JP3838312B2 - Damper device for electromagnetic clutch - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電磁クラッチに設けられて、クラッチミート時の接触音の吸収や、クラッチプレートとボスとの間でのトルク伝達を行うダンパ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用エアコンディショナの冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するコンプレッサの電磁クラッチには、従来、例えば図4に示すようなダンパ装置が設けられている。すなわち図4は従来技術によるダンパ装置を電磁クラッチの一部と共に示すもので、この電磁クラッチは、非回転の電磁コイル101と、これを包囲するように配置されると共にコンプレッサの軸孔ハウジング103の外周に軸受104を介して回転自在に保持され外周にVプーリ102aが形成されたロータ102と、このロータ102の端面に近接対向されたアーマチュア106とを備えている。アーマチュア106は、前記軸孔ハウジング103に挿通された回転軸105にダンパ装置107を介して軸方向移動自在に保持されている。
【0003】
ダンパ装置107は、回転軸105の先端部外周に取り付けられたハブ107aと、このハブ107aの外周側に配置されアーマチュア106に取り付けられたアウターリング107bと、このアウターリング107bと前記ハブ107aとの対向周面間に加硫接着された環状のエラストマからなるダンパ本体107cとを備える。そしてこのダンパ装置107は、電磁コイル101を励磁することによって回転中のロータ102に吸着されたアーマチュア106から回転軸105へトルクを伝達する機能と、電磁コイル101への励磁電流を遮断した時にアーマチュア106をロータ102の端面から軸方向距離Lだけ離間させるように付勢するばね機能と、電磁コイル101の励磁によるアーマチュア106のロータ102とのクラッチミート音を低減する機能とを担うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術による電磁クラッチ用ダンパ装置においては、次のような問題が指摘される。すなわちこのダンパ装置107は、アーマチュア106から回転軸105へのトルク伝達時の耐久性を向上させる観点からは、ダンパ本体107cの捩り方向に対する剛性を大きくすることが望ましい。ところが、ダンパ本体107cは捩り方向及び軸方向のいずれに対しても剪断ばねであり、捩り剛性を大きくすると軸方向剛性も大きくなってしまうことから、このダンパ本体107cの軸方向剛性に抗してアーマチュア106を吸着するために電磁コイル101の電圧を高くし、また電磁コイル101を大型化する必要があり、しかもこれによって、クラッチミート音が大きくなってしまう問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような事情のもとになされたもので、その技術的課題とするところは、トルク伝達時のダンパ装置の耐久性を向上させると共に、クラッチミート音低減機能及びアーマチュアの軸方向作動性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題は、本発明によって有効に解決することができる。
すなわち本発明に係る電磁クラッチ用ダンパ装置は、回転軸に設けられ円周方向所定間隔で径方向に起伏した凹凸面を有するハブと、アーマチュア側に固定され前記ハブの凹凸面と対応するように径方向に起伏した凹凸面を有するアウターリングと、前記ハブの凹凸面に一体的に設けられると共に前記アウターリングの凹凸面に対しては適当な隙間を介して軸方向移動自在に係合されたエラストマからなるダンパ本体とを備え、このダンパ本体に前記アウターリングと圧接して前記アーマチュアを前記ロータから離間させる方向に非線形の圧縮反力を生じる突起部が形成され、前記隙間に潤滑剤が介在されると共に前記ダンパ本体の一部によって密封されたものである
【0007】
上記構成によれば、アーマチュアは、電磁コイルを通電すると磁力によってロータの端面に吸着され、電磁コイルへの励磁電流を遮断するとアーマチュア側のアウターリングに圧接されたダンパ本体の突起部の圧縮反力によってロータの端面から離れる。そしてこれに伴って、アウターリングとハブは、ダンパ本体を介して凹凸係合した状態で相対的に軸方向移動する。
【0008】
