JP3849657B2 - pump - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を内部に吸引して外部に排出するポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
多種多様のポンプのなかには、図5に示すようにロータリーポンプの一種であるケーリ回転ポンプがある。このポンプ70は、給気口(吸入孔)71と吐出し口(排出孔)72とが形成されたドラム73を有し、給気口71と吐出し口72との間のドラム73上部の内面に接するように回転子(ロータ)74が回転可能に備えられている。この回転子74には、直径方向にバネ75で連結された2枚の羽根板76a,76bがその直径方向に摺動可能に配置されており、回転子74が回転すると2枚の羽根板76a,76bはバネの力と遠心力とでドラム73内面に接しながら回転する。このような構造において回転子74が回転すると、これら2枚の羽根板76a,76bと回転子74とドラム73とでそれぞれ囲まれた領域のうち、給気口71と連通する領域77a内に水または空気が吸い込まれる。そして、回転子74の回転が進むにつれて吸い込まれた水または空気は給気口71及び吐出し口72と連通しない領域77bを経由して吐出し口72と連通する領域77cに進み、吐出し口72から水または空気が吐出される(非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
機械の素復刊委員会編者,「新編機械の素」,理工学社,1977,第10版,p.203(27.13ケーリ回転ポンプその1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非特許文献1のケーリ回転ポンプ70において、その構造は部品点数が多く複雑なために製造コストが高価であるとともに、バネ75などが損傷すると回転子74の回転に伴う羽根板76a,76bの直径方向の移動がスムーズに行われず、給気口71から水または空気を吸い込むことが困難となってポンプ故障が発生するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、ポンプ故障が生じにくく、且つ簡略な構造によって製造コストを減少させるポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のポンプは、内部に空洞を有しており、前記空洞内へと流体を吸入する第1貫通孔と前記空洞内から流体を排出する第2貫通孔とが形成されたケースと、前記空洞内において回転可能な回転子と、2つの端面が前記空洞の壁面と常に接触するように前記回転子に対してこれを横切る方向に摺動可能に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である弾性板状部材と、前記回転子との間の滑り摩擦係数が前記回転子と前記弾性板状部材との間の滑り摩擦係数よりも小さく、前記弾性板状部材を挟むようにその両側に配置された滑り部材とを備えていることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成によると、回転子が回転したときにおいて、回転子を横切る方向への弾性板状部材の摺動と同じ方向への弾性板状部材自体の伸縮とによって、その2つの端面が空洞の壁面と常に接触するようになるので、第1貫通孔から空洞内に流体を吸引して、その吸引した流体を第2貫通孔から排出することができ、弾性板状部材の代わりにバネで付勢された2つの板材を用いる公知技術に比較して構造が簡略で且つ故障が少なくなる。また、バネなどを用いていないために部品点数が減少して製造コストが減少する。
さらに、このような構成によると、滑り部材で挟まれた弾性板状部材が滑り部材とともに回転子に対して滑らかに摺動するので、滑り部材が配置されていない場合と比較すると回転子の回転に伴う弾性板状部材の回転子に対する動きが円滑になって、ポンプとしての信頼性が向上する。
【0008】
請求項2に記載のポンプは、前記回転子が前記空洞の壁面の特定位置と常に又は断続的に接触しつつ回転可能であり、前記回転子が前記壁面の前記特定位置と接触しているときに、前記空洞が前記ケースと前記回転子と前記弾性板状部材とによってそれぞれ囲まれた複数の領域に分割され、且つ、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが異なる前記領域に存在していることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成によると、回転子が壁面の特定位置と接触しているときに、ケースに形成された第1貫通孔と第2貫通孔とがケースと回転子と弾性板状部材とによってそれぞれ囲まれた複数の領域のうちの異なる領域に存在するようにしたので、第1貫通孔を介して空洞内に流体を吸引し、第2貫通孔を介して空洞から流体を排出する動作を行う際に、流体の吸引と排出の効率が良くなりポンプ能力が向上する。
【0010】
【0011】
【0012】
請求項3に記載のポンプは、前記回転子を横切る方向についての前記滑り部材の長さが前記弾性板状部材よりも短いことを特徴とするものである。
【0013】
このような構成によると、滑り部材の両端から弾性板状部材が突出することになるので、回転子から突出している弾性板状部材が過大に屈曲することがなくなる。そのため、弾性板状部材が回転子の回転に伴ってこれに対して摺動しやすくなり、過大な回転トルクが生じるのを防止するとともに、弾性板状部材とケースとのシール性も安定させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0015】
