JP3832266B2 - 演奏データ作成方法および演奏データ作成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、演奏された楽音波形からその演奏データを作成する演奏データ作成方法および演奏データ作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、楽音の性質を分析したり楽音波形を合成する楽音分析・合成の技術分野において、次のような分析処理が行われている。この楽音波形分析処理においては、まず、楽音波形をスペクトル解析してその楽音に含まれている基音周波数およびその倍音周波数に対応する線スペクトル成分を抽出する。通常、このスペクトル解析は、時間窓(ウインドウ)を用いたフーリエ変換による短時間スペクトル解析を用いて行われている。すなわち、分析対象となる楽音をサンプリングし、該楽音波形サンプルに窓関数を掛けてFFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)を行い、該フーリエ変換出力である線スペクトルの振幅データからピークを成す全ての周波数位置を検出する。
以上の処理を、前記時間窓を移動しながら行い(短時間フーリエ変換(SFFT:Short-time Fast Fourier Transform))、各フレームにおける線スペクトルのピーク点を検出し、得られたピーク点のうち、軌跡を成すものを追跡することにより、楽音波形の基音成分や倍音成分を分析するようにしていた。ピーク点が有するデータは、周波数データ、位相データおよび振幅データである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、演奏された楽音から採譜するには、採譜者が楽音を聴き取って採譜することが行われているが、この方法では採譜者に高度の熟練生と鋭敏な楽音聴き分け能力あるいは絶対音感が備わっていないと採譜することができないという問題点があった。
そこで、上述した楽音波形分析処理を用いて採譜することが考えられるが、上述した楽音波形分析処理における各フレームにおけるピーク点は、一般に、複数の線スペクトルが存在することから複数個検出される。これらのピーク点は、元のサンプリング波形の基音、その倍音に相当する高調波成分、ノイズ成分、FFTの窓関数のサイドローブ等に対応して検出されるようになる。このため、ピーク点はフレーム毎に点状となるもの、フレーム間で短い連続性を有するもの、フレーム間で長い連続性を有するものとして、種々のピーク点の態様が検出されるようになる。したがって、このようなピーク点の集まりから正確にピーク点を追跡することは困難であり、この結果、正確な採譜を行えないという問題点があった。特に、音程の近い音が同時に発音される場合には、ピーク点が混在してピーク点の軌跡を追跡することがさらに困難となる。
【0004】
そこで、本発明は、演奏された楽音波形から精度良く採譜することのできる演奏データ作成方法および演奏データ作成装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の演奏データ作成方法は、楽譜に基づいて演奏された楽音波形から演奏データを作成する演奏データ作成方法であって、前記楽音波形の楽音波形サンプルに対し順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を行うことにより各フレームタイムにおけるピーク点を検出し、検出したピーク点と、前記楽譜における音符の情報とを対比することにより、該音符の周波数位置に適応するピーク点を追跡させた第1の軌跡を抽出し、前記第1の軌跡から得られる情報を用いて正弦波合成した合成楽音波形成分を前記楽音波形から減算し、該減算結果の楽音波形サンプルに対し順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を再度行うことにより各フレームタイムにおけるピーク点を検出し、検出したピーク点と、前記音符の情報とを対比することにより、該音符の周波数位置に適応するピーク点を追跡させた第2の軌跡を抽出し、前記第1の軌跡と前記第2の軌跡とをマージして、マージした軌跡におけるピーク点の情報から演奏データを作成するようにしている。
【0006】
また、上記本発明の演奏データ作成方法において、供給された軌跡におけるピーク点の振幅情報からエンベロープを作成し、予め用意された種々の強度のエンベロープ情報と対比することにより、前記軌跡におけるピーク点の情報に基づいて強度情報を得ると共に、作成されたエンベロープから少なくとも発音開始情報を得るようにしており、これらの情報と前記軌跡に基づく音高情報から前記演奏データが作成されるようにしてもよい。
さらに、上記本発明の演奏データ作成方法において、前記減算結果の減算楽音波形に、前記第1の軌跡が抽出されなかった前記楽譜における音符の音程に対応する周波数成分を強調するフィルター処理を施すようにしてから、その楽音波形サンプルに対し順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を再度行うことにより各フレームタイムにおけるピーク点を検出するようにしてもよい。
【0007】
次に、上記目的を達成するために、本発明の演奏データ作成装置は、楽譜に基づいて演奏された楽音波形から演奏データを作成する演奏データ作成装置であって、供給された楽音波形の楽音波形サンプルに対し順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を行うことにより各フレームタイムにおけるピーク点を検出するピーク分析手段と、該ピーク分析手段により検出されたピーク点と、前記楽譜における音符の情報とを対比することにより、該音符の周波数位置に適応するピーク点を追跡させたピーク点の軌跡を抽出する軌跡抽出手段と、前記軌跡抽出手段により抽出された軌跡に基づいて正弦波合成した合成楽音波形成分を前記楽音波形から減算した減算波形を出力する減算手段と、軌跡におけるピーク点の情報から演奏データを作成する演奏データ作成手段とを備え、前記ピーク分析手段に前記楽譜に基づいて演奏された楽音波形が前記ピーク分析手段供給された際に、前記軌跡抽出手段から第1の軌跡が出力され、前記減算手段において該第1の軌跡に基づいて第1の減算波形が出力され、該第1の減算波形が前記ピーク分析手段に供給された際に、前記軌跡抽出手段から第2の軌跡が出力され、前記演奏データ作成手段は、前記第1の軌跡と第2の軌跡とをマージした軌跡に基づいて前記演奏データを作成するようにしている。
