JP3829817B2 - ヘッドスライダの耐衝撃性評価装置および設計装置 - Google Patents

ヘッドスライダの耐衝撃性評価装置および設計装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気、光、光磁気等の作用を利用して記録媒体に対して信号の記録再生を行う情報変換素子を搭載したヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の耐衝撃性を評価するヘッドスライダの耐衝撃性評価装置および設計装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク、光ディスク、および光磁気ディスク等のディスク状記録媒体(以下、ディスクとも記す)に対し記録再生を行うディスク型の記録再生装置(以下、ディスク装置とも記す)の技術的進歩は著しい。
【0003】
このようなディスク装置、特に磁気ディスク装置においては、情報変換素子を搭載したヘッドスライダが記録媒体から所定の浮上量を保って浮上した状態で記録や再生を行う。一般にヘッドスライダの浮上特性は、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面(以下、空気潤滑面と記す)の形状の違いによって制御される。よって、この空気潤滑面の形状を適切に評価、設計するために、従来から様々な技術が提案されてきた。
【0004】
例えば、ヘッドスライダの空気潤滑面の形状および荷重の条件、および、ディスクの走行条件等から、ヘッドスライダの浮上姿勢を求めることにより、ヘッドスライダの空気潤滑面を評価する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。さらに、U.C.Berkley校が開発したCMLAir等、ヘッドスライダの空気潤滑面評価ソフトウェアが既に実用化されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−283647号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年のディスク装置においては、その用途が、従来のようなコンピュータへの搭載だけでなく、例えば、携帯用小型電子機器等への搭載等のモバイルへも拡大している。よって、外乱等の外部からの衝撃が加わったときに、ヘッドスライダがディスクに衝突あるいは接触して、ヘッドスライダやディスクの記録層に摩耗や損傷を生じ、データの破壊や装置の破損に至ることがあり、衝撃等の外乱を受けてもディスクやヘッドスライダが破損せず安定して記録再生が可能な耐衝撃性が要求されている。
【0007】
しかしながら、前述の評価技術においては、ヘッドスライダが安定して浮上している状態、すなわち外部からの慣性力が印加されない場合のヘッドスライダの浮上状態は評価可能であるが、外部からの衝撃に対する評価、すなわち耐衝撃性の評価については、何ら検討がされてこなかった。
【0008】
本発明は、前述のような課題に鑑み、外部からの衝撃等により、ヘッドスライダに慣性力が作用した場合の耐衝撃性を評価できるヘッドスライダの耐衝撃性評価装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明のヘッドスライダの耐衝撃性評価装置は、慣性力が加わった場合の耐衝撃性を評価するヘッドスライダの耐衝撃性評価装置であって、所定の初期情報にもとづいて、ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出する初期姿勢情報算出部と、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出する剛性係数算出部と、初期姿勢情報および膜剛性係数が所定の関係を満たす場合にヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する判定部とを備えたことを特徴としている。
【0010】
このような構成により、ヘッドスライダに慣性力が印加された場合の動的な解析を行うことなく、安定浮上時におけるヘッドスライダの初期姿勢情報および膜剛性係数を算出して、所定の関係を満たすかを判定するという簡易な構成でヘッドスライダの耐衝撃性の評価を行う耐衝撃性評価装置を実現できる。
【0011】
また、所定の初期情報が、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状、ヘッドスライダと記録媒体との隙間パラメータ、ヘッドスライダに付与される荷重およびヘッドスライダと記録媒体との相対速度を含む情報であることにより、初期姿勢情報算出部において、簡易に適切なヘッドスライダの初期姿勢情報を算出することができる。
【0012】
また、初期姿勢情報が、ヘッドスライダの慣性力が作用する位置から所定距離離れた下流側位置における、記録媒体からの垂直方向の浮上量、および、ヘッドスライダの安定浮上時における、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面が記録媒体となす角度を含む情報である構成により、浮上量と、ヘッドスライダが記録媒体となす角度という2つのパラメータにより初期姿勢情報を決定できるので、以降の演算処理を迅速に行うことが可能となる。
【0013】
さらに、剛性係数算出部は、ヘッドスライダの慣性力が作用する位置から空気流入端方向に所定距離離れた上流側位置および下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数をそれぞれ算出する構成により、簡易な演算により、慣性力が印加されたときのヘッドスライダの挙動を予測し、評価することができる。
【0014】
また、判定部は、浮上量、角度および膜剛性係数が所定の関係を満たす場合にヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する構成により、浮上量、角度、膜剛性係数というパラメータによって、簡易に適切なヘッドスライダの耐衝撃性の評価を行うことが可能となる。
【0015】
さらに、所定の関係が、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとし、下流側位置における、記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、ヘッドスライダの安定浮上時における、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面が記録媒体となす角度をθpとしたとき、
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
の関係である構成により、慣性力が作用した場合に、ヘッドスライダがピッチ方向に回転しながら、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間の空気層が弾性層として作用して、ヘッドスライダが記録媒体に衝突することの少ないヘッドスライダか否かの判定を行うことが可能となる。
【0016】
さらに、所定の関係が、下流側位置と、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
の関係である構成により、ピッチ方向に回転しすぎて、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間に弾性層である空気バネが形成されなくなるということがないので、高い耐衝撃性のヘッドスライダであるか否かの判定をより適切に行うことが可能となる。
【0017】
また、所定の関係が、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
の関係であることにより、少ないパラメータで、さらに簡易かつ実用的なヘッドスライダの耐衝撃性評価装置を実現できる。
【0018】
さらに、記録媒体がディスク状媒体であり、所定の関係が、ディスク状媒体の最も内周側における関係である構成によれば、ディスク状媒体の全体におけるヘッドスライダの耐衝撃性を適切に評価できる。
【0019】
次に、本発明の耐衝撃性評価方法は、慣性力が加わった場合の耐衝撃性を評価するヘッドスライダの耐衝撃性評価方法であって、所定の初期情報にもとづいて、ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出するステップと、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出するステップと、初期姿勢情報および膜剛性係数が所定の関係を満たす場合にヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定するステップとを備えたことを特徴としている。
【0020】
このような方法により、ヘッドスライダに慣性力が印加された場合の動的な解析を行うことなく、安定浮上時におけるヘッドスライダの初期姿勢情報および膜剛性係数を算出して、所定の関係を満たすかを判定するという簡易な構成でヘッドスライダの耐衝撃性の評価を行うことのできる耐衝撃性評価方法を実現できる。
【0021】
