JP3827343B2 - 化学物質検出システム、化学物質検出方法、および半導体レーザ出力ビルドアップシステム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、化学物質検出システム、化学物質検出方法、および半導体レーザ出力ビルドアップシステムに関し、具体的には、薬品等の化学物質を検出するための光学系、特に化学分析物の存在に応答して光信号を発生するセルフロッキング(自己閉塞)光学キャビティ(self−locking optical cavity)に関する。
【0002】
【技術背景】
光学技術のもつ感度及びダイナミックレンジは、光学検知系における用途によく適合する。従って、これらの特性を利用しようとする種々の検知装置が現在使用されている。
【0003】
如何なる光学検知系においても、光源は重要な要素である。光源を選択する際、設計者は、光の出力レベル、高効率、低コスト、小型化、及び構造強度に関するしばしば相反する要請の中で、一般的に釣り合いをとる必要がある。特にこの関連での1つの有益な進展は、半導体技術の進歩により、(アルゴンイオン又はヘリウムーネオンレーザのような)コヒーレントな光源を、数メーターから(面発光量子井戸レーザダイオードのように)数ミクロンに小型化させたことである。例えば、現在ではミリワットからワットまでの出力電力範囲を有する半導体ダイオードレーザが市販されている。そうしたデバイスの例は、Parke,R.,等、「2.0W cw,diffraction−limited operation of a nomolithically integratedmaster oscillator power amplifier,」IEEE Photon.Tech.Lett.,5,pp.297〜300,(1993)に記載されている。
【0004】
ダイオードレーザのウォールプラグ(wall−plug)の効率は高いとはいえ、大ワットの光出力を直接発生する光源は、しばしばそれを冷却するためさらに大ワットの電源を必要とする。それ故、検知用途には、大ワットの光出力についての要請と、小量の電力を僅かにしか消費しないコンパクトな携帯用装置に対する要望とをバランスさせなければならない。
【0005】
この問題の1つの解決法は、光学キャビティ内部に捕捉された光を使用することである。光学キャビティ即ち共振器は、入射光が捕捉され、鏡の間で前後に往復する(bouncing)よう配置された2個以上の鏡面から構成される。この方法でキャビティ内部の光は入射光より桁違いに強力になるであろう。この一般的な解決法はよく知られており、種々の方面で利用されてきた。例えば非線形周波数変換(例えば、Yariv A.,Introduction to Optical Electronics,2nd Ed.,Holt, Rinehart,and Winston New York,1976,8章参照)、及びさらに広範囲には、Demtroder,W.,Laser Spectroscopy,Springer−Verlag,Berlin,1982,pp.390〜395に記述されているような分光分析法がそれである。
【0006】
この解決法を化学検知にまで拡大するには、キャビティ内光と光信号を発する化学分析物との相互作用を目当てにすることになる。光信号は、通常はコヒーレントでもインコヒーレントでもよく、かつキャビティ内光と同一周波数である必要はない。光信号の大きさは、化学分析物の量及びキャビティ内光の強度により決まる。この技法は気体監視に応用されており、そこでは光信号が自発ラマン散乱により発生される。例えば、米国特許第4,648,714号、「Molecular Gas Analysis by Raman Scattering in Intracavity Laser Configuration,」Benner,等、1987年3月10日、参照。
【0007】
前述の方法ではすべて、(ヘリウムネオン放出管のような)光学的利得媒体は光学キャビティ内部にある。典型的なダイオードレーザに関しては、キャビティミラーはダイオード利得媒体自体の上に直接配置されている。しかし、周波数同調及び線幅極限化のような、いくつかの応用例では、ダイオード面の片面または両面には反射防止膜が形成され、そのダイオードは、ダイオードの外部にあるミラーによって規定される光学キャビティ内部で動作する。ダイオード利得媒体はそうしたキャビティ内部で動作できるが、ダイオード放射面の低損傷しきい値は、出力のビルドアップ(増強;build−up)量を厳しく制限する。換言すれば、もしダイオードがキャビティ内部に置かれるなら、出力をダイオードが破損するほど大きくは増加させることができず、しかも、最大許容出力は、しばしば小さ過ぎて効率の良い簡単な検知方式には向かない。
【0008】
大きい光学フィールドを発生しながらこの限界を克服するため、ダイオードレーザは、ダイオードレーザの放射が捕捉される別の高微細化光学キャビティの外部に置いてよい。この別のキャビティは以後「ビルドアップ」キャビティを指すものとする。しかし、ダイオードレーザは、高微細化ビルドアップキャビティのそれよりさらに大きい光学帯域幅を有するコヒーレント放射を放出する。ビルドアップキャビティでのダイオードレーザ放射の実質的増幅を達成するには、ダイオードレーザが、キャビティのそれに近いか又は整合する線幅を持ったコヒーレント放射を強制的に放射するようにしなければならない。
【0009】
ダイオードレーザの帯域幅を減ずるための、よく知られた技術がいくつかある。例えば、ダイオードレーザの能動的、全電子的周波数ロッキングが使用される。しかし、この技術は、20MHz以上かそれをさらに大きく上回る帯域幅を有する高速サーボを必要とし、かつキャビティからダイオードレーザを光学的に大きく分離することが必要となる。受動的ロッキングは、能動的、全電子的周波数ロッキングを上回る重要な利点を持っている。例えば、必要な電子的制御は、特に狭帯域放射が必要なとき、大幅に減少し、かつ光学アイソレータが要らないことであろう。
【0010】
あるいは、実質的な線幅減少は、光学フィードバック方式で実施してよい。例えば、Dahmani等は、「Frequency stabilization of semiconductor lasers by resonant optical feedback,」Opt.Lett.,12,pp.876〜878(1987)で、ビルドアップキャビティへのダイオードレーザの受動的光学ロッキングを報告した。この技術では、ダイオードレーザからの光は、ビルドアップキャビティ内へ向けられ、もし光の周波数がキャビティの共振周波数と整合するなら、その光は捕捉される。その時、捕捉光の一部はダイオードレーザの方向へ逆戻りして低微細化ダイオードレーザの周波数を高微細化ビルドアップキャビティのそれにロッキングする受動フィードバック機構として作動する。
【0011】
