JP3824302B2 - Plasma processing equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマにより基板の表面を処理するプラズマ処理装置に関し、さらに詳細には、回転により基板表面の近傍を移動する電極表面を有する回転電極を用いたプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体製造装置においては、一対の電極間に基板を載置し、電極間に反応ガスを供給した状態で高周波電力を印加することにより、電極間に供給された反応ガスをイオン種、ラジカル種等に分解してプラズマを発生させ、このプラズマを用いて、電極間に載置された基板に対して、エッチング、薄膜形成、表面改質等の表面処理を行うプラズマ処理装置が広く用いられている。
【0003】
このプラズマ処理装置として、回転により基板表面の近傍を移動する電極表面を有する回転電極を用いたプラズマ処理装置が、特開平9−104985号公報に記載されている。
【0004】
このような回転電極を用いたプラズマ処理装置について、図面に基づいて説明する。
【0005】
図25は、上記公報に記載された回転電極を用いたプラズマ処理装置を示しており、図25(a)は、その概略構成を示す斜視図、図25(b)は、側面図である。
【0006】
この回転電極を用いたプラズマ処理装置は、図示しない平板状の基板ステージを有しており、この基板ステージ上に基板104が載置される。基板104の上方には、円筒型の回転電極101が設けられている。この回転電極101は、その回転軸102が基板104に対して平行になるように配置されている。
【0007】
回転電極101の回転軸102には、高周波電源103が、回転軸102の回転を阻害しないように接続されている。基板104を載置する図示しない基板ステージは、接地されている。回転電極101は、回転軸102を中心軸として所定の回転速度で回転可能に構成されている。また、基板104を載置する基板ステージは、基板104を回転電極101の回転軸102の軸方向と垂直な水平方向にスライド可能に構成されている。
【0008】
これら円筒型の回転電極101及び基板104を載置する基板ステージは、図示しない反応容器内に設けられ、反応容器内には、大気圧近傍の圧力条件に反応ガスが充填される。そして、回転電極101を所定の回転速度で回転させることにより、反応容器中に充填された反応ガスを、回転電極101の回転に伴って回転電極101と基板ステージ上の基板104との間隙に移動させる。この状態で、高周波電源103から高周波電圧を印加すると、回転電極101と基板104との間隙に移動された反応ガスが、回転電極101に印加された高周波電圧によって、イオン種、ラジカル種等に分解されてプラズマを発生し、基板104と回転電極101との間隙にプラズマ発生空間Pを形成する。そして、このプラズマ発生空間Pに発生したプラズマに起因して化学反応が生じ、この化学反応によって、基板104の表面上において、エッチング、薄膜形成、表面改質等の所望の表面処理が行われる。
【0009】
例えば、基板104にアモルファスSi膜、多結晶Si膜等のシリコン膜を成膜する場合、図示しない反応容器には、HeとH2とSiH4とからなる混合気体が供給される。各反応ガスの濃度は、SiH4濃度が0.01%から10%程度、H2が0%から50%程度の割合で混合させて用いられる。また、ガラス基板の表面を加工する場合には、反応ガスとして、He、O2、CF4、SF6等の混合気体が反応ガスとして用いられる。
【0010】
また、図26には、回転電極を用いた他のプラズマ処理装置を示している。図26(a)は、その概略構成を示す斜視図、図26(b)は、側面図である。
【0011】
このプラズマ処理装置に用いられる穴つき回転電極106は、円筒形状を有し、内部に空洞部107が形成されている。この穴つき回転電極106の周面には、中空の空洞部107に連通する複数の孔部108が周方向及び軸方向に沿って一定の間隔をあけて形成されている。穴つき回転電極106の空洞部107には、図示しない反応ガス供給源により、所定の反応ガスが供給されるようになっている。穴つき回転電極106の空洞部107に反応ガスが供給されると、穴つき回転電極106の周面部に形成された各孔部108が反応ガスを噴き出すガス噴出口となって穴つき回転電極106の内部に供給された反応ガスが穴つき回転電極106の外部に供給されるようになっている。他の構成は、図25に示すプラズマ処理装置と同一の構成を有しているので詳しい説明は省略する。
【0012】
上記の図25及び図26にそれぞれ示す回転電極101及び穴つき回転電極106を用いたプラズマ処理装置では、反応ガスが、その粘性によって、高速回転する回転電極101及び穴つき回転電極106に追従して基板104と回転電極101及び穴つき回転電極106との間隙に供給される。この間隙には、回転電極101及び穴つき回転電極106の回転により反応ガスを均一に供給することができると共に、回転電極101及び穴つき回転電極106の回転を高速化することによって、この間隙間に供給される反応ガス供給量を増大させることができる。したがって、このプラズマ処理装置では、基板104の表面に対して、ムラを生じることなく均一な処理を施すことができると共に、その表面処理の速度を高速化することができる。さらに、このプラズマ処理装置においては、回転電極101及び穴つき回転電極106と基板ステージ上の基板104との間隙を狭小にすることができるため、反応ガスの利用効率を高めることができる。さらに、回転電極101及び穴つき回転電極106の高速回転に基づく自己冷却作用によって、回転電極101及び穴つき回転電極106の表面を十分に冷却することができるため、回転電極101及び穴つき回転電極106に大きな電圧を印加しても、回転電極101及び穴つき回転電極106が過度に発熱されることがなく、回転電極101及び穴つき回転電極106に大きな電圧を印加することができ、基板104の表面処理速度及び表面処理の均一性を大幅に向上させることができる。
【0013】
さらに、図26に示す周面部に反応ガスの噴出口となる複数の孔部108を形成したプラズマ処理装置では、各孔部108を介した反応ガスの供給によって、穴つき回転電極106と基板104との間隙への反応ガスの供給をより円滑にすることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の回転電極を用いたプラズマ処理装置においては、基板104と回転電極101との間隙が狭小に形成されており、回転電極101の回転のみによっては、間隙に供給される反応ガスの供給量に制限があり、十分な反応ガスを供給できない。
【0015】
また、回転電極101の回転によって基板104と回転電極101との間隙に供給される反応ガスは、回転電極101の回転方向に沿って流れるガス流となり、プラズマ発生空間P内の反応ガスのガス流の上流側と下流側とで、反応ガスの分解度が異なって、その間隙内において、反応ガスの分解物の分布が不均一になる。この場合、このような不均一な分布が発生した反応ガスの分解物によって、例えば、基板104に成膜処理を行った場合には、成膜される膜の特性が、反応ガスの上流側から下流側にわたって不均一になる。また、基板104の表面に加工を施す場合には、仕上げ面に反応ガスの上流側から下流側にわたって表面の特性が不均一になる。
【0016】
さらに、2種類以上のガスを混合した混合ガスを反応ガスとして用いて成膜処理を実施する場合においても、回転電極101の回転方向に沿った反応ガスのガス流れの上流側と下流側とで、分解し易いガスが先に上流側で分解することにより、基板104と回転電極101との間隙内で、互いのガスの分解度合いが異なる。このような状態で成膜処理を行った場合、成膜される膜の組成比がガス流の上流側と下流側とで相違する。例えば、SiH4、SiC、H2、Heからなる混合ガスを反応ガスとして、SiC膜を基板104の表面に成膜する場合、成膜される膜中のSi/C比に分布が生じて均一にならない。また、表面加工を実施する場合にも、仕上げ面の表面特性が不均一になる。
【0017】
一方、図26に示される穴つき回転電極106を用いたプラズマ処理装置においても、ガス噴出口となる各孔部108から反応ガスが噴き出されて、穴つき回転電極106と基板104との間隙に所定の反応ガスが供給されるが、穴つき回転電極106の全周にわたって形成された各孔部108から反応ガスが噴き出されるので、プラズマ処理に関与しない穴つき回転電極106と基板104との間隙から離れた位置からも反応ガスが噴き出され、また、穴つき回転電極106と基板104の間隙は非常に狭く、効率良く反応ガスがプラズマ発生空間Pに供給されない。その結果、反応ガスの利用効率が低いという問題がある。また、穴つき回転電極106に形成された各孔部108から、穴つき回転電極106と基板104との間隙に均等に反応ガスが供給されるため、穴つき回転電極106の回転の上流側と下流側とで、供給される反応ガスの供給量、組成等を調整することができないという問題もある。
【0018】
また穴つき回転電極106に形成された各孔部108より単一の反応ガスが噴出されるため、互いに異なる組成、混合比を持った複数種の反応ガスを、プラズマ発生空間P内に、互いに異なった位置、流量で供給することが出来ない。
【0019】
また回転する穴つき回転電極106内の空洞部107に反応ガスを供給する方式については明記されていない。
【0020】
また穴つき回転電極106の表面に形成された各孔部108より反応ガスを吸引することは明記されていない。
【0021】
また穴つき回転電極106に形成された各孔部108より、全方向に、単一の反応ガスが噴出されるため、1つの穴つき回転電極106を用いて、複数のプロセスを同時に行うことが出来ない。