また、所定の関係が、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとし、下流側位置における、記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、ヘッドスライダの安定浮上時における、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面が記録媒体となす角度をθpとしたとき、
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
の関係、または、下流側位置と、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
の関係、または、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
の関係のうちのいずれかである方法により、慣性力が作用した場合に、ヘッドスライダがピッチ方向に回転しながら、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間の空気層が弾性層として作用して、ヘッドスライダが記録媒体に衝突することの少ない、また、ピッチ方向に回転しすぎて、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間に弾性層である空気バネが形成されなくなるということがない、高い耐衝撃性のヘッドスライダであるか否かの評価をより適切に行うことが可能となる。
【0022】
次に、本発明のヘッドスライダの耐衝撃性評価プログラムは、慣性力が加わった場合の耐衝撃性を評価するヘッドスライダの耐衝撃性評価プログラムであって、コンピュータに、所定の初期情報にもとづいて、ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出するステップと、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出するステップと、初期姿勢情報および膜剛性係数が所定の関係を満たす場合にヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定するステップとを実行させることを特徴としている。
【0023】
このようなプログラムにより、ヘッドスライダに慣性力が印加された場合の動的な解析を行うことなく、安定浮上時におけるヘッドスライダの初期姿勢情報および膜剛性係数を算出して、所定の関係を満たすかを判定するという簡易な構成でヘッドスライダの耐衝撃性の評価を行うことのできる耐衝撃性評価プログラムを実現できる。
【0024】
また、所定の関係が、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとし、下流側位置における、記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、ヘッドスライダの安定浮上時における、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面が記録媒体となす角度をθpとしたとき、
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
の関係、または、下流側位置と、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
の関係、または、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
の関係のうちのいずれかであるプログラムにより、慣性力が作用した場合に、ヘッドスライダがピッチ方向に回転しながら、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間の空気層が弾性層として作用して、ヘッドスライダが記録媒体に衝突することの少ない、また、ピッチ方向に回転しすぎて、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間に弾性層である空気バネが形成されなくなるということがない、高い耐衝撃性のヘッドスライダであるか否かの評価をより適切に行うことが可能な耐衝撃性評価プログラムを実現できる。
【0025】
次に、本発明のヘッドスライダの設計装置は、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状を設計する設計装置であって、所定の形状情報にもとづいて、ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出する初期姿勢情報算出部と、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出する剛性係数算出部と、初期姿勢情報および膜剛性係数が所定の関係を満たす場合にヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する判定部と、判定部で耐衝撃性が良いと判定された際の形状情報を出力する出力部と、形状情報を微小変更する形状情報変更部とを備えたことを特徴としている。
【0026】
このような構成により、所定の形状情報を入力すれば、判定部で耐衝撃性に優れていると判定されるヘッドスライダの空気潤滑面形状を得ることが可能となる。
【0027】
また、所定の関係が、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとし、下流側位置における、記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、ヘッドスライダの安定浮上時における、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面が記録媒体となす角度をθpとしたとき、
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
の関係、または、下流側位置と、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
の関係、または、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
の関係のうちのいずれかである構成により、慣性力が作用した場合に、ヘッドスライダがピッチ方向に回転しながら、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間の空気層が弾性層として作用して、ヘッドスライダが記録媒体に衝突することの少ない、また、ピッチ方向に回転しすぎて、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間に弾性層である空気バネが形成されなくなるということがない、耐衝撃性の高いヘッドスライダの空気潤滑面形状を設計できる設計装置を実現できる。
【0028】
次に、本発明のヘッドスライダの設計方法は、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状を設計する設計方法であって、所定の形状情報にもとづいて、ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出する第1のステップと、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出する第2のステップと、初期姿勢情報および膜剛性係数が所定の関係を満たす場合にヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する第3のステップと、第3のステップで耐衝撃性が良いと判定された場合に形状情報を出力し、第3のステップで耐衝撃性が良いと判定されない場合に形状情報を微小変更して第1のステップに戻る第4のステップとを備えたことを特徴としている。
【0029】
このような方法により、所定の形状情報を入力すれば、判定部で耐衝撃性に優れていると判定されるヘッドスライダの空気潤滑面形状を得ることが可能なヘッドスライダの設計方法を実現できる。
【0030】
また、所定の関係が、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとし、下流側位置における、記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、ヘッドスライダの安定浮上時における、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面が記録媒体となす角度をθpとしたとき、
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
の関係、または、下流側位置と、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
の関係、または、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
