JP3835006B2 - Lubricated steel sheet and alkali film removal type lubricated steel sheet - Google Patents

Lubricated steel sheet and alkali film removal type lubricated steel sheet Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、潤滑処理鋼板用塗料およびアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板に関し、詳しくはアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板において、アルカリ脱膜性や耐ブロッキング性を維持しつつ、さらに防錆性およびプレス成形性を改善し得る、潤滑処理鋼板用塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高度な加工性が要求される、自動車の構造材および部品や家電製品等には、深絞り用冷延鋼板が使用されてきたが、近年、コストダウンの観点から、冷延鋼板の代替品として熱延鋼板が盛んに使用されるようになり、熱延鋼板についても深絞り性を向上することが要求されている。しかし、従来の熱延鋼板は、冷延鋼板と比較すると、深絞り成形性の点で劣るため、上記用途へ熱延鋼板を使用する場合は、プレス成形性を改善することが重要になる。
【0003】
ここに、プレス成形性を向上させる方法として、例えば特公昭53-37817号公報に開示される、潤滑性金属加工用表面処理剤を塗布する方法が提案されている。これは、アクリル酸と炭素数1〜8の脂肪族1価アルコールのエステル16〜40重量部、メタクリル酸メチル、酢酸ビニルおよびアクリロニトリルから選ばれた少なくとも1種とスチレン40〜64重量部および極性基としてカルボキシル基を有する重合性単量体10〜20重量部を共重合させて得られる、ガラス転移温度60〜90℃および重量平均分子量15000 〜50000 の水溶性熱可塑性合成樹脂、そして金属石けんおよび水から成るものである。この表面処理剤を鋼板に塗布することによって、鋼板に加工を行う際に優れた潤滑性を与えて、加工性を改善する。なお、この表面処理剤の塗布は、鋼板の製造者が行って、被覆処理後の鋼板に加工を行う需要家に向けて出荷するのが、一般的であるから、優れた潤滑性に加えて、耐ブロッキング性並びにアルカリ脱膜性に優れることが、肝要である。すなわち、耐ブロッキング性とは、重ね合わせた鋼板に塗布され形成された被膜同士が粘着しない性質であり、またアルカリ脱膜性は、需要家におけるプレス後のアルカリ洗浄(脱脂)液での除去が容易である性質である。
【0004】
上記に記載の表面処理剤は、基本性能、つまり良好な耐ブロッキング性およびアルカリ脱膜性に加えて、優れたプレス成形性を、鋼板に付与できるものであるが、高温、高湿時や結露時に錆が多発し、この錆が、次の化成処理工程において、化成皮膜の形成を阻害する問題、更に外観上、その品質を著しく低下させる問題があった。つまり防錆性に問題があった。
【0005】
これらの防錆性の改善をも達成する技術として、特開昭63-223093 号、特開平9-156029号および特開平9-296132号各公報には、アクリル系樹脂に撥水剤、防錆剤、防錆潤滑剤等を添加することによって、防錆性の問題を解消する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、製造した鋼板を出荷してから需要家で使用されるまでの間に結露が数回発生するような、腐食環境の厳しい時期や、需要家におけるコストダウンに答えるために鋼板を簡易梱包して出荷する際などには、これら撥水剤、防錆剤、防錆潤滑剤を添加した場合においても未だに錆に関する問題が発生していた。また、プレス成形時には摩擦熱や変形抵抗から、金型が80〜100 ℃に上昇するために、オイルを金型にかけながら成形することによって、この温度上昇を緩和することが一般に行われている。しかし、プレス回数の増加に従ってオイルによる冷却効果が低下して金型温度が上昇し、とりわけ、連続プレス成形を行う場合には、この温度上昇が激しいために、プレス割れやかじりが発生する場合があり、プレス成形性も未だ不十分であった。
【0007】