Tanner等は、「Atomic beam collimation using a laser diode with a self−locking power buildup cavity,」Opt.Lett.,13,pp.357〜359(1988)で、入射した光より千倍以上の光をキャビティ内で発生するセルフロッキング、出力ビルドアップキャビティを記述しているが、彼らはセシウム原子の光学的励起のためにのみこの強力なキャビティ内光学フィールドを利用している。しかし、この技術は、Simonsen,H.R.が、「Frequency noise reduction of visible InGaAlP laser diodes by different optical feedback methods,」 IEEE J.Quant.Elec.,29,pp.877〜884(1993)において報告しているように、最近、可視ダイオードレーザに応用された。
【0012】
Dahmani等、Tanner等、及びSimonsenによって言及されたシステムの短所は、それらが全て弱い光学ロッキングを採用していること、即ち、ビルドアップキャビティ内の光の極小部分だけがダイオードレーザにフィードバックされることである。しかし、弱い光学ロッキング技術の欠点は、それがやはり、ダイオードレーザにフィードバックされた光の大きさと位相の両方について細心の電磁的制御を必要としていることである。このことは、例えば、米国特許第4,907,237号,「Optical Feedback Locking of Semiconductor Lasers,」Dahmani,B.等、1990年3月6日;Hemmerich,A.,等、「Second−harmonic generation and optical stabilization of a diode laser in an external ring resonator,」Opt.Lett.,15,pp372〜374(1990);及びBuch,P.とKohns,P.,「Optically self−locked semiconductorlaser with servo control for feedback phase and laser current,」IEEE.Quant.Elec.,27,1863(1991)において議論されている。
【0013】
セルフロッキンク、出力ビルドアップキャビティはまた、特に極端な量のコヒーレント放射の非線形的発生に用いられている。レーザダイオードをキャビティに光学ロッキングするためのビルドアップキャビティからの低〜中位(<1%)のフィードバックの使用は、例えば、上述のHemmerich等による論文、及びDixon,G.J..,Tanner,C.E.とWieman,C.E.,「432−nm source based on efficient second−harmonic generation of GaAlAsdiode−laser radiation in a self−locking external resonant cavity,」Opt.Lett.,14,pp731〜733(1989)、及び米国特許第4,884,276号、「Optical Feedback Control in the Frequency Conversion of Laser Diode Radiation,」Dixon,等、1989年11月28日、に記述されている。
【0014】
この概念は、さらにW.LenthとW.P.Riskによって米国特許第5,038,352に採用されており、そこでは、反射防止(AR)膜被覆されたダイオードレーザと強い(10%〜50%)フィードバックとを使うことにより、ロッキングの安定度が増すことが教示されている。さらに、W.J.Kozlovskyは、Lenth及びRiskと共に、Proceedings ofthe Compact Blue−Green Lasers Topical Meetingでの「Resonator−enhanced frequency doubling in an extended cavitydiode laser,」New Orleans,Louisiana,Optical Society of America,Feb.1993,p.PD2−1において、彼らが強力な(3%)光学フィードバックをAR膜被覆されたダイオードレーザにどのように使い、かつビルドアップキャビティから放射された光をキャビティを通してダイオードレーザに反射し返す分散要素をどのように付加したかを報告した。分散要素により周波数の安定度が付加された。
【0015】
ダイオードレーザ用受動的全光周波数ロッキング技術は、全電子的かもしくは弱光フィードバックのロッキングより単純ではるかに安定である。何故なら、それによってダイオードレーザ又は光学フィールドの精巧な電子的制御の必要性が排除されるからである。ダイオードレーザがビルドアップキャビティに安定にロッキングされることを保証するためには、ダイオード利得媒体への支配的な光のフィードバックは、他の任意の源からというよりはむしろビルドアップキャビティからの、例えば、ダイオードレーザ放射面からの光のダイオード利得媒体への戻り反射からであるべきである。
【0016】
典型的には、ダイオード放射面は、反射防止膜被覆されており、システム全体はキャビティ内エタロンを有する正規の半導体レーザと見なしてよい。ビルドアップキャビティからダイオードレーザにフィードバックされる光が多ければ多いほど、安定な光学ロッキングを可能にするダイオード放射面の反射率は高くなる。
【0017】
前述の全ての方法のうち、大きいフィードバックを有する全光学ロッキングを採用している僅かに2つの例は、LenthとRisk(米国特許第5,038,352)によって、及びKozlovsky等によって開示されたものである。しかし、これらの方法の何れも検知の用途にはうまく適用しない。言明されたこれらのシステムの目的に対しては、入射光の波長を半分にすること、特に近赤外光を青色に変えることが不可欠である。
【0018】
SiegmanがLasers,University Science Books,Mill Valley,California,1986,pp.428〜431において述べているように、光学ビルドアップキャビティ内部で発生し得る出力は、キャビティの光学損失に逆比例する。光学損失は、ミラーのような個々のキャビティ内要素の全ての光学損失のほぼ合計である。
【0019】
コヒーレントな放射発生に最適である構造は、必ず有効量の出力放射を招来する(KozlovskyとLenth参照)。この変換はまた、キャビティ内放射に対する付加的損失メカニズムとしても作用し、光学キャビティで発生し得る出力量を減少させる。Lenth及びKozlovskyのそれのようなシステムで用いられる非線形結晶は、キャビティの微細度を下げるよう作用する付加的吸収損失を有している。これらの実質的損失の両メカニズムは、コヒーレントな放射発生にとって本質的である。しかし、キャビティ内化学検知には、特にラマン気体検知には、でき得る限り大きいキャビティ内出力を要し、従って、不必要なしかも実在する損失を組み入れた構造は何れも、鋭敏なキャビティ内化学検知には不適当である。化学検知に最適な構造は、実施できるような低い光学損失を有するビルドアップキャビティであろうし、その結果可及的には少ない光量がキャビティから漏れ出るようになり、従ってLenth及びKozlovskyによって記述されたものとは根本的に異なっている。
