映像を低いビットレートで圧縮する方法として、MPEG2規格(ISO/IEC 13818−1)で規定されているシステムストリームがある。当該システムストリームには、プログラムストリーム、トランスポートストリーム、及びPESストリームの3種類が規定されている。
一方、磁気テープに代わる映像記録媒体としてDVD−RAMやMO等の光ディスクが注目を浴びてきている。このうち、DVD−RAMに映像を記録するための規格として「Video Recording規格」(DVD Specifications for Re-writable/Re-recordable Discs Part3 VIDEO RECORDING version 1.0 September 1999)がある。図27に、従来のDVD−RAMディスクを使った映像のリアルタイム記録再生装置の構成図を示す。図27において、映像信号入力部1及び音声信号入力部2から入力した信号を各々映像圧縮部3及び音声圧縮部4で圧縮し、プログラムストリーム組み立て部51においてプログラムストリームを作成し、記録部6及びピックアップ7を経由してDVD−RAMディスク81へ書き込む。再生時は、ピックアップ7及び再生部31を経由して取り出したプログラムストリームをプログラムストリーム分解部37で映像信号と音声信号に分離し、各々映像伸長部33及び音声伸長部34を介して、映像表示部35及び音声出力部36へ出力する。
1394インタフェース経由で映像信号を外部に出力する場合、再生部31を経由して取り出したプログラムストリームをPS/TS変換及び出力タイミング調整部11でトランスポートストリームへ変換後に1394インタフェース部9へ渡す。1394インタフェース部9経由で映像信号を入力して記録する場合、1394インタフェースへ外部から入力されるトランスポートストリーム形式の映像信号をTS/PS変換部12でプログラムストリーム形式へ変換し、記録部6を経由してDVD−RAMディスク81へ記録する。
映像信号の記録時には、記録制御部61が記録部6の制御を行なう。また、連続データ領域検出部62は、記録制御部61の指示によって、論理ブロック管理部63で管理されるセクタの使用状況を調べて、物理的に連続する空き領域を検出する。
記録された映像信号ファイルを削除する際には、削除制御部64が記録部6及び再生部31を制御して削除処理を実施する。
記録した後でアフレコ(アフターレコーディング)する予定の場合には、あらかじめアフレコ用ダミーパケット発生部10を起動しながら映像記録を行なう。これによって、MPEGシステムストリーム中にアフレコ用ダミーデータが混在することになる。
アフレコする場合にはアフレコ制御部65が再生部31を起動してユーザにあらかじめ記録された映像を見せながら、同時にその映像に合わせた裏音声を記録部6を制御することによって記録する。これによりアフレコ処理を完了する。
また、図28は、DVD−RAMにリアルタイムで映像記録する場合の記録フォーマットを示す。DVD−RAMは2Kバイトのセクタから構成され、16個のセクタを1つの論理ブロックとして取り扱い、この論理ブロックごとに誤り訂正符号を付与してDVD−RAMへ記録する。さらに最大記録再生レート換算で11秒分以上の物理的に連続する論理ブロックを1つの連続データ領域として確保し、この領域へ0.4〜1秒分のMPEGストリームからなる単位ビデオパケット(Video OBject UNIT:以下、「VOBU」という。)を順に記録する。1つのVOBUは2Kバイト単位のMPEGプログラムストリームの下位階層であるパックから構成される。パックは、ビデオ圧縮データが格納されたビデオパック(V_PCK)と、オーディオ圧縮データが格納されたオーディオパック(A_PCK)の2種類から構成される。また、1つのVOBUには対応する時間のV_PCK及びA_PCKが全て含まれている。
AVデータ記録再生装置の連続データ領域検出部62は、1つの連続データ領域の残りが最大記録再生レート換算で3秒分を切った時点で、次の連続データ領域の再検出を行なう。そして、1つの連続データ領域が一杯になると、次の連続データ領域に書き込みを行なう。
また、図29はDVD−RAM上の記録内容がUDF(Universal Disk Format)ファイルシステムもしくはISO/IEC 13346(Volume and file structure of write once and rewritable media using non-seqential recording for information interchange)ファイルシステムによって管理されている状態を示す図である。図29では、連続して記録された1つのMPEGプログラムストリームがファイルVR_MOVIE.VROとして記録されている。このファイルは、ファイル名及びファイルエントリの位置が、FID(File Identifier Descriptor)で管理されている。
なお、UDF規格はISO/IEC 13346規格のサブセットに相当する。また、DVD−RAMドライブを1394インタフェース及びSBP−2(Serial Bus Protocol-2)プロトコルを介してパソコンへ接続することにより、UDFに準拠した形態で書きこんだファイルがパソコンからも1つのファイルとして扱うことが可能である。
また、ファイルエントリは、アロケーションディスクリプタを使ってデータが格納されている連続データ領域a、b、cを管理する。具体的には、記録制御部61によって連続データ領域aへの記録中に不良論理ブロックが見つかると、当該論理ブロックをスキップして、連続データ領域bの先頭から書き込みを継続する。そして、記録制御部61によって連続データ領域bへの記録中にPCファイルの記録領域とぶつかるので、今度は連続データ領域cの先頭から書き込みを継続する。この結果、ファイルVR_MOVIE.VROは連続データ領域a、b、cから構成されることになる。
アロケーションディスクリプタの構成を図30に示す。図30(a)はショート・アロケーションディスクリプタ(Short Allocation Descriptor)を、図30(b)はエクステンデッド・アロケーションディスクリプタ(Extended
Allocation Descriptor)のフォーマットを示す。エクステント長(Extent Length)はデータサイズをバイト数で示し、エクステント位置(Extent Position/Extent Location)はデータの開始セクタ番号を示す。レコード長(Record Length)は実際に記録されているデータサイズをバイト数で示す。インフォメーション長(Information Length)はデータが圧縮されている様な場合に圧縮前のデータサイズをバイト数で示す。使用可能領域は自由に使用して良い領域である。また、アロケーションディスクリプタの記述規則として、図29のアロケーションディスクリプタa、b、cが参照するデータの開始位置はセクタの先頭に一致し、かつ最後尾のアロケーションディスクリプタc以外のアロケーションディスクリプタa、bが参照するデータのエクステント長は1セクタの整数倍である必要がある。ただし、エクステンデッド・アロケーションディスクリプタのレコード長を使うことにより、有効データ長が1セクタの整数倍であることの制約を逃れ、エクステント長以下の有効データを配置することができる。なお、エクステンデッド・アロケーションディスクリプタはISO/IEC 13346規格で仕様が規定されているが、DVD-ROM/RAMが採用しているUDF規格では使用が許されていない。なお、アロケーションディスクリプタの種別はファイルエントリ内に記述される。
また、1つのVOBUのデータサイズは、映像が可変ビットレートであれば最大記録再生レート以下の範囲で変動する。映像が固定ビットレートであればVOBUのデータサイズはほぼ一定である。
また、記録内容の再生時は、相変化光ディスクからのデータの読み出しと読み出したデータの再生を同時に実施する。このとき、データの最大再生レートよりもデータの読出レートの方が高速となるように設定し、再生すべきデータが無くなることのないように制御を行う。したがって、連続したデータ読み出し及び連続したデータ再生を続けると、データ最大再生レートとデータ読み出しレートとのレート差分だけ再生すべきデータを余分に確保できることになる。かかる余分に確保できるデータをピックアップのジャンプによりデータ読み出しが途絶える間の再生データとして使うことにより、連続再生を実現することができる。
具体的には、再生部31のデータ読み出しレートが11Mbps、プログラムストリーム組立部5及びプログラムストリーム分解部37のデータ最大再生レートが8Mbps、ピックアップの最大移動時間が3秒の場合、ピックアップ移動中に24Mビットの余分なデータが余分な再生データとして必要になる。かかる余分なデータを確保するためには、8秒間の連続読み出しが必要になる。すなわち24Mビットをデータ読み出しレート11Mbpsとデータ最大記録再生レート8Mbpsの差で割った時間だけ連続読み出しする必要がある。
したがって、8秒間の連続データ読み出しの間に最大88Mビット分のデータ、すなわち11秒分の再生データを読み出すことになるので、11秒分以上の連続データ領域を確保することで、連続データ再生を保証することが可能となる。
なお、連続データ領域の途中には、数個の不良論理ブロックがあっても良い。ただし、この場合には、再生時にかかる不良論理ブロックを読み込むのに必要な読み出し時間を見越して、連続データ領域を11秒分よりも少し多めに確保する必要が有る。
また、磁気テープに無い光ディスクのメリットの一つとして、ユーザが希望する部分を削除して記録可能な容量を増やす機能がある。図31に示すプログラムストリームの途中にある特定のVOBU#51を削除して、図32に示すようにVOBU#52以降を前詰めすれば、プログラムストリームの形式を崩すことなくVOBU#51のサイズ分の空き容量を増やすことができる。
また、民生用ムービーに通常備わっている機能の一つにアフターレコーディング(以下、「アフレコ」という。)がある。アフレコは、一度記録した映像の音声(以下、「表音声」という。)を新規録音した音声(以下、「裏音声」という。)に吹き替える機能である。かかる機能によって、再生時に映像に同期して裏音声を再生することが可能となる。
一方、MPEGシステムストリーム内部には、複数の音声を混ぜて記録することができ、各音声はストリームID番号で識別される。例えば、表音声のストリームIDは“0xE0”、裏音声のストリームIDは“0xE1”の様に区別できる。
図33は、DVD−RAMを使ったAVデータ記録再生装置におけるアフレコを前提とした記録内容を示す。DVD−RAMでは、図33に示すようにアフレコが前提のMPEGプログラムストリームを記録する場合、図27のアフレコ用ダミーパケット発生部10がV_PCKとA_PCKの他にダミーパケット(以下、「D_PCK」という。)を混ぜて記録する。そしてアフレコ時(裏音声記録時)は映像のみ(又は映像と裏音声)を再生し、同時に裏音声を圧縮した結果をD_PCKの位置に表音声とは別の裏音声のパックとして埋め込む。
再生時は映像ストリームと裏音声の音声ストリームを再生すれば吹き替えされた映像を観賞することができる。
今後のAV機器は、IEEE1394デジタルインタフェースが標準装備される傾向にある。ところが、IEEE1394インタフェース上の同期転送を使った映像伝送プロトコルとしてはMPEGトランスポートストリームについてのみ規定されている。
したがって、従来のAVデータ記録装置において、映像をIEEE1394のデジタルインタフェース経由で、D−VHSやセットトップボックス(STB)へ伝送する場合、一旦MPEGプログラムストリームをPESストリームへ変換し、その後でMPEGトランスポートストリームへ変換する必要があり、複雑な変換システムが必要だった。
また一方、MPEGトランスポートストリームで記録する場合に、図34のように188バイトの倍数の長さを有する1つのVOBUの先頭と論理ブロックの先頭が一致するように書き込むと、VOBUの先頭アドレス情報を少ないビット数で表現できる反面、1VOBU毎に最大(32K−1)バイトの無駄領域が生じてしまうという問題点があった。この無駄領域は例えば1VOBUが0.5秒分で1.5MbpsのMPEGトランスポートストリームの場合、全記録領域の最大4%、平均2%に相当する。
さらにこの場合、記録内容をパソコン上で1つのファイルとして見えるようにするためには、例えば記録内容全体を1つのアロケーションポインタを使ってリンクする必要がある。するとファイルの途中に空き領域が入るので、パソコンに対してMPEG規格に準拠した1つのファイルとして見せることができないという問題点もあった。
