JP3836984B2 - クランクシャフトの回転フリクション測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトの回転フリクションを測定するクランクシャフトの回転フリクション測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のクランクシャフトの回転フリクション測定装置として、例えば、特開平5−164657号公報に先行技術として記載されているものが挙げられる。かかる装置は、クランクシャフトを所定角度回転させるのに要する回転トルクを測定し、測定した回転角と回転トルクとの関係からエンジンの組付け状態の良否を検査するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のクランクシャフトの回転フリクション測定装置においては、測定した回転角と回転トルクとの関係を得るため、微小回転角と対応する微小回転トルクを平均値化した後、該平均値を積算して得た積算値と積算基準値とを比較していたので、クランクシャフトの角度毎のフリクションが測定されていないので、即ち、クランクシャフトのフリクションがどのような要因で規定値からはずれているかを把握するのが困難であった。
【0004】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、クランクシャフトの角度毎のフリクションを測定しているので、クランクシャフトのフリクションがどのような要因で規定値からはずれているかを容易に把握可能とすることができるクランクシャフトの回転フリクション測定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、クランクシャフトを回転させる回転手段と、該回転手段によるクランクシャフトの回転時の角度を経時的に検出する回転角検出手段と、該回転角検出手段によるクランクシャフトの角度の検出と同期して当該クランクシャフトの回転時のフリクションを測定する回転フリクション測定手段と、該回転フリクション測定手段により測定されたフリクションが規定値を超えたときに、その箇所を特定する特定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
かかる構成によれば、回転手段により回転されたクランクシャフトの回転角を回転角検出手段で検出するとともに、フリクションを回転フリクション測定手段で測定する。そして、特定手段によって、フリクションが規定値を超えた箇所を特定する。
請求項2に係る発明においては、前記回転角検出手段によるクランクシャフトの角度の検出、又は回転フリクション測定手段によるクランクシャフトのフリクションの測定と同期して、当該クランクシャフトの回転時の回転数を検出する回転数検出手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、クランクシャフトの角度の検出やフリクションの測定とともに、回転数検出手段によってクランクシャフトの回転時の回転数を検出する。
請求項3に係る発明においては、前記回転フリクション測定手段による測定結果と前記回転角検出手段による検出結果とを、画面又は出力紙に出力することを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、同一画面又は出力紙に、クランクシャフトのフリクションの測定結果及び回転角の検出結果が出力される。
請求項4に係る発明においては、前記回転数検出手段による検出結果を前記画面又は出力紙に出力することを特徴とする。
かかる構成によれば、クランクシャフトのフリクションの測定結果及び回転角の検出結果が出力された同一の画面又は出力紙に、クランクシャフトの回転数が併せて出力される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係るクランクシャフトの回転フリクション測定装置は、図1に示すように、回転手段としてのACサーボモータ1と、回転角検出手段としてのエンコーダ2と、回転フリクション測定手段としてのトルクトランスデューサ3と、回転数検出手段としてのフォトセンサ4と、から主に構成されている。
【0010】
そして、上記装置は、ACサーボモータ1及びエンコーダ2を支持フレーム10に支持するとともに、測定すべきクランクシャフトCに着脱可能に連結される構成とされている。
ACサーボモータ1は、クランクシャフトCに回転力を付与する駆動源であり、操作・表示制御用シーケンサ6及びACサーボモータのドライバ7を介して操作・表示盤5からの制御入力に基づいて制御されるものである。
【0011】
エンコーダ2は、ACサーボモータ1により回転されたクランクシャフトCの回転角を経時的に検出するもので、検出結果はメモリハイコーダ8に出力される。当該エンコーダ2の代わりに、回転されるクランクシャフトCの回転を検出する他の検出手段を用いてもよく、この場合、検出結果を電気信号として出力できるものが好ましい。
【0012】
トルクトランスデューサ3は、エンコーダ2によるクランクシャフトCの角度の検出と同期して、当該クランクシャフトCの回転時のフリクションを測定するものであり、測定結果をトルク波形としてピークインジケータ9に出力する。該ピークインジケータ9は、測定結果としてのトルク波形を操作・表示制御用シーケンサ6及びメモリハイコーダ8に出力するとともに、後述するフォトセンサ4からの出力を入力する。
【0013】
フォトセンサ4は、エンコーダ2によるクランクシャフトCの角度の検出、又はトルクトランスデューサ3によるクランクシャフトCのフリクションの測定と同期して、当該クランクシャフトCの回転時の回転数を検出するものであり、その検出結果をピークインジケータ9に出力する。尚、フォトセンサ4によるクランクシャフトCの回転数の検出は、クランクシャフトCの先端に形成された凸部C1を非接触にて検知し、これを計数することにより得られる。
