JP3827995B2 - 繊維成形体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、繊維材料を用いて成形体を製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス繊維、炭素繊維、木質繊維など種々の繊維材料を用いてシートなどの成形体を得るには、繊維間に繊維どうしを結合できる結合剤を繊維材料中に混入させて加熱加圧などして成形する。結合剤には、種々の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が用いられており、例えば、これらを粉末、微粉末に形成して繊維体の繊維間に侵入させている。
予備的に繊維束状に成形された繊維材料を用いてシート等の成形体を製造する場合、繊維束の繊維方向に垂直な方向に力を加えて開繊しながら樹脂粉末を降りかけたり吹付けたりして繊維材料中に樹脂粉末を供給する方法がある(特開平9−85744号、特開平6−71646号参照)。しかし、これらの樹脂粉末の供給方法では、樹脂粉末が直接吹付けられたり降りかけられたりする側の繊維材料部分に多量の樹脂粉末が付着し、内部及び背面側における樹脂粉末の付着量が少ない。したがって、繊維材料中における樹脂粉末の濃度が異なってしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では、繊維材料中に結合用樹脂粉体をより均一に供給できる繊維成形体の製造方法を提供することを課題とする。
また、併せて繊維材料中に結合用樹脂粉体をより均一に供給できる繊維成形体の製造装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、繊維成形体を製造する方法であって、開繊された繊維材料に、当該繊維材料を通過し、且つ気流発生手段に連通した気流経路形成手段の閉環状空間内を連続状に循環する気流を用いて樹脂粉体を供給する工程を有する、繊維成形体の製造方法を提供する。
この製造方法によれば、繊維材料を通過する気流を用いて樹脂粉体を供給するため、繊維材料の気流通過方向(厚み方向)の種々の位置に樹脂粉体を供給して付着させることができる。また、連続状に循環する気流を用いることで、気流中の樹脂粉体の濃度分布をより均一にすることができ、繊維材料に均一に樹脂粉体を供給することができる。また、繊維材料中を通過しても繊維材料に付着しなかった樹脂粉体を、閉環状空間内を連続状に循環する気流に乗って繰り返し繊維材料に供給できる。繊維材料中を繰り返し通過する樹脂粉体については、摩擦によって帯電することが期待され、繊維材料に付着しやすくなることが期待される。
【0005】
また、上記製造方法において、前記気流経路形成手段を樹脂粉体貯留手段にも連通することで、前記樹脂粉体を、前記気流に起因する空気の流れによって前記気流中に供給すると、結合用樹脂粉体を気流中に供給するための手段を特に必要としない。また、気流に起因する空気の流れを用いることで連続的に供給したり、気流の状態を変化させることで樹脂粉体の供給量を変化させたりすることができる。
【0006】
また、本発明では、繊維成形体を製造する装置であって、開繊された繊維材料を供給する繊維材料供給手段と、前記繊維材料供給手段から供給された繊維材料中を通過する気流の経路を形成する気流経路形成手段、及び該気流経路形成手段中に気流を発生させる気流発生手段を含む、気流中に樹脂粉体を供給する樹脂粉体供給手段とを備え、前記気流経路形成手段は、前記供給された繊維材料を被包する部位を備えて閉環状に形成されており、当該気流経路形成手段と前記気流発生手段とを互いに連通させることで、樹脂粉体供給手段中を連続状に循環する気流が形成され、前記気流経路形成手段における繊維材料を被包する部位の、繊維材料で横断される断面領域では、繊維材料を通過する経路のみが形成されて、繊維材料を通らない気流経路が形成されない構成であることを特徴とする繊維成形体製造装置を提供する。
これらの製造装置によれば、上述の製造方法によって繊維材料中に樹脂粉体を分散させることができる。
