JP3839447B2 - 木炭化装置 - Google Patents
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Description
また、本発明の木炭化装置は、排煙手段を、木炭炉天井の排煙孔に接続された排煙ダクト、該排煙ダクトの排煙から固体粒子を分離するサイクロン式分離器、該サイクロン分離器で固体粒子が分離された排煙を大気中に放出する煙突により構成し、前記排煙ダクトには排煙を2次燃焼させるためのバーナーを設け、前記煙突には排煙通路を開閉する開閉ダンパー及び排煙を助長するための排気手段を設けることを特徴としている。
また、本発明の木炭化装置は、木炭炉内に木炭の原材料を搬入するためのホッパーを木炭炉の天井に設けることを特徴としている。
また、本発明の木炭化装置は、開閉扉に、炉内観察手段及び空気通路調整手段を設けることを特徴としている。
また、本発明の木炭化方法は、木炭炉内に木炭の原材料を搬入し、搬入された原材料を木炭炉内で1000℃以上の高温で炭化させ、木炭炉を密閉して木炭炉内の燃焼を停止させ、その後、炭化された原材料を木炭炉内において水に浸漬し、炭化された原材料の温度が木炭炉の周囲の温度近傍まで下がった状態で木炭炉内の水を排出し、炭化された原材料を木炭炉の外に搬出するようにしたことを特徴としている。
(1)型枠等の木製廃棄物を、格別の前処理、例えば、裁断や釘抜き等の事前準備の必要なく、木炭化できる。
(2)高温で燃焼させることから、得られた木炭は、木炭として質が良いばかりか、ダイオキシン等の人体に悪影響を及ぼす有害物質を含んでいない。
(3)炭化後、水に浸すことにより、木炭化の時間を大幅に短縮できる。
(4)木炭炉からの木炭の搬出を周囲の温度とほぼ同じ温度条件下で行うことができる。
(5)木炭の周囲に付着している灰が水に湿潤されることから周囲に飛散することがなく、作業者及び環境にやさしいものとすることができる。
(6)木炭搬出後の木炭炉内には湿潤された灰が少量残るが、その搬出作業は容易に行うことができる。
(7)使用した水は、木炭により浄化されているため、格別の濾過作業を行うことなく、再利用できる。
(8)排煙ダクトにバーナーを設けることにより、排煙を高温で二次燃焼させることができ、ダイオキシンの発生を防止できる。
本発明の実施の形態に係る木炭化装置は、木炭炉10、排煙手段11、給水手段12、排水手段13及び水循環手段14を備えている。
開閉扉16は鋼製であるが、内壁に煉瓦を張っても良く、また、二重構造にして内部空間20に冷却水を供給するようにしても良い。また、開閉扉16の下方には、木炭炉内部を観察するための観察手段21及び木炭炉に空気を供給するための空気通路調整手段22が設けられている。観察手段21及び空気通路調整手段22は、開閉扉16に適宜の大きさの孔を穿設しておき、この孔をスライド式の蓋或いはちょうつがい式の蓋等開閉する形式の公知の構造のものである。
煙突26には、排煙通路を開閉するためのダンパー29が回転可能に設けられ、排煙通路を必要に応じて開閉する。
また、煙突26のダンパー29の上方には、排煙を助長するための空気吹込管30が接続されており、ファン31から空気が空気吹込管30を介して煙突26の上方に向けて供給されるようになっている。 このため、煙突26内はベンチュリー効果により負圧になり、木炭炉10で発生した煙は排煙ダクト24及びサイクロン式分離器25を介して煙突26に吸い込まれ大気中に排気される。
さらに、排煙手段11において、排煙ダクト24にバーナー32が設けられ、排煙ダクト24内の排煙を高温で2次燃焼させ、ダイオキシン等の発生を防止するようにしている。
また、木炭炉10の底壁には、排水手段13が設けられており、排水路34の途中の開閉弁35を操作することにより、必要な時に排水できるようになっている。
なお、前記の給水手段12は、給水タンク39に接続されている。
まず、開閉扉16を開いた状態で、木製廃棄物41を荷役機械等を用いてホッパー40から木炭炉10内に搬入する。その際、木製廃棄物41に特別の前処理を行う必要はなく、要はホッパー41から木炭炉10内に入る大きさであれば良い。また、ホッパー40から搬入できない大きなものの場合は、木炭炉10の前面から搬入する。木製廃棄物41は、その形状に応じて縦向きあるいは横向き状態、あるいはランダムに木炭炉10内にに積込まれる。木製廃棄物41の搬入が終了したら、ホッパー40の開閉ゲート42を閉じる。次に、木製廃棄物41に着火させるため、新聞紙や小枝等の燃えやすい着火材を木製廃棄物41の前方に置き、点火する。点火後、開閉扉16を閉めるとともに、ダンパー29を開状態にし、ファン31を駆動して空気吹込管30から煙突26内に空気を供給し、木炭炉10内の空気を煙突26方向に排気するよう作用させる。また、開閉扉16の空気通路調整手段22を開の状態にしておいて空気が木炭炉10内に自由に入るようにしておく。なお、別途、空気供給用のファンを設け、該ファンから空気を木炭炉10内の底部あるいは側部から供給するようにしても良い。
木炭炉10内は煉瓦等の断熱材15で覆われていることから、木製廃棄物41の燃焼によって炉内温度は約1000℃〜1200℃の高温になる。このように、1000℃
以上の高温で木炭化されるため、ダイオキシン及び可視煤煙も発生しない。
