JP3831746B1 - ディスクケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケース蓋体1にヒンジ軸15を備え、ケース本体3にヒンジ軸受孔37を備えている。ヒンジ軸15はケース蓋体1の側壁17に突出して設けられた略円柱形状のものであり、その略円柱形状の中心軸を横切る貫通孔27を備えている。ヒンジ軸受孔37はケース本体3の側壁35に設けられた略円形のものであり、側壁35の一端面側に形成された切欠きからなる嵌入口45によりその一端面に開放されている。嵌入口45の最も狭い部分の幅寸法はヒンジ軸15の直径よりは小さく、ヒンジ軸15をヒンジ軸受孔37に圧入可能な大きさに形成されている。
【選択図】図3
Description
従来から、音楽や会社案内、宣伝などの簡単な情報を記録したCDを封筒状の紙ケースや樹脂でできた簡易なCDケースに収容し、書籍に添付して郵送したり、流通市場に出したりすることは行われていた。通信教育用学習教材としての用途では、講義や実験などの長時間の動画情報も含まれるために情報量が膨大となることがあり、CDではなく記録容量の大きいDVDが使われている。
また、学習用教材としてのDVDであるため、いつまでも大切に永久保存することを必要とするものでもないので、これらの条件を満たしつつも、ケースは極力低コストである必要がある。
現在広く使用されている主な既存のディスクケース自動組立機としては、CDを収納する透明な硬質樹脂、例えばポリスチレンからなり、ディスク保持トレイを中に収納したジュエルケースと呼ばれる3ピース型ケース(縦124.5mm×横142.0mm×厚み10.4mm程度)用の組立て機がある。ジュエルケース用の自動組立機は、硬質樹脂、例えばポリスチレンからなり、ジュエルケースに比べてディスク保持トレイをなくして厚みを半分程度にした2ピーススリム型ケース(縦124.5mm×横142.0mm×厚み5.2mm程度)の組立てにも適用されている。
また、軟質樹脂、例えばポリプロピレンからなり、DVDを収納するためのDVDPPケースと呼ばれるケース(縦190mm×横136mm×厚み15mm程度)用の組立機もある。
他方、硬質樹脂を用いて成形されるジュエルケース及び2ピーススリム型ケースは、ケース蓋体とケース本体とが各々別体成形され、各々に設けられたヒンジ軸とヒンジ軸受け孔との嵌合による嵌合連結型ヒンジ部を用いている(例えば特許文献2を参照。)。
したがって、教材用のDVDを収納するケースの小型化を図り、ジュエルケースや2ピーススリム型ケースと同じ寸法にしようとした場合、ジュエルケースのようにケース蓋体とケース本体とがそれぞれ別体成形され、それらを連結するヒンジ部は嵌合連結型の構造であることを前提として設計されている自動組立機を利用するためには、軟質樹脂を使用しつつも同様の分離式嵌合連結構造のヒンジ部構造を用いる必要がある。
ここで、略円柱形状とは、ヒンジ軸に上記貫通孔が形成されていることによりヒンジ軸が厳密には円柱形状ではないことを意味する。また、軸方向に対して太さが一定のヒンジ軸に限定されるものではなく、太さが変化しているものも含むことを意味している。
ここで、上記開口の幅寸法とは、開口が形成されている面及び第2側壁に平行な方向の寸法をいう。
また、本特許請求の範囲及び本明細書において、直交及び平行の語は、直交又は平行の対象となる2面が厳密に直交及び平行でなくてもその機能を果たすことができる程度に直交又は平行からずれていてもよいことを含む。
そして、ヒンジ軸に中心軸を横切る貫通孔を備えているので、ヒンジ軸をヒンジ軸受孔に圧入する際にヒンジ軸の径方向の弾性収縮性を増大させることができる。これにより、ヒンジ軸受孔に連続して形成されている嵌入口の最も狭い部分の幅寸法をより狭くして、ヒンジ軸とヒンジ軸受孔が嵌合されたときの嵌合安定性を向上させることができ、ヒンジ軸の脱落を防止することができる。
さらに、ヒンジ軸に貫通孔を備えていることにより、成形時におけるヒンジ軸の冷却収縮に起因して生じるヒケを防止することができるので、ヒンジ軸の軸方向及び径方向の寸法精度を向上させることができ、ヒンジ軸の脱落を防止することができる。
