JP3839679B2 - 多数のアップリンクビームおよび機上信号処理を行う衛星ペイロード用のスイッチマトリクス - Google Patents
多数のアップリンクビームおよび機上信号処理を行う衛星ペイロード用のスイッチマトリクス Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一般にスイッチマトリクスに関し、とくに多数のアップリンクビームおよび機上信号処理を行う衛星ペイロード用のスイッチマトリクスに関する。
【0002】
【従来の技術】
通信衛星は、多数のタイプの通信サービス、例えばデータ転送、音声通信、テレビジョンスポットビームカバレージおよび、その他のデータ転送用途でごく普通に使用されるようになっている。したがって、衛星は地上の種々の地理的位置に信号を供給しなければならない。そのため、一般的な衛星は特定の国または地区に対する信号カバレージを提供するように特注のアンテナ設計を使用する。
【0003】
多数の衛星ペイロードはアナログまたはデジタルプロセッサを含んでいる。アナログプロセッサは一般に異なった信号を分離し、特定のチャンネル中に結合し(“信号をチャンネル化し”)、地上対衛星(アップリンク)信号の異なった部分を異なった衛星対地上(ダウンリンク)ビームに切替えるために使用される。デジタルプロセッサもまた信号をチャンネル化して切替えるために使用され、また、信号の復調、処理および再変調を行うために使用されてもよい。通常、これらの信号プロセッサは重く、多量の直流電力を消費するので、処理リソースを可能な限り効率的にアップリンクビームに割当ることが有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、各アップリンク区域中の人口および経済状況が異なるため、衛星に対する各アップリンクビーム中の信号(“トラフィック”)は異なっている、衛星が打上げられる前に各アップリンクビーム中のトラフィックの量が知られており、衛星の寿命期間にわたって変化しない場合、固定した接続によりリソースの処理をアップリンクビームに割当て、それによりスイッチマトリクスの必要をなくすことができる。しかしながら、一般的に各アップリンクビーム中のトラフィックの量は事前には分からず、あるいは時間とともに変化し、したがってアップリンクビームを衛星上の処理リソースに再度割当て、相互接続するためのある種のスイッチマトリクスが存在していなければならない。
【0005】
電話交換網における使用のために設計されたクロスバースイッチまたはクロースイッチマトリクスのようないくつかの伝統的なスイッチマトリクスの設計は、現在ポイントツーポイント接続のために設計されている。別のスイッチマトリクスは、コンピュータ内の、またはネットワークコンピュータ間の接続のために設計されている。関連技術のスイッチマトリクス設計においてマイクロ波周波数の分離問題が生じているため、これらの設計のいくつかはマイクロ波周波数の衛星信号には適さない。別のスイッチマトリクスは1点対多点接続に適用される場合には、電力分割によって引き起こされる過剰な信号損失を伴う。多数の設計はまた小型部品からモジュラー方式で形成することが困難である。
【0006】
宇宙船環境における使用に適したスイッチマトリクスが技術的に必要とされていることが認められことができる。過度の信号損失を伴わずに1点対多点接続を行うスイッチマトリクスが技術的に必要とされていることもまた認められる。さらに、機械的設計および構成を容易にして宇宙船のコストを減少させるスイッチマトリクスが技術的に必要とされていることもまた認められる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の従来技術の制限を克服し、この明細書を読んで理解することにより明らかになるその他の制限を克服するために、本発明は、スイッチマトリクスによって信号を切替える方法および装置を開示している。本発明の装置は、入力モジュールと出力モジュールとを備えている。入力モジュールは、一般に再使用パターン中のセルと同数の複数の入力を有し、その入力が少なくとも1つのアップリンクビームを受ける。入力モジュールはまた複数の出力を有し、その複数の出力は一般にアップリンクビーム中のサブバンドの数に等しい。出力モジュールは、入力モジュールに結合され、入力モジュールからの出力を出力モジュールの出力に選択的に結合する。
【0008】
本発明の方法は、アップリンク信号を複数のグループにグループ化するステップを含んでおり、アップリンク信号の数が典型的にセルベースの送信マトリクス中のセルの数に等しく、グループの数が典型的にセルベースの送信マトリクス中の再使用パターンにおけるセルの数に等しく、ここで各グループが周波数再使用パターンで使用された各周波数からの信号を含んでいる。その後、アップリンク信号の各グループはサブバンド信号に分離され、その後それらは類似のサブバンド信号のグループにグループ化される。その後、類似のサブバンド信号のグループは衛星システム内で処理するために復調器に転送される。
【0009】
本発明は、宇宙船環境での使用に適したスイッチマトリクスを提供する。本発明はまた、過度の信号損失を伴わずに1点対多点接続を実現するスイッチマトリクスを提供する。本発明はまた、機械的な設計および構成を容易にして宇宙船の費用を減少するスイッチマトリクスを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、同じ参照符号が対応した部品を一貫して表わす図面を参照して本発明を説明する。
以下の好ましい実施形態の説明において、本発明が実施される特定の実施形態が例示によって示されている添付図面を参照する。本発明の技術的範囲を逸脱することなく、他の実施形態が使用可能であり、構造的な変更が可能であることを理解すべきである。
【0011】
[関連技術の概要]
スイッチマトリクスは一般に、衛星上の信号の再展開を可能にするために多数の衛星通信システム設計において使用されている。スイッチマトリクスは、入力信号がクロスバースイッチまたは別のタイプのスイッチマトリクスの使用によって所望される任意の出力に経路設定されることを可能にする。
