JP3835717B2 - 防錆発泡プラスチックチューブおよびその製造方法 - Google Patents

防錆発泡プラスチックチューブおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3835717B2
JP3835717B2 JP00377998A JP377998A JP3835717B2 JP 3835717 B2 JP3835717 B2 JP 3835717B2 JP 00377998 A JP00377998 A JP 00377998A JP 377998 A JP377998 A JP 377998A JP 3835717 B2 JP3835717 B2 JP 3835717B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foamed plastic
tube
rust
benzotriazole
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP00377998A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11198258A (ja
Inventor
健介 溝渕
洋二 岡村
一男 三村
勉 光林
利一 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP00377998A priority Critical patent/JP3835717B2/ja
Publication of JPH11198258A publication Critical patent/JPH11198258A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3835717B2 publication Critical patent/JP3835717B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Thermal Insulation (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防錆能を有する発泡プラスチックチューブおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばエアコンのような空調機器を構成する冷媒体輸送配管には、金属製管体の外周に発泡プラスチックチューブを被覆した断熱被覆管が用いられているが、管体が特に銅もしくは銅合金製であると、高温多湿の環境下で使用される場合には、管体表面に結露などによる変色が起こる。
さらに、金属製管体を断熱被覆する発泡プラスチックチューブを製造する際に発泡剤としてアゾジカルボンアミド等の含窒素系加熱分解型発泡剤を使用しているものにおいては、発泡剤の分解によって生じるアンモニアガスのような含窒素分解成分が発泡プラスチックチューブ内に残存していることがあり、残存した含窒素分解成分が発泡プラスチックシートを被覆した後に管体表面の変色を促進させている。
【0003】
管体表面の上記のような原因による変色程度では、性能面で何ら問題がないにもかかわらず、この変色がユーザーには不評であり、商品としての評価を低下させる一因となっている。
【0004】
その対策として、高温多湿のようなごく限られた環境で使用される場合には、金属製管体の表面にベンゾトリアゾールやその誘導体などのベンゾトリアゾール系防錆剤を塗布した断熱被覆管を適用することが行われている。これは、ベンゾトリアゾールやその誘導体を塗布することによって金属製管体の表面にベンゾトリアゾール第二銅の保護分子膜を形成して、断熱被覆管の変色を防止しようとするものである。
【0005】
一方、発泡プラスチックチューブ側に施す防錆対策としては、従来より、チューブ状に成形する際に含窒素分解成分を吸収する方法、水やホウ酸水等の吸収液をチューブ内に貯留したり流すことによって前記分解成分を吸収除去する方法や、気体透過性の低いフィルムを発泡プラスチックチューブ内面に貼って前記分解成分を金属製管体から遮断する方法、あるいは50〜100℃の環境下に6時間以上放置し含窒素分解成分を脱気する等の種々の方法が提案されているが、現在では主に、外層を含窒素系発泡剤使用の発泡体で形成し、金属製管体と接する内層は含窒素分解成分を発生しないガス発泡による発泡体で形成する二層構造の発泡プラスチックチューブが採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のいずれの対策も以下のような欠点がある。すなわち、防錆剤と銅とで形成され、変色あるいは腐食を防ぐ保護分子膜(防錆膜)は常温で揮発性であるため、空気中にさらしておくとゆっくりと失われていってしまう。したがって、金属製管体の表面にベンゾトリアゾールやその誘導体を塗布して、防錆効果を長時間維持するためには、金属製管体を密閉状態に保って保管または使用しなければならず、作業性、実用性に劣るものであった。
また、保護分子膜は熱に弱く、配管施工時の溶接ではもちろんはんだ付けの熱でさえも容易に分解してしまい、加工箇所の周辺で防錆効果が失われてしまうという問題がある。
【0007】
一方、発泡プラスチックチューブ側に施す防錆対策において、前記の吸収液を使用する方法では、発泡体の内部の個々の気泡内に残存する含窒素分解成分まで完全に除去することができず、また、吸収液の乾燥が不十分であるとかえって変色する原因となってしまう。
