JP3825165B2 - 紫外線防御フィルム及びシュリンクフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
包装等に使用された場合に中身を外部からの紫外線から保護する紫外線防御フィルム、及びかかる紫外線防御特性を備えると共にシュリンク性を有するシュリンクフィルムに関し、特にかかる紫外線防御特性を備えると共に無色で透明性を有するフィルム及びシュリンクフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
包装等に使用された場合に、紫外線を吸収して中身を外部からの紫外線より保護する紫外線防御フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下、適宜PETと称する)材やポリ塩化ビニル材に紫外線吸収剤を練り混んでフィルム状にしたものや、PETフィルムやポリ塩化ビニルフィルム上に紫外線吸収剤をコーティングしたものなどが広く使用されている。
【0003】
PETはテレフタル酸又はそのジメチルエステルとエチレングリコールの重縮合によって合成される高分子であり、繊維、フィルム、成形品に広く用いられている。また、現在では液体用容器(ボトル)として急速に普及している高分子材である。そして高強度、熱安定性、耐薬品性などの特徴を有しており、そのフィルムは溶融押出しと一軸又は二軸配向によって製造されている。
【0004】
また、ポリ塩化ビニルは塩化ビニルモノマーの重合体であって、無色無臭の粉末であり、電気絶縁性や耐水性や難燃性を備え、フィルム等に加工されうる代表的樹脂である。これらPETやポリ塩化ビニルのフィルムは比較的安価であり、また適当なシュリンク性付与のための工程を経ることによりシュリンク性を有することができ、シュリンクフィルムとして使用することも可能である。
【0005】
従って、上記のPET材やポリ塩化ビニル材に紫外線吸収剤を練り混んでフィルム状にしたものや、PETフィルムやポリ塩化ビニルフィルム上に紫外線吸収剤をコーティングしたものも、適当に加工されて紫外線防御特性を備えたシュリンクフィルムを構成しうる。そして、これら紫外線防御特性を備えたシュリンクフィルムはその主要構成材料であるPETやポリ塩化ビニルが上記のように比較的安価であるということから、同様に比較的安価であるという特徴も併せ持っている。
【0006】
尚、ここで使用する「紫外線防御特性」なる語句は少なくとも、紫外線を吸収して紫外線の透過を抑制するフィルム等の紫外線吸収特性及び紫外線を反射・散乱して紫外線の透過を抑制するフィルム等の紫外線反射特性を含む意味で使用される。
【0007】
しかし、上記のPET材やポリ塩化ビニル材に紫外線吸収剤を練り混んでフィルム状にしたものや、PETフィルムやポリ塩化ビニルフィルム上に紫外線吸収剤をコーティングしたものは、若干黄色味を帯びる傾向があり、無色透明とはいえない。
【0008】
従って、包装等に使用された場合に、中身が着色されて見えてしまうという問題を有する。化粧品等の製品やそれを収納・充填する容器の色や意匠性が非常に重要な要素をなす技術分野においては、例えばメーキャップ製品やパフ等の用具など、製品の保護や製品を充填・収納する容器の包装にそれらの着色したフィルムを使用しようとする場合、製品本来の色やそれを収納・充填する容器の意匠性が損なわれてしまう結果をもたらす。
【0009】
その結果、特異な場合を除いて通常は、いかに安価であるとはいえ、そのようなフィルムやシュリンクフィルムを製品や容器に対し用いることはできない。無色透明でありながら包装等に使用された場合に、中身を外部の紫外線から防御しうるフィルムとしては、ポリエチレンナフタレート(ポリエチレン2,6−ナフタレートであり、以下適宜、PENと称する)からなるフィルムがある。
【0010】
PENは、PETの含有するベンゼン環骨格部分に対応する骨格部分がナフタレン環構造を有しており、PETよりも強度、弾性率、耐熱性及びガスバリヤ性に優れたフィルムを提供しうる材料である。またその紫外線の吸収特性については、含有するナフタレン環構造に由来してPETより長波長にまでその吸収末端が及ぶという特徴を有するが、その効果・程度は自身が目に見えて黄色い色を呈するという程のものではなく、実質的に無色透明なフィルムを構成しうる。
【0011】