また、例えば各VOBUを独立したエクステンデッド・アロケーションポインタを使って参照することにより1つのファイルとして取り扱う場合、1つのファイルに必要なアロケーションポインタ数が多数必要となることや、UDF規格に準拠した読み込みドライバソフトを搭載したパソコンではエクステンデッド・アロケーションポインタに対応していないことから1つのファイルとして取り扱うことができないという問題点もあった。
また、一般にユーザが光ディスク上にMPEGプログラムストリームを記録した後で、途中のVOBUを削除した後に、1つのファイルとして記憶装置内で管理可能としたり、パソコン接続時に1つのファイルとして取り扱うことを可能とするためには、削除したVOBU以降のVOBUを前につなぎ、以降のVOBUを前詰めコピーする必要が生じる。かかる処理は、以降のVOBUの領域が長いほど、処理量が多くなるという問題点があった。
さらに、光ディスク上に記録されたMPEGプログラムストリームに対するアフレコ時において、ダミーパックを裏音声の音声と交換する場合、ダミーパックが含まれた論理ブロック(図33における論理ブロック#i)全体を一旦読みだした後でダミーパック部分のみ裏音声の音声パケットと交換して同じ論理ブロックに書き戻す処理(Read Modified Write:以下、「RMW」という。)が発生する。かかる処理は、処理負荷が高く、実用上アフレコの実現が困難となっていた。
そこで本発明は、上記問題点を解消すべく、映像をIEEE1394のデジタルインタフェース経由で、D−VHSやセットトップボックス(STB)との間で映像の記録や連続再生が容易に可能な映像記録装置の実現を目的とする。
さらに、本発明は記憶容量の無駄使いが少なく、かつパソコン接続時に記録されたMPEGトランスポートストリームが、簡易にMPEG規格に準拠したデータとして見えるような記録の実現を目的とする。
以上のように本発明は、デジタルインタフェース経由の映像や音声の同期転送手段を使ったリアルタイム記録/リアルタイム再生の保証と、パソコン接続時の非同期転送手段を使ったファイルの再生保証(ファイルがMPEG規格に準拠することにより再生可能になる)の両立を容易かつ効率的に実現できる記録方法の実現を目的とする。
また、MPEGシステムストリームの途中のVOBUを削除したあと、以降のVOBUをつないで一つのストリームとして記録装置内で管理可能にしたり、パソコン接続時にMPEG規格に準拠したストリームとして見えるようにする場合においても、処理量を著しく減らすことを目的とする。
さらに、MPEGシステムストリームのアフレコ処理における演算処理量を著しく減らすことも目的とする。
上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、音声信号及び映像信号をトランスポートパケットに分割し、複数のトランスポートパケットをトランスポートストリームとして組み立てるトランスポートストリーム組立部と、トランスポートストリームを記録する記録部とを有し、記録部が、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する論理ブロック管理部と、音声信号及び映像信号の実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する連続データ領域検出部と、トランスポートストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する記録制御部とを含み、連続データ領域検出部により検出された複数の連続データ領域上にトランスポートストリームを連続的に記録することを特徴とする。
かかる構成により、1394インタフェースを介したリアルタイム記録/リアルタイム再生を実施する場合であっても、特別なストリーム変換処理を行う必要が無いので、容易に実現することができる。同時に、記録領域中の無駄領域を減少させ、効率良く記録させることが可能となる。また、再生時には連続再生を保証することができる。さらに、パソコン接続時にMPEG規格に準拠したストリームのファイルとして見えるようにすることを効率的に実現することができる。
また、本発明にかかるAVデータ記録装置は、連続データ領域検出部において、読み書きヘッドの最大移動時間分の再生を確保するために要する時間以上の間、最大記録再生レートで記録が可能な連続する複数の論理ブロックからなる連続データ領域を検出することが好ましい。シーク等の読み書きヘッドの移動を許可することができるからである。
また、本発明にかかるAVデータ記録装置は、トランスポートストリーム組立部において、音声信号及び映像信号をトランスポートパケットに分割し、所定の時間長分の複数のトランスポートパケットを一つの単位パケットとして構成し、単位パケットを並べることでトランスポートストリームを組み立てることが好ましい。より管理しやすい形で効率良く記録するためである。
また、本発明にかかるAVデータ記録装置は、トランスポートストリーム組立部において、MPEGを用いたデジタル放送に準拠したトランスポートパケットを含むトランスポートストリームを組み立てることが好ましい。MPEGを用いたデジタル機器の機能を活用できるからである。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、音声信号及び映像信号をPES(Packetized Elementary stream)パケットに分割し、複数のPESパケットをPESストリームとして組み立てるPESストリーム組立部と、PESストリームを記録する記録部とを有し、記録部が、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する論理ブロック管理部と、音声信号及び映像信号の実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する連続データ領域検出部と、PESストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する記録制御部とを含み、連続データ領域検出部により検出された複数の連続データ領域上にPESストリームを連続的に記録することを特徴とする。
かかる構成により、PES/TS変換及びTS/PES変換が必要となるが、かかる変換処理はプログラムストリームの場合のPS/TS変換及びTS/PS変換よりも処理が軽いので、1394インタフェースを介した接続を比較的容易に実現することが可能となる。
また、本発明にかかるAVデータ記録装置は、連続データ領域検出部において、読み書きヘッドの最大移動時間分の再生を確保するために要する時間以上の間、最大記録再生レートでの記録が可能な連続する複数の論理ブロックからなる連続データ領域を検出することが好ましい。シーク等の読み書きヘッドの移動を許可することができるからである。
また、本発明にかかるAVデータ記録装置は、PESストリーム組立部において、音声信号及び映像信号をPESパケットに分割し、所定の時間長分の複数のPESパケットを一つの単位パケットとして構成し、単位パケットを並べることでPESストリームを組み立てることが好ましい。より管理しやすい形で効率良く記録するためである。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、ディスク上の論理ブロックにデータを書き込む書込部と、論理ブロックに記録されたデータを読み出す読出部と、読出部と書込部とを制御してデータを削除する削除制御部とを有し、削除制御部が、複数の論理ブロック上に1つのファイルとして記録されたデータの一部を削除する場合に、削除領域より前の有効データ領域と、削除領域を含む論理ブロックのうち最後の論理ブロック内の有効データ領域と、最後の論理ブロックよりも後の有効データ領域の3領域に分割し、最後の論理ブロック内にある削除されていない有効データを最後の論理ブロック内で前詰めし、3領域を1つのファイルとして取り扱うことを特徴とする。
かかる構成により、削除領域後の有効データすべてに対して前詰め処理を行う必要がないことから、処理効率を大幅に改善することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、音声信号及び映像信号をシステムストリームとして組み立てるシステムストリーム組立部と、システムストリームを記録する記録部とを有し、記録部が、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する論理ブロック管理部と、音声信号及び映像信号の実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する連続データ領域検出部と、システムストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する記録制御部とを含み、連続データ領域検出部により検出された複数の連続データ領域上にシステムストリームを連続的に記録すると同時に、合計サイズが論理ブロックに等しい複数のダミーデータを論理ブロックに記録し、アフレコ時にダミーデータのみを音声データに置き換えるアフレコ制御部をさらに含むことを特徴とする。
かかる構成により、複数の論理ブロックのサイズのダミーデータを音声データに置換すれば良いので、論理ブロック全体を読み出す処理と論理ブロック内の部分的な書き替え処理を行う必要がなく、処理負荷の大幅な削減が期待できる。
また、本発明にかかるAVデータ記録装置は、アフレコ制御部が、連続データ領域検出部により検出された複数の連続データ領域上にシステムストリームを連続的に記録すると同時に、合計サイズが論理ブロックより大きい複数のダミーデータを1以上の論理ブロックに記録し、アフレコ時に所定の論理ブロックに含まれるダミーデータのみを音声データに置き換えることが好ましい。ダミーパケットのサイズが論理ブロックのサイズの整数倍でない場合であっても同様の効果が期待できるからである。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、ディスク上の論理ブロックにデータを書き込む書込部と、論理ブロックに記録されたデータを読み出す読出部と、書込部と読出部とを制御してデータを削除する削除制御部とを有し、削除制御部が、複数の論理ブロック上に1つのファイルとして記録されたデータの一部を削除する場合に、削除領域より前の有効データ領域のデータが論理ブロックの境界に達するまで削除領域より前の有効データ領域の後ろにダミーパケットを追加した前半部と、論理ブロックの境界から削除領域より後ろの有効データ領域の開始点まで、削除領域より後ろにある有効データ領域の前にパケットが連続するようにダミーパケットを追加した後半部とを、1つのファイルとして取り扱うことを特徴とする。
かかる構成により、削除領域後の有効データに対して一切の前詰め処理を行う必要がなくなるので、処理効率を大幅に改善することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、ディスク上の論理ブロックにデータを書き込む書込部と、論理ブロックに記録されたデータを読み出す読出部と、書込部と読出部とを制御してデータを削除する削除制御部とを有し、削除制御部が、複数の論理ブロック上に1つのファイルとして記録されたデータのうちの前部を削除領域として削除し、後部を有効データ領域として残す場合に、削除領域の終端より前の論理ブロックの境界から有効データ領域の終端まで、有効データ領域の前にパケットが連続するようにダミーパケットを追加したデータと、有効データ領域とを、1つのファイルとして取り扱うことを特徴とする。
かかる構成によっても、削除領域後の有効データに対して前詰め処理を行う必要がなくなるので、処理効率を大幅に改善することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、ディスク上の論理ブロックにデータを書き込む書込部と、書き込んだデータの管理情報を論理ブロックへ書き込む管理情報書込部とを含み、管理情報書込部が、論理ブロック上のデータの開始位置、データの長さ、およびデータを書き込んだ論理ブロック識別からなるデータの管理情報を書き込むことを特徴とする。