【0008】
また、上記本発明の演奏データ作成方法において、前記演奏データ作成手段において、供給された軌跡におけるピーク点の振幅情報からエンベロープを作成し、予め用意された種々の強度のエンベロープ情報と対比することにより、前記軌跡におけるピーク点の情報に基づいて強度情報を得ると共に、作成されたエンベロープから少なくとも発音開始情報を得ており、これらの情報と前記軌跡に基づく音高情報から前記演奏データを作成するようにしてもよい。
さらにまた、上記本発明の演奏データ作成方法において、前記減算手段から出力される減算楽音波形から、前記第1の軌跡が抽出されなかった前記楽譜における音符の音高に対応する周波数成分を強調するフィルター処理手段を、さらに備えるようにしてもよい。
【0009】
このような本発明によれば、フーリエ変換して検出したピーク点と、楽譜における音符の情報とを比較することにより、音符の周波数位置に適応するピーク点を追跡させたピーク点の軌跡を抽出し、抽出された軌跡におけるピーク点の情報から音符に対応する演奏データを作成するようにしている。したがって、元のサンプリング波形の基音、その倍音に相当する高調波成分、ノイズ成分、FFTの窓関数のサイドローブ等に対応したピーク点が数多く検出されても、その中から正確にピーク点を追跡した軌跡を抽出することができる。これにより、演奏された楽音波形から精度良く演奏データを作成することができるようになる。この作成された演奏データは実際に演奏された音に対応する演奏データとなり、精度の良い採譜ができるようになる。
【0010】
また、検出された軌跡から得られる情報を用いて正弦波合成した合成楽音波形成分を楽音波形から減算した楽音波形から、ピーク点を再度検出することにより、一度目に検出されたピーク点の軌跡から採譜できない場合でも、減算した楽音波形に基づく二度目の検出ではピーク点の軌跡から採譜することを可能とすることができる。これにより、演奏された楽音波形から精度良く全ての演奏データを採譜することができるようになる。さらに、減算した減算楽音波形に、得ようとする音符の音程に対応する周波数成分を強調するフィルター処理を施してピーク点を検出すると、一度目に検出されたピーク点の軌跡が切れ切れであって採譜し難い場合でも、フィルター処理後の二度目の検出ではピーク点を長い軌跡で追跡することを可能とすることができる。
さらにまた、抽出された軌跡におけるピーク点の振幅情報からエンベロープを作成し、予め用意された種々の強度のエンベロープ情報と対比することにより、強度情報を得ることができると共に、作成されたエンベロープから発音開始情報や音長情報を得ることができる。これにより、抽出された軌跡におけるピーク点の情報から音名情報および発音開始情報や音長情報と強度情報とを正確に得て、演奏データ作成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる演奏データ作成方法を具現化した本発明にかかる演奏データ作成装置の実施の形態のブロック構成図を図1に示す。
図1に示す演奏データ作成装置1において、マイクから入力された楽器を演奏した際の楽器音をサンプリングしてディジタルの演奏データ波形に変換する。この演奏データ波形を録音装置に録音するようにしてもよい。そして、演奏された演奏データ波形あるいは録音装置から読み出された演奏データ波形をSTF(Spectrum Trajectory Finder)ピーク分析部(STF Peak Detection)10に供給し、演奏データ波形をスペクトル解析してその演奏データ波形に含まれている基音周波数およびその倍音周波数に対応する線スペクトル成分のピーク点を成す全ての周波数位置を抽出する。この場合、スペクトル解析は、時間窓(ウインドウ)を用いたフーリエ変換による短時間スペクトル解析を用いて行われている。すなわち、STFピーク分析部10においては分析対象となる演奏データ波形の楽音波形サンプルに窓関数を掛けてFFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)を行い、該フーリエ変換出力の線スペクトルのピークを成す全ての周波数位置を検出する。この処理を、前記時間窓を移動しながら行い(短時間フーリエ変換(SFFT:Short-time Fast Fourier Transform))、各フレームにおけるピーク点を検出する。検出されたピーク点が有するデータは、周波数データ、位相データ、振幅データである。このようなSTFピーク分析部10で行われる分析処理を、以下ではSTFピーク分析という。
【0012】
このようにして各フレーム毎に検出された数多くのピーク点を、時間/周波数表示手段11において横軸が時間、縦軸が周波数の軸上に配置して表示させる。時間−周波数軸上に表示されたピーク点の集まりは、演奏データ波形を構成している線スペクトルのピーク点を時間軸上で表示したものに相当する。ここで、図2に示す楽譜を例えばピアノで演奏した際の演奏データ波形を、STFピーク分析部10でSTFピーク分析して得られた数多くのピーク点を、時間/周波数表示手段11において時間−周波数軸上に表示させた画面を図5に示す。図5において横軸は時間であり、縦軸は周波数〔Hz〕である。なお、図2に示す楽譜をピアノで演奏した際の演奏データ波形の波形形状は、例えば図4に示すようになり、この演奏波形データがSTFピーク分析部10に入力される。
【0013】
