【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、織り機や刺繍用ミシンなどにおいて２本の糸を結んで接続する糸結び装置に係り、特に、結ぶ糸の種々の性質に対応して適宜の結び目を形成する糸結び装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の糸結び装置としては、特公昭５５−２３８６号公報に記載されているものが知られている。
【０００３】
まず、この公報に記載されている従来の糸結び装置の要部を簡単に説明する。
【０００４】
図３および図４は、前述した従来の糸結び装置を示すものであり、この糸結び装置は、２本の糸１Ａ，１Ｂを結ぶために各糸をさばく２つのクロッサ３Ａ，３Ｂを備えたクロッサ機構２と、このクロッサ機構２の各クロッサ３Ａ，３Ｂが保持している各糸１Ａ，１Ｂを回転させるとともに各糸１Ａ，１Ｂを切断するためにそれぞれ切断手段６Ａ，６Ｂを付設した２つの回転ビル５Ａ，５Ｂを備えたビル機構４と、相互に結ばれた前記両糸１Ａ，１Ｂに係合して両糸１Ａ，１Ｂを抜き出すストリッパ８を備えたストリッパ機構７とを有している。
【０００５】
前記クロッサ機構２、ビル機構４およびストリッパ機構７は、共通の駆動手段である引金レバー９を回動させることによりそれぞれ駆動されるようになっている。すなわち、この引金レバー９には２枚の板カム１０Ａ，１０Ｂが一体に固定されており、これらのうちの一方の板カム１０Ａのカム溝１１Ａに嵌合しているカムフォロワ１２Ａの移動により前記クロッサ機構２の各クロッサ３Ａ，３Ｂが相互に逆方向に回動されることになる。
【０００６】
また、前記引金レバー９と一体の回動部材１３が設けられており、この回動部材１３の延長部１４が回転可能に支持されている螺旋軸１５を回転させることにより、螺旋軸１５と同軸配置されている２枚の歯車１６Ａ，１６Ｂならびに対応する歯車１６Ａ，１６Ｂに噛合している他の歯車１７Ａ，１７Ｂの回転を介してビル機構４の各回転ビル５Ａ，５Ｂが回転されることになる。各回転ビル５Ａ，５Ｂは、その回転中その外周側に配設されている内周カム１８Ａ，１８Ｂに接合し、切断手段６Ａ，６Ｂが閉じて糸１Ａ，１Ｂを切断することになる。
【０００７】
さらに、前記引金レバー９に固定されている他の板カム１０Ｂのカム溝１１Ｂに嵌合しているカムフォロワ１２Ｂの移動により前記ストリッパ機構７のストリッパ８が回動されることになる。
【０００８】
このような従来の糸結び装置の構成によれば、糸結び装置の所定位置にまず２本の糸１Ａ，１Ｂをセットし、指で引金レバー９を押圧して回動させると、まず各クロッサ３Ａ，３Ｂが相互に逆方向に回動して、図５に示すように、２本の糸１Ａ，１Ｂを相互に交差させる。この状態においては、ビル機構４の各回転ビル５Ａ，５Ｂは、図５に示す位置をとっている。
【０００９】
そこで、引金レバー９の回動をさらに継続すると、この引金レバー９と一体の回動部材１３の回動により螺旋軸１５が回転し、螺旋軸１５の回転が歯車１６Ａ，１６Ｂを介して各回転ビル５Ａ，５Ｂと同軸の各歯車１７Ａ，１７Ｂに伝達され、各回転ビル５Ａ，５Ｂが回転する。これにより、各糸１Ａ，１Ｂが回転ビル５Ａ，５Ｂに巻きつけられ、図６に実線で示す位置をとる。
【００１０】
そして、引金レバー９のさらなる回動により、それまで開いていたビル機構４の切断手段６Ａ，６Ｂが、外周側に配設されている内周カム１８Ａ，１８Ｂに接合することにより閉じ、糸１Ａ，１Ｂを切断することになる。
【００１１】
その後、引金レバー９のさらなる回動により、板カム１０Ｂのカム溝１１Ｂに嵌合しているカムフォロワ１２Ｂの移動によりストリッパ機構７のストリッパ８が、図６における実線位置から想像線位置へと回動し、結ばれている糸１Ａ，１Ｂを引き上げる。そして、結ばれた糸１Ａ，１Ｂは、最終的には、図７に示す状態となる。このストリッパ８による糸１Ａ，１Ｂの引き上げの際、糸１Ａ，１Ｂは、クロッサ機構２の各クロッサ３Ａ，３Ｂに保持されているので、当初、図８に示す状態にあったものが、ストリッパ８により引かれて、最終的には、図９に示すように、結び目１Ｃを形成することになる。
【００１２】
なお、引金レバー９から指を離すと、引金レバー９は、ばね１９の作用により元の位置に復し、この引金レバー９の移動に関連して、他のクロッサ３Ａ，３Ｂ、回転ビル５Ａ，５Ｂ、ストリッパ８なども元の位置に復することになる。
【００１３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の糸結び装置においては、糸１Ａ，１Ｂによる結び目が完成していないうちにストリッパ機構７のストリッパ８が両糸１Ａ，１Ｂを引き上げるようになっているため、糸の種類（太さ）や糸の性質（摩擦性、伸縮性、屈曲性）が原因となって両糸１Ａ，１Ｂによる結び目がほどけたり、あるいは、強固な結び目が形成されないおそれがあった。