従って、PENによりフィルムを構成すれば無色透明且つ紫外線吸収特性の優れた紫外線防御フィルムを構成することが出来ることになる。しかし、そのPETより高いという優れた強度が逆に災いして、PENフィルムへのシュリンク性の付与には問題がある。つまり、PENは固すぎてシュリンク性を有しえず、シュリンクフィルムを構成することが出来ない。
【0012】
また、PETに比べ高価な材料であり、製品のコストを考慮する場合、大量の使用は問題となりうる。従って、透明性と紫外防御特性という優れた特性を共に具備しながら、そのままシュリンク包装用のシュリンクフィルムに使用することは出来ず、製品の保護という観点からのその用途はごく限られたのとなっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は上記課題を解決した新規な紫外線防御フィルム及びシュリンクフィルムを提供することである。また、本発明の別の目的は、フィルムにおいて、PENを使用して透明性と紫外線防御特性の両立を図るとともに、安価に十分なシュリンク性の付与を可能にすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ポリエチレンテレフタレートからなるベース基材に、外部から入射する紫外線の反射を生じさせる粒径を有する、ポリエチレンナフタレートからなる微粉末を分散させたことを特徴とする紫外線防御フィルムである。
請求項2に記載の発明は、
ポリエチレンテレフタレートからなるベース基材に、外部から入射する紫外線の反射を生じさせる粒径を有する、ポリエチレンナフタレートの微粉末を分散させて構成されたフィルムからなり、収縮性を付与されたことを特徴とするシュリンクフィルムである。
【発明の実施の形態】
本発明の第一の態様は、紫外線防御フィルムにおいて、ポリエチレンテレフタレートからなるベース基材に、ポリエチレンナフタレートからなる微粉末を分散させたことを特徴とする。本発明の第二の態様は、シュリンクフィルムにおいて、ポリエチレンテレフタレートからなるベース基材にポリエチレンナフタレートの微粉末を分散させて構成されたフィルムからなり、収縮性を付与されたことを特徴とする。
【0015】
本発明の第一の態様によれば、ベース基材を構成する紫外線吸収効果の低いPETに紫外線吸収効果の高いPENの微粉末を分散させて、フィルムを構成することが可能であり、得られるフィルムは分散されたPEN微粒子の紫外線吸収効果により、PET単体からなるフィルムに比べ高い紫外線防御特性を示すことが可能である。
【0016】
また、ベース基材に、それと異なる材料の微粉末を分散させることにより、フィルム中に屈折率の異なる領域を分散して形成する。かかる屈折率の異なる二つの領域の界面では外部から入射する紫外線の反射が生じ、フィルムを透過して内部に到達する光を減少することが可能となる。このとき、PENはPETに対し相溶性がよく、PEN微粉末をPET基材に分散させた時にPEN微粒子とPET基材の密着性は良好であり、得られるフィルムの強度がPET単体からなるフィルムに比べ低下することはない。
【0017】
更に、比較的安価なPETをベース基材に使用し、高価なPENの使用量を減らすことが可能であり、紫外線防御効果と製品コストの抑制という二つの特徴の両立が可能である。以上より、フィルムにおいて、PENを使用して透明性と紫外線防御特性の両立を図るとともに、安価にこれを提供することが可能である。
【0018】
本発明の第二の態様によれば、ベース基材を構成する紫外線吸収効果の低いPETに紫外線吸収効果の高いPENの微粉末を分散させて構成したフィルムを使用することが可能であり、使用するフィルムは分散されたPEN微粒子の紫外線吸収効果により、PET単体からなるフィルムに比べ高い紫外線防御特性を示すことが可能である。
【0019】
また、かかるフィルムはベース基材に、それと異なる材料の微粉末を分散させることにより、フィルム中に屈折率の異なる領域を分散して形成し、このような屈折率の異なる二つの領域の界面では外部から入射する紫外線の反射が生じ、フィルムを透過して内部に到達する光を減少することが可能となる。このとき、PENはPETに対し相溶性がよく、PEN微粉末をPET基材に分散させた時にPEN微粒子とPET基材の密着性は良好であり、得られるフィルムの強度がPET単体からなるフィルムに比べ低下することはない。
【0020】
