JP3830027B2 - Wire actuator - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤーアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤーをその長手方向へ移動させるワイヤーアクチュエータが知られており、例えば、ロボットハンド等において用いられている。
【0003】
このワイヤーアクチュエータは、ワイヤーと、ワイヤーを巻き付けるリールと、モータ(回転型のアクチュエータ)と、モータの回転駆動力を減速してリールへ伝達する減速器とを備え、モータを駆動してリールを回転させることにより、ワイヤーをその長手方向へ移動させるようになっている。
【0004】
しかしながら、前記従来のワイヤーアクチュエータでは、リールや減速器を必要とするとともに、モータが大きいために、小型・軽量化、特に薄型化し難いという問題がある。したがって、例えば関節や五指などを動かすために複数のワイヤーアクチュエータを搭載するためには大きなスペースが必要であり、重量も増加することからいっそう小型化を困難にしていた。
【0005】
さらに、前記モータは、ロータやスライダーに特殊な磁気特性を有することが必要であり、長いストロークの並進機構を小さくし難く、小型・軽量化に不利である。
【0006】
また、回転運動を直線運動に変換するので、この変換に伴うエネルギーロスが大きい。
【0007】
また、モータの電磁ノイズが他の機器に影響を及ぼすおそれがあるという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な構造であり、小型化、特に薄型化に有利なワイヤーアクチュエータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(24)の本発明により達成される。
【0010】
(1) ワイヤーと、前記ワイヤーに当接して設けられ、圧電素子を備えた振動体とを有し、
前記振動体が前記ワイヤーに当接して前記ワイヤーを屈曲させ、前記ワイヤーの復元力により、前記振動体が押圧されるよう構成されており、
前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記ワイヤーに力を繰り返し加えて前記ワイヤーを前記ワイヤーの長手方向へ移動させるよう構成されていることを特徴とするワイヤーアクチュエータ。
【0011】
(2) ワイヤーと、前記ワイヤーに当接して設けられ、圧電素子を備えた振動体とを有するアクチュエータユニットを複数備えたワイヤーアクチュエータであって、
前記振動体が前記ワイヤーに当接して前記ワイヤーを屈曲させ、前記ワイヤーの復元力により、前記振動体が押圧されるよう構成されており、
前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記ワイヤーに力を繰り返し加えて前記ワイヤーを前記ワイヤーの長手方向へ移動させるよう構成されていることを特徴とするワイヤーアクチュエータ。
【0012】
(3) 前記各アクチュエータユニットの各ワイヤーの配列方向が略一致している上記(2)に記載のワイヤーアクチュエータ。
【0013】
(4) 前記各アクチュエータユニットは、板状をなし、その厚さ方向に重なるように配置されている上記(2)または(3)に記載のワイヤーアクチュエータ。
【0014】
(5) 前記各アクチュエータユニットは、放射状に配置されている上記(2)または(3)に記載のワイヤーアクチュエータ。
【0015】
(6) 前記各アクチュエータユニットは、該各アクチュエータユニットの各ワイヤーが中心部に集まるように、放射状に配置されている上記(2)または(3)に記載のワイヤーアクチュエータ。
【0016】
(7) 前記振動体は、板状をなしている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0017】
(8) 前記振動体は、略長方形状をなしている上記(7)に記載のワイヤーアクチュエータ。
【0018】
(9) 前記振動体は、該振動体の短辺と前記ワイヤーとが略平行となるように設置されている上記(8)に記載のワイヤーアクチュエータ。
【0019】
(10) 前記振動体は、該振動体の長辺と前記ワイヤーとが略平行となるように設置されている上記(8)に記載のワイヤーアクチュエータ。
【0020】
(11) 前記振動体から突出して設けられた腕部を有し、前記振動体は、前記腕部により支持されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0021】
(12) 前記振動体の前記ワイヤーへ当接する部分は、2箇所以上に設けられており、該複数の部分で前記ワイヤーに力を加える上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0022】
(13) 前記振動体の前記ワイヤーへ当接する部分に、凹部が設けられている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0024】
(14) 前記ワイヤーを案内する案内手段を有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0025】
(15) 前記ワイヤーの離脱を阻止する離脱阻止手段を有する上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0026】
(16) 前記ワイヤーを案内する複数のガイドローラを備えている上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0027】
(17) 外周面に溝が形成され、前記ワイヤーを案内する複数のガイドローラを備えている上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0028】
(18) 前記ガイドローラの回転量を検出することにより、前記ワイヤーの移動量を検出する移動量検出手段を有する上記(16)または(17)に記載のワイヤーアクチュエータ。
【0029】
(19) 前記ワイヤーの移動量を検出する移動量検出手段を有する上記(1)ないし(17)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0030】
(20) 前記ワイヤーは、環状をなし、該ワイヤーが循環するよう構成されている上記(1)ないし(19)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0031】
(21) 前記振動体から所定距離離間した位置に、前記ワイヤーが掛けられ、該ワイヤーの移動により回転する従動ローラを有する上記(20)に記載のワイヤーアクチュエータ。
【0032】
(22) 前記振動体は、一端側に位置し、前記従動ローラは、他端側に位置する上記(21)に記載のワイヤーアクチュエータ。
【0033】
(23) 前記振動体は、前記ワイヤーの内側に位置している上記(20)ないし(22)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0034】
(24) 前記振動体の振動パターンを変更することにより、前記ワイヤーを正方向と逆方向のいずれの方向にも移動し得るよう構成されている上記(1)ないし(23)のいずれかに記載のワイヤーアクチュエータ。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のワイヤーアクチュエータを、添付図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明のワイヤーアクチュエータの第1実施形態を示す平面図、図2は、図1に示すワイヤーアクチュエータの側面図、図3は、図1に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体の斜視図、図4は、図1に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体の側面図(図3中の矢印A方向から見た図)、図5は、図1に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体が屈曲振動する様子を示す平面図、図6は、図1に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体の凸部が楕円運動する様子を示す平面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0037】
これらの図に示すワイヤーアクチュエータ1は、ワイヤー2を直接駆動(移動)するアクチュエータであり、ワイヤー2と、ワイヤー2がその長手方向へ移動可能に取り付けられたアクチュエータ本体3とで構成された板状のアクチュエータユニット10を有している。
【0038】
ここで、ワイヤーとは、可撓性を有する長尺の線状体または帯状体であり、その断面形状は、特に限定されず、円形の他、例えば、半円、楕円、半楕円、正方形、長方形等の多角形などであってもよい。また、ワイヤーは、弾性体であるのが好ましい。
【0039】
また、前記ワイヤーの長手方向とは、ワイヤーが直線状の場合の軸方向に限らず、例えば、ワイヤーが湾曲または屈曲している場合のワイヤーのパターンに沿った方向を含む概念である。
【0040】
図1および図2に示すように、アクチュエータ本体3は、板状のベース4と、ワイヤー2を移動させる振動体6と、2つの大径のガイドローラ(案内手段)51および52と、4つの小径のガイドローラ(案内手段)53、54、55および56とを有している。ガイドローラ53とガイドローラ54は、対をなし、また、ガイドローラ55とガイドローラ56は、対をなしている。
【0041】
振動体6は、ベース4の一方(図2中上側)の面に、ベース4と平行な姿勢で設置され、また、2つのガイドローラ51および52と、2対のガイドローラ53、54、および55、56とは、それぞれ、ベース4の一方(図2中上側)の面に、ベース4と平行な姿勢で回転可能に設置されている。なお、振動体6については後に詳述する。
【0042】
ガイドローラ51および52の周面(外周面)には、それぞれ、断面形状が例えば円弧状に凹の溝(離脱阻止手段)511および521が外周に沿って形成されている。
【0043】
また、ガイドローラ53、54、55および56の周面(外周面)には、それぞれ、断面形状が例えばV字状の溝(離脱阻止手段)531、541、551および561が外周に沿って形成されている。
【0044】
前記ガイドローラ51とガイドローラ52は、所定距離離間して、左右方向(ガイドローラ51が左側、ガイドローラ52が右側)に並設されており、これらガイドローラ51の溝511およびガイドローラ52の溝521に、それぞれ、ワイヤー2が配設されている。
【0045】