[プリンタ全体構成]
図1は、本実施の形態に係るポンプが適用されたインクジェットプリンタの全体的な構成を示す側面図である。図1に示すインクジェットプリンタ1は、4つのインクジェットヘッド2を有するカラーインクジェットプリンタである。このプリンタ1には、図中左方に給紙部3が、図中右方に排紙部4が、それぞれ設けられている。
【0016】
プリンタ内部には、給紙部3から排紙部4に向かって流れる用紙搬送経路が形成されている。給紙部3のすぐ下流側には、記録媒体である用紙を狭持搬送する一対の送りローラ5が配置されている。一対の送りローラ5によって用紙は図中左方から右方(搬送方向)へ送られる。用紙搬送経路の中間部においては、2つのベルトローラ6,7と、両ローラ6,7間に掛け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8とが配置されている。搬送ベルト8の外周面(搬送面)にはシリコン処理が施されており、一対の送りローラ5によって搬送されてくる用紙を、搬送ベルト8上の搬送面にその粘着力により保持させながら、一方のベルトローラ6の駆動によって下流側(右方)へ向けて搬送できるようになっている。なお、用紙搬送経路に対し、ベルトローラ6の反対側位置には、押さえ部材9が配置されている。押さえ部材9は、搬送ベルト8上の用紙が搬送面から浮かないように、搬送ベルト8の搬送面に押し付けて搬送面上に確実に粘着させるためのものである。
【0017】
搬送ベルト8の図中右方には剥離機構10が設けられており、搬送ベルト8の搬送面に粘着されている用紙を搬送面から剥離して、右方の排紙部4へ向けて送るように構成されている。
【0018】
搬送ベルト8によって囲まれた領域内には、インクジェットヘッド2と対向する位置、つまり搬送ベルト8の上側の下面と接触することによって内周側からこれを支持するほぼ直方体形状(搬送ベルト8と同程度の幅を有している)のガイド部材11が配置されている。
【0019】
4つのインクジェットヘッド2は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)に対応して、用紙搬送方向に沿って4つ並べて設けられている。つまり、このプリンタ1は、ライン式プリンタである。インクジェットヘッド2は、平面視で用紙搬送方向に垂直な長手方向を有する細長い長方形状とされるとともに、その下端にヘッド本体18(圧力室を含むインク流路が形成された流路ユニットと、圧力室のインクに圧力を与えるアクチュエータとが貼り合わされたものである)を有している。これらヘッド本体18の底面には、インクを下方に向けて吐出するための微小径の吐出ノズルを多数並べて形成している。
【0020】
インクジェットヘッド2は、その下面が搬送ベルト8の搬送面との間に少量の隙間を形成することとなるよう配置されており、この隙間部分に用紙搬送経路が形成されている。この構成で、搬送ベルト8上を搬送される用紙は4つのインクジェットヘッド2のヘッド本体18の直ぐ下方側を順に通過し、この用紙の上面(印刷面)に向けて吐出ノズルから各色のインクを吐出することで、所望のカラー画像を形成できるようになっている。
【0021】
[インクジェットヘッドへのインク供給構成]
インクジェットプリンタ1において、インクジェットヘッド2に対してインクを供給するための構成を、図2を参照して説明する。
図2に示すように、それぞれのインクジェットヘッド2に異なる色のインクを供給するために、プリンタ1内の適宜位置に、インクタンク20が設けられている。そして、互いに離れた箇所にあるインクジェットヘッド2とインクタンク20とが、ポンプ30とポンプ30に接続された可撓性のチューブ13とによって接続されている。こうして、インクタンク20からインクジェットヘッド2へのインク供給経路(インク流路)が構成されている。なお、インクタンク20及びポンプ30は、図2では1つのみ示されているが、実際にはインクジェットヘッド2の数に対応して4つ設けられている。
【0022】
図2に示すようにインクタンク20は、合成樹脂製のハウジング21の内部に、インク袋22を備えた構成となっている。このインク袋22は、脱気されたインクを内包している。インク袋22は、その開口部を封止する樹脂製のスパウトを有し、このスパウトは、シリコンゴム製またはブチルゴム製のキャップ23を備えている。インク袋22は、可撓性を有する複数のフィルムを熱圧着して形成されているパウチフィルムで構成されている。このパウチフィルムは、最内側にポリプロピレン層が形成され、外側に向かって順に基材としてのポリエステル層と、そのポリエステル層に敷設されるガスバリア層としてのアルミ箔層と、フィルムの強度向上のためのナイロン層とが多重に積層された構造となっている。
【0023】
キャップ23には、後述の中空針25を貫通できるようになっており、また、インクタンク20内部のインクが切れたときには、キャップ23から中空針25を抜いて、インクタンク20ごと交換できるようになっている。
【0024】
前述したインクジェットヘッド2のヘッド本体18は、その長手方向一端部側において、吐出ノズルが形成された底面の反対側の面に筒状部材14を備える。この筒状部材14には、ポンプ30に接続されたチューブ13の一方が接続されており、インクタンク20からのインクがヘッド本体18内部のインク流路に導かれ、吐出ノズルから吐出されるように構成している。なお、チューブ13は円筒形状に形成されており、エラストマーを素材としているため十分な可撓性を有している。
【0025】
〔ポンプの構成〕
次に、ポンプ30の構成を図2〜図3に基づいて説明する。
【0026】
