JP3843092B2 - 排ガス浄化触媒およびその製造方法、ならびに車用排ガス浄化触媒装置 - Google Patents

排ガス浄化触媒およびその製造方法、ならびに車用排ガス浄化触媒装置 Download PDF

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Description

本発明は、排ガス浄化触媒およびその製造方法、ならびに車用排ガス浄化触媒装置に係り、とくに、自動車等の内燃機関の低温運転時に排出される排ガス中の窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)および一酸化炭素(CO)を同時に効率よく浄化、低減させることのできる排ガス浄化触媒の製造技術に関する。
排ガス(例えばCO、HC、NO、NO等)の浄化には、貴金属元素(Pt、Rh、Pd、Ir)が高性能を示すことが知られている。このため、排ガス浄化触媒には、上記貴金属元素を用いることが好適である。通常、これらの貴金属は、La、Ce、Ndなどの添加剤とともに、高比表面積担体のAlに混合または担持されて用いられる。一方、様々な元素を組み合わせることができるペロブスカイトなどの複合酸化物は、極めて多様な性質を有する。このため、排ガス浄化触媒には、上記複合酸化物を用いることが好適である。さらに、複合酸化物に貴金属を担持すると、貴金属の性質が大きく変化することも知られている。このような見地から、複合酸化物に貴金属を担持した排ガス浄化触媒では、さらに好適な排ガス浄化性能が得られる。
このような排ガス浄化触媒は種々開発されており、例えば、貴金属の凝集による活性点の低下等によって貴金属が劣化することに鑑み、ペロブスカイトを担持担体とすることで、貴金属の凝集速度を低下させる技術が開示されている(特許文献1参照)。また、貴金属がPdの場合にはNO還元反応の活性種であるPdOが還元されて低活性のPdに変化することに鑑み、Aサイト欠陥型ペロブスカイトを用いることで、PdOの還元を抑制する技術が開示されている(特許文献2参照)。
特公平5−86259号公報(特許請求の範囲) 特開2003−175337号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、従来の排ガス浄化触媒は、自動車の走行時等のとくに高温(400℃以上)運転中においては、排ガス中のCO、HC、NOx(NO、NO等)を浄化する十分な性能を発揮するものの、自動車始動時またはアイドリング時等の低温(400℃以下)運転中においては、十分な性能を発揮するとはいえないのが現状である。
このように、低温運転時に十分な排ガス性能を発揮できない理由は、以下のとおりである。すなわち、従来の排ガス浄化触媒においては、Pt、Rh、Pdなどの貴金属が、高比表面積のAl上に担持されて用いられている。Alは高比表面積であるため、貴金属は高分散状態で担持されるという利点がある。しかしながら、Alは安定化合物であり、担持された貴金属に対して相互作用を及ぼすことがないため、貴金属そのものの活性は向上しない。このため、低温運転時に十分な性能を得ることができない場合がある。
また、自動車運転時においては、Pdが活性の大きなPdOの状態で存在することが望ましい。しかしながら、Al上に担持されたPdは、初期はPdOの状態で存在していても、高温時(900℃以上)に金属状態のPdに還元され、Pdが凝集することにより活性点が減少し、活性が大きく低下するという問題もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、貴金属そのものの活性を向上させるとともに、高温時における活性の低下を防止することにより、自動車始動時またはアイドリング時の低温(400℃以下)運転中においても十分な性能を発揮する排ガス浄化触媒およびその製造方法、ならびに車用排ガス浄化触媒装置を提供することを目的としている。