また、図1に示すように、1対のガイドローラ53、54は、上下方向(ガイドローラ53が下側、ガイドローラ54が上側)に並設され、その間、すなわち、ガイドローラ53の溝531とガイドローラ54の溝541の間に、ワイヤー2が配設されている。
【0046】
同様に、1対のガイドローラ55、56は、上下方向(ガイドローラ55が下側、ガイドローラ56が上側)に並設され、その間、すなわち、ガイドローラ55の溝551とガイドローラ56の溝561の間に、ワイヤー2が配設されている。
【0047】
これら2対のガイドローラ53、54、および55、56は、それぞれ、ガイドローラ51および52の外側に配置されている。すなわち、一方の1対のガイドローラ53、54は、ガイドローラ51の左側に配置され、他方の1対のガイドローラ55、56は、ガイドローラ52の右側に配置されている。
【0048】
また、振動体6は、ガイドローラ51および52の上側であって、凸部66がガイドローラ51とガイドローラ52の間に位置するように配置されている。この振動体6は、図1に示す所定角度傾斜した姿勢で、かつ、その凸部66がワイヤー2に当接するように設置されている。
【0049】
図2に示すように、前記振動体6、ガイドローラ51、52、53、54、55および56は、それぞれ、図1中下側から見たとき、それらがすべて、ほぼ同一直線上に位置し、かつ、図1に示すように、ガイドローラ51、52、53および55の上端がすべて、ほぼ同一直線上に位置するように配置されている。
【0050】
また、図1に示すように、ワイヤー2には、振動体6の凸部66が当接し、ワイヤー2は、その凸部66によりガイドローラ51および52へ押し付けられ、屈曲している。そして、振動体6の凸部66は、ワイヤー2の復元力(弾性力)、すなわち、反力を受け、上側に押圧されている。
【0051】
振動体6が振動すると、ワイヤー2は、振動体6から摩擦力(押圧力)を繰り返し受けて右側に移動する。
この振動体6は、通常のモータ等と比べ、小型(薄型)である。
【0052】
本発明では、この振動体6を用いてワイヤー2を移動させることにより、ワイヤーアクチュエータ1全体の小型化、特に薄型化(図2中、上下方向の小型化)を図ることができる。以下、振動体6について説明する。
【0053】
図3および図4に示すように、振動体6は、ほぼ、長方形の板状をなしている。振動体6は、図3中の上側から板状の電極61と、板状の圧電素子62と、補強板63と、板状の圧電素子64と、板状の電極65とをこの順に積層して構成されている。なお、図3および図4では、厚さ方向を誇張して示している。
【0054】
圧電素子62、64は、それぞれ、長方形状をなし、電圧を印加することにより、その長手方向(長辺の方向)に伸長・収縮する。圧電素子62、64の構成材料としては、特に限定されず、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
【0055】
これらの圧電素子62、64は、補強板63の両面にそれぞれ固着されている。補強板63は、振動体6全体を補強する機能を有しており、振動体6が過振幅、外力等によって損傷するのを防止する。補強板63の構成材料としては、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料であるのが好ましい。
【0056】
この補強板63は、圧電素子62、64よりも厚さが薄い(小さい)ものであることが好ましい。これにより、振動体6を高い効率で振動させることができる。
【0057】
補強板63は、圧電素子62、64に対する共通の電極としての機能をも有している。すなわち、圧電素子62には、電極61と補強板63とによって交流電圧が印加され、圧電素子64には、電極65と補強板63とによって交流電圧が印加される。
【0058】
圧電素子62、64は、交流電圧が印加されると長手方向に繰り返し伸縮し、これに伴なって、補強板63も長手方向に繰り返し伸縮する。すなわち、圧電素子62、64に交流電圧を印加すると、振動体6は、図3および図4中の矢印で示すように、長手方向(長辺の方向)に微小な振幅で振動(縦振動)し、凸部66が縦振動(往復運動)する。
補強板63の図3中の右端部には、凸部66が一体的に形成されている。
【0059】
図2、図3および図4に示すように、本実施形態では、振動体6の凸部66の先端部には、ワイヤー2の長手方向に沿って溝(凹部)661が形成されており、ワイヤー2は、溝661の内面(凹面)662に当接している。これにより、振動体6の凸部66がワイヤー2から外れてしまうことを防止することができる。
【0060】
また、図3および図4に示すように、溝661(内面662)の断面形状は、円弧状をなしている。これにより、ワイヤー2は、凸部66の中央部に位置し、このため、ワイヤー2をより円滑かつ効率良く駆動させることができる。
【0061】
この凸部66は、補強板63の幅方向中央(図5に示す中心線69)からずれた位置(図示の構成では、図1中、左下の角部、すなわち、図1中、下側の端辺601の左側の端部)に設けられている。
【0062】
前記凸部66の溝661は、例えば、エッチング(オーバーエッチング)等により形成することができる。エッチング法を用いることにより、小さな寸法のものでも容易に、かつ精度良く、溝661を形成することができる。
【0063】
また、補強板63の長手方向ほぼ中央からは、腕部68が長手方向とほぼ垂直な方向に突出するように設けられている。腕部68の先端部には、ボルト13が挿入する孔681が形成されている。
【0064】
このような振動体6は、図1および図2に示すように、凸部66の内面662がワイヤー2に上側から当接するように設置されている。
【0065】
また、振動体6は、ベース4とほぼ平行な姿勢で設置されている。これにより、ワイヤーアクチュエータ1全体の薄型化に特に有利である。
【0066】
振動体6は、腕部68の孔681の近傍において、ボルト13により、ベース4に設けられた図示しないネジ孔に固定されている。すなわち、振動体6は、腕部68によって支持されている。これにより、振動体6は自由に振動することができ、比較的大きい振幅で振動する。また、振動体6は、腕部68の弾性と、ワイヤー2の復元力とにより、凸部66の内面662がワイヤー2に圧接された状態で設置されている。
【0067】
凸部66がワイヤー2に当接した状態で、圧電素子62、64に交流電圧を印加して振動体6を振動させると、ワイヤー2は、振動体6が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、右側に移動する。
【0068】
この際、ワイヤー2は、ガイドローラ51、52、53、54、55および56により、移動方向が規制され(案内され)、また、各溝により、各ガイドローラからの離脱が阻止される。
【0069】
また、ガイドローラ51および52は、それぞれ、ワイヤー2が移動すると、ワイヤー2に対して滑ることなく回転する。
【0070】
また、ワイヤー2を振動体6で直接駆動(移動)するので、軽量化、小型化(薄型化)に特に有利である。また、構造を極めて簡素化することができ、製造コストを低減することができる。
【0071】
また、本実施形態では、振動体6の面内振動をワイヤー2の直線運動(移動)に直接変換するので、この変換に伴なうエネルギーロスが少なく、ワイヤー2を高い効率で駆動することができる。
【0072】
また、振動体6は、通常のモータのように磁力で駆動する場合と異なり、前記のような摩擦力(押圧力)によってワイヤー2を駆動することから、駆動力が高い。このため、本実施形態のように、変速機構(減速機構)を介さなくてもワイヤー2を十分な力で駆動することができる。
【0073】
圧電素子62、64に印加する交流電圧の周波数は、特に限定されないが、振動体6の振動(縦振動)の共振周波数とほぼ同程度であるのが好ましい。これにより、振動体6の振幅が大きくなり、高い効率でワイヤー2を駆動することができる。
【0074】
前述したように、振動体6は、主に、その長手方向に縦振動するが、縦振動と屈曲振動とを同時に励振し、凸部66を楕円振動(楕円運動)させることがより好ましい。これにより、より高い効率でワイヤー2を駆動することができる。以下、この点について説明する。
【0075】
図5に示すように、振動体6がワイヤー2を駆動するとき、凸部66は、ワイヤー2から図5中の矢印で示すような反力を受ける。本実施形態では、凸部66が振動体6の中心線69からずれた位置に設けられていることから、振動体6は、この反力によって、図5に示すように面内方向に屈曲するように変形、振動する。なお、図5では、振動体6の変形を誇張して示している。
【0076】
印加電圧の周波数、振動体6の形状・大きさ、凸部66の位置などを適宜選択することにより、この屈曲振動の共振周波数を縦振動の周波数と同程度にすることができる。このようにすると、振動体6の縦振動と屈曲振動とが同時におこり、振幅がより大きくなるとともに、凸部66は、図6中の一点鎖線で示すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振動)する。
【0077】
これにより、振動体6の1回の振動において、凸部66がワイヤー2をその長手方向に送るときには、凸部66がワイヤー2により強い力で圧接され、凸部66が戻るときには、ワイヤー2との摩擦力を低減または消滅させることができるため、振動体6の振動をワイヤー2の移動(直線運動)により高い効率で変換することができる。
【0078】
また、ワイヤーアクチュエータ1の小型化(薄型化)を図ることができる利点の他に、ワイヤー2を移動させるのに通常のモータを用いないことから、通常のモータのような電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺の機器に影響を及ぼすことがないという利点もある。
【0079】
また、ワイヤー2を駆動していないとき(停止状態)には、凸部66とワイヤー2との摩擦力により、ワイヤー2が移動するのを阻止、すなわちワイヤー2を所定の位置に保持することができる。
【0080】
また、図2に示すように、組み立て時、ベース4に図2中、下側から組み付ける部品がなく、一方向(図2中の上側)から部品を組み付けて組み立てることができ、組み立てを容易かつ迅速に行うことができる利点もある。
【0081】
また、前記ガイドローラのような案内手段により、ワイヤー2の配置パターンを自在に設定することができる。
【0082】
次に、本発明のワイヤーアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図7は、本発明のワイヤーアクチュエータの第2実施形態を示す平面図、図8は、図7に示すワイヤーアクチュエータの側面図、図9は、図7に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体の斜視図、図10および図11は、それぞれ、図7に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図、図12は、図7に示すワイヤーアクチュエータの回路構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、図7中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0083】