【００１４】
このように糸１Ａ，１Ｂによる結び目が完成していないうちにストリッパ機構７のストリッパ８が両糸１Ａ，１Ｂを引き上げるようになっているのは、下記の理由による。すなわち、前述した従来のものにおいては、クロッサ機構２、ビル機構４およびストリッパ機構７の駆動をひとつの引金レバー９の回動のみにより行っており、このうちストリッパ機構７のストリッパ８の回動は、板カム１０Ｂのカム溝１１Ｂが引金レバー９の回動にともなって移動することにより、このカム溝１１Ｂに嵌合しているカムフォロワ１２Ｂの位置が変化することを利用して行われている。ところで、糸１Ａ，１Ｂによる結び目が完成してからストリッパ機構７のストリッパ８が両糸１Ａ，１Ｂを引き上げるようにするためには、カムフォロワの移動の際の立ち上がりを大きくしなければならないが、このためには板カム１０Ｂのカム溝１１Ｂの形状として立ち上がりを大きくするような形状が必要になる。
【００１５】
しかしながら、このような立ち上がりの大きなカム溝１１Ｂの形状とすると、引金レバー９の回動の際の負荷が増してしまい、引金レバー９の回動を円滑に行うことができなくなってしまう。このため、前述した従来のものにおいては、糸１Ａ，１Ｂによる結び目が完成していないうちにストリッパ機構７のストリッパ８が両糸１Ａ，１Ｂを引き上げるようにしていた次第である。
【００１６】
図２は、前述した従来のものと後述する本発明の実施例におけるクロッサ３Ａ，３Ｂ、回転ビル５Ａ，５Ｂおよびストリッパ８の動作の位相を示すものであり、この図２における上部の角度は、引金レバー９の初期位置からの回動角を示したものである。
【００１７】
図２において、まず、引金レバー９が約２度回動したときに各クロッサ３Ａ，３Ｂの回動が開始され、クロッサ３Ａ，３Ｂの回動中、引金レバー９が約１２度回動したときに各回転ビル５Ａ，５Ｂの回転が開始される。前記各クロッサ３Ａ，３Ｂの回動は、引金レバー９の回動角が約２２度になったときに終了し、また、各回転ビル５Ａ，５Ｂの回転は、引金レバー９の回動角が約４７度になったときに終了する。ところで、前述したように、まだ各回転ビル５Ａ，５Ｂの回転が継続されている状態である引金レバー９の回動角が約３７度になったときにストリッパ８の上昇のための回動が開始され、このストリッパ８の下降のための回動は、回転ビル５Ａ，５Ｂの逆方向の回転が始まってから終了するようになっている。
【００１８】
本発明は、このような従来のものにおける問題点を克服し、ストリッパ機構のストリッパを糸の結び目が形成された後に駆動開始しうるようにした糸結び装置を提供することを目的としている。
【００１９】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため請求項１に記載の本発明の糸結び装置の特徴は、ストリッパ機構のストリッパの動作に自由度を与えるためにこのストリッパ機構をクロッサ機構およびビル機構と別個の駆動手段により駆動するようにした点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ストリッパの駆動のタイミングを任意に設定できるので、良好な結び目を形成することができる。
【００２０】
請求項２に記載の糸結び装置の特徴は、ストリッパ機構の駆動手段が、ストリッパの駆動開始位置および駆動終了位置をそれぞれ調節可能とされている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、糸の種類や性質に応じてストリッパのストロークを変化せしめ、糸の種類（太さ）や糸の性質（摩擦性、伸縮性、屈曲性）に適合した良好な結び目を形成することができる。
【００２１】
請求項３に記載の糸結び装置の特徴は、ストリッパ機構の駆動手段が、ストリッパの駆動開始時ならびに駆動終了時の位相をそれぞれ調節可能とされている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、糸の性質に応じてストリッパ位相を変化せしめ、糸の性質に適合した良好な結び目を形成することができる。
【００２２】
請求項４に記載の糸結び装置の特徴は、ストリッパ機構の駆動手段が、ビル機構の回転ビルにより両糸の結び目が形成された後にストリッパの駆動が開始され、回転ビルの初期化動作の前に前記ストリッパの駆動が終了されるようにストリッパを駆動するようにされている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、糸の結び目形成後にストリッパを駆動して良好な結び目を形成し、しかもその後の回転ビルの移動がストリッパの移動に干渉せず、糸切れなどを生じさせることもない。
【００２３】
【発明の実施の形態】
本実施の形態の説明においては、特に、ストリッパ機構のストリッパの駆動手段について説明するが、図示を省略したクロッサ機構やビル機構などの構成は前述した従来のものと同様である。
