JP3836173B2 - Tetralin compound, method for producing the same, liquid crystal compound, liquid crystal composition, and liquid crystal element - Google Patents

Tetralin compound, method for producing the same, liquid crystal compound, liquid crystal composition, and liquid crystal element Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なテトラリン化合物、その製造方法、液晶化合物、液晶組成物および液晶素子に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来より、液晶ディスプレイは、CRTに比較してディスプレイを薄型化、軽量化でき、しかも低電圧で駆動でき、さらに観察者の目に対して刺激が少なく、長時間観察しても目が疲れないなどの特長を有するため、電卓、腕時計の表示部に用いられている。最近、液晶ディスプレイの分野で表示画面の大型化、表示画像のカラー化が進み、このため、液晶ディスプレイは、コンピューターのターミナルディスプレイ、小型携帯用テレビなどにも用いられるようになった。
【0003】
現在の液晶ディスプレイは、主としてネマチック液晶の電気光学効果を利用している。しかしながら、従来、ネマチック液晶の電気光学効果を利用した液晶ディスプレイ(以下、ネマチック液晶ディスプレイという)は、ネマティック液晶の電気光学的応答時間が数十msと長く、さらに表示面積、画素数を増加させることが困難であった。
【0004】
これに対し、近年、TFT(Thin Film Transistor)方式、STN(Super Twisted Nematic )方式を採用することによって10インチクラスまでのネマチック液晶ディスプレイが商品化されるようになった。
【0005】
しかしながら、TFT方式を採用したネマチック液晶ディスプレイ、STN方式を採用したネマチック液晶ディスプレイでは、いずれも表示画像が観察できる視野角が狭いという問題点があった。さらに、TFT方式を採用したネマチック液晶ディスプレイには、ディスプレイ製造の歩留りが低く、このためディスプレイの製造コストが高くなるという問題点があった。また、STN方式を採用したネマチック液晶ディスプレイには、ネマチック液晶の電気光学的応答速度が低く、表示画像の品質に劣るという問題点があった。
【0006】
このような電気光学的応答速度の低いネマチック液晶に代わって注目されてきたのが、強誘電性液晶(R.B. Meyer, L. Liebert, L. Strezelecki and P. Keller, F. Phys. (France) 36, L69 (1975).)、あるいは反強誘電性液晶(A. D. L.Chandani, T. Hagiwara, Y. Suzuki, Y. Ouchi, H. Takazoe and A. Fukuda, Jpn. J. Appl. Phys., 27, L729 (1988).) 状態を示すスメクチックC* 液晶である。このスメクチックC* 液晶は、自発分極を有する。このため、スメクチックC* 液晶に電界を形成した場合、この電界強度とスメクチックC* 液晶の自発分極との積が液晶の配向状態を変化させるための実効エネルギー強度となる。数μm程度のセルギャップにスメクチックC* 相を示す液晶材料が充填された液晶セルを備えた液晶素子(表面安定化強誘電性液晶素子:N. A. Clark and S. T. Lagerwall, Appl. Phys. Lett., 36, 899 (1980).)では、液晶セル中でスメクチックC* 液晶が、電場の極性および大きさに応じて、強誘電性液晶状態で2つの安定状態を示し、反強誘電性液晶状態で3つの安定状態を示す。電場の極性および/または大きさを変えてこれらの安定状態を切り替えた場合、このスイッチング時間は数μ秒のオーダーと非常に短い。
【0007】
ここで、カラーテレビのように3色(VGA)でカラー動画を表示する場合、走査線1本当りの書込み時間が約17μ秒(画面切り替え:30回/秒、走査線本数/画面=640本の場合)と短い。
【0008】
このため、ネマチック液晶の電気光学効果を利用した液晶素子でカラー動画を表示する場合、ネマチック液晶の電気光学的応答速度が低いため、液晶素子をアクチブマトリックスで駆動する必要(TFT方式など)があった。
【0009】
これに対し、スメクチックC* 液晶の電気光学効果を利用した液晶素子でカラー動画を表示する場合、上述したように安定状態間のスイッチング時間が数μ秒のオーダーと非常に短いため、単純マトリックスで液晶素子を駆動することが可能である。なお、単純マトリックスで駆動できる液晶素子は、大量生産向きである。
【0010】
さらに、STN方式を採用したネマチック液晶ディスプレイでは、ネマチック液晶の旋光性を利用して電気光学的に表示するので、表示画像が観察できる視野角が狭いといった問題点があった。
【0011】
これに対し、スメクチックC* 液晶ディスプレイでは、スメクチックC* 液晶の複屈折性を利用して電気光学的に表示するので、表示画像が観察できる視野角が広い。
【0012】
このようにスメクチックC* 液晶素子(スメクチックC* 液晶の電気光学的性質を利用した素子)は、動画用表示素子として特に優れている点から注目されている。
【0013】
しかしながら、スメクチックC* 液晶素子のうち、強誘電性液晶素子(強誘電性液晶の電気光学的性質を利用した素子)には、素子製造の際に強誘電性液晶が均一に配向し難く、高いコントラストが得られないといった問題点があった。加えて、強誘電性液晶素子には、強誘電性液晶がメモリー性を有しており、このため残像が生じ易い、階調性を高くするのが難しいといった問題点があった。
【0014】
反強誘電性液晶素子は、これら強誘電性液晶素子が有する問題点を解決することができるので注目されている。しかしながら、反強誘電性液晶材料(CA * 相を示しうる材料)は、その種類が少なく、この分野ではCA * 相を示す温度範囲、CA * 相の電気光学的応答速度、電気光学的コントラストなどの面で総合的に反強誘電性液晶素子に用いるのに適した反強誘電性液晶材料の開発が望まれている。
【0015】
特に、現在、常温または常温付近でCA * 相を示し、CA * 相を示す温度範囲が広く、電気光学的応答速度が速く、チルト角(液晶長軸の液晶層法線からの傾き角)が45°に近い反強誘電性液晶材料、特に反強誘電性液晶化合物の開発が望まれている。
【0016】
また、反強誘電性液晶化合物(CA * を示しうる化合物)は分子末端に光学活性基(キラル部)を有しているが、現在知られている反強誘電性液晶化合物ではこのキラル部の種類が極めて少ない。
【0017】
【発明の目的】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、新規なキラル部を有するテトラリン化合物およびその製造方法、常温または常温付近でCA * 相を示し、CA * 相を示す温度範囲が広く、液晶素子の液晶セルに充填して用いた場合、液晶素子が常温で作動でき、しかも液晶素子の電気光学的応答速度が速く、チルト角が大きいような液晶化合物または液晶組成物、および常温で作動でき、しかも電気光学的応答速度が速いなどの優れた特性を有する液晶素子を提供することを目的としている。
【0018】
【発明の概要】
本発明に係るテトラリン化合物は、次式〔 II
【0019】
【化7】

Figure 0003836173
【0020】
式〔 II 〕中、R 1 は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜19のアルコキシ 基であり、R 3 は、炭素数2〜20の不飽和結合を有する基を表す〕で表されることを特徴としている。
【0021】
本発明に係るテトラリン化合物の製造方法は、次式〔III〕で表されるカルボン酸:
【0022】
【化8】
Figure 0003836173
【0023】
式〔 III 〕中、R 1 は上記と同様の意味を表す。)と、次式〔IV〕で表される光学活性アルコール:
HO−C * H(CF 3 )R 3 …〔IV〕
上記中、R 3 は上記と同様の意味を表す。)とをエステル化反応させることを特徴としている。
【0024】
上記エステル反応は、4−N,N−ジメチルアミノピリジンの溶液およびN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド存在下で行うことが好ましく、また、ジクロロメタン溶媒中で行うことが好ましい。なお、上記式〔 IV で表される光学活性アルコールは、次式〔 V で表されるラセミアルコール:
HO−C * H(CF 3 )R 3 …〔 V
式〔 V 〕中、R 3 は上記と同様の意味を表す。)をアセチル化した後、不斉加水分解反応を行うことにより得ることができる。また、この不斉加水分解反応は、pH7.3の緩衝液中、リパーゼMYの存在下で行うのが好ましい。
【0025】
本発明に係る液晶化合物は、CA * 相を示し、キラル部に不飽和結合を有することを特徴としている。このような液晶化合物としては、上記式〔 II で表されるテトラリン化合物が挙げられる。
【0026】
本発明に係る液晶組成物は、1種または2種以上の上記式〔 II で表されるテトラリン化合物を含有することを特徴としている。本発明に係る液晶素子は、液晶セルを備えた液晶素子であって、該液晶セル内部の電極間に上述したような本発明に係る液晶化合物または液晶組成物が充填されていることを特徴としている。
【0027】
【発明の具体的な説明】
テトラリン化合物
まず、本発明に係るテトラリン化合物について具体的に説明する。
【0028】
本発明に係る新規なテトラリン化合物は、次式〔 II 〕:
【0029】
【化9】
Figure 0003836173
【0030】
で表される。
上記式〔 II 〕中、1 は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜19のアルコキシ基である
【0031】
また、R3 は、炭素数2〜20の不飽和結合を有する基、例えば炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基である。R3 としては、具体的には、
【0032】
【化10】
Figure 0003836173
【0033】
などが挙げられる。このうち、-CH=CHC2H5および-CH=CHC4H9は、シス体であってもトランス体であってもよい。
次式〔I〕で表されるテトラリン化合物:
1 −X−A 1 −Y−A 2 −CO 2 −C * H(R 2 )R 3 …〔I〕
〔式〔I〕中、R 1 は、 (a) 炭素数1〜20のアルキル基、または (b) 炭素数2〜19のアルキレン鎖を有し、該アルキレン鎖中の単数または複数の -CH 2 - 基が -O- 基またはハロメチレン基で置換された基(ただし、複数の -CH 2 - 基が -O- 基で置換されている場合、前記アルキレン鎖中で -O- 基同士が隣接することはない)であり、Xは、 -COO- -OCO- -CO- および -O- から選ばれる基または単結合を表し、A 1 およびA 2 は、それぞれ独立して
【0034】
【化11】
Figure 0003836173
【0035】
から選ばれる基であって、A 1 およびA 2 の少なくとも一方は、
【0036】
【化12】
Figure 0003836173
【0037】
であり、Yは、 -COO- -OCO -CH 2 CH 2 - -CH 2 O −、 -OCH 2 - -COCH 2 - および− CH 2 CO- から選ばれる基であり、R 2 は、 -CF 3 または -C 2 F 5 であり、R 3 は、炭素数2〜20の不飽和結合を有する基を表す〕を、下記表1に例示する。
【0038】
【表1】
Figure 0003836173
【0039】
【表2】
Figure 0003836173
【0040】
【表3】
Figure 0003836173
【0041】
【表4】
Figure 0003836173
【0042】
上記表1に示された上記式〔I〕で表されるテトラリン化合物のうち、後述する実施例には、次式〔II〕:
【0043】
【化13】
Figure 0003836173
【0044】
で表されるテトラリン化合物、特に、R1 が、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜19のアルコキシ基、中でもウンデシル基またはデシルオキシ基であり、R3 が、炭素数2〜20の鎖状不飽和炭化水素基、なかでも
【0045】
【化14】
Figure 0003836173
【0046】
であるテトラリン化合物が例示されている。なお、本発明で、上記式〔 II で表されるテトラリン化合物が得られていることは、後述する実施例で示すようにFD−マススペクトルおよび1 H−NMRスペクトルで確認されている。
【0047】
テトラリン化合物の製造方法
上記式〔 II で表されるテトラリン化合物は、次式〔 III で表されるカルボン酸:
【0048】
【化15】
Figure 0003836173
【0049】
式〔 III 〕中、R 1 は上記と同様の意味を表す。)、たとえば6−(4'−アルキルまたはアルコキシ−4−ビフェニルカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸と、次式〔 IV で表される光学活性アルコール:
HO−C * H(CF 3 )R 3 …〔 IV
式〔 IV 〕中、R 3 は上記と同様の意味を表す。
とをエステル化反応させることによって得られる。
【0050】
このエステル反応は、4−N,N−ジメチルアミノピリジンの溶液およびN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド存在下で行うことが好ましく、また、ジクロロメタン溶媒中で行うことが好ましい。より具体的には、上記式〔 III で表されるカルボン酸、たとえば6−(4'−アルキルまたはアルコキシ−4−ビフェニルカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸と、上記式〔 IV で表される光学活性アルコールと、4−N,N−ジメチルアミノピリジンとをジクロロメタンに溶解させて得られた溶液に、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドのジクロロメタン溶液を滴下することにより上記式〔 II で表されるテトラリン化合物、たとえば6−(4'−アルキルまたはアルコキシ−4−ビフェニルカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸エステルが得られる。
