JP3833985B2 - Bladder and tire manufacturing method - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生タイヤを加硫成形する際に用いるものであって、加圧熱媒体によってタイヤをモールド方向に拡開押圧するブラダに関するものであり、またこのブラダを用いたタイヤの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タイヤの製造方法としては、カーカス,ビード,サイドウォール,ベルト,トレッドといった各部材を接合して生タイヤとし、この生タイヤをモールド内に入れて、熱と圧力を一定時間加えて加硫成形を行い、1本のタイヤとしている。
【0003】
加硫成形に際しては、モールド51に入れた生タイヤ52の内側にブラダ53を配置する[図4:モールド内に入れた生タイヤ52の内側にブラダ53を配置した様子を表す断面図]。そしてこのブラダ53の内側に高温,高圧の熱媒体を供給することによって、ブラダ53を拡張して生タイヤ52を拡開させる様にモールド51内壁面に押しつけ[図5:ブラダ53により生タイヤ52をモールド51に押しつけた様子を表す断面図]、これにより生タイヤ52の外側面にトレッドパターンを刻むと共に、上記熱媒体及びモールドによる加熱で生タイヤ52を加硫する。尚熱媒体としては一般に180〜200℃のスチーム・N2ガスの混合流体等が用いられる。
【0004】
ブラダは、加硫成形時には十分に拡張して生タイヤを内側から押圧する必要があり、他方モールドに生タイヤをセットする時や成形後にタイヤを取出す時には、タイヤのビード部の間隔よりも小さくなっていることが望まれる。従ってブラダには、柔軟性に優れたブチルゴム等のゴム製のものが用いられている(従来例▲1▼)。
【0005】
しかしながらゴム材料のみで十分な強度を保つには、ブラダを4〜6mm程度の厚肉にする必要があり、この為に熱伝導率が悪くなって、加硫時間が長くかかるという問題があった。
【0006】
またブラダは加硫成形時にタイヤ内壁面にピッタリ沿った形状(以下、プロファイルと言うことがある)となってタイヤを均等に押圧すべきところ、ブラダの材料として一般に使用されるゴムは高温環境下で硬化が進むという性質を有するから、生タイヤの加硫成形操作を繰り返すうちに硬化して伸び率が低下し、この低下に従って拡張による押圧力も低下し、この為にプロファイルにバラツキを生じる。このバラツキが軽度であればタイヤの品質に支障をきたさないが、上記従来例▲1▼の様に厚肉のブラダでは使用回数の比較的少ない段階でプロファイルのバラツキが顕著となるから、ブラダの早めの交換を余儀なくされ(例えば乗用車用のタイヤでは加硫成形300〜400回程度で交換)、生産性の低下を招く問題がある。
【0007】
そこで、ブチルゴムをアラミド製タイヤコードで補強することにより、ブラダを薄肉にしたものも提案されているが(従来例▲2▼:米国特許5062781号)(特許文献1参照)、タイヤコードが殆ど伸びない為にブラダもあまり伸長せず、良好なプロファイルを形成し難いという問題がある。
【0008】
加えて従来例▲2▼はブラダの形状柔軟性が低く、タイヤ内壁面に常に良好な添装状態を形成することが困難であることから、たとえブラダにガス抜き溝を設けていても、生タイヤとブラダの間に残存するガスを良好に抜くことができない恐れがある。
【0009】
他方、特開2000−317942号公報には、アラミド繊維等を用いた編物や織物よりなるブラダであって、予め加硫済タイヤ内壁面形状と同形状に形成したものが示されている(従来例▲3▼)(特許文献2参照)。このブラダの使用法は、まずブラダを折り畳んで小さくして生タイヤ内側に配置し、タイヤ加硫成形時に熱媒体の圧力によってブラダを展開して生タイヤを押圧するというものである。アラミド繊維等は高圧環境下で変質し難い低延伸性材料であるから、加硫成形の繰り返し回数が多くなった段階でも、タイヤ内壁面のプロファイルがかなり安定したものになるという効果を発揮している。またこの特開2000−317942号公報には、上記アラミド繊維製の布帛にシリコン樹脂等をコーティングし、ブチルゴム製ブラダと同程度の気密性を発揮するブラダも提案されている(従来例▲4▼)(特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
米国特許5062781号明細書
【特許文献2】
特開2000−317942号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様に様々なブラダが提案されているが、プロファイルのバラツキがより生じ難く、交換頻度を低減したブラダが要望されている。
【0012】
そこで本発明においては、加硫成形回数が多くなった段階でも、タイヤ内壁面に対するプロファイルのバラツキが殆ど生じず、交換頻度を低減することができるブラダを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るブラダは、生タイヤの加硫成形時に、加圧熱媒体によってタイヤ内壁面を押圧するためのブラダであって、少なくとも1つのゴム層と少なくとも1つの布層を有し、前記布層が、編物により構成され、その経方向の伸び率と緯方向の伸び率がいずれも15%を超え、前記経方向の伸び率に対する前記緯方向の伸び率の比(以下、経緯伸び率比と称することがある)が0.4〜6.0であることを要旨とする。
【0014】
この様にゴム層に積層する布層として伸縮性のあるものを用いているから、該布層により、ゴム層は伸縮性を損なわれることなく補強され、ブラダとして耐久性が向上する。また布層はゴム層と共に延伸することができるから、加硫成形時にタイヤ内壁面におけるプロファイルにあまり偏りを生じず、バランス良くタイヤを押圧することができる。更に布層によって補強されるからゴム層を薄くすることもでき、従ってブラダ全体の厚みとしても薄くなり(例えば2〜6mm)、これによりブラダの熱伝導が良好となって、加硫時間を短縮することができる。その結果、ブラダの熱劣化が抑制されてブラダの交換頻度が低減し、またタイヤの生産性が向上する。
【0015】
また例えば従来例▲3▼では、アラミド繊維等の布帛を予め加硫済タイヤ内壁面形状と略同形状に形成しておく必要があるが、本発明のブラダは伸張させてタイヤ内壁面形状にするものであるから、細部にわたる形状設計は不要である。
【0016】
尚ゴム層に積層するものとして、ゴム製シートの補強の観点だけであれば、どの様な布地であっても良いのであるが、伸縮性が乏しい布地であると、ゴム製シートに積層したときにゴム製シートの伸長を妨げて良好なプロファイルを形成することが難しくなる懸念がある。この様な観点から布層の経方向・緯方向の伸び率は好ましくは25%以上であり、より好ましくは50%以上である。尚伸び率はJIS L 1018により求められる。
【0017】
また布層として非常に伸縮性の良好なものを用いれば、タイヤサイズに応じてブラダの形状を円筒型、提灯型等にするだけで良く、ブラダの製造も簡単に行い得る。
【0018】
布層の経方向・緯方向の伸縮性バランスに関しては、加硫成形時にブラダをより均質なプロファイルにするという観点から、よりバランスのとれたものの方が好ましく、即ち経緯伸び率比として0.7〜1.7が好ましい。より好ましくは0.8以上、1.4以下である。尚経緯伸び率比は下式(1)により算出される。経緯伸び率比=緯方向の伸び率/経方向の伸び率 …(1)。
【0019】
尚ブラダにおける布層の経緯方向の配置に関しては、円筒状のブラダの軸方向に布層の経方向を配置させる場合、上記軸方向に布層の緯方向を配置させる場合、或いは上記軸方向に布層の経緯方向を斜めに配置する場合のいずれであっても良い。
【0020】
前記布層としては、編物により構成されたものであることが好ましく、編物は伸縮性が良好だからである。繊維自体の伸縮性が悪い繊維(例えばアラミド繊維)を用いても、編物とすればその編構造によって十分な伸縮性を発揮させることができる。従って耐熱性,耐候性良好な繊維を用いて製編すれば、劣化し難く且つ十分な伸縮性を発揮する布層とすることができる。
【0021】
編物としては緯編が望ましく、この編組織としてはパール編であることが最も好ましい。パール編によれば、伸縮性が良好で、且つ経(縦)方向の伸びと緯(横)方向の伸びがほぼ等しいという等方性を有する編地を作製可能である。従ってこの様な伸縮性が良く等方性のパール編地であれば、ゴム層と共に良好に延伸することができ、加硫成形時にタイヤ内壁面におけるプロファイルに偏りを生じない。尚平編地では経方向の伸びに比べて緯方向の伸びが非常に大きく、またゴム編の編地では緯方向の伸びが経方向よりも大きく、いずれも経方向・緯方向の伸びがアンバランスになりがちであるから、加硫成形時に多少偏りのあるプロファイルとなる懸念がある。しかしパール編地の場合は伸縮性やストレッチバック性(伸びた後縮ませたときに元の形に戻る性質)が特に良好であり、しかも上述の様に経方向及び緯方向の伸びがほぼ等しいものとできるから、ゴム層(ゴム製シート等)のストレッチバック性を損なうことがなく、このゴム層と共にタイヤ内壁面にブラダが良好に沿うようになる。
【0022】
また編形状としては、丸編み,横編みのいずれであっても良いが、横編みより丸編みのほうがより好ましい。この理由は、ブラダが円筒形状であることから、使用する編物(布層)として円筒状になった丸編み地を用いれば、出来上がりのブラダとしてもその布層に繋ぎ目がなく、全体に均一なものが得られ、その結果耐久性に一層優れたブラダとなるからである。尚この場合において布層はその経方向が円筒状ブラダの軸方向に配置されることとなる。
【0023】
更に、一段毎に表目と裏目が交互に配置される様にして丸編みにより製編すれば、丸編みとなったパール編地が得られ、この編地であれば経方向,緯方向の伸びがほぼ等しい上、ブラダの布層として繋ぎ目も生じないから、最も好ましい。
