JP3848026B2 - Liquid jet head unit - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出口から液滴を吐出してプリント媒体にプリントを行う液体噴射ヘッドを備える液体噴射ヘッドユニット、その液体噴射ヘッドユニットが搭載されるキャリッジ、およびそれらが搭載されるプリント装置に関する。また、本発明は、その液体噴射ヘッドユニットの位置決め方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプリント装置では、吐出口からインクを吐出してプリント媒体にプリントを行う液体噴射ヘッドと、その液体噴射プリントヘッドに供給されるインクを収容するインクタンクとが一体に、あるいはそれぞれ独立して構成された液体噴射ヘッドユニットが用いられている。液体噴射プリント装置には、プリント媒体の搬送方向に対してほぼ直交する方向に往復移動されるキャリッジが備えられており、液体噴射ヘッドユニットはこのキャリッジに搭載される。
【0003】
液体噴射ヘッドとしては、電気熱変換体等によって発生される熱エネルギーを利用して微小液滴を吐出させるものや、一対の電極を設けて液滴を偏向して吐出させるもの等が知られている。これらの中でも、熱エネルギーを利用してインク液滴を吐出するインクジェットプリントヘッドは、プリント用の液滴を吐出して飛翔用液滴を形成するための液体吐出部(吐出口)を高密度に配列することができるために、高解像度のプリントが可能である他、全体的に装置のコンパクト化を容易に図ることができる等の利点があり、すでに実用化されている。
【0004】
上記のインクジェットプリントヘッドは、液体を吐出する複数の吐出口(オリフィス)、各吐出口と連通する複数の液流路および各液流路に対応して配置された電気熱変換素子等の複数のエネルギー変換素子を備え、それらエネルギー変換素子から吐出エネルギー(例えば、液体に膜沸騰を生じせしめるための熱エネルギー)が液体に付与されることによって、吐出口から液体が液滴として吐出されてプリントが行われる。このインクジェットプリントヘッドの一般的な構成を図73を参照して以下に説明する。
【0005】
図73に示すように、インクジェットプリントヘッドは、インクを吐出するためのエネルギー発生体である発熱素子1001aを備えた素子基板1001と、この素子基板1001上に接合された天板1002と、これら素子基板1001および天板1002の前端面に接合されたオリフィスプレート1010とを有する。
【0006】
素子基板1001は、アルミ等の支持体1004上にダイボンディングにより固定されている。支持体1004上には、素子基板1001の他にプリント装置本体とのコンタクトを行うためのプリント配線基板1003が接着されており、このプリント配線基板1003と素子基板1001とがワイヤボンディングによって電気的に接続されている。図には示されていないが、プリント配線基板1003には、プリント装置本体とのコンタクトを行なうためのコンタクトパッドが形成されている。素子基板1001上には発熱素子1001aの他に駆動用シフトレジスター及び配線パターンが設けられている。これらシフトレジスター及び配線パターンは、発熱素子1001aとともにシリコン形成技術によりあらかじめ素子基板1001に作り込むことができる。
【0007】
天板1002は、インク流路1002aとなる凹部およびインク液室1002bとなる凹部が射出成形等によって一体に形成された樹脂、あるいは異方性エッチング等によって形成されたシリコン系の材料で構成される。この天板1002が素子基板1001にバネ等の押圧手段(不図示)あるいは接着剤等の接合手段(不図示)によって固定されることで、天板1002の各凹部が間仕切りされ、各発熱素子1001aに対応した複数のインク流路1002aおよび各液流路7に液体を供給するインク液室1002bが形成される。
【0008】
オリフィスプレート1010は、インクを吐出するための微細なインク吐出口群1010aを有しており、レーザー加工、電鋳、プレス加工、射出成形等による超微細加工によって形成される。この吐出口群1010aは、液体噴射プリントヘッドの吐出性能を左右する重要な要素となる。このオリフィスプレート1010は、天板1002と一体的に形成される場合と、天板1002が別部材で形成されて接合される場合とがある。後者は、素子基板1001と天板1002との圧接によって形成されたインク流路1002aに対し、オリフィスプレート1010上の吐出口群1010aをアライメントして接合する方式であり、耐久性が必要とされるオリフィスプレート1010部の材質が任意に選択できる利点を有する。一方、前者は、吐出口群1010aとインク流路1002aが連通して部材形成されるため、天板1002と素子基板1001との簡単な機械的圧接によってインク流路1002aを形成することができ、生産性に優れている。
【0009】
上記に説明したようなインクジェットプリントヘッドを用いたインクジェットプリント装置は、主としてワードプロセッサやパーソナルコンピュータに接続されてカラープリンタとして使用されている他、ファクシミリや複写機のエンジンとしても使用されている。
【0010】
図74は、従来の液体噴射ヘッドユニット(インクジェットプリントカートリッジ)を示す斜視図である。同図に示すように、インクジェットプリントカートリッジ本体1130は、所定位置にインクジェットプリントヘッドHが搭載され、このインクジェットプリントヘッドHに隣接して第一共通液室1120が配設されている。これら第一共通液室1120およびインクジェットプリントヘッドHは、支持体1121、1122によって支持されている。蓋部材1131に覆われたインクジェットプリントカートリッジ本体1130の内部にはプリント液(インク等)用のタンク(不図示)が内蔵されており、このタンクから第一共通液室1120にプリント液が適宜供給される。
【0011】
インクジェットプリントヘッドHとしては、複数色のインク(例えば、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4色)を、1ヘッド内のインク吐出部を分割してそれぞれに割り当た1ヘッドタイプのものがある。この1ヘッドタイプのものでは、1色あたりの吐出口数は少ないものの、ヘッドの低コスト化を図ることができる。ただし、この1ヘッドタイプの形態は、高速プリントに対しては不利なものとなる。
【0012】
上記の他、コスト高ではあるが、複数のインクジェットプリントカートリッジが並べられ、それぞれにプリントヘッドが各色毎に独立分離して設けられることにより、1色あたりの吐出口数を増やすことができるようにしたタイプのものがある。さらには、各色ごとに独立した複数のインク吐出部をひとつのベースに組込んだ組みヘッドタイプのものもある。この組みヘッドタイプのものは、各色毎に設けられたオリフィスプレートの各吐出口から吐出されるインク滴同士の位置ずれが予め測定され、そのずれ量を補正するように各プリントヘッドが精度良くベースに組み付けられるようになっている。また、この組みヘッドタイプのものでは、複数のプリントヘッドがベースに一体に構成されることから、各色のプリントずれが少なく、しかもヘッド交換が容易である。
【0013】
図75は、特開平9−289971号公報に開示されたインクジェット記録ヘッド組立体の斜視図である。
【0014】
同図に示す従来のインクジェット記録ヘッド組立体1306は、インク吐出口が形成された複数のインク吐出部を備えるベース1301と、それぞれのインク吐出部のインク吐出口から吐出されるインク滴間における位置ずれ量を実際に測定したデータに基づいて各インク吐出部毎に設定される位置データや、そのインク吐出部に固有の特性データまたはその特性を補正するデータなどをプリント保存するROM1304が実装されたプリント基板1302とを有する。
【0015】
インクジェット記録ヘッド組立体には、不図示のインクタンク等からインクの供給を受けるためのインク供給口1303が設けられている。プリント基板1302には接点電極1305が設けられており、インクジェット記録ヘッド組立体は、この接点1305を介して記録装置本体の制御部と接続される。
【0016】
プリント動作を行う際には、記録装置本体の制御部が上記ROM1304に記憶されたデータに基づいて、インクを吐出するための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生体を駆動する駆動信号のパルス発生タイミングやそのパルス幅を補正処理する。これにより、プリントずれ等のプリント不良発生を防止することができる。
【0017】
近年では、フルカラーで高速かつ高画質にプリントすることへのニーズが高まり、プリント速度、解像度や階調性の更なる向上が要求されている。写真画質同等のプリントを可能とするものとしては、前述の4色(黒、イエロー、マゼンタ、シアン)のみならず、各色の濃度が異なる6色や7色のインクタンクを用いて高階調性を実現するものも提案されている。
【0018】
上記のような高速、高画質のインクジェットプリント装置を実現するためには、複数のインクジェットプリントカートリッジを備えたタイプや、組みヘッドタイプ、またはそれらのタイプを組み合わせた形態を用いることが望ましい。
【0019】
さらに、色むら、プリントずれのない高画質なカラー画像を実現するには、各プリントヘッドから吐出されたインク滴のプリント媒体上における到達位置(着弾位置)を正確に一致させることが必要である。特に、プリントヘッドの吐出口配列方向の相対的な傾きは、最もプリント品位に影響を与えるため、プリントヘッドは吐出口配列方向の相対傾きができる限り小さくなるように搭載する必要がある。吐出口配列方向の相対傾きがを小さくすることが可能な手法として、プリントヘッドの吐出口が所定の位置に正確に配置されるように、インクジェットプリントカートリッジにキャリッジの所定の箇所と当接する突き当て部を設けたものが知られている。
【0020】
図76は、複数の液体噴射ユニット(インクジェットプリントカートリッジ)をキャリッジ上に並べて固定するタイプの従来例を示す図である。
【0021】
同図において、481はインクジェットプリントカートリッジ単体を示す。このインクジェットプリントカートリッジ481の筐体の役割を持つ部分である枠体482の内部には、インクを収容するインク貯蔵室が設けられている。483は吐出口(不図示)が配列されるフェイス面、484は本カートリッジが搭載されるキャリッジの接点と接続されるコンタクトパッド、485は枠体482内のインク貯蔵室へインクを供給するインク供給部である。
【0022】
枠体482には突起部482aと482bが設けられており、これら突起部482aと482bがキャリッジの所定の箇所と当接されることによって、インクジェットプリントカートリッジ481の位置決めが行われる。キャリッジには、突起部482aと482bの中央部に位置する部分に加圧手段(不図示)が設けられており、この加圧手段によって突起部482a、482bはキャリッジへ当接される。インクジェットプリントカートリッジ481を固定するための加圧手段として、この他に、カートリッジを下方に押圧する手段、コンタクトパッドとキャリッジ接点(不図示)を当接させる方向に押圧する手段などを備える。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、液体噴射ヘッドユニットは、その液体噴射ヘッドの吐出口配列方向の相対的な傾きがプリント品位に大きく影響を及ぼすため、この吐出口配列方向の相対傾きができる限り小さくなるようにキャリッジに搭載する必要がある。この課題を解決するため、従来は、液体噴射ヘッドユニットの所定の部分に設けられた突き当て部がキャリッジの所定の箇所と当接するようになっていた。しかしながら、この構造では、液体噴射ヘッドユニットとキャリッジの接合部を高精度に形成する必要があるため、コストが高くなるとともに、歩留まりも悪くなるという問題がある。
【0024】
また、従来のものは、液体噴射ヘッドユニットの筐体(枠体)が変形し易い構成のため(両端支持構造)、位置精度が出しにくく、液体噴射ヘッドユニット着脱時の再現性が悪いという問題がある。
【0025】
さらに、従来のものにおいては、あらゆる方向において液体噴射ヘッドユニットが傾きやすい構成のため、搭載された液体噴射ヘッドユニットの吐出口配列方向の相対傾きが大きくなることがある。しかし、従来のものでは、そのような吐出口配列方向の相対傾きを修正することはできないため、液体噴射ヘッドユニットの吐出口配列方向の相対傾きが大きな状態でプリントが行われる可能性があり、安定したプリント品位を提供することはできない。
【0026】
本発明の目的は、上記各問題を解決し、液体噴射ヘッドの吐出口配列方向の相対傾きをできる限り小さくすることができる、プリント品位の安定性に優れた液体噴射ヘッドユニットを提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドユニットは、複数の吐出口から液滴を吐出してプリント媒体にプリントを行う液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドを保持する筐体とを有する、キャリッジに着脱自在に搭載可能な液体噴射ヘッドユニットにおいて、前記筐体は、底面の所定の箇所に設けられた円柱形状のガイドピンと、前記ガイドピンが設けられた側の側面に設けられ、前記ガイドピンの円筒部中心線の延長線上に球中心を有する球形状の第1の突起と、前記第1の突起が設けられた側面に配され前記キャリッジの接点と接続されるコンタクトパッドと、前記第1の突起が設けられた側面に隣接する側面に設けられた第2の突起と、を有し、前記ガイドピンと、前記第1及び第2の突起とがそれぞれ前記キャリッジの対応する部位と係合するとともに、前記第2の突起が移動することにより前記ガイドピンの円筒部中心線と前記第1の突起の球中心とを中心にして前記筐体が回動することを特徴とする。
【0036】
(作用)
上記のとおりの本発明によれば、キャリッジに搭載された液体噴射ヘッドユニットは所定の部位を支点として回動する。よって、この液体噴射ヘッドユニットの回転角度を調節することで、液体噴射ヘッドの吐出口配列方向の相対傾きをできる限り小さくすることが可能となる。
【0037】
さらに、上記液体噴射ヘッドユニットの回転角度の調節は一定の角度で段階的に行われる。この場合、回転させた段数をカウントすることで、その調節量を知ることができるので、液体噴射ヘッドユニットの回転角度を容易に把握することが可能である。また、調節角度のピッチを微小角度とすることで、高精度な角度調整も可能となる。
【0038】
また、本発明によれば、液体噴射ヘッドユニットのガイドピンおよび第1および第2の突起がそれぞれキャリッジの第1から3の受け部と係合する。これにより、液体噴射ヘッドユニットがキャリッジの所定の位置に搭載される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0040】
[全体構成]
まず、本発明の構成を採用したプリント装置について説明する。このプリント装置は、封筒および適時切断可能な連続紙などの2種類のプリント媒体に対応するように固定的に設けられた複数のプリント位置をもち、所定の印刷パターンを連続的に印刷するものであり、プリントマシン本体に着脱可能に搭載される。
【0041】
このプリント装置は以下のユニットを含んでいる。すなわち、インクを吐出することによりプリントをおこなう液体噴射ヘッドユニット401と、液体噴射ヘッドユニット401をプリント位置および待機位置に移動させるキャリッジユニットと、液体噴射ヘッドユニット401にインクを供給するためのインク供給系ユニット10およびそれに着脱自在なメインタンク501と、液体噴射ヘッドユニット401の吐出不良などの不具合を回復するための回復系ユニット300と、以上の各ユニットを収納するフレームユニット70と、プリントの電気的制御をおこなう制御基板80および電源ユニット90とを有している。
【0042】
以下、このプリント装置の詳細な構成を、前記した各ユニット毎に説明する。
[フレームユニット]
まず、図1〜2を参照してフレームユニット70について説明する。
【0043】
底板56は、略L字型に曲げられた板金であり、底部には距離を一定に保つための平行な突き当て箇所(不図示)が左右に数箇所あり、底部両端には突出する位置決め突起56A,56Bと、複数のネジ切り部がある。左側板54と右側板55には、位置決め突起56A,56Bが差し込まれる位置決め穴がある。位置決め突起56A,56Bがいずれも位置決め穴に差し込まれた状態で、底板56のネジ切り部をそれに対応する箇所のネジ穴に、底板の突き当て箇所までネジこむことにより、底板56を中央のステーとして左右側板54,55が平行に組み付けられている。略L字型に立ち上がる前面部56Cと反対側に位置するリヤプレート53がネジ止めされることで、上方に開口した箱形状のプリント装置の外殻が形成されている。
【0044】
底板56の底部には、前方(図面左方)に1ヶ所、後方に2ヶ所合計3ヶ所の円筒状の足が、カシメにより取り付けられている。この足がプリントマシン本体のネジ部突起(不図示)に嵌合することにより、底板56がプリントマシン本体にネジ止め固定可能になる。さらに底部には長穴(不図示)があり、前方の足60Aと対になってプリントマシン本体との位置決めがおこなわれる。
【0045】
このプリント装置は、2種類のプリント媒体を搬送するスペースをもつ。一方の搬送スペースは以下のような構成である。略L字型の前面部(立ち上がり部)56Cの上方に、Lアングルのレジスト板57が、左右側板54,55にまたがるようにネジ止め固定されている。このプリントマシンのプリント媒体である封筒は、プリントマシン本体の封筒搬送用ベルトの上面とレジスト板57の下面にはさまれ、レジスト板57の内側屈曲部に沿って図1左方から右方へ搬送される。
【0046】
他方の搬送スペースは以下のような構成である。図2において、左側板54の中央部のへこみ54Aと右側板55の角窓55Aを結ぶ位置が、連続紙の搬送スペースを形成する樋の設置位置である。図示しないが、樋は、連続紙の格納庫と搬送駆動系を搭載した連続紙搬送ユニットの先端とに設置されている。樋の先端に形成された位置決めダボを右側板55の位置決め穴55Bに差し込むことにより、本プリント装置と連続紙搬送ユニットの位置を確定し、樋を左側板54にネジ止めすることでプリント装置と連続紙搬送ユニットは一体化する。
【0047】
(CRフレームおよびキャリッジユニット)
左右側板54,55の間の中央付近において、CRフレーム201が底板56の底部に直立するように固定されている。左右側板54,55を平行に組み付けるための突き当て箇所に、それぞれ等距離でCRフレーム201の差込穴が設けられており、底板56の略L字型の前面部(立ち上がり部)56Cの上方とリヤプレート53の上部に、CRフレーム201を鉛直方向に規制させる溝53Bが形成されている。この溝53BによりCRフレーム201が底板56の底部から直立している。なお、部品名にCRと表示されているのはキャリッジに関連する部材であることを示している。
【0048】
プリントをおこなうための液体噴射ヘッドユニット401を搭載するキャリッジ200は、CRフレーム201の右側のプリント媒体の搬送方向下流側に装着され、前記した2系統の搬送スペース間を移動可能である。
【0049】
(インク供給系ユニット)
図1に示すように、CRフレーム201の左側には、プリント媒体の搬送方向上流側に、大容量のメインタンク501を複数収納し、インクを吐出する液体噴射ヘッドユニット401へインクを供給するためのインク供給系ユニット10がある。このインク供給系ユニット10は、メインタンク501を複数収納し、メインタンク501内のインクを導出するための機能を備えたタンク収納部11と、導出したインクを液体噴射ヘッドユニット401へ供給するためのサブタンクユニット12とで構成されている。詳細な構成については後述する。
【0050】
(回復系ユニット)
図1に示すように、CRフレーム201の右側の、プリント媒体の搬送方向下流側であって、前記した2つの搬送スペースの間には、液体噴射ヘッドユニット401の吐出不具合を回復するための回復系ユニット300が設置されている。この回復系ユニット300は、吐出不具合を回復するために液体噴射ヘッドユニット401からインクを強制的に排出させるものであり、この時に消費された廃インクは、底板56に開口した回復系ユニット10の下部の穴からプリントマシン本体内の廃インク溜めに排出される。
【0051】
(制御基板および電源ユニット)
プリント動作および本プリント装置のシステムをコントロールする制御基板80は、箱状のフレームユニット70の外側リヤプレート53の背面に固定されている。図示しないが、プリントマシン本体からの信号を受け取る接続コネクタがフレームユニットから露出した状態で、この制御基板80はカバーに覆われている。カバーは、制御基板80の制御信号をキャリッジ200内の液体噴射ヘッドユニット401に送るためのケーブルと、キャリッジ200と制御基板80に接続するための開口とを有している。
【0052】
電源ユニット90は、制御基板80の反対側であってフレームユニット70の内側において、リヤプレート53に固定されている。外部からの電源を受け取る電源レセプタクルは、左側板54に開口された角穴に装着され、フレームユニットの外側から接続される。電源ユニット90は、制御基板80とキャリッジ200上の基板とに電源を供給するように結線される。
【0053】
[タンク収納部]
次に図3〜5を参照してタンク収納部11の説明をする。タンクホルダ59はメインタンク501を収納し保持するためのフレームであり、メインタンク501の挿入口となる部分が上方に開口している。タンク収納部11はコ字型に形成されており、下部一端が底板56に接した状態で、一側面が左側板54にネジ止めされて固定されている。上方の開口部にはタンクスロット27がはめこまれ、メインタンク501挿入口で開口面積が大きく、収納部に向かうにつれて狭くなりメインタンク501の断面積に近づくような形状である。タンクスロット27の下方には、複数のメインタンク501を対面状態で挟持し得るように、メインタンク501の位置を決める位置決めレール29とタンクガイド(不図示)が設けられている。メインタンク501の挿入断面の短辺の一つに設けられている、挿入方向に沿って延びるリブ524(図5参照)が、位置決めレール29の溝に嵌合することにより、メインタンク501の一辺が位置決めされる。なお、他辺は短辺を挟持するように位置決めされて、挿入位置が決まる。
【0054】
針ベース51はメインタンク501の収納底51Aを構成しており、この収納底51Aには、インクの導出口となる中空針52が鉛直上方に向けて固定されている。中空針52は、先端が鋭利で側面に穴が空いている金属管であり、直線部分が半分ほど埋められた状態でインク検出板(不図示)によって固定されており、1個のメインタンク501に対して2本ずつ設けられている。
【0055】
後述するが、メインタンク501の底部には中空針52と対向可能な位置に連通口が設けられており、この連通口はゴム栓513で塞がれている。メインタンク501の装着時に、メインタンク501の底部が収納底51Aに到達すると、メインタンク501の連通口を塞ぐゴム栓513を中空針52が貫通し、メインタンク501内のインクが中空針52を介して外部(後述するインク供給系ユニット)に導出可能になる。なお、一方の連通口および中空針52はインクの導出口となり、他方の連通口および中空針52はメインタンク501に空気を戻す通路となって、メインタンク501の気液交換を円滑にする役目を果たす。前記したインク検出板の一端は導線によって制御基板80に電気的に接続されている。インク検出板を介して、メインタンク501内に先端を露出している2本の中空針52の間の電流値を測定することにより、メインタンク501内のインクの有無を検知することができる。
【0056】
タンク収納部11の中央付近には、中空針52の尖端で操作者が怪我をしないための危険防止扉41が、メインタンク501と同数設置されている。
【0057】
まず、図3を参照して、タンク収納部11にメインタンク501が装着されていない状態について説明する。
【0058】