また、この装置において、前記樹脂粉体供給手段によって発生される気流の経路上に樹脂粉体を帯電させる帯電手段が設けられていると、気流とともに移動する樹脂粉体を、帯電手段によって帯電させることができ、繊維材料に樹脂粉体を効率よく付着させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施の形態に係わる繊維成形体の製造装置を示す。図1に示す製造装置1は、繊維材料供給手段3と、樹脂粉体供給手段5と、成形手段7とを備えている。
【0008】
繊維材料供給手段3は、繊維材料を所定の割合、量、あるいは領域などで供給する手段である。本実施形態では、繊維材料を所定の形状に予備成形して連続的に供給する構成とされており、繊維材料供給手段3は、予備成形手段9と移送手段11とを有する。
【0009】
本製造方法で用い得る繊維材料は、ガラス繊維材料、炭素繊維材料、合成樹脂繊維材料、木質繊維材料など公知の種々の繊維状の材料である。繊維長の長い繊維材料や、形状、長さが不均一な材料を用いることもできる。典型的には、成形のために結合剤を添加することが好ましいガラス繊維材料、炭素繊維材料、木質繊維材料に適し、木質繊維材料がより好ましい。木質繊維材料としては、ケナフ、ヤシ、パーム、サイザル麻、マニラ麻、コウゾ、ヘンプ、ワラ、バガスなどの非木材系原料や、広葉樹、針葉樹などの木材原料から得られる生又は乾燥された、あるいは適宜加工が施された種々の原料から取り出された繊維材料を用いることができる。また、機械パルプ、化学パルプ、セミケミカルパルプ、及びこれらのリサイクルパルプ、更には、これらのパルプを原料として合成される人造の各種セルロース系繊維を繊維材料として用いることができる。木質繊維材料は、生分解や、蒸煮、爆砕などの公知の所望の処理方法によって木質原料から取り出されたものを使用することができる。
【0010】
繊維材料供給手段3は、完全に又は部分的に開繊された繊維材料を供給する。繊維材料の開繊の程度は、特に限定されないが、開繊された繊維材料は、繊維間に隙間を備えていることが好ましく、この場合、後述する気流の通過及び樹脂粉体の通過及び付着が良好に行われる。
【0011】
また、繊維材料供給手段3から供給される繊維材料は、好ましくは所定の形状に予備成形されていることが好ましい。予備成形することによって、繊維材料が気流によって飛散又は離散することを抑制し、気流を通過させる工程中及び工程後において所定の形状に保持することができる。予備成形では、例えば、繊維束状に成形したり、この繊維束の繊維方向に垂直な方向に力を加えてほぐされた繊維状に供給したりできる。本実施形態の繊維材料供給手段3は、予備成形手段9によって繊維束状態で供給される木質原料100をエアレイ、カード等の処理によって開繊するとともに、フリースによってマット状に成形する。
【0012】
また、予備成形の代わりに、爆砕等によって開繊された繊維材料を適当な塊にしてその状態を保持可能な部材とともに供給することもできる。例えば、繊維材料をネット状の袋部材に詰めたり、所定の間隔に設けられた対を成す網板状部材間に充填したりすることで、気流が通過可能、且つ気流の通過によって繊維材料が離散し難い状態とすることができる。
【0013】
移送手段11は、予備成形手段9から排出される予備成形体102を受け取って、樹脂粉体供給手段5まで移送する。移送手段11は、本実施形態では、ベルトコンベヤによって形成されており、予備成形体102を連続的に樹脂粉体供給手段5まで移送する。
【0014】
樹脂粉体供給手段5は、繊維材料供給手段3から供給された繊維材料に樹脂粉体110を供給する。樹脂粉体供給手段5は、材料保持手段13、樹脂粉体貯留手段15、気流発生手段17、及び気流経路形成手段19を備えている。
【0015】