本発明者らは、自動車始動時またはアイドリング時の低温(400℃以下)運転中においても十分な性能を発揮する排ガス浄化触媒について、鋭意、研究を重ねた。その結果、前駆体塩のカルボン酸錯体重合物を焼成することにより得た希土類系Al酸化物にPdを担持させるにあたり、希土類系Al酸化物に少なくとも1種のアルカリ土類金属を含ませることで、高温にさらされた後でも低温運転時に高活性を維持することができるとの知見を得た。
また、本発明者らは、上記排ガス浄化触媒において、希土類系Al酸化物の示性式をLn1−XAlO(Ln:希土類元素、M:アルカリ土類金属)とした場合、すなわち、希土類系Al酸化物のAサイトに2価のCa,Sr,Ba等のアルカリ土類金属を固溶させた場合には、3価のLnイオンのサイトに2価のアルカリ土類金属のイオンが固溶して、構造内に欠陥が生ずることから、結晶構造がさらに歪み、この歪みによって電気的な不安定さの増大に起因して、担持したPdとの相互作用が増大し、さらに高い低温活性が得られるとの知見を得た。
さらに、本発明者らは、希土類系Al酸化物の中でも、例えばLa1−XAlOは、結晶系が三方晶または菱面体晶であり、ペロブスカイトのBサイトがAlであるため、電気的不安定さが大きく、La1−XAlOに隣接しているPdOは、単独で存在するPdOに比して電気的な揺らぎが大きくなっているとの知見を得た。このため、担持されたPdOの表面においてPdの酸化状態は、大部分でPd2+となっている。この状態は、排ガス浄化に好ましい状態であるため、高い低温活性が得られる。なお、本発明者らは、この触媒が1000℃程度の使用条件にさらされた後でも、高い低温活性が得られることも確認した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明の排ガス触媒は、Pdが希土類系Al酸化物に担持されている排ガス浄化触媒において、前記希土類系Al酸化物は、Ln 1−X AlO (Ln:希土類元素、M:アルカリ土類金属、Xは0を超え1未満)であり、かつ、その結晶系が三方晶または菱面体晶であることを特徴としているなお、上記示性式において、Xの範囲は0.02〜0.25であることが好適である。
加えて、本発明者らは、Ln1−XAlOを作製する際、カルボン酸を含む構成元素の硝酸塩水溶液を蒸発乾固させて得たカルボン酸錯体重合物を経ることにより、Ln1−XAlOが単相で生成し、さらにPdを担持した際にLn1−XAlOの表面が、PdOと相互作用し易い形態になるとの知見を得た。これにより、Ln1−XAlOにPdを担持した排ガス浄化触媒では、高い低温活性が得られる。
したがって、上記排ガス浄化触媒においては、化合物群(OH基またはSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸、炭素数2または3のジカルボン酸、および炭素数1〜20のモノカルボン酸)から選ばれた少なくとも1種をLn,MおよびAlの硝酸塩水溶液に添加する工程を経て製造されたことが望ましい。また、このような排ガス浄化触媒においては、上記硝酸塩水溶液を蒸発乾固させてカルボン酸錯体重合物を作製する工程と、上記カルボン酸錯体重合物を焼成する焼成工程とを経て製造されたことがさらに望ましい。
ここで、OH基またはSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸としては、オキシカルボン酸、および該酸のOH基の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物が挙げられる。これらのカルボン酸の炭素数は、水への溶解性の観点から2〜20であり、好ましくは2〜12、より好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6である。また、モノカルボン酸の炭素数は、水への溶解性の観点から1〜20であり、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6である。
