JP3824574B2 - ディジタル放送受信装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル放送の受信装置及びその方法に係り、特に一時記録の管理を行う受信装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、ディジタル放送では番組を構成する映像、音声ストリーム等と共に、その番組のコピーを許すか否かに関する制御情報を番組関連情報として付加し伝送する場合が多い。伝送されたコピー制御情報は、D−VHSなどの記録機器に番組を記録する際に、記録の可否判定に用いられる。
【0003】
このコピー制御情報の一例として、BS/CS等のディジタル放送に使用する番組配列情報を規定する、ARIB STD−B10 1.2版に記載されるディジタルコピー制御記述子のシンタクス構造を図14に示す。この中にはdigital_recording_control_dataというコピー世代制御情報を示す2ビットのフィールドが存在し、それらは図15に示すように、「00」「01」「10」「11」がそれぞれ、無条件にコピー可、事業者により定義、1世代のみコピー可、コピー禁止を意味する。
【0004】
また、限定受信番組では、送信されるECM(Entitlement Control Message)に番組制御情報が含まれており、その中に録画の可否に関する記録制御情報が含まれていることがある。BSディジタル放送の限定受信方式を規定するARIB STD−B25 1.0版によれば、ECMに基づくICカードとIRD間のコマンド/レスポンスの一つである契約確認コマンドのレスポンスで、録画制御フィールド(8ビット)が存在する。このうちの1ビットを挟む3ビットにより図16に示すように、録画不可、契約者のみ録画可、録画可を意味する。そして、これらの情報に基づき、受信機では対象番組の記録の可否判定を行い、処理を実行する。
【0005】
ところで、最近ではハードディスクなどのランダムアクセスが可能な蓄積メディアなどを受信機に搭載した場合の有力な機能アイテムの一つに番組のタイムシフト視聴がある。タイムシフト視聴とは、図17に示すように、放送中の番組記録を継続しながら任意の時間に番組の最初から再生して視聴する機能である。この例では、視聴者が8:00PMからの番組Aを録画予約しておいた場合、9:30PMの番組終了まで待たなくても、任意の時刻、例えば、8:30PMから番組Aの再生視聴を開始できる。
【0006】
このタイムシフト視聴は、番組の永続的な記録に依らなくとも一時的に記録が可能であれば実現可能である。また、通常の番組記録と異なり、再生にある程度の制限、例えば再生可能期間や再生可能回数があっても実現可能である。
【0007】
ところが、上述のように、コピー制御情報やECM等による契約確認情報では、記録が可能ならば再生も無制限に可能であり、記録不可ならばリアルタイムでの視聴のみが可能となるものである。このため、タイムシフト視聴のような一時記録/一時再生を想定した機能においても記録可能な番組でしか実現できず、コンテンツ供給者の意図を十分に反映できない上に視聴者の利益も限定したものになってしまう。
【0008】
このように、受信機でタイムシフト視聴のような一時記録/一時再生で実現可能な機能を実装する場合、従来のシステムでは記録可能かつ再生無制限な番組でしか実現できないため、コンテンツ供給者の意図も十分に反映できず、視聴者の利益を制限してしまうという問題が存在する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ディジタル放送の番組に関して録音・録画などの記録制御を行う従来のコピー制御方法ではタイムシフト視聴等に対する一時記録に関してコピー制御がなかった。したがって、コンテンツ供給者及び視聴者の両者の面から納得のいく適切なコピー制御がなされないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は一時記録に対して適切なコピー制御がなされる、ディジタル放送受信装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明の基本的特徴によれば、ディジタル放送の番組に関してコピー可/1世代のみコピー可/コピー禁止を示すコピー世代制御情報、および前記ディジタル放送の番組の再生における、現在放送中の時点から遡って視聴可能なシフト可能時間を示すシフト可能制御情報を含む番組配列情報が含まれたディジタル放送を受信する番組受信手段と、前記番組受信手段により受信した前記番組を記録媒体に記録させる記録制御手段と、前記記録媒体に記録された前記番組の前記コピー世代制御情報がコピー禁止を示す場合に、前記番組の前記シフト可能時間内のみを遡って再生する再生手段と、を有することを特徴とするディジタル放送受信装置を提供する。
