JP3848354B1 - X線画像処理システム及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般病院や医療機関などで実施されている単純X線検査によって得られるX線画像をコンピュータに取り込み、一連の画像処理を施すことで骨折(線)のより鮮明な画像を獲得し、X線画像の精度を向上させるシステムの提供。
【解決手段】単純X線検査より得られたX線画像をコンピュータに取込む手段と、必要に応じてコンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施す手段と、コントラスト処理を施したX線画像あるいは処理していないX線画像にエンボス(隆起)処理を施す手段と、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行う手段と、光の照射によってできた影から骨の状態を診断する手段と、一連の画像処理により得られたX線画像を保存及び管理する手段と、一連の処理により得られたX線画像をコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリンターにて印刷する手段と、一連の画像処理を施したX線画像を用いて患者へInformed-consent(説明と同意)を行う手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般病院や医療機関などで実施されている単純X線検査によって得られるX線画像に、コンピュータを使用し一連の画像処理を施すことで、より鮮明な画像を獲得し、X線画像の精度を向上させることで、骨折(線)のより正確な画像診断を行う画像処理システム及び方法に関する。また、X線画像の精度の向上により、臨床所見との不一致を減少させることで適格な治療方針の決定を図る技術に属するものである。
骨折(線)の診断に広く使用されている放射線検査のひとつに単純X線検査がある。単純X線検査は、人体を通過したX線がX線フィルムに露光され、通過X線量の強弱に比例してX線フィルムに潜像ができる。このX線フィルムに現像処理を施すと、感光した乳剤の臭化銀は金属銀に変わる。この金属銀量の多少により黒化度の変化(濃淡)が得られX線画像となる。最近ではX線の受容装置としてX線フィルムや増感紙の他に、デジタルラジオグラフィ(digital
radiography:DR)とよばれる人体を通過したX線を、X線フィルムより鋭敏な検出器で受け、これをAD(analogue-digital)変換器でデジタル信号に変えたうえで、様々な画像処理を施し、これを再構成してフィルムやモニターに表示する方法が普及してきている。また、コンピュータ撮影(computed
radiography:CR)は従来の撮影装置をそのままにデジタルラジオグラフィ(digital radiography:DR)が行えるため、単純X線検査に広く応用されている。単純X線検査は患者に放射線を曝射することによって行われる。単純X線検査を実施するに当たっては、曝射のリスクを負うため、単純X線検査は、可能な限り少ない被曝線量で多くの情報が得られる様にしなければならない。そのためにはX線撮影装置、X線フィルムや増感紙などの設備面、実施法および現像処理などの技術面の充実が重要である。
しかし、それ以上に医療従事者のX線画像を撮影する技術及び撮影された画像の読影技術の習熟度が、画像診断精度を左右する最も重要な要因となる。実際には画像所見より骨折(線)及び骨系統疾患等は認められないと診断を受けた場合でも、臨床所見では骨折に伴う固有症状(高度の腫脹、限局性圧痛、機能障害など)を認める場合が少なくない。この様に、骨折(線)及び骨系統疾患等の治療においてX線画像所見と臨床所見とに不一致が生じる理由として最も大きな要因は、X線画像の読影技術が医療従事者の経験及び知識の量によって異なるためである。さらに治療方針の決定においても、医療従事者の知識及び経験が重要となっている。経験の少ない医療従事者にとってX線画像に明らかな所見が無い場合、他に判断材料が乏しく骨折(線)及び骨系統疾患等を診断できないことが少なくない。従って「経験の差」が表れる。これらはたとえ同じX線画像であっても、医療従事者の経験によってその判断や治療方針に大きな差が生じることを示している。これは患者にとって極めて大きな問題であり、過剰な治療は無意味に治療期間の延長につながり、それにより後遺症をきたすこともある。また、場合によっては安易な診断、治療により医療過誤を招いてしまう危険もある。しかし、現在でも骨折(線)及び骨系統疾患等の治療においては従来どおりの単純X線検査が最も多く用いられ、依然として経験に重きを置く診断、治療が実践されており、「経験の差」が生じている。
このような状況下においてX線撮影検査については下記の特許が出願されているが、本件のような画像処理の技術は採用されていない
特開2004−199194号 特開2005−501684号
従来からの単純X線検査では、画像所見より骨折(線)及び骨系統疾患等は認められないと診断を受けた場合でも、臨床所見では骨折に伴う固有症状(高度の腫脹、限局性圧痛など)を認める場合が少なからずあり、画像所見と臨床所見とに不一致が生じることがある。これはX線画像の撮影及び読影技術が医療従事者の経験及び知識の量によって異なるためであり、治療方針の決定においても、医療従事者の経験が重要となってくるため、経験の少ない医療従事者にとって画像所見に明らかな所見が無い場合、他に判断材料が乏しく正確な診断ができずに「経験の差」が生じていた。また、医療分野において「経験の差」により生じる種々の問題を解決するため、根本的な医学教育の改革をはじめ、X線撮影装置、X線フィルムや増感紙、現像処理などの技術的な改善もなされ、さらに、臨床では単純X線検査のみではなくX線CT(X線コンピュータ断層撮影)
や、シンチグラフィーなど、より高度な画像診断装置の開発や、臨床での対応など様々な対策を講じている。しかし、X線CT(X線コンピュータ断層撮影)などの高度な画像診断装置の使用は患者への生物学的、時間的、経済的負担が大きく、患者にとって必ずしも利益だけがもたらされる訳ではない。X線CT(X線コンピュータ断層撮影)による放射線被曝が日本国内における癌発生率の3.2%を占めているという発表が英国医学誌「LANCET」でも報告されており、また、日本医学放射線学会なども不必要あるいは過剰な検査に警鐘を鳴らしている。さらに、MRIにおいては、医療従事者の撮影技術によって仕上がった画像に多少の誤差が生じる場合があり、また単純X線検査同様に読影技術によっても画像診断精度に誤差が生じる等の問題が少なからず認められた。従って、このような検査及び診断法の欠点である「経験の差」から生じる種々の問題を取り除く検査および診断法が切望されている。つまり、患者への負担を最小限に止め、かつ診断に必要な情報量の獲得がなされる検査および診断法が所望される。本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものであり、単純X線検査より得られたX線画像に画像処理を施すことで画像診断精度の向上を図るため、単純X線検査以上の被曝を患者へ求めなくてよい。また、CR(Computed
Radiography)との一体化により、一般病院や医療機関で行われている単純X線検査自体の画像診断精度の向上と、患者への生物学的、時間的、経済的負担が大幅に軽減されるため臨床での効率的な稼働が実現可能となる。
上記の課題を解決するために、請求項1及び2記載のX線画像処理システムは、一般病院や医療機関などで実施されている単純X線検査より得られるX線画像に、コンピュータを使用し一連の画像処理を施すことで、より鮮明な画像を獲得し、X線画像の精度を向上させることで、骨折(線)及び骨系統疾患等のより正確な画像診断を行う。また、X線画像の精度の向上により、臨床所見との不一致を減少させることで、適切な治療方針の決定を図るシステムであって、整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断する単純X線検査より得られたX線画像をコンピュータに取込む手段と、コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理及び/又は、エンボス(隆起)処理を施す手段と、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行う手段と、光の照射によってできた影から骨折(線)及び骨系統疾患等を診断する手段と、一連の画像処理により得られたX線画像を保存、管理する手段とを備えたことを要旨とする。