さらに、OH基またはSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸の具体例としては、グリコール酸、メルカプトコハク酸、チオグリコール酸、乳酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、アロクエン酸、グルコン酸、グリオキシル酸、グリセリン酸、マンデル酸、トロパ酸、ベンジル酸、およびサリチル酸等が挙げられる。モノカルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、およびラウリン酸等が挙げられる。これらの中でも、酢酸、シュウ酸、マロン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリオキシル酸、クエン酸およびグルコン酸が好ましく、シュウ酸、マロン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリオキシル酸、クエン酸およびグルコン酸がさらに好ましい。
次に、本発明の排ガス浄化触媒の製造方法は、上記排ガス浄化触媒を好適に製造するための方法であって、PdがLn1−XAlO(Ln:希土類元素、M:アルカリ土類金属、Xは0を超え1未満であってその結晶系が三方晶または菱面体晶のものに担持されている排ガス浄化触媒を製造するにあたり、化合物群(OH基またはSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸、炭素数2または3のジカルボン酸、および炭素数1〜20のモノカルボン酸)から選ばれる少なくとも1種をLn,MおよびAlの硝酸塩水溶液に添加する工程を含むことを特徴としている。
このような排ガス浄化触媒の製造方法においては、上記硝酸塩水溶液を蒸発乾固させてカルボン酸錯体重合物を作製する工程と、上記カルボン酸錯体重合物を焼成する焼成工程とを含むこと(第7発明)が望ましく、上記焼成工程における焼成温度が、1000℃以下であることがさらに望ましい。
以上のような排ガス浄化触媒およびその製造方法は、本発明の概要であるが、本発明者らは、上記発明の具体的な用途について鋭意検討し、本発明の排ガス浄化触媒は、内燃機関の中でもとくに車用に使用することが好適であるとの知見を得、下記の発明を完成した。
すなわち、本発明は、Pdが希土類系Al酸化物に担持されており、車から排出される排ガスを浄化する車用排ガス浄化触媒装置において、上記希土類系Al酸化物は、Ln 1−X AlO (Ln:希土類元素、M:アルカリ土類金属、Xは0を超え1未満)であり、かつ、その結晶系が三方晶または菱面体晶であることを特徴としている。
希土類系Al酸化物上にPdを担持した本発明の排ガス浄化触媒においては、高温運転時にPdOのPd金属への還元を抑制する効果がある。希土類元素は、酸化物の状態でその形状を様々に変化させることが知られている。例えば、LaにPdを担持した触媒を高温にさらすと、PdとLaとの接触部からLaがPd粒子上に移動し、Pd粒子がLaに埋まった形状となり、さらにPd表面に微小なLaが移動することが知られている(Zhang et al., J.Phys.Chem.,vol.100,No.2,P.744-754,1996)。本系(希土類系Al酸化物)においても、上記挙動によりLnとPdとが複合化し、PdOのPd金属への還元を抑制する。この効果により、本発明の排ガス浄化触媒においては、高温運転後の低温(400℃以下)運転時に高活性を維持することができる。
また、希土類系Al酸化物のうち、Ln1−XAlO(Ln:希土類元素、M:アルカリ土類金属)なる示性式で表される酸化物は、LnAlOのAサイトにCa,Sr,Baなどのアルカリ土類金属が固溶した構造になっている。この構造においては、3価のLnイオンのサイトに2価のアルカリ土類金属のイオンが固溶しているため、構造内に欠陥が生じ、この欠陥により結晶構造がさらに歪む。このため、電気的な不安定さの増大に起因して担持したPdとの相互作用が強くなり、高い低活性が得られる。