【0022】
また穴つき回転電極106の表面に形成する各孔部108において、穴つき回転電極106の周方向に異なった穴形状、穴密度を持った穴つき回転電極を用いることは明記されていない。
【0023】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、回転電極を用いたプラズマ処理装置において、狭小になった回転電極と基板との間隙に十分な反応ガスを供給することができ、表面処理特性分布が発生しないプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のプラズマ処理装置は、所定の処理が行われる基板表面に近接して回転可能に配置された回転電極と、該回転電極を回転させる駆動手段と、該回転電極に高周波電圧または直流電圧を印加する電源とを備え、該回転電極は、内部に中空の空洞部が形成されていると共に、その表面に、空洞部に連通する通気口が形成されており、該回転電極の空洞部には、該電源から印加される電圧によってプラズマを発生させる反応ガスを、該通気口を介して該回転電極と基板との間隙に供給する反応ガス供給路を有する反応ガス供給手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0025】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記回転電極に形成された通気口は、該回転電極の周面の全体にわたって複数形成された孔部であることが好ましい。
【0026】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記反応ガス供給手段は、前記反応ガス供給路に供給される反応ガスが前記回転電極と基板との間隙に形成されるプラズマ発生空間の所望の位置に反応ガスを供給し得るように移動可能になっていることが好ましい。
【0027】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記反応ガス供給路は、前記回転電極と基板との間隙に発生されるプラズマ発生空間の所望の位置に、反応ガスを供給し得るように分岐していることが好ましい。
【0028】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記反応ガス供給路の各分岐部分における反応ガス流量が、それぞれ異なっていることが好ましい。
【0029】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記反応ガス供給手段は、複数の反応ガス供給路を有していることが好ましい。
【0030】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記反応ガス供給手段の各反応ガス供給路からは、それぞれ、組成、流量、圧力等の条件が異なる反応ガスが供給されることが好ましい。
【0031】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記ガス供給手段には、前記回転電極に形成されている通気口を介して、回転電極と基板との間隙に存在するガス成分を吸引するガス吸引路が形成されていることが好ましい。
【0032】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記ガス供給手段に形成された反応ガス供給路は、前記回転電極と前記基板との間隙に形成されるプラズマ発生空間の前記回転電極の回転方向の上流側に反応ガスが供給されるように、前記ガス吸引路は、該プラズマ発生空間の該回転電極の回転方向の下流側のガス成分が吸引されるように、それぞれ、プラズマ発生空間に対向して形成されていることが好ましい。
【0033】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記プラズマ発生空間に対して前記回転電極の回転方向の下流側に、該回転電極に対向して対向電極が設けられており、前記反応ガス供給手段には、前記反応ガスによって発生するプラズマに起因して発生し該回転電極の表面に付着する反応生成物を除去するためのクリーニング用のプラズマを該対向電極と該回転電極との間隙に形成するために、前記電源からの電圧の印加によって発生させるクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給路が形成されると共に、該クリーニングガス供給路の回転電極の回転方向の下流側に、対向電極と回転電極との間隙に存在するガス成分を吸引する吸引する吸引路が形成されていることが好ましい。
【0034】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記回転電極の周囲に複数の基板が配置されるようになっており、該各基板に対して前記回転電極の回転方向の下流側には、それぞれ前記対向電極が配置され、前記反応ガス供給手段には、基板表面を処理するためのプラズマを発生する反応ガスを供給する反応ガス供給路が、それぞれの基板表面に対向して形成され、該回転電極の電極表面に付着する反応生成物を除去するためのプラズマを発生するクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給路が、それぞれの対向電極に対向して形成され、各基板及び各対向基板と該回転電極との間隙に存在するガス成分を吸引するガス吸引路が、各反応ガス供給路及び各クリーニングガス供給路に対して前記回転電極の回転方向の下流側に隣接してそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0035】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記基板がフレキシブル基板であり、前記回転電極の周囲に、該フレキシブル基板が巻き掛けられる回転駆動可能なローラが設けられていることが好ましい。
【0036】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記反応ガス供給手段には、反応ガスを供給する複数の反応ガス供給路と、該反応ガス供給路のそれぞれに隣接するガス吸引路とが形成されていることが好ましい。
【0037】
また、本発明のプラズマ処理装置は、所定の処理が行われる基板表面に近接して回転可能に配置された回転電極と、該回転電極を回転させる駆動手段と、該回転電極に高周波電圧または直流電圧を印加する電源とを備え、該回転電極は、内部に中空の空洞部が形成されていると共に、その表面に、空洞部に連通する通気口が形成されており、該回転電極の外部には、反応ガスを導入するための導入開口部と基板に対向する導出開口部を除いて、該回転電極の外周をほぼ覆う電極カバーによって覆われていることを特徴とするものである。
【0038】
また、本発明のプラズマ処理装置は、所定の処理が行われる基板表面に近接して回転可能に配置された回転電極と、該回転電極を回転させる駆動手段と、該回転電極に高周波電圧または直流電圧を印加する電源とを備え、該回転電極は、内部に中空の空洞部が形成されていると共に、その表面に、空洞部に連通する通気口が形成されており、該回転電極の外部には、反応ガスを導入するための導入開口部を有し、該回転電極を部分的に覆う部分電極カバーが設けられ、該回転電極の内部の空洞部には、該部分電極カバーの導入開口部から該通気口を通じて該空洞部に導入された反応ガスを、基板と該回転電極との間隙に通流するガス通流部が設けられていることを特徴とするものである。
【0039】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記反応ガス供給手段に形成される反応ガス供給路は、基板と回転電極との間隙に発生されるプラズマ発生空間に対応した大きさに形成されていることが好ましい。
【0040】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記反応ガス供給手段に形成された反応ガス供給路には、反応ガスを通流可能な多孔質体が設けられていることが好ましい。
【0041】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記回転電極の電極表面上には、その全周にわたって、反応ガスを通流可能な多孔質体が設けられていることが好ましい。
【0042】
上記本発明のプラズマ処理装置において、前記回転電極に形成された通気口は、該回転電極の軸方向に沿って複数形成されたスリット状のガス通気口であることが好ましい。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプラズマ処理装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0044】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1のプラズマ処理装置の概略を示す斜視図である。図2は、図1のA−A’線に沿う断面図、図3は、図1のB−B’線に沿う断面図をそれぞれ示している。
【0045】
このプラズマ処理装置は、図示しない平板状の基板ステージを有しており、この基板ステージ上に基板Sが載置される。この基板Sの上方には、円筒型の回転電極1が設けられる。円筒型の回転電極1は、円筒型の電極本体部1aと、この電極本体部1aの各端面にそれぞれ電極本体部1aと同芯状に設けられた回転軸1bとを有している。この回転電極1は、電極本体部1a及び各回転軸1bの軸方向が、基板Sの表面に対して平行になるように配置されており、回転電極1と基板ステージ上に載置された基板Sとの間に、所定のギャップが形成されている。このギャップは、回転電極1の各端面にそれぞれ設けられた回転軸1b又は図示しない基板ステージを上下方向に平行に移動させることにより所望の距離に設定することができる。