【0012】
クロスバースイッチまたはクローススイッチマトリクスのようないくつかの伝統的なスイッチマトリクス設計は本来は電話交換網のために設計されたものであり、ポイントツーポイント接続のために設計される。別のスイッチマトリクスは、コンピュータ内またはネットワークコンピュータ間の接続のために設計された。これらの設計のいくつかは、分離問題のためにマイクロ波信号には適さず、別のスイッチマトリクスは1点対多点接続を実現するためには、電力分割による過度の損失を伴う。多数の設計はまた小型部品からモジュラー方式で形成することが容易ではない。
【0013】
本発明は、マイクロ波動作に適しており、著しく減少された量の電力分割により1点対多点接続を実現し、また小型部品からモジュラー方式で構成されることができる。
【0014】
図1は、デジタル処理を行う衛星のアップリンクの例示的なブロック図を示している。
【0015】
システム100 は、アップリンクアンテナ102 、ダウンコンバータ104 、スイッチマトリクス106 、復調器108 およびデジタル信号プロセッサ(DSP)110 を備えている。アップリンクアンテナ102 は、個々のダウンコンバータ104 にそれぞれ供給される、この場合は128のアップリンクビーム112 である多数のアップリンクビーム112 を受取る。ダウンコンバートされた各アップリンク信号114 はスイッチマトリクス106 に入力され、このスイッチマトリクス106 がその所定の出力に各信号を導く。スイッチマトリクスの出力信号116 は復調器108 に供給され、その後、処理のためにDSP110 に入力される。DSP110 は、複数の復調器108 にサービスする能力を有している。
【0016】
システム100 は通常、地上の送信機からのアップリンク情報を受取る衛星通信システムで使用される。これらの送信機は“セルラー”パターンで割当られており、各セルが所定の周波数帯域内で衛星に情報を送信する。ある周波数再使用グループのセル内の各セルは異なった周波数帯域を使用し、このようなグループがセルラーパターンで反復されて、システム中のセル全体の周波数再使用パターンが生じる。各セル内では、周波数帯域がサブバンドに分割される。各サブバンドは、加入者装置からの個々の信号を含み、各サブバンドはゼロ以上の信号を含むことができる。
【0017】
たとえば、図1において、各復調器108 は8つのアップリンクサブバンドのうちの1つを復調する。トラフィックが均一ならば、各アップリンクビーム112 は2個の復調器108 を割当られ、各アップリンクビーム112 がその最大容量の1/4を伝送することができる。このような場合、各アップリンクビーム112 は、128のアップリンクビーム112 全てが復調器108 に接続されるまで、スイッチマトリクス106 等を使用せずに2個の復調器108 に直接ハードワイヤされることができる。
【0018】
しかしながら、一般にトラフィックは均一ではなく、各アップリンクビーム112 は異なった量のトラフィックを伝送するため、スイッチマトリクス10がシステム100 の必要不可欠なものになる。さらに、トラフィック分布は衛星の寿命中に変化し、おそらく1時間等ごとに変化している。スイッチマトリクス106 は、アップリンクビーム112 に復調器108 を動的に割当るために使用される。図1の例では、128個の入力と256個の出力とを備えたスイッチマトリクス106 が必要である。
【0019】
図1のスイッチマトリクス106 の最も簡単な設計は、各入力114 が全て任意の出力116 に任意の順序で接続され、各信号がスイッチマトリクス106 中の1つのスイッチに送られることのできるクロスバースイッチである。しかしながら、このような大型のクロスバースイッチマトリクス106 は128×256=32,768個のスイッチを必要とし、小型のスイッチからモジュラー方式で製造することは極めて困難である。
【0020】
スイッチマトリクス106 中のスイッチの個数は、クロースアーキテクチャのようなアーキテクチャを使用することにより若干減少させることができるが、結果的に得られるマトリクスをモジュラー方式で製造することは依然困難である。クロスバーまたはクロース設計のスイッチマトリクス106 は、分離および接続問題のためにマイクロ波スイッチングネットワークに適合しないか、あるいはシステム100 に対して1点対多点要求を満たすことができないので、図1のシステム100 には適さない。
【0021】
1個のアップリンク信号114 を多数の出力116 に放送するために、スイッチマトリクス106 の内部に電力分割器が必要である。分割されるアップリンク信号114 がさらに多くなると、スイッチマトリクス106 における電力損失がそれだけ一層大きくなる。宇宙船のような電力制限された適用において、この電力損失を可能な限り減少して、システム100 内の増幅器の必要性を減少し、消費電力と衛星上の重量を減少することが非常に重要である。
【0022】
図1で説明したスイッチマトリクス106 に対して、1個のアップリンク信号114 は256個の出力116 のうちの8個に放送される能力を有していなければならない。この能力は一般に、スイッチングネットワークが後続する1:256電力分割器をスイッチマトリクス106 内で使用することによって提供される。衛星適用に対して、この方法は許容できないほど高い損失をスイッチマトリクス106 内で発生させる。
【0023】