【0012】
したがって、本発明によれば、コンテンツ供給者の意図を反映させたシフト可能情報を基に視聴者の利便性を向上しながら、コピー世代制御情報に応じて適切なコピー制御を行うことが可能な、ディジタル放送受信装置が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面を用いて説明する。
(実施形態1)
本発明のこの実施形態は、番組配列情報(ディジタルコピー制御記述子)を利用して番組の一時記録の可否情報を伝送し、受信装置では一時記録許可された番組がタイムシフト再生時間の制限を受けるものである。
【0014】
番組配列情報は、PMT(Program Map Table) 、EIT(Event Information Table)、SDT(Service Definition Table)のいずれかを用いることができる。
【0015】
図1に、この実施形態によるディジタル放送送信装置の基本構成例を示す。
【0016】
この送信装置は、映像、音声を符号化するMPEG映像符号化器11、MPEG/AC3音声符号化器12と、符号化された映像、音声をスクランブル処理するスクランブラ13及びスクランブラ17と、映像、音声のスクランブル鍵を発生するスクランブル鍵発生器14及びスクランブル鍵発生器18と、スクランブル鍵を暗号化する際に用いるワーク鍵を発生するワーク鍵発生器110と、この発生器の出力を暗号化してEMM(Entitlement Management Message)を生成するEMM生成器111と、スクランブル鍵とワーク鍵から暗号化してECM(Entitlement Control Message)を生成するECM生成器16、ECM生成器19と、一時記録に関する制御情報を定義設定する一時記録制御情報設定器112と、番組関連情報を生成する番組関連情報生成器113と、これらの情報を多重化する多重化器15と、多重化された信号を誤り訂正符号化するFEC符号化器114と、符号化された信号を変調する変調器115とから成る。
【0017】
ディジタル放送番組の映像、音声信号は、それぞれMPEG映像符号化器11、MPEG/AC3音声符号化器12に入力される。映像信号はMPEG映像符号化器11で符号化してスクランブラ13に出力する。スクランブラ13では、スクランブル鍵発生器14から発生したスクランブル鍵を基に符号化された映像信号にスクランブル処理を施し、多重化器15に出力する。
【0018】
なお、このときスクランブル鍵発生器14から発生したスクランブル鍵は、ECM生成器16にも入力され、暗号化してECMを生成し、共通情報として多重化器15に出力される。
【0019】
音声信号についても同様に、スクランブラ17を経て多重化器15に出力される。また、このときのスクランブル鍵は、スクランブル鍵発生器18で発生したものを利用し、ECM生成器19で暗号化してECMを生成し、同じく多重化器15に出力する。
【0020】
更に、これらのスクランブル鍵を暗号化する際に用いるワーク鍵はワーク鍵発生器110で発生し、EMM生成器111において暗号化してEMMを生成し、個別情報として多重化器15へ出力される。
【0021】
さて、番組に関する一時記録制御情報は、一時記録制御情報設定器112で設定され、番組関連情報生成器113へ出力する。番組関連情報生成器112ではこの情報やその他の番組関連情報を記述子、更にはセクションと呼ばれる伝送フォーマットに変換して、多重化器15へ出力する。
【0022】
ここで、ディジタルコピー制御記述子に上記の一時記録に関するコピー制御情報をも設定(追加定義)した場合の一例を図3に示す。同記述子のディジタルコピー制御情報(2ビット)において、事業者定義に当たる「01」を、「コピー禁止かつ一時記録のみ可」として定義している。
【0023】
また、他の値に関しては従来の定義と整合性を確保するため、コピー可ならば一時記録も可、コピー禁止ならば一時記録も不可として解釈するように定義する。
【0024】
そして、多重化器15では、各入力ストリームにPID(Packet ID)という識別子を割り当て、188バイトの固定長パケットに分割多重し、トランスポートストリーム(Transport Stream、以下、TS)としてFEC(誤り訂正)符号化器114に出力する。
【0025】