さらに、希土類系Al酸化物のうち、例えばLa1−XAlO等の特徴は、結晶系が三方晶または菱面体晶であること、およびペロブスカイトのBサイトがAlであることである。三方晶とは、図1に示すように、理想的な立方晶の単位格子からc軸方向に格子が変化し、さらにa軸とb軸との間の角度が120°である結晶系である。すなわち、三方晶は、理想的な立方晶ペロブスカイトから大きく歪みを生じた結晶系であり、この結晶系においては、構成する原子間の電子の存在状態が極めて不安定となる。次に、菱面体晶とは、図2に示すように、三方晶を異なる基本軸で表した場合の結晶系であり、三方晶と構造自体は同じである。図3は、Pdを担持したLa0.8Ca0.2AlO等の結晶系の違いを裏付ける資料としてのXRDスペクトルである。すなわち、La0.8Ca0.2AlOおよびLa0.8Sr0.2AlOと、従来の排ガス浄化触媒であるPdを担持した他のペロブスカイトであるGdAlOの構造をみると、同図に示したように、La0.8Ca0.2AlOおよびLa0.8Sr0.2AlOの結晶系は三方晶または菱面体晶であり、一方、GdAlOの結晶系は三方晶または菱面体晶ではなく、斜方晶であることが判る。
なお、La0.8Ca0.2AlOおよびLa0.8Sr0.2AlOは、ペロブスカイトのBサイトがAlであるため、Al−Oの結合は共有結合性が強い。このため、通常イオン結合性の強いペロブスカイト結晶中に、なんらかの電気的偏りを生じさせている。以上のように、結晶系が三方晶または菱面体晶であること、およびペロブスカイトのBサイトがAlであることから、La0.8Ca0.2AlOおよびLa0.8Sr0.2AlOなるペロブスカイト(すなわち、Ln1−XAlO)は、排ガス浄化用触媒として既知のLaFeOなどに比して、電気的不安定さが大きい。
このような電気的不安定さから、Ln1−XAlOに隣接しているPdOは、単独で存在するPdOに比して電気的な揺らぎが大きくなっている。この結果、担持されているPdOの表面におけるPdの酸化状態はその大部分がPd2+となる。表面Pdの酸化状態は、Pd2+およびPd(金属状態)の二種類の存在が知られており、Pd2+の方が排ガス浄化には高活性である。すなわち、PdをLn1−XAlOに担持した本発明の排ガス浄化触媒は、Pd表面がPd2+の状態であり、高活性である。また、1000℃程度の使用条件にさらされた後でも、低温(400℃以下)運転時に高活性を維持することができる。
さらに、La1−XAlOを製造する際、カルボン酸を含む構成元素の硝酸塩水溶液を蒸発乾固させて作製したカルボン酸錯体重合物を比較的低温の800℃で焼成することにより、La1−XAlOが単相で生成する。これに対し、La1−XAlO等を固相反応法などの他の方法で製造した場合には、1700℃の高温で焼成しても単相のLa1−XAlO等は生成しない(希土類の科学、化学同人、足立吟也編著、P.564)。すなわち、カルボン酸を用いることにより、上記低温で単相のLa1−XAlO等を合成することができる。このため、十分な比表面積が得られるとともに、結晶格子表面を活性な状態で用いることができる。本発明の方法により作製したLa1−XAlO等にPdを担持した排ガス浄化触媒においては、十分な比表面積と、La1−XAlO等とPdとの強い相互作用とが得られるため、低温における高活性が実現される。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。
<製造例1>
[担持担体複合酸化物の作製]
所定量の硝酸ランタン六水和物、硝酸カルシウム、および硝酸アルミニウム九水和物をイオン交換水に溶解し、混合水溶液を作製した。次に、所定量のリンゴ酸をイオン交換水に溶解し、リンゴ酸水溶液を作製した。この二つの水溶液を混合して、ホットプレートスターラにのせ、250℃で撹拌子を用いて撹拌しながら加熱し、水分蒸発の後、分解乾固させ、乾固物を乳鉢で粉砕した。これをアルミナ坩堝に移し、マッフル炉にて2.5℃/minで350℃まで昇温し、350℃で3時間熱処理を施した。これにより、リンゴ酸塩、硝酸根を除去した仮焼成体を作製した。仮焼成体を乳鉢で15分間粉砕混合した後、再びアルミナ坩堝に入れ、マッフル炉にて5℃/minで800℃まで昇温し、800℃で10時間熱処理を施した。これにより、La0.8Ca0.2AlOなる組成のペロブスカイト複合酸化物を作製した。
[貴金属の担持]