しかしながら、関連技術のスイッチマトリクス106 は、一般的なシステム100 の構成方法を考慮に入れて最適化されていなかった。第1に、多数のアップリンクビーム112 を備えた衛星ペイロードは一般に、4セルまたは7セル周波数再使用のような周波数再使用方式を使用する。周波数再使用方式では、隣接したセルは同じ周波数を使用できず、したがって同じサブバンドを使用することができない。これは、本発明に関してここで説明したように、スイッチマトリクス106 の接続要求を減少させる。第2に、復調器108 はサブバンドでグループ化されることが多く、たとえば、ある復調器108 は第1のサブバンドだけを復調し、他の復調器108 は第2のサブバンドだけを復調するような使用が行われる。1つの入力信号114 は、異なったサブバンドタイプの復調器108 の全てに放送される能力を有していなければならないが、1つの入力信号114 は所定のグループの復調器の中の2以上の復調器108 に放送される必要はない。したがって、本発明のスイッチマトリクスはシステム100 に必要な相互接続を依然として提供しながら、複雑性をさらに減少するものである。
【0024】
[本発明の概要]
本発明は、機上処理により処理リソースを衛星ペイロードに対するアップリンクビームにフレキシブルに割当てることを可能にし、それによってプロセッサリソースをもっと効率的に使用できるようにする。このスイッチマトリクスの複雑性の軽減により、飛行任務を遂行するためにプロセッサにより要求される重量および電力が減少する。本発明は比較可能なスイッチマトリクスより簡単であり、また簡単なスイッチから構成されることができるため、衛星ペイロードに対して使用可能である。本発明のスイッチマトリクス内における電力分割量は減少するので、その損失および雑音指数が他の関連技術の設計よりも低くなる。
【0025】
本発明は、多数のアップリンク信号をいくつかのサブバンドに分割する信号のデジタルまたはアナログ処理が行われる全ての衛星に適応する。本発明は、アップリンクトラフィック分布が時間的に変化するか、あるいはそれが打上げ前にあまりよく知られていない場合に非常に有効である。
【0026】
図2は、本発明のスイッチマトリクスを示している。本発明のスイッチマトリクス200 を使用する衛星は、cセル周波数再使用を使用する多数のアップリンクビーム114 を使用し、ここでcは再使用パターンのセルの数である。それ故、入力信号202Aは、入力スイッチモジュール204Aに入力され、1つの再使用パターン全体に等しいc個のアップリンクビームを含んでいる。cは一般に3,4,7,9または12に等しいが、別の数であることが可能である。nは地上における再使用パターンの数である。したがって、アップリンクビーム114 の合計数は、nをc倍したもの(c×n)である。アップリンクビーム114 を完全に補足するために、n個の入力スイッチモジュール204A乃至204Nがc×nのアップリンクビーム114 を全て受取るために使用される。
【0027】
アップリンクビーム114 はマルチキャリアであり、復調を行うためにアップリンク信号114 はd個のサブバンドに分割される。したがって、各入力スイッチモジュール204A乃至204Nはd個の出力を備えていなければならない。出力スイッチモジュール206A乃至206Dは入力スイッチモジュール204A乃至204Nのそれぞれから1つの入力を受取らなければならず、したがってn個の入力を有している。1つの復調器108 はこれらdのサブバンドの1つを復調することができ、m個の復調器は各サブバンドに与えられる。それ故復調器108 の合計数はd×mであり、各出力スイッチモジュール206A乃至206Dはm個の出力信号を供給しなければならない。したがって、各出力スイッチモジュールはn×mマトリクスである。
【0028】
本発明のスイッチマトリクス200 は、n個の入力スイッチモジュール204A乃至204Nと、d個の出力スイッチモジュール206A乃至206Dとを含んでいる。入力スイッチモジュール204Aへの各入力202Aは、単一のアップリンク再使用グループからのものなので、アップリンク周波数を共有できる入力202Aは1つもない。したがって、本発明のスイッチマトリクス200 はc×m入力能力とd×m出力能力とを有し、それによって過度の重量および電力消費を生ぜずにシステム100 の適切な相互接続を実現する。
【0029】
[入力スイッチモジュール]
図3は本発明の入力スイッチモジュールの構造を示している。各入力スイッチモジュール204A乃至204Nは入力202A乃至202Nを受信する。簡明にするために、入力スイッチモジュール204Aが代表的な設計として示されている。信号300 および302 を含む信号202Aは、複数すなわち“c”個の1対d電力分割器304A乃至304Cに供給される。各電力分割器304A乃至304Cは、たとえば300 のような単一の入力信号を供給されて、たとえば306A乃至306D等の複数の実質的に等価な電力出力を信号300 から生成する。たとえば電力分割器304Aが1:4電力分割器であり、100マイクロワット(μW)の入力信号300 が電力分割器304Aに供給された場合、電力分割器304Aは、各信号がほぼ25μWの4個の出力信号306A乃至306Dを生成する。電力分割器304A中においてある損失が生じており、そのために各信号の25μWの出力電力が何パーセントか減少する。関連技術では、類似の入力信号が256回分割され、各出力信号を1μWより低くするため、増幅せずに処理することが困難になる。
【0030】
各電力分割器304A乃至304Cからの各出力306A乃至306Dはc:1スイッチ308A乃至308Dに供給される。スイッチ308A乃至308Dはそれぞれ1つの出力310A乃至310Dだけを生成するため、各モジュール204 中にはd個のスイッチ308A乃至308Dが存在している。
【0031】
[出力スイッチモジュール]
図4は本発明による例示的な出力スイッチモジュールを示している。代表的な出力スイッチモジュール206 として示されている出力スイッチモジュール206Aは集信機であり、たとえば出力スイッチモジュール206Aは入力モジュール204 からn個の入力信号310 を受信し、n個のうちm個の入力信号310 だけが出力スイッチモジュール206Aからの出力信号116 になることを可能にする。出力スイッチモジュール206Aの各出力116 は全て、d個のサブバンドの1つを復調する復調器108 に接続される。各出力116 は同じなので、出力スイッチモジュール206Aは関連技術のように完全に接続される必要はないが、出力スイッチモジュール206Aは、入力310 がどのように構成されていても入力310 のサブセットが出力116 に切替え可能であることを保証しなければならない。cセルの各グループはd個より多い復調器を使用できないため、1つのタイプの復調器の数であるmは、周波数再使用グループの数であるn以下でなければにならない。