かかる構成により、データの管理情報によってリンク可能領域の自由度が増すので、前詰め処理やダミーデータの埋め込み処理を行うことなくポインタ処理のみで書き込み可能領域の管理を行うことができ、規格準拠性確保のための処理負担を軽減することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、ディスク上の論理ブロックにデータを書き込む書込部と、論理ブロックに記録されたデータを読み出す読出部と、書込部と読出部とを制御してデータを削除する削除制御部とを有し、書込部はデータを書き込む際に、論理ブロック上のデータの開始位置、データの長さ、およびデータを書き込んだ論理ブロック識別とで構成されるデータの管理情報を別途書き込み、削除制御部は、複数の論理ブロック上に1つのファイルとして記録されたデータの一部を削除する場合に、削除領域より前の有効データ領域と、削除領域よりも後の有効データ領域の2領域に分割し、2領域を1つのファイルとして取り扱うことを特徴とする。
かかる構成により、データの管理情報によってリンク可能領域の自由度が増し、データ削除時において前詰め処理やダミーデータの埋め込み処理を行うことなくポインタ処理のみで新たな書き込み可能領域の管理を行うことができることから、規格準拠性確保のための処理負担を軽減することが可能となる。
また、本発明にかかるAVデータ記録装置は、削除制御部において、削除領域より前の有効データ領域と削除領域より後ろの有効データ領域との間にDITパケットをさらに挿入して記録することが好ましい。DITパケットをトリガとして、削除領域より後ろの有効データ領域のストリームが、削除領域より前の有効データ領域のストリームとは不連続な新規ストリームであることを検出することができるからである。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、音声信号及び映像信号をトランスポートパケットに分割し、トランスポートパケットとトランスポートパケットごとの伝送タイミング情報の組を繰り返すことにより伝送タイミング情報付きトランスポートストリームとして組み立てる伝送タイミング情報付きトランスポートストリーム組立部と、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを記録する記録部とを有し、記録部が、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する論理ブロック管理部と、音声信号及び映像信号の実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する連続データ領域検出部と、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する記録制御部とを含み、連続データ領域検出部により検出された複数の連続データ領域上に伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを連続的に記録することを特徴とする。
かかる構成により、出力タイミングを新たに生成することなく、単純なタイミング調整のみで1394インタフェースを介した出力が可能となる。
また、本発明にかかるAVデータ記録装置は、伝送タイミング情報付きトランスポートストリーム組立部において、音声信号及び映像信号をトランスポートパケットに分割し、所定の時間長分の複数のトランスポートパケットとトランスポートパケットごとの伝送タイミング情報の組を繰り返し配置することにより一つの単位パケットを構成し、単位パケットを並べることでトランスポートストリームを組み立てることが好ましい。より管理しやすい形で効率良く記録するためである。
また、本発明にかかるAVデータ記録装置は、伝送タイミング情報付きトランスポートストリーム組立部において、MPEGを用いたデジタル放送に準拠したトランスポートパケットを含むトランスポートストリームを組み立てることが好ましい。MPEGを用いたデジタル放送機器の機能を活用できるからである。
また、本発明にかかるAVデータ記録装置は、伝送タイミング情報付きトランスポートストリーム組立部において、伝送タイミング情報として27メガヘルツのカウンタ値を含むことが好ましい。さらに、本発明にかかるAVデータ記録装置は、伝送タイミング情報付きトランスポートストリーム組立部において、伝送タイミング情報として24.576メガヘルツのカウンタ値を含むことも好ましい。27メガヘルツでは、映像記録/再生時に用いるクロック等を流用でき、24.576メガヘルツでは1394インタフェース部の基準クロックと一致することから出力タイミングの調整が容易となるからである。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、通信路からトランスポートストリームをリアルタイム受信する受信部と、トランスポートストリームを記録する記録部とを有し、記録部が、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する論理ブロック管理部と、トランスポートストリームの実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する連続データ領域検出部と、トランスポートストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する記録制御部とを含み、連続データ領域検出部により検出された複数の連続データ領域上にトランスポートストリームを連続的に記録することを特徴とする。
かかる構成により、1394インタフェースを介したリアルタイム入力の場合であっても、特別なストリーム変換処理を行う必要が無いので、容易に映像記録を実現することができる。同時に、記録領域中の無駄領域を減少させ、効率良く記録させることが可能となる。また、再生時には連続再生を保証することができる。さらに、パソコン接続時にMPEG規格に準拠したストリームとして見えるようにすることを効率的に実現することができる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録装置は、通信路からトランスポートストリームをリアルタイム受信する受信部と、トランスポートパケットと受信タイミング情報の組を連続された伝送タイミング情報付きトランスポートストリームとしてを記録する記録部とを有し、記録部が、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する論理ブロック管理部と、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームの実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する連続データ領域検出部と、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する記録制御部とを含み、連続データ領域検出部により検出された複数の連続データ領域上に伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを連続的に記録することを特徴とする。
かかる構成により、1394インタフェースを介したリアルタイム入力が伝送タイミング情報を付加されたものであっても、特別なストリーム変換処理を行う必要が無いので、容易に映像記録を実現することができる。また、再生時には連続再生を保証することができる。さらに、パソコン接続時にMPEG規格に準拠したストリームとして見えるようにすることを効率的に実現することができる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ再生装置は、上述したようなAVデータ記録装置により記録されたディスクと、ディスクに記録されたトランスポートストリームを読み出す再生部と、MPEG規格に従ってトランスポートストリームの伝送タイミングを計算するタイミング生成部と、トランスポートパケットを1394伝送路上へ送出する1394インタフェース部とで構成され、1394インタフェース部が伝送タイミング生成部が計算した伝送タイミングに従ってトランスポートスパケットを1394伝送路上へ送出することを特徴とする。
かかる構成により、1394インタフェースを介したリアルタイム再生を保証することができる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ再生装置は、上述したようなAVデータ記録装置により記録されたディスクと、ディスクに記録された伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを読み出す再生部と、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームの伝送タイミング情報に従って伝送タイミングを再現するタイミング調整部と、トランスポートパケットを1394伝送路上へ送出する1394インタフェース部とで構成され、1394インタフェース部がタイミング調整部が再現した伝送タイミングに従ってトランスポートスパケットを1394伝送路上へ送出することを特徴とする。
かかる構成により、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを利用して、1394インタフェースを介したリアルタイム再生を実現することができる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、音声信号及び映像信号をトランスポートパケットに分割し、複数のトランスポートパケットをトランスポートストリームとして組み立てる工程と、トランスポートストリームを記録する工程とを有し、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する工程と、音声信号及び映像信号の実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する工程と、トランスポートストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する工程とをさらに含み、検出された複数の連続データ領域上にトランスポートストリームを連続的に記録することを特徴とする。
かかる構成により、1394インタフェースを介したリアルタイム記録/リアルタイム再生を実現する場合であっても、特別なストリーム変換処理を行う必要が無いので、容易に実現することができる。同時に、記録領域中の無駄領域を減少させ、効率良く記録させることが可能となる。また、再生時には連続再生を保証することができる。さらに、パソコン接続時にMPEG規格に準拠したストリームのファイルとして見えるようにすることを効率的に実現することができる。
また、本発明にかかるAVデータ記録方法は、連続データ領域を検出する工程において、読み書きヘッドの最大移動時間分の再生を確保するために要する時間以上の間、最大記録再生レートでの記録が可能な連続する複数の論理ブロックからなる連続データ領域を検出することが好ましい。シーク等の読み書きヘッドの移動を許可することができるからである。
また、本発明にかかるAVデータ記録方法は、音声信号及び映像信号をトランスポートパケットに分割し、所定の時間長分の複数のトランスポートパケットを一つの単位パケットとして構成し、単位パケットを並べることでトランスポートストリームを組み立てることが好ましい。より管理しやすい形で効率良く記録するためである。
また、本発明にかかるAVデータ記録方法は、トランスポートストリームを組立てる工程において、MPEGを用いたデジタル放送に準拠したトランスポートパケットを含むトランスポートストリームを組み立てることが好ましい。MPEGを用いたデジタル放送機器の機能を活用できるからである。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、音声信号及び映像信号をPESパケットに分割し、複数のPESパケットをPESストリームとして組み立てる工程と、PESストリームを記録する工程とを有し、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する工程と、音声信号及び映像信号の実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する工程と、PESストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する工程とをさらに含み、検出された複数の連続データ領域上にPESストリームを連続的に記録することを特徴とする。
かかる構成により、PES/TS変換及びTS/PES変換が必要となるが、かかる変換処理はプログラムストリームの場合のPS/TS変換及びTS/PS変換よりも処理が軽いので、1394インタフェースを介した接続を比較的容易に実現することが可能となる。