FEC符号化器114では、入力されるTSをビタビ符号等の畳み込み符号化やRS(リードソロモン)符号化により符号化して変調器115へ出力する。そして、変調器115では例えば、QAMやQPSK等のディジタル変調処理を行い、D/A変換後、高周波(RF)に変換されて放送信号として出力される。
【0026】
次に、上述の送信装置により送信されたディジタル放送の受信装置(以下、IRD)の基本構成の一例を図2に示す。
【0027】
アンテナ端子から入力した高周波のディジタル放送信号は、図示しないチューナを経て復調器21に入力される。復調器21ではA/D変換した後、例えば、QAMやQPSK等の送信側でディジタル変調処理された信号を復調し、FEC(誤り訂正)復号化器22に出力される。
【0028】
FEC復号化器22では、送信側でビタビ符号等の畳み込み符号化やRS(リードソロモン)符号化された信号を復号化してデスクランブラ23に出力する。デスクランブラ23では、指定された番組のスクランブルされた映像や音声の信号をスクランブル鍵を基にデスクランブルし、セレクタ24を経由してトランスポート処理器25に出力する。
【0029】
トランスポート処理器25ではTSの形式で多重されてきた、一般には複数のサービス(放送番組)の中から、リモコンなどの放送番組選択器26によって指定される所定のサービスを選択してその番組を構成する映像や音声の信号を多重分離し、デパケット処理を行ってそれぞれの圧縮信号に戻してMPEG映像復号化器27やMPEG/AC3音声復号化器28に出力する。
【0030】
トランスポート処理器25は、映像、音声と共に多重されているPSI(Program Specific Information)やSI(Service Information)などの番組関連情報も分離して、番組関連情報再生器29に出力する。
【0031】
そして、 MPEG映像復号化器27ではDRAM(図示せず)に復号化された映像フレームを蓄えながら、MPEG2の映像高能率符号化方式で符号化された信号を復号して、Y、Cb、Crのディジタルのコンポーネント信号として出力し、必要に応じOSD処理器210のグラフィック出力と加算器211で重畳処理して出力する。
【0032】
音声についても同様に、MPEG/AC3音声復号化器28において復号化して出力する。
【0033】
なお、このIRDがアナログ出力する場合には、図示していないが加算器211の映像出力は、例えば、NTSCエンコーダを経てNTSCアナログのコンポジット信号に変換して出力する。また、MPEG/AC3音声復号化器28の出力は、音声のD/A変換器に出力しアナログの音声信号として出力する。
【0034】
これらの信号処理を適切に行うため、マイクロコントローラ212が用意され、周辺機器の支援を行っている。マイクロコントローラ212では、例えば放送番組選択器26などからのサービス指定入力に従い、番組関連情報再生器29で再生されるPSIデータを解析し、指定されたサービス(番組)を構成する映像、音声などの各伝送識別子をトランスポート処理器25にセットする。
【0035】
また、デスクランブル処理に必要な関連情報を解析し、このPIDをデスクランブラ23にセットする。更に、MPEG映像復号化器27、MPEG/AC3音声復号化器28、番組関連情報再生器29、OSD処理器210などの周辺回路の再生動作を制御する。 特にOSD処理器210には、マイクロコントローラ212は、必要に応じ、番組関連情報再生器29で保持管理されるデータを加工編集し、EPG(電子番組ガイド)表示を実行するよう指示する。
【0036】
ところで、このIRDでは記録再生装置213がディジタルインターフェース214を介して接続されている。
【0037】
リモコンなどの記録番組選択器217によって、受信中のディジタル放送の多重信号中からある特定サービスの番組の記録開始が指定されると、この通知を受けたマイクロコントローラ212は放送信号のリアルタイム再生の場合と同様に、指定された番組関連情報を解析し、トランスポート処理器25およびデスクランブラ23に各伝送識別子を設定する。この結果、トランスポート処理器25では必要な信号を多重分離してディジタルインターフェース214を経由して記録再生装置213へ出力する。
【0038】
なお、DVBでは上記のように番組を選択(複数可)して記録(このストリームをパーシャルTSと呼ぶ)する際には、SMI(Storage Media Interoperability Table)と呼ぶ蓄積関連情報をIRDで作成し、上記のSIに代わり挿入することを規定している。
【0039】
SMIには、記録選択した番組の情報を記述したSIT(Selection Information Table)と、SIの不連続情報を記述するDIT(Discontinuity Information Table)との2種類が存在する。