【0051】
なお、上記式〔 III で表されるカルボン酸、たとえば6−(4'−アルキルまたはアルコキシ−4−ビフェニルカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸は、常法に従って合成した上記式〔 III で表されるカルボン酸のエステル、たとえば6−(4'−アルキルまたはアルコキシ−4−ビフェニルカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸ベンジルエステルを、パラジウム/カーボンの存在下、水素雰囲気中で還元することにより得られる。
【0052】
また、上記式〔 IV で表される光学活性アルコールは、次式〔 V で表されるラセミアルコール:
HO−C * H(CF 3 )R 3 …〔 V
式〔 V 〕中、R 3 は上記と同様の意味を表す。)をアセチル化した後、不斉加水分解反応を行うことにより得ることができる。また、この不斉加水分解反応は、pH7.3の緩衝液中、リパーゼMYの存在下で行うのが好ましい。
【0053】
参考のために、上記式〔 II で表されるテトラリン化合物に包含される6−(4'−アルキルまたはアルコキシ−4−ビフェニルカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸エステルの合成反応スキームの一例を下記に示す。
【0054】
【化16】
Figure 0003836173
【0055】
液晶化合物
本発明に係る液晶化合物は、CA * 相を示し、しかもキラル部に不飽和結合を有している。
【0056】
本発明に係る液晶化合物のキラル部としては、次式〔VI〕:
−C* H(R2 )R3 …〔VI〕
で示される基などが挙げられる。
【0057】
ここで、R2 は、-CF3または-C2F5 であり、R3 は、炭素数2〜20の不飽和結合を有する基、例えば炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基である。R3 としては、鎖状不飽和炭化水素基または鎖状不飽和ハロゲン化炭化水素基が好ましく、具体的には、
【0058】
【化17】
Figure 0003836173
【0059】
などが挙げられる。
このうち、-CH=CHC2H5および-CH=CHC4H9は、シス体であってもトランス体であってもよい。
【0060】
なかでも、R3 として
【0061】
【化18】
Figure 0003836173
【0062】
が好ましい。
また、上記式〔VI〕で表されるキラル部を有する液晶化合物として、上記式〔 II で表されるテトラリン化合物などが挙げられる。
【0063】
上記式〔 II で表されるテトラリン化合物を液晶化合物として用いる場合、R1 としては、炭素数1〜20のアルキル基、特にウンデシル基または炭素数1〜19のアルコキシ基、特にデシルオキシ基が好ましい。
【0064】
本発明に係る液晶化合物は、従来のキラル部位に不飽和結合を有しない反強誘電性液晶化合物に比較して、液晶化合物が電極間に充填されている液晶セルを備えた液晶素子の電気光学的応答速度を速くすることができる。
【0065】
特に、本発明に係る液晶化合物が上記式〔 II で表されるテトラリン化合物である場合、この液晶化合物は、常温または常温付近でCA * 相を示し、CA * 相を示す温度範囲が広いという特長がある。
【0066】
本発明に係る液晶化合物を液晶セルに充填して用いる場合、本発明に係る液晶化合物を単独で用いてもよく、また、公知の液晶化合物および添加剤と混合して用いてもよい。
【0067】
液晶組成物
次いで、本発明に係る液晶組成物について説明する。本発明に係る液晶組成物は、1種または2種以上の上記式〔 II で表されるテトラリン化合物を含有している。
【0068】
上記〔 II で表されるテトラリン化合物としては、R3 が、鎖状不飽和炭化水素基または鎖状不飽和ハロゲン化炭化水素基、特に
【0069】
【化19】
Figure 0003836173
【0070】
から選ばれる1種の基、とりわけ
【0071】
【化20】
Figure 0003836173
【0072】
であることが好ましい。
また、R1 としては、炭素数1〜20のアルキル基、特にウンデシル基、または炭素数1〜19のアルコキシ基、特にデシルオキシ基が好ましい。
【0073】
上記〔 II 〕で表されるテトラリン化合物が上記のような好ましい基で構成されている場合、このテトラリン化合物を含む液晶組成物は、常温または常温付近でCA * 相を示し、CA * 相を示す温度範囲が広く、しかも液晶素子の液晶セルに充填して用いることにより、電気光学的応答速度速い液晶素子を提供する上で特に好ましい。
【0074】
本発明に係る液晶組成物は、2種以上の上記式〔 II で表されるテトラリン化合物の混合物のみで構成されていてもよいが、他の液晶化合物、公知の添加剤の1種以上との混合物で構成されていてもよい。
【0075】
本発明に係る液晶組成物で用いられる他の液晶化合物としては
【0076】
【化21】
Figure 0003836173
【0077】
【化22】
Figure 0003836173
【0078】
【化23】
Figure 0003836173
【0079】
などの公知の反強誘電性化合物(CA * 相を示しうる化合物)が挙げられる。他の液晶化合物が公知の反強誘電性化合物である場合、この反強誘電性化合物と上記式〔 II で表されるテトラリン化合物とを混合することにより、譬え、この反強誘電性液晶化合物が示すCA * 相の下限温度が常温を越え、このCA * 相の温度範囲が狭くても、常温または常温付近でCA * 相を示し、CA * 相を示す温度範囲が広く、さらに液晶素子の液晶セルに充填して用いた場合、液晶素子の電気光学的応答速度を高速化でき、しかもチルト角が大きな液晶組成物が提供できる。
【0080】
本発明に係る液晶組成物が上記式〔 II で表されるテトラリン化合物と他の液晶化合物との混合物からなる場合、このテトラリン化合物の量は、液晶組成物の総量100重量部に対し、1〜99重量部、好ましくは5〜50重量部であることが望ましい。すなわち、上記式〔 II で表されるテトラリン化合物は、他の液晶化合物の種類に応じて液晶組成物の主剤としても助剤としても用いられる。
【0081】
特に、上記式〔 II で表されるテトラリン化合物を、液晶素子の液晶セル中で大きなチルト角を示す公知の反強誘電性化合物の助剤として用いた場合、このチルト角をほとんど低減させることなく、液晶素子の液晶セルに充填して用いた場合に液晶素子の電気光学的応答速度を高速化することができるような液晶組成物が提供できる。
【0082】
本発明に係る液晶組成物は、必要に応じて液晶組成物の反強誘電性を損なわない範囲の量で、電導性賦与剤、寿命向上剤などのような公知の添加剤を含有していてもよい。
【0083】
液晶素子
本発明に係る液晶素子は、液晶セルを備えた液晶素子であって、該液晶セル内部の電極間に上述したような本発明に係る液晶化合物または液晶組成物が充填されている。
【0084】
本発明に係る液晶素子で用いられる液晶セルは、一対の電極付基板を備え、この電極付基板の電極間に上述したような本発明に係る液晶化合物または液晶組成物が充填されている。
【0085】
上記一対の電極付基板の一方は透明であって、他方は透明であっても不透明であってもよい。この電極付基板の一方が不透明である場合、この液晶セルを備えた液晶素子は、反射型液晶素子として液晶表示素子などに用いられうる。これに対し、両電極付基板が透明である場合、この液晶セルを備えた液晶素子は、透過型液晶素子として光スイッチング素子、光変調素子などに用いられうる。
【0086】
また、上記一対の電極付基板の少なくとも一方の電極面には、配向膜が設けられていてもよい。なお、配向膜とは、液晶セル中でこれと接する本発明に係る液晶化合物または液晶組成物を所定の方向に配向させる層を意味し、例えば電極付基板の電極上にポリイミド膜を形成し、このポリイミド膜の表明を所定の方向にラビングするなどして得られる。
【0087】
さらに、上記液晶セルには、液晶セル内部の電極間距離を一定に保つため、この電極間にスペーサが介設されている。このスペーサとしては、一定膜厚のフィルム、粒径の揃った球状粒子または太さの揃った繊維片などが用いられる。スペーサとして一定膜厚のフィルムを用いる場合、このスペーサは、通常、液晶セル内部の電極間周縁部に介設される、また、スペーサとして粒径の揃った球状粒子または太さの揃った繊維片を用いる場合、これらのスペーサは、本発明に係る液晶化合物または液晶組成物と混合して用いられる。
【0088】
また、液晶セルの基板が、アルカリ金属などの不純物を含んでいる場合、これらの不純物が電極付基板の電極あるいは電極などを通して本発明に係る液晶化合物または液晶組成物を阻害しないように、電極付基板の基板と電極との間にアルカリパッシベーション膜などが設けられていてもよい。
【0089】
本発明に係る液晶素子では、液晶セル内部に充填されている本発明に係る液晶化合物または液晶組成物をCA * 相に維持しながら液晶セルの電極間に電圧を印加すると、電圧の極性および大きさに応じてCA * 相の3安定状態のうちのある安定状態、たとえば正電圧側の強誘電状態から、他の安定状態、たとえば反誘電状態にCA * 相の配向状態が変化し、この配向状態の変化に伴って液晶セル中で液晶セルに入射した光の偏光方向が変化する。
【0090】
このような光の偏光方向の変化を利用して表示、光スイッチングあるいは光変調を行う場合、本発明に係る液晶素子では、通常、偏光板、偏光ビームスプリッター、1/4波長板などの偏光制御手段が用いられ、本発明に係る液晶素子が反射型液晶素子である場合には、偏光制御手段が観察者と液晶セルとの間に設けられ、本発明に係る液晶素子が透過型液晶素子である場合には、偏光制御手段、液晶セル、偏光制御手段を入射光が透過するよう2つの偏光制御手段がパラニコル位またはクロスニコル位に配置され、光の偏光方向が変化した際に最大のコントラストが得られるよう2つの偏光制御手段と液晶セルとの位置決めがなされる。ただし、入射光が特定偏光成分、たとえば垂直偏光成分または水平偏向成分のみを有する場合、光入射側の偏光制御手段を省略することができ、観察者が偏光眼鏡をかけて液晶素子の出力光を観察する場合、偏光眼鏡以外の光出入射側の偏光制御手段を省略することができる。
【0091】
以上のように、本発明に係る液晶素子は、液晶セルを備え、該液晶セル内部の電極間に上述したような本発明に係る液晶化合物または液晶組成物が充填されていればよく、液晶素子の用途などに応じて様々な変形が可能である。
【0092】
本発明に係る液晶素子は、液晶セルを備え、該液晶セル内部の電極間に上述したような本発明に係る液晶化合物または液晶組成物が充填されているので、電気光学的応答速度が速いなどの優れた特性を有する。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、新規なテトラリン化合物が提供される。このテトラリン化合物は、液晶化合物または液晶組成物の成分として用いられる。
【0094】
本発明の液晶化合物は、CA * 相を示し、しかもキラル部に不飽和結合を有しており、従来のキラル部位に不飽和結合を有しない反強誘電性液晶化合物に比較して、液晶化合物が電極間に充填されている液晶セルを備えた液晶素子の電気光学的応答速度を速くすることができる。
【0095】
本発明の液晶組成物は、本発明に係るテトラリン化合物が含有されているので常温または常温付近でCA * 相を示し、CA * 相を示す温度範囲が広く、さらに液晶素子の液晶セルに充填して用いた場合、液晶素子の電気光学的応答速度を高速化する液晶組成物が提供できる。
【0096】
特に、液晶組成物の成分として本発明に係るテトラリン化合物とともに液晶セル中で大きなチルト角を示す反強誘電性化合物を液晶素子の液晶セルに充填して用いた場合、このチルト角をほとんど低減することなく、この反強誘電性化合物のみを液晶セルに充填して用いた場合に比較して、液晶素子の電気光学的応答速度を高速化することができる。
【0097】
本発明の液晶素子は、電気光学的応答速度が速く、特に液晶化合物として本発明に係るテトラリン化合物を液晶素子の液晶セルに充填した場合、あるいは本発明に係る液晶組成物を液晶素子の液晶セルに充填した場合には、常温で作動できる上、高い電気光学的コントラストを有するなどの高画質表示装置が提供可能である。
【0098】
さらに、本発明の液晶素子は、電気光学的応答速度が速いので、高速光スイチイング素子あるいは高速光変調素子として用いられうる。
【0099】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、下記化合物に記載されているR、Sは、それぞれ異なる旋光性を示す符号である。
【0100】
【実施例1】
6-(4'- ウンデシル -4- ビフェニルカルボニルオキシ )-1,2,3,4- テトラヒドロ -2- ナフタレンカルボン酸 (R)-1- トリフルオロメチル -4- ペンテニルエステル〔例示化合物(1)〕:
【0101】
【化24】
Figure 0003836173
【0102】
の合成
第1段階
フラスコに、窒素雰囲気下でトリフルオロ酢酸エステル42.6g (300mmol) 、脱水ジエチルエーテル(以下、エーテルという)300ml を入れ、ドライアイス−アセトン浴で−50℃まで冷却した後、同温度で攪拌しながら、3-ブテニルマグネシウムブロマイドのエーテル溶液〔Mg 5.36g (221mmol)、1-ブロモ-3- ブテン 28.3g (210mmol)、脱水エーテル 100ml〕を2時間かけて滴下して反応させた。滴下終了後、得られた反応溶液を同温度で30分攪拌し、−20℃まで自然に昇温した。次いで、この反応溶液を、同温度1時間攪拌した後、氷冷した10% 塩酸水溶液 340mlに加えた。得られた混合液にエーテルを加えて水相と有機相とに分離した後、有機相を硫酸ナトリウムで1晩乾燥し、次いで溶媒を留去することによってトリフルオロメチル-3- ブテニルケトン(生成物)を得た。この工程で溶媒(エーテル)を完全に分離することができなかったので、生成物に溶媒が約1:1の比率で混合した状態(約150ml)で、次工程に進んだ。なお、生成比は、NMRで求めた。
1H-NMR (CDCL3, δ, ppm) 5.89-5.72(m, 1H), 5.15-5.02(m, 2H), 2.83(t, J=7Hz, 1H), 2.42(td, J=7Hz, 1H).
