JP3829214B2 - プラズマ切断トーチへのガス供給系統 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマトーチへのガス供給系統に関する。
酸素を含有した作動ガス(プラズマガス)を使用したプラズマ切断法は、低合金鋼や低炭素鋼(軟鋼)の切断に好適である。このプラズマ切断法では、プラズマトーチ内の電極が酸素に晒されるため、その電極材料(電極先端に取りつけられる耐熱インサートの材料)としてハフニウムが最適であることが知られている(特許文献1)。ハフニウムは、酸化物になると融点が2800〜2900℃位まで上昇して優れた耐熱性を発揮するからである。現在実用化されている、作動ガスに酸素又は空気を使うプラズマ切断機では、殆ど全て、電極にハフニウムが使用されている。また、ジルコニウムもハフニウムとほぼ同等な性質を有するので、酸化雰囲気中での電極材料に適する。
さて、プラズマ切断では、アーク発生に伴いノズルと電極が消耗する。ノズルと電極の消耗原因は多々あるが、酸化性の作動ガスを用いた場合のアークそれ自体が原因となる消耗形態は次の通りである。
第1に、最初にパイロットアーク(電極とノズル間)を点火したとき、電極とノズルが消耗する。パイロットアークを点火した瞬間、電極材料のハフニウムの表面温度が室温から3000℃を超える高温に瞬時に上昇し、その際にハフニウムが急速消耗する。この過度状態においては、0.1秒程度であっても、ハフニウムの消耗は、その後にハフニウムが高温で安定した状態の1分程度の消耗に相当することがある。また、パイロットアーク(電極とノズル間)が存在する間、ノズルは切断時のワークと同様の状況におかれ、酸化雰囲気中で溶損する。
第2は、メインアーク(電極とワーク間)が確立して切断を行っているときの電極の消耗である。切断中は電極のハフニウムは高温で安定するので、パイロットアーク点火時に比べれば消耗速度は低いが、消耗は進行し、ローソクが短くなるように徐々にハフニウムが消耗していく。
このアークによる電極やノズルの消耗という問題に対して、特許文献2は、スタート時(パイロットアーク点火時だけでなく、その後メインアークが確立してピアッシングを行っている期間も含む)には酸素濃度が70〜10モル%の酸素・窒素混合ガスを作動ガスとして流し、その後に酸素ガスに切換えるプラズマ切断スタート方法を開示している。また、特許文献3は、パイロットアーク点火時には窒素ガスを流し、その後に酸素ガスへ切り替えるというプラズマ切断スタート方法を開示している。このように、パイロットアーク点火時には作動ガスの酸素濃度を低めるか又は酸素を無くすことによって、パイロットアーク点火時のハフニウム電極又はノズルの消耗を低減することができる。
また、特許文献4には、切断終了時に作動ガスの酸素濃度を95モル%以下に落すことで切断終了時の電極消耗を低減する技術が開示されている。
特公昭49−8622号公報 特開昭61−92782号公報 特開平3−258464号公報(米国特許487747号) 特公平1−9112号公報
上述したように、特許文献2や特許文献3は切断スタート時に、また、特許文献4は切断終了時に、電極又はノズルの消耗を低減する目的で、作動ガスの酸素濃度を低減するか又は純窒素ガスを使用している。しかし、いずれの従来技術も、切断中の作動ガスについては、純酸素ガスを用いる(特許文献2、特許文献3)か、又は酸素濃度95モル%以上という極めて高い酸素濃度の作動ガスを用いている(特許文献4)。そのため、切断中のハフニウム電極の消耗を有効に抑えることはできない。
このように、従来技術において、ハフニウム電極を用いた酸化性の作動ガスによるプラズマ切断において、切断中は純酸素ガス又はそれに匹敵する高酸素濃度の作動ガスを用いる理由は、次の通りと考えられる。
第1に、純酸素ガスを用いたとしても、(頻繁な電極交換による高いランニングコストという問題はあるにせよ)ハフニウム電極の寿命は格別大電流のプラズマでない限り数時間以上はもつから実用にはなる。一方、電極消耗を低減するため作動ガスの酸素濃度を低下させたとすると、それに伴って切断品質が低下していく。切断品質の低下は軽視できない問題である。そこで、高いランニングコストを許容してでも、最良の切断品質を得るために純酸素ガスを用いるのである。
第2に、仮に作動ガスとして純酸素ではなく、酸素に例えば窒素を加えた混合ガスを用いようとした場合、従来の作動ガス供給系統では、切断中に各ガス流量が変化してしまうので、酸素・窒素の混合比を切断中ずっと最適値に維持しておくことができない。すなわち、従来のガス供給・系統は、ガス流量を目標値に設定するために、次の2つの方法のいずれかを採用している。第1は、減圧弁でトーチに供給するガス圧を目標値に設定する方法である。第2は、ニードルバルブと流量計で流量を目標値に設定する方法である。いずれの方法でも、トーチ内の圧損が一定であって始めて、ガス流量は目標値一定に維持される。ところが、切断中は、ノズルの劣化や電極の消耗が生じるため、トーチ内の圧損が変化していき、それに伴いガス流量も目標値から外れていく。具体的には、切断の進行に伴ってトーチ内の圧損は減っていくので、ガス流量は次第に増加していく。例えば、切断開始時の新品状態に比較して切断終了時には3倍も流量が増加したケースもある。このように、切断中、ガス流量が変化してしまうため、作動ガスの酸素濃度を最適値に一定に保つことができない。そこで、切断中は、単なる純酸素ガスを作動ガスとして用いる。