図1に戻り、図2に示す楽譜に基づいて演奏した演奏データ波形がSTFピーク分析部10に入力される場合には、図2に示す楽譜の楽譜データがMIDI化部12に供給される。供給された楽譜データはMIDI化部12においてMIDIデータに変換され、さらにピアノロール譜変換部13においてMIDIデータからピアノロール譜データに変換される。変換されたピアノロール譜を図3に示す。ピアノロール譜データは、図3に示すように縦軸が音名がふられている音高(周波数)とされ、横軸が時間とされている。このピアノロール譜と図2に示す楽譜とを対比すると、それぞれの音符にロール譜の一つ一つがそれぞれ対応していることがわかる。ここで、ピアノロール譜データに変換するのは、ピアノロール譜データはそれぞれのロール譜が音高(周波数)情報、発音開始(ノートオン)情報、発音期間(音長)情報を有していると共に、時間−周波数(音高)軸上に配置されており、後述する比較部14においてSTFピーク分析部10で検出された時間−周波数軸上に配置されるピーク点と比較しやすいからである。
【0014】
比較部14においては、ピアノロール譜変換部13において変換されたピアノロール譜データの各ロール譜から得られる発音期間とその前後の期間において、STFピーク分析部10で検出されたピーク点の軌跡(Trajectory)が、音名から得られる音高周波数の近傍において追跡される。なお、比較部14における比較処理では、ピーク点の軌跡は基音の音高周波数だけにおけるピーク点だけが追跡される。これは、採譜したいのは基音に対応する音符だけであり倍音のピーク点を追跡する必要がないからである。
【0015】
比較部14における比較処理について具体的に説明すると、図5に示す画面上に表示された各フレーム毎に検出されたピーク点は、全て独立に存在しているのであるが、図において軌跡を描いているような線を見て取れる。例えば、図2に示す楽譜において第1小節の1拍目に発音開始する音名はC2であり、C2の周波数が130.8Hzとされていることから図5における130.8Hz近傍のピーク点が軌跡を描いているように見える。また、第1小節の2拍目に発音開始する音名はE2(164.8Hz),G2(195.9Hz)であり、横軸の時間が2000直前のタイミングから164.8Hzおよび195.9Hz近傍に位置するピーク点が軌跡を描いているように見える。同様にして図2に示す楽譜と図5に示すピーク点とを対比していくと、楽譜の音名の周波数に位置するピーク点が軌跡を描いているように見える。しかし、このように軌跡を描いているように見えるピーク点が相互につながっているとの情報は比較処理前に置いてはまだ得られていない。さらに、図5において線として見える部分以外のピーク点はノイズであったり、非調和な成分であったり、あるいは、FFTの窓関数のサイドローブが表示されているものとみなすことができる。
【0016】
このようなピーク点のデータから軌跡(Trajectory)を成すデータを抽出するために、図3に示すピアノロール譜から得られる音高情報とノートオンおよび音長情報に基づいて、比較部14においてピーク点の軌跡(Trajectory)を追跡している。この追跡では、得られた音高周波数を含む所定の周波数範囲に位置するピーク点が抽出されることにより、追跡したピーク点の軌跡が検出される。ピーク点を追跡した結果の一例を図6に示すが、図6には図2に示す楽譜の1小節目に対応する演奏データ波形から検出されたピーク点の軌跡が示されている。図6において横軸は時間、縦軸は周波数〔Hz〕とされており、図6を参照すると、1小節目の1拍目にノートオンされる音名C2(130.8Hz)に対応する音高周波数の位置にピーク点の軌跡が抽出されており、さらに、2拍目、3拍目、4拍目においてノートオンされる音名E2(164.8Hz)および音名G2(195.9Hz)に対応する音高周波数の位置にピーク点の軌跡が抽出されていることがわかる。従って、図6に示すピーク点の軌跡の周波数から音名を決定することができ、ピーク点の軌跡の長さから音長(音符種類)を決定することができる。
【0017】
また、ピーク点には振幅情報すなわちピアノの鍵盤を弾いた際の強度情報(ベロシティ)が含まれている。そこで、図6に示す軌跡におけるピーク点がそれぞれ有している振幅情報を抽出してその振幅情報に基づいてエンベロープを作成すると、このエンベロープから各音を実際に弾いた際の強度情報(ベロシティ)が得られるようになる。また、エンベロープはノートオンのタイミングから現れることになるので、作成されたエンベロープの開始時刻からノートオンのタイミング情報も得ることができる。ここで、図6に示す軌跡におけるピーク点がそれぞれ有している振幅情報を抽出して作成したエンベロープを図7に示す。
【0018】
図7を参照すると、図2に示す楽譜の1小節目の各音符のそれぞれに対応するエンベロープがそれぞれ得られている。図7の縦軸は周波数、横軸は時間とされているが各エンベロープの高さはレベルを表している。比較部14においてこのエンベロープから強度情報(ベロシティ)を得るに際しては、基準となる強度情報が必要となる。この場合、演奏データ波形がピアノの演奏データ波形とされている場合は、楽器音データベース15a,15b,15cからピアノの鍵盤毎の音の特徴データを読み出して、読み出されたピアノの鍵盤毎の音の特徴データと対比している。特徴データは、一般的なピアノにおける鍵盤を弾く強度を変えた際の強弱の特徴データが鍵盤毎に格納されている。ただし、この特徴データに替えて、演奏に用いられたピアノ固有の強弱の特徴データを用いるようにしてもよい。なお、採譜する際に演奏される楽器種類が変更された場合は、変更された楽器に対応する特徴データが楽器音データベース15a〜15cから読み出されるようになる。
【0019】
楽器音データベース15a〜15cに格納されている特徴データの一例を図8に示す。図8に示される特徴データは、ピアノを種々の強度で弾いた際のエンベロープとされている。図8において横軸は時間、縦軸はレベルであり、フォルテッシモ(ff)、メゾフォルテ(mf)、メゾピアノ(mp)、ピアノ(p)、ピアニッシモ(pp)の強度でピアノを弾いた際のエンベロープが示されている。楽器音データベース15a〜15cにこのようなエンベロープが各鍵(音高)毎に格納されている。そこで、演奏データ波形のピーク点を追跡した軌跡により決定された音高に対応するエンベロープを楽器音データベース15a〜15cから読み出して、このエンベロープの形状と、図7に示す各音に対応するエンベロープの形状とを対比する。そして、最も似た形状の楽器音データベース15a〜15cから読み出したエンベロープが有している強度情報(ベロシティ)を、その音の強度情報として与えるようにする。