アウターリングがアーマチュアと共にロータ側へ軸方向移動する過程では、アーマチュアはロータからの回転トルクを受けていないので、ダンパ本体とアウターリングの凹凸面との間には円周方向の圧接力が作用しない。しかも、アウターリングがアーマチュアと共にロータ側へ軸方向移動することによって圧縮を受けるダンパ本体の突起部は非線形ばねであり、その初期圧縮反力が小さい。このため、アーマチュアは容易に軸方向移動することができる。特に、前記ダンパ本体とアウターリングの凹凸面との間に潤滑剤を介在させることによって、一層円滑に移動可能となる。また、アーマチュアがロータの端面との衝合位置まで移動する過程で、前記突起部の圧縮反力が非線形的に増大するので、クラッチミート音が有効に低減される。
【0009】
電磁コイルの磁力によってアーマチュアがロータの端面に吸着された状態では、ロータと回転軸との間でアーマチュア、アウターリング、ダンパ本体及びハブを介して回転トルクが伝達される。このとき、エラストマからなるダンパ本体は、ハブの凹凸面とこれに円周方向に対向するアウターリングの凹凸面との間で、前記トルクを圧縮で受けるため高剛性となり、耐久性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る電磁クラッチ用ダンパ装置の典型的な一実施形態を、電磁クラッチの一部と共に示すものである。この電磁クラッチにおいて、参照符号1は非回転の電磁コイル、2はこの電磁コイル1を包囲するように配置され外周にVプーリ21が形成された磁性体からなるロータである。ロータ2は、自動車用エアコンディショナのコンプレッサにおける軸孔ハウジング3の外周に軸受4を介して回転自在に保持されている。また、前記軸孔ハウジング3の内周には、コンプレッサ内の冷媒圧縮機構(図示省略)を動作させる回転軸5が挿通されている。
【0011】
参照符号6は磁性体からなる円盤状のアーマチュアで、ロータ2の端面22と近接対向した状態に配置されており、軸孔ハウジング3の外端開口部から突出した回転軸5の先端部外周側に、本発明の実施形態によるダンパ装置7を介して軸方向移動自在に保持されている。ダンパ装置7は、前記回転軸5の先端部にボルト51を介して取り付けられたハブ71と、前記アーマチュア6に取り付けられたアウターリング72と、前記ハブ71の外周部に一体的に加硫接着されたエラストマからなるダンパ本体73とを備える。
【0012】
ハブ71は、回転軸5に固定された内周のボス部71aと、その外端部から径方向に展開した円盤部71bと、この円盤部71bの外周から軸方向外側へ突出した外周突縁部71cとからなる。前記円盤部71bはロータ2の端面22の内周部外側に位置しており、アーマチュア6の内周部は前記ロータ2の内周部とハブ71の円盤部71bとの間に位置している。また、前記外周突縁部71cは、図1におけるA−A’線位置で切断した部分断面図である図2(A)に示すように、外周面が円周方向所定間隔で径方向に起伏した凹凸面71dとなっている。なお、回転軸5とハブ71は、キー52を介して相対回転が防止されている。
【0013】
アウターリング72は、アーマチュア6におけるロータ2と反対側の端面の外周部に円周方向複数のリベット74を介して固定された外周フランジ部72aと、この外周フランジ部72aの内周端からハブ71の外周突縁部71cの外周側を軸方向外側に向けて延びる軸方向部72bと、この軸方向部72bから前記外周突縁部71cの軸方向外側を内周側へ向けて延びる内周フランジ部72cとを有し、前記軸方向部72bは、図2(A)(B)に示すように、ハブ71の外周突縁部71cの凹凸面71dと対応するように径方向に起伏した凹凸形状に形成され、すなわち凹凸面72dを有する。
【0014】
エラストマで成形されたダンパ本体73は、ハブ71における円盤部71bの外周近傍部分から外周突縁部71cにかけての両面に加硫接着されており、このうちハブ71の外周突縁部71cの外周側に加硫接着された部分は、図2(A)の一部を拡大した図2(B)に示すように、外周面がアウターリング72における凹凸面72dと僅かな摺動隙間Gを介して軸方向移動自在に係合するように、径方向に起伏した凹凸形状を呈する係合部73aとなっている。また、前記ハブ71の外周突縁部71cの内周側に加硫接着された部分には、軸方向外側へ向けて突出し先端がアウターリング72の内周フランジ部72cの内側面と常時密接される突起部73bが形成されている。
【0015】
ダンパ本体73に形成された突起部73bは、電磁コイル1に励磁電流を印加することによってアーマチュア6がロータ2の端面22側へ磁気吸引されて軸方向変位した時に、このアーマチュア6と一体的に変位する前記アウターリング72の内周フランジ部72cによって軸方向に圧縮され、アーマチュア6をロータ2の端面22から離れる方向へ付勢する圧縮反力を発生するものである。したがって、突起部73bは、図3(A)に示すように軸方向圧縮量の小さい初期変位時にはばね定数(反力)が小さく、変位量の増大に伴いばね定数が非線形(理想的には2次曲線状)に増大する非線形ばねの特性を有する。
【0016】