【0046】
回転電極1には、その回転駆動を阻害しないように、高周波電源2が接続されており、回転電極1に高周波電圧が印加されるようになっている。基板Sを載置する図示しない基板ステージは接地されており、基板Sを回転電極1の回転軸1bと直交する水平方向にスライド可能に構成されている。
【0047】
なお、本実施の形態1では、回転電極1と基板ステージ上の基板Sとの間隙にプラズマを発生させるために、回転電極1に高周波電圧を印加する高周波電源2を接続しているが、プラズマは、高周波電圧を印加する代わりに、高出力の直流電圧を印加することによっても発生させることが可能であり、上記の高周波電源2に代えて、高出力の直流電圧を印加する直流電源を回転電極1に接続する構成としてもよい。
【0048】
回転電極1の電極本体部1aは、内部に空洞部1dが形成された中空状態になっている。電極本体部1aの各端面に設けられた各回転軸1bは、電極本体部1aの中央部に同心状態で設けられた円形の穴部内に嵌合されている。電極本体部1aの各端面は各回転軸1bが嵌合された穴部を除いて閉塞されている。各回転軸1bは、それぞれ中空の円筒状に形成されており、それぞれの端面は開放されている。また、円筒型の電極本体部1aの周面には、軸方向及び周方向に沿って一定の間隔をあけて、反応ガスの噴出口となる孔部1cが形成されている。
【0049】
回転電極1の電極本体部1a及び回転軸1bの中空になった内部には、反応ガス供給管3が設けられている。反応ガス供給管3は、回転電極1の電極本体部1a内に形成された空洞部1dをほぼ充填するように、電極本体部1a内の内径よりもわずかに小径の円柱形状に形成されて、電極本体部1a内に挿入された供給本体部3aと、図3に示すように、回転電極1の円筒状の各回転軸1b内に形成された空間を、それぞれほぼ充填するように、各回転軸1b内の内径よりもわずかに小径の円筒形状に形成されて、各回転軸1b内にそれぞれ挿入されて回転可能に支持された軸部3bとを有している。この供給本体部3aの両側部に設けられる2つの軸部3bは、供給本体部3aとは同心状態で一体的に構成されており、供給本体部3aが、回転電極1と同心状に配置される。
【0050】
反応ガス供給管3には、反応ガスを供給するガス供給路が形成されている。このガス供給路は、一方の軸部3b内に形成された反応ガス導入路4と、この反応ガス導入路4に連通して供給本体部3aに形成された反応ガス供給本体路5とを有している。
【0051】
反応ガス供給管3の供給本体部3aに形成された反応ガス供給本体路5は、図2及び図3に示すように、供給本体部3aの軸方向に沿って延びる偏平な直方体形状であって、供給本体部3aの半径に沿って形成されている。反応ガス供給本体路5の外周側の端面は、回転電極1における電極本体部1aの全周面にわたって形成された各孔部1cを介して、基板Sと回転電極1との間隙の全体にわたって反応ガスを供給できるように、供給本体部3aの外周面に開口している。この直方体状の反応ガス供給本体路5における供給本体部3aの外周面に開口した端面の周方向の寸法は、図2に示すように、回転電極1の電極本体部1aに形成された孔部1cの直径と同程度の狭小な寸法を有している。また、供給本体部3aの軸方向に沿った寸法は、図3に示すように、供給本体部3aの軸方向の各端部を除いた長さになっている。
【0052】
上記の構成を有する円筒型の回転電極1及び基板Sを載置する基板ステージは、図示しない反応容器内に設けられており、基板Sの表面処理を実施する場合には、反応容器内に大気圧近傍の圧力条件で所定のガスが充填される。
【0053】
次に、本実施の形態1のプラズマ処理装置の回転電極1を回転可能に支持する構造について図面に基づいて説明する。
【0054】
図5は、図示しない反応容器内に固定された回転電極1、基板ステージ等を示す回転電極1の軸方向に沿った断面図であり、図6は、図5のC−C’線に沿う断面図、図7は、図5のD−D’線に沿う断面図である。
【0055】
本実施の形態1のプラズマ処理装置では、図5に示すように、図示しない反応容器の底面に設けられた定盤11上に、基板Sを載置する基板ステージ12が設けられる。
【0056】
回転電極1の各回転軸1bをそれぞれ支持する定盤11の上面における基板ステージ12を挟む両側には、それぞれ、支持ハウジング13が、上方に所定高さで突出するように設けられている。各支持ハウジング13は、それぞれ同様の構造になっており、上部支持部13aと下部支持部13bとに分割可能に構成されている。支持ハウジング13のそれぞれの下部支持部13bの上面には、各回転軸1bの下部が嵌合されるように下方に突出する半円形の湾曲部13cが形成されている。また、上部支持部13aの下面には、湾曲部13cに嵌合された回転軸1bの上部が嵌合されるように上方に突出する半円形の湾曲部13dが形成されている。支持ハウジング13の上部支持部13a及び下部支持部13bにそれぞれ形成された湾曲部13c及び13dは、上部支持部13a及び下部支持部13bが整合状態とされると、水平方向に沿った円筒状の穴部が形成される。
【0057】
支持ハウジング13に形成された円筒状の穴部には、円筒状のスリーブ15が嵌合されている。このスリーブ15内には、一対の外側ベアリング16によって、回転電極1の各回転軸1bが回転可能に支持されている。このように回転電極1の各回転軸1bが、各ハウジング13のスリーブ15内に嵌入された状態では、回転電極1の電極本体部1aが基板ステージ12上に載置される基板Sから所定の間隔をあけて配置されるようになっている。回転電極1の各回転軸1b内には、一対の内側ベアリング17によって、反応ガス供給管3の軸部3bがそれぞれ回転可能に支持されている。
【0058】
反応ガス導入路4が設けられていない軸部3bが挿入された一方の回転軸1bを支持する支持ハウジング13には、図示しない駆動装置によって回転可能に構成されたマグネットカップリング18によって、回転力が伝達されるように、マグネットカップリング18が近接して配置されており、このマグネットカップリング18が回転駆動した場合に、この回転駆動力が伝達されて回転電極1がマグネットカップリング18と共に回転駆動される。
【0059】
反応ガス導入路4が設けられた軸部3bが挿入された他方の回転軸1bを支持する支持ハウジング13には、軸部3bに形成された反応ガス導入路4に連通する円筒状の連結部材19が設けられており、この連結部材19には、反応ガスの供給源となる図示しない反応ガス供給手段に連通する反応ガス導入管20が接続されている。
【0060】
また、この支持ハウジング13の上側には、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3を、軸芯を中心として回転駆動するステッピングモータ21が設けられている。このステッピングモータ21は、その回転軸が連結部材19の上方に位置するように配置され、この回転軸には、この回転軸と一体的に回転する駆動ギア22が取り付けられている。この駆動ギア22は、反応ガス供給管3の後部側に突出して設けられた連結部材19に取り付けられた回転ギア23に噛み合わせられており、駆動ギア22の回転にともなって回転ギア23が回転され回転ギア23と一体となった連結部材19が取り付けられた反応ガス供給管3が回転するようになっている。
【0061】
図8は、このような反応ガス供給管3の回転機構を取り付けた状態を示す側面図であり、図8(a)は、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3が、ステッピングモータ21によって回転移動される前の初期状態を示しており、図8(b)は、ステッピングモータ21の駆動によって、反応ガス供給管3が所定の角度だけ回転移動された状態を示す側面図である。
【0062】
また、図9は、ステッピングモータ21の駆動により反応ガス供給管3が所定の回転角αだけ回転移動された状態を示す断面図である。
【0063】
図8(a)及び(b)に示すように、ステッッピングモータ21の回転駆動により、このステッピングモータ21の回転軸に取り付けられた駆動ギア22が所定方向に回転角aだけ回動すると、この駆動ギア22に噛み合う回転ギア23が、回転角aだけ回動し、この回転ギア23の回動に伴って、連結部材19が取り付けられた反応ガス供給管3が、図9に示すように、回転角αだけ回動される。
【0064】
ステッピングモータ21の駆動が停止されると、駆動ギア22の回動が停止され、駆動ギア22と噛み合った回転ギア23は、回動が停止されて固定状態とされる。これにより、反応ガス供給管3は回転することなく固定され、回転電極1の回転に伴って回転することが防止される。
【0065】
次に、上記構成を有する本実施の形態1のプラズマ処理装置の動作について説明する。
【0066】
まず、基板ステージ12上に表面処理が実施される基板Sを載置する。
【0067】
次に、図示しない反応容器内に基板Sの表面処理を実施するために使用される反応ガスを大気圧近傍の圧力条件で充填する。
【0068】
そして、この反応ガス雰囲気で、回転電極1を所定の回転速度で回転させる。この回転電極1の回転駆動によって、反応容器内に充填された反応ガスは、回転電極1の回転に伴って回転電極1と基板ステージ12上の基板Sとのギャップに移動される。この回転電極1の回転と同時に、図示しない反応ガス供給手段によって、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3に所定の反応ガスを供給する。この反応ガス供給管3に供給される反応ガスは、反応容器内に充填された反応ガスと同一の反応ガスが供給されてもよく、また、組成等が異なった別種の反応ガスが供給されてもよい。反応ガス供給管3に供給される反応ガスは基板Sの表面の処理の種類等によって適宜選択される。