危険防止扉41は、タンク収納部11の側部に回動中心41Aをもち、ねじりコイルバネ61によりタンク挿入口方向へ付勢されている。そしてこの付勢力による回動は位置決めレール29の凸部29Aで止められるので、危険防止扉41の回動範囲の一端は姿勢がほぼ水平状態となる位置で規制される。危険防止扉41の自由端41Bの下方には、危険防止扉41の開閉を制限するストッパー44,45が設けられている。ストッパー44と45は互いに対称で、回転可能に設けられている。その回転中心は、2個のメインタンク501が装着された時に両メインタンク501の隙間にあたる部分の下方に位置している。ストッパー44,45は、タンクホルダ59の2側面に支点の腕を差込んで固定され、上方の一端が危険防止扉41の回転半径内で自由端と係合可能に位置するように、直角からすこし傾いた角度44Cに傾斜して設けられている。
【0059】
メインタンク501が装着されていない状態では、ストッパー44,45の位置決めレール側の端部44A,45Aが、レールの溝部に進入して姿勢を保持している。この時点で危険防止扉41を下方に押しても、危険防止扉41の自由端がストッパー44,45の上方部で回転を止められて危険防止扉41は開放しない。
【0060】
メインタンク501を挿入し始めるとメインタンク501のリブが位置決めレール内に進入したストッパー44,45の端部44A,45Aを押しのける。図4に示すように、ストッパー44,45は押しのけられることによりその傾斜が直角近くになり、危険防止扉41の自由端の回転半径内から出るため、扉は下方に回転可能になる。従って、メインタンク501は危険防止扉41に妨げられることなく収納底に向けてさらに挿入される。
【0061】
[サブタンクユニット]
(インク供給系流路の概要)
次に、メインタンク501から液体噴射ヘッドユニット401へインクを供給する流路とその構成について図51〜図54を参照して説明する。
【0062】
液体噴射ヘッドユニット401のノズル面401aのメニスカスが加圧により破壊されないよう液体噴射ヘッドユニット401内のインクに水頭差による負圧を与えるため、メインタンク501と液体噴射ヘッドユニット401の流路の途中にてノズル面401aよりも低い位置にサブタンクユニット12が設置されている(図51参照)。また液体噴射ヘッドユニット401には液体噴射ヘッドユニット401の共通液室を負圧にするための圧力発生手段5(73)が接続されている。サブタンクユニット12、液体噴射ヘッドユニット401、および圧力発生手段5のそれぞれの間はゴムジョイントとチューブで連結されている。
【0063】
サブタンクユニット12は図52に示すように、複数の小部屋を形成するサブタンクベース37とサブタンクカバー38を有する。サブタンクユニット12は、水頭差発生のための第1の小部屋71(以後、「水頭差発生室」と呼ぶ)と、液体噴射ヘッドユニット401内にインクが満タンになったことを検知するための電極が設けられた第2の小部屋72(以後、「満タン検知室」と呼ぶ)と、吸引負圧を発生させる圧力発生手段73と、それぞれの部屋のインク出入り口に設けられた開閉可能な5種類のバルブとによって概ね構成されている。それぞれのバルブの開閉の組み合わせにより、流路を変えることでインク供給に関わる各種のモードを実現する。
【0064】
すなわち、一本目の中空針52Aによりメインタンク501から導出されたインクは、針に接続された針ジョイント36(図3参照)および第1の供給チューブ76により供給バルブ81を経て水頭差発生室71に一時溜め置きされる。水頭差発生室71のインク導出口にはプリントバルブ82があり、プリントチューブ77を経由して鉛直上方に向かい、ほぼキャリッジ200と同じ高さでL型の流路をもつゴムジョイント−L18を複数個並べたジョイント部(不図示)でインクの方向をキャリッジ走行方向に変更し、さらにキャリッジ200から伸びるチューブに接続され、液体噴射ヘッドユニット401にインクを供給する(キャリッジ200および液体噴射ヘッドユニット401でのインク循環は後述する)。
【0065】
液体噴射ヘッドユニット401の共通液室の泡だまりを抜き取るための上方に連結されたチューブは再度ジョイント部(不図示)にもどり、ゴムジョイント−Lを経て鉛直下方に向けられた吸引チューブ78から圧力発生手段73に接続される。
【0066】
圧力発生手段73はポンプの駆動により負圧を発生し、液体噴射ヘッドユニット401の共通液室を負圧にすることでインク流路の最上流側のメインタンク501のインクを引き出すようにして液体噴射ヘッドユニット401に供給する。構成については後述する。
【0067】
圧力発生手段73の流路後方(排出側)は満タン検知室72に連結する。前記連結口を満タン検知室72の流入口とすれば、流出口は3ヶ所ある。一つは連通バルブ83を介して水頭差発生室71とつながる第1の流出口、二つ目は大気開放をおこなう大気バルブ84であり、連通バルブ83と大気バルブ84を開放することで液体噴射ヘッドユニット401のノズル面とサブタンクユニット12の液面に水頭差が発生する。三つ目の流出口は気液交換バルブ85であり、その延長上還流チューブ79の後方に二本目の中空針52Bを介して、メインタンク501に至る。二本目の中空針52Bは主に空気を流通することでメインタンク501の中の気液交換に用いられる。
【0068】
サブタンクユニット12は、複数の液体噴射ヘッドユニット401にインクを供給する複数のメインタンク501にそれぞれ独立に複数個設けられている。
【0069】
(圧力発生部)
次に、図53及び図54を参照し、前述の圧力発生手段について説明する。
【0070】
符号4005はサブタンクホルダ58にネジ止めされた供給用モータであり、正転方向の回転はギヤ列を構成するピニオンギヤ4005A、アイドラギヤ28及びポンプカム26の外周ギヤで減速されながらポンプカム26内の偏心溝カムを回転させる。
【0071】
前記ギヤ列を中心に対称の位置にポンプレバーL22とポンプレバーR21が配置されていて、両ポンプレバー21,22ともほぼ中央に形成された回転穴を通してサブタンクホルダ58にカシメ固定されたポンプレバー軸47A,47Bを回転軸として回動可能である。ポンプレバーL,Rの一端はコロ(不図示)を介して、偏心溝カムの中に摺動可能であり、ポンプカム26の一回転はポンプレバーL,Rの他端の往復運動に変わる。
【0072】
ポンプレバーL,Rの他端は先細りに溝でポンプゴム16の丸コブ16Aをつかんでいる。ポンプゴム16は中央に丸コブ16Aを配し薄肉の茶碗型シリンダー部16Bと底付き円筒部16Cで構成される。茶碗型シリンダー部16Bはサブタンクベース37の丸ザグリ(不図示)で圧力発生室を形成する。丸ザグリの中央穴には圧力発生室側に傘をもつ傘バルブ17が抜け止め17Aによって固定されている。丸ザグリの傘内径位置にインク流路が適時開口する。前記開口側(傘と反対側)にはさらにL−ジョイント25により小部屋が形成され、液体噴射ヘッドユニット401から延長される吸引チューブ78が接続される。
【0073】
丸ザグリはさらに満タン検知室72につながる溝37Bを有し、ポンプゴム16の薄肉の底付き円筒部16Cは周囲をサブタンクベース37の円筒入り口で密閉し、溝の先端も塞いでいる。ポンプゴム16はポンププレート33とサブタンクベース37およびL−ジョイント25に挟まれているのでこれらをネジ止めすることで茶碗型シリンダー部16Bは密閉状態で固定される。
【0074】
今、供給用モータ4005の駆動によりポンプカム26が半回転し、ポンプレバーL,Rが丸コブ16Aを介して茶碗型シリンダー16B内部をつぶす方向に動いた(往動作)とする。内部で高まった圧力は傘バルブ17にもかかるため傘の下の開口は大気と連通せずに他に逃げ道を探す。溝37Bの先端をふさぐ底付き円筒部16Cは薄肉であるため、外側の高圧と内側の低圧のため内側にゴムが倒れ茶碗型シリンダ16B内部の加圧された気体は満タン検知室72に排気される。
【0075】
次にポンプカム26の残りの半回転により茶碗型シリンダ16Bを広げる方向に動いた(復動作)とする。シリンダ内部は負圧になる。ポンプゴムの底付き円筒部16Cの内側は大気圧、外側溝37Bは負圧であり、溝37Bの先端は密閉状態である。シリンダ内部の負圧はL−ジョイント25の小部屋の大気圧により傘バルブ17を開放状態に導く。この結果シリンダ内部の負圧は液体噴射ヘッドユニット401の共通液室方向を吸引することになる。
【0076】
こうしてポンプカム26の連続回転は液体噴射ヘッドユニット401内部の負圧を増加させる。
【0077】
(流路の変更)
本実施形態では、5種類のバルブの変更により、インク供給系の流路は変化し、様々な機能を実現する。
【0078】
サブタンクベース37の上部は流路を形成する五つの溝とそれぞれに開口する開閉孔37C,37D,37E、37F、37Gをもつ。溝は開口部を覆って流路を形成する部位と五つの開閉孔を塞ぐダボをもち上下可能なダイヤフラム部を合わせもつ密閉性と弾力性に富む単一のゴム部材である、マルチバルブゴム15により、複数のバルブの開閉を実現する。
【0079】
マルチバルブゴム15はガス透過性が低く、耐インク性の良い塩素化ブチルゴムが好適である。
【0080】
開閉孔を塞ぐダボを中央に形成するダイヤフラムの流路の外側にはダボを上下させる先太りの突起15Aがそれぞれ配置し、前記突起は回動可能なバルブレバー24の一端が連動可能に掴んでいる。バルブレバー24は開閉孔の数だけ存在し、サブタンクベース37の開閉孔の並び方向に回転方向をもって並んでいる。バルブレバー24の支点はレバーアーム23で形成され、サブタンクカバー38、サブタンクベース37、マルチバルブゴム15、レバーアーム23、レバースプリング(不図示)をサブタンクプレート32と長ネジで共締めすることで一体固定される。マルチバルブゴム15のダボは自然形状で開閉孔を塞ぐ形状をしている。共締めされるレバースプリング(不図示)はさらに開閉孔を塞ぐ方向に付勢している。
【0081】
バルブレバー24の並び位置は二つのサブタンクが並んだそれぞれの内側に対称的に配列する。バルブレバー24は回転支点で一様に下方にL字型に曲がり、他端に摺動力点(不図示)をもつ。2列の摺動力点の並び中心に前記ポンプカムの中心がある。中心穴がDカットのポンプカムと連動するバルブシャフト46はサブタンクユニット12の並びと平行にサブタンクホルダー58により回転可能に軸支される。バルブシャフト46には一方向クラッチを伴ったタイミングドラム20が同軸回転可能に装着される。タイミングドラム20にはバルブレバー24のそれぞれの摺動力点を押す突起20Aが必要回転角度に応じて形成している。突起20Aがバルブレバー24の摺動力点を押すとき、バルブレバー24のもう一端はサブタンクベース37の開閉孔を開放する動作となる。突起がなければ開閉孔は密閉されている。
【0082】
タイミングドラム20の回転は供給用モーター4005の逆転でおこなう。供給用モータ4005はパルスモータであり、必要回転角での停止が可能である。すなわち、モーターの逆転時にはタイミングドラム20に内蔵された一方向クラッチは連れまわりをするのでバルブの開閉動作のときポンプ動作は行われるが、タイミングドラム20の角度が決定し、バルブの状態が定まったとき、必要に応じてモーターの正転をすればその流路のままポンプによる負圧発生動作が行われる。
【0083】
また、タイミングドラム20には基準位置(角度)を示すための遮光板(不図示)が突き出ている。サブタンクホルダ58に固定されたフォトセンサ5382により、基準位置を確認し、そこからの必要角度に応じたステップ数でタイミングドラム20の回転角を操作し、各種の流路を実現する。
【0084】
(流路の状態とその機能)
次に、バルブの開閉の組み合わせによって実現する流路の状態とそのときの機能を説明する。機能は「供給1」、「供給2」、「プリント」、「循環」、「交換」の5種類である。
【0085】
封筒搬送側から見て、左側の組み合わせを「供給1」としてそれぞれの部品をメインタンク501(L)、サブタンクユニット12(L)(ユニット内圧力発生部73(L)、液体噴射ヘッドユニット401(L)とし、バルブ列を81(L)から85(L)とする。右側の組み合わせを「供給系2」としてそれぞれの部品をメインタンク501(R)、サブタンクユニット12(R)(ユニット内圧力発生部73(R))、液体噴射ヘッドユニット401(R)とし、バルブ列を81(R)から85(R)とする。
【0086】
一つ目の組み合わせである「供給1」において開放するバルブは81(L),82(L),85(L),85(R)であり、閉塞するバルブは83(L),84(L),81(R),82(R),83(R),84(R)である。圧力発生部73Lの発生負圧は上流側液体噴射ヘッドユニット401(L)の共通液室、水頭差発生室71(L)、メインタンク501(L)におよび逆順番にインクを吸引していく。このとき液体噴射ヘッドユニット401(L)のノズル面のメニスカスは破壊を引き起こさないためにノズル面に密閉するキャップが必要なことはいうまでもない。メインタンク501(L)内のインクは圧力発生部73(L)まで到達したあと、シリンダの排出力により満タン検知手段のある満タン検知室72(L)にいたる。
【0087】
満タン検知手段はサブタンクカバーから突き出た2本の電極49A,49B間に電流を流し、抵抗値を測定することで同室にインクが充満したことを検知する。満タン検知室からの二つの流出口大気バルブ84(L)と気液交換バルブ85(L)は電極49A,49Bより上方の開閉孔であり、満タンを検知したことでモーターの回転を止め、これ以上のインクの吸引を停止する。残りの一つの流出口連通バルブ83(L)は水頭差発生室71(L)につながる流路であり、その入り口83Aは前記電極の露出部より下方に位置する。
【0088】
バルブ81(R)の閉塞により、このモードで液体噴射ヘッドユニット401(R)側へのインクの供給がないことは明白である。
【0089】
「供給2」において開放するバルブは85(L),81(R),82(R)、85(R)であり、閉塞するバルブは81(L),82(L),83(L),84(L)、83(R),84(R)である。「供給1」の説明の如く液体噴射ヘッドユニット401(R)へのインクの供給であり、液体噴射ヘッドユニット401(L)へのインク供給はない。
【0090】
「プリント」において開放するバルブは82(L),83(L),84(L),82(R),83(R),84(R)であり、閉塞するバルブは81(L),85(L),81(R),85(R)である。両液体噴射ヘッドユニット401のプリント状態を実現するインク供給系である。メインタンクからのサブタンクへのインクの供給は遮断されている。大気バルブ84(L),84(R)は大気開放状態にするため開放にする。連通バルブ83(L),83(R)の開放により、水頭差発生室のインクと満タン検知室のインクは連通状態にあり、満タン時は満タン検知室のインク液面が水頭差の基準となる。
【0091】
「循環」において開放するバルブは82(L),83(L),82(R),83(R)であり、閉塞するバルブは81(L),84(L),85(L)、81(R),84(R),85(R)である。液体噴射ヘッドユニット401の共通液室とサブタンクユニットを各ヘッドユニット401毎独立でインク循環をおこなう。この場合もオリフィス破壊を防ぐためノズル面の密閉キャップをおこなう。
【0092】
「交換」のバルブの開放はなく、閉塞は全てである。インクタンクの交換においては全バルブを閉塞し、各チューブにおける水頭差によるインク落ちを防ぐ。
【0093】
[キャリッジ]
次に、キャリッジ200の構成について詳細に説明する。
【0094】
(キャリッジ保持フレーム)
このプリント装置は、液体噴射ヘッドユニット401を着脱自在に保持するキャリッジ200を備えている。図6及び図7に示すように、キャリッジ200は、CRフレーム201に両端部が固定され互いに平行に配置されたCRシャフト202及びガイドレール203に、封筒及び連続紙の搬送方向と直交し、かつキャリッジ200に搭載される液体噴射ヘッドユニット401のノズル列と平行な方向に沿って摺動自在に支持されている。また、キャリッジ200は、液体噴射ヘッドユニット401搭載時に液体噴射ヘッドユニット401のノズル面401aがプリント媒体(封筒及び連続紙)のプリント面と実質的に平行になるような姿勢で支持されている。
【0095】
図8に示すように、ガイドレール203は、L字型に曲げられた薄い板金であり、CRフレーム201の上部の折り曲げ部に取付けられ、CRフレーム201の2個所のエンボス201aとガイドレール203の2個所の穴とにより位置決めされ、2つのビスで固定されている。
【0096】
CRフレーム201は前部と後部において曲げられており、CRシャフト202の固定用の長穴201bがあけられている。さらに、図8,9に示すように、CRシャフト202の高さ方向の位置(紙間距離)調整用に、板金からなるCRギャッププレート204が前後に取り付けられている。このCRギャッププレート204は、CRフレーム201に設けられたエンボス201cに穴が嵌合し、ここを中心として回転可能である。そして、ビス291によりCRギャッププレート204の上部がCRフレーム201に固定されている。CRギャッププレート204の中央付近には長穴204bが設けられ、CRシャフト202がこの長穴204bとCRフレームの長穴201bとを貫通しているので、CRギャッププレート204を回動することによって、両長穴204b,201bに差し込まれたCRシャフト202は上下動する。また、CRギャッププレート204の上部にはギヤの歯204cが設けられている。この歯204cと図示しない治具の歯とが噛み合され、治具が操作されると、CRギャッププレート204が回動し、それに伴ってCRシャフト202のが上下に移動して高さ方向の位置(紙間距離)が調整される構成となる。
【0097】
さらに、CRフレーム201の前部と後部とはL字状に立ち曲げてあり、ここに棒状のCRシャフトロックバネ205が掛けられている。CRシャフトロックバネ205の中央に、CRシャフト202が位置しており、CRシャフトロックバネ205によりCRシャフト202は常に一方向(矢印A方向)に付勢されている。よって、CRシャフト202はCRフレーム201にガタつくことなく固定されている。
【0098】
また、図9に示すように、CRシャフト202の一方の端部には溝202aが切ってあり、この溝202aにCRシャフトロックバネ205が嵌合しているので、CRシャフト202がスラスト方向(軸方向)に抜けることはない。
【0099】
また、図6,7に示すように、CRフレーム201に固定されたCRモータ206によって回転駆動されるCR駆動プーリ206aと、CRシャフト202と平行な方向に摺動自在でかつCRフレーム201に2本のビスで固定された回転自在のアイドラプーリ207との間にかけ回されたCRベルト208の一部に、キャリッジ200が結合されている。CRモータ206を駆動することにより、CRベルト208が回転され、キャリッジ200がCRシャフト202及びガイドレール203に沿う方向に往復移動する構成になっている。
【0100】
なお、回復系ユニットの項で別途説明するが、CRフレーム201には回復系ユニット300が取り付けられており、キャリッジ200に搭載された液体噴射ヘッドユニット401と回復系ユニット300の距離のばらつきがなるべく小さくなるように構成されている。
【0101】
(キャリッジ停止位置)
図10に示すように、このプリント装置には、キャリッジ200の停止位置が3ヶ所設けられている。プリント装置のほぼ中央には、ホームポジションSが設けられており、このホームポジションSにおいて、後述する回復系ユニットのキャップが上下動し、キャリッジ200上に搭載されている液体噴射ヘッドユニット401のノズル部分をおおう。ホームポジションSを挟んで前後には印刷ポジションがあり、手前側が封筒印刷ポジションTで、奥側が連続紙印刷ポジションUである。
【0102】
(キャリッジ制御)
CRフレーム201には、不図示のフォトニックセンサタイプのホームポジションセンサ(以後「HPセンサ」という)が取り付けられている。このHPセンサは、ホームポジションSの位置に設けられており、キャリッジ200に設けられている遮蔽板200a(図11、図13参照)の通過を検知して、キャリッジの位置を検出することができる。
【0103】
そして図10に示すように、CRモータ206のCR駆動プーリ206aと反対側には、シャフト206bが延びておりここに円盤状のエンコーダスリット210が取り付けられている。CRモータ206が作動するとこのエンコーダスリット210も同期して回る。そして、エンコーダスリット210はCRモータ206の1回転あたりのステップ数と同数のスリットが切られている。本実施形態の場合、CRモータ206が1回転あたり200ステップのモータなので、エンコーダ210には200個のスリットが切ってある。そして、このエンコーダスリット210を挟むようにフォトニックセンサ211が取り付けられており、CRモータ206が作動するとエンコーダスリット210が回るので、フォトニックセンサ211よりCRモータ206の回転運動量が信号として基板に送られる。そして、前述したようにCRモータ206の1ステップと、エンコーダスリット210の1スリットとが対応するので、CRモータ206が1ステップの回転(この場合1周200ステップなので1ステップは1.8度)を行なうと、1スリットの通過をフォトニックセンサ211が検知し信号を基板に送る。すなわち、フォトニックセンサ211のセンシング位置を通過したエンコーダ210のスリットの数を知ることによって、CRモータ206の回転、つまりキャリッジ200の移動距離を正確に求め、フィードバックできる。
【0104】
そこで、キャリッジ200の移動動作について、図14のフローチャートを参照して具体的に説明する。前記の通り、CRモータ206は、HPセンサと、エンコーダスリット210およびフォトニックセンサ211との組み合わせにより制御されている。
【0105】
まず、初期状態において、ホームポジションSにあるHPセンサがキャリッジ200を検知している(ON状態)時(ステップS1)は、CRモータ206を正転させて、キャリッジ200を封筒印刷ポジションTに向けて移動させる(ステップS2)。そして、HPセンサがキャリッジ200を検知しなくなった(OFF状態)時点(ステップS3)で、CRモータ206を反転させキャリッジ200をホームポジションS方向へ移動させる(ステップS4)。そして、HPセンサが再びONになった時点(ステップS5)、すなわちキャリッジ200の遮蔽板200aのエッジ部分がHPセンサを遮る位置まで移動した時点から、さらに所定の数パルスだけCRモータ206を駆動して(ステップS6)、ホームポジションSにキャリッジ200を位置させ、そこでCRモータ206を停止する(ステップS7)。これで、キャリッジ200の初期動作は終了する。なお、ステップS6においてCRモータ206に供給するパルス数は、遮蔽板200aのエッジ部分からキャリッジ200の中央部までの距離と、HPセンサとホームポジションSの位置関係とによって決められている。
【0106】
一方、初期状態において、HPセンサがキャリッジ200を検知していない時(OFF状態)(ステップS1)は、CRモータ206を逆転させてキャリッジ200を移動させる(ステップS8)。HPセンサがキャリッジ200を検知(OFF状態)したら(ステップS9)、前記したステップS6〜S7が行われる。
【0107】
ところで、ステップS8においてキャリッジ200を移動させても、HPセンサがキャリッジ200を検知せず(ステップS9)、さらにキャリッジ200の移動を続行させ(ステップS10)、キャリッジ200の移動距離Xがキャリッジ200の移動可能距離Lと等しいまたは長いと判定される(ステップS11)ほどのパルス供給が行なわれた場合には、CRモータ206を正転させる(ステップS12)。そこで、HPセンサがキャリッジ200を検知すると(ステップS13)、前記したステップS6〜S7が行われる。ただし、ステップS13においてHPセンサがキャリッジ200を検知しない時は、CRモータ206を停止して(ステップS14)、エラーメッセージを表示する(ステップS15)。
【0108】
次に、ホームポジションSから印刷ポジション(封筒印刷ポジションTと連続紙印刷ポジションU)への移動動作について説明する。
【0109】
まず、ホームポジションSから印刷ポジションに向かってキャリッジ200が移動するようにCRモータ206を駆動し、キャリッジ200の遮蔽板200aがHPセンサを遮らなくなる時点(HPセンサがキャリッジ200を検知しないOFF状態になる時点)から、エンコーダスリット210およびフォトニックセンサ211によりCRモータ206のパルス数をカウントする。そして、あらかじめ定められた(封筒印刷ポジションまたは連続紙印刷ポジションまでの距離に相当する)パルス数がカウントされると、CRモータ206を停止する。この制御により、キャリッジ200は必ず目的の印刷ポジションに到達する。