【0040】
SITはSIT作成器221において、選択情報作成器で放送信号中に多重されたSIの中から記録選択された番組もしくはサービスに関する情報のみを抽出・編集して作成されトランスポート処理器25において記録信号中に多重される。
【0041】
また、DITはDIT作成器222でSI情報が不連続になり得る時点でこれを示すものとしてやはり記録ストリーム中に挿入される。
【0042】
再生処理の場合には、セレクタ24および記録番組選択器215はいずれも記録再生処理側の入力を選択出力する。トランスポート処理器25では、放送受信再生の場合と同様に、TS形式の多重信号の中から、リモコンなどの記録番組選択器216によって指定される所定のサービスを選択してその番組を構成する映像や音声の信号を多重分離し、デパケット処理を行ってそれぞれの圧縮信号に戻してMPEG映像復号化器17やMPEG/AC3音声復号化器28に出力する。また、映像、音声と共に多重されているPSIやSITの番組関連情報も分離して番組関連情報再生器29に出力する。
【0043】
ここで、このIRDにおける記録制御処理及び再生制御処理に関して、以下に詳しく説明する。
【0044】
記録処理に関して、上記のマイクロコントローラ212は、図4に示すような手順で番組の記録を制御する。
【0045】
まず、ステップS41において、記録開始指示を受け付けると、ステップ42においてディジタルコピー制御情報を参照し、ステップS43に移る。ステップS43においてディジタルコピー制御情報の値が「11」(コピー禁止かつ一時記録不可)でなければステップS44に移動する。
【0046】
ステップS44においてディジタルコピー制御情報が「10」(1世代のみコピー可かつ一時記録は可)であるか検知される。ディジタルコピー制御情報が「10」であれば、ステップS45においてコピー世代管理処理を行い、ステップS46において記録処理を実行する。
【0047】
また、ステップS43において「11」であれば、図3に示すように記録不可を意味するから、ステッS47においてその旨をOSD(On Screen Display)表示するなどの記録不可処理を実行する。記録処理は記録停止指示を受け付けるまで実行を続ける。
【0048】
次に、再生処理に関してマイクロコントローラ212は、図5に示すような手順で一時記録番組の再生を制御する。まず、ステップS51において、送受信装置の間で予め決められたシフト可能時間Smaxを設定する。ステップS52において再生開始指示を受け付けると、ステップS53において現在時刻と放送終了時刻が比較される。
【0049】
ステップS53において、現在時刻が放送終了時刻に達していないならばステップS54に移り、シフト範囲Ts、即ち(現在時刻ー放送開始時刻)と(シフト可能時間)が比較されそのうちの小さい方の値が取られる。
【0050】
例えば、シフト可能時間が30分であり、ある番組が9:00PMか放送開始し現在9:40PMになっているとすると、(現在時刻ー放送開始時刻)即ち放送経過時間は40分となり、シフト可能時間の方が小さいのでシフト範囲Tsは30分となる。
【0051】
次に、ステップS55に移り、現在再生位置が(現在時刻ーシフト範囲)以上で現在時刻以下であるか,検知される。即ち、9:10PMから9:40PMの範囲で再生できる。したがって、ステップS56に移り9:10PMからタイムシフト視聴ができる。
【0052】
一方、ステップS53において、現在時刻が放送終了時刻を過ぎていれば放送が既に終了していることになるから、一時記録はなされず、ステップS57において一時記録データが削除される。
【0053】
以上のように一時記録制御情報を番組配列情報(ディジタルコピー制御記述子)に記載して伝送することで、受信機ではこの情報に従って番組の一時記録の再生制御を行うことができる。
【0054】
この実施形態では、通常ディジタル放送の番組と共に送信される番組配列情報を一時記録制御の情報としても利用するので、新たに信号を付加する必要がない。
(実施形態2)
上記実施形態では、一時記録とは記録が完了する前に再生が開始する場合を意味した。しかし、一時記録はこれだけでなく、再生の有効期限が設定されそれより前に再生する場合が一時記録と解釈される場合もある。次に、この種の実施形態であって限定受信関連情報により一時記録の可否情報を伝送する実施形態について説明する。即ち、送信装置からは限定受信関連情報を利用して一時記録の可否情報を伝送し、受信装置では一時記録許可された番組が再生有効期限により制限を受ける。