また、本発明にかかるAVデータ記録方法は、連続データ領域を検出する工程において、読み書きヘッドの最大移動時間分の再生を確保するために要する時間以上の間、最大記録再生レートでの記録が可能な連続する複数の論理ブロックからなる連続データ領域を検出することが好ましい。シーク等の読み書きヘッドの移動を許可することができるからである。
また、本発明にかかるAVデータ記録方法は、音声信号及び映像信号をPESパケットに分割し、所定の時間長分の複数のPESパケットを一つの単位パケットとして構成し、単位パケットを並べることでPESストリームを組み立てることが好ましい。より管理しやすい形で効率良く記録するためである。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、ディスク上の論理ブロックにデータを書き込む工程と、論理ブロックに記録されたデータを読み出す工程とを制御してデータを削除する工程を有し、複数の論理ブロック上に1つのファイルとして記録されたデータの一部を削除する場合に、削除領域より前の有効データ領域と、削除領域を含む論理ブロックのうち最後の論理ブロック内の有効データ領域と、最後の論理ブロックよりも後の有効データ領域の3領域に分割し、最後の論理ブロック内にある削除されていない有効データを最後の論理ブロック内で前詰めし、3領域を1つのファイルとして取り扱うことを特徴とする。
かかる構成により、削除領域後の有効データすべてに対して前詰め処理を行う必要がないことから、処理効率を大幅に改善することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、音声信号及び映像信号をシステムストリームとして組み立てる工程と、システムストリームを記録する工程とを有し、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する工程と、音声信号及び映像信号の実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する工程と、システムストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する工程とをさらに含み、検出された複数の連続データ領域上にシステムストリームを連続的に記録すると同時に、合計サイズが論理ブロックに等しい複数のダミーデータを論理ブロックに記録し、アフレコ時にダミーデータのみを音声データに置き換える工程をさらに含むことを特徴とする。
かかる構成により、複数の論理ブロックのサイズのダミーデータを音声データに置換すれば良いので、論理ブロック全体を読み出す処理と論理ブロック内の部分的な書き替え処理を行う必要がなく、処理負荷の大幅な削減が期待できる。
また、本発明にかかるAVデータ記録方法は、アフレコ時に前記ダミーデータのみを音声データに置き換える工程が、検出された複数の連続データ領域上にシステムストリームを連続的に記録すると同時に、合計サイズが論理ブロックより大きい複数のダミーデータを1以上の論理ブロックに記録し、アフレコ時に所定の論理ブロックに含まれるダミーデータのみを音声データに置き換えることが好ましい。ダミーパケットのサイズが論理ブロックのサイズの整数倍でない場合であっても同様の効果が期待できるからである。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、ディスク上の論理ブロックにデータを書き込む工程と、論理ブロックに記録されたデータを読み出す工程とを制御してデータを削除する工程を有し、複数の論理ブロック上に1つのファイルとして記録されたデータの一部を削除する場合に、削除領域より前の有効データ領域のデータが論理ブロックの境界に達するまで削除領域より前の有効データ領域の後ろにダミーパケットを追加した前半部と、論理ブロックの境界から削除領域より後ろの有効データ領域の開始点まで、削除領域より後ろにある有効データ領域の前にパケットが連続するようにダミーパケットを追加した後半部とを、1つのファイルとして取り扱うことを特徴とする。
かかる構成により、削除領域後の有効データに対して一切の前詰め処理を行う必要がなくなるので、処理負担を大幅に軽減することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、ディスク上の論理ブロックにデータを書き込む工程と、論理ブロックに記録されたデータを読み出す工程とを制御してデータを削除する工程を有し、複数の論理ブロック上に1つのファイルとして記録されたデータのうちの前部を削除領域として削除し、後部を有効データ領域として残す場合に、削除領域の終端より前の論理ブロックの境界から有効データ領域の終端まで、有効データ領域の前にパケットが連続するようにダミーパケットを追加したデータと、有効データ領域とを、1つのファイルとして取り扱うことを特徴とする。
かかる構成によっても、削除領域後の有効データに対して前詰め処理を行う必要がなくなるので、処理効率を大幅に改善することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、ディスク上の論理ブロックにデータを書き込む工程と、書き込んだデータの管理情報を論理ブロックへ書き込む工程とを含み、データの管理情報を書き込む工程において、論理ブロック上のデータの開始位置、データの長さ、およびデータを書き込んだ論理ブロック識別からなるデータの管理情報を書き込むことを特徴とする。
かかる構成により、データの管理情報によってリンク可能領域の自由度が増すので、前詰め処理やダミーデータの埋め込み処理を行うことなくポインタ処理のみで書き込み可能領域の管理を行うことができ、規格準拠性確保のための処理負担を軽減することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、ディスク上の論理ブロックにデータを書き込む工程と、論理ブロックに記録されたデータを読み出す工程とを制御してデータを削除する工程を有し、データを書き込む工程において、論理ブロック上のデータの開始位置、データの長さ、およびデータを書き込んだ論理ブロック識別とで構成されるデータの管理情報を別途書き込み、データを削除する工程において、複数の論理ブロック上に1つのファイルとして記録されたデータの一部を削除する場合に、削除領域より前の有効データ領域と、削除領域よりも後の有効データ領域の2領域に分割し、2領域を1つのファイルとして取り扱うことを特徴とする。
かかる構成により、データの管理情報によってリンク可能領域の自由度が増し、データ削除時において前詰め処理やダミーデータの埋め込み処理を行うことなくポインタ処理のみで新たな書き込み可能領域の管理を行うことができることから、規格準拠性確保のための処理負担を軽減することが可能となる。
また、本発明にかかるAVデータ記録方法は、削除領域より前の有効データ領域と削除領域より後ろの有効データ領域との間にDVB規格のDITパケットをさらに挿入して記録することが好ましい。DITパケットをトリガとして、削除領域より後ろの有効データ領域のストリームが、削除領域より前の有効データ領域のストリームとは不連続な新規ストリームであることを検出することができるからである。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、音声信号及び映像信号をトランスポートパケットに分割し、トランスポートパケットとトランスポートパケットごとの伝送タイミング情報の組を繰り返すことにより伝送タイミング情報付きトランスポートストリームとして組み立てる工程と、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを記録する工程とを有し、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する工程と、音声信号及び映像信号の実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する工程と、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する工程とをさらに含み、連続データ領域検出部により検出された複数の連続データ領域上に伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを連続的に記録することを特徴とする。
かかる構成により、出力タイミングを新たに生成することなく、単純なタイミング調整のみで1394インタフェースを介した出力が可能となる。
また、本発明にかかるAVデータ記録方法は、音声信号及び映像信号をトランスポートパケットに分割し、所定の時間長分の複数のトランスポートパケットとトランスポートパケットごとの伝送タイミング情報の組を繰り返し配置することにより一つの単位パケットを構成し、単位パケットを並べることでトランスポートストリームを組み立てることが好ましい。より管理しやすい形で効率良く記録するためである。
また、本発明にかかるAVデータ記録方法は、MPEGを用いたデジタル放送に準拠したトランスポートパケットを含むトランスポートストリームを組み立てることが好ましい。MPEGを用いたデジタル放送規格についても活用できるからである。
また、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、伝送タイミング情報として27メガヘルツのカウンタ値を含むことが好ましい。さらに、本発明にかかるAVデータ記録方法は、伝送タイミング情報として24.576メガヘルツのカウンタ値を含むことも好ましい。27メガヘルツでは、映像記録/再生時に用いるクロック等を流用でき、24.576メガヘルツでは1394インタフェース部の基準クロックと一致することから出力タイミングの調整が容易となるからである。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、通信路からトランスポートストリームをリアルタイム受信する工程と、トランスポートストリームを記録する工程とを有し、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する工程と、トランスポートストリームの実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する工程と、トランスポートストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する工程とをさらに含み、検出された複数の連続データ領域上にトランスポートストリームを連続的に記録することを特徴とする。
かかる構成により、1394インタフェースを介したリアルタイム入力の場合であっても、特別なストリーム変換処理を行う必要が無いので、容易に映像記録を実現することができる。同時に、記録領域中の無駄領域を減少させ、効率良く記録させることが可能となる。また、再生時には連続再生を保証することができる。さらに、パソコン接続時にMPEG規格に準拠したストリームとして見えるようにすることを効率的に実現することができる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ記録方法は、通信路からトランスポートストリームをリアルタイム受信する工程と、トランスポートパケットと受信タイミング情報の組を連続された伝送タイミング情報付きトランスポートストリームとしてを記録する工程とを有し、ディスク上の論理ブロックが使用されているか否かを管理する工程と、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームの実時間連続再生を保証する連続データ領域を検出する工程と、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを記録すべき連続データ領域の論理ブロック番号を指示する工程とをさらに含み、検出された複数の連続データ領域上に伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを連続的に記録することを特徴とする。
かかる構成により、1394インタフェースを介したリアルタイム入力に伝送タイミング情報が付加された場合であっても、特別なストリーム変換処理を行う必要が無いので、容易に映像記録を実現することができる。また、再生時には連続再生を保証することができる。さらに、パソコン接続時にMPEG規格に準拠したストリームとして見えるようにすることを効率的に実現することができる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ再生方法は、上述したようなAVデータ記録方法により記録されたディスクについて、延期ディスクに記録されたトランスポートストリームを読み出す工程と、MPEG規格に従ってトランスポートストリームの伝送タイミングを計算する工程と、トランスポートパケットを1394伝送路上へ送出する工程とを含み、計算した伝送タイミングに従ってトランスポートスパケットを1394伝送路上へ送出することを特徴とする。