しかし、電極の消耗が低減できればそれに越したことはない。特に、大電流300A程度の酸素プラズマになると、ハフニウム電極の寿命は2時間程度まで短くなるので、頻繁な電極交換によるランニングコストの増大や作業能率に低下は軽視できなくなる。
従って、本発明の目的は、プラズマ切断において、ノズルや電極の消耗を低減するための新規な作動ガス供給技術を提供することにある。
本発明の別の目的は、プラズマ切断中に作動ガス組成を一定に維持するための新規なガス供給系統を提供することにある。
本発明の一つの観点に従うプラズマトーチのためのガス供給系統は、ガス源からプラズマトーチへガスを流すガス流路と、このガス流路に設けられた、ガス流量を設定するための流量調節バルブと、流量調節バルブの前後の差圧を一定に保つように作用する定差圧弁とを備える。
このガス供給系統によれば、切断開始時や切断中にプラズマトーチのノズル劣化(例えば、パイロットアークによりノズル径が広がるなど)や電極消耗によりトーチ内の圧損(つまり、ガス流に対する抵抗)が低下してガスが流れ易くなっても、流量調節バルブの前後の差圧が一定に保たれるため、ガス流量は一定に維持される。そのため、従来はプラズマトーチのノズル劣化や電極消耗が生じると、ガス流量が増加して切断品質が落ちるため、ノズルなどをすぐに交換しなければならなかったのに対し、本発明では、ノズル劣化や電極消耗が多少生じても、ガス流量は増加しないので切断品質が従来ほどには顕著に低下しないため、ノズルなど消耗品の交換を遅らせることができる。つまり、消耗部品の寿命が実質的に伸びる。
本発明の別の観点に従うプラズマトーチのためのガス供給系統は、複数のガス源からプラズマトーチへ複数ガスの混合ガスを供給するためのガス供給系統であって、複数のガス源からプラズマトーチへそれぞれのガスを流すものであって、プラズマトーチの上流で合流して混合ガス流路となる複数の単一ガス流路と、各単一ガス流路に設けられた、それぞれのガス流量を設定するための流量調節バルブと、各流量調節バルブの前後の差圧を一定に保つように作用する定差圧弁とを備える。
この混合ガスのガス供給系統によれば、上記したガス供給系統の利点に加え、切断中に混合ガスの各ガス濃度を一定に維持することができるという利点が得られる。このガス供給系統を、上述したプラズマ切断方法又は装置における酸素と窒素を含有した混合ガスの供給系統に利用すれば、酸素と窒素の濃度を切断中ずっと最適値に維持できるので、上述した良好な切断品質を維持しつつ電極消耗を低減するという効果を保証することができる。
好適な実施形態では、酸素ガス源と窒素ガス源とから上述した構成の窒素・酸素混合ガスの供給系統が伸びていると共に、窒素ガス源からは更に窒素ガスの供給系統が分かれて伸びている。そして、窒素ガスの供給系統と窒素・酸素混合ガスの供給系統とは、プラズマトーチの上流で合流している。この構成により、例えば、パイロットアークからメインアークへ移行するときに、窒素・酸素混合ガスの供給系統を開くだけで、プリフローとしての窒素ガスから、メインフローとしての窒素・酸素混合ガスへ切り替えることができる。
好適な実施形態では、定差圧弁で流量を一定に保つように構成されたガス供給系統の定差圧弁の下流に、プラズマトーチへの供給圧力の上限を設定するための減圧弁が更に設けられている。これにより、アーク起動のためガス供給を開始したときに、ガス源からの過大なガス圧でなく、減圧弁で設定した適度に低いガス圧がプラズマトーチへ加わることになり、アーク着火が安定して行えるとともに、アーク着火後のガス流量も短時間で安定するので、速やかに切断に取り掛かることができる。
好適な実施形態では、(1)パイロットアークを点火するときのプリフローの区間には、前記窒素ガス、又は空気以上に窒素濃度の高い前記窒素ガスと前記酸素ガスを含有した混合ガスを前記プラズマトーチに供給し、(2)ワークを切断中のメインフローの区間には、前記酸素ガスと前記窒素ガスを含有した混合ガスを前記プラズマトーチに供給する。パイロットアーク点火時には、窒素濃度の高い作動ガスを用いるため、電極やノズルの消耗が低減され、また、切断中は、純酸素ではなく、酸素と窒素を含有した混合ガスを作動ガスとして用いるため、電極の消耗が抑制される。更に、発明者の実験と研究によれば、プラズマ切断においては、作動ガスの酸素純度は、従来考えられていた程には切断品質に対してクリティカルに影響しないため、窒素を添加することにより酸素濃度を若干低めても、切断品質を実質的に低下させることなく、電極消耗を低減することができる。