【0110】
万が一、CRモータ206が脱調したりキャリッジ200が引っかかって移動しなくなった時は、カウント数が足りないため、エラーとしてユーザに警告する。 印刷ポジション(封筒印刷ポジションTとテープ印刷ポジションU)からホームポジションSへの移動時は、まずホームポジションSに向かってキャリッジ200が移動するようにCRモータ206を駆動し、キャリッジ200の遮蔽板200aのエッジがHPセンサを遮る位置に到達した時点から、さらに所定の数パルスだけCRモータ206を駆動し、ホームポジションSにキャリッジ200を位置させて停止する。
【0111】
(キャリッジ構成:軸受部)
図11に示すように、キャリッジ200は、封筒及び連続紙の搬送方向と直交し、かつキャリッジ200に搭載されている液体噴射ヘッドユニット401のノズル列と平行な方向に沿って摺動するため、CRシャフト202が嵌合する2つのCR軸受212が設けられている。このCR軸受212は、キャリッジ200の左側面の前部と後部に固定されている。
【0112】
このCR軸受212は、グリスを必要としない材質からなり、紙粉やインクのミストがCRシャフト202やCR軸受212にこびり付くことを防いでいる。また、このCR軸受212の中央上部には、ガイドレール203を挟むように固定されている、摺動性の良いCRスライダ213が固定されている。
【0113】
このようにキャリッジ200は、下部に位置する2個のCR軸受212と、上部に位置する1個のCRスライダ213とにより三点で支持されている。
【0114】
(キャリッジ構成:HPセンサ遮蔽板)
図11、図13に示すように、キャリッジ200の左側面の中央付近、2つのCR軸受212の固定部の中間位置付近の下方には、キャリッジ200の位置を制御するのに必要なHPセンサ遮蔽板200aが取り付けられている。
【0115】
(キャリッジ構成:CRベルト固定部)
図12、図13に示すように、キャリッジ200の左側面の中央付近、2つのCR軸受212の固定部の中間位置付近の上方には、CRベルト208の固定部200bが設けられている。CRベルト固定部200bは、CRベルト208を挟むように構成されており、この挟む部分はベルトの厚さより若干狭くなっており、CRベルト208は、この部分に圧入されて差し込まれるため、ガタつきなくキャリッジ200に固定される。こうしてCRベルト208が固定されているので、キャリッジ200はCRモータ206により移動される。
【0116】
さらに、CRベルト208の抜け止めとして、コ字状の板金からなるCRベルトストッパ214が、キャリッジ200のCRベルト固定部200bの上に取り付けられ、キャリッジ200の凸部とCRベルトストッパの穴部が嵌合することにより、固定されている。
【0117】
(キャリッジ構成:基板保持部)
図15及び図16に示すように、キャリッジ200には、液体噴射ヘッドユニット401と信号のやりとりをするCRコネクタ216を2個搭載したCRプリント配線板などの基板類が搭載されている。
【0118】
キャリッジ200の内部の奥(液体噴射ヘッドユニット401が搭載されるスペースの奥)には、CRコネクタ216が、垂直に、かつ液体噴射ヘッドユニット401の一面と対向するように固定される。そして、図7に示すように、基板類は、CRプリント配線板カバー219でカバーされている。
【0119】
また、この基板類にはフレキシブルケーブル(以後「FPC」という)220が接続されており、キャリッジ200の外部にある制御基板(図示せず)から電気信号や電源が伝達される。FPC220は、キャリッジ200とCRプリント配線板カバー219の隙間からキャリッジ200の外部に延びるように接続されており、キャリッジ200とCRプリント配線板カバー219に取り付けられたFPCストッパ221により、CRプリント配線板カバー219とFPCストッパ221に挟まれて固定されている。これにより、FPC220は外部から力が加わっても抜けないように固定される。
【0120】
FPC220は、プリントマシン本体の制御基板に接続されるが、キャリッジ200が移動すると、キャリッジ200とプリントマシン本体の制御基板との間隔は変動する。そのため、FPC220は十分な長さを持ってたるませてあり、このたるみにより、キャリッジ200が移動してどのポジションにいても、FPC220に過度なストレスが加わらないようになっている。
【0121】
(キャリッジ構成:回復系ユニット関連部)
キャリッジ200底面図である図17と、側面図である図18と、斜視図である図19に示すように、キャリッジ200の底面下部には、液体噴射ヘッドユニット401のノズルが露出する穴部200cが2つ設けられており、その左右には、CRブレードリブ200dが、キャリッジ200の移動方向と平行に設けられている。CRブレードリブ200dの作用は、回復系ユニット300の項目で別途説明する。
【0122】
キャリッジ200の液体噴射ヘッドユニット401搭載部の右側底面部には、四角形の穴200eがあけられている。この穴200eには、回復系ユニット300のキャリッジロックアーム390が挿入され、液体噴射ヘッドユニット401のノズルが回復系ユニット300のキャップ308で覆われているときに、プリントマシン全体の振動などによるキャリッジ200の移動を防ぐものである。なお、その詳細は構成については回復系ユニットの項目で別途説明する。
【0123】
(キャリッジ構成:インク供給部)
図20に示すように、液体噴射ヘッドユニット401の手前側の面には、2つのジョイントゴム416が設けられている。CRニードル222(図21参照)の先端がこのジョイントゴム416の表面より差し込まれ、液体噴射ヘッドユニット401のタンク内部に貫通すると、CRニードル222上流にあってCRチューブ226等の接続手段によってCRニードル222と連結されている供給系から液体噴射ヘッドユニット401のタンク内部にインクが供給されるようになる。
【0124】
キャリッジ200の液体噴射ヘッドユニット401搭載部の手前側には、液体噴射ヘッドユニット401にインクを供給する機構が設けられている。この機構について説明する。
【0125】
まず、図21、図22に示すように、CRニードル222は細い中空のパイプ形状で、手前側より液体噴射ヘッドユニット401の前方部に向けて4本設けられている。CRニードル222の先端は閉塞された球形状部222aであり、先端の球形状部222aの近傍に、パイプの中空部の途中から上方へあけられた小さな角状の穴222bが存在する。CRニードル222は、プラスチック製のCRジョイントサポート223とCRチューブジョイント224により固定されている。このCRジョイントサポート223とCRチューブジョイント224は溶着により一体化されていて、インクが漏れないように、CRニードル222の根元にはドーナツ形状のゴムからなる薄いCRニードルシール225が挟みこまれている。そして、CRジョイントサポート223とCRチューブジョイント224には、4本のCRニードル222にそれぞれ流路が設けられており、CRチューブジョイント224に設けられた4つのパイプ状部分にそれぞれ連通している。
【0126】
CRチューブジョイント224に設けられた4つのパイプ状部分には、それぞれL字型のパイプ状のCRジョイントゴム227の一端がかぶせられ、CRジョイントゴム227の他端には、それぞれCRチューブ226が差し込まれている。つまり、CRジョイントゴム227はCRチューブジョイント224とCRチューブ226の継手の役割をしている。
【0127】
4本のCRチューブ226は、CRジョイントサポート223の側板に設けられた4個の穴223aに圧入された状態で貫通しており、後述するCRジョイントサポート223が移動してもCRチューブ226がCRジョイントゴム227から抜けないように固定されている。図面には表れていないが、4本のCRチューブ226には、CRジョイントサポート223が移動するためのたるみをもたせてある。
【0128】
さらに、4本のCRチューブ226は、不図示のCRチューブゴムの穴部に通され、CRチューブゴムごとキャリッジ200と不図示のCRチューブストッパに挟まれて固定され、4本のCRチューブ226はキャリッジ200の外部に延びている。図示されていないが、CRチューブ226は4本が帯状に一体化され、さらに先端はゴム製のCRジョイントを継手としてジョイントプラグにつながる。ジョイントプラグは、CRジョイントと着脱自由に結合されインク供給系ユニットと連結される。
【0129】
キャリッジ200とインク供給系ユニット10との間において、CRチューブ226にはキャリッジ200が移動するためのたるみが設けられている。このたるみにより、キャリッジ200が移動してどのポジションにいても、CRチューブ226には過度のストレスがかからない。
【0130】
(キャリッジ構成:インク供給ジョイント部)
次に、上述した4本のCRニードル222を液体噴射ヘッドユニット401に差し込んだり抜いたりする機構について、図18,21〜26を参照して説明する。なお、これらの図面中では液体噴射ヘッドユニット401は省略している。
【0131】
図21,22に示すように、一体化されたCRニードル222とCRジョイントサポート223とCRチューブジョイント224とには、CRジョイントシャフト233が固定されている。また、18,23〜26に示すように、キャリッジ200の左右側面に設けられた穴200rを中心として回動するCRジョイントレバー234には、中間部に長穴234aが設けられ、長穴234aにCRジョイントシャフト233がさしこまれ、抜けないように固定されている。よって、CRジョイントレバー234を回動させると、CRジョイントシャフト233が連動して前後に(手前側と奥側との間で)動き、さらにCRニードル222とCRジョイントサポート223とCRチューブジョイント224も連動して前後に(手前側と奥側との間で)動く。
【0132】
これにより、CRジョイントレバー234を奥側(図25の矢印E方向)に倒すと、液体噴射ヘッドユニット401の前面部に設けられた2つのジョイントゴム416に、CRニードル222が差し込まれ、さらにCRジョイントレバー234がこの回動途中でキャリッジ200の凸部200hを乗り越えるため、図26に示すようにCRジョイントレバー234を完全に奥側に倒すと動かないように固定される。この時、CRジョイントシャフト233は、キャリッジ200の左右の側面に設けられた溝部200i(図18参照)にはまり込むため、ガタつきなく位置決めされる。
【0133】
CRジョイントレバー234を、キャリッジ200の凸部200hを乗り越えさせて手前側(図24の矢印C方向、図18参照)に倒すと、CRニードル222は液体噴射ヘッドユニット401の手前側(前面部)に設けられたジョイントゴム416から抜ける。この時、CRジョイントレバー234の下端に設けられているL字形状部234cが、キャリッジ200のリブ200k(図18参照)に突き当たるのでCRジョイントレバー234はこの位置で回動停止する。
【0134】
次に、CRジョイントレバーストッパ235について説明する。図23に示すように、CRジョイントレバーストッパ235の一端部には穴235aが空いており、この穴235aにCRジョイントシャフト233が差し込まれ、CRジョイントレバーストッパ235はCRジョイントレバー234と連動して動く。CRジョイントレバーストッパ235の他端部にはシャフト235bが設けられており、このシャフト235bはキャリッジ200の右側面に設けられたL字状の長穴200jを貫通してキャリッジ200の中に差し込まれており、このL字状の長穴200jに沿って移動可能である。さらに、この他端部にはバネ掛け部235cが設けられており、CRジョイントレバー234に設けられている上部にあるバネ掛け部234bとの間に、引っ張りバネであるCRジョイントレバーバネ236が掛けられている。
【0135】
次に、キャリッジ200に搭載されている液体噴射ヘッドユニット401を保持し固定するためのCRレバー237と、キャリッジ200に搭載されている液体噴射ヘッドユニット401にインクを供給するためのCRニードル222を移動させるCRジョイントレバー234との、キャリッジ200から液体噴射ヘッドユニット401を着脱するときの操作順番の間違いを防ぐ機構について説明する。
【0136】
図23は液体噴射ヘッドユニット401が装着されていない状態であり、後述するCRレバー237は上方に位置しており、CRジョイントレバー234は手前側に位置している。この状態では、CRジョイントレバーストッパ235はCRジョイントレバーバネ236により引き上げられ、シャフト235bはキャリッジのL字状の長穴200jの上縁にぶつかり、CRジョイントレバー234は動かない。よって液体噴射ヘッドユニット401が装着されていない状態ではCRニードル222を液体噴射ヘッドユニット401の搭載部に移動することができない。
【0137】
そして、図24に示すように、CRレバー237を矢印Bの方向に回動して液体噴射ヘッドユニット401が装着されると、CRジョイントレバーストッパ235のシャフト235bは、CRレバー237に当接して、キャリッジ200のL字状の長穴200jに沿って矢印C方向に、CRジョイントレバーバネ236の力にさからって押し下げられる。この時、CRジョイントレバーストッパ235のシャフト235bは、キャリッジ200のL字状の長穴200jの下部に位置するので、図25に示すように、CRジョイントレバーストッパ235のシャフト235bは、キャリッジ200の長穴200jの直線部分に沿って矢印D方向に動ける。従って、CRジョイントレバーを奥側(矢印E方向)に倒すことが可能になり、CRニードル222を液体噴射ヘッドユニット401に差し込むことが出来る。
【0138】
また、図26のように液体噴射ヘッドユニット401が差し込まれて固定されている状態では、CRジョイントレバー234が奥側に倒されていて、CRジョイントシャフト233がCRレバー237のレバー部237aの上にあり、操作者がレバー部237aに触れることができず操作できない。従って、液体噴射ヘッドユニット401が差し込まれてCRニードル222が差し込まれている状態では、液体噴射ヘッドユニット401を抜くことは出来ない。
【0139】
(キャリッジ構成:液体噴射ヘッドユニット固定部)
図16に示すように、キャリッジ200の奥側の壁には四角い穴が設けられており、この穴部に、液体噴射ヘッドユニット401と信号のやりとりを行うためのCRコネクタ216が2個並べて取り付けられている。このCRコネクタ216には多数本の接点が設けられており、それぞれの接点は独立して前後に動くようになっている。この構造によれば、液体噴射ヘッドユニット401がキャリッジ200に搭載される際に、液体噴射ヘッドユニット401の接点部分がコンタクトパッド421(詳しくは後述の液体噴射ヘッドユニットの項目を参照)の面にくるとCRコネクタ216の接点が引っ込むとともにCRコネクタ216の接点にはその反力により液体噴射ヘッドユニット401の接点部分を押し返そうとする力が矢印H方向に働く。
【0140】
キャリッジ200の上方にはCRレバー237が、キャリッジ200の左右側面に支持されたCRレバーシャフト238により回動自在に支持されている。このCRレバー237には、CRレバー237を回動させるためのレバー部237aが設けられている。
【0141】
キャリッジ200の中央部には、図55に示すようなヘッドセットプレート239が2個保持されている。ヘッドセットプレート239は、1個の液体噴射ヘッドユニット401に対して1個設けられるようになっており、ここでは、1個のキャリッジ200に2個の液体噴射ヘッドユニット401が搭載される構成となっているため、2個のヘッドセットプレート239が設けられている。これら液体噴射ヘッドユニット401およびヘッドセットプレート239の数は設計に応じて適宜変更することが可能である。
【0142】
ヘッドセットプレート239の後方左右に設けられた軸239aが、CRレバー237に設けられたU字型の受け237bに嵌まり込み、この部分を中心にヘッドセットプレート239が回動する。また、ヘッドセットプレート239の中央部にはバネ受け239bが設けられており、この部分とCRレバー237の裏面にある不図示のバネ受け部との間には不図示の圧縮バネよりなるCRセットプレートバネ240が設けられている。このCRセットプレートバネ240の作用により、ヘッドセットプレート239は、CRレバー237をセット状態にした時に、後方左右に設けられた軸239aを中心にヘッドセットプレート239の先端部分239cが下方奥側に回転しようとする。これにより、液体噴射ヘッドユニット401をセットした状態では、液体噴射ヘッドユニット401はヘッドセットプレート239により下方奥側に押し付けられる。ただし、液体噴射ヘッドユニット401がセットされていない状態においてヘッドセットプレート239がCRレバー237から外れないように、CRレバー237にはヘッドセットプレート239の先端部分左右に設けられたリブ239dを受ける部分237cが設けられている。
【0143】
キャリッジ200の底面には、図19に示すように、上面が平らな台形形状のボス200lが1個の液体噴射ヘッドユニット401に対して2個ずつ、計4個設けられている。各液体噴射ヘッドユニット401がセットされた状態で、各液体噴射ヘッドユニット401底面にそれぞれ設けられた2個のボス(詳しくは後述の液体噴射ヘッドユニットの項目を参照)がこれらボス200lとそれぞれ突き当たるようになっており、これにより液体噴射ヘッドユニット401の高さ方向の位置が決まる。また、キャリッジ200の底面には、U字形のリブ状部200mが1個の液体噴射ヘッドユニット401に対して1個ずつ、計2個設けられており、各液体噴射ヘッドユニット401がセットされた状態で、各液体噴射ヘッドユニット401底面に設けられたボスの側面がこれらリブ状部200mにそれぞれ突き当たるようになっている。
【0144】
キャリッジ200のCRコネクタ216の上部奥側の垂直の壁の部分には、上記のU字形のリブ状部200mと対向するように別のU字形のリブ状部200nが設けられている。この部分をキャリッジ200上方より見ると、図56に示すような構成となっている。すなわち、キャリッジ200底面のU字形のリブ状部200mと垂直の壁に設けられたU字形のリブ状部200nとが合わさる部分で、円柱形状200pが形成される。液体噴射ヘッドユニット401がセットされた状態で、この垂直の壁の部分に設けられたU字形のリブ状部200nに液体噴射ヘッドユニット401奥側の接点部分コンタクトパッド421の上方に設けられた球状突起(詳しくは後述の液体噴射ヘッドユニットの項目を参照)が突き当たる。
【0145】
キャリッジ200の手前側には、図57に示すように、液体噴射ヘッドユニット401の回転方向(液体噴射ヘッドを構成するノズル列の傾き)を調節するための機構(詳しくは後述の液体噴射ヘッドユニット回転方向調整機構部の項目を参照)が設けられている。この機構は、板バネよりなるCRヘッドバネ242とCRヘッドカム241とから構成される。CRヘッドカム241は、回転させることによりカムの左円周面241aの突き当て位置が微調整できるようになっており、これにより、液体噴射ヘッドユニット401の回転方向の調整が行われる。CRヘッドバネ242は、液体噴射ヘッドユニット401の、CRヘッドカム241の左円周面241aが接する面の反対側の面をCRヘッドカム241に向けて押し付けるように設けられている。液体噴射ヘッドユニット401の、CRヘッドカム241の左円周面241aが接する部分には台形突起411が設けられており、この部分で、液体噴射ヘッドユニット401の回転方向(ヘッドのノズルの傾き)の位置決めが行われる。
【0146】
以上説明した構成によれば、キャリッジ200に装填される液体噴射ヘッドユニット401の高さ方向の位置決めは、図61および図62に示すように、ヘッドセットプレート239の分力の下方に押す力g1と、キャリッジ200底面に設けられた2個の上面が平らな台形形状のボス200lと液体噴射ヘッドユニット401底面に設けられた2個のボスとの突き当りにより決まる。
【0147】
また、液体噴射ヘッドユニット401の前後左右の位置決めは、キャリッジ200の底面に設けられたU字形のリブ状部200mと液体噴射ヘッドユニット401底面に設けられたボスの側面の突き当て部、キャリッジ200の奥側の垂直の壁に設けられたU字形のリブ状部200nと液体噴射ヘッドユニット401奥側の接点部分の上方に設けられた球形状の突き当て部、そしてCRコネクタ216の手前側方向の反力HとCRレバー237に設けられたCRセットプレートバネ240によるヘッドセットプレート239の下方奥側の力g2の釣り合いにより決まる。すなわち、本実施形態では、図56に示すように、キャリッジ200の底面、奥側垂直壁にそれぞれ設けられた対向するU字形のリブ状部200m、200nにより形成される円柱状部200pを中心に液体噴射ヘッドユニット401の前後左右の位置が定まる。
【0148】
また、液体噴射ヘッドユニット401は、上記のようにキャリッジ200の底面と奥側垂直壁に設けられた対向するU字形のリブ状部200m、200nにより形成された円柱状部200pを中心に回転するが、液体噴射ヘッドユニット401の手前側の下方に設けてある台形突起411が、キャリッジ200の手前側に設けられたCRヘッドカム241の左円周面241aとCRヘッドバネ242との間に挿入されることで、液体噴射ヘッドユニット401の回転方向(ヘッドのノズルの傾き)の位置決めがなされる。
【0149】
(キャリッジ構成:液体噴射ヘッドユニット回転方向調整機構部)
上記液体噴射ヘッドユニット401固定部の項目で説明した、キャリッジ200の手前側に設けられたヘッドユニット401の回転方向調整機構について更に図57を用いて詳細に説明する。
【0150】
液体噴射ヘッドユニット401の回転方向調整機構は、キャリッジ200の手前側に設けられた2組の軸受部形状により回転可能に保持されている。この回転方向調整機構は、円盤形状で、中心部にD形状の穴が設けられている、軸の中心に対してCRヘッドカム241と、CRヘッドカム241を回転させるとともに、外周面に溝243aが等間隔で設けてあり、中心部にD形状の穴が設けられているCRヘッドダイアル243と、CRヘッドカム241とCRヘッドダイアル243を連結するDカット形状のCRヘッドシャフト244とから構成されている。図示されていないが、CRヘッドダイアル243の外周に設けられた溝243aには小鋼球がバネにより突き当てられた構成となっており、これにより、CRヘッドダイアル243は一定の角度でクリックしながら回転が保持される。
【0151】
上記の構成によれば、CRヘッドダイアル243を一定の角度でクリックしながら回転させると、CRヘッドシャフト244を介してCRヘッドカム241が回転し、CRヘッドカム241の左円周面241aの位置が微動する。このとき、CRヘッドカム241の左円周面241aには、ヘッドユニット401の手前側の下方に設けてある台形突起411がキャリッジ200に設けられている板バネ形状のCRヘッドバネ242により押し当てられている。
【0152】
上記のようにしてCRヘッドカム241が回転してその左円周面241aの位置が微動すると、そのCRヘッドカム241の回転量に応じて液体噴射ヘッドユニット401の手前側の下方に設けてある台形突起部分411が移動して、液体噴射ヘッドユニット401がキャリッジ200底面と奥側垂直壁に設けられた対向するU字形のリブ状部200m、200nにより形成された円柱形状200pを中心に回転する。よって、CRヘッドダイアル243の回転量を調節することで、液体噴射ヘッドユニット401の回転方向(ヘッドのインクを吐出するノズルの傾き)を任意に調節することができる。本形態では、この調節機構は各液体噴射ヘッドユニット401毎に設けられているので、液体噴射ヘッドユニット401のインクを吐出するノズルの傾きを、それぞれの液体噴射ヘッドユニット401ごとに微調整することができる。
【0153】
(キャリッジ構成:液体噴射ヘッドユニット取り付け手順)
次に、液体噴射ヘッドユニット401の取り付け手順について図58〜図62を用いて説明する。
【0154】
まず、図58に示すように、キャリッジ200の左右の側板に支持されたCRレバーシャフト238を中心にCRレバー237を回転させて、液体噴射ヘッドユニット401をキャリッジ200に挿入可能な状態としておく。この状態で、液体噴射ヘッドユニット401の上部に設けられている把手406を手で持ち、液体噴射ヘッドユニット401を、そのノズルを斜め下にして、キャリッジ200の手前から矢印Jに示す方向に挿入する。