材料保持手段13は、繊維材料が離散したり飛散したりすることを抑制して安定に繊維材料を保持する手段である。材料保持手段13は、例えば、繊維材料中に気流を通過させるため、少なくとも気流の流れ方向に垂直な方向に、繊維材料の移動を規制する部材が設けられている構成とすることができる。本実施形態のように、繊維材料がマット状の予備成形体102として供給される場合、材料保持手段13は、マット状の予備成形体102の両面に接触する面部材とすることができる。図1に示すように、本実施形態では、材料保持手段13は、予備成形体102の両面側に配置されたベルトコンベヤのコンベヤベルトによって構成されている。このコンベヤベルトは、繊維材料を保持でき、且つ後述する気流及び樹脂粉体110を挿通可能なメッシュ部材で構成されている。本実施形態の材料保持手段13は、繊維材料供給手段3の移送手段11の延長上に設けられており、繊維材料供給手段3から繊維材料を受け取って、樹脂粉体供給手段5中を移送する移送手段に兼用されている。
【0016】
本製造方法で使用される樹脂粉体は、典型的には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を含有する公知の種々の結合用樹脂の組成を有する材料から構成される。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂等を用いることができる。結合用樹脂粉体は、気流中に分散可能な大きさ、形状に、造粒、粉砕、磨り潰し等任意の工程によって粉状又は微粉状に形成されたものを使用する。なお、他の用途、例えば、補強、着色、防腐等を有する種々の樹脂材料を粉状又は微粉状に形成して用いても良いのはもちろんである。
【0017】
樹脂粉体貯留手段15は、樹脂粉体110を貯留するとともに、樹脂粉体110を供給する手段である。樹脂粉体貯留手段15は、樹脂粉体を供給可能とされていれば良く、粉末状、微粉末状の樹脂を貯留できる貯留槽に限定されず、樹脂を粉末状に成形する手段を備える構成でも良い。
樹脂粉体貯留手段15は、繊維材料に樹脂粉体110を供給できるように、気流経路25と導通して設けられる。本実施形態の樹脂粉体貯留手段15は、樹脂粉体を外部から供給するホッパー27を備える貯留槽21と、気流経路25への導通路15aと導通路15aの開口面積を変化させる回転式の開閉弁とで形成される粉体量制御手段23とから構成されている。粉体量制御手段23は、気流経路25に供給される樹脂粉体の量を制御する手段で、開閉弁や調整弁、絞りなど開口面積を調整できる種々の構成とすることができる。
【0018】
気流発生手段17は、繊維材料中を通過する空気の流れを形成する手段である。気流発生手段は、公知の種々の空気の流れ(気流)を発生し得る手段とすることができ、例えば、送風手段や吸気手段、圧縮空気供給手段、吸引減圧手段などを用いることができる。気流発生手段17によって発生される気流は、乱流でも良いが、好ましくは、整流(定常状態)であると気流中の樹脂粉体の分布(濃度)が一定化しやすい。また、本実施形態の気流発生手段17は、図示しないが、一定の気流を発生させることができる送風ファンを備えている。
【0019】
気流発生手段17は、材料保持手段13の近傍に設けられていることが好ましい。この形態であると、繊維材料中を通過する気流を効率よく発生させることができる。また、気流発生手段17を粉体量制御手段23の近傍に設けると、樹脂粉体110を気流中に良好に分散させることができ、好ましい。本実施形態では、材料保持手段13の直下に樹脂粉体貯留手段15の導通路15aが延びており、気流発生手段17は、導通路15aに横方向で隣接するように配置されている。したがって、気流発生手段17は、樹脂粉体貯留手段15及び材料保持手段13の両方に近接して設けられている。
【0020】
本実施形態の気流発生手段17は、樹脂粉体貯留手段15から樹脂粉体110を気流中に供給する樹脂粉体投入手段に兼用されている。具体的には、気流発生手段17によって発生される気流に起因して導通路15aに発生する上方向に無かう空気の流れを利用して、樹脂粉体貯留手段15中の樹脂粉体110を吸引するようにして気流中に供給する。この形態では、樹脂粉体110を投入するための手段を必要としない。また、簡単な構成の粉体量制御手段23と気流発生手段17とを協働させることで、樹脂粉体110の量を制御しつつ、連続的に樹脂粉体110を供給することができる。このため、気流中における樹脂粉体110の濃度をより安定に保つことが容易となっている。
【0021】