かかる構成により、1394インタフェースを介したリアルタイム再生を保証することができる。
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるAVデータ再生方法は、上述したようなAVデータ記録方法により記録されたディスクについて、ディスクに記録された伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを読み出す工程と、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームの伝送タイミング情報に従って伝送タイミングを再現する工程と、トランスポートパケットを1394伝送路上へ送出する工程とを含み、再現した伝送タイミングに従ってトランスポートスパケットを1394伝送路上へ送出することを特徴とする。
かかる構成により、伝送タイミング情報付きトランスポートストリームを利用して、1394インタフェースを介したリアルタイム再生を実現することができる。
以上のように本発明にかかるAVデータ記録装置によれば、映像をIEEE1394のデジタルインタフェース経由で、D−VHSやセットトップボックス(STB)へ伝送しやすく、かつ連続再生が可能な様に記録する映像記録再生装置を実現し、同時に、記憶容量の無駄使いが少なく、かつパソコン接続時に記録されたMPEGシステムストリームが、簡易にMPEG規格に準拠したデータとして見せることができる様なAVデータ記録再生装置を実現できる。
また本発明にかかるAVデータ記録装置によれば、MPEGシステムストリームの途中のVOBUを削除した後、以降のVOBUをつないで1つのストリームとしてAVデータ記録再生装置内で管理可能にする場合に、削除処理の演算処理量を著しく減らすことができる。
また、MPEGシステムストリームのアフレコ処理における演算処理量を著しく減らすことができる。
以上のように、記録映像に対する様々な機能(連続再生、デジタル伝送、ファイル操作、部分削除、アフレコ)を有するAVデータ記録装置を容易に実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるAVデータ記録装置のブロック構成図である。図1において、映像信号入力部1と音声信号入力部2から入力した信号は、各々映像圧縮部3及び音声圧縮部4で圧縮され、トランスポートストリーム組み立て部5においてトランスポートストリームとして形成され、記録部6及びピックアップ7を経由して相変化光ディスク8へ書き込まれる。
1394インタフェース経由で映像信号を入力して記録する場合には、1394インタフェース部9へ外部から入力されるトランスポートストリーム形式の映像信号を、記録部6及びピックアップ7を経由して相変化光ディスク8へ記録する。
映像信号の記録時には、記録制御部61が記録部6の制御を行なう。また、記録制御部61は、連続データ領域検出部62に物理的に連続する空き領域を検出させる。連続データ領域検出部62は、論理ブロック管理部63で管理される各論理ブロック(およびセクタ)の使用状況を調べて、空き領域を検出する。
具体的には、記録開始操作によって、トランスポートストリーム組立部5は、圧縮された映像信号と圧縮された音声信号を188バイト単位のトランスポートパケットV_TSP及びA_TSP(ビデオデータが格納されるビデオトランスポートパケットV_TSPと、オーディオデータが格納されるオーディオトランスポートパケットA_TSP)に分割し、この2種類のトランスポートパケットが一つのVOBUを構成するよう順番に並べた後に記録部6へ渡す。
記録部6では、記録制御部61から指示された論理ブロック番号の位置からVOBUの記録を開始する。このとき、記録部6において、一つのVOBUは32Kバイト単位に分割されており、32Kバイト単位に誤り訂正符号が付加されて一つの論理ブロックとして相変化光ディスク8上に記録される。
また、一つの論理ブロックの途中で一つのVOBUの記録が終了した場合は、隙間を開けることなく次のVOBUの記録を連続的に行う。
一方、連続データ領域検出部62によって、記録部6での記録が開始されるまでに、あらかじめ最大記録再生レート計算で11秒分以上の連続した空き論理ブロック領域を検出しておく。そして、当該論理ブロック番号を、論理ブロック単位の書込が発生するごとに記録部6へ通知し、また論理ブロックが使用済みになることについては論理ブロック管理部63に通知する。
連続データ領域検出部62は、論理ブロック管理部内で管理されている論理ブロックの使用状況を探索して、未使用の論理ブロックが最大記録再生レート換算で11秒分の連続している領域を検出しておく。なお、再生部のデータ読み出しレート、データ最大記録再生レート(映像記録再生レート)、ピックアップの最大移動時間は従来例と同じであるものとしている。
また、連続再生保証のために11秒以上の連続した空き論理ブロック領域を常に検出するものとしたが、方法としては特にこれに限定されるものではなく、他の方法も考えられる。
例えば、余分な再生データの蓄積量を計算してトレースしながら、連続した空き論理ブロックのデータサイズを動的に決定しても良い。すなわち、撮影中のある時点で17秒分の連続データ領域を確保できたときには、その続きとしては5秒分の連続データ領域を確保するようにする連続再生を保証する記録方法も考えられる。
論理ブロック管理部63は、記録制御部61から通知された使用済み論理ブロック番号によって論理ブロック番号ごとの使用状況を把握して管理を行う。すなわち、論理ブロック番号を構成する各セクタ単位の使用状況を、UDFもしくはISO/IEC 13346のファイル構成で規定されているスペースビットディスクリプタ領域を用いて、使用済みもしくは未使用であるかを記録して管理することになる。そして、記録処理の最終段階において、FID及びファイルエントリをディスク上のファイル管理領域へ書き込む。
次に、図2は本発明の実施の形態1にかかるAVデータ記録装置における記録形態を示す図である。図2において、MPEGシステムストリームは隙間無く連続する複数のVOBUから構成されており、1つのVOBUは0.4〜1秒分の記録内容に相当する隙間無く連続するMPEGトランスポートパケットから構成されている。
トランスポートパケットには、ビデオデータが格納されるビデオトランスポートパケット(V_TSP)と、オーディオデータが格納されるオーディオトランスポートパケット(A_TSP)の2種類があり、各トランスポートパケットの長さは188バイトである。また、V_TSPはトランスポートパケットヘッダとビデオデータから構成され、A_TSPはトランスポートパケットヘッダとオーディオデータから構成されている。V_TSPとA_TSPとの違いはトランスポートパケットヘッダ内のPID(Packet ID)で識別され、V_TSPはPID=“0x0020”で、A_TSPはPID=“0x0021”で識別される。1つのVOBUと連続データ領域、論理ブロック、及びセクタの関係は図28と同じである。
一方、記録したデータを再生する場合には、図3に示すように、ピックアップ7及び再生部31を経由して取り出したトランスポートストリームをトランスポートストリーム分解部32で映像信号と音声信号に分離し、各々映像伸長部33及び音声伸長部34を介して、映像表示部35及び音声出力部36へ出力する。
また、1394インタフェースにセットトップボックス(STB)を接続して、記録映像をセットトップボックスへ伝送して、セットトップボックス側で再生する場合は、再生部31の出力するトランスポートストリームをそのまま出力タイミング生成部13を介して1394インタフェース部9へ渡す。
ここで、出力タイミング生成部13は、各トランスポートパケットの送出タイミングがMPEG規格のデコーダモデル(Transport stream system target decoder)に従うようにスケジューリングして生成し、そのタイミングで各トランスポートパケットを1394インタフェース部9へ渡す。
そして、1394インタフェース部9は、その各トランスポートパケットを受け取った際のパケット間の時間間隔を維持して1394伝送路へ送信する。なお、MPEG規格のデコーダモデルでは、セットトップボックス側のトランスポートパケット受信用のバッファメモリがオーバーフロー、又はアンダーフローしないように、トランスポートパケットを送信するように定めている。
また、記録したデータを映像表示部35に表示する場合、及び1394インタフェース部9を介してセットトップボックス側で再生する場合のいずれの場合においても、トランスポートストリームは連続データ領域検出部62によって指定された領域に記録されていることから、連続再生を保証することができる。
以上のように、本実施の形態1によれば、1394インタフェース使用時に特別なストリーム変換処理を行う必要が無いこと、連続再生を保証した記録を行うこと、記録領域中の無駄領域が無いこと、及びパソコン接続時にMPEG規格に準拠したデータファイルとして見えることから、デジタルインタフェース経由の映像の同期転送手段を使ったリアルタイム記録/リアルタイム再生の保証と、パソコン接続時の非同期転送手段を使ったファイルの再生保証の両立を容易かつ効率的に実現することができる。
なお、記録された映像信号ファイル等を削除する場合には、削除制御部64が記録部6及び再生部31を制御して削除処理を実施する。さらに、アフレコする場合には、アフレコ制御部65が記録部6及び再生部31を制御してアフレコ処理を完了する。なお、記録した後でアフレコする場合には、あらかじめアフレコ用ダミーパケット発生部10を起動しながら映像記録を行なう必要がある。また、実際に削除処理及びアフレコ処理を行う場合には、論理ブロックのデータの読み出しを行うために、再生用の機能(例えば再生部)等を起動する必要もある。
なお、実施の形態1では、トランスポートストリームを記録するものとしているが、図35に示すような任意のパケット長を有するPESパケットから構成されるPESストリームであっても良い。
ただし、PESストリームを記録する場合には、1394インタフェースを介した入出力を実施する際にPES/TS変換及びTS/PES変換が必要となるが、かかる変換処理はプログラムストリームの場合に必要となるPS/TS変換及びTS/PS変換よりも処理が軽い。PS/TS変換及びTS/PS変換は、それぞれPS/PES/TS変換及びTS/PES/PS変換と等価だからである。また、トランスポートストリーム組立部及び分解部の代わりに、PESストリーム組立部及び分解部が必要となる。
また、本実施の形態1においては、音声は圧縮されるものとして説明しているが、圧縮されない形態でシステムストリームに組み込まれても特に問題は生じない。
なお、実施の形態1では、デジタルインタフェースを1394規格に準拠した伝送路として説明しているが、特に限定するものではなく、MPEGデータの同期転送及び非同期転送を備えているものであれば良い。
(実施の形態2)
次に、ユーザが既に記録されている映像の特定のVOBUを削除する場合について説明する。図4は、本発明の実施の形態2にかかるAVデータ記録装置における削除操作前に記録されている内容を示す図である。図4においては、論理ブロック#5000〜5999にまたがって記録されており、また論理ブロックにはVOBU#0〜VOBU#85が記録されている。ここでは、記録されている論理ブロック全体を領域aと呼ぶものとする。また、ユーザは記録映像を再生することにより、削除したい箇所としてVOBU#51を指定するものとし、削除されるVOBU#51は論理ブロック#5500、#5501、#5502にまたがって記録されている。
図5は、本発明の実施の形態2にかかるAVデータ記録装置における削除操作後に記録されている内容を示す図である。図5においては、論理ブロック#5000〜#5500、及び#5502〜#5999においては記録されているが、論理ブロック#5501は空き領域(未使用)となったことを示している。また、論理ブロックにはVOBU#0〜#50、及びVOBU#52〜#85が記録され、VOBU#51は記録内容から削除されたことを示している。ここで、論理ブロック#5000〜#5500の映像データ部分を領域A、論理ブロック#5502の映像データ部分を領域B、論理ブロック#5503〜#5999の映像データ部分を領域Cと呼ぶ。