図2に示すポンプ30は、円筒形状のケース31を備えており、その軸芯方向には、端面が形成されている。そのため、ケース31内に空洞32が存在する。このケース31の一方の端面には、後述するロータ40の回転軸43が嵌合する開口部33が形成されている。また、ケース31の側面には、インクタンク20のキャップ23に対向する位置でインクタンク20からインクをポンプ30の空洞32内に吸入する吸入孔(第1貫通孔)31aが形成されている。この吸入孔31aには、円筒形状を有する金属製の中空針25が直結されている。中空針25のインクタンク20側の端部は、斜めにカットされており、そのため尖った形状を有している。吸入孔31aに直結された中空針25は、図2に示すようにインクタンク20のキャップ23に水平に貫通されており、インクタンク20とポンプ30とのインク流路を形成する。そして、中空針25を介して吸入孔31aからポンプ30の空洞32へインクタンク20のインク袋22内のインクを吸入する。
【0027】
また、ケース31の吸入孔31aから図2中時計回り方向に約90°回転した位置(ケース31の側面の鉛直上側位置)に空洞32内からインクジェットヘッド2側にインクを排出する排出孔(第2貫通孔)31bが形成されている。この排出孔31bには、ヘッド本体18の筒状部材14と接続されたチューブ13の一方と接続するフィルタ収納部35が連結されている。このフィルタ収納部35の内部には、排出孔31bからチューブ13までが鉛直方向に向くように連絡孔が形成されている。連絡孔はインクタンク20からインクジェットヘッド2までのインク流路の一部を構成している。また連絡孔の略中間部は、水平方向に拡大しており、そこにはフィルタ面が水平となるようにフィルタ36が配置されている。
【0028】
フィルタ36は、メッシュフィルタとされており、インクタンク20からインクジェットヘッド2側に供給するインクをろ過することができるようになっている。従って、キャップ23に対する中空針25の抜き差しに伴って発生したゴム滓などは、このフィルタ36で捕捉し、インクから除去することができる。この結果、例えばインクタンク20側にフィルタ構造を特別に設ける必要がなくなるので、インクタンクの簡素化が達成される。
【0029】
また、フィルタ36を水平に配置することで、ポンプ30の空洞32内が空の状態からインクを導入する時(インクの初期導入時)等にインク内に混入した気泡に対して、気泡の浮力と後述するポンプ30の送液力とを重ね合わせた比較的大きな力が加えられるため、気泡がフィルタ36を通過しやすい構成が達成されている。従って、フィルタ36の上流側に多量の気泡が滞留してインクジェットヘッド2へのインク供給が中断されることが少なくなる。また、排出孔31bをケース31の鉛直上側に形成することで、インクの初期導入時に空洞32内に混入した気泡が、浮力に逆らわずスムーズに排出されるために、インク内に混入した気泡の高い排出性が得られる。
【0030】
図2に示すようにポンプ30のケース31内には、ロータ(回転子)40が一定位置で回転可能に備えられている。ロータ40は円柱形状を有するとともに、その軸芯方向の両端面が空洞32の両端壁面(ケース31の内側両端面)と接する程度の厚みを有している。ロータ40の一方の端面には、そこからロータ40の軸芯方向に突出した円柱形状の回転軸43が形成されており、ケース31の一方の端面に形成された開口部33に嵌合している。その回転軸43の側面の一部には、外周の一部が常に接触するギヤ(不図示)が配置されており、このギヤが図示しない駆動装置によって回転させられることでロータ40が回転軸43を介して回転する。
【0031】
ロータ40の側面には、その直径方向に貫通部41が形成されている。貫通部41は、その内部に後述する2枚の滑り部材51a,51bと仕切り部材50とが重ね合わせて配置された状態において、それら2枚の滑り部材51a,51bと仕切り部材50とが貫通部41の内面に沿って移動できるような極小の隙間を有するような形状に形成されている。
【0032】
図2に示すようにロータ40の貫通部41には、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)系の合成ゴムからなる仕切り部材(弾性板状部材)50と仕切り部材50を挟むようにして配置された2つの滑り部材51a,51bとが配置されており、ロータ40の中心を通って横切っている。また、仕切り部材50及び滑り部材51a,51bの長手方向(ロータ40を横切る方向)の両端部は、ロータ40の側面から突出するようにして配置されている。なお、仕切り部材50は弾性部材であるため、その長手方向に伸縮可能である。また、滑り部材51a,51bはPOM(ポリオキシメチレン)樹脂から構成されている。
【0033】
この仕切り部材50は平面形状が長方形の板形状を有しつつ、その長手方向の両端面がケース31の内周面(ケース31内の空洞32の壁面)と接触するような長さを有する。また、仕切り部材50は、1枚の滑り部材より大きい厚みを有している。このような形状を有する仕切り部材50によって、ケース31内の空洞32は常に2つの領域に仕切られている。
【0034】
2つの滑り部材51a,51bは、前述した仕切り部材50とほぼ同じような形状を有しており、異なる点は長手方向の長さが仕切り部材50より短く、厚みがそれぞれ薄いという点である。また、滑り部材51a,51bは樹脂から構成されているため、滑り部材51a,51bの貫通部41に対する滑り摩擦係数が仕切り部材50の貫通部41に対する滑り摩擦係数よりも小さくなる。従って、滑り部材51a,51bに挟まれて貫通部41に配置された仕切り部材50は、滑り部材51a,51bとともにロータ40を横切る方向に貫通部41の内面を滑らかに移動することが可能となる。そのため、滑り部材51a,51bが配置されていない場合と比較するとロータ40の回転に伴う仕切り部材50のロータ40に対する動きが円滑になって、ポンプ30としての信頼性が向上する。