【0024】
本発明のブラダにおけるゴム層と布層の積層態様としては、例えば布層の両面にゴム層が設けられたもの(3層構造)や、布層の一方面にゴム層が設けられたもの(2層構造)が挙げられ、この他、ゴム層と布層を交互に積層した4層以上のもの、布層を直接2層以上積層したものの一方面或いは両面にゴム層を設けたもの等であっても良い。但しブラダ全体の肉厚が厚くならない様にする為、積層数をあまり多くしないことが推奨される。尚この様な積層構造において、前記ゴム層中に前記布層が埋設された状態となったものであることが好ましく、ゴム層と布層が非常に良好な密着性を示すからである。
【0025】
上記の如く例示した積層態様のうちでも上記3層構造のものは、布層の編目等を介して上下層のゴムが一体となり、強固なゴム/編地複合シートが形成されることから好ましい。
【0026】
また上記2層構造のブラダの場合は、該ブラダを製造するに際して、布層とゴム層の積層時に、これらの層間の空気が布層側から良好に抜け出て、布層−ゴム層積層シート内に残留することがないので、境界面における密着性が特に良好となる。加えて層間の抜気に格別の配慮を払う必要がないから、ブラダ製造操作が簡単である。更に2層構造の場合は、布層の表面を保護する為のコート材(シリコン樹脂やフッ素樹脂等)を付与しても良い。
【0027】
次にタイヤ加硫成形時における生タイヤ−ブラダ間のガス抜き性について述べる。
【0028】
ブラダの布層として編物を用いた場合において、まずブラダのモールド側が編物(布層)のときでは、編物自身が表面に凹凸を有するから、ブラダと生タイヤの間に残存するガスはこの編物(布層)の凹凸を伝って拡散し、大きな気泡部分を作ることもなく、タイヤのビード端部分から外部に抜け出て、その結果タイヤ内壁面にブラダが良好に沿う様になる。
【0029】
また同じく布層として編物を用いた場合において、ブラダのモールド側面がゴム層のときにおいても(例えばゴム製シート/編物(布層)/ゴム製シートといった3層構造のブラダ)、加硫成形時にブラダがタイヤ内壁面に押圧された際には、編物(布層)の凹凸がモールド側のゴム層に写り、ブラダのモールド側面(表面)に無数の凹凸を形成することになる。そして上記と同様に、生タイヤとブラダの間に残存するガスがこの凹凸を伝って拡散し、タイヤのビード端部分から外部に抜け出ることとなり、その結果タイヤ内壁面にブラダが良好に沿う様になる。布層としてパール編地を用いた場合は、ブラダ表面に適度な起伏(凹凸)が表れることになるので殊に好ましい。
【0030】
尚本発明のブラダの布層として編物を用いた場合は、上述の如くガスが良好に拡散するから、従来の様にガス抜き溝をブラダ外壁面に形成しておく必要がない。
【0031】
また本発明において前記布層が編物の場合に、その編密度が5〜25コース/2.54cm、5〜25ウェール/2.54cmであることが好ましい。
【0032】
編み目が非常に大きい編地の場合では良好なストレッチバック性が発揮されない懸念があり、一方で編み目があまり詰んでいると、伸縮性が悪くなる懸念があるからである。より好ましくは10コース/2.54cm以上,20コース/2.54cm以下、10ウェール/2.54cm以上,20ウェール/2.54cm以下である。
【0033】
更にはコースの編密度とウェールの編密度が、同じか或いは近似していることがより好ましい。布層の経と緯の伸縮力や伸縮量がより等しくなるからである。最も好ましくはコースとウェールの編密度が等しいものである。
【0034】
加えて本発明において、前記布層が、17cN/dtex以上の高強力繊維を用いて構成されたものであることが好ましい。
【0035】
布層を構成する繊維(糸)としては、強い伸長を受けても容易に破断しないだけの十分な強さが求められ、この点から上記の様に17cN/dtex以上が好ましく、より好ましくは20cN/dtex以上である(測定方法はJIS L 1070(引張強度の測定法)による)。なお一般に引張強度の高い糸は伸縮性に乏しい傾向にあるが、布層として編物(好ましくはパール編地)を採用することによって良好な伸縮性が発揮されるから、布層の構成糸自体に伸縮性がなくても構わない。
【0036】
上記高強力繊維としてはアラミド繊維が挙げられ、より具体的にはポリパラフェニレンイソフタルアミド繊維、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維、パラ系アラミドとメタ系アラミドとの共重合体繊維、または芳香族エーテル、例えば3,4'-ジアミノジフェニルエーテルを共重合したパラ系アラミド繊維等が挙げられる。その他の高強力繊維も使用でき、例えばポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾル繊維、ポリイミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維などが挙げられる。また上記高強力繊維はこれら例示される各繊維の混合繊維であっても良い。
【0037】
このうちでもポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(例えば商品名ケブラー:デュポン社製)や、3,4'-ジアミノジフェニルエーテルを共重合したパラ系アラミド繊維(商品名テクノーラ:帝人株式会社製)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾル繊維(商品名ザイロン:東洋紡績株式会社製)が好ましく、更にこのうちでも特に上記3,4'-ジアミノジフェニルエーテルを共重合したパラ系アラミド繊維(コポリパラフェニレン・3,4'-オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維[下記化1に、その構造式を示す])(商品名テクノーラ:帝人株式会社製)は、耐熱性に非常に優れ、加硫成形により加熱が繰り返されても劣化し難く、且つ牽切加工がし易いから、より好ましい。
【0038】
【化1】

Figure 0003833985
【0039】
尚上記高強力繊維としては長繊維,短繊維の何れであっても良い。
【0040】
更に前記布層が、高強力繊維を用いた紡績糸、或いは高強力繊維を用いた牽切方式による仮撚紡績糸のいずれか、またはこれらの複合糸により製編されたものであることが好ましい。
【0041】
この様に紡績糸や牽切方式による仮撚紡績糸であれば、糸表面に毛羽立ちがあるから、この毛羽によるアンカー効果によって樹脂(ゴム層)との接着性が良好となる。このうちでも特に牽切方式による仮撚紡績糸は、上記の如くアンカー効果に優れることに加えて、繊維の強力が良好に保持された糸であるから、より好ましい。
【0042】
前記ゴム層の素材としては、ブチルゴム、変性ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルブタジエンゴム、水添ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコンゴム、フッ素ゴム等が挙げられ、これらを単独或いは適宜混合して用いると良い。このうちでも特にシリコンゴム、水添ニトリルブタジエンゴム、フッ素ゴムは耐熱性が非常に良好であるので好ましい。
【0043】
本発明に係るタイヤの製造方法は、前記ブラダを、モールドに入れた生タイヤ内側に配置する工程と、前記ブラダ内側に加圧熱媒体を供給し、前記ブラダを介して前記生タイヤを前記モールド内壁面に押圧しつつ加硫成形する工程を備えたことを要旨とする。
【0044】
前述の様に本発明のブラダは良好な伸縮性を示し且つ経・緯方向の伸び率にあまり差がないから、生タイヤをバランス良く押圧することができ、また布層として編物を用いた場合にはブラダ表面に無数の凹凸を形成して良好にガス抜きを行い得る。従ってほぼ均等に加硫成形されたタイヤを得ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1に係るブラダの部分断面図である。
【0046】
このブラダ10は、横編みのパール編地層12の表裏両面にシリコンゴム層11,13を積層して一体化した3層構造のものであり、ブラダ10の肉厚としては2mmである。上記パール編地層12はアラミド繊維(太さ:440dtex、引張強度:25cN/dtex)を用い、コース及びウェールの編密度をそれぞれ15コース/2.54cm,15ウェール/2.54cmとして横編みでパール編みしたものであって、その経方向の伸び率は200%、緯方向の伸び率は230%、経緯伸び率比は1.15である。
【0047】
次に上記実施形態1のブラダ10の製造方法について述べる。
【0048】
シリコンゴム製シート2枚とパール編地を準備し、これらをシリコンゴム製シート−パール編地−シリコンゴム製シートの順に積層してプレスし、厚さ2mmの3層シートを作製する。この3層シートを中子に巻き付け、クランプ部に該当する箇所にシリコンゴムを配置する。次に下外金型に上記中子部分をセットし、上外金型を締め、プレス機を用いて加硫する。その後上外金型を外して中子部分を取り出し、中子を分割してブラダ成形品(ブラダ10)を得る。尚上記加硫時において、上記3層シートのうちの両シリコンゴム製シートの一部がパール編地の編目の隙間に流動して一体となり、この状態で架橋される。従ってブラダ10は、ゴム層11とゴム層13がパール編地層12の編目の隙間に入り込んで一体となった3層構造(ゴム層11−パール編地層12−ゴム層13)を呈する。
【0049】
以下に上記ブラダ10を用いてタイヤの加硫成形を行う方法について述べる。
【0050】
従来と同様に、加硫機のモールド51に入れた生タイヤ52内側にブラダ10を配置する[図2:モールド内に入れた生タイヤ52の内側にブラダ10を配置した様子を表す断面図]。
【0051】