以下、第2実施形態のワイヤーアクチュエータ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0084】
図7、図8および図12に示すように、第2実施形態のワイヤーアクチュエータ1は、ワイヤー2の移動量を検出する移動量検出手段7と、発振回路81、増幅回路82および移動量制御回路83を備えた駆動回路8と、スイッチ9とを有している。
【0085】
図7および図8に示すように、移動量検出手段7は、外周部に複数のスリットが一定間隔で形成されたスリット板71と、発光部および受光部を有するセンサー72とで構成されている。
【0086】
本実施形態では、センサー72として、スリット板71の外周部(スリットが形成されている部分)へ向けて光を照射する発光素子と、この発光素子から発せられ、スリット板71で反射した光(反射光)を受光(光電変換)する受光素子とを有するフォトリフレクタを用いているが、これに限らず、例えば、スリット板71の外周部へ向けて光を照射する発光素子と、この発光素子から発せられ、スリット板71のスリットを通過(透過)した光(透過光)を受光(光電変換)する受光素子とを有するフォトインタラプタ等を用いてもよい。
【0087】
スリット板71は、ガイドローラ51の側面に固定されており、そのガイドローラ51と一体となって回転する。
【0088】
一方、第1実施形態で述べたように、ワイヤー2が移動すると、ガイドローラ51は、ワイヤー2に対して滑ることなく回転するので、ワイヤー2の移動量は、ガイドローラ51の回転量、すなわち、スリット板71の回転量に対応し、ワイヤー2の移動速度は、ガイドローラ51の回転数(回転速度)、すなわち、スリット板71の回転数(回転速度)に対応する。
【0089】
また、センサー72は、ベース4の図8中上側の面であって、スリット板71の近傍に設置されている。
【0090】
ワイヤー2が移動し、スリット板71が回転すると、これに伴って、センサー72からは、パルス(パルス信号)が出力される。このパルスは、駆動回路8の移動量制御回路83に供給(入力)され、移動量制御回路83は、そのパルスを計数し、計数値(パルス数)に基づいて、ワイヤー2の移動量を求める。なお、前記パルスの周期または所定時間内のパルス数に基づいて、ワイヤー2の移動速度を求めることもできる。前記ワイヤー2の移動量や移動速度の情報は、所定の制御や処理に利用される。
【0091】
なお、移動量検出手段7は、光学的に検出するものに限らず、例えば、磁気的に検出するものであってもよい。
【0092】
また、このワイヤーアクチュエータ1では、振動体6の電極を分割し、それらに対して選択的に電圧を印加して、圧電素子を部分的に駆動することにより、面内の縦・屈曲の振動を任意に選択し得るようになっている。すなわち、振動体6への通電状態(振動体6の振動パターン)を変更することにより、振動体6の凸部66の振動(振動変位)の方向を変え、これにより、ワイヤー2を右側と左側(正方向と逆方向)のいずれの方向にも移動させることができる(ワイヤー2の移動方向の切り替えができる)ように構成されている。以下、具体的に説明する。
【0093】
図9に示すように、振動体6は、第1実施形態における振動体6と同様に、補強板63の図9中上側に圧電素子62、下側に圧電素子64を積層した構造であるが、圧電素子62の図9中上側に、板状の4つの電極61a、61b、61cおよび61dが設置され、圧電素子64の図9中下側に、板状の4つの電極65a、65b、65cおよび65d(電極65a、65b、65cおよび65dは、図示せず、各符号のみを括弧内に示す)が設置されている点で、第1実施形態と異なっている。すなわち、圧電素子62を4つの長方形の領域にほぼ等しく分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極61a、61b、61cおよび61dが設置され、同様に、圧電素子64を4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極65a、65b、65cおよび65dが設置されている。なお、電極61a、61b、61cおよび61dの裏側に、それぞれ、電極65a、65b、65cおよび65dが配置されている。
【0094】
一方の対角線上の電極61aおよび61cと、これらの裏側に位置する電極65aおよび65cとは、すべて電気的に接続され、同様に、他方の対角線上の電極61bおよび61dと、これらの裏側に位置する電極65bおよび65dとは、すべて電気的に接続(以下、単に「接続」と言う)されている。
【0095】
スイッチ9は、連動する2つのスイッチ部91および92を有しており、振動体6の電極61dは、スイッチ部91の端子97に接続され、電極61aは、スイッチ部92の端子98に接続されている。
【0096】
そして、スイッチ部91の端子93およびスイッチ部92の端子96は、それぞれ、駆動回路8の増幅回路82の出力側に接続されており、増幅回路82から各端子93および96に、それぞれ交流電圧が印加されるようになっている。
【0097】
また、振動体6の補強板63は、アース(接地)されている。
また、スイッチ部91の端子94およびスイッチ部92の端子95は、それぞれ、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
【0098】
図7および図8に示すように、この振動体6は、振動体6の短辺601とワイヤー2とが略平行、すなわち、振動体6の長辺602とワイヤー2とが略垂直となるように設置されている。
【0099】
そして、補強板63には、腕部68が2つ、左右対称に設けられており、振動体6は、各腕部68の孔681の近傍において、それぞれ、ボルト13により、ベース4に設けられた図示しないネジ孔に固定されている。
【0100】
また、凸部66は、下側の短辺601側であって、補強板63の幅方向中央に設けられている。
【0101】
振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに通電し、これらの電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に、交流電圧が印加されると、図10に示すように、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、振動体6の凸部66は、矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)する。ワイヤー2は、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、図10中左側に移動する。
【0102】
前記と逆に、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに通電し、これらの電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧が印加されると、図11に示すように、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、振動体6の凸部66は、矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)する。ワイヤー2は、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、図11中右側に移動する。
【0103】
なお、図10および図11では、それぞれ、振動体6の変形を誇張して示すとともに、腕部68は図示されていない。
【0104】
ここで、前記振動体6の形状・大きさ、凸部66の位置などを適宜選択し、屈曲振動の共振周波数を縦振動の周波数と同程度にすることにより、振動体6の縦振動と屈曲振動とが同時におこり、凸部66は、図6中の一点鎖線で示すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振動)させることができる。また、従来知られているように縦振動と屈曲振動を別々に位相をずらして駆動することにより、楕円振動の長径と短径の比(長径/短径)を変えることができる。
【0105】
次に、図12に基づいて、ワイヤーアクチュエータ1の作用を説明する。
電源スイッチがオンの状態において、ワイヤー2の移動方向および移動量の指示があると、それに基づいて、スイッチ9および駆動回路8の移動量制御回路83が作動する。
【0106】
ワイヤー2を図12中上側に移動させる旨の指示の場合には、図12に示すように、スイッチ9の端子93と端子97が接続し、端子95と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dとが導通し、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
【0107】
駆動回路8の発振回路81および増幅回路82は、それぞれ、移動量制御回路83により制御される。
【0108】
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6の凸部66が、図11の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)し、ワイヤー2は、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、図12中上側に移動する。
【0109】
この際、駆動していない各電極61a、61c、65aおよび65cは、それぞれ、検出電極となり、電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。
【0110】
前記検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、ワイヤー2を効率良く移動させることができる。
【0111】
また、移動量検出手段7のセンサー72から移動量制御回路83へは、パルス(パルス信号)が入力される。移動量制御回路83は、そのパルスを計数し、計数値(パルス数)に基づいて、ワイヤー2の移動量(実際の値)を求め、その値と、指示されたワイヤー2の移動量(目標値)とを比較し、ワイヤー2の実際の移動量が指示された移動量になるまで発振回路81および増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動し、ワイヤー2を移動させる。
【0112】