【0035】
また、滑り部材51a,51bの長手方向の長さを仕切り部材50より短くしているため、図示しない駆動装置によってロータ40が回転した際に、滑り部材51a,51bの長手方向の両端面がケース31の内周面と接触するのを抑制することができるとともに、仕切り部材50の長手方向の両端面とケース31の内周面との摩擦によって、仕切り部材50の両端部近傍が過大に屈曲するのを滑り部材51a,51bの長手方向の両端部で抑制することができるので、仕切り部材50の両端部がロータ40の側面とケース31の内周面との間に屈曲してかみ込むのを防ぐことができる。そのため、ロータ40の回転時に過大な回転トルクの発生がなくなり、且つ仕切り部材50の両端部とケース31の内周面との接触を安定させることができるので、仕切り部材50によって仕切られたそれぞれの領域のシール性も安定させることができる。
【0036】
また、ロータ40の側面には、一部が平面となる切欠部42が貫通部41に重ならないように形成されている。この切欠部42が、図3(a)に示すように仕切り部材50によって仕切られた空洞32のうち、吸入孔31aと排出孔31bとが存在する領域内に位置することで、吸入孔31aと排出孔31bとが連通状態となり、ポンプ30内のインク流路を形成する。
【0037】
また、ロータ40は図3(b)に示すように切欠部42が形成されていないロータ40の側面とケース31の内周面の左斜め上部分(特定位置)とが接触するような位置に配置されている。従って、ロータ40を回転させると、吸入孔31aから排出孔31bへの流路を閉じることが可能となり、吸入孔31aから排出孔31bへの流路抵抗を変化させることができる。
【0038】
[印刷時のインク供給動作]
続いて、インクジェットプリンタ1においてインクジェットヘッド2での印刷時のインク供給動作について説明する。
【0039】
搬送ベルト8で搬送された用紙に対して、インクジェットヘッド2からインク滴を吐出して所望画像の印刷時は、ヘッド本体18の吐出ノズルからインクが吐出されることでヘッド本体18内に負圧が発生し、その負圧と吐出ノズルの毛細管現象とを利用した吸引力によってインクジェットヘッド2がインクタンク20のインク袋22からインクを吸引している。
【0040】
従って、インクジェットヘッド2がインクを吸引しているときのインクジェットヘッド2とインクタンク20との間のインク流路の一部を形成するポンプは、図2および図3(a)に示すように仕切り部材50によって仕切られた空洞32のうち、吸入孔31aと排出孔31bとが存在する領域内にロータ40の切欠部42が位置するようにロータ40の回転が停止されている。
【0041】
つまり、ロータ40の切欠部42によって、ロータ40とケース31の内周面との間には隙間が形成され、その隙間が吸入孔31aと排出孔31bとを連通状態にするポンプ30内のインク流路となり、インクジェットヘッド2からインクタンク20のインク流路が確保され、インクジェットヘッド2にインクが供給されることになる。また、吸入孔31aから排出孔31bまでのポンプ30内の流路抵抗が低い状態となって、インクタンク20とインクジェットヘッド2とがポンプ30内で低抵抗でつながる。そのため、印刷時においてインクジェットヘッド2からのインク吐出に応じて必要なインクが自然とインクタンク20からポンプ30を介してインクジェットヘッド2へと供給される。
【0042】
[パージ時のポンプ動作]
続いて、インクジェットプリンタ1においてパージ時のポンプ動作について説明する。
【0043】
インクタンク20を交換した場合などにインク内に混入した気泡をパージする時のポンプ30の動作は、まず、図3(a)に示すロータ40の状態から図示しない駆動装置でギヤを回転させてロータ40を回転させる。このポンプ30は、ロータ40を回転させるだけでインクを強制的に送ることができる。つまり、図3(b)に示すようにロータ40を矢印方向に回転させると、ロータ40の切欠部42が形成されていない側面とケース31の内周面とが接触し、吸入孔31aから排出孔31bへの流路が閉鎖されて、吸入孔31aと連通する領域と排出孔31bと連通する領域と吸入孔31a及び排出孔31bに連通しない領域とに仕切られる。そして、図3(c)に示すようにロータ40の矢印方向の回転に伴って、吸入孔31aと連通する領域は大きくなり、その領域内には負圧が生じてインクタンク20からインクが吸引されることになる。一方、ロータ40の回転に伴って排出孔31bと連通する領域は小さくなり、その領域内に存在するインクが強制的に排出孔31bからインクジェットヘッド2側に送液されることになる。
【0044】
また、ロータ40の回転に伴ってロータ40の貫通部41に配置された仕切り部材50と滑り部材51a,51bは、図3(b)に示す状態から図3(c)に示すように貫通部41の内面を滑り、ロータ40を横切る方向に移動する。つまり、ロータ40の回転によって、図3(b)に示す仕切り部材50の長手方向の上側の端面とケース31の内周面との接触によって生じるロータ40を横切る方向の下方側に押す力が、仕切り部材50の長手方向の下側の端面とケース31の内周面との接触によって生じるロータ40を横切る方向の上方側に押す力より大きくなり、仕切り部材50と滑り部材51a,51bとがロータ40を横切る方向の下方側に移動する。この仕切り部材50の移動の際に、滑り部材51a,51bは貫通部41の内面を滑らかに滑るために、仕切り部材50をスムーズに移動させることができる。
【0045】