【００２４】
図１は、本発明の糸結び装置の要部の実施の形態を示すものであり、図１には、ストリッパ８の駆動手段としての空圧シリンダ２０が示されている。この空圧シリンダ２０の基端部には、開口２２を有するブラケット２１が突設されている。そして、このブラケット２１に挿通したピン２３をＬ字状の固定部材２４を介して図示しない基板に固定することにより、前記空圧シリンダ２０は、前記ピン２３を中心として揺動自在に支持されることになる。
【００２５】
前記空圧シリンダ２０内には、この空圧シリンダ２０に供給される空気の方向を切換えることにより空圧シリンダ２０から出没するプランジャ２５が配設されている。一方、このプランジャ２５の近傍には、プランジャ２５に従動してプランジャ２５と同方向に移動しうる伝達アーム２６が配設されている。この伝達アーム２６には、前記プランジャ２５に挿入されるピン２７が突設されるとともに、その長手方向に延在するガイド長溝２８が形成されている。この長溝２８には、固定配置された図示しないガイドピンが挿入されており、よって、この伝達アーム２６は、前記プランジャ２５とともに、プランジャ２５の移動方向に移動するようになっている。
【００２６】
前記伝達アーム２６の先端部には側壁２９が立設されており、この側壁２９には開口３０が形成されている。また、この側壁２９の側方には、平板状のストリッパガイド３１が立設されている。このストリッパガイド３１には、前記側壁２９の方向に突出する支持ピン３２が突設されている。また、このストリッパガイド３１には、前記支持ピン３２を中心とする円弧状溝３３が形成されている。
【００２７】
前記ストリッパガイド３１の支持ピン３２には、平板状のストリッパ８の基端部が回動自在に支持されており、このストリッパ８の中央部には、ストリッパ８の両側に突出する伝達ピン３４が突設されている。この伝達ピン３４の一端部は、前記伝達アーム２６の側壁２９に形成された縦孔２９ｈに遊嵌されており、また、伝達ピン３４の他端部は、前記ストリッパガイド３１の円弧状溝３３内に遊挿されている。
【００２８】
このような構成によれば、空圧シリンダ２０内に空気を供給してそのプランジャ２５を突出させると、このプランジャ２５とピン２７により接続されている伝達アーム２６が同方向に移動する。すると、この伝達アーム２６と伝達ピン３４により接続されているストリッパ８が、支持ピン３２を中心として図１において時計方向に回動され、従来のものにおいて説明したように糸に係合して糸を抜け出させることになる。なお、前記空圧シリンダ２０内に供給する空気の方向を逆にすれば、プランジャ２５は空圧シリンダ２０内に没することになり、ストリッパ８は初期位置に復帰することになる。
【００２９】
このように空圧シリンダ２０へ空気を供給することによりストリッパ８を回動することができるので、この空圧シリンダ２０への空気の供給時期を制御することにより、ストリッパ８の駆動開始時の位相を調節することができる。また、空圧シリンダ２０への供給する空気の速度を制御することによりストリッパ８の駆動終了時の位相ならびにストリッパ８の回動速度を調節することができる。さらに、空圧シリンダ２０に供給する空気の総量を制御することによりストリッパ８の駆動開始位置および駆動終了位置をそれぞれ調節することができる。また、ストリッパ８の駆動開始位置および駆動終了位置というストロークの調節は、設置位置を可変としたストッパによっても行うことができる。このストッパによりストリッパ８のストロークの調節を行えば、ストリッパ８の自由状態におけるストロークの最終段階におけるストリッパ８の不安定な動きを糸に伝えないようにすることができる。前記ストッパについては図示していないが、例えば、ストリッパ８の最前進点、最後退点の位置にそれぞれ先端部が臨むようにストッパの基端を機枠に取付け、しかも、ストッパの先端部の位置を調節可能にしておけばよい。
【００３０】
なお、前述した各種の制御は、引金レバーの回動角を検出するセンサならびにコンピュータソフトなどにより行うことができる。
【００３１】
つぎに、前述した構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【００３２】
本実施の形態における図１に図示を省略したクロッサ機構ならびにビル機構の動作は、前述した従来のものと同様であるが、本実施の形態においてはストリッパ機構の動作が従来と異なっている。
【００３３】
すなわち、図２においてビル機構の各回転ビルの回転は、引金レバーが約１２度回動したときに回転が開始されるが、本実施の形態においては、ストリッパ機構７のストリッパ８の駆動がクロッサ機構ならびにビル機構の駆動手段とは別の空圧シリンダ２０により行われるようになっているので、図２に矢印で示すように、結び目形成のための各回転ビルの回転が終了する引金レバーの回動角（約４７度）より大きく引金レバーが回動した約５２度の回動角のときに図１の空圧シリンダ２０に空気が供給され、ストリッパ８が回動を開始する。なお、このストリッパ８のストロークは、あらかじめ糸の性質に応じて設定されている。