前記と逆に、ワイヤー2を図12中下側に移動させる旨の指示の場合には、スイッチ9の端子94と端子97が接続し、端子96と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cとが導通し、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。以降の動作は、前記ワイヤー2を図12中上側に移動させる旨の指示の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0113】
この第2実施形態のワイヤーアクチュエータ1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0114】
そして、このワイヤーアクチュエータ1では、ワイヤー2の移動量や移動速度を検出することができ、その情報を利用して種種の制御を行うことができる。
【0115】
また、ワイヤー2を正・逆両方向(左・右両方向)に移動させることができるので、汎用性が広い。
【0116】
また、単一の振動体6でワイヤー2を両方向に移動させることができるので、移動方向毎に専用の振動体を設ける場合に比べ、部品点数を少なくすることができ、製造が容易であり、また、ワイヤーアクチュエータ1全体の小型化に有利である。
【0117】
次に、本発明のワイヤーアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図13は、本発明のワイヤーアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。なお、以下の説明では、図13中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0118】
以下、第3実施形態のワイヤーアクチュエータ1について、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0119】
同図に示すように、第3実施形態のワイヤーアクチュエータ1では、振動体6は、振動体6の長辺602とワイヤー2とが略平行、すなわち、振動体6の短辺601とワイヤー2とが略垂直となるように設置されている。
【0120】
これにより、ワイヤーアクチュエータ1をより小型化に(上下方向に小さく)することができる。
【0121】
また、腕部68は、補強板63の上側に1つ設けられており、振動体6は、その腕部68の孔681の近傍において、ボルト13により、ベース4に設けられた図示しないネジ孔に固定されている。
【0122】
また、凸部66は、補強板63の下側の長辺602の右側の端部に設けられている。
【0123】
この第3実施形態のワイヤーアクチュエータ1によれば、前述した第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0124】
なお、図示および説明を省略したが、第3実施形態においても前述した第2実施形態における移動量検出手段7を有しているのが好ましい。
【0125】
次に、本発明のワイヤーアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図14は、本発明のワイヤーアクチュエータの第4実施形態を示す平面図である。なお、以下の説明では、図14中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0126】
以下、第4実施形態のワイヤーアクチュエータ1について、前述した第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0127】
同図に示すように、第4実施形態のワイヤーアクチュエータ1では、振動体6の凸部66は、補強板63の複数の箇所(図示の構成では2箇所)に設けられている。一方の凸部66は、補強板63の下側の長辺602の右側の端部に設けられており、他方の凸部66は、補強板63の下側の長辺602の左側の端部に設けられている。
【0128】
この振動体6は、右側の凸部66がガイドローラ51とガイドローラ55および56の間に位置し、左側の凸部66がガイドローラ51とガイドローラ53および54の間に位置するように配置されている。
【0129】
また、ガイドローラ51は、振動体6の長手方向中央に位置し、ガイドローラ53および54と、ガイドローラ55および56とは、ガイドローラ51から略等しい距離に配置されている。
【0130】
ワイヤー2には、振動体6の各凸部66がそれぞれ当接し、ワイヤー2は、各凸部66によりガイドローラ51、53および55へ押し付けられ、屈曲している。そして、振動体6の各凸部66は、それぞれ、ワイヤー2の復元力(弾性力)、すなわち、反力を受け、上側に押圧されている。
【0131】
振動体6が振動すると、ワイヤー2は、振動体6の各凸部66から交互に摩擦力(押圧力)を繰り返し受けて右側または左側に移動する。
【0132】
この第4実施形態のワイヤーアクチュエータ1によれば、前述した第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0133】
そして、このワイヤーアクチュエータ1では、振動体6の離間した2つの凸部66でワイヤー2へ交互に摩擦力(押圧力)を与えてそのワイヤー2を移動させるので、1つの凸部66でワイヤー2を移動させる場合に比べ、ワイヤー2を強い力で移動させることができる。
【0134】
なお、図示および説明を省略したが、第4実施形態においても前述した第2実施形態における移動量検出手段7を有しているのが好ましい。
【0135】
次に、本発明のワイヤーアクチュエータの第5実施形態について説明する。
図15は、本発明のワイヤーアクチュエータの第5実施形態を示す平面図であって、一方のベースを取り外した状態を示す図、図16は、図15に示すワイヤーアクチュエータの側面図、図17は、図15中のB−B線での断面図である。なお、以下の説明では、図15中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0136】
以下、第5実施形態のワイヤーアクチュエータ1について、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0137】
これらの図に示すように、第5実施形態のワイヤーアクチュエータ1は、複数の板状のアクチュエータユニット(図示の構成では、3つのアクチュエータユニット10a、10bおよび10c)を有している。
【0138】
この場合、ワイヤーアクチュエータ1は、互いに平行になるように対向配置された一対の板状のベース41、42を有しており、このベース41、42が各アクチュエータユニット10a、10bおよび10cで共用されている。ベース41は、図17中の左側端に配置され、ベース42は、図17中の右側端に配置されている。
【0139】
図16および図17に示すように、各アクチュエータユニット10a、10bおよび10cは、各ワイヤー2の配列方向が略一致し、かつ、振動体6(アクチュエータユニット10a、10bおよび10c)の厚さ方向に重なるように配置されている。なお、アクチュエータユニット10a、10bおよび10cは、図17中、左側から右側へ向って、アクチュエータユニット10a、10b、10cの順序で配置されている。また、図17に示すように、各ワイヤー2は、図16中横方向に1列に並んでいる。
【0140】
このように各アクチュエータユニット10a、10bおよび10cを重ねることにより、各ワイヤー2を集中(集積)させることができる。
【0141】
図17に示すように、振動体6の図15中右側の腕部68の孔681に対応する位置であって、ベース41とアクチュエータユニット10aの振動体6の間、アクチュエータユニット10aの振動体6とアクチュエータユニット10bの振動体6の間、アクチュエータユニット10bの振動体6とアクチュエータユニット10cの振動体6の間、およびアクチュエータユニット10cとベース42の間には、それぞれ、孔145が設けられたスペーサ141、142、143および144が設置されている。同様に、振動体6の図15中左側の腕部68の孔681に対応する位置にも孔が設けられた図示しない4つのスペーサが設置されている。
【0142】
そして2つのボルト15(一方のボルトは図示せず)が、それぞれ、前記ベース41に設けられた孔411、各スペーサ141〜144の孔145および各腕部68の孔681に挿入され、ベース42に設けられたネジ孔421に螺合し、その2つのボルト15により、各振動体6は、固定されている。
【0143】
なお、各アクチュエータユニット10a〜10cの構造や作用は、前述した第2実施形態とほぼ同様であるので、その説明は省略する。
【0144】
この第5実施形態のワイヤーアクチュエータ1によれば、前述した第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0145】
そして、このワイヤーアクチュエータ1では、各アクチュエータユニット10a〜10cが振動体6の厚さ方向に重なっているので、ワイヤーアクチュエータ1をより小型化することができる。
【0146】
また、このワイヤーアクチュエータ1では、各アクチュエータユニット10a〜10cが板状(平面状)をなしているので、それらを容易に重ねる(積層する)ことができ、組み立てを容易に行うことができる。
【0147】
なお、図示および説明を省略したが、第5実施形態においても、各アクチュエータユニット10a、10bおよび10cは、前述した第2実施形態における移動量検出手段7を有しているのが好ましい。
【0148】
次に、本発明のワイヤーアクチュエータの第6実施形態について説明する。
図18は、本発明のワイヤーアクチュエータの第6実施形態を示す断面図(第5実施形態の図17に相当する図)である。
【0149】
以下、第6実施形態のワイヤーアクチュエータ1について、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0150】
同図に示すように、第6実施形態のワイヤーアクチュエータ1は、複数の板状の(図示の構成では、4つ)アクチュエータユニット10を有している。
【0151】
各アクチュエータユニット10は、各ワイヤー2の配列方向が略一致し、かつ、各ワイヤー2が中心部に集まるように、すなわち、振動体6の凸部66(ワイヤー2)側を中心として、放射状に(図示の構成では、90°間隔)配置されている。
【0152】
なお、各アクチュエータユニット10の構造や作用は、前述した第2実施形態とほぼ同様であるので、その説明は省略する。
【0153】
この第6実施形態のワイヤーアクチュエータ1によれば、前述した第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0154】
そして、このワイヤーアクチュエータ1では、各アクチュエータユニット10を放射状に配置することにより、各ワイヤー2を集中させることができる。
【0155】
なお、図示および説明を省略したが、第6実施形態においても、各アクチュエータユニット10は、前述した第2実施形態における移動量検出手段7を有しているのが好ましい。
【0156】