そこで、この発明は、従来技術の問題点として残されていた、鋼板における防錆性およびプレス成形性の更なる改善を可能とする、潤滑処理鋼板用塗料を、防錆性およびプレス成形性に優れたアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板に併せて提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らの検討の結果、アクリル系樹脂をベースとして、潤滑剤および防錆剤などを添加した塗料において、防錆性およびプレス成形性の改善は、潤滑剤や防錆剤のみならず、ベースとなるアクリル系樹脂の性能を高めることが重要になることが判明した。つまり防錆性の観点からベースのアクリル系樹脂を検討した結果、疎水性のスチレンを導入すること、およびメタクリル酸とエステル化させる脂肪族1価のアルコールの炭素数を限定することが、極めて有効であるとの知見を得た。また、プレス成形性の観点からは、ガラス転移温度Tgが0℃以上のメタクリル酸エステルとすること、さらにカルボキシル基を有する重合性単量体も含めた3種を単なる混合ではなく共重合することが、有利であるとの知見も得た。さらに、メタクリル酸エステルとスチレンを所定の共重合比とすることがプレス成形性の改善のためにさらに有効であることを見出した。本発明は、上記の知見に由来するものである。
【0009】
すなわち、この発明は、アクリル系樹脂および添加剤を含有する潤滑処理鋼板用塗料において、該アクリル系樹脂が、スチレン、メタクリル酸エステルおよびカルボキシル基を有する単量体からなる水溶性共重合体であり、前記メタクリル酸エステルは、ガラス転移点が0℃以上であり、かつメタクリル酸と炭素数2以上の脂肪族1価アルコールとからなり、前記添加剤は、金属せっけん、リン酸またはモリブデン酸と Zn Ca もしくはアンモニウムとの塩、そしてポリエチレンワックスのうちの1以上であることを特徴とする潤滑処理鋼板用塗料である。
【0010】
ここで、スチレンとメタクリル酸エステルとの重合比が1:0.3 〜5.0 であることが有利である。
【0011】
また、この発明は、上記の潤滑処理鋼板用塗料を鋼板表面に塗布し形成された塗膜を有することを特徴とするアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板である。ちなみに、鋼板としては、熱延板、中でも酸洗した熱延板、冷延板、各種表面処理鋼板およびステンレス鋼板などが有利に適合する。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の潤滑処理鋼板用塗料の組成について詳細に説明する。
すなわち、ベースとなるアクリル系樹脂は、スチレンとメタクリル酸エステルとカルボキシル基を有する単量体の水溶性共重合体であり、前記メタクリル酸エステルは、ガラス転移温度Tgが0℃以上であり、かつメタクリル酸と炭素数2以上の脂肪族1価アルコールとからなるものとする。
【0013】
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸エチル(Tg:65℃)、メタクリル酸イソプロピル(Tg:81℃) 、メタクリル酸n−ブチル(Tg:20℃) 、メタクリル酸iso −ブチル(Tg:67℃) 等の、メタクリル酸と炭素数2以上の脂肪族1価アルコールとからなるものを使用する。これらメタクリル酸と脂肪族1価アルコールとからなるメタクリル酸エステルが、例えばアクリル酸エステルと比べ、Tgが高くなり、プレス成形性に優れるためである。ここで、エステル末端の炭素数を2以上としたのは、炭素数1のメチル基の場合、極端に防錆性が低下するためである。これは、メチル基によりエステル基の分極が高まり、その結果、水との相互作用が高まるためであると考えられる。
【0014】
また、メタクリル酸エステルのTgを0℃以上としたのは、プレス成形性の観点からである。一般に、需要家で行われている実際のプレス成形は、連続でしかも高速で行われるため、摩擦熱や鋼板の変形抵抗による熱によって、鋼板の温度は80℃〜100 ℃に達する場合もある。そして、Tgが0℃未満の単量体を共重合物中へ加えた場合は、加工時の摺動や熱により、軟質成分が鋼板から離脱したり溶融する結果、塗膜全体の潤滑効果を低下させる、からである。メタクリル酸エステルのTgは、より好ましくは、10〜90℃である。
【0015】
次に、第2の重合成分であるスチレンについて説明する。スチレンは、耐湿性が高く、かつ高Tgであるために、防錆性およびプレス成形性を両立させる上で必須である。ここで、このスチレンと上記メタクリル酸エステルとの共重合比は、スチレン:メタクリル酸エステル=1:0.3 〜5.0 にすることが、好ましい。すなわち、この共重合比が0.3 未満であると、スチレンの含有割合が増すために防錆性は更に向上するが、後述するより好ましい所定の酸価にした場合にも脱膜性が低下するとともに、塗料の貯蔵安定性が低下する。一方、5.0 をこえると、塗膜の疎水性が低下するために防錆性が低下する。
【0016】