次にこのブラダ10内側に高温,高圧の熱媒体(185℃,14kg/cm2のスチーム及び24kg/cm2のN2ガス)を供給してブラダ10を伸展,伸張させて生タイヤ52をモールド51内壁面に押しつけ[図3:ブラダ10により生タイヤ52をモールド51に押しつけた様子を表す断面図]、加硫成形する。このときブラダ10は良好に延伸するから、タイヤ内壁面におけるプロファイルにバラツキが殆どない。また延伸前はブラダ10のモールド側のゴム層11が平滑なものとなっているが、タイヤ内壁面に押圧されるとブラダ10のパール編地層12の凹凸がモールド側ゴム層11に写って、ブラダ表面に小さな凹凸を無数に形成し、この凹凸を伝って生タイヤ52とブラダ10間のガスが拡散しつつ外部に抜けるので、タイヤ内壁面をバランス良く押圧することができる。加えてブラダ10は肉厚が2mmと薄いから、上記熱媒体の熱を良好に生タイヤ52に伝えることができ、従って生タイヤ52の加硫時間が短くて済む。例えば肉厚4mmのブラダに比べて約23%の時間短縮を図ることができる。
【0052】
その後、上記熱媒体の供給を停止して常圧に戻し、加硫機から加硫成形済のタイヤを取り出す。
【0053】
次いで上記と同様に新たな生タイヤ52に対しても加硫成形を行う。この際上記ブラダ10を繰り返し使用することになるが、該ブラダ10はパール編地層12によって補強されているから、長期間に亘って初期のストレッチバック性を保持し、たとえ加硫成形繰り返し回数が多くなった段階であってもタイヤ内壁面におけるプロファイルにあまりバラツキを生じず、生タイヤを良好に押圧することができる。その結果ブラダの交換頻度を少なくすることができ、生産性の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
【0054】
<実施形態2>
図6は本発明の実施形態2に係るブラダの部分断面図である。本実施形態2のブラダ20は横編みのパール編地層12の一方面にシリコンゴム層13を積層して一体化した2層構造のものであり、肉厚は2mmである。実施形態2のパール編地層12も実施形態1と同じく、糸の太さ440dtex,引張強度25cN/dtexのアラミド繊維製の糸を用いたものであり、編密度が15コース/2.54cm,15ウェール/2.54cmの横編みのパール編物である。またこのパール編物の経方向の伸び率は200%、緯方向の伸び率は230%、経緯伸び率比は1.15である。尚上記実施形態1のブラダ10はパール編地層12がゴム層11,13により隠れた状態となっていたが、このブラダ20ではパール編地層12の一部がゴム層13に埋入し、その反対側が露出して、編地の凹凸が現れている。
【0055】
次に上記実施形態2のブラダ20の製造方法について述べる。
【0056】
シリコンゴム製シートとパール編地を各1枚ずつ作製し、これらを積層してプレスし、厚さ2mmの2層シートを得る。尚実施形態1の場合では、2枚のゴム製シートにパール編地を挟む際に、これらの界面の空気の抜き出しに配慮する必要があるが、実施形態2の場合ではシリコンゴム製シートとパール編地の界面の空気はパール編地側から容易に放出されるから、該界面に空気が殆ど残留せず、シリコンゴム層11とパール編地層12の界面密着性が優れる。
【0057】
次いでこの2層シートを、パール編地面が外側になる様にして中子に巻き付け、クランプ面に該当する箇所にシリコンゴムを配置する。続いて上記実施形態1の場合と同様に下外金型に上記中子部分をセットし、上外金型を締め、プレス機を用いて加硫する。その後上外金型を外して中子部分を取り出し、中子を分割してブラダ成形品(ブラダ20)を得る。
【0058】
この実施形態2のブラダ20を用いてタイヤの加硫成形を行う方法は、上記実施形態1のブラダ10の場合と同様である(図2,3参照)。尚ブラダ20ではモールド側にパール編地層12が配されることとなる。
【0059】
このブラダ20においても、加硫成形にあたって内側に熱媒体が供給された際に良好に延伸するから、タイヤ内壁面におけるプロファイルにバラツキが殆どなく、またブラダ20におけるパール編地層12の凹凸を伝って生タイヤ52とブラダ20間のガスが拡散しつつ外部に抜け出るから、タイヤ内壁面をバランス良く押圧することができる。加えてこのブラダ20も肉厚が2mmと薄いから、ブラダ20内に供給された熱媒体の熱を良好に生タイヤに伝えることができ、従って生タイヤの加硫時間が短縮される。
【0060】
<実施形態3>
実施形態3のブラダ30は、丸編みのパール編地の一方面にシリコンゴム層を積層して一体化した2層構造のものであり、肉厚は2mmである(図6参照)。該パール編地層は、糸の太さ440dtex,引張強度25cN/dtexのアラミド繊維製の糸を用いたものであり、編密度が15コース/2.54cm,15ウェール/2.54cmであって、丸編みで製編したものである。このパール編物の経方向の伸び率は210%、緯方向の伸び率は220%、経緯伸び率比は1.05である。尚本実施形態3のブラダ30は、2層構造であるという点で実施形態2と同じであるが、実施形態2と異なりパール編地層(編物)につなぎ部分がない。
【0061】
次に上記実施形態3のブラダ30の製造方法について述べる。
【0062】
先ずシリコンゴムをプレスし、厚さ2mmのゴムシートを得る。次いでこのゴムシートを中子に巻き付け、その後丸編みのパール編地を外側に被せ、クランプ面に該当する箇所にシリコンゴムを配置する。続いて上記実施形態1,2の場合と同様に下外金型に上記中子部分をセットし、上外金型を締め、プレス機を用いて加硫した後、上外金型を外して中子部分を取り出し、中子を分割してブラダ成形品を得る。
【0063】
実施形態2では、パール編地とゴムシートを積層した2層シートを一旦作製し、その後ブラダに成形したが、上記の様に本実施形態3では、パール編地とゴムシートを積層するのと同時にブラダ形状への成形を行っており、この点において両者は異なるが、出来上がり品としては本実施形態3も実施形態2と同様に、パール編地層の一部がゴム層に埋入し、その反対側が露出して、編地の凹凸が現れた形態の2層構造のものである(図6参照)。但し上述の様に実施形態3のパール編地層には繋ぎ目がなく、全体に均一なものである。
【0064】
この実施形態3のブラダ30を用いてタイヤの加硫成形を行う方法は、上記実施形態2のブラダ20の場合と同様である(図2,3参照)。実施形態3のブラダ30においても、良好に延伸するからタイヤ内壁面におけるプロファイルにバラツキが殆どなく、またパール編地層の凹凸を伝って生タイヤ52とブラダ間のガスが拡散しつつ外部に抜け出るから、タイヤ内壁面をバランス良く押圧することができる。加えてこのブラダ30も薄いから、ブラダ30内に供給された熱媒体の熱を良好に生タイヤに伝えることができ、従って生タイヤの加硫時間が短縮される。
【0065】
<実験:耐久性試験1>
上記実施形態1,2,3のブラダ10,20,30を用い、これらの耐久性試験を行った。該試験方法は、下記に示す(1)〜(3)の操作を1サイクルとしてこの操作を繰り返し、ブラダが破れるまでの繰り返し回数を数えた(加硫成形模擬実験)。尚、破損したか否かの判定は目視観察による。
(1):ブラダ内に185℃,14kg/cm2のスチームを4分間導入する。
(2):続いて185℃,24kg/cm2のN2ガスを6分間導入する。
(3):その後圧力解放して1分間で内部ガスを吸引,排出する。
【0066】
比較としてブチルゴムのみからなる厚み4mmのブラダ(比較例1)と、シリコンゴムのみからなる厚み2mmのブラダ(比較例2)について、上記と同様に加硫成形模擬実験を行った。これらの結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
Figure 0003833985
【0068】
比較例1,2のブラダは上記従来例▲1▼に相当するものであるが、表1の結果から分かる様に実施形態1,2,3のブラダ10,20,30は比較例1,2のブラダに比べて、耐久性が非常に向上している。
【0069】
<その他の実施形態,比較例>
下記表2に示す様に種々の伸び率を示す布層を用い、この布層の一方面に下記表2に示すゴム層を積層一体化し、ブラダを作製した。尚具体的なブラダの製造方法としては、布層が横編みの場合は上記実施形態2にと同様に行い、布層が丸編みの場合は上記実施形態3と同様に行った。出来上がったブラダNo.1〜12は、布層の一部がゴム層に埋入し、その反対側が露出して、布層(編地)の凹凸が現れた2層構造のものである。これらブラダNo.1〜12の肉厚はいずれも2mmである。
【0070】
【表2】
Figure 0003833985
【0071】
<実験:耐久性試験2>
上記ブラダNo.1〜12について耐久性試験を行った。試験方法は前述の耐久性試験1と同じであり、ブラダが破れるまでの繰り返し回数を数えた(加硫成形模擬実験)。尚、破損したか否かの判定は目視観察による。これらの結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
Figure 0003833985
【0073】
表3から分かる様に、ブラダNo.1,12は経緯伸び率比が小さすぎる或いは大きすぎることから、加硫成形時の熱媒体供給によってブラダが伸長した際に、力が均等にかからず、この為に耐久性に劣るものとなったと考えられる。またブラダNo.4,9は経方向,緯方向の伸び率の両方或いは一方が小さいことから、加硫成形時のブラダ伸長の際に無理な伸長力が加わり、この為に耐久性に劣るものとなったと考えられる。
【0074】
これに対してブラダNo.2,3,5〜8,10,11では耐久性に優れており、このうちでもブラダNo.3,5〜8,11はより優れた耐久性を示し、更にブラダNo.6は最も優れた耐久性を示している。
【0075】
以上本発明に係るブラダ及びタイヤ製造方法に関して、例を示す図面を参照しつつ具体的に説明したが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0076】