【0155】
さらに液体噴射ヘッドユニット401を挿入していくと、図59に示すように、液体噴射ヘッドユニット401の右側面に設けられた円柱突起415の側面が、キャリッジ200のヘッドユニット挿入位置の右側に位置する壁に設けられたヘッドユニット挿入案内用のガイド部200qに突き当たる。そしてさらに液体噴射ヘッドユニット401を奥に挿入していくと、円柱突起415がガイド部200qに案内されながら、液体噴射ヘッドユニット401はキャリッジ200のヘッドユニット挿入位置に納まる。そして、液体噴射ヘッドユニット401の側面の手前下方に設けられている台形突起部411がCRヘッドカム241(図57(a)参照)とCRヘッドバネ242(図57(a)参照)との間に挿入される。
【0156】
液体噴射ヘッドユニット401がキャリッジ200のヘッドユニット挿入位置に挿入されたら、図60に示すように、CRレバーシャフト238を中心にCRレバー237を矢印F方向に回転させる。すると、CRレバー237に保持されているヘッドセットプレート239の先端部分239c(図55参照)が、液体噴射ヘッドユニット401を下方奥側に押し付ける。
【0157】
これにより、図61および図62に示すように、液体噴射ヘッドユニット401がキャリッジ200のヘッドユニット挿入位置に納まった状態で保持され、液体噴射ヘッドユニット401のキャリッジ200への取り付けが完了する。
【0158】
(キャリッジ構成:液体噴射ヘッドの取り外し手順)
キャリッジ200からの液体噴射ヘッドユニット401の取り外し手順は、上述した取り付け手順と逆である。
【0159】
まず、図61および図62に示す、液体噴射ヘッドユニット401がキャリッジ200のヘッドユニット挿入位置に納まった状態から、CRレバーシャフト238を中心にCRレバー237を矢印K方向に回転させ、ヘッドセットプレート239の先端部分239cによる、液体噴射ヘッドユニット401への押圧を解除する。
【0160】
すると、キャリッジ200に搭載されているCRコネクタ216の手前側方向の反力Hにより液体噴射ヘッドユニット401が手前側に押されるが、このとき、液体噴射ヘッドユニット401の円柱突起415の側面が、キャリッジ200のガイド部200qに突き当たるため、液体噴射ヘッドユニット401は斜めに起き上がり、図59に示す状態になる。
【0161】
この状態で、液体噴射ヘッドユニット401の把手406を持ち、液体噴射ヘッドユニット401をキャリッジ200から図59に示す矢印L方向に引き抜く。これにより、液体噴射ヘッドユニット401がキャリッジ200から取り外される。
【0162】
[回復系ユニット]
次に、液体噴射ヘッドユニット401のノズル近傍に塵埃が付着したり、あるいはノズル内やノズル面401a上に付着したインクが乾燥し増粘することにより生じるインクの不吐出やヨレ(異常な方向にインクが吐出しインク滴の着弾位置がずれること)を解消するために設けられた回復系ユニット300について説明する。
【0163】
本実施形態における回復系ユニット300が有する吐出性能回復手段は主に次の3つである。
【0164】
その1つは予備吐出手段であり、非プリント時に、プリント媒体以外の領域、本実施形態においては回復系ユニット300に設けられた所定領域内に、すべてのノズルからインク吐出を行うことで、ノズル内あるいはノズル周辺の増粘インクや、同一装置内で複数種のインクを吐出可能な場合にノズル内に侵入した他種インクを排出したりするものであり、排出されたインクは廃インクタンクへと送られる。
【0165】
他の1つはワイピング手段であり、プリントのために吐出した主インク滴と同時に吐出されてしまうミストや、主インク滴がプリント媒体に着弾した際に発生する跳ね返りミスト、あるいは後述の吸引回復処理によりノズル形成面に付着したインク等を除去するために設けられ、ゴム等の弾性部材により構成されたブレード303等からなるものである。
【0166】
もう1つは吸引回復手段である。これはゴム等の弾性材料からなるキャップ308を液体噴射ヘッドユニット401のノズル面401aに当接させて密着させ、ポンプ手段によりキャップ308内の気圧を大気圧以下に減じてノズルからインクを強制排出させ、そのインク流によりノズル内の塵埃、乾燥インク、気泡等の吐出妨害要素を排除するものである。その後吸引したインクは廃インクタンクへ送られ処理される。
【0167】
続いて本実施形態における回復系ユニット300の構成について詳述する。
【0168】
図27は回復系ユニット300の外観斜視図である。回復系ユニット300は、キャリッジに挿通されたCRシャフト202等のキャリッジ走査案内部材が配設されたCRフレーム201に固定されており、従ってキャリッジ200および液体噴射ヘッドユニット401との相対位置が精度良く確保されている。
【0169】
予備吐出口(予備吐出受容口)301は、液体噴射ヘッドユニット401のノズル列方向において、液体噴射ヘッドユニット401のノズル列全長よりも短い寸法となるように形成されている。これは予備吐出を全ノズル同時には行なわず分割して一部ずつ順次行うことにより可能なものであり、これにより回復系ユニット300の小型化を達成している。また本実施形態では分割して吐出することによる予備吐出処理時間の増加を回避するため、キャリッジ200を走査させながら吐出を行う、いわゆる流し予備吐出を採用している。詳細に述べると、液体噴射ヘッドユニット401に設けられている616個のノズルを、例えば62ノズルずつの9ブロックと残りの58ノズルの1ブロックとの合計10ブロックに分割し、予備吐出における各ノズルの予備吐出回数を200回、吐出周波数を8kHz、ノズルの配設ピッチを600dpiとすれば、キャリッジ200を105mm/secの一定速で移動させながら、キャリッジ200進行方向のノズルブロックから順次吐出を行うと、ちょうど62ノズルの2倍の長さ、すなわち約5.25mmの範囲にインクが着弾することになる。そこで、本実施形態では、予備吐出口301の長さを、前記した着弾範囲よりも少し長い8mmに設定している。つまり約26mmの長さを持つノズル列に対し、予備吐出口301の長さは1/3以下となっている。また予備吐出口301内には、吐出されたインクを保持し、かつ後述する予備吐出口空吸引処理によりインクを残すことなく回収できるよう、樹脂製の多孔質部材からなる予備吐出吸収体302が配設されている。
【0170】
なお、前記した流し予備吐出時には、必ずしもキャリッジ200が定速で走査する必要は無く、例えば処理時間短縮のためにキャリッジ200のランプアップあるいはランプダウン領域も使用して予備吐出を行っても良い。
【0171】
また前述のようにキャリッジ200が走査しながら吐出を行うのではなく、各ノズルブロック毎に順次キャリッジ200を移動させて予備吐出口301の上方に停止させた後に所定回数だけ予備吐出を行う、というようにキャリッジ200を連続的にではなく断続的に移動させ停止状態で予備吐出を行ってもよい。
【0172】
ゴム等の弾性材料の平板からなるブレード303は、2個の液体噴射ヘッドユニット401各々に対して1枚ずつ設けられている。これは、一体構成に比べると、2個の液体噴射ヘッドユニット401のノズル面401aの高さズレの影響を排除したり、2個の液体噴射ヘッドユニット401が吐出するインクの種類が異なる場合に各々のインクが混合してしまう不具合を防止する効果がある。ブレード303はブレードホルダ304に固着され、ブレードホルダ304は後述のブレードバネを介して、ブレードギヤ305aと一体化したブレードシャフト305に対して上方向(矢印A301方向)に弾性的に付勢されている。また、ブレードシャフト305は後述のブレード駆動手段により矢印A302方向に回転可能であるため、これと係合したブレード303も同様に回転可能である。さらに、ブレードホルダ304にはブレードカム306が一体的に設けられ、キャリッジ200がワイピング手段上を矢印A303方向に走査する際に、キャリッジ200上のブレードリブ(図示せず)に弾性的に押し下げられることにより、ブレード303と液体噴射ヘッドのノズル形成面とのオーバーラップ量(以下侵入量と呼ぶ)が精度良く確保されながらワイピングを実行できる構成となっている。これにより、液体噴射ヘッドユニット401と回復系ユニット300との高さ方向の取り付け位置誤差によらず安定した侵入量を確保でき、常に良好なワイピングを実行することが可能である。
【0173】
また、本実施形態では、後述するブレードクリーナ307と、ゴム等の弾性部材で形成されたキャップ308と、多孔質材料からなりキャップ308内に配設されたキャップ吸収体309と、キャップ308を保持するキャップホルダ310と、不図示のキャップバネを介してキャップホルダ310を矢印A304方向に付勢するとともに後述のキャップレバーカムによりキャップをオープンあるいはクローズできるよう上下動可能に構成されたキャップレバー311とが設けられている。なお、プリント媒体である封筒312および連続紙(テープ)313の各々の搬送方向は、矢印A305、A306方向である。また、キャリッジロックアーム390は、キャッピングを行った時、すなわちキャップレバー311が上昇した時に、キャリッジ200に設けられた穴(図示せず)と係合してキャリッジ200を固定し、衝撃等により液体噴射ヘッドユニット401とキャップ308との位置がずれることを防ぐための部材である。また、キャリッジロックアーム390は、不図示のロックバネを介してキャップレバー311に取付けてあるので、矢印A390方向に弾性的に降下することが可能である。そのため、キャリッジロックアーム390がキャリッジの穴部以外の部分に当接したとしても、回復系ユニット300及びキャリッジ200に損傷を与えることはない。
【0174】
このように本実施形態においては、封筒搬送スペース、予備吐出口、ワイピング手段、キャッピング手段、連続紙搬送スペースの順で配置されているが、この理由について説明する。
【0175】
まずキャップ308について説明する。ノズル内のインクの乾燥防止のため、あるいは後述の吸引手段によりノズルからインクを強制排出させるための、キャップ308のノズル面401aとの密着面(通常はノズル列を覆うように設けられた環状リブの先端面)に、異物や乾燥インク等が付着して堆積すると、インクのもれ等の不具合の原因となる。また、本プリント装置における主な異物は、紙粉と呼ばれる搬送中のプリント媒体を発生源とする繊維状の異物であるが、本実施形態においては連続紙からは紙粉はほとんど発生せず、封筒からは多量の紙粉が発生する。また、インクミストについては、印刷ポジションから飛来するミストも有るものの、量的にはワイピング時にブレードから跳ね飛ばされるインクミストの量の方が格段に多い。以上の理由から、キャップに飛来する紙粉およびインク量を最も少なくするため、キャップ308は、封筒印刷ポジションから最も遠く、かつワイピング時にブレード303が跳ね飛ばすインクが飛翔しない位置に配置してある。
【0176】
また、前述のようにワイピング時にブレード303がインクを跳ね飛ばすことから、キャップ308だけでなくプリント媒体を汚さないために、ワイピング手段のブレード303を印刷ポジションから所定距離以上離す必要が有る。そこで封筒搬送スペースとワイピング手段との間に予備吐出口を設けることにより、印刷ポジション(封筒搬送スペース)から十分な間隔を取っている。
【0177】
図28はこの回復系ユニット300の駆動系の構成を示す図である。
【0178】
駆動系として、回転軸に歯車が固着された回復系駆動専用のモータ370と、モータの次段のギヤである減速用の第1のダブルギヤ371と、第1のダブルギヤと係合するとともに後述のコロガイドが固着されたポンプ軸373を回転中心として回転可能なアイドラギヤ372と、ポンプ軸373に固着されるとともにアイドラギヤ372に設けられたリブ372aと係合する切り欠き部374aを有するポンプカム374(斜線で図示)とが設けられており、リブ372aと切り欠き部374aとの間には回転角55度分の遊びが設けてある。また、アイドラギヤ372と係合する第2のダブルギヤ375と、矢印A380方向に回転したときのみその回転中心である後述のカム軸に対して締め付けトルクを発生するギヤ一体型のワンウェイクラッチ376とが設けられている。
【0179】
図29は回復系ユニット300のインク流路と弁の構成を示す図である。本実施形態では2つの液体噴射ヘッドユニット401への2系統の流路を有しているが、説明の簡略化のために、図29では一方の液体噴射ヘッドユニット401に対する1系統の流路のみを示している。
【0180】
本実施形態では、液体噴射ヘッドユニット401に対応して、予備吐出弁321と、大気連通弁322と、吸引弁323と、液体噴射ヘッドユニット401を吸引回復する際に負圧を発生する負圧発生手段(本実施形態ではチューブポンプ324)とが設けられている。
【0181】
まず、予備吐出処理により吐出されたインクを回収する予備吐出口空吸引処理を実行する場合の弁の状態について説明する。予備吐出は液体噴射ヘッドユニット401の401Aから401Bまでの移動中に実行される。その後、予備吐出弁321のみ開放して、他の2つの弁322,323を閉じ、チューブポンプ324を前記した駆動系により駆動することで、チューブ内に負圧を発生させる。これによって、予備吐出口301内に溜まったインクは予備吐出チューブ364、ポンプチューブ325内を通り、矢印A307方向へと排出され、不図示の廃インク処理手段へと送られる。
【0182】
次に、吸引回復処理実行時の弁の状態について述べる。なお、図29では、キャップ308と液体噴射ヘッド401とが離間しているが、実際には、吸引回復処理は、後述のキャップレバーカム350を駆動し、キャップレバー311を上昇させてキャップ308に付勢して液体噴射ヘッドユニット401のノズル面401aに対して弾性的に密着させノズル列を覆った状態で実行される。予備吐出弁321と大気連通弁322と吸引弁323とを閉じた状態でチューブポンプ324を作動させてから吸引弁323のみを開放し、キャップ内圧力を瞬時に減圧することにより、キャップ308内のインクの吸引が行われる。キャップ308、キャップチューブ338、ポンプチューブ325等の内部のインクを回収するために行う空吸引には、キャップ308を液体噴射ヘッドユニット401に密着させた状態のまま大気連通弁322と吸引弁323を開放して、大気連通チューブ339から空気を取り込める状態にした後にチューブポンプ324を作動させることにより行われる。
【0183】
次に図30および図31を参照してチューブポンプ324の機構について説明する。
【0184】
コロガイド327には、2個のコロ326が180度の位相ズレを持って回転可能に設けられている。また、このコロガイド327には、コロ326の両端に設けられた軸部326aが挿入される溝327aが設けられており、この溝327aに沿ってコロ326は移動可能である。そして、コロ326は、回転しながらシリコン製のポンプチューブ325を押しつぶしてしごくことが可能である。コロダンパー328はゴム等の弾性部材により形成されている。
【0185】
図30はチューブポンプ324が作動して負圧を発生させている状態であり、溝327aの一端部に寄せられたコロ326は、最も外周寄りに移動してポンプチューブ325を押しつぶしながら回動し、ポンプチューブ325をしごいている。コロダンパー328は、ポンプチューブ押しつぶし領域A308の範囲外において、コロ326を溝327aの一端部に寄せている。なお、2個のコロ326は180度の位相ズレを持っており、チューブガイド329はA308に示したように180度以上の領域に配置されているため、矢印A309方向にコロガイド327が回転している間は連続的に常に負圧を発生し続ける。
【0186】
図31は図30とは逆方向(矢印A310方向)にコロガイド327を回転させた場合の動作を示す図である。この場合にはコロ326はポンプチューブ325およびコロダンパー328と干渉することで発生する負荷により、溝327a内で図30とは逆方向の端部に寄せられ、コロ326がコロガイド327の回転中心方向へと逃げた状態になり、ポンプチューブ325を押しつぶさずに事実上空転する。従って負圧は発生されず、かつポンプチューブ325を押しつぶしてクリープさせる心配の無い状態となっている。従って、長時間のプリント停止が考えられる電源OFF時あるいはプリント待機時にはこの状態になっていることが望ましい。なお、図30の状態から確実に図31の状態に移行させるためには、本実施形態の構成では40度の回転角を要する。
【0187】
次に図32〜図34を参照して弁機構の構成について説明する。
【0188】
まず予備吐出弁321について図32を参照して説明する。本実施形態では、予備吐出弁321の開閉を制御する予備吐出弁カム330と、すべての弁を内蔵した弁ホルダ331と、ゴム等の弾性材料により形成されたダイアフラム弁である予備吐出弁ゴム332と、予備吐出弁ゴム332あるいは後述の吸引弁ゴム342と係合した弁シャフト333aと、弁シャフトと係合した第1の弁アーム334aと、第1の弁アーム334aと予備吐出弁カム330あるいは後述の吸引弁カム341とに当接するカムフォロワー335aと、第1の弁アーム334aを予備吐出弁カム332あるいは吸引弁カム341方向へと付勢する第1の弁アームバネ336aと、予備吐出弁321から後述の吸引弁323までのインク流路を形成する弁チューブ337とが設けられている。
【0189】
図32では、予備吐出弁ゴム332が弁ホルダ331内に位置し、予備吐出チューブ364と弁チューブ337との間を繋ぐ流路を閉鎖した状態を実線で示している。この状態から、予備吐出弁カム330がA311方向へと回動して第1の弁アーム334aが2点鎖線に示された状態まで回転すると、弁シャフト333aは2点鎖線の位置まで移動して予備吐出弁321が開き、予備吐出チューブ364と弁チューブ337との流路が開放される。
【0190】
なお、図32において参照数字の末尾にaが付されているものは各々の部材において予備吐出弁機構に使用されている部材であることを示し、図33において参照数字の末尾にbが付されているものは各々の部材において吸引弁機構に使用されている部材であることを示しているが、使用されている部位が異なるだけで機能および形状は同一であり、説明は省略する。
【0191】
図33は吸引弁323の動作を示す図である。本実施形態では、吸引弁323の動作を制御する吸引弁カム341と、ゴム等の弾性材料により形成されたダイアフラム弁である吸引弁ゴム342と、キャップ308から弁ホルダ331までのインク流路を形成するキャップチューブ338とが設けられている。
【0192】
図33では、吸引弁323が閉じられた状態を実線で示しており、キャップチューブ338と弁チューブ337との間は前記した予備吐出弁321と同様の構成により閉鎖されている。吸引弁カム341が矢印A312方向に回動して第1の弁アーム334bが2点鎖線に示された状態まで回動すると、弁シャフト333bは2点鎖線の位置まで移動して吸引弁323が開放され、キャップチューブ338と弁チューブ337との流路がつながる。
【0193】
図34は大気連通弁322の動作を示す図である。本実施形態では、大気連通弁322の動作を制御する大気連通弁カム343と、ゴム等の弾性材料により形成された大気連通弁ゴム344と、第2の弁アーム345と、第2の弁アームを大気連通弁方向へと付勢する第2の弁アームバネ346とが設けられている。
【0194】
図34では、大気連通弁322が閉じられた状態を実線で示している。大気連通弁カム343が矢印A313方向に回転して第2の弁アーム345が2点鎖線に示された状態まで回動すると大気連通チューブ339は大気に開放される。
【0195】
なお、大気連通弁322は前記した予備吐出弁321および吸引弁323とは異なり、2系統のインク流路すなわち2個のキャップ308からつながる大気連通チューブ339が、不図示のジョイント部材により1本のチューブにまとまり、大気連通弁ゴム344に接続されているため、弁機構は2個のキャップ308に対して1個設ければよい。
【0196】
図35はキャップ308の断面図である。キャップ308には大気連通チューブ339との接続部347とキャップチューブ338との接続部348とが設けられている。
【0197】
図36および図37はキャップ308の上下動作を示す図であり、図36はキャップオープン、すなわちキャップ308が最も下がった状態、図37はキャップクローズ、すなわちキャップ308が最も上がった状態を示す図である。
【0198】
本実施形態では、キャップレバーカム350と、キャップレバー311と一体に構成された、キャップレバーカム350に対するカムフォロワー311aとが設けられている。図36,37から明らかなように、キャップレバーカム350が回動し、所定位置で停止することにより、ノズル面401aに対するキャップ308の当接・離間を制御可能である。なお、キャップホルダ310とキャップレバー311との間に張架されたキャップバネは図示省略している。またキャップレバーカム350とキャップレバー311のカムフォロワー311aとは単に当接しているだけでなく互いに係合する形状となっているため、キャップ308と液体噴射ヘッドユニット401とがインクの固着等により貼り付いてしまった場合でも、引き剥がすことが可能な構成となっている。
【0199】
次に図38と図39を参照してワイピング手段の動作について説明する。ワイピング手段には、ブレードギヤ305と係合するブレード間欠ギヤ351と、ブレード間欠ギヤ351と係合するブレードトリガギヤ352と、ブレードクリーナ307と、ブレードバネ353とが設けられている。なお、キャリッジ200にはブレードリブが設けられている。
【0200】
ワイピングにあたって、ブレード退避状態である図38の状態からキャリッジ200が図39の実線の位置まで来ると、ブレードカム306を図39の位置まで矢印A314方向に回転させてブレード303の先端を上向きとし、ワイピング準備状態とする。次に、キャリッジ200を所定速度にて矢印A315の方向に移動させてワイピングを実行する。このときブレードカム306はキャリッジ200上のブレードリブに押し下げられ、ワイピング手段は図39中の2点鎖線の位置まで下がる。下がったブレードホルダ304とブレード303はブレードバネ353により上方へと付勢され、ブレードリブに対してブレードカム306が摺接しながらワイピングを実行する。これによりブレード侵入量A316は精度良く確保され、常に安定的に良好なワイピングを実行できる。液体噴射ヘッドユニット401のノズル面401aがブレード303から離れるとワイピングが終了する。続いて、ワイピング手段は再び回転を開始し、ブレード303は、付着したインクをブレードクリーナ307で掻き落とした後に、図38に示す状態で停止する。なお、このときブレードクリーナ307とブレード303との干渉量A317は前記した侵入量A316よりも大きな値となっており、確実にブレード303に付着したインクを除去している。
【0201】
また、ブレードクリーナ307の位置はブレードクリーニング時にブレード303から跳ね飛ばされるインクが、キャップ308等、インクの付着を嫌う部材へ飛翔しない位置に設けられ、例えば本実施形態ではブレード303の下方に設けられている。また、ブレードクリーナ307は、掻き落とされたインクを貯留する容器を兼ねており、必要に応じて容易に交換可能な構成となっている。従って、ブレード303に付着した乾燥インクを再溶解したり、あるいは主に顔料系のインクのように粘性が高いインクを使用した時に吐出を行いながらワイピングを行ういわゆるウエットワイピング等を行った場合に、ブレード303から垂れたインクは装置内の他部位に回り込むことなく回収することが可能である。
【0202】
さらに、ブレードクリーナ307内に溜まるインク量が多く交換による対応が困難な場合等には、図40および図41に示すように、ブレードクリーナ307の容器部底面に、ポンプチューブ325とつながったクリーナチューブ397を接続し、必要に応じて吸引を行って、ブレードクリーナ307内に配設したクリーナ吸収体398に吸収保持されたインクを適宜回収して廃インク処理手段へと排出しても良い。これによれば、ユーザは製品寿命内においてブレードクリーナ307内に溜まったインクの処理に煩わされることが無くなる。なお、その場合の弁機構については説明を省略するが、その構成は図32に示す構成と同様であり、吸引弁323および予備吐出弁321は閉じた状態でクリーナ弁399を開放しポンプを作動させればブレードクリーナ307内のインクを回収できる構成である。