第2段階
フラスコに、LiAlH4 12.2g (321mmol)およびエーテル100ml を入れ、氷冷しながら第1段階で得られたトリフルオロメチル-3- ブテニルケトンとエートルとの混合液を、2時間かけて滴下し、次いで室温で1晩攪拌した後、トリフルオロメチル-3- ブテニルケトンの加水分解反応を行った。この反応溶液に、濃塩酸を不溶分が完全に溶解するまで加え、その後、エーテルを加えて水相と有機相とに分離した。得られた有機相を硫酸ナトリウムで1晩乾燥し、その後、溶媒を留去することによって1-トリフルオロメチル-4- ペンテノール(生成物)を得た。この工程で生成物と溶媒(エーテル)とを完全に分離することができなかったので、生成物に溶媒が混合した状態で、次工程に進んだ。
1H-NMR (CDCL3, δ, ppm) 5.90-5.74(m, 1H), 5.15-5.02(m, 2H), 4.02-3.88(m, 1H), 2.42-2.12(m, 2H), 1.90-1.65(m, 1H).
第3段階
フラスコに、第2段階で得られた1-トリフルオロメチル-4- ペンテノール、塩化アセチル 30.1g (384mmol)、ジクロロメタン 200mlを入れ、氷冷しながらピリジン 40ml (495mmol) を1時間かけて滴下して反応させた。得られた反応溶液を、室温で1晩攪拌した後、10% 塩酸水溶液 300mlに加えた。得られた混合液にエーテルを加えて水相と有機相とに分離した後、有機相を硫酸ナトリウムで1晩乾燥し、次いで溶媒を留去した。得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、酢酸1-トリフルオロメチル-4- ペンテニルエステル 23g (120mmol)を得た。
1H-NMR (CDCL3, δ, ppm) 5.68-5.87(m, 1H), 5.39-5.25(m, 1H), 5.10-5.01(m, 2H), 2.23-2.01(m, 2H), 1.94-1.78(m, 1H).
第4段階
攪拌機を備えたフラスコに、リパーゼMY(名糖産業)17.4g および緩衝液(pH 7.3) 600ml を入れ、40℃で30分攪拌した。次いで、このフラスコに、第3段階で得られた1-トリフルオロメチル-4- ペンテニルエステル 23g (120mmol)を加え、同温度で3.3 時間攪拌しながら1-トリフルオロメチル-4- ペンテニルエステルを反応させた。この反応をガスクロマトグラフィーで追跡したところ、1-トリフルオロメチル-4- ペンテニルエステルの34% が加水分解されていた。この段階でエーテル 400mlを加えて反応を停止させ、かつ水相と有機相とに分離した。この水相からエーテルで反応物を抽出した後、この反応物から溶媒を留去した。得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィー(展開液; CH2Cl2→CH2Cl2/Et2O=10/1) で精製することにより1-トリフルオロメチル-4- ペンテノール(生成物)9.5g(62mmol) を得た(ガスクロマトグラフィーによる化学純度50% 、収率26% (光学純度99% 以上)。この工程で生成物と溶媒(エーテル)とを完全に分離することがでなきなかったので、生成物と溶媒とが混合した状態で、次工程に進んだ。なお、上記アルコールの純度は、アルコールをR-(+)-メトキシ(トリフルオロメチル)フェニル酢酸(MTPA)でエルテル化し、得られたジアステレオマーの比率によって決定した。この比率はキャピラリーガスクロマトグラフィー(DB-1)によって求めた。また、ジアステレオマーは、上記のアルコール 22.4mg 、MTPA 53.1MG (0.227mmol) 、N,N'- ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC )56.9mg (0.276mmol)、4-N.N-ジメチルアミノピリジン(DMAP) 1.6mg (0.013mmol) の2mlジクロロメタン溶液を、室温で1時間攪拌することによって得た。この条件でラセミアルコールとMTPAとを反応させると、ジアステレオマーの比率は、ほぼ50 :50 になる。
1H-NMR (CDCL3, δ, ppm) 5.90-5.74(m, 1H), 5.15-5.02(m, 2H), 4.02-3.88(m, 21), 2.42-2.12(m, 2H), 1.90-1.65(m, 2H).
第5段階
6-(4'-ウンデシル-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4- テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸(合成法については特開平5-246952号公報、特開平6-25098 号公報などを参照されたし。)378mg (0.719mmol) 、第4段階で得られた1-トリフルオロメチル-4- ペンテノール 219mg (1.42mmol) 、DMAP 9.0mg (0.074mmol)およびジクロロメタン 15ml の混合物に、DCC 180mg (0.0874mmol)のジクロロメタン溶液5mlを、室温で1時間かけて滴下して6-(4'-ウンデシル-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4- テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸と1-トリフルオロメチル-4- ペンテノールとをエステル化反応させた。この反応物を含む液を室温で1晩攪拌した後、この液から析出物をろ過して除去し、次いで溶媒を留去した。このようにして得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、無色の半固体340mg を得た。
【0103】
この半固体のFD- マススペクトルの値はm/z=662 であった。図1に、この化合物の1H-NMRスペクトルを示す。上記結果から、この化合物は目的とする6-(4'-ウンデシル-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-4- ペンテニルエステル〔例示化合物(1)〕であると同定された。収率: 71% 。
【0104】
【実施例2】
6-(4'- ウンデシル -4- ビフェニルカルボニルオキシ )-1,2,3,4- テトラヒドロ -2- ナフタレンカルボン酸 (R)-1- トリフルオロメチル -2- ペンチニルエステル〔例示化合物(9)〕:
【0105】
【化25】
Figure 0003836173
【0106】
の合成
第1段階
フラスコに、アルゴン雰囲気下でテトラヒドロフラン(THF) 270 ml を入れ、−78℃まで冷却した後、同温度で攪拌しながら、1-ブチン 19g (350mmol)を1時間かけて吹き込み、続いてn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.66M) 120mlを同温度で45分かけて滴下した。滴下終了後、同温度で2時間この混合液の攪拌を続けた。次いでトリフルオロ酢酸エチル 25.6g (180ml)をTHF 20mlに溶解させた溶液を同温度で30分かけて滴下した。滴下終了後、直ちにこの混合液に3フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 27.0ml (213mmol) を15分かけて滴下し、さらに2時間、同温度で攪拌した。この混合液の温度を-25 ℃とした後、この混合液に塩化アンモニウム飽和水溶液 30ml を少量ずつ加えて水相と有機相とに分離した。得られた有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、蒸留精製(98℃/229mmHg)してトリフルオロメチル-1- ブチニルケトン4.2gを得た。収率: 16% 。
1H-NMR (CDCL3, δ, ppm) 2.62(q, J=7.2Hz, 2H), 1.36(t, J=7.2Hz, 3H).
第2段階
第1段階の蒸留精製を行う直前の工程で得られた液状物質を、アルゴン雰囲気下で水素化ホウ素ナトリウム 6.8g (180mmol) およびエタノール 100mlの混合物に、攪拌しながら0℃で30分かけて滴下した。滴下終了後、室温で2時間得られた混合液の攪拌を行った。次いで、この混合液に、10% 塩酸水溶液を加えて中和した後、エーテル 100mlを加えて水相と有機相とに分離した。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後にろ過し、次いで蒸留精製(72℃/200mmHg)して1-トリフルオロメチル-2- ペンチン-1- オールを得た。収率: 62% 。
1H-NMR (CDCL3, δ, ppm) 4.84-4.44(m, 1H), 2.80(d, J=8.0Hz, 1H), 2.36(dq, J=2.4Hz, 7.2Hz, 2H), 1.20(t, J=7.2Hz, 3H).
第3段階
アルゴン雰囲気下でフラスコに、第2段階で得られた1-トリフルオロメチル-2- ペンチン-1- オール 9.0g (59mmol)、ピリジン 5.1g (65mmol)、ジクロロメタン 15ml を入れ、0℃で攪拌しながら塩化アセチル 5.2g (65mmol)を30分かけて滴下して反応させた。滴下終了後、得られた反応溶液を、室温で2時間攪拌した後、水50ml中に注ぎ、エーテル100ml を加えて水相と有機相とに分離した。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、次いで、蒸留精製(85℃/200mmHg)して酢酸1-トリフルオロメチル-2- ペンチニルエステル 6.2g を得た。
1H-NMR (CDCL3, δ, ppm) 6.16-5.81(m, 1H), 2.36(dq, J=2.4Hz, 7.2Hz, 2H),2.32 (s, 3H), 1.28(t, J=7.2Hz, 3H).