また、ロータ40の回転に伴って仕切り部材50は、その長手方向に伸縮しつつ移動しているために、仕切り部材50の両端面はケース31の内周面と常に接触している。このようなロータ40の回転に伴う仕切り部材50の移動及び伸縮によって、吸入孔31aと連通する領域内に負圧を生じさせることが可能となり、排出孔31bと連通する領域に存在するインクを排出孔31bから排出することが可能となる。
【0046】
このように吸入孔31aから排出孔31bへの流路を閉じた状態となるように切欠部42が形成されていないロータ40の側面をケース31の内周面に接触させつつロータ40を回転させると、インクタンク20のインクが強制的に吸入孔31aからポンプ30内へ吸引されると共に排出孔31bから排出されて、排出孔31bに接続されたチューブ13を介してインクをインクジェットヘッド2側に強制的に送液することが可能となる。そのため、インク内に混入した気泡やポンプ30の排出孔31bに接続されたチューブ13などからインク内に混入した気泡をインクと共にパージすることができる。
【0047】
また、インクタンク20からインクを吸引しつつインクジェットヘッド2側にインクを排出するそのポンプ30の送液力によって、インクに混入した気泡がインクとともにインクジェットヘッド2側に送られるので、インクジェットヘッド2からインクタンク20を連結するインク流路内に気泡が留まらず除去されることになる。
【0048】
また、ロータ40がケース31内の空洞32の壁面の特定位置と接触する位置にある際には、ロータ40が回転しても常に吸入孔31aと排出孔31bとが連通していない状態、つまり、両者間の流路抵抗が高い状態に保たれるので、パージ時にポンプ30の送液能力が低下することがない。
【0049】
また、インクジェットプリンタ1に適用されたポンプ30のパージ時のインクの送液能力、つまりポンプ能力を向上させるために、例えば、本実施の形態のポンプ30の変形例として、以下に示すポンプ60を適用することが可能である。
【0050】
[ポンプの変形例]
図4は、ポンプの変形例の動作状態を示す図であって、(a)及び(b)はパージ時のポンプのロータの回転状態の経過を示した図である。なお、前述したインクジェットプリンタ1のポンプ30以外の構成はほぼ同様であるが、ポンプ60はパージ用であるために、インクジェットヘッド2での用紙に対する印刷時は、ポンプ60を迂回するように形成されたインク流路(図2中鎖線で示す)19を経由してインクジェットヘッド2へインクタンク20からインクが供給される構成となっている。なお、インク流路19の両端には弁(図示せず)が設けられており、ポンプ60の動作時には弁は閉鎖され、ポンプ60の非動作時には弁は開放されるようになっている。このような点以外は、前述したインクジェットプリンタ1と同様なため説明は省略する。また、ポンプ30と同様のものについては、同符号を示し説明を省略する。
【0051】
図4に示す変形例のポンプ60には、前述のポンプ30と同様に吸入孔31aと排出孔31bと開口部33とを有するケース31が設けられている。このケース31内の空洞32には、前述したポンプ30と同様に一定位置で回転可能にロータ61が備えられているが、ロータ61の側面には切欠部42が形成されておらず、これが前述したポンプ30と異なる点である。それ以外の前述したロータ40の回転軸43や貫通部41や滑り部材51a,51bや仕切り部材50や排出孔31bの連結されたフィルタ収納部35や吸入孔31aに直結された中空針25などは前述したものと同様であるため、同符号で示す。
【0052】
このポンプ60のロータ61は、その側面がケース31の内周面の特定位置と接触する位置に配置されており、ロータ61が回転してもロータ61の側面とケース31の内周面は常に接触している。そのため、図4(a)に示すようにケース31に形成された吸入孔31aと排出孔31bとが、ケース31とロータ61と仕切り部材50とによってそれぞれ囲まれた3つの領域のうちの異なる領域に存在している。
【0053】
また、ポンプ60のロータ61が回転したときに、その側面には前述した切欠部42が形成されていないため、ケース31の内周面とロータ61の側面との接触が断続的にならない。つまり、吸入孔31aと排出孔31bとが連通するための隙間が形成されないために、吸入孔31aを介して空洞32内にインクを吸引して、排出孔31bを介して空洞32からインクを排出するそのポンプ能力が向上する。
【0054】
[パージ時のポンプ動作]
続いて、ポンプ60においてインクジェットヘッド2でのパージ時のポンプ動作について以下に説明する。なお、印刷時はポンプ60のロータ61の回転は停止しており、前述したように図2中に形成されたインク流路19を通ってインクタンク20からのインクがインクジェットヘッド2に供給されている。
【0055】
このポンプ60は、ロータ61を回転させるだけでインクを強制的に送ることができる。つまり、図4(a)に示すロータ61を矢印方向に回転させることで、図4(b)に示すように吸入孔31aと連通する領域が大きくなり、その領域内には負圧が生じてインクタンク20からインクが吸引されることになる。一方、ロータ61の回転に伴って排出孔31bと連通する領域は小さくなり、その領域内に存在するインクが強制的に排出孔31bからインクジェットヘッド2側に送液されることになる。なお、ロータ61の回転に伴う貫通部41に配置された仕切り部材50と滑り部材51a,51bの動きは、前述したポンプ30のロータ40の回転に伴う動きと同様である。
【0056】
このように吸入孔31aと連通する領域と排出孔31bと連通する領域は、ロータ61の側面とケース31内の空洞32の壁面の特定位置との接触によって常に閉鎖されているので、ロータ61が連続回転しても常に吸入孔31aと排出孔31bとが連通していない状態に保たれる。従って、パージ時にポンプ60の送液能力が低下することがなく、且つポンプ能力を前述したポンプ30より向上させることができる。