【0069】
例えば、基板SにSiC膜を成膜する場合には、HeとH2とSiH4とCH4とを混合した混合気体を反応ガスとして用い、反応容器内には、混合ガスのガス成分の混合比を、SiH4/CH4<1の混合比とした反応ガスを充填し、また反応ガス供給管3からは、混合ガスのガス成分の混合比をSiH4/CH4>1の混合比とした反応ガスを供給する。
【0070】
また、例えば、基板S上に多結晶Si、アモルファスSi等のシリコン薄膜を成膜する場合には、反応容器内には、Heガスのみを充填させ、反応ガス供給管3には、HeとH2とSiH4とを混合させた反応ガスを供給する。
【0071】
図示しない反応ガス供給手段から供給される反応ガスは、反応ガス供給管3の軸部3b内に形成された反応ガス導入路4から供給本体部3a内に形成された反応ガス供給本体路5に供給されて、この反応ガス供給本体路5から、回転電極1の電極本体部1aの周面に所定の複数箇所にわたって設けられたガス噴出口である孔部1cを通って、回転電極1の外部に供給される。この場合、例えば、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3の反応ガス供給本体路5が、供給本体部3aの中心位置から下端に向かうように配置される。したがって、反応ガス供給本体路5から供給される反応ガスは、回転電極1と基板Sとの間隙にのみ噴出される。
【0072】
このように、本実施の形態1のプラズマ処理装置では、回転電極1の回転によって、反応容器内に充填された反応ガスが、回転電極1の回転に伴って回転電極1と基板ステージ12上の基板Sとの間隙に移動されると共に、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3の反応ガス供給本体路5を介して、回転電極1の周面に設けられた孔部1cから反応ガスが供給される。回転電極1の孔部1cから供給される反応ガスは、反応ガス供給管3の反応ガス供給本体路5を介して、回転電極1と基板Sとの間隙にのみ供給されるので、反応ガスの利用効率が向上する。
【0073】
この状態で、高周波電源2から回転電極1に高周波電圧を印加すると、回転電極1と基板Sとの間隙に移動された反応ガス及び回転電極1の電極本体部1aに形成された孔部1cから供給された反応ガスが、回転電極1に印加された高周波電圧によって、イオン種、ラジカル種等に分解されてプラズマが発生する。
【0074】
図4は、高周波電圧を印加した時点での回転電極1と基板Sとの間隙を示す要部拡大図である。高周波電圧の印加によって発生したプラズマは、回転電極1と基板Sとの間隙において発生され、この間隙において、図1〜図4で、それぞれ実線で囲む領域で示すように、プラズマ発生空間Pが形成される。
【0075】
そして、このプラズマ発生空間Pに発生されたプラズマに起因して化学反応が生じ、この化学反応によって、基板Sの表面上において、エッチング、薄膜形成、表面改質等の所望の表面処理が行われる。
【0076】
本実施の形態1のプラズマ処理装置では、円筒状の回転電極1の電極本体部1aの内部に設けられた反応ガス供給管3の反応ガス供給本体路5が、回転電極1と基板Sとの間隙に反応ガスを効率よく供給することができ、反応ガスの利用効率を向上させることができる。その結果、基板Sの表面処理に要するコストの低減を図ることができる。
【0077】
図10〜図14には、本実施の形態1のプラズマ処理装置の他の例を示す要部拡大図を示している。
【0078】
図10では、反応ガス供給管3の供給本体部3aに形成された反応ガス供給本体路5が、垂直方向に対して回転電極1の回転方向の上流側に若干傾斜した状態とされており、回転電極1と基板Sとの間隙に対して、回転電極1の回転方向の上流側の位置に反応ガスを供給するようになっている。この例では、回転電極1と基板Sとの間隙に対して、回転電極1の回転方向上流側から反応ガスが回転電極1の外部に噴き出されるために、回転電極1と基板Sとの間隙に形成されるプラズマ発生空間Pにおける回転電極1の回転の上流域に反応ガスが供給されるようになっている。したがって、回転電極1の外部に噴き出された反応ガスは、回転電極1の回転によって、基板Sとの間隙部分に効率よく供給される。反応ガス供給管3の供給本体部3aに形成された反応ガス供給本体路5が形成される方向は、適宜変更することができるために、回転電極3の外部に形成されるプラズマ発生空間Pに対して回転電極1の回転方向の上流域に限らず、中流域、下流域のいずれにの所望の位置にも反応ガスを供給することができる。
【0079】
このように、プラズマ発生空間Pに対して所望の位置に反応ガスを供給することができるので、反応ガス供給管3から供給される反応ガスの種類、混合比、圧力、温度等の諸条件を所望の値に調整して、プラズマ発生空間P内におけるプラズマの分解度の分布を調整することが可能となる。したがって、例えば、基板Sに成膜処理を実施する場合には、膜中特性、膜中組成等が不均一になることを防止することができ、また、基板Sの表面加工を実施する場合には、加工された基板Sの表面の仕上げ面に表面特性が不均一になることを防止することができる。
【0080】
図11は、反応ガス供給管の供給本体部に形成された反応ガス供給本体路5の外周側部分を、回転電極1と基板Sとの間隙部分における回転電極1の回転の上流域、中領域、下流域のそれぞれに反応ガスが供給されるように、上流分岐経路5a、中流分岐経路5b、下流分岐経路5cに分岐した例を示している。この図11に示す例では、プラズマ発生空間Pにおける回転電極1の回転方向の下流域に最も多量の反応ガスが供給されるように下流域に反応ガスを供給する下流分岐経路5cが最も大きな幅寸法に形成され、中流域に反応ガスを供給する中流分岐経路5b、上流域に反応ガスを供給する上流分岐経路5aの幅寸法が順次小さくなっている。
【0081】
このように、反応ガス供給管3の供給本体部3aに形成された反応ガス供給本体路5が、供給本体部3aの下端近傍において複数の分岐経路に分岐して形成されることによって、回転電極1の外部に形成されるプラズマ発生空間Pに対して、回転電極1の回転方向の上流域、中流域、下流域のそれぞれに対して、所望量の反応ガスを供給することができる。
【0082】
例えば、アモルファスSi膜、多結晶Si膜等のシリコン薄膜を成膜する場合、HeとH2とSiH4ガスを図示しない反応容器内に充填させて、回転電極1の回転による反応ガス流れによってプラズマ発生空間Pに反応ガスを供給すると、プラズマ発生空間P内において、反応ガス流れの上流域から下流域に反応ガスが流れるに従って、成膜に消費されたSiH4分子が減少するため、プラズマ発生空間P中の反応ガス流れの上流域から下流域に流れるに従い、H2/SiH4比が大きくなり、膜特性分布が発生するという現象が起こるが、図11に示されるように、反応ガス供給本体路5からはHeとSiH4の混合気体を供給し、成膜処理を実施すると、供給本体部3の下端近傍にて分岐された下流分岐経路5c、中流分岐経路5b、上流分岐経路5aのそれぞれの幅寸法の大きさに従った分量の反応ガスが、プラズマ発生空間Pの上流域、中流域、下流域のそれぞれに供給される。このように、プラズマ発生空間Pの下流の位置になるに従ってHeとSiH4の混合ガスの供給量が大きくなることにより、成膜によって消費されたSiH4分子の減少量に応じて、上流域、中流域、下流域のそれぞれに適切な量のSiH4を供給することができる。その結果、プラズマ発生空間Pにおいて、回転電極1の回転方向の上流域から下流域に反応ガスが流れるに従って、上流域から下流域にかけて徐々に、SiH4分子が成膜のために消費されて減少し、上流域から下流域に従い、H2/SiH4比が大きくなって、膜特性が不均一になるおそれがなく、プラズマ発生空間P中におけるH2/SiH4比をプラズマ発生空間Pの全体にわたって一定に維持することが可能となり、膜特性が不均一になることを防止することができる。
【0083】
また、このようなプラズマ発生空間P中における反応ガスの組成比を一定に維持することは、上記のシリコン薄膜を成膜する場合に限らず、他の成膜処理を実施する場合にも同様に適用することができる。
【0084】
また、基板Sの表面への成膜処理を実施する場合に限らず、例えば、He、O2、CF4等からなる混合ガスを反応ガスとしてガラス基板にエッチングを実施する場合においても、図11に示す構成を有するプラズマ処理装置を用いることによって、反応ガス供給管3内の反応ガス供給本体路5にHeとCF4とからなる混合気体を供給し、プラズマ発生空間Pにおける上流域、中流域、下流域のそれぞれに、下流分岐経路5c、中流分岐経路5b、上流分岐経路5aの各幅寸法の大きさに応じた反応ガスが供給されることにより、プラズマ発生空間P内における反応ガス中のO2/CF4比を一定に維持することができる。したがって、回転電極1の回転の上流域から下流域において、CF4が消費されて反応ガス中のO2/CF4比が大きくなって、エッチング処理後におけるガラス基板の表面に粗さ等の悪影響が生じるおそれがなく、エッチング処理後における表面粗さ等の表面仕上げ特性が不均一になることを防止することができる。
【0085】
なお、プラズマ発生空間Pの上流域、中流域、下流域の各部分に供給する反応ガスの供給量は、上記のように、下流域になるに従って供給量を大きくする場合に限定されず、基板Sの表面処理によって生じる特性分布に応じて、適宜、所望の供給量の反応ガスが供給されるように設定することができる。
【0086】
図12は、反応ガス供給管3の供給本体部3aに、反応ガス供給本体路5に対して、回転電極1の回転方向の下流側に、第二反応ガス供給路52を形成した例を示しており、回転電極1の外部に形成されるプラズマ発生空間Pに対して、反応ガス供給本体路5は、回転電極1の回転方向の上流域に所定の反応ガスを供給し、第二反応ガス供給路52は、プラズマ発生空間Pに対して、回転電極1の回転方向の下流域に所定の反応ガスを供給する。