【0020】
なお、エンベロープは発音開始から現れ、音の継続時間だけ持続することから、図6に示す追跡されたピーク点の軌跡から作成した図7に示すエンベロープの開始されるタイミングが、実際に演奏されたそれぞれの音の発音開始(ノートオン)タイミングとなり、エンベロープの持続時間から発音期間(音長)情報も得ることができる。
これにより、先ほど得られた音名情報と、ノートオンタイミング情報と音長情報および強度情報(ベロシティ)により、実際に演奏された際の各音の演奏データを作成することができる。作成された演奏データは比較部14から例えばMIDI化されて採譜データとして出力され、実際に演奏された演奏データ波形から採譜することができるようになる。
【0021】
以上説明した演奏データ作成装置1における本発明の第1の演奏データ作成方法では、演奏された楽音波形の楽音波形サンプルに対し順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を行うことにより各フレームタイムにおけるピーク点を検出して、検出したピーク点と、演奏された楽譜における音符の情報とを対比することにより、その音符の周波数位置に適応するピーク点を追跡させたピーク点の軌跡を抽出している。そして、抽出されたピーク点の軌跡が位置する周波数情報から音名情報を得ることができる。また、軌跡を構成するピーク点の振幅情報からエンベロープを作成し、予め用意された演奏した楽器に関する強度(ベロシティ)に対応する種々のエンベロープ情報と対比することにより、ベロシティを得るようにしている。さらに、作成されたエンベロープからノートオンタイミング情報および音長情報を得ることができる。
【0022】
このような演奏データ作成装置1における第1の演奏データ作成方法を用いると、演奏された楽音波形から精度良く採譜することができる。この場合、ピーク点の軌跡はある程度以上の長さがあることが所定の条件とされて条件を満足する軌跡が抽出されている。しかし、半音だけ異なる等の近接した音高の音が同時に2音以上発音されている演奏データ波形からSTFピーク分析部10においてピーク点を検出した場合には、例えば図12において破線で囲って示すピーク点の集まりAのように切れ切れのピーク点の集まりが生じる場合がある。このようなピーク点を追跡した軌跡(Trajectory)の長さは所定の長さ以上連続しておらず、所定の条件を満たさないことからこの軌跡から演奏データを採譜することができないことになる。
【0023】
そこで、このような切れ切れのピーク点の集まりAからも採譜することのできる本発明の第2の演奏データ作成方法を次に説明する。なお、本発明の第2の演奏データ作成方法を行う演奏データ作成装置の構成は図1に示す演奏データ作成装置1と同様の構成とされ、比較部14において異なる比較処理が行われるようになる。
本発明の第2の演奏データ作成方法のフローチャートを図9に示し、図9に示すフローチャートを図10ないし図20を参照しながら説明する。ただし、図10は演奏される楽譜を示す図であり、図11は図10に示す楽譜に基づいて演奏した演奏データ波形である被分析波形を示す図であり、図12はSTFピーク分析されたピーク点の集まりを示す図であり、図13は演奏された楽譜における音符の情報に基づいて追跡したピーク点の軌跡(Trajectory)を示す図であり、図14は図13に示す軌跡(Trajectory)から得ることのできる演奏データを楽譜上に音符で示した図であり、図15は図13に示すピーク点の軌跡(Trajectory)に基づいて楽音波形を合成した合成楽音波形を示す図であり、図16は図11に示す演奏データ波形から図15に示す合成楽音波形を減算した減算波形データを示す図であり、図17は減算波形データをSTFピーク分析したピーク点の集まりを示す図であり、図18は図13に示す軌跡(Trajectory)から得ることのできなかった演奏データを楽譜上に音符で示した図であり、図19は演奏された楽譜における採譜されなかった音符の情報に基づいて追跡したピーク点の軌跡(Trajectory)を示す図であり、図20は図13に示すピーク点の軌跡(Trajectory)と図19に示すピーク点の軌跡(Trajectory)とをマージして、軌跡から得られたエンベロープを示した図である。
【0024】
図9に示すフローチャートにおいて、図10に示す楽譜を演奏した図11に示す演奏データ波形が被分析波形としてSTFピーク分析部10に供給される(ステップ1)。そして、被分析波形の楽音波形サンプルに対し順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を行うことによりSTFピーク分析が行われて、各フレームタイムにおけるピーク点が検出される(ステップS2)。検出されたピーク点の集まりは図12に示すようになる。次いで、検出したピーク点と、演奏された楽譜データをピアノロール譜に変換した各ロール譜とを対比することにより、ロール譜の音高情報に対応する周波数位置に適応するピーク点を、ロール譜におけるノートオン情報および発音期間情報の時間情報に基づいて追跡させた基音に対応するピーク点の軌跡(Trajectory)が抽出される(ステップS3)。次いで、所定の長さ以上の軌跡だけを残す等のある条件に当てはまる軌跡(Trajectory)だけを残す処理を行う(ステップS4)。このようにして残されたピーク点の軌跡(Trajectory)を図13に示す。図13を参照すると、追跡された基音に対応するピーク点の軌跡(Trajectory)が残されていることがわかる。ただし、図12において波線で囲った切れ切れのピーク点の集まりAに基づくピーク点の軌跡は残されていないことがわかる。
【0025】
