JP3841171B2 - 攪拌装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、攪拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
濁水を浄化処理する設備において、濁水に中和剤を混合して攪拌することにより浄化する中和槽がある。
【0003】
図3に示すように、中和槽は、濁水と中和剤とを混合する攪拌槽1と、攪拌槽内部の濁水を攪拌する攪拌子2と、回転軸3を介して攪拌子2を回転させるモーター4とからなる。濁水と中和剤とを混合し攪拌することで濁水を浄化処理している。
【0004】
ところで濁水を浄化処理する時に、攪拌槽内に渦巻きが生じ、渦巻きの中心に空気の通り道ができて溶液の上部の空気が回転する攪拌子に吸引されることがあり、騒音の原因となっている。特に夜間は周囲の地元住民への影響があるため、騒音を防ぐ必要があった。
騒音を防ぐためには、攪拌子の回転を抑えて渦巻きの発生を抑えたり、攪拌槽全体に鉄板等で蓋をして騒音を低減したりする必要があった。
【0005】
渦巻きの発生を阻止する方法としては、水中攪拌器のケーシングに複数のガイド板を設けて、渦巻きの回転方向への攪拌槽内の溶液の流速を抑える方法もあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−342400号公報(第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の方法では、渦の円周方向の流速成分をガイド板で消去するため、ガイド板が設けられたケーシングに大きな負荷がかかるという問題があった。また回転軸と攪拌子のみを液中に挿入する攪拌装置にはこの方法は適用することができない。
【0008】
本発明の課題は、濁水等を攪拌する攪拌装置において、攪拌力を低下させずに渦巻きの発生を抑制し、騒音を低減することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば、図1に示すように、攪拌槽(1)内の溶液を攪拌子(2)を回転させて攪拌する攪拌装置において、前記攪拌子2を備えた回転軸3の周囲に放射状に突出する複数の針状物(ブラシ毛7)または帯状物(吹き流し8)を設け、前記複数の針状物7または帯状物8の長さは下方向に行くにしたがって短くなることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、前記回転軸3の周囲に放射状に突出する複数の針状物7または帯状物8を設けたので、針状物7または帯状物8が回転軸3付近の溶液の流れをかき乱すことで渦巻きの発生を抑え、回転する攪拌子2に攪拌槽1上部の空気が吸引されることを防ぐことができる。また、前記複数の針状物7または帯状物8の長さは下方向に行くにしたがって短くなるので、針状物7または帯状物8の長さが下に行くにしたがって小さくなる渦巻きの半径と適合し、効率よく渦巻きの発生を抑えることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の攪拌装置であって、例えば、図1または図2に示すように、前記溶液に浮遊する浮体物(ボール6)を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、攪拌槽1内の溶液に浮遊する浮体物6が渦巻きの中心にできる空気の通り道を閉塞するので、溶液の上部の空気が回転する攪拌子2に吸引されることで発生する騒音を低減することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の攪拌装置であって、例えば、図1または図2に示すように、前記浮体物6はボールであることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、前記浮体物6はボールなので、渦巻きの中心にできる円錐状の空気の通り道をより効率よく閉塞することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の攪拌装置は、攪拌槽1、攪拌子2、回転軸3、モーター4、蓋5、ボール6(浮体物)とから概略構成される。
【0016】
攪拌槽1は、濁水や中和剤等の溶液が入れられる容器である。攪拌槽1の内部には、モーター4により回転させられて攪拌槽1内の溶液を攪拌する攪拌子2がある。
攪拌子2はモーター4の回転を伝える回転軸3の下端に取り付けられている。
回転軸3はモーター4の回転を攪拌子2に伝達する棒状の部材である。回転軸3には、軸に対して垂直方向に放射状に突出する複数のブラシ毛7(針状物)が設けられている。