【0020】
外部キャビティの半導体レーザの関係では、ダイオード出力面の反射防止膜被覆及び強力な光学フィードバックは、安定性能を確保するには不可欠であることはよく知られている。Rong−Qing,H.とShang−Ping,T.,「Improved rate equations for external cavity semiconductor lasers,」IEEEJ.Quant.Elec.,25,pp.1580〜1584,1989参照。これらのレーザシステムはキャビティ内分光学に採用されている、Baev,V.M.,Eschner,J.,Paeth,E.,Shuler,R.,及びToschek,P.E.,「Intra−cavity spectroscopy with diode lasers,」Appl.Phys.B.,B55,pp.463〜477,1992参照、しかし、上述のように、キャビティ内微細化例えばキャビティ内出力は、ダイオードのレーザ面に対する光学的損傷を防ぐために慎重に低く維持される。従って、これらの装置は、高いキャビティ内出力に立脚している検知用途には不適当である。
【0021】
化学検知にとって、必要なことは、キャビティ内高出力と所要の低入力を併有し、受動的かつ光学的にロックし、それによって複雑かつ高価なロッキング回路系の必要性を排除するコンパクトなシステムである。
本発明は、低入力で高出力を得ることができ(すなわち低損失で)、かつ安定した出力を得ることができる、化学物質検出システム、化学物質検出方法、および半導体レーザ出力ビルドアップシステムを提供することを目的とする。
【0022】
【発明の概要】
半導体レーザの出力ビルドアップシステムは、放射面を有し、入射ビームを出力する半導体レーザが含まれる。光共振キャビティは、第1の入り口反射要素と1つ以上の第2の反射要素との間で規定され、キャビティ内光路に沿ってキャビティ内ビームを有するものである。戻りのビームは、入り口反射要素を透過し、入射ビームと一致するが、それとは方向が逆のキャビティ内ビームの一部からなる。レーザは、完全に光学的にキャビティにロッキングされており、キャビティ内ビームは、キャビティ内を実質上無損失で通過する。
【0023】
好ましくは、本発明は、さらにレーザと第1の反射要素との間の入射ビーム路に回折格子(グレーティング)又はエタロンのような波長決定要素を包含する。
【0024】
放射面は、好ましくは、例えば反射防止膜により、0.01より小さい又はさらに0.0001より小さい反射率を持つ。戻りビームの放射面を通してレーザへのフィードバックは、強く、例えば3%より大きくてよい。
【0025】
また好ましくは、本発明は、インピーダンス整合のため入射光路に光学形成装置を包含してもよい。
【0026】
システムの好ましい用途は、試料中の化学物質の検出である。そのために試料はキャビティの相互作用領域に配置され、検出系はその相互作用領域内で試料の所定の特性(例えば、ラマン散乱光)を検知できるように配置される。キャビティ内ビームは、試料と相互作用する以外は実質上無損失でキャビティ内を通過する。
【0027】
本発明の別の態様は、半導体レーザは、無修正放射面を有する高出力ダイオードレーザであることである。この場合、本発明は、裸ダイオードのしきい値電流より小さい電流でダイオードレーザを駆動する方法を提供する。
【0028】
【実施例】
本発明は、主として、その気体検知(本発明は、この用途に特によく適合する)における用途に関して説明する。しかし、本発明はまた液体検知に用いてもよい。必要な変更を以下に述べる
【0029】
本発明の最初の、かつ好ましい実施例を図1で説明する。ダイオードレーザは光源110を形成し、これは放射面112と後部面113とを有する。光源はビーム114を放出する。光源110として適当な市販デバイスの例は、東芝9215、日立HL6714G、又はフィリップスCQL601D方式の単一縦モードでインデックス誘導型(SLM−ID)レーザ並びにフィリップスCQL602Dのような高出力・広領域デバイスがある。
【0030】
加えて、光源110の後部面113は、(例えば、反射防止膜被覆の結果として)低反射率をもっていてよい。この場合は、小ミラーを光源の後部面の背後に置いて、光源から放出された光を反射させ、後部面を通してビーム114のラインに沿って光源へ戻すようにすべきである。この配置構成の利点は、その後でこの追加ミラーの位置を変えて系を調整できることであり、また後部面113とこの追加ミラー間に(後述の)光学要素を置いてもよいことである。この実施例を図2を参照して以下により詳細に説明する。
【0031】
光源110を強化するのに必要な回路系は従来知られており、ここには示さない。しかし、上に挙げたものを含むいくつかの適当な半導体レーザ装置は、典型的には、装置冷却にほとんど又は全く追加電力を使わなければ、約100mWを越える出力はもたらさないであろう、ということに留意。さらに、反射防止膜被覆したダイオードレーザ又は超ルミネッセンスダイオードのような他の半導体デバイスを光源110として用いてよい。
【0032】
光源110はビーム114を放出し、これは従来の光学形成系116により公知の方法で空間的に形成されて、適切なインピーダンス整合を確保する。波長決定要素118は、ビーム114の光路に包含されて動作波長の値を設定し、ダイオードキャビティの平均光学帯域幅を制限する。追加された従来の光ビーム形成系135は、もし形成系116を出るビーム114が空間的に最適化されない場合に波長決定要素118及びビルドアップキャビティへのインピーダンス整合の両方について必要になろう。公知の製作技術を使って、光源110、光学形成系116(及びもしあれば光ビーム形成系135)、及び波長決定要素118を、破線119で示すように、単一の光源ユニットに機械的に組み込んでよい。光学的な同調可能帯域フィルタとして作動する光学形成系116及び波長決定要素118は、その構造と操作がよく知られている従来装置でよい。ビーム114は、図1において右向きの矢印によって示されている入射ビームを形成する。
【0033】
ビーム114は、ミラー120、122及び124のような反射要素から成るビルドアップキャビティに衝突して、キャビティ内ビーム126を発生する。ミラー120は、好ましくは、傾斜させて(但しビーム114の方向に垂直ではなく)ビーム114の直接反射が光源に戻らないようにする。このことはキャビティ内ビーム126をロックする光源の能力を減ずることになろう。傾斜したミラー120で反射したビーム114の一部分と、ミラー120が通す(ミラー124からの)ビーム126の極めて小部分とを破線矢印125で示す。
【0034】