また、請求項1記載のX線画像処理システムは、整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断する単純X線画像の処理のためのシステムであって、単純X線画像をコンピュータに取込む手段と、コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施す手段と、コントラスト処理を施したX線画像にエンボス(隆起)処理を施す手段と、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行う手段と、一連の画像処理により得られたX線画像を保存及び管理する手段と、一連の処理により得られたX線画像をコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリンターにて印刷する手段とを備えたことを要旨とする。
また、請求項2記載のX線画像処理システムは、整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断する単純X線画像の処理のためのシステムであって、単純X線画像をコンピュータに取込む手段と、コンピュータに取込んだX線画像にエンボス(隆起)処理を施す手段と、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行う手段と、一連の画像処理により得られたX線画像を保存及び管理する手段と、一連の処理により得られたX線画像をコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリンターにて印刷する手段とを備えたことを要旨とする。
また、請求項3記載のX線画像処理システムは、請求項1又は2に記載のX線画像処理システムにおいて、前記の単純X線画像をコンピュータに取込む手段は、シャウカステンを用いてX線画像をデジタルカメラにて撮影する手段、スキャナーでX線画像を取り込む手段、CR(Computed Radiography)との一体化によりX線画像を直接コンピュータへ送る手段のいずれか1であることを要旨とする。
また、請求項4記載のX線画像処理方法は、整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断する単純X線画像の処理のための方法であって、撮影した単純X線画像をコンピュータに取込むステップと、コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施すステップ及び/又は、X線画像にエンボス(隆起)処理を施すステップと、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行うステップと、一連の画像処理により得られたX線画像を保存、管理するステップを備えたことを要旨とする。
また、請求項5記載のX線画像処理システムは、請求項1又は2記載の構成において、被検者の検査記録を入力する入力手段と、該検査記録を個人ごとに検査履歴として保存する保存手段と、システム起動時に入力した検査記録と該検査記録を照合し、当該検査が再検査か否かを判断する判断手段を備え、再検査であれば前回の検査結果が自動的に選択され表示可能としたことを要旨とする。
また、請求項6記載のX線画像処理プログラムは、コンピュータにより実行可能な整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断するX線画像処理プログラムであって、コンピュータを、単純X線画像をコンピュータに取込む手段と、コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施す手段及び/又は、エンボス(隆起)処理を施す手段と、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行う手段と、一連の画像処理により得られたX線画像を保存及び管理する手段と、一連の処理により得られたX線画像をコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリンターにて印刷する手段として機能させることを要旨とする。
また、請求項7記載の配信サーバ装置は、コンピュータにより実行可能なX線画像処理プログラムであって、整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断する単純X線画像をコンピュータに取込む手段と、コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施す手段及び/又は、エンボス(隆起)処理を施す手段と、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行う手段と、一連の画像処理により得られたX線画像を保存及び管理する手段と、一連の処理により得られたX線画像をコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリンターにて印刷する手段と、配信先の配信要求に応じて配信する配信手段として機能させることを特徴とするX線画像処理プログラムを配信することを要旨とする。
本発明により、従来は読影する事が困難もしくは不可能であった骨折(線)及び骨系統疾患等を、一連の画像処理を施す事より目視下にて明確に判断できるようになる。
本システムの導入により正確な画像判断が可能となり、より適切な治療方針を立てる事が可能となるとともに、余分な検査を省く事ができるので、患者の経済的負担が軽減し、医療費の削減にもつながる。
画像処理時間が短時間(全工程を含め平均5分程度)であるため臨床での迅速な対応が可能となる。既存の単純X線画像に処理を施すだけであるので、患者にそれ以上の放射線を被曝させる必要性がない(生物学的負担の軽減)。
本発明の画像処理方法は、パソコン及び一般に普及している画像処理が可能なソフトまたはX線画像処理システムを実行する上で支障をきたさない様にプログラミングされた専用ソフトに加え、デジタルカメラ、あるいは透過ユニット型のスキャナー、またはCR画像のいずれか1つ整っていれば行うことが可能であるため、導入が容易である。
画像処理はパソコンのみで行えるので、機材設置に場所をとらず省スペース化が可能(物理的負担の軽減)である。
本システムは一連の画像処理を施してX線画像そのものの精度を向上させ、骨折(線)の有無を診断し、臨床所見と照合を行うことで骨折(線)の診断まで可能である。ここで施される画像処理方法は、単純X線検査より得られたX線画像をコンピュータに取込むステップと、コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施すステップ及び/又は、エンボス(隆起)処理を施すステップと、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行うステップと、光の照射によってできた影から骨折(線)及び骨系統疾患等を診断するステップと、一連の画像処理により得られたX線画像を保存及び管理するステップと、一連の処理により得られたX線画像をコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリンターにて印刷するステップと、それらの画像処理を施したX線画像を用いて患者へInformed-consent(説明と同意)を行うステップである。前述した様に単純X線検査より得られたX線画像は、黒化度の変化(濃淡)をもって像を構成している。骨折とは「骨組織の連続性が完全あるいは部分的に離断された状態」と定義されている。しかし、実際に骨は立体構造物であり、たとえば、骨折においては、骨折(線)は骨組織の連続性が離断されていれば、微細ながらも必ず骨折部位は転位していると考えられる。しかし、平面であるX線画像より得られる骨像は黒化度の変化(濃淡)、即ち「骨の影絵」を見ている状態であり、微細な転位を確認する事は困難な場合も少なくない。そこで、この黒化度の変化(濃淡)にまず必要に応じてコントラスト処理を施し骨梁が明瞭に確認できる状態へ処理を加え及び/又は、エンボス(隆起)処理を施すことで、平面だったX線画像に高さが加わることで2次元化され、さらに、光照射処理を行い2次元化されたX線画像に影をつけることで、高さに奥行が加わり、視覚を通じてあたかも立体的(3次元)に浮き出たように見える画像を得ることが可能となる。
本発明において使用する用語「エンボス(隆起)処理」とは、型押し及び隆起などの意味のみでは無く、平面である画像の立体化を意味する。エンボス(隆起)処理とは、平面画像の黒化度の変化による濃淡に応じて隆起を施すこと、すなわち画像(エッジ)の明るい部分が暗い部分に対して飛び出していると仮定して、その飛び出し量を任意に与えることをいう。単純X線検査より得られた陰影像を立体化(3次元化)させる処理及び工程を、本発明においてエンボス(隆起)処理と呼ぶ。
また、光照射処理とは、上記隆起させた輪郭部分を、あらゆる角度から光を照射して、表面から浮き上がらせて見えるようにすること、すなわち、上記飛び出し量が光を照射されて作る影を、任意の方向に作成することをいう。