また、ベース基材であるPETは適当な処理によりシュリンク性の付与が可能な材料であり、従って、PENの微粉末を分散させて構成したPETベースのフィルムは、同様の適当な処理に由来するシュリンク性を有することが可能となる。更に、比較的安価なPETをベース基材に使用し、高価なPENの使用量を減らすことが可能であり、紫外線防御効果とシュリンク性と製品コストの抑制という異なる要求の満足が可能である。
【0021】
以上より、フィルムにおいて、PENを使用して透明性と紫外線防御特性の両立を図るとともに、これを使用してベース基材であるPETの特性を生かし、安価且つ十分なシュリンク性を有するシュリンクフィルムを構成し、これを提供することが可能である。
【0022】
以下、本発明の実施例を図面を使用して説明する。
(実施例1)図1は、本発明にかかる第一実施例である紫外線防御フィルムの構造を示す断面図である。
【0023】
本発明にかかる第一実施例である紫外線防御フィルム1は、ポリエチレンテレフタレートからなるベース基材2に、ポリエチレンナフタレートからなる微粉末3を分散させた構成を有する。図2は本発明にかかる第一実施例である紫外線防御フィルム1の紫外線防御効果の発生について説明する図である。この時、図2(A)はベース基材2に分散されたポリエチレンナフタレートからなる微粉末3が紫外線4を吸収する様子を模式的に示し、図2(B)はベース基材2に分散されたポリエチレンナフタレートからなる微粉末3がその界面で紫外線4を屈折させ、その結果、紫外線防御フィルム1が紫外線4を散乱する様子を模式的に示す。
【0024】
紫外線防御フィルム1は、図1のように、紫外線吸収効果の高いPENの微粉末3を分散させているため、ベース基材2を構成するPETの紫外線防御効果が低いにも関わらず、図2(A)に示すようなPEN微粉末3の紫外線吸収効果により、PETのみからなる従来フィルムに比べ高い紫外線防御特性を示すことが可能である。
【0025】
また、図2(B)のように、PETからなるベース基材2に、異なる材料であるPENの微粉末3を分散させることにより、紫外線防御フィルム1中にベース基材部分と微粉末3部分からなる屈折率の異なる二種類の領域を分散して形成する。かかる屈折率の異なる二種類の領域の界面では外部から入射する紫外線4の屈折・反射が生じ、紫外線防御フィルム1を透過して内部に到達する光を減少することが可能となる。
【0026】
尚、上記の屈折率の異なる二種類の領域の界面で生じる外部から入射する紫外線の散乱は、それが可視光をも散乱する様な場合、紫外線防御フィルムの可視光透過率を低下させ、即ち曇りを生じえるが、紫外線防御フィルムが通常非常に薄いこともあり、目に見えて曇りを生じるということは実質的にはない。またこのとき、PENはPETに対し相溶性がよく、PEN微粒末3をPETからなるベース基材2に分散させた時に、PEN微粒末3とPETからなるベース基材2との間の密着性は良好であり、得られる紫外線防御フィルム1の強度がPETのみからなる従来フィルムに比べ低下することはほとんどない。
【0027】
更に、比較的安価なPETをベース基材2に使用することで、高価なPENの使用量を減らすことが可能であり、紫外線防御効果と製品コストの抑制という二つの特徴の両立が可能である。次に、本発明にかかる第一実施例である紫外線防御フィルム1の製造について説明する。
【0028】
第一実施例である紫外線防御フィルム1の製造では、PENの微粉末3を融解させてPETからなるベース基材2に溶解させてしまうことが無いように、PENの融点よりも低い温度で熱的に軟化されたPETを使用する。かかる温度で維持されたPETにPENの微粒末3を添加して適度に分散させ、かかる混合物を使用して紫外線防御フィルム1を、例えば溶融押出しと一軸あるいは二軸配向によって成形して製造する。
【0029】
このとき、分散されるPENの微粉末3の大きさは、製造される紫外線防御フィルム1に凹凸を生じない程度、即ち製造される紫外線防御フィルム1の厚さに従い、その厚みより小さい外径のものであればよい。尚、後に説明するシュリンクフィルムの製造に使用する場合の分散されるPENの微粉末の大きさは、シュリンク性を付与する工程での延伸時でもシュリンクフィルム中に凹凸を生じない程度、即ち延伸時のシュリンクフィルムの厚さに従い、その厚みより小さい外径のものであればよい。
【0030】