の関係のうちのいずれかである方法により、慣性力が作用した場合に、ヘッドスライダがピッチ方向に回転しながら、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間の空気層が弾性層として作用して、ヘッドスライダが記録媒体に衝突することの少ない、また、ピッチ方向に回転しすぎて、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間に弾性層である空気バネが形成されなくなるということがない、耐衝撃性の高いヘッドスライダの空気潤滑面形状を設計できる設計方法を実現できる。
【0031】
次に、本発明のヘッドスライダの設計プログラムは、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状を設計する設計プログラムであって、コンピュータに、所定の形状情報にもとづいて、ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出する第1のステップと、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出する第2のステップと、初期姿勢情報および膜剛性係数が所定の関係を満たす場合にヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する第3のステップと、第3のステップで耐衝撃性が良いと判定された場合に形状情報を出力し、第3のステップで耐衝撃性が良いと判定されない場合に形状情報を微小変更して第1のステップに戻る第4のステップとを実行させることを特徴としている。
【0032】
このようなプログラムにより、所定の形状情報を入力すれば、判定部で耐衝撃性に優れていると判定されるヘッドスライダの空気潤滑面形状を得ることが可能なヘッドスライダの空気潤滑面の設計プログラムを実現できる。
【0033】
また、所定の関係が、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとし、下流側位置における、記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、ヘッドスライダの安定浮上時における、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面が記録媒体となす角度をθpとしたとき、
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
の関係、または、下流側位置と、ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
の関係、または、ヘッドスライダに対して慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
の関係のうちのいずれかであるプログラムにより、慣性力が作用した場合に、ヘッドスライダがピッチ方向に回転しながら、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間の空気層が弾性層として作用して、ヘッドスライダが記録媒体に衝突することの少ない、また、ピッチ方向に回転しすぎて、ヘッドスライダの空気潤滑面と記録媒体との間に弾性層である空気バネが形成されなくなるということがない、耐衝撃性の高いヘッドスライダの空気潤滑面形状を設計できる設計プログラムを実現できる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0035】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態として、本発明のヘッドスライダの耐衝撃性評価装置について説明する。
【0036】
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヘッドスライダの耐衝撃性評価装置の構成を示すブロック図である。
【0037】
図1に示したように、本発明の第1の実施の形態における評価装置37は、評価対象となるヘッドスライダの空気潤滑面の形状等の後述する初期情報が入力される初期情報入力部31、評価対象となるヘッドスライダの安定浮上時の初期姿勢に関する情報を算出する初期姿勢情報算出部32、評価対象となるヘッドスライダの後述する所定の位置での膜剛性係数を算出する剛性係数算出部33、剛性係数算出部で算出された剛性係数と初期姿勢情報算出部32で算出されたヘッドスライダの初期姿勢に関する所定の情報が所定の閾値範囲内にあるか否かによって、評価対象となるヘッドスライダの耐衝撃性の優劣を判定する判定部34、および、判定部34で判定された結果を出力する出力部35を備える。
【0038】
ここで、本発明の第1の実施の形態の評価装置37の動作ステップについて、個々の構成要素とともに詳細に説明する。図2は本発明の第1の実施の形態における評価装置37の動作ステップを示すフローチャートである。なお、説明を簡単にするために、評価対象となるヘッドスライダの模式図を図3に示し、逐次参酌しながら説明する。図3において、評価対象となるヘッドスライダ20は、慣性力が付与されない定常状態で、記録媒体2に対して角度θp、浮上量Xh(下流側剛性作用位置と記録媒体2面との距離であり、後述する)を保ちながら浮上しているものとして説明する。
【0039】
まず、初期情報入力部31に初期情報が入力される(S1)。初期情報入力部31に入力される初期情報としては、評価対象となるヘッドスライダ20の空気潤滑面の三次元形状データ、ヘッドスライダ20と記録媒体2との初期状態の隙間を決定する初期浮上量、ロール角度、ピッチ角度等の隙間パラメータ、ヘッドスライダ20を支持する支持装置からヘッドスライダ20に対して慣性力作用点101に付与された付勢力である荷重F、さらに、ヘッドスライダ20と記録媒体2との相対的な速度、すなわち、記録媒体2の回転数やヘッドスライダ20の記録媒体2上における位置等の情報が含まれる。
【0040】
この初期情報入力部31としては、キーボード、マウス、または、スキャナ等の広く知られた入力装置を用いることもできるし、CAD等で作成された三次元の座標データがそのまま入力される構成であってもよい。ヘッドスライダ20の空気潤滑面形状等の初期情報を入力できるものであれば、本発明は初期情報入力部31の構成を限定するものではない。
【0041】
次に、初期姿勢情報算出部32は、初期情報入力部31に入力された初期情報にもとづいて、評価対象となるヘッドスライダ20の定常浮上状態、すなわち衝撃等の慣性力が付与されない安定した状態でのヘッドスライダ20の浮上状態における初期姿勢情報を算出する(S2)。初期姿勢情報としては、ヘッドスライダ20と記録媒体2との間の浮上量Xhおよび角度θpを含む情報が算出されればよい。
【0042】
ここで、初期姿勢情報算出部32の機能は、前述の特許文献1に開示された方法や前述のCMLAir等の公知のソフトウェア等を用いることによって実現することができる。
【0043】
次に、剛性係数算出部33は、図3における評価対象であるヘッドスライダ20に対して慣性力が作用する位置、すなわち慣性力作用点101から空気流入端方向(図3における左方向)に距離L1離れた上流側位置103、および、慣性力作用点101から空気流出端方向(図3における右方向)に距離L2離れた下流側位置104における、ヘッドスライダ20と記録媒体2との間に形成された弾性層である空気バネ層の膜剛性係数Kl、Ktをそれぞれ算出する(S3)。この算出は、定常浮上状態にあるヘッドスライダ20に対して微小変位ΔXを与えて、その際に上流側位置103および下流側位置104において発生する応力ΔFをそれぞれ算出し、
K=(ΔF/ΔX)
の関係から行うことができる。
【0044】
なお、出願人らが既に特開2002−319258号公報において提案した方法によれば、膜剛性係数の空気潤滑面における分布(剛性分布)が算出されるので、この剛性分布を積分することにより、上流側位置103および下流側位置104における膜剛性係数Kl、Ktをそれぞれ求めることも可能である。
【0045】
次に、判定部34は、初期姿勢情報算出部32および剛性係数算出部33で算出された情報にもとづいて、所定の関係、すなわち次の(1)式を満足するか否かを判定する(S4)。
【0046】
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt) (1)
本発明の第1の実施の形態における評価装置37においては、(1)式に示した関係を満たすヘッドスライダ20を耐衝撃性に優れたヘッドスライダとして判定する一方、(1)式に示した関係を満たさないヘッドスライダ20については耐衝撃性に課題あるヘッドスライダと判定する。なお、この(1)式に示した所定の関係の詳細については後述する。
【0047】
次に、出力部35は、判定部34で判定された結果、すなわちヘッドスライダ20が耐衝撃性に優れたヘッドスライダであるか否かを表示して、評価装置37は動作ステップを終了する(S5)。この出力部35としては公知の各種ディスプレイ装置やプリンタ装置を用いることができる。
【0048】
なお、本発明の第1の実施の形態における評価装置37の初期姿勢情報算出部32、剛性係数算出部33および判定部34の機能は、それぞれソフトウェアによって実現され、図示しない記憶装置等からCPU等の演算装置36に読みこまれて実行される構成であってもよいし、各々の機能がハードウェアで実現される構成であってもよい。
【0049】