ビーム126は、(任意の従来セル又は他の保持構造物に入れられている)試料128を通過し、試料128とビーム126との相互作用により発生した光信号は、従来の検出系130で検出される。例えばラマン散乱光を検出してもよい。、検出系からの出力は、従来の処理回路132への入力信号となり、公知の分析技術を使って試料128中の対象物質の存在もしくはその量が決定される。プロセッサによる分析結果は、さらに処理回路系(図示せず)へ回してよく、又は従来の表示装置134上に表示してもよい。
【0035】
ビーム126の小部分は、入り口のミラー120を通って戻りビーム136として漏れる。戻りビーム136は(左向きの矢印で示すように)方向は逆だが入射ビーム114と一致する。入り口のミラー120からの戻りビーム136は、波長決定要素118、光学形成系116(及びもしあれば光ビーム形成系135)を通過し、そしてその放射面112を通って光源110に戻る。
【0036】
本発明は、従来の安定電流源(図示せず)以外には光源について何ら電子的制御を要することなくキャビティ内ビーム126の出力を入射ビーム114より何桁も大きくさせるものである。さらに別の利点は、小型で安価な光源によって試料から極めて大きい光信号を発生することである。これは、放射面112、光学形成系116(及びもしあれば光ビーム形成系135)、波長決定要素118、及びミラー120、122、124のパラメータを選択してキャビティ内ビーム126の出力を後述のように極大にすることによって達成される。
【0037】
キャビティ内ビーム126の最大強度を確保するためは、光源110からの出力のほとんどは、ビルドアップキャビティと(同じ周波数について)共振しなければならない。換言すれば、光源はキャビティに光学的にロッキングされるべきである。本発明により、これは、光源110への支配的フィードバックが戻りビーム136であることを確実にすることにより達成される。この関連での主な問題は、光源110へ戻る、ビーム114の放射面112による反射である。
【0038】
本発明に従い、戻りビーム(漏れビーム)136が支配的フィードバックであることを保証するためにいくつかある方法の何れかを用いてよい。もしダイオードレーザ(光源)110が、東芝9215、日立6714G、又はフィリップスCQL601D方式のSLM−ID装置であるなら、それは通常、最適の出力ビルドアップができるよう、裸ダイオードのしきい値電流(分離して作動する無修正ダイオードレーザに対する電流しきい値)以上で良好に作動する。計算と実験により、戻りビーム136は、出力安定度を保証するためには1%〜50%の範囲のフィードバックを有することが示されている。ビーム136が支配的フィードバックであることを保証するために、放射面112からのビーム114の反射は、その強度がビーム136より少なくとも10〜100倍小さくなければならない。この場合、放射面112はほぼ0.01又は0.001の反射率をもつべきであり、安定なロッキングを保証するためには、それは、好ましくは0.001と0.0001の間のオーダーであるべきである。本発明の1つの試作では、キャビティからのフィードバックは10%と20%の間と推定され、また安定なロッキングのため日立6714G型ダイオードレーザの放射面の反射率は、0.001〜0.0001の範囲内であった。
【0039】
これらの低反射率を得るための1つの方法は、その面について反射防止膜を用いることによるものである。この反射率減少技術は公知である(例えば、Eisenstein,G.とStulz,L.W.,「High quality antireflection coatings on laser facests by sputtered silicon nitride,」Apple.Opt.,23,161(1984)参照)。本発明により、ダイオードレーザに施した反射防止膜の1つの利点は、ダイオードをキャビティに位相ロックする、従来必要とした別の電子回路系を必要としないことである。
【0040】
あるいは、放射面を変更しないで高出力SLM−ID又は他のダイオードレーザを用いてよい。もしフィードバックが十分大きければ、ダイオードーキャビティ系のレイジング(lasing)は、裸ダイオードのしきい値電流以下で起こるであろう。ダイオードーキャビティ系がレーザを発生しさえすれば、放射面からの光の反射は、ダイオード利得を枯渇させない程度に十分低くなければならない。ダイオードの電流が裸ダイオードのしきい値近くまで増えると、放射面反射がダイオード利得を減らし始め、続いて出力が不安定となるであろう。
【0041】
それ故、出力ビルドアップの限界は、フィードバック量と放射面反射率によって決まる。本発明の1つの利点は、可変減衰器又は光アイソレータのような前述のフィードバック制限装置を何ら要しないで作動できることである。例えば、高出力ダイオードは、裸ダイオードのしきい値電流以下で良好に作動し、しかも、光がビルドアップキャビティからフィードバックされる時にレーザを発生するのに十分な利得を有するであろう。そうしたダイオードは、Ueno,等、「30−mW 690−nm high−power strained−quantum−well AlGaInP laser,」IEEE J.Quant.Elec.,29,1851(1993);及びArimoto,等、「150mW Fundamental−transverse−mode operation of 670nm window laser diode,IEEE J.Quant.Elec.,29,1874(1993)に説明されている。本発明の1つの試作では、高反射鏡の後部面と10%の反射率をもつ放射面とを有する680nmのSLM−IDレーザを用いた。このダイオードは、裸ダイオードのしきい値電流以下10mAで作動し、しかも、ビルドアップキャビティの有効反射率が10%を越えるため、適切な安定出力のビルドアップを達成した。
【0042】
ダイオードレーザへ戻る他の反射源は最小にすべきである。例えば、光学形成系116(及びもしあれば光ビーム形成系135)と波長決定要素118は、反射防止膜被覆するか、単に少し傾斜させるべきである。
【0043】
ビーム126の強度を最大にするため、光学形成系116(及びもしあれば光ビーム形成系135)は、ビーム114を形成し、ビーム126を空間的に整合するレンズ又はプリズムのような要素を包含する。加えて、波長決定要素118は、特異な入射ビームの特性により最適に作動するだろう。例えば、もし波長決定要素118がエタロンなら、最適入射ビームは、最大量の光を通すため非発散でなければならない。この場合、光学要素116は、要素118を通過できるようビーム114を最適に形成し、また光学要素(光ビーム形成系)135は、この通過光をビーム126へ空間的に整合させる。波長決定要素118は、例えばもしそれが回折格子なら、ビーム114も形成できることに注意されたい。ある応用では、要素118の準最適の性能は許容でき、この場合、要素135のビーム形成機能は、要素116に組み入れてよい。
【0044】
前述のビーム形成についての構成要素及び技術の両方とも光学分野ではよく分かっており、従来の要素を使ってよい。ビーム126の形状は、ミラー120、122、及び124で形成されたビルドアップキャビティで決まり、1つ以上の横電磁キャビティモードであってよい。