そこで、ヒンジ軸は先端部にヒンジ軸の貫通孔の貫通方向が幅広でそれに直交する方向が幅狭となった形状をもった鍔部を設け、ヒンジ軸受孔が形成されているケース本体又はケース蓋体には嵌入口に連続する開口を設け、その開口の幅寸法を鍔部の先端間の寸法よりも小さく形成したので、ヒンジ軸とヒンジ軸受孔が嵌合された状態でヒンジ軸の貫通方向と嵌入口の最も狭い部分が平行になっても、ヒンジ軸受孔が形成されている第2側壁の一端面に連続した面にヒンジ軸の鍔部がひっかかるので、ヒンジ軸の脱落を防止することができる。また、ヒンジ軸の先端部に鍔部を備えているので、ヒンジ軸がヒンジ軸受孔から軸方向へ抜けるのも防止することができる。
図2はその実施例のケース本体を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は(A)のC−C位置の断面を拡大して示す断面図、(D)は(A)のD−D位置の断面を拡大して示す断面図である。
図3はケース蓋体のヒンジ軸近傍(図1(A)の一点鎖線で囲まれた部分を参照)及びケース本体のヒンジ軸受孔近傍(図2(A)の一点鎖線で囲まれた部分を参照)を拡大して示す図であり、(A)はケース蓋体のヒンジ軸近傍の平面図、(B)は(A)のE−E位置での断面図、(C)はケース本体のヒンジ軸受孔近傍の平面図、(D)は(C)のF−F位置での断面図である。
図4はケース本体のディスク係止爪近傍を拡大して示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のG−G位置での断面図である。
図1に示すように、ケース蓋体1は、天板5の対向する二辺に側壁7,7を備えている。天板5の厚みは例えば1.2mm(ミリメートル)、側壁7の厚みは例えば1.2mmである。側壁7,7の内面に、それぞれ2個ずつラベル抑え爪9が突設されている。ラベル抑え爪9の上面に対向する天板5に通孔11が形成されている。
より具体的に説明すると、図1(C)、図3(A)及び(B)に示すように、ヒンジ軸配置部13は、ヒンジ軸15を配置するための側壁(第1側壁)17と、側壁17に直交する方向に側壁17の両端部に連続して形成された側壁(第1補強面)19,21と、側壁17に対向して側壁19,21に直交する方向に側壁19,21の側壁17とは反対側の端部に連続して形成された側壁23を備えている。側壁17,19,21,23の厚みは例えば1.2mmである。側壁19の天板5とは反対側の端面に切欠き19aが形成されている。
ケース本体3の底板31の一辺にヒンジ軸受孔配置部33が形成されている。底板31の厚みは例えば1.2mmである。ヒンジ軸受孔配置部33の両端部に設けられた側壁(第2側壁)35,35にそれぞれ略円形のヒンジ軸受孔37が形成されている。
以下に寸法の例を示すと、例えば、ヒンジ軸受孔37の直径φ2は4.05mmである。嵌入口45の最も狭い部分の寸法であるヒンジ軸受孔37側の幅寸法W4は3.4mm、嵌入口45の面43側の幅寸法W5は4.0mmであり、嵌入口45は面43側が広いテーパ形状に形成されている。開口47の幅寸法W6は4.5mmである。
嵌入口45の最も狭い部分の幅寸法W4と、ヒンジ軸15の直径φ1と、ヒンジ軸受孔37の直径φ2については、嵌入口最小幅寸法W4<ヒンジ軸径φ1<ヒンジ軸受孔径φ2である。
また、開口47の幅寸法W6と、鍔部29の幅広部の寸法W3、幅狭部の寸法W7については、鍔部29の幅狭部の寸法W7<開口幅寸法W6<鍔部29の幅広部の寸法W3である。
さらに、ヒンジ軸15に貫通孔27を備えていることにより、成形時におけるヒンジ軸15の冷却収縮に起因して生じるヒケを防止することができ、ヒンジ軸15の軸方向及び径方向の寸法精度を向上させることができるという効果もある。
この実施例では、ヒンジ軸15の貫通方向の幅寸法W2(3.67mm)は嵌入口45の最も狭い部分の幅寸法W4(3.4mm)よりも大きく設定している。
鍔部29,29は、ヒンジ軸15がヒンジ軸受孔37から軸方向へ抜けるのを防止することもできる。
