyl group, substituted or unsubstituted aryl group, or substituted or unsubstituted Represents a heterocyclic group. R above 1 , R 2 Each independently represents a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, Or a substituted or unsubstituted heterocyclic group. In addition, when two or more Z exists, they may be the same or different. Y 11 ~ Y 18 Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, an aryl group, a cyano group, an alkoxy group, an amide group, a ureido group, a sulfonamide group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, an alkoxycarbonyl group, a carboxyl group, or a sulfo group. . In addition, X 11 ~ X 14 When a plurality of any of these are present, they may be the same or different.a11~ A1 4IsRespectively X 11 ~ X 14 Represents the number of substituents ofEach is independently an integer of 1 or 2.M is a hydrogen atom, a metal atom or an oxide, hydroxide or halide thereof.
[0012]
3. General formula ( II )During, X 11 , X 12 , X 13 and X 14 Are each independently -SO-Z, -SO 2 -Z, -SO 2 NR 1 R 2 Or -CONR 1 R 2 2 above. An ink composition for ink jet recording described in 1.
4). General formula ( II )During, X 11 , X 12 , X 13 and X 14 -SO 2 -Z represents above-mentioned 2. Or 3. An ink composition for ink jet recording described in 1.
5. General formula ( II ) Middle, Y 11 ~ Y 18 Each of which represents a hydrogen atom. ~ 4. The ink composition for inkjet recording as described in any one of these.
6). Of the water-soluble dye 20 Solubility in water at ℃ 2 The above-mentioned 1. characterized by being at least mass%. ~ 5. The ink composition for inkjet recording as described in any one of these.
7). 1. The water-soluble dye is contained in an amount of 0.5 to 15% by mass. ~ 6. The ink composition for inkjet recording as described in any one of these.
8). 1. The water-soluble dye has an ionic hydrophilic group. ~ 7. The ink composition for inkjet recording as described in any one of these.
9. The water-soluble dye has at least two ionic hydrophilic groups in one molecule. ~ 8. The ink composition for inkjet recording as described in any one of these.
10. Represented by the above general formula (I)Water solubleDye or represented by general formula (II)Water solubleDissolve the dye in at least one aqueous mediumUnravelAn ink composition comprising 1 cm of the ink compositionThreeThe total volume of the particles present in it is 3.5 × 10-6cmThreeAn ink composition for ink jet recording, characterized by the following:
11. Ink composition 1cmThreeThe total volume of the particles present in it is 3.5 × 10-6cmThreeIt is characterized byAbove 1. ~ 9. In any one ofThe ink composition for inkjet recording as described.
[0013]
12.Above 1. ~ 11. In any one ofAn inkjet recording method comprising using the ink composition for inkjet recording described above.
13. An ink jet recording method for recording an image on an image receiving material by ejecting ink droplets on an image receiving material having an image receiving layer containing white inorganic pigment particles on a support in accordance with a recording signal.Above 1. ~ 11. In any one ofAn ink jet recording method comprising the ink composition for ink jet recording described above.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
The dye contained in the inkjet recording ink of the present invention is a phthalocyanine dye represented by the above general formula (I).
Phthalocyanine dyes are known as fast dyes, but are known to be inferior in fastness to ozone gas when used as inkjet recording dyes.
In the present invention, it is desirable to introduce an electron withdrawing group into the phthalocyanine skeleton so as to make the oxidation potential nobler than 1.0 V (vs SCE) in order to reduce the reactivity with ozone which is an electrophile. The oxidation potential is preferably as noble, more preferably noble than the oxidation potential of 1.1 V (vs SCE), and most preferably nob of 1.2 V (vs SCE).
[0015]
A person skilled in the art can easily measure the value of the oxidation potential (Eox). Regarding this method, see, for example, P.I. Delahay, "New Instrumental Methods in Electrochemistry" (published by Interscience Publishers, 1954). J. et al. "Electrochemical Methods" by Bard et al. (Published by John Wiley & Sons in 1980), "Electrochemical Measurement Method" by Akira Fujishima et al. (Published by Gihodo Publishing Co., Ltd. in 1984), and the like.
[0016]
Specifically, the oxidation potential is 1 × 10 5 for a test sample in a solvent such as dimethylformamide or acetonitrile containing a supporting electrolyte such as sodium perchlorate or tetrapropylammonium perchlorate.-Four~ 1x10-6It is dissolved at a concentration of mol / liter and measured as a value for SCE (saturated calomel electrode) using cyclic voltammetry or direct current polarography. Although this value may be deviated by several tens of mil volts due to the influence of the liquid potential difference or the liquid resistance of the sample solution, the reproducibility of the potential can be ensured by inserting a standard sample (for example, hydroquinone).
In order to uniquely define the potential, in the present invention, 0.1 moldm is used.-3In dimethylformamide containing tetrapropylammonium perchlorate as the supporting electrolyte (the concentration of the dye is 0.001 moldm-3) Is the oxidation potential of the dye (vs SCE) measured by direct current polarography.
[0017]
The value of Eox (oxidation potential) represents the ease of transfer of electrons from the sample to the electrode, and the greater the value (the higher the oxidation potential), the less transfer of electrons from the sample to the electrode, in other words, less oxidation. Represents that. In relation to the structure of the compound, the oxidation potential becomes more noble by introducing an electron withdrawing group, and the oxidation potential becomes lower by introducing an electron donating group. In the present invention, in order to lower the reactivity with ozone which is an electrophile, it is desirable to introduce an electron withdrawing group into the phthalocyanine skeleton to make the oxidation potential more noble. Therefore, by using Hammett's substituent constant σp value, which is a measure of the electron withdrawing property and electron donating property of a substituent, by introducing a substituent having a large σp value such as a sulfinyl group, a sulfonyl group, and a sulfamoyl group. It can be said that the oxidation potential can be made more noble.
Also for the reason of such potential adjustment, it is preferable to use the phthalocyanine dye represented by the general formula (I).
[0018]
In general formula (I), X1, X2, XThreeAnd XFourAre each independently -SO-Z, -SO2-Z, -SO2NR1R2, Sulfo group, -CONR1R2Or -CO2R1Represents. Among these substituents, —SO—Z, —SO2-Z, -SO2NR1R2And -CONR1R2In particular, -SO2-Z and -SO2NR1R2Is preferred, -SO2-Z is most preferred. Here, a representing the number of substituents1~ AFourX represents a number greater than or equal to 21~ XFourAmong them, a plurality of them may be the same or different, and each independently represents one of the above groups. X1, X2, XThreeAnd XFourEach may be exactly the same substituent or, for example, X1, X2, XThreeAnd XFourIs all -SO2-Z, and each Z includes a different one, may be the same type of substituent but may be partially different from each other, or different from each other, for example -SO2-Z and -SO2NR1R2May be included.
[0019]
Z is independently a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, a substituted Alternatively, it represents an unsubstituted heterocyclic group. Preferred are a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, and a substituted or unsubstituted heterocyclic group. Among them, a substituted alkyl group, a substituted aryl group, and a substituted heterocyclic group are most preferred.
R above1, R2Each independently represents a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, Or a substituted or unsubstituted heterocyclic group. Of these, a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, and a substituted or unsubstituted heterocyclic group are preferable. Among them, a hydrogen atom, a substituted alkyl group, a substituted aryl group, and a substituted heterocyclic group are preferable. A cyclic group is more preferable. However, R1, R2Are all preferably hydrogen atoms.
[0020]
R1, R2And the substituted or unsubstituted alkyl group represented by Z is preferably an alkyl group having 1 to 30 carbon atoms. In particular, a branched alkyl group is preferred because of increasing the solubility of the dye and the ink stability, and particularly preferred is a case having an asymmetric carbon (use in a racemic form). Examples of the substituent include Z and R described later.1, R2, Y1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Of these, a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, and a sulfonamide group are particularly preferable because they enhance the association of the dye and improve the fastness. In addition, you may have a halogen atom and an ionic hydrophilic group. The number of carbon atoms of the alkyl group does not include the carbon atom of the substituent, and the same applies to other groups.
[0021]
R1, R2The substituted or unsubstituted cycloalkyl group represented by Z and Z is preferably a cycloalkyl group having 5 to 30 carbon atoms. In particular, the case of having an asymmetric carbon (use in a racemic form) is particularly preferable because of increasing the solubility of the dye and the ink stability. Examples of the substituent include Z and R described later.1, R2, Y1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Among these, a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, and a sulfonamide group are particularly preferable because they increase the association property of the dye and improve the fastness. In addition, you may have a halogen atom and an ionic hydrophilic group.
[0022]
R1, R2The substituted or unsubstituted alkenyl group represented by Z and Z is preferably an alkenyl group having 2 to 30 carbon atoms. In particular, a branched alkenyl group is preferred because it increases the solubility of the dye and the ink stability, and particularly preferred is a case having an asymmetric carbon (use in a racemic form). Examples of the substituent include Z and R described later.1, R2, Y1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Among these, a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, and a sulfonamide group are particularly preferable because they increase the association property of the dye and improve the fastness. In addition, you may have a halogen atom and an ionic hydrophilic group.
[0023]
R1, R2The substituted or unsubstituted aralkyl group represented by Z and Z is preferably an aralkyl group having 7 to 30 carbon atoms. In particular, a branched aralkyl group is preferred because it increases the solubility of the dye and the ink stability, and particularly preferred is a case having an asymmetric carbon (use in a racemic form). Examples of the substituent include Z and R described later.1, R2, Y1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Among these, a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, and a sulfonamide group are particularly preferable because they increase the association property of the dye and improve the fastness. In addition, you may have a halogen atom and an ionic hydrophilic group.
[0024]
R1, R2The substituted or unsubstituted aryl group represented by Z and Z is preferably an aryl group having 6 to 30 carbon atoms. Examples of the substituent include Z and R described later.1, R2, Y1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Among these, an electron-withdrawing group is particularly preferable because the oxidation potential of the dye is noble and fastness is improved. Examples of the electron-withdrawing group include those having a positive Hammett's substituent constant σp value. Among them, a halogen atom, a heterocyclic group, a cyano group, a carboxyl group, an acylamino group, a sulfonamido group, a sulfamoyl group, a carbamoyl group, a sulfonyl group, an imide group, an acyl group, a sulfo group, and a quaternary ammonium group are preferable, and a cyano group , Carboxyl group, sulfamoyl group, carbamoyl group, sulfonyl group, imide group, acyl group, sulfo group, and quaternary ammonium group are more preferable.
[0025]
R1, R2The heterocyclic group represented by Z and Z is preferably a 5-membered or 6-membered ring, and they may be further condensed. Further, it may be an aromatic heterocyclic ring or a non-aromatic heterocyclic ring. R below1, R2And the heterocyclic group represented by Z is exemplified in the form of a heterocyclic ring by omitting the substitution position, but the substitution position is not limited. For example, in the case of pyridine, the 2-position, the 3-position, the 4-position Can be substituted. Pyridine, pyrazine, pyrimidine, pyridazine, triazine, quinoline, isoquinoline, quinazoline, cinnoline, phthalazine, quinoxaline, pyrrole, indole, furan, benzofuran, thiophene, benzothiophene, pyrazole, imidazole, benzimidazole, triazole, oxazole, benzoxazole, thiazole Benzothiazole, isothiazole, benzisothiazole, thiadiazole, isoxazole, benzisoxazole, pyrrolidine, piperidine, piperazine, imidazolidine, thiazoline and the like. Among them, an aromatic heterocyclic group is preferable, and preferable examples thereof are exemplified in the same manner as described above. Examples include isothiazole and thiadiazole. They may have a substituent, and examples of the substituent include Z and R described later.1, R2, Y1, Y2, YThreeAnd YFourAre the same as the substituents in the case where can further have a substituent. Preferred substituents are the same as those of the aryl group, and more preferred substituents are the same as the more preferred substituent of the aryl group.