【0087】
このように、回転電極1の外部に形成されるプラズマ発生空間Pのそれぞれの領域に反応ガスを供給する一対の反応ガス供給経路5及び52を形成することにより、各反応ガス供給経路5及び52に、組成、圧力等の諸条件が異なる複数種の反応ガスをプラズマ発生空間Pのそれぞれの部分に選択的に供給することができる。
【0088】
例えば、HeとH2とSiH4ガスとからなる混合ガスを用いて、アモルファスSi膜、多結晶Si膜等のシリコン薄膜を成膜する場合に、回転電極1の外部に形成されるプラズマ発生空間Pにおいて、回転電極1の回転方向の上流域に反応ガスを供給する第一反応ガス供給経路5と、下流域に反応ガスを供給する第二反応ガス供給経路52とで、供給される反応ガスのH2/SiH4比が、第一反応ガス供給経路5のほうが第二反応ガス供給経路52よりも大きいものとする。このようにすれば、プラズマ発生空間Pにおいて成膜によって消費されたSiH4分子を第一反応ガス供給経路5及び第二反応ガス供給経路52から順次適切な量だけ供給することができ、SiH4ガスの消費が大きくなる下流域において、SiH4割合が高い反応ガスが供給されるために、プラズマ発生空間Pの全体にわたって、H2/SiH4比を一定に維持することができ、膜特性が不均一になることを防止することができる。
【0089】
また、例えば、He、H2、SiH4、CH4等からなる混合ガスを用いて、SiC膜を成膜する場合においても、高周波電圧の印加によって分解し難いCH4ガスの割合を、プラズマ発生空間Pの上流域に設置された第一反応ガス供給経路5は高くし、分解し易いSiH4ガスを含む混合ガスの割合は、プラズマ発生空間Pの中流域に供給する第二反応ガス供給経路52では高くすることにより、プラズマ発生空間Pの全体にわたって、均一にSiC膜を成膜することができる。
【0090】
図13は、反応ガス供給管3の供給本体部3aに形成された反応ガス供給本体路5を、回転電極1の外部に形成されたプラズマ発生空間P中の反応ガスを吸引するようにした例を示している。この例では、図示しないガス吸引手段によって、プラズマ発生空間P中のガス成分が反応ガス供給本体路5を通って吸引される。
【0091】
このように、回転電極1の外部に形成されたプラズマ発生空間Pに存在するガス成分を吸引することができるようにすることによって、プラズマ発生空間Pに発生した成膜等に関与しない不要な反応生成物を吸引により除去することができるために、反応容器内に不要な反応生成物が拡散することがなく、反応容器の汚染を防止することができる。また、エッチング、成膜、表面加工等の表面処理が実施される基板Sの表面に、不要な反応生成物が付着することを防止することができる。
【0092】
図14は、反応ガス供給管3の供給本体部3aに、回転電極1の外部に形成されるプラズマ発生空間Pにおいて、回転電極1の回転方向の上流域に所定の反応ガスを供給する反応ガス供給路5に対して、回転電極1の回転方向の下流域に存在するガス成分を吸引するガス吸引経路53を形成した例を示している。
【0093】
このように、回転電極1の外部に形成されたプラズマ発生空間Pにおいて、回転電極1の回転方向の下流域に存在するガス吸引経路53からガス成分が吸引されるため、プラズマ発生空間P中で発生した不要な反応生成物が除去されて、反応容器内の汚染を防止することができる。また、エッチング、成膜、表面加工等の基板Sの表面処理が実施される基板Sの表面に、不要な反応生成物が付着することを防止することができる。
【0094】
また、反応容器内にはHe、Ar等の希ガス類を充填し、プラズマ発生空間Pの上流域に反応ガスを供給する反応ガス供給本体路5からは、原料ガス、エッチングガス等の反応ガスを供給し、プラズマ発生空間Pの下流域に存在するガス成分を吸引するガス吸引経路53からは、下流域に存在する反応生成物を吸引することによって、成膜、エッチング、表面加工等の表面処理をプラズマ発生空間P内に限定して実施されるようにすることができる。このようにすれば、反応容器が汚染されることを防止することができ、また、エッチング、成膜、表面加工等の表面処理が実施される基板Sの表面への反応生成物の付着を防止することができる。この結果、He、Ar等の希ガスが充填された一つの反応容器内において、複数個の回転電極1を設置して、各回転電極1の外部に形成されるそれぞれのプラズマ発生空間Pに、それぞれ異なった反応ガスを供給するようにして、各回転電極1で異なるプロセスを同時に実施することが可能である。
【0095】
なお、図13及び図14に示す例では、ガス吸引経路53から吸引されたガス成分は、図示しない反応生成物を除去するための処理装置を経た後に大気中に放出される。あるいは、図示しない処理装置によって不要な反応生成物を除去した後に、残存する反応ガスを所望の反応ガスの混合比、温度、圧力、流量に再調整する反応ガス循環装置をさらに設けるようにすれば、この反応ガス循環装置を経て、再度、反応ガスとして、反応ガス供給管に供給することができる。
【0096】
(実施の形態2)
図15は、本実施の形態2のプラズマ処理装置の概略を示す断面図である。なお、本実施の形態2のプラズマ処理装置の概略構成は、前述の実施の形態1のプラズマ処理装置と同一であり、同一の構成については、実施の形態1のプラズマ処理装置を示す図1〜図9を参照するとして、以下の説明では、異なる構成についてのみ詳細に説明する。
【0097】
このプラズマ処理装置は、図示しない平板状の基板ステージを有しており、この基板ステージ上に基板Sが載置される。この基板Sの上方には、円筒型の回転電極1が設けられる。円筒型の回転電極1は、その回転軸が基板Sの表面に対して平行になるように配置されており、回転電極1と基板ステージ上に配置された基板Sとの間に、所定のギャップが形成されている。また、回転電極1の周面には、複数の孔部1cが周方向及び軸方向のそれぞれに一定の間隔をあけて形成されている。
【0098】
本実施の形態2のプラズマ処理装置では、回転電極1の上方に、所定の間隔をあけて平板状の対向電極30が設けられている。
【0099】
基板S上に配置される回転電極1は、中空の円筒状に形成された電極本体部1aを有しており、この中空の電極本体部1aの内部には、電極本体部1aの内径よりもわずかに小径の円筒状に形成された反応ガス供給管3が設けられており、電極本体部1aの内部の中空の空間をほぼ充填している。
【0100】
この反応ガス供給管3には、基板S上に表面処理を実施するためのプラズマを発生するために用いられる反応ガスを供給する反応ガス供給本体路5と、回転電極1上に付着する反応生成物をクリーニングするためのプラズマを発生させるために用いられるクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給路34とが形成されている。反応ガス供給本体路5は、基板Sと回転電極1との間隙に、回転電極1の周面に形成された孔部1cを介して反応ガスが供給されるように、円筒状の反応ガス供給管3の下端から反応ガスが供給されるように配置されている。クリーニングガス供給経路34は、回転電極1の上方に設けられた対向電極30と回転電極1との間隙に、回転電極1の周面に形成された孔部1cを介してクリーニングガスが供給されるように、円筒状の反応ガス供給管3の上端からクリーニングガスが供給されるように配置されている。
【0101】
クリーニングガス供給路34から供給されるクリーニングガスは、対向電極30と回転電極1との間隙でクリーニング用のプラズマを発生する。このプラズマによって、化学反応もしくは物理的なスパッタリングを生じ、回転電極1の電極表面に付着した反応生成物が除去される。
【0102】
回転電極1と基板Sとの間隙には、反応ガス供給路3から反応ガスが供給され、この状態で回転電極1に高周波電圧が印加されると、回転電極1と基板Sとの間隙には、図15において、実線で囲まれた領域にプラズマ発生空間Pが形成される。また、回転電極1と対向電極30との間隙には、クリーニングガス供給路34からクリーニングガスが供給され、この状態で回転電極1に高周波電圧が印加されると、回転電極1と対向電極30との間隙には、図10において、実線で囲まれた領域にプラズマ発生空間Cが形成される。
【0103】
回転電極1の下方及び上方にてそれぞれ発生されるプラズマ発生空間P及びCは、それぞれ、反応ガス供給本体路5から供給された反応ガス及びクリーニングガス供給路34から供給されたクリーニングガスによって形成される。このため、反応ガス供給本体路5が配置された位置及びクリーニングガス供給路34が配置された位置は、プラズマ発生空間P及びCにおいて、回転電極1の回転方向の上流域に位置される。
【0104】
反応ガス供給管3には、回転電極1の下方及び上方にてそれぞれ発生されるプラズマ発生空間P及びCのそれぞれの回転電極1の回転方向の下流域のガス成分を吸引するガス吸引路35が、それぞれ反応ガス供給本体路5及びクリーニングガス供給路34に隣接して形成されている。
【0105】
上記構成を有する円筒型の回転電極1及び基板Sを載置する基板ステージは、図示しない反応容器内に設けられており、このプラズマ処理装置を用いて基板Sの表面処理を実施する場合には、反応容器内に大気圧近傍の圧力条件で、He、Ar等の希ガス類が充填される。
【0106】
次に、上記構成を有する本実施の形態2のプラズマ処理装置の動作について説明する。
【0107】
まず、図示しない基板ステージに表面処理を行う基板Sを載置する。
【0108】
次に、図示しない反応容器内に、He、Ar等の希ガス類を大気圧近傍の圧力条件で充填する。
【0109】