【0055】
この実施形態での送信装置の基本構成の一例を図6に示す。
【0056】
一時記録制御情報設定器612にて定義設定される一時記録に関する制御情報は、ECM生成器66及びECM生成器69に出力されている点だけが、図1に構成を示した実施形態と異なる。ECM生成器66及びECM生成器69では、暗号化したスクランブル鍵と共に図7に示すような、一時記録制御を含む1バイトの録画制御情報を設定して多重化器65に出力する。
【0057】
なおこの例では、一時記録制御情報設定器612にて定義設定される一時記録に関する制御情報は番組関連情報生成器613に出力していないが、ECMと番組配列情報に番組の一時記録制御情報をそれぞれ適宜設定しても構わない。
【0058】
また、この受信装置の基本的な構成は、上述の第1の実施形態の図2と同様である。
ECMはEMMと共にトランスポート処理器25で多重分離され、共通情報、個別情報として受信機に挿入されたICカード(図示せず)に出力される。ICカードでは暗号化されたワーク鍵およびスクランブル鍵を復号し、デスクランブラ23に設定し、映像、音声等のデスクランブル処理を可能にする。
【0059】
この実施形態における記録制御の手順を図8に示す。
まず、ステップS81において記録開始の指示を受け付けると、ステップS82でECM受信に基づく契約確認コマンドを発行する。次に、ステップS83においてICカードからのレスポンスを受け取って録画制御情報を参照する。
【0060】
ステップS84において、上記録画制御情報の値が「0x00」であれば、図7より、録画不可を意味するから、ステップS85に移り録画不可の旨をディスプレィ上に表示するなどの記録不可処理を行う。
【0061】
ステップS84において、上記録画制御情報の値が「0x00」でなければ、ステップS86に移り、「0x10」であるかどうか検知される。ステップS86において、上記録画制御情報の値が「0x10」であれば、図7より録画可を意味するから、ステップS87に移って記録処理を行う。
【0062】
ステップS86において、上記録画制御情報の値が「0x10」でなければ、ステップS88に移り、「0x02」であるかどうか検知される。ステップS88において録画制御情報の値が「0x02」であれば、図7により一時録画可を意味するから、ステップS89に移って一時記録の処理を行う。
【0063】
ステップS88において、上記録画制御情報の値が「0x02」でなければ、ステップS810に移り、「0x01」であるかどうか検知される。録画制御情報の値が「0x01」であれば図7より、契約者のみ録画可であるから、ステップS811に移り、OSD表示で該当番組を購入するか否か視聴者に選択入力させる。
【0064】
このステップS811において、視聴者が購入する旨の入力をした場合にはステップS812に移り、記録処理を行う。視聴者が購入しない場合には、記録処理を行わない。
【0065】
ステップS810において、上記録画制御情報の値が「0x01」でなければ、ステップS813に移り、「0x03」であるかどうか検知される。録画制御情報の値が「0x03」であれば、ステップS814に移り、OSD表示でその番組を購入するか否かを視聴者に選択入力させる。視聴者がその番組を購入すればステップS815において一時記録処理を行う。視聴者が購入しない場合には、記録処理を行わない。
【0066】
一方、ステップS813において、上記録画制御情報の値が「0x03」でなければ、ステップS816に移り、「0x04」であるかどうか検知される。録画制御情報の値が「0x04」であれば、図7により「契約者のみ録画可かつ一時録画可」であるから、ステップS817に移り、OSD表示で番組を購入するか否かを視聴者に選択入力させる。
【0067】
ステップS817において視聴者が購入する旨入力したら、ステップS818に移り記録処理を行う。購入しなければ一時録画可であるから、ステップS819に移り、一時記録処理を行う。ステップS816において録画制御情報の値が「0x04」でなければ、図7のどれにも該当しないので、ステップS820に移って所定のエラー処理を実行する。
【0068】
次に、この実施形態における再生制御処理の手順を図9を用いて説明する。
まず、ステップS91において、送信装置と受信装置の間で予め決められた再生有効期限を設定する。ステップS92において、再生開始の指示を受け付けると、ステップS93に移って現在の日時を参照し、次にステップS94で現在の日時が再生有効期限に達しているかどうか検知される。
【0069】
ステップS94において、現在の日時が再生有効期限を過ぎていないことが確認されると、ステップS95に移り、再生処理を実行する。