本発明によれば、このエンボス(隆起)処理及び光照射処理により、例えば骨折の場合に、コンピュータ画面上にて骨折(線)を疑う部位に、影や境界線ができるため、この影の有無や境界線の付き方をもって骨折(線)の転位及び又は変形などの正確な診断が可能となるものである。
エンボス(隆起)処理及び光照射処理は、立体感を持たせた画像を作成するための既知の画像処理方法であり、コンピュータに取り込まれたX線画像に対し、背景を基準とする仮想高さ(実施例1の場合では10ピクセル)と、仮想光照射角度(実施例1の場合では−90゜)と、適用容量(実施例1の場合では270%)を値に設定して陰影の面積や向きを決めることによって、処理を行う。また、実施例1の実施の形態に記載されている値はあくまで例示であり、全ての症例に共通するものではない。各値は、本発明に係るエンボス(隆起)処理、光照射処理を施して画像診断を行うにあたり、骨折等診断部位の影や境界線を明確に認め得るよう最適、最良のものであることが要求される。
光照射角度(影の向き)は、デフォルトで設定する他、0〜360゜の任意の角度を直接入力して設定するようにしてもよい。また、影の強さを設定できるように構成してもよい。
上記処理は、より具体的には、例えば各要素の総和を0とした3×3画素のエンボスフィルタ(フィルタ行列)を導入してなされる。すなわち、デジタル処理化されることにより、ドットマトリックス状の各画素について階調表現されたX線画像に対して、上記エンボスフィルタ(エンボス行列)を用いて、各画素の階調値を変換する演算処理を行うことによりなされる。各画素においてエンボスフィルタ(フィルタ行列)による処理を行った後、各画素の変換後の階調値に128を加えるようにしてもよい。
光を照射する方向は、このエンボスフィルタ(エンボス行列)の各要素の配置を変えることで変更できる。また、影の強さは、エンボスフィルタ(エンボス行列)による処理を行った後の階調値に乗じる補正係数を、例えば0.1〜1と設定し、小さい補正係数を選択するほど影を弱くし、大きい補正係数を選択するほど影を強くすることによって、調節可能である。
エンボスフィルタ(エンボス行列)の各要素は、0、±1、±2とする他様々に設定可能であり、画素数についても5×5画素や7×7画素等様々に設定可能であるが、特に好ましい態様は、処理を行った際に被検体の骨梁構造が明確に確認できる状態である。
なお、コンピュータに取り込む画像の例として実施例1は、上記処理を行うために、ピクセル解像度24dpi、データ解像度400dpi、情報量11.5MBとなる。本システムを実行可能な情報容量は、処理を行うパソコンの性能により左右される。情報容量が大きい画像の場合は、精度の高い処理が可能となるが、その処理を実行するために支障がない高性能のパソコンが要求される。また、メールにて処理済画像を貼付配信する場合、精度は劣るが情報容量を小さくするか、又は圧縮する必要があり目的に合わせ適時最適な選択を行う。列挙した処理済画像のメール配信手段はあくまで例示であり、配信手段をこれらに限定するものではない。
また、上記のエンボス(隆起)処理及び光照射処理を行う前にコントラスト処理を施せば、骨梁を明確にすることができるため好ましい。上記のエンボス(隆起)処理及び光照射処理を行った後に、コントラスト処理を施すことも可能であるが、本発明のように、エンボス(隆起)処理及び光照射処理に先立ってコントラスト処理を施すようにすれば、その効果を最大限に発揮されるため、従来のアナログ撮影された単純X線写真に多く見受けられる不鮮明な画像が改善され、良好な状態で処理が行えるという利点がある。
本発明においてコントラスト処理とは、色の暗い部分と明るい部分との対比(コントラスト)を調整して、上記エンボス(隆起)処理及び光照射処理を行うに当たって好適となるように、画像を補正することをいう。特にX線画像は、暗い部分から明るい部分まできわめて広い濃度分布を持つために、明るい部分のコントラストを圧縮する等、コントラスト処理を行うことが、本発明の実施においても有効となる場合が多い。
コントラスト処理は、例えば−127〜+127というように予め設定された設定値から、スライダー又は数値入力等によって、所望の値を選択することによって行う。
コントラストをどれだけ(何%)上げればよいか(下げればよいか)は、上記エンボス(隆起)処理及び光照射処理との相対的関係で決定されるべきものであるが、特に好ましい態様は、目視下にて骨梁構造が最も鮮明に確認できる状態である。
他に、明度補正やガンマ補正等の既知の画像補正手段を、必要に応じて用いることとしてもよい。
一連の画像処理の応用範囲は整形外科領域の疾患にのみに適応される訳ではない。たとえば、口腔外科における顎の骨折や、歯牙の破折などに応用可能である。骨系統疾患では変形性股関節症(osteoarthritis of the hip)や大腿骨頭壊死症(avascular necrosis of the
femoral head:ANF)、離断性骨軟骨炎(osteochondritis dissecans:OD)などがあげられる。これらはX線画像処理システムの適応する疾患を例示的に述べたもので、これらの疾患はあくまで例示であり、この発明の適応範囲をそれらのみに限定するものではない。
一連の画像処理において最初に行う工程は、X線画像のコンピュータへの取込みである。これにはシャウカステンを用いX線画像をデジタルカメラにて撮影する方法と、スキャナーでX線画像を取り込む方法と、CR(Computed Radiography)との一体化によりX線画像を直接コンピュータへ送る方法とがあり、状況に応じて最も適したX線画像の取込み方法を選択する。シャウカステン上でX線画像をデジタルカメラにて撮影する場合は、周囲の蛍光灯などの映り込みに十分注意し、映り込みを防ぐために部屋を暗く、もしくは暗室にてして撮影するのが望ましい。スキャナーでX線画像を取り込む場合は、原稿透過ユニット機能付のスキャナーが必要となる。CR(Computed
Radiography)との一体化によりX線画像を直接コンピュータへ送るのが作業上、最も効率が良いが大きなコストが掛かる。X線画像をコンピュータに取込む工程はこの後に続く処理の良し悪しを左右する為に重要な工程である。
次に、コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施す。デジタルカメラや、スキャナーなど種々の手法により、コンピュータへ取り込んだX線画像にまず明暗のコントラストを施す。それにより骨梁がより明確に認識することが可能となり、コントラストが良好となって黒化度の変化(濃淡)が明確に確認できる状態へ変換される。またコントラスト処理は必ず行う必要はなく、適時判断を行う。コントラスト処理が必要な事例としては、アナログ撮影された単純X線画像など像が不鮮明な場合をあげることができる。この場合、コントラスト処理を加えることにより良好な画像が得られ、その後に続く処理の成績を向上させる。これらはあくまでコントラスト処理における適応の例示であり、コントラスト処理の適応範囲をそれらのみに限定するものではない。
次に、エンボス(隆起)処理を施す。たとえば骨折とは「骨組織の連続性が完全あるいは部分的に離断された状態」と定義されている。しかし、実際に骨は立体構造物であり、骨折(線)は骨組織の連続性が離断されていれば、微細ながらも必ず骨折部位は転位していると考えられる。つまり、微細ながらも骨梁に損壊(骨折)がある場合は、通常の画像所見すなわち視認では骨折は認められなくても、X線画像上では微細ながらも黒化度の変化(濃淡)に影響が出現している。その微細な黒化度の変化(濃淡)を隆起させることにより、骨折部を肉眼で判別可能し、画像診断精度の向上を図っている。
次に、X線画像に光照射処理を行い、骨折が疑われる部位へあらゆる角度より光を照射する。具体的には、使用ソフトの光照射方向を変化させ、最も骨折線が判別可能となった方向からの光照射結果を採用する。
エンボス(隆起)処理を施したことにより骨折部の微細な黒化度の変化(濃淡)は隆起し確認しやすくなっており、その隆起にあらゆる角度から光を照射することで、隆起した微細な黒化度の変化(濃淡)に影をつける。これにより、さらに画像診断精度の向上を図る。また、影の有無や境界線のつき方により、骨片の転位方向も確認できるため臨床的意義が大きい。
一連の画像処理が終了したX線画像から得られた画像所見と、実際の臨床所見をもとに最終的な診断を行う。画像診断の基準に関しては、臨床所見より骨折を疑う部位に、X線画像処理システムに見られる骨折(線)特有の影および境界線の有無をもって骨折の診断とする。この工程に関しては基礎的な医学的知識を必要とする。