【００３４】
すると、このストリッパ８は、ビル機構により結び目がすでに形成されている糸に係合して、糸を引き出そうとするので、糸の結び目を糸の性質に応じて締めつけることができる。
【００３５】
そして、このストリッパ８の回動は、図示しない引金レバーが最大限回動した直後に終了し、その後、前記空圧シリンダ２０への空気の供給が直ちに逆向きになってストリッパ８は逆方向への回動を開始する。このストリッパ８の逆向きの回動による初期位置への復帰は、図２に矢印で示すように、ビル機構の各回転ビルが初期位置への復帰のために逆方向に回動を開始する引金レバーの逆方向の回動角が約４３度となる前の約４８度の時点において終了している。したがって、回転ビルの初期位置への復帰のための回動がストリッパ８の回動に干渉することなく、したがって、糸切れ、糸結びの不良などを生じさせることもない。
【００３６】
このように本実施の形態によれば、ビル機構により結び目が形成された後にストリッパ８の回動が開始されるので、結び目のための輪が形成されなかったり、糸抜けが生じたりする事態を防止することができる。また、ストリッパ８のストロークを任意に設定することができるので、糸の性質に応じたストロークで糸締めを行うことができる。この結果、レーヨン系の糸のみならず、ポリエステル系の糸、あるいは、糸結びの難しい金糸や銀糸などの糸結びをも可能にすることができる。
【００３７】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、ストリッパ機構の駆動手段としては、空圧シリンダ２０に代えて、電磁シリンダ、モータなどのアクチュエータを使用してもよい。
【００３８】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ストリッパ機構のストリッパを糸の結び目が形成された後に駆動開始しうるようにストリッパの駆動のタイミングを任意に設定して、良好な結び目を形成することができる。
【００３９】
また、ストリッパ機構の駆動手段が、ストリッパの駆動開始位置および駆動終了位置をそれぞれ調節可能とすることにより、糸の性質に応じてストリッパのストロークを変化せしめ、糸の性質に適合した良好な結び目を形成することができる。
【００４０】
さらに、ストリッパ機構の駆動手段が、ストリッパの駆動開始時ならびに駆動終了時の位相をそれぞれ調節可能とすることにより、糸の性質に応じてストリッパ位相を変化せしめ、糸の性質に適合した良好な結び目を形成することができる。
【００４１】
さらにまた、ストリッパ機構の駆動手段が、ビル機構の回転ビルにより両糸の結び目が形成された後にストリッパの駆動が開始され、回転ビルの初期化動作の前にストリッパの駆動が終了されるようにストリッパを駆動することにより、糸の結び目形成後にストリッパを駆動して良好な結び目を形成し、しかもその後の回転ビルの移動がストリッパの移動に干渉せず、糸切れなどを生じさせることもない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る糸結び装置の実施の形態を示す要部の分解斜視図
【図２】 本発明の実施の形態ならびに従来の糸結び装置における各機構の動作タイミングを示す線図
【図３】 従来の糸結び装置の一部縦断右側面図
【図４】 従来の糸結び装置の一部縦断左側面図
【図５】 従来の糸結び装置の動作を示す説明図
【図６】 従来の糸結び装置の動作を示す説明図
【図７】 従来の糸結び装置の動作を示す説明図
【図８】 従来の糸結び装置における結び目形成の過程を示す説明図
【図９】 従来の糸結び装置における結び目形成の過程を示す説明図
【符号の説明】
１Ａ，１Ｂ 糸
１Ｃ 結び目
２ クロッサ機構
３Ａ，３Ｂ クロッサ
４ ビル機構
５Ａ，５Ｂ 回転ビル
７ ストリッパ機構
８ ストリッパ
９ 引金レバー
１０Ａ，１０Ｂ 板カム
２０ 空圧シリンダ
２５ プランジャ
２６ 伝達アーム
３１ ストリッパガイド[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a yarn knot device that connects and connects two yarns in a weaving machine, an embroidery sewing machine, or the like, and more particularly, to a yarn knot device that forms appropriate knots corresponding to various properties of the yarns to be tied.