そして、このような反応容器内の雰囲気下で、回転電極1を所定の回転速度で回転させる。この回転電極1の回転駆動と同時に、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3の反応ガス供給本体路5から所定の反応ガスを供給する。また、反応ガス供給本体路5に隣接して形成されたガス吸引経路35から、回転電極1の外部に形成されるプラズマ発生空間Pに存在するガス成分を吸引する。また、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3のクリーニングガス供給路34から所定のクリーニングガスを供給する。さらには、クリーニングガス供給路34に隣接して形成されたガス吸引経路35から、回転電極1の外部に形成されるプラズマ発生空間Cに存在するガス成分を吸引する。
【0110】
このような状態で、高周波電源2から回転電極1に高周波電圧を印加すると、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3の反応ガス供給本体路5から、回転電極1の周面に形成された孔部1cを介して回転電極1と基板Sとの間隙に形成されたプラズマ発生空間Pに噴き出された反応ガスが、回転電極1に印加された高周波電圧によって、イオン種、ラジカル種等に分解されてプラズマが発生する。
【0111】
また、このとき、回転電極1と対向電極30との間隙では、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3のクリーニングガス供給路34から、回転電極1の周囲に形成された孔部1cを介して回転電極1と対向電極30との間隙に形成されたプラズマ発生空間Cに噴き出されたクリーニングガスが、回転電極1に印加された高周波電圧によって、イオン種、ラジカル種等に分解されてプラズマが発生する。
【0112】
そして、回転電極1と基板Sとの間隙に形成されたプラズマ発生空間Pに発生したプラズマに起因して化学反応が生じ、この化学反応によって、基板Sの表面上において、エッチング、薄膜形成、表面改質等の所望の表面処理が実施される。例えば、基板Sの表面にSi薄膜を成膜する場合には、He、H2、SiH4、SiH6等の混合気体からなる反応ガスが供給されて、所望のSi薄膜が形成される。また、反応ガス供給路5に隣接してプラズマ発生空間Pの下流域に面して形成されたガス吸引経路35からプラズマ発生空間Pに存在するガス成分が吸引されて除去される。これにより、反応ガス供給路6から供給された反応ガスは、プラズマ発生空間Pにのみ供給されることとなり、反応容器内が反応ガスによって汚染され、また、反応容器内の反応ガスの拡散を防止することができる。
【0113】
また、このとき、回転電極1と対向電極30との間隙では、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3のクリーニングガス供給路34から供給されたクリーニングガスによって形成されたプラズマ発生空間Cのプラズマに起因して化学反応が生じ、この化学反応によって、回転電極1の下部のプラズマ発生空間Pにて実施された基板Sの表面処理により回転電極1の表面上に付着された不要な反応生成物が除去される。また、クリーニングガス供給路34に隣接してプラズマ発生空間Cの下流域に面して形成されたガス吸引経路35からプラズマ発生空間Cに存在するガス成分が吸引されて除去される。これにより、クリーニングガス供給路34から供給されたクリーニングガスは、プラズマ発生空間Cにのみ供給されることとなり、反応容器内がクリーニングガスによって汚染されることが防止され、また、反応容器内にクリーニングガスが拡散することを防止することができる。
【0114】
このように、基板Sの表面に対する成膜、エッチング、表面加工等の表面処理を回転電極1と基板Sとの間隙に形成されたプラズマ発生空間Pにて実施することができる。この表面処理を実施するプロセスを行うと同時に、回転電極1の上方側では、対向基板30と回転電極1との間隙に形成されたプラズマ発生空間Cにて、回転電極1に付着した反応生成物を除去してクリーニングすることができる。このため、基板Sの表面処理を実施するための駆動時間を大幅に短縮することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0115】
(実施の形態3)
図16は、本実施の形態3のプラズマ処理装置を示す断面図である。なお、本実施の形態3のプラズマ処理装置の概略構成は、前述の実施の形態1のプラズマ処理装置と同一であり、同一の構成については、実施の形態1のプラズマ処理装置を示す図1〜図9を参照するとして、以下の説明では、異なる構成について詳細に説明する。
【0116】
このプラズマ処理装置は、円筒型の回転電極1を有しており、この回転電極1の周囲には、それぞれ、回転電極1の下方及び左右の各側方に図示しない基板ステージが配置されている。そして、各基板ステージ上には、それぞれ基板Sが固定され、回転電極1の下方及び左右の各側方にそれぞれ対向して配置されている。
【0117】
それぞれの基板ステージに固定された各基板Sは、回転電極1の回転軸に対して平行になるように配置されており、回転電極1と各基板Sとの間には、それぞれ所定のギャップが形成されている。また、回転電極1の周面には、複数の孔部1cが周面方向及び軸方向のそれぞれに所定間隔毎に形成されている。
【0118】
本実施の形態3のプラズマ処理装置では、それぞれの基板Sに対して、回転電極1の回転方向の下流側に隣接してそれぞれ対向基板30が設けられている。図16に示すプラズマ処理装置においては、回転電極1が図16の矢印Aに示す方向に回転され、回転電極1の下方に配置された基板Sと、左右の各側方に配置された各基板Sそれぞれとの間にそれぞれ対向電極30が設けられていると共に、下方の基板Sに対して回転電極1の回転方向下流側に配置された基板Sに対して回転電極1の回転方向の下流側に対向電極30が設けられている。
【0119】
回転電極1は、中空の円筒状に形成された電極本体部1aを有しており、この中空の電極本体部1aの内部には、電極本体部1aの内径よりも若干小径の円筒状に形成された反応ガス供給管3が設けられて、電極本体部1aの内部の中空の空間を充填している。
【0120】
この反応ガス供給管3には、各基板S上に表面処理を実施するためのプラズマを発生するために用いられる反応ガスを供給する複数の反応ガス供給路5a〜5cが、それぞれ、回転電極1に対向して配置されてた各基板Sの表面に対面するように設けられている。また、各基板S上において実施された表面処理によって回転電極1上に付着する反応生成物を除去するためのプラズマを発生するために用いられるクリーニングガスを供給する複数のクリーニングガス供給管34a〜34cが、それぞれ、回転電極1に対向して配置されている各対向電極30の表面に対面するようにそれぞれ設けられている。
【0121】
回転電極1と各基板Sとのそれぞれの間隙には、各反応ガス供給路5a〜5cから反応ガスが供給され、この状態で回転電極1に高周波電圧が印加されると、回転電極1と各基板Sとのそれぞれの間隙には、図16において、それぞれ実線で囲まれた領域に、プラズマ発生空間P1及びP1及びP3がそれぞれ形成される。また、回転電極1を各対向電極30との間隙には、各クリーニングガス供給路34a〜34cからクリーニングガスが供給され、この状態で回転電極1に高周波電圧が印加されると、回転電極1と各対向電極30とのそれぞれの間隙には、図16において、実線で囲まれた領域にプラズマ発生空間C1及びC2及びC3がそれぞれ形成される。
【0122】
回転電極1の外周面の各位置で発生されるプラズマ発生空間P1〜P3及びC1〜C3は、それぞれ、反応ガス供給路5a〜5cから供給された反応ガス及びクリーニングガス供給路34a〜34cから供給されたクリーニングガスによって形成される。このため、反応ガス供給路5a〜5c及びクリーニングガス供給路34a〜34cは、それぞれのプラズマ発生空間P1〜P3及びC1〜C3において、回転電極1の回転方向の上流域に位置される。
【0123】
回転電極1の外周面の各位置でそれぞれ発生されるプラズマ発生領域P1〜P3及びC1〜C3のそれぞれの回転電極1の回転方向の下流域には、プラズマ発生空間P1〜P3及びC1〜C3にそれぞれ存在する反応ガス及びクリーニングガス及び反応生成物を吸引する吸引路35が、それぞれの反応ガス供給路5a〜5c及びクリーニングガス供給路34a〜34cに隣接してそれぞれ形成されている。
【0124】
上記構成を有する円筒型の回転電極1及び各基板Sを載置するそれぞれの基板ステージ及び各対向電極30は、図示しない反応容器内に設けられており、このプラズマ処理装置を用いて基板Sの表面処理を実施する場合には、反応容器内に大気圧近傍の圧力条件で、He、Ar等の希ガス類が充填される。
【0125】
次に、上記構成を有する本実施の形態3のプラズマ処理装置の動作について説明する。
【0126】
まず、図示しない各基板ステージにそれぞれ基板Sを載置する。
【0127】
次に、図示しない反応容器に、He、Ar等の希ガス類を大気圧近傍の圧力条件で充填する。
【0128】
そして、このような反応容器内の雰囲気下で、回転電極1を所定の回転速度で回転させる。この回転電極1の回転駆動と同時に、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3の反応ガス供給路5a〜5cから所定の反応ガスを供給する。また、反応ガス供給路3に隣接して形成されたそれぞれのガス吸引経路35からは、回転電極1の外部に形成されたそれぞれのプラズマ発生空間P1〜P3に存在するガス成分を吸引させる。また、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3のクリーニングガス供給路34a〜34cから所定のクリーニングガスを供給する。また、クリーニングガス供給路34a〜34cに隣接して形成されたガス吸引経路35からは、回転電極1の外部に形成されたプラズマ発生空間C1〜C3に存在するガス成分を吸引させる。