一連の画像処理により得られたデータをコンピュータの管理プログラムにて保存する。一連の画像処理により得られたX線画像を保存、管理するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMなどを用いることができる。列挙した記録媒体はあくまで例示であり、記録媒体の範囲をそれらのみに限定するものではない。
得られたX線画像と臨床所見をもとにコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリントアウトしたX線画像を用いて患者へのInformed-consent(説明と同意)を行う。
本発明の実施例1を、図1〜図10を用いて説明する。図1は、X線画像処理システムを利用した場合の作業の流れを示すフロー図である。図2は、X線画像処理システムを利用した再検査の場合の作業の流れを示すフロー図である。図3は、実施例1においてデジタルカメラにて取込みを実施したX線画像の全体図である。図4(a)
は、実施例1においてデジタルカメラにてX線画像の取込みを実施した図、図4(b)は、実施例1においてスキャナーにてX線画像の取込みを実施した図である。図5(a)は、実施例1においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図、図5(b)は、実施例1においてスキャナーにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図である。図6(a)は、実施例1においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図、図6(b)は、実施例1においてスキャナーにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図である。図7は、形状による転位の分類を示した図、図8は、骨端核の発生と閉鎖を示した図、図9は、骨端軟骨板損傷の分類(Salter-harrisの分類)を示した図である。図8(a)は、エンボス(隆起)及び光照射処理の理論を示す説明図、図10(b)は、光照射処理の理論を示す説明図である。
本実施例は、X線画像処理システムの各処理での工程およびその効果に関するものである。図1は、請求項1記載の単純X線画像処理システムを用いた場合の作業の流れを示す。まず、作業はコンピュータを立ち上げて(S101)、X線画像処理システムを起動させ (S102)、画像処理を開始する(S103)。X線画像の取込みを行う(S104)にあたり、X線画像の取込み方法の選択(S105)を行う。選択肢には(1)デジタルカメラ、(2)スキャナー、(3)CR(Computed
Radiography)(S106)がある。もちろん、X線画像の取込み方法の選択肢は、請求項1記載のX線画像処理システムを実現するために支障が認められなければ(1)デジタルカメラ、(2)スキャナー、(3)CR(Computed
Radiography)、以上の選択肢に限定されるものではない。種々の方法によりコンピュータへ取込まれたX線画像への処理として、コンピュータに取りこんだX線画像にコントラスト処理を行う(S107)。しかしこのコントラスト処理は必須ではない。このコントラスト処理は行わなくともエンボス処理のみでもX線画像の改善に寄与できる場合も多い。
コントラスト処理を施したX線画像あるいはコントラスト処理を行っていないX線画像にエンボス(隆起)処理を行う(S108)、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行う(S109)。その結果得られたX線画像について骨折(線)の診断を行う(S110)。骨折(線)の判断(S111)が認められない場合は、臨床所見との検討を行い、臨床所見より再度、骨折を疑う場合は再処理を行う(S112)。この再処理にあっては、解像度を上げる、コントラスト処理を強調するなどの方法を行い、骨折等を認めた場合及び骨折等が認められなかった場合に置いて、一連の画像処理により得られた処理済画像データの保存及び管理を行う(S113)。一連の画像処理により得られたX線画像を用いて、患者へのInformed-consent(説明と同意)を行う(S114)にあたり、説明方法を選択する(S115)。選択肢には(1)モニターに表示する、(2)プリンターにて印刷したものを使用する(S116)がある。もちろん、患者へのInformed-consent(説明と同意)方法の選択肢は、請求項1記載のX線画像処理システムを実現するために支障が認められなければ(1)モニターに表示する、(2)プリンターにて印刷したものを使用する、以上の選択肢に限定されるものではない。全ての処理が終了した段階で、X線画像処理システムを終了させる(S117)。
本実施例は、X線画像処理システムの各処理での工程およびその効果に関するものである。図2は、請求項5記載のX線画像処理システムを利用した再検査の場合の作業の流れを示す。まず、コンピュータを立ち上げて(S201)、X線画像処理システムを起動させる(S202)。画像処理を実施する前に、画面上の必要事項入力欄に被検者の個人データを入力する(S203)。入力データと被検者の被検査履歴とが照合される(S204)。その結果より再検査である(S205)と認められた場合には、以前に画像処理が行われたX線画像データ及びカルテ内容が表示される(S206)。再検査の場合、以前に画像処理が行われたX線画像データ及びカルテ内容を確認し、また再検査ではなかった場合も画像処理を開始する
(S207)。一連の画像処理を終了する (S208)。画像処理が施された画像データが保存される(S209)。X線画像処理システムを終了させる(S210)。
検索項目としてはカルテ番号、氏名、電話番号、保健種別などを用いる。列挙した項目はあくまで例示であり、検索項目の範囲をそれらのみに限定するものではない。
図3は、実施例1においてデジタルカメラにて取込みを実施したX線画像の全体図である。
図4(a) は、実施例1においてデジタルカメラにてX線画像の取込みを実施した図、図4(b)は、実施例1においてスキャナーにてX線画像の取込みを実施した図である。図4(a)、(b)共にこの状態では、画像所見から骨折(線)の診断は困難である。その根拠として、初診およびSecond
opinionにおいてもSalter-Harrisの分類2型の診断に至らなかったことが挙げられる。
図5(a)は、実施例1においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図、図5(b)は、実施例1においてスキャナーにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図である。コントラスト処理により、臨床所見において患者が限局性圧痛を訴えた部分に骨折(線)らしき像(20)を確認できる。
図6(a)は、実施例1においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図、図6(b)は、実施例1においてスキャナーにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図である。エンボス(隆起)及び光照射処理を施したことにより、臨床所見において患者が限局性圧痛を訴えた部分に骨折(線)像(21)を明確に確認できる。
図7は、形状による転位の分類を示した図である。骨折により骨折端は互いにずれたり曲がったりする。この骨の位置が変わる事を転位といい、この転位によって外見上の変形が表れる。骨折は「骨組織の連続性が完全あるいは部分的に離断された状態」と定義される。すなわち微細ながらも必ず骨折部位は転位していると考えられる。X線画像処理システムではこの転位に着眼し、肉眼では確認できない様な微細な転位でも立体化(隆起)させ、さらに光を照射し影を作る事で骨折(骨折線)部位を浮き上がらせて確認できる。
図8は、骨端核の発生と閉鎖を示した図である。骨端は大部分が軟骨によって占められているが、成長による軟骨内骨化の伸展に伴ってこの部分には骨端骨化核が出現し、漸次増大していき、ついには骨幹端との間に癒合をみる。実施例1における患者は右足関節の図中の14脛骨遠位骨端核を損傷している。
図9は、骨端軟骨板損傷の分類(Salter-harrisの分類)を示した図である(なお、図9ではローマ数字を使用しているが、本文中では算用数字を使用するものとし、それぞれが対応している)。
type1:骨端軟骨板の完全な分離(separation)で、骨端部や骨幹部の骨折を伴わない。幼小児に発生しやすく、治癒すれば成長障害は残さない。
Type2:最も頻度が高い型で、骨端軟骨板の分離に骨幹部の三角骨片を伴う。年長時に発生することが多く、整復は容易で成長障害を起こすことは少ない。
Type3:Type2とは逆に骨端軟骨板の分離に骨端の骨片を伴い、関節内に骨折線が及ぶ稀な損傷。関節面の整復を性格に行えば骨端軟骨板の良好な整復位がえられ、成長障害を起こすことは稀である。