電極材料には、純金属よりも酸化物と窒化物の方が融点の高い金属材料が好ましい。好適な実施形態では、ハフニウム、ジルコニウム又はそれらの合金を用いる。ハフニウムやジルコニウムは、酸化物で2800℃以上の融点をもち、窒化物になると更に融点が上がって3000℃以上になる。このような電極材料を用いた場合、本発明のプラズマ切断方法は特に優れた効果を発揮する。何故なら、切断中、酸素と窒素を含有した混合ガスを用いるため、電極表面は窒化物となって高い融点をもつことになり、一層耐久性が増す。
好適な実施形態では、切断中に供給する混合ガスは、酸素濃度が70〜95モル%、窒素濃度が30〜5モル%である。特に、酸素濃度が80モル%以上、窒素濃度が5〜10モル%以上が望ましい。酸素濃度が70モル%以上であれば、切断品質の低下は軽視でき、窒素濃度が5モル%以上であれば、特に電極材料がハフニウム又はジルコニウムの場合、純窒素に近い良好な電極消耗低減効果が得られる。
好適な実施形態では、さらに、切断が終わってメインアークを消そうとする時以降(ポストフローの区間)にも、窒素ガス、空気、又は空気以上に窒素濃度の高い混合ガスを作動ガスとして供給する。これにより、特に電極材料がハフニウム又はジルコニウムの場合、電極表面が融点の極めて高い窒化物となって終わるため、次の切断でパイロットアークを点火したときの電極消耗が抑制される。
図1は、本発明の一実施形態にかかるプラズマ切断装置の概略的な構成を示す。
プラズマトーチ1は全体として概略的に円筒形であり、その中心位置に概略円柱形の電極3を有し、この電極3のプラズマアーク発生点となる先端部には、プラズマアークの高熱に耐え得る高融点材料製、例えばハフニウム製(又はジルコニウム製、又はそれらの合金製)の耐熱インサート5を有している。以下、このハフニウム製の耐熱インサート5を「ハフニウム電極」と呼ぶ。電極消耗が発生するのはこのハフニウム電極5の部分である。ここで、ハフニウムはそれ自体の融点は2200℃程度であるが、酸化物(HfO2)になると融点が2800〜2900℃程度に高まり、窒化物(HfN)になると融点が3300℃程度にまで更に高まるという特性を有する(ジルコニウムも同様の特性をもつ)。この酸化物や窒化物になると融点が3000℃前後に高まり、特に酸化物より窒化物の方が融点が高いという特性は、後述するように、電極消耗を低減するために利用される。
電極3には、その外側に概略円筒形のノズル7が被さり、電極3とノズル7との間に作動ガス通路6が形成されている。図示しない作動ガス供給系統から、作動ガス8がノズル基端側から作動ガス通路6内に供給されてノズル先端へ向かって流れる。ノズル7の先端部には、プラズマアークを十分に細く絞ってジェット流にして先方へ噴出するための、十分に細い口径をもったノズルオリフィス9が開けられている。
トーチ1の先方に、切断されるワーク10が配置される。プラズマ電流を供給するためのプラズマ電源11のマイナス端子が電極3に接続され、プラス端子がワーク10に接続される。また、プラズマ電源11のプラス端子が、スイッチ13を介してノズル7に接続される。
切断を開始するときの手順は概略次の通りである。まず、作動ガス8が所定の流量及び圧力で作動ガス通路6に流され、そして、スイッチ13を閉じられて電源11からの高電圧が電極3とノズル7との間に印加される。すると、電極3とノズル7との間で作動ガス8の絶縁が破壊されてパイロットアーク15が形成される。パイロットアーク15のエネルギーで作動ガス8はプラズマ化され、そのプラズマガスがノズルオリフィス9から先方へ噴出する。同時に、パイロットアーク15がプラズマガス流に押し流されてノズルオリフィス9を通り抜けワーク21へ繋がる(移行アーク17)。この時、ワーク10を通って流れた電流19に応答してスイッチ13が開かれ、電極3とワーク10との間にメインのプラズマアーク21が確立する。続いて、このメインアーク21によりワーク10の切断が開始される。
図2は、切断の開始から終了までにおける、トーチ1への作動ガスの供給方法の一例をアーク電流の変化とともに示す。
図2に示すように、作動ガス流は、「プリフロー」、「メインフロー」及び「ポストフロー」の3種類に分けられる。プリフローは、パイロットアークを点火する直前からパイロットアークがメインアークに移行するまでの区間(以下、「パイロットアーク点火時」という)で流される。メインフローは、パイロットアークがメインアークに移行してから、切断を行っている区間(以下、「切断中」という)で流される。ポストフローは、切断終了後にメインアークを消そうとする直前から、メインアークが消えた後ハフニウム電極の温度が酸化反応しない温度に下がるまでの区間(以下、「切断終了時」という)で流される。