【0045】
当業者に公知の光学形成系116(及びもしあれば光ビーム形成系135)の設計には多くの選択枝がある。適当な構成例は、以下のごとくである。
(a)ビーム114を集め、かつビルドアップキャビティに焦点を結ばせるための単一レンズもしくは多重レンズ。
(b)ビーム114をコリメートするための単一レンズもしくは多重レンズ、及びビーム114をビルドアップキャビティに焦点を結ばせるための追加レンズ。この場合、追加レンズの位置及び焦点距離はビーム114をビルドアップキャビティにインピーダンス整合するよう選択される。
(c)(b)に加えてビーム114を循環させるための円筒レンズ2個。
(d)(b)と同じ、加えてビーム114を循環させるための円柱プリズム対。
(e)(c)又は(d)と同じ、加えて非点収差補正レンズ。
(f)ビーム114を平行にするGRINレンズ及びビームをビルドアップキャビティにフォーカスさせるための第2のレンズ。
【0046】
構成(a)〜(f)は全て、ビーム114を別々の効率でビルドアップキャビティに結像する。この効果を補償するため、同一の光出力を発生するようダイオード電流を変更する必要があろう。ビーム126と136が与えられたダイオードレーザ電流で最も強くなるよう最高能力を有する結像系を選択しなければならない。この選択は、与えられた用途についての特定幾何学的配置、並びに費用によって決まり、公知の実験的理論的技法を使って実施してよい。
【0047】
ビルドアップキャビティは、D=c/2Lの間隔の「櫛形」の共振周波数を持つ。ここでDはヘルツ単位のモード間隔であり、cは光速、及びLはビルドアップキャビティの往復路長(round−trip path length)である。例えば、もしL=30cmなら、D=0.50GHzとなる。もし特定の検知用途でキャビティ内ビーム126が1つもしくは数個のキャビティモードを包含すべきなら、波長(又は周波数決定要素)118を採用しなければならない。
【0048】
典型的なダイオードレーザの利得媒体は、約3THz(即ち、670nmで5nm)の幅にわたって実質的利得を有し、その結果、多くのキャビティ周波数が、ランダム状態で同時又は別々にレーザを発生し、かつビルドアップできるようになる。波長決定要素118の目的は、レーザを発生できるビルドアップキャビティモード数を制限することにある。レイジングモード数は、波長決定要素118の帯域により決まり、1つであってもよい。ビーム126と136ができるだけ大きいことを保証するには、波長決定要素118の透過率は、大きくなければならない。本発明の種々の稼働試作機では、80%以上の透過率が用いられた。
【0049】
波長決定要素118には適当なフィルタ要素があり、これは分散型か、吸収型かあるいは両者の組合わせ型でよい。狭帯域を有する光学フィルタ又は吸収体は、大多数のモードを多く減衰させ、従ってそれらが増えないようにするために用いてよい。適当なフィルタの例には、誘電スタック帯域フィルタ、エタロン、ライオット・フィルタ(Lyot filter)、及び超音波光学フィルタがある。要素118は、光源110の後部面113に、例えば、誘電スタック反射体またはその他の公知被膜を後部面113上に堆積することにより、組み入れてよい。この場合、後部面113の作用は、所定の適当に狭い周波数帯だけを反射させてビーム114の光路に沿って戻すことにあり、これによってレーザを発生できるキャビティモード数を制限するのである。
【0050】
分散要素、例えば回折格子及びプリズムは、ビームをある角度(光の周波数に依存)だけ偏光する。従って、僅か数個のビルドアップキャビティモードだけがビーム126で発生でき、かつダイオードレーザ光源110へ戻るビーム136を供給する。この場合、ビルドアップできるモード数は、波長決定要素118の分散及びこの要素とビルドアップキャビティ間の距離で決まる。
【0051】
適当な回折要素の例は、80%の透過効率を有し、mm当り1800本の溝を持つ透過格子である。反射格子を用いてもよい。本発明の試作では、mm当り2400本の溝と反射効率90%を有する格子を用いた。ビーム114は、波長決定要素118を通過する際、偏光(又は反射)してよい。
【0052】
図2は、本発明の第2の実施例を説明するもので、ここでは、後部面113は、放射面112同様、AR膜被覆されており、さらに追加ミラー200は、ビーム114を反射して後部面113を通して光源110に戻す。波長決定要素118は、もしそれが今度はミラー200と後部面113間に置かれると、上述と同じように動作するであろう。加えて、要素118の最適性能が得られるようビーム114を形成するには、光学形成系116が必要になろう。この場合、これも、ミラー200と後部面113間に、好ましくは(但し必要ではないが)波長決定要素118と後部面113間に配置されることになる。
【0053】
波長決定要素118によって通された周波数ウインド(即ち、帯域濾波)が同調できるなら、ビーム126の平均周波数も同調できよう。同調範囲は、最終的にダイオードレーザ光源110の利得帯域によって制限される。同調の例には、回折格子かエタロンの何れかを回転することが含まれる。本発明では、波長決定要素118は、レーザ光源110とキャビティとの間に置かれる。要素118は、このとき、光源の後部面113に組み込んでよく、もしくは光源と外部の追加ミラー200との間に置いてよい。本発明における要素118の位置は、それ故、例えばKozlovskyによって記述されたそれとは根本的に異なっている。本発明のキャビティの設計により、極僅かな量の光をミラー122及び124を通して通過させることができる。
【0054】
ミラー120、122、及び124はそれぞれ、ビーム126の強度を最適化するために従来の基準を併用して任意の特定検知用途のニーズを満足するよう選択した曲率半径と相対的間隔をもっている。ミラーの反射率の値は、光学キャビティの反射率の微細さ、従ってビーム126と136の強度を決める。実際の値は、与えられた用途によって異なり、またそれは、主要な考察事項がインピーダンス整合である公知技術を用いて、実験もしくは計算によって決めてよい。計算によれば、最適のインピーダンス整合したミラー120は、50〜300(ppm)の範囲の(透過、吸収、及び散乱損失を含む)損失をもつであろうこと、及び第2のミラー122、124の損失は1〜100ppmの範囲になるだろうということが示されている。本発明の試作に用いられた適当なミラーの透過損失の2つの例は、3個のミラー全てが12ppmという透過損失を持つときか、またはミラー120が約100ppmの損失を有し、かつミラー122及び124が約12ppmの損失を持つときかである。回折格子を使う系と光路においてキャビティより後の(キャビティの「エンドミラー」より向こうの)他の周波数ロッキング装置とを比べると、本発明のエンドミラー122、124は、従って、数桁多く反射してよく、損失を大幅に減少して本発明の効率を高めることができる。
【0055】