Type4:関節面から骨端軟骨板を超えて骨幹端部にいたる縦に走る骨折。上腕骨外顆骨折に多く、成長障害を起こしやすい。観血的に関節面と骨端線を正確に整復し固定する。完全な整復がえられない場合は予後不良である。
Type5:長軸方向の外力によって骨端軟骨板が圧挫された型の損傷。膝関節・足関節に起こりやすい。転位を起こさないため診断が困難である。圧挫された骨端軟骨板は早期に閉鎖し、成長障害や変形が生じる。最も予後は不良である。
図10(a)は、エンボス(隆起)及び光照射処理の理論を示す説明図、図10(b) は、光照射処理の理論を示す説明図である。図10(a)のエンボス(隆起)及び光照射処理の理論を示す説明図において、図a-1は、X線画像を模式的に表したものである。色の濃さはX線画像を構成している黒化度の変化(濃度差)を表している。図a-2は、未処理のX線画像にエンボス(隆起)処理を施したところを模式化している。これは、横幅のみだった図a-1をエンボス(隆起)化することで高さが加わり、1次元から2次元へと変換されたことを表している。図a-3は、さらに図a-2に光照射処理を施すことで影が加わり、横幅、高さに奥行が加わった。これにより図a-3は3次元化される。図10(b)の光照射処理の理論を示す説明図は、骨折(線)の診断方法および転位の判断基準を模式的に表している。まず、図b-1のようにAとBの間に骨折(線)
が有り、さらにAがBに対して上方へ転位をしている場合は、左方向からの光照射処理により、A、B間に境界線を認め、BにAの影が表れる。これにより、A、B間の骨折(線)の存在および、A、Bの位置関係を把握できる。また、図b-2のようにAとBの間に骨折(線)が有り、さらにAがBに対して下方へ転位をしている場合は、左方向からの光照射処理により、A、B間に境界線を認めるがBにAの影は表れない。これにより、A、B間の骨折(線)の存在および、A、Bの位置関係を把握できる。図b-3のようにAに骨折(線)が無い場合は、左方向からの光照射処理を行っても境界線も影も表れない。これによりAに骨折(線)は無いと診断できる。
[実施例1における臨床資料]
患 者:11歳 男児
原 因:平成15年8月29日午後5時頃。公園にて遊んでおり、遊具(タイヤ)より転倒し右下腿部(脛骨)下部を負傷する。その他詳細については、患者本人が記憶しておらず記載不可。
負傷日:平成15年8月29日
開始日:平成15年8月29日。施術日数18日。
傷病名:近医にて右足関節打撲と診断を受ける(平成15年8月29日)。しかし、臨床所見より骨折を疑いSecond
opinionを実施(平成15年9月1日)。担当医師より右足関節骨端線離開(Salter-Harris1型疑)と診断される。また、右下腿部(脛骨)下部内側に臨床所見より骨折を疑うも明確な画像所見を得られず。
所 見:右脛骨内側縁に圧痛(+)、腫脹(+)、介達痛(+)、発熱(37.5℃)を認める。受傷後は疼痛が著しいため、患肢踵部をついての歩行が不能となる。健側での片脚跳び歩行を呈する。
単純X線画像所見:近医にて画像所見は見当たらず足関節打撲と診断される(平成15年8月29日)。Second
opinionにて骨端線部に若干の離開を認めると診断(Salter-Harris1型疑)される(平成15年9月1日)。また、右下腿部(脛骨)下部内側に臨床所見より骨折を疑うも明確な画像所見を得られず。
経 過:
平成15年8月29日(以下平成15年省略)・・方公園にて遊んでいたところ、遊具(タイヤ)より転落し右下腿部(脛骨)下部を負傷する。右足関節の内、外果に疼痛はなく捻挫ではないと思われる。圧痛は脛骨内側縁にあり脛骨骨折を疑う。体温は37.5℃(発熱)有り、介達痛も軽度に認められるが近医より足関節打撲と診断される。
8月30日・・内外果周囲径 R(患側)22.4cm/L(健側)21.5cm
8月30日・・受傷部位 R(患側)18.5cm/L(健側)18.5cm
8月30日・・介達痛(+)。体温は37.1℃を呈する。
9月1日・・右下腿部の熱感は軽減をみる。体温も平温となる。再度、脛骨骨折を疑うためSecond
opinionを実施。骨端線離開(Salter-Harris1型)と医師より診断を受ける。
9月3日・・骨幹端の圧痛も軽減したため、シーネ固定による歩行を許可。
9月5日・・シーネ固定を施した状態では、歩行は問題なく可能であるとの事。
9月10日・・予後良好なためシーネ固定を除去し、歩行のみ許可(跳躍、走行、正坐は禁止する)。
9月11日・・シーネ固定を除去したために運動量が増え熱感を認める。よって再固定。
9月13日・・足関節痛は良好だが跳躍動作により疼痛の出現をみる。
9月16日・・足関節の疼痛軽減をみるため、シーネ固定を除去する。
9月17日・・右下腿部(脛骨)下部骨幹端の圧痛が残存しているため、アイシングの回数を増やすように指導。
9月18日・・右下腿部の介達痛および歩行時痛等は認められないが、患側と健側では内、外果周囲径に1cmの差を認めるため、現段階では歩行のみ許可する。
9月26日・・骨端線離開部の介達痛および叩打痛は確認されないが、右脛骨内側縁に圧痛の残存を認める。
9月29日・・昨日、運動会でリレー競技に出場したとの事。走行時に軽度の疼痛を認める。受傷後1ヶ月経過するも疼痛残存。
なお、カルテの一部使用にあたり、個人情報保護法の観点から患者本人より使用及び掲載の許可を得ている。
実施例1における症例では、一般的にSalter-Harrisの分類1型の場合は、骨折線は認めず損傷部位は骨端線部分の離開のみであるが、
本症例は右下腿部(脛骨)下部内側の骨折を含んでおり分類2型であったと考えられる。当初に本システムを施していれば、図6に示すように骨折部が明瞭に確認でき、Salter-harrisの分類2型の診断が可能であったと考えられる。実施例1の患者は当初、足関節打撲や骨端線離開Salter-Harrisの分類1型疑であると診断を受けるも、X線画像処理システムによりSalter-Harrisの分類2型であると診断される。ここに画像所見と臨床所見との不一致を見出す。このように画像所見と臨床所見の不一致は、本発明により改善することが可能である。
骨端(成長)軟骨板損傷 (epiphyseal growthplate injury)。骨端軟骨板(epiphyseal
growthplate)は骨の長軸成長をつかさどる重要な軟骨組織である。骨端軟骨板において損傷される部位は、力学的に最も弱い肥大細胞層や石灰軟骨層であることが多い。その損傷は程度によって種々の程度に成長障害や変形の原因になる。分類はSalter-Harrisの分類が最も広く用いられていて使いやすい。治療上の注意としては、小児の骨の成長をつかさどる骨端軟骨板の損傷は、その型と治療の良否によって著しい成長障害や進行型の変形を起こすことがあるので、注意深く診断し正確な整復と経過観察を行わなければならない。骨端軟骨板の部分的な早期閉鎖によって変形が発生し始めた場合には、できるだけ早期に、閉鎖した部分の骨性の架橋を切断して脂肪や軟骨を移植しておく必要性がある(Langenskield手術)。不幸にして変形が完成した場合には、矯正骨切り術によって、隣接関節のアライメントを整えないとやがて変形性関節症の発生は免れない。
本発明の実施例2を、図11〜図15を用いて説明する。
図11は、実施例2においてデジタルカメラにて取込みを実施したX線画像の全体図である。図12(a)は、実施例2においてデジタルカメラにてX線画像の取込みを実施した図、図12(b)は、実施例2においてスキャナーにてX線画像の取込みを実施した図である。図13(a)は、実施例2においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図、図13(b)は、実施例2においてスキャナーにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図である。図14(a)は、実施例2においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図、図14(b)は、実施例2においてスキャナーにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図である。図15は、舟状骨骨折の分類を示した図である。
図11は、実施例2においてデジタルカメラにて取込みを実施したX線画像の全体図である。
図12(a)は、実施例2においてデジタルカメラにてX線画像の取込みを実施した図、図12(b)は、実施例2においてスキャナーにてX線画像の取込みを実施した図である。処理前の画像所見より既に、舟状骨結節部の遠位1/3部に骨折(線)(22)を認める。