【0057】
上述したように、ポンプ30,60のロータ40,61が回転したときにおいて、ロータ40,61を横切る方向への仕切り部材50の摺動と同じ方向への仕切り部材50自体の伸縮とによって、その2つの端面が空洞32の壁面と常に接触するようになるので、吸入孔31aから空洞32内に流体を吸引して、その吸引した流体を排出孔31bから排出することができ、仕切り部材50の代わりにバネで付勢された2つの板材を用いる公知技術に比較して構造が簡略で且つ故障が少なくなる。また、バネなどを用いていないために部品点数が減少して製造コストが減少する。
【0058】
また、ポンプ30,60の吸入孔31aから排出孔31bへの流路を閉じた状態とすれば、ロータ40,61を連続的に回転させることにより,印刷を行わなくてもインクタンク20からインクジェットヘッド2にインクを強制的に供給することができるので、インクジェットヘッド2内に滞留する気泡をインクと共にパージすることができる。また、ロータの40,61の回転数の増減をコントロールすることで、インクジェットヘッド2側に送液するインクの送液力及び送液量を増減させることができる。また、インクタンク20とポンプ30,60との間に金属製の中空針25が介在するだけなので、インクタンク20とポンプ30,60との間においてインク内に気泡がほとんど混入しなくなる。
【0059】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな設計変更が可能なものである。例えば、パージ時のポンプ動作において、ロータ40,61の回転時にポンプ30,60のロータ40,61の側面とケース31の内周面(ケース31内の空洞の壁面)とが断続または連続的に接触せずに常に多少の隙間を有していても良い。つまり、ポンプ30,60のケース31内の空洞32において仕切り部材50によって仕切られた2つの領域のうち、吸入孔31aと排出孔31bとが存在する側の領域におけるポンプ30,60のケース31の内周面とロータ40,61の側面とが接触しない程度に近づいた状態とすることで、吸入孔31aから排出孔31bへの流路抵抗を高くすれば良い。このような状態で、ロータ40,61を回転させるとインクを吸入孔31aから吸収しつつ排出孔31bから排出することが可能となる。
【0060】
また、フィルタ収納部35を設けなくても良い。また、ロータ40,61の貫通部41に配置された仕切り部材50を挟む滑り部材51a,51bを設けなくても良い。また、仕切り部材50は、複数枚を重ね合わせたものであってもよい。さらに、貫通部41の内面と接触する仕切り部材50の表面に摺動剤としてのコーティング剤を塗布していてもよい。
【0061】
また、仕切り部材50の材質はEPDMだけに限らず、SBR(スチレンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)などの他の合成ゴムから構成されていても良い。また、滑り部材51a,51bの材質もPOM樹脂だけに限らず、PC(ポリカーボネート)樹脂やポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などの他の樹脂から構成されていても良い。
【0062】
また、本発明はインクジェットプリンタだけに適用されるのではなく、吸入孔から流体を吸引して排出孔からその流体を排出するポンプ機能が必要なもの全般に適用することが可能である。また、ポンプから吸引および排出する流体は、インクに限らず、他の液体や気体などでも可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、弾性板状部材によってポンプ故障が生じにくくなり、且つ簡略な構造となるために製造コストを減少させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係るポンプが適用されたインクジェットプリンタの全体的な構成を示す側面図である。
【図2】 図1に示すインクジェットプリンタのインク供給経路の構成を示す概略図である。
【図3】 図1に示すインクジェットプリンタに適用したポンプの動作状態を示す図であって、(a)は印刷時のポンプ状態を示し、(b)及び(c)はパージ時のポンプのロータの回転状態の経過を示すものである。
【図4】 図3に示すポンプの変形例の動作状態を示す図であって、(a)及び(b)はパージ時のポンプのロータの回転状態の経過を示した図である。
【図5】 従来のロータリーポンプの一種であるポンプの概略断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
2 インクジェットヘッド
20 インクタンク
30,60 ポンプ
31 ケース
31a 吸入孔(第1貫通孔)
31b 排出孔(第2貫通孔)
32 空洞
40,61 ロータ(回転子)
50 仕切り部材(弾性板状部材)
51a,51b 滑り部材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pump that draws fluid inside and discharges it outside.
[0002]
[Prior art]
Among a wide variety of pumps, as shown in FIG. 5, there is a Keiri rotary pump which is a kind of rotary pump. The
[0003]
[Non-Patent Document 1]