ミラー120、122、及び124の最適曲率半径も与えられた用途によって変わり、実験的もしくは理論的に決めることができる。本発明の1つの試作では、全てのミラー120、122、及び124の曲率半径は17cmであった。ミラー120と122間の距離、及びミラー120と124間の距離は、また、安定なキャビティモードを形成できるよう従来の任意のやり方で選択されるべきである。たった今述べた本発明の試作では、ミラー間の間隔は14cmであった。
【0056】
試料128が、キャビティのビーム路に充満する多くの気体を含有する場合は、ミラー120、122、及び124によって形成されるV型ビルドアップキャビティの2本のアーム間の角度は、小さい(例えば、20度未満)はずである。さもなければ、気体の変化に起因する屈折率の変化は、ビーム114が入り口のミラー120を通過する際そのビームの屈折に影響を及ぼすことになる。他のミラーの位置と曲率半径は、別の用途、例えば1つの小さいソリッドマウント内にはめ込めるようミラー124と120とを互いに接近させる使い方に適するであろう。
【0057】
検出系130は、発生された信号を集めるのに適した公知の光学系及び集めた信号を検出するための検出器を組み込んでいる。検出系130の位置は、検出系130に採用された光学系の位置で決まり、試料128の隣もしくは他の適切などこかの場所になろう。検出系の配置は、通常、用途によって決まり、試料が発すると予測される(ラマン散乱又は蛍光のような)光信号の特性についての実験又は知識により簡単に決めることができる。
【0058】
ミラー120、122、及び124によって特徴付けられる3ミラー式、V型のビルドアップキャビティは、唯一の好適なキャビティ構成ではない。他の構成を下に述べる。しかし、本発明のビルドアップキャビティの一般的性質は、ダイオードレーザへの大量の光のフィードバックが確保されることである。一般的に、キャビティ内ビーム126に由来する単一の戻りビーム136をもたらすキャビティ構成を選択すべきである。V型キャビティはこのことを達成するもので、その理由は、非共振入射ビームは何れも入り口のミラー120で反射し、ダイオードレーザへは戻らないであろう。これを達成する別の方法は、リングキャビティに必要になるような、余分のキャビティミラーを追加することにより行われるであろう。追加要素を必要としない好ましい例を図2及び図3に示す。
【0059】
図3は、本発明の第3の実施例を説明するもので、ここでは光学立方体310が図1に示されたミラー120、124の代わりをする。図2及び図3の両実施例に共通する特徴は、図1での参照番号を用いていることである。特に、第1の実施例におけるように単一ユニットに統合する必要はないが、一体化された光源、形成光学系及び波長決定要素は119の符号が付けられている。
【0060】
光学立方体310は、既知の手法で2個のプリズム312と314を一緒にして光学的にセメント接合することにより作られる。1つの試作では、2個の直角プリズムを使用した。プリズム312の1つの面(事実上、入射ビーム114及び戻りビーム136に平行な面)は強く反射するが、一方、面316と318(事実上、光学立方体310のそれぞれ入り口及び出口表面のビームに垂直な面)は、反射防止膜被覆されている。できるだけ大きい強度を持ったキャビティ内ビーム322を作り出すためには、表面又は面318はできるだけ損失を低くしなければならない。プリズム312の第3の面324(2個のプリズムの接触表面にある面)も強く反射し、その反射率の値は、既知の何れかの手法で、入力ビーム114をキャビティにインピーダンス整合できるように選択される。
【0061】
光学キャビティは、3個のミラー320、324、及び122で形成される。この構成の利点は、2個の光学要素が1つに統合されていることである。しかし、プリズム材料の複屈折を減ずるよう配慮することが必要である。偏光−回転要素(polarization−rotation element)326、好ましくは半波長板は、ビーム114が偏光しているとき必要となるもので、公知の従来技術を使って調整できよう。
【0062】
図4は、本発明による、再度適当な光源119を有する光学キャビティの第4の実施例を説明するものである。この実施例では、キャビティ構成は線形で、その反射率によってビーム114をキャビティにインピーダンス整合する入り口ミラー410を有し、ミラー410と122で形成されるものである。
【0063】
この場合、正確にビーム136に沿って戻るミラー410からの反射が存在し、これは2つの成分から成る。第1の反射成分は、キャビティの共振周波数の光から成り、第2の成分はその他の全ての入射周波数の光から成る。第1の共振成分は、ミラー410と122のパラメータ(曲率と反射率)及びビーム114と126間の空間的重複の度合いの両方によって測定される。第1の反射成分の大きさは、ミラー410を通して漏れ戻るキャビティ内光量と見なしてよく、それに反し、第2の成分は、ミラー410のみのパラメータ(曲率と反射率)によって決定される。これらの反射成分の両方とも、光源へのフィードバックとなる。このフィードバックの大きさは、さらにビーム形成光学系で決められる。
【0064】
もしそれが大きさの点で第1の共振フィードバック経路に類似しているなら、第2のフィードバック経路は、光源における光学利得と競合し、出力の不安定状態に至るであろう。光源を第1の共振フィードバック反射に安定して閉じ込めるには、第2のフィードバックの大きさが第1の共振フィードバックより約10倍以上小さいことが保証されなければならない。この場合、例えば、光源に対する駆動電流は、その系が第1の共振フィードバックのみに対するレイジングしきい値以上になるのに十分な利得だけを与えるよう選択してよい。この解決法の限界は、出力の不安定状態が起こるため、光源の利得をさらに増加できないことである。それ故、ミラー410及び122によって形成されるキャビティでビルドアップし得る出力の量が制限されることになる。別の、そして好ましい解法は、波長決定要素(図4ではユニット119に含まれている)を包含させ、それを光源とミラー410の間に置くことである。
【0065】
光学キャビティの共振モード間の周波数間隔は、ミラーの分離距離に逆比例する。もし光源(あるいはより正確には、光源の高い反射体、即ち、後部面113かミラー200の何れか)とミラー410間の距離が、ミラー410と122との間の距離より小さいなら、前者における共振モード間の周波数差は、後者におけるより大きい。例えば、もし狭帯域フィルタが、今述べた周波数差より小さい大きさの帯域濾波に関して用いられようなことがあれば、第1の共振経路が依然としてレーザを発生するとはいえ、第2のフィードバック経路はレーザを発しないようにされるであろう。同様の解決法は、上述の波長決定要素に対して、特にそれらがエタロンとして与えられるとき、可能となろう。
【0066】
非共振反射を分離する別の方法は、偏光による。もし半波長板のような低損失偏光−回転要素が光学キャビティに包含されるなら、共振反射は、非共振反射とは位相が異なり、光源とキャビティ間に偏光子を挿入することにより区別できる。もし光源が実質的に偏光した放射を放出するなら、さらに偏光−回転要素が必要になろう。