例えば上記実施形態1,2,3のブラダでは布層としてパール編地を用いたが、これに限るものではなく、例えば平編み,ゴム編み等であっても良い。
【0077】
【発明の効果】
本発明に係るブラダは、加硫成形の繰り返し回数が多くなった段階でも、加硫成形時のタイヤ内壁面におけるプロファイルのバラツキが殆ど生じないから、ブラダの交換頻度を低減することができ、しかも良好にタイヤを押圧することができる。また薄肉のブラダにすることが可能であるから、加硫時間を短縮できる。従って生産性向上,コスト削減を図ることができる。殊に縦方向と横方向の伸びバランスのとれた布層を用いた場合は、伸びの異方性が小さいのでブラダの形状の安定性に優れ、非常にバランス良くタイヤを押圧することができる。
【0078】
また本発明に係るタイヤの製造方法は、上記の様な本発明のブラダを用いて行うものであるから、バランス良く押圧、加硫成形されたタイヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るブラダの部分断面図。
【図2】モールド内に入れた生タイヤの内側に本実施形態のブラダを配置した様子を表す断面図。
【図3】本実施形態のブラダにより生タイヤをモールドに押しつけた様子を表す断面図。
【図4】モールド内に入れた生タイヤの内側に従来のブラダを配置した様子を表す断面図。
【図5】従来のブラダにより生タイヤをモールドに押しつけた様子を表す断面図。
【図6】本発明の実施形態2(3)に係るブラダの部分断面図。
【符号の説明】
10,20,30 ブラダ
11,13 シリコンゴム層
12 パール編地層
51 モールド
52 生タイヤ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a bladder that is used when a raw tire is vulcanized and formed, and that expands and presses the tire in the mold direction with a pressurized heat medium, and also relates to a tire manufacturing method using the bladder. Is.
[0002]
[Prior art]
As a tire manufacturing method, each member such as carcass, bead, sidewall, belt, and tread is joined to form a raw tire, and this raw tire is placed in a mold and heat and pressure are applied for a predetermined time to perform vulcanization molding. One tire is used.
[0003]
At the time of vulcanization molding, a bladder 53 is disposed inside the raw tire 52 placed in the mold 51 [FIG. 4: a cross-sectional view showing a state where the bladder 53 is placed inside the raw tire 52 placed in the mold]. Then, by supplying a high-temperature and high-pressure heat medium to the inside of the bladder 53, the bladder 53 is expanded and pressed against the inner wall surface of the mold 51 so as to expand the raw tire 52 [FIG. Is a cross-sectional view showing a state in which the tire 51 is pressed against the mold 51], whereby a tread pattern is engraved on the outer surface of the raw tire 52, and the raw tire 52 is vulcanized by heating with the heat medium and the mold. As a heat medium, steam / N of 180-200 ° C is generally used. 2 A gas mixed fluid or the like is used.
[0004]
The bladder must be sufficiently expanded during vulcanization molding to press the raw tire from the inside, while when the raw tire is set in the mold or when the tire is taken out after molding, it is smaller than the distance between the tire bead portions. It is hoped that Accordingly, a bladder made of rubber such as butyl rubber having excellent flexibility is used (conventional example (1)).
[0005]
However, in order to maintain sufficient strength with only the rubber material, it is necessary to make the bladder about 4 to 6 mm thick, which causes a problem that the thermal conductivity is deteriorated and the vulcanization time is long. .
[0006]
In addition, when the vulcanization molding is performed, the bladder has a shape that is perfectly aligned with the inner wall surface of the tire (hereinafter sometimes referred to as a profile), and the tire should be pressed evenly. Therefore, as the vulcanization molding operation of the green tire is repeated, it cures and the elongation decreases, and the pressing force due to expansion also decreases according to this decrease, resulting in variations in the profile. If this variation is slight, the tire quality will not be affected. However, as in the case of the conventional example (1), a thick-walled bladder has a significant profile variation at a relatively small number of times of use. There is a problem that an early replacement is unavoidable (for example, in a tire for a passenger car, the replacement is performed about 300 to 400 times of vulcanization molding), and the productivity is lowered.
[0007]
In view of this, there has been proposed one in which a bladder is made thin by reinforcing butyl rubber with an aramid tire cord (conventional example {circle around (2)}: US Pat. No. 5,062,781) (see Patent Document 1), but the tire cord is almost stretched. Therefore, there is a problem that the bladder does not expand so much and it is difficult to form a good profile.
[0008]
In addition, in the conventional example (2), the shape flexibility of the bladder is low, and it is difficult to always form a good fitting state on the tire inner wall surface. There is a possibility that the gas remaining between the tire and the bladder cannot be extracted well.