図6は、本発明の実施の形態2にかかるAVデータ記録装置における削除操作前に記録されているファイルの構造を示す図である。図4における領域aに記録されている内容(論理ブロック#5000〜#5999)が1つのアロケーションディスクリプタによってファイルエントリにリンクされていることを示している。
図7は、本発明の実施の形態2にかかるAVデータ記録装置における削除操作後に記録されているファイルの構造を示す図である。図5における領域A、B、Cの記録内容が3つのアロケーションディスクリプタによって一つのファイルエントリにリンクされていることを示している。
図8は、本発明の実施の形態2にかかるAVデータ記録装置における削除操作前のファイルエントリのアロケーションディスクリプタに関する数値を示す図である。ここではアロケーションディスクリプタとして図30(b)のエクステンデッド・アロケーションポインタを使用している。エクステント位置は図4における領域aの先頭セクタ番号を示し、論理ブロック#5000に相当するセクタ番号“80000”を示している。また、ファイルのデータ長としてレコード長およびエクステント長は32766144バイトを示す。また、アロケーションディスクリプタは1個20バイトなのでアロケーションディスクリプタ長は‘20’となる。なお、本実施の形態2においてはデータ圧縮していないことから、インフォメーション長はレコード長と同じ値を使用し、使用可能領域は使用しないので、以降ではこれらのフィールドの説明を省略する。
図9は、本発明の実施の形態2にかかるAVデータ記録装置における削除操作後のファイルエントリのアロケーションディスクリプタに関する数値を示す図である。ここでもアロケーションディスクリプタとして図30(b)のエクステンデッド・アロケーションポインタを使用している。アロケーションディスクリプタA、B、Cそれぞれのエクステント位置は、図5における領域A、B、Cの先頭セクタ番号を示し、論理ブロック#5000、#5502、#5503に相当するセクタ番号“80000”、“88032”、“88048”を示している。アロケーションディスクリプタA、B、Cのレコード長は有効データ長を示し、それぞれ16383072バイト、16544バイト、16299600バイトである。また、アロケーションディスクリプタA、Bのエクステント位置は有効データを含む範囲を2048バイトの整数倍となる長さで示し、それぞれ16384000バイト、18432バイトである。一方、アロケーションディスクリプタCのエクステント位置は規格上2048バイトの整数倍となる必要は無いのでレコード長と同じ16299600バイトとなる。また、3個分のアロケーションディスクリプタを使うので、アロケーションディスクリプタ長は‘60’となる。
次に、削除処理部64における処理の流れについて説明する。図10は、本発明の実施の形態2にかかるAVデータ記録装置における削除処理部の処理の流れ図である。図10では、ユーザが再生画像を見ることにより、特定の箇所を削除指示して該当する図4のVOBU#51を削除する場合について説明する。VOBU#52のデータの内、論理ブロック#5502に書き込まれているデータのみを論理ブロック#5502の先頭から始まるように前詰めして書き直す(ステップS101)。この前詰め部分を領域Bとする。
次に、ファイルエントリを図7及び図9のように変更する(ステップS102〜S104)。まず、図7のアロケーションディスクリプタAは記録内容が論理ブロック#5000(セクタ#80000)から始まり、有効データサイズ(レコード長)が16383072バイトであり、有効データを含む2048バイト単位のデータサイズ(エクステント長)は16384000バイトであることを示す。また、アロケーションディスクリプタBは論理ブロック#5502(セクタ#88032)から始まり有効データサイズ(レコード長)が16544バイトであり、有効データを含む2048バイト単位のデータサイズ(エクステント長)も18432バイトであることを示す。また、アロケーションディスクリプタCは論理ブロック#5503(セクタ#88048)から始まり、有効データサイズ(レコード長)およびエクステント長が16299600バイトであることを示す。最後に、論理ブロック管理部へ論理ブロック#5501が空きとなったことを通知する(ステップS105)。これにより、削除処理が完了する。
以上のように本実施の形態2によれば、1論理ブロックについてのみ前詰め処理を行い、アロケーションディスクリプタの追加変更処理により削除処理を完了する。このように領域C全体を前詰めする必要が無くなるので、削除処理部64における処理負荷が著しく軽減される。また、実施の形態1のようにVOBUを連続的に配置するか、または本実施の形態2のように一部のVOBUを論理ブロックに対して間欠的に配置するかのどちらかの形態により、削除処理前の1394インタフェースを介した映像のリアルタイム記録/リアルタイム再生、パソコン接続時のファイル再生及び部分削除処理が容易かつ効率的に実現できることになる。
なお、削除処理後の再生時において、例えば領域Aから領域Bへスキップする場合、連続再生を保証するにはスキップする前に別途MPEGのバッファ制御が必要になる場合がある。
なお、本実施の形態2においては、ユーザが指定可能な削除領域がVOBU単位であることを前提に説明したが、特にこれに限定されるものではなく、例えばフレーム単位であっても良い。ただし、その場合には、ユーザが指定した削除領域の中に全体が含まれるVOBUのみを削除する。部分的に削除領域を含むVOBUについては、編集によって不要なフレームを削除してVOBUを短くするか、あるいは当該VOBUを削除しないで、削除領域に含まれるフレームを再生しないように制御する等の処理が必要となる。
また、ユーザが指定可能な削除領域がフィールド単位であってもかまわない。ただし、この場合には、ユーザが指定した削除領域に完全に含まれるVOBUのみを削除する。部分的に削除領域を含むVOBUは編集によって不要なフレームを削除してVOBUを短くし、かつ特定のフィールドを再生しないようにするか、あるいは当該VOBUを削除しないで、削除領域に含まれるフィールドを再生しないように制御する等の処理が必要となる。
また、本実施の形態2においては、VOBUはトランスポートパケットから構成されるものとしたが、任意の長さのプログラムストリームのパックから構成されていても良い。
なお、本実施の形態2では、VOBUはトランスポートストリームから構成されるものとしたが、任意のパケット長を有するPESパケットから構成されるPESストリームであっても良い。さらに、独自フォーマットのパケットから構成される独自フォーマットのストリームであっても良い。
(実施の形態3)
次に、ユーザが後でアフレコ可能なように映像データを記録する場合について説明する。図11は、本発明の実施の形態3にかかるAVデータ記録装置における記録形態を示す図である。図11において、1つのVOBUは実施の形態1と同様のV_TSP及びA_TSPの他に、アフレコ時の裏音声格納用のダミーパケット(以下、「D_TSP」という。)及びヌル(Null)トランスポートパケット(N_TSP)から構成される。D_TSPはPID=“0x0022”、N_TSPはPID=“0x1FFF”で識別される。また、映像記録時にD_TSPの中に格納するデータのストリーム種別(トランスポートパケットヘッダのstream typeフィールド)としては、あらかじめ音声を指定する。
ここで、アフレコする裏音声のピークレートが2ch分で512kbps弱(トランスポートヘッダを含む)であるものとすれば、1秒分に相当するデータサイズは論理ブロック2個分未満となる。
アフレコ可能となるように映像データを記録する場合、例えば図11に示す1つのVOBU#Iにおいて、論理ブロック#(i−1)と論理ブロック#iの境界にN_TSPを配置し、また論理ブロック#(i+1)と論理ブロック#(i+2)の境界にN_TSPを配置し、両者の間をほぼ512Kbps相当分のD_TSPで埋めるようにする。同様に各VOBUの中にN_TSPにはさまれたD_TSPを置く。D_TSPの書込み位置は、VOBU内で最初に始まる論理ブロック以降となるように決めておく。こうすることで、D_TSPを含む論理ブロックを読み出すことなくD_TSPの位置を特定することが可能となる。
アフレコ時に裏音声を記録する場合、各VOBUに記録された映像を音声無しで表示しながら裏音声をD_TSPの物理位置に裏音声の音声トランスポートパケットであるA_TSPを記録する。この時、裏音声記録の書込み位置は論理ブロック内に閉じているので、音声データを書き込むだけの処理で十分となる。すなわち、RMWが発生する可能性がないことから、従来の場合に較べて高速に処理することができる。
裏音声に同期して映像を再生する際にはV_TSP及びPID=“0x0022”のA_TSPを再生すれば良い。
以上のように、本実施の形態3によれば、アフレコ時の裏音声記録における処理量を著しく減らすことができ、アフレコ機能を容易に実現できる。
なお、実施の形態3においては、トランスポートストリームによる記録を前提としたが、パックから構成されるプログラムストリームであっても良い。この場合、ダミーパケットとして合計が論理ブロックのサイズであるダミーのパックを論理ブロックに対して記録する。
なお、本実施の形態3では、D_TSPの位置はVOBU内に最初に先頭が含まれる論理ブロック以降としたが、2番目のVOBU以降であっても問題はない。また、D_TSPの開始位置を任意としても良い。なお、本実施の形態3では、D_TSPのストリーム種別は音声であるとしてが、プライベートデータであっても良い。
また、本実施の形態3においては、アフレコを前提とした映像記録時において、D_TSPはPID=“0x0022”であるものとしたが、“0x0002”から“0x1FFF”の間の値であっても良い。ただし、“0x1FFF”の場合は、アフレコ時にPIDを“0x0002”から“0x1FFE”の間の値を割り付ける必要がある。
さらに、本実施の形態3においては、トランスポートストリームによる記録を前提としているが、任意のパケット長を有するPESパケットにより構成されるPESストリームであっても良い。PESストリームによる記録の場合、ダミーパケットとして合計が論理ブロックサイズ以上のダミーのPESパケットを論理ブロックに対して記録する。表音声のPESパケットとダミーのPESパケットは、PESのストリームIDを変えることで識別することが可能である。
(実施の形態4)
次に、ユーザが既に記録されている映像の特定のVOBUを削除する場合について説明する。図12は、本発明の実施の形態4にかかるAVデータ記録装置における削除操作前に記録されている内容を示す図である。図12においては、VOBU#0〜VOBU#85が論理ブロック#5000〜5999にまたがって記録されている。ここでは、記録されているVOBU全体を領域aと呼び、データサイズは32766144バイトであるものとする。また、ユーザは記録映像を再生しながら、削除したい箇所としてVOBU#51を指定するものとし、削除されるVOBU#51は論理ブロック#5500、#5501、#5502、#5503にまたがって記録されている。
図13から図16は本発明の実施の形態4にかかるAVデータ記録装置における削除操作後に記録されている内容を示す図である。なお、図13から図16において、N_TSPはヌルトランスポートパケットを示す。
まず、図13においては、論理ブロック#5000〜#5500、及び#5503〜#5999にはVOBUが記録されているが、論理ブロック#5501、#5502は空き領域(未使用)となったことを示している。つまり、各論理ブロックにはVOBU#0〜VOBU#50、及びVOBU#52〜#85のいずれかが記録され、VOBU#51は記録内容から削除されたことを示している。また、VOBU#0の先頭〜VOBU#50の末尾までのデータサイズをsizeAとし、VOBU#0の先頭から削除前のVOBU#51の末尾までのデータサイズをsizeBと呼ぶことにする。さらにVOBU#50の後ろと、VOBU#52の前にヌルトランスポートパケット(N_TSPs)を配置する。この時、削除領域より前のデータ領域に対して後ろからN_TSPsを加えた領域を領域Aと呼び、削除領域より後ろのデータ領域に対して前からN_TSPsを加えた領域を領域Bと呼ぶ。VOBU#0の先頭からVOBU#50の末尾までのデータサイズは16406760バイトであるものとする。