【0129】
この状態で、高周波電源2から回転電極1に高周波電圧を印加すると、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3の反応ガス供給路5a〜5cから、回転電極1の周面に複数箇所にわたって形成された孔部1cを介して回転電極1と各基板Sとのそれぞれの間隙に形成されたプラズマ発生空間P1〜P3に噴き出された反応ガスが、回転電極1に印加された高周波電圧によって、イオン種、ラジカル種等に分解されてプラズマが発生する。
【0130】
そして、回転電極1と各基板Sとの間隙に形成されたプラズマ発生空間P1〜P3に発生したプラズマに起因して化学反応が生じ、この化学反応によって、基板Sの表面上において、エッチング、薄膜形成、表面改質等の所望の表面処理が実施される。また、反応ガス供給路5a〜5cに隣接してプラズマ発生空間P1〜P3の下流域に面して形成された吸引経路35からは、プラズマ発生空間P1〜P3のそれぞれに存在するガス成分が吸引されて、除去される。これにより、反応ガス供給路5a〜5cから供給された各反応ガスは、プラズマ発生空間P1〜P3にのみ供給されることとなり、反応容器内が反応ガスによって汚染されることが防止され、また、反応容器内に反応ガスが拡散することを防止することができる。
【0131】
また、このとき、回転電極1と各対向電極30との間隙では、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3の各クリーニングガス供給路34a〜34cから供給されたクリーニングガスによって形成されたプラズマ発生空間C1〜C3のプラズマに起因して化学反応が生じ、この化学反応によって、回転電極1の回転方向の上流側のプラズマ発生空間P1〜P3にて実施された基板Sの表面処理により回転電極1の表面上に付着された不要な反応生成物が除去される。また、クリーニングガス供給路34a〜34cに隣接してプラズマ発生空間C1〜C3の下流域に面して形成された吸引経路35からプラズマ発生空間C1〜C3に存在するガス成分が吸引されて除去される。これにより、クリーニングガス供給路34a〜34cから供給されたクリーニングガスは、プラズマ発生空間C1〜C3にのみ供給されることとなり、反応容器内がクリーニングガスによって汚染されることが防止され、また、反応容器内にクリーニングガスが拡散することを防止することができる。
【0132】
本実施の形態3のプラズマ処理装置では、一つの回転電極1の周辺に対向して複数の基板Sを配置し、それぞれの基板Sと回転電極1との間隙においてプラズマを発生させて、各基板Sの表面処理を実施することができる。各基板Sと回転電極1との間隙に形成されるプラズマ発生空間P1〜P3の回転電極1の回転方向の下流域のガス成分は、基板Sに反応ガス供給路5a〜5cに隣接して形成されたガス吸引経路35によって吸引されて除去されるので、反応ガスが供給される部分を回転電極1の周囲に形成された各プラズマ発生空間P1〜P3内に限定することができる。さらに、各基板Sの回転電極1の回転方向の下流側には、対向基板30をそれぞれ配置しており、各対向基板30と回転電極1との間隙に供給されたクリーニングガスによって発生するプラズマによって、基板Sの表面処理の際に回転電極1に付着する反応生成物が除去される。また、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給路34a〜34cに隣接して配置される吸引路35によって、クリーニングガス及び反応生成物の分解物が吸引されて除去される。
【0133】
このように、本実施の形態3のプラズマ処理装置では、反応容器内に設けられた一つの回転電極1によって、反応容器を汚染することなく、同時に複数の基板Sに対して表面処理を実施することができるので、基板Sの表面処理のためのコストを低減することができ、また、生産性を向上することができる。
【0134】
このような実施の形態3のプラズマ処理装置は、例えば、PIN型アモルファスSi薄膜からなる太陽電池をガラス基板に成膜する場合に用いられる。
【0135】
この場合、まず、この太陽電池を成膜するためのガラス基板を、回転電極1の右側に配置された図示しない基板ステージに固定する。反応容器の内部は、He、Ar等の希ガスによって充填する。
【0136】
回転電極1の右側に配置された基板Sと回転電極1との間隙に形成されるプラズマ発生空間P1に、反応ガス供給路5aから、He、H2、B2H6、CH4、SiH4を混合した混合気体を反応ガスとして供給し、この反応ガスによって発生するプラズマによって、ガラス基板上に、P層アモルファスSiC膜(以下、第一膜と称する)を成膜する。
【0137】
次に、第一膜が成膜されたガラス基板を、回転電極1の下方に配置された基板ステージに搬送して固定し、この基板ステージに固定された基板Sと回転電極1との間隙に、反応ガス供給路5bから、He、H2、SiH4を混合した混合気体を反応ガスとして供給し、この反応ガスによって発生するプラズマによって、第一膜が形成されたガラス基板上に、I層アモルファスSi膜(以下、第二膜)を形成する。
【0138】
続いて、第二膜を成膜したガラス基板を、回転電極1の左側に配置された基板ステージに搬送して固定し、この基板ステージに固定された基板Sと回転電極1との間隙に、反応ガス供給路5cから、He、H2、SiH4、PH3からなる混合気体を反応ガスとして供給し、この反応ガスによって発生するプラズマによって、第二膜が形成されたガラス基板上に、N層アモルファスSi膜を形成し、PIN型アモルファスSi薄膜太陽電池の成膜工程が終了する。
【0139】
上記の各工程は、反応容器内の基板ステージに基板Sを固定した後は、基板Sを反応容器から取り出すことなく、同じ反応容器内で複数の成膜工程を実施することができ、基板S上に一層の成膜工程が終了する毎に、反応ガスの供給、成膜、反応ガスの排出、クリーニング、脱気等を行う必要がないので、複数の成膜工程を容易に実施することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0140】
また、本実施の形態3のプラズマ処理装置は、回転電極1の周囲に配置された複数の基板Sに対して、同時に同一の表面処理を実施することもできる。このようにして複数の基板Sを同時に処理することによって、生産性を向上させることができる。
【0141】
図17は、本実施の形態3の他のプラズマ処理装置を示している。このプラズマ処理装置は、表面処理を実施する基板がフレキシブル基板である場合に、基板表面に対して連続処理するのに適した構成を有している。
【0142】
このプラズマ処理装置では、回転電極1の下方及び上方の左右の両側にそれぞれローラ36が配置されており、フレキシブル基板Sがそれぞれのローラ36に巻き掛けられて、フレキシブル基板Sの表面が回転電極1の両側部及び下方において、回転電極1に対向するようになっている。各ローラ36は、図示しない駆動手段によって一定方向に回転し、回転電極1の周囲に巻き掛けられて配置されたフレキシブル基板Sが、図中矢印Bに示す方向に一定速度で移動されるようになっている。他の構成は、図16のプラズマ処理装置と同一であるので、詳しい説明は省略する。
【0143】
このプラズマ処理装置では、一枚のフレキシブル基板Sを回転電極1の左右の両側方及び下方のそれぞれで回転電極1に対向するように配置され、左右及び下方の各位置に配置されたそれぞれの基板Sと、回転電極1との各間隙においてプラズマを発生させて、それぞれの位置で基板Sの表面処理を実施することができる。
【0144】
このフレキシブル基板Sは、回転駆動するローラ36によって、図17中の矢印Bにて示す方向に移動され、フレキシブル基板Sの表面は、まず、回転電極1の右側に位置するときに、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3の反応ガス供給路5aから供給された反応ガスによって発生するプラズマによって第1回目の表面処理が実施される。続いて、回転電極1の下方の位置まで移動されると、この位置で、反応ガス供給路5bから供給された反応ガスによって発生するプラズマによって、第2回目の表面処理が実施される。さらに続けて、このフレキシブル基板Sが回転電極1の左側の位置まで移動されると、この位置で、反応ガス供給路5cから供給された反応ガスによって発生するプラズマによって、第3回目の表面処理が実施される。
【0145】
このように、このプラズマ処理装置によって、1枚のフレキシブル基板Sに対して複数回の表面処理を実施することができ、例えば、基板上に三層に積層された膜を連続的に成膜することができる。
【0146】
図18には、本実施の形態3のさらに他のプラズマ処理装置における概略を説明する断面図である。
【0147】
このプラズマ処理装置は、回転電極1の下方に、表面処理が実施される基板Sが配置され、この基板Sが配置された位置に対して、回転電極1の回転方向の下流側には、対向電極30が設けられている。そして、このプラズマ処理装置においては、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3が回転可能に構成されている。他の構成については、図16に示すプラズマ処理装置と同様の構成となっており、詳しい説明は省略する。
【0148】