気流経路形成手段19は、気流発生手段17に連通し、且つ材料保持手段13によって横断される経路を形成する種々の構成とすることができる。本実施形態では、気流経路形成手段19は、材料保持手段13を被包する部位を備える閉環状に形成されており、気流を循環可能に形成されている。すなわち、図1に示すように、気流経路形成手段19は、材料保持手段13部分を被包する空間部材と、この空間部材の上方から気流発生手段17までを連結する上に凸の弧を描く管状部材とを備えている。また、気流発生手段17と、樹脂粉体貯留手段15の導通路15aと、材料保持手段13を被包する空間部とが管状部材及び空間部材によって連通されている。なお、材料保持手段13を被包する空間部材には、材料保持手段13の進行方向及びその反対側に繊維材料を導入及び排出可能な開口が形成されている。この開口は、図示しない種々の形態によって空気の出入りが抑止されている。
【0022】
ここで、気流経路形成手段19は、材料保持手段13によって横断される断面領域では、材料保持手段13を通過する経路のみが形成されて、材料保持手段13を通らない気流経路が形成されない構成であることが好ましい。このとき、材料保持手段13及び材料保持手段13で保持された繊維材料が占める領域で気流が受ける抵抗が他の部位より大きくなっても、確実に気流が繊維材料中を通過する。また、繊維材料中の空気の抵抗が大きい場合には、気流を供給し続けることで、繊維材料通過前の空間を繊維材料通過後の空間より高圧にすることができる。
【0023】
気流経路形成手段19には、帯電手段29を設けることが好ましい。帯電手段29は、気流によって移動する樹脂粉体110に接触して樹脂粉体110を帯電させる種々の構成とすることができる。帯電手段29は気流経路形成手段19中のどの部分に設けられても良いが、好ましくは、樹脂粉体貯留手段15から材料保持手段13へ向かう気流経路中に位置するように設けられる。この範囲であると、帯電手段29による樹脂粉体110の付着力が効果的に増大することが期待できる。本実施形態では、樹脂粉体貯留手段15の導通路15aと材料保持手段13との間に、気流経路25を横断する金属製メッシュ部材が設けられて、このメッシュ部材がアースされることによって構成されている。この構成は、単純且つ効率よく樹脂粉体を帯電させることができ、好ましい。なお、金属製メッシュ部材に所定の電荷を付加する構成であっても良い。
【0024】
本製造装置1は、樹脂粉体供給手段5の排出口の後方(図1中紙面左側)に成形手段7を備えている。本実施形態の成形手段7は、切断手段31、整形手段33及び加圧成形手段35から構成されている。
切断手段31は、帯状の予備成形体102を所定の長さで切断する手段であり、いわゆるカッターとすることができる。
整形手段33は、予備成形体102を本成形する前に必要とされる種々の処理をする部分である。本実施形態では、対を成すベルトコンベヤで形成されており、予備成形体102の厚みを一定に調整する手段となっている。整形手段33によって、樹脂粉体供給手段5で気流が通過することによって変形等した予備成形体102の形状を一定にすることができる。
加圧成形手段35は、加熱加圧又は加熱後の成形体を常温で加圧する冷間プレスなどの公知の種々の加圧を含む処理によって成形する成形体である。
【0025】
次に、本製造装置1を用いて繊維成形体を製造する場合を例に挙げて、本発明に係る繊維成形体製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態では、ケナフの靭皮をレッティング(例えば、茎部分を水中に放置して、水中の微生物によって靭皮と外皮との間、及び靭皮と靭皮との間を接着する接着成分を分解させ、靭皮から繊維を摘出する。)して得られる繊維束を用いる場合について説明する。まず、繊維材料供給手段3の予備成形手段9に繊維束を投入する。予備成形手段9は、繊維束をカード、フリースによって厚みを有するマット状、例えば、約8cmの厚みに予備成形する。マット状の予備成形体102は、移送手段11によって樹脂粉体供給手段5まで移送する。
【0026】