気体透過性の低いフィルムを発泡プラスチックチューブの内面に貼って含窒素分解成分を遮断する方法では、フィルムを貼付した発泡プラスチックシートをチューブ状に融着する際にフィルムを隙間なく融着貼合させることが難しく、含窒素分解成分を脱気する方法では、脱気に長時間を要する上、発泡チューブ自体が長尺でコイル状になっている場合が多いため完全脱気が難しいという問題がそれぞれあった。
さらに、主に採用されている二重構造の発泡プラスチックチューブでは、内層に含窒素系発泡剤が用いられていないため変色は抑制できるが、二重構造であるため加工コストが高くなる傾向にあった。
また、これら発泡プラスチックチューブ側での防錆対策は、発泡プラスチックチューブに残存する含窒素成分による管体の変色を防止するためのもので、高温多湿下で発生する結露による変色に対しては全く効果がない。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑み、金属製管体表面と発泡プラスチックチューブ内面との間に結露などによる水分が介在しても金属製管体の表面変色を抑制でき、保管時および配管施工後長期にわたってその防錆効果を持続できる発泡プラスチックチューブとその製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、
(1)銅もしくは銅合金製管体を断熱被覆するための防錆能を有する発泡プラスチックチューブであって、該発泡プラスチックチューブは、含窒素系加熱分解型発泡剤を用いて製造された発泡体からなり、その内周面全面にベンゾトリアゾール系防錆剤の塗膜が形成され、該塗膜中にはベンゾトリアゾール系防錆剤が120mg/m以上含まれていることを特徴とする防錆発泡プラスチックチューブ
(2)含窒素系加熱分解型発泡剤を用いて製造された発泡プラスチックシートの片側表面に、ベンゾトリアゾール系防錆剤含有溶液をブラシ転写方式により塗布・乾燥して防錆剤塗膜を形成する工程と、防錆剤塗膜面を有する発泡プラスチックシートを該塗膜面を内側にしてチューブ状に成形する工程とを具備することを特徴とする防錆発泡プラスチックチューブの製造方法
が提供される。
【0010】
金属表面の防錆のために表面にベンゾトリアゾールもしくはその誘導体などの防錆剤を塗布することが有効であることは上述したように周知であるが、それを金属製管体に適用した場合、防錆効果を長期間維持するのが難しいという問題があった。しかしながら、本発明者らは発泡プラスチックチューブの内周面全面にベンゾトリアゾール系防錆剤の塗膜を設けることによって、長期間にわたって優れた防錆効果を発揮しつづけることを見出し、本発明をなすに至った。
【0011】
本発明の防錆発泡プラスチックチューブにおいては、そのチューブ内周面全面にベンゾトリアゾール系防錆剤の塗膜が設けられており、発泡プラスチックチューブに銅もしくは銅合金製管体を挿入すると、発泡プラスチックチューブ内周面の塗膜中に含有されている防錆剤が管体表面に転写され、管体表面の金属と防錆剤とが結合して保護分子膜が形成される。発泡プラスチックチューブと管体表面との間にできる空間は密閉状態に近いため、防錆成分の大気への損失が長期間抑制される。また、銅もしくは銅合金製管体表面の保護分子膜が多少失われても、発泡プラスチックチューブ内周面の塗膜から新たな防錆剤が供給されるため、長期間の変色防止が可能となる。さらに、銅もしくは銅合金製管体表面と発泡プラスチックチューブ内周面との間の空間に雨水の浸入や結露によって水が介在した状態では、チューブ内周面の塗膜中に貯蔵されている防錆剤が水に溶け、防錆剤水溶液の形で保護分子膜上に存在することになる。これはいわば防錆剤水溶液に管体表面が浸漬された状態であり、ほとんど無限に変色が防止できることになる。つまり、従来変色の発生原因であった水分が本発明では変色防止の作用を強化する要因となるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の防錆発泡プラスチックチューブは、ベンゾトリアゾール系防錆剤の塗膜をチューブの内周面全面に設けたものである。
【0013】
発泡プラスチックチューブの素材となるプラスチックとしては、特にその種類を限定するものではないが、通常、汎用性のあるポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系樹脂を用いる。
【0014】
発泡は、これらの樹脂に、化学架橋剤、発泡剤、必要に応じて架橋助剤、顔料、各種充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤を適宜混合した後、シート状に押出成形し、加熱発泡する方法が一般的である。
架橋の方法は、化学架橋剤を用いる以外に、シラン化合物を配合しシラノール縮合触媒と水の存在下で架橋するシラン架橋、または電子線照射による架橋などがある。
発泡剤としては、加熱すると分解してガスを発生するタイプの発泡剤が挙げられる。
発泡プラスチックの発泡倍率は、断熱性能に応じて発泡剤などの配合量を調整して行えばよいが、概ね30倍程度が適当である。
【0015】
発泡プラスチックチューブは、シート状の発泡プラスチックをテープ状にスリットして長手方向の両端を付き合わせてチューブ状に成形して作製することができる。付き合わせたシート両端を接続するときには、接着剤を用いてもよいが特開昭47−46463号公報に記載のように熱融着とすると簡便である。
【0016】
発泡プラスチックチューブの内周全面に設けられる塗膜中に含まれるベンゾトリアゾール系防錆剤は、含窒素系加熱分解型(アゾジカルボンアミドなど)の発泡剤を用いた場合には120mg/m以上とすることが望ましい。