【0203】
次に、ワイピング手段の駆動系について説明する。図38においてブレード間欠ギヤ351の歯のうち網掛けで図示した歯354は、ブレードトリガギヤ352の歯のうち網掛けで図示した歯354とのみ係合し、ブレード間欠ギヤ351の歯のうち網掛けなしで図示した歯355は、ブレードトリガギヤ352の歯のうち網掛けなしで図示した歯355とのみ係合するよう構成されている。
【0204】
従って、ブレードトリガギヤ352の網掛けの無い歯の中で大部分を占める円盤部がブレード間欠ギヤ351と係合している間は、ブレード間欠ギヤ351は停止し回動不能な状態であり、ワイピング手段はブレード303が下を向いた状態、すなわち非作動状態にて停止している。ブレードトリガギヤ352が回転すると、ギヤ同士が噛み合い、ワイピング手段は図39に示すように矢印A314方向へと回転して、再度図38に示す状態に戻る。
【0205】
なお、本実施形態においては、ブレードトリガギヤ352と、予備吐出弁カム330と、吸引弁カム341と、キャップレバーカム350とは、同一軸(以下「カム軸」と呼ぶ)に固着されている。ブレード間欠ギヤ351は、ブレードトリガギヤ352が360度回転する間に、所定の位相における45度の回転角の間でのみ係合して回転する。ブレードギヤは、ブレードトリガギヤ352に対して8倍の増速比を有している。すなわち、カム軸が360度回転するうちの、ある位相における45度だけ回転する間にワイピング手段は連続的に360度回転し、カム軸が残りの315度回転する間は、ブレード303先端が下方を向いた状態で停止している。このようにワイピング時以外は常に停止状態とし、さらにそのワイピング面(ノズル形成と当接する面)が封筒搬送スペースおよび予備吐出領域とは逆方向を向いているために、飛翔する紙粉やインクミスト、あるいはその他の塵埃等の付着を最小限に抑制できる構成となっている。
【0206】
この回復系ユニット300の駆動機構は、前述のようにギヤ列の途中にコロガイド327の位相角55度分だけ空転領域が設けられており、回転方向を逆転させた際には、位相角55度分だけ遅れてコロガイド327が回転を開始するよう構成されている。カム軸への駆動力の伝達は途中にワンウェイクラッチを介しているため、チューブポンプ324が負圧を発生させる方向に駆動されている時には、カム軸へは駆動力が伝達されないよう構成されている。
【0207】
次にカムチャートを示した図42と、フローチャートである図43〜図47を参照して一連の回復系ユニット300の処理動作について説明する。なお、以下の説明における丸付き数字は図42に示したカムポジションを示すものである。
【0208】
まずプリント時の回復系ユニット300の動作について説明する。ステップS301でプリント命令が出されると、ステップS302でモータが図28の反時計回り方向へ回転を開始し、カム軸を回転させてキャップ308を開放し▲1▼の状態となる。
【0209】
次に、予備吐出を行うため図44に示す予備吐出処理を実行する。予備吐出処理では、ステップS321でキャリッジ200を予備吐出準備位置まで移動させ、続いてステップS322で、ブレード303に近い側のノズルのブロックから順次流し予備吐出を実行する。予備吐出が全ノズルにおいて終了すると吐出およびキャリッジ200の移動は停止し、予備吐出処理は終了する。なお、流し予備吐出は前述のように必ずしもキャリッジ200を走査させながらインクを吐出せずとも良く、断続的に停止しながら、その停止した状態で吐出を行っても良い。
【0210】
次に、ステップS304で、キャリッジ200を封筒あるいは連続紙(テープ)のいずれかの印刷ポジションまで移動させ、ステップS305で、タイマTをリセットしてからカウントをスタートさせる。ステップS306で、搬送されてきたプリント媒体に対しプリント情報に応じてインクを吐出してプリントを行う。ステップS307でプリント命令がなければ、ステップS311へ進む。これに対し、ステップS307でプリント命令があれば、ステップS308にてタイマTを参照する。この時、もしタイマTが60sec以下であれば、ステップS306へ戻り再びプリントを行う。しかし、タイマTが60sec以上であれば、ステップS309にて、ノズル面401aに付着したインクを拭き取るために図45に示すワイピング処理を実行する。
【0211】
ワイピング処理は、ステップS331にてキャリッジ200をワイピング準備位置まで移動させる。続いてステップS332にてモータを反時計回り方向へ回転させ、▲1▼の状態から▲2▼の状態、すなわちブレード303の先端が下方向を向いた状態(図38参照)から、ワイピング可能な状態である上方向を向いた状態(図39参照)へと移行させる。次に、ステップS333でキャリッジ200を走査してワイピングを実行する。このときのキャリッジ走査速度は必ずしも一定ではなく、例えばインクの種類に応じて変更しても良い。液体噴射ヘッドユニット401のノズル面401aの全域がブレード303により拭かれた後、キャリッジ200は停止し、ステップS334でモータを反時計回り方向に回転させてワイピング手段を▲3▼の状態、すなわちブレード303を下向きにして格納し、ワイピング処理を終了する。
【0212】
次にステップS310で、ワイピング処理によりノズル内に押し込まれた可能性の有る乾燥インクあるいは異なる種類のインク等を排出するために、予備吐出処理を実行する。プリント命令が無くなると、ステップS311でプリントの終了動作としてワイピング処理を実行してノズル面401aのインクを除去した後、ステップS312にて、予備吐出口内に溜まっているインクを不図示の廃インク処理手段へと排出するため、図46に示す予備吐出空吸引処理を実行する。
【0213】
ステップS341では、モータを反時計回り方向に回転させて▲3▼の状態にする。続いて、ステップS342にてモータを時計回り方向に所定回転角度だけ回転させてポンプを駆動し、予備吐出口内のインクをポンプチューブ325を通じて廃インク吸収体へと排出して予備吐出口空吸引処理を終了する。なお、所定回転角度とは、予備吐出口内あるいはチューブ内に残留するインク量が、液体噴射ヘッドユニット401あるいは回復系ユニット300に対して不具合を与えない量まで確実に減じることができる角度である。
【0214】
次に、ステップS313にて、キャリッジ200をホームポジションSすなわちキャッピングポジションまで移動し、ステップS314にてモータを反時計回り方向に回転して、▲4▼の状態すなわちキャッピング状態として、プリント処理を終了する。なお、このときの回転角は100度であり、従ってポンプ動作の遅れ角55度と、コロ326がポンプチューブ325を押しつぶした状態から開放した状態にするために必要な回転角40度とを合わせた角度よりも大きく、待機時(キャッピング時)のポンプは図31に示す状態となっている。
【0215】
次に、液体噴射ヘッドユニット401が長期間使用されなかったためにノズル内のインクが固着したり、気泡が混入して吐出が行われなくなった場合等に、自動的にあるいは手動により実行される吸引回復処理について説明する。
【0216】
まずステップS361にて吸引回復命令を受け取ると、ステップS362でプリント装置の状態を検知する。このときプリント装置が、待機状態すなわち▲4▼の状態でキャッピングが行われていればステップS364へ進む。そうでなければ、ステップS363へ進みワイピング処理を実行してから、ステップS364でキャッピングを行って▲4▼の状態とし、さらにモータを反時計回り方向に回転して全ての弁を閉鎖した▲5▼の状態とする。次に、ステップS365でモータを時計回り方向に回転させてポンプを駆動し、3種の弁(計5個)からポンプ(計2個)までの間のチューブ内の圧力を所定値まで減圧する。次に、ステップS366でモータを反時計回り方向に回転させて▲6▼の状態とし、吸引弁のみを開放してキャップ内に負圧を作用させる。このとき▲5▼から▲6▼の状態に至るまで、ポンプ駆動系はポンプをA310方向に45度だけ回転させようとするが、前述の通り55度までは空転領域でコロガイドは回転しない構成なので、ポンプは駆動されず、従ってポンプチューブ325はコロ326により押しつぶされ閉鎖した状態が保たれている。
【0217】
ここで、ノズル内の乾燥インクや気泡等を除去するのに必要な所定インク量を吸引できれば吸引動作を終了しても良いが、本実施形態では吸引量が不足しているものとして追加吸引を行う。ステップS367で再度モータを時計回り方向に回転させてポンプを作動させ、負圧を発生させて吸引を行う。吸引量が所定値に達したら、ステップS368でモータを反時計回り方向に回転して大気連通弁を開放するために▲7▼の状態とし、キャップ308内を大気に開放して吸引を停止する。続いてステップS369にてモータを時計回り方向に回転してポンプを作動させ、キャップ308、大気連通チューブ339、キャップチューブ338、ポンプチューブ325の内部のインクを、廃インク処理手段へと排出する。次に、ステップS370にてモータを反時計回り方向に回転してキャップオープンすなわち▲1▼の状態にし、ステップS371にてワイピング処理、ステップS372にて予備吐出処理、ステップS373にて予備吐出口空吸引処理を実行し、最後にステップS374でキャリッジをホームポジションSに移動してから、ステップS375でモータを反時計回り方向に回転させてキャッピングを行って、吸引回復処理を終了する。
【0218】
なお、図42中に表されているキャップカムセンサは、カム軸に固着された不図示のキャップカムをフラグとしたフォトインタラプタにより構成されており、その検知結果によりカム軸に固着されたカム等の位相を検知することが可能なセンサである。ここで、キャップカムセンサの検知タイミングは、キャップオープンとキャップクローズの直前に設定されている。これは、キャップオープン時には、キャップレバー311と一体化したカムフォロワー311aが、本実施形態においては総計800gf程度のバネ力を有するキャップバネの作用により、キャップレバーカム350を図36における反時計回り方向方向に回す力が掛かって、ワンウェイクラッチが空転する方向にキャップレバーカム350がオーバーランして位相ズレを起こす可能性が有ることと、逆にキャップクローズ時には、カム軸に対して最も大きな負荷が掛かり、ステッピングモータにより構成された回復系ユニット駆動用のモータが脱調する危険性が有るためであり、これらにより生ずる位相ズレを補正して常に正しい位相でカムを制御するために設定されたものである。
【0219】
[液体噴射ヘッドユニット]
図20,48〜50は液体噴射ヘッドユニット401の構成を示す図で、図20,48,49は外観斜視図、図50は部分断面図である。
【0220】
本実施形態の液体噴射ヘッドユニット401は、液滴を吐出する吐出口(ノズル)が列を成して形成されたノズル列からプリント信号に従って液滴を吐出する液滴吐出部材(これがいわゆる液体噴射ヘッドであり、以下「ヘッドチップ」という)402と、プリントマシン本体との間を伝送されるプリント信号の受け渡しをする電気配線がなされるフレキシブルケーブルやTAB等のシート配線部材403と、ヘッドチップ402に供給されるインク等の液体を収容するインク貯蔵室を有するとともにヘッドチップ402を保持するためのユニット枠体404等から構成されている。
【0221】
ヘッドチップ402は、ユニット枠体404に、例えば位置決めボス404aの溶着やビス451等によって固定されており、双方の分解が容易にできるようになっている。
【0222】
ユニット枠体404の内部には、所望量のインクが収容できる第2の共通液室405が設けられており、第2の共通液室405に貯蔵されたインクは、ヘッドチップ402へ供給され、後述するチップタンク603のインク通路、天板605の第1の共通液室605aを介して、ノズル部へ供給される。
【0223】
液体噴射ヘッドユニット401の上方に配設される把手406は、液体噴射ヘッドユニット401をキャリッジ200に着脱する際の手掛かりとなる。
【0224】
位置決め部位群408〜411は液体噴射ヘッドユニット401をキャリッジ200内の所定位置に載置させるものであり、液体噴射ヘッドユニット401の底面に配設される円柱形状のガイドピン408、液体噴射ヘッドユニット401の奥面に配設される球突起409を含む。球突起409の中心は、ガイドピン408の円柱部中心線の延長上に設けられる。ガイドピン408の内側円柱壁408aと球突起409が各々キャリッジ200の所定位置に当設されると、プリント媒体に対する液体噴射ヘッドユニット401の垂直方向の位置決めがなされる。また、ガイドピン408先端部のテーパー面408bはガイドピン408を所定位置へ挿入させるためのガイドとなる。
【0225】
また、液体噴射ヘッドユニット401の底面に2個所配設される球突起410がキャリッジ200の所定位置に当設されると、液体噴射ヘッドユニット401の高さ方向の位置決めがなされる。
【0226】
また、液体噴射ヘッドユニット401の側面に配設される台形突起411によって、キャリッジ200側面方向の位置決めと、液体噴射ヘッドユニット401(および吐出口列)の傾き方向の位置決めがなされる。すなわち、ガイドピン408中心と球突起409の中心とを結ぶ直線を支点とした液体噴射ヘッドユニット401の傾き量は、台形突起411の高さ変動によって変化するようになっている。
【0227】
液体噴射ヘッドユニット401の側面に配設される円柱突起415は、液体噴射ヘッドユニット401がキャリッジ200内へ挿入される際に、液体噴射ヘッドユニット401を強制的に傾けるための挿入ガイドで、液体噴射ヘッドユニット401が傾けられることによってガイドピン408先端が所定位置へ導かれるようになっている。
【0228】
CRニードル222の先端がジョイントゴム416の表面より入り込んで、第2の共通液室405内に貫通すると、CRニードル222上流にあって、チューブ等の接続手段によってCRニードル222と連結されるメインタンク501から第2の共通液室405内にインクが供給されるようになる。
【0229】
ジョイントゴム416は針状部材を表面側416aから対向面側へ貫通させることによって形成される閉塞穴416bを有しており、このジョイントゴム416はジョイントゴム416の外径寸法よりも小さい内径寸法で形成される穴部に圧入される。このように圧入されることにより、閉塞穴416bはジョイントゴム416の外周部から圧縮荷重を受けるため、CRニードル222の非挿入時には第2の共通液室405内部を密閉状態に保つことができる。そして、CRニードル222が挿入された際は、CRニードル222に対してグリップ力(外周部からの圧縮力)が作用するので、CRニードル222の中空部を除いてはジョイント部を完全にシールすることができる。
【0230】
ジョイントゴム416は上下2個所に配設されているが、下方部はメインタンク501からインクを供給するための供給通路であり、インクは下方のCRニードル222および穴404bを通って第2の共通液室405内部へ供給される。一方、上方部は第2の共通液室405内部に蓄えられた空気を液室外部へ放出して液室内の負圧力を制御するための吸気通路であり、ポンプ等の吸気用駆動手段によって、穴404cおよび上方のCRニードル222を通って第2の共通液室405外部へ排出される。
【0231】
また、この吸気通路による第2の共通液室405内部の負圧力を増大させることで、第2の共通液室405内のインク補給制御ができる。
【0232】
傾斜受面417はキャリッジから液体噴射ヘッドユニット401に作用する荷重を受ける部分であり、この傾斜受面417が荷重を受けると、傾斜形状によって矢印Z方向と矢印Y方向の分力が生じて、液体噴射ヘッドユニット401は二方向に向けて押圧されるようになる。
【0233】
コンタクトパッド421は、ヘッドチップ402とプリントマシン本体との間を伝送されるプリント信号の受け渡しをするものである。
【0234】
[チップ構成]
次に、上記に説明した液体噴射ヘッドユニット401の構成についてより詳細に説明する。図63は、本実施形態の液体噴射ヘッドユニット401を示す斜視図、図64は他の方向から見た斜視図、図65はその縦断面図である。また、図66は、図63に示した液体噴射ヘッドユニット401を、チップタンク603および第2の共通液室405の一部を破断した状態で示す斜視図であり、図67は、そのチップタンク603と第2の共通液室405との接続部を拡大して示す断面図である。
【0235】
本実施形態の液体噴射ヘッドユニット401のヘッドチップ402は、プリント液(インク等)に吐出エネルギーを付与する吐出エネルギー発生素子列(不図示)が流路に対して設けられた素子基板604と、これに対向して流路を形成する天板605と、流路にプリント液を供給する供給部材であるチップタンク603とが、互いに位置決めされた状態で基準部材602に取り付けられることにより構成されている。さらに、液体噴射ヘッドユニット401のユニット枠体404は、チップタンク603に供給液を送るための接続部および液室内の空気を逃がす接続部と、プリント液を一時もしく使用し切るまで保管する第2の共通液室405とを有している。そして、ヘッドチップ402のチップタンク603には、第2の共通液室405との境界部に位置し、プリント液中の不純物をトラップする微細穴を有する多孔質部材606が取付けられている。第2の共通液室405とチップタンク603との接続部には、シリコーンゴム等からなる充填剤607が充填されている。
【0236】
ここで、上記の各構成について、より詳しく説明する。
【0237】
第2の共通液室405は、プリント液を保管しておくバッファの役割をもち、吐出によりプリント液が消費されると、プリント液は第2の共通液室405から天板605と素子基板604とにより構成される第1の共通液室605a(図67参照)へ適宜供給される。また、第2の共通液室405は、別に設けられたプリント液貯蔵タンクからプリント液を受け取るための接続部と、液室内の空気を外部へ逃がすための接続部とを有している。
【0238】
チップタンク603は、第2の共通液室405から第1の共通液室605a(図67参照)へプリント液を適宜供給する流路の機能を持っている。
【0239】
多孔質部材606は、第2の共通液室405とチップタンク603との間に存在し、プリント液中の不純物等をトラップする役割をもつ。本実施形態では、多孔質部材606はチップタンク603に溶着によって接合されている。そのため、チップタンク603と多孔質部材606との接合部から流路内に気体が侵入することはない。
【0240】
チップタンク603と天板605とは、図67に示すように、チップタンク603のプリント液供給路603aが天板605のプリント液供給口605bに連通した状態で接合されている。チップタンク603と天板605との接合は、接合面同士を互いに圧着させることにより行い、補完的に接合面の周囲が充填剤(不図示)で密封されている。
【0241】
また、上述したように、チップタンク603と第2の共通液室405との間は、その全周が充填剤607によって隙間なく充填されており、第2の共通液室405内からチップタンク603までの水密性が確保されている。しかしながら、充填剤607は気体透過性を有するシリコーンゴム等からなるため、外気が充填剤607を透過して第2の共通液室405内へ侵入し得る。第2の共通液室405内へ侵入した気体は、第2の共通液室405内を浮力により上昇し、液室の上部の気体層に滞留する。そして、この気体は、第2の共通液室405内の気体を外部へ逃がす接続部(不図示)を経て、最終的には外部へ排出される。
【0242】
本実施形態では、チップタンク603と第2の共通液室405との接続部が、プリント液の流れ方向に関して多孔質部材606の上流側に配置されている。そのため、充填剤607を透過した気体が、多孔質部材606よりも下流側のチップタンク603内に侵入することがない。また、第2の共通液室405内において、乾燥等によってプリント液の一部が凝固して固形物が生成した場合であっても、その固形物を多孔質部材606で捕集(トラップ)することができる。
【0243】
上記の構成により、多孔質部材606よりも下流側、すわなちプリント液供給路603aからヘッドチップ402のノズルまでの流路中に侵入する気体を減少させることができるので、多孔質部材606よりも下流側の流路中に気体が存在することによる液体噴射性能への影響を低減することができる。また、多孔質部材606よりも下流側の流路中に存在する気体が減少するので、長期間放置された液体噴射ヘッドの使用を開始する際に行う回復動作を簡略化することができる。そのため、回復動作において吸引・廃棄されるプリント液の量が減少し、プリント液の使用効率を向上させることができる。
【0244】
図68は、図63に示した液体噴射ヘッドユニット401のヘッドチップ402のみ(ユニット枠体404を省略した状態)を示す斜視図である。図69はその断面図である。
【0245】
図68に示すように、多孔質部材606よりも流路の上流側すなわち第2の共通液室405(図63等参照)側にある、チップタンク603の第2の共通液室405との接続部の流路方向に対して垂直な断面積は、プリント液供給路603aの流路方向に対して垂直な方向に対する断面積のうちの最大断面積となっている。
【0246】
また、多孔質部材606は、チップタンク603のプリント液供給路603aの液流れ方向に対して斜めに配置されている。そのため、多孔質部材606の面積は、チップタンク603の第2の共通液室405との接続部付近の、流路方向に対して垂直な断面積よりも大きい。本実施形態では、多孔質部材606の面積はプリント液供給路603aの最小断面積の約20倍である。
【0247】
上記のように配置された多孔質部材606によれば、液体吐出時に発生しプリント液供給路603aを上昇した気泡が、斜めに配置された多孔質部材606の上部側(流路上流側)でトラップされる。一方、斜めに配置された多孔質部材606の下部側(流路下流側)は常にプリント液が接触しているので、第2の共通液室405から多孔質部材606を通ってチップタンク603のプリント液供給路603aに流れるプリント液は、その流れが途切れることはない。従って、液体吐出に必要な一定流量のプリント液がヘッドチップ402に供給される。
【0248】
次に、チップタンク603のプリント液供給路603aにおける気泡の流れについて、図70を参照して説明する。
【0249】
図70(a)に示すように、吐出動作によって流路中に発生した気泡608aは、プリント液供給路603aを上昇する。このときには、気泡608aはまだ多孔質部材606へ到達していない。そのため、多孔質部材606の下面側ではその全領域がプリント液に接触しているので、十分な流路面積が確保されており、第2の共通液室405から多孔質部材606を通ってチップタンク603のプリント液供給路603aへ向かうプリント液の流れ608bはスムーズである。
【0250】
さらに上昇した気泡608aは、図70(b)に示すように、多孔質部材606に到着する。気泡608aは、表面張力の関係から多孔質部材606を通過することができないため、多孔質部材606の下面側に滞留する。なお、このときにおいても、気泡608aは多孔質部材606の下面全面を覆っておらず、また、気泡608aはプリント液供給路603aの流路断面積全体を塞ぐ程には大きく成長しないので、十分な流路面積が確保され、プリント液の流れ608bは保証される。
【0251】
多孔質部材606の下面側に滞留した気泡608aは、図70(c)に示すように、プリント液供給路603aの液流れ方向に対して斜めに配置された多孔質部材606に沿って、上方へ移動して留まる。多孔質部材606の下流側のプリント液流路は、気泡608aが多孔質部材606の全面を覆うまで確保され、それに至るまではプリント液の流れ608bは保証される。本実施例においては、多孔質部材606はプリント液供給路の約20倍の面積を有しているため、プリント液の流れは相応の時間保証される。さらに、多孔質部材606の下面に滞留している気泡608aは、回復吸引動作を適宜行うことによって取り除くことができる。
【0252】
プリント液供給路603aの多孔質部材606が取り付けられる部分の流路断面積と多孔質部材606の面積との比は、多孔質部材606の取り付け角度を変えることによって選択的に決定することができる。
【0253】