【0032】
出力スイッチモジュール206 の複雑さは、nとmにより大幅に変化する可能性がある。たとえば、m=nならば、出力スイッチモジュール206 は、切替え不要の入力310 から出力116 への簡単な接続になる。しかしながら、nがある数の二乗である場合、この出力モジュールはもっと簡単なサブモジュールから構築されることが可能である。図4に示されている一例のように、入力信号310 の数が64であり、出力信号116 の数が32である場合、8個の8×8入力サブモジュール400A乃至400Hと、8個の8×4出力サブモジュール402A乃至402Hとを使用して出力スイッチモジュール206 を構成することができる。出力モジュール206 の出力は全て同じなので、出力モジュールは完全に接続されなくてもよく、そのため本発明では、出力モジュール206 をクロスバーアーキテクチャより簡単なスイッチング方式により構成することが可能になる。しかしながら、示されている出力スイッチモジュール206Aは完全に接続されているので、周波数再使用ルールと、出力スイッチモジュール206 によりサポートされるべきプロセッサの容量とによりサポートされる地上の任意のトラフィックパターンが可能である。それ故、トラフィック分布が衛星の寿命中に変化した場合、新しいトラフィック分布をサポートするようにスイッチマトリクスを再構成することができる。
【0033】
出力スイッチマトリクス206 を簡単なサブモジュール400 および402 から構成することにより、本発明の設計の製造および試験はフルクロスバースイッチより容易になる。各モジュールはそれ以外のものとは別々に生成され試験されることができ、多数の同じモジュールの生産により製品設計が容易になる。
【0034】
上記の説明では、各出力サブモジュール402A乃至402Hの出力は、各タイプが異なったサブバンドを復調する異なったタイプの復調器に接続されている。しかしながら、周波数再使用により多数のアップリンクビームを有し、アップリンク帯域をいくつかのサブバンドに分割するデジタルまたはアナログのある種の処理を行う任意のペイロードにより、出力スイッチマトリクス206 を使用することができる。
【0035】
[本発明の別の実施形態]
図5は、二重偏波アップリンク構成で使用される本発明によるスイッチマトリクスを示している。衛星システムはしばしば二重偏波アップリンクを使用し、いくつかの信号は右方向円偏波(RHCP)キャリアで送信され、その他の信号は左方向円偏波(LHCP)キャリアで送信される。いくつかのシステムでは、アップリンクビームの半分がRHCPを使用し、アップリンクビームの他の半分がLHCPを使用するように、特定のアップリンクビーム中のユーザは1つの偏波だけを使用するように制約される。
【0036】
図5に示されているように、システム500 はアップリンクビーム114 を半分に分割する。再使用グループの中のアップリンクビーム114 の半分はLHCPであり、1つの入力モジュール502Aの中でグループ化され、一方他方の入力ビームはRHCPであり、別の入力モジュール502Bの中でグループ化される。結果的に得られるシステム500 は、入力モジュール502A乃至502Bの数がシステム200 の2倍であるが、各入力モジュール502A乃至502Bが有する入力の数は入力モジュール204A乃至204Nの半分である。
【0037】
システム500 では両偏波が使用されるため、宇宙船の最大容量は2倍になり、これは、2倍の数の復調器108 が宇宙船によって使用可能なことを意味する。したがって、全ての各再使用パターンが両偏波を使用できるため、復調器の数であるmは、地上での再使用パターンの数である2nと同じ大きさになることができる。それ故、出力スイッチモジュール504A乃至504Bは、総数2nの入力と総数mの出力とを含んでいなければならない。
【0038】
図5は、アップリンクビーム114 の数が偶数の場合を示している。しかしながら、アップリンクビーム114 の数は奇数であることも可能であり、その場合には2で割切ることが不可能になる。アップリンクビーム114 の数が奇数である場合には、c/2入力ビーム506 は総数(c+1)/2となり、また出力スイッチモジュール504A乃至504Bへの入力508 の数は2c×n/(c+1)になる。
【0039】
図6は、偏波がアップリンクビーム内で変化する二重偏波アップリンク構成で使用される本発明によるスイッチマトリクスを示している。図5に関して説明したように、いくつかの衛星システムは、偏波されたアップリンクビームを使用している。図5は、1つの偏波だけを使用するように制約された特定のアップリンクビームの中のユーザを説明したシナリオを示していた。図5のシナリオは、各アップリンクビームに対して固定された偏波に制限されていたが、この偏波は衛星の寿命中に変化する可能性がある。図6は、このようなシナリオで使用されることのできるスイッチマトリクスを示している。
【0040】
システム600 は、再使用グループの中の各セルc全てからの入力信号144 を使用するが、各入力スイッチモジュール602A乃至602Nからの出力の数を帯域幅の数の2倍、すなわち2dに倍増させる。入力スイッチモジュール602A乃至602Nからの出力の数を増加させるために、各出力スイッチモジュール606A乃至606Dへの入力604 の数が地上での再使用パターンの数の2倍、すなわち2nに増加される。図5の場合のように、両方の偏波が使用されるので、復調器108 の数、すなわちmが2nと同じ大きさになることにより宇宙船の最大容量が2倍に増加される。しかしながら、システム600 では、各入力スイッチモジュール602 は出力スイッチモジュール606A乃至606Dに結合された2個の出力608A乃至608Dを有しており、たとえば入力スイッチモジュール602Aは、出力スイッチモジュール606A上の番号1および2の入力604 に結合された2個の出力608Aを有している。システム600 はまた、そのシステム内に冗長性を生じさせるために使用されることが可能であり、たとえば、もし入力スイッチモジュール602Aの出力1が故障した場合、出力2が依然として入力スイッチモジュール602Aを出力スイッチモジュール606Aに接続することができる。