また、反射・散乱させるべき光と透過させるべき可視光の波長特性を考慮して、分散されるPENの微粉末の粒径を設計する事も可能である。以上より、紫外線防御フィルムにおいて、透明性と紫外線防御特性の両立を図るとともに、安価にこれを提供することが可能である。かかる紫外線防御フィルムは、メーキャップ化粧料と共に容器内に収納されてそのメーキャップ化粧料を保護するフィルム等に使用可能である。
【0031】
(実施例2)次に、本発明にかかる第二実施例であるシュリンクフィルムについて説明する。図3は、本発明にかかる第二実施例であるシュリンクフィルムの構造を示す断面図である。
【0032】
本発明にかかる第二実施例であるシュリンクフィルム11は、ポリエチレンテレフタレートからなるベース基材12にポリエチレンナフタレートの微粉末13を分散させて構成されたフィルム14からなり、収縮性を付与されてシュリンク性を有している。即ち本発明にかかる第二実施例であるシュリンクフィルム11は、上記第一実施例にかかる紫外線防御フィルム1がベース基材に収縮性の付与が可能なPET材を使用していることを利用し、これに以下で述べるように収縮性が付与されて、構成されている。
【0033】
よって、上記第一実施例にかかる紫外線防御フィルム1の特性を損なうこと無く、同様に具備している。すなわち、シュリンクフィルム11は、上記第一実施例にかかる紫外線防御フィルム1と同様に、紫外線吸収効果の高いPENの微粉末13を分散させているため、ベース基材12を構成するPETの紫外線防御効果が低いにも関わらず、PEN微粉末13の紫外線吸収効果により、PETやポリ塩化ビニルのみからなる従来フィルムに比べ上記紫外線防御フィルム1と同様の高い紫外線防御特性を示すことが可能である。
【0034】
また、PETからなるベース基材12に、異なる材料であるPENの微粉末13を分散させることにより、シュリンクフィルム11中にベース基材部分と微粉末13部分からなる屈折率の異なる二種類の領域を分散して形成する。かかる屈折率の異なる二種類の領域の界面では外部から入射する紫外線の屈折・反射が生じ、シュリンクフィルム11を透過して内部に到達する光を減少することが可能となる。
【0035】
尚、上記の屈折率の異なる二種類の領域の界面で生じる外部から入射する紫外線の散乱は、それが可視光をも散乱する様な場合、紫外線防御フィルムの可視光透過率を低下させ、即ち曇りを生じえるが、紫外線防御フィルムが通常非常に薄いこともあり、目に見えて曇りを生じることは実質的にはない。またこのとき、PENはPETに対して相溶性がよく、PEN微粒末13をPETからなるベース基材12に分散させた時に、PEN微粒末13とPETからなるベース基材12との間の密着性は良好であり、得られるシュリンクフィルム11の強度がPETのみからなる従来フィルムに比べ低下するということはほとんどない。
【0036】
更に、比較的安価なPETをベース基材12に使用することで、高価なPENの使用量を減らすことが可能であり、紫外線防御効果とシュリンク性の具備と製品コストの抑制という異なる要求の満足が可能である。次に、以上の性能を有する第二実施例であるシュリンクフィルム11の製造について説明を行なう。
【0037】
第二実施例であるシュリンクフィルム11の製造は、上記第一実施例にかかる紫外線防御フィルム1の製造と同様に若しくは同様の構造のフィルムを使用して行なう。即ち、PENの軟化点よりも低い温度であって、PETの軟化点よりも少し低い温度で熱的に軟化されたPETをベース基材に使用し、かかるPETにPENの微粒末13を添加して適度に分散させ、得られた樹脂混合物を使用して一方向又は縦横二方向に延伸し、その後冷却して内部のひずみ応力を残した状態で固定することにより収縮性を付与して製造する。
【0038】
または、適当な成形方法によって製造された上記第一実施例にかかる紫外線防御フィルム1と同様の構造のフィルムを使用し、これを用いて一方向又は縦横二方向の熱延伸を行い、続いて冷却して内部のひずみ応力を残した状態で固定して製造を行なう。以上のようにして製造されたシュリンクフィルムは再び加熱されたときに残留ひずみを除去するように熱収縮を起こす。この熱収縮性を利用すれば、包装されるべき品物を大まかに(ラフに)包んだ後、加熱することによりシュリンクフィルムは収縮し、タイトな状態に包装された包装品が得られる。
【0039】
尚、シュリンクフィルム11を構成する、分散されるPENの微粉末13の大きさは、シュリンク性を付与するための延伸された状態でも、シュリンクフィルム11中に凹凸を生じない程度、即ち延伸時のシュリンクフィルム11の厚さに従い、その厚みより小さい外径のものであればよい。また、反射・散乱させるべき光の波長特性を考慮して、分散されるPENの微粉末13の粒径を設計する事も可能である。