第3の重合成分は、カルボキシル基を有する単量体であり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびイタコン酸等が使用できる。この成分により、共重合体つまりアクリル樹脂には酸基が付与され、例えばアンモニアやアミン類で中和すると、水溶化が可能となり、水溶性共重合体となる。つまり、この種の塗料の重要な性能の一つであるアルカリ脱膜性を付与するのに寄与するために水溶性とする必要があり、カルボキシル基を有する単量体を含有させなければならない。カルボキシル基を有する単量体の重合比は、共重合体(アクリル系樹脂)全体の酸価が30〜200 mg-KOH/gになるように調製することが、好ましい。ここでいう酸価とは、共重合体1g中に含まれるカルボン酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。酸価が30未満になると、アルカリ脱脂液にて実施される当該塗膜のアルカル脱膜性が極端に低下する上、共重合体自身の水溶化が困難となる。一方、200 mg-KOH/gをこえると、防錆性が極端に低下し、スチレンやその他添加される防錆剤による効果が発揮されない。なお、この発明においては、カルボキシル基を中和することによる水溶化を必須とし、界面活性剤を使用しない。なぜなら、界面活性剤を使用すると、界面活性剤が乾燥後の塗膜に残存することにより防錆性が低下するためである。
【0017】
上記組成のアクリル系樹脂は、水溶性溶剤中における公知の溶液共重合にて得ることができる。すなわち、80〜140 ℃に調整した水溶性溶剤、例えばブチルセロソルブ中に、窒素雰囲気下において、スチレンおよびメタクリル酸エステルを好ましくは、スチレン:メタクリル酸エステル=1:0.3 〜5.0 の共重合比にて調整し、さらにカルボキシル基を有する単量体を、好ましくは共重合体の酸価が50〜200mg-KOH/g になるように、重合開始剤とともに、4〜5時間かけて滴下しながら重合させたのち、同温度で2〜8時間の加熱攪拌を行って重合を完結させる。そして、55〜60℃に冷却後、アンモニア、アミン等のアルカリで中和水溶化を行い、所定のアクリル系樹脂を作製する。
【0018】
次に、このアクリル系樹脂に、さらに防錆性および加工性を向上させる目的で、防錆剤および潤滑剤を典型例とする添加剤を添加することが好ましい。特に好ましい添加剤としては、(A) ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸等とカルシウムやバリウム等のアルカリ土類金属との塩である、金属せっけん、(B) リン酸またはモリブデン酸とZn, Caもしくはアンモニウムとの塩、(C) ポリエチレンワックスがある。
【0019】
以上の塗料を、熱延鋼板、冷延鋼板、ステンレス鋼板または各種表面処理鋼板に塗布するには、その付着量を、片面当たり乾燥重量で0.5 〜5.0g/m2 とすることが、有利である。すなわち、0.5g/m2 未満の場合、鋼板の凹凸を埋めることができず、プレス加工性および防錆性を向上する効果が得難い。また、5.0g/m2 をこえた場合、プレス加工時に塗膜剥離(パウダリング)が発生する。より好ましい範囲は、0.5 〜3.0g/m2 である。ここで、上記鋼板は、帯状の鋼板である鋼帯も含むものである。
【0020】
また、塗料の塗布は、ロール塗布、スプレー塗布、浸漬塗布および刷毛塗り塗布など、公知の方法を利用できる。乾燥条件は、鋼板温度として50℃〜200 ℃、乾燥時間1〜90秒間程度とする。
【0021】
【実施例】
脱脂した鋼帯の表面に、表1および2に示す組成のアクリル樹脂に、下記の添加剤を添加した塗料を、乾燥塗膜重量で片面当たり1.5g/m2 になるように両面に塗布し、10秒後の到達板温が60℃になるように熱風乾燥機を用いて乾燥させた。その後、更に両面に防錆油(16.0cSt/40℃) を0.5 〜1.0g/m2 になるように塗布し試験片とした。

Figure 0003835006
【0022】
かくして得られた試験片について、プレス成形性、防錆性、アルカリ脱膜性および耐ブロッキング性を調査した。その調査結果を、表3および4に示す。なお、各特性の評価は、次のとおりに行った。
【0023】
(1) プレス成形性
▲1▼常温プレス成形性(深絞り性、耐かじり性)
エリクセンカップ絞り試験機を用いて、次の条件でプレス成形を行った際の、常温での深絞り性および耐かじり性を評価した。
プレス条件
ポンチ径 33mmφ (円筒、ビード付き円筒)
絞りダイス肩曲率 3mmR
ブランク径 円筒68mmφ ビード付き円筒68mmφ
絞り速度 60mm/sec
絞り圧 1〜9t(破断せずに加工可能な最大t数で評価)
【0024】
そして、上記条件で深絞り性を評価したサンプルの側壁部を観察し、型かじりの有無を評価した。その評価基準は以下の通りである。
◎=型かじりなし(優良)
○=型かじり若干あり(良)
△=型かじりやや多い(やや劣る)
×=型かじり多い(劣る)
【0025】
▲2▼温間常温プレス成形性(深絞り性、耐かじり性)
エリクセンカップ絞り試験機を用いて、次の条件でプレス加工を行った際の、金型温度80℃での深絞り性および耐かじり性を評価した。
プレス条件
ポンチ径 33mmφ (円筒、ビード付き円筒)
絞りダイス肩曲率 3mmR
ブランク径 円筒68mmφ ビード付き円筒68mmφ
絞り速度 60mm/sec