また、本実施形態では、各アクチュエータユニット10間の角度(中心角)は、等角度であるが、本発明では、等角度でなくてもよい。
【0157】
次に、本発明のワイヤーアクチュエータの第7実施形態について説明する。
図19は、本発明のワイヤーアクチュエータの第7実施形態を示す平面図である。
【0158】
以下、第7実施形態のワイヤーアクチュエータ1について、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0159】
同図に示すように、第7実施形態のワイヤーアクチュエータ1は、環状のワイヤー2を直接駆動(移動)するアクチュエータであり、環状のワイヤー2と、ワイヤー2がそのパターンに沿った方向へ移動可能に取り付けられたアクチュエータ本体3とで構成されたアクチュエータユニット10を有している。
【0160】
アクチュエータ本体3は、板状のベース4と、ワイヤー2を移動させる振動体6と、ガイドローラ(案内手段)51、52、57、58、59、111および112と、従動ローラ12とを有している。
【0161】
振動体6は、ベース4の一方の面に、ベース4と平行な姿勢で設置され、また、各ガイドローラ51、52、57、58、59、111および112は、それぞれ、ベース4の前記一方の面に、ベース4と平行な姿勢で回転可能に設置されている。
【0162】
一方、従動ローラ12は、振動体6(ベース4)から所定距離離間した位置に、前記ベース4、振動体6および各ガイドローラと平行な姿勢で回転可能に設置されている。すなわち、振動体6(ベース4)は、一端側に位置し、従動ローラ12は、他端側に位置している。
【0163】
ワイヤー2は、従動ローラ12に掛けられ、この従動ローラ12と、各ガイドローラ51、52、57、58、59、111および112とにより、移動可能に、図示のパターン(形状)に保持され、その移動方向が規制される(案内される)。すなわち、振動体6の振動により、ワイヤー2は、図示のパターンを保持しつつ、循環する。
【0164】
また、ガイドローラ51、52、57、58、59および従動ローラ12の周面(外周面)には、それぞれ、溝(離脱阻止手段)511、521、571、581、591および121が外周に沿って形成されており、ワイヤー2は、前記溝511、521、571、581、591および121に配設されている。これにより、従動ローラ12および各ガイドローラからのワイヤー2の離脱が阻止される。
【0165】
また、振動体6は、ワイヤー2の内側に位置しており、振動体6の凸部66は、ワイヤー2の内側へ当接している。これにより、振動体6をワイヤー2の外側に設ける場合に比べ、ワイヤーアクチュエータ1を小型化することができる。
【0166】
振動体6の振動により、ワイヤー2が矢印dの方向に移動(循環)すると、従動ローラ12は、図19中反時計回りに回転し、この従動ローラ12から(従動ローラ12を介して)駆動力(出力)を取り出すことができる。
【0167】
逆に、振動体6の振動により、ワイヤー2が矢印eの方向に移動(循環)すると、従動ローラ12は、図19中時計回りに回転し、同様に、この従動ローラ12から(従動ローラ12を介して)駆動力(出力)を取り出すことができる。
【0168】
この第7実施形態のワイヤーアクチュエータ1によれば、前述した第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0169】
なお、図示および説明を省略したが、第7実施形態においても前述した第2実施形態における移動量検出手段7を有しているのが好ましい。
【0170】
また、本実施形態では、振動体6は、振動体6の短辺601とワイヤー2(ワイヤー2の凸部66が当接している部分における接線)とが略平行、すなわち、振動体6の長辺602とワイヤー2(ワイヤー2の凸部66が当接している部分における接線)とが略垂直となるように設置されているが、これに限らず、振動体6は、例えば、振動体6の長辺602とワイヤー2(ワイヤー2の凸部66が当接している部分における接線)とが略平行、すなわち、振動体6の短辺601とワイヤー2(ワイヤー2の凸部66が当接している部分における接線)とが略垂直となるように設置されていてもよい。
【0171】
また、前述した第4実施形態のように、振動体6には、ワイヤー2へ当接する部分、すなわち、凸部66が、2箇所以上に設けられていてもよい。
【0172】
また、前述した第5実施形態や第6実施形態のように、複数のアクチュエータユニットを有し、例えば、それらが、厚さ方向に重なるように、または、放射状に配置されていてもよい。
【0173】
以上、本発明のワイヤーアクチュエータを、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
【0174】
また、本発明のワイヤーアクチュエータは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0175】
また、本発明では、振動体の形状、構造は、図示の構成に限らず、ワイヤーを駆動(移動)することができるものであればいかなるものでもよい。例えば、圧電素子が1枚のものや、補強板を有さないものや、ワイヤーと当接する部分に向かって幅が漸減するような形状のもの等であってもよい。
【0176】
また、前記実施形態では、振動体6は、1つのアクチュエータユニット10に1つ設置されているが、本発明では、1つのアクチュエータユニット10に複数の振動体6を設けてもよい。
【0177】
なお、本発明のワイヤーアクチュエータの用途は、特に限定されず、例えば、複数のアクチュエータユニットを備えているものの場合、ロボットの指の牽引(駆動)等が挙げられる。
【0178】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、振動体を用いてワイヤーを移動、特に、振動体を用いてワイヤーを直接駆動することにより、ワイヤーアクチュエータ全体の小型化、特に薄型化を図ることができる。
【0179】
また、構造を簡素化することができ、製造コストを低減することができる。
また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイヤーアクチュエータの第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示すワイヤーアクチュエータの側面図である。
【図3】図1に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体の斜視図である。
【図4】図1に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体の側面図(図3中の矢印A方向から見た図)である。
【図5】図1に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体が屈曲振動する様子を示す平面図である。
【図6】図1に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体の凸部が楕円運動する様子を示す平面図である。
【図7】本発明のワイヤーアクチュエータの第2実施形態を示す平面図である。
【図8】図7に示すワイヤーアクチュエータの側面図である。
【図9】図7に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体の斜視図である。
【図10】図7に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。
【図11】図7に示すワイヤーアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。
【図12】図7に示すワイヤーアクチュエータの回路構成を示すブロック図である。
【図13】本発明のワイヤーアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。
【図14】本発明のワイヤーアクチュエータの第4実施形態を示す平面図である。
【図15】本発明のワイヤーアクチュエータの第5実施形態を示す平面図であって、一方のベースを取り外した状態を示す図である。
【図16】図15に示すワイヤーアクチュエータの側面図である。
【図17】図15中のB−B線での断面図である。
【図18】本発明のワイヤーアクチュエータの第6実施形態を示す断面図(第5実施形態の図17に相当する図)である。
【図19】本発明のワイヤーアクチュエータの第7実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤーアクチュエータ
10、10a〜10c アクチュエータユニット
2 ワイヤー
3 アクチュエータ本体
4、41 ベース
411 孔
42 ベース
421 ネジ孔
51〜59 ガイドローラ
511〜591 溝
6 振動体
601 短辺
602 長辺
61、65 電極
61a〜61d 電極
65a〜65d 電極
62、64 圧電素子
63 補強板
66 凸部
661 溝
662 内面
68 腕部
681 孔
69 中心線
7 移動量検出手段
71 スリット板
72 センサー
8 駆動回路
81 発振回路
82 増幅回路
83 移動量制御回路
9 スイッチ
91、92 スイッチ部
93〜98 端子
111、112 ガイドローラ
12 従動ローラ
121 溝
13 ボルト
141〜144 スペーサ
145 孔
15 ボルト[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a wire actuator.
[0002]
[Prior art]
A wire actuator that moves a wire in its longitudinal direction is known, and is used in, for example, a robot hand.
[0003]
This wire actuator includes a wire, a reel around which the wire is wound, a motor (rotary actuator), and a speed reducer that decelerates and transmits the rotational driving force of the motor to the reel, and drives the motor to rotate the reel. By doing so, the wire is moved in the longitudinal direction.
[0004]