移送手段11で樹脂粉体供給手段5まで移送された繊維材料、すなわち予備成形体102は、材料保持手段13で保持されて、樹脂粉体供給手段5内を移動する。樹脂粉体供給手段5の気流発生手段17が作動すると、図1に示すように、材料保持手段13の下方から上方に向かう気流が発生する。すなわち、気流発生手段17は、材料保持手段13の下部に向かって、すなわち、紙面右から左に向かって空気を吹付けるように設けられている。気流は、気流経路形成手段19に沿って移動するため、図1に示すように材料保持手段13部分で略垂直に上昇し、気流経路形成手段19内を循環する循環気流となる。この気流は、樹脂粉体貯留手段15に貯留されている樹脂粉体110を、導通路15aの空気を吸引するため、貯留槽21内の樹脂粉体が吸引される。この吸引量は、気流の速度及び粉体量制御手段23によって調節することができる。
【0027】
吸引された樹脂粉体110は、気流に乗って材料保持手段13の下方から上方へ移動する。すなわち、材料保持手段13に保持されている繊維材料中を樹脂粉体110を含有する気流が通過する。この気流の通過によって、図2に示すように樹脂粉体110が予備成形体102の繊維材料に付着する。気流は、繊維材料を通り抜けるため、予備成形体102内部にまで侵入することができる。
【0028】
気流及び気流に含まれる樹脂粉体110は、材料保持手段13に保持された予備成形体102を通過する。そして、樹脂粉体110は、予備成形体102の厚み方向の種々の位置で繊維材料に付着する。また、繊維材料に付着しなかった樹脂粉体110は、気流経路形成手段19内を通って循環する。このため、樹脂粉体110は、繊維材料に付着するまで何回も循環されて、予備成形体102中を通過する。また、気流は、気流経路形成手段19内を循環することによって、安定化され、例えば、整流となる。また、樹脂粉体110は、気流における分布、すなわち濃度が均一化される。このため、繊維材料、すなわち予備成形体102に均一に樹脂粉体110を付着させることができる。
さらに、本実施形態のように樹脂粉体貯留手段15から気流に起因する空気の流れによって樹脂粉体110を気流中に導入する形態では、樹脂粉体貯留手段15から導入される樹脂粉体110の量と、循環後に樹脂粉体貯留手段15に落下する樹脂粉体110の量とが平衡状態になり、樹脂粉体110の均一性が良好に維持された気流となる。
【0029】
一方、気流は、材料保持手段13部分、すなわち予備成形体102部分でのみ、摩擦抵抗が大きくなる。このため、予備成形体102(繊維材料)侵入側の空間、すなわち材料保持手段13の下部の空間は、予備成形体102に対して排出側の空間、すなわち材料保持手段13の上部の空間と比較して高圧になっている。したがって、予備成形体102全体において下側から上側へ向かう気流が均等に発生しやすく、樹脂粉体110がより均一に付着される。
【0030】
また、樹脂粉体110は、気流によって移動するため、材料保持手段13のコンベヤベルトや繊維材料と摩擦して、帯電する。帯電された樹脂粉体110は気流の循環によって、再度、材料保持手段13すなわち予備成形体102に供給されるため、繊維材料に付着しやすい。本製造装置1では、帯電手段29によって、より効率よく樹脂粉体が帯電されるため、樹脂粉体の繊維材料への付着力が向上し、短時間で所望の濃度の樹脂粉体を繊維材料に供給することができる。
【0031】
その後、樹脂粉体が付着された予備成形体102は、成形手段7まで移送される。成形手段7では、切断手段31によって所定の長さに切断し、整形手段33で予備成形体102の厚みを一定に整形する。その後、加圧成形手段35でプレス成形することによって、所定の形状の繊維成形体105を得ることができる。成形手段7に移送される予備成形体102は、全体、特に厚み方向においてより均一に樹脂粉体110が分散されている。このため、種々の成形工程によって良好に成形される。また、樹脂粉体110の分布が均一であるため、成形後の繊維成形体105の強度をはじめとする種々の性質が繊維成形体105の各部位において均一になりやすい。また、複数の繊維成形体105間においてもバラツキが少なく、安定した性質の繊維成形体105を得ることができる。また、不良品の発生が少なく、歩留まりが良い。
【0032】