絞り圧 1〜9t(破断せずに加工可能な最大t数で評価)
【0026】
そして、上記条件で深絞り性を評価したサンプルの側壁部を観察し、型かじりの有無を評価した。その評価基準は以下の通りである。
◎=型かじりなし(優良)
○=型かじり若干あり(良)
△=型かじりやや多い(やや劣る)
×=型かじり多い(劣る)
【0027】
(2) 防錆性
▲1▼湿潤試験;温度50℃、湿度98%の条件下で湿潤試験を行い、赤錆が全試験面に対する面積率として5%発生するまでの時間で評価した。
▲2▼SST; JIS Z2371に規定された条件でSST を行い、赤錆が面積率として5%発生するまでの時間を測定した。10時間以上が良好な評価となる。
▲3▼スタック試験;70×150mm の寸法の試験片を2枚重ね、50kg/cm2の荷重を加えて温度50℃で放置し、赤錆が面積率として5%発生するまでの時間で評価した。なお、試験片の間に水を2ml滴下した。70時間以上が良好な評価となる。
【0028】
(3) アルカリ脱膜性
試験片に、濃度3重量%および液温40℃に調整した脱脂液{ファインクリーナー4460,日本パーカーライジング(株)製}を、温度40℃、スプレー圧1kgf/cm2 で10秒間スプレーして脱膜した。次に、試験片を、3重量%硫酸銅水溶液に40秒浸漬し、Cuの置換析出状態を観察し、次の基準で脱膜性を評価した。
脱膜性評価基準
○=Cuが全面に析出(優良)
△=Cuが部分的に析出(やや劣る)
×=Cuが全く析出せず(劣る)
【0029】
(4) 耐ブロッキング性
塗膜面同士を内側にして重ね合せた2枚の試験片を、 300kg・cmのトルクで締め付けた状態で、60℃の恒温槽に6時間放置した。その後、重ねた試験片を引き剥がし、引き剥がした時の粘着状況により、次の基準で耐ブロッキング性を評価した。
耐ブロッキング性
◎=粘着なし(優良)
○=若干粘着あり(良)
△=粘着あり(やや劣る)
×=粘着大(劣る)
【0030】
【表1】
Figure 0003835006
【0031】
【表2】
Figure 0003835006
【0032】
【表3】
Figure 0003835006
【0033】
【表4】
Figure 0003835006
【0034】
【発明の効果】
この発明の塗料を用いることによって、この塗料を表面に塗布し形成された塗膜を有する潤滑処理鋼板は、アルカリ脱膜性および耐ブロッキング性という基本的性能を維持しつつ、防錆性およびプレス成形性を格段に改善したものとなる。従って、従来問題となっていた難成形のプレス成形が可能となり、かつ高温多湿時や結露時における錆トラブルを解消できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a paint for a lubricated steel sheet and an alkali film-removed lubricated steel sheet, and more particularly, in an alkali film-removed lubricated steel sheet, while maintaining alkali film-removing property and anti-blocking property, further rust prevention and press molding The present invention relates to a paint for a lubricated steel sheet capable of improving the property.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, cold-drawn steel sheets for deep drawing have been used for structural materials and parts of automobiles, home appliances, etc., which require high workability. Hot-rolled steel sheets are actively used as products, and it is required to improve deep drawability of hot-rolled steel sheets. However, since conventional hot-rolled steel sheets are inferior in terms of deep drawability compared to cold-rolled steel sheets, it is important to improve press-formability when using hot-rolled steel sheets for the above applications.