【0041】
図7は、多数の偏波を同時に使用することのできる本発明によるスイッチマトリクスを示している。システム700 は、各偏波に対して1つづつビームごとに2個の出力ポートを使用するアップリンクアンテナを使用するシステムを示している。この2個の出力ポートの使用によりアンテナ出力の数が2倍になり、それによってスイッチマトリクス700 への入力114 の数が2倍になる。入力スイッチモジュール702A乃至702Nの数は2nに倍増し、各セルグループに対して1個の入力スイッチモジュール702A乃至702Nが割当られる。図5および6の場合のように、両方の偏波が使用され、したがって復調器108 の数が地上でのセルパターンの数の2倍に等しくなり、それによって強制的に出力スイッチモジュール704A乃至704Dへの入力の数が2nにされ、また出力の数が2nと同じ大きさのmにされるため、宇宙船の最大容量が2倍に増加される。
【0042】
[冗長設計]
図2乃至7の設計は全て、単一地点の故障に対して若干弱い。しかしながら、宇宙船内における単一地点故障を回避するために、冗長性が本発明のスイッチマトリクス中において設計されることができる。たとえば、出力モジュール206Aの出力ポート上のスイッチが故障した場合、スイッチに後続する復調器108 はもはや入力を受信しないため使用できない。このために、信号が本発明のスイッチマトリクスを通ってそのサブバンドに対して再度ルート設定されることを可能にするために、各サブバンド中に付加的な復調器108 が設置されることができる。
【0043】
本発明はまた、マトリクス自身の中の単一地点故障を回避するために冗長性を内蔵することができる。たとえば、図2を参照すると、n×dの相互接続が入力スイッチモジュール204A乃至204Nと出力スイッチモジュール206A乃至206Dとの間に存在する。m×dの出力116 しか存在せず、またm<nであるため、入力スイッチモジュール204A乃至204Nと出力スイッチモジュール206A乃至206Dとの間相互接続のいくつかを通って伝送される信号は使用できない。これらの相互接続のいずれかの側でスイッチのいくつかが損傷を受けて使用不可能になった場合、システムに対する影響は一般にそれ程大きくはない。
【0044】
他方、スイッチマトリクスへの入力ポートの故障はかなり深刻である。再び図2を参照すると、アップリンクビーム114 を受ける入力ポートの1つが使用できない場合、そのポートに接続されたアップリンク114 もまた使用不可能である。この結果、その端末が衛星にアップリンクすることのできない衛星のカバーレージ中の穴が発生する。入力ポートは1:c電力分割器に接続され、またこの受動装置は一般に能動スイッチほど頻繁には故障しないが、わずかな故障の可能性であっても許容できないことが多い。これらの場合には、入力モジュールは、それがもっと冗長になるように再設計されることができる。
【0045】
図8は、本発明による冗長な入力接続を備えた単一の入力モジュールを示している。
【0046】
一般に、スイッチマトリクスへの入力は、図1に示されているようにダウンコンバータ104 を含んでいる。スイッチマトリクスに対する入力の冗長性は、ダウンコンバータ104 の冗長性と結合されることができる。たとえば、アップリンクセル112 は、ダウンコンバータ104 へ直接的な入力でされる代りに、冗長マトリクス800 への入力される。冗長マトリクスは、任意のレベルの冗長性を提供するために使用されることができるが、説明を容易にするために、ここではcに対するc+1の冗長性を説明する。たとえば、c個のセルが再使用グループ中に存在しているため、入力スイッチモジュール204A上の1つの入力ポートの故障が、所定のアップリンクビーム112 に対する単一地点故障とならないようにするために1個の付加的な出力が各冗長マトリクス800 から提供される。これは入力スイッチモジュール204Aに入力802A乃至802Nを与え、それによって(c+1)×dマトリクスになる。cマトリクスに対して冗長マトリクス800 をc+nにし、また入力スイッチモジュールを(c+n)×dマトリクスにすることによって付加的な冗長性または別の冗長性方式が提供されることが可能なことを理解することができる。
【0047】
図9は、図5の実施形態に関連した本発明の冗長入力マトリクスの別の例を示している。セルごとに固定された偏波を有する4個のセルの再使用システムに対する入力ビーム112 は、7に対して8の冗長性を提供する冗長マトリクス801 への4個の入力を使用する。冗長マトリクス801 は、単一の偏波に対して8個の出力、すなわち802A乃至802Hを生成する。入力スイッチモジュール204Aおよびモジュール304A乃至304Dのそれぞれに対して各出力802A乃至802Hが与えられる。合計8つのサブバンドが存在し、したがってモジュール304A乃至304Dは8個の出力を生成する。ダウンコンバータ104 の冗長性は、入力スイッチモジュール204Aへの入力のように7に対して8である。
【0048】
冗長マトリクス800 はまた、各アップリンクビーム112 に冗長性を提供する。入力スイッチモジュール204Aへの入力、たとえば入力802Aが故障した場合、番号1のアップリンクビーム112 は、後に入力スイッチモジュール204Aおよびモジュール304Aを通って番号1のアップリンクビーム112 を切換えることのできる入力802Bに対してルートを再度設定されることができる。これは、アップリンクビーム112 を入力802Aまたは802Bのいずれかにルート設定することのできるハイブリッド900 および902 を使用することによって行われる。アップリンクビーム112 の全てに対して同じ結果が得られる。