【0040】
以上より、フィルムにおいて、PENを使用して透明性と紫外線防御特性の両立を図るとともに、これを使用してベース基材であるPETの特性を生かし、安価且つ十分なシュリンク性を有するシュリンクフィルムを構成し、これを提供することが可能である。かかるシュリンクフィルムはメーキャップ製品やパフ等の用具包装用のシュリンクフィルムとして利用可能である。
【0041】
本発明の第一の態様によれば、得られるフィルムは分散されたPEN微粒子の紫外線吸収効果により、PET単体からなるフィルムに比べ高い紫外線防御特性を示すことが可能である。また、フィルム中に屈折率の異なる二つの領域を形成し、その界面で外部から入射する紫外線の反射が生じ、フィルムを透過して内部に到達する光を減少することが可能となる。
【0042】
このとき、得られるフィルムの強度がPET単体からなるフィルムに比べ低下することはない。更に、紫外線防御効果と製品コストの抑制という二つの特徴の両立が可能である。以上より、フィルムにおいて、PENを使用して透明性と紫外線防御特性の両立を図るとともに、安価にこれを提供することが可能である。
【0043】
本発明の第二の態様によれば、使用するフィルムは分散されたPEN微粒子の紫外線吸収効果により、PET単体からなるフィルムに比べ高い紫外線防御特性を示すことが可能である。また、フィルム中に屈折率の異なる領域を分散して形成し、外部から入射する紫外線の反射が生じさせ、フィルムを透過して内部に到達する光を減少することが可能となる。
【0044】
このとき、得られるフィルムの強度がPET単体からなるフィルムに比べ低下することはない。また、適当な処理に由来するシュリンク性を有することが可能となる。更に、紫外線防御効果とシュリンク性と製品コストの抑制という異なる要求の満足が可能である。
【0045】
以上より、フィルムにおいて、PENを使用して透明性と紫外線防御特性の両立を図るとともに、これを使用してベース基材であるPETの特性を生かし、安価且つ十分なシュリンク性を有するシュリンクフィルムを構成し、これを提供することが可能である。
【発明の効果】
本発明によれば、新規な紫外線防御フィルム及びシュリンクフィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第一実施例である紫外線防御フィルムの構造を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる第一実施例である紫外線防御フィルムの紫外線防御効果の発生について説明する図である。
【図3】本発明にかかる第二実施例であるシュリンクフィルムの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 紫外線防御フィルム
2,12 ベース基材
3,13 微粉末
4 紫外線
11 シュリンクフィルム
14 フィルム
Claims (2)
- ポリエチレンテレフタレートからなるベース基材に、外部から入射する紫外線の反射を生じさせる粒径を有する、ポリエチレンナフタレートからなる微粉末を分散させたことを特徴とする紫外線防御フィルム。
- ポリエチレンテレフタレートからなるベース基材に、外部から入射する紫外線の反射を生じさせる粒径を有する、ポリエチレンナフタレートの微粉末を分散させて構成されたフィルムからなり、収縮性を付与されたことを特徴とするシュリンクフィルム。
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DE10227439A1 (de) | 2002-06-20 | 2004-01-08 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | Transparente Folie aus PET und PEN mit UV-Schutz, Verfahren zu ihrer Herstellung und Verwendung in Verpackungen mit verlängerter Lebensdauer |
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