However, the conventional wire actuator requires a reel and a speed reducer and has a problem that it is difficult to reduce the size and weight, and particularly to reduce the thickness, because the motor is large. Therefore, for example, a large space is required to mount a plurality of wire actuators for moving a joint, five fingers, etc., and the weight increases, making it more difficult to reduce the size.
[0005]
Furthermore, the motor needs to have special magnetic characteristics for the rotor and the slider, and it is difficult to reduce the long stroke translation mechanism, which is disadvantageous for reduction in size and weight.
[0006]
Moreover, since rotational motion is converted into linear motion, the energy loss accompanying this conversion is large.
[0007]
There is also a problem that the electromagnetic noise of the motor may affect other devices.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a wire actuator that has a simple structure and is advantageous for miniaturization, particularly thinning.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
Such an object is achieved by the present inventions (1) to (24) below.
[0010]
(1) having a wire and a vibrating body provided in contact with the wire and provided with a piezoelectric element;
The vibrating body abuts on the wire and bends the wire, and the vibrating body is configured to be pressed by the restoring force of the wire.
The vibrator is configured to vibrate by applying an AC voltage to the piezoelectric element, and the vibration is configured to repeatedly apply a force to the wire to move the wire in the longitudinal direction of the wire. Wire actuator.
[0011]
(2) A wire actuator provided with a plurality of actuator units each having a wire and a vibrating body provided with a piezoelectric element provided in contact with the wire,
The vibrating body abuts on the wire and bends the wire, and the vibrating body is configured to be pressed by the restoring force of the wire.
The vibrator is configured to vibrate by applying an AC voltage to the piezoelectric element, and the vibration is configured to repeatedly apply a force to the wire to move the wire in the longitudinal direction of the wire. Wire actuator.
[0012]
(3) The wire actuator according to (2), wherein the arrangement directions of the wires of the actuator units substantially coincide with each other.
[0013]
(4) Each said actuator unit comprises plate shape, The wire actuator as described in said (2) or (3) arrange | positioned so that it may overlap in the thickness direction.
[0014]
(5) Each said actuator unit is a wire actuator as described in said (2) or (3) arrange | positioned radially.
[0015]
(6) The wire actuator according to (2) or (3), wherein the actuator units are arranged radially so that the wires of the actuator units gather at the center.
[0016]
(7) The wire actuator according to any one of (1) to (6), wherein the vibrating body has a plate shape.
[0017]
(8) The wire actuator according to (7), wherein the vibrating body has a substantially rectangular shape.
[0018]
(9) The wire actuator according to (8), wherein the vibrating body is installed such that a short side of the vibrating body and the wire are substantially parallel.
[0019]
(10) The wire actuator according to (8), wherein the vibrating body is installed such that a long side of the vibrating body and the wire are substantially parallel.
[0020]
(11) The wire actuator according to any one of (1) to (10), wherein the wire actuator includes an arm portion protruding from the vibrating body, and the vibrating body is supported by the arm portion.
[0021]
(12) The portion of the vibrating body that contacts the wire is provided at two or more locations, and the wire according to any one of the above (1) to (11) that applies force to the wire at the plurality of portions. Actuator.
[0022]
(13) The wire actuator according to any one of (1) to (12), wherein a concave portion is provided in a portion of the vibrating body that contacts the wire.
[0024]
(14) The wire actuator according to any one of (1) to (13), including guide means for guiding the wire.
[0025]
(15) The wire actuator according to any one of (1) to (14), further including a separation preventing unit that prevents separation of the wire.
[0026]
(16) The wire actuator according to any one of (1) to (13), comprising a plurality of guide rollers for guiding the wire.
[0027]
(17) The wire actuator according to any one of (1) to (13), wherein a groove is formed on an outer peripheral surface, and the guide actuator includes a plurality of guide rollers that guide the wire.
[0028]
(18) The wire actuator according to (16) or (17), further including a movement amount detection unit that detects a movement amount of the wire by detecting a rotation amount of the guide roller.
[0029]
(19) The wire actuator according to any one of (1) to (17), further including a movement amount detection unit that detects a movement amount of the wire.