図2に示すように、パイロットアーク点火時には、プリフローとして純窒素ガスが比較的に小さい流量又は低い圧力でトーチ1に供給される。切断中は、メインフローとして、酸素と窒素の混合ガスが比較的に大きい流量又は高い圧力でトーチ1に供給される。この混合ガス中の酸素濃度は70〜95モル%(望ましくは80モル%以上)、窒素濃度が30〜5モル%(望ましくは5〜10モル%以上)である。切断が終わると、メインアークを消す直前から、ポストフローとして、プリフローと同様に純窒素ガスが比較的に小さい流量又は低い圧力で供給する。
パイロットアーク点火時には、酸素を実質的に含まない純窒素ガス中でパイロットアークが形成されるので、ノズル及びハフニウム電極の消耗が低減される。また、切断終了時にも純窒素ガスを流すことにより、ハフニウム電極の表面が融点の高い窒化物となった状態で終わるため、次の切断を開始するためパイロットアークを点火した際、ハフニウム電極の消耗が抑制される。
また、切断中は、酸素に窒素を添加した混合ガスを使用するため、ハフニウム電極の消耗が低減される。前述のように、ハフニウムは酸化物より窒化物の方が融点が高いため、作動ガスに窒素を添加することでハフニウム電極の消耗が効果的に低減される。発明者の実験によれば、作動ガス中の窒素濃度が10〜5モル%程度を境界域として、その境界域より低いと、ハフニウム電極の消耗はクリティカルに増大するが、その境界域より高いと、純窒素ガスと遜色のない良好な電極消耗抑制効果が得られた。一方、切断品質に関しては、発明者の実験によれば、プラズマ切断では酸素純度は従来考えられていた程にはクリティカルな要因ではなく、酸素濃度が70モル%以上(望ましくは80モル%以上)であれば、実用に耐えられる良好な切断品質が確保できることが分かった(因みに、レーザ切断やガス切断では、例えば酸素濃度99.90モル%と99.99モル%では切断品質が大いに異なり、酸素純度の高さはクリティカルに切断品質に影響する。)。従って、酸素濃度が70〜95モル%(望ましくは80モル%以上)、窒素濃度が30〜5モル%(望ましくは5〜10モル%以上)の混合ガスを用いることにより、電極消耗の低減と良好な切断品質という2つの目的を両立させることができる。
以上の原理に基づけば、図2に示した作動ガス供給方法の他にも、種々の作動ガス供給方法を用いることができる。図3〜図8は、そうした他の作動ガス供給方法の例を示す。
図3の方法は、トーチに供給される作動ガスの組成は図2の方法と同じであるが、作動ガス供給系統でのガスの流し方が若干異なる。すなわち、図2の方法では、プリフローからメインフローへ移行するとき、純窒素ガスを止めて酸素・窒素混合ガスを開始し、メイフローからポストフローへ移行するとき、上記と逆のガス切り替えを行う(後述する図10に示すガス供給系統を用いる)。これに対し、図3の方法では、プリフローからメインフロー及びポストフローまで、純窒素ガスを流しつづけると共に、メインフローの間だけ、純酸素ガスも流して、この純酸素ガスと純窒素ガスとをトーチの上流側で混合する(後述する図9に示すガス供給系統を用いる)。
図4の方法では、プリフロー、メインフロー及びポストフローのいずれにおいても、窒素と酸素の混合ガスを流す。メインフローでの酸素と窒素の濃度は図2の方法と同様、つまり酸素濃度が70〜95モル%(望ましくは80モル%以上)、窒素濃度が30〜5モル%(望ましくは5〜10モル%以上)である。一方、プリフローとポストフローでは、メインフロー以上の窒素濃度をもった作動ガス、望ましくは空気(窒素濃度が約80モル%)と同等かより高い窒素濃度をもった作動ガスを流す。
図5の方法では、プリフローとポストフローで空気(窒素濃度が約80モル%)を流し、メインフローでは図2のメインフローと同様の酸素・窒素濃度もった酸素・空気混合ガスを流す。
図6の方法では、トーチに供給されるガス組成は図5の方法と同じであるが、プリフロー、メインフロー及びポストフローで空気を流しつづけるとともに、メインフローでだけ、純酸素ガスを流して、トーチの上流で純酸素ガスと空気を混合する。
図7の方法では、プリフローとポストフローで純窒素ガスを流し、メインフローでは図5のメインフローと同様の酸素・空気混合ガスを流す。
図8の方法では、プリフローとポストフローで空気(窒素濃度が約80モル%)を流し、メインフローでは図2のメインフローと同様の酸素・窒素混合ガスを流す。
以上のいずれの方法でも、パイロットアーク発生時と切断終了時には窒素を大量に含有した作動ガスを流すので、ハフニウム電極とノズルの消耗が低減される。切断中は、酸素を大量に含有し、窒素を少量含有する作動ガスを用いるため、切断品質を実質的に落とすことなく、ハフニウム電極の消耗を低減できる。ここで重要なことは、ハフニウム電極の窒化物が酸化物より高い融点をもっていることを利用して、切断中や切断終了時にハフニウム電極を積極的に窒化させていること、及び、酸素純度が切断品質に対するクリティカルな要因ではないという新規な知見に基づいて、切断品質に実質的な影響を及ぼさない範囲で切断中の酸素濃度を若干落とし、代わりに窒素を添加していることである。
