JP3834807B2 - 乾燥方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性流体から溶媒などの揮発性物質を乾燥除去する乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
重合体などの被乾燥物質から水分、溶媒、残留単量体などの揮発性物質を除去する方法としては種々の方法が知られている。しかし、少量の揮発性物質を含有する重合体からより完全に揮発性物質を除去することは困難である。重合体が精密電子部材や光学部材などの材料として使用される場合、その重合体中の揮発性不純物は、それら用途における周辺汚染の原因となり、またそれら材料の特性を著しく低下させる。
【0003】
粉粒体状の重合体の乾燥は通常減圧加熱により行われる。しかし、より充分に乾燥するためにはより高い温度での乾燥が必要となる。重合体が熱可塑性重合体の場合はより高い温度では溶融して粘性流体となるため、表面積が低下し、乾燥速度が低下する。このような粘性流体は薄膜化するなどの方法で表面積を広げて乾燥が行われる。
【0004】
工業的な粘性流体乾燥方法には、スプレードライ方法、神鋼パンテック社製商品名エクセバに代表される装置を用いる真空薄膜蒸発方法、大川原製作所製商品名ベルマックスに代表される装置を用いるベルト真空乾燥方法などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、スプレードライ方法では、揮発性物質の残存率を1000ppm程度までしか減少できず、また比較的低粘度の粘性流体では効率的に噴霧できない。また、真空薄膜蒸発方法は、撹拌翼を蒸発装置内で回転させることによって流体を薄膜化させ乾燥を行う方法である。この方法では、撹拌翼を回転して粘性流体を薄膜化し、乾燥を促進させる。しかし、その装置構造から粘性流体を厚さ数mmまでしか薄膜化できないため、高粘性流体では揮発性物質の残存率を充分に減少できない。
【0006】
一方、真空薄膜蒸発方法およびベルト真空乾燥方法では被乾燥物質が装置駆動部と接触する場合があり、重合体が潤滑剤や駆動部材料の摩耗で汚染される欠点がある。前記のように、不純物や汚染を嫌う用途においてはこのような方法で乾燥された重合体は使用困難である。
【0007】
従来、駆動部のない乾燥法としては重合体を多孔板から減圧室内にストランド状に押し出すことにより揮発物を除去する方法が知られている(特開昭62−86305)。しかし、このような方法でも揮発性物質の残存率を充分に低減できない。
本発明の目的は、従来技術の前述の欠点を解決しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、乾燥雰囲気中で揮発性物質を含有する粘性流体から揮発性物質を揮発させて除去する粘性流体の乾燥方法において、水平に配置した多孔板の上面から下面に粘性流体を移動させて多孔板下面に粘性流体の膜を形成するとともに、その膜表面の複数の位置から粘性流体を乾燥雰囲気中で線状に流下させることを特徴とする揮発性物質含有粘性流体の乾燥方法である。
【0009】
本発明の方法では、多孔板下面に粘性流体の膜を形成するとともにその膜の複数の位置より線状に粘性流体を流下させるため、粘性流体の表面積が広がり、効率よく粘性流体を乾燥できる。また、粘性流体をその自重で流下させることにより駆動部を有さないこと、さらに乾燥雰囲気中を自由落下させることにより壁面等に接触することが少ないこと、などの理由で粘性流体が汚染されることが少ない。なお、本発明における粘性流体の乾燥とは、揮発性物質を含む粘性流体から揮発性物質を揮発除去することをいう。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における粘性流体は、乾燥雰囲気下で粘性流体であるかぎり、その物質は特に限定されない。前記のように、常温で固体であって高温の乾燥雰囲気下では粘性流体である重合体がその代表例である。また、潤滑油などの油、その他の常温で粘性流体である物質であってもよい。さらに、粘性流体は2種以上の物質の混合物であってもよい。
【0011】
揮発性物質を含む粘性流体の粘度(乾燥雰囲気下の粘度)は、特に限定されないが、1Pa・s以上、特には10Pa・s以上、であることが好ましい。また、あまりに高粘度の粘性流体は自重で流下させることが困難であるため、粘性流体の粘度は1000Pa・s以下であることが好ましい。粘性流体の粘度は乾燥雰囲気下の温度条件により調整できる。例えば、高粘度である場合は乾燥雰囲気温度を上げて粘度を下げうる。