Machine Reissue Committee Editor, “New Machine Element”, Science and Engineering, 1977, 10th Edition, p. 203 (27.13 Keiri rotary pump 1)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the Keiri
[0005]
Therefore, an object of the present invention is to provide a pump that is unlikely to cause a pump failure and that reduces the manufacturing cost with a simple structure.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The pump according to
[0007]
According to such a configuration, when the rotor rotates, the two end faces are hollow due to the sliding of the elastic plate member in the direction crossing the rotor and the expansion and contraction of the elastic plate member in the same direction. Since the fluid is always brought into contact with the wall surface, the fluid can be sucked into the cavity from the first through-hole, and the sucked fluid can be discharged from the second through-hole with a spring instead of the elastic plate member. Compared with the known technique using two urged plates, the structure is simple and failure is reduced. In addition, since no spring or the like is used, the number of parts is reduced and the manufacturing cost is reduced.
Further, according to such a configuration, the elastic plate-like member sandwiched between the sliding members slides smoothly with respect to the rotor together with the sliding members, so that the rotation of the rotor is compared with the case where no sliding member is arranged. Accordingly, the movement of the elastic plate-like member with respect to the rotor becomes smooth, and the reliability of the pump is improved.
[0008]
The pump according to
[0009]
According to such a configuration, when the rotor is in contact with a specific position on the wall surface, the first through hole and the second through hole formed in the case are respectively separated by the case, the rotor, and the elastic plate member. Since it exists in the different area | regions of the enclosed several area | region, the operation | movement which attracts | sucks a fluid in a cavity via a 1st through-hole, and discharges a fluid from a cavity via a 2nd through-hole is performed In this case, the efficiency of sucking and discharging the fluid is improved, and the pump capacity is improved.
[0010]
[0011]
[0012]
Claim3The pump described in (1) is characterized in that a length of the sliding member in a direction crossing the rotor is shorter than that of the elastic plate member.