[0003]
Here, as a method for improving the press formability, for example, a method of applying a surface treatment agent for lubricating metal processing disclosed in Japanese Patent Publication No. 53-37817 has been proposed. This consists of 16 to 40 parts by weight of an ester of acrylic acid and an aliphatic monohydric alcohol having 1 to 8 carbon atoms, at least one selected from methyl methacrylate, vinyl acetate and acrylonitrile, 40 to 64 parts by weight of styrene and a polar group. A water-soluble thermoplastic synthetic resin having a glass transition temperature of 60 to 90 ° C. and a weight average molecular weight of 15000 to 50000, and metal soap and water, obtained by copolymerizing 10 to 20 parts by weight of a polymerizable monomer having a carboxyl group as It consists of By applying this surface treatment agent to the steel sheet, excellent lubricity is imparted when the steel sheet is processed to improve workability. In addition, in addition to excellent lubricity, it is common for this surface treatment agent to be applied by a steel plate manufacturer and shipped to a customer who processes the coated steel plate. It is important to have excellent blocking resistance and alkali film removal property. That is, anti-blocking property is a property that the coatings formed on the stacked steel sheets do not stick to each other, and alkaline de-filming property can be removed with an alkaline cleaning (degreasing) liquid after pressing by a customer. It is a property that is easy.
[0004]
The surface treatment agent described above can impart excellent press formability to the steel sheet in addition to basic performance, that is, good blocking resistance and alkali film removal property. At times, rust frequently occurs, and this rust has a problem of inhibiting the formation of a chemical conversion film in the next chemical conversion treatment step, and further has a problem of remarkably reducing its quality in appearance. That is, there was a problem with rust prevention.
[0005]
As technologies for achieving these rust prevention improvements as well, JP-A 63-223093, JP-A 9-156029 and JP-A 9-296132 disclose acrylic resins with water repellents and rust prevention. There has been proposed a method for solving the problem of rust prevention by adding an agent, a rust preventive lubricant and the like.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the steel plates are simply packaged in order to answer the severe corrosion environment and the cost reduction at the customer, where condensation occurs several times between shipment and use by the customer. However, when these water repellents, rust preventives, and rust preventive lubricants were added, problems related to rust still occurred. Further, since the mold rises to 80 to 100 ° C. due to frictional heat and deformation resistance during press molding, it is generally performed to mitigate this temperature rise by molding while applying oil to the mold. However, as the number of presses increases, the cooling effect due to oil decreases and the die temperature rises.In particular, when performing continuous press molding, this temperature rise is so severe that press cracks and galling may occur. And press formability was still insufficient.
[0007]
Therefore, the present invention provides a rust-proof and press-formability coating material for a lubricated steel sheet that enables further improvement of the rust-proof property and press-formability of the steel plate, which has been left as a problem of the prior art. It aims at providing together with the outstanding alkali film removal type | mold lube processing steel plate.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of investigations by the inventors, the improvement of rust prevention and press moldability is not only improved for lubricants and rust preventives in paints based on acrylic resins and with addition of lubricants and rust preventives. It has been found that it is important to improve the performance of the acrylic resin. In other words, as a result of investigating the base acrylic resin from the viewpoint of rust prevention, it is extremely effective to introduce hydrophobic styrene and to limit the carbon number of the aliphatic monohydric alcohol esterified with methacrylic acid. The knowledge that it is. From the viewpoint of press formability, a methacrylic acid ester having a glass transition temperature Tg of 0 ° C. or higher is used, and three types including a polymerizable monomer having a carboxyl group are copolymerized instead of mere mixing. However, it was also found to be advantageous. Furthermore, it has been found that setting the methacrylate copolymer and styrene to a predetermined copolymerization ratio is more effective for improving the press moldability. The present invention is derived from the above findings.
[0009]
That is, the present invention provides a water-soluble copolymer comprising a styrene, a methacrylic ester and a monomer having a carboxyl group, in a paint for a lubricated steel sheet containing an acrylic resin and an additive. the methacrylic acid ester, a glass transition point of 0 ℃ or higher, and Ri Do methacrylic acid and having 2 or more aliphatic monohydric alcohol carbon, the additive, a metal soap, phosphate or molybdate Zn, salts with Ca or ammonium, and a lubricated steel sheet for coating according to claim 1 or der Rukoto of polyethylene wax.
[0010]
Here, it is advantageous that the polymerization ratio of styrene and methacrylate is 1: 0.3 to 5.0.