【0017】
ベンゾトリアゾール系防錆剤を含有する塗膜を形成させる際にはベンゾトリアゾールを溶媒に溶解させたものを発泡プラスチックに塗布して乾燥させて形成するとよい。溶媒は水、アルコールなどを用いることができるが、水溶液とすると取り扱いやすい。水溶液の場合は、トリエタノールアミン、界面活性剤、消泡剤との併用が好ましい。特に、ポリオレフィン系樹脂の発泡シートを用いる場合には水弾きが発生して均一に塗布しにくいので、ノニオン系の界面活性剤1%と界面活性剤を配合したことによる泡立ちを抑えるために100ppm程度の消泡剤を加えたベンゾトリアゾール水溶液とするとよい。
【0018】
防錆剤含有溶液の塗布には、防錆剤溶液に浸漬するなどの方法もあるが、ブラシ転写方式による塗布がよい。図1はブラシ転写方式によって短冊状にスリットされたテープ状発泡プラスチックシートに防錆剤系含有溶液を塗布する方法の説明図である。
【0019】
図1において、20は防錆剤含有溶液31が収容されている液パン、19はグラビアロール等のコーターロールで、その下部は防錆剤含有溶液31に浸されており、A方向に回転することによって防錆剤含有溶液31を汲み上げる。コーターロール19はその表面が溝加工されたものを用いると効率よく溶液を汲み上げることができる。また、防錆剤含有溶液31をあらかじめ70℃程度に温めて塗布すると後の乾燥を早めることができる。
【0020】
22はドクターナイフで、このドクターナイフ22とコーターロール19との距離、またはコーターロール19の回転数を調節することなどによって溶液の塗布量を調節する。ドクターナイフ22で掻き落とされる溶液量を減らせばコーターロール19で汲み上げられる溶液量を増量することができるが、コーターロール19の回転数によっては溶液が飛び散ってしまうので適度に調整する。
【0021】
32はコーターロール19と発泡プラスチックシート10とに接触しながらB方向に回転する回転ブラシである。防錆剤含有溶液31はコーターロール19との接触部分でコーターロール19から回転ブラシ32に転写され、回転ブラシ32と発泡プラスチックシート10との接触部分で溶液が塗布される。回転ブラシ32はブラシの毛先が10mm程度発泡プラスチックシート表面と接触するように位置を調整すると、防錆剤含有溶液の飛散が少なくかつムラなく塗布することができる。回転ブラシ32は発泡プラスチックシートが送られる速さ以上で回転させると防錆剤含有溶液は発泡プラスチックシートに擦り込まれるようになり好ましい。
【0022】
ブラシの材質は適当に腰があり、発泡プラスチック表面を傷つけない例えばナイロンなどの樹脂製がよい。ブラシの毛の線径は0.1〜2mm程度がよい。
【0023】
10は発泡プラスチックシートで、ガイドロール17によって回転ブラシ32のブラシと一部重なるような位置を通過するようにガイドされ、図面の矢印方向に進行する。
【0024】
ブラシ転写方式では塗布面に凹凸があっても、毛先が回転することによって凹凸内部まで塗り残しなく塗布することができる。したがって、発泡プラスチック表面に破泡などによる微少な凹凸やエンボス加工が施されていても、ムラなく塗布することができる。しかも、他の塗布方法に比べてムラなく塗布するための塗布量が少なくて済むという利点もある。
【0025】
その他、溶液の塗布方法としては、図3に示すようなスプレー15で溶液を吹き付けるスプレー方式、図4に示すように、ブラシを使用しないでグラビアロール23により溶液を転写するグラビアロールコーター方式、図5に示すような転写ロール24により溶液を転写するロールコーター方式などがあるが、いずれの塗布方法も塗りムラを生じたり、またはムラなく塗布するために多くの溶液を必要としたりするので好ましくない。なお、図3〜5において図1と同一部分については同一符号を付して詳細説明を省略する。
【0026】
ベンゾトリアゾール系防錆剤の塗膜を設けるのは、シート状の発泡プラスチックシート、シート状の発泡プラスチックシートを短冊状にスリットしたテープ状の発泡プラスチックシート、またはチューブ状に成形された発泡プラスチックチューブのどの段階においてでもよいが、チューブ状に成形された後にチューブ内周面全面に防錆剤を均一に塗布することは困難であるため、シート状の時点で塗布することが望ましい。シート状の発泡プラスチックシートに防錆剤を塗布する場合においても、製造工程中のガイドロールとの接触で防錆剤がガイドロール側に転写されてしまったり、また、シート表面にエンボス加工を施す場合には加工時の加熱によって防錆剤が分解、昇華してしまうことや、防錆剤含有塗膜の形成後に一旦シートを巻き取ると背面に塗膜が転写されてしまうことより、防錆剤の塗布はチューブ状に成形する直前に行い、防錆剤含有塗膜の形成後は連続してチューブ状に成形するのが好ましい。
【0027】
本発明の防錆発泡プラスチックチューブの製造には、図2に示すような製造ラインを用いることができる。図2において、10は従来公知の方法で製造された発泡プラスチックシートを予め所定幅にスリットした長尺の発泡プラスチックシート、41はベンゾトリアゾール系防錆剤含有塗膜の形成工程、42はチューブ成形工程、14は発泡プラスチックチューブを引き取る引取機である。
【0028】
塗膜の形成工程41は、溶液塗布装置34と乾燥装置35を備え、テープ状の発泡プラスチックシート10は溶液塗布装置34にて下面側全面にベンゾトリアゾール系防錆剤含有溶液が塗布され、乾燥装置35を通りベンゾトリアゾール系防錆剤含有塗膜が形成される。溶液塗布装置34は、図1に示すブラシ転写方式によるものである。後工程でチューブ状に成形する際に水分があると発泡プラスチックどうしの融着が阻害されるため、乾燥は十分に行うようにする。