[0030]
(20) The wire actuator according to any one of (1) to (19), wherein the wire has a ring shape and is configured so that the wire circulates.
[0031]
(21) The wire actuator according to (20), wherein the wire is hung at a position spaced apart from the vibrating body by a predetermined distance and has a driven roller that rotates by movement of the wire.
[0032]
(22) The wire actuator according to (21), wherein the vibrating body is located on one end side, and the driven roller is located on the other end side.
[0033]
(23) The wire actuator according to any one of (20) to (22), wherein the vibrating body is positioned inside the wire.
[0034]
(24) The structure according to any one of (1) to (23), wherein the wire can be moved in either a forward direction or a reverse direction by changing a vibration pattern of the vibrating body. Wire actuator.
[0035]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the wire actuator of the present invention will be described in detail based on preferred embodiments shown in the accompanying drawings.
[0036]
1 is a plan view showing a first embodiment of the wire actuator of the present invention, FIG. 2 is a side view of the wire actuator shown in FIG. 1, and FIG. 3 is a perspective view of a vibrating body in the wire actuator shown in FIG. FIG. 4 is a side view of the vibrating body in the wire actuator shown in FIG. 1 (viewed from the direction of arrow A in FIG. 3), and FIG. 5 shows how the vibrating body in the wire actuator shown in FIG. FIG. 6 is a plan view showing a state in which the convex portion of the vibrating body in the wire actuator shown in FIG. In the following description, the upper side in FIG. 1 is referred to as “upper”, the lower side as “lower”, the right side as “right”, and the left side as “left”.
[0037]
The
[0038]
Here, the wire is an elongated linear or belt-like body having flexibility, and its cross-sectional shape is not particularly limited, and other than a circle, for example, a semicircle, an ellipse, a semi-ellipse, a square, It may be a polygon such as a rectangle. Moreover, it is preferable that a wire is an elastic body.
[0039]
Moreover, the longitudinal direction of the wire is not limited to the axial direction when the wire is linear, but includes a direction along the wire pattern when the wire is curved or bent, for example.
[0040]
As shown in FIGS. 1 and 2, the
[0041]
The vibrating
[0042]
On the peripheral surfaces (outer peripheral surfaces) of the
[0043]
Further, grooves (detachment preventing means) 531, 541, 551, and 561 having a V-shaped cross section, for example, are formed along the outer periphery on the peripheral surfaces (outer peripheral surfaces) of the
[0044]
The
[0045]
As shown in FIG. 1, the pair of
[0046]
Similarly, the pair of
[0047]
These two pairs of
[0048]
The vibrating
[0049]
As shown in FIG. 2, the vibrating
[0050]
As shown in FIG. 1, the
[0051]
When the vibrating
The vibrating
[0052]
In the present invention, by moving the
[0053]
As shown in FIGS. 3 and 4, the vibrating
[0054]
Each of the
[0055]
These
[0056]
The reinforcing
[0057]
The reinforcing
[0058]
The
A
[0059]
As shown in FIGS. 2, 3, and 4, in the present embodiment, a groove (concave) 661 is formed at the tip of the
[0060]
As shown in FIGS. 3 and 4, the cross-sectional shape of the groove 661 (inner surface 662) has an arc shape. Thereby, the
[0061]
The
[0062]
The
[0063]
Further, the
[0064]
As shown in FIGS. 1 and 2, such a vibrating
[0065]
The vibrating
[0066]
The vibrating
[0067]
When the vibrating
[0068]
At this time, the movement direction of the
[0069]
The
[0070]
Further, since the
[0071]
Moreover, in this embodiment, since the in-plane vibration of the vibrating
[0072]
In addition, unlike the case where the vibrating
[0073]
The frequency of the AC voltage applied to the
[0074]
As described above, the vibrating
[0075]
As shown in FIG. 5, when the vibrating
[0076]
By appropriately selecting the frequency of the applied voltage, the shape and size of the vibrating
[0077]
Thereby, in one vibration of the vibrating
[0078]
In addition to the advantage that the
[0079]
Further, when the
[0080]
Also, as shown in FIG. 2, when assembling, there is no part to be assembled to the
[0081]
Further, the arrangement pattern of the
[0082]
Next, a second embodiment of the wire actuator of the present invention will be described.
7 is a plan view showing a second embodiment of the wire actuator of the present invention, FIG. 8 is a side view of the wire actuator shown in FIG. 7, and FIG. 9 is a perspective view of a vibrating body in the wire actuator shown in FIG. 10 and 11 are plan views showing how the vibrating body in the wire actuator shown in FIG. 7 vibrates, and FIG. 12 is a block diagram showing the circuit configuration of the wire actuator shown in FIG. In the following description, the upper side in FIG. 7 is referred to as “upper”, the lower side as “lower”, the right side as “right”, and the left side as “left”.
[0083]
Hereinafter, the
[0084]
As shown in FIGS. 7, 8, and 12, the
[0085]
As shown in FIGS. 7 and 8, the movement amount detection means 7 includes a
[0086]
In the present embodiment, as the
[0087]
The
[0088]
On the other hand, as described in the first embodiment, when the
[0089]
Further, the
[0090]
When the
[0091]
Note that the movement amount detection means 7 is not limited to optical detection, and may be magnetic detection, for example.
[0092]
Moreover, in this
[0093]
As shown in FIG. 9, the vibrating
[0094]
The
[0095]
The
[0096]
The terminal 93 of the
[0097]
Further, the reinforcing
Further, the terminal 94 of the
[0098]
As shown in FIGS. 7 and 8, the vibrating
[0099]
The reinforcing
[0100]
Further, the
[0101]
When the
[0102]
Contrary to the above, when the
[0103]
10 and 11, the deformation of the vibrating
[0104]
Here, by appropriately selecting the shape and size of the vibrating
[0105]
Next, the effect | action of the
In the state where the power switch is turned on, if there is an instruction for the moving direction and moving amount of the
[0106]
In the case of an instruction to move the
[0107]
The
[0108]
The AC voltage output from the
[0109]
At this time, the
[0110]
The detected induced voltage (detection voltage) is input to the
[0111]
Further, a pulse (pulse signal) is input from the
[0112]
On the contrary, in the case of an instruction to move the
[0113]
According to the
[0114]
And in this
[0115]
Moreover, since the
[0116]
In addition, since the
[0117]
Next, a third embodiment of the wire actuator of the present invention will be described.
FIG. 13 is a plan view showing a third embodiment of the wire actuator of the present invention. In the following description, the upper side in FIG. 13 is referred to as “upper”, the lower side as “lower”, the right side as “right”, and the left side as “left”.
[0118]
Hereinafter, the
[0119]
As shown in the figure, in the
[0120]
Thereby, the
[0121]
One
[0122]
Further, the
[0123]
According to the
[0124]
Although illustration and description are omitted, it is preferable that the third embodiment also includes the movement amount detection means 7 in the second embodiment described above.
[0125]
Next, a fourth embodiment of the wire actuator of the present invention will be described.
FIG. 14 is a plan view showing a fourth embodiment of the wire actuator of the present invention. In the following description, the upper side in FIG. 14 is referred to as “upper”, the lower side as “lower”, the right side as “right”, and the left side as “left”.
[0126]
Hereinafter, the
[0127]
As shown in the figure, in the
[0128]
The vibrating
[0129]
Further, the
[0130]
Each
[0131]
When the vibrating
[0132]
According to the
[0133]
In this
[0134]
Although illustration and description are omitted, it is preferable that the fourth embodiment also includes the movement amount detection means 7 in the second embodiment described above.
[0135]
Next, a fifth embodiment of the wire actuator of the present invention will be described.