【0067】
本発明について説明した実施例において、キャビティ内ビームは、入り口の反射要素(ミラー120及び410又はプリズム対310)から、試料を通って、エンドミラー122まで、直進するものとして示されている。これは最も単純で、本発明が試料によるラマン散乱のような物理的特性を理解するのに使われるときは、従って好ましいキャビティ内光路であるが、その必要はない。その代わり、キャビティ内ビームは、キャビティ内ビームと検出系130に関して適切に配置された試料を有する1つ以上の中間反射要素に向けることができよう。但し、実質的にキャビティ内で無損失ビルドアップが維持されるほど中間要素が強く反射するもので、かつキャビティの幾何学的形状(間隔及び曲率半径)とその制限反射要素が従来の何れかの方法で調整されて安定なキャビティモードが形成されることが保証される場合に限る。
【0068】
そうした配置は、例えば、キャビティ内ビームが直接試料中を通過しないで、むしろ対象とする試料の識別特性がビームと試料の間の何らかの他の相互作用に基づいて検出される用途には、必要であるかも知れない。何れの場合においても、試料は、光学キャビティのある相互作用領域に置かれることになり、これは(図に示すように)キャビティ自体の内部であってよい。さらに、試料の光学損失はキャビティミラーのそれより小さくすべきである。もしそうでないなら、ミラーの反射率は、キャビティへのインピーダンス整合を最適化するよう選択されなければならない。
【0069】
本発明の種々の実施例においては、非線形結晶のような何らかの損失機構をキャビティに故意に包含させる必要はない。本発明の全ての実施例の1つの大きな利点は、それらによって、レーザダイオード放射の全スペクトルにわたって実質上無損失の反射が可能になることである。事実、キャビティ内の固有の構造的損失は全く無く、唯一つの「損失」は、試料によって吸収、変換、もしくは散乱された、勿論検出系130で検出されるエネルギーに関係のあるものだけであろう。
【0070】
本発明は、上記の実施例に限定されるものではない。すなわち、下記に述べるような好適な種々の実施態様を有している。
【0071】
すなわち、本発明の化学物質検出システムは、〔1〕A)放射面を有し、かつ入射ビームを入射ビーム経路に沿って出力する半導体レーザと、
B)第1の入り口反射要素と少なくとも1つの第2の反射要素との間で限定され、キャビティ内ビーム経路に沿ってキャビティ内ビームを有する光共振キャビティと、
C)入り口反射要素中を透過するキャビティ内ビームの一部から成り、入射ビームと一致するがそれとは逆方向である戻りビームと、
D)検出系と、
から構成される試料中の化学物質検出システムであって、
E)試料はキャビティの相互作用領域に置かれ、検出系はその相互作用領域内部で試料の所定の特性を検知できるよう配置されること、
F)検出系が相互作用領域に隣合って置かれること、
G)レーザはキャビティに対して全体的に光学ロッキングされること、
H)キャビティ内ビームは、試料との相互作用以外は実質上無損失でキャビティ内部を通過することを特徴とし、〔2〕〜〔18〕のような好適な実施態様を有している。
【0072】
〔2〕さらに、レーザと入り口反射要素との間の入射ビーム経路に波長決定要素を包含する〔1〕に記載のシステム。
【0073】
〔3〕波長決定要素が回折格子である〔2〕に記載のシステム。
【0074】
〔4〕波長決定要素がエタロンである〔2〕に記載のシステム。
【0075】
〔5〕入り口反射要素が50〜300ppmの範囲の損失を有し、かつ各第2の反射要素が1〜100ppmの範囲にある損失を有することを特徴とする〔1〕に記載のシステム。
【0076】
〔6〕放射面を通したレーザへの戻りビームのフィードバックが3%より大きい〔1〕に記載のシステム。
【0077】
〔7〕放射面が反射防止膜被覆されている〔1〕に記載のシステム。
【0078】
〔8〕放射面が0.01より小さい反射率を有する〔7〕に記載のシステム。
【0079】
〔9〕放射面が0.0001より小さい反射率を有する〔8〕に記載のシステム。
【0080】
〔10〕さらに、光学形成,インピーダンス整合装置を入射ビーム経路に包含する〔1〕に記載のシステム。
【0081】
〔11〕入り口反射要素が入射ビームに垂直にならないような角度に置かれる〔1〕に記載のシステム。
【0082】
〔12〕さらに、バックミラーを包含し、ここで
A)半導体レーザが後部面を有すること、
B)バックミラーが、後部面を出る光を反射して後部面を通して半導体レーザへ戻すこと、
を特徴とする〔1〕に記載のシステム。
【0083】
〔13〕さらに、バックミラーと後部面との間に配置される波長決定要素を包含する〔12〕に記載のシステム。
【0084】
〔14〕後部面が反射防止膜被覆されている〔13〕に記載のシステム。
【0085】
〔15〕さらに、半導体レーザから放出される光を光学的に形成し、かつインピーダンス整合するための、光学形成,インピーダンス整合手段を包含する〔14〕に記載のシステム。
【0086】
〔16〕半導体レーザが狭帯域幅の反射膜被覆される後部面を有する〔1〕に記載のシステム。
【0087】
〔17〕狭帯域幅の反射膜が誘電スタックである〔16〕に記載のシステム。
【0088】
〔18〕さらに、半導体レーザから放出される光を光学的に形成し、かつインピーダンス整合するための、光学形成,インピーダンス整合手段を包含する〔17〕に記載のシステム。
【0089】
また、本発明の化学物質検出方法は、〔19〕A)半導体レーザからの入射光を、入射ビームとして実質上無損失の、内部に障害の無い光共振キャビティに向けるステップ、
B)レーザを光共振キャビティに対し全体的に光学ロッキングするステップ、
C)試料をキャビティの相互作用領域に配置するステップ、
D)相互作用領域内で試料の所定の特性を検出するステップ、
とからなることを特徴とし、〔20〕〜〔22〕のような好適な実施態様を有している。
【0090】
〔20〕さらに、入射ビームの少なくとも3%の強度を有する戻りビームをレーザへフィードバックするステップを包含する〔19〕に記載の方法。
【0091】
〔21〕半導体レーザが無修正の放射面を有するダイオードレーザであり、さらに裸ダイオードのしきい値電流より少ない電流でダイオードレーザを駆動するステップを包含する〔20〕に記載の方法。
【0092】
〔22〕さらに、半導体レーザの放射面を反射防止膜で被覆するステップを包含する〔20〕に記載の方法。
【0093】
さらに、本発明の半導体レーザ出力ビルドアップシステムは、〔23〕A)放射面を有し、入射ビームを入射ビーム経路に沿って出力する半導体レーザと、
B)第1の入り口反射要素と少なくとも1つの第2の反射要素間で限定され、キャビティ内ビーム経路に沿ってキャビティ内ビームを有する光共振キャビティと、
C)入り口反射要素中を透過するキャビティ内ビームの一部から成り、入射ビームと一致するがそれとは逆方向である戻りビームと、