【0029】
塗膜が形成されたテープ状の発泡プラスチックシート10は反転装置36によって上下面を反転させて塗膜形成面が上側になるようにする。ここで上下面を反転させるのは、下流のチューブ成形工程42でテープ状の発泡プラスチックシート10の長手方向両端を突き合わせて融着する際にヒータを被加工物の上面側に設置しているためである。
テープ状の発泡プラスチックシート10は、上下面が反転された後、予備加熱ヒータ11で予備加熱され、チューブ成形工程42に送られる。
【0030】
チューブ成形工程42はチューブ成形金型13と融着ヒータ12とを備えており、チューブ成形金型13で、塗膜が形成されている面を上にして流れてくるテープ状の発泡プラスチックシート10の長手方向両端を突き合わせた状態で保持し、テープ状の発泡プラスチックシート10の上面側に設けられている融着ヒータ12でその継ぎ目を融着し、内周面全面にベンゾトリアゾール系防錆剤含有の塗膜を有する発泡プラスチックチューブを製造する。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
発泡剤としてアゾジカルボンアミドおよび化学架橋剤を用いて製造した厚さ8mm、発泡倍率約30倍のポリオレフィン系樹脂発泡シートを80mm幅にスリットしてテープ状発泡プラスチックシートを製造した。このテープ状発泡プラスチックシートを図2に示す製造ラインにて、内周面にベンゾトリアゾール系防錆剤含有の塗膜を有する実施例1の発泡プラスチックチューブを連続して200m作製した。発泡プラスチックチューブの内径は11mm、外径は27mmであった。ベンゾトリアゾール系防錆剤の塗布はブラシ転写方式によって行い、ブラシはナイロン製のものを用いた。
【0032】
防錆剤含有溶液は、ベンゾトリアゾール系防錆剤12重量%、トリエタノールアミン(相溶化促進剤)18重量%、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(界面活性剤;ノニオンOT211、日本油脂製)1重量%、消泡剤(1プコDF−124−L、三洋化成製)250ppmの水溶液を使用した。また、防錆剤含有溶液には、塗膜の形成状態を観察するために赤色の着色料を添加した。
【0033】
(実施例2)
コーターロールと回転ブラシ、回転ブラシと発泡プラスチックシートとの距離を調整するなどして防錆剤含有溶液の塗布量を変えた以外は実施例1と同様にして実施例2の発泡プラスチックチューブを作製した。
【0035】
(比較例1、2)
表1に示す塗布方法を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1、2の発泡プラスチックチューブを作製した。
【0036】
得られた実施例1〜、比較例1、2の発泡プラスチックチューブについて、以下の項目で評価・測定を行った。結果を表1に示す。
(1)塗膜の量
高速液体クロマトグラフ(HPLC)法にてベンゾトリアゾールの定量分析を行い、塗膜中に含まれるベンゾトリアゾール系防錆剤の含有量を測定した。
(2)塗膜の状態
塗膜がチューブ内周面全面を覆っているものを○、塗膜に欠損箇所があるものを×とした。
(3)銅管表面の変色
得られた発泡プラスチックチューブのうち先口、中間、後口より30cmずつサンプリングし、水で濡らした長さ40cmの銅管(外径9.52mm、肉厚0.8mm)をチューブ内に差し込んで断熱被覆管を作製した。この断熱被覆管を40℃、80RH%の恒温室に入れて7日間放置した後、銅管表面を観察した。
【0037】
【表1】
Figure 0003835717
【0038】
実施例1、2と比較例1、2との対比からわかるように、含窒素系熱分解型発泡剤を用いて発泡させた発泡プラスチックチューブであっても、防錆剤がチューブ内周面全面を完全に覆うように塗布されている場合には、120mg/m2 という少量の塗布量で結露が起こるような環境下での銅管変色を防止できること、一方、防錆剤の塗布量を多くしてもチューブ内周面に防錆剤が塗布されていない部分があると、その部分に対応する銅管表面に変色が起こってしまうことが確認された。
【0039】
【発明の効果】
本発明の防錆発泡プラスチックチューブは、金属製管体表面と発泡プラスチックチューブ内面との間に結露などによる水分が介在しても金属製管体の表面変色を抑制でき、保管時および配管施工後長期にわたってその防錆効果を持続できる。また、本発明の製造方法によれば、内周面全面にベンゾトリアゾール系防錆剤の塗膜が形成されている防錆発泡プラスチックチューブを効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラシ転写方式による塗布方法を説明する説明図である。
【図2】本発明の防錆発泡プラスチックチューブの製造ラインの一例を説明する説明図である。
【図3】スプレー方式による塗布方法を説明する説明図である。
【図4】グラビアロールコーター方式による塗布方法を説明する説明図である。
【図5】ロールコーター方式による塗布方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 発泡プラスチックシート
11 予備加熱ヒータ
12 融着ヒータ
13 チューブ成形金型
15 スプレー
17 ガイドロール
19 コーターロール
22 ドクターナイフ
23 グラビアロール
24 転写ロール
31 防錆剤含有溶液
32 回転ブラシ
34 溶液塗布装置
35 乾燥装置
36 反転装置
41 防錆剤含有塗膜形成工程