【0012】
揮発性物質の種類も乾燥雰囲気下で揮発しうるものであれば特に限定されない。通常は粘性流体物質に比較して低沸点でありかつ乾燥雰囲気下で蒸発しうる物質である。粘性流体物質が重合体である場合、揮発性物質の代表的なものには水、溶媒、分散媒、残留単量体、低重合体などがある。重合体以外の粘性流体物質の場合は、水、溶媒、分散媒などがある。粘性流体物質が反応生成物である場合はさらに未反応物や副生成物などがある。
【0013】
本発明の乾燥対象である乾燥前の粘性流体中の揮発性物質の量は、特に限定されないが、前記のように本発明の目的がより乾燥困難である少量の揮発性物質を含む粘性流体の乾燥にあることより、乾燥対象である揮発性物質含有粘性流体中に5重量%以下、特に1重量%以下、が好ましい。また、本発明による乾燥後の粘性流体中の揮発性物質の量は、乾燥前の粘性流体中の揮発性物質の量の1/10以下であることが好ましい。
【0014】
本発明において、乾燥雰囲気とは粘性流体中の揮発性物質が粘性流体中から揮発しうる雰囲気をいう。この乾燥雰囲気は例えば常温常圧であってもよいが、通常は減圧雰囲気であるか、加熱雰囲気であるか、または減圧加熱雰囲気である。特に効率よく乾燥を行うためには減圧加熱雰囲気が好ましい。また、雰囲気ガスは通常空気であるが、酸化されやすい粘性流体物質や揮発性物質の場合などでは窒素ガスなどの不活性ガスを用いることもできる。
【0015】
減圧雰囲気における圧力は乾燥効率を高くするために100torr以下、特には10torr以下、が好ましい。加熱雰囲気における温度は粘性流体物質や揮発性物質の熱変性を受ける温度以下の温度が採用され、粘性流体物質が常温で固体の場合はそれが粘性流体となる温度以上の温度が採用される。例えば、粘性流体物質が常温で固体の熱可塑性重合体である場合、重合体が溶融して粘性流体となる温度(ガラス転移点温度や軟化点温度)以上かつ熱分解等の変質が生じる温度以下の温度が採用される。乾燥効率を高くするためにはこれらの温度範囲のうち、より高温が採用されることが好ましい。
【0016】
本発明における多孔板とは、粘性流体が供給される面および粘性流体が排出される面を有し、かつこの両面を貫き粘性流体が通過しうる2個以上の連通孔を有する板状物を意味する。本発明における乾燥対象である揮発性物質含有粘性流体(以下、単に粘性流体という)を多孔板下面に形成した粘性流体膜表面の複数の位置から線状に流下させるために多孔板は乾燥雰囲気中に水平に配置される。
【0017】
線状に流下する粘性流体の流下本数は多い方が乾燥雰囲気との接触面積が多くなり乾燥効率が上がる。多孔板下面は平滑であることが好ましいが、多数の凹凸を設けて凸部先端から流下しやすくすることもできる。多孔板下面が平滑であっても充分水平に保てば粘性流体は多数の位置から線状に流下する。
【0018】
多孔板上面は乾燥雰囲気中に位置している必要はない。例えば、多孔板が多孔板下方の乾燥雰囲気を限る隔壁(多孔板上面側は乾燥雰囲気以外)となっていてもよい。しかし、多孔板上面からも乾燥を行って乾燥効率を上げるためなどの理由で多孔板上下面とも乾燥雰囲気中にあること(多孔板が乾燥雰囲気中に存在すること)が好ましい。例えば、多孔板を乾燥雰囲気中に水平に吊すことにより多孔板上下面とも乾燥雰囲気中に存在させうる。多孔板上面は水平であることが好ましく、また平滑であってもよいが凹凸等を有していてもよい。
【0019】
多孔板上面に供給された粘性流体は孔を通って下面に移動する。一部の粘性流体は多孔板周縁から下面に溢れ出てもよいが多くの粘性流体が多孔板周縁から溢れ出ると多孔板周縁から流下する粘性流体が多くなる傾向を生じ、線状に流下する流下本数が少なくなるおそれが生じる。必要により、多孔板周縁に堰を形成して周縁から流下する粘性流体の量を少なくすることもできる。
【0020】
多孔板としては、メッシュ、パンチングメタル、エキスパンドメタル、スリット、ハニカム、焼結体などからなる板状物が好ましい。粘性流体の粘度、粘性流体に含まれる揮発性物質の目標残存率に応じて、多孔板の孔径、開口率を選択することが望ましい。加えて、網等においては同様に適切な線径を選択することが望ましい。後述のように、多孔板は同種のものを2個以上または種類の異なるものを2個以上併用してもよい。
【0021】