[0002]
[Prior art]
As this type of yarn tying device, one described in Japanese Patent Publication No. 55-2386 is known.
[0003]
First, the main part of the conventional yarn knot device described in this publication will be briefly described.
[0004]
FIG. 3 and FIG. 4 show the above-described conventional yarn knot device, and this yarn knot device has two crossers 3A and 3B for separating each yarn to tie two yarns 1A and 1B. The crosser mechanism 2 and two pieces of cutting means 6A and 6B are provided to rotate the yarns 1A and 1B held by the crossers 3A and 3B of the crosser mechanism 2 and cut the yarns 1A and 1B, respectively. It has a building mechanism 4 provided with rotating buildings 5A, 5B, and a stripper mechanism 7 provided with a stripper 8 that engages with the yarns 1A, 1B that are connected to each other and extracts both the yarns 1A, 1B. .
[0005]
The crosser mechanism 2, the building mechanism 4 and the stripper mechanism 7 are each driven by rotating a trigger lever 9 which is a common driving means. That is, two plate cams 10A and 10B are integrally fixed to the trigger lever 9, and the cam follower 12A fitted in the cam groove 11A of one of the plate cams 10A moves as described above. The crossers 3A and 3B of the crosser mechanism 2 are rotated in opposite directions.
[0006]
Further, a rotating member 13 integral with the trigger lever 9 is provided, and by rotating a helical shaft 15 on which an extension 14 of the rotating member 13 is rotatably supported, The rotating buildings 5A and 5B of the building mechanism 4 are rotated through the rotation of the two gears 16A and 16B arranged coaxially and the other gears 17A and 17B meshing with the corresponding gears 16A and 16B. become. The rotating buildings 5A and 5B are joined to the inner peripheral cams 18A and 18B disposed on the outer peripheral side during the rotation, and the cutting means 6A and 6B are closed to cut the yarns 1A and 1B.
[0007]
Further, the stripper 8 of the stripper mechanism 7 is rotated by the movement of the cam follower 12B fitted in the cam groove 11B of the other plate cam 10B fixed to the trigger lever 9.
[0008]
According to the configuration of such a conventional yarn knotting device, when the two yarns 1A and 1B are first set at predetermined positions of the yarn knotting device and the trigger lever 9 is pressed and rotated with a finger, The crossers 3A and 3B rotate in opposite directions to cross the two yarns 1A and 1B as shown in FIG. In this state, the rotating buildings 5A and 5B of the building mechanism 4 are in the positions shown in FIG.
[0009]
Therefore, when the rotation of the trigger lever 9 is further continued, the spiral shaft 15 is rotated by the rotation of the rotation member 13 integrated with the trigger lever 9, and the rotation of the spiral shaft 15 is performed via the gears 16A and 16B. The rotation is transmitted to the gears 17A and 17B coaxial with the rotary buildings 5A and 5B, and the rotary buildings 5A and 5B rotate. Thereby, each thread | yarn 1A, 1B is wound around rotary buildings 5A, 5B, and takes the position shown as a continuous line in FIG.
[0010]
Then, by further rotation of the trigger lever 9, the cutting means 6A, 6B of the building mechanism 4 that has been opened so far are closed by joining to the inner peripheral cams 18A, 18B disposed on the outer peripheral side, 1A and 1B are cut.
[0011]
Thereafter, when the trigger lever 9 is further rotated, the stripper 8 of the stripper mechanism 7 is rotated from the solid line position in FIG. 6 to the imaginary line position by the movement of the cam follower 12B fitted in the cam groove 11B of the plate cam 10B. The yarns 1A and 1B that are moved and tied are pulled up. Then, the tied yarns 1A and 1B are finally in the state shown in FIG. When the yarns 1A and 1B are pulled up by the stripper 8, the yarns 1A and 1B are held by the crossers 3A and 3B of the crosser mechanism 2, so that the stripper 8 is initially in the state shown in FIG. As a result, the knot 1C is finally formed as shown in FIG.