第4段階
フラスコに、リパーゼMY(名糖産業)5.74g および緩衝液(pH 7.3) 200mlを入れ、40℃で1時間攪拌した。次いで、このフラスコに、第3段階で得られた1-トリフルオロメチル-2- ペンチニルエステル 5.80g (29.2mmol) を加え、同温度で2時間攪拌しながら1-トリフルオロメチル-2- ペンチニルエステルを反応させた。この反応をガスクロマトグラフィーで追跡したところ、1-トリフルオロメチル-2- ペンチニルエステルの27% が加水分解されていた。この段階でエーテル600mlを加えて反応を停止させ、かつ水相と有機相とに分離した。この水相からエーテルで反応物を抽出した後、この反応物から溶媒を留去した。得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィー(展開液; CH2Cl2→CH2Cl2/Et2O=10/1) で精製することにより1-トリフルオロメチル-2- ペンチン-1- オール1.73g (11.4mmol)を得た。収率19% (光学純度80% )。なお、上記アルコールの純度は、実施例1の第4段階と同様にしてアルコールをMTPAでエルテル化し、得られたジアステレオマーの比率によって決定した。
1H-NMR (CDCL3, δ, ppm) 4.84-4.44(m, 1H), 2.80(d, J=8.0Hz, 1H), 2.32 (dq, J=2.4Hz, 7.2Hz, 2H), 1.20(t, J=7.2Hz, 3H).
第5段階
6-(4'-ウンデシル-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4- テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸 530mg (1.0mmol)、第4段階で得られた1-トリフルオロメチル-2- ペンチン-1- オール 200mg (1.3mmol)、DMAP 12mg (0.1mmol) およびジクロロメタン 10ml の混合物に、DCC 250mg(1.2mmol)のジクロロメタン溶液5mlを、室温で1時間かけて滴下して6-(4'-ウンデシル-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4- テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸と1-トリフルオロメチル-2- ペンチン-1- オールとをエステル化反応させた。この反応物を含む液を室温で1晩攪拌した後、この液から析出物をろ過して除去し、次いで溶媒を留去した。このようにして得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、無色の半固体384mg を得た。
【0107】
この半固体のFD- マススペクトルの値はm/z=660 であった。
図1に、この化合物の1H-NMRスペクトルを示す。上記結果から、この化合物は目的とする6-(4'-ウンデシル-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-2- ペンチニルエステル〔例示化合物(9)〕であると同定された。収率: 58% 。
【0108】
【実施例3】
6-(4'- デシルオキシ -4- ビフェニルカルボニルオキシ )-1,2,3,4- テトラヒドロ -2- ナフタレンカルボン酸 (R)-1- トリフルオロメチル -4- ペンテニルエステル〔例示化合物( 20 )〕:
【0109】
【化26】
Figure 0003836173
【0110】
の合成
6-(4'-デシルオキシ-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4- テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸(合成法については特開平5-246952号公報、特開平6-25098 号公報などを参照されたし。) 2.07g (3.92mmol) 、実施例1の第4段階で得られた1-トリフルオロメチル-4- ペンテノール 1.19g (7.73mmol) 、DMAP52.3mg (0.43mmol)およびジクロロメタン 40ml の混合物に、DCC 890mg(4.32mmol) のジクロロメタン溶液20mlを、室温で1時間かけて滴下して6-(4'-デシルオキシ-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4- テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸と1-トリフルオロメチル-4- ペンテノールとをエステル化反応させた。この反応物を含む液を室温で1晩攪拌した後、この液から析出物をろ過して除去し、次いで溶媒を留去した。このようにして得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、無色の半固体2.07g (3.12mmol)を得た。
【0111】
この半固体のFD- マススペクトルの値はm/z=664 であった。
図1に、この化合物の1H-NMRスペクトルを示す。上記結果から、この化合物は目的とする6-(4'-デシルオキシ-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-4- ペンテニルエステル〔例示化合物(20)〕であると同定された。収率: 80% 。
【0112】
【実施例4】
実施例1〜3で得られた例示化合物(1)、(9)および(20)について相転移温度を測定した。
【0113】
結果を表2に示す。
【0114】
【表5】
Figure 0003836173
【0115】
上記表中Cry は、結晶を表し、 SmCA * は、キラルスメクチックC A 相を表し、SmC * は、キラルスメクチックC 相を表し、SmA は、キラルスメクチックA 相を表し、Iso は、等方性液体相を表し、昇温方向は、結晶状態から温度を上昇させがら測定された相転移温度であることを示し、降温方向は、等方性液体相から温度を降下させながら測定された相転移温度であることを示している。
【0116】
【実施例5】
上記例示化合物(1)および(20)、さらに比較のために下記化合物(A)および(B):
【0117】
【化27】
Figure 0003836173
【0118】
が充填された液晶セルを備えた液晶素子の電気光学的応答速度を次のようにして評価した。
一対のITO電極面にそれぞれラビング処理されたポリイミド膜を有する液晶セルのセルギャップ(約2μm)に、上記化合物をそれぞれ加熱しながら等方性液体相の状態で注入した。このようにして上記化合物がそれぞれ注入された液晶セルを、2枚の偏光板の間に、偏光板、液晶セルおよび偏光板の順序で光が透過するように配置した。なお、2枚の偏光板を、クロスニコル位に、すなわち、相互の偏光面が直交するように配置した。
【0119】
この状態で、液晶セルを40℃に徐冷し、同温度で液晶セルの電極間に30Vの矩形波を印加した。なお、上記化合物は、いずれも40℃で SmCA * 相を示し、液晶セルの電極間に30Vの電圧が印加されている状態では強誘電相を示し、液晶セルの電極間に電圧が印加されていない状態では反強誘電相を示した。
【0120】
偏光板、液晶セルおよび偏光板をこの順序で通過した光の量が、上記化合物が反強誘電相を示している場合に最小(透過率0%)となり、強誘電相を示している場合に最大(透過率100%)となるように、クロスニコル位に配置された2枚の偏光板に対する液晶セルの位置決めをして液晶素子を作成した。
【0121】
この液晶素子の出力光(上記透過率)が0%から90% になるまでの時間τr およびこの液晶素子の出力光が90% から0%になるまでの時間τd を測定した。結果を表3に示す。
【0122】
【表6】
Figure 0003836173
【0123】
上記表中、τr は、反強誘電相から強誘電相へのスイッチング時間に対応し、τd は、強誘電相から反強誘電相へのスイッチング時間に対応している。
【0124】
【実施例6】
上記化合物(A)と上記例示化合物(1)、(9)および(20)から選ばれる1種とを下記表4に示す重量比で配合した液晶組成物を液晶セルに注入し、液晶セルの温度を25℃とした以外は実施例5と同様にして液晶素子を作成し、液晶素子の電気光学的応答速度を評価した。
【0125】
さらに、液晶セル中の液晶組成物のチルト角を次のようにして測定した。直流電圧(±30V)を液晶素子中の液晶セルに印加し、プラス電圧、マイナス電圧印加時にそれぞれ液晶素子の出力光が最も暗くなるようにクロスニコル位に配置された2枚の偏光板に対して液晶セルを回転して位置決めした。この際、プラス電圧印加時に液晶セルを回転した角度θ1 、およびマイナス電圧印加時に液晶セルを回転した角度θ2 を測定し、次式によりチルト角θを求めた。
【0126】
θ=(θ1 −θ2 )/2
上記結果を表4に併記する。また、比較のために、上記液晶組成物に代えて上記化合物(A)を液晶セルに注入した以外は、上記と同様して液晶素子の電気光学的応答速度を評価し、液晶セル中の上記化合物(A)のチルト角θを測定した。
【0127】
結果を表4に併記する。
さらに、比較のために、上記化合物(A)と下記化合物(C):
【0128】
【化28】
Figure 0003836173
【0129】
とを下記表4に示す重量比で配合した液晶組成物を用いた以外は、上記と同様して液晶素子の電気光学的応答速度を評価し、液晶セル中の液晶組成物のチルト角θを測定した。
結果を表4に併記する。
【0130】
【表7】
Figure 0003836173
【0131】
上記表4の結果から明らかなように、本発明の例示化合物(1)および(9)をキラル部に不飽和結合を有しない公知の反強誘電性液晶化合物(ホスト液晶)の助剤として用いた場合、ホスト液晶のチルト角がほとんど低減することなく、ホスト液晶のみが電極間に充填された液晶セルを備えた液晶素子に比較して、液晶素子の電気光学的応答速度を高速化している。
【0132】
また、キラル部に不飽和結合を有する本発明の例示化合物(20)を公知のホスト液晶の助剤として用いた場合、ホスト液晶のみが電極間に充填された液晶セルを備えた液晶素子に比較して、液晶素子の電気光学的応答速度を高速化するが、対応する飽和結合種(C)を公知のホスト液晶の助剤として用いた場合には液晶素子の電気光学的応答速度が高速化されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明で得られた新規化合物である6-(4'-ウンデシル-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-4- ペンテニルエステルの1H-NMRスペクトルを示すグラフである。
【図2】 図2は、本発明で得られた新規化合物である6-(4'-ウンデシル-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-2- ペンチニルエステルの1H-NMRスペクトルを示すグラフである。
【図3】 図3は、本発明で得られた新規化合物である6-(4'-デシルオキシ-4- ビフェニルカルボニルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2- ナフタレンカルボン酸(R)-1-トリフルオロメチル-4- ペンテニルエステルの1H-NMRスペクトルを示すグラフである。[0001]
[Industrial application fields]
  The present invention relates to a novel tetralin compound, a production method thereof, a liquid crystal compound, a liquid crystal composition, and a liquid crystal element.
[0002]
TECHNICAL BACKGROUND OF THE INVENTION
  Conventionally, a liquid crystal display can be made thinner and lighter than a CRT, and can be driven at a low voltage. Furthermore, it is less irritating to the eyes of the observer, and eyes do not get tired even when observed for a long time. Therefore, it is used for the display part of calculators and watches. Recently, in the field of liquid crystal displays, display screens have become larger and display images have become more colored. For this reason, liquid crystal displays have come to be used for computer terminal displays, small portable televisions, and the like.
[0003]
  Current liquid crystal displays mainly utilize the electro-optic effect of nematic liquid crystals. However, conventionally, a liquid crystal display using the electro-optic effect of a nematic liquid crystal (hereinafter referred to as a nematic liquid crystal display) has a long electro-optic response time of several tens of ms, and further increases the display area and the number of pixels. It was difficult.
[0004]
  On the other hand, in recent years, nematic liquid crystal displays up to 10 inches class have been commercialized by adopting a TFT (Thin Film Transistor) system and an STN (Super Twisted Nematic) system.
[0005]
  However, both the nematic liquid crystal display using the TFT method and the nematic liquid crystal display using the STN method have a problem that the viewing angle at which a display image can be observed is narrow. Further, the nematic liquid crystal display adopting the TFT method has a problem in that the yield of display production is low, and thus the production cost of the display is high. In addition, the nematic liquid crystal display adopting the STN method has a problem that the electro-optic response speed of the nematic liquid crystal is low and the quality of the displayed image is inferior.
[0006]
  Ferroelectric liquid crystals (RB Meyer, L. Liebert, L. Strezelecki and P. Keller, F. Phys. (France)) 36 have been attracting attention in place of nematic liquid crystals with low electro-optical response speed. , L69 (1975)) or antiferroelectric liquid crystal (ADLChandani, T. Hagiwara, Y. Suzuki, Y. Ouchi, H. Takazoe and A. Fukuda, Jpn. J. Appl. Phys., 27, L729 (1988).) Smectic C indicating state*It is a liquid crystal. This smectic C*The liquid crystal has spontaneous polarization. For this reason, smectic C*When an electric field is formed in the liquid crystal, the electric field strength and smectic C*The product of the spontaneous polarization of the liquid crystal is the effective energy intensity for changing the alignment state of the liquid crystal. Smectic C with a cell gap of about several μm*A liquid crystal device having a liquid crystal cell filled with a liquid crystal material exhibiting a phase (surface-stabilized ferroelectric liquid crystal device: NA Clark and ST Lagerwall, Appl. Phys. Lett., 36, 899 (1980).) Smectic C in the cell*The liquid crystal exhibits two stable states in the ferroelectric liquid crystal state and three stable states in the anti-ferroelectric liquid crystal state, depending on the polarity and magnitude of the electric field. When these stable states are switched by changing the polarity and / or magnitude of the electric field, this switching time is very short, on the order of a few microseconds.