図13(a)は、実施例2においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図、図13(b)は、実施例2においてスキャナーにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図である。コントラスト処理を施したことで、より明確に骨折(線)(22)を確認できる。
図14(a)は、実施例2においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図、図14(b)は、実施例2においてスキャナーにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図である。エンボス(隆起)および光照射処理を施したことで、さらに明確に骨折(線)(23)を確認できる。ここで注目すべきは、本システムにより画像処理を施した画像からの画像所見と、未処理のX線画像からの画像所見が一致するところに有る。これは、本システム骨折(線)の診断精度を裏付けるもので有り、骨折の診断においてその効果を示すものである。
図15は、舟状骨骨折の分類を示した図である。実施例2は、遠位1/3部に骨折を認める。
[実施例2における臨床資料]
患者:39歳 男性
原因:平成16年5月23日。スケートボードをしていて左側にて転倒し、左手を衝き負傷する。
負傷日:平成16年5月23日
開始日:平成16年5月24日。施術日数38日。
傷病名:左手手根骨骨折(舟状骨骨折)
所見:負傷日の翌日に左手首の疼痛を訴え来院する。左手関節周辺の腫脹および熱感を認め、体温も37.0℃(平熱は36.5℃)あり、スナッフボックスに圧痛(++)を認める。負傷日当日は左手関節の動きも可能で痛いながらも荷物の持ち運びも行い、アルコールも摂取したとのこと。本日(初診日:平成16年5月24日)、近医整形外科にて左手手根骨骨折(舟状骨骨折)と診断を受ける。
経過:
平成16年5月24日(以下平成16年省略)・・負傷日の翌日に左手首の疼痛を訴え来院する。左手関節周辺の腫脹および熱感を認め、体温も37.0℃(平熱は36.5℃)あり、スナッフボックスに圧痛(++)を認める。負傷日当日は左手関節の動きも可能で痛いながらも荷物の持ち運びも行い、アルコールも摂取したとのこと。本日(初診日:平成16年5月24日)、近医整形外科にて左手手根骨骨折(舟状骨骨折)と診断を受ける。
5月25日・・左前腕尺側の自発痛(++)
5月26日・・本日は自発痛も治まり、就寝できたとのこと。
5月28日・・綿花をあてて徐圧を行い、その後、水硬化性キャスト材にて背側副子を施行する。
5月29日・・装具着用も問題なく内圧の低下をみる。
5月31日・・指立て運動を行った際に、3回目より脱力感を訴える。
6月4日・・手指の腫脹は残存。
6月7日・・近医整形外科にてX線検査を行ったところ、化骨が出ており偽関節の心配はもうないと診断を受ける。
6月9日・・手指の長時間の運動に伴い、母指外転筋の腱鞘炎様の症状を呈するもアイシングにより症状の消失をみる。
6月12日・・骨折部の限局性圧痛は残存。
6月19日・・手指の腫脹は軽度認められる。
6月23日・・後方へ転倒する。その際に左手を衝くが疼痛の出現は認めない。
6月24日・・骨折部の症状はほとんど消失をみるも、握力の弱化を認める。
R(健側)・・(1)38.0kg(2)36.5kg
L(患側)・・(1)24.0kg (2)16.5kg
6月30日・・握力の向上を認める。
R(健側)・・(1)37.5kg (2)41.0kg
L(患側)・・(1)29.5kg (2)30.0kg
7月10日・・症状は良好。
7月16日・・症状は良好なるも、握力の完全回復には至らず。
8月9日・・握力も概ねの回復を認め、症状も良好なため本日をもって治癒とする。
R(健側)・・(1)43.0kg (2)41.0kg
L(患側)・・(1)37.0kg (2)38.0kg
なお、カルテの一部使用にあたり、個人情報保護法の観点から患者本人より使用及び掲載の許可を得ている。
実施例2における症例は、典型的な手根骨における舟状骨骨折である。本症例は一般的な舟状骨骨折よりも経過が良く、後遺症も併発しなかった。画像診断においても単純X線検査にて骨折の診断が得られた。この場合、臨床所見と、画像所見は一致しており治療方針の選択においても良好であったといえる。ここで注目すべきは、本システムにより画像処理を施した画像からの画像所見と、臨床所見及び未処理のX線画像からの画像所見とが、舟状骨骨折の診断において全てが一致するところに有る。これは、本システムにおける骨折(線)の画像診断精度を裏付けるもので有り、骨折の診断においてその効果を示すものである。
舟状骨骨折(fracture of the carpal scaphoid)。手掌を強くついたときに本骨折を生ずるが、見逃されて単に捻挫や打撲として処置される場合が多い。それは受傷直後の2方向X線写真では骨折線の発見が難しいことがあるからである。捻挫や打撲で疼痛が長く続く場合は再度X線斜位像を撮影して本骨折の有無を確認する必要がある。舟状骨への血行が遠位部及び中央部から供給され、近位部からは供給されていない場合がある。そのため骨折の治癒が遅れたり、近位骨片が壊死に陥る可能性がある。治療としては、一般に骨癒合に6〜12週を要する。骨癒合が遷延したり、近位骨片の無腐性壊死が疑われる場合は骨移植術を行う。
本発明の実施例3を、図16〜図31を用いて説明する。
図16(a)は症例1の未処理画像:初診を示す図、図16(b)は症例1の未処理画像:2週間を示す図、図16(c)は症例1の未処理画像:3週間を示す図である。図17(a)は症例1の処理画像:初診を示す図、図17(b)は症例1の処理画像:2週間を示す図、図17(c)は症例1の処理画像:3週間を示す図である。図18(a)は症例2の未処理画像:初診を示す図、図18(b)は症例2の未処理画像:2週間を示す図、図18(c)は症例2の未処理画像:3週間を示す図である。図19(a)は症例2の処理画像:初診を示す図、図19(b)は症例2の処理画像:2週間を示す図、図19(c)は症例2の処理画像:3週間を示す図である。図20は症例3の未処理画像:初診を示す図である。図21は症例3の処理画像:初診を示す図である。図22(a)は症例4の未処理画像:R(健側)を示す図、図22(b)は症例4の未処理画像:L(患側)を示す図である。図23(a)は症例4の処理画像:R(健側)を示す図、図23(b)は症例4の処理画像:L(患側)を示す図である。図24は症例5の未処理画像:立位正面Lを示す図である。図25は症例5の処理画像:立位正面Lを示す図である。図26(a)は症例6の未処理画像:R(健側)正面像を示す図、図26(b)は症例6の未処理画像:L(患側)正面像を示す図である。図27(a)は症例6の処理画像:R(健側)正面像を示す図、図27(b)は症例6の処理画像:L(患側)正面像を示す図である。図28(a)は症例6の未処理画像:R(健側)Lauenstein像を示す図、図28(b)は症例6の未処理画像:L(患側)Lauenstein像を示す図である。図29(a)は症例6の処理画像:R(健側)Lauenstein像を示す図、図29(b)は症例6の処理画像:L(患側)Lauenstein像を示す図である。図30は症例6の未処理画像:L(患側)軸位像を示す図である。図31は症例6の処理画像:L(患側)軸位像を示す図である。
[症例1]
患者:49歳 男性
機序:階段より転落し右腓骨頭を負傷する。
負傷日:平成17年1月24日
開始日:平成17年1月25日(施術日数27日)
傷病名:右腓骨小頭骨折
所見:負傷日の翌日に右腓骨小頭骨部の疼痛を訴え来院する。腫脹及び健側との周囲径差、内出血斑は認めないが、歩行時痛及び自発痛を認め、同部位への圧痛及び叩打痛が著明な為、臨床所見より骨折を疑い、近医整形外科(平成17年1月25日)に精査を依頼する。同院にて右腓骨小頭骨折と診断を受ける。
単純X線画像所見:右腓骨小頭部に骨折を認める。
本症例は骨折の診断に至るに臨床所見から骨折を疑った事例である。受傷機序については受傷時に酩酊状態にあった為、患者本人が記憶しておらず、恐らくは階段より転落の際に打撲したものと考えられる。臨床所見より骨折を疑い近医整形外科に精査を依頼し、骨折が判明した。本システムによる画像処理を加えなくても腓骨小頭部分に骨折(25)を認め(図16(a)〜(c))、転位はなかったため固定を施し、予後は良好であった。本システムにより画像処理を施した画像(図17(a)〜(c))からも未処理画像と同部位に骨折(26)を認める画像所見がえられた。
[症例2]
患者:39歳 男性
機序:スケートボードをしていて左側にて転倒し、左手を衝き負傷する。
負傷日:平成16年5月23日
開始日:平成16年5月24日(施術日数38日)
傷病名:左手根骨骨折(舟状骨骨折)
所見:負傷日の翌日に左手首の疼痛を訴え来院する。同部位の腫脹及び熱感を認め、体温も37.0℃(平熱は36.5℃)あり、スナッフボックスに圧痛を著明に認める。負傷日当日は左手関節のROM制限も無く、疼痛は認めるものの荷物の持ち運びも行い、アルコールも摂取したとのこと。臨床所見より舟状骨骨折を疑い、近医整形外科(平成16年5月24日)