また、本発明の第1の実施の形態の評価装置37は、初期姿勢情報算出部32、剛性係数算出部33および判定部34を評価装置37の内部に備え、外部に設けられた初期情報入力部31および出力部35から初期情報の入力や判定結果の出力等をネットワークやシリアルケーブル等の公知の通信経路を介して行う構成であってもよいことはいうまでもない。
【0050】
ここで、前述の(1)式に示した所定の関係について詳細に説明する。発明者らは、(1)式の関係を満たすヘッドスライダは耐衝撃性に優れたヘッドスライダであることを見出した。
【0051】
再び図3に戻って、図3はヘッドスライダ20が、記録媒体2上で定常浮上している状態、すなわち、記録媒体2表面に対してピッチ角度θpの角度を保って定常浮上した状態を示している。
【0052】
ヘッド支持装置(図示せず)から慣性力作用点101に対して、図中Fで示された付勢力が付与されている。また、記録媒体2の回転により、矢印で示した方向に空気流がヘッドスライダ20の記録媒体2に対向する面(以下、空気潤滑面と記す)と記録媒体2表面との間に流入し、この空気層が空気バネとして弾性的に作用することにより、ヘッドスライダ20を浮上させる力として作用する。この空気バネの反力と、付勢力Fおよびヘッドスライダ20の自重によるヘッドスライダ20を記録媒体2に接近させる力とのバランスが保たれることにより、ヘッドスライダ20は浮上し、安定した姿勢を保持する。
【0053】
また、前述のように、付勢力Fがヘッドスライダ20に付与される慣性力作用点101から記録媒体2面に対して垂線を下ろして、空気潤滑面と交わった点から、空気流入端(紙面に向かって左側)方向に、記録媒体2面に平行に距離L1移動した、空気潤滑面上の点を上流側剛性作用位置103とし、空気流出端(紙面に向かって右側)方向に、記録媒体2面に平行に距離L2移動した、空気潤滑面上の点を下流側剛性作用位置104とする。
【0054】
ここで、前述の空気バネの剛性を剛体バネと仮定して、上流側剛性作用位置103での剛性係数をKlとし、下流側剛性作用位置104での剛性係数をKtとして、それぞれの2点で2本の剛体バネによってヘッドスライダ20を安定に浮上させていると仮定する。
【0055】
また、下流側剛性作用位置104と記録媒体2面との距離を浮上量Xhとし、下流側剛性作用位置104とヘッドスライダ20の空気潤滑面上の最も空気流出端側(紙面に向かって右側)の点(下流側端部)との記録媒体2面に平行方向の距離をLtとする。
【0056】
また、衝撃等の外乱による慣性力の影響を少なくして耐衝撃性を向上させるために、ヘッドスライダ20の重心102と慣性力作用点101とを記録媒体2方向に投影した位置は、一致するように構成されているとする。
【0057】
このような条件のもとで、耐衝撃性に優れたヘッドスライダ20は、
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt) (1)
の関係を満たしており、(1)式が満足される場合に、最も外乱等による衝撃に対して強い、耐衝撃性に優れたヘッドスライダ20を得られることがわかった。
【0058】
(1)式を満足するような本発明のヘッドスライダ20について、その外乱による衝撃を受けた際の挙動を、図4を用いて説明する。
【0059】
図4において、実線で示したヘッドスライダ20が衝撃等による慣性力Gが印加される前の位置を示し、破線で示したヘッドスライダ20aが、外部から慣性力Gが印加された場合の位置を示している。慣性力Gは付勢力Fがヘッドスライダ20に付与される慣性力作用点101に作用し、また、慣性力Gが慣性力作用点101に作用した際の上流側剛性作用位置103の垂直方向の変位をXl、下流側剛性作用位置104の垂直方向の変位をXtとする。
【0060】
このとき、耐衝撃性に優れた、すなわち(1)式を満たすヘッドスライダ20は、衝撃を受けた場合に、その慣性力Gを空気膜のバネ剛性によって吸収する際に、空気流入端側(紙面に向かって左側)が空気流出端側(紙面に向かって右側)よりも、記録媒体2面に対して大きな変位量で接近する。
【0061】
すなわち、ヘッドスライダ20は、慣性力Gを、ピッチ方向に回転しながら空気バネの剛性によって吸収する構成である、ということができ、このような挙動を示すヘッドスライダ20は、耐衝撃性の高いヘッドスライダであるといえる。
【0062】
次に、このようなヘッドスライダ20を実現させる際に満足させるべき条件について、詳細に説明する。
【0063】
図3に示した定常状態において、ヘッドスライダ20は、ピッチ角θp、下流側剛性作用位置104での浮上量Xhの間隔を保って浮上している。このとき、上流側剛性作用位置103と下流側剛性作用位置104の浮上高差は、((L1+L2)tanθp)で表わされ、この浮上量Xhとの比aは、次式で表わされる。
【0064】
a=((L1+L2)tanθp/Xh) (2)
次に、図4に示された、外部からの衝撃による慣性力Gが作用した場合のヘッドスライダ20の挙動において、上流側剛性作用位置103と下流側剛性作用位置104との、記録媒体2に垂直な方向の変位量の差と、変位Xlとの比bは次式で表わされる。
【0065】
b=((Xl−Xt)/Xt)=((Xl/Xt)−1) (3)
この場合、高い耐衝撃性を実現するための条件として、ヘッドスライダ20に衝撃による慣性力が加わったときに、ヘッドスライダ20がピッチ方向に回転して空気潤滑面と記録媒体2面間の空気バネが慣性力を吸収するためには、変位量の比bが、定常浮上初期姿勢の浮上高さの比aと同じか、より大きいこと、すなわちa≦bの関係が成り立つことが必要であり、(4)式で表わされる関係が成り立つことが必要である。
【0066】
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((Xl/Xt)−1) (4)
すなわち、(4)式を満たすヘッドスライダは外部からの衝撃による慣性力に強いといえる。
【0067】
逆に、(4)式が成り立たない場合、すなわちa>bの関係を有するヘッドスライダ30(比較例1)の挙動を、図5に示す。慣性力Gが印加されたときの変位をヘッドスライダ30aで示す。
【0068】
a>bの関係を有するということは、もともと記録媒体2により接近したヘッドスライダ30の空気流出端側が、衝撃が外部から加わった際に、より優先的に記録媒体2表面に接近してしまい、接触しやすいので、図5に示したようなヘッドスライダ30は耐衝撃性に課題があるヘッドスライダであるということができる。
【0069】
しかし、a≦bの関係を有するヘッドスライダであっても、慣性力を空気バネによって吸収する際に、図6に示したヘッドスライダ40(比較例2)のように、外部からの衝撃が加わった場合に、ヘッドスライダ40aで示した位置にピッチ方向に変位し、空気流入端側があまりにディスク表面に接近しすぎると、ヘッドスライダ40aと記録媒体2との間に空気膜が形成されず、ヘッドスライダ40aは浮上力を失い、記録媒体2面と衝突してしまう。このようなヘッドスライダ40も耐衝撃性に課題あるヘッドスライダであるといえる。この衝突を避けるための条件について、次に述べる。
【0070】
図3に戻って、下流側剛性作用位置104と、空気潤滑面の空気流出端側端部105との、記録媒体2に平行な方向の距離をLtとするとき、距離(L1+L2)と距離Ltとの比cは次式で表わされる。
【0071】
c=(L1+L2)/Lt (5)
前述のような、ヘッドスライダがピッチ方向に回転しすぎて空気膜が形成されない現象は、ヘッドスライダに衝撃による慣性力Gが加わったときに生じる、(3)式で表わされる変位量の比bが、(5)式で表わされるヘッドスライダの記録媒体2に平行方向の長さの比cより大きいために、ヘッドスライダの記録媒体2に平行方向の長さに対して、外部からの衝撃による慣性力Gと空気膜剛性比で決まる空気流上流側の変位が相対的に小さいためにおこる。
【0072】
さらに、上流側剛性作用位置103における浮上隙間が、下流側剛性作用位置104における浮上隙間に比べて小さくなるヘッドスライダ40の耐衝撃値は、記録媒体2対向面の形状だけでなく、回転速度のばらつきやスキュー角度の変動、あるいは荷重変動等によっても大きく変動し、また、浮上隙間が小さくなると急激に破損に至るので、耐衝撃値のばらつきが大きくなり、耐衝撃性に課題あるヘッドスライダといえる。
【0073】
逆に、前述の耐衝撃性に優れたヘッドスライダ20のように、(3)式で表わされる変位量の比bが、(5)式で表わされるヘッドスライダの記録媒体2に平行方向の長さの比cより小さい、b<cの関係を満たすヘッドスライダ、すなわち(6)式
((Xl/Xt)−1)<((L1+L2)/Lt) (6)
を満たすヘッドスライダ20は、外部からの衝撃による慣性力に強いといえる。
【0074】
よって、耐衝撃性の強いヘッドスライダ20は、(4)式および(6)式を満足するヘッドスライダ、すなわち、
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((Xl/Xt)−1)<((L1+L2)/Lt) (7)
の関係が成り立つヘッドスライダであるということができる。
【0075】