Claims (2)

  1. 銅もしくは銅合金製管体を断熱被覆するための防錆能を有する発泡プラスチックチューブであって、該発泡プラスチックチューブは、含窒素系加熱分解型発泡剤を用いて製造された発泡体からなり、その内周面全面にベンゾトリアゾール系防錆剤の塗膜が形成され、該塗膜中にはベンゾトリアゾール系防錆剤が120mg/m 以上含まれていることを特徴とする防錆発泡プラスチックチューブ
  2. 含窒素系加熱分解型発泡剤を用いて製造された発泡プラスチックシートの片側表面に、ベンゾトリアゾール系防錆剤含有溶液をブラシ転写方式により塗布・乾燥して防錆剤塗膜を形成する工程と、防錆剤塗膜面を有する発泡プラスチックシートを該塗膜面を内側にしてチューブ状に成形する工程とを具備することを特徴とする防錆発泡プラスチックチューブの製造方法
JP00377998A 1998-01-12 1998-01-12 防錆発泡プラスチックチューブおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP3835717B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00377998A JP3835717B2 (ja) 1998-01-12 1998-01-12 防錆発泡プラスチックチューブおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00377998A JP3835717B2 (ja) 1998-01-12 1998-01-12 防錆発泡プラスチックチューブおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11198258A JPH11198258A (ja) 1999-07-27
JP3835717B2 true JP3835717B2 (ja) 2006-10-18