に精査を依頼する。同院にて左手根骨骨折(舟状骨骨折)と診断を受ける。
単純X線画像所見:左手舟状骨の体部に骨折を認める。
本症例は骨折の診断に至るに臨床所見から骨折を疑った事例である。本症例は、典型的な手根骨における舟状骨骨折であり単純X線検査にても骨折の判断が得られた。本症例の場合、臨床所見と、画像所見は一致しており治療方針の選択においても良好であったといえる。ここで注目すべきは、本システムにより画像処理を施した画像(図19(a)〜(c))から得られた画像所見と、臨床所見及び未処理のX線画像(図18(a)〜(c))から得られる画像所見が、舟状骨骨折(27)(28)の診断において一致するところに有る。これは、本システムの精度を裏付けるもので有り、骨折の診断においてその効果を示すものである。
[症例3]
患者:11歳 男児
機序:午後5時頃、公園にて遊んでおり、遊具(タイヤ)より転倒し右下腿部(脛骨)下部内側を負傷する。
負傷日:平成15年8月29日
開始日:平成15年8月29日(施術日数18日)
傷病名:右足関節骨端線離開(Salter-Harris2型)
所見:右脛骨内側縁に圧痛、腫脹、介達痛、発熱(37.5℃)を認める。受傷後は疼痛が著しいため、患肢踵部をついての歩行が不能となり、健側での片脚跳び歩行を呈する。受傷直後、近医整形外科を対診し、右足関節打撲と診断を受ける(平成15年8月29日)。しかし当院来院後、臨床所見より骨折を疑いsecond
opinionを実施(平成15年9月1日)。担当医師より右足関節骨端線離開(Salter-Harris1型疑)と診断される。また、右下腿部(脛骨)下部内側に臨床所見より骨折を疑うも明確な画像所見を得られず。
単純X線画像所見:右下腿部(脛骨)下部内側に臨床所見より骨折を疑うも明確な画像所見を得られなかった。
本症例は骨折の判断に至るに臨床所見及び画像所見からも骨折を疑わなかった事例である。本症例において当初は、臨床所見より骨折を疑うも、画像所見より骨折は認められず(図20)、打撲と診断された。しかし、本システムにより骨折(30)が認められた(図21)。ここに、画像所見と臨床所見との不一致を見出す。この不一致は本発明の単純X線画像処理法により改善された。
[症例4]
本症例は変形性股関節症の初期である(R:健側、L:患側)。図22(a)(b)、図23(a)(b)に示すように、処理を加えたことによって、より鮮明に関節裂隙の狭小化(32)、骨の硬化像(33)、嚢腫形成(34)を認める。
変形性股関節症(osteoarthritis of the hip)。原疾患が明らかでない一次性股関節症と、何らかの疾患に続発する二次性股関節症に分類できる。股関節痛や運動制限、歩行障害を訴える。股関節痛は歩行や運動にて増悪し、安静で軽快する。しかし、進行性のものは安静時痛や夜間痛を訴える。診断は問診(臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼などの既往)に留意し、臨床所見と画像所見にて容易に行える。単純X線検査では、関節の適合不全、関節裂隙の狭小化、骨の硬化像、嚢腫形成、骨棘形成などの所見を認め、単純X線検査によって前股関節症、初期股関節症、進行期股関節症、末期股関節症の4つに分類される。さらに詳細な情報を得るには一般的にX線CTやMRIなどの検査が必要となる。
[症例5]
本症例は変形性膝関節症である(立位L:患側)。図24、図25に示すように、処理を加えたことによって、より鮮明に内顆部に関節裂隙の狭小化(35)、骨の硬化像(36)、骨棘の形成(37)、顆部の変形(38)などを認める。
変形性膝関節症(osteoarthritis of the knee)。関節軟骨の老化や磨耗によって起こる軟骨と骨の進行性の変性疾患。原因は一次性と二次性に分けられ、代謝性疾患や先天的異常などの明確な原因があるものは二次性である。体重がかかる荷重関節(膝関節・股関節・足関節・脊椎)は、体重がかからない非荷重関節(肩関節・肘関節・手関節)に比べ、変形性関節症の発生を多く認める。一般的に診断は単純X線検査にて確定される。単純X線検査による画像所見としては、関節裂隙の狭小化、骨棘形成、硬化像、顆部の変形、関節面の欠損、嚢包の形成、内反膝(O脚の状態)などを認める。
[症例6]
本症例は大腿骨頭壊死症の初期である(R:健側、L:患側)。図26(a)(b)、図27(a)(b)、図28(a)(b)、図29(a)(b)、図30、図31に示すように、処理を加えたことによって、特に図27(b)より明確に大腿骨頭壊死症に特徴的なMR画像に見られるband
pattern部位に明らかな変性、関節裂隙の狭小化(40)、骨頭部に軽度の圧壊(41)及び壊死巣(42)を認める。
大腿骨頭壊死症(avascular necrosis of the femoral
head:ANF)。大腿骨の骨頭が何らかの原因によって血行障害を起こし骨頭の骨組織が壊死を起こす疾患。外傷、潜函病など壊死の原因が明らかな症候性大腿骨頭壊死症と、明らかな原因のない特発性大腿骨頭壊死症に分類される。原因としては外傷後(股関節脱臼、大腿骨頚部骨折など)やPerthes病、潜函病、放射線照射、ステロイド剤の内服、アルコールの多量摂取などによって発生することもあるが、多くは原因が特定できず不明。
診断は単純X線検査でなされ、4つの病期に分類される。
第1期:単純X線検査で異常を認めない時期
第2期:骨頭の壊死が軽度で、帯状な骨硬化像を認める時期
第3期:骨頭の壊死の範囲が進行し、骨頭の圧潰像を認めるも、関節裂隙は保たれている時期
第4期:臼蓋まで壊れ、関節裂隙が狭小化し、変形性股関節症の様な状態を呈する時期
これらの分類は、診断後の治療選択の良い指標となる。診断は単純X線検査にて比較的容易である。しかし、早期の症例(第1期)では単純X線検査では異常所見を認めないため、骨シンチグラフィーやMRIなどが必要とされている。
本実施例では、上記の[症例1]〜[症例6]について、本発明に係る各処理の具体的な設定値を示す。画像処理に際しては、Adobe社製の画像処理ソフトPhotoDeluxe(商品名)を用いた。
上記の[症例1]〜[症例6]において、それぞれ本発明に係る画像処理を施した際の、コントラスト処理の詳細値をまとめると、以下の表1のようになる。
上記の[症例1]〜[症例6]において、それぞれ本発明に係る画像処理を施した際の、エンボス処理及び光照射処理の詳細値をまとめると、以下の表2のようになる。
上記の[症例3]においては、本発明に係るコントラスト処理、及びエンボス処理に替えて、浅浮き彫り処理を行ったが、その詳細値をまとめると、以下の表3のようになる。
浅浮彫り処理とは、X線画像の陰影差を使い、画像に浮彫りをした様な立体感を与えるものであり、図20、図21に示すように、このような処理によっても、顕著な効果を期待することができる。このことは、エンボス処理及び光照射処理によって、骨折等を疑う部位に影や境界線を形成し、この影や境界線の付き方をもって骨折等の正確な診断を可能とすることの適確性を、理論的に裏付けるものであると考えられる。
なお、[症例3]の脛骨下端部骨端線離開にのみこの処理を施している理由は、このケースにおいて、浅浮き彫り処理の効果を著しく認めることができるためである。
本発明によれば、X線画像で不鮮明な骨折(線)の有無がより鮮明になり、基礎的な医学知識を有する医療従事者であれば誰でも骨折の有無が判別可能となるため、産業上において非常に有益であり、多大の利用可能性を有する。