ところで、上流側剛性作用位置103と下流側剛性作用位置104とにおける、膜剛性係数をそれぞれKl、Ktとすると、前述のように、慣性力Gは慣性力作用点101に対して印加されるので、ヘッドスライダに外部からの衝撃による慣性力Gが加わった場合の、上流側剛性作用位置103と下流側剛性作用位置104とに生じる慣性力Gの分力をそれぞれF1、F2とすると、一般的な弾性係数、慣性力および変位の関係を表わす公式である、F=kx(F:付与される力,k:剛性係数(弾性係数),x:変位)の関係から、
F1=(Kl×Xl) (8)
F2=(Kt×Xt) (9)
が成り立ち、これらを変形して、
Xl=(F1/K1) (10)
Xt=(F2/K2) (11)
よって、XlとXtとの比を取ると、
(Xl/Xt)=((F1×Kt)/(Kl×F2)) (12)
となる。また、
(F1×L1)=(F2×L2) (13)
の関係が成り立つので、
F2=(F1×L1/L2) (14)
これを(12)式に代入して、
(Xl/Xt)=((Kt×L2)/(Kl×L1)) (15)
したがって、(4)式および(6)式は、それぞれ次の(16)式および(17)式と同義である。
【0076】
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1) (16)
((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt) (17)
(16)式と(17)式とを同時に満たすには、
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt) (1)
であり、(1)式が満足されていればよいことになる。
【0077】
なお、ディスク装置においては、一般的に、ヘッドスライダがディスクの外周側に位置する場合に比べて、内周側に位置する場合のほうがヘッドスライダとディスク間の相対速度が小さいので、空気潤滑面に発生する空気流、浮上量が少なくなるので耐衝撃性が低くなると考えられる。したがって、少なくとも浮上量が最も低くなるディスク内周側で、上記(4)式および(6)式または(16)式および(17)式、すなわち、(1)式または(7)式を満たせばよい。
【0078】
次に、前述した耐衝撃性に優れたヘッドスライダの所定の条件を検証するため、具体的に、ヘッドスライダの空気潤滑面形状の違いによる耐衝撃性の違いを検討した結果を示す。
【0079】
図7、図8に、評価を行ったヘッドスライダの仕様、およびその耐衝撃性の評価結果を示す。
【0080】
本発明の実施の形態の耐衝撃性に優れたヘッドスライダ20は、外部からの衝撃等による慣性力Gが印加された場合の、慣性力作用位置から空気流入端方向に、記録媒体2に平行な方向に距離L1離れた位置にある上流側剛性作用位置103および、慣性力作用位置から空気流入端側方向に距離L2離れた位置にある下流側剛性作用位置104において求めた空気膜剛性を、それぞれ、Kl、Ktとすると、Kl=Ktとなる位置のL1=0.23(mm)、L2=0.58(mm)である。さらに、下流側剛性作用位置104と、空気流出端側端部105との距離Lt=0.1(mm)、ディスク内周側での定常浮上状態の下流側剛性作用位置104における浮上量Xh=20(nm)、ピッチ角θpはθp=30(μrad)の条件で評価を行った。
【0081】
一方、比較のため、図7に示した、比較例1および比較例2で示した仕様のヘッドスライダについても評価を行った。
【0082】
比較例1のヘッドスライダ30の空気潤滑面は、上流側剛性作用位置103および下流側剛性作用位置104における空気膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとすると、Kl=Ktとなる位置のL1=0.32(mm)、L2=0.3(mm)である。
【0083】
また、比較例2のヘッドスライダ40は、上流側剛性作用位置103および下流側剛性作用位置104における空気膜剛性をそれぞれ、Kl、Ktとすると、Kl=Ktとなる位置のL1=0.05(mm)、L2=0.61(mm)である。
【0084】
このような本発明の実施の形態のヘッドスライダ20と、比較例1および比較例2のヘッドスライダ30、40について、(KtL2/KlL1)の値を求めるとともに、ヘッドスライダをディスク方向に近づけるような、外部からの衝撃による慣性力が作用したときの耐衝撃性を評価し、その結果を図7に示した。なお、ここで耐衝撃性とは、評価対象のヘッドスライダのどこか一部でもディスクに接触させるために必要な慣性力の大きさで表わす。
【0085】
なお、この耐衝撃性の評価では、ヘッドスライダとスライダ保持部とを含めた等価質量を8(mg)、サスペンションからヘッドスライダに付与される付勢力を2(gf)、ディスク回転数4500(rpm)、ディスク半径6(mm)位置でスキュー角が−5(°)の条件で評価を行った。
【0086】
図7に示したように、本発明の実施の形態のヘッドスライダ20の(KtL2/KlL1)の値は2.53であり、比較例1および比較例2の(KtL2/KlL1)の値は、それぞれ0.97、12.2である。
【0087】
前述した、本発明の第1の実施の形態における、ヘッドスライダの耐衝撃性の評価装置37において、耐衝撃性に優れたヘッドスライダ20の判定条件、すなわち、
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt) (1)
に今回の評価を行う際の条件を代入すると、
1.5≦((KtL2/KlL1)−1)<10.0 (18)
となり、
2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0 (19)
の関係を満たす場合に、耐衝撃性の高いヘッドスライダであると判定することができる。
【0088】
よって、本発明の第1の実施の形態における評価装置37によれば、本発明の実施の形態のヘッドスライダ20は耐衝撃性が高いと判定され、比較例1および比較例2のヘッドスライダ30、40は耐衝撃性に課題があるヘッドスライダであると判定される。
【0089】
また、本発明の実施の形態のヘッドスライダ20の耐衝撃値は1000Gであり、比較例1および比較例2の耐衝撃値は、それぞれ260Gおよび570Gであった。
【0090】
モバイル用途の磁気ディスク装置としての使用を考慮すると、本発明のヘッドスライダの耐衝撃性の評価装置によって、耐衝撃性に優れていると評価されたヘッドスライダが実用的な耐衝撃性を実現していることが明らかである。
【0091】
次に、本発明の実施の形態のヘッドスライダ20および、比較例1、2のヘッドスライダ30、40を含むいくつかのヘッドスライダにおける、上流側剛性作用位置103と下流側剛性作用位置104における(KtL2/KlL1)の値と、耐衝撃性の評価結果との関係をグラフ化したものを図8に示す。
【0092】
図8からわかるように、耐衝撃性は、(KtL2/KlL1)の値に依存して変化していることがわかる。また、図8に示したように、耐衝撃性に優れた範囲が存在することがわかる。よって、本発明の第1の実施の形態に示した評価装置37では、(1)式を満たすヘッドスライダを判別する、すなわち(KtL2/KlL1)を評価指標とすることにより、耐衝撃性に優れたヘッドスライダを判定することが可能である。
【0093】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態として、本発明のヘッドスライダの設計装置について、説明する。
【0094】
図9は、本発明の第2の実施の形態におけるヘッドスライダの設計装置の構成を示すブロック図である。
【0095】
図9に示したように、本発明の第2の実施の形態におけるヘッドスライダの設計装置は、設計対象となるヘッドスライダの空気潤滑面の形状等の後述する初期情報が入力される初期情報入力部31、設計対象となるヘッドスライダの安定浮上時の初期姿勢に関する情報を算出する初期姿勢情報算出部32、設計対象となるヘッドスライダの後述する所定の位置での膜剛性係数を算出する剛性係数算出部33、剛性係数算出部で算出された剛性係数と初期姿勢情報算出部32で算出されたヘッドスライダの初期姿勢に関する所定の情報が所定の閾値範囲内にあるか否かによって、評価対象となるヘッドスライダの耐衝撃性の優劣を判定する判定部34、および、判定部34で判定された結果を出力する出力部35を備える。さらに、本発明の第2の実施の形態における設計装置43は、形状情報変更部として、形状情報変更テーブル41を格納した記憶部42を備える。
【0096】
図9に示したように、本発明の第2の実施の形態における設計装置43の、初期情報入力部31、初期姿勢情報算出部32、剛性係数算出部33、判定部34および出力部35は、それぞれ第1の実施の形態において説明したものと同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0097】
ここで、形状情報変更テーブル41には、後述するようなヘッドスライダの膜剛性係数Kl、Ktの値とヘッドスライダの空気潤滑面形状との相関データ群(例えば、パッド間の距離の変更やパッドの高さ等の変化と膜剛性係数Kt、Ktの変化との相関データ等のデータ群)が格納されている。なお、ここでパッドとは、ヘッドスライダの空気潤滑面における凸部のことをいう。
【0098】
ここで、本発明の第2の実施の形態の設計装置43の動作ステップについて、詳細に説明する。図10は本発明の第2の実施の形態における設計装置43の動作ステップを示すフローチャートである。なお、説明を簡単にするために、第1の実施の形態で説明したステップS1〜S3については、説明を省略する。