Family

ID=11566684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00377998A Expired - Lifetime JP3835717B2 (ja) 1998-01-12 1998-01-12 防錆発泡プラスチックチューブおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3835717B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5546890B2 (ja) * 2010-02-10 2014-07-09 三井造船株式会社 配管の防食方法
CN103625038A (zh) * 2012-08-20 2014-03-12 芳源企业(上海)有限公司 Pvc塑软涂层金属扶手及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11198258A (ja) 1999-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6524698B1 (en) Fluid impermeable foil
US5937618A (en) Vapor phase corrosion inhibitor package utilizing plastic packaging envelopes
EP1111452A3 (en) Method for providing a high viscosity coating on a moving web and articles made thereby
US20070237978A1 (en) Functional direct coating of an aluminium foil
AU9197801A (en) Method and device for continuously coating at least a metal strip surface with asingle-layer or multilayer crosslinkable polymer fluid film
DE69910430D1 (de) Verfahren und vorrichtung zum kontinuierlichen beschichten zumindest eines metallischen bandes mit flüssigkeitsfilm aus vernetzbarem polymer
CA1174958A (en) Method of wrapping tape around a pipe
JPS5859229A (ja) ポリ(ビニルアルコ−ル)系無機フイルム
JP3835717B2 (ja) 防錆発泡プラスチックチューブおよびその製造方法
AU615241B2 (en) Production of polymeric films
KR100215327B1 (ko) 포일 및 그 제조방법
CA2595168A1 (en) Corrosion protection system for transport pipe
EP1126002B1 (en) Process for making masking tape
AU1435301A (en) Anti-corrosion coating and tape for electronic cable
US5525375A (en) Process for producing hot melt release coating
WO2003085349A1 (fr) Procede de traitement de surface pour matiere en plaque, et ailette rayonnante pour echangeur de chaleur
KR102152450B1 (ko) 에어컨용 다층구조의 알루미늄 배관의 제조방법 및 이에 의해 제조된 다층구조의 알루미늄 배관
JPS6014625B2 (ja) 鋼材のライニング方法
JPS6123610B2 (ja)
KR102208535B1 (ko) 냉난방기용 다층구조 알루미늄 배관의 제조방법 및 이에 의해 제조된 다층구조의 알루미늄 배관
US4393117A (en) Hot melt transfer coating process and products
JP3310162B2 (ja) 銅又は銅合金の防錆処理装置
JP4243125B2 (ja) 塗布用ローラの製造方法
JPS6139129B2 (ja)
JPS6113532Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060721

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060721

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100804

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120804

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120804

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130804

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term