次に図14は、削除されたVOBU#51のサイズが100016バイトだった場合の削除例を示し、図15は削除されたVOBU#51のサイズが80088バイトだった場合の削除例を示す。図14及び図15において、addAはVOBU#50の後ろにつけるN_TSPsのデータサイズを、addBはVOBU#52の前につけるN_TSPsのデータサイズを、それぞれ示す。
また、X及びYは削除前データの先頭から数えた94キロバイト(94×1024バイト)単位の境界に関係する数値である。Xは削除領域の前のデータ部分における最終の94キロバイト境界からヌルトランスポートパケット追加部分の末尾までのデータサイズを、Yは削除領域より後ろのデータ部分における最初の94キロバイト境界よりひとつ前の94キロバイト境界から領域Bの先頭までのデータサイズを、それぞれ示す。
なお、図14はY≧Xの場合を示し、図15はY<Xの場合を示すことになる。また94キロバイト(94×1024バイト)というサイズはトランスポートパケットサイズの188バイトとセクタサイズの2048バイトの最小公倍数である。
また図16は領域A及び領域Bのトランスポートパケットの連続状態を示す。
図16は、本発明の実施の形態4にかかるAVデータ記録装置における削除操作前に記録されているファイルの構造を示す図である。図12における領域aに記録されている内容(論理ブロック#5000〜#5999)が1つのアロケーションディスクリプタによってファイルエントリにリンクされていることを示している。
図17は、本発明の実施の形態4にかかるAVデータ記録装置における削除操作後に記録されているファイルの構造を示す図である。図14又は図15における領域A、Bの記録内容が2つのアロケーションディスクリプタによって一つのファイルエントリにリンクされていることを示している。
図18は、本発明の実施の形態4にかかるAVデータ記録装置における削除操作前のファイルエントリのアロケーションディスクリプタに関する数値を示す図である。ここではアロケーションディスクリプタとして図30(a)のショート・アロケーションポインタを使用している。エクステント位置は図12における領域aの先頭セクタ番号を示し、論理ブロック#5000に相当するセクタ番号“80000”を示している。また、有効なデータ長を示すエクステント長は32766144バイトを示す。また、アロケーションディスクリプタは1個8バイトなのでアロケーションディスクリプタ長は‘8’となる。
図19は、本発明の実施の形態4にかかるAVデータ記録装置における削除操作後のファイルエントリのアロケーションディスクリプタに関する数値を示す図である。ここでもアロケーションディスクリプタとして図30(a)のショート・アロケーションポインタを使用している。アロケーションディスクリプタA、Bそれぞれのエクステント位置は、図14における領域A、Bの先頭セクタ番号を示し、論理ブロック#5000内の先頭セクタ(第1セクタ)、#5503内の第12セクタに相当するセクタ番号“80000”、“88059”を示している。またアロケーションディスクリプタA、Bのエクステント長は有効データ長を示し、16406760バイト、16261312バイトである。また、2個分のアロケーションディスクリプタを使うので、アロケーションディスクリプタ長は‘16’となる。
領域AのaddA、及び領域BのaddBについては、以下の計算式(数1)、(数2)に従って導出するものとする。まず、(数1)は領域AのaddAを導出する式である。
次に、(数2)は領域BのaddBを導出する式である。
なお、addBの導出式は、Y≧Xの場合とY<Xの場合とで相異する。また、(数1)及び(数2)において、modularは除算の余り値を意味し、roundは除算結果の小数点以下を切り捨てた値を意味する。
削除処理部64における処理の流れについて説明する。図20は、本発明の実施の形態4にかかるAVデータ記録装置における削除処理部の処理の流れ図である。図20では、ユーザが再生画像を見ることにより、特定の箇所を削除指示して該当する図12のVOBU#51を削除する場合について説明する。まず、VOBU#50の後ろにヌルトランスポートパケットをサイズaddAだけ追加して領域Aを構築する(ステップS201)。これにより領域Aのデータサイズは2048バイトの整数倍となる。次にVOBU#52の前にヌルトランスポートパケットをaddBだけ追加して領域Bを構築する(ステップS202)。ただし、ここで領域Aと領域Bのヌルトランスポートパケットは連続しているものとする。
これにより、領域Bのデータ開始アドレスは、VOBU#51を除いてVOBU#0の先頭から数えた場合に2048バイトの整数倍となる。以上のように領域Aの末尾及び領域Bの先頭が2048バイト境界となることにより、UDFのショートアロケーションポインタの条件を満たすことになる。またさらに領域Aと領域Bを接続すると188バイトのトランスポートパケットが連続配置することになる。この様子を図16に示す。
ここで、図14に示すように、VOBU#51のデータサイズが例えば100016バイトの場合は、X=45056、Y=47000でY≧XとなりaddA=1816バイト、addB=1944バイトのヌルトランスポートパケットを付加することになる。
また一方、図15に示す様に、VOBU#51のデータサイズが例えば80088バイトの場合は、X=45056、Y=27072でY<XとなりaddA=1816バイト、addB=78272バイトのヌルトランスポートパケットを付加することになる。
次に、ファイルエントリを図17及び図19のように変更する(ステップS203〜S204)。ただし、図19に示す数値は図14の場合を示す。図17のアロケーションディスクリプタAは記録内容が論理ブロック#5000の先頭セクタ(セクタ#80000)から始まり、データサイズが16408576バイトであることを示す。また、アロケーションディスクリプタBは論理ブロック#5503の第12セクタ(セクタ#88059)から始まりデータサイズが16261312バイトであることを示す。最後に、論理ブロック管理部へ論理ブロック#5501、#5502が空きとなったことを通知する(ステップS205)。これにより、削除処理が完了する。
以上のように本実施の形態4によれば、ヌルトランスポートパケットの追加処理及びアロケーションディスクリプタの追加変更処理により削除処理を完了する。このように削除領域の後ろの領域全体を前詰めする必要が無くなるので、削除処理部64における処理負荷が著しく軽減される。また、実施の形態1のようにVOBUを連続的に配置するか、または本実施の形態4の様にVOBU間にヌルパケットをはさみながらVOBUを連続的に配置するかのどちらかの形態により、削除処理前の1394インタフェースを介した映像のリアルタイム記録/リアルタイム再生、パソコン接続時のファイル再生及び部分削除処理が容易かつ効率的に実現できることになる。
なお、削除処理後の再生時において、例えば領域Aから領域Bへスキップする場合、連続再生を保証するにはスキップする前に別途MPEGのバッファ制御が必要になる場合がある。
なお、本実施の形態4においては、ユーザが指定可能な削除領域がVOBU単位であることを前提に説明したが、特にこれに限定されるものではなく、例えばフレーム単位であっても良い。ただし、その場合には、ユーザが指定した削除領域に完全に含まれるVOBUのみを削除する。部分的に削除領域を含むVOBUについては、編集によって不要なフレームを削除してVOBUを短くするか、あるいは当該VOBUを削除しないで、削除領域に含まれるフレームを再生しないように制御する等の処理が必要となる。
また、ユーザが指定可能な削除領域がフィールド単位であってもかまわない。ただし、この場合には、ユーザが指定した削除領域に完全に含まれるVOBUのみを削除する。部分的に削除領域を含むVOBUは編集によって不要なフレームを削除してVOBUを短くし、かつ特定のフィールドを再生しないようにするか、あるいは当該VOBUを削除しないで、削除領域に含まれるフィールドを再生しないように制御する等の処理が必要となる。
また、本実施の形態4においては、VOBUはトランスポートパケットから構成されるものとしたが、2Kバイト単位のプログラムストリームのパックから構成されていても良い。ただし、この場合は図20におけるヌルパケットの追加処理は不要になる。
なお、本実施の形態4では、VOBUはトランスポートストリームから構成されるものとしたが、任意のパケット長を有するPESパケットやプログラムストリームのパックから構成されるPESストリームであっても良い。さらに、独自フォーマットのパケットから構成される独自フォーマットのストリームであっても良い。ただし、これらの場合はダミーパケットとして使用しないストリームIDを有するパケット又はプライベート・ストリームIDを使用する等の必要がある。
なお、本実施の形態4では、領域Aの末尾位置は2キロバイトの境界に一致するものとしたが、論理ブロックサイズ(32キロバイト)の境界に一致させてもよい。
(実施の形態5)
ユーザが既に記録されている映像の特定のVOBUを削除する場合の別の例について説明する。
図21(b)は実施の形態5にかかるファイルエントリのアロケーションポインタのデータ構造を示し、図21(a)に示すように、データの開始セクタ番号を示すエクステント位置、開始セクタ先頭から実際の有効データ開始アドレスまでのサイズを示すエクステントオフセット、及び実際の有効データサイズを示すレコード長を管理する。本実施の形態5では、映像を記録する場合にこのようなデータ構造を持ったアロケーションディスクリプタがファイルエントリに記録されるものとする。
図22は実施の形態5にかかるAVデータ記録装置における削除操作前に記録されている内容を示す図である。図22においては、VOBU#0〜VOBU#85が論理ブロック#5000〜5999にまたがって記録されている。ここでは、記録されているデータサイズは32766144バイトであるものとする。また、ユーザは記録映像を再生しながら、削除したい箇所としてVOBU#51を指定するものとし、削除されるVOBU#51は論理ブロック#5500、#5501、#5502、#5503にまたがって記録されている。VOBU全体を領域aと呼び、VOBU先頭からVOBU#50まで領域を領域Aと呼び、またVOBU#52以降からVOBU末尾までの領域を領域Bと呼ぶ。VOBU#0の先頭からVOBU#50の末尾までのデータサイズは16406760バイトであり、VOBU#51のデータサイズは100016バイトであるものとする。
図23は、本発明の実施の形態5にかかるAVデータ記録装置における削除操作後に記録されているファイルの構造を示す図である。図22に示す領域A、Bの記録内容が2つのアロケーションディスクリプタによって一つのファイルエントリにリンク(関連付け)されていることを示している。
図24は、本発明の実施の形態5にかかるAVデータ記録装置における削除操作前のファイルエントリのアロケーションディスクリプタに関する数値を示す図である。ここではアロケーションディスクリプタとして図21に示すアロケーションポインタを使用している。エクステント位置は記録されたデータの先頭セクタ番号を示し、論理ブロック#5000に相当するセクタ番号“80000”を示している。また、データはセクタ#80000の先頭から記録されているのでエクステントオフセットが0バイトであることを示し、有効なデータ長を示すレコード長は32766144バイトを示す。また、アロケーションディスクリプタは1個12バイトなのでアロケーションディスクリプタ長は‘12’となる。
図25は、本発明の実施の形態5にかかるAVデータ記録装置における削除操作後のファイルエントリのアロケーションディスクリプタに関する数値を示す図である。ここでもアロケーションディスクリプタとして図21に示すアロケーションポインタを使用している。アロケーションディスクリプタA、Bのエクステント位置は、それぞれ図23における領域A、Bの先頭セクタ番号を示し、それぞれ論理ブロック#5000内の先頭セクタ(第1セクタ)、#5503内の第12セクタに相当するセクタ番号“80000”、“88059”を示している。またアロケーションディスクリプタA、Bのレコード長は有効データ長を示し、16406760バイト、16259368バイトである。
またアロケーションディスクリプタAのエクステントオフセットは、領域Aがセクタの先頭から始まっているので‘0’が設定される。アロケーションディスクリプタBのエクステントオフセットは、領域Bがセクタ#88059の1944バイト目以降から始まっているので‘1944’が設定される。また、2個分のアロケーションディスクリプタを使うので、アロケーションディスクリプタ長は‘24’となる。