[0011]
Moreover, this invention is an alkali film-removal type lubricated steel sheet characterized by having a coating film formed by applying the above-mentioned paint for a lubricated steel sheet to the surface of the steel sheet. Incidentally, as the steel plate, hot-rolled plates, particularly pickled hot-rolled plates, cold-rolled plates, various surface-treated steel plates and stainless steel plates are advantageously adapted.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the composition of the paint for a lubricated steel sheet according to the present invention will be described in detail.
That is, the base acrylic resin is a water-soluble copolymer of styrene, methacrylate, and a monomer having a carboxyl group, and the methacrylate has a glass transition temperature Tg of 0 ° C. or higher, and It shall consist of methacrylic acid and an aliphatic monohydric alcohol having 2 or more carbon atoms.
[0013]
Examples of the methacrylic acid ester include ethyl methacrylate (Tg: 65 ° C.), isopropyl methacrylate (Tg: 81 ° C.), n-butyl methacrylate (Tg: 20 ° C.), iso-butyl methacrylate (Tg: 67 ° C.), etc. Of methacrylic acid and an aliphatic monohydric alcohol having 2 or more carbon atoms is used. This is because a methacrylic acid ester composed of these methacrylic acid and an aliphatic monohydric alcohol has a higher Tg and excellent press moldability compared with, for example, an acrylic acid ester. Here, the reason why the number of carbon atoms at the ester terminal is 2 or more is that in the case of a methyl group having 1 carbon atom, the rust prevention property is extremely lowered. This is presumably because the polarization of the ester group is increased by the methyl group, and as a result, the interaction with water is increased.
[0014]
The Tg of the methacrylic acid ester is set to 0 ° C. or more from the viewpoint of press formability. In general, since actual press forming performed by a customer is performed continuously and at high speed, the temperature of the steel sheet may reach 80 ° C. to 100 ° C. due to frictional heat or heat due to deformation resistance of the steel sheet. When a monomer having a Tg of less than 0 ° C. is added to the copolymer, the soft component separates from the steel plate or melts due to sliding or heat during processing, resulting in a lubricating effect on the entire coating film. It is because it lowers. The Tg of the methacrylic acid ester is more preferably 10 to 90 ° C.
[0015]
Next, styrene which is the second polymerization component will be described. Since styrene has high moisture resistance and high Tg, it is essential for achieving both rust prevention and press formability. Here, the copolymerization ratio of the styrene and the methacrylic acid ester is preferably styrene: methacrylic acid ester = 1: 0.3 to 5.0. That is, when the copolymerization ratio is less than 0.3, the content of styrene is increased, so that the rust prevention property is further improved. , The storage stability of the paint decreases. On the other hand, if it exceeds 5.0, the hydrophobicity of the coating film is lowered and the rust prevention property is lowered.
[0016]
The third polymerization component is a monomer having a carboxyl group, and for example, acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid and itaconic acid can be used. By this component, an acid group is imparted to the copolymer, that is, the acrylic resin. When neutralized with, for example, ammonia or amines, water-solubilization is possible and a water-soluble copolymer is obtained. That is, in order to contribute to imparting the alkali film-removing property, which is one of the important performances of this type of paint, it is necessary to make it water-soluble, and a monomer having a carboxyl group must be contained. The polymerization ratio of the monomer having a carboxyl group is preferably adjusted so that the acid value of the entire copolymer (acrylic resin) is 30 to 200 mg-KOH / g. The acid value here is the mg number of potassium hydroxide required to neutralize the carboxylic acid contained in 1 g of the copolymer. When the acid value is less than 30, the alcal film-removing property of the coating film carried out with an alkaline degreasing solution is extremely lowered, and it is difficult to make the copolymer water-soluble. On the other hand, if it exceeds 200 mg-KOH / g, the rust preventive property will be extremely lowered, and the effect of the rust and other added rust preventive agents will not be exhibited. In the present invention, water solubilization by neutralizing the carboxyl group is essential, and no surfactant is used. This is because when a surfactant is used, the surfactant remains in the coating film after drying, resulting in a decrease in rust prevention.