一方、ステップS94で現在の日時が再生有効期限を過ぎていることが判明すると、ステップS96に移って、当該視聴者が視聴契約を更新しているか確認する。ステップS96で視聴契約の更新が確認されると、ステップS97に移ってその契約内容を参照する。
【0070】
ステップS97で契約内容を参照し、ステップS98で再生が許されているかどうかを確認する。再生が可能であることが確認されると、ステップS99に移って再生処理を実行する。
【0071】
ステップS98において再生不可であることが確認された場合及び、ステップS96において、当該視聴者により契約更新がなされていないことが確認された場合には、いずれもステップS910に移って、再生できない旨を表示するなどの再生不可処理を実行する。
【0072】
以上この実施形態にて述べたように、一時記録の制御情報を送信装置から限定受信関連情報に記載して伝送し、受信装置ではこの限定受信関連情報に含まれている一時記録の制御情報に従って番組の一時記録の再生制御を行うことができる。
【0073】
また、一時記録を再生有効期限を越えない期間での視聴と定義することも可能である。なお、制限を越えていることにより一旦再生禁止された一時記録番組を、視聴契約を更改することによって再生できるようにすることも可能である。
(実施形態3)
一時記録は、再生が所定回数以下であることと定義することもできる。また、一時記録の制御情報は独立に伝送することもできる。
【0074】
この実施形態では、番組配列情報で記述子を新しく定義して一時記録制御情報を送信装置から伝送し、受信装置では一時記録許可された番組の再生が所定回数を越えたときに再生の制限を受ける。
【0075】
送信装置及び受信装置の構成は、それぞれ実施形態の図1、2と同様である。
【0076】
送信側では、図1に示した一時記録制御情報設定器112の出力を基に番組関連情報生成器113において、例えば図10(a)(b)(c)に示すような記述子を定義、作成する。
【0077】
作成された記述子は、PMTやEITなどの該当テーブルセクションに記載して、多重化器15に出力される。この新しく定義し作成された記述子をここでは、一時記録制御記述子と名づける。
【0078】
ここで、図10(a)における一時記録制御記述子temporal_digital_recordability_flagは、一時記録が許されるか否かを表し、例えば図10(b)に示すようにこの1ビットが「0」のとき、一時記録はできず、「1」のとき一時記録が許可される。
【0079】
図10(a)におけるnum_of_replayフィールドは、対象番組が一時記録された場合の再生可能回数(0〜15)であり、送信側で設定される。
【0080】
図10(a)におけるover_process_controlフィールドは、一時記録番組が上記のように規定したnum_of_replayを超えた際の処理を規定するものであり、やはり送信側で設定される。そして、図10(c)に示すように、この値が「010」である場合には、一時記録番組の再生を時間的に制限することを意味する.したがって、この場合には再生を時間的に制限し、図11に示すような表示制御のパラメータを設定する。
【0081】
図11において、partial_replay_unitは、一時記録番組の番組開始からの部分再生の単位であり、この周期を番組終了まで繰り返す。ここで、partial_replay_on_timeはpartial_replay_unit期間内の表示時間、partial_replay_off_timeはそれに続く非表示時間を規定している。
【0082】
一方、受信側では、一時記録制御記述子を初めとする番組関連情報を図2の番組関連情報再生器29で再生、解析して記録制御する。この手順を図12を用いて説明する。この場合のディジタルコピー制御情報は「11」の場合を除き、図3に基づいて判断される。
【0083】
まず、ステップS121において記録開始指示を受け付けると、ステップS122においてディジタルコピー制御記述子に記載のディジタルコピー制御情報を参照する。
【0084】
ステップS123において、このディジタルコピー制御情報の値が「11」であるかどうかチェックされる。ステップS123で、ディジタルコピー制御情報の値がコピー禁止を意味する「11」でなければ、ステップS124に移り、この値が「10」であるかどうかチェックされる。
【0085】
ステップS124において、ディジタルコピー制御情報の値が「10」であれば、図3より「1世代のみコピー可」を意味するから、ステップS125においてコピー世代管理の処理が行われ、次にステップS126において記録処理を実行する。