ここで、ステップS4において残されたピーク点の軌跡(Trajectory)の音高周波数から音名情報を得ると共に、ピーク点の軌跡(Trajectory)の長さから音長情報を得て、得られた情報に適合する音符を楽譜上に表すと図14に示すようになる。すなわち、1拍目にノートオンされる音符がB1(123.4Hz)の全音符、2拍目にノートオンされる音符がG2(195.9Hz)の4分音符、3拍目にノートオンされる音符がG2(195.9Hz)の4分音符、4拍目にノートオンされる音符がG2(195.9Hz)の4分音符を採譜することができる。この場合、演奏された楽譜では図10に示すように1拍目にノートオンされる音符がB1の全音符、2拍目にノートオンされる音符がF2,G2の4分音符、3拍目にノートオンされる音符がF2,G2の4分音符、4拍目にノートオンされる音符がF2,G2の4分音符とされている。このことから、2拍目にノートオンされるF2の4分音符、3拍目にノートオンされるF2の4分音符、4拍目にノートオンされるF2の4分音符が採譜できなかったことになる。これらの採譜できなかった音符(F2)の音高周波数は約174.6Hzであり、この音高周波数に相当するピーク点の軌跡(Trajectory)は残されておらず、採譜できなかった音符(F2)を楽譜上に示すと図18に示すようになる。
【0026】
そこで、これらの音符も採譜できるように、本発明の第2の演奏データ作成方法の特徴である処理がステップS5ないしステップS7において行われる。まず、ステップS5では、ステップS4において残されたピーク点の軌跡(Trajectory)から得られた周波数情報および音長情報から正弦波合成した合成楽音波形を合成する。この合成楽音波形は図14に示す採譜された楽譜を演奏した際の楽音波形に相当し、この合成楽音波形を図15に示す。図15に示す合成楽音波形を図11に示す供給された被分析波形から加算器20において減算する(ステップS7)。減算された減算楽音波形を図16に示す。一方、ステップS6においては演奏された図10に示す楽譜データと、ステップS4において採譜できた図14に示す楽譜データとを対比して採譜できなかった音符を抽出している。上述した例において、採譜できなかった音符が図18に示す楽譜上に示されている。
【0027】
そして、加算器20から出力される減算楽音波形の楽音波形サンプルに対して、ステップS8にて順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を行うことによりSTFピーク分析が行われて、各フレームタイムにおけるピーク点が再度検出される。検出されたピーク点の集まりは図17に示すようになる。図17を参照すると、図12では切れ切れとされていた部分Aのピーク点がつながっているように見える。すなわち、採譜された音符に対応するピーク点が除去されて、残るピーク点が増感されるようになる。次いで、ステップS9にて検出したピーク点と、ステップS6において抽出された採譜できなかった図18に示す音符をピアノロール譜に変換したロール譜とが対比されて、ロール譜の音高情報に対応する周波数位置(この場合は、F2の音高周波数である約174.6Hz)に適応するピーク点を、ロール譜におけるノートオン情報および発音期間情報の時間情報に基づいて追跡させたピーク点の軌跡(Trajectory)が再度抽出される。さらに、ステップS10にて所定の長さ以上の軌跡だけを残す等のある条件に当てはまる軌跡(Trajectory)だけを残す処理が行われる。このようにして残されたピーク点の軌跡(Trajectory)が図19に示すようになる。図19を参照すると、ピーク点の軌跡(Trajectory)はF2の音高周波数である約174.6Hzに位置していることがわかる。
【0028】
このステップS10では、残されたピーク点の軌跡(Trajectory)の音高周波数から音名情報を得ることができる。この場合は、ピーク点の軌跡(Trajectory)の音高周波数は約174.6Hzとされていることから、音名F2を得ることができる。ここで、得られた音名情報に対応する音符を楽譜上に表示したとすると、図18に示すようになり、ステップS2ないしステップS4の処理では採譜できなかった音符が、ステップS5ないしステップS10の処理を行うことにより採譜できていることがわかる。次いで、ステップS11においてステップS4で残された図13に示すピーク点の軌跡(Trajectory)と、ステップS10で残された図13に示すピーク点の軌跡(Trajectory)とがマージされる。さらに、マージされたピーク点の軌跡(Trajectory)を構成するピーク点の振幅情報からエンベロープが作成される。このようにして、作成された複数の音のエンベロープが図20に示されている。続いて、上述した第1の演奏データ作成方法と同様にしてこの作成されたエンベロープに、楽器音データベース15a〜15cから読み出したエンベロープのうちの最も似た形状のエンベロープが検出されて、そのエンベロープが有している強度情報(ベロシティ)を、そのエンベロープの音の強度情報として与えるようにする。そして、エンベロープは発音開始で現れると共に音が継続されている期間だけ持続することから図19に示すエンベロープの現れるタイミングが、実際に演奏されたそれぞれの音の発音開始(ノートオン)タイミングとなり、エンベロープが持続する期間が発音継続(音長)情報となる。
【0029】
ステップS11では、このようにして得られた音名情報およびベロシティ情報、ノートオンタイミングと音長情報から演奏データを作成している。作成された演奏データはMIDIデータ化されて出力される。これにより、図10に示す音高周波数の近接した音符を含む楽譜を演奏した演奏データ波形を被分析波形として演奏データ作成装置1に供給しても第2の演奏データ作成方法を実行することにより、図10に示す音高周波数の近接した音符を含む楽譜を確実に採譜することができるようになる。
【0030】