実施の形態5における削除処理部64における処理の流れについて説明する。図26は、本発明の実施の形態5にかかるAVデータ記録装置における削除処理部の処理の流れ図である。図26では、ユーザが再生画像を見ることにより、特定の箇所を削除指示して該当する図22のVOBU#51を削除する場合について説明する。このため、まず図24のように領域aを指していたアロケーションディスクリプタを、領域Aを指すように変更する(S301)。次に領域Bを指す様なアロケーションディスクリプタを追加する(S302)。この結果、図24のファイルエントリが図23及び図25に示すファイルエントリとなる。本実施の形態5におけるアロケーションディスクリプタはエクステントオフセット及びレコード長の組み合わせによりセクタの先頭からデータを格納する必要が無い。これにより実施の形態2の前詰め処理や実施の形態4のヌルパケットの追加処理が不要となる。最後に、論理ブロック管理部へ論理ブロック#5501、#5502が空きとなったことを通知する(ステップS303)。これにより、削除処理が完了する。
以上のように本実施の形態5によれば、アロケーションディスクリプタの追加変更処理により削除処理を完了する。これにより削除領域の後ろの領域全体を前詰めする必要が無くなるので、削除処理部64における処理負荷が著しく軽減される。
なお、削除処理後の再生時において、例えば領域Aから領域Bへスキップする場合、連続再生を保証するにはスキップする前に別途MPEGのバッファ制御が必要になる場合がある。
なお、本実施の形態5においては、ユーザが指定可能な削除領域がVOBU単位であることを前提に説明したが、特にこれに限定されるものではなく、例えばフレーム単位であっても良い。ただし、その場合には、ユーザが指定した削除領域に完全に含まれるVOBUのみを削除する。部分的に削除領域を含むVOBUについては、編集によって不要なフレームを削除してVOBUを短くするか、あるいは当該VOBUを削除しないで、削除領域に含まれるフレームを再生しないように制御する等の処理が必要となる。
また、ユーザが指定可能な削除領域がフィールド単位であってもかまわない。ただし、この場合には、ユーザが指定した削除領域に完全に含まれるVOBUのみを削除する。部分的に削除領域を含むVOBUは編集によって不要なフレームを削除してVOBUを短くし、かつ特定のフィールドを再生しないようにするか、あるいは当該VOBUを削除しないで、削除領域に含まれるフィールドを再生しないように制御する等の処理が必要となる。
なお、本実施の形態5では、VOBUはトランスポートストリームから構成されるものとしたが、任意のパケット長を有するPESパケットやプログラムストリームのパックから構成されるPESストリームであっても良い。さらに、独自フォーマットのパケットから構成される独自フォーマットのストリームであっても良い。
なお、実施の形態2、3、4及び5において、トランスポートストリームを前提としているが、MPEG1やMPEG4のシステムストリームであっても良い。また、Motion−JPEG圧縮形式又はQuickTimeファイル形式であっても良い。
なお、実施の形態3、4及び5において、領域Aと領域Bとの間にN_TSPを挿入したり、アロケーションポインタの更新等によりファイルを部分削除する場合について説明したが、領域Aと領域Bとの間に欧州のDVB(Digital Video Broadcasting)規格や日本のBSデジタル放送規格で規定されているDIT(Discontinuity Information Table)パケットをさらに挿入しても良い。
ここで、DITパケットはPID=0x001Eのトランスポートパケットであり、前後でトランスポートヘッダ内のパラメータ(Continuity Counter や Program Clock Reference)やMPEGのバッファ制御(映像のVBVバッファ制御や音声のバッファ制御等)が不連続になることを示す。DVB規格やBSデジタル放送規格では、トランスポートストリームを伝送する際にこのパケットの挿入を規定している。
かかるDITパケットをファイルの部分削除時に挿入することにより、部分削除後のファイルを1394インタフェースを介してリアルタイム再生する場合や、パソコン接続時におけるパソコン上でのMPEG再生ソフトを用いたファイル再生をする場合に、DITパケットの検出をトリガとして領域Bの以降のデータを領域Aのストリームとは不連続な新規ストリームとして適切に処理できるようになる。
なお、実施の形態3、4及び5においては、ファイルの一部を削除する場合について説明したが、2つのファイルの一部分同士を連結して、代わりとなる1つのファイルを作成する場合であっても良い。この場合、2つの部分の連結時に一部、実施の形態3、4及び5と同様の処理が必要となる。
また、1つのファイルの一部を抜き出して代わりとなる1つのファイルを作成する場合であっても良い。この場合、抜き出し部分の先頭について、一部、実施の形態3、4及び5と同様の処理が必要となる。
さらに、1つのファイルを2つに分割して代わりとなるファイルを2つ作成する場合であっても良い。この場合、2つ目のファイル作成時に一部、実施の形態3、4及び5と同様の処理が必要となる。
以上のいずれの場合においても実施の形態3、4及び5と同様の処理によってトランスポートストリームからなるファイルを容易に作成することができる。
また、実施の形態3、4及び5においては、MPEGトランスポートパケットの場合について説明したが、任意のデータ構造を持ったデータであっても良いことは明らかである。
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6にかかるAVデータ記録装置について、実施の形態1との相違点を中心として、図面を参照しながら説明する。したがって、特に説明のない点については、実施の形態1と同様である。
図36は、本発明の実施の形態6にかかるAVデータ記録装置のブロック構成図である。実施の形態1にかかるAVデータ記録装置のブロック構成図である図3との相違点は、出力タイミング生成部13が出力タイミング調整部14となっている点、及びタイムスタンプ取り付け部15を追加している点である。
映像信号入力部1や音声信号入力部2の信号を記録する場合には、トランスポートストリーム組立部5から出力されるトランスポートストリームがタイムスタンプ取り付け部15へ到着する到着時刻を、27メガヘルツ又は24.576メガヘルツのクロックで動作するカウンタ値で表現し、さらに各トランスポートパケットの前に挿入して、記録部6を介して記録する。
また、1394インタフェースから映像信号を入力して記録する場合には、1394インタフェース部9からタイムスタンプ取付部15へ到着する到着時刻を、27メガヘルツ又は24.576メガヘルツのクロックで動作するカウンタ値で表現し、各トランスポートパケットの前に挿入して、記録部6を介して記録する。
一方、記録した映像信号を1394インタフェース部9を介して出力する場合には、トランスポートストリームがパケットごとに付加されたタイムスタンプ値を出力タイミング調整部14において参照し、1394インタフェース部9への各パケットの引き渡し時間間隔が該当するタイムスタンプの差に一致するように調整する。1394インタフェース部9は引き渡されたパケット間の時間間隔がパケット受取り側で維持されるようにトランスポートパケットを1394伝送路上へ出力する。
図37は、本発明の実施の形態6にかかるAVデータ記録装置における記録形態を示す図である。実施の形態1にかかるAVデータ記録装置における記録形態を示す図である図2との相違点は、各トランスポートパケットの前に4バイトのタイムスタンプを付加している点にある。また、VOBUはタイムスタンプとビデオトランスポートパケットの組(図37における「V_TSPT」)とタイムスタンプとオーディオトランスポートパケットの組(図37における「A_TSPT」)から構成される。
以上のような構成によって、実施の形態1に比べてタイムスタンプを記録することになるため、映像データの記録容量が約2%減少し、パソコン接続時に1つのファイルが純粋なMPEG規格のデータストリームとはならないといったデメリットも発生する。しかし、実施の形態1に比べて、出力タイミング生成部13が出力タイミング調整部14で済む点が新たなメリットとなる。
すなわち、出力タイミング生成部13が実施するMPEG規格に基づいたトランスポートパケットごとの出力タイミングの生成をしないで、記録時に付加したタイムスタンプ値を使った単純なタイミング調整のみで1394出力ができることを意味している。
ただし、実施の形態1と同様に、1394インタフェースを介した映像の記録/再生が容易に可能である点や、映像の連続再生保証は実現できる。また、パソコン接続時においても、規則的にタイムスタンプを挿入されているだけでトランスポートストリームに極めて近いデータストリームであることから、このパソコン用のアプリケーションとしてのMPEG再生ソフトの対応は極めて容易である。
なお、タイムスタンプ値の基準クロックを27メガヘルツにすると、映像記録/再生時に使用する27メガヘルツクロックや、139インタフェースを介したMPEGトランスポートストリーム入力時にクロック再生する27メガヘルツを流用することもできる。
一方、タイムスタンプ値の基準クロックを24.576メガヘルツにすると、1394インタフェース部9の基準クロックと同じであるので、これを流用することができる。また、パソコン接続時には24.576メガヘルツのタイムスタンプ付きのトランスポートストリームのファイルとしてアクセスできる。この24.576メガヘルツは、パソコン側の1394インタフェース部の基準クロックと同じである。したがって、パソコンから外部機器へ1394伝送路を介して記録したファイルを同期転送(Isochronous transfer)する場合においても、パソコン内の1394インタフェース部で使用される24.576メガヘルツをベースに出力タイミングの調整が可能となる。
すなわち、同様のことを27メガヘルツを使用して行う場合に比べて、パソコン内に専用のクロック回路を設ける必要が無くなるというメリットが生じる。また、この24.576メガヘルツを使った192バイトの構造は、1394インタフェース内部で伝送時に組立が必要なソースパケットヘッダ(IEC61883-4で規定されている)の構造と全く同一である。したがって、ファイルを1394インタフェース内部のデータ構造としてそのまま伝送することができるというメリットも生じる。
以上のように、本実施の形態6によれば、出力タイミングを新たに生成することなく、記録時に付加したタイムスタンプ値を使った単純なタイミング調整のみで1394出力ができる。
なお、本実施の形態6においては、タイムスタンプのデータ長が4バイトであるものとして説明しているが、特にこれに限定するものではない。
また、本実施の形態6においては、タイムスタンプ値の基準クロックを27メガヘルツ又は24.576メガヘルツとしているが、装置内の別のクロックを基準とするものであっても良い。
なお、本実施の形態において、記憶媒体は相変化光ディスクであるものとしたが、特にこれに限定するものではなく、例えばDVD−RAM、MO、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW、CD−R、CD−RW等の光ディスクやハードディスク等のディスク形状を有する記録媒体であれば何でも良い。また、半導体メモリであっても良い。
同様に、本実施の形態において、読み書きヘッドはピックアップとしているが、MOの場合はピックアップ及び磁気ヘッドとなり、またハードディスクの場合は磁気ヘッドとなる。
なお、本発明の実施の形態において、トランスポートストリームは、MPEGを用いたデジタル放送規格に準拠した形式で合っても良い。例えば、日本のBSデジタル放送規格に準拠したトランスポートストリーム、米国のATSC規格に準拠したトランスポートストリーム、及び欧州のDVB規格に準拠したトランスポートストリームがこれに該当する。このことによって、デジタル放送用セットトップボックス(STB)の互換性を高めることができる。
また、MPEGを用いたデジタルデータ放送に準拠した形式であっても良い。このことによって、データ放送受信機能等のSTBの有する機能を活用することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態において、論理ブロックは32キロバイト、セクタは2キロバイトとしたが、論理ブロックサイズがセクタサイズの整数倍であれば、例えば論理ブロックが16キロバイトであっても良い。また、論理ブロック、セクタともに2キロバイトであっても良い。