この製造方法では、気流が、予備成形体102の一方側から他方側まで抜けるため、樹脂粉体110を良好に種々の気流通過方向の位置に付着させることができる。また、繊維材料の気流侵入側の空間を繊維材料の気流排出側の空間より高圧にすることで、繊維材料中をより均一に、且つ積極的に気流及び樹脂粉体110を通すことができ、気流通過方向においてより均一に樹脂粉体110を付着させることができる。
【0033】
また、繊維材料を通過した際に繊維材料に付着しなかった樹脂粉体を気流とともに循環させることができるため、特に回収しなくても繰り返し利用することができ、効率が良い。また、気流によって繊維材料から短繊維などの不純物が飛散、離散される場合、不純物を気流によって循環させることで、繊維材料に再供給することも可能である。また、樹脂粉体は、循環気流によって循環し続けることで繰り返し繊維材料に供給されるため、回収機構を必要としない。このため、回収機構によって不純物が回収される不都合や、樹脂粉体と不純物とを分離する等の工程を必要とせずに、効率良く樹脂粉体を繰り返し供給することができる。
【0034】
次に、図3に本発明の別の実施の形態に係る製造装置を示す。この製造装置40は、繊維材料供給手段3と、樹脂粉体供給手段50と、成形手段7とを備えており、樹脂粉体供給手段50以外は、図1の実施形態と同様であるので説明は省略する。以下、樹脂粉体供給手段50について説明する。
【0035】
図3に示す樹脂粉体供給手段50は、材料保持手段52、樹脂粉体貯留手段54、気流発生手段56、気流経路形成手段58を備えている。
材料保持手段52は、上記実施形態の材料保持手段13と同様、コンベヤベルトがメッシュ部材で構成された対を成すベルトコンベヤで構成されている。
【0036】
樹脂粉体貯留手段54は、樹脂粉体110を貯留できる貯留槽61と貯留槽61に外部から樹脂粉体110を供給できるホッパー63とから構成されている。
気流発生手段56は、上記実施形態の気流発生手段17と同様の送風ファンを備える構成とされている。本実施形態の気流発生手段56は、貯留槽61に直接連通するように設けられている。すなわち、気流発生手段56は、貯留槽61に貯留されている樹脂粉体110に直接空気を吹付けて、樹脂粉体110を気流中に含有させることができるように設けられている。
【0037】
気流経路形成手段58は、本実施形態では、樹脂粉体貯留手段54の貯留槽61の上端から気流発生手段56までを連結する経路を形成するように設けられている。本実施形態では、気流経路形成手段58は、貯留槽61の上端では、貯留槽61と同様の断面積を有するように連結されて設けられており、材料保持手段52がこの部分の断面積全体を占めるように経路に対して垂直に配置されている。材料保持手段52の上方から気流発生手段56まで延びる気流経路形成手段58は、より小さい断面積を備える管状に形成されている。
【0038】
この製造装置40では、樹脂粉体供給手段50の気流発生手段56と樹脂粉体貯留手段54の貯留槽61とが直接的に連結されて、気流経路中に樹脂粉体が貯留されている構成となっている。このため、気流発生手段56で発生させる気流によって樹脂粉体110を効率的に気流中に供給することができ、高濃度に樹脂粉体110を含有する気流を形成することが容易である。また、繊維材料から脱落したり飛散した短繊維等の不純物が、気流に乗って上昇できない程度の重量を有する場合、貯留槽61内に落下する可能性が高く、樹脂粉体供給手段50の系内からの除去が容易である。
【0039】
以上、二つの繊維成形体製造装置及び製造方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。気流は、繊維材料(予備成形体)に対して上方から下方のように向かう形態でも良い。また、垂直に移動する形態に限定されず垂直より所定角度だけ斜めの角度で移動する形態であっても良い。あるいは、繊維材料が鉛直方向に移動し、気流は水平方向の流れを有し、繊維材料に対して垂直に通される形態でも良い。あるいは、繊維材料の移送方向と気流とが略平行であっても良い。
【0040】
また、本粉体樹脂供給工程では、段階的に複数方向へ向かう樹脂粉体を含有する気流に、繊維材料中を通過させることが好ましい。より好ましくは、一方向と、その反対の方向の両方の方向の樹脂粉体含有気流に、繊維材料中を通過させると、かかる方向における濃度分布がより均一になり、好ましい。