【0099】
また、設計対象となるヘッドスライダの概念図を図3に示し、逐次参酌しながら説明する。
【0100】
図3において、評価対象となるヘッドスライダ20は、慣性力が付与されない定常状態で、記録媒体2に対して角度θp、浮上量Xhを保ちながら浮上しているものとして説明する。
【0101】
ステップS1からステップS3が実行された後、判定部34は、初期姿勢情報算出部32および剛性係数算出部33で算出された情報にもとづいて、所定の関係、すなわち次の(1)式を満足するか否かを判定する(S7)。
【0102】
((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt) (1)
(1)式に示した関係を満たすヘッドスライダ20は耐衝撃性に優れたヘッドスライダであるとし、一方、(1)式に示した関係を満たさないヘッドスライダ20については耐衝撃性に課題あるヘッドスライダと判定する。なお、この(1)式に示した所定の関係の詳細については、本発明の第1の実施の形態に説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0103】
ステップS7でヘッドスライダ20が耐衝撃性に課題あるヘッドスライダであると判定された場合には、判定部34からヘッドスライダの空気潤滑面の形状データが記憶部42に送られ、その際、例えば、膜剛性係数Klおよび膜剛性係数Ktについて(1)式を満たすような所望の値に近づけるために、空気潤滑面の形状を変更する際に形状情報変更テーブル41が参酌され、新たな初期情報が初期姿勢情報算出部32に送られる(S9)。このようにして、以下、再びステップS1以下の処理が、判定部34で判定対象となるヘッドスライダ20が耐衝撃性に優れたヘッドスライダであると判定されるまで繰り返し行われる。
【0104】
ここで、形状情報変更テーブル41に格納された情報について詳細に説明する。図11に設計対象となるヘッドスライダ10の空気潤滑面の形状の一例を示す。図11において、ヘッドスライダ10の初期情報である、空気潤滑面の形状を実線で示す。ヘッドスライダ10の空気潤滑面は、2つのパッド201、203を有している。このようなヘッドスライダ10のパッド部201を、点線で示したパッド部202の位置に距離ΔLだけ移動させた場合における、距離ΔLと剛性係数Klとの関係を図12に、距離ΔLと剛性係数Ktとの関係を図13に示す。図12に示したように、距離ΔLと剛性係数Klとの相関は高く、図13に示したように、距離ΔLと剛性係数Ktとの間の相関はあまり高いとはいえない。よって、剛性係数Klの値を変化させたい場合には、例えば図12に示した情報を参酌し、距離ΔLを変化させることにより所望の剛性係数Klの値を得ることができる。
【0105】
形状情報変更テーブル41には、これら図12および図13に示したような、ヘッドスライダの剛性係数Kl、Ktの値とヘッドスライダの空気潤滑面形状との相関データ群を格納する。さらにパッド間の距離の変更やパッドの高さ等の変化と剛性係数Kt、Ktの変化との相関データ、浮上量Xhと剛性係数Kl、Ktとの相関データ等のデータ群も合わせて格納されている。これにより、所望の剛性係数Kt、Klに近づけるために、空気潤滑面の形状が変更され、新たな初期情報が初期姿勢情報算出部32に送られる。
【0106】
判定部34で設計対象となるヘッドスライダ10が耐衝撃性に優れたヘッドスライダであると判定された場合、すなわち(1)式を満たすヘッドスライダであると判定された場合には、出力部35は、設計対象となるヘッドスライダ10の空気潤滑面形状を表示または出力して、設計装置43は動作ステップを終了する(S8)。
【0107】
このようにして、本発明の第2の実施の形態における設計装置43を用いることにより、(1)式を満たすような、剛性係数Kt、Klを実現できるヘッドスライダの空気潤滑面形状を設計できるので、耐衝撃性に優れたヘッドスライダの空気潤滑面形状を設計することが可能になる。
【0108】
また、本発明の第2の実施の形態におけるヘッドスライダの空気潤滑面の設計装置を用いて、(4)式および(6)式または、(16)式および(17)式を満たす(すなわち(7)式または(1)式を満たす)ように設計された記録媒体対向面形状を有するヘッドスライダを搭載することにより、外部からの衝撃に対して強い、耐衝撃性に優れたヘッド支持装置およびディスク装置を実現できる。
【0109】
なお、本発明の第2の実施の形態における設計装置43の初期姿勢情報算出部32、剛性係数算出部33および判定部34の機能は、それぞれソフトウェアによって実現され、図示しない記憶装置等からCPU等の演算装置36に読みこまれ、実行される構成であってもよいし、各々の機能がハードウェアで実現される構成であってもよい。
【0110】
また、本発明の第2の実施の形態における設計装置43は、初期情報入力部31および出力部35を外部に備え、記憶部42、初期姿勢情報算出部32、剛性係数算出部33および判定部34を備え、初期情報の入力や判定結果の出力等はネットワークやシリアル等の通信経路を介して行われる構成であってもよいことはいうまでもない。
【0111】
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態においては、必要な膜剛性を、空気潤滑面とディスク面との間の空気流に発生する正圧を用いて生じさせる例を示したが、弾性層として、空気層の代わりに他の潤滑剤を用いて、同様な膜剛性となるような構成を実現した場合においても、膜剛性Kl、Ktは潤滑剤によって実現されるので、同様にヘッドスライダの耐衝撃性評価や空気潤滑面の設計を行えることはいうまでもない。
【0112】
なお、本発明のヘッドスライダの耐衝撃性評価装置および設計装置は、例として示した磁気ディスク装置に搭載されるヘッドスライダに何ら限定されるものではなく、光磁気ディスク装置や、光ディスク装置等に搭載される浮上型のヘッドスライダの耐衝撃性評価装置および設計装置に適用可能であることはいうまでもない。
【0113】
また、本発明のヘッドスライダの耐衝撃性評価装置および設計装置は、ディスク形状の媒体を用いたディスク装置に搭載されるヘッドスライダに限定されるものではなく、他のいかなる形状の媒体を用いた記録再生装置に搭載されるヘッドスライダの耐衝撃性評価装置および設計装置にも適用可能であることはいうまでもない。
【0114】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、外部からの衝撃等により、ヘッドスライダに慣性力が作用した場合の耐衝撃性を評価できる耐衝撃性評価装置および設計装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるヘッドスライダの耐衝撃性評価装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるヘッドスライダの耐衝撃性の評価装置の動作ステップを示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態におけるヘッドスライダに外部から衝撃による慣性力が作用する前のヘッドスライダの浮上状態の模式図
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるヘッドスライダに外部からの衝撃による慣性力が作用したときの浮上状態の挙動を説明するための模式図
【図5】本発明に対する比較例1のヘッドスライダに慣性力が作用したときの浮上状態の挙動を説明するための模式図
【図6】本発明に対する比較例2のヘッドスライダに慣性力が作用したときの浮上状態の挙動を説明するための模式図
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるヘッドスライダと比較例との特性比較図
【図8】本発明の第1の実施の形態における(KtL2/KlL1)値と耐衝撃性の評価結果との関係を示す図
【図9】本発明の第2の実施の形態におけるヘッドスライダの設計装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるヘッドスライダの設計装置の動作ステップを示すフローチャート
【図11】本発明の第2の実施の形態におけるヘッドスライダの空気潤滑面の形状の一例を示す図
【図12】本発明の第2の実施の形態における形状情報変更テーブルの情報の一例を示す図
【図13】本発明の第2の実施の形態における形状情報変更テーブルの情報の他の例を示す図
【符号の説明】
2 記録媒体
10,20,20a,30,30a,40,40a ヘッドスライダ
31 初期情報入力部
32 初期姿勢情報算出部
33 剛性係数算出部
34 判定部
35 出力部
36 演算装置
37 評価装置
41 形状情報変更テーブル
42 記憶部
43 設計装置
101 慣性力作用点
102 重心
103 上流側剛性作用位置
104 下流側剛性作用位置
105 空気流出端側端部
201,202,203 パッド部

Claims (10)

  1. 慣性力が加わった場合の耐衝撃性を評価するヘッドスライダの耐衝撃性評価装置であって、