[0017]
The acrylic resin having the above composition can be obtained by known solution copolymerization in a water-soluble solvent. That is, in a water-soluble solvent adjusted to 80 to 140 ° C., for example, butyl cellosolve, styrene and methacrylic acid ester are preferably adjusted at a copolymerization ratio of styrene: methacrylic acid ester = 1: 0.3 to 5.0 in a nitrogen atmosphere. Further, the monomer having a carboxyl group was polymerized while being dropped over 4 to 5 hours together with the polymerization initiator so that the acid value of the copolymer was preferably 50 to 200 mg-KOH / g. Thereafter, the mixture is heated and stirred at the same temperature for 2 to 8 hours to complete the polymerization. And after cooling to 55-60 degreeC, neutralization water-solubilization is performed with alkalis, such as ammonia and an amine, and a predetermined acrylic resin is produced.
[0018]
Next, for the purpose of further improving the rust prevention property and workability, it is preferable to add an additive such as a rust prevention agent and a lubricant as typical examples to this acrylic resin. Particularly preferred additives include (A) metal soap, which is a salt of lauric acid, palmitic acid, stearic acid, oleic acid and the like and an alkaline earth metal such as calcium and barium, and (B) phosphoric acid or molybdic acid. There are salts with Zn, Ca or ammonium, and (C) polyethylene wax.
[0019]
In order to apply the above-mentioned paint to hot-rolled steel sheets, cold-rolled steel sheets, stainless steel sheets or various surface-treated steel sheets, it is advantageous that the amount of adhesion be 0.5 to 5.0 g / m 2 in terms of dry weight per side. is there. That is, when it is less than 0.5 g / m 2 , the unevenness of the steel sheet cannot be filled, and it is difficult to obtain the effect of improving press workability and rust prevention. In addition, when the amount exceeds 5.0 g / m 2 , coating film peeling (powdering) occurs during press working. A more preferable range is 0.5 to 3.0 g / m 2 . Here, the steel plate includes a steel strip which is a strip-shaped steel plate.
[0020]
The coating can be applied by known methods such as roll coating, spray coating, dip coating, and brush coating. The drying conditions are a steel plate temperature of 50 ° C. to 200 ° C. and a drying time of about 1 to 90 seconds.
[0021]
【Example】
The surface of the degreased steel strip is coated on both sides with an acrylic resin having the composition shown in Tables 1 and 2 and the following additives added to the surface so that the dry coating weight is 1.5 g / m 2 per side. Then, it was dried using a hot air dryer so that the ultimate plate temperature after 10 seconds was 60 ° C. Thereafter, a rust preventive oil (16.0 cSt / 40 ° C.) was further applied to both sides so as to be 0.5 to 1.0 g / m 2 to obtain test pieces.
Figure 0003835006
[0022]
The test pieces thus obtained were examined for press moldability, rust prevention, alkali film removal and blocking resistance. The survey results are shown in Tables 3 and 4. Each characteristic was evaluated as follows.
[0023]
(1) Press formability (1) Room temperature press formability (deep drawability, galling resistance)
Using an Erichsen cup squeeze tester, the deep drawability and galling resistance at room temperature when press molding was performed under the following conditions were evaluated.
Press condition Punch diameter 33mmφ (Cylinder, cylinder with beads)
Drawing die shoulder curvature 3mmR
Blank diameter Cylinder 68mmφ Cylinder with bead 68mmφ
Aperture speed 60mm / sec
Drawing pressure 1 to 9t (evaluated by the maximum t number that can be processed without breaking)
[0024]
And the side wall part of the sample which evaluated deep drawability on the said conditions was observed, and the presence or absence of die-staking was evaluated. The evaluation criteria are as follows.
◎ = No galling (excellent)
○ = Slightly galling (good)
△ = A little bit (slightly inferior)
× = A lot of galling (inferior)
[0025]
(2) Warm room temperature press formability (deep drawability, galling resistance)
Using an Erichsen cup squeeze tester, the deep drawability and galling resistance at a mold temperature of 80 ° C. were evaluated when pressing was performed under the following conditions.
Press condition Punch diameter 33mmφ (Cylinder, cylinder with beads)
Drawing die shoulder curvature 3mmR
Blank diameter Cylinder 68mmφ Cylinder with bead 68mmφ
Aperture speed 60mm / sec
Drawing pressure 1 to 9t (evaluated by the maximum t number that can be processed without breaking)
[0026]
And the side wall part of the sample which evaluated deep drawability on the said conditions was observed, and the presence or absence of die-staking was evaluated. The evaluation criteria are as follows.