[0009]
On the other hand, JP 2000-317942 A discloses a bladder made of a knitted fabric or a woven fabric using an aramid fiber or the like, which is previously formed in the same shape as the shape of the inner wall surface of a vulcanized tire (conventional technology). Example (3)) (see Patent Document 2). The method of using this bladder is to first fold the bladder and make it smaller and place it inside the raw tire, and then expand the bladder by the pressure of the heat medium to press the raw tire during tire vulcanization molding. Since aramid fiber is a low-stretch material that does not easily change in a high-pressure environment, it exhibits the effect that the profile of the tire inner wall surface becomes fairly stable even when the number of vulcanization molding cycles is increased. Yes. Japanese Patent Laid-Open No. 2000-317942 also proposes a bladder in which the aramid fiber cloth is coated with a silicone resin or the like and exhibits airtightness similar to that of a butyl rubber bladder (conventional example (4)). (See Patent Document 2).
[0010]
[Patent Document 1]
US Pat. No. 5,062,781
[Patent Document 2]
JP 2000-317942 A
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
Various bladders have been proposed as described above, but there is a need for a bladder that is less prone to profile variations and has a reduced replacement frequency.
[0012]
Therefore, an object of the present invention is to provide a bladder that can reduce the replacement frequency with little variation in profile with respect to the inner wall surface of the tire even when the number of vulcanization moldings is increased.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
A bladder according to the present invention is a bladder for pressing a tire inner wall surface with a pressurized heat medium during vulcanization molding of a raw tire, and has at least one rubber layer and at least one fabric layer, Layer Composed of knitting, The warp direction elongation rate and the weft direction elongation rate both exceed 15%, and the ratio of the weft direction elongation rate to the warp direction elongation rate (hereinafter sometimes referred to as the weft elongation rate ratio) is 0. 4 to 6.0.
[0014]
Since the fabric layer laminated on the rubber layer is stretchable, the fabric layer reinforces the rubber layer without impairing the stretchability, and the durability as a bladder is improved. Further, since the fabric layer can be stretched together with the rubber layer, the profile on the inner wall surface of the tire is not biased at the time of vulcanization molding, and the tire can be pressed with a good balance. In addition, the rubber layer can be made thinner because it is reinforced by the fabric layer, so the overall thickness of the bladder is also reduced (for example, 2 to 6 mm), which improves the thermal conductivity of the bladder and shortens the vulcanization time. can do. As a result, the thermal deterioration of the bladder is suppressed, the frequency of replacing the bladder is reduced, and the tire productivity is improved.
[0015]
Further, for example, in the conventional example (3), it is necessary to previously form a fabric such as aramid fiber in the shape substantially the same as the shape of the inner wall surface of the vulcanized tire, but the bladder of the present invention is extended to the shape of the inner wall surface of the tire. Therefore, a detailed shape design is unnecessary.
[0016]
In addition, as long as it is only a viewpoint of reinforcement of a rubber sheet as what is laminated | stacked on a rubber layer, what kind of cloth may be sufficient, but when it laminates | stacks on a rubber sheet, it is a cloth with poor elasticity. In addition, there is a concern that it is difficult to form a good profile by preventing the rubber sheet from extending. From such a viewpoint, the elongation percentage in the warp direction and the weft direction of the fabric layer is preferably 25% or more, and more preferably 50% or more. The elongation percentage is determined according to JIS L 1018.
[0017]
If a fabric layer having a very good stretchability is used, the shape of the bladder may be simply a cylindrical shape, a lantern type, or the like according to the tire size, and the bladder can be easily manufactured.
[0018]
With respect to the stretch balance in the warp direction and the weft direction of the fabric layer, from the viewpoint of making the bladder a more uniform profile during vulcanization molding, a more balanced one is preferable, that is, the weft elongation ratio is 0.7. ~ 1.7 is preferred. More preferably, it is 0.8 or more and 1.4 or less. Note that the weft elongation ratio is calculated by the following equation (1). Longitudinal elongation ratio = Latitudinal elongation ratio / Elongational elongation ratio (1).
[0019]
Regarding the arrangement of the cloth layer in the weft direction in the bladder, when the cloth layer warp direction is arranged in the axial direction of the cylindrical bladder, the cloth layer in the weft direction is arranged in the axial direction, or in the axial direction. Any of the cases where the weft direction of the fabric layer is arranged obliquely may be used.
[0020]
The fabric layer is preferably composed of a knitted fabric because the knitted fabric has good stretchability. Even if the fiber itself has poor stretchability (for example, aramid fiber), if it is a knitted fabric, sufficient stretchability can be exhibited by the knitted structure. Therefore, if knitting is performed using fibers having good heat resistance and weather resistance, a fabric layer that hardly deteriorates and exhibits sufficient stretchability can be obtained.
[0021]
The knitted fabric is preferably a weft knitting, and the knitting structure is most preferably a pearl knitting. According to the pearl knitting, it is possible to produce a knitted fabric having good elasticity and isotropic properties such that the elongation in the warp (longitudinal) direction and the elongation in the weft (transverse) direction are substantially equal. Therefore, such a stretchy and isotropic pearl knitted fabric can be stretched well together with the rubber layer, and the profile on the tire inner wall surface is not biased during vulcanization molding. In the flat knitted fabric, the elongation in the weft direction is much larger than the elongation in the warp direction, and in the knitted fabric of rubber knitting, the elongation in the weft direction is larger than the warp direction. Therefore, there is a concern that the profile may be slightly biased during vulcanization molding. However, in the case of a pearl knitted fabric, the stretchability and stretch back property (property that returns to its original shape when stretched after being stretched) are particularly good, and the warp and weft stretches are almost equal as described above. Since it can be made, the stretch back property of the rubber layer (rubber sheet or the like) is not impaired, and the bladder can be satisfactorily along the tire inner wall surface together with the rubber layer.
[0022]
The knitted shape may be either circular knitting or flat knitting, but circular knitting is more preferable than flat knitting. This is because the bladder has a cylindrical shape. If a circular knitted fabric is used as the knitted fabric (fabric layer), the fabric layer is seamless and uniform throughout the finished bladder. This is because a bladder with higher durability is obtained as a result. In this case, the warp direction of the fabric layer is arranged in the axial direction of the cylindrical bladder.
[0023]
Furthermore, knitting by circular knitting so that the front and back stitches are alternately arranged for each step, a circular knitted pearl knitted fabric is obtained. In this knitted fabric, warp and weft directions are obtained. It is most preferable because the stretches are almost equal and no seam is formed as a cloth layer of the bladder.
[0024]
As a lamination mode of the rubber layer and the cloth layer in the bladder of the present invention, for example, a rubber layer is provided on both sides of the cloth layer (three-layer structure), or a rubber layer is provided on one side of the cloth layer ( In addition to this, there are four or more layers in which rubber layers and fabric layers are alternately laminated, and one in which two or more fabric layers are directly laminated and provided with a rubber layer on one or both sides. There may be. However, it is recommended not to increase the number of layers in order to prevent the entire bladder from becoming thick. In such a laminated structure, it is preferable that the cloth layer is embedded in the rubber layer, because the rubber layer and the cloth layer exhibit very good adhesion.
[0025]
Among the laminated embodiments exemplified above, the one having the above three-layer structure is preferable because the upper and lower rubber layers are integrated with each other through the stitches of the fabric layer, and a strong rubber / knitted fabric composite sheet is formed.
[0026]
In the case of the bladder having the two-layer structure, when the bladder is manufactured, the air between these layers escapes well from the fabric layer side when the fabric layer and the rubber layer are laminated, and the fabric layer-rubber layer laminated sheet Therefore, the adhesion at the boundary surface is particularly good. In addition, the bladder manufacturing operation is simple because there is no need to pay special attention to venting between layers. Furthermore, in the case of a two-layer structure, a coating material (silicon resin, fluorine resin, or the like) for protecting the surface of the fabric layer may be applied.
[0027]
Next, the gas venting between the green tire and the bladder during tire vulcanization will be described.
[0028]
When a knitted fabric is used as the fabric layer of the bladder, when the bladder mold side is a knitted fabric (cloth layer), the knitted fabric itself has irregularities on the surface, so the gas remaining between the bladder and the green tire is the knitted fabric ( It spreads along the unevenness of the fabric layer) and does not form a large bubble portion, but it escapes from the bead end portion of the tire to the outside, and as a result, the bladder is well along the tire inner wall surface.