[0026]
Y1, Y2, YThreeAnd YFourAre each independently a hydrogen atom, halogen atom, alkyl group, cycloalkyl group, alkenyl group, aralkyl group, aryl group, heterocyclic group, cyano group, hydroxyl group, nitro group, amino group, alkylamino group, alkoxy group , Aryloxy group, acylamino group, arylamino group, ureido group, sulfamoylamino group, alkylthio group, arylthio group, alkoxycarbonylamino group, sulfonamido group, carbamoyl group, sulfamoyl group, sulfonyl group, alkoxycarbonyl group, complex Ring oxy group, azo group, acyloxy group, carbamoyloxy group, silyloxy group, aryloxycarbonyl group, aryloxycarbonylamino group, imide group, heterocyclic thio group, phosphoryl group, acyl group, carboxyl group, or sulfo group Things can, each of which may further have a substituent.
[0027]
Among these, a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, an aryl group, a cyano group, an alkoxy group, an amide group, a ureido group, a sulfonamide group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, an alkoxycarbonyl group, a carboxyl group, and a sulfo group are preferable. In particular, a hydrogen atom, a halogen atom, a cyano group, a carboxyl group and a sulfo group are preferable, and a hydrogen atom is most preferable.
[0028]
Z, R1, R2, Y1, Y2, YThreeAnd YFourWhen is a group that can further have a substituent, it may further have the following substituents.
[0029]
C1-C12 linear or branched alkyl group, C7-C18 linear or branched aralkyl group, C2-C12 linear or branched alkenyl group, C2-C12 linear Or a branched alkynyl group, a linear or branched cycloalkyl group having 3 to 12 carbon atoms, a linear or branched cycloalkenyl group having 3 to 12 carbon atoms (the above groups having a branched chain are dissolved in the dye) Preferred are those having an asymmetric carbon, and particularly preferred are those having an asymmetric carbon, such as methyl, ethyl, propyl, isopropyl, sec-butyl, t-butyl, 2- Ethylhexyl, 2-methylsulfonylethyl, 3-phenoxypropyl, trifluoromethyl, cyclopentyl), halogen atom (eg, chlorine atom, bromine atom), aryl group (For example, phenyl, 4-t-butylphenyl, 2,4-di-t-amylphenyl), a heterocyclic group (for example, imidazolyl, pyrazolyl, triazolyl, 2-furyl, 2-thienyl, 2-pyrimidinyl, 2- Benzothiazolyl),
[0030]
Cyano group, hydroxyl group, nitro group, carboxy group, amino group, alkyloxy group (eg, methoxy, ethoxy, 2-methoxyethoxy, 2-methanesulfonylethoxy), aryloxy group (eg, phenoxy, 2-methylphenoxy, 4-t-butylphenoxy, 3-nitrophenoxy, 3-t-butyloxycarbamoylphenoxy, 3-methoxycarbamoyl), acylamino groups (eg, acetamide, benzamide, 4- (3-t-butyl-4-hydroxyphenoxy) Butanamide), alkylamino groups (eg, methylamino, butylamino, diethylamino, methylbutylamino), anilino groups (eg, phenylamino, 2-chloroanilino, ureido groups (eg, phenylureido, methylureido, N, N-) Butylureido), sulfamoylamino group (for example, N, N-dipropylsulfamoylamino), alkylthio group (for example, methylthio, octylthio, 2-phenoxyethylthio), arylthio group (for example, phenylthio, 2-butoxy- 5-t-octylphenylthio, 2-carboxyphenylthio), alkyloxycarbonylamino group (for example, methoxycarbonylamino), sulfonamide group (for example, methanesulfonamide, benzenesulfonamide, p-toluenesulfonamide),
[0031]
A carbamoyl group (for example, N-ethylcarbamoyl, N, N-dibutylcarbamoyl), a sulfamoyl group (for example, N-ethylsulfamoyl, N, N-dipropylsulfamoyl, N-phenylsulfamoyl), a sulfonyl group ( For example, methanesulfonyl, octanesulfonyl, benzenesulfonyl, toluenesulfonyl), alkyloxycarbonyl group (for example, methoxycarbonyl, butyloxycarbonyl), heterocyclic oxy group (for example, 1-phenyltetrazol-5-oxy, 2-tetrahydropyrani) Oxy), azo group (for example, phenylazo, 4-methoxyphenylazo, 4-pivaloylaminophenylazo, 2-hydroxy-4-propanoylphenylazo), acyloxy group (for example, acetoxy), carbamoylo Shi group (e.g., N- methylcarbamoyloxy, N- phenylcarbamoyloxy),
[0032]
Silyloxy groups (for example, trimethylsilyloxy, dibutylmethylsilyloxy), aryloxycarbonylamino groups (for example, phenoxycarbonylamino), imide groups (for example, N-succinimide, N-phthalimide), heterocyclic thio groups (for example, 2- Benzothiazolylthio, 2,4-di-phenoxy-1,3,5-triazole-6-thio, 2-pyridylthio), sulfinyl group (eg 3-phenoxypropylsulfinyl), phosphonyl group (eg phenoxyphosphonyl) , Octyloxyphosphonyl, phenylphosphonyl), aryloxycarbonyl group (for example, phenoxycarbonyl), acyl group (for example, acetyl, 3-phenylpropanoyl, benzoyl), ionic hydrophilic group (for example, carboxyl group, sulfo group) , Phosphono group and a quaternary ammonium group).
[0033]
When the phthalocyanine dye represented by the general formula (I) is water-soluble, it preferably has an ionic hydrophilic group. Examples of the ionic hydrophilic group include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group. As the ionic hydrophilic group, a carboxyl group, a phosphono group, and a sulfo group are preferable, and a carboxyl group and a sulfo group are particularly preferable. The carboxyl group, phosphono group, and sulfo group may be in the form of a salt. Examples of counter ions that form a salt include ammonium ions, alkali metal ions (eg, lithium ions, sodium ions, potassium ions), and organic cations. (Eg, tetramethylammonium ion, tetramethylguanidinium ion, tetramethylphosphonium). Among the counter ions, an alkali metal salt is preferable, and a lithium salt is particularly preferable because it increases the solubility of the dye and improves the ink stability.
The number of ionic hydrophilic groups is preferably at least two in one molecule of phthalocyanine dye, and particularly preferably at least two sulfo groups and / or carboxyl groups.
[0034]
a1~ AFourAnd b1~ BFourAre each X1~ XFourAnd Y1~ YFourRepresents the number of substituents. a1~ AFourEach independently represents an integer of 0 to 4, but not all 0 at the same time. b1~ BFourEach independently represents an integer of 0 to 4. A1~ AFourAnd b1~ BFourX is an integer greater than or equal to 2, X1~ XFourAnd Y1~ YFourAny one of these will be present, and they may be the same or different.
[0035]
a1And b1Is a1+ B1= 4 is satisfied. Particularly preferred is a1Represents 1 or 2, b1Is a combination representing 3 or 2, of which a1Represents 1 and b1The combination in which represents 3 is most preferable.
a1And b1, A1And b1, A1And b1In each combination of a1And b1The combination is the same as the above combination, and the preferred combination is also the same.
[0036]
M represents a hydrogen atom, a metal element or an oxide, hydroxide or halide thereof.
What is preferable as M is a metal element other than a hydrogen atom, such as Li, Na, K, Mg, Ti, Zr, V, Nb, Ta, Cr, Mo, W, Mn, Fe, Co, Ni, Ru, Rh, Pd, Os, Ir, Pt, Cu, Ag, Au, Zn, Cd, Hg, Al, Ga, In, Si, Ge, Sn, Pb, Sb, Bi and the like can be mentioned. Preferred examples of the oxide include VO and GeO.
As the hydroxide, Si (OH)2, Cr (OH)2, Sn (OH)2Etc. are preferable. Further, as halides, AlCl, SiCl2, VCl, VCl2, VOCl, FeCl, GaCl, ZrCl and the like. Of these, Cu, Ni, Zn, Al and the like are preferable, and Cu is most preferable.
[0037]
In addition, Pc (phthalocyanine ring) may form a dimer (for example, Pc-MLM-Pc) or a trimer via L (a divalent linking group), and M at that time is Each may be the same or different.
[0038]
The divalent linking group represented by L includes an oxy group —O—, a thio group —S—, a carbonyl group —CO—, and a sulfonyl group —SO.2-, Imino group -NH-, methylene group -CH2-And groups formed by combining these are preferred.
[0039]
Regarding the preferred combination of substituents of the compound represented by the general formula (I), a compound in which at least one of various substituents is the preferred group is preferred, and more various substituents are preferred groups. Certain compounds are more preferred, and compounds in which all substituents are the preferred groups are most preferred.
[0040]
Among the phthalocyanine dyes represented by the general formula (I), a phthalocyanine dye having a structure represented by the general formula (II) is more preferable. The phthalocyanine dye represented by formula (II) of the present invention will be described in detail below.
[0041]
In the general formula (II), X11~ X14, Y11~ Y18Is X in the general formula (I)1~ XFour, Y1~ YFourAnd the preferred examples are also the same. Moreover, M is synonymous with M in general formula (I), and its preferable example is also the same.
[0042]
In general formula (II), a11~ A14Are each independently an integer of 1 or 2, preferably 4 ≦ a11+ A12+ A13+ A14≦ 6, particularly preferably a11= A12= A13= A14= 1.
[0043]
X11, X12, X13And X14Each may be exactly the same substituent or, for example, X1, X2, XThreeAnd XFourIs all -SO2-Z, and each Z includes a different one, may be the same type of substituent but may be partially different from each other, or different from each other, for example -SO2-Z and -SO2NR1R2May be included.
Among the phthalocyanine dyes represented by the general formula (II), particularly preferred combinations of substituents are as follows.
[0044]
X11~ X14As, independently, -SO-Z, -SO2-Z, -SO2NR1R2Or -CONR1R2In particular, -SO2-Z or -SO2NR1R2Is preferred, -SO2-Z is most preferred.
[0045]
Z is independently preferably a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, or a substituted or unsubstituted heterocyclic group, and among them, a substituted alkyl group, a substituted aryl group, or a substituted heterocyclic group Is most preferred. In particular, the case of having an asymmetric carbon in the substituent (use in a racemic form) is preferable because of increasing the solubility of the dye and the ink stability. In addition, for the reason of increasing the association property and improving the fastness, it is preferable that a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, or a sulfonamide group have in the substituent.
[0046]
R1, R2Each independently is preferably a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, or a substituted or unsubstituted heterocyclic group, and among them, a hydrogen atom, a substituted alkyl group, or a substituted aryl group A substituted heterocyclic group is more preferred. However, R1, R2It is not preferable that both are hydrogen atoms. In particular, the case of having an asymmetric carbon in the substituent (use in a racemic form) is preferable because of increasing the solubility of the dye and the ink stability. In addition, for the reason of increasing the association property and improving the fastness, it is preferable that a hydroxyl group, an ether group, an ester group, a cyano group, an amide group, or a sulfonamide group have in the substituent.
[0047]
Y11~ Y18Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, an aryl group, a cyano group, an alkoxy group, an amide group, a ureido group, a sulfonamide group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, an alkoxycarbonyl group, a carboxyl group, and a sulfo group. In particular, a hydrogen atom, a halogen atom, a cyano group, a carboxyl group, or a sulfo group is preferable, and a hydrogen atom is most preferable.
a11~ A14Are each independently preferably 1 or 2, particularly preferably all 1.
M represents a hydrogen atom, a metal element or an oxide, hydroxide or halide thereof, and Cu, Ni, Zn, and Al are particularly preferable, and Cu is particularly preferable.
[0048]
When the phthalocyanine dye represented by the general formula (II) is water-soluble, it preferably has an ionic hydrophilic group. Examples of the ionic hydrophilic group include a sulfo group, a carboxyl group, a phosphono group, and a quaternary ammonium group. As the ionic hydrophilic group, a carboxyl group, a phosphono group, and a sulfo group are preferable, and a carboxyl group and a sulfo group are particularly preferable. The carboxyl group, phosphono group, and sulfo group may be in the form of a salt. Examples of counter ions that form a salt include ammonium ions, alkali metal ions (eg, lithium ions, sodium ions, potassium ions), and organic cations. (Eg, tetramethylammonium ion, tetramethylguanidinium ion, tetramethylphosphonium). Among the counter ions, an alkali metal salt is preferable, and a lithium salt is particularly preferable because it increases the solubility of the dye and improves the ink stability.