【0049】
ダウンコンバータ104 がどのように構成されるかに応じて、番号3のアップリンクビーム112 からの信号は、番号2のアップリンクビーム112 からの信号または番号4のアップリンクビーム112 からの信号と対にされることができる。番号2、3および4のアップリンクビーム112 は全て同じ偏波割当てを有していなければならず、番号3のアップリンクビーム112 は、番号2のアップリンクビーム112 や番号4のアップリンクビーム112 と周波数を共有する可能性のないセルから発生しなければならない。好ましくは、冗長マトリクス800 に割当られたアップリンクビーム112 は全て同じ偏波割当てを有していなければならず、また隣接する入力に割当られたアップリンクビーム112 は、同じセル周波数再使用パターン中にあるため、周波数を共有する可能性のないセルから発生しなければならない。
【0050】
図9の設計は、ある冗長性をダウンコンバータ104 および入力スイッチモジュール204Aの入力の中に提供するが、図9の設計は単一の冗長マトリクス800 中の2個のダウンコンバータ104 が故障することを許容できず、また入力スイッチモジュール204Aの入力モジュール304A乃至304Dに対して何等の冗長性も与えない。
【0051】
図10は、ダウンコンバータおよび本発明の入力スイッチモジュール中に冗長性を提供する設計を示している。
【0052】
システム1000は、2個の冗長マトリクス800 を含んでいる。各冗長マトリクス800 内において、各アップリンクビーム112 がハイブリッド電力分割器900 に入力され、このハイブリッド電力分割器900 が2個の異なったダウンコンバータ104 に出力する。この構成は、ダウンコンバータ104 を完全に1に対して2の冗長性を有するものにするため、2以上のダウンコンバータ104 が単一の冗長マトリクス800 において故障することができる。
【0053】
各アップリンクビーム112 はまた、入力スイッチモジュール204A内の2個の異なった電力分割器モジュール304A乃至304Hに送られる。たとえば、アップリンクビーム112 の主出力1002はモジュール304A上の入力に送られ、一方アップリンクビーム112 の冗長出力1004は、別のモジュール304B上の入力に送られる。図10の構成により、入力スイッチモジュール204Aは1個の入力モジュール304A乃至304Hの故障に耐えることができる。図9の場合のように、アップリンクビーム112 は、隣接した入力が同じ偏波割当てを有するセルから入来し、セル周波数再使用パターン内に入るように対にされなければならない。
【0054】
図11および12は、図10の構成における故障の例を示している。図11に示されているように、番号11のアップリンクビーム112 に対する主ダウンコンバータ104 であるダウンコンバータ104Pが故障している。宇宙船は、自律動作、ダウンコンバータ104Pの監視あるいは手動介入のいずれかにより、冗長ダウンコンバータ104Rに切換えることができる。モジュール304Gへの入力1100は、もはやダウンコンバータ104Pからの入力を受信しない。しかしながら、番号11のアップリンクビーム112 は依然として、入力スイッチモジュール204Aを通ってモジュール304Fへの入力1102に切換えられることができる。別のアップリンクビーム112 もまた、干渉を防止するために入力スイッチモジュール204Aを通って切換えられなければならない可能性がある。たとえば、代表的に番号9のアップリンクビーム112 は番号11のアップリンクビーム112 と共に4セル再使用パターン内に入っていないので、番号9のアップリンクビーム112 もまた、この番号9のアップリンクビーム112 に関連した冗長ダウンコンバータ104Rに切換えられる。入力1104は番号9のアップリンクビーム112 からの入力をもはや受信せず、この番号9のアップリンクビーム112 からの入力は、入力スイッチモジュール204Aを通ってモジュール304E上の入力1106にスイッチされ、番号8のアップリンクビームと対にされる。トラフィック密度が低い場合、また、番号9のアップリンクビーム112 が番号11のアップリンクビーム112 と同じサブバンドを使用する必要がない場合、番号9のアップリンクビーム112 は、主ダウンコンバータ104Pが故障するまで、あるいはその番号9のアップリンクビーム112 と番号11のアップリンクビーム112 が同じサブバンドを使用しなければならないほど十分にその領域中のトラフィックが重くなるまで、この主ダウンコンバータ104Pへの入力1104を続行することができる。
【0055】
図12は、入力スイッチマトリクス204A中のモジュール304Bが故障した例を示している。モジュール304Bが故障した場合、入力スイッチモジュール204Aはこのモジュール304Bに対する全ての入力を使用できなくなる。主入力1200および1202は、冗長入力1204および1206にそれぞれスイッチされなければならない番号3のアップリンクビーム112 と番号4のアップリンクビーム112 に関連している。
【0056】
正しいアップリンクビーム112 のペアリングを維持するために、入力スイッチマトリクス204A内において別のスイッチングを行わなければならないかもしれない。たとえば、番号5、6および7のアップリンクビーム112 もまた、適切なペアリングまたはトラフィック密度を維持するために入力1208乃至1212にそれぞれスイッチされる必要がある。トラフィック密度が十分に低い場合、関連した主ダウンコンバータ104 により番号5、6および7のアップリンクビーム112 のいくつかが維持される可能性があるが、単一のモジュール304 上に3個の活動的な入力が存在している場合は常に、ペイロードが関連したセルに容量を集中する能力が低下している可能性がある。
【0057】