[0029]
Similarly, when a knitted fabric is used as the fabric layer, even when the mold side surface of the bladder is a rubber layer (for example, a three-layer bladder such as a rubber sheet / knitted fabric (cloth layer) / rubber sheet), during vulcanization molding When the bladder is pressed against the inner wall surface of the tire, the unevenness of the knitted fabric (cloth layer) is reflected on the rubber layer on the mold side, and innumerable unevenness is formed on the mold side surface (surface) of the bladder. In the same manner as described above, the gas remaining between the raw tire and the bladder diffuses along this unevenness and escapes from the bead end portion of the tire to the outside, so that the bladder is well along the tire inner wall surface. Become. When a pearl knitted fabric is used as the fabric layer, an appropriate undulation (unevenness) appears on the bladder surface, which is particularly preferable.
[0030]
When a knitted fabric is used as the fabric layer of the bladder of the present invention, the gas diffuses well as described above, so that it is not necessary to form a gas vent groove on the outer wall surface of the bladder as in the prior art.
[0031]
In the present invention, when the fabric layer is a knitted fabric, the knitting density is preferably 5 to 25 courses / 2.54 cm and 5 to 25 wals / 2.54 cm.
[0032]
This is because, in the case of a knitted fabric with very large stitches, there is a concern that good stretch-back properties may not be exhibited. On the other hand, if the stitches are too packed, there is a concern that the stretchability may deteriorate. More preferably, they are 10 courses / 2.54 cm or more, 20 courses / 2.54 cm or less, 10 wales / 2.54 cm or more, 20 wales / 2.54 cm or less.
[0033]
Furthermore, it is more preferable that the knitting density of the course and the knitting density of the wale are the same or close. This is because the warp and warp stretch force and stretch amount of the fabric layer become more equal. Most preferably, the knitting density of the course and the wale is equal.
[0034]
In addition, in the present invention, it is preferable that the fabric layer is configured using high-strength fibers of 17 cN / dtex or more.
[0035]
The fiber (yarn) constituting the fabric layer is required to have sufficient strength not to break easily even when subjected to strong elongation. From this point, it is preferably 17 cN / dtex or more, more preferably 20 cN. / dtex or more (measurement method is according to JIS L 1070 (measurement method of tensile strength)). In general, yarns with high tensile strength tend to have poor stretchability. However, by adopting a knitted fabric (preferably pearl knitted fabric) as the fabric layer, good stretchability is exhibited. It does not matter if there is no elasticity.
[0036]
Examples of the high-strength fibers include aramid fibers, and more specifically, polyparaphenylene isophthalamide fibers, polyparaphenylene terephthalamide fibers, copolymer fibers of para-aramid and meta-aramid, or aromatic ethers, For example, para-aramid fiber copolymerized with 3,4'-diaminodiphenyl ether can be used. Other high-strength fibers can also be used, and examples thereof include polyparaphenylene benzobisoxazole fibers, polyimide fibers, wholly aromatic polyester fibers, polyetherimide fibers, and polyetheretherketone fibers. The high-strength fiber may be a mixed fiber of these exemplified fibers.
[0037]
Among these, polyparaphenylene terephthalamide fiber (for example, trade name Kevlar: manufactured by DuPont), para-aramid fiber copolymerized with 3,4'-diaminodiphenyl ether (trade name: Technora: manufactured by Teijin Limited), polyparaphenylene Benzobisoxazol fiber (trade name: Zylon: manufactured by Toyobo Co., Ltd.) is preferable, and among these, para-aramid fiber (copolyparaphenylene • 3,4′- copolymerized with the above-mentioned 3,4′-diaminodiphenyl ether is particularly preferred. Oxydiphenylene terephthalamide fiber (the structural formula is shown in the following chemical formula 1)) (trade name Technora: manufactured by Teijin Ltd.) is extremely excellent in heat resistance and deteriorates even when heating is repeated by vulcanization molding. This is more preferable because it is difficult to perform checkout processing.
[0038]
[Chemical 1]
Figure 0003833985
[0039]
The high strength fiber may be either a long fiber or a short fiber.
[0040]
Further, it is preferable that the fabric layer is either a spun yarn using high-strength fibers, a false twist spun yarn by a check method using high-strength fibers, or a knitted fabric of these composite yarns. .
[0041]
In this manner, if the spun yarn or the false twisted spun yarn by the check-out method has fluff on the yarn surface, the anchor effect by the fuzz improves the adhesion to the resin (rubber layer). Among these, false twisted spun yarn by the check-off method is more preferable because it is a yarn in which the fiber strength is well maintained in addition to the excellent anchor effect as described above.
[0042]
The rubber layer is made of butyl rubber, modified butyl rubber, ethylene propylene rubber, ethylene propylene diene rubber (EPDM), nitrile butadiene rubber, hydrogenated nitrile butadiene rubber, styrene butadiene rubber, chloroprene rubber, isoprene rubber, epichlorohydrin rubber, acrylic rubber. Chlorosulfonated polyethylene, silicone rubber, fluororubber, and the like, and these may be used alone or in an appropriate mixture. Of these, silicon rubber, hydrogenated nitrile butadiene rubber, and fluorine rubber are particularly preferable because they have very good heat resistance.
[0043]
The method for manufacturing a tire according to the present invention includes a step of arranging the bladder inside a green tire put in a mold, a pressurized heat medium is supplied to the inside of the bladder, and the green tire is inserted into the mold via the bladder. The gist of the invention is that it includes a step of vulcanization molding while pressing the inner wall surface.
[0044]
As mentioned above, the bladder of the present invention shows good stretchability and there is not much difference in the elongation in the warp and weft directions, so that the raw tire can be pressed in a well-balanced manner, and when a knitted fabric is used as the fabric layer Can be vented well by forming numerous irregularities on the bladder surface. Accordingly, it is possible to obtain a tire that is vulcanized and molded almost uniformly.
[0045]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
<Embodiment 1>
FIG. 1 is a partial cross-sectional view of a bladder according to Embodiment 1 of the present invention.
[0046]
This bladder 10 has a three-layer structure in which silicon rubber layers 11 and 13 are laminated and integrated on both front and back surfaces of a flat knitted pearl fabric layer 12, and the thickness of the bladder 10 is 2 mm. The pearl knitted fabric layer 12 uses aramid fibers (thickness: 440 dtex, tensile strength: 25 cN / dtex), and the knitting density of the course and wales is 15 courses / 2.54 cm and 15 wales / 2.54 cm, respectively. The warp direction elongation rate is 200%, the weft direction elongation rate is 230%, and the weft elongation rate ratio is 1.15.
[0047]
Next, a method for manufacturing the bladder 10 according to the first embodiment will be described.
[0048]
Two silicon rubber sheets and a pearl knitted fabric are prepared, and these are laminated and pressed in the order of a silicon rubber sheet-pearl knitted fabric-silicon rubber sheet to produce a three-layer sheet having a thickness of 2 mm. The three-layer sheet is wound around the core, and silicon rubber is disposed at a location corresponding to the clamp portion. Next, the core part is set in the lower outer mold, the upper outer mold is fastened, and vulcanized using a press machine. Thereafter, the upper and outer molds are removed, the core portion is taken out, and the core is divided to obtain a bladder molded product (Bladder 10). At the time of the vulcanization, a part of both the silicone rubber sheets of the three-layer sheet flows into a gap between the stitches of the pearl knitted fabric, and is crosslinked in this state. Therefore, the bladder 10 has a three-layer structure (rubber layer 11-pearl knitted fabric layer 12-rubber layer 13) in which the rubber layer 11 and the rubber layer 13 are integrated into the gap of the knitted fabric of the pearl knitted fabric layer 12.
[0049]
Hereinafter, a method for performing vulcanization molding of a tire using the bladder 10 will be described.
[0050]
As in the prior art, the bladder 10 is placed inside the raw tire 52 placed in the mold 51 of the vulcanizer [FIG. 2: cross-sectional view showing a state where the bladder 10 is placed inside the raw tire 52 placed in the mold] .