[0012]
When the finger is released from the trigger lever 9, the trigger lever 9 returns to its original position by the action of the spring 19, and the other crossers 3 </ b> A and 3 </ b> B are rotated in association with the movement of the trigger lever 9. The buildings 5A and 5B, the stripper 8 and the like are also restored to their original positions.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the above-described conventional yarn knotting device, the stripper 8 of the stripper mechanism 7 pulls up both the yarns 1A and 1B before the knots by the yarns 1A and 1B are completed. There is a possibility that the knots of the two yarns 1A and 1B may be unwound or a strong knot may not be formed due to the thickness) and the properties of the yarn (friction, stretchability, flexibility).
[0014]
The reason why the stripper 8 of the stripper mechanism 7 pulls up both the yarns 1A and 1B before the knot by the yarns 1A and 1B is completed is as follows. That is, in the above-described conventional one, the crosser mechanism 2, the building mechanism 4 and the stripper mechanism 7 are driven only by the rotation of one trigger lever 9, and among these, the rotation of the stripper 8 of the stripper mechanism 7 is performed. Is performed by utilizing the fact that the cam groove 11B of the plate cam 10B moves with the rotation of the trigger lever 9 to change the position of the cam follower 12B fitted in the cam groove 11B. Yes. By the way, in order for the stripper 8 of the stripper mechanism 7 to pull up both the yarns 1A and 1B after the knots by the yarns 1A and 1B are completed, it is necessary to increase the rise in the movement of the cam follower. For this purpose, the shape of the cam groove 11B of the plate cam 10B is required to increase the rise.
[0015]
However, when the cam groove 11B has such a large rising shape, the load when the trigger lever 9 rotates is increased, and the trigger lever 9 cannot be rotated smoothly. For this reason, in the above-described conventional one, the stripper 8 of the stripper mechanism 7 pulls up both the yarns 1A and 1B before the knot by the yarns 1A and 1B is completed.
[0016]
FIG. 2 shows the phase of operation of the above-described conventional one and the operation of the crossers 3A and 3B, the rotary buildings 5A and 5B and the stripper 8 in the embodiment of the present invention described later. The upper angle in FIG. The rotation angle from the initial position of the trigger lever 9 is shown.
[0017]
In FIG. 2, first, when the trigger lever 9 is rotated about 2 degrees, the rotation of each of the crossers 3A, 3B is started. During the rotation of the crossers 3A, 3B, the trigger lever 9 is rotated about 12 degrees. When this happens, the rotation of the rotary buildings 5A and 5B is started. The rotation of each of the crossers 3A, 3B ends when the rotation angle of the trigger lever 9 reaches about 22 degrees, and the rotation of each of the rotating buildings 5A, 5B is the rotation of the trigger lever 9. Finish when the angle is about 47 degrees. By the way, as described above, the rotation for raising the stripper 8 when the rotation angle of the trigger lever 9 in a state where the rotation of the rotary buildings 5A and 5B is still continued is about 37 degrees. The rotation for lowering the stripper 8 is finished after the rotation of the rotating buildings 5A and 5B in the reverse direction starts.
[0018]
An object of the present invention is to provide a yarn knot device that overcomes such problems in the conventional device and that can start driving the stripper of the stripper mechanism after the yarn knot has been formed.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned object, the yarn tying device according to the first aspect of the present invention is characterized in that the stripper mechanism is driven separately from the crosser mechanism and the building mechanism in order to give freedom to the operation of the stripper of the stripper mechanism. It is in the point which was made to drive by. By adopting such a configuration, the driving timing of the stripper can be arbitrarily set, so that a good knot can be formed.
[0020]
The yarn tying device according to claim 2 is characterized in that the drive means of the stripper mechanism can adjust the drive start position and drive end position of the stripper. And by adopting such a configuration, the stroke of the stripper is changed according to the type and properties of the yarn, and it is suitable for the type (thickness) of the yarn and the properties of the yarn (friction, elasticity, flexibility). Good knots can be formed.
[0021]
The yarn tying device according to claim 3 is characterized in that the driving means of the stripper mechanism can adjust the phases at the start and end of driving of the stripper. By adopting such a configuration, it is possible to change the stripper phase according to the property of the yarn and form a good knot suitable for the property of the yarn.