次に、所定量の硝酸パラジウム二水和物をイオン交換水に溶解させ、硝酸パラジウム水溶液を作製した。次いで、硝酸パラジウム水溶液と所定量のLa 0.8 Ca 0.2 AlO 粉末とをナス型フラスコに入れ、ナス型フラスコをロータリーエバポレータで減圧しながら、60℃の湯浴中で蒸発乾固させた。その後、マッフル炉にて2.5℃/minで250℃まで昇温し、さらに5℃/minで750℃まで昇温して、750℃で3時間保持した。これにより、PdOをLa0.8Ca0.2AlOに含浸担持したPd/La0.8Ca0.2AlOなる製造例1の触媒粉末を得た。
[活性評価]
次に、得られた製造例1の触媒粉末について、初期および耐久処理後の活性評価を実施した。評価は、自動車のモデル排ガスを触媒に流通させ、A/F(空燃比)=14.6相当、SV(流量)=50000h−1にて行った。耐久処理は、A/F=14.6相当のモデル排ガスにより900℃の耐久温度で20時間行った。これらの結果を表1,2に示す。すなわち、表1には、触媒の昇温試験における、CO、HC、NOの50%浄化温度を示す。また、表2には、耐久処理後の触媒の昇温試験における、CO、HC、NOの50%浄化温度を示す。
Figure 0003843092
Figure 0003843092
<製造例2>
製造例1と同様の方法で、Pd/La0.8Sr0.2AlOを製造し、各種活性評価を行った。その結果を表1,2に併記する。
<製造例3>
製造例1と同様の方法で、Pd/La0.8Ba0.2AlOを製造し、各種活性評価を行った。その結果を表1,2に併記する。
<製造例4>
製造例1と同様の方法で、Pd/La0.98Sr0.02AlOを製造し、各種活性評価を行った。その結果を表1,2に併記する。
<製造例5>
製造例1と同様の方法で、Pd/Alを製造し、各種活性評価を行った。その結果を表1,2に併記する。
<製造例7>
製造例1と同様の方法で、Pd/La0.8Ca0.2NiOを製造し、各種活性評価を行った。その結果を表1,2に併記する。なお、La0.8Ca0.2NiOの結晶系は三方晶である。
<製造例8>
製造例1と同様の方法で、Pd/La0.8Ca0.2MnOを製造し、各種活性評価を行った。その結果を表1,2に併記する。なお、La0.8Ca0.2MnOの結晶系は斜方晶である。
<製造例9>
製造例1と同様の方法で、Pd/La0.8Ca0.2CoOを製造し、各種活性評価を行った。その結果を表1,2に併記する。なお、La0.8Ca0.2CoOの結晶系は斜方晶である。
<製造例10>
製造例1と同様の方法で、Pd/La0.8Ca0.2FeOを製造し、各種活性評価を行った。その結果を表1,2に併記する。なお、La0.8Ca0.2FeOの結晶系は斜方晶である。
表1,2によれば、製造例1〜の排ガス浄化触媒は、耐久処理前後にかかわらず、優れた50%浄化温度を示す。この理由は、以下のとおりである。すなわち、製造例1〜の排ガス浄化触媒は、全て希土類系Al酸化物上にPdを担持したものであり、これらの触媒には、高温時のPdOのPdへの還元を抑制する効果があり、高温にさらされた後でも高活性を維持することができる。また、製造例1〜の排ガス浄化触媒は、希土類系Al酸化物がLa1−XAlO(Ln:希土類元素、M:アルカリ土類金属)であることから、3価のLaイオンのサイトに2価のアルカリ土類金属(Ca,Ba,Sr)のイオンが固溶しているため、構造内に欠陥が生じ、この欠陥により結晶構造がさらに歪む。このため、電気的な不安定さの増大に起因して担持したPdとの相互作用が強くなり、高い低活性が得られる。さらに、製造例1〜の排ガス浄化触媒は、希土類系Al酸化物の結晶系が三方晶または菱面体晶であり、ペロブスカイトのBサイトがAlであるため、電気的不安定さが大きい。このため、希土類系Al酸化物に隣接しているPdOは、単独で存在するPdOに比して電気的な揺らぎが大きくなっている。加えて、製造例1〜の排ガス浄化触媒では、希土類系Al酸化物を作製する際、カルボン酸を含むLn,MおよびAlの硝酸塩水溶液を蒸発乾固させて得たカルボン酸錯体重合物を経ることにより、希土類系Al酸化物が単相で生成し、さらに表面状態がPdOを担持した際、PdOと相互作用し易い形態となる。なお、上記混合水溶液の作製に際して、リンゴ酸を使用したが、クエン酸またはシュウ酸を使用した場合においても同様の結果が得られることが判明した。