[0051]
Next, inside the bladder 10 is a high-temperature, high-pressure heat medium (185 ° C., 14 kg / cm 2 Steam and 24kg / cm 2 N 2 Gas) to extend and expand the bladder 10 and press the raw tire 52 against the inner wall surface of the mold 51 [FIG. 3: a cross-sectional view showing the raw tire 52 pressed against the mold 51 by the bladder 10], vulcanization molding To do. At this time, since the bladder 10 is stretched satisfactorily, there is almost no variation in the profile on the inner wall surface of the tire. Before stretching, the rubber layer 11 on the mold side of the bladder 10 is smooth, but when pressed against the inner wall surface of the tire, the unevenness of the pearl knitted fabric layer 12 of the bladder 10 is reflected on the mold side rubber layer 11, An infinite number of small irregularities are formed on the bladder surface, and the gas between the raw tire 52 and the bladder 10 is diffused and escapes to the outside through the irregularities, so that the inner wall surface of the tire can be pressed in a balanced manner. In addition, since the thickness of the bladder 10 is as thin as 2 mm, the heat of the heat medium can be transmitted well to the raw tire 52, and therefore the vulcanization time of the raw tire 52 can be shortened. For example, the time can be reduced by about 23% compared to a bladder having a thickness of 4 mm.
[0052]
Thereafter, the supply of the heat medium is stopped to return to normal pressure, and the vulcanized tire is taken out from the vulcanizer.
[0053]
Next, vulcanization molding is performed on a new green tire 52 in the same manner as described above. At this time, the bladder 10 is repeatedly used. Since the bladder 10 is reinforced by the pearl knitted fabric layer 12, the initial stretch-back property is maintained over a long period of time, and the number of repetitions of vulcanization molding is reduced. Even at an increased stage, the profile on the tire inner wall surface does not vary so much, and the raw tire can be pressed well. As a result, the frequency of replacing the bladder can be reduced, and the productivity can be improved and the manufacturing cost can be reduced.
[0054]
<Embodiment 2>
FIG. 6 is a partial cross-sectional view of a bladder according to Embodiment 2 of the present invention. The bladder 20 of the second embodiment has a two-layer structure in which a silicon rubber layer 13 is laminated and integrated on one surface of a flat knitted pearl fabric layer 12, and has a thickness of 2 mm. The pearl knitted fabric layer 12 of the second embodiment is also made of aramid fiber yarn having a yarn thickness of 440 dtex and a tensile strength of 25 cN / dtex as in the first embodiment, and the knitting density is 15 courses / 2.54 cm, 15 wales. /2.54cm flat knitted pearl knit. In addition, the warp direction elongation rate of this pearl knitted fabric is 200%, the weft direction elongation rate is 230%, and the weft elongation rate ratio is 1.15. In the bladder 10 according to the first embodiment, the pearl knitted fabric layer 12 is hidden by the rubber layers 11 and 13. However, in the bladder 20, a part of the pearl knitted fabric layer 12 is embedded in the rubber layer 13. The opposite side is exposed, and unevenness of the knitted fabric appears.
[0055]
Next, a method for manufacturing the bladder 20 of the second embodiment will be described.
[0056]
A silicon rubber sheet and a pearl knitted fabric are produced one by one, and these are laminated and pressed to obtain a two-layer sheet having a thickness of 2 mm. In the case of the first embodiment, when the pearl knitted fabric is sandwiched between two rubber sheets, it is necessary to consider the extraction of air at these interfaces. In the case of the second embodiment, the silicon rubber sheet and the pearl are used. Since air at the interface of the knitted fabric is easily released from the pearl knitted fabric side, almost no air remains at the interface, and the interfacial adhesion between the silicon rubber layer 11 and the pearl knitted fabric layer 12 is excellent.
[0057]
Next, the two-layer sheet is wound around the core so that the pearl knitted surface is on the outside, and silicon rubber is disposed at a position corresponding to the clamp surface. Subsequently, as in the case of the first embodiment, the core part is set in the lower outer mold, the upper outer mold is fastened, and vulcanized using a press machine. Thereafter, the upper and outer molds are removed, the core portion is taken out, and the core is divided to obtain a bladder molded product (Bladder 20).
[0058]
The method of vulcanizing and molding a tire using the bladder 20 of the second embodiment is the same as that of the bladder 10 of the first embodiment (see FIGS. 2 and 3). In the bladder 20, the pearl knitted fabric layer 12 is disposed on the mold side.
[0059]
Also in this bladder 20, since it stretches well when the heat medium is supplied to the inside during vulcanization molding, there is almost no variation in the profile on the inner wall surface of the tire, and along the unevenness of the pearl fabric layer 12 in the bladder 20. Since the gas between the raw tire 52 and the bladder 20 escapes to the outside while diffusing, the inner wall surface of the tire can be pressed with a good balance. In addition, since the thickness of the bladder 20 is as thin as 2 mm, the heat of the heat medium supplied into the bladder 20 can be transmitted to the green tires well, and thus the vulcanization time of the green tires is shortened.
[0060]
<Embodiment 3>
The bladder 30 of Embodiment 3 has a two-layer structure in which a silicon rubber layer is laminated and integrated on one surface of a circular knitted pearl knitted fabric, and has a thickness of 2 mm (see FIG. 6). The pearl knitted fabric layer uses yarn made of aramid fiber having a yarn thickness of 440 dtex and a tensile strength of 25 cN / dtex, and has a knitting density of 15 courses / 2.54 cm, 15 wales / 2.54 cm, and circular knitting. Knitted with. This pearl knitted fabric has a warp direction elongation rate of 210%, a weft direction elongation rate of 220%, and a weft elongation rate ratio of 1.05. The bladder 30 of the third embodiment is the same as the second embodiment in that it has a two-layer structure. However, unlike the second embodiment, the pearl knitted fabric layer (knitted fabric) does not have a joint portion.
[0061]
Next, a method for manufacturing the bladder 30 of the third embodiment will be described.
[0062]
First, silicon rubber is pressed to obtain a rubber sheet having a thickness of 2 mm. Next, the rubber sheet is wound around the core, and then a circular knitted pearl knitted fabric is covered on the outside, and silicon rubber is disposed at a location corresponding to the clamp surface. Subsequently, in the same manner as in the first and second embodiments, the core portion is set in the lower outer mold, the upper outer mold is fastened, vulcanized using a press machine, and then the upper outer mold is removed. The core part is taken out and the core is divided to obtain a bladder molded product.
[0063]
In the second embodiment, a two-layer sheet in which a pearl knitted fabric and a rubber sheet are laminated is once produced and then molded into a bladder. In the third embodiment, the pearl knitted fabric and a rubber sheet are laminated as described above. At the same time, it is molded into a bladder shape, and both are different in this respect. However, as a finished product, as in Embodiment 2, a part of the pearl fabric layer is embedded in the rubber layer. It has a two-layer structure in which the opposite side is exposed and unevenness of the knitted fabric appears (see FIG. 6). However, as described above, the pearl knitted fabric layer of Embodiment 3 has no joints and is uniform throughout.
[0064]
A method of vulcanizing and molding a tire using the bladder 30 of the third embodiment is the same as that of the bladder 20 of the second embodiment (see FIGS. 2 and 3). Also in the bladder 30 of the third embodiment, the profile on the tire inner wall surface hardly fluctuates because it stretches satisfactorily, and the gas between the raw tire 52 and the bladder escapes to the outside through the unevenness of the pearl knitted fabric layer. The tire inner wall surface can be pressed with good balance. In addition, since the bladder 30 is also thin, the heat of the heat medium supplied into the bladder 30 can be transmitted to the green tire well, and the vulcanization time of the green tire is shortened.
[0065]
<Experiment: Durability Test 1>
These durability tests were performed using the bladders 10, 20, and 30 of the first, second, and third embodiments. In the test method, the following operations (1) to (3) were repeated as one cycle, and this operation was repeated, and the number of repetitions until the bladder was broken was counted (vulcanization molding simulation experiment). In addition, the judgment of whether it was damaged is based on visual observation.
(1): 185 ° C, 14kg / cm in the bladder 2 Introduce steam for 4 minutes.
(2): Next, 185 ° C, 24kg / cm 2 N 2 Gas is introduced for 6 minutes.
(3): The pressure is then released, and the internal gas is sucked and discharged in 1 minute.
[0066]
As a comparison, a vulcanization simulation experiment was conducted in the same manner as described above for a 4 mm thick bladder (Comparative Example 1) made only of butyl rubber and a 2 mm thick bladder (Comparative Example 2) made only of silicon rubber. These results are shown in Table 1.
