JP3831859B2 - 落下用緩衝装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電柱等の高所作業場所への昇降時において、高所からの落下時に人体にかかる衝撃を吸収して身体を保護するための落下用緩衝装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の落下用緩衝装置としては、エアーチューブ内に空気を圧縮封入して構成したエアーマットがあった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のエアーマットからなる落下用緩衝装置は、落下時にエアーマットの反撥（リバウンド）によるエアーマット外への跳ね出し事故が生じる危険性があった。また逆に、空気の封入圧力が弱い場合には、エアーマット下の地面に対する直接衝撃による事故の危険性もあった。
【０００４】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、リバウンドによる跳ね出しや直接衝撃による二次的事故の危険性がなく、確実かつ安全に緩衝性能を確保することができる落下用緩衝装置を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の落下用緩衝装置は、圧縮空気を封入した半円状エアーマットと、該半円状エアーマットの直線部の両側に取り付けられると共に圧縮空気を封入した両翼エアーマットから構成されるエアーマットと；半円状低反発性マットと、該半円状低反発性マットの直線部の両側に取り付けられる両翼低反発性マットから構成される低反発性マットと；上記エアーマット上に上記低反発性マットを重ねて一体的に敷設して構成したことを特徴とする。また、上記半円状低反発性マットおよび上記両翼低反発性マットがウレタンマットであることを特徴とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。図１において、１はエアーマットであって、図２に詳細に示すように、半円状エアーマット１ａと、該半円状エアーマット１ａの直線部の両側に取り付けられた両翼エアーマット１ｂから構成されている。これら半円状エアーマット１ａと両翼エアーマット１ｂは連結布１ｃにより一体的に接続されている。
【０００７】
上記半円状エアーマット１ａは、例えば、ゴム引布を半円形袋体に構成して内部に数条の吊り布１ａ′を平行に設け、例えば、１００Ｋｇｆ／ｃｍ２の圧縮空気を封入して構成されている。１ａ″は圧縮空気封入用の口栓である。該半円状エアーマット１ａの周縁部にはテープ状布１ｄが付設されていて、適宜間隔で固定具１ｅが配設されている。
【０００８】
上記両翼エアーマット１ｂは、2つの円筒状エアーマット１ｂ′平行に接続し、これらと共に圧縮空気を封入して構成され、それぞれの円筒状エアーマット１ｂ′には口栓１ｂ″が設けられている。これらの両翼エアーマット１ｂの間には空間部Ｇが形成される。
【０００９】
上記エアーマット１の上には低反発性マット２が重ねて敷設されている。該低反発性マット２は、図３に詳細に示すように、半円状低反発マット２ａと、該半円状低反発性マット２ａの直線部の両側に取り付けられた両翼低反発性マット２ｂから構成されている。２つの両翼低反発性マット２ｂの間にも空間部Ｇが構成されている。
【００１０】
これらの半円状低反発性マット２ａおよび両翼低反発性マット２ｂはウレタンフォーム等の低反発性材料をゴム引布で被覆して構成されている。また、上記半円状低反発性マット２ａは、複数の扇形部分に分割されており、被覆布により折り畳自在に接続されている。さらに上記半円状低反発性マット２ａと両翼低反発性マット２ｂは、連結布２ｃにより一体的に接続されている。
【００１１】
上記半円状低反発性マット２ａの周縁部には、複数の固定具２ｄが配設されている。該固定具２ｄは上記半円状エアーマット１ａの固定具１ｅと接続または結束されて、エアーマット１と低反発性マット２を一体的に固定する。これら固定具１ｅおよび２ｄは、例えば、ベルトのバックル部分の固定手段、結束紐、面ファスナー、フック等、固定および解除が可能ないずれの固定手段でもよい。
【００１２】
本実施例の落下用緩衝装置は、以上のように構成されているので、その使用に際しては、まず、上記エアーマット１の口栓１ａ″から空気注入機（ブロワー）等により空気を圧縮状態で封入した膨らませ、図４に示すように、電柱Ｐに掛けた梯子Ｒを両翼エアーマット２ｂの間の空間部Ｇに位置せしめるようにして、セットする。
【００１３】
続いて、該エアーマット１の上に上記低反発性マット２を重ねて敷設すると共に、固定具１ｅおよび２ｄにより接続固定する。マットの周囲には安全表示幕（図示せず）を設置して、通行車両や歩行者等に注意を喚起して安全確保につとめるのが、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の落下用緩衝装置の一実施例を示す斜視図である。
【図２】エアーマットの平面図（Ａ）、その側面図（Ｂ）である。
【図３】低反発性マットの平面図（Ａ）、その側面図（Ｂ）である。
【図４】図１の落下用緩衝装置の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
１ エアーマット
1ａ 半円状エアーマット
1ａ′ 吊り布
１ａ″ 口栓
１ｂ 両翼エアーマット
１ｂ′ 円筒状エアーマット
１ｂ″ 口栓
１ｃ 連結布
１ｄ テープ状布
１ｅ 固定具
２ 低反発性マット
２ａ 半円状低反発性マット
２ｂ 両翼低反発性マット
Ｇ 空間部
Ｐ 電柱
Ｒ 梯子

Claims (2)

1. 圧縮空気を封入した半円状エアーマット（１ａ）と、該半円状エアーマット（１ａ）の直線部の両側に取り付けられると共に圧縮空気を封入した両翼エアーマット（１ｂ）から構成されるエアーマット（１）と；半円状低反発性マット（２ａ）と、該半円状低反発性マット（２ａ）の直線部の両側に取り付けられる両翼低反発性マット（２ｂ）から構成される低反発性マット（２）と；上記エアーマット（１）上に上記低反発性マット（２）を重ねて一体的に敷設して構成したことを特徴とする落下用緩衝装置。
2. 上記半円状低反発性マット（２ａ）および上記両翼低反発性マット（２ｂ）がウレタンマットであることを特徴とする請求項１に記載の落下用緩衝装置。

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