また、開口47の幅寸法W6と、鍔部29の幅広部の寸法W3、幅狭部の寸法W7は、鍔部29の幅狭部の寸法W7<開口幅寸法W6<鍔部29の幅広部の寸法W3であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、鍔部29の幅狭部の寸法W7と開口幅寸法W6が同じ寸法であってもよい。
また、上記実施例では、ヒンジ軸15の貫通孔27は位置決め台座25及び鍔部29にまたがって形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、貫通孔は少なくともヒンジ軸に形成されていればよい。
ここではケース蓋体とケース本体の材料として軟質樹脂を挙げているが、本発明のケース蓋体とケース本体の材料としてポリスチレン等の硬質樹脂を排除するものではない。
ケース本体のケース蓋体を閉じた状態において、ケースの厚み、すなわちケース本体の外側の底面からケース蓋体の外側の上面までの距離は、特に限定されるものではないが、実施例では6mm程度である。
3 ケース本体
5 天板
7 側壁
9 ラベル抑え爪
11 通孔
13 ヒンジ軸配置部
15 ヒンジ軸
17 側壁(第1側壁)
19,21 側壁(第1補強面)
23 側壁
25 位置決め台座
27 貫通孔
29 鍔部
31 底板
33 ヒンジ軸受孔配置部
35 側壁(第2側壁)
37 ヒンジ軸受孔
39,41 側壁(第2補強面)
43 面
45 嵌入口
47 開口
49 補強板
51 凹部
53 ディスク係止部
55 ディスクを支持するための突起
57 ディスク係止爪
59 中央突起
Claims (7)
- ケース蓋体とケース本体を備え、その一方を構成する第1側壁に設けられたヒンジ軸と、第1側壁に対向し他方を構成する第2側壁に設けられて前記ヒンジ軸を受け入れるヒンジ軸受孔との結合により前記ケース蓋体とケース本体が開閉可能に組み合わされたディスクケースにおいて、
前記ヒンジ軸は第1側壁に突出して設けられた略円柱形状のものであり、その略円柱形状の中心軸を横切る貫通孔を備え、先端部に鍔部を備え、前記鍔部はヒンジ軸の前記貫通孔の貫通方向が幅広でそれに直交する方向が幅狭となった形状をもち、
前記ヒンジ軸受孔は第2側壁に設けられた略円形のものであり、第2側壁の一端面側に形成された切欠きからなる嵌入口により前記一端面に開放されており、前記嵌入口の最も狭い部分の幅寸法は前記ヒンジ軸の直径よりは小さく、前記ヒンジ軸を前記ヒンジ軸受孔に圧入可能な大きさに形成されており、
前記ヒンジ軸受孔が形成されている前記ケース本体又は前記ケース蓋体は、第2側壁の前記一端面につながり、かつ第2側壁に直交して第1側壁から遠ざかる方向に広がる面を備え、その面に前記嵌入口につながって前記鍔部を受け入れる開口を備えており、前記開口の幅寸法は鍔部の幅広部の寸法よりは小さく形成されていることを特徴とするディスクケース。 - 前記嵌入口は、第2側壁の前記一端面側の寸法が前記ヒンジ軸受孔側の寸法よりも大きく形成されている請求項1に記載のディスクケース。
- 前記ヒンジ軸が形成されている前記ケース蓋体又は前記ケース本体は、第1側壁に直交する方向に第1側壁に連続して形成された第1補強面を備えている請求項1又は2に記載のディスクケース。
- 前記ヒンジ軸受孔が形成されている前記ケース本体又は前記ケース蓋体は、第2側壁に直交する方向に第2側壁に連続して形成された第2補強面を備えている請求項1から3のいずれかに記載のディスクケース。
- 前記ケース本体のディスク収容側の面には、ディスクの周縁部に対応する位置の少なくとも1箇所に凹部を備えている請求項1から4のいずれかに記載のディスクケース。
- 前記ヒンジ軸の前記貫通孔は、前記ヒンジ軸が形成されている前記ケース蓋体又は前記ケース本体の平面に対して直交する方向に形成されている請求項1から5のいずれかに記載のディスクケース。
- 前記ケース蓋体と前記ケース本体の材質は、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂にゴム系樹脂を混合した樹脂又はABS樹脂である請求項1から6のいずれかに記載のディスクケース。
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