水平方向を0°とした場合に、多孔質部材606の取り付け角度を30°にしたときには、多孔質部材606の面積は多孔質部材606が取り付けられる部分の流路断面積の約1.1倍強、45°としたときには1.4倍強、60°としたときには1.7倍強となる。この面積比は、液体噴射ヘッドユニット401の外形寸法や、その構成に応じた組み立て性等を考慮して決定する。
【0254】
気泡の上昇方向(プリント液供給路603aの液流れ方向)に対して多孔質部材606が垂直に配置されている場合には、気泡608aは多孔質部材606の下面側においてプリント液供給路603aの中心に滞留しやすい。ここに滞留した気泡608aは、さらに成長すると水平方向に拡がり、多孔質部材606の下面側の流路を塞いでしまいやすい。しかしながら、上記のように多孔質部材606を斜めに配置することにより、多孔質部材606に到達した気泡はプリント液供給路の上方側に滞留し、成長しても水平方向に拡がらない。そのため、多孔質部材606の下部側ではプリント液の流れ608bを確保しやすくなる。したがって、プリント液流路確保のための回復動作を減少させることができ、ひいては回復動作を行うことによるプリント液使用効率の減少および記録速度の減少を防ぐことができる。
【0255】
さらに多孔質部材606を斜めに配置する構成とした場合には、チップタンク603と第2の共通液室405との接続部も斜めになる。そのため、この接続部を充填する充填剤607を接続の上方側から注入することにより、充填剤607をスムーズに流入させることができるので、液体噴射ヘッドの生産性が向上する。
【0256】
[インクタンク部分]
図5は本発明の一実施形態に係るインクカートリッジを示す分解斜視図である。インク容器511およびインク容器511の蓋512によりインク貯蔵室が形成されている。インク容器511はブロー成型手法によって形成され、プリントマシン本体への装着、脱着時の補助のため取っ手511aが設けられている。さらに、インク容器511の側面を窪ませて製品識別用のラベルを貼るスペース523が設けられている。
【0257】
インク容器511に設置されたハウジング521に対し、蓋512は超音波溶着により取り付けられる。蓋512のにはそれぞれ連通口を形成するハウジング522が設けられ、それぞれにドーム状の弾性体(ゴム栓)513が組みつけられ、さらに固定部材としての冠体514が組み付けられることにより、プリントマシン本体とのインク流通等のための結合部が形成され、一体のインクタンクすなわちインクカートリッジが形成されている。
【0258】
以上説明した本発明のプリント装置では、液体噴射ヘッドユニットが所定の部位を支点として回動自在にキャリッジに支持されるとともに、該支持された液体噴射ヘッドユニットの回転角度が調節可能に構成されているので、前述の課題で述べた液体噴射ヘッドの吐出口列方向の相対傾きを小さくできる。以下に、これら液体噴射ヘッドユニットおよびキャリッジの具体的な形態を詳細に説明する。
【0259】
キャリッジは前述の図16、19、55〜57に示したような構成になっており、液体噴射ヘッドユニットは前述の図48および49に示した構成になっている。この構成によれば、ガイドピン408の円柱中心と球状突起409の中心を結んだ直線が、カートリッジ404の回動中心となる。すなわち、液体噴射ヘッドユニットは奥側を支点として手前側が揺動するようになっている(図48参照)。したがって、図57に示すように、CRヘッドカム241が回動すると、CRヘッドカム241とCRヘッドバネ242に挟持された台形突起411がカム面に沿って移動し、ユニット枠体404が上記支点を中心に回動する。これにより、液体噴射ヘッドユニットとキャリッジの相対位置を調整することができる。
【0260】
上記構成において、CRヘッドカム241としては、真円形の偏心カムまたは自由曲線のカムを用いることができる。偏心カムを用いる場合は、回動角度によって偏心量が変化するため、CRヘッドダイアル243の外周面に設けられる溝243aのきざみ間隔を不均一にして、偏心量の均一化を図る必要がある。この方式は部品が安価な構成であるが、回転時のクリックピッチが不均一になるために操作性が悪くなる他、偏心カムの回転角度が半円(180°)しか使用できない。
【0261】
一方、自由曲線カムを用いる場合は、CRヘッドダイアル243の外周面に設けられる溝243aのきざみ間隔を一定にできるため、回転時のクリックピッチが均一になり、偏心カムの場合に比べて操作性が良く、しかもカムを全円周(360°)にわたって偏心設定することができる。ただし、この場合は、カムに自由曲線を形成させるため、部品が高価なものとなる。
【0262】
上述の説明では、CRヘッドカム241の回転角度位置を調節する角度調節手段として、外周面に溝243aが周方向に所定の間隔で複数形成された、CRヘッドカム241と連動して回動するCRヘッドダイアル243と、CRヘッドダイアル243の外周面を摺動するとともに、該外周面に設けられた溝と係合することによりCRヘッドダイアル243の回転位置を保持するロック機構(図57参照)とから構成されるものを用いているが、この角度調節手段はこの構成に限定されるものではなく、液体噴射ヘッドユニットの回転角度を一定の角度で段階的に調節することができるのであればどのような機構であってもよい。
【0263】
また、CRヘッドダイアル243に、CRヘッドカム241の回転位置に対応した液体噴射ヘッドユニットの回転角度の目安となる指標を設け、この指標に基づいて回転角度を調整するようにしてもよい。
【0264】
また、液体噴射ヘッドの吐出口列方向の相対傾きのプリント品質への影響を考えると、液体噴射ヘッドユニットの回転角度の調整ピッチは0.02度以下とすることが望ましい。具体的には、前記ドラム部材の外周面に形成された溝の1ピッチあたりの液体噴射ヘッドユニットの回転角度を0.02度以下となるようにする。
【0265】
上記のような高精度な調節(回転角度が0.02度以下)を行う場合、CRヘッドカム241はギヤなどの駆動伝達系を介さずに直接回転駆動することが望ましい。具体的には、図57に示すように、CRヘッドカム241のカム軸の一端に擦り割溝を設け、この擦り割溝にマイナスドライバーなどを挿入して回転させる構成とする。これにより、駆動伝達系におけるガタなどの影響を取り除くことができる。
【0266】
さらに、CRヘッドカム241の回転位置を電気的または機械的に検出する回動角度検出部を設けてもよい。これにより、液体噴射ヘッドユニットの回転角度を容易に知ることができ、簡単にその液体噴射ヘッドユニットの回転角度を調節することができるようになる。
【0267】
また、液体噴射ヘッドユニットの位置決めを行うためにキャリッジに設けられたU字形のリブ状部200m、200nは、図71に示すようなV字形状にしても良い。V字形状で受けることで、液体噴射ヘッドユニットの底面に設けられたボスの側面の突き当て部との接触面、および液体噴射ヘッドユニット奥側の接点部分の上方に設けられた球形状の突き当て部との接触面が少なくなる。これにより、液体噴射ヘッドユニット回動方向の摩擦抵抗を小さくすることができ、ユニット枠体404側面に作用させる押圧力を低減することができる。
【0268】
液体噴射ヘッドユニットは、図48.49に示した構成の他、図71に示す以下のような構成としてもよい。図72中、図48.49に示した構成と同じものには同じ符号を付している。
【0269】
図72において、404dはユニット枠体404側面の押圧部で、台形突起411と対向して配置される。この押圧部404dは、ユニット枠体404側面より一段低くなるように形成されている。
【0270】
この液体噴射ヘッドユニットを前述のキャリッジに搭載した場合、CRヘッドバネ242が押圧部404dを加圧することで、台形突起411とCRヘッドカム241の外周面とが当接される。CRヘッドバネ242は、この押圧部404dの段差によって形成される空間内に収容されるように構成することができることから、この構成によれば、CRヘッドバネ242の配設スペースによってカートリッジの配列間隔が広げられるようなことはない。通常、カートリッジ中央部ではヘッドチップがあるために、座ぐることができない。
【0271】
また、図72に示す構成では、コンタクトパッド421はユニット枠体404側面に配設されている。CRコネクタ216の接点はコンタクトパッド421方向に適度な反発力を有する。このCRコネクタ216の接点の反発力がカートリッジを保持するための押圧力を兼る。液体噴射ヘッドユニットを固定するためのユニット枠体404側面に付与する押圧力は、小さな荷重で良いことから、コンタクトパッドの数が少ないような構成の場合、ユニット枠体404側面にコンタクトパッド421を配設してCRコネクタ216の接点の反発力で固定することは、効果的である。
【0272】
なお、本実施例で説明したヘッドにおいては、封筒および適時切断可能な連続紙用のプリント装置に適用した場合について説明したが、本構成に限られるものではなく、普通紙を用いる通常のプリンタにも適用可能である。
【0273】
本明細書において、「プリント」(「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行なう場合も言うものとする。
【0274】
ここで、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものとする。
【0275】
さらに、「インク」(「液体」という場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えばプリント媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を言うものとする。
【0276】
なお、本発明が有効に用いられる一形態は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜沸騰を生じさせ気泡を形成する形態である。
【0277】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液体噴射ヘッドユニットをキャリッジに搭載した後に、液体噴射ヘッドユニットとキャリッジの相対位置を調整できるため、吐出口の傾きを高精度に設定することができる。
【0278】
また、キャリッジや液体噴射ヘッドユニットにおける構成部品や組立は適度な精度が確保されれば良く、仮に低精度な部品で組立てられたキャリッジや液体噴射ヘッドユニットであっても、液体噴射ヘッドユニットの回転角度を調整することで液体噴射ヘッドの吐出口列方向の相対傾きを小さくするができる。このため、安価な部品を使用でき、装置コストを大幅に低減することができる。さらには、組立精度を高くする必要もないので、生産性にも優れている。
【0279】
また、液体噴射ヘッドユニットの着脱や交換等によって、位置精度が変動しても、位置調整が容易にできるため、吐出口の位置精度を常時高精度に保つことができる。
【0280】
さらに、クリック調節によって、デジタル的に操作できるため、調整操作が容易かつ良好である。
【0281】
さらに、液体噴射ヘッドユニット間ピッチを小さくできることから、キャリッジをコンパクトにできる。また、ヘッド、キャリッジを軽量化でき、キャリッジの高速化を図ることができる。
【0282】
また、カム部材の対向面に押圧部材が配設されるものにおいては、液体噴射ヘッドユニットの突起部とカムの外周面を確実に当接することができる。この場合、カムが回動しても、両者は安定的に当設されるので、信頼性が向上する。
【0283】
また、液体噴射ヘッドユニットは、球面や円柱面による位置決めのため、キャリッジの所定部位への接合を高精度に、再現性良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント装置の要部を示す斜視図である。
【図2】本発明のプリント装置の要部を図1とは違う方向から見た斜視図である。
【図3】タンク収納部のメインタンク非収納状態を示す断面図である。
【図4】図3に示すタンク収納部のメインタンク収納可能状態を示す断面図である。
【図5】メインタンクの分解図である。
【図6】キャリッジユニットの斜視図である。
【図7】キャリッジユニットを図6とは違う方向から見た斜視図である。
【図8】CRフレームとCRギャッププレートなどの連結状態を示す正面図である。
【図9】CRフレームとCRギャッププレートなどの連結状態を示す拡大断面図である。
【図10】キャリッジの移動範囲を示す平面図である。
【図11】キャリッジの移動機構を示す側面図である。
【図12】キャリッジとCRベルトとの固定状態を示す拡大側面図である。
【図13】キャリッジとCRベルトとの固定状態を示す拡大正面図である。
【図14】キャリッジの移動動作を示すフローチャートである。
【図15】キャリッジとCRコネクタなどの接続状態を示す正面図である。
【図16】キャリッジの液体噴射ヘッドユニット非装着状態を示す斜視図である。
【図17】キャリッジの底面図である。
【図18】キャリッジの正面図である。
【図19】キャリッジを上から見た斜視図である。
【図20】液体噴射ヘッドユニットの斜視図である。
【図21】CRニードル取付部の正面図である。
【図22】CRニードル取付部の平面図である。
【図23】液体噴射ヘッドのキャリッジへの取り付け手順を示す側面図である。
【図24】液体噴射ヘッドのキャリッジへの取り付け手順を示す側面図である。
【図25】液体噴射ヘッドのキャリッジへの取り付け手順を示す側面図である。
【図26】液体噴射ヘッドのキャリッジへの取り付け手順を示す側面図である。
【図27】回復系ユニットの斜視図である。
【図28】回復系ユニットの駆動系を示す概略図である。
【図29】回復系ユニットの流路と弁の関係を示す図である。
【図30】チューブポンプの負圧発生状態を示す概略図である。
【図31】チューブポンプの負圧非発生状態を示す概略図である。
【図32】予備吐出弁の動作を示す概略図である。
【図33】吸引弁の動作を示す概略図である。
【図34】大気連通弁の動作を示す概略図である。
【図35】キャップの断面図である。
【図36】キャップオープン状態を示す概略図である。
【図37】キャップクローズ状態を示す概略図である。
【図38】ワイピング手段の非ワイピング状態を示す概略図である。
【図39】ワイピング手段のワイピング状態を示す概略図である。
【図40】クリーナブレードから廃インクを吸収する構成の概略図である。
【図41】クリーナブレードから廃インクを吸収する構成の概略図である。
【図42】カムと連動する各部材の動作を示すタイミングチャートである。
【図43】プリント処理のフローチャートである。
【図44】予備吐出処理のフローチャートである。
【図45】ワイピング処理のフローチャートである。
【図46】予備吐出口空吸引処理のフローチャートである。
【図47】吸引回復処理のフローチャートである。
【図48】液体噴射ヘッドユニットの斜視図である。
【図49】液体噴射ヘッドユニットの斜視図である。
【図50】液体噴射ヘッドユニットの断面図である。
【図51】本発明の一実施形態によるプリント装置に用いられたインク供給系流路を示すブロック図である。
【図52】本発明の一実施形態によるプリント装置に用いられたインク供給系におけるバルブ開閉機構を示すブロック図である。
【図53】本発明の一実施形態によるプリント装置に用いられたインク供給系におけるサブタンク構成を示す断面図である。
【図54】本発明の一実施形態によるプリント装置に用いられたインク供給系におけるサブタンク構成を示す斜視図である。
【図55】ヘッドセットプレートの拡大図である。
【図56】CRコネクタのリブ状部を示す平面図である。
【図57】液体噴射ヘッドの回転方向調整機構の斜視図である。
【図58】キャリッジへのヘッドの着脱動作を説明するための図である。
【図59】キャリッジへのヘッドの着脱動作を説明するための図である。
【図60】キャリッジへのヘッドの着脱動作を説明するための図である。
【図61】キャリッジへのヘッドの着脱動作を説明するための図である。
【図62】ヘッドが装着された状態でのキャリッジの断面図である。
【図63】本実施形態の液体噴射ヘッドユニットを示す斜視図である。
【図64】図63に示した液体噴射ヘッドユニットを他の方向から見た斜視図である。
【図65】図63に示した液体噴射ヘッドユニットの縦断面図である。
【図66】図63に示した液体噴射ヘッドユニットを、チップタンクおよび第2の共通液室の一部を破断した状態で示す斜視図である。
【図67】図63に示した液体噴射ヘッドユニットのチップタンクと第2の共通液室との接続部を拡大して示す断面図である。
【図68】図63に示した液体噴射ヘッドユニットのヘッドチップを示す斜視図である。
【図69】図63に示した液体噴射ヘッドユニットのヘッドチップを示す断面図である。
【図70】チップタンクのプリント液供給路における気泡の流れを段階的に示す断面図である。
【図71】本発明のキャリッジに設けられるリブ状部の形状の一例を示す図である。
【図72】本発明の液体噴射ヘッドユニットの変形例を示す図である。
【図73】インクジェットプリントヘッドの一般的な構成を示す図である。
【図74】従来の液体噴射ヘッドユニットを示す斜視図である。
【図75】特開平9−289971号公報に開示されたインクジェット記録ヘッド組立体の斜視図である。
【図76】複数の液体噴射ユニットをキャリッジ上に並べて固定するタイプの従来例を示す図である。
【符号の説明】
5 圧力発生手段
10 インク供給系ユニット
11 タンク収納部
12 サブタンクユニット
15 マルチバルブゴム
15A 突起
16 ポンプゴム
16A 丸コブ
16B 茶碗型シリンダー部
16C 底付き円筒部
17 傘バルブ
17A 抜け止め
20 タイミングドラム
20A 突起
21,22 ポンプレバー
23 レバーアーム
24 バルブレバー
25 L−ジョイント
26 ポンプカム
27 タンクスロット
28 アイドラギヤ
29 位置決めレール
29A 凸部
32 サブタンクプレート
33 ポンププレート
36 針ジョイント
37 サブタンクベース
37B 溝
37C,37D,37E,37F,37G 開閉孔
38 タンクカバー
41 危険防止扉
41A 回動中心
41B 自由端
44,45 ストッパー
44A,45A 端部
44C 角度
46 バルブシャフト
47A,47B ポンプレバー軸
49A,49B 電極
51 針ベース
51A 収納底
52,52A,52B 中空針
53 リヤプレート
53B 溝
54 左側板
54A へこみ
55 右側板
55A 角窓
55B 位置決め穴
56 底板
56A,56B 位置決め突起
56C 前面部
56F 突き当て箇所
57 レジスト板
58 サブタンクホルダ
59 タンクホルダ
60A 足
61 ねじりコイルバネ
70 フレームユニット
71 水頭差発生室
72 満タン検知室
73 圧力発生手段
76 第1の供給チューブ
77 プリントチューブ
78 吸引チューブ
79 還流チューブ
80 制御基板
81 供給バルブ
82 プリントバルブ
83 連通バルブ
84 大気バルブ
85 気液交換バルブ
90 電源ユニット
200 キャリッジ
200a 遮蔽板
200b 固定部
200c 穴部
200d CRブレードリブ
200e 穴
200h 凸部
200i 溝部
200j 長穴
200k リブ
200l ボス
200m リブ状部
200n リブ状部
200p 円柱状部
200q ガイド部
200r 穴
201 CRフレーム
201a エンボス
201b 長穴
201c エンボス
202 CRシャフト
202a 溝
203 ガイドレール
204 CRギャッププレート
204b 長穴
204c 歯
205 CRシャフトロックバネ
206 CRモータ
206a CR駆動プーリ
206b シャフト
207 アイドラプーリ
208 CRベルト
210 エンコーダスリット
211 フォトニックセンサ
212 CR軸受
213 CRスライダ
214 CRベルトストッパ
216 CRコネクタ
219 CRプリント配線板カバー
220 フレキシブルケーブル
221 FPCストッパ
222 CRニードル
222a 球形状部
222b 穴
223 CRジョイントサポート
224 CRチューブジョイント
225 CRニードルシール
226 CRチューブ
227 CRジョイントゴム
233 CRジョイントシャフト
234 CRジョイントレバー
234a 長穴
234b バネ掛け部
234c L字形状部
235 CRジョイントレバーストッパ
235a 穴
235b シャフト
235c バネ掛け部
236 CRジョイントレバーバネ
237 CRレバー
237a レバー部
237b 受け
238 CRレバーシャフト
239 ヘッドセットプレート
239a 軸
239b バネ受け
239c 先端部分
239d リブ
240 CRセットプレートバネ
241 CRヘッドカム
241a 左円周面
242 CRヘッドバネ
243 CRヘッドダイアル
243a 溝
244 CRヘッドシャフト
291 ビス
300 回復系ユニット
301 予備吐出口(予備吐出受容口)
302 多孔質部材
303 ブレード
304 ブレードホルダ
305 ブレードシャフト
305a ブレードギア
306 ブレードカム
307 ブレードクリーナ
308 キャップ
309 キャップ吸収体
310 キャップホルダ
311 キャップレバー
311a カムフォロワー
321 予備吐出弁
322 大気連通弁
323 吸引弁
324 チューブポンプ
325 ポンプチューブ
326 コロ
326a 軸部
327 コロガイド
327a 溝
328 コロダンパー
329 チューブガイド
330 予備吐出弁カム
331 弁ホルダ
332 予備吐出弁ゴム
333a,333b 弁シャフト
334a,334b 第1の弁アーム
335a,335b カムフォロワー
336a,336b 第1の弁アームバネ
337 弁チューブ
338 キャップチューブ
339 大気連通チューブ
341 吸引弁カム
342 吸引弁ゴム
343 大気連通弁カム
344 大気連通弁ゴム
345 第2の弁アーム
346 第2の弁アームバネ
347,348 接続部
350 キャップレバーカム
351 ブレード間欠ギア
352 ブレードトリガギア
353 ブレードバネ
354,355 歯
364 予備吐出チューブ
370 モータ
371 第1のダブルギア
372 アイドラギア
372a リブ
373 ポンプ軸
374 ポンプカム
374a 切り欠き部
375 第2のダブルギア
376 ワンウェイクラッチ
390 キャリッジロックアーム
397 クリーナチューブ
398 クリーナ吸収体
399 クリーナ弁
401 液体噴射ヘッドユニット
401a ノズル面
402 ヘッドチップ(液体噴射ヘッド)
403 シート配線部材
404 ユニット枠体
404a 位置決めボス
404b,404c 穴
404d 押圧部
405 第2の共通液室
406 把手
408 ガイドピン
408a 内側円柱壁
408b テーパー面
409,410 球突起
411 台形突起
415 円柱突起
416 ジョイントゴム
416a 表面側
416b 閉塞穴
417 傾斜受面
421 コンタクトパッド
451 ビス
501 メインタンク
511 インク容器
511a 取っ手
512 蓋
513 ゴム栓(弾性体)
514 冠体
521 ハウジング
522 ハウジング
523 スペース
524 リブ(凸部)
602 基準部材
603 チップタンク
603a プリント液供給路
604 素子基板
605 天板
605a 第1の共通液室
605b プリント液供給口
606 多孔室部材
607 充填剤
608a 気泡
608b プリント液の流れ
4005 供給用モータ
4005A ピニオンギヤ
S ホームポジション
T 封筒印刷ポジション
U 連続紙印刷ポジション[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a liquid ejecting head unit including a liquid ejecting head that ejects liquid droplets from an ejection port to perform printing on a print medium, a carriage on which the liquid ejecting head unit is mounted, and a printing apparatus on which they are mounted. The present invention also relates to a positioning method for the liquid jet head unit.