    前記ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との隙間パラメータ、前記ヘッドスライダに付与される荷重および前記ヘッドスライダと前記記録媒体との相対速度を含む初期情報にもとづいて、前記ヘッドスライダの安定浮上時における前記記録媒体からの垂直方向の浮上量、および、前記ヘッドスライダの安定浮上時における、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面が前記記録媒体となす角度を含む初期姿勢情報を算出する初期姿勢情報算出部と、
    前記ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出する剛性係数算出部と、
    前記初期姿勢情報および前記膜剛性係数の関係の関係が、前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記ヘッドスライダの前記慣性力が作用する位置から所定距離離れた前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとし、
    前記下流側位置における、前記記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、
    前記ヘッドスライダの安定浮上時における、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面が前記記録媒体となす角度をθpとしたとき、
    ((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)を満たす場合に前記ヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する判定部とを備えたことを特徴とするヘッドスライダの耐衝撃性評価装置。
  2. 慣性力が加わった場合の耐衝撃性を評価するヘッドスライダの耐衝撃性評価装置であって、
    前記ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との隙間パラメータ、前記ヘッドスライダに付与される荷重および前記ヘッドスライダと前記記録媒体との相対速度を含む初期情報にもとづいて、前記ヘッドスライダの安定浮上時における前記記録媒体からの垂直方向の浮上量、および、前記ヘッドスライダの安定浮上時における、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面が前記記録媒体となす角度を含む初期姿勢情報を算出する初期姿勢情報算出部と、
    前記ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出する剛性係数算出部と、
    前記初期姿勢情報および前記膜剛性係数の関係が、前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記ヘッドスライダの前記慣性力が作用する位置から所定距離離れた前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとし、前記下流側位置と、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、前記記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
    ((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
    の関係であることを満たす場合に前記ヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する判定部とを備えたことを特徴とするヘッドスライダの耐衝撃性評価装置。
  3. 慣性力が加わった場合の耐衝撃性を評価するヘッドスライダの耐衝撃性評価装置であって、
    前記ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との隙間パラメータ、前記ヘッドスライダに付与される荷重および前記ヘッドスライダと前記記録媒体との相対速度を含む初期情報にもとづいて、前記ヘッドスライダの安定浮上時における前記記録媒体からの垂直方向の浮上量、および、前記ヘッドスライダの安定浮上時における、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面が前記記録媒体と なす角度を含む初期姿勢情報を算出する初期姿勢情報算出部と、
    前記ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出する剛性係数算出部と、
    前記初期姿勢情報および前記膜剛性係数の関係が、前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
    2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
    の関係であることを満たす場合に前記ヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する判定部とを備えたことを特徴とするヘッドスライダの耐衝撃性評価装置。
  4. 前記剛性係数算出部は、前記ヘッドスライダの前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に所定距離離れた上流側位置、および、前記ヘッドスライダの前記慣性力が作用する位置から所定距離離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ算出することを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のヘッドスライダの耐衝撃性評価装置。
  5. 前記記録媒体がディスク状媒体であり、前記初期姿勢情報および前記膜剛性係数の関係が、前記ディスク状媒体の最も内周側における関係であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のヘッドスライダの耐衝撃性評価装置。
  6. 慣性力が加わった場合の耐衝撃性を評価するヘッドスライダの耐衝撃性評価方法であって、前記ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との隙間パラメータ、前記ヘッドスライダに付与される荷重および前記ヘッドスライダと前記記録媒体との相対速度を含む初期情報にもとづいて、前記ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出するステップと、
    前記ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出するステップと、
    前記初期姿勢情報および前記膜剛性係数が、前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライ
    ダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとし、
    前記下流側位置における、前記記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、
    前記ヘッドスライダの安定浮上時における、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面が前記記録媒体となす角度をθpとしたとき、
    ((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
    の関係、または、
    前記下流側位置と、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、前記記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
    ((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
    の関係、または、
    前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
    2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
    の関係のうちのいずれかの関係を満たす場合に前記ヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定するステップとを備えたことを特徴とするヘッドスライダの耐衝撃性評価方法。
  7. 慣性力が加わった場合の耐衝撃性を評価するヘッドスライダの耐衝撃性評価プログラムであって、コンピュータに、
    前記ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との隙間パラメータ、前記ヘッドスライダに付与される荷重および前記ヘッドスライダと前記記録媒体との相対速度を含む初期情報にもとづいて、前記ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出するステップと、