図9は、図3に示した作動ガス供給方法で用いる作動ガス供給系統の構成を示す。図10は、図2に示した作動ガス供給方法で用いる作動ガス供給系統の構成を示す。
図9の作動ガス供給系統は、常に一定流量の純酸素ガスを供給する定流量酸素供給系統30と、常に一定流量の純窒素ガスを供給する定流量窒素供給系統50とを有し、この2つの定流量ガス供給系統30、50からの酸素と窒素を混合器45で混合してトーチ1に供給できるようになっている。定流量酸素供給系統30と定流量窒素供給系統50の各々の最下流部には、トーチ1への供給圧力の上限値を設定するための減圧弁43,63と、その下流で各系統を開閉するソレノイド弁45,65とが設けられている。定流量窒素供給系統50は、プリフロー、メインフロー及びポストフローの全区間を通じて開かれたままである。定流量酸素供給系統30は、メインフローの区間だけ開かれる。
図10の作動ガス供給系統は、常に一定の酸素・窒素濃度をもつ酸素・窒素混合ガスをトーチ1に供給する定濃度混合ガス供給系統70と、この定濃度混合ガス供給系統70よりも低圧力で小流量の純窒素ガスを供給する窒素供給系統80とを有する。定濃度混合ガス供給系統70と窒素供給系統80の各々の最下流部には、トーチ1への供給圧力の上限値を設定するための減圧弁75,81と、その下流で各系統を開閉するソレノイド弁77,83とが設けられている。そして、定濃度混合ガス供給系統70と窒素供給系統80とは、定濃度混合ガス供給系統70が開けば逆止弁83によって窒素供給系統80は阻止されるような形態で、トーチ1に接続されている。窒素供給系統80は、プリフロー、メインフロー及びポストフローの全区間を通じて開かれたままである。定濃度混合ガス供給系統70は、メインフローの区間だけ開かれる。
定濃度混合ガス供給系統70は、図9に示したと同様の定流量酸素供給系統30と定流量窒素供給系統50とを有し、この2つの定流量ガス供給系統30、50からの酸素と窒素を混合器71で混合して減圧弁75を通じて供給できるようになっている。
さて、図9及び図10に示した作動ガス供給系統において、注目すべき一つの点は、定流量ガス供給系統30、50の構成である。すなわち、ガスボンベ31,51から下流へ順に、減圧弁33,53、圧力計35,55、流量計37,57、ニードル弁(流量調節弁)39,59、及び定差圧弁41,61が配置されている。そして、定差圧弁41,61は、その圧力モニタ子が流量計37,57の入口とこの差圧弁41,61の出口とに接続されていて、その間の差圧つまりニードル弁39,59の前後の差圧を一定に維持するように作用する。従って、各系統の下流のトーチ1の圧損が切断中に変化しても、ニードル弁39,59の前後の差圧が一定であるため、一定の流量が維持され、よって、酸素・窒素混合ガスの酸素・窒素濃度は適正値に一定に維持される。従って、上述したような切断中の電極消耗の低減や切断品質の維持の効果が保証される。また、従来はノズルなどが劣化すれば全体のガス流量が増加して切断品質が低下するため、ノズル交換を行う必要があったが、本実施形態では、ノズルなどが多少劣化しても、全体のガス流量が一定に維持されるから、切断品質の低下が少なく、よって、ノズル交換を遅らせることができる。つまり、ノズルなどの消耗品の実質的な寿命が延びる。
注目すべき第2の点は、定流量ガス供給系統30,50の定差圧弁41,61の下流に減圧弁43,63,75が存在して、トーチ1への供給圧力の上限値を適当に低い値に設定している点である。すなわち、このような減圧弁が無いと、アーク起動前でガス供給を止めているときには、ガス供給系統の出口圧力は元供給圧力(減圧弁33,53の出口圧力で例えば約10気圧)まで上昇しているので、アーク起動のためソレノイドバルブを開いた途端、その高いガス圧力が瞬間的にトーチ1にかかり、アーク着火が困難になったり、アーク着火後ガス流量が安定するまでに時間がかかり、その間切断ができないといった問題が生じる。しかし、本実施形態では、定差圧弁41,61の下流側の減圧弁43,63,75で、トーチ1にかかる最大圧力を適当な低い値に設定してあるので、安定なアーク着火が可能であり、また、アーク着火後すぐにガス流量が安定するので、速やかに切断に取り掛かれる。
図11は、本発明に従うプラズマ切断方法が適用できる別のプラズマトーチの構成例を示す。
このプラズマトーチ101は、全体として概略的に多重円筒形であり、その中心位置に概略円柱形の電極103を有し、この電極103の外側に概略円筒形のノズル105が被さり、ノズル105の外側に概略円筒形の第1のノズルキャップ107が被さり、更に、第1のノズルキャップ107の外側に概略円筒形の第2のノズルキャップ109が被さっている。2つのノズルキャップ107、109は、ノズル105から電気的に絶縁されている。