以上説明した演奏データ作成装置1における本発明の第2の演奏データ作成方法では、楽音波形サンプルに対するピーク点を検出する処理、および、検出したピーク点を演奏された音符の周波数情報を利用してピーク点を追跡した軌跡(Trajectory)を抽出する処理を繰り返し行っている。この場合、2度目の処理において対象とされる楽音波形サンプルは、1度目の処理により検出されたピーク点の軌跡に基づいて波形合成した合成楽音波形を、供給された被分析波形から減算した減算楽音波形の楽音波形サンプルとされる。これにより、1度目の処理において追跡されたピーク点の軌跡が所定の長さより短くても、採譜された音符に対応する近接するピーク点が除去されて、増感されたピーク点とされているため、2度目の処理をした際には追跡されたピーク点の軌跡が所定の長さより長くなる。従って、1度目の処理では採譜できなかった場合でも2度目の処理では採譜することを可能とすることができる。
【0031】
次に、この第2の演奏データ作成方法より、より確実に切れ切れのピーク点の集まりの部分からも採譜することのできる本発明の第3の演奏データ作成方法を次に説明する。なお、本発明の第3の演奏データ作成方法を行う演奏データ作成装置の構成は図1に示す演奏データ作成装置1と同様の構成とされ、比較部14において第2の演奏データ作成方法を改善した第3の演奏データ作成方法の比較処理が行われるようになる。
第3の演奏データ作成方法のフローチャートを図21に示す。図21を参照すると、第3の演奏データ作成方法は、第2の演奏データ作成方法のフローチャートにおける処理にステップS28における処理が追加された演奏データ作成方法とされている。他のステップの処理は第2の演奏データ作成方法と同様とされているので、追加されている処理について主に説明するものとする。
【0032】
図21に示す第3の演奏データ作成方法のフローチャートにおいて、ステップS27までの処理は図9に示す第2の演奏データ作成方法におけるフローチャートのステップS7までの処理と同様であり、採譜できなかった音符に相当する合成楽音波形が被分析波形から減算された減算波形が加算器30から出力される。そして、第3の演奏データ作成方法はステップS28においてフィルター処理を行っている特徴を有しており、減算波形にステップS28にてフィルター処理が行われる。このフィルター処理では、採譜できなかった音符の音程に相当する周波数成分が強調される。ここで、ステップS26において採譜できなかった音符を楽譜上に示した際に、前記図18に示すような音符(F2)であった場合はフィルター処理後の楽音波形は図22に示すようになる。フィルター処理しない楽音波形は図15に示すようになることから、フィルター処理を行うことにより楽音波形が変化していることがわかる。
【0033】
そして、フィルター処理後の楽音波形データの楽音波形サンプルに対して、ステップS29にて順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を行うことによりSTFピーク分析が行われて、各フレームタイムにおけるピーク点が再度検出される。検出されたピーク点の集まりは図23に示すようになる。図23を参照すると、採譜できなかった音符の音程に相当する周波数成分が強調されるフィルター処理が行われて、強調された周波数近傍のピーク点が増感されて検出されていることがわかる。この場合、採譜できなかった音名はF2とされているのでF2の音高周波数である174.6Hz近傍の周波数成分だけが強調されて、そのピーク点だけが検出されている。また、図23参照すると増感された結果、図12では切れ切れとされていた部分のピーク点がつながっているように見える。次いで、ステップS30にて検出したピーク点と、ステップS26において抽出された採譜できなかった図18に示す音符をピアノロール譜に変換したロール譜とが対比されて、ロール譜の音高情報に対応する周波数位置に適応するピーク点を、ロール譜におけるノートオン情報および発音期間情報の時間情報に基づいて追跡させたピーク点の軌跡(Trajectory)が再度抽出される。さらに、ステップS31にて所定の長さ以上の軌跡だけを残す等のある条件に当てはまる軌跡(Trajectory)だけを残す処理が行われる。このようにして残されたピーク点の軌跡(Trajectory)を図24に示す。
【0034】
このステップS31では、残されたピーク点の軌跡(Trajectory)が位置する音高周波数から音名情報を得ることができる。ここで、得られた音名情報に対応する音符を楽譜上に表示したとすると、図18に示すようになり、ステップS22ないしステップS24の処理では採譜できなかった音符が、ステップS25ないしステップS31の処理、特にステップS28におけるフィルター処理を行うことにより採譜できていることがわかる。次いで、ステップS32においてステップS24で残された図13に示すピーク点の軌跡(Trajectory)と、ステップS31で残された図24に示すピーク点の軌跡(Trajectory)とがマージされる。さらに、マージされたピーク点の軌跡(Trajectory)を構成するピーク点の振幅情報からエンベロープが作成される。このようにして、作成されたエンベロープが図25に示されており、フィルター処理されていることから1度目の処理では採譜できなかった音符に対応するエンベロープが、図20に示すエンベロープより明確なエンベロープとされている。続いて、上述した第1の演奏データ作成方法と同様にしてこの作成されたエンベロープに、楽器音データベース15a〜15cから読み出したエンベロープのうちの最も似た形状のエンベロープが検出されて、そのエンベロープが有している強度情報(ベロシティ)を、そのエンベロープの音の強度情報として与えるようにする。そして、エンベロープは発音開始で現れると共に音が継続されている期間だけ持続することから図24に示すエンベロープの現れるタイミングが、実際に演奏されたそれぞれの音の発音開始(ノートオン)タイミングとなり、エンベロープが持続する期間が発音継続(音長)情報となる。
【0035】
ステップS32では、このようにして得られた音名情報およびベロシティ情報、ノートオンタイミングと音長情報から演奏データを作成している。作成された演奏データはMIDIデータ化されて出力される。これにより、図10に示す音高周波数の近接した音符を含む楽譜を演奏した演奏データ波形を被分析波形として演奏データ作成装置1に供給しても第3の演奏データ作成方法を実行することにより、図10に示す音高周波数の近接した音符を含む楽譜をより確実に採譜することができるようになる。