一方、ステップS123においてディジタルコピー制御情報の値が「11」であれば、ステップS127において図10(a)における一時記録制御記述子temporal_digital_recordability_flagがチェックされる。
【0086】
ステップS127において一時記録制御記述子temporal_digital_recordability_flagが「1」であれば、ステップS128に移り一時記録処理を実行する。
【0087】
ステップS127において一時記録制御記述子temporal_digital_recordability_flagが「1」でなければ、ステップS129に移って、記録が許されない旨をスクリーン画面上に表示するなどの記録不可処理を実行する。
なお、記録処理のルーチンは、記録停止指示を受け付けるまで実行を続ける。
【0088】
次に、この一時記録の場合の再生制御の手順を図13により説明する。
【0089】
まず、ステップS131において一時記録制御記述子のnum_of_replayフィールドで規定される再生可能回数を設定し、ステップS132において再生回数をゼロにリセットしておく。
【0090】
ステップS133において再生開始の指示を受け付けると、ステップS134に移り、再生回数RNと再生可能回数RNmaxを比較する。ステップS134において、再生回数RNが再生可能回数RNmax以下ならば、ステップS135に移り、通常の再生処理を実行し、次にステップS136に移り再生回数RNをインクリメントする。
【0091】
ステップS134において、再生回数RNが再生可能回数RNmaxを超えている場合、ステップS137に移り、over_process_controlフィールドの値が「000」かどうかチェックされる。
【0092】
ステップS137において、over_process_controlフィールドの値が「000」であった場合には、図10(c)により、「一時記録番組データの削除」を意味するから、ステップS138に移って一時記録データを削除する。
【0093】
一方、ステップS137において、over_process_controlフィールドの値が「000」でなかった場合には、ステップS139に移り、この値が「001」であるかどうかチェックされる。ステップS139において、over_process_controlフィールドの値が「001」である場合には、図10(c)により、「一時記録番組の再生禁止」を意味するから、ステップS1310に移って、再生禁止処理を実行する。
【0094】
ステップS139において、over_process_controlフィールドの値が「001」でない場合には、ステップS1311に移って、over_process_controlフィールドの値が「010」であるか否かチェックされる。
【0095】
ステップS1311において、over_process_controlフィールドの値が「010」であるならば、図10(c)より「一時記録番組の再生を時間的に制限」を意味するから、ステップS1312において、図11のパラメータ設定に従って番組に部分再生を実行し、効果制御を実現する。即ち、所定時間毎に画面を再生することになり、視聴者に再び契約して完全な再生画像を見たい気を起こさせる。
【0096】
なお、この例では時間的な部分再生を例に説明したが、空間的に再生を制限する、即ち画面の一部のみを見ることができるようにしたり、解像度に制限を加えてぼかして再生するようにしてもよい。
【0097】
この実施形態では、送信側から一時記録制御情報を記述子を定義して番組配列情報に記載して送信し、受信装置ではこの情報に従って番組の一時記録再生制御を行うことができる。この実施形態では、再生回数の制限を越えた場合に効果制御を行うこともできる。
【0098】
以上説明したように、一時記録は、記録が終了するより前の時点から再生すること、再生有効期限以前に再生すること、あるいは再生が所定回数以下の場合であることなどと定義することができる。
【0099】
また、この一時記録の制御情報は、ディジタル放送の番組の記録に関して制御を行う情報に加えて意味付けして送信することもでき、また限定受信されるディジタル放送の番組の記録に関して制御を行う情報に加えて意味付けして送信することもできるし、一時記録の記録制御情報として独立して送信することもできる。この一時記録制御情報の送る方法と前記一時記録の定義とは全く独立に選択できる。
【0100】