FIG. 15 is a plan view showing a fifth embodiment of the wire actuator of the present invention, in which one base is removed, FIG. 16 is a side view of the wire actuator shown in FIG. 15, and FIG. FIG. 16 is a sectional view taken along line BB in FIG. In the following description, the upper side in FIG. 15 is referred to as “upper”, the lower side as “lower”, the right side as “right”, and the left side as “left”.
[0136]
Hereinafter, the
[0137]
As shown in these drawings, the
[0138]
In this case, the
[0139]
As shown in FIGS. 16 and 17, the
[0140]
In this way, by overlapping the
[0141]
As shown in FIG. 17, the
[0142]
Two bolts 15 (one bolt is not shown) are inserted into the
[0143]
Note that the structure and operation of each
[0144]
According to the
[0145]
And in this
[0146]
Moreover, in this
[0147]
Although illustration and description are omitted, also in the fifth embodiment, each
[0148]
Next, a sixth embodiment of the wire actuator of the present invention will be described.
FIG. 18 is a sectional view (corresponding to FIG. 17 of the fifth embodiment) showing a sixth embodiment of the wire actuator of the present invention.
[0149]
Hereinafter, the
[0150]
As shown in the figure, the
[0151]
Each
[0152]
Note that the structure and operation of each
[0153]
According to the
[0154]
And in this
[0155]
Although illustration and description are omitted, also in the sixth embodiment, each
[0156]
In the present embodiment, the angle (center angle) between the
[0157]
Next, a seventh embodiment of the wire actuator of the present invention will be described.
FIG. 19 is a plan view showing a seventh embodiment of the wire actuator of the present invention.
[0158]
Hereinafter, the
[0159]
As shown in the figure, the
[0160]
The
[0161]
The vibrating
[0162]
On the other hand, the driven
[0163]
The
[0164]
Further, grooves (detachment preventing means) 511, 521, 571, 581, 591 and 121 are provided along the outer periphery of the peripheral surfaces (outer peripheral surfaces) of the
[0165]
The vibrating
[0166]
When the
[0167]
Conversely, when the
[0168]
According to the
[0169]
Although illustration and description are omitted, it is preferable that the seventh embodiment also includes the movement amount detection means 7 in the second embodiment described above.
[0170]
Further, in the present embodiment, the vibrating
[0171]
Further, as in the above-described fourth embodiment, the vibrating
[0172]
Further, as in the fifth embodiment and the sixth embodiment described above, a plurality of actuator units may be provided, and for example, they may be arranged so as to overlap in the thickness direction or radially.
[0173]
As mentioned above, although the wire actuator of the present invention has been described based on the illustrated embodiments, the present invention is not limited to these, and the configuration of each part is replaced with an arbitrary configuration having the same function. can do.
[0174]
The wire actuator of the present invention may be a combination of any two or more configurations (features) of the above embodiments.
[0175]
In the present invention, the shape and structure of the vibrating body are not limited to the illustrated configuration, and any shape can be used as long as the wire can be driven (moved). For example, the piezoelectric element may be a single element, may not have a reinforcing plate, or may have a shape in which the width gradually decreases toward a portion in contact with the wire.
[0176]
In the embodiment, one vibrating
[0177]
The use of the wire actuator of the present invention is not particularly limited. For example, in the case of a device including a plurality of actuator units, it is possible to pull a finger of a robot (drive).
[0178]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the wire actuator can be moved using the vibrating body, and in particular, the wire actuator can be directly driven using the vibrating body, thereby reducing the overall size of the wire actuator, in particular, reducing the thickness. it can.
[0179]
Further, the structure can be simplified, and the manufacturing cost can be reduced.
Further, since a normal motor is not used, there is no electromagnetic noise at all, or even a small amount, so that it is possible to prevent peripheral devices from being affected.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing a wire actuator according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a side view of the wire actuator shown in FIG.
3 is a perspective view of a vibrating body in the wire actuator shown in FIG. 1. FIG.
4 is a side view of the vibrating body in the wire actuator shown in FIG. 1 (viewed from the direction of arrow A in FIG. 3).
5 is a plan view showing a state in which a vibrating body in the wire actuator shown in FIG. 1 bends and vibrates. FIG.
6 is a plan view showing a state in which the convex portion of the vibrating body in the wire actuator shown in FIG. 1 moves elliptically.
FIG. 7 is a plan view showing a second embodiment of the wire actuator of the present invention.
8 is a side view of the wire actuator shown in FIG.
9 is a perspective view of a vibrating body in the wire actuator shown in FIG.
10 is a plan view showing a state in which a vibrating body in the wire actuator shown in FIG. 7 vibrates.
11 is a plan view showing a state in which a vibrating body in the wire actuator shown in FIG. 7 vibrates.
12 is a block diagram showing a circuit configuration of the wire actuator shown in FIG. 7;
FIG. 13 is a plan view showing a third embodiment of the wire actuator of the present invention.
FIG. 14 is a plan view showing a fourth embodiment of the wire actuator of the present invention.
FIG. 15 is a plan view showing a fifth embodiment of the wire actuator of the present invention, and showing a state in which one base is removed.
16 is a side view of the wire actuator shown in FIG.
17 is a cross-sectional view taken along line BB in FIG.
18 is a cross-sectional view (corresponding to FIG. 17 of the fifth embodiment) showing a sixth embodiment of the wire actuator of the present invention.
FIG. 19 is a plan view showing a seventh embodiment of the wire actuator of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Wire actuator
10, 10a-10c Actuator unit
2 wires
3 Actuator body
4, 41 base
411 hole
42 base
421 screw holes
51-59 Guide roller
511 to 591 groove
6 Vibrating body
601 short side
602 long side
61, 65 electrodes
61a-61d electrode
65a-65d electrode
62, 64 Piezoelectric element
63 Reinforcing plate
66 Convex
661 groove
662 inner surface
68 arms
681 hole
69 Centerline
7 Movement amount detection means
71 Slit plate
72 sensors
8 Drive circuit
81 Oscillator circuit
82 Amplifier circuit
83 Movement amount control circuit
9 switch
91, 92 Switch part
93 to 98 terminals
111, 112 Guide roller
12 Followed roller
121 groove
13 volts
141-144 Spacer
145 holes
15 volts
Claims (24)
前記振動体が前記ワイヤーに当接して前記ワイヤーを屈曲させ、前記ワイヤーの復元力により、前記振動体が押圧されるよう構成されており、
前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記ワイヤーに力を繰り返し加えて前記ワイヤーを前記ワイヤーの長手方向へ移動させるよう構成されていることを特徴とするワイヤーアクチュエータ。A wire and a vibrating body provided in contact with the wire and provided with a piezoelectric element;
The vibrating body abuts on the wire and bends the wire, and the vibrating body is configured to be pressed by the restoring force of the wire.
The vibrator is configured to vibrate by applying an AC voltage to the piezoelectric element, and the vibration is configured to repeatedly apply a force to the wire to move the wire in the longitudinal direction of the wire. Wire actuator.
前記振動体が前記ワイヤーに当接して前記ワイヤーを屈曲させ、前記ワイヤーの復元力により、前記振動体が押圧されるよう構成されており、
前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記ワイヤーに力を繰り返し加えて前記ワイヤーを前記ワイヤーの長手方向へ移動させるよう構成されていることを特徴とするワイヤーアクチュエータ。A wire actuator comprising a plurality of actuator units each having a wire and a vibrating body provided with a piezoelectric element provided in contact with the wire,
The vibrating body abuts on the wire and bends the wire, and the vibrating body is configured to be pressed by the restoring force of the wire.
The vibrator is configured to vibrate by applying an AC voltage to the piezoelectric element, and the vibration is configured to repeatedly apply a force to the wire to move the wire in the longitudinal direction of the wire. Wire actuator.
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