As the number of ionic hydrophilic groups, it is preferable to have at least two phthalocyanine dye molecules, and it is particularly preferable to have at least two sulfo groups and / or carboxyl groups.
[0049]
As for the preferred combination of substituents of the compound represented by the general formula (II), a compound in which at least one of various substituents is the preferred group is preferred, and more various substituents are preferred groups. Certain compounds are more preferred, and compounds in which all substituents are the preferred groups are most preferred.
[0050]
The chemical structure of the phthalocyanine dye of the present invention includes an electron-withdrawing group such as a sulfinyl group, a sulfonyl group, and a sulfamoyl group, at least one for each of the four benzene rings of phthalocyanine, and the σp value of the substituent of the entire phthalocyanine skeleton. It is preferable to introduce so that it may become 1.6 or more in total.
Hammett's substituent constant σp value will be described briefly. Hammett's rule is a method described in 1935 by L. E. in order to quantitatively discuss the effect of substituents on the reaction or equilibrium of benzene derivatives. P. A rule of thumb proposed by Hammett, which is widely accepted today. Substituent constants determined by Hammett's rule include a σp value and a σm value, and these values can be found in many general books. A. Dean, “Lange's Handbook of Chemistry”, 12th edition, 1979 (Mc Graw-Hill) and “Chemicals” special edition, 122, 96-103, 1979 (Nankodo).
[0051]
The phthalocyanine derivative represented by the general formula (I) inevitably has different introduction positions and introduction numbers of substituents Xn (n = 1 to 4) and Ym (m = 1 to 4) depending on the synthesis method. Mixtures are common, so the general formula often represents a statistical average of these analog mixtures. In the present invention, it has been found that a specific mixture is particularly preferable when these analog mixtures are classified into the following three types. That is, the phthalocyanine dye analog mixtures represented by the general formulas (I) and (II) are defined by classifying them into the following three types based on the substitution positions.
[0052]
(1) β-position substitution type: phthalocyanine dye having a specific substituent at the 2 and / or 3 position, 6 and / or 7 position, 10 and / or 11 position, 14 and / or 15 position.
(2) α-position substitution type: phthalocyanine dye having specific substituents at 1 and / or 4 position, 5 and / or 8 position, 9 and / or 12 position, 13 and / or 16 position (3) α, β-position mixed Substitution type: phthalocyanine dye having a specific substituent without regularity at positions 1 to 16
[0053]
In the present specification, when describing derivatives of phthalocyanine dyes having different structures (particularly, different substitution positions), the β-position substitution type, α-position substitution type, and α, β-position mixed substitution type are used. .
[0054]
Examples of the phthalocyanine derivative used in the present invention include “Phthalocyanine—Chemistry and Function” (P. 1-62), C.K. C. Leznoff-A. B. P. Lever co-authored by VCH and published in 'Phthalogicanes-Properties and Applications' (P. 1-54), etc., can be synthesized by combining quoted or similar methods.
[0055]
The phthalocyanine compounds represented by the general formula (I) of the present invention are described in World Patent Nos. 00/17275, 00/08103, 00/08101, 98/41853, and JP-A-10-36471. As described above, for example, it can be synthesized through sulfonation, sulfonyl chlorideation, and amidation reaction of an unsubstituted phthalocyanine compound. In this case, sulfonation can occur at any position of the phthalocyanine nucleus, and the number of sulfonation is difficult to control. Therefore, when a sulfo group is introduced under such reaction conditions, the position and number of the sulfo group introduced into the product cannot be specified, and a mixture in which the number of substituents and the substitution position are different is always given. Therefore, when synthesizing the compound of the present invention using it as a raw material, the number and substitution position of the heterocyclic-substituted sulfamoyl group cannot be specified. Therefore, the compound of the present invention includes several kinds of compounds having different numbers of substitution groups and substitution positions. Α, β-position mixed substitution mixture.
[0056]
As described above, for example, when a large number of electron withdrawing groups such as sulfamoyl groups are introduced into the phthalocyanine nucleus, the oxidation potential becomes more noble and the ozone resistance is enhanced. According to the above synthesis method, it is inevitable that a small amount of electron-withdrawing groups are introduced, that is, a phthalocyanine dye having a lower oxidation potential is mixed. Therefore, in order to improve ozone resistance, it is more preferable to use a synthesis method that suppresses the formation of a compound having a lower oxidation potential.
[0057]
The phthalocyanine compound represented by the general formula (II) of the present invention is, for example, a phthalonitrile derivative (compound P) and / or a diiminoisoindoline derivative (compound Q) represented by the following formula represented by the general formula (III). Or a tetrasulfophthalocyanine compound obtained by reacting a 4-sulfophthalonitrile derivative (compound R) represented by the following formula with a metal derivative represented by the general formula (III): can do.
[0058]
[Chemical formula 5]
Figure 0003851569
[0059]
In the above formulas, Xp represents X in the general formula (II).11, X12, X13Or X14It corresponds to. Yq and Yq ′ are each Y in the general formula (II).11, Y1 2, Y13, Y14, Y15, Y16, Y17Or Y18It corresponds to. In the compound R, M ′ represents a cation.
Examples of the cation represented by M 'include alkali metal ions such as Li, Na and K, or organic cations such as triethylammonium ion and pyridinium ion.
[0060]
General formula (III): M- (Y)d
In the general formula (III), M has the same meaning as M in the general formulas (I) and (II), and Y is a monovalent or divalent coordination such as a halogen atom, acetate anion, acetylacetonate, or oxygen. Child is shown, d is an integer of 1-4.
[0061]
That is, according to the above synthesis method, a specific number of desired substituents can be introduced. In particular, when it is desired to introduce a large number of electron withdrawing groups in order to make the oxidation potential noble as in the present invention, the above synthesis method is the method already described for synthesizing the phthalocyanine compound of the general formula (I). It is extremely superior compared to
[0062]
The thus obtained phthalocyanine compound represented by the general formula (II) is usually a mixture of compounds represented by the following general formulas (a) -1 to (a) -4 which are isomers at each substitution position of Xp. That is, the β-position substitution type.
[0063]
[Chemical 6]
Figure 0003851569
[0064]
[Chemical 7]
Figure 0003851569
[0065]
[Chemical 8]
Figure 0003851569
[0066]
[Chemical 9]
Figure 0003851569
[0067]
In the above synthesis method, if all the same Xp are used, X11, X12, X13And X14Β-position-substituted phthalocyanine dyes having the same substituent can be obtained. On the other hand, by using different combinations of Xp, it is possible to synthesize dyes having the same type of substituents but partially different from each other, or dyes having different types of substituents. . Among the dyes of the general formula (II), these dyes having mutually different electron-withdrawing substituents are particularly preferable because they can adjust the solubility of the dye, the associability, the stability with time of the ink, and the like.
[0068]
In the present invention, it has been found that it is very important to improve the fastness that the oxidation potential is noble than 1.0 V (vs SCE) in any substitution type. It was completely unpredictable from the prior art. Although the cause is unknown in detail, the β-position substitution type is clearly superior in terms of hue, light fastness, ozone gas resistance, etc., compared to the α, β-position mixed substitution type. there were.
[0069]
Specific examples of the phthalocyanine dyes represented by the general formulas (I) and (II) (Exemplary compounds I-1 to I-12 and 101 to 190) are shown below. The phthalocyanine dyes used in the present invention are as follows. It is not limited to the example.
[0070]
[Chemical Formula 10]
Figure 0003851569
[0071]
Embedded image
Figure 0003851569
[0072]
Embedded image
Figure 0003851569
[0073]
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Figure 0003851569
[0074]
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Figure 0003851569
[0075]
Embedded image
Figure 0003851569
[0076]
[Table 1]
Figure 0003851569
[0077]
[Table 2]
Figure 0003851569
[0078]
[Table 3]
Figure 0003851569
[0079]
[Table 4]
Figure 0003851569
[0080]
[Table 5]
Figure 0003851569
[0081]
[Table 6]
Figure 0003851569
[0082]
[Table 7]
Figure 0003851569
[0083]
[Table 8]
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[0084]
[Table 9]
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[0085]
[Table 10]
Figure 0003851569
[0086]
[Table 11]
Figure 0003851569
[0087]
In addition, M-Pc (Xp in Table 8 to Table 11)1) M (Xp2) The structure of the phthalocyanine compound represented by n is as follows:
[0088]
Embedded image
Figure 0003851569
[0089]
The phthalocyanine dye represented by the general formula (I) can be synthesized according to the aforementioned patent. Moreover, the phthalocyanine dye represented by the general formula (II) is not limited to the synthesis method described above, and JP-A Nos. 2001-226275, 2001-96610, 2001-47013, and 2001-193638. It can be synthesized by the method described in 1. Further, the starting material, the dye intermediate and the synthesis route are not limited to these.
[0090]
The ink for inkjet recording of the present invention preferably contains 0.2 to 20% by mass of the phthalocyanine dye, and more preferably contains 0.5 to 15% by mass.
[0091]
In the ink composition of the present invention, together with the phthalocyanine dye, another coloring matter may be used in combination for adjusting the color tone for obtaining a full-color image. Examples of other pigments that can be used in combination include the following dyes and pigments.
[0092]
Examples of yellow dyes include phenols, naphthols, anilines, pyrazolones, pyridones, aryl or heteryl azo dyes having open-chain active methylene compounds as coupling components; for example, open-chain active methylene compounds as coupling components. Azomethine dyes; methine dyes such as benzylidene dyes and monomethine oxonol dyes; quinone dyes such as naphthoquinone dyes and anthraquinone dyes, and other dye species such as quinophthalone dyes, nitro-nitroso dyes And dyes, acridine dyes, acridinone dyes and the like. These dyes may be those that exhibit yellow only after a part of the chromophore is dissociated, in which case the counter cation may be an alkali metal or an inorganic cation such as ammonium, pyridinium, It may be an organic cation such as a quaternary ammonium salt, and further may be a polymer cation having them in a partial structure.
[0093]
Examples of magenta dyes include, for example, aryl or heteryl azo dyes having phenols, naphthols, and anilines as coupling components; azomethine dyes having pyrazolones and pyrazolotriazoles as coupling components; Dyes, methine dyes such as oxonol dyes; carbonium dyes such as diphenylmethane dyes, triphenylmethane dyes, xanthene dyes, quinone dyes such as naphthoquinone, anthraquinone, anthrapyridone, etc. Examples thereof include ring dyes. These dyes may exhibit magenta only after part of the chromophore is dissociated, and the counter cation in that case may be an alkali metal or an inorganic cation such as ammonium, pyridinium, It may be an organic cation such as a quaternary ammonium salt, and further may be a polymer cation having them in a partial structure.
[0094]
Examples of cyan dyes include azomethine dyes such as indoaniline dyes and indophenol dyes; polymethine dyes such as cyanine dyes, oxonol dyes and merocyanine dyes; carbonium dyes such as diphenylmethane dyes, triphenylmethane dyes and xanthene dyes; phthalocyanine Dyes; anthraquinone dyes; For example, aryl or heteryl azo dyes having phenols, naphthols and anilines as coupling components, and indigo / thioindigo dyes can be mentioned. These dyes may exhibit cyan only after a part of the chromophore is dissociated, and the counter cation in that case may be an alkali metal or an inorganic cation such as ammonium, pyridinium, It may be an organic cation such as a quaternary ammonium salt, and further may be a polymer cation having them in a partial structure.
Also, black dyes such as polyazo dyes can be used.