これに対し、製造例10の排ガス浄化触媒が製造例1〜の排ガス浄化触媒に比して低温運転時に十分な性能を得ることができない理由は、以下のとおりである。製造例において、Alは安定化合物であり、担持された貴金属Pdに対して相互作用を及ぼすことがないため、Pdそのものの活性は向上しない。製造例10の排ガス浄化触媒は、希土類系酸化物が希土類系Al酸化物でないため、高温時にPd酸化物のPdへの還元を抑制することができず、高温運転後の低温運転時に高活性を維持することができない。これらの中でも、とくに、製造例9,10の排ガス浄化触媒は、希土類系Al酸化物の結晶系が斜方晶であるため、構成する原子間の電子の存在状態が三方晶または菱面体晶ほど不安定にならず、高い低温活性が得られない。
本発明の排ガス浄化触媒は、近年、排ガス中の窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)および一酸化炭素(CO)を同時に効率よく浄化、低減させることが要求される、自動車等の内燃機関に適用することができる。
本発明の排ガス浄化触媒を構成するAl酸化物の結晶系の一例(三方晶)を示す斜視図である。 本発明の排ガス浄化触媒を構成するAl酸化物の結晶系の一例(菱面体晶)を示す斜視図である。 Pdが担持される各種酸化物の結晶系の違いを裏付けるXRDスペクトルである。

Claims (7)

  1. Pdが希土類系Al酸化物に担持されている排ガス浄化触媒において、
    前記希土類系Al酸化物は、Ln 1−X AlO (Ln:希土類元素、M:アルカリ土類金属、Xは0を超え1未満)であり、かつ、その結晶系が三方晶または菱面体晶であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  2. 化合物群(OH基またはSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸、炭素数2または3のジカルボン酸、および炭素数1〜20のモノカルボン酸)から選ばれた少なくとも1種を前記Ln,MおよびAlの硝酸塩水溶液に添加する工程を経て製造されたことを特徴とする請求項に記載の排ガス浄化触媒。
  3. 前記硝酸塩水溶液を蒸発乾固させてカルボン酸錯体重合物を作製する工程と、前記カルボン酸錯体重合物を焼成する焼成工程とを経て製造されたことを特徴とする請求項に記載の排ガス浄化触媒。
  4. PdがLn1−XAlO(Ln:希土類元素、M:アルカリ土類金属、Xは0を超え1未満であってその結晶系が三方晶または菱面体晶のものに担持されている排ガス浄化触媒を製造するにあたり、
    化合物群(OH基またはSH基を有する炭素数2〜20のカルボン酸、炭素数2または3のジカルボン酸、および炭素数1〜20のモノカルボン酸)から選ばれる少なくとも1種を前記Ln,MおよびAlの硝酸塩水溶液に添加する工程を含むことを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法。
  5. 前記硝酸塩水溶液を蒸発乾固させてカルボン酸錯体重合物を作製する工程と、前記カルボン酸錯体重合物を焼成する焼成工程とを含むことを特徴とする請求項に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  6. 前記焼成工程における焼成温度が1000℃以下であることを特徴とする請求項に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  7. Pdが希土類系Al酸化物に担持されており、車から排出される排ガスを浄化する車用排ガス浄化触媒装置において、前記希土類系Al酸化物は、Ln 1−X AlO (Ln:希土類元素、M:アルカリ土類金属、Xは0を超え1未満)であり、かつ、その結晶系が三方晶または菱面体晶であることを特徴とする車用排ガス浄化触媒装置。
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