また、アーマチュア6が突起部73bの圧縮反力によってロータ2の端面22から軸方向距離Lだけ離れた位置にある時は、アウターリング72の内周フランジ部72cとハブ71の外周突縁部71cの端面は前記軸方向距離Lより大きな軸方向距離をもって対向しており、したがって、電磁コイル1の励磁によるアーマチュア6とロータ2の端面22とのクラッチミートが、前記内周フランジ部72cと外周突縁部71cとの衝合により妨げられるようなことがないようになっている。
【0017】
ダンパ本体73には、その外周における係合部73aのアーマチュア6側の端部に位置してダイアフラム部73cが形成され、その内周側には第二の突起部73dが形成されている。前記ダイアフラム部73cの外周縁部は前記アーマチュア6とアウターリング72の外周フランジ部72aとの間に密接状態に挟着されており、また、前記第二の突起部73dは、ダンパ本体73の突起部73bの圧縮反力によってアーマチュア6がロータ2の端面22から軸方向距離Lだけ離間した時に、このアーマチュア6におけるロータ2と反対側の端面に当接するようになっている。
【0018】
内周を突起部73bで密封されたアウターリング72の内周フランジ部72cとハブ71の外周突縁部71cの端面との間の隙間には、例えばグリース等の潤滑剤8が封入されており、この潤滑剤8の一部は、ダンパ本体73の係合部73aとアウターリング72の軸方向部72b(凹凸面72d)との間の摺動隙間Gに介入されている。また、この摺動隙間Gからアーマチュア6側への前記潤滑剤8の漏れは、ダイアフラム部73cによって防止されている。
【0019】
次に、以上のように構成された本実施形態のダンパ装置7の作用を、電磁クラッチの動作と共に説明する。
【0020】
まず、ロータ2は、その外周のVプーリ21に巻き掛けられたベルト(図示省略)を介してエンジンのクランクプーリ等からの駆動力を与えられて回転している。そして図1に示す状態から電磁コイル1に励磁電流が印加されると、磁力によりアーマチュア6がロータ2側へ軸方向移動してその端面22に吸着され、クラッチミート状態となって、ロータ2の回転トルクがアーマチュア6からダンパ装置7のアウターリング72、ダンパ本体73及びハブ71を介して回転軸5へ伝達され、コンプレッサが運転状態となる。このとき、エラストマからなるダンパ本体73の係合部73aは、ハブ71の外周突縁部71cにおける凹凸面71dとこれに円周方向に対向するアウターリング72の軸方向部72bにおける凹凸面72dとの間で、前記トルクを圧縮で受けるため高剛性となり、トルクを剪断で受ける図4の従来構造に比較してトルク伝達時における耐久性が著しく向上する。
【0021】
アーマチュア6がロータ2側へ軸方向移動する過程では、アーマチュア6と一体的に軸方向移動するアウターリング72の凹凸面72dは、ダンパ本体73の係合部73aの外周を軸方向に摺動するが、この軸方向部72b,73a間は潤滑剤8の介入により潤滑されており、しかもクラッチミート状態になるまでは、ロータ2からの回転トルクによってアウターリング72の軸方向部72bの凹凸面72dとダンパ本体73の係合部73aが円周方向に圧接されることはないので、摺動抵抗が著しく小さいものとなる。また、磁力によるアーマチュア6のロータ2側への変位力は図3(B)に示すような特性を示すため、変位初期においては磁力による変位力が小さいが、ダンパ本体73の突起部73bは先に説明した図3(A)に示すように圧縮による非線形ばねであり、変位初期における反力が著しく小さい。このため電磁コイル1の印加電圧やサイズ(巻数など)が比較的小さくても、アーマチュア6はロータ2側へ容易に軸方向移動することができる。
【0022】
また、上述の図3(A)(B)からわかるように、アーマチュア6がロータ2の端面22に近付く(Lが小さくなる)につれて、磁力によるアーマチュア6のロータ2側への軸方向変位力は非線形的に増大するが、これに伴って、ダンパ本体73の突起部73bの圧縮反力も非線形的に増大するため、アーマチュア6がロータ2の端面22にクラッチミートする時の衝撃が和らげられ、すなわちクラッチミート音が有効に緩和される。
【0023】
次に、クラッチミート状態から電磁コイル1への励磁電流が遮断されると、アウターリング72の内周フランジ部72cによって圧縮状態にあったダンパ本体73の突起部73bの反力によって、アーマチュア6は、アウターリング72を介してロータ2と反対側へ復帰動作される。このため、前記クラッチミート状態が解消されて、ロータ2からアーマチュア2を介しての回転トルクの伝達が遮断され、回転軸5の回転が停止される。
【0024】