粘性流体が乾燥処理中に粘度が変化していくような場合は、順次、孔径、開口率、線径等の異なる多孔板を組み合わせて使用することにより、粘性流体の滞留時間を制御できる。多孔板の材質としては、粘性流体および揮発性物質に対して悪影響を与えないものであれば種々の材質を採用できる。高温で使用する場合は、金属、セラミックス、ガラスなどの耐熱性無機質系材質からなる多孔板が好ましい。
【0022】
多孔板上面に供給された粘性流体は多孔板の孔を通り多孔板下面に移動する。多孔板上面から下面への粘性流体の移動は多孔板上面に加えられた圧力により行われてもよい(多孔板が隔壁である場合)。しかし、粘性流体は自重で多孔板上面から下面に移動させること、すなわち上面側と下面側の雰囲気圧が等しいこと、が好ましい。前記のように多孔板上面側も乾燥雰囲気中にある場合は、多孔板上面の粘性流体も乾燥に寄与する。
【0023】
本発明においては、粘性流体は多孔板下面に膜を形成することが必要である。粘性流体の膜が形成されることにより、その膜表面が乾燥雰囲気に接するとともに、膜表面から粘性流体が線状に流下する位置における平面から線状への形状変化部分の存在が乾燥雰囲気に接する粘性流体の表面積を増大させる。粘性流体膜表面から線状に流下する本数が多くなることにより、乾燥雰囲気に接する粘性流体の表面積はさらに増大する。
【0024】
さらに、膜表面から粘性流体が線状に流下している状態は粘性流体の膜や線状体の表面が連続的に更新されていることを意味し、拡散係数の低い揮発性物質の乾燥効率を高める要因となっている。また、流下距離を長くすることにより、粘性流体の乾燥雰囲気に対する接触面積や接触時間を長くすることもできる。
【0025】
本発明においては、さらに複数の多孔板を用い、順次粘性流体を上記のように流下させて乾燥を行うこともできる。すなわち、乾燥雰囲気中に複数の多孔板を上下方向に配置し、上方の多孔板の下面から流下した粘性流体を下方の多孔板の上面に供給することにより、乾燥を行うこともできる。この際、前記のように異なる多孔板を組み合わせて用い、より効率の高い乾燥を行うこともできる。
【0026】
さらに、粘性流体を1枚の多孔板に複数回前記のように通して乾燥を行うこともできる。例えば、多孔板を配置した乾燥容器を使用して粘性流体を前記のように乾燥した後乾燥容器を反転し、乾燥容器底部に溜った粘性流体を再び多孔板に通して乾燥を行うことができる。
【0027】
多孔板がメッシュの場合、乾燥雰囲気中における粘性流体の粘度が100Pa・s未満においては、メッシュの線径は0.5〜1mmが好ましく、メッシュの線と線の間隔寸法は0.5〜3mmが好ましい。また、乾燥雰囲気中における粘性流体の粘度が100〜1000Pa・sにおいては、メッシュの線径は0.7〜2mmが好ましく、メッシュの線と線の間隔寸法は1〜3mmが好ましい。
【0028】
図1に本発明乾燥方法を実施するための乾燥装置の1例を示す。
図1において、この乾燥装置1は、乾燥容器2(その密閉された内部空間が乾燥雰囲気となっている)およびその内部空間に上下にかつ水平に吊り下げられている2枚の多孔板3、4からなる。上方の多孔板3のさらに上方に王冠状ディストリビュータ5が配置されている。乾燥容器2の上方に粘性流体供給タンク6が設けられ、粘性流体供給管7により乾燥容器2上部と連結されている。
【0029】
また乾燥容器2の下方に貯留タンク8が設けられ、粘性流体排出管9により乾燥容器2下部と連結されている。乾燥容器2上部にはさらに排気管10が取りつけられており、排気管10から乾燥雰囲気ガスを排出することにより乾燥雰囲気が減圧に保たれるとともに粘性流体から揮発した揮発性物質が排出される。また、乾燥容器2外表面にはジャケット11が取りつけられ、ジャケット11中に流される熱媒体により乾燥雰囲気の温度が調節される。
【0030】
粘性流体は供給タンク6より供給管7を通って乾燥容器2内の王冠状ディストリビュータ5上部に供給され、王冠状ディストリビュータ5周囲から氾出して上方の多孔板3の上面上に流入する。多孔板3の上面上に流入した粘性流体は多孔板上面に広がるとともに孔を通って多孔板下面に広がり、多孔板下面上に膜を形成する。さらに、粘性流体は多孔板下面上の膜表面の複数の位置から線状に流下し、下方の多孔板4の上面上に流入する。下方の多孔板4に流入した粘性流体は上方の多孔板3の場合と同様に流れ、多孔板4下面上の膜表面の複数の位置から線状に流下する。乾燥容器2内底部に溜った乾燥された粘性流体は排出管9を通って貯留タンク8に排出される。