から構成され、
D)レーザはキャビティに全体的に光学ロッキングされること、
E)キャビティ内ビームは実質上無損失でキャビティ内部を通過すること、
を特徴とするもので、〔24〕〜〔39〕のような好適な実施態様を有している。
【0094】
〔24〕さらに、レーザと入り口反射要素との間の入射ビーム経路に波長決定要素を包含する〔23〕に記載のシステム。
【0095】
〔25〕波長決定要素が回折格子である〔24〕に記載のシステム。
【0096】
〔26〕入り口反射要素が50〜300ppmの範囲の損失を有し、かつ第2の反射要素が1〜100ppmの範囲にある複数の損失を有することを特徴とする〔23〕に記載のシステム。
【0097】
〔27〕放射面が0.01より小さい反射率を有する〔23〕に記載のシステム。
【0098】
〔28〕放射面が0.0001より小さい反射率を有する〔27〕に記載のシステム。
【0099】
〔29〕放射面を通してレーザへもどる戻りビームのフィードバックが3%より大きい〔23〕に記載のシステム。
【0100】
〔30〕放射面が反射防止膜被覆されている〔29〕に記載のシステム。
【0101】
〔31〕さらに、光学形成,インピーダンス整合装置を入射ビーム経路に包含する〔23〕に記載のシステム。
【0102】
〔32〕入り口反射要素が入射ビームに垂直にならないような角度に置かれる〔23〕に記載のシステム。
【0103】
〔33〕さらに、バックミラーを包含し、
A)半導体レーザが後部面を有すること、
B)バックミラーが、後部面を出た光を反射し後部面を通して半導体レーザへ戻すこと、
を特徴とする〔23〕に記載のシステム。
【0104】
〔34〕さらに、バックミラーと後部面との間に配置される波長決定要素を包含する〔33〕に記載のシステム。
【0105】
〔35〕後部面が反射防止膜被覆されている〔34〕に記載のシステム。
【0106】
〔36〕さらに、半導体レーザから放出される光を光学的に形成し、かつインピーダンス整合するための光学形成,インピーダンス整合手段を包含する〔35〕に記載のシステム。
【0107】
〔37〕半導体レーザが狭帯域幅の反射膜被覆される後部面を有する〔23〕に記載のシステム。
【0108】
〔38〕狭帯域幅の反射膜が誘電スタックである〔37〕に記載のシステム。
【0109】
〔39〕さらに、半導体レーザから放出される光を光学的に形成し、かつインピーダンス整合するための光学形成,インピーダンス整合手段を包含する〔38〕に記載のシステム。
【0110】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明では、低入力で高出力を得ることができ(すなわち低損失で)、かつ安定した出力を得ることができる、化学物質検出システム、化学物質検出方法、および半導体レーザ出力ビルドアップシステムを提供することができる。
すなわち、本発明によれば、光源について何ら電子的制御を要することなくキャビティ内ビームの出力を入射ビームより何桁も大きくさせることができる。またキャビティに位相ロックする別の電子回路系を必要としない等により、小型で安価な光源によって試料から極めて大きい光信号を発生できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の第1の実施例を示す図であり、出力ビルドアップキャビティに対して外部にある光学ロッキング半導体光源を有する、検知システムを説明する図である。
【図2】外部ミラーは光を反射して反射防止膜被覆した後部面を通して光源へ戻す、本発明の第2の実施例を説明する図である。
【図3】光学立方体が、図1に示された実施例における複数のミラーと入れ換えられる第3の実施例を説明する図である。
【図4】キャビティが線形構成を有する、本発明の第4の実施例を説明する図である。
【符号の説明】
110 光源(レーザ)
112 放射面
113 後部面
114 ビーム
116 光学形成系
118 波長決定要素
119 光源のユニット
120 入り口のミラー
122,124 エンドミラー
125 ビームの一部
126 キャビティ内ビーム
128 試料
130 検出系
132 処理回路
134 表示装置
135 光ビーム形成系
136 戻りビーム
200 追加ミラー
310 光学立方体(プリズム対)
312,314 プリズム
316,318 光学立方体310の入り口及び出口表面
322 キャビティ内ビーム
324 プリズム312の第3の面
326 偏光−回転素子
410 入口ミラー
Claims (2)
- (A)放射面を有し、且つ入射光ビームを入射ビーム経路に沿って出力する半導体レーザと、
(B)第1の入口反射要素と少なくとも1つの第2の反射要素との間で決定され、櫛形共振周波数を有し、実質上無損失とされるキャビティ内ビーム経路とを含み、該キャビティ内ビーム経路の全体にわたって、前記櫛形共振周波数の中の周波数を有するキャビティ内光ビームが伝搬するようにされる光共振キャビティと、
(C)該光共振キャビティから前記入口反射要素を通過して、前記入射光ビームの伝搬する向きと逆向きに伝搬し、前記放射面の低減された反射率により前記半導体レーザへ戻り、安定したロッキングのための出力状態を維持するようにして、前記半導体レーザを光学的に完全に且つ受動的に周波数ロッキングする基準光ビームと、
(D)試料を受け取り、前記キャビティ内光ビームが前記試料を交差できるように前記キャビティ内ビーム経路に沿った相互作用領域内に置かれる試料受け取り手段と、
(E)前記相互作用領域に隣り合って置かれ、前記キャビティ内光ビームと前記試料の交差作用に対する応答として、前記試料の所定の特性を検知する検知手段
とを有することを特徴とする試料中の化学物質検出システム。 - (A)第1の反射要素と少なくとも一つの第2の反射要素との間の光ビーム経路を、櫛形光共振周波数を有する実質上無損失の光共振キャビティの形成を含めて、提供する工程と、
(B)半導体レーザからの入射光を、入射光ビームとして前記光共振キャビティに向ける工程と、
(C)前記第1の反射要素から入れられる前記入射光ビームのうち前記櫛形共振周波数の中の周波数を有する前記入射光ビームの成分を、前記光共振キャビティ内で繰り返し反射させる副工程と、前記成分の一部を前記光共振キャビティから前記第1の反射要素を通過するようにして、前記半導体レーザへと方向付け、前記放射面における低減された反射率により前記半導体レーザへ戻し、安定したロッキングのための出力状態が維持されるようにする副工程とを有する、前記半導体レーザを光学的に完全に且つ受動的に周波数ロッキングする工程と、
(D)試料を前記光共振キャビティの相互作用領域に配置して、前記入射光ビームの前記成分が前記試料に入射するようにする工程と、
(E)前記試料の応答を検出し、前記相互作用領域内で前記試料の所定の特性を測定するための検出を行うことにより、前記試料から化学物質を同定する工程
とを有することを特徴とする化学物質検出方法。
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