【0014】
次に、上記構成によるクランクシャフトCの測定について説明する。
メモリハイコーダ8は、エンコーダ2による回転角の検出結果を入力するとともに、ピークインジケータ9を介してトルクトランスデューサ3によるトルク波形の測定結果、及びフォトセンサ4による回転数の検出結果を入力し、少なくとも回転角度及びトルク波形を、例えばCRT等の画面又は出力紙に出力する。
【0015】
メモリハイコーダ8からの出力は、図2に示すように、横軸を時間(S)、縦軸をトルク(Kg・m)等として、回転角a、回転フリクション波形bを同一グラフ上に表示するものである。これらデータはともに時間軸を同一の横軸としているので、特定時刻のそれぞれの状態が対応させ易い。
そして、ACサーボモータ1が駆動してクランクシャフトCが回転し始めると、夫々のデータの原点a0、b0が出力され、続いて各データが経時的に出力される。この時、クランクシャフトCの回転が一定速度になるまでのデータはノイズ等が多いので、測定値としては一定速度に達した後のデータを参照するのが好ましい。
【0016】
上記データの出力から、例えば回転フリクション波形bのうち規定値を超えたデータを発見した場合、その時刻(横軸)の回転角aと対比させれば、クランクシャフトCのどの箇所の回転フリクションが規定値をオーバーしているかが視覚的に判別できる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図2に示す出力を、回転角a、回転フリクション波形b及び回転数cとしてもよい。また、回転フリクションの規定値を予め設定しておき、測定された回転フリクション波形bが規定値を超えた際に、自動的に判別するように構成してもよい。この場合、回転フリクション波形bが規定値を超えた箇所を自動的に特定するものであるのが好ましい。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されたので、請求項1に係る発明によれば、クランクシャフトの回転角に同期させて経時的に変化するフリクションを測定するので、クランクシャフトの回転角と特定の位置のフリクションとを対応させつつ、フリクションが規定値を超えた箇所が特定され、クランクシャフトのフリクションがどのような要因で規定値からはずれているかを容易に把握することができる。即ち、メタルが所定位置に正しくセットされているか、クランクピンとコンロッド或いはクランクシャフト自身のメタルにゴミのかみ込みがないか等のエンジンの組付け状態が正しいか否か、又は欠品が無いか等を検出できる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、クランクシャフトの回転角検出及びフリクション測定と同期して、クランクシャフトの回転数が検出されるので、クランクシャフトの回転角と特定の位置のフリクションとを更に対応させ易くすることができる。
請求項3に係る発明によれば、クランクシャフトの回転角とフリクションとが同一の画面又は出力紙に出力されるので、クランクシャフトの回転角に対する特定の位置のフリクションとを視覚的に対応させ易くすることができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、クランクシャフトのフリクションの測定結果及び回転角の検出結果と併せて回転数が同一の画面又は出力紙に出力されるので、クランクシャフトの回転角及び回転数に対する特定の位置のフリクションを、視覚的に更に対応させ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるクランクシャフトの回転フリクション測定装置を示す模式図
【図2】本発明によるクランクシャフトの回転フリクション測定装置による出力結果の一例を示すグラフ
【符号の説明】
1…ACサーボモータ(回転手段)
2…エンコーダ(回転角検出手段)
3…トルクトランスデューサ(回転フリクション測定手段)
4…フォトセンサ(回転数検出手段)
Claims (4)
- クランクシャフトを回転させる回転手段と、
該回転手段によるクランクシャフトの回転時の角度を経時的に検出する回転角検出手段と、
該回転角検出手段によるクランクシャフトの角度の検出と同期して当該クランクシャフトの回転時のフリクションを測定する回転フリクション測定手段と、
該回転フリクション測定手段により測定されたフリクションが規定値を超えたときに、その箇所を自動的に特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とするクランクシャフトの回転フリクション測定装置。 - 前記回転角検出手段によるクランクシャフトの角度の検出、又は回転フリクション測定手段によるクランクシャフトのフリクションの測定と同期して、当該クランクシャフトの回転時の回転数を検出する回転数検出手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のクランクシャフトの回転フリクション測定装置。
- 前記回転フリクション測定手段による測定結果と前記回転角検出手段による検出結果とを、画面又は出力紙に出力することを特徴とする請求項1記載のクランクシャフトの回転フリクション測定装置。
- 前記回転数検出手段による検出結果を前記画面又は出力紙に出力することを特徴とする請求項3記載のクランクシャフトの回転フリクション測定装置。
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- 1998-08-26 JP JP24089198A patent/JP3836984B2/ja not_active Expired - Fee Related
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