電極103はその内部に、冷却水が通る冷却水路111を有し、そのプラズマアークの発生点となる先端部には、ハフニウム製やジルコニウム製などの耐熱インサート119を有している。
電極103とノズル105との間には作動ガス通路113が形成されており、作動ガスは図示しない作動ガス供給系統によってトーチ基端側から作動ガス通路113内に供給されてトーチ先端へ向かって流れる。作動ガス通路113の途中に環状の作動ガススワラ121がはめ込まれており、この作動ガススワラ121を通るときに作動ガス流は旋回流となる。ノズル105の先端部には、プラズマアークを十分に細く絞ってジェット流にして先方へ噴出するための、十分に細い口径をもったノズルオリフィス131が開けられている。ノズル105はこれを冷却するための冷却水路も有するが、図11では図示省略してある。
ノズル103と第1ノズルキャップ107との間に二次ガス通路115が形成されており、二次ガスは図示しない二次ガス供給系統によってトーチ基端側から二次ガス通路115内に供給されてトーチ先端へ向かって流れる。二次ガス通路115の途中に環状の二次ガススワラ123がはめ込まれており、この二次ガススワラ123を通るときに二次ガス流は旋回流となる。二次ガス旋回流の旋回方向は作動ガス旋回流の旋回方向と同一である。第1ノズルキャップ107の先端部には、二次ガスが噴出する二次ガス噴出口133が開けられている。この二次ガス噴出口133の口径はノズルオリフィス131の口径よりも大きい。つまり、この二次ガス噴出口133はノズルオリフィス131を包囲した環状の開口である。
第1ノズルキャップ107と第2ノズルキャップ109との間に三次ガス通路117が形成されており、三次ガスは図示しない三次ガス供給系統によってトーチ基端側から三次ガス通路117内に供給されてトーチ先端へ向かって流れる。三次ガス通路117の途中に環状の三次ガススワラ125がはめ込まれており、この三次ガススワラ125を通るときに三次ガス流は旋回流となる。三次ガス旋回流の旋回方向は作動ガス旋回流の旋回方向と同一である。第2ノズルキャップ109の先端部には、三次ガスが噴出する三次ガス噴出口135が開けられている。この三次ガス噴出口135の口径は二次ガス噴出口31の口径よりも大きい。つまり、三次ガス噴出口135は二次ガス噴出口133を包囲した環状の開口である。
ここで、ノズル105、第1ノズルキャップ107及び第2ノズルキャップ109という、いずれも電極103を囲み且つガスの噴出口を有した筒状の3種類の部品が存在するが、本明細書で「ノズル」という用語と「ノズルキャップ」という用語は、全く異なる役割をもつ部品を指す意味で用いることに注意されたい。すなわち、「ノズル」とは、プラズマアークを拘束し絞るための最も細いガス噴出口を有した部品であり、「ノズル」の上流側(内側)から供給されるガスは、(それが複数あっても)全てプラズマ化され、その意味で作動ガス又はプラズマガスと呼ばれる。一方、「ノズルキャップ」は、「ノズル」より下流側(外側)に存在し、ノズルのガス噴出口(ノズルオリフィス)より口径の大きいガス噴出口を有し、ノズルキャップとノズルとの間のガス通路からそのガス噴出口へ供給されるガスはプラズマ化されることはなく、シールドガスとしてプラズマアークを包囲する。本実施形態における二次ガス及び三次ガスはシールドガスとして機能する。このことは、例えば特開平9−239545号や特開平10−314951号に開示された多重構造の「ノズル」をもったプラズマトーチと混同することなく、本実施形態を理解する上で重要である。
さて、上記構造のプラズマトーチ101において、切断中、電極103の先端部近傍へ流れて来た作動ガス旋回流はここでプラズマ化され、ノズルオリフィス131を通って十分に細く絞られた高速ジェット流のプラズマアークとなってトーチ先方へ向かって噴出する。二次ガス噴出口133からは、二次ガス旋回流がトーチ先方へ向かってプラズマアークの外周に噴出して、プラズマアークの外周に二次ガスカーテンを形成する。三次ガス噴出口135からは、三次ガス旋回流がトーチ先方へ向かって二次ガスカーテンの外周に噴出して、二次ガスカーテンの外周に三次ガスカーテンを形成する。このように、作動ガスのプラズマアークを中心に、その外周を二次ガスカーテンが囲み、その外周を三次ガスカーテンが囲んだ3層構造のガス流が形成される。
ここで、作動ガスには、図2から図8に例示したような組成のガスが使用される。二次ガスには、酸素濃度が空気以下のガス、例えば、純窒素のような非酸化性のガス、空気、又は酸素と窒素の混合ガスであって酸素濃度が20モル%以下のもの等が使用される。三次ガスには、酸素濃度が空気以上のガス、例えば、純酸素ガス、酸素と窒素の混合ガスであって酸素濃度が20モル%以上のもの、又は酸素と空気の混合ガス等が使用される。