通常、一時記録はどのような場合であるか、送信及び受信装置間で予め取り決めておくことも、あるいはその定義を制御情報に先だって送信側から受信側に送ることもできる。また、一時記録の制御情報が送られてこない場合には、どのように解釈するか前もって決めておくこともできる。
【0101】
【発明の効果】
本発明によれば、一時記録に対して適切なコピー制御がなされる、ディジタル放送の受信装置を得ることができる。したがって、コンテンツ供給者の意図を反映させて、受信側でのタイムシフト視聴のような機能を多くの番組で実現しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における送信装置の構成例を示す図。
【図2】本発明の一実施形態における受信装置の構成例を示す図。
【図3】本発明一実施形態におけるディジタルコピー制御情報の意味の一例を説明するための図。
【図4】本発明一実施形態における記録制御の解釈手順を説明する為の図。
【図5】本発明一実施形態における再生制御の解釈手順を説明する為の図。
【図6】本発明の他の実施形態における送信装置の構成例を示す図。
【図7】本発明の他の実施形態における記録制御情報の意味の一例を説明する為の図。
【図8】本発明の他の実施形態における記録制御の解釈手順を説明する為の図。
【図9】本発明の他の実施形態における再生制御の解釈手順を説明する為の図。
【図10】本発明の更に他の実施形態における一時記録制御記述子の構造の一例を説明する為の図。
【図11】本発明の更に他の実施形態における時間的な部分再生を説明する為の図。
【図12】本発明の更に他の実施形態における記録制御の解釈手順を説明する為の図。
【図13】本発明の更に他の実施形態における再生制御の解釈手順を説明する為の図。
【図14】従来のディジタルコピー制御記述子のシンタクス構造の一例を説明する為の図。
【図15】従来のディジタルコピー制御情報の一例を説明する為の図。
【図16】従来の限定受信放送の録画制御情報の一例を説明する為の図。
【図17】従来のタイムシフト視聴を説明する為の図。
【符号の説明】
11,61・・・MPEG映像符号化器、12,62・・・MPEG/AC3音声符号化器、13,17,63,67・・・スクランブラ、14,18,64,68・・・スクランブル鍵発生器、15,65・・・多重化器、16,19,66,69・・・ECM生成器、21・・・復調器、22・・・FEC復号化器、23・・・デスクランブラ、24・・・セレクタ、25・・・トランスポート処理器、26・・・放送番組選択器、27・・・MPEG映像復号化器、28・・・MPREG/AC3音声復号化器、29・・・番組関連情報再生器、110,610・・・ワーク鍵発生器、111,611・・・EMM生成器、112・・・一時記録制御情報設定器、113・・・番組関連情報生成器、114、614・・・FEC符号化器、115・・・変調器、210・・・OSD処理器、211・・・加算器、212・・・マイクロコントローラ、213・・・記録再生装置、214・・・ディジタルインターフェース、216・・・再生番組選択器、221・・・SIT作成器、222・・・DIT作成器。
Claims (3)
- ディジタル放送の番組に関してコピー可/1世代のみコピー可/コピー禁止を示すコピー世代制御情報、および前記ディジタル放送の番組の再生における、現在放送中の時点から遡って視聴可能なシフト可能時間を示すシフト可能制御情報を含む番組配列情報が含まれたディジタル放送を受信する番組受信手段と、
前記番組受信手段により受信した前記番組を記録媒体に記録させる記録制御手段と、
前記記録媒体に記録された前記番組の前記コピー世代制御情報がコピー禁止を示す場合に、前記番組の前記シフト可能時間内のみを遡って再生する再生手段と、
を有することを特徴とするディジタル放送受信装置。 - 更に前記番組の前記シフト可能時間以外の部分の記録を削除する記録削除手段を有することを特徴する請求項1記載のディジタル放送受信装置。
- ディジタル放送の番組に関してコピー可/1世代のみコピー可/コピー禁止を示すコピー世代制御情報、および前記ディジタル放送の番組の再生における、現在放送中の時点から遡って視聴可能なシフト可能時間を示すシフト可能制御情報を含む番組配列情報が含まれたディジタル放送を受信する番組受信ステップと、
前記番組受信ステップにより受信した前記番組を記録媒体に記録させる記録制御ステップと、
前記記録媒体に記録された前記番組の前記コピー世代制御情報がコピー禁止を示す場合に、前記番組の前記シフト可能時間内のみを遡って再生する再生ステップと、
を有することを特徴とするディジタル放送の受信方法。
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