アーマチュア6の復帰動作過程においても、先に述べたクラッチミート方向への移動時と同様、アウターリング72の軸方向部72bはダンパ本体73の係合部73aの外周を軸方向へ円滑に摺動する。前記復帰動作は、アーマチュア6がロータ2の端面22から軸方向距離Lだけ離れて、ダンパ本体73の第二の突起部73dと当接した時点で停止されるので、ハブ71との接触が防止される。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電磁クラッチ用ダンパ装置によると、エラストマからなるダンパ本体がハブとアウターリングとの間で円周方向への圧縮により伝達トルクを受けるため高剛性となり、ダンパ本体におけるトルク伝達力の向上を図ることができる。また、アウターリングとハブがダンパ本体を介して相対的に軸方向移動可能に係合されると共に、潤滑剤によって潤滑されているので、アーマチュアは円滑な軸方向移動が可能であり、電磁コイルの励磁電圧の低減及び電磁コイルの小型化を図ることができる。したがって、トルク伝達に対するダンパ本体の耐久性の向上と、アーマチュアの軸方向作動性の確保の両立を図ることができる。しかも前記アーマチュアをロータと反対側へ付勢するダンパ本体の突起部における非線形ばね特性によって、前記アーマチュアの軸方向作動性の確保と、クラッチミート音の低減効果の確保とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁クラッチ用ダンパ装置の典型的な一実施形態を、電磁クラッチの一部と共に示す半断面図である。
【図2】上記実施形態におけるダンパ装置の一部を示すもので、(A)は図1におけるA−A’線で切断した部分断面図、(B)は(A)の一部を拡大した断面図である。
【図3】上記実施形態による特性を表す線図である。
【図4】従来技術に係る電磁クラッチ用ダンパ装置を、電磁クラッチの一部と共に示す半断面図である。
【符号の説明】
1 電磁コイル
2 ロータ
21 Vプーリ
22 端面
3 軸孔ハウジング
4 軸受
5 回転軸
51 ボルト
52 キー
6 アーマチュア
7 ダンパ装置
71 ハブ
71a ボス部
71b 円盤部
71c 外周突縁部
71d,72d 凹凸面
72 アウターリング
72a 外周フランジ部
72b 軸方向部
72c 内周フランジ部
73 ダンパ本体
73a 係合部
73b 突起部
73c ダイアフラム部
73d 第二の突起部
74 リベット
8 潤滑剤
G 摺動隙間(隙間)
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a damper device that is provided in various electromagnetic clutches and absorbs contact sound during clutch meet and transmits torque between a clutch plate and a boss.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for example, a damper device as shown in FIG. 4 is provided in an electromagnetic clutch of a compressor that compresses refrigerant in a refrigeration cycle of an automotive air conditioner. That is, FIG. 4 shows a damper device according to the prior art together with a part of an electromagnetic clutch. This electromagnetic clutch is arranged so as to surround the non-rotating electromagnetic coil 101 and the shaft hole housing 103 of the compressor. A rotor 102 that is rotatably supported on the outer periphery via a bearing 104 and has a V pulley 102a formed on the outer periphery, and an armature 106 that is closely opposed to the end face of the rotor 102 are provided. The armature 106 is held on a rotating shaft 105 inserted through the shaft hole housing 103 via a damper device 107 so as to be movable in the axial direction.