    前記ヘッドスライダと記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出するステップと、
    前記初期姿勢情報および前記膜剛性係数が、前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとし、
    前記下流側位置における、前記記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、
    前記ヘッドスライダの安定浮上時における、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面が前記記録媒体となす角度をθpとしたとき、
    ((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
    の関係、または、
    前記下流側位置と、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、前記記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
    ((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
    の関係、または、
    前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
    2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
    の関係のうちのいずれかの関係を満たす場合に前記ヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定するステップとを実行させることを特徴とするヘッドスライダの耐衝撃性評価プログラム。
  8. ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状を設計する設計装置であって、
    所定の形状情報にもとづいて、前記ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出する初期姿勢情報算出部と、
    前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出する剛性係数算出部と、
    前記初期姿勢情報および前記膜剛性係数が、前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとし、
    前記下流側位置における、前記記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、
    前記ヘッドスライダの安定浮上時における、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面が前記記録媒体となす角度をθpとしたとき、
    ((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
    の関係、または、
    前記下流側位置と、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、前記記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
    ((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
    の関係、または、
    前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1 離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
    2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
    の関係のうちのいずれかの関係を満たす場合に前記ヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する判定部と、
    前記判定部で耐衝撃性が良いと判定された際の前記形状情報を出力する出力部と、
    前記形状情報を剛性係数と耐衝撃性との関係から耐衝撃性がよくなる方向に微小変更する形状情報変更部とを備えたことを特徴とするヘッドスライダの設計装置。
  9. ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状を設計する設計方法であって、
    所定の形状情報にもとづいて、前記ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出する第1のステップと、
    前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出する第2のステップと、
    前記初期姿勢情報および前記膜剛性係数が、前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとし、
    前記下流側位置における、前記記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、
    前記ヘッドスライダの安定浮上時における、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面が前記記録媒体となす角度をθpとしたとき、
    ((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
    の関係、または、前記下流側位置と、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、前記記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
    ((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
    の関係、または、
    前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾
    性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
    2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
    の関係のうちのいずれかの関係を満たす場合に前記ヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する第3のステップと、
    前記第3のステップで耐衝撃性が良いと判定された場合に前記形状情報を出力し、前記第3のステップで耐衝撃性が良いと判定されない場合に前記形状情報を微小変更して前記第1のステップに戻る第4のステップとを備えたことを特徴とするヘッドスライダの設計方法。
  10. ヘッドスライダの記録媒体に対向すべき面の形状を設計する設計プログラムであって、コンピュータに、
    所定の形状情報にもとづいて、前記ヘッドスライダの安定浮上時における初期姿勢情報を算出する第1のステップと、
    前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された弾性層の膜剛性係数を算出する第2のステップと、
    前記初期姿勢情報および前記膜剛性係数が、前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとし、 前記下流側位置における、前記記録媒体からの垂直方向の浮上量をXhとし、
    前記ヘッドスライダの安定浮上時における、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面が前記記録媒体となす角度をθpとしたとき、
    ((L1+L2)tanθp/Xh)≦((KtL2/KlL1)−1)
    の関係、または、
    前記下流側位置と、前記ヘッドスライダの前記記録媒体に対向すべき面の下流側端部との、前記記録媒体に平行方向の距離をLtとしたとき、
    ((KtL2/KlL1)−1)<((L1+L2)/Lt)
    の関係、または、
    前記ヘッドスライダに対して前記慣性力が作用する位置から空気流入端方向に距離L1離れた上流側位置、および、前記慣性力が作用する位置から空気流出端方向に距離L2離れた下流側位置における、前記ヘッドスライダと前記記録媒体との間に形成された前記弾性層の前記膜剛性係数をそれぞれ、Kl、Ktとしたとき、
    2.5≦(KtL2/KlL1)<11.0
    の関係のうちのいずれかの関係を満たす場合に前記ヘッドスライダの耐衝撃性が良いと判定する第3のステップと、
    前記第3のステップで耐衝撃性が良いと判定された場合に前記形状情報を出力し、前記第3のステップで耐衝撃性が良いと判定されない場合に前記形状情報を微小変更して前記第1のステップに戻る第4のステップとを実行させることを特徴とするヘッドスライダの設計プログラム。
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