【0036】
以上説明した第2の演奏データ作成方法および第3の演奏データ作成方法において、2回目のSTFピーク検出処理およびピーク追跡処理を行っても、まだ楽譜データに残っている音符がある場合は、第2の演奏データ作成方法の場合はステップS5ないしステップS10の処理を、第3の演奏データ作成方法の場合はステップS25ないしステップS31の処理を図4繰り返し行うことにより、楽譜データに残っている音符が内容にしてもよい。このようにすると、楽譜上に示される音符のすべてを採譜することができるようになる。
なお、以上の説明ではピアノ演奏音からの採譜を示したが、本発明はこれに限らず、ピアノ以外の各種楽器演奏音や歌唱音を採譜の対象とすることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、フーリエ変換して検出したピーク点と、楽譜における音符の情報とを比較することにより、音符の周波数位置に適応するピーク点を追跡させたピーク点の軌跡を抽出し、抽出された軌跡におけるピーク点の情報から音符に対応する演奏データを作成するようにしている。したがって、元のサンプリング波形の基音、その倍音に相当する高調波成分、ノイズ成分、FFTの窓関数のサイドローブ等に対応したピーク点が数多く検出されても、その中から正確にピーク点を追跡した軌跡を抽出することができる。これにより、演奏された楽音波形から精度良く演奏データを作成することができるようになる。この作成された演奏データは実際に演奏された音に対応する演奏データとなり、精度の良い採譜ができるようになる。
【0038】
また、検出された軌跡から得られる情報を用いて正弦波合成した合成楽音波形成分を楽音波形から減算した減算楽音波形から、ピーク点を再度検出することにより、一度目に検出されたピーク点の軌跡から採譜できない場合でも、減算楽音波形に基づく二度目の検出ではピーク点の軌跡から採譜することを可能とすることができる。これにより、演奏された楽音波形から精度良く全ての演奏データを採譜することができるようになる。さらに、減算した減算楽音波形に、得ようとする音符の音程に対応する周波数成分を強調するフィルター処理を施してピーク点を検出すると、一度目に検出されたピーク点の軌跡が切れ切れであって採譜し難い場合でも、フィルター処理後の二度目の検出ではピーク点を長い軌跡で追跡することを可能とすることができる。
さらにまた、抽出された軌跡におけるピーク点の振幅情報からエンベロープを作成し、予め用意された種々の強度のエンベロープ情報と対比することにより、強度情報を得ることができると共に、作成されたエンベロープから発音開始情報や音長情報を得ることができる。これにより、抽出された軌跡におけるピーク点の情報から音名情報および発音開始情報や音長情報と強度情報とを正確に得て、演奏データ作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる演奏データ作成方法を具現化した本発明にかかる演奏データ作成装置の実施の形態のブロック構成図を示す図である。
【図2】 本発明の演奏データ作成装置に供給される演奏データ波形の楽譜の一例を示す図である。
【図3】 図2に示す楽譜を変換したピアノロール譜を示す図である。
【図4】 本発明の演奏データ作成装置に供給される演奏データ波形の波形形状を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態の演奏データ作成装置におけるSTFピーク検出部で検出されたピーク点の集まりを示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態の演奏データ作成装置において追跡されたピーク点の軌跡を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態の演奏データ作成装置において追跡されたピーク点の軌跡におけるエンベロープを示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態の演奏データ作成装置において強度情報を決定する際に使用する基準となるエンベロープを示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法の処理を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、演奏される楽譜の一例を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、演奏された演奏データ波形の波形形状を示す図である。
【図12】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、STFピーク検出処理で検出されたピーク点の集まりを示す図である。
【図13】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、追跡されたピーク点の軌跡を示す図である。
【図14】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、1回目の処理により採譜された音符を示した楽譜を示す図である。
【図15】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、1回目の処理により検出されたピーク点の軌跡に基づいて波形合成された合成楽音波形の波形形状を図である。
【図16】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、波形合成された合成楽音波形を、演奏された演奏データ波形から減算した減算楽音波形の波形形状を示す図である。
【図17】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、減算楽音波形に基づいてSTFピーク検出処理で検出されたピーク点の集まりを示す図である。