[0022]
The thread knotting device according to claim 4 is characterized in that the driving means of the stripper mechanism starts driving the stripper after the knots of both threads are formed by the rotating building of the building mechanism, and before the initialization operation of the rotating building. Further, the stripper is driven so that the driving of the stripper is finished. By adopting such a configuration, after forming the knot of the yarn, the stripper is driven to form a good knot, and the subsequent movement of the rotating building does not interfere with the movement of the stripper, resulting in yarn breakage, etc. I will not let you.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the description of the present embodiment, the stripper driving means of the stripper mechanism will be described in particular, but the configurations of the crosser mechanism and the bill mechanism, not shown, are the same as those of the conventional one described above.
[0024]
FIG. 1 shows an embodiment of a main part of a yarn knotting apparatus according to the present invention. FIG. 1 shows a pneumatic cylinder 20 as a driving means for the stripper 8. A bracket 21 having an opening 22 projects from the base end portion of the pneumatic cylinder 20. Then, by fixing the pin 23 inserted into the bracket 21 to a substrate (not shown) via an L-shaped fixing member 24, the pneumatic cylinder 20 is supported so as to be swingable around the pin 23. It will be.
[0025]
In the pneumatic cylinder 20, a plunger 25 that protrudes and retracts from the pneumatic cylinder 20 by switching the direction of the air supplied to the pneumatic cylinder 20 is disposed. On the other hand, in the vicinity of the plunger 25, a transmission arm 26 is provided that can move in the same direction as the plunger 25 following the plunger 25. The transmission arm 26 is provided with a pin 27 inserted into the plunger 25 and a guide long groove 28 extending in the longitudinal direction. A guide pin (not shown) that is fixedly arranged is inserted into the long groove 28, so that the transmission arm 26 moves in the movement direction of the plunger 25 together with the plunger 25.
[0026]
A side wall 29 is erected at the tip of the transmission arm 26, and an opening 30 is formed in the side wall 29. A flat stripper guide 31 is erected on the side of the side wall 29. The stripper guide 31 is provided with a support pin 32 protruding in the direction of the side wall 29. Further, the stripper guide 31 is formed with an arc-shaped groove 33 with the support pin 32 as the center.
[0027]
A support pin 32 of the stripper guide 31 supports a base end portion of a flat stripper 8 so as to be rotatable. Transmission pins 34 projecting on both sides of the stripper 8 are provided at the center of the stripper 8. Projected. One end of the transmission pin 34 is loosely fitted in a vertical hole 29 h formed in the side wall 29 of the transmission arm 26, and the other end of the transmission pin 34 is arcuate groove 33 of the stripper guide 31. It is loosely inserted in.
[0028]
According to such a configuration, when air is supplied into the pneumatic cylinder 20 to cause the plunger 25 to protrude, the transmission arm 26 connected by the plunger 25 and the pin 27 moves in the same direction. Then, the stripper 8 connected by the transmission arm 26 and the transmission pin 34 is rotated in the clockwise direction in FIG. 1 about the support pin 32, and is engaged with the yarn as described in the prior art, and the yarn. Will be let out. If the direction of the air supplied into the pneumatic cylinder 20 is reversed, the plunger 25 will be immersed in the pneumatic cylinder 20, and the stripper 8 will return to the initial position.
[0029]
Since the stripper 8 can be rotated by supplying air to the pneumatic cylinder 20 in this way, the phase at the start of driving of the stripper 8 is controlled by controlling the supply timing of the air to the pneumatic cylinder 20. Can be adjusted. Further, by controlling the speed of the air supplied to the pneumatic cylinder 20, the phase at the end of driving of the stripper 8 and the rotation speed of the stripper 8 can be adjusted. Furthermore, the drive start position and the drive end position of the stripper 8 can be adjusted by controlling the total amount of air supplied to the pneumatic cylinder 20. Further, the stroke adjustment of the drive start position and the drive end position of the stripper 8 can also be performed by a stopper whose installation position is variable. If the stroke of the stripper 8 is adjusted by this stopper, the unstable movement of the stripper 8 at the final stage of the stroke in the free state of the stripper 8 can be prevented from being transmitted to the yarn. Although the stopper is not shown in the drawing, for example, the base end of the stopper is attached to the machine frame so that the distal end faces the positions of the most advanced point and the last retracted point of the stripper 8, and the position of the distal end portion of the stopper Can be adjusted.
[0030]
The various controls described above can be performed by a sensor that detects the rotation angle of the trigger lever and computer software.
[0031]
Next, the operation of the present embodiment configured as described above will be described.