図13は、本発明のスイッチマトリクスの完全な設計を示している。各セルが偏波の1つだけを使用する2つの偏波を伴う4セル再使用パターンに対して、図13のシステム1300を使用することができる。設計は、総数112個のアップリンクセルを使用するため、112個のアップリンクビーム112 がダウンコンバータ104 中に送られる。ダウンコンバータ104 の冗長性は1に対して2であり、主および冗長ダウンコンバータ104 はスイッチマトリクスへの別々の接続を有し、総接続数は224である。入力モジュール304 は4個の入力と8個の出力とを有し、図10に示されているようにダウンコンバータ104 に接続されている。アップリンク帯域幅は8つのサブバンドに分割されるため、8個の異なるタイプの復調器108 が存在している。各サブバンドに対して32個の復調器108 が使用されているが、一般的に、容量仕様を満たすのに必要とされる復調器はもっと少なく、たとえば28個である。各サブバンドにおける余分の4個の復調器108 は冗長の目的で使用される。
【0058】
[パッケージング]
図14のAおよびBは従来技術と比較される本発明のパッケージングを示している。
【0059】
図14のAは、本発明のスイッチマトリクスに対するパッケージ方式を示している。スイッチマトリクス1400は、入力マトリクス1402と、インターフェース板1404と、出力マトリクス1406とから構成されている。入力マトリクスは多数の“スライス”1408を有し、各スライスが入力モジュール1410を含んでいる。出力マトリクス1406は、相互接続マトリクス1412および出力モジュール1414を含んでおり、複数の“スライス”から構成され、各スライスが相互接続マトリクス1412および出力モジュール1414を含んでいる。入力モジュール1410は、インターフェース板1404によって相互接続マトリクス1412に接続されている。したがって、入力モジュール1410を相互接続マトリクス1412に適切に接続するために非常に多数の信号がインターフェース板1404を通過しなければならない。
【0060】
図14のBは、本発明のスイッチマトリクス1416に対する簡単なパッケージ設計を示す別のパッケージング設計を示している。スイッチマトリクス1416は、インターフェース板1404または相互接続マトリクス1412を必要とせずに出力モジュール1414に直接結合された入力モジュール1408を含んでいる。これによって信号密度が低下し、したがってスイッチマトリクス1416の複雑さが軽減され、本発明のスイッチマトリクス1416の製造、試験および宇宙船への集積がさらに容易になる。しかしながら、スイッチマトリクス1416は図14のAのパッケージング設計のように完全に接続されたマトリクスではない。したがって、スイッチマトリクス1416が飛行中に信号を再度分配する能力は低くなる。これは、ビームが特定のセクションにグループ化され、また、あるセクションと別のセクションとの間でのスイッチングはできないためである。しかしながら、多くの適用において完全に接続されたマトリクスは必要ではなく、したがってスイッチマトリクス1416の製造、試験および宇宙船への集積を簡単にするために図14のBのパッケージングが使用されることができる。
【0061】
[プロセスチャート]
図15は本発明を実施するために使用されるステップを示すフローチャートである。
【0062】
ブロック1500において、アップリンク信号を複数のグループにグループ化するステップが行われ、グループの数は少なくともセルベースの送信マトリクス中のセルの個数に等しく、各グループは周波数再使用パターンで使用される各周波数からの信号を含んでいる。
【0063】
ブロック1502において、アップリンク信号の各グループをサブバンド信号に分離するステップが行われる。
【0064】
ブロック1504において、類似するサブバンド信号のグループを生成するためにアップリンク信号のグループからの同様のサブバンド信号をグループ化するステップが行われる。
【0065】
ブロック1506において、衛星システム内で処理するために同様のサブバンド信号のグループを復調器に転送するステップが行われる。
【0066】
[結論]
これは、本発明の好ましい実施形態の説明の結論である。以下のパラグラフにおいて、同じ目的を達成するいくつかの別の方法を説明する。本発明は、RFおよび電気システムに関して説明されているが、同じ目的を達成するために光学システムにより使用されることも可能である。さらに、スイッチマトリクス中のスイッチは、実際のスイッチ、ハイブリッド電子装置、あるいは同様に機能するその他のスイッチング機構であることができる。
【0067】
要約すると、本発明は、スイッチマトリクスによって信号をスイッチする方法および装置を開示している。本発明の装置は、入力モジュールと出力モジュールとを備えている。入力モジュールは、一般に再使用パターン中のセルと同数の複数の入力を有し、その入力が少なくとも1つのアップリンクビームを受ける。入力モジュールはまた複数の出力を有し、その複数の出力は一般にアップリンクビーム中のサブバンドの数に等しい。出力モジュールは、入力モジュールに結合され、入力モジュールからの出力を出力モジュールの出力に選択的に結合する。
【0068】
本発明の方法は、アップリンク信号を複数のグループにグループ化するステップを含んでおり、グループの数は典型的にセルベースの送信マトリクス中の再使用パターンにおけるセルの数に等しく、各グループが周波数再使用パターンで使用された各周波数からの信号を含んでいる。その後、アップリンク信号の各グループはサブバンド信号に分離され、その後それらは類似のサブバンド信号のグループにグループ化される。その後、類似のサブバンド信号のグループは衛星システム内で処理するために復調器に転送される。
【0069】
上記の本発明の好ましい実施形態の説明は例示および説明のために記載されたに過ぎず、それ以外のものを排除するものではなく、本発明を開示されたとおりの形態に制限するものでもない。上記の教示にしたがって多数の修正および変形が可能である。本発明の技術的範囲は、この詳細な説明ではなく、添付された特許請求の範囲により限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル処理を行う衛星のアップリンクの例示的なブロック図。