[0002]
[Prior art]
In a conventional printing apparatus, a liquid ejecting head that prints on a print medium by ejecting ink from an ejection port and an ink tank that stores ink supplied to the liquid ejecting print head are integrated or independently of each other. A configured liquid ejecting head unit is used. The liquid ejecting printing apparatus is provided with a carriage that is reciprocated in a direction substantially perpendicular to the transport direction of the print medium, and the liquid ejecting head unit is mounted on the carriage.
[0003]
As liquid ejecting heads, there are known ones that eject thermal droplets using thermal energy generated by an electrothermal transducer or the like, and those that provide a pair of electrodes to deflect and eject droplets. Yes. Among these, inkjet print heads that eject ink droplets using thermal energy have a high density of liquid ejection sections (ejection ports) for ejecting printing droplets to form flying droplets. Since they can be arranged, there is an advantage that high-resolution printing is possible and the apparatus can be easily made compact as a whole.
[0004]
The above-described ink jet print head includes a plurality of discharge ports (orifices) for discharging a liquid, a plurality of liquid channels communicating with the respective discharge ports, and a plurality of electrothermal conversion elements arranged corresponding to the respective liquid channels. The energy conversion elements are provided, and ejection energy (for example, thermal energy for causing film boiling in the liquid) is applied to the liquid from the energy conversion elements, so that the liquid is ejected as droplets from the ejection port and printing is performed. Done. A general configuration of the ink jet print head will be described below with reference to FIG.
[0005]
As shown in FIG. 73, the ink jet print head includes an
[0006]
The
[0007]
The
[0008]
The
[0009]
An ink jet printing apparatus using the ink jet print head as described above is mainly used as a color printer connected to a word processor or a personal computer, and also used as an engine of a facsimile or a copying machine.
[0010]
FIG. 74 is a perspective view showing a conventional liquid ejecting head unit (inkjet print cartridge). As shown in the drawing, the ink jet print cartridge
[0011]
As the ink jet print head H, there is a one-head type in which inks of a plurality of colors (for example, four colors of black, yellow, magenta, and cyan) are allocated to the ink discharge portions in one head. . In this one-head type, although the number of ejection ports per color is small, the cost of the head can be reduced. However, this one-head type configuration is disadvantageous for high-speed printing.
[0012]
In addition to the above, although the cost is high, a plurality of inkjet print cartridges are arranged, and the print heads are provided separately for each color, so that the number of ejection ports per color can be increased. There are types. Further, there is a combination head type in which a plurality of independent ink discharge portions are incorporated in one base for each color. In this combination head type, the positional deviation between the ink droplets ejected from each ejection port of the orifice plate provided for each color is measured in advance, and each print head is based on a high precision so as to correct the deviation amount. Can be assembled to. Further, in this combination head type, since a plurality of print heads are integrally formed on the base, there is little print misalignment of each color, and the head can be easily replaced.
[0013]
FIG. 75 is a perspective view of an ink jet recording head assembly disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 9-289971.
[0014]
The conventional ink jet
[0015]
The ink jet recording head assembly is provided with an ink supply port 1303 for receiving ink supply from an ink tank (not shown) or the like. A contact electrode 1305 is provided on the printed circuit board 1302, and the ink jet recording head assembly is connected to the control unit of the recording apparatus main body via the contact 1305.
[0016]
When a printing operation is performed, a pulse generation timing of a drive signal for driving an ejection energy generator that generates ejection energy for ejecting ink based on data stored in the
[0017]
In recent years, there has been a growing need for printing at high speed and high image quality in full color, and further improvements in print speed, resolution, and gradation are required. In addition to the above four colors (black, yellow, magenta, cyan), it is possible to achieve high gradation by using 6 or 7 color ink tanks with different color densities. What is realized is also proposed.
[0018]
In order to realize the above-described high-speed, high-quality inkjet printing apparatus, it is desirable to use a type including a plurality of inkjet print cartridges, a combined head type, or a combination of these types.
[0019]
Furthermore, in order to realize a high-quality color image free from color unevenness and print misalignment, it is necessary to accurately match the arrival positions (landing positions) of the ink droplets ejected from each print head on the print medium. . In particular, the relative inclination of the print head in the discharge port arrangement direction has the greatest influence on the print quality, so the print head must be mounted so that the relative inclination in the discharge port arrangement direction is as small as possible. As a technique that can reduce the relative inclination in the ejection port arrangement direction, the ink jet print cartridge is brought into contact with a predetermined portion of the carriage so that the ejection port of the print head is accurately arranged at a predetermined position. What provided the part is known.
[0020]
FIG. 76 is a diagram illustrating a conventional example of a type in which a plurality of liquid ejecting units (inkjet print cartridges) are arranged and fixed on a carriage.
[0021]
In the figure,
[0022]
The
[0023]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in the liquid ejecting head unit, since the relative inclination in the discharge port array direction of the liquid ejecting head greatly affects the print quality, the relative inclination in the discharge port array direction is made as small as possible. Must be mounted on the carriage. In order to solve this problem, conventionally, an abutting portion provided in a predetermined portion of the liquid ejecting head unit comes into contact with a predetermined portion of the carriage. However, in this structure, since it is necessary to form the junction between the liquid jet head unit and the carriage with high accuracy, there is a problem that the cost increases and the yield also deteriorates.
[0024]
In addition, the conventional one has a configuration in which the casing (frame body) of the liquid ejecting head unit is easily deformed (both end support structure), so that the positional accuracy is difficult to obtain and the reproducibility when the liquid ejecting head unit is attached / detached is poor. There is.
[0025]
Further, in the conventional apparatus, since the liquid ejecting head unit is easily inclined in all directions, the relative inclination of the mounted liquid ejecting head unit in the discharge port arrangement direction may increase. However, since the conventional apparatus cannot correct the relative inclination in the discharge port arrangement direction, printing may be performed in a state where the relative inclination in the discharge port arrangement direction of the liquid ejecting head unit is large. Stable print quality cannot be provided.
[0026]
The object of the present invention is to solve the above-mentioned problems and to make the relative inclination in the discharge port array direction of the liquid jet head as small as possible, and is excellent in print quality stability. Liquid The object is to provide a body ejection head unit.
[0031]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a liquid ejecting head unit according to the present invention includes a liquid ejecting head that ejects liquid droplets from a plurality of ejection openings to perform printing on a print medium, and a housing that holds the liquid ejecting head. In the liquid ejecting head unit that can be detachably mounted on the carriage, the housing is provided on a cylindrical guide pin provided at a predetermined position on the bottom surface and on a side surface on the side where the guide pin is provided. , Having a sphere center on an extension of the center line of the cylindrical portion of the guide pin A spherical first protrusion; A contact pad disposed on a side surface provided with the first protrusion and connected to a contact of the carriage; A second protrusion provided on a side surface adjacent to the side surface on which the first protrusion is provided, and the guide pin and the first and second protrusions respectively correspond to corresponding portions of the carriage. Engage Along with the movement of the second protrusion, the housing rotates around the cylindrical portion center line of the guide pin and the spherical center of the first protrusion. It is characterized by that.
[0036]
(Function)
According to the present invention as described above, the liquid ejecting head unit mounted on the carriage rotates around a predetermined part as a fulcrum. Therefore, by adjusting the rotation angle of the liquid ejecting head unit, the relative inclination of the liquid ejecting head in the ejection port array direction can be reduced as much as possible.
[0037]
Further, the adjustment of the rotation angle of the liquid jet head unit is performed stepwise at a constant angle. In this case, since the amount of adjustment can be known by counting the number of rotated stages, the rotation angle of the liquid ejecting head unit can be easily grasped. In addition, by adjusting the pitch of the adjustment angle to a minute angle, highly accurate angle adjustment can be performed.
[0038]
According to the invention, the guide pin and the first and second protrusions of the liquid jet head unit are engaged with the first to third receiving portions of the carriage, respectively. Thereby, the liquid ejecting head unit is mounted at a predetermined position of the carriage.
[0039]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0040]
[overall structure]
First, a printing apparatus employing the configuration of the present invention will be described. This printing apparatus has a plurality of print positions fixedly provided so as to correspond to two types of print media such as an envelope and a continuous paper that can be cut in a timely manner, and continuously prints a predetermined print pattern. Yes, it is detachably mounted on the main body of the printing machine.
[0041]
This printing apparatus includes the following units. That is, a liquid ejecting
[0042]
Hereinafter, the detailed configuration of the printing apparatus will be described for each unit described above.
[Frame unit]
First, the
[0043]
The
[0044]
At the bottom of the
[0045]
This printing apparatus has a space for carrying two types of print media. One transport space has the following configuration. An L-angle resist
[0046]
The other transport space has the following configuration. In FIG. 2, the position connecting the
[0047]
(CR frame and carriage unit)
In the vicinity of the center between the left and
[0048]
A
[0049]
(Ink supply system unit)
As shown in FIG. 1, a plurality of large-capacity
[0050]
(Recovery unit)
As shown in FIG. 1, on the right side of the
[0051]
(Control board and power supply unit)
A
[0052]
The
[0053]
[Tank compartment]
Next, the
[0054]
The
[0055]
As will be described later, a communication port is provided at a position that can face the
[0056]
In the vicinity of the center of the
[0057]
First, a state where the
[0058]
The
[0059]
When the
[0060]
When the
[0061]
[Sub tank unit]
(Outline of ink supply system flow path)
Next, a flow path for supplying ink from the
[0062]
In order to apply a negative pressure due to a water head difference to the ink in the liquid ejecting
[0063]
As shown in FIG. 52, the
[0064]
That is, the ink led out from the
[0065]
The tube connected upward for extracting the bubble pool in the common liquid chamber of the liquid
[0066]
The pressure generating means 73 generates a negative pressure by driving the pump, and draws ink from the
[0067]
The rear side (discharge side) of the pressure generating means 73 is connected to the full tank detection chamber 72. If the connecting port is an inlet of the full tank detection chamber 72, there are three outlets. One is a first outlet connected to the head
[0068]
A plurality of
[0069]
(Pressure generator)
Next, the pressure generating means will be described with reference to FIGS.
[0070]
Reference numeral 4005 denotes a supply motor screwed to the sub-tank holder 58, and the rotation in the forward rotation direction is decelerated by the pinion gear 4005A constituting the gear train, the idler gear 28, and the outer peripheral gear of the pump cam 26, and the eccentric groove cam in the pump cam 26. Rotate.
[0071]
Pump lever L22 and pump lever R21 are arranged at symmetrical positions with respect to the gear train, and both pump levers 21, 22 are caulked and fixed to the sub tank holder 58 through a rotation hole formed substantially at the center. 47A and 47B can be rotated about the rotation axis. One end of the pump levers L and R can be slid into the eccentric groove cam via a roller (not shown), and one rotation of the pump cam 26 changes to a reciprocating motion of the other end of the pump levers L and R.
[0072]
The other ends of the pump levers L and R are tapered and hold a
[0073]
The round counterbore further has a groove 37 </ b> B connected to the full tank detection chamber 72, and the thin bottomed
[0074]
Now, it is assumed that the pump cam 26 is rotated halfway by the driving of the supply motor 4005, and the pump levers L and R are moved in the direction of crushing the inside of the bowl-shaped cylinder 16B via the
[0075]
Next, it is assumed that the remaining half rotation of the pump cam 26 has moved in the direction of expanding the bowl-shaped cylinder 16B (reverse operation). Negative pressure inside the cylinder. The inside of the bottomed cylindrical portion 16C of the pump rubber is atmospheric pressure, the outer groove 37B is negative pressure, and the tip of the groove 37B is in a sealed state. The negative pressure inside the cylinder leads the umbrella valve 17 to the open state by the atmospheric pressure in the small chamber of the L-joint 25. As a result, the negative pressure inside the cylinder sucks the common liquid chamber direction of the liquid
[0076]
Thus, the continuous rotation of the pump cam 26 increases the negative pressure inside the liquid
[0077]
(Change of flow path)
In the present embodiment, the flow path of the ink supply system is changed by changing the five types of valves, and various functions are realized.
[0078]
The upper part of the sub-tank base 37 has five grooves forming flow paths and opening / closing holes 37C, 37D, 37E, 37F, and 37G that open to the respective grooves. The groove is a
[0079]
The
[0080]
A tapered protrusion 15A for moving the dowel up and down is arranged outside the diaphragm channel that forms a dowel that closes the opening and closing hole, and the protrusion is grasped by one end of the rotatable valve lever 24 so as to be interlocked. Yes. There are as many valve levers 24 as the number of opening / closing holes, and the opening / closing holes of the sub-tank base 37 are arranged in a rotational direction. The fulcrum of the valve lever 24 is formed by the lever arm 23, and the sub tank cover 38, the sub tank base 37, the
[0081]
The arrangement positions of the valve levers 24 are symmetrically arranged inside each of the two sub tanks arranged. The valve lever 24 is bent downward in an L shape uniformly at the rotation fulcrum, and has a sliding force point (not shown) at the other end. The center of the pump cam is at the center of the two rows of sliding force points. A valve shaft 46 whose central hole is linked with a D-cut pump cam is rotatably supported by a sub tank holder 58 in parallel with the arrangement of the
[0082]
The timing drum 20 is rotated by reversing the supply motor 4005. The supply motor 4005 is a pulse motor, and can be stopped at a necessary rotation angle. That is, since the one-way clutch built in the timing drum 20 rotates with the reverse rotation of the motor, the pump operation is performed when the valve opens and closes, but the angle of the timing drum 20 is determined and the valve state is determined. At this time, if the motor is rotated forward as required, a negative pressure generation operation is performed by the pump in the flow path.
[0083]
Further, a light shielding plate (not shown) for projecting the reference position (angle) protrudes from the timing drum 20. A photo sensor 5382 fixed to the sub tank holder 58 confirms the reference position, and operates the rotation angle of the timing drum 20 with the number of steps corresponding to the required angle from the reference position, thereby realizing various flow paths.
[0084]
(State of the flow path and its function)
Next, the flow path state realized by the combination of opening and closing of the valve and the function at that time will be described. There are five types of functions: “
[0085]
When viewed from the envelope conveyance side, the combination on the left is “
[0086]
In the first combination “
[0087]
The full tank detection means detects that the ink is filled in the same chamber by passing a current between the two
[0088]
It is obvious that there is no ink supply to the liquid ejecting head unit 401 (R) side in this mode due to the blockage of the valve 81 (R).
[0089]
The valves to be opened in “
[0090]
The valves opened in “print” are 82 (L), 83 (L), 84 (L), 82 (R), 83 (R), and 84 (R), and the valves that are closed are 81 (L) and 85. (L), 81 (R), and 85 (R). This is an ink supply system that realizes the print state of both liquid
[0091]
The valves opened in “circulation” are 82 (L), 83 (L), 82 (R), 83 (R), and the valves that are closed are 81 (L), 84 (L), 85 (L), 81 (R), 84 (R), 85 (R). Ink circulation is performed independently for each
[0092]
There is no opening of the “replacement” valve, and the blocking is all. When replacing the ink tank, all valves are closed to prevent ink from dropping due to water head differences in each tube.
[0093]
[carriage]
Next, the configuration of the
[0094]
(Carriage holding frame)
The printing apparatus includes a
[0095]
As shown in FIG. 8, the
[0096]
The
[0097]
Furthermore, the front part and the rear part of the
[0098]
Further, as shown in FIG. 9, a
[0099]
As shown in FIGS. 6 and 7, a
[0100]
As will be described separately in the section of the recovery system unit, the
[0101]
(Carriage stop position)
As shown in FIG. 10, this printing apparatus is provided with three stop positions of the
[0102]
(Carriage control)
A photonic sensor type home position sensor (hereinafter referred to as “HP sensor”) (not shown) is attached to the
[0103]
As shown in FIG. 10, a
[0104]
Therefore, the movement operation of the
[0105]
First, in the initial state, when the HP sensor at the home position S is detecting the carriage 200 (ON state) (step S1), the
[0106]
On the other hand, when the HP sensor does not detect the
[0107]
By the way, even if the
[0108]
Next, the movement operation from the home position S to the printing position (envelope printing position T and continuous paper printing position U) will be described.
[0109]
First, the
[0110]
In the unlikely event that the
[0111]
(Carriage configuration: bearing)
As shown in FIG. 11, the
[0112]
The CR bearing 212 is made of a material that does not require grease, and prevents paper dust and ink mist from sticking to the
[0113]
As described above, the
[0114]
(Carriage configuration: HP sensor shielding plate)
As shown in FIGS. 11 and 13, the HP sensor shield necessary for controlling the position of the
[0115]
(Carriage configuration: CR belt fixing part)
As shown in FIGS. 12 and 13, a fixing
[0116]
Further, a
[0117]
(Carriage configuration: substrate holder)
As shown in FIGS. 15 and 16, the
[0118]
The
[0119]
In addition, a flexible cable (hereinafter referred to as “FPC”) 220 is connected to the boards, and electrical signals and power are transmitted from a control board (not shown) outside the
[0120]
The
[0121]
(Carriage configuration: recovery system unit related part)
As shown in FIG. 17, which is a bottom view of the
[0122]
A
[0123]
(Carriage configuration: ink supply unit)
As shown in FIG. 20, two
[0124]
A mechanism for supplying ink to the liquid ejecting
[0125]
First, as shown in FIGS. 21 and 22, four
[0126]
One end of an L-shaped pipe-shaped CR
[0127]
The four
[0128]
Further, the four
[0129]
Between the
[0130]
(Carriage configuration: ink supply joint)
Next, a mechanism for inserting and removing the four
[0131]
As shown in FIGS. 21 and 22, a CR
[0132]
As a result, when the CR
[0133]
When the CR
[0134]
Next, the CR
[0135]
Next, a
[0136]
FIG. 23 shows a state in which the liquid ejecting
[0137]
24, when the liquid ejecting
[0138]
In the state where the liquid ejecting
[0139]
(Carriage configuration: Liquid ejecting head unit fixing part)
As shown in FIG. 16, a square hole is provided in the rear wall of the
[0140]
Above the
[0141]
Two
[0142]
[0143]
On the bottom surface of the
[0144]
Another U-shaped rib-shaped
[0145]
On the front side of the
[0146]
According to the configuration described above, positioning in the height direction of the liquid
[0147]
In addition, the front, rear, left, and right positioning of the liquid
[0148]
Further, the liquid ejecting
[0149]
(Carriage configuration: liquid jet head unit rotation direction adjustment mechanism)
The rotation direction adjusting mechanism of the
[0150]
The rotation direction adjusting mechanism of the liquid
[0151]
According to the above configuration, when the
[0152]
When the
[0153]
(Carriage configuration: Liquid ejecting head unit installation procedure)
Next, a procedure for attaching the liquid ejecting
[0154]
First, as shown in FIG. 58, the
[0155]
When the liquid
[0156]
When the liquid
[0157]
As a result, as shown in FIGS. 61 and 62, the liquid ejecting
[0158]
(Carriage configuration: Liquid ejecting head removal procedure)
The procedure for removing the liquid
[0159]
First, from the state where the liquid ejecting
[0160]
Then, the liquid ejecting
[0161]
In this state, the
[0162]
[Recovery unit]
Next, non-ejection or twisting of ink (in an abnormal direction) caused by dust adhering to the vicinity of the nozzles of the liquid
[0163]
The
[0164]
One of them is preliminary ejection means, which performs nozzle ejection by ejecting ink from all nozzles in a region other than the print medium, in the present embodiment, a predetermined region provided in the
[0165]
The other is wiping means, which is a mist that is ejected simultaneously with the main ink droplets ejected for printing, a bounce mist that occurs when the main ink droplets land on the print medium, or a suction recovery process described later. The
[0166]
The other is suction recovery means. This is because the
[0167]
Next, the configuration of the
[0168]
FIG. 27 is an external perspective view of the
[0169]
The preliminary discharge port (preliminary discharge receiving port) 301 is formed to have a dimension shorter than the entire length of the nozzle row of the liquid
[0170]
Note that at the time of the preliminary preliminary discharge described above, the
[0171]
Further, as described above, the
[0172]
One
[0173]
In this embodiment, a
[0174]
As described above, in the present embodiment, the envelope conveyance space, the preliminary discharge port, the wiping means, the capping means, and the continuous paper conveyance space are arranged in this order. The reason for this will be described.
[0175]
First, the
[0176]
Further, as described above, since the
[0177]
FIG. 28 is a diagram showing the configuration of the drive system of the
[0178]
As a drive system, it engages with a recovery system drive
[0179]
FIG. 29 is a diagram showing the configuration of the ink flow path and the valve of the
[0180]
In the present embodiment, in correspondence with the liquid ejecting
[0181]
First, the state of the valve when executing the preliminary ejection port empty suction processing for collecting the ink ejected by the preliminary ejection processing will be described. The preliminary ejection is executed while the liquid ejecting
[0182]
Next, the state of the valve when the suction recovery process is executed will be described. In FIG. 29, the
[0183]
Next, the mechanism of the
[0184]
In the
[0185]
FIG. 30 shows a state in which the
[0186]
31 is opposite to FIG. 30 (arrow A 310 It is a figure which shows operation | movement at the time of rotating the
[0187]
Next, the configuration of the valve mechanism will be described with reference to FIGS.
[0188]
First, the
[0189]
In FIG. 32, the preliminary
[0190]
In FIG. 32, a reference numeral with an a suffix indicates that each member is a member used in the preliminary discharge valve mechanism, and a reference numeral b is suffixed with a reference numeral in FIG. However, the functions and shapes are the same except that the portions used are different, and the description thereof will be omitted.