[0095]
Examples of water-soluble dyes include direct dyes, acid dyes, food dyes, basic dyes, and reactive dyes. As a preferable thing,
CI Direct Red 2, 4, 9, 23, 26, 31, 39, 62, 63, 72, 75, 76, 79, 80, 81, 83, 84, 89, 92, 95, 111, 173, 184, 207 211, 212, 214, 218, 21, 223, 224, 225, 226, 227, 232, 233, 240, 241, 242, 243, 247,
C.I. Direct Violet 7, 9, 47, 48, 51, 66, 90, 93, 94, 95, 98, 100, 101,
CI Direct Yellow 8, 9, 11, 12, 27, 28, 29, 33, 35, 39, 41, 44, 50, 53, 58, 59, 68, 86, 87, 93, 95, 96, 98, 100 , 106,108,109,110,130,132,142,144,161,163,
CI Direct Blue 1, 10, 15, 22, 25, 55, 67, 68, 71, 76, 77, 78, 80, 84, 86, 87, 90, 98, 106, 108, 109, 151, 156, 158 , 159, 160, 168, 189, 192, 193, 194, 199, 200, 201, 202, 203, 207, 211, 213, 214, 218, 225, 229, 236, 237, 244, 248, 249, 251 252 264 270 280 288 289 291
CI Direct Black 9, 17, 19, 22, 32, 51, 56, 62, 69, 77, 80, 91, 94, 97, 108, 112, 113, 114, 117, 118, 121, 122, 125, 132 , 146, 154, 166, 168, 173, 199,
CI Acid Red 35, 42, 52, 57, 62, 80, 82, 111, 114, 118, 119, 127, 128, 131, 143, 151, 154, 158, 249, 254, 257, 261, 263, 266 , 289, 299, 301, 305, 336, 337, 361, 396, 397,
C.I.Acid Violet 5, 34, 43, 47, 48, 90, 103, 126,
CI Acid Yellow 17, 19, 23, 25, 39, 40, 42, 44, 49, 50, 61, 64, 76, 79, 110, 127, 135, 143, 151, 159, 169, 174, 190, 195 , 196, 197, 199, 218, 219, 222, 227,
CI Acid Blue 9, 25, 40, 41, 62, 72, 76, 78, 80, 82, 92, 106, 112, 113, 120, 127: 1, 129, 138, 143, 175, 181, 205, 207 220, 221, 230, 232, 247, 258, 260, 264, 271, 277, 278, 279, 280, 288, 290, 326,
C.I.Acid Black 7, 24, 29, 48, 52: 1, 172,
C.I.Reactive Red 3, 13, 17, 19, 21, 22, 23, 24, 29, 35, 37, 40, 41, 43, 45, 49, 55,
C.I.Reactive Violet 1, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 16, 17, 22, 23, 24, 26, 27, 33, 34,
C.I.Reactive Yellow 2, 3, 13, 14, 15, 17, 18, 23, 24, 25, 26, 27, 29, 35, 37, 41, 42,
C.I.Reactive Blue 2, 3, 5, 8, 10, 13, 14, 15, 17, 18, 19, 21, 25, 26, 27, 28, 29, 38,
C.I.Reactive Black 4, 5, 8, 14, 21, 23, 26, 31, 32, 34,
C.I.Basic Red 12, 13, 14, 15, 18, 22, 23, 24, 25, 27, 29, 35, 36, 38, 39, 45, 46,
C.I.Basic violet 1, 2, 3, 7, 10, 15, 16, 20, 21, 25, 27, 28, 35, 37, 39, 40, 48,
C.I.Basic Yellow 1, 2, 4, 11, 13, 14, 15, 19, 21, 23, 24, 25, 28, 29, 32, 36, 39, 40,
C.I.Basic Blue 1, 3, 5, 7, 9, 22, 26, 41, 45, 46, 47, 54, 57, 60, 62, 65, 66, 69, 71,
C.I. Basic Black 8, etc.
[0096]
The coloring matter containing a phthalocyanine dye used in the present invention is substantially water-soluble or water-dispersible. Specifically, the solubility of the dye in water at 20 ° C. is preferably 2% by mass or more, more preferably 5% by mass or more. Further, the phthalocyanine dye used in the present invention preferably has a solubility of the pigment in water at 20 ° C. of 2% by mass or more.
[0097]
As the pigment used in the present invention, in addition to commercially available pigments, known pigments described in various documents can be used. Regarding the literature, the Color Index (Edited by The Society of Dyers and Colorists), "Revised New Handbook of Pigments" edited by Japan Pigment Technology Association (published in 1989), "Latest Pigment Applied Technology" published by CMC (published in 1986), "Printing Ink Technology" CMC Publication (1984), Industrial Organic Pigments by V. Herbst and K. Hunger (VCH Verlagsgesellschaft, 1993). Specifically, for organic pigments, azo pigments (azo lake pigments, insoluble azo pigments, condensed azo pigments, chelate azo pigments), polycyclic pigments (phthalocyanine pigments, anthraquinone pigments, perylene and perinone pigments, indigo pigments, quinacridone Pigments, dioxazine pigments, isoindolinone pigments, quinophthalone pigments, diketopyrrolopyrrole pigments, dyed lake pigments (acid or basic dye lake pigments), azine pigments, etc. CI Pigment Yellow 34, 37, 42, 53 for yellow pigments, CI Pigment Red 101, 108 for red pigments, CI Pigment Blue 27, 29, 17: 1 for blue pigments, CI Pigment Black for black pigments 7, white pigment CI Pigment White 4,6,18,21 and the like.
[0098]
As a pigment having a preferable color tone for image formation, a phthalocyanine pigment, an anthraquinone-based indanthrone pigment (for example, CI Pigment Blue 60), a dyed lake pigment-based triarylcarbonium pigment are preferable for blue to cyan pigments, and in particular phthalocyanine. Pigments (preferred examples include copper phthalocyanine such as CI Pigment Blue 15: 1, 15: 2, 15: 3, 15: 4, and 15: 6, monochloro or low chlorinated copper phthalocyanine, and arnium phthalocyanine. Pigment described in European Patent No. 860475, metal-free phthalocyanine which is CI Pigment Blue 16, phthalocyanine whose central metal is Zn, Ni, Ti, etc., among which CI Pigment Blue 15: 3, 15: 4, aluminum phthalocyanine ) Is most preferred.
[0099]
For red to violet pigments, azo pigments (preferred examples include CI Pigment Red 3, 5, 11, 22, 38, 48: 1, 48: 2, 48: 3, 48: 3, 48: 3, 48: 3). 4, 49: 1, 52: 1, 53: 1, 57: 1, 63: 2, 144, 146, 184), etc. 146, 184), quinacridone pigments (preferred examples include CI Pigment Red 122, 192, 202, 207, 209, CI Pigment Violet 19, 42, and among them, CI Pigment Red 122). Dye-attached lake pigment triarylcarbonium pigments (preferred examples include xanthene CI Pigment Red 81: 1, CI Pigment Violet 1, 2, 3, 27, 39), dioxazine pigments (for example, CI Pigment Violet 23, 37), diketopyrrolopyrrole pigment (eg CI Pigment Red 254), perylene pigment (eg CI Pigment Violet 29), anthraquinone Fee (e.g., C. I. Pigment Violet 5: 1, the 31, the 33), thioindigo (e.g. C. I. Pigment Red 38, the 88) is preferably used.
[0100]
As yellow pigments, azo pigments (preferred examples include monoazo pigment-based CI Pigment Yellow 1, 3, 74, 98, disazo pigment-based CI Pigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 83, CI Pigment Yellow 93, 94, 95, 128, 155, benzimidazolone-based CI Pigment Yellow 120, 151, 154, 156, 180, etc., among which preferable ones do not use benzidine-based compounds), iso Indoline / isoindolinone pigments (preferred examples include CI Pigment Yellow 109, 110, 137, 139), quinophthalone pigments (preferred examples include CI Pigment Yellow 138), and furapantron pigments (for example, CI Pigment Yellow 24) Is preferably used.
[0101]
Preferred examples of the black pigment include inorganic pigments (preferably carbon black and magnetite as examples) and aniline black.
In addition, an orange pigment (such as C.I. Pigment Orange 13, 16) or a green pigment (such as C.I. Pigment Green 7) may be used.
[0102]
The pigment that can be used in the present technology may be the aforementioned bare pigment or a surface-treated pigment. Surface treatment methods include resin or wax surface coating, surfactant deposition, reactive substances (eg radicals derived from silane coupling agents, epoxy compounds, polyisocyanates, diazonium salts, etc.) pigments A method of bonding to the surface is conceivable and is described in the following documents and patents.
▲ 1 Properties and application of metal soap (Shoshobo)
(2) Printing ink printing (CMC Publishing 1984)
(3) Latest pigment application technology (CMC Publishing 1986)
(4) US Patent Nos. 5,554,739 and 5,571,311
(5) JP-A-9-151342, 10-140065, 10-292143, 11-166145
In particular, self-dispersing pigments prepared by reacting the diazonium salt described in US Patent (4) with carbon black, and encapsulated pigments prepared by the method described in Japanese Patent (5) above. Is particularly effective because dispersion stability can be obtained without using an extra dispersant in the ink.
[0103]
In the present invention, the pigment may be further dispersed using a dispersant. Various known dispersants can be used in accordance with the pigment to be used, for example, a surfactant-type low-molecular dispersant or a polymer-type dispersant. Examples of the dispersant include those described in JP-A-3-69949, European Patent 549486 and the like. In addition, when a dispersant is used, a pigment derivative called a synergist may be added to promote adsorption of the dispersant to the pigment.
The particle size of the pigment that can be used in the present technology is preferably in the range of 0.01 to 10 μ after dispersion, and more preferably 0.05 to 1 μ.
As a method for dispersing the pigment, a known dispersion technique used in ink production or toner production can be used. Examples of the dispersing machine include vertical or horizontal agitator mills, attritors, colloid mills, ball mills, three roll mills, pearl mills, super mills, impellers, dispersers, KD mills, dynatrons, and pressure kneaders. Details are described in "Latest Pigment Application Technology" (CMC Publishing, 1986).
[0104]
The ink composition of the present invention contains the dye represented by the above general formula (I), and the solid content concentration in the ink composition is 0.50% by mass or more and 20% by mass or less with respect to the total amount of the ink. It has the characteristics. Here, solid content concentration points out the value calculated | required by the following formula | equation.
[0105]
Solid content concentration (% by mass)
= 100 × (solid content mass in 1000 ml of ink) / 1000 ml
[0106]
The term “solid content” as used herein refers to the total amount of substances present in a solid state at normal temperature (15 ° C. to 30 ° C.) and atmospheric pressure among the raw materials used when preparing ink. In addition to the dyes listed above, such raw materials include solid additives among various additives such as preservatives, surfactants, penetration aids, plasticizers for dispersion, and polymer additives. Can be mentioned.
[0107]
When the ink composition containing the dye represented by the general formula (I) is prepared by dissolving these solid-state raw materials in a solvent such as water, the solid ink is used in the ink composition of the present invention. The concentration is 0.50 mass% or more and 20 mass% or less. The solid content concentration is preferably 0.80% by mass to 15% by mass, and more preferably 1% by mass to 10% by mass. Thereby, ink physical properties can be controlled and fluidity can be improved.
[0108]
On the other hand, the ink composition of the present invention contains the dye represented by the above general formula (I) and has an ink composition of 1 cm.ThreeThe total volume of the particles present in it is 3.5 × 10-6cmThreeIt has the following characteristics. This represents the solid content in the ink present as an insoluble component when ink preparation is performed. This mainly consists of dust contained in the ink composition, solid additives, solvents and the like, and dust mixed from the environment during preparation. The total volume of these solid contents is 1 cm of the ink composition of these solid contents.ThreeThe total volume present inside is 3.5 × 10-6cmThreeClogging can be controlled by the following. Total particle volume is 3.5 × 10-6cmThree/ CmThreeIn order to achieve this, liquid preparation can be performed using a clean room or clean bench of class 1000 or less, or the ink composition can be filtered with a fine filter filter having a pore size. When a filtration filter is used, the pore size is preferably 10 μm or less, more preferably 1 μm or less, and particularly preferably 0.5 μm or less.