[0007]
  Here, when a color moving image is displayed in three colors (VGA) as in a color television, the writing time per scanning line is about 17 μs (screen switching: 30 times / second, number of scanning lines / screen = 640 lines). If) and short.
[0008]
  For this reason, when a color moving image is displayed with a liquid crystal element using the electro-optic effect of a nematic liquid crystal, the liquid crystal element needs to be driven with an active matrix (such as a TFT method) because the electro-optic response speed of the nematic liquid crystal is low. It was.
[0009]
  In contrast, smectic C*When a color moving image is displayed with a liquid crystal element utilizing the electro-optic effect of the liquid crystal, the switching time between stable states is as short as several microseconds as described above, so that the liquid crystal element can be driven with a simple matrix. Is possible. A liquid crystal element that can be driven by a simple matrix is suitable for mass production.
[0010]
  Further, the nematic liquid crystal display adopting the STN method has a problem that the viewing angle through which the display image can be observed is narrow because it displays electro-optically using the optical rotation of the nematic liquid crystal.
[0011]
  In contrast, smectic C*For liquid crystal displays, smectic C*Since the electro-optic display is performed using the birefringence of the liquid crystal, the viewing angle in which the display image can be observed is wide.
[0012]
  Smectic C like this*Liquid crystal element (Smectic C*Devices utilizing the electro-optical properties of liquid crystals have been attracting attention because they are particularly excellent as display elements for moving images.
[0013]
  However, smectic C*Among liquid crystal elements, ferroelectric liquid crystal elements (elements utilizing the electro-optical properties of ferroelectric liquid crystals) are difficult to align the ferroelectric liquid crystal at the time of element manufacture, and high contrast cannot be obtained. There was a problem. In addition, the ferroelectric liquid crystal element has a problem that the ferroelectric liquid crystal has a memory property, and therefore, an afterimage is likely to occur and it is difficult to improve the gradation.
[0014]
  Antiferroelectric liquid crystal elements are attracting attention because they can solve the problems of these ferroelectric liquid crystal elements. However, antiferroelectric liquid crystal material (CA *There are few types of materials that can exhibit phases, and in this field CA *Temperature range showing phase, CA *Development of an antiferroelectric liquid crystal material suitable for use in an antiferroelectric liquid crystal element comprehensively in terms of phase electrooptical response speed, electrooptical contrast, and the like is desired.
[0015]
  In particular, it is currently C at or near room temperature.A *Phase, CA *Antiferroelectric liquid crystal material, especially antiferroelectric liquid crystal with a wide temperature range showing a phase, fast electro-optic response speed, and tilt angle (tilt angle from the liquid crystal layer normal of the liquid crystal major axis) close to 45 ° Development of compounds is desired.
[0016]
  Also, antiferroelectric liquid crystal compounds (CA *Is a compound having an optically active group (chiral part) at the molecular end, but there are very few kinds of chiral parts in currently known antiferroelectric liquid crystal compounds.
[0017]
OBJECT OF THE INVENTION
  The present invention has been made to solve the above-mentioned problems of the prior art, and includes a novel tetralin compound having a chiral moiety and a method for producing the tetralin compound, at room temperature or near room temperature.A *Phase, CA *When the liquid crystal cell of the liquid crystal element has a wide temperature range and is filled in a liquid crystal cell, the liquid crystal element can operate at room temperature, and the liquid crystal element has a high electro-optic response speed and a large tilt angle. It is an object of the present invention to provide a liquid crystal composition and a liquid crystal element that can operate at room temperature and has excellent characteristics such as a high electro-optic response speed.
[0018]
SUMMARY OF THE INVENTION
  The tetralin compound according to the present invention isThe following formula II ]:
[0019]
[Chemical 7]
Figure 0003836173
[0020]
[formula〔 II ], R 1 Is an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms or alkoxy having 1 to 19 carbon atoms R and R Three Represents a group having an unsaturated bond having 2 to 20 carbon atomsIt is characterized by being expressed by
[0021]
  The method for producing a tetralin compound according to the present invention includes a carboxylic acid represented by the following formula [III]:
[0022]
[Chemical 8]
Figure 0003836173
[0023]
(formula〔 III ], R 1 Represents the same meaning as described above.And an optically active alcohol represented by the following formula [IV]:
    HO-C * H (CF Three ) R Three … [IV]
(Of the above, R Three Represents the same meaning as described above.) And an esterification reaction.
[0024]
  The ester reaction is preferably carried out in the presence of a solution of 4-N, N-dimethylaminopyridine and N, N′-dicyclohexylcarbodiimide, and is preferably carried out in a dichloromethane solvent. In addition,The above formula [ IV ]The optically active alcohol represented byThe following formula V ]Racemic alcohol represented by:
    HO-C * H (CF Three ) R Three ... [ V ]
(formula〔 V ], R Three Represents the same meaning as described above.) After acetylation, and then asymmetric hydrolysis reaction. Further, this asymmetric hydrolysis reaction is preferably performed in a buffer solution having a pH of 7.3 in the presence of lipase MY.
[0025]
  The liquid crystal compound according to the present invention is CA *It is characterized by exhibiting a phase and having an unsaturated bond in the chiral part. As such a liquid crystal compound,The above formula [ II ]The tetralin compound represented by these is mentioned.
[0026]
  The liquid crystal composition according to the present invention includes one kind or two or more kinds.The above formula [ II ]It contains the tetralin compound represented by these. The liquid crystal element according to the present invention is a liquid crystal element including a liquid crystal cell, and is characterized in that the liquid crystal compound or liquid crystal composition according to the present invention as described above is filled between electrodes inside the liquid crystal cell. Yes.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Tetralin compound
  First, the tetralin compound according to the present invention will be specifically described.
[0028]
  The novel tetralin compound according to the present invention isThe following formula II ]:
[0029]
[Chemical 9]
Figure 0003836173
[0030]
  It is represented by
  The above formula [ II 〕During,R1IsAn alkyl group having 1 to 20 carbon atoms or an alkoxy group having 1 to 19 carbon atoms..
[0031]
  RThreeIs a group having an unsaturated bond having 2 to 20 carbon atoms, such as a hydrocarbon group or a halogenated hydrocarbon group. RThreeSpecifically, as
[0032]
[Chemical Formula 10]
Figure 0003836173
[0033]
Etc. Of these, -CH = CHC2HFiveAnd -CH = CHCFourH9May be a cis isomer or a trans isomer.
  Tetralin compound represented by the following formula [I]:
R 1 -X-A 1 -YA 2 -CO 2 -C * H (R 2 ) R Three ... [I]
[In formula [I], R 1 Is (a) An alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, or (b) Having an alkylene chain having 2 to 19 carbon atoms, one or more of the alkylene chain -CH 2 - Group -O- Groups substituted with groups or halomethylene groups (but not -CH 2 - Group -O- In the alkylene chain when substituted with a group -O- The groups are not adjacent to each other) and X is -COO- , -OCO- , -CO- and -O- Represents a group or a single bond selected from 1 And A 2 Each independently
[0034]
Embedded image
Figure 0003836173
[0035]
A group selected from: A 1 And A 2 At least one of
[0036]
Embedded image
Figure 0003836173
[0037]
And Y is -COO- , -OCO , -CH 2 CH 2 - , -CH 2 O −, -OCH 2 - , -COCH 2 - And- CH 2 CO- R is a group selected from R 2 Is -CF Three Or -C 2 F Five And R Three Represents a group having an unsaturated bond having 2 to 20 carbon atoms].
[0038]
[Table 1]
Figure 0003836173
[0039]
[Table 2]
Figure 0003836173
[0040]
[Table 3]
Figure 0003836173
[0041]
[Table 4]
Figure 0003836173
[0042]
  Among the tetralin compounds represented by the above formula [I] shown in Table 1 above, examples described later include the following formula [II]:
[0043]
Embedded image
Figure 0003836173
[0044]
A tetralin compound represented by1Is an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms or an alkoxy group having 1 to 19 carbon atoms, especially an undecyl group or a decyloxy group, and RThreeIs a C2-C20 chain unsaturated hydrocarbon group, especially
[0045]
Embedded image
Figure 0003836173
[0046]
The tetralin compound which is is illustrated. In the present invention,The above formula [ II ]That a tetralin compound represented by FD-mass spectrum and1It is confirmed by H-NMR spectrum.
[0047]
  Method for producing tetralin compound
  The above formula [ II ]The tetralin compound represented byThe following formula III ]Carboxylic acid represented by:
[0048]
Embedded image
Figure 0003836173
[0049]
(formula〔 III ], R 1 Represents the same meaning as described above.), For example, 6- (4′-alkyl or alkoxy-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid;The following formula IV ]An optically active alcohol represented by:
    HO-C * H (CF Three ) R Three ... [ IV ]
(formula〔 IV ], R Three Represents the same meaning as described above.)
Can be obtained by esterification reaction.
[0050]
  This ester reaction is preferably performed in the presence of a solution of 4-N, N-dimethylaminopyridine and N, N′-dicyclohexylcarbodiimide, and is preferably performed in a dichloromethane solvent. More specifically,The above formula [ III ]A carboxylic acid represented by, for example, 6- (4′-alkyl or alkoxy-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid,The above formula [ IV ]By adding a dichloromethane solution of N, N′-dicyclohexylcarbodiimide dropwise to a solution obtained by dissolving optically active alcohol represented by 4-N, N-dimethylaminopyridine in dichloromethane.The above formula [ II ]For example, 6- (4′-alkyl or alkoxy-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid ester is obtained.
[0051]
  In addition,The above formula [ III ]And, for example, 6- (4′-alkyl or alkoxy-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid was synthesized according to a conventional method.The above formula [ III ]An ester of a carboxylic acid represented by, for example, 6- (4′-alkyl or alkoxy-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid benzyl ester It can be obtained by reduction in a hydrogen atmosphere in the presence.
[0052]
  Also,The above formula [ IV ]The optically active alcohol represented byThe following formula V ]Racemic alcohol represented by:
    HO-C * H (CF Three ) R Three ... [ V ]
(formula〔 V ], R Three Represents the same meaning as described above.) After acetylation, and then asymmetric hydrolysis reaction. Further, this asymmetric hydrolysis reaction is preferably performed in a buffer solution having a pH of 7.3 in the presence of lipase MY.
[0053]
  for reference,The above formula [ II ]An example of a synthesis reaction scheme of 6- (4′-alkyl or alkoxy-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid ester included in the tetralin compound represented by Shown below.
[0054]
Embedded image
Figure 0003836173
[0055]
  Liquid crystal compound
  The liquid crystal compound according to the present invention is CA *It exhibits a phase and has an unsaturated bond in the chiral part.
[0056]
  The chiral moiety of the liquid crystal compound according to the present invention includes the following formula [VI]:
    -C*H (R2) RThree… [VI]
The group etc. which are shown are mentioned.
[0057]
  Where R2-CFThreeOr -C2FFiveAnd RThreeIs a group having an unsaturated bond having 2 to 20 carbon atoms, such as a hydrocarbon group or a halogenated hydrocarbon group. RThreeIs preferably a chain unsaturated hydrocarbon group or a chain unsaturated halogenated hydrocarbon group, specifically,
[0058]
Embedded image
Figure 0003836173
[0059]
Etc.
  Of these, -CH = CHC2HFiveAnd -CH = CHCFourH9May be a cis isomer or a trans isomer.
[0060]
  Above all, RThreeAs
[0061]
Embedded image
Figure 0003836173
[0062]
Is preferred.
  In addition, as a liquid crystal compound having a chiral part represented by the above formula [VI],The above formula [ II ]The tetralin compound etc. which are represented by these are mentioned.
[0063]
  The above formula [ II ]When a tetralin compound represented by the formula is used as a liquid crystal compound, R1As an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, particularly an undecyl group or an alkoxy group having 1 to 19 carbon atoms, particularly a decyloxy groupIs preferred.