ブラシ毛7の長さは、下方向に行くにしたがって短くなっている。
モーター4は回転軸3を介して攪拌子2を回転させて攪拌槽1内の溶液を攪拌する。
【0017】
蓋5は攪拌槽1の開口を密閉する鉄板等の板状物である。また蓋5は攪拌装置の駆動時に発生する騒音を防ぐ働きをする。
ボール6は攪拌槽1内の溶液に浮かぶ物体である。ボール6の半径は溶液を攪拌する際に発生する渦巻きの半径と同程度あるいはそれよりも大きいことが好ましい。
【0018】
次に、本発明の実施の形態の攪拌装置が溶液の攪拌する際に、渦巻きの発生を抑えて騒音を低減する様子について説明する。
まず攪拌槽1の内部に濁水や中和剤等の溶液を入れる。次に、回転軸3の下端に取り付けられた攪拌子2を、攪拌槽1内の溶液に挿入する。
攪拌槽1にボール6を入れ、溶液に浮かべる。攪拌槽1の開口を蓋5で密閉し、攪拌装置の運転を開始する。
【0019】
モーター4を回転させ、回転軸3を介して攪拌子2を回転させると、溶液が攪拌される。このとき、回転軸3に設けられた複数のブラシ毛7も回転軸3とともに回転し、ブラシ毛7が回転軸3付近の溶液の流れをかき乱すことで渦巻きの発生を抑制することができる。また、ブラシ毛7はモーター4から下方向に行くにしたがって短くなっているので、下に行くにしたがって小さくなる渦巻きの半径と適合してより効率よく渦巻きの発生を抑えることができる。
また、回転軸3近傍の液面に渦巻きが発生すると、渦巻きの中心部分は液面が下がっているので、ボール6が液面上を移動して渦巻きの中心にできる空気の通り道を閉塞する。したがって、ブラシ毛7によって渦巻きの発生を抑えることができるとともに、ボール6が液面上を移動して渦巻きの中心部分を閉塞し、溶液の上部の空気が回転する攪拌子2に吸引されることを防ぐことができ、騒音の発生を低減することができる。
【0020】
あるいは、ブラシ毛7の代わりに、図2に示すように、下方向に行くにしたがって短くなっている吹流し8(帯状物)を設けてもよい。吹流し8を設けた場合もブラシ毛7を設けた場合と同様に、回転軸3付近の溶液の流れをかき乱すことで渦巻きの発生を抑制することができる。
【0021】
なお、以上の実施の形態においては、浮体物をボールとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、回転軸3に設けられる針状物や帯状物等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、針状物または帯状物が回転軸付近の溶液の流れをかき乱すことで渦巻きの発生を抑え、回転する攪拌子に溶液の上部の空気が吸引されることを防ぐことができる。また、針状物または帯状物の長さが下に行くにしたがって小さくなる渦巻きの半径と適合し、効率よく渦巻きの発生を抑えることができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果が得られるとともに、攪拌槽内の溶液に浮遊する浮体物が渦巻きの中心にできる空気の通り道を閉塞するので、溶液の上部の空気が回転する攪拌子2に吸引されることで発生する騒音を低減することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、前記浮体物はボールなので、渦巻きの中心にできる円錐状の空気の通り道をより効率よく閉塞することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の攪拌装置の実施の形態を示す概略図である。
【図2】 本発明の実施の形態の他の例を示す概略図である。
【図3】 従来の攪拌装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 攪拌槽
2 攪拌子
3 回転軸
4 モーター
5 蓋
6 ボール(浮体物)
7 ブラシ毛(針状物)
8 吹き流し(帯状物)
Claims (3)
- 攪拌槽内の溶液を攪拌子を回転させて攪拌する攪拌装置において、
前記攪拌子を備えた回転軸の周囲に放射状に突出する複数の針状物または帯状物を設け、
前記複数の針状物または帯状物の長さは下方向に行くにしたがって短くなることを特徴とする攪拌装置。 - 前記溶液に浮遊する浮体物を設けたことを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
- 前記浮体物はボールであることを特徴とする請求項2に記載の攪拌装置。
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