図2は、切断中の作動ガス、二次ガス及び三次ガスの酸素濃度の一例をプラズマアーク中心からの半径方向の距離を横軸にとり模式的に示している。図2の例では、作動ガスとして酸素濃度が90モル%の酸素・窒素(又は酸素・空気)混合ガス、二次ガスとして純窒素ガス、三次ガスとして純酸素ガスを用いた場合を示している。図示のように、プラズマアーク(作動ガス)は高い酸素濃度を有するが、その外側は酸素濃度が空気以下に一旦低下し(二次ガスカーテン)、更にその外側は酸素濃度が再び空気より濃くなる(三次ガスカーテン)。このように、切断中は、作動ガスの酸素濃度をN1、二次ガスの酸素濃度をN2、三次ガスの酸素濃度をN3とすると、N1>N2及びN2<N3の条件が満たされるように、各ガスの組成が選ばれる。
このように切断中のガス組成を選ぶと、プラズマアークを酸素濃度の低い二次ガスカーテンが囲むため、低温で酸素濃度の低い二次ガスカーテンの領域で燃焼反応が抑えられ切断現象が進行しなくなるため、プラズマアークによる熱源(ワークの金属を溶かし切断することができる高温かつ酸素濃度の高い領域)の分布が、二次ガスカーテンで囲まれたプラズマアークの形に沿ったシャープなものとなるため、酸素プラズマ切断におけるバーニングの問題が低減され、シャープな切れ味が得られる。これに加え、二次ガスカーテンの外周を、空気より酸素リッチな三次ガスカーテンが覆っているため、切断直後の切断面やその近傍に残っているドロスの酸化が三次ガスにより促進される。ドロスは、酸化が促進すると表面張力が低下し流動性が高まるので、三次ガス噴流の力で容易に吹き飛ばされ、よってドロスの付着が低減する。また、切断面に多少のドロスが付着したまま凝固し残ったとしても、酸化が進んでいるために容易に剥離することができる。特に、酸素濃度の低い二次ガスカーテンによってバーニングが防止されるため、バーニングの制限を受けることなく、三次ガスの酸素濃度を高めて大量の酸素をワークの切断溝に供給することができる。結果として、バーニングも無く且つドロスの付着も少ない高い切断品質が得られる。
更に、図11のトーチ101では、プラズマアークを旋回流にすると共に、その外周の二次ガスカーテン及び三次ガスカーテンをプラズマアークの旋回流と同一方向に旋回する旋回流としている。こうすると、二次ガスカーテン及び三次ガスカーテンの旋回強度(流量)を調節することで、切断面のベベル角を大きい可変範囲にわたって調節することが可能である。このベベル角調節機能があることによって、バーニングやドロスの点での切断品質向上だけでなく、所望のベベル角(典型的には0度)が得られることになり、一層の切断品質向上効果が得られる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これらの実施形態はあくまで本発明の説明のための例示であり、本発明をこれら実施形態にのみ限定する趣旨ではない。従って、本発明は、上記実施形態以外の様々な形態でも実施することができる。
本発明の一実施形態にかかるプラズマ切断法で使用するプラズマトーチの概略構成を示す図。
切断の開始から終了までにおける作動ガスの供給方法の第1の例をアーク電流の変化とともに示すタイムチャート。
切断の開始から終了までにおける作動ガス流の供給方法の第2の例を示すタイムチャート。
切断の開始から終了までにおける作動ガス流の供給方法の第3の例を示すタイムチャート。
切断の開始から終了までにおける作動ガス流の供給方法の第4の例を示すタイムチャート。
切断の開始から終了までにおける作動ガス流の供給方法の第5の例を示すタイムチャート。
切断の開始から終了までにおける作動ガス流の供給方法の第6の例を示すタイムチャート。
切断の開始から終了までにおける作動ガス流の供給方法の第7の例を示すタイムチャート。
図3に示した作動ガス供給方法で用いる作動ガス供給系統の構成を示す系統図。
図2に示した作動ガス供給方法で用いる作動ガス供給系統の構成を示す系統図。
本発明の一実施形態にかかるプラズマ切断法で使用することができる別のプラズマトーチを示す断面図。
切断中の作動ガス(プラズマアーク)、二次ガス及び三次ガスのガス組成例を、プラズマアークの中心からの半径方向の距離を横軸にとって模式的に示した説明図。
符号の説明
1 プラズマトーチ
3 電極
5 耐熱インサート(ハフニウム電極)
6 作動ガス通路
7 ノズル
8 作動ガス
9 ノズルオリフィス
15 パイロットアーク
17 移行アーク
21 メインアーク
31、51 ガスボンベ(ガス源)
33,53、43、63、75、81 減圧弁
39、69 ニードル弁(流量調節弁)
41、61 定差圧弁
45、65、77、83 ソレノイドバルブ
85 逆止弁

Claims (9)

  1. ガス源からプラズマトーチへガスを供給するためのガス供給系統において、
    前記ガス源から前記プラズマトーチへガスを流すガス流路と、
    前記ガス流路に設けられた、ガス流量を設定するための流量調節バルブと、
    前記ガス流路に設けられた、前記流量調節バルブの前後の差圧を一定に保つように作用する定差圧弁と