[0064]
  The liquid crystal compound according to the present invention isCompared with conventional antiferroelectric liquid crystal compounds that do not have an unsaturated bond at the chiral site, the electro-optical response speed of a liquid crystal device having a liquid crystal cell in which the liquid crystal compound is filled between electrodes is increased. Can do.
[0065]
  In particular, the liquid crystal compound according to the present invention isThe above formula [ II ]When the liquid crystal compound is a tetralin compound represented byA *Phase, CA *There is a feature that the temperature range showing the phase is wide.
[0066]
  When the liquid crystal compound according to the present invention is used by being filled in a liquid crystal cell, the liquid crystal compound according to the present invention may be used alone, or may be used by mixing with known liquid crystal compounds and additives.
[0067]
  Liquid crystal composition
  Next, the liquid crystal composition according to the present invention will be described. The liquid crystal composition according to the present invention includes one kind or two or more kinds.The above formula [ II ]The tetralin compound represented by these is contained.
[0068]
  the above〔 II ]As a tetralin compound represented by R,ThreeIs a chain unsaturated hydrocarbon group or a chain unsaturated halogenated hydrocarbon group, in particular
[0069]
Embedded image
Figure 0003836173
[0070]
A group selected from
[0071]
Embedded image
Figure 0003836173
[0072]
It is preferable that
  R1As an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, particularly an undecyl group, or an alkoxy group having 1 to 19 carbon atoms, particularly a decyloxy group.Is preferred.
[0073]
  the above〔 II Represented byWhen the tetralin compound is composed of a preferable group as described above, the liquid crystal composition containing this tetralin compound is C at room temperature or near room temperature.A *Phase, CA *A wide temperature range showing the phase, and by filling the liquid crystal cell of the liquid crystal element, the electro-optic response speedButThis is particularly preferable for providing a fast liquid crystal element.
[0074]
  The liquid crystal composition according to the present invention comprises two or more kindsThe above formula [ II ]May be comprised only with the mixture of the tetralin compound represented by other liquid crystal compounds, and may be comprised with the 1 or more types of well-known additive.
[0075]
  As other liquid crystal compounds used in the liquid crystal composition according to the present invention,
[0076]
Embedded image
Figure 0003836173
[0077]
Embedded image
Figure 0003836173
[0078]
Embedded image
Figure 0003836173
[0079]
Known antiferroelectric compounds (CA *Compound capable of exhibiting a phase). When the other liquid crystal compound is a known antiferroelectric compound, this antiferroelectric compound andThe above formula [ II ]By mixing with a tetralin compound represented by the formula, this antiferroelectric liquid crystal compound exhibits CA *The lower limit temperature of the phase exceeds room temperature, and this CA *Even if the temperature range of the phase is narrow, CA *Phase, CA *When the liquid crystal cell of the liquid crystal element is used in a wide temperature range exhibiting a phase, the electro-optical response speed of the liquid crystal element can be increased, and a liquid crystal composition having a large tilt angle can be provided.
[0080]
  The liquid crystal composition according to the present inventionThe above formula [ II ]The amount of the tetralin compound is 1 to 99 parts by weight, preferably 5 to 50 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the liquid crystal composition. It is desirable to be. That is,The above formula [ II ]The tetralin compound represented by is used as a main component or an auxiliary agent of the liquid crystal composition depending on the type of the other liquid crystal compound.
[0081]
  In particular,The above formula [ II ]When the tetralin compound represented by the formula is used as an auxiliary of a known antiferroelectric compound exhibiting a large tilt angle in the liquid crystal cell of the liquid crystal element, the liquid crystal cell of the liquid crystal element is hardly reduced. A liquid crystal composition that can increase the electro-optic response speed of the liquid crystal element when used in a filled state can be provided.
[0082]
  The liquid crystal composition according to the present invention contains a known additive such as a conductivity-imparting agent and a lifetime improver in an amount that does not impair the antiferroelectric property of the liquid crystal composition, if necessary. Also good.
[0083]
  Liquid crystal element
  The liquid crystal element according to the present invention is a liquid crystal element provided with a liquid crystal cell, and the liquid crystal compound or liquid crystal composition according to the present invention as described above is filled between electrodes inside the liquid crystal cell.
[0084]
  The liquid crystal cell used in the liquid crystal element according to the present invention includes a pair of substrates with electrodes, and the liquid crystal compound or liquid crystal composition according to the present invention as described above is filled between the electrodes of the substrate with electrodes.
[0085]
  One of the pair of substrates with electrodes is transparent, and the other may be transparent or opaque. When one of the substrates with electrodes is opaque, the liquid crystal element provided with the liquid crystal cell can be used as a reflective liquid crystal element for a liquid crystal display element or the like. On the other hand, when both the substrates with electrodes are transparent, the liquid crystal element provided with the liquid crystal cell can be used as an optical switching element, an optical modulation element or the like as a transmissive liquid crystal element.
[0086]
  In addition, an alignment film may be provided on at least one electrode surface of the pair of substrates with electrodes. The alignment film means a layer that aligns the liquid crystal compound or the liquid crystal composition according to the present invention in contact with the liquid crystal cell in a predetermined direction. For example, a polyimide film is formed on an electrode of a substrate with an electrode, This polyimide film is obtained by rubbing the expression of the polyimide film in a predetermined direction.
[0087]
  Further, in the liquid crystal cell, a spacer is interposed between the electrodes in order to keep the distance between the electrodes inside the liquid crystal cell constant. As this spacer, a film having a constant film thickness, spherical particles having a uniform particle diameter, fiber pieces having a uniform thickness, or the like is used. When a film having a certain film thickness is used as the spacer, this spacer is usually interposed between the peripheral edges of the electrodes inside the liquid crystal cell, and spherical particles having a uniform particle diameter or fiber pieces having a uniform thickness as the spacer. When these are used, these spacers are used by mixing with the liquid crystal compound or liquid crystal composition according to the present invention.
[0088]
  In addition, when the substrate of the liquid crystal cell contains impurities such as alkali metals, the electrodes are attached so that these impurities do not inhibit the liquid crystal compound or liquid crystal composition according to the present invention through the electrodes or electrodes of the substrate with electrodes. An alkali passivation film or the like may be provided between the substrate and the electrode of the substrate.
[0089]
  In the liquid crystal element according to the present invention, the liquid crystal compound or the liquid crystal composition according to the present invention filled in the liquid crystal cell is C.A *When a voltage is applied between the electrodes of the liquid crystal cell while maintaining the phase, C depends on the polarity and magnitude of the voltage.A *From one of the three stable states of the phase, for example, from the ferroelectric state on the positive voltage side to another stable state, for example, the anti-dielectric state, CA *The alignment state of the phase changes, and the polarization direction of light incident on the liquid crystal cell in the liquid crystal cell changes with the change of the alignment state.
[0090]
  When display, light switching, or light modulation is performed using such a change in the polarization direction of light, in the liquid crystal element according to the present invention, polarization control such as a polarizing plate, a polarizing beam splitter, and a quarter-wave plate is usually performed. And the liquid crystal element according to the present invention is a reflective liquid crystal element, the polarization control means is provided between the observer and the liquid crystal cell, and the liquid crystal element according to the present invention is a transmissive liquid crystal element. In some cases, the polarization control means, the liquid crystal cell, and the polarization control means are arranged in a paranicol position or a crossed Nicols position so that incident light is transmitted, and the maximum contrast is obtained when the polarization direction of the light changes. The two polarization control means and the liquid crystal cell are positioned so as to obtain the above. However, if the incident light has only a specific polarization component, for example, a vertical polarization component or a horizontal deflection component, the polarization control means on the light incident side can be omitted, and the observer puts the polarized glasses on and outputs the output light from the liquid crystal element. In the case of observation, the polarization control means on the light incident / incident side other than the polarizing glasses can be omitted.
[0091]
  As described above, the liquid crystal element according to the present invention includes a liquid crystal cell, and the liquid crystal compound or liquid crystal composition according to the present invention as described above is filled between the electrodes inside the liquid crystal cell. Various modifications are possible depending on the application.
[0092]
  The liquid crystal element according to the present invention includes a liquid crystal cell, and is filled with the liquid crystal compound or liquid crystal composition according to the present invention as described above between the electrodes inside the liquid crystal cell. It has excellent characteristics.
[0093]
【The invention's effect】
  According to the present invention, a novel tetralin compound is provided. This tetralin compound is used as a component of a liquid crystal compound or a liquid crystal composition.
[0094]
  The liquid crystal compound of the present invention is CA *Compared with conventional antiferroelectric liquid crystal compounds that exhibit a phase and have an unsaturated bond in the chiral moiety and do not have an unsaturated bond at the chiral site, the liquid crystal compound is filled between electrodes. The electro-optical response speed of the liquid crystal element including the cell can be increased.
[0095]
  Since the liquid crystal composition of the present invention contains the tetralin compound according to the present invention, the liquid crystal composition is C at room temperature or near room temperature.A *Phase, CA *When the liquid crystal cell of the liquid crystal element is used in a wide temperature range exhibiting a phase, the liquid crystal composition can increase the electro-optical response speed of the liquid crystal element.
[0096]
  In particular, when an antiferroelectric compound showing a large tilt angle in a liquid crystal cell is used as a component of the liquid crystal composition in a liquid crystal cell together with the tetralin compound according to the present invention, the tilt angle is almost reduced. Therefore, the electro-optical response speed of the liquid crystal element can be increased as compared with the case where only this antiferroelectric compound is used in the liquid crystal cell.
[0097]
  The liquid crystal device of the present invention has a high electro-optical response speed. In particular, when the tetralin compound according to the present invention is filled in the liquid crystal cell of the liquid crystal device as the liquid crystal compound, or the liquid crystal composition of the present invention is used in the liquid crystal cell of the liquid crystal device. When it is filled, a high-quality display device that can operate at room temperature and has high electro-optical contrast can be provided.
[0098]
  Furthermore, since the liquid crystal element of the present invention has a high electro-optic response speed, it can be used as a high-speed light switching element or a high-speed light modulation element.
[0099]
【Example】
  EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples. In addition, R and S described in the following compounds are symbols indicating different optical rotations.
[0100]
[Example 1]
6- (4'- Undecyl -Four- Biphenylcarbonyloxy ) -1,2,3,4- Tetrahydro -2- Naphthalenecarboxylic acid (R) -1- Trifluoromethyl -Four- Pentenyl ester [Exemplary Compound (1)]:
[0101]
Embedded image
Figure 0003836173
[0102]
Synthesis of
1st stage
  A flask is charged with 42.6 g (300 mmol) of trifluoroacetic acid ester and 300 ml of dehydrated diethyl ether (hereinafter referred to as ether) under a nitrogen atmosphere, cooled to −50 ° C. in a dry ice-acetone bath, and stirred at the same temperature. Then, an ether solution of 3-butenylmagnesium bromide [Mg 5.36 g (221 mmol), 1-bromo-3-butene 28.3 g (210 mmol), dehydrated ether 100 ml] was added dropwise over 2 hours for reaction. After completion of the dropwise addition, the resulting reaction solution was stirred at the same temperature for 30 minutes, and the temperature was naturally raised to −20 ° C. Next, the reaction solution was stirred at the same temperature for 1 hour, and then added to 340 ml of an ice-cooled 10% aqueous hydrochloric acid solution. Ether is added to the resulting mixture to separate it into an aqueous phase and an organic phase, and then the organic phase is dried over sodium sulfate overnight, and then the solvent is distilled off to remove trifluoromethyl-3-butenyl ketone (product). ) Since the solvent (ether) could not be completely separated in this step, the next step was carried out with the solvent mixed with the product in a ratio of about 1: 1 (about 150 ml). The production ratio was determined by NMR.
1H-NMR (CDCLThree, δ, ppm) 5.89-5.72 (m, 1H), 5.15-5.02 (m, 2H), 2.83 (t, J = 7Hz, 1H), 2.42 (td, J = 7Hz, 1H).