【図2】本発明のスイッチマトリクスの概略図。
【図3】本発明の入力スイッチモジュールの構造の概略図。
【図4】本発明による出力スイッチモジュールの概略図。
【図5】二重偏波アップリンク構成で使用される本発明によるスイッチマトリクスの概略図。
【図6】偏波がアップリンクビーム内で変化する二重偏波アップリンク構成で使用される本発明によるスイッチマトリクスの概略図。
【図7】多数の偏波を同時に使用することのできる本発明によるスイッチマトリクスの概略図。
【図8】本発明による冗長入力接続を備えた単一の入力モジュールの概略図。
【図9】本発明の冗長入力マトリクスの特定の例を示す概略図。
【図10】ダウンコンバータおよび本発明の入力スイッチモジュール中に冗長性を提供する設計を示す概略図。
【図11】図10の構成内における故障の例示した説明図。
【図12】図10の構成内における故障の例示した説明図。
【図13】本発明のスイッチマトリクスの完全な設計の概略図。
【図14】従来技術と比較される本発明のパッケージングを示す概略図。
【図15】本発明を実施するために使用されるステップを示すフローチャート。
Claims (11)
- 入力モジュールと、
出力モジュールとを備えており、
前記入力モジュールは、複数の入力と複数の出力とを有しており、前記複数の入力が再使用パターン中のセルの数に等しいか、再使用パターン中のセルの数より1だけ大きい数であり、あるいは再使用パターン中のセルの数の2倍だけ大きい数であり、その入力が少なくとも1つのアップリンクビームを受信し、前記複数の出力がアップリンクビーム中のサブバンドの数以上であり、
前記出力モジュールは入力モジュールに結合され、入力モジュールからの出力が出力モジュールの出力に選択的に結合され、前記出力モジュールの出力が復調器に結合されていることを特徴とするアップリンクビームを復調器に結合するスイッチマトリクス。 - 出力モジュールは入力モジュールに直接結合されている請求項1記載のスイッチマトリクス。
- 入力モジュールは冗長モジュールを含んでいる請求項1記載のスイッチマトリクス。
- 入力モジュールは異なった偏波のアップリンクビームを受信する請求項1記載のスイッチマトリクス。
- 入力モジュールは単一の偏波のアップリンクビームを受信する請求項4記載のスイッチマトリクス。
- セルパターン中のセルから入力を受信する衛星システム中の復調器にアップリンクビームを結合するスイッチマトリクスにおいて、
複数の入力モジュールと、
複数の出力モジュールを具備し、
前記複数の入力モジュールは、それぞれ衛星システムに対する再使用パターンにおけるセルの数に等しいか、再使用パターン中のセルの数より1だけ大きい数であり、あるいは再使用パターン中のセルの数の2倍だけ大きい数である複数の入力を具備し、
前記各入力モジュールは、
衛星システムに対する再使用パターンにおけるセルの数に等しいか、再使用パターン中のセルの数より1だけ大きい数であり、あるいは再使用パターン中のセルの数の2倍だけ大きい数である複数の電力分割器と、
前記複数の電力分割器に結合され、それぞれ衛星システムに対する再使用パターンにおけるセルの数に等しいか、再使用パターン中のセルの数より1だけ大きい数であり、あるいは再使用パターン中のセルの数の2倍だけ大きい数である複数の入力を受取る複数のスイッチモジュールとを具備し、
前記各電力分割器は、各入力を複数の実質的に等しい電力出力に分割し、分割された電力出力の数が衛星システムにより使用されるサブバンドの数以上であり、
前記複数のスイッチモジュールの数は、衛星システムにより使用されるサブバンドの数以上であり、
前記複数の出力モジュールは、前記複数のスイッチマトリクスを通って前記入力モジュールに結合され、各出力モジュールがセルパターン中のセルの数以上の複数の入力を有しており、
前記出力モジュールは、
第1の組の出力マトリクスと、
第2の組の出力マトリクスとを具備し、
第1の組の出力マトリクスの各出力マトリクスが衛星システムにより使用されるサブバンドの数以上の複数の入力を具備し、
第2の組の出力マトリクスは第1の組の出力マトリクスに結合され、第2の組の出力マトリクスの各出力マトリクスが各サブバンドにおいて衛星システムによって使用される復調器の数以上の複数の出力を有していることを特徴とするスイッチマトリクス。 - 各出力モジュールは入力モジュールに直接結合されている請求項6記載のスイッチマトリクス。
- 入力モジュールは冗長モジュールを含んでいる請求項6記載のスイッチマトリクス。
- 入力モジュールは異なった偏波のアップリンクビームを受信する請求項6記載のスイッチマトリクス。
- 各入力モジュールは単一の偏波のアップリンクビームを受信する請求項9記載のスイッチマトリクス。
- アップリンク信号がセルベースの送信マトリクスによって発生され、周波数再使用パターンがセルマトリクス中で使用され、アップリンク信号がサブバンド信号を含んでいる、衛星システム中のスイッチマトリクスによるアップリンク信号のスイッチング方法において、
アップリンク信号を複数のグループにグループ化し、このグループの数がセルベースの送信マトリクスのセル再使用パターンの数に等しいか、再使用パターン中のセルの数より1だけ大きい数であり、あるいは再使用パターン中のセルの数の2倍だけ大きい数であり、各グループが周波数再使用パターンにおいて使用された各周波数からの信号を含んでおり、
アップリンク信号の各グループをサブバンド信号に分離し、
類似のサブバンド信号のグループを生成するためにアップリンク信号のグループからの類似のサブバンド信号をグループ化し、
衛星システム内で処理するために類似のサブバンド信号のグループを復調器に転送するステップを含んでいることを特徴とする方法。
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