X線画像処理システムを利用した場合の作業の流れを示すフロー図である。 X線画像処理システムを利用した再検査の場合の作業の流れを示すフロー図である。 実施例1においてデジタルカメラにて取込みを実施したX線画像の全体図である。 (a)実施例1においてデジタルカメラにてX線画像の取込みを実施した図である。(b)実施例1においてスキャナーにてX線画像の取込みを実施した図である。 (a)実施例1においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図である。(b)実施例1においてスキャナーにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図である。 (a)実施例1においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図である。(b)実施例1においてスキャナーにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図である。 形状による転位の分類を示した図である。 骨端核の発生と閉鎖を示した図である。 骨端軟骨板損傷の分類(Salter-harrisの分類)を示した図である。 (a)エンボス(隆起)及び光照射処理の理論を示す説明図である。(b)光照射処理の理論を示す説明図である。 実施例2においてデジタルカメラにて取込みを実施したX線画像の全体図である。 (a)実施例2においてデジタルカメラにてX線画像の取込みを実施した図である。(b)実施例2においてスキャナーにてX線画像の取込みを実施した図である。 (a)実施例2においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図である。(b)実施例2においてスキャナーにて取込みを実施した画像にコントラスト処理を施した図である。 (a)実施例2においてデジタルカメラにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図である。(b)実施例2においてスキャナーにて取込みを実施した画像にエンボス(隆起)及び光照射処理を施した図である。 舟状骨骨折の分類を示した図である。 (a)実施例3において症例1の未処理画像:初診を示す図である。(b)実施例3において症例1の未処理画像:2週間を示す図である。(c)実施例3において症例1の未処理画像:3週間を示す図である。 (a)実施例3において症例1の処理画像:初診を示す図である。(b)実施例3において症例1の処理画像:2週間を示す図である。(c)実施例3において症例1の処理画像:3週間を示す図である。 (a)実施例3において症例2の未処理画像:初診を示す図である。(b)実施例3において症例2の未処理画像:2週間を示す図である。(c)実施例3において症例2の未処理画像:3週間を示す図である。 (a)実施例3において症例2の処理画像:初診を示す図である。(b)実施例3において症例2の処理画像:2週間を示す図である。(c)実施例3において症例2の処理画像:3週間を示す図である。 実施例3において症例3の未処理画像:初診を示す図である。 実施例3において症例3の処理画像:初診を示す図である。 (a)実施例3において症例4の未処理画像:R(健側)を示す図である。(b)実施例3において症例4の未処理画像:L(患側)を示す図である。 (a)実施例3において症例4の処理画像:R(健側)を示す図である。(b)実施例3において症例4の処理画像:L(患側)を示す図である。 実施例3において症例5の未処理画像:立位正面Lを示す図である。 実施例3において症例5の処理画像:立位正面Lを示す図である。 (a)実施例3において症例6の未処理画像:R(健側)正面像を示す図である。(b)実施例3において症例6の未処理画像:L(患側)正面像を示す図である。 (a)実施例3において症例6の処理画像:R(健側)正面像を示す図である。(b)実施例3において症例6の処理画像:L(患側)正面像を示す図である。 (a)実施例3において症例6の未処理画像:R(健側)Lauenstein像を示す図である。(b)実施例3において症例6の未処理画像:L(患側)Lauenstein像を示す図である。 (a)実施例3において症例6の処理画像:R(健側)Lauenstein像を示す図である。(b)実施例3において症例6の処理画像:L(患側)Lauenstein像を示す図である。 実施例3において症例6の未処理画像:L(患側)軸位像を示す図である。 実施例3において症例6の処理画像:L(患側)軸位像を示す図である。
符号の説明
20、21 骨折(線)
22、23 骨折(線)
25、26 骨折(線)
27、28 骨折(線)
30 骨折(線)
32 関節裂隙の狭小化
33 骨の硬化像
34 嚢腫形成
35 関節裂隙の狭小化
36 骨の硬化像
37 骨棘の形成
38 顆部の変形
40 関節裂隙の狭小化
41 圧壊
42 壊死巣

Claims (7)

  1. 整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断する単純X線画像の処理のためのシステムであって、
    単純X線画像をコンピュータに取込む手段と、
    コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施す手段と、
    コントラスト処理を施したX線画像にエンボス(隆起)処理を施す手段と、
    エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を施す手段と、
    一連の画像処理により得られたX線画像を保存及び管理する手段と、
    一連の処理により得られたX線画像をコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリンターにて印刷する手段とを備えたことを特徴とするX線画像処理システム。
  2. 整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断する単純X線画像の処理のためのシステムであって、
    単純X線画像をコンピュータに取込む手段と、
    コンピュータに取込んだX線画像にエンボス(隆起)処理を施す手段と、
    エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を施す手段と、
    一連の画像処理により得られたX線画像を保存及び管理する手段と、
    一連の処理により得られたX線画像をコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリンターにて印刷する手段とを備えたことを特徴とするX線画像処理システム。
  3. 前記単純X線画像をコンピュータに取込む手段は、
    シャウカステンを用いてX線画像をデジタルカメラにて撮影する手段、
    スキャナーでX線画像を取り込む手段、
    CR(Computed Radiography)との一体化によりX線画像を直接コンピュータへ送る手段のいずれか1であることを特徴とする請求項1又は2記載のX線画像処理システム。
  4. 整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断する単純X線画像の処理のための方法であって、
    撮影した単純X線画像をコンピュータに取込むステップと、
    コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施すステップ及び/又は、X線画像にエンボス(隆起)処理を施すステップと、
    エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行うステップと、
    一連の画像処理により得られたX線画像を保存、管理するステップを備えたX線画像処理方法。
  5. 被検者の検査記録を入力する入力手段と、
    該検査記録を個人ごとに検査履歴として保存する保存手段と、システム起動時に入力した検査記録と該検査記録を照合し、当該検査が再検査か否かを判断する判断手段を備え、
    再検査であれば前回の検査結果が自動的に選択され表示可能としたことを特徴とする請求項1又は2記載のX線画像処理システム。
  6. コンピュータにより実行可能なX線画像処理プログラムであって、コンピュータを、整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断する単純X線画像をコンピュータに取込む手段と、コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施す手段及び/又は、エンボス(隆起)処理を施す手段と、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行う手段と、一連の画像処理により得られたX線画像を保存及び管理する手段と、一連の処理により得られたX線画像をコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリンターにて印刷する手段として機能させることを特徴とするX線画像処理プログラム。
  7. コンピュータにより実行可能なX線画像処理プログラムであって、整形外科領域の疾患及び口腔外科領域の疾患である顎の骨折、歯牙の破折を診断する単純X線画像をコンピュータに取込む手段と、コンピュータに取込んだX線画像にコントラスト処理を施す手段及び/又は、エンボス(隆起)処理を施す手段と、エンボス(隆起)化されたX線画像に光照射処理を行う手段と、一連の画像処理により得られたX線画像を保存及び管理する手段と、一連の処理により得られたX線画像をコンピュータのモニターに表示及び/又は、プリンターにて印刷する手段と、配信先の配信要求に応じて配信する配信手段として機能させることを特徴とするX線画像処理プログラムを配信する配信サーバ装置。
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