  Second stage
  In a flask, LiAlHFour 12.2 g (321 mmol) and 100 ml of ether were added, and the mixture of trifluoromethyl-3-butenyl ketone and ether obtained in the first stage was added dropwise over 2 hours while cooling with ice, and then stirred overnight at room temperature. Then, hydrolysis reaction of trifluoromethyl-3-butenyl ketone was performed. Concentrated hydrochloric acid was added to the reaction solution until the insoluble matter was completely dissolved, and then ether was added to separate the aqueous phase and the organic phase. The obtained organic phase was dried with sodium sulfate overnight, and then the solvent was distilled off to obtain 1-trifluoromethyl-4-pentenol (product). Since the product and the solvent (ether) could not be completely separated in this step, the process proceeded to the next step with the product mixed with the solvent.
1H-NMR (CDCLThree, δ, ppm) 5.90-5.74 (m, 1H), 5.15-5.02 (m, 2H), 4.02-3.88 (m, 1H), 2.42-2.12 (m, 2H), 1.90-1.65 (m, 1H).
  Third stage
  Put 1-trifluoromethyl-4-pentenol obtained in the second stage, 30.1 g (384 mmol) of acetyl chloride and 200 ml of dichloromethane in a flask, and add 40 ml (495 mmol) of pyridine dropwise over 1 hour while cooling with ice. And reacted. The resulting reaction solution was stirred overnight at room temperature and then added to 300 ml of 10% aqueous hydrochloric acid. After ether was added to the obtained mixed liquid to separate into an aqueous phase and an organic phase, the organic phase was dried overnight over sodium sulfate, and then the solvent was distilled off. The resulting concentrate was purified using column chromatography to obtain 23 g (120 mmol) of acetic acid 1-trifluoromethyl-4-pentenyl ester.
1H-NMR (CDCLThree, δ, ppm) 5.68-5.87 (m, 1H), 5.39-5.25 (m, 1H), 5.10-5.01 (m, 2H), 2.23-2.01 (m, 2H), 1.94-1.78 (m, 1H).
  4th stage
  A flask equipped with a stirrer was charged with 17.4 g of lipase MY (Nagoya Sangyo) and 600 ml of buffer solution (pH 7.3), and stirred at 40 ° C. for 30 minutes. Next, 23 g (120 mmol) of 1-trifluoromethyl-4-pentenyl ester obtained in the third stage was added to the flask, and 1-trifluoromethyl-4-pentenyl ester was reacted while stirring at the same temperature for 3.3 hours. I let you. This reaction was followed by gas chromatography. As a result, 34% of 1-trifluoromethyl-4-pentenyl ester was hydrolyzed. At this stage, 400 ml of ether was added to stop the reaction, and the aqueous phase and the organic phase were separated. The reaction product was extracted from the aqueous phase with ether, and then the solvent was distilled off from the reaction product. The obtained concentrate was subjected to column chromatography (developing solution; CH2Cl2→ CH2Cl2/ Et29.5 g (62 mmol) of 1-trifluoromethyl-4-pentenol (product) was obtained by purification with O = 10/1) (chemical purity by gas chromatography 50%, yield 26% (optical purity) 99% or more) Since the product and the solvent (ether) could not be completely separated in this step, the process proceeded to the next step with the product and the solvent mixed. The purity of was determined by the ratio of diastereomers obtained by aerating the alcohol with R-(+)-methoxy (trifluoromethyl) phenylacetic acid (MTPA), which was determined by capillary gas chromatography (DB-1 In addition, the diastereomer was obtained by the above-mentioned alcohol 22.4 mg, MTPA 53.1MG (0.227 mmol), N, N′-dicyclohexylcarbodiimide (DCC) 56.9 mg (0.276 mmol), 4-NN-dimethylaminopyridine. (DMAP) 1.6mg ( 0.013 mmol) in 2 ml dichloromethane was obtained by stirring for 1 hour at room temperature, when the racemic alcohol and MTPA were reacted under these conditions, the ratio of diastereomers was approximately 50:50.
1H-NMR (CDCLThree, δ, ppm) 5.90-5.74 (m, 1H), 5.15-5.02 (m, 2H), 4.02-3.88 (m, 21), 2.42-2.12 (m, 2H), 1.90-1.65 (m, 2H).
  5th stage
  6- (4′-undecyl-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalene carboxylic acid (for the synthesis method, Japanese Patent Laid-Open Nos. 5-26952 and 6-25098) Etc.) In a mixture of 378 mg (0.719 mmol), 1-trifluoromethyl-4-pentenol 219 mg (1.42 mmol), DMAP 9.0 mg (0.074 mmol) and dichloromethane 15 ml obtained in step 4. , DCC 180 mg (0.0874 mmol) in dichloromethane (5 ml) was added dropwise at room temperature over 1 hour, and 6- (4′-undecyl-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalene was added. Carboxylic acid and 1-trifluoromethyl-4-pentenol were esterified. After the liquid containing this reaction product was stirred at room temperature overnight, the precipitate was removed by filtration from this liquid, and then the solvent was distilled off. The concentrate thus obtained was purified using column chromatography to obtain 340 mg of a colorless semi-solid.
[0103]
  The value of the FD-mass spectrum of this semi-solid was m / z = 662. Figure 1 shows this compound.11 shows an H-NMR spectrum. From the above results, this compound is the target 6- (4′-undecyl-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid (R) -1-trifluoromethyl- It was identified as 4-pentenyl ester [Exemplary Compound (1)]. Yield: 71%.
[0104]
[Example 2]
6- (4'- Undecyl -Four- Biphenylcarbonyloxy ) -1,2,3,4- Tetrahydro -2- Naphthalenecarboxylic acid (R) -1- Trifluoromethyl -2- Pentinyl ester [Exemplary Compound (9)]:
[0105]
Embedded image
Figure 0003836173
[0106]
Synthesis of
  1st stage
  To the flask, 270 ml of tetrahydrofuran (THF) was placed under an argon atmosphere, cooled to −78 ° C., and stirred at the same temperature, 19 g (350 mmol) of 1-butyne was blown in over 1 hour, followed by n-butyl. 120 ml of lithium in hexane (1.66M) was added dropwise at the same temperature over 45 minutes. After completion of the dropwise addition, the mixture was continuously stirred at the same temperature for 2 hours. Next, a solution of 25.6 g (180 ml) of ethyl trifluoroacetate dissolved in 20 ml of THF was added dropwise at the same temperature over 30 minutes. Immediately after the addition, 27.0 ml (213 mmol) of boron trifluoride diethyl ether complex was added dropwise to the mixture over 15 minutes, and the mixture was further stirred at the same temperature for 2 hours. After the temperature of the mixed solution was adjusted to -25 ° C., 30 ml of a saturated aqueous ammonium chloride solution was added little by little to the mixed solution to separate into an aqueous phase and an organic phase. The obtained organic phase was dried over magnesium sulfate, filtered, and purified by distillation (98 ° C./229 mmHg) to obtain 4.2 g of trifluoromethyl-1-butynyl ketone. Yield: 16%.
1H-NMR (CDCLThree, δ, ppm) 2.62 (q, J = 7.2Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.2Hz, 3H).
  Second stage
  The liquid substance obtained in the process immediately before the first stage of distillation purification was added dropwise to a mixture of sodium borohydride 6.8 g (180 mmol) and ethanol 100 ml in an argon atmosphere over 30 minutes at 0 ° C. with stirring. did. After completion of the dropwise addition, the resulting mixture was stirred at room temperature for 2 hours. Next, the mixture was neutralized by adding a 10% aqueous hydrochloric acid solution, and then 100 ml of ether was added to separate the aqueous phase and the organic phase. The obtained organic phase was dried over magnesium sulfate, filtered, and purified by distillation (72 ° C./200 mmHg) to obtain 1-trifluoromethyl-2-pentyn-1-ol. Yield: 62%.
1H-NMR (CDCLThree, δ, ppm) 4.84-4.44 (m, 1H), 2.80 (d, J = 8.0Hz, 1H), 2.36 (dq, J = 2.4Hz, 7.2Hz, 2H), 1.20 (t, J = 7.2Hz, 3H).
  Third stage
  Under an argon atmosphere, put 9.0 g (59 mmol) of 1-trifluoromethyl-2-pentyn-1-ol obtained in the second stage, 5.1 g (65 mmol) of pyridine, and 15 ml of dichloromethane, and stir at 0 ° C. Then, 5.2 g (65 mmol) of acetyl chloride was added dropwise over 30 minutes to react. After completion of the dropwise addition, the resulting reaction solution was stirred at room temperature for 2 hours and then poured into 50 ml of water, and 100 ml of ether was added to separate into an aqueous phase and an organic phase. The obtained organic phase was dried over magnesium sulfate, filtered, and purified by distillation (85 ° C./200 mmHg) to obtain 6.2 g of acetic acid 1-trifluoromethyl-2-pentynyl ester.
1H-NMR (CDCLThree, δ, ppm) 6.16-5.81 (m, 1H), 2.36 (dq, J = 2.4Hz, 7.2Hz, 2H), 2.32 (s, 3H), 1.28 (t, J = 7.2Hz, 3H).
  4th stage
  The flask was charged with 5.74 g of lipase MY (name sugar industry) and 200 ml of buffer solution (pH 7.3), and stirred at 40 ° C. for 1 hour. Next, 5.80 g (29.2 mmol) of 1-trifluoromethyl-2-pentynyl ester obtained in the third stage was added to the flask, and 1-trifluoromethyl-2-pentyl ester was stirred at the same temperature for 2 hours. The nyl ester was reacted. This reaction was followed by gas chromatography. As a result, 27% of 1-trifluoromethyl-2-pentynyl ester was hydrolyzed. At this stage, 600 ml of ether was added to stop the reaction, and the aqueous phase and the organic phase were separated. The reaction product was extracted from the aqueous phase with ether, and then the solvent was distilled off from the reaction product. The obtained concentrate was subjected to column chromatography (developing solution; CH2Cl2→ CH2Cl2/ Et2By purification with O = 10/1), 1.73 g (11.4 mmol) of 1-trifluoromethyl-2-pentyn-1-ol was obtained. Yield 19% (optical purity 80%). The purity of the alcohol was determined by the ratio of the diastereomers obtained by aerating the alcohol with MTPA in the same manner as in the fourth step of Example 1.
1H-NMR (CDCLThree, δ, ppm) 4.84-4.44 (m, 1H), 2.80 (d, J = 8.0Hz, 1H), 2.32 (dq, J = 2.4Hz, 7.2Hz, 2H), 1.20 (t, J = 7.2Hz, 3H).
  5th stage
  530 mg (1.0 mmol) of 6- (4′-undecyl-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid, 1-trifluoromethyl-2 obtained in the fourth stage -To a mixture of 200 mg (1.3 mmol) of pentyn-1-ol, 12 mg (0.1 mmol) of DMAP and 10 ml of dichloromethane, 5 ml of a dichloromethane solution of 250 mg (1.2 mmol) of DCC was added dropwise at room temperature over 1 hour. '-Undecyl-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid was esterified with 1-trifluoromethyl-2-pentyn-1-ol. After the liquid containing this reaction product was stirred at room temperature overnight, the precipitate was removed by filtration from this liquid, and then the solvent was distilled off. The concentrate thus obtained was purified using column chromatography to obtain 384 mg of a colorless semi-solid.
[0107]
  The value of the FD-mass spectrum of this semi-solid was m / z = 660.
  Figure 1 shows this compound.11 shows an H-NMR spectrum. From the above results, this compound is the target 6- (4′-undecyl-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid (R) -1-trifluoromethyl- It was identified as 2-pentynyl ester [Exemplary Compound (9)]. Yield: 58%.