木炭炉10内で発生した燃焼ガスは、排煙ダクト24を経由してサイクロン式分離器25に入り、ここで含有する固体粒子が分離される。分離された固体粒子は、下方のシュート27から容器28内に溜められる。固体粒子が分離された燃焼ガスは、サイクロン式分離器25の上方から煙突26内に吸引され大気中に排気される。
次に、木炭炉10の天井に設置された給水手段12の複数の給水孔33から炭化された木製廃棄物41(以下、単に「木炭」という。)の上方に水を噴射する。この状態では、木炭炉10は密閉されているので噴射された水は漏れ出すことなく木炭炉内に貯留する。木製廃棄物41は炭化された状態ではかなり体積が減少し、積み上げられた高さも低くなっている。木炭41がほぼ水に漬かった状態まで水が供給されたら、水の供給を停止する。給水に要する時間は約10分程度である。
なお、給水は、木製廃棄物41が炭化されたのが確認された後、すみやかに行っても良く、また、2〜3時間放置後、行っても良い。例えば、コンクリート型枠のような比較的薄いものでは、表面が赤くなった状態で内部まで炭化されているから、表面が赤くなったのを確認後、すみやかに給水可能である。
木炭炉10内の水が排出された後、木炭41を木炭炉10から外へ搬出する。このとき、木炭の温度は周囲の温度に近い状態まで下がっているので、搬出作業を比較的容易に行うことができる。また、その際、灰が周囲に飛散することもない。
排出された水は、排水路34から濾過装置36を通り、沈殿槽37に溜められる。排水中には、軽量な炭化片及び灰が少量含まれている程度で、格別な濾過を必要としない位、綺麗である。濾過装置36で濾過された排水は沈殿槽37内に入り、灰を沈殿させる。沈殿槽37内の水は循環ポンプ38により高所に設けられた給水タンク39に供給され貯水される。
試料名 木くず炭化施設 炭
計量の対象 土壌中のダイオキシン類
計量の結果 24(pg/g)
0.0030(pg−TEQ/g)
計量の方法 ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル(H12環境庁 水質保全局)等
なお、上記において「計量の対象 土壌中のダイオキシン類」となっているが、計量が行なわれたのは「木くず炭化施設 炭」そのものであって、該炭を土壌中に散布したものではない。
また、計量の結果における、上の行の数値は実測濃度を、下の行の数値は毒性等量を示す。
上記の濃度分析結果から、木炭の原料材であるコンクリート型枠の表面には、溶剤型アクリルウレタン系塗料及び水性アクリルエマルジョン系塗料等が塗布されているにもかかわらず、炭化された木炭には、極微量のダイオキシンしか含まれていないことが確認された。なお、大気汚染防止法に基づく環境基準による土壌中のダイオキシン類は、1,000pg−TEQ/g 以下と定められている。
11 排煙手段
12 給水手段
13 排水手段
14 水循環手段
15 断熱材
16 開閉扉
17 門型支柱
18 ウインチ
19 ロープ
20 開閉扉の内部空間
21 観察手段
22 空気通路調整手段
23 排煙孔
24 排煙ダクト
25 サイクロン式分離器
26 煙突
27 シュート
28 容器
29 ダンパー
30 空気吹込管
31 ファン
32 バーナー
33 給水孔
34 排水路
35 開閉弁
36 濾過装置
37 沈殿槽
38 循環ポンプ
39 給水タンク
40 ホッパー
41 木製廃棄物(木炭)
42 開閉ゲート
43 ウインチ
Claims (5)
- 内壁を煉瓦等の断熱材で覆われた木炭炉の前面に木炭の原材料の搬入又は搬出をするための開閉扉を備えるとともに木炭炉の天井には排煙手段を備えてなる木炭化装置において、原材料が炭化された状態において炭化された原材料がほぼ浸漬される高さまで密閉された木炭炉内に向けて水を噴射し貯留する給水手段、炭化された原材料を浸漬した木炭炉内の水を木炭炉外に排出する排水手段及び排出された水を給水手段に供給する水循環手段を設け、前記給水手段は木炭炉の天井に、前記排水手段は木炭炉の底壁に配置し、前記水循環手段には濾過装置を備えることを特徴とする木炭化装置。
- 排煙手段を、木炭炉天井の排煙孔に接続された排煙ダクト、該排煙ダクトの排煙から固体粒子を分離するサイクロン式分離器、該サイクロン分離器で固体粒子が分離された排煙を大気中に放出する煙突により構成し、前記排煙ダクトには排煙を2次燃焼させるためのバーナーを設け、前記煙突には排煙通路を開閉する開閉ダンパー及び排煙を助長するための排気手段を設けることを特徴とする請求項1記載の木炭化装置。
- 木炭炉内に木炭の原材料を搬入するためのホッパーを木炭炉の天井に設けることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の木炭化装置。
- 開閉扉に、炉内観察手段及び空気通路調整手段を設けることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の木炭化装置。
- 木炭炉内に木炭の原材料を搬入し、搬入された原材料を木炭炉内で1000℃以上の高温で炭化させ、木炭炉を密閉して木炭炉内の燃焼を停止させ、その後、炭化された原材料を木炭炉内において水に浸漬し、炭化された原材料の温度が木炭炉の周囲の温度近傍まで下がった状態で木炭炉内の水を排出し、炭化された原材料を木炭炉の外に搬出するようにしたことを特徴とする木炭化方法。
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