[0003]
The damper device 107 includes a hub 107a attached to the outer periphery of the distal end portion of the rotating shaft 105, an outer ring 107b disposed on the outer peripheral side of the hub 107a and attached to the armature 106, and the outer ring 107b and the hub 107a. And a damper main body 107c made of an annular elastomer bonded by vulcanization between the opposed peripheral surfaces. The damper device 107 has a function of transmitting torque from the armature 106 adsorbed to the rotating rotor 102 to the rotating shaft 105 by exciting the electromagnetic coil 101, and an armature when the exciting current to the electromagnetic coil 101 is cut off. A spring function that urges the armature 106 to be separated from the end face of the rotor 102 by an axial distance L and a function that reduces clutch meat noise between the armature 106 and the rotor 102 due to the excitation of the electromagnetic coil 101 are performed.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The following problems are pointed out in the electromagnetic clutch damper device according to the prior art. In other words, from the viewpoint of improving the durability when the torque is transmitted from the armature 106 to the rotating shaft 105, it is desirable that the damper device 107 increase the rigidity of the damper main body 107c in the torsional direction. However, the damper main body 107c is a shear spring in both the torsional direction and the axial direction, and increasing the torsional rigidity also increases the axial rigidity. Therefore, the damper main body 107c is against the axial rigidity. In order to attract the armature 106, it is necessary to increase the voltage of the electromagnetic coil 101 and to increase the size of the electromagnetic coil 101. In addition, there is a problem that the clutch meat noise increases.
[0005]
The present invention has been made under the circumstances as described above, and the technical problem thereof is to improve the durability of the damper device at the time of torque transmission and to reduce the clutch meat noise reduction function and the armature shaft. It is to improve the directional operation.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The technical problem described above can be effectively solved by the present invention.
That is, the damper device for an electromagnetic clutch according to the present invention corresponds to a hub having a concavo-convex surface provided on a rotating shaft and undulating in a radial direction at a predetermined interval in the circumferential direction, and a concavo-convex surface of the hub fixed to the armature side. An outer ring having an uneven surface that undulates in the radial direction, and provided integrally with the uneven surface of the hub, and engaged with the uneven surface of the outer ring so as to be axially movable through an appropriate gap. A damper body made of an elastomer, and a protrusion that forms a non-linear compression reaction force in a direction in which the armature is separated from the rotor by pressing against the outer ring to the damper body, and a lubricant is interposed in the gap And sealed by a part of the damper main body .
[0007]
According to the above configuration, when the electromagnetic coil is energized, the armature is attracted to the end face of the rotor by magnetic force, and when the exciting current to the electromagnetic coil is cut off, the compression reaction force of the protrusion of the damper main body pressed against the outer ring on the armature side To leave the end face of the rotor. Along with this, the outer ring and the hub relatively move in the axial direction in a state where the outer ring and the hub are engaged with each other through the damper main body.
[0008]
In the process of axial movement of the outer ring together with the armature to the rotor side, the armature does not receive the rotational torque from the rotor, so the circumferential pressure contact force does not act between the damper body and the uneven surface of the outer ring. . In addition, the protrusion of the damper main body that is compressed by the axial movement of the outer ring together with the armature toward the rotor is a non-linear spring, and its initial compression reaction force is small. Therefore, the armature can easily move in the axial direction. In particular, the lubricant can be moved more smoothly by interposing a lubricant between the damper main body and the uneven surface of the outer ring. Further, since the compression reaction force of the protrusion increases nonlinearly in the process of the armature moving to the abutting position with the end face of the rotor, the clutch meat noise is effectively reduced.
[0009]
In a state where the armature is attracted to the end face of the rotor by the magnetic force of the electromagnetic coil, the rotational torque is transmitted between the rotor and the rotating shaft through the armature, the outer ring, the damper main body, and the hub. At this time, the damper main body made of an elastomer has high rigidity because it receives the torque between the uneven surface of the hub and the uneven surface of the outer ring facing the circumferential direction in the circumferential direction, and durability is improved.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 shows a typical embodiment of a damper device for an electromagnetic clutch according to the present invention together with a part of the electromagnetic clutch. In this electromagnetic clutch, reference numeral 1 is a non-rotating electromagnetic coil, and 2 is a rotor made of a magnetic material that is disposed so as to surround the electromagnetic coil 1 and has a V pulley 21 formed on the outer periphery thereof. The rotor 2 is rotatably held via a bearing 4 on the outer periphery of the shaft hole housing 3 in the compressor of the automotive air conditioner. A rotating shaft 5 for operating a refrigerant compression mechanism (not shown) in the compressor is inserted through the inner periphery of the shaft hole housing 3.
[0011]
Reference numeral 6 denotes a disk-shaped armature made of a magnetic material, which is disposed in a state of being close to and opposed to the end face 22 of the rotor 2, and is on the outer peripheral side of the tip end of the rotating shaft 5 protruding from the outer end opening of the shaft hole housing 3 Further, it is held so as to be axially movable through the damper device 7 according to the embodiment of the present invention. The damper device 7 includes a hub 71 attached to the distal end portion of the rotating shaft 5 via a bolt 51, an outer ring 72 attached to the armature 6, and a vulcanized adhesive integrally with the outer peripheral portion of the hub 71. And a damper main body 73 made of an elastomer.