[0108]
[Example 3]
6- (4'- Decyloxy -Four- Biphenylcarbonyloxy ) -1,2,3,4- Tetrahydro -2- Naphthalenecarboxylic acid (R) -1- Trifluoromethyl -Four- Pentenyl ester [Exemplary compound ( 20 ]]:
[0109]
Embedded image
Figure 0003836173
[0110]
Synthesis of
  6- (4'-decyloxy-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalene carboxylic acid (for the synthesis method, see Japanese Patent Laid-Open Nos. 5-26952 and 6-25098) 2.07 g (3.92 mmol), 1-trifluoromethyl-4-pentenol 1.19 g (7.73 mmol) obtained in the fourth stage of Example 1, DMAP 52.3 mg (0.43 mmol) 20 ml of a solution of 890 mg (4.32 mmol) of DCC in dichloromethane was added dropwise to the mixture of 40 ml of dichloromethane and 1 ml at room temperature over 1 hour, and 6- (4′-decyloxy-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4 -Tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid and 1-trifluoromethyl-4-pentenol were esterified. After the liquid containing this reaction product was stirred at room temperature overnight, the precipitate was removed by filtration from this liquid, and then the solvent was distilled off. The concentrate thus obtained was purified using column chromatography to obtain 2.07 g (3.12 mmol) of a colorless semi-solid.
[0111]
  The value of the FD-mass spectrum of this semi-solid was m / z = 664.
  Figure 1 shows this compound.11 shows an H-NMR spectrum. From the above results, this compound is the target 6- (4′-decyloxy-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid (R) -1-trifluoromethyl- It was identified to be 4-pentenyl ester [Exemplary Compound (20)]. Yield: 80%.
[0112]
[Example 4]
  The phase transition temperatures of the exemplary compounds (1), (9) and (20) obtained in Examples 1 to 3 were measured.
[0113]
  The results are shown in Table 2.
[0114]
[Table 5]
Figure 0003836173
[0115]
  In the above table, Cry represents a crystal, SmCA *Chiral Smectic CARepresents the phase, SmC*Represents a chiral smectic C phase, SmA represents a chiral smectic A phase, Iso represents an isotropic liquid phase, and the temperature rising direction is the phase transition temperature measured while raising the temperature from the crystalline state. It is shown that the temperature decreasing direction is the phase transition temperature measured while lowering the temperature from the isotropic liquid phase.
[0116]
[Example 5]
  The exemplified compounds (1) and (20), and the following compounds (A) and (B) for further comparison:
[0117]
Embedded image
Figure 0003836173
[0118]
The electro-optical response speed of the liquid crystal element including the liquid crystal cell filled with was evaluated as follows.
  The above compound was injected in an isotropic liquid phase state into a cell gap (about 2 μm) of a liquid crystal cell having a polyimide film that was rubbed on each of a pair of ITO electrode surfaces while heating. In this way, the liquid crystal cell into which each of the above compounds was injected was disposed between two polarizing plates so that light was transmitted in the order of the polarizing plate, the liquid crystal cell, and the polarizing plate. Note that the two polarizing plates were arranged in a crossed Nicols position, that is, so that their polarization planes were orthogonal to each other.
[0119]
  In this state, the liquid crystal cell was gradually cooled to 40 ° C., and a rectangular wave of 30 V was applied between the electrodes of the liquid crystal cell at the same temperature. All of the above compounds are SmC at 40 ° C.A *When the voltage of 30 V was applied between the electrodes of the liquid crystal cell, the ferroelectric phase was exhibited. When the voltage was not applied between the electrodes of the liquid crystal cell, the antiferroelectric phase was exhibited.
[0120]
  The amount of light that has passed through the polarizing plate, the liquid crystal cell, and the polarizing plate in this order is minimum when the compound exhibits an antiferroelectric phase (transmittance of 0%), and when the compound exhibits a ferroelectric phase. A liquid crystal cell was prepared by positioning the liquid crystal cell with respect to two polarizing plates arranged in a crossed Nicols position so that the maximum (transmittance 100%) was obtained.
[0121]
  The time τr until the output light (the above transmittance) of the liquid crystal element was changed from 0% to 90% and the time τd until the output light of the liquid crystal element was changed from 90% to 0% were measured. The results are shown in Table 3.
[0122]
[Table 6]
Figure 0003836173
[0123]
  In the above table, τr corresponds to the switching time from the antiferroelectric phase to the ferroelectric phase, and τd corresponds to the switching time from the ferroelectric phase to the antiferroelectric phase.
[0124]
[Example 6]
A liquid crystal composition in which the compound (A) and one of the exemplary compounds (1), (9), and (20) are blended at a weight ratio shown in Table 4 below is injected into the liquid crystal cell, and the liquid crystal cell A liquid crystal device was prepared in the same manner as in Example 5 except that the temperature was 25 ° C., and the electro-optical response speed of the liquid crystal device was evaluated.
[0125]
  Furthermore, the tilt angle of the liquid crystal composition in the liquid crystal cell was measured as follows. A DC voltage (± 30V) is applied to the liquid crystal cell in the liquid crystal element, and the two polarizing plates arranged in a crossed Nicols position so that the output light of the liquid crystal element becomes the darkest when a positive voltage and a negative voltage are applied. The liquid crystal cell was rotated and positioned. At this time, the angle θ by which the liquid crystal cell is rotated when a plus voltage is applied1, And the angle θ at which the liquid crystal cell is rotated when a negative voltage is applied2And the tilt angle θ was determined by the following equation.
[0126]
    θ = (θ1−θ2) / 2
  The results are also shown in Table 4. For comparison, the electro-optical response speed of the liquid crystal element was evaluated in the same manner as described above except that the compound (A) was injected into the liquid crystal cell instead of the liquid crystal composition. The tilt angle θ of the compound (A) was measured.
[0127]
  The results are also shown in Table 4.
  Further, for comparison, the above compound (A) and the following compound (C):
[0128]
Embedded image
Figure 0003836173
[0129]
In the same manner as described above, the electro-optic response speed of the liquid crystal element was evaluated, and the tilt angle θ of the liquid crystal composition in the liquid crystal cell was determined. It was measured.
The results are also shown in Table 4.
[0130]
[Table 7]
Figure 0003836173
[0131]
  As is clear from the results in Table 4 above, the exemplified compounds (1) and (9) of the present invention are used as an auxiliary for a known antiferroelectric liquid crystal compound (host liquid crystal) having no unsaturated bond in the chiral part. In this case, the tilt angle of the host liquid crystal is hardly reduced, and the electro-optical response speed of the liquid crystal element is increased compared to a liquid crystal element having a liquid crystal cell in which only the host liquid crystal is filled between the electrodes. .
[0132]
  In addition, when the exemplified compound (20) of the present invention having an unsaturated bond in the chiral part is used as an auxiliary for a known host liquid crystal, it is compared with a liquid crystal device having a liquid crystal cell in which only the host liquid crystal is filled between electrodes. In this case, the electro-optical response speed of the liquid crystal element is increased. However, when the corresponding saturated bond type (C) is used as an auxiliary for a known host liquid crystal, the electro-optical response speed of the liquid crystal element is increased Not.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 shows a novel compound obtained in the present invention, 6- (4′-undecyl-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid (R ) -1-Trifluoromethyl-4-pentenyl ester1It is a graph which shows a H-NMR spectrum.
FIG. 2 shows a novel compound obtained in the present invention, 6- (4′-undecyl-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid (R ) -1-Trifluoromethyl-2-pentynyl ester1It is a graph which shows a H-NMR spectrum.
FIG. 3 shows a novel compound obtained by the present invention, 6- (4′-decyloxy-4-biphenylcarbonyloxy) -1,2,3,4-tetrahydro-2-naphthalenecarboxylic acid (R ) -1-Trifluoromethyl-4-pentenyl ester1It is a graph which shows a H-NMR spectrum.

Claims (11)

次式〔II〕で表されるテトラリン化合物:
Figure 0003836173
〔式〔II〕中、R1 は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜19のアルコキシ基であり、 3 は、
Figure 0003836173
を表す〕。
Tetralin compound represented by the following formula [II]:
Figure 0003836173
[In the formula [II], R 1 is an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms or an alkoxy group having 1 to 19 carbon atoms, and R 3 is
Figure 0003836173
Represents ).
1 が、ウンデシル基またはデシルオキシ基である請求項1に記載のテトラリン化合物。The tetralin compound according to claim 1, wherein R 1 is an undecyl group or a decyloxy group. 次式〔III〕で表されるカルボン酸:
Figure 0003836173
と、次式〔IV〕で表される光学活性アルコール:
HO−C* H(CF3 )R3 …〔IV〕
(上記式中、R1 およびR3 は上記と同様の意味を表す。)
とのエステル化反応を行うことを特徴とする上記式〔II〕で表されるテトラリン化合物の製造方法。
Carboxylic acid represented by the following formula [III]:
Figure 0003836173
And an optically active alcohol represented by the following formula [IV]:
HO-C * H (CF 3 ) R 3 [IV]
(In the above formula, R 1 and R 3 represent the same meaning as described above.)
A method for producing a tetralin compound represented by the above formula [II], wherein an esterification reaction is carried out.
前記エステル化反応を4−N,N−ジメチルアミノピリジンおよびN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で行うことを特徴とする請求項3に記載のテトラリン化合物の製造方法。The method for producing a tetralin compound according to claim 3 , wherein the esterification reaction is carried out in the presence of 4-N, N-dimethylaminopyridine and N, N'-dicyclohexylcarbodiimide. 前記エステル化反応をジクロロメタン溶媒中で行うことを特徴とする請求項3または4に記載のテトラリン化合物の製造方法。The method for producing a tetralin compound according to claim 3 or 4 , wherein the esterification reaction is carried out in a dichloromethane solvent. 次式〔V〕で表されるラセミアルコール:
HO−C* H(CF3 )R3 …〔V〕
(式〔V〕中、R2 およびR3 は上記と同様の意味を表す。)
をアセチル化した後、不斉加水分解反応を行って上記式〔IV〕で表される光学活性アルコールを得る請求項3ないし5のいずれか1項に記載のテトラリン化合物の製造方法。
Racemic alcohol represented by the following formula [V]:
HO-C * H (CF 3 ) R 3 [V]
(In the formula [V], R 2 and R 3 represent the same meaning as described above.)
The method for producing a tetralin compound according to any one of claims 3 to 5 , wherein an optically active alcohol represented by the above formula [IV] is obtained by performing an asymmetric hydrolysis reaction after acetylation of the compound.
前記不斉加水分解反応をpH7.3の緩衝液中、リパーゼMYの存在下で行う請求項6に記載のテトラリン化合物の製造方法。The method for producing a tetralin compound according to claim 6 , wherein the asymmetric hydrolysis reaction is carried out in a buffer solution having a pH of 7.3 in the presence of lipase MY. 次式〔II〕で表される液晶化合物:
Figure 0003836173
〔式〔II〕中、R1 は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜19のアルコキシ基であり、 3 は、
Figure 0003836173
を表す〕。
Liquid crystal compound represented by the following formula [II]:
Figure 0003836173
[In the formula [II], R 1 is an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms or an alkoxy group having 1 to 19 carbon atoms, and R 3 is
Figure 0003836173
Represents ).
1 が、ウンデシル基またはデシルオキシ基である請求項8に記載の液晶化合物。The liquid crystal compound according to claim 8 , wherein R 1 is an undecyl group or a decyloxy group. 1種または2種以上の請求項1または2に記載のテトラリン化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。A liquid crystal composition comprising one or more tetralin compounds according to claim 1 or 2 . 液晶セルを備えた液晶素子であって、該液晶セル内部の電極間に請求項 8 もしくは 9 に記載の液晶化合物または請求項10に記載の液晶組成物が充填されていることを特徴とする液晶素子。A liquid crystal element comprising a liquid crystal cell, wherein the liquid crystal compound according to claim 8 or 9 or the liquid crystal composition according to claim 10 is filled between electrodes inside the liquid crystal cell. element.
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