[0067]
[Table 1]
Figure 0003833985
[0068]
The bladders of Comparative Examples 1 and 2 correspond to the conventional example (1), but as can be seen from the results of Table 1, the bladders 10, 20, and 30 of Embodiments 1, 2, and 3 are Comparative Examples 1, 2 and 3. Compared to the bladder, the durability is greatly improved.
[0069]
<Other embodiments and comparative examples>
As shown in Table 2 below, fabric layers having various elongation rates were used, and a rubber layer shown in Table 2 below was laminated and integrated on one surface of the fabric layer to produce a bladder. The specific bladder manufacturing method was the same as in the second embodiment when the fabric layer was flat knitted, and the same as in the third embodiment when the fabric layer was circular knitted. The finished bladders Nos. 1 to 12 have a two-layer structure in which part of the fabric layer is embedded in the rubber layer, the opposite side is exposed, and the unevenness of the fabric layer (knitted fabric) appears. The thicknesses of these bladders Nos. 1 to 12 are all 2 mm.
[0070]
[Table 2]
Figure 0003833985
[0071]
<Experiment: Durability Test 2>
Durability tests were performed on the bladders Nos. 1-12. The test method was the same as the durability test 1 described above, and the number of repetitions until the bladder was broken was counted (simulation experiment for vulcanization molding). In addition, the judgment of whether it was damaged is based on visual observation. These results are shown in Table 3.
[0072]
[Table 3]
Figure 0003833985
[0073]
As can be seen from Table 3, bladder Nos. 1 and 12 have too low or too high a background elongation ratio, so when the bladder is extended by supplying a heat medium during vulcanization molding, the force is not applied evenly. Therefore, it is considered that the durability was inferior. In addition, bladder Nos. 4 and 9 have low elongation in the warp and weft directions, or one of them is small, so an excessive stretching force is applied when the bladder is stretched during vulcanization molding. It is thought that it became.
[0074]
On the other hand, bladders Nos. 2, 3, 5-8, 10, and 11 are excellent in durability, and among these, bladders No. 3, 5-8, and 11 show more excellent durability. No. 6 shows the most excellent durability.
[0075]
The bladder and the tire manufacturing method according to the present invention have been specifically described above with reference to the drawings showing examples. However, the present invention is not limited to the illustrated examples, and can be applied to the above-described purpose. The present invention can be carried out with appropriate modifications, and all of them are included in the technical scope of the present invention.
[0076]
For example, the pearl knitted fabric is used as the fabric layer in the bladders of the first, second, and third embodiments. However, the knitted fabric is not limited to this.
[0077]
【The invention's effect】
The bladder according to the present invention can reduce the frequency of replacement of the bladder because there is almost no profile variation on the tire inner wall surface during vulcanization molding even when the number of vulcanization molding repetitions is increased. The tire can be pressed well. Further, since the bladder can be made thin, the vulcanization time can be shortened. Therefore, productivity can be improved and costs can be reduced. In particular, when a fabric layer having a balanced elongation in the longitudinal direction and the transverse direction is used, the anisotropy of elongation is small, so that the shape of the bladder is excellent and the tire can be pressed in a very balanced manner.
[0078]
Moreover, since the manufacturing method of the tire which concerns on this invention is performed using the bladder of this invention as mentioned above, the tire pressed and vulcanized-molded with sufficient balance can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial cross-sectional view of a bladder according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a state in which the bladder of the present embodiment is arranged inside a green tire put in a mold.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a state in which a raw tire is pressed against a mold by the bladder according to the embodiment.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a state in which a conventional bladder is placed inside a green tire placed in a mold.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a state in which a raw tire is pressed against a mold by a conventional bladder.
FIG. 6 is a partial cross-sectional view of a bladder according to Embodiment 2 (3) of the present invention.
[Explanation of symbols]
10, 20, 30 bladder
11, 13 Silicone rubber layer
12 Pearl knitted fabric layer
51 mold
52 Raw tire

Claims (14)

生タイヤの加硫成形時に、加圧熱媒体によってタイヤ内壁面を押圧するためのブラダであって、
前記ブラダは、少なくとも1つのゴム層と少なくとも1つの布層を有し、
前記布層は、編物により構成され、その経方向の伸び率と緯方向の伸び率がいずれも15%を超え、前記経方向の伸び率に対する前記緯方向の伸び率の比が0.4〜6.0であることを特徴とするブラダ。
A bladder for pressing a tire inner wall surface with a pressurized heat medium during vulcanization molding of a raw tire,
The bladder has at least one rubber layer and at least one fabric layer;
The fabric layer is formed of a knitted fabric, and the elongation in the warp direction and the elongation in the weft direction both exceed 15%, and the ratio of the elongation in the weft direction to the elongation in the warp direction is 0.4 to 0.4. A bladder characterized by 6.0.
前記布層の経方向の伸び率と緯方向の伸び率がいずれも25%以上である請求項1に記載のブラダ。  The bladder according to claim 1, wherein both the warp direction elongation rate and the weft direction elongation rate of the fabric layer are 25% or more. 前記経方向の伸び率に対する前記緯方向の伸び率の比が、0.5〜1.7である請求項1または2に記載のブラダ。  The bladder according to claim 1 or 2, wherein a ratio of an elongation rate in the weft direction to an elongation rate in the warp direction is 0.5 to 1.7. 前記編物が、丸編みにより構成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載のブラダ。The bladder according to any one of claims 1 to 3 , wherein the knitted fabric is formed by circular knitting. 前記編物が、パール編地である請求項1〜4のいずれかに記載のブラダ。The bladder according to any one of claims 1 to 4 , wherein the knitted fabric is a pearl knitted fabric. 前記編物の編密度は、5〜25コース/2.54cm、5〜25ウェール/2.54cmである請求項1〜5のいずれかに記載のブラダ。The bladder according to any one of claims 1 to 5 , wherein a knitting density of the knitted fabric is 5 to 25 courses / 2.54 cm and 5 to 25 wales / 2.54 cm. 前記布層が、17cN/dtex以上の高強力繊維を用いて構成されたものである請求項1〜のいずれかに記載のブラダ。The bladder according to any one of claims 1 to 6 , wherein the fabric layer is configured using high-strength fibers of 17 cN / dtex or more. 前記布層が、前記高強力繊維を用いた紡績糸、或いは前記高強力繊維を用いた牽切方式による仮撚紡績糸のいずれか、またはこれらの複合糸により製編されたものである請求項に記載のブラダ。The fabric layer is either a spun yarn using the high-strength fibers, a false twist spun yarn by a check method using the high-strength fibers, or a knitted fabric of these composite yarns. 7. The bladder according to 7 . 前記高強力繊維がアラミド繊維である請求項またはに記載のブラダ。The bladder according to claim 7 or 8 , wherein the high-strength fiber is an aramid fiber. 前記アラミド繊維が、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維である請求項に記載のブラダ。The bladder according to claim 9 , wherein the aramid fiber is a copolyparaphenylene 3,4′-oxydiphenylene terephthalamide fiber. 前記ブラダは、前記布層の両面にゴム層が設けられたものである請求項1〜10のいずれかに記載のブラダ。The bladder according to any one of claims 1 to 10 , wherein the bladder is provided with rubber layers on both sides of the cloth layer. 前記ブラダは、前記布層の一方面にゴム層が設けられたものである請求項1〜10のいずれかに記載のブラダ。The bladder, bladder according to any one of claims 1 to 10 in which the rubber layer is provided on one surface of the fabric layer. 前記ブラダは、前記ゴム層中に前記布層が埋設された状態となったものである請求項1〜12のいずれかに記載のブラダ。The bladder according to any one of claims 1 to 12 , wherein the bladder is a state in which the cloth layer is embedded in the rubber layer. 請求項1〜13のいずれかに記載のブラダを、モールドに入れた生タイヤ内側に配置する工程と、
前記ブラダ内側に加圧熱媒体を供給し、前記ブラダを介して前記生タイヤを前記モールド内壁面に押圧しつつ加硫成形する工程を備えたことを特徴とするタイヤの製造方法。
The step of arranging the bladder according to any one of claims 1 to 13 inside a raw tire put in a mold;
A tire manufacturing method comprising: supplying a pressurized heat medium to the inside of the bladder, and vulcanizing and molding the green tire against the inner wall surface of the mold through the bladder.
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