【0031】
図2は粘性流体が流れている状態における多孔板3の断面図である。多孔板3の上面上に粘性流体12の膜13が形成されており、また多孔板3の下面上にも粘性流体12の膜14が形成されている。膜14の複数の位置から粘性流体12が線状に流下している。
【0032】
一方、前記した公知例における多孔板から減圧室内にストランド状に押し出す方法では、上記に対応する多孔板下面には重合体の膜はできず、孔から押し出された線状の重合体はそのまま孔の数と同じ本数で減圧室内を流下して乾燥される。図3は押し出された重合体15が流れている状態における多孔板16の断面図である。この乾燥方法では多孔板下面に重合体の膜ができないなどの理由で充分な乾燥は達成されない。
【0033】
本発明における粘性流体としては、溶融された熱溶融性の重合体であることが好ましい。特に、精密電子機器や光学部材の材料として使用されるような高純度重合体を製造する場合に適した乾燥方法である。高純度重合体の精製は通常溶液状態で精製操作が行われ、その後溶媒が除かれる。この際の溶媒除去を通常の乾燥方法で行っても充分に溶媒を除去できない場合がある。本発明の方法はこのような乾燥後にさらに残存している少量の溶媒を除く方法として適する。
【0034】
本発明における粘性流体としては特に溶融されたフッ素系重合体が好ましい。特に、プラスチック光ファイバ用などの用途に使用される非晶質透明フッ素系重合体が好ましい。このようなフッ素系重合体を溶解しうる溶媒は通常フッ素系溶媒である。そのようなフッ素系溶媒としては、フッ素化炭化水素系溶媒、フッ素化トリアルキルアミン系溶媒、フッ素化エーテル系溶媒、フッ素化環状エーテル系溶媒などがある。
【0035】
【実施例】
例1(実施例)
粘性流体の模擬液として粘度校正液(昭和シェル石油社製鉱物油)を用いた。含水量はカールフィシャー法を用いて測定した。
25℃における粘度が86Pa・sである粘度校正液中に10000ppm含まれる水を乾燥するため図1に示すような装置を準備した。10000ppmの水を含む粘度校正液10リットルを供給タンク6に入れ、乾燥容器2内に流速0.2cm3 /秒で流し込んだ。
【0036】
乾燥容器2内で粘度校正液は王冠状ディストリビュータ5により均一に分散され、多孔板3に流下後、多孔板4に流下した。乾燥容器2は内容積10リットルのガラス製容器であり、ガラスは二層構造で、外層に温度を調整した水を循環し、乾燥容器2内の温度を25℃±3℃に制御した。
また、供給タンク6も温水を循環させるジャケット付きで、温度を調整した水を循環することにより、乾燥容器2内と同様、供給タンク6内の温度を25℃±3℃に制御した。
【0037】
乾燥容器2がガラス製であるので、粘度校正液の流下の状態を観察できた。真空ポンプで乾燥容器2内を減圧とし、粘度校正液流下中は10mmHg以下に保った。多孔板3と多孔板4はともにその線径0.8mm、線と線の間隔2.38mmの金網を用いた。
【0038】
乾燥容器2の高さは30.0cm、ディストリビュータ5、多孔板3、多孔板4はそれぞれ上から5cm、12.5cm、20cmの位置になるよう上部の天板から吊し、設置した。ディストリビュータ5、多孔板3、多孔板4の直径はそれぞれ15cm、18cm、19cmである。
【0039】
多孔板3と多孔板4を流下する様子を観察すると、粘度校正液は図3に示すように多孔板の開口部のみからストランド状に押し出されるのではなく、図2に示すように多孔板の下面に粘度校正液が膜状に付着し、付着量が多い20か所以上の位置から線状に流下していた。貯留タンク8に5リットルの粘度校正液を回収するまで300分要し、乾燥された粘度校正液中の水の量は253ppmであった。
【0040】
例2(実施例)
多孔板3と多孔板4を流下する様子を観察するために粘度校正液1リットル当たり0.1gのポリエチレン粉末を混入させた粘度校正液混合物(粘度86Pa・s)を粘度校正液の代わりに使用する以外、例1と同様な試験を行った。
【0041】
粘度校正液混合物は多孔板の開口部のみから線状に流下するのではなく、多孔板の下面に粘度校正液混合物が膜状に付着し、付着量が多い20か所以上の位置から線状に流下していた。このとき、ポリエチレン粉末の挙動を観察するとポリエチレン粉末は多孔板下部に滞留することはなく、粘度校正液混合物が不規則に線状に流下するとき、広い面積にわたり多孔板下部表面の膜を薄く引き剥ぐように流下するため、常に多孔板下部の表面の膜が更新されている様子が観察された。