[0012]
The hub 71 includes an inner peripheral boss portion 71a fixed to the rotary shaft 5, a disk portion 71b radially extending from the outer end portion thereof, and an outer peripheral protrusion protruding outward from the outer periphery of the disk portion 71b in the axial direction. Part 71c. The disk part 71 b is located outside the inner peripheral part of the end surface 22 of the rotor 2, and the inner peripheral part of the armature 6 is located between the inner peripheral part of the rotor 2 and the disk part 71 b of the hub 71. . In addition, the outer peripheral protruding portion 71c is undulated in the radial direction at a predetermined interval in the circumferential direction as shown in FIG. 2A, which is a partial cross-sectional view taken along the line AA ′ in FIG. The uneven surface 71d is formed. The rotation shaft 5 and the hub 71 are prevented from rotating relative to each other via the key 52.
[0013]
The outer ring 72 includes an outer peripheral flange portion 72a fixed to the outer peripheral portion of the end face opposite to the rotor 2 in the armature 6 via a plurality of circumferential rivets 74, and a hub 71 from the inner peripheral end of the outer peripheral flange portion 72a. An axial direction portion 72b extending toward the outer side in the axial direction of the outer peripheral protruding edge portion 71c, and an inner peripheral flange extending from the axial direction portion 72b toward the inner peripheral side in the axial direction of the outer peripheral protruding edge portion 71c. 2A and 2B, the axial direction portion 72b is unevenly undulated in the radial direction so as to correspond to the uneven surface 71d of the outer peripheral protrusion 71c of the hub 71, as shown in FIGS. It is formed in a shape, that is, has an uneven surface 72d.
[0014]
The damper main body 73 formed of an elastomer is vulcanized and bonded to both surfaces of the hub 71 from the vicinity of the outer periphery of the disk portion 71b to the outer peripheral protrusion 71c, and of these, the outer peripheral side of the outer peripheral protrusion 71c of the hub 71 As shown in FIG. 2B, which is an enlarged part of FIG. 2A, the outer peripheral surface of the portion vulcanized and bonded to the outer ring 72 via the uneven surface 72d and a slight sliding gap G The engaging portion 73a has a concavo-convex shape that undulates in the radial direction so as to be movably engaged in the axial direction. Further, the portion vulcanized and bonded to the inner peripheral side of the outer peripheral protrusion 71 c of the hub 71 protrudes outward in the axial direction, and the tip is always in close contact with the inner side surface of the inner peripheral flange 72 c of the outer ring 72. A protrusion 73b is formed.
[0015]
The protrusion 73 b formed on the damper main body 73 is integrated with the armature 6 when the armature 6 is magnetically attracted toward the end face 22 side of the rotor 2 and is axially displaced by applying an excitation current to the electromagnetic coil 1. It is compressed in the axial direction by the inner peripheral flange portion 72c of the outer ring 72 that is displaced, and generates a compression reaction force that urges the armature 6 in a direction away from the end face 22 of the rotor 2. Accordingly, as shown in FIG. 3A, the protrusion 73b has a small spring constant (reaction force) at the time of initial displacement with a small amount of axial compression, and the spring constant becomes nonlinear (ideally 2 as the amount of displacement increases). It has a characteristic of a non-linear spring that increases in the form of a second-order curve.
[0016]
Further, when the armature 6 is at a position separated from the end face 22 of the rotor 2 by the axial reaction distance L by the compression reaction force of the protrusion 73b, the inner peripheral flange 72c of the outer ring 72 and the outer peripheral protrusion 71c of the hub 71 are provided. Are opposed to each other with an axial distance greater than the axial distance L. Therefore, the clutch meat between the armature 6 and the end face 22 of the rotor 2 by the excitation of the electromagnetic coil 1 is in contact with the inner peripheral flange portion 72c. It is not disturbed by the collision with the edge 71c.
[0017]
In the damper main body 73, a diaphragm portion 73c is formed at an end portion on the armature 6 side of the engaging portion 73a on the outer periphery thereof, and a second projecting portion 73d is formed on the inner peripheral side thereof. The outer peripheral edge portion of the diaphragm portion 73c is sandwiched between the armature 6 and the outer peripheral flange portion 72a of the outer ring 72, and the second protrusion portion 73d is a protrusion of the damper main body 73. When the armature 6 is separated from the end surface 22 of the rotor 2 by the axial distance L by the compression reaction force of the portion 73b, the armature 6 is brought into contact with the end surface opposite to the rotor 2.