    を備えたプラズマトーチのためのガス供給系統。
  2. 前記定差圧弁の下流に、前記プラズマトーチへの供給圧力の上限を設定する減圧弁を更に供えた請求項1記載のガス供給系統。
  3. 複数のガス源からプラズマトーチへ複数ガスの混合ガスを供給するためのガス供給系統において、
    前記複数のガス源から前記プラズマトーチへそれぞれのガスを流すものであって、前記プラズマトーチの上流で合流して混合ガス流路となる複数の単一ガス流路と、
    各単一ガス流路に設けられた、それぞれのガス流量を設定するための流量調節バルブと、
    各単一ガス流路に設けられた、各流量調節バルブの前後の差圧を一定に保つように作用する定差圧弁と
    を備えたプラズマトーチのためのガス供給系統。
  4. 一つのガス源から前記プラズマトーチへ単一のガスを供給する追加の単一ガス流路を更に備え、
    前記プラズマトーチの上流で、前記追加の単一ガス流路と前記混合ガス流路とが合流する、
    請求項3記載のガス供給系統。
  5. 各定差圧弁の下流に、前記プラズマトーチへの供給圧力の上限を設定するための減圧弁を更に備えた請求項3又は4記載のガス供給系統。
  6. 窒素ガス源と、
    前記窒素ガス源から窒素ガスを流す窒素ガス流路と、
    前記窒素ガス流路に設けられた窒素ガス流量調節バルブと、
    前記窒素ガス流路に設けられた、前記窒素ガス流量調節バルブの前後の差圧を一定に保つように作用する窒素ガス定差圧弁と、
    前記窒素ガス流路に設けられた、前記窒素ガス流路を開閉する窒素ガスソレノイド弁と、
    酸素ガス源と、
    前記酸素ガス源から酸素ガスを流す酸素ガス流路と、
    前記酸素ガス流路に設けられた酸素ガス流量調節バルブと、
    前記酸素ガス流路に設けられた、前記酸素ガス流量調節バルブの前後の差圧を一定に保つように作用する酸素ガス定差圧弁と
    前記酸素ガス流路に設けられた、前記酸素ガス流路を開閉する酸素ガスソレノイド弁と、
    前記窒素ガス流路からの前記窒素ガスと前記酸素ガス流路からの前記酸素ガスとを混合して前記プラズマトーチに供給する混合ガス流路と、
    を備え、
    (1) 前記プラズマトーチでパイロットアークを点火するときのプリフローの区間に、前記窒素ガス、又は空気以上に窒素濃度の高い前記窒素ガスと前記酸素ガスを含有した混合ガスを前記プラズマトーチに供給し、
    (2) 前記プラズマトーチで前記ワークを切断中のメインフローの区間に、前記酸素ガスと前記窒素ガスを含有した混合ガスを前記プラズマトーチに供給する、
    ように前記酸素ガス流路及び前記窒素ガス流路を開閉する請求項3記載のガス供給系統。
  7. 窒素ガス源と、
    前記窒素ガス源から窒素ガスを流す窒素ガス流路と、
    前記窒素ガス流路に設けられた窒素ガス流量調節バルブと、
    前記窒素ガス流路に設けられた、前記窒素ガス流量調節バルブの前後の差圧を一定に保つように作用する窒素ガス定差圧弁と、
    酸素ガス源と、
    前記酸素ガス源から酸素ガスを流す酸素ガス流路と、
    前記酸素ガス流路に設けられた酸素ガス流量調節バルブと、
    前記酸素ガス流路に設けられた、前記酸素ガス流量調節バルブの前後の差圧を一定に保つように作用する酸素ガス定差圧弁と
    前記窒素ガス流路からの前記窒素ガスと前記酸素ガス流路からの前記酸素ガスとを混合して前記プラズマトーチに供給する混合ガス流路と、
    前記混合ガス流路に設けられた、前記混合ガス流路を開閉する混合ガスソレノイド弁と、
    前記窒素ガス源から前記プラズマトーチへ前記窒素ガスを供給する追加の窒素ガス流路と、
    前記追加の窒素ガス流路に設けられた、前記追加の窒素ガス流路を開閉する窒素ガスソレノイド弁と、
    を備え、
    (1) 前記プラズマトーチでパイロットアークを点火するときのプリフローの区間に、前記窒素ガス、又は空気以上に窒素濃度の高い前記窒素ガスと前記酸素ガスを含有した混合ガスを前記プラズマトーチに供給し、
    (2) 前記プラズマトーチで前記ワークを切断中のメインフローの区間に、前記酸素ガスと前記窒素ガスを含有した混合ガスを前記プラズマトーチに供給する、
    ように前記混合ガス流路及び前記追加の窒素ガス流路を開閉する請求項4記載のガス供給系統。
  8. 前記メインフローの区間に供給する混合ガスの酸素濃度が70〜95モル%、窒素濃度が30〜5モル%である請求項6又は7記載のガス供給系統。
  9. (3)前記メインフローの区間に後続するポストフローの区間に、前記窒素ガス、又は空気以上に窒素濃度の高い前記窒素ガスと前記酸素ガスを含有した混合ガスを供給するようになっている請求項6〜8記載のガス供給系統。
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