[0109]
To measure the total volume of particles present in the ink composition, the Coulter Counter method described in Japanese Patent Registration No. 3027982 can be used. In the present invention, the ink composition is 1 cm.ThreeThe total volume of the particles present in it is 3.5 × 10-6cmThreeOr less, preferably 3.5 × 10-7cmThreeIt is as follows.
[0110]
In particular, the ink composition of the present invention contains the dye represented by the general formula (I), and the solid content concentration in the ink composition is 0.5% by mass or more and 20% by mass or less based on the total amount of the ink. Yes, and ink composition 1 cmThreeThe total volume of the particles present in it is 3.5 × 10-6cmThreeThe following is preferable.
[0111]
Next, other components that the ink composition for ink jet recording of the present invention may contain will be described.
The ink composition for ink jet recording according to the present invention preferably contains a surfactant, thereby adjusting the liquid physical properties of the ink to improve the ink ejection stability and improve the water resistance of the image. And the effect of preventing bleeding of the printed ink can be provided.
Examples of the surfactant include anionic surfactants such as sodium dodecyl sulfate, sodium dodecyloxysulfonate, sodium alkylbenzene sulfonate, and cationic surfactants such as cetylpyridinium chloride, trimethylcetylammonium chloride, and terabutylammonium chloride. And nonionic surfactants such as polyoxyethylene nonylphenyl ether, polyoxyethylene naphthyl ether, and polyoxyethylene octylphenyl ether. Among these, nonionic surfactants are particularly preferably used.
[0112]
The content of the surfactant is 0.001 to 15% by mass, preferably 0.005 to 10% by mass, and more preferably 0.01 to 5% by mass with respect to the ink.
[0113]
The ink for inkjet recording of the present invention can be prepared by dissolving and / or dispersing the phthalocyanine dye and the surfactant in an aqueous medium. The “aqueous medium” in the present invention means a mixture of water or a mixture of water and a small amount of a water-miscible organic solvent with additives such as a wetting agent, a stabilizer and a preservative added as necessary.
[0114]
Examples of water miscible organic solvents that can be used in the present invention include alcohols (eg, methanol, ethanol, propanol, isopropanol, butanol, isobutanol, sec-butanol, t-butanol, pentanol, hexanol, cyclohexanol, Benzyl alcohol), polyhydric alcohols (for example, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, polyethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, polypropylene glycol, butylene glycol, hexanediol, pentanediol, glycerin, hexanetriol, thiodiglycol ), Glycol derivatives (eg, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, Tylene glycol monobutyl ether, diethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, propylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monobutyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, triethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol diacetate, ethylene glycol monomethyl ether acetate, Triethylene glycol monomethyl ether, triethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monophenyl ether), amine (eg, ethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, N-methyldiethanolamine, N-ethyldiethanolamine, morpholine, N-ethylmorpholine, ethylene Amin, diethylenetriamine, triethylenetetramine, polyethyleneimine, tetramethylpropylenediamine) and other polar solvents (eg, formamide, N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, dimethylsulfoxide, sulfolane, 2-pyrrolidone, N -Methyl-2-pyrrolidone, N-vinyl-2-pyrrolidone, 2-oxazolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone, acetonitrile, acetone). In addition, the said water miscible organic solvent may use 2 or more types together.
[0115]
When the phthalocyanine dye is an oil-soluble dye, it can be prepared by dissolving the oil-soluble dye in a high-boiling organic solvent and emulsifying and dispersing it in an aqueous medium.
The boiling point of the high-boiling organic solvent used in the present invention is 150 ° C. or higher, preferably 170 ° C. or higher.
For example, phthalate esters (eg, dibutyl phthalate, dioctyl phthalate, dicyclohexyl phthalate, di-2-ethylhexyl phthalate, decyl phthalate, bis (2,4-di-tert-amylphenyl) isophthalate, bis (1, 1-diethylpropyl) phthalate), esters of phosphoric acid or phosphones (eg diphenyl phosphate, triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, 2-ethylhexyl diphenyl phosphate, dioctyl butyl phosphate, tricyclohexyl phosphate, tri-2-ethylhexyl phosphate , Tridodecyl phosphate, di-2-ethylhexyl phenyl phosphate), benzoic acid esters (eg, 2-ethylhexyl benzoate, 2,4-dioxy) Lolobenzoate, dodecylbenzoate, 2-ethylhexyl-p-hydroxybenzoate), amides (eg, N, N-diethyldodecanamide, N, N-diethyllaurylamide), alcohols or phenols (isostearyl alcohol, 2, 4-di-tert-amylphenol), aliphatic esters (eg, dibutoxyethyl succinate, di-2-ethylhexyl succinate, 2-hexyldecyl tetradecanoate, tributyl citrate, diethyl azelate, isostearyl lactate , Trioctyl citrate), aniline derivatives (N, N-dibutyl-2-butoxy-5-tert-octylaniline, etc.), chlorinated paraffins (paraffins having a chlorine content of 10% to 80%), trimesic acid esters Class (for example , Tributyl trimesate), dodecylbenzene, diisopropylnaphthalene, phenols (for example, 2,4-di-tert-amylphenol, 4-dodecyloxyphenol, 4-dodecyloxycarbonylphenol, 4- (4-dodecyloxyphenylsulfonyl) Phenol), carboxylic acids (eg, 2- (2,4-di-tert-amylphenoxybutyric acid, 2-ethoxyoctanedecanoic acid), alkyl phosphates (eg, di-2 (ethylhexyl) phosphoric acid, diphenylphosphoric acid) The high-boiling organic solvent can be used in an amount of 0.01 to 3 times, preferably 0.01 to 1.0 times the mass ratio of the oil-soluble dye.
These high-boiling organic solvents may be used alone or in a mixture of several types (eg tricresyl phosphate and dibutyl phthalate, trioctyl phosphate and di (2-ethylhexyl) sebacate, dibutyl phthalate and poly (Nt-butyl). Acrylamide)].
[0116]
Examples of other high boiling point organic solvents used in the present invention and / or methods for synthesizing these high boiling point organic solvents include, for example, US Pat. Nos. 2,322,027, 2,533,514, 2,772,163, 2,835,579, No. 3,594,171, No. 3,676,137, No. 3,689,271, No. 3,700,454, No. 3,748,141, No. 3,764,336, No. 3,765,897, No. 3,912,515, No. 3,936,303, No. 4,004,928 No. 4,080,209, No. 4,127,413, No. 4,193,802, No. 4,207,393, No. 4,220,711, No. 4,239,851, No. 4,278,757, No. 4,353,979, No. 4,363,873, No. 4,430,421 No. 4,430,422, No. 4,464,464, No. 4,483,918, No. 4,540,657, No. 4,684,606, No. 4,728,599, No. 4,745,049, No. 4,935,321, No. 5,013,639, European Patent No. 276,319A No. 286,253A, No. 289,820A, No. 309,158A, No. 309,159A, No. 309,160A, No. 5 09,311A, 510,576A, East German Patents 147,009, 157,147, 159,573, 225,240A, British Patent 2,091,124A, JP 48-47335, 50- 26530, 51-25133, 51-26036, 51-27921, 51-27922, 51-149028, 52-46816, 53-1520, 53-1521 53-15127, 53-146622, 54-91325, 54-106228, 54-118246, 55-59464, 56-64333, 56-81836, 59-204041, 61-84641, 62-118345, 62-247364, 63-167357, 63-214744, 63-301941, 64-9452, 64-64 9454, 64-68745, JP 1-101543, 1-102454, 2-792, 2-4239, 2-43541, 4-29237, 4-30165 No. 4, No. 4-232946, No. 4-346338, etc.
The high boiling point organic solvent is used in an amount of 0.01 to 3.0 times, preferably 0.01 to 1.0 times the mass ratio of the oil-soluble dye.
[0117]
In the present invention, the oil-soluble dye and the high boiling point organic solvent are emulsified and dispersed in an aqueous medium. In the emulsification dispersion, a low boiling organic solvent can be used depending on the case from the viewpoint of emulsification. The low boiling point organic solvent is an organic solvent having a boiling point of about 30 ° C. or higher and 150 ° C. or lower at normal pressure. For example, esters (eg ethyl acetate, butyl acetate, ethyl propionate, β-ethoxyethyl acetate, methyl cellosolve acetate), alcohols (eg isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, secondary butyl alcohol), ketones (eg methyl isobutyl) Ketones, methyl ethyl ketone, cyclohexanone), amides (for example, dimethylformamide, N-methylpyrrolidone), ethers (for example, tetrahydrofuran, dioxane) and the like are preferably used, but are not limited thereto.
[0118]
The emulsification dispersion is used to disperse an oil phase in which a dye is dissolved in a mixed solvent of a high-boiling organic solvent and, optionally, a low-boiling organic solvent, in an aqueous phase mainly composed of water to form fine oil droplets in the oil phase. Done. At this time, additives such as a surfactant, a wetting agent, a dye stabilizer, an emulsion stabilizer, an antiseptic and an antifungal agent, which will be described later, are added to either or both of the aqueous phase and the oil phase as necessary. be able to.
As an emulsification method, a method of adding an oil phase to an aqueous phase is common, but a so-called phase inversion emulsification method in which an aqueous phase is dropped into an oil phase can also be preferably used.
[0119]
When emulsifying and dispersing, various surfactants can be used. Anionic interfaces such as fatty acid salts, alkyl sulfate esters, alkyl benzene sulfonates, alkyl naphthalene sulfonates, dialkyl sulfosuccinates, alkyl phosphate esters, naphthalene sulfonate formalin condensates, polyoxyethylene alkyl sulfates, etc. Activator, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl allyl ether, polyoxyethylene fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene alkylamine, glycerin fatty acid ester, oxyethyleneoxypropylene block copolymer Nonionic surfactants such as Further, SURFYNOLS (Air Products & Chemicals), which is an acetylene-based polyoxyethylene oxide surfactant, is also preferably used. An amine oxide type amphoteric surfactant such as N, N-dimethyl-N-alkylamine oxide is also preferred. Further, pages (37) to (38) of JP-A-59-157,636, Research Disclosure No. The surfactants described in 308119 (1989) can also be used.
[0120]
For the purpose of stabilization immediately after emulsification, a water-soluble polymer can be added in combination with the surfactant. As the water-soluble polymer, polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, polyethylene oxide, polyacrylic acid, polyacrylamide or a copolymer thereof is preferably used. It is also preferable to use natural water-soluble polymers such as polysaccharides, casein, and gelatin. Further, for stabilization of the dye dispersion, acrylic acid esters, methacrylic acid esters, vinyl esters, acrylamides, methacrylamides, olefins, styrenes, vinyl ethers that are not substantially soluble in an aqueous medium, Polyvinyl, polyurethane, polyester, polyamide, polyurea, polycarbonate and the like obtained by polymerization of acrylonitrile can also be used in combination. These polymers are -SO2-, -COO-It is preferable to contain. When these polymers that do not substantially dissolve in an aqueous medium are used in combination, it is preferably used in an amount of 20% by mass or less, more preferably 10% by mass or less of the high boiling point organic solvent.
[0121]
When an oil-soluble dye or a high-boiling organic solvent is dispersed by emulsification to obtain a water-based ink, the control of the particle size is particularly important. In order to increase color purity and density when an image is formed by inkjet, it is essential to reduce the average particle size. The volume average particle size is preferably 1 μm or less, more preferably 5 to 100 nm.
In addition to static light scattering, dynamic light scattering, and centrifugal sedimentation, the methods for measuring the volume average particle size and particle size distribution of the dispersed particles are described in pages 417 to 418 of Experimental Chemistry Course 4th edition. It can be easily measured by a known method such as using a method. For example, after dilution with distilled water so that the particle concentration in the ink is 0.1 to 1% by mass, it is easy with a commercially available volume average particle size measuring device (for example, Microtrac UPA (manufactured by Nikkiso Co., Ltd.)). Can be measured. Furthermore, the dynamic light scattering method using the laser Doppler effect is particularly preferable because it can measure the particle size up to a small size.