[0018]
Lubricant 8 such as grease is sealed in the gap between the inner peripheral flange portion 72c of the outer ring 72 whose inner periphery is sealed with the protrusion 73b and the end surface of the outer peripheral protrusion 71c of the hub 71. A part of the lubricant 8 is interposed in the sliding gap G between the engaging portion 73a of the damper main body 73 and the axial direction portion 72b (uneven surface 72d) of the outer ring 72. Further, leakage of the lubricant 8 from the sliding gap G to the armature 6 side is prevented by the diaphragm portion 73c.
[0019]
Next, the operation of the damper device 7 of the present embodiment configured as described above will be described together with the operation of the electromagnetic clutch.
[0020]
First, the rotor 2 is rotated by a driving force from an engine crank pulley or the like via a belt (not shown) wound around a V pulley 21 on the outer periphery thereof. When an exciting current is applied to the electromagnetic coil 1 from the state shown in FIG. 1, the armature 6 moves axially toward the rotor 2 side by the magnetic force and is attracted to the end face 22, and enters the clutch meet state. The rotational torque is transmitted from the armature 6 to the rotary shaft 5 through the outer ring 72, the damper main body 73, and the hub 71 of the damper device 7, and the compressor is in an operating state. At this time, the engaging portion 73a of the damper main body 73 made of an elastomer has an uneven surface 71d on the outer peripheral protrusion 71c of the hub 71 and an uneven surface 72d on the axial portion 72b of the outer ring 72 facing the circumferential surface thereof. In the meantime, since the torque is received by compression, the rigidity becomes high, and the durability at the time of torque transmission is remarkably improved as compared with the conventional structure of FIG. 4 that receives the torque by shearing.
[0021]
In the process in which the armature 6 moves in the axial direction toward the rotor 2, the concave and convex surface 72 d of the outer ring 72 that moves in the axial direction integrally with the armature 6 slides in the axial direction on the outer periphery of the engaging portion 73 a of the damper main body 73. However, the space between the axial portions 72b and 73a is lubricated by the intervention of the lubricant 8, and the uneven surface 72d of the axial portion 72b of the outer ring 72 is rotated by the rotational torque from the rotor 2 until the clutch meet state is reached. Since the engaging portion 73a of the damper main body 73 is not pressed in the circumferential direction, the sliding resistance is remarkably small. Further, the displacement force of the armature 6 toward the rotor 2 due to the magnetic force exhibits the characteristics as shown in FIG. 3B, so that the displacement force due to the magnetic force is small at the beginning of the displacement, but the protrusion 73b of the damper main body 73 is the tip. As shown in FIG. 3A, it is a non-linear spring by compression, and the reaction force at the initial stage of displacement is extremely small. For this reason, even if the applied voltage and size (number of turns, etc.) of the electromagnetic coil 1 are relatively small, the armature 6 can easily move in the axial direction toward the rotor 2 side.
[0022]
3A and 3B, as the armature 6 approaches the end surface 22 of the rotor 2 (L becomes smaller), the axial displacement force of the armature 6 toward the rotor 2 by the magnetic force is Along with this, the compression reaction force of the protrusion 73b of the damper main body 73 increases in a non-linear manner, so that the impact when the armature 6 clutches the end surface 22 of the rotor 2 is reduced. Clutch meat sound is effectively reduced.
[0023]
Next, when the exciting current to the electromagnetic coil 1 is interrupted from the clutch meet state, the armature 6 is caused by the reaction force of the protrusion 73b of the damper main body 73 that has been compressed by the inner peripheral flange portion 72c of the outer ring 72. Then, it is returned to the opposite side of the rotor 2 via the outer ring 72. For this reason, the clutch meet state is canceled, the transmission of the rotational torque from the rotor 2 via the armature 2 is interrupted, and the rotation of the rotating shaft 5 is stopped.
[0024]
Also in the returning operation process of the armature 6, the axial portion 72b of the outer ring 72 smoothly slides in the axial direction on the outer periphery of the engaging portion 73a of the damper main body 73, as in the movement in the clutch meat direction described above. To do. The returning operation is stopped when the armature 6 is separated from the end face 22 of the rotor 2 by the axial distance L and abuts against the second protrusion 73d of the damper main body 73, so that contact with the hub 71 is prevented. Is done.