例えば、上方向から下方向に向かう樹脂粉体含有気流に繊維材料中を通過させた後、下方向から上方向に向かう樹脂粉体含有気流に繊維材料中を通過させることによって、繊維材料中の上下方向における樹脂粉体の濃度分布をより均一にすることができる。このような方法による樹脂粉体含有気流の供給は、図1,3に示すような樹脂粉体供給手段5,50の気流経路形成手段19,58の上から下へ向かう気流が発生する部位を予備成形体102の移送経路上に配置して、この範囲の移送手段を樹脂粉体110及び気流が通過可能な材料保持手段で構成して、繊維材料中を通過させることで行うことができる。
【0041】
また、気流発生手段は、1つに限定されず、気流経路中に複数設けられていても良い。この場合、より流量の多い気流や、流速の大きい気流等を安定に発生させることができる。
また、粉体量制御手段は、上記実施形態に限定されず、例えば、マイコン制御機構を備えていても良い。気流中の樹脂粉体の濃度に応じて、適当な増加量を求めて、この増加量分だけ秤で測って供給する手段であっても良い。
【0042】
【発明の効果】
本発明では、本発明では、繊維材料中に結合用樹脂粉体をより均一に供給できる繊維成形体の製造方法を提供することにより、結合剤が良好に分散されている繊維成形体を製造することができる。
また、繊維材料中に結合用樹脂粉体をより均一に供給できる繊維成形体の製造装置を提供することにより、結合剤が良好に分散されている繊維成形体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる繊維成形体の製造装置の模式図である。
【図2】本製造方法による樹脂粉体の繊維材料への供給方法を示す模式図である。
【図3】本発明の別の実施の形態に係わる繊維成形体の製造装置の模式図である。
【符号の説明】
1,40 製造装置
3 繊維材料供給手段
5,50 樹脂粉体供給手段
7 成形手段
9 予備成形手段
11 移送手段
13,52 材料保持手段
15,54 樹脂粉体貯留手段
15a 導通路
17,56 気流発生手段
19,58 気流経路形成手段
21,61 貯留槽
23 粉体量制御手段
25 気流経路
27,63 ホッパー
29 帯電手段
31 切断手段
33 整形手段
35 加圧成形手段
100 木質原料
102 予備成形体
105 繊維成形体
110 樹脂粉体

Claims (4)

  1. 繊維成形体を製造する方法であって、
    開繊された繊維材料に、当該繊維材料を通過し、且つ気流発生手段に連通した気流経路形成手段の閉環状空間内を連続状に循環する気流を用いて樹脂粉体を供給する工程を有する、繊維成形体の製造方法。
  2. 前記気流経路形成手段を樹脂粉体貯留手段にも連通することで、
    前記樹脂粉体を、前記気流に起因する空気の流れによって前記気流中に供給することを特徴とする、請求項1に記載の繊維成形体製造方法。
  3. 繊維成形体を製造する装置であって、
    開繊された繊維材料を供給する繊維材料供給手段と、
    前記繊維材料供給手段から供給された繊維材料中を通過する気流の経路を形成する気流経路形成手段、及び該気流経路形成手段中に気流を発生させる気流発生手段を含む、気流中に樹脂粉体を供給する樹脂粉体供給手段とを備え
    前記気流経路形成手段は、前記供給された繊維材料を被包する部位を備えて閉環状に形成されており、
    当該気流経路形成手段と前記気流発生手段とを互いに連通させることで、樹脂粉体供給手段中を連続状に循環する気流が形成され、
    前記気流経路形成手段における繊維材料を被包する部位の、繊維材料で横断される断面領域では、繊維材料を通過する経路のみが形成されて、繊維材料を通らない気流経路が形成されない構成であることを特徴とする繊維成形体製造装置。
  4. 前記樹脂粉体供給手段によって発生される気流の経路上に樹脂粉体を帯電させる帯電手段が設けられている、請求項3に記載の繊維成形体製造装置。
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