The volume average particle diameter is an average particle diameter weighted by the particle volume, and is the sum of the diameter of each particle multiplied by the volume of the particle divided by the total volume of the particles. The volume average particle size is described in “Polymer Latex Chemistry” (by Soichi Muroi, Polymer Press Society), page 119.
[0122]
It was also found that the presence of coarse particles also plays a very important role in printing performance. That is, it has been found that the coarse particles clog the nozzles of the head, or even if they are not clogged, the ink is not ejected or the ink is not ejected, resulting in a serious influence on the printing performance. In order to prevent this, it is important to limit the number of particles of 5 μm or more to 10 or less and 1 μm or more to 1000 or less in 1 μl of ink.
As a method for removing these coarse particles, a known centrifugal separation method, microfiltration method, or the like can be used. These separation means may be performed immediately after the emulsification dispersion, or may be performed immediately after filling the ink dispersion with various additives such as a wetting agent and a surfactant.
A mechanical emulsifier can be used as an effective means for reducing the average particle size and eliminating coarse particles.
[0123]
As the emulsifying device, known devices such as a simple stirrer, impeller stirring method, in-line stirring method, mill method such as colloid mill, and ultrasonic method can be used, but the use of a high-pressure homogenizer is particularly preferable.
As for the high-pressure homogenizer, detailed mechanisms are described in US Pat. No. 4,533,254, JP-A-6-47264, and the like, but as a commercially available apparatus, a Gorin homogenizer (APV GAULIN INC.), A microfluidizer ( MICROFLUIDEX INC.), Optimizer (Sugino Machine Co., Ltd.) and the like.
In addition, a high-pressure homogenizer equipped with a mechanism for atomizing in an ultrahigh-pressure jet stream as described in US Pat. No. 5,720,551 in recent years is particularly effective for emulsification dispersion of the present invention. An example of an emulsifying apparatus using this ultra-high pressure jet flow is DeBEE2000 (BEE INTERNIONAL LTD.).
[0124]
The pressure when emulsifying with the high-pressure emulsifying dispersion device is 50 MPa or more, preferably 60 MPa or more, more preferably 180 MPa or more.
For example, it is a particularly preferable method that two or more types of emulsifiers are used in combination by a method such as emulsification with a stirring emulsifier and then passing through a high-pressure homogenizer. Also preferred is a method of once emulsifying and dispersing with these emulsifiers, adding an additive such as a wetting agent or a surfactant, and then passing the high-pressure homogenizer again while filling the cartridge with ink.
When a low boiling point organic solvent is contained in addition to the high boiling point organic solvent, it is preferable to remove the low boiling point solvent from the viewpoint of the stability of the emulsion and safety and health. Various known methods can be used as the method for removing the low boiling point solvent depending on the type of the solvent. That is, an evaporation method, a vacuum evaporation method, an ultrafiltration method, and the like. This step of removing the low-boiling organic solvent is preferably performed as soon as possible immediately after emulsification.
[0125]
The ink composition for ink jet recording obtained in the present invention includes a drying inhibitor for preventing clogging due to dry operation at an ink jetting port, a penetration accelerator for allowing the ink to penetrate well into paper, and UV absorption. Appropriate amount of additives such as additives, antioxidants, viscosity modifiers, surface tension modifiers, dispersants, dispersion stabilizers, antifungal agents, rust inhibitors, pH adjusters, antifoaming agents, chelating agents, etc. Can be used.
[0126]
The drying inhibitor used in the present invention is preferably a water-soluble organic solvent having a vapor pressure lower than that of water. Specific examples include ethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, polyethylene glycol, thiodiglycol, dithiodiglycol, 2-methyl-1,3-propanediol, 1,2,6-hexanetriol, acetylene glycol derivatives, glycerin. Polyhydric alcohols typified by trimethylolpropane, etc., lower alkyl ethers of polyhydric alcohols such as ethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, diethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, triethylene glycol monoethyl (or butyl) ether 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone, heterocyclic rings such as N-ethylmorpholine, sulfolane, dimethyl sulfoxide, 3 Sulfur-containing compounds such as sulfolane, diacetone alcohol, polyfunctional compounds such as diethanolamine, and urea derivatives. Of these, polyhydric alcohols such as glycerin and diethylene glycol are more preferred. Moreover, said drying inhibitor may be used independently and may be used together 2 or more types. These drying inhibitors are preferably contained in the ink in an amount of 10 to 50% by mass.
[0127]
Examples of penetration enhancers used in the present invention include alcohols such as ethanol, isopropanol, butanol, di (tri) ethylene glycol monobutyl ether, 1,2-hexanediol, sodium lauryl sulfate, sodium oleate, and nonionic surfactants. Etc. can be used. If these are contained in the ink in an amount of 10 to 30% by mass, the effect is sufficient, and it is preferable to use them in a range of addition amounts that do not cause printing bleeding and paper loss (print through).
[0128]
Examples of the ultraviolet absorber used for improving the storability of the image in the present invention include JP-A Nos. 58-185677, 61-190537, JP-A-2-782, and JP-A-5-97075. Benzotriazole compounds described in JP-A-9-34057, etc., benzophenone compounds described in JP-A No. 46-2784, JP-A No. 5-194443, US Pat. No. 3,214,463, etc. 48-30492, 56-21114, and cinnamic acid compounds described in JP-A-10-88106, JP-A-4-298503, JP-A-8-53427, and 8-239368. And triazine compounds described in JP-A-10-182621, JP-A-8-501291, etc. Jar No. The compounds described in No. 24239, compounds that emit fluorescence by absorbing ultraviolet rays typified by stilbene-based compounds and benzoxazole-based compounds, so-called fluorescent brighteners, can also be used.
[0129]
In the present invention, various kinds of organic and metal complex anti-fading agents can be used as the antioxidant used to improve image storage stability. Organic anti-fading agents include hydroquinones, alkoxyphenols, dialkoxyphenols, phenols, anilines, amines, indanes, chromans, alkoxyanilines, heterocycles, etc. Complex, zinc complex and the like. More specifically, Research Disclosure No. No. 17643, Nos. VII to I, J; 15162, ibid. No. 18716, page 650, left column, ibid. No. 36544, page 527, ibid. No. 307105, page 872, ibid. The compounds described in the patent cited in No. 15162 and the compounds included in the general formulas and compound examples of the representative compounds described in pages 127 to 137 of JP-A-62-215272 can be used.
[0130]
Antifungal agents used in the present invention include sodium dehydroacetate, sodium benzoate, sodium pyridinethione-1-oxide, p-hydroxybenzoic acid ethyl ester, 1,2-benzisothiazolin-3-one and salts thereof. Can be mentioned. These are preferably used in the ink in an amount of 0.02 to 5.00% by mass.
Details of these are described in “Encyclopedia of Antibacterial and Antifungal Agents” (edited by the Japanese Association of Antimicrobial and Antifungal Society).
Examples of the rust inhibitor include acidic sulfite, sodium thiosulfate, ammonium thioglycolate, diisopropyl ammonium nitrite, pentaerythritol tetranitrate, dicyclohexyl ammonium nitrite, and benzotriazole. These are preferably used in the ink in an amount of 0.02 to 5.00% by mass.
[0131]
The pH adjuster used in the present invention can be suitably used in terms of adjusting pH, imparting dispersion stability, etc., and the pH of the ink at 25 ° C. is preferably adjusted to 8-11. When the pH is less than 8, the solubility of the dye is lowered and the nozzle is easily clogged, and when it exceeds 11, the water resistance tends to deteriorate. As a pH adjuster, an organic base, an inorganic alkali, etc. are mentioned as a basic thing, An organic acid, an inorganic acid, etc. are mentioned as an acidic thing.
Examples of the organic base include triethanolamine, diethanolamine, N-methyldiethanolamine, and dimethylethanolamine. Examples of the inorganic alkali include alkali metal hydroxides (for example, sodium hydroxide, lithium hydroxide, potassium hydroxide, etc.), carbonates (for example, sodium carbonate, sodium hydrogencarbonate, etc.), ammonium and the like. Examples of the organic acid include acetic acid, propionic acid, trifluoroacetic acid, and alkyl sulfonic acid. Examples of the inorganic acid include hydrochloric acid, sulfuric acid, phosphoric acid and the like.
[0132]
In the present invention, nonionic, cationic or anionic surfactants may be mentioned as surface tension adjusting agents in addition to the surfactants described above. For example, anionic surfactants include fatty acid salts, alkyl sulfate esters, alkyl benzene sulfonates, alkyl naphthalene sulfonates, dialkyl sulfosuccinates, alkyl phosphate esters, naphthalene sulfonate formalin condensates, polyoxyethylene alkyl sulfates. Examples of the nonionic surfactant include polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl allyl ether, polyoxyethylene fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene Examples thereof include alkylamines, glycerin fatty acid esters, and oxyethyleneoxypropylene block copolymers. SURFYNOLS (Air Products & Chemicals), which is an acetylene-based polyoxyethylene oxide surfactant, is also preferably used. An amine oxide type amphoteric surfactant such as N, N-dimethyl-N-alkylamine oxide is also preferred. Further, pages (37) to (38) of JP-A-59-157,636, Research Disclosure No. The surfactants described in 308119 (1989) can also be used.
The surface tension of the ink of the present invention is preferably 20 to 60 mN / m with or without these. Furthermore, 25-45 mN / m is preferable.
[0133]
The viscosity of the ink used in the present invention is preferably 30 mPa · s or less. Furthermore, since it is more preferable to adjust to 20 mPa * s or less, a viscosity modifier may be used in order to adjust a viscosity. Examples of the viscosity modifier include water-soluble polymers such as celluloses and polyvinyl alcohol, and nonionic surfactants. For more details, see Chapter 9 of “Viscosity Preparation Technology” (Technical Information Association, 1999), and “Chemicals for Inkjet Printers (98 Supplement)-Material Development Trends and Perspective Survey” (CMC, 1997) 162- Page 174.
[0134]
In the present invention, the above-mentioned cation, anion, and nonionic surfactants are used as a dispersant and a dispersion stabilizer, and fluorine-based, silicone-based compounds and chelating agents represented by EDTA are used as an antifoaming agent as necessary. Can be used.
[0135]
When preparing the ink liquid of the present invention, in the case of water-soluble ink, it is preferable to first dissolve in water. Thereafter, various solvents and additives are added, dissolved and mixed to obtain a uniform ink solution.
As the dissolution method at this time, various methods such as dissolution by stirring, dissolution by ultrasonic irradiation, and dissolution by shaking can be used. Of these, the stirring method is particularly preferably used. In the case of stirring, various methods such as fluidized stirring known in the art and stirring using shearing force using an inverted agitator or dissolver can be used. On the other hand, a stirring method using a shearing force with the bottom surface of the container, such as a magnetic stirrer, can also be preferably used.
[0136]
The recording paper and recording film used in the image recording method of the present invention will be described. The support for recording paper and recording film consists of chemical pulp such as LBKP and NBKP, mechanical pulp such as GP, PGW, RMP, TMP, CTMP, CMPMP, CGP, and waste paper pulp such as DIP. Additives such as known pigments, binders, sizing agents, fixing agents, cationic agents, paper strength enhancers, etc. can be mixed, and those manufactured by various devices such as long net paper machines and circular net paper machines can be used. It is. In addition to these supports, any of synthetic paper and plastic film sheet may be used. The thickness of the support is 10 to 250 μm, and the basis weight is 10 to 250 g / m.2Is desirable.
An image receiving layer and a back coat layer may be provided on the support as they are to obtain an image receiving material, or after a size press or anchor coat layer is provided with starch, polyvinyl alcohol or the like, an image receiving layer and a back coat layer may be provided as an image receiving material. Good. Further, the support may be flattened by a calendar device such as a machine calendar, a TG calendar, or a soft calendar.
In the present invention, as the support, paper and plastic film laminated on both sides with polyolefin (eg, polyethylene, polystyrene, polyethylene terephthalate, polybutene and their copolymers) or polyethylene terephthalate are more preferably used. It is preferable to add a white pigment (eg, titanium oxide, zinc oxide) or a tinting dye (eg, cobalt blue, ultramarine blue, neodymium oxide) to the polyolefin polyolefin.