【図18】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、1回目の処理により採譜されなかった音符を示した楽譜を示す図である。
【図19】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、減算楽音波形における追跡されたピーク点の軌跡を示す図である。
【図20】 本発明の実施の形態における第2の演奏データ作成方法において、1回目および2回目の追跡されたピーク点の軌跡をマージしたピーク点の軌跡におけるエンベロープを示す図である。
【図21】 本発明の実施の形態における第3の演奏データ作成方法の処理を示すフローチャートである。
【図22】 本発明の実施の形態における第3の演奏データ作成方法において、減算楽音波形をフィルター処理した後の波形形状を示す図である。
【図23】 本発明の実施の形態における第3の演奏データ作成方法において、フィルター処理後の減算楽音波形に基づいてSTFピーク検出処理で検出されたピーク点の集まりを示す図である。
【図24】 本発明の実施の形態における第3の演奏データ作成方法において、フィルター処理後の減算楽音波形における追跡されたピーク点の軌跡を示す図である。
【図25】 本発明の実施の形態における第3の演奏データ作成方法において、1回目および2回目の追跡されたピーク点の軌跡をマージしたピーク点の軌跡におけるエンベロープを示す図である。
【符号の説明】
1 演奏データ作成装置、10 STFピーク分析部、11 時間/周波数表示手段、12 MIDI化部、13 ピアノロール譜変換部、14 比較部、15a,15b,15c 楽器音データベース、20 加算器、30 加算器
Claims (6)
- 楽譜に基づいて演奏された楽音波形から演奏データを作成する演奏データ作成方法であって、
前記楽音波形の楽音波形サンプルに対し順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を行うことにより各フレームタイムにおけるピーク点を検出し、
検出したピーク点と、前記楽譜における音符の情報とを対比することにより、該音符の周波数位置に適応するピーク点を追跡させた第1の軌跡を抽出し、
前記第1の軌跡から得られる情報を用いて正弦波合成した合成楽音波形成分を前記楽音波形から減算し、該減算結果の楽音波形サンプルに対し順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を再度行うことにより各フレームタイムにおけるピーク点を検出し、
検出したピーク点と、前記音符の情報とを対比することにより、該音符の周波数位置に適応するピーク点を追跡させた第2の軌跡を抽出し、
前記第1の軌跡と前記第2の軌跡とをマージして、マージした軌跡におけるピーク点の情報から演奏データを作成するようにしたことを特徴とする演奏データ作成方法。 - 供給された軌跡におけるピーク点の振幅情報からエンベロープを作成し、予め用意された種々の強度のエンベロープ情報と対比することにより、前記軌跡におけるピーク点の情報に基づいて強度情報を得ると共に、作成されたエンベロープから少なくとも発音開始情報を得るようにしており、これらの情報と前記軌跡に基づく音高情報から前記演奏データが作成されることを特徴とする請求項1記載の演奏データ作成方法。
- 前記減算結果の減算楽音波形に、前記第1の軌跡が抽出されなかった前記楽譜における音符の音程に対応する周波数成分を強調するフィルター処理を施すようにしてから、その楽音波形サンプルに対し順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を再度行うことにより各フレームタイムにおけるピーク点を検出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の演奏データ作成方法。
- 楽譜に基づいて演奏された楽音波形から演奏データを作成する演奏データ作成装置であって、
供給された楽音波形の楽音波形サンプルに対し順次シフトする時間窓を用いてフーリエ変換を行うことにより各フレームタイムにおけるピーク点を検出するピーク分析手段と、
該ピーク分析手段により検出されたピーク点と、前記楽譜における音符の情報とを対比することにより、該音符の周波数位置に適応するピーク点を追跡させたピーク点の軌跡を抽出する軌跡抽出手段と、
前記軌跡抽出手段により抽出された軌跡に基づいて正弦波合成した合成楽音波形成分を前記楽音波形から減算した減算波形を出力する減算手段と、
軌跡におけるピーク点の情報から演奏データを作成する演奏データ作成手段とを備え、
前記ピーク分析手段に前記楽譜に基づいて演奏された楽音波形が前記ピーク分析手段供給された際に、前記軌跡抽出手段から第1の軌跡が出力され、前記減算手段において該第1の軌跡に基づいて第1の減算波形が出力され、該第1の減算波形が前記ピーク分析手段に供給された際に、前記軌跡抽出手段から第2の軌跡が出力され、前記演奏データ作成手段は、前記第1の軌跡と第2の軌跡とをマージした軌跡に基づいて前記演奏データを作成するようにしたことを特徴とする演奏データ作成装置。 - 前記演奏データ作成手段において、供給された軌跡におけるピーク点の振幅情報からエンベロープを作成し、予め用意された種々の強度のエンベロープ情報と対比することにより、前記軌跡におけるピーク点の情報に基づいて強度情報を得ると共に、作成されたエンベロープから少なくとも発音開始情報を得ており、これらの情報と前記軌跡に基づく音高情報から前記演奏データを作成するようにしたことを特徴とする請求項4記載の演奏データ作成装置。
- 前記減算手段から出力される減算楽音波形から、前記第1の軌跡が抽出されなかった前記楽譜における音符の音高に対応する周波数成分を強調するフィルター処理手段を、さらに備えるようにしたことを特徴とする請求項4記載の演奏データ作成装置。
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