[0191]
FIG. 33 is a diagram illustrating the operation of the
[0192]
In FIG. 33, a state in which the
[0193]
FIG. 34 is a diagram illustrating the operation of the
[0194]
In FIG. 34, a state where the
[0195]
Note that, unlike the
[0196]
FIG. 35 is a sectional view of the
[0197]
36 and 37 are views showing the up and down movement of the
[0198]
In the present embodiment, a
[0199]
Next, the operation of the wiping means will be described with reference to FIGS. The wiping means is provided with a blade
[0200]
In wiping, when the
[0201]
The
[0202]
Further, when the amount of ink accumulated in the
[0203]
Next, the drive system of the wiping means will be described. In FIG. 38, the
[0204]
Accordingly, the blade
[0205]
In the present embodiment, the
[0206]
As described above, the drive mechanism of the
[0207]
Next, a series of processing operations of the
[0208]
First, the operation of the
[0209]
Next, in order to perform preliminary discharge, the preliminary discharge process shown in FIG. 44 is executed. In the preliminary discharge process, the
[0210]
Next, in step S304, the
[0211]
In the wiping process, the
[0212]
In step S310, a preliminary discharge process is executed to discharge dry ink or a different type of ink that may have been pushed into the nozzle by the wiping process. When there is no print command, a wiping process is executed as a print end operation in step S311 to remove the ink on the nozzle surface 401a, and in step S312, the ink accumulated in the preliminary discharge port is a waste ink process (not shown). In order to discharge to the means, the preliminary discharge idle suction processing shown in FIG. 46 is executed.
[0213]
In step S341, the motor is rotated counterclockwise to the state (3). Subsequently, in step S342, the pump is driven by rotating the motor clockwise by a predetermined rotation angle, and the ink in the preliminary discharge port is discharged to the waste ink absorber through the
[0214]
Next, in step S313, the
[0215]
Next, when the liquid ejecting
[0216]
First, when a suction recovery command is received in step S361, the state of the printing apparatus is detected in step S362. At this time, if the printing apparatus is in the standby state, that is, in the state of (4), the process proceeds to step S364. Otherwise, the process proceeds to step S363 to execute the wiping process, and then capping is performed in step S364 to set the state of (4), and the motor is further rotated counterclockwise to close all valves (5) ▼ state. Next, in step S365, the motor is rotated clockwise to drive the pump, and the pressure in the tube between the three types of valves (total of 5) to the pump (total of 2) is reduced to a predetermined value. . Next, in step S366, the motor is rotated counterclockwise to the state (6), and only the suction valve is opened to apply a negative pressure to the cap. At this time, from the state (5) to the state (6), the pump drive system tries to rotate the pump by 45 degrees in the A310 direction. However, as described above, the roller guide does not rotate in the idling region until 55 degrees. Therefore, the pump is not driven, so that the
[0217]
Here, the suction operation may be terminated if the predetermined amount of ink necessary for removing the dry ink or bubbles in the nozzle can be sucked, but in this embodiment, additional suction is performed because the suction amount is insufficient. Do. In step S367, the motor is rotated again in the clockwise direction to operate the pump, and negative pressure is generated to perform suction. When the suction amount reaches a predetermined value, the motor is rotated counterclockwise in step S368 to set the state of (7) to open the atmosphere communication valve, and the
[0218]
The cap cam sensor shown in FIG. 42 is configured by a photo interrupter using a cap cam (not shown) fixed to the cam shaft as a flag, and a cam fixed to the cam shaft based on the detection result. It is a sensor that can detect the phase of. Here, the detection timing of the cap cam sensor is set immediately before cap opening and cap closing. This is because when the cap is opened, the
[0219]
[Liquid jet head unit]
20 and 48 to 50 are diagrams showing the configuration of the liquid
[0220]
The liquid
[0221]
The
[0222]
A second
[0223]
A
[0224]
The
[0225]
Further, when the
[0226]
In addition, the
[0227]
A
[0228]
When the tip of the
[0229]
The
[0230]
The
[0231]
Ink supply control in the second
[0232]
The
[0233]
The
[0234]
[Chip configuration]
Next, the configuration of the liquid
[0235]
The
[0236]
Here, each of the above configurations will be described in more detail.
[0237]
The second
[0238]
The
[0239]
The
[0240]
As shown in FIG. 67, the
[0241]
Further, as described above, the entire circumference of the
[0242]
In the present embodiment, the connecting portion between the
[0243]
With the above-described configuration, it is possible to reduce the gas entering the downstream side of the
[0244]
FIG. 68 is a perspective view showing only the
[0245]
As shown in FIG. 68, the
[0246]
Further, the
[0247]
According to the
[0248]
Next, the flow of bubbles in the print
[0249]
As shown in FIG. 70A, the
[0250]
The
[0251]
As shown in FIG. 70C, the
[0252]
The ratio of the cross-sectional area of the portion of the print
[0253]
When the horizontal direction is 0 ° and the attachment angle of the
[0254]
When the
[0255]
Further, when the
[0256]
[Ink tank part]
FIG. 5 is an exploded perspective view showing an ink cartridge according to an embodiment of the present invention. An ink storage chamber is formed by the
[0257]
The
[0258]
In the printing apparatus of the present invention described above, the liquid ejecting head unit is supported by the carriage so as to be rotatable about a predetermined portion, and the rotation angle of the supported liquid ejecting head unit is adjustable. Therefore, the relative inclination in the discharge port array direction of the liquid jet head described in the above-described problem can be reduced. Hereinafter, specific forms of the liquid ejecting head unit and the carriage will be described in detail.
[0259]
The carriage is configured as shown in FIGS. 16, 19, 55 to 57, and the liquid ejecting head unit is configured as shown in FIGS. 48 and 49. According to this configuration, the straight line connecting the center of the
[0260]
In the above configuration, as the
[0261]
On the other hand, when a free curve cam is used, the step interval of the
[0262]
In the above description, as an angle adjusting means for adjusting the rotational angle position of the
[0263]
Further, an index serving as a guide for the rotation angle of the liquid jet head unit corresponding to the rotation position of the
[0264]
Further, considering the influence on the print quality of the relative inclination of the liquid ejection head in the ejection port array direction, it is desirable that the adjustment pitch of the rotation angle of the liquid ejection head unit be 0.02 degrees or less. Specifically, the rotation angle of the liquid jet head unit per pitch of the groove formed on the outer peripheral surface of the drum member is set to 0.02 degrees or less.
[0265]
When performing the above highly accurate adjustment (rotation angle is 0.02 degrees or less), it is desirable that the
[0266]
Further, a rotation angle detection unit that electrically or mechanically detects the rotational position of the
[0267]
Further, the
[0268]
The liquid jet head unit may have the following configuration shown in FIG. 71 in addition to the configuration shown in FIG. 48.49. In FIG. 72, the same components as those shown in FIG. 48.49 are denoted by the same reference numerals.
[0269]
In FIG. 72, 404 d is a pressing portion on the side surface of the
[0270]
When the liquid ejecting head unit is mounted on the carriage, the
[0271]
In the configuration shown in FIG. 72, the
[0272]
In the head described in the present embodiment, the case where it is applied to an envelope and a printing device for continuous paper that can be cut in a timely manner has been described. However, the present invention is not limited to this configuration, and a normal printer that uses plain paper is used. Is also applicable.
[0273]
In this specification, “printing” (sometimes referred to as “recording”) is not only for forming significant information such as characters and graphics, but also for human beings to be perceived visually, regardless of significance. Regardless of whether or not they are manifested, it is also said that a wide variety of images, patterns, patterns, etc. are formed on a print medium or the medium is processed.
[0274]
Here, “print medium” refers not only to paper used in general printing apparatuses, but also to materials that can accept ink, such as cloth, plastic film, metal plate, glass, ceramics, wood, and leather. Say it.
[0275]
Further, “ink” (sometimes referred to as “liquid”) is to be interpreted widely as the definition of “print” above, and it is applied to a print medium so that an image, a pattern, a pattern, etc. It is intended to refer to a liquid that can be subjected to formation or processing of the print medium, or ink processing (eg, solidification or insolubilization of the colorant in the ink applied to the print medium).
[0276]
In addition, one form in which the present invention is effectively used is a form in which bubbles are formed by causing film boiling in a liquid using thermal energy generated by an electrothermal transducer.
[0277]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, since the relative position between the liquid ejecting head unit and the carriage can be adjusted after the liquid ejecting head unit is mounted on the carriage, the inclination of the ejection port can be set with high accuracy. .
[0278]
In addition, the components and assembly of the carriage and the liquid ejecting head unit need only have an appropriate accuracy, and even if the carriage and the liquid ejecting head unit are assembled with low precision parts, the liquid ejecting head unit can rotate. By adjusting the angle, the relative inclination of the liquid jet head in the direction of the discharge port array can be reduced. For this reason, inexpensive parts can be used, and the apparatus cost can be greatly reduced. Furthermore, since it is not necessary to increase the assembly accuracy, it is excellent in productivity.
[0279]
In addition, even if the position accuracy varies due to attachment / detachment or replacement of the liquid ejecting head unit, the position adjustment can be easily performed, so that the position accuracy of the discharge port can be kept high at all times.
[0280]
Furthermore, since it can be operated digitally by click adjustment, the adjustment operation is easy and good.
[0281]
Furthermore, since the pitch between the liquid jet head units can be reduced, the carriage can be made compact. Moreover, the weight of the head and carriage can be reduced, and the speed of the carriage can be increased.
[0282]
Further, in the case where the pressing member is disposed on the opposing surface of the cam member, the protrusion of the liquid jet head unit and the outer peripheral surface of the cam can be reliably brought into contact with each other. In this case, even if the cam rotates, both are stably placed, so that the reliability is improved.
[0283]
Further, since the liquid ejecting head unit is positioned by a spherical surface or a cylindrical surface, the carriage can be joined to a predetermined portion with high accuracy and high reproducibility.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a main part of a printing apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a perspective view of a main part of the printing apparatus according to the present invention as viewed from a direction different from that in FIG.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a state in which the main tank is not stored in the tank storage unit.
4 is a sectional view showing a state in which the main tank can be stored in the tank storage section shown in FIG. 3;
FIG. 5 is an exploded view of the main tank.
FIG. 6 is a perspective view of a carriage unit.
7 is a perspective view of the carriage unit as seen from a direction different from FIG. 6. FIG.
FIG. 8 is a front view showing a connected state of a CR frame and a CR gap plate.
FIG. 9 is an enlarged cross-sectional view showing a connected state of a CR frame and a CR gap plate.
FIG. 10 is a plan view showing a moving range of a carriage.
FIG. 11 is a side view showing a carriage moving mechanism.
FIG. 12 is an enlarged side view showing a fixed state of the carriage and the CR belt.
FIG. 13 is an enlarged front view showing a fixed state of the carriage and the CR belt.
FIG. 14 is a flowchart illustrating a carriage movement operation.
FIG. 15 is a front view showing a connection state of a carriage and a CR connector.
FIG. 16 is a perspective view illustrating a state in which the liquid ejecting head unit is not mounted on the carriage.
FIG. 17 is a bottom view of the carriage.
FIG. 18 is a front view of a carriage.
FIG. 19 is a perspective view of the carriage as viewed from above.
FIG. 20 is a perspective view of a liquid ejecting head unit.
FIG. 21 is a front view of a CR needle mounting portion.
FIG. 22 is a plan view of a CR needle mounting portion.
FIG. 23 is a side view illustrating a procedure for attaching the liquid ejecting head to the carriage.
FIG. 24 is a side view illustrating a procedure for attaching the liquid ejecting head to the carriage.
FIG. 25 is a side view illustrating a procedure for attaching the liquid ejecting head to the carriage.
FIG. 26 is a side view illustrating a procedure for attaching the liquid ejecting head to the carriage.
FIG. 27 is a perspective view of a recovery system unit.
FIG. 28 is a schematic diagram showing a drive system of a recovery system unit.
FIG. 29 is a diagram showing the relationship between the flow path and the valve of the recovery system unit.
FIG. 30 is a schematic view showing a negative pressure generation state of the tube pump.
FIG. 31 is a schematic view showing a state where the tube pump does not generate negative pressure.
FIG. 32 is a schematic view showing the operation of a preliminary discharge valve.
FIG. 33 is a schematic view showing the operation of the suction valve.
FIG. 34 is a schematic view showing the operation of the atmosphere communication valve.
FIG. 35 is a cross-sectional view of a cap.
FIG. 36 is a schematic view showing a cap open state.
FIG. 37 is a schematic view showing a cap closed state.
FIG. 38 is a schematic view showing a non-wiping state of the wiping means.
FIG. 39 is a schematic view showing a wiping state of the wiping means.
FIG. 40 is a schematic view of a configuration for absorbing waste ink from a cleaner blade.
FIG. 41 is a schematic view of a configuration for absorbing waste ink from a cleaner blade.
FIG. 42 is a timing chart showing the operation of each member interlocked with the cam.
FIG. 43 is a flowchart of print processing.
FIG. 44 is a flowchart of a preliminary discharge process.
FIG. 45 is a flowchart of a wiping process.
FIG. 46 is a flowchart of preliminary discharge port empty suction processing;
FIG. 47 is a flowchart of a suction recovery process.
FIG. 48 is a perspective view of the liquid ejecting head unit.
FIG. 49 is a perspective view of the liquid ejecting head unit.
FIG. 50 is a cross-sectional view of the liquid ejecting head unit.
FIG. 51 is a block diagram showing ink supply system flow paths used in the printing apparatus according to the embodiment of the present invention.
FIG. 52 is a block diagram showing a valve opening / closing mechanism in the ink supply system used in the printing apparatus according to the embodiment of the present invention.
FIG. 53 is a cross-sectional view showing a subtank configuration in the ink supply system used in the printing apparatus according to the embodiment of the present invention.
FIG. 54 is a perspective view showing a sub tank configuration in the ink supply system used in the printing apparatus according to the embodiment of the present invention.
FIG. 55 is an enlarged view of the headset plate.
FIG. 56 is a plan view showing a rib-like portion of the CR connector.
FIG. 57 is a perspective view of a rotation direction adjusting mechanism of the liquid ejecting head.
FIG. 58 is a diagram for explaining the operation of attaching and detaching the head to / from the carriage.
FIG. 59 is a diagram for explaining the operation of attaching and detaching the head to / from the carriage.
FIG. 60 is a diagram for explaining the operation of attaching and detaching the head to / from the carriage.
FIG. 61 is a view for explaining the operation of attaching and detaching the head to / from the carriage.
FIG. 62 is a cross-sectional view of the carriage with the head mounted.
FIG. 63 is a perspective view illustrating a liquid jet head unit according to the present embodiment.
64 is a perspective view of the liquid jet head unit shown in FIG. 63 viewed from another direction.
65 is a longitudinal sectional view of the liquid jet head unit shown in FIG. 63. FIG.
66 is a perspective view showing the liquid ejecting head unit shown in FIG. 63 in a state in which a chip tank and a part of a second common liquid chamber are partially broken. FIG.
67 is an enlarged cross-sectional view illustrating a connection portion between the chip tank and the second common liquid chamber of the liquid jet head unit illustrated in FIG. 63;
68 is a perspective view showing a head chip of the liquid jet head unit shown in FIG. 63. FIG.
69 is a cross-sectional view showing a head chip of the liquid jet head unit shown in FIG. 63;
FIG. 70 is a cross-sectional view showing the flow of bubbles in the print liquid supply path of the chip tank in stages.
FIG. 71 is a diagram showing an example of the shape of a rib-like portion provided in the carriage of the present invention.
FIG. 72 is a diagram illustrating a modification of the liquid jet head unit according to the invention.
FIG. 73 is a diagram showing a general configuration of an ink jet print head.
FIG. 74 is a perspective view showing a conventional liquid jet head unit.
75 is a perspective view of an ink jet recording head assembly disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-289971. FIG.
FIG. 76 is a diagram illustrating a conventional example of a type in which a plurality of liquid ejecting units are arranged and fixed on a carriage.
[Explanation of symbols]
5 Pressure generating means
10 Ink supply system unit
11 Tank storage
12 Sub tank unit
15 Multi-valve rubber
15A protrusion
16 Pump rubber
16A round bump
16B Teacup cylinder part
16C Cylindrical part with bottom
17 Umbrella valve
17A retainer
20 Timing drum
20A protrusion
21, 22 Pump lever
23 Lever arm
24 Valve lever
25 L-joint
26 Pump cam
27 Tank slot
28 idler gear
29 Positioning rail
29A Convex
32 Sub tank plate
33 Pump plate
36 Needle joint
37 Sub tank base
37B groove
37C, 37D, 37E, 37F, 37G Open / close hole
38 Tank cover
41 Danger prevention door
41A Center of rotation
41B free end
44, 45 stopper
44A, 45A end
44C angle
46 Valve shaft
47A, 47B Pump lever shaft
49A, 49B electrode
51 needle base
51A storage bottom
52, 52A, 52B Hollow needle
53 Rear plate
53B Groove
54 Left side plate
54A dent
55 Right side plate
55A square window
55B Positioning hole
56 Bottom plate
56A, 56B Positioning protrusion
56C Front part
56F butting location
57 resist plate
58 Sub tank holder
59 Tank holder
60A feet
61 Torsion coil spring
70 frame unit
71 Water head difference generation room
72 Full tank detection room
73 Pressure generating means
76 First supply tube
77 Print tube
78 Suction tube
79 Reflux tube
80 Control board
81 Supply valve
82 Print Valve
83 Communication valve
84 Air valve
85 Gas-liquid exchange valve
90 Power supply unit
200 Carriage
200a Shield plate
200b fixed part
200c hole
200d CR blade rib
200e hole
200h Convex part
200i groove
200j slotted hole
200k rib
200l boss
200m rib-shaped part
200n Rib-shaped part
200p cylindrical part
200q guide section
200r hole
201 CR frame
201a Emboss
201b slotted hole
201c Emboss
202 CR shaft
202a groove
203 Guide rail
204 CR gap plate
204b slotted hole
204c teeth
205 CR shaft lock spring
206 CR motor
206a CR drive pulley
206b Shaft
207 idler pulley
208 CR belt
210 Encoder slit
211 Photonic sensor
212 CR bearing
213 CR slider
214 CR belt stopper
216 CR connector
219 CR printed wiring board cover
220 Flexible cable
221 FPC stopper
222 CR needle
222a Spherical part
222b hole
223 CR joint support
224 CR tube joint
225 CR needle seal
226 CR tube
227 CR joint rubber
233 CR joint shaft
234 CR joint lever
234a oblong hole
234b Spring hook
234c L-shaped part
235 CR joint lever stopper
235a hole
235b shaft
235c Spring hook
236 CR joint lever spring
237 CR lever
237a Lever part
237b
238 CR lever shaft
239 Headset plate
239a shaft
239b Spring receiver
239c Tip part
239d rib
240 CR set plate spring
241 CR head cam
241a Left circumferential surface
242 CR head spring
243 CR head dial
243a Groove
244 CR head shaft
291 screw
300 Recovery Unit
301 Preliminary discharge port (Preliminary discharge receiving port)
302 porous member
303 blade
304 Blade holder
305 Blade shaft
305a Blade gear
306 Blade cam
307 Blade cleaner
308 cap
309 Cap absorber
310 Cap holder
311 Cap lever
311a Cam Followers
321 Pre-discharge valve
322 Atmospheric communication valve
323 Suction valve
324 tube pump
325 pump tube
326 roller
326a Shaft
327 roller guide
327a Groove
328 CoroDamper
329 Tube Guide
330 Pre-discharge valve cam
331 Valve holder
332 Pre-discharge rubber
333a, 333b Valve shaft
334a, 334b first valve arm
335a, 335b Cam follower
336a, 336b First valve arm spring
337 Valve tube
338 Cap tube
339 Atmospheric communication tube
341 Suction valve cam
342 Suction valve rubber
343 Atmospheric valve cam
344 Atmospheric communication rubber
345 Second valve arm
346 Second valve arm spring
347,348 connections
350 Cap lever cam
351 Blade intermittent gear
352 Blade trigger gear
353 Blade Spring
354,355 teeth
364 Predischarge tube
370 motor
371 First double gear
372 idler gear
372a rib
373 pump shaft
374 pump cam
374a Notch
375 Second double gear
376 one-way clutch
390 Carriage lock arm
397 Cleaner tube
398 Cleaner Absorber
399 Cleaner valve
401 Liquid jet head unit
401a Nozzle surface
402 Head chip (liquid ejecting head)
403 Sheet wiring member
404 unit frame
404a Positioning boss
404b, 404c holes
404d pressing part
405 Second common liquid chamber
406 handle
408 Guide pin
408a Inner cylindrical wall
408b Tapered surface
409,410 Spherical protrusion
411 trapezoidal protrusion
415 Cylindrical protrusion
416 Joint rubber
416a Surface side
416b Blocking hole
417 Inclined bearing surface
421 Contact pad
451 screw
501 Main tank
511 Ink container
511a Handle
512 lid
513 Rubber stopper (elastic body)
514 Crown
521 Housing
522 housing
523 space
524 rib (convex)
602 Reference material
603 chip tank
603a Print liquid supply path
604 Element substrate
605 Top plate
605a First common liquid chamber
605b Print liquid supply port
606 Perforated chamber member
607 filler
608a bubbles
608b Flow of printing liquid
4005 Supply motor
4005A Pinion gear
S Home position
T Envelope printing position
U Continuous paper printing position
Claims (3)
前記筐体は、
底面の所定の箇所に設けられた円柱形状のガイドピンと、
前記ガイドピンが設けられた側の側面に設けられ、前記ガイドピンの円筒部中心線の延長線上に球中心を有する球形状の第1の突起と、
前記第1の突起が設けられた側面に配され前記キャリッジの接点と接続されるコンタクトパッドと、
前記第1の突起が設けられた側面に隣接する側面に設けられた第2の突起と、を有し、
前記ガイドピンと、前記第1及び第2の突起とがそれぞれ前記キャリッジの対応する部位と係合するとともに、前記第2の突起が移動することにより、前記ガイドピンの円筒部中心線と前記第1の突起の球中心とを中心にして前記筐体が回動することを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。In a liquid ejecting head unit that includes a liquid ejecting head that ejects liquid droplets from a plurality of ejection ports and performs printing on a print medium, and a housing that holds the liquid ejecting head, and is detachably mountable on a carriage.
The housing is
A cylindrical guide pin provided at a predetermined position on the bottom surface;
A spherical first protrusion provided on a side surface on the side where the guide pin is provided and having a sphere center on an extension of a cylindrical portion center line of the guide pin ;
A contact pad disposed on a side surface provided with the first protrusion and connected to a contact of the carriage;
A second protrusion provided on a side surface adjacent to the side surface provided with the first protrusion,
The guide pin and the first and second protrusions engage with corresponding portions of the carriage, respectively , and the second protrusion moves to move the cylindrical portion center line of the guide pin and the first protrusion. A liquid ejecting head unit, wherein the casing rotates about a spherical center of a protrusion of the projection .
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