◎ = No galling (excellent)
○ = Slightly galling (good)
△ = A little bit (slightly inferior)
× = A lot of galling (inferior)
[0027]
(2) Rust prevention property (1) Wet test: A wet test was conducted under the conditions of a temperature of 50 ° C. and a humidity of 98%, and the time until red rust was generated as an area ratio of 5% with respect to the entire test surface was evaluated.
(2) SST: SST was performed under the conditions specified in JIS Z2371, and the time until red rust was generated as an area ratio of 5% was measured. 10 hours or more is a good evaluation.
(3) Stack test: Two test pieces with dimensions of 70 x 150 mm were stacked, applied with a load of 50 kg / cm 2 , left at a temperature of 50 ° C, and evaluated for the time until red rust was generated as an area ratio of 5%. . In addition, 2 ml of water was dropped between the test pieces. 70 hours or more is a good evaluation.
[0028]
(3) A degreasing solution {Fine Cleaner 4460, manufactured by Nihon Parker Rising Co., Ltd.} adjusted to a concentration of 3% by weight and a liquid temperature of 40 ° C. on an alkali film removal test piece at a temperature of 40 ° C. and a spray pressure of 1 kgf / cm 2 For 10 seconds to remove the film. Next, the test piece was immersed in a 3 wt% aqueous copper sulfate solution for 40 seconds, the substitutional deposition state of Cu was observed, and the film removal property was evaluated according to the following criteria.
Evaluation criteria for film removal ○ = Cu is deposited on the entire surface (excellent)
Δ = Cu partially deposited (slightly inferior)
X = Cu does not precipitate at all (inferior)
[0029]
(4) Two test pieces laminated with the anti-blocking coating surfaces facing each other inside were clamped with a torque of 300 kg · cm and left in a constant temperature bath at 60 ° C. for 6 hours. Thereafter, the stacked test pieces were peeled off, and the blocking resistance was evaluated according to the following criteria depending on the adhesive state when the pieces were peeled off.
Blocking resistance ◎ = No adhesion (excellent)
○ = Slightly sticky (good)
Δ: Adhesive (slightly inferior)
× = Adhesive size (Inferior)
[0030]
[Table 1]
Figure 0003835006
[0031]
[Table 2]
Figure 0003835006
[0032]
[Table 3]
Figure 0003835006
[0033]
[Table 4]
Figure 0003835006
[0034]
【The invention's effect】
By using the coating material of the present invention, the lubricated steel sheet having a coating film formed by applying this coating material on the surface maintains the basic performance of alkali film-removing property and anti-blocking property, and is rust-proof and pressed. Formability will be greatly improved. Therefore, it becomes possible to perform difficult-to-form press molding, which has been a problem in the past, and to solve the rust trouble at the time of high temperature and high humidity and dew condensation.

Claims (3)

アクリル系樹脂および添加剤を含有する潤滑処理鋼板用塗料において、該アクリル系樹脂が、スチレン、メタクリル酸エステルおよびカルボキシル基を有する単量体からなる水溶性共重合体であり、
前記メタクリル酸エステルは、ガラス転移点が0℃以上であり、かつメタクリル酸と炭素数2以上の脂肪族1価アルコールとからなり、
前記添加剤は、金属せっけん、リン酸またはモリブデン酸と Zn Ca もしくはアンモニウムとの塩、そしてポリエチレンワックスのうちの1以上であることを特徴とする潤滑処理鋼板用塗料。
In the paint for a lubricated steel sheet containing an acrylic resin and an additive, the acrylic resin is a water-soluble copolymer comprising a monomer having styrene, a methacrylic ester and a carboxyl group,
The methacrylic acid ester, a glass transition point of 0 ℃ or higher, and Ri Do methacrylic acid and 2 or more aliphatic monohydric alcohol having a carbon number,
The additive, metal soaps, salts of phosphoric acid or molybdate Zn, and Ca or ammonium and lubricated steel sheet for coating according to claim 1 or Der Rukoto of polyethylene wax.
スチレンとメタクリル酸エステルとの共重合比が1:0.3〜5.0であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑処理鋼板用塗料。The paint for a lubricated steel sheet according to claim 1, wherein the copolymerization ratio of styrene and methacrylate is 1: 0.3 to 5.0. 請求項1または2に記載の潤滑処理鋼板用塗料を表面に塗布して形成された塗膜を有することを特徴とするアルカリ脱膜型潤滑処理鋼板。An alkali film-removed type lubricated steel sheet, comprising a coating film formed by applying the paint for a lubricated steel sheet according to claim 1 or 2 to the surface.
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