【0042】
例3(比較例)
多孔板を線径2mm、線と線の間隔5mmの金網に変更し、粘度校正液7リットルを供給タンク6に入れ、かつ乾燥容器2内に流速0.28cm3 /秒で流し込む以外、例1と同様な試験を行った。
【0043】
乾燥容器2がガラス製であるので、粘度校正液の流下の状態を観察できた。真空ポンプで乾燥容器2内を減圧とし、粘度校正液流下中は10mmHg以下に保った。粘度校正液が図3に示すようなストランド状に流下する様子が観察された。貯留タンク8に5リットルの粘度校正液を回収するまで300分要し、乾燥された粘度校正液中の水の量は603ppmであった。
【0044】
例4(比較例)
粘度校正液の代わりに例2における粘度校正液混合物を使用する以外、例3と同様な試験を行った。粘度校正液混合物は多孔板よりストランド状に流下し、多孔板の下部に粘度校正液混合物が膜状に付着することはなかった。ポリエチレン粉末もストランド状の中で移動することなく、そのまま流下した。
【0045】
例5(実施例)
乾燥容器2をガラス製からステンレス製に変更し、乾燥容器2内の温度および供給タンク6内の温度を250℃±10℃に制御する以外、例1と同様の方法により重合体[ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)を環化重合して得られる非晶質透明フッ素系重合体(以下、重合体Aという)であって、フッ素系溶媒であるペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)溶媒を0.1重量%含有するもの。]の乾燥を行った。乾燥後の重合体をサンプリングし、サーマルデソープション法により重合体中の残存溶媒濃度を測定したところ、21ppmであった。なお、250℃における重合体Aの粘度は300Pa・sであった。
【0046】
例6(実施例)
多孔板4を取り除き、多孔板3のみを用いる以外、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)溶媒を0.1重量%含有する重合体Aの乾燥を例5と同様の方法により行った。乾燥後の重合体をサンプリングし、サーマルデソープション法により重合体中の残存溶媒濃度を測定したところ、230ppmであった。
【0047】
【発明の効果】
本発明では、多孔板下面に粘性流体の膜を形成するとともにその膜の複数の位置より線状に粘性流体を流下させることより、粘性流体の表面積が広がり、効率よく粘性流体の乾燥を行うことができる。また、粘性流体をその自重で流下させることにより駆動部を有さないこと、さらに乾燥雰囲気中を自由落下させることより壁面等に接触することが少ないこと、などの理由で粘性流体が汚染されることが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を説明するための乾燥装置の概略図。
【図2】本発明方法を説明するための多孔板断面の概略図。
【図3】従来の方法を説明するための多孔板断面の概略図。
【符号の説明】
1:乾燥装置
2:乾燥容器
3:多孔板
5:王冠状ディストリビュータ
6:供給タンク
8:貯留タンク
10:排気管
12:粘性流体
14:膜
10:排気管
16:多孔板

Claims (5)

  1. 乾燥雰囲気中で揮発性物質を含有する粘性流体から揮発性物質を揮発させて除去する粘性流体の乾燥方法において、水平に配置した多孔板の上面から下面に粘性流体を移動させて多孔板下面に粘性流体の膜を形成するとともに、その膜表面の複数の位置から粘性流体を乾燥雰囲気中で線状に流下させることを特徴とする揮発性物質含有粘性流体の乾燥方法。
  2. 乾燥雰囲気中に多孔板を配置し、多孔板上面に供給した粘性流体を多孔板の上面から下面に自重で移動させかつ自重で線状に流下させる、請求項1に記載の乾燥方法。
  3. 乾燥雰囲気中に複数の多孔板を上下方向に配置し、上方の多孔板の下面から流下した粘性流体を下方の多孔板の上面に供給する、請求項1または2に記載の乾燥方法。
  4. 乾燥雰囲気中における粘性流体の粘度が1Pa・s以上である、請求項1、2または3に記載の乾燥方法。
  5. 粘性流体が溶融されたフッ素系重合体であり、揮発性物質がフッ素系溶媒である、請求項1、2、3または4に記載の乾燥方法。
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