[0137]
The image receiving layer provided on the support contains a porous material and an aqueous binder. The image receiving layer preferably contains a pigment, and the pigment is preferably a white pigment. White pigments include calcium carbonate, kaolin, talc, clay, diatomaceous earth, synthetic amorphous silica, aluminum silicate, magnesium silicate, calcium silicate, aluminum hydroxide, alumina, lithopone, zeolite, barium sulfate, calcium sulfate, titanium dioxide, Examples thereof include inorganic white pigments such as zinc sulfide and zinc carbonate, organic pigments such as styrene pigments, acrylic pigments, urea resins and melamine resins. A porous white inorganic pigment is particularly preferable, and synthetic amorphous silica having a large pore area is particularly preferable. As the synthetic amorphous silica, either anhydrous silicic acid obtained by a dry production method (gas phase method) or hydrous silicic acid obtained by a wet production method can be used, but it is particularly desirable to use hydrous silicic acid. Two or more of these pigments may be used in combination.
[0138]
Specific examples of the recording paper containing the pigment in the image receiving layer include JP-A Nos. 10-81064, 10-119423, 10-157277, 10-217601, 11-348409, and JP-A-2001-138621. 2000-43401, 2000-2111235, 2000-309157, 2001-96897, 2001-138627, JP-A-11-91242, 8-2087, 8-2090, 8-2091, 8-9. 2093, 8-174992, 11-192777, JP-A-2001-301314, and the like can be used.
[0139]
As the aqueous binder contained in the image receiving layer, water-soluble polyvinyl alcohol, silanol-modified polyvinyl alcohol, starch, cationized starch, casein, gelatin, carboxymethylcellulose, hydroxyethylcellulose, polyvinylpyrrolidone, polyalkylene oxide, polyalkylene oxide derivatives, etc. Examples thereof include water-dispersible polymers such as polymers, styrene butadiene latexes, and acrylic emulsions. These aqueous binders can be used alone or in combination of two or more. In the present invention, among these, polyvinyl alcohol and silanol-modified polyvinyl alcohol are particularly preferable in terms of adhesion to the pigment and resistance to peeling of the ink receiving layer.
[0140]
The image receiving layer can contain a mordant, a water resistance agent, a light resistance improver, a gas resistance improver, a surfactant, a hardener and other additives in addition to the pigment and the aqueous binder.
[0141]
The mordant added to the image receiving layer is preferably immobilized. For that purpose, a polymer mordant is preferably used.
For the polymer mordant, JP-A-48-28325, 54-74430, 54-124726, 55-22766, 55-142339, 60-23850, 60-23835, 60-23852, 60-23853, 60-57836, 60-60643, 60-118834, 60-122940, 60-122941, 60-122942, 60- No. 235134, JP-A-1-161236, U.S. Pat.Nos. 2,484,430, 2,548,564, 3,148,061, 3,309,690, 4,115,124, 4,124,386, 4,193,800, 4,273,853, 4,282,305, It is described in each specification of the same No. 4450224. An image receiving material containing a polymer mordant described in JP-A-1-161236, pages 212 to 215 is particularly preferred. When the polymer mordant described in the publication is used, an image with excellent image quality is obtained and the light resistance of the image is improved.
[0142]
The water-proofing agent is effective for making the image water-resistant. As these water-proofing agents, cationic resins are particularly desirable. Examples of such cationic resins include polyamide polyamine epichlorohydrin, polyethyleneimine, polyamine sulfone, dimethyldiallylammonium chloride polymer, cationic polyacrylamide, colloidal silica, etc. Among these cationic resins, polyamide polyamine epichlorohydrin is particularly preferable. is there. The content of these cationic resins is preferably 1 to 15% by mass, particularly 3 to 10% by mass, based on the total solid content of the ink receiving layer.
[0143]
Examples of the light resistance improver and gas resistance improver include phenol compounds, hindered phenol compounds, thioether compounds, thiourea compounds, thiocyanate compounds, amine compounds, hindered amine compounds, TEMPO compounds, hydrazine compounds, hydrazide compounds, amidine compounds, Vinyl group-containing compounds, ester compounds, amide compounds, ether compounds, alcohol compounds, sulfinic acid compounds, saccharides, water-soluble reducing compounds, organic acids, inorganic acids, hydroxy group-containing organic acids, benzotriazole compounds, benzophenone compounds, triazine compounds , Heterocyclic compounds, water-soluble metal salts, organometallic compounds, metal complexes, and the like.
Specific examples of these compounds include JP-A-10-182621, JP-A-2001-260519, JP-A-2000-260519, JP-B-4-34953, JP-B-4-34513, and JP-B-4-34512. , JP-A-11-170686, JP-A-60-67190, JP-A-7-276808, JP-A-2000-94829, JP-T 8-512258, JP-A-11-321090, etc. Can be given.
[0144]
The surfactant functions as a coating aid, a peelability improver, a slippage improver or an antistatic agent. The surfactant is described in JP-A Nos. 62-173463 and 62-183457.
An organic fluoro compound may be used in place of the surfactant. The organic fluoro compound is preferably hydrophobic. Examples of the organic fluoro compound include a fluorine-based surfactant, an oily fluorine-based compound (eg, fluorine oil), and a solid fluorine compound resin (eg, tetrafluoroethylene resin). The organic fluoro compounds are described in JP-B-57-9053 (columns 8 to 17), JP-A-61-20994, and 62-135826.
[0145]
As the hardener, materials described in JP-A-1-161236, page 222, JP-A-9-263036, JP-A-10-119423, and JP-A-2001-310547 can be used.
[0146]
Examples of other additives added to the image receiving layer include pigment dispersants, thickeners, antifoaming agents, dyes, fluorescent whitening agents, preservatives, pH adjusters, matting agents, and hardening agents. The ink receiving layer may be one layer or two layers.
[0147]
The recording paper and the recording film can be provided with a back coat layer, and examples of components that can be added to this layer include a white pigment, an aqueous binder, and other components.
Examples of white pigments contained in the backcoat layer include light calcium carbonate, heavy calcium carbonate, kaolin, talc, calcium sulfate, barium sulfate, titanium dioxide, zinc oxide, zinc sulfide, zinc carbonate, satin white, and aluminum silicate. , Diatomaceous earth, calcium silicate, magnesium silicate, synthetic amorphous silica, colloidal silica, colloidal alumina, pseudoboehmite, aluminum hydroxide, alumina, lithopone, zeolite, hydrous halloysite, magnesium carbonate, magnesium hydroxide, white inorganic pigment, styrene And organic pigments such as polyethylene plastic pigments, acrylic plastic pigments, polyethylene, microcapsules, urea resins, and melamine resins.
[0148]
As the aqueous binder contained in the backcoat layer, styrene / maleate copolymer, styrene / acrylate copolymer, polyvinyl alcohol, silanol modified polyvinyl alcohol, starch, cationized starch, casein, gelatin, carboxymethylcellulose Water-soluble polymers such as hydroxyethyl cellulose and polyvinyl pyrrolidone, and water-dispersible polymers such as styrene butadiene latex and acrylic emulsion. Examples of other components contained in the backcoat layer include an antifoaming agent, an antifoaming agent, a dye, a fluorescent brightening agent, a preservative, and a water-proofing agent.
[0149]
A polymer fine particle dispersion may be added to the constituent layers (including the back layer) of the inkjet recording paper and recording film. The polymer fine particle dispersion is used for the purpose of improving film properties such as dimensional stabilization, curling prevention, adhesion prevention, and film cracking prevention. The polymer fine particle dispersion is described in JP-A Nos. 62-245258, 62-1316648, and 62-110066. When a polymer fine particle dispersion having a low glass transition temperature (40 ° C. or lower) is added to a layer containing a mordant, cracking and curling of the layer can be prevented. Further, even when a polymer fine particle dispersion having a high glass transition temperature is added to the back layer, curling can be prevented.
[0150]
In the present invention, there is no limitation on the ink jet recording method, and a known method, for example, a charge control method for ejecting ink using electrostatic attraction, a drop-on-demand method (pressure pulse method) using vibration pressure of a piezo element. , An acoustic ink jet system that changes the electrical signal into an acoustic beam, irradiates the ink and ejects the ink using the radiation pressure, and thermal ink jet (bubble jet) that uses the pressure generated by heating the ink to form bubbles Used for systems.
Inkjet recording methods use a method of ejecting a large number of low-density inks called photo inks in a small volume, a method of improving the image quality using a plurality of inks having substantially the same hue and different concentrations, and colorless and transparent inks. The method is included.
[0151]
The ink for ink jet recording of the present invention can also be used for purposes other than ink jet recording. For example, it can be used for display image materials, image forming materials for interior decoration materials, and image forming materials for outdoor decoration materials.
[0152]
Display image materials include posters, wallpaper, small decorative items (such as figurines and dolls), commercial flyers, wrapping paper, wrapping materials, paper bags, plastic bags, packaging materials, signs, transportation (automobiles, buses, trains, etc.) ) Refers to various things such as images drawn and attached to the side, clothes with logos, and so on. When the dye of the present invention is used as a material for forming a display image, the image includes all patterns of dyes that can be recognized by humans, such as abstract designs, characters, and geometric patterns, in addition to images in a narrow sense.
[0153]
The interior decoration material refers to various items such as wallpaper, decorative accessories (such as figurines and dolls), lighting fixture members, furniture members, floor and ceiling design members. When the dye of the present invention is used as an image forming material, the image includes all patterns of dyes that can be recognized by humans such as abstract designs, characters, and geometric patterns in addition to images in a narrow sense.
[0154]
The outdoor decoration material refers to various materials such as wall materials, roofing materials, signboards, gardening materials, outdoor decoration accessories (such as figurines and dolls), and members of outdoor lighting equipment. When the dye of the present invention is used as an image forming material, the image includes not only images in a narrow sense but also all patterns of dyes that can be recognized by humans, such as abstract designs, characters, and geometric patterns.
[0155]
In the above applications, examples of media on which a pattern is formed include various materials such as paper, fiber, cloth (including non-woven fabric), plastic, metal, and ceramics. As the dyeing form, the dye can be fixed in the form of mordanting, printing, or a reactive dye having a reactive group introduced. Among these, it is preferable that the mordanting is performed.
[0156]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention, this invention is not limited to this.
[0157]
Example 1
After adding deionized water to the following components to make 1 liter, the mixture was stirred for 1 hour while being heated at 30 to 40 ° C. Thereafter, the mixture was filtered under reduced pressure through a microfilter having an average pore diameter of 0.25 μm to prepare a light cyan ink liquid (LC-101).
[0158]
(Light cyan ink (LC-101) prescription)
(Solid content)
Cyan dye (154) of the present invention 17.5 g / l
Urea 37g / l
Benzotriazole 0.08g / l
PROXEL XL2, 3.5g / l
[0159]
(Liquid component)
Diethylene glycol (DEG) 150g / l
Glycerin (GR) 130g / l
Triethylene glycol monobutyl ether (TGB) 130g / l
Triethanolamine (TEA) 6.9g / l
Surfynol STG (SW) 10g / l
[0160]
The solid content concentration of the ink liquid (LC-101) is 5.8% by mass. On the other hand, inks (LC-102) to (LC-107) were prepared by diluting the ink liquid (LC-101) as shown in Table A below.
[0161]
[Table 12]
Figure 0003851569
[0162]
Further, a cyan ink liquid (C-101) was prepared by increasing the amount of cyan dye (154) to 68 g according to the above formulation.
[0163]
[Cyan ink (C-101) prescription]
(Solid content)
Cyan dye of the present invention (154) 68 g / l
Urea 37g / l
Benzotriazole (BTZ) 0.08g / l
PROXEL XL2, 3.5g / l
[0164]
(Liquid component)
Diethylene glycol (DEG) 150g / l
Glycerin (GR) 130g / l
Triethylene glycol monobutyl ether (TGB) 130g / l
Triethanolamine (TEA) 6.9g / l
Surfynol STG (SW) 10g / l
[0165]
Cyan inks (C-102) to (C-106) with different ink formulations were prepared according to the formulation shown in Table B below for the ink liquid (C-101).