[0013]
According to such a configuration, since the elastic plate-like member protrudes from both ends of the sliding member, the elastic plate-like member protruding from the rotor is not bent excessively. Therefore, the elastic plate-like member is easily slid with respect to the rotation of the rotor, and an excessive rotational torque is prevented and the sealing performance between the elastic plate-like member and the case is stabilized. Can do.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0015]
[Entire printer configuration]
FIG. 1 is a side view showing an overall configuration of an ink jet printer to which a pump according to the present embodiment is applied. An
[0016]
A paper conveyance path that flows from the paper supply unit 3 toward the
[0017]
A
[0018]
In a region surrounded by the conveyance belt 8, a substantially rectangular parallelepiped shape (same as the conveyance belt 8) that supports the
[0019]
The four
[0020]
The
[0021]
[Ink supply configuration to inkjet head]
A configuration for supplying ink to the
As shown in FIG. 2, an
[0022]
As shown in FIG. 2, the
[0023]
The
[0024]
The head
[0025]
[Pump configuration]
Next, the configuration of the
[0026]
The
[0027]
Further, a discharge hole (second discharge port) for discharging ink from the inside of the
[0028]
The
[0029]
In addition, by arranging the
[0030]
As shown in FIG. 2, a rotor (rotor) 40 is provided in the
[0031]
A through
[0032]
As shown in FIG. 2, a partition member (elastic plate member) 50 made of an EPDM (ethylene / propylene / diene terpolymer) type synthetic rubber and a
[0033]
The
[0034]
The two sliding
[0035]
Further, since the length of the sliding
[0036]
Further, a
[0037]
3B, the
[0038]
[Ink supply operation during printing]
Next, an ink supply operation at the time of printing with the
[0039]
When printing a desired image by ejecting ink droplets from the
[0040]
Therefore, the pump that forms a part of the ink flow path between the
[0041]
That is, a gap is formed between the
[0042]
[Pump operation during purge]
Next, the pump operation during purge in the
[0043]
The operation of the
[0044]
Further, as the
[0045]
Further, since the
[0046]
In this way, the
[0047]
Further, the air bubbles mixed in the ink are sent to the
[0048]
In addition, when the
[0049]
Further, in order to improve the ink feeding capability at the time of purging of the
[0050]
[Pump variants]
FIGS. 4A and 4B are diagrams showing an operation state of a modified example of the pump, and FIGS. 4A and 4B are views showing the progress of the rotation state of the rotor of the pump at the time of purge. The configuration other than the
[0051]
4 is provided with a
[0052]
The
[0053]
Further, when the
[0054]
[Pump operation during purge]
Next, the pump operation at the time of purging with the
[0055]
The
[0056]
Thus, the region communicating with the
[0057]
As described above, when the
[0058]
Further, if the flow path from the
[0059]
The preferred embodiments of the present invention have been described above. However, the present invention is not limited to the above-described embodiments, and various design changes can be made as long as they are described in the claims. For example, in the pump operation during purging, the side surfaces of the
[0060]
Further, the
[0061]
The material of the
[0062]
Further, the present invention is not applied only to an ink jet printer, but can be applied to all devices that require a pump function for sucking fluid from the suction hole and discharging the fluid from the discharge hole. Further, the fluid sucked and discharged from the pump is not limited to ink, but may be other liquids or gases.
[0063]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, pump failure is less likely to occur due to the elastic plate-like member, and the manufacturing cost can be reduced because the structure is simple.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing an overall configuration of an ink jet printer to which a pump according to an embodiment of the present invention is applied.
FIG. 2 is a schematic diagram illustrating a configuration of an ink supply path of the inkjet printer illustrated in FIG.
FIGS. 3A and 3B are diagrams showing an operation state of a pump applied to the ink jet printer shown in FIG. 1, wherein FIG. 3A shows a pump state at the time of printing, and FIGS. 3B and 3C show a rotor of the pump at the time of purging. The progress of the rotation state is shown.
FIGS. 4A and 4B are diagrams showing an operation state of a modified example of the pump shown in FIG. 3, and FIGS. 4A and 4B are views showing the progress of the rotation state of the rotor of the pump at the time of purging. FIGS.
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view of a pump that is a type of conventional rotary pump.
[Explanation of symbols]
1 Inkjet printer
2 Inkjet head
20 Ink tank
30, 60 pumps
31 cases
31a Suction hole (first through hole)
31b Discharge hole (second through hole)
32 cavity
40, 61 rotor (rotor)
50 Partition member (elastic plate member)
51a, 51b Sliding member
Claims (3)
前記空洞内において回転可能な回転子と、
2つの端面が前記空洞の壁面と常に接触するように前記回転子に対してこれを横切る方向に摺動可能に支持された状態において、前記回転子と共に回転可能である弾性板状部材と、
前記回転子との間の滑り摩擦係数が前記回転子と前記弾性板状部材との間の滑り摩擦係数よりも小さく、前記弾性板状部材を挟むようにその両側に配置された滑り部材とを備えていることを特徴とするポンプ。A case having a cavity therein, and a first through hole for sucking fluid into the cavity and a second through hole for discharging fluid from the cavity;
A rotor rotatable in the cavity;
An elastic plate-like member that is rotatable together with the rotor in a state in which two end faces are slidably supported in a direction transverse to the rotor so as to always contact the wall surface of the cavity ;
A sliding friction coefficient between the rotor and the elastic plate-like member is smaller than a sliding friction coefficient between the rotor and the elastic plate-like member, and sliding members arranged on both sides of the elastic plate-like member. A pump characterized by comprising.
前記回転子が前記壁面の前記特定位置と接触しているときに、前記空洞が前記ケースと前記回転子と前記弾性板状部材とによってそれぞれ囲まれた複数の領域に分割され、且つ、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが異なる前記領域に存在していることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。The rotor is rotatable while constantly or intermittently contacting a specific position on the wall surface of the cavity;
When the rotor is in contact with the specific position of the wall surface, the cavity is divided into a plurality of regions each surrounded by the case, the rotor, and the elastic plate member, and the first 2. The pump according to claim 1, wherein the first through hole and the second through hole exist in different regions.
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