[0032]
The operation of the crosser mechanism and the building mechanism not shown in FIG. 1 in the present embodiment is the same as that of the conventional one described above, but in this embodiment, the operation of the stripper mechanism is different from the conventional one.
[0033]
That is, in FIG. 2, the rotation of each rotating building of the building mechanism starts when the trigger lever rotates about 12 degrees. In this embodiment, however, the stripper 8 of the stripper mechanism 7 is driven. Since the pneumatic cylinder 20 is separate from the crosser mechanism and the driving mechanism of the building mechanism, as shown by the arrow in FIG. 2, the trigger for completing the rotation of each rotating building for knot formation is completed. Air is supplied to the pneumatic cylinder 20 of FIG. 1 at a rotation angle of about 52 degrees that the trigger lever has rotated larger than the rotation angle of the lever (about 47 degrees), and the stripper 8 starts to rotate. . Note that the stroke of the stripper 8 is set in advance according to the properties of the yarn.
[0034]
Then, the stripper 8 engages with the yarn in which the knot has already been formed by the bill mechanism and tries to pull out the yarn, so that the yarn knot can be tightened according to the nature of the yarn.
[0035]
Then, the rotation of the stripper 8 is finished immediately after the trigger lever (not shown) is rotated to the maximum extent, and thereafter, the supply of air to the pneumatic cylinder 20 is immediately reversed and the stripper 8 is reversed. Rotation to start. The return to the initial position by the reverse rotation of the stripper 8 is as shown by the arrows in FIG. 2, in which each rotating building of the building mechanism starts to rotate in the reverse direction to return to the initial position. It is finished at a time point of about 48 degrees before the reverse rotation angle of the gold lever reaches about 43 degrees. Therefore, the rotation for returning the rotary building to the initial position does not interfere with the rotation of the stripper 8, and therefore, the yarn breakage, the yarn knot failure or the like is not caused.
[0036]
As described above, according to the present embodiment, since the rotation of the stripper 8 is started after the knot is formed by the building mechanism, there is a situation in which a ring for the knot is not formed or a thread is lost. Can be prevented. Further, since the stroke of the stripper 8 can be arbitrarily set, the yarn can be tightened with a stroke according to the property of the yarn. As a result, not only rayon type yarns but also polyester type yarns or yarn knots such as gold yarn and silver yarn which are difficult to knot can be made possible.
[0037]
In addition, this invention is not limited to embodiment mentioned above, A various change is possible as needed. For example, instead of the pneumatic cylinder 20, an actuator such as an electromagnetic cylinder or a motor may be used as the driving means for the stripper mechanism.
[0038]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to form a good knot by arbitrarily setting the timing of driving the stripper so that the stripper of the stripper mechanism can be driven after the yarn knot is formed. it can.
[0039]
In addition, the driving means of the stripper mechanism can adjust the driving start position and the driving end position of the stripper, so that the stroke of the stripper can be changed according to the properties of the yarn and a good knot suitable for the properties of the yarn can be obtained. Can be formed.
[0040]
Furthermore, the stripper mechanism drive means can adjust the phase at the start and end of the stripper drive, so that the stripper phase can be changed according to the properties of the yarn, and a good knot suitable for the properties of the yarn can be obtained. Can be formed.
[0041]
Furthermore, the driving means of the stripper mechanism starts driving the stripper after the knot of both threads is formed by the rotating building of the building mechanism, and finishes driving the stripper before the initialization operation of the rotating building. By driving the stripper, the stripper is driven after forming the knot of the yarn to form a good knot, and the subsequent movement of the rotary building does not interfere with the movement of the stripper and does not cause a yarn breakage or the like.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view of a main part showing an embodiment of a yarn knotting device according to the present invention. FIG. 2 is a diagram showing an operation timing of each mechanism in the embodiment of the present invention and a conventional yarn knotting device. 3 is a partially longitudinal right side view of a conventional yarn knot device. FIG. 4 is a partially longitudinal left side view of a conventional yarn knot device. FIG. 5 is an explanatory diagram illustrating the operation of a conventional yarn knot device. FIG. 7 is an explanatory diagram showing the operation of a conventional yarn knot device. FIG. 8 is an explanatory diagram showing the process of knot formation in the conventional yarn knot device. Explanatory drawing showing the process of knot formation in the yarn knot device
1A, 1B Thread 1C Knot 2 Crosser mechanism 3A, 3B Crosser 4 Building mechanism 5A, 5B Rotating building 7 Stripper mechanism 8 Stripper 9 Trigger lever 10A, 10B Plate cam 20 Pneumatic cylinder 25 Plunger 26 Transmission arm 31 Stripper guide