[0166]
[Table 13]
Figure 0003851569
[0167]
At this time, the number of particles present in the ink composition was measured in the same manner as described in Patent Registration No. 3027982 on page 5, with the aperture diameter of the ink before and after filtration set to 10 μm using a Coulter Counter TA-II. 1cm ink before and after filtrationThreePer particle volume (× 10-7cmThree) Was as shown in Table-C.
[0168]
[Table 14]
Figure 0003851569
[0169]
These inks were loaded into a cyan ink / light cyan ink cartridge of an ink-jet printer PM-950C manufactured by EPSON, and other colors were printed using a PM-950C ink to print a cyan single color image. The image-receiving sheet was printed on an inkjet paper photo glossy paper EX manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd., and image fastness was evaluated.
Since the ink density differs at each level, image evaluation was performed by adjusting the print density at each experimental level.
[0170]
[Table 15]
Figure 0003851569
[0171]
The following evaluation was performed using these inks.
(Evaluation experiment)
1) About discharge stability, after setting a cartridge to a printer and confirming the protrusion of the ink from all the nozzles, 20 sheets of A4 were output and evaluated according to the following criteria.
A: No printing disturbance from start to finish
B: Output with disordered printing occurs
C: Print disorder from start to finish
D: Non-ejection was observed during printing
[0172]
2) Fine line bleeding (1) was evaluated by visual observation after printing fine line patterns of yellow, magenta, cyan and black.
○: No problem level, △: Slightly bad level, ×: Problem level
[0173]
With regard to fine line bleeding (2), for black, after cyan ink was printed on solid, black fine lines were printed, and the bleeding due to contact of two colors was evaluated.
○: No problem level, △: Slightly bad level, ×: Problem level
[0174]
3) For water resistance, the obtained image was immersed in deionized water for 10 seconds, and then bleeding of the image was evaluated.
○: No problem level, △: Slightly bad level, ×: Problem level
[0175]
4) For image storability, cyan solid image print samples were prepared and evaluated as follows.
(1) For light fastness, after measuring the image density Ci immediately after printing with X-rite 310, the image was irradiated with xenon light (85,000 lux) for 10 days using an Atlas weather meter. The image density Cf was measured again, and the dye residual ratio Cf / Ci * 100 was determined and evaluated. The afterimage rate of the dye is evaluated at three points of reflection density of 1, 1.5, and 2. A is the case where the dye residual rate is 70% or more at any concentration, and B is the case where the point is less than 70%. When the concentration was less than 70%, C was designated.
[0176]
{Circle around (2)} The heat fastness was evaluated by measuring the concentration of the sample before and after storage for 10 days at 80 ° C. and 15% RH with X-rite 310 to determine the residual ratio of the dye. The afterimage rate of the dye is evaluated at three points of reflection density of 1, 1.5, and 2. A is the case where the dye residual rate is 90% or more at any concentration, and B is the case where the point is less than 90%. The concentration of less than 90% was defined as C.
[0177]
(3) For ozone resistance, the photo glossy paper on which the image has been formed is left in a box where the ozone gas concentration is set to 0.5 ppm for 7 days, and the image density before and after being left under ozone gas is measured by a reflection densitometer (X- Rite310TR) and measured as a dye residual ratio. The reflection density was measured at three points of 1, 1.5 and 2.0. The ozone gas concentration in the box was set using an ozone gas monitor (model: OZG-EM-01) manufactured by APPLICS.
The evaluation was made in three stages, with A being a dye residual ratio of 80% or more at any concentration, A being 1 or 2 points being less than 80% B, and C being less than 70% at all concentrations.
[0178]
The results obtained are shown in Table E.
[0179]
[Table 16]
Figure 0003851569
[0180]
In the ink sets 102 to 115, evaluation was performed using the ink before filtration in the same manner as described above. As a result, in the evaluation of ejection performance, the evaluation was D in the ink sets 102 to 108, and the ink set 109 In -115, the evaluation was C.
From the above results, it was found that the systems 109 to 115 using the ink set having a solid content concentration according to the present invention and having a small amount of insoluble particle components are excellent in all performances.
In addition, the ink of the present invention has a hue equivalent to that of EPSON PM-950 ink.
[0181]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to obtain an ink composition for ink jet recording having high ejection stability and no defects in hue, weather resistance, water resistance and image quality.

Claims (13)

下記一般式(I)で表される少なくとも1種の水溶性染料を、水性媒体中に溶解してなるインク組成物であって、該インク組成物の固形分濃度が0.50質量%以上20質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
一般式(I)
Figure 0003851569
上記一般式(I)中;X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12、スルホ基、−CONR12、または−CO21を表す。上記Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。上記R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、Zが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、一価の置換基を表す。なお、X1〜XおよびY1〜Yのいずれかが複数個存在するとき、それらは、同一でも異なっていてもよい。a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4、およびY1〜Y4の置換基数を表し、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、全てが同時に0になることはなく、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。なお、a 1 〜a 4 及びb 1 〜b 4 が2以上の数を表す時、複数のX 1 〜X 4 、及びY 1 〜Y 4 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
At least one water-soluble dye represented by the following formula (I), an ink composition comprising construed dissolved in an aqueous medium, the solid concentration of the ink composition is more than 0.50 wt% An ink composition for ink-jet recording, characterized by being 20% by mass or less.
Formula (I)
Figure 0003851569
In the general formula (I), X 1 , X 2 , X 3 and X 4 are each independently —SO—Z, —SO 2 —Z, —SO 2 NR 1 R 2 , a sulfo group, —CONR 1. R 2 or —CO 2 R 1 is represented. Each Z is independently a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, or Represents a substituted or unsubstituted heterocyclic group. R 1 and R 2 are each independently a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, substituted or unsubstituted It represents an unsubstituted aryl group or a substituted or unsubstituted heterocyclic group. When a plurality of Z are present, they may be the same or different. Y 1 , Y 2 , Y 3 and Y 4 each independently represent a monovalent substituent. When a plurality of any of X 1 to X 4 and Y 1 to Y 4 are present, they may be the same or different. a 1 ~a 4 and b 1 ~b 4 are each X 1 to X 4, and represents the number of substituents Y 1 ~Y 4, a 1 ~a 4 are each independently an integer from 0 to 4 , never all 0 at the same time, b 1 ~b 4 are each independently an integer of 0 to 4. Incidentally, when a 1 ~a 4 and b 1 ~b 4 is a number from 2 or more, plural X 1 to X 4, and Y 1 to Y 4 may be different from each other in the same. M is a hydrogen atom, a metal atom or an oxide, hydroxide or halide thereof.
一般式(I)で表される水溶性染料が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
一般式(II)
Figure 0003851569
上記一般式(II)中;X 11 X 12 X 13 および X 14 は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO −Z、−SO NR 、スルホ基、−CONR または−CO を表す。上記Zは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基 、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。上記R 、R は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、Zが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Y 11 〜Y 18 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、スルホ基を表す。なお、 X 11 X 14 のいずれかが複数個存在するとき、それらは、同一でも異なっていてもよい。11〜a1 は、それぞれ X 11 X 14 の置換基数を表し、それぞれ独立に、1または2の整数である。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
Water-soluble dye represented by the general formula (I) is an inkjet recording ink composition according to claim 1, wherein the benzalkonium represented by the following general formula (II).
Formula (II)
Figure 0003851569
In the general formula (II); X 11 , X 12 , X 13 and X 14 are each independently —SO—Z, —SO 2 —Z, —SO 2 NR 1 R 2 , a sulfo group, —CONR 1 R 2 or —CO 2 R 1 is represented. Z is a substituted or unsubstituted alkyl group, substituted or unsubstituted cycloalkyl group , substituted or unsubstituted alkenyl group, substituted or unsubstituted aralkyl group, substituted or unsubstituted aryl group, or substituted or unsubstituted Represents a heterocyclic group. R 1 and R 2 are each independently a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group, a substituted or unsubstituted cycloalkyl group, a substituted or unsubstituted alkenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, substituted or It represents an unsubstituted aryl group or a substituted or unsubstituted heterocyclic group. In addition, when two or more Z exists, they may be the same or different. Y 11 to Y 18 each independently represent a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, an aryl group, a cyano group, an alkoxy group, an amido group, a ureido group, a sulfonamido group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, an alkoxycarbonyl group, a carboxyl group Represents a sulfo group. Incidentally, when one of X 11 ~ X 14 there are a plurality, they may be the same or different. a 11 ~a 1 4 each represent a number of substituents X 11 ~ X 14, each independently, an integer of 1 or 2. M is a hydrogen atom, a metal atom or an oxide, hydroxide or halide thereof.
前記一般式(  General formula ( IIII )中、)During, XX 1111 , XX 1212 , XX 1313 およびand XX 1414 が、それぞれ独立に、−SO−Z、−SOAre each independently -SO-Z, -SO 2 −Z、−SO-Z, -SO 2 NRNR 1 R 2 、または−CONROr -CONR 1 R 2 を表すことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録用インク組成物。The ink composition for ink jet recording according to claim 2, wherein 前記一般式(  General formula ( IIII )中、)During, XX 1111 , XX 1212 , XX 1313 およびand XX 1414 が、−SO-SO 2 −Zを表すことを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録用インク組成物。The ink composition for inkjet recording according to claim 2 or 3, wherein -Z is represented. 前記一般式(  General formula ( IIII )中、Y) Middle, Y 1111 〜Y~ Y 1818 がそれぞれ水素原子を表すことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。Each represents a hydrogen atom, The ink composition for inkjet recording as described in any one of Claims 2-4 characterized by the above-mentioned. 前記水溶性染料の  Of the water-soluble dye 2020 ℃における水への溶解度がSolubility in water at ℃ 22 質量%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。The ink composition for ink jet recording according to any one of claims 1 to 5, wherein the ink composition is at least% by mass. 前記水溶性染料を0.5〜15質量%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。  The ink composition for ink jet recording according to any one of claims 1 to 6, comprising 0.5 to 15% by mass of the water-soluble dye. 前記水溶性染料がイオン性親水性基を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。  The ink composition for ink jet recording according to any one of claims 1 to 7, wherein the water-soluble dye has an ionic hydrophilic group. 前記水溶性染料がイオン性親水性基を1分子中に少なくとも2個以上有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。  The ink composition for ink jet recording according to any one of claims 1 to 8, wherein the water-soluble dye has at least two ionic hydrophilic groups in one molecule. 請求項1記載の一般式(I)で表される水溶性染料又は請求項2〜9のいずれか一項に記載の一般式(II)で表される水溶性染料を少なくとも1種水性媒体中に溶解してなるインク組成物であって、該インク組成物1cm3中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。Formula (I) according to claim 1 in a water-soluble dye or claim 2 formula according to any one of to 9 (II) at least one water-soluble dye represented by aqueous medium represented an ink composition comprising construed soluble in inkjet recording ink composition, wherein the total volume of particles present in the ink composition 1cm 3 is 3.5 × 10 -6 cm 3 or less object. インク組成物1cm3中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。10. The ink composition for ink jet recording according to claim 1, wherein the total volume of particles present in 1 cm 3 of the ink composition is 3.5 × 10 −6 cm 3 or less. . 請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。An ink jet recording method using the ink composition for ink jet recording according to any one of claims 1 to 11 . 支持体上に白色無機顔料粒子を含有する受像層を有する受像材料にインク滴を記録信号に応じて吐出させ、受像材料上に画像を記録するインクジェット記録方法であって、インク滴が請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録方法。An ink jet recording method for recording an image on an image receiving material by ejecting ink droplets on an image receiving material having an image receiving layer containing white inorganic pigment particles on a support in accordance with a recording signal, wherein the ink droplets are claim 1. The inkjet recording method characterized by including the ink composition for inkjet recording as described in any one of -11 .
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