[0025]
【The invention's effect】
As described above, according to the damper device for an electromagnetic clutch according to the present invention, the damper main body made of elastomer receives transmission torque due to compression in the circumferential direction between the hub and the outer ring, so that the rigidity is high. The torque transmission force can be improved. Further, the outer ring and the hub are relative axial movement engage through the damper body, because it is lubricated by the lubricant, the armature is capable of smooth axial movement, the electromagnetic coil The excitation voltage can be reduced and the electromagnetic coil can be reduced in size. Therefore, it is possible to improve both the durability of the damper main body against torque transmission and ensure the axial operability of the armature. In addition, the non-linear spring characteristic at the protrusion of the damper body that urges the armature to the opposite side of the rotor can ensure both the axial operability of the armature and the effect of reducing the clutch meat noise.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a half sectional view showing a typical embodiment of a damper device for an electromagnetic clutch according to the present invention together with a part of the electromagnetic clutch.
FIG. 2 shows a part of the damper device in the embodiment, wherein (A) is a partial cross-sectional view taken along line AA ′ in FIG. 1, and (B) is an enlarged part of (A). It is sectional drawing.
FIG. 3 is a diagram showing characteristics according to the embodiment.
FIG. 4 is a half sectional view showing a damper device for an electromagnetic clutch according to the prior art together with a part of the electromagnetic clutch.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Electromagnetic coil 2 Rotor 21 V pulley 22 End surface 3 Shaft hole housing 4 Bearing 5 Rotating shaft 51 Bolt 52 Key 6 Armature 7 Damper device 71 Hub 71a Boss part 71b Disk part 71c Outer peripheral edge part 71d, 72d Irregular surface 72 Outer ring 72a Outer peripheral flange portion 72b Axial direction portion 72c Inner peripheral flange portion 73 Damper main body 73a Engaging portion 73b Protruding portion 73c Diaphragm portion 73d Second protruding portion 74 Rivet 8 Lubricant G Sliding gap (gap)

Claims (1)

電磁コイル(1)を包囲したロータ(2)の端面(22)に対して軸方向に近接対向されたアーマチュア(6)と、前記ロータ(2)と同心的に配置された回転軸(5)側との間に介在されたダンパ装置(7)であって、
前記回転軸(5)に設けられ円周方向所定間隔で径方向に起伏した凹凸面(71d)を有するハブ(71)と、
前記アーマチュア(6)側に固定され前記ハブ(71)の凹凸面(71d)と対応するように径方向に起伏した凹凸面(72d)を有するアウターリング(72)と、
前記ハブ(71)の凹凸面(71d)に一体的に設けられると共に前記アウターリング(72)の凹凸面(72d)に対しては適当な隙間(G)を介して軸方向移動自在に係合されたエラストマからなるダンパ本体(73)とを備え、
このダンパ本体(73)には前記アウターリング(72)に圧接して前記アーマチュア(6)を前記ロータ(2)から離間させる方向に非線形の圧縮反力を生じる突起部(73b)が形成され、
前記隙間(G)に潤滑剤(8)が介在されると共に前記ダンパ本体(73)の一部によって密封されたことを特徴とする電磁クラッチ用ダンパ装置。
An armature (6) close to and facing the end surface (22) of the rotor (2) surrounding the electromagnetic coil (1) in the axial direction, and a rotating shaft (5) disposed concentrically with the rotor (2) A damper device (7) interposed between the side and
A hub (71) having an uneven surface (71d) provided on the rotating shaft (5) and undulating in a radial direction at a predetermined interval in the circumferential direction;
An outer ring (72) having a concavo-convex surface (72d) which is fixed on the armature (6) side and undulates in a radial direction so as to correspond to the concavo-convex surface (71d) of the hub (71);
It is integrally provided on the uneven surface (71d) of the hub (71) and engages with the uneven surface (72d) of the outer ring (72) so as to be axially movable through an appropriate gap (G). A damper main body (73) made of an elastomer,
The damper main body (73) is formed with a protrusion (73b) that generates a nonlinear compression reaction force in a direction in which the armature (6) is separated from the rotor (2) by being pressed against the outer ring (72) .
A damper device for an electromagnetic clutch, wherein a lubricant (8) is interposed in the gap (G) and is sealed by a part of the damper main body (73) .
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