このプラズマ処理装置では、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3が回転可能に構成されているので、図18(a)に示すように、反応ガス供給路5aから供給される第一の反応ガスによって、基板ステージに載置された基板Sに対して第1回目の表面処理を実施し、その後、反応ガス供給管3を回転させて、図18(b)に示すように、反応ガス供給路5bが基板Sの表面に対向するようにして、基板Sの表面に向けて第二の反応ガスが供給されるようにして、第2回目の表面処理を実施する。さらに、同様に、反応ガス供給管3を回転させて、図18(c)に示すように、反応ガス供給管5cが基板Sの表面に対向するようにして、基板Sの表面に向けて第3の反応ガスが供給されるようにして、第3回目の表面処理を実施する。このようにして、反応容器に基板Sを載置したままで、順次異なった表面処理を実施することができ、例えば、三層の積層膜を基板上に成膜することができる。
【0149】
(実施の形態4)
図19は、本実施の形態4のプラズマ処理装置を示す断面図である。なお、本実施の形態4のプラズマ処理装置の概略構成は、前述の実施の形態1のプラズマ処理装置と同一であり、同一の構成については、実施の形態1のプラズマ処理装置を示す図1〜図9を参照するとして、以下の説明では、異なる構成について詳細に説明する。
【0150】
このプラズマ処理装置は、図示しない平板状の基板ステージを有しており、この基板ステージ上に基板Sが載置される。この基板Sの上方には、円筒状の回転電極1が設けられている。円筒型の回転電極1は、その回転軸が基板Sの表面に対して平行になるように配置されており、回転電極1と基板ステージ上に載置された基板Sとの間には所定のギャップが形成されている。回転電極1は、中空の円筒状に形成された電極本体部1aを有しており、この回転電極1の周面には、複数の孔部1cが周面方向及び軸方向のそれぞれに所定間隔毎に形成されている。
【0151】
本実施の形態4のプラズマ処理装置では、回転電極1の外部に、基板Sに対向する下端部及び上端部の近傍を除くほぼ全体にわたって、その周面を覆う電極カバー41が設けられている。
【0152】
電極カバー41は、回転電極1の外径よりも若干大きな内径を有する内部が中空の円筒状に形成されており、回転電極1と同心状に配置された状態で、回転電極1の外径と電極カバー41の内径との間に所定の空間41aが形成されるようになっている。この電極カバー41の上端には、開口42が形成されており、この開口42の周縁から上方に突出して反応ガス導入管43が設けられている。また、基板Sに対向する下端側は、下方に載置された基板Sに平行な平坦部が形成されており、基板Sと対向する部分に開口44が形成されている。
【0153】
電極カバー41の上側に設けられたガス導入管43は、図示しない反応ガス供給手段に連通しており、中空となった内部に反応ガスを導入する。図示しない反応ガス供給手段から反応ガス導入管43を介して電極カバー41の内部に供給された反応ガスは、電極カバー41の内径と回転電極1の外径との間に形成された空隙41a及び、回転電極1の周面に形成された孔部1cを介して回転電極1の内部に形成された空間1dを介して、電極カバー41の上方から下方に通され、基板S上に対向して形成された開口44を反応ガスの導出口として、電極カバー41の外部に放出される。
【0154】
回転電極1と基板Sとの間隙には、図示しない反応ガス供給手段から供給された反応ガスが電極カバー41の内部を介して供給され、この状態で高周波電源2から高周波電圧が回転電極1に印加されると、図19中、実線で囲まれた領域に示すようなプラズマ発生空間Pが形成される。
【0155】
上記構成を有する円筒型の回転電極1及び電極カバー41及び基板Sを載置する図示しない基板ステージは、図示しない反応容器内に設けられており、基板Sの表面処理を実施する場合には、大気圧近傍の圧力条件で、所望の反応ガス又はHe、Ar等の希ガス類が反応容器内に充填される。
【0156】
次に、上記構成を有する本実施の形態4のプラズマ処理装置の動作について説明する。
【0157】
まず、図示しない基板ステージに表面処理を実施する基板Sを載置する。
【0158】
次に、図示しない反応容器内に、所望の反応ガス又はHe、Ar等の希ガス類を大気圧近傍の圧力条件で充填する。
【0159】
そして、このような反応容器内の雰囲気下で、回転電極1を所定の回転速度で回転させる。この回転電極1の回転駆動と同時に、図示しない反応ガス供給手段から所定の反応ガスを、反応ガス導入管43を介して電極カバー41の内部に導入する。電極カバー41内に導入された反応ガスは、電極カバー41の内径と回転電極1の外径との間に形成された空隙41a及び、回転電極1の周面に形成された孔部1cを介して回転電極1の内部に形成された空間1dを介して、電極カバー41の上方から下方に通され、基板S上に対向して形成された開口44を反応ガスの導出口として、電極カバー41の外部に放出される。
【0160】
この状態で、高周波電源2から回転電極1に高周波電圧を印加すると、電極カバー41の開口44から供給された反応ガスが、回転電極1に印加された高周波電圧によって、イオン種、ラジカル種等に分解されてプラズマが発生し、回転電極1と基板Sとの間隙にプラズマ発生空間Pが形成される。
【0161】
そして、回転電極1と基板Sとの間隙に形成されたプラズマ発生空間Pに発生したプラズマに起因して化学反応が生じ、この化学反応によって、基板Sの表面上において、エッチング、薄膜形成、表面改質等の所望の表面処理が実施される。
【0162】
このように、基板Sの表面に対する成膜、エッチング、表面加工等の表面処理を回転電極1と基板Sとの間隙に形成されたプラズマ発生空間Pにて実施することができる。この実施の形態4のプラズマ処理装置では、高速回転する回転電極1の下方に設置された基板Sの表面に対して、反応ガスを電極カバー41内に通して、簡便に、且つ効率良く反応ガスを供給することができ、表面処理の生産性を向上し、基板Sの表面処理に要するコストの低減を図ることができる。
【0163】
また、図20には、本実施の形態4のプラズマ処理装置の他の例を示している。
【0164】
図20に示す例では、回転電極1の上部にのみを覆う電極部分カバー48を設け、中空に形成された回転電極1の内部に、反応ガス導入管43から回転電極1の周面部に形成された孔部1cを介して供給される反応ガスを所定方向に通流させる反応ガス供給経路47を形成した供給管46を設けている。この供給管46に形成された反応ガス供給経路47は、上部側で、電極部分カバー48の上方に突出して設けられた反応ガス導入管43に対向するとともに、下端側が、基板S上に対向するように形成されている。他の構成は、上記の図19に示すプラズマ処理装置と概略同一の構成であるので詳しい説明は省略する。
【0165】
図20に示すプラズマ処理装置では、反応ガス導入管43から電極部分カバー48に導入された反応ガスが、回転電極1の内部に設けられた供給管46に供給されて、反応ガス供給経路47を通流して、回転電極1と基板Sとの間隙に供給される。このように、図20に示すプラズマ処理装置でも、高速回転する回転電極1の下方に設置された基板Sの表面に対して、反応ガスを電極部分カバー48から、回転電極1の内部に設けられた供給管46の反応ガス供給経路47を通流して、簡便に、且つ効率良く反応ガスを供給することができ、表面処理の生産性が向上し、基板Sの表面処理に要するコストの低減を図ることができる。
【0166】
(実施の形態5)
図21は、本実施の形態5のプラズマ処理装置を示す断面図である。なお、本実施の形態5のプラズマ処理装置の概略構成は、前述の実施の形態1のプラズマ処理装置と同一であり、同一の構成については、実施の形態1のプラズマ処理装置を示す図1〜図9を参照するとして、以下の説明では、異なる構成について詳細に説明する。
【0167】
このプラズマ処理装置は、図示しない平板状の基板ステージを有しており、この基板ステージ上に基板Sが載置されている。この基板Sの上方には、円筒型の回転電極1が設けられている。回転電極1は、その回転軸が基板Sの表面に対して平行になるように配置されており、回転電極1と基板ステージ上に配置された基板Sとの間に、所定のギャップが形成されている。また、回転電極1の周面には、複数の孔部1cが周面方向及び軸方向のそれぞれに所定間隔毎に形成されている。
【0168】
基板S上に配置される回転電極1は、中空の円筒状に形成された電極本体部1aを有しており、この中空の電極本体部1aの内部には、電極本体部1aの内径よりもわずかに小径の円筒状に形成された反応ガス供給管3が設けられており、電極本体部1aの内部の中空の空間をほぼ充填している。
【0169】
この反応ガス供給管3には、反応ガスを基板S上に供給するための反応ガス供給路61が形成されている。本実施の形態4のプラズマ処理装置では、反応ガス供給路61の径が、基板Sと回転電極1との間隙に形成されるプラズマ発生空間Pの全体と同程度の大きさに形成されている。
【0170】
上記構成を有する本実施の形態4のプラズマ処理装置を動作させることによって、基板S上に、成膜、エッチング、表面加工等の所望の表面処理が実施される。なお、本実施の形態5のプラズマ処理装置の動作は、前述の実施の形態1のプラズマ処理装置の動作と同様に行われるので、詳しい説明は省略する。
【0171】
このように、本実施の形態5のプラズマ処理装置では、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3に、回転電極1と基板Sとの間隙に形成されるプラズマ発生空間Pの全体に反応ガスが供給される大きさの径に形成された反応ガス供給路61が形成されているため、大量の反応ガスを効率よく、プラズマ発生空間Pに供給することができ、基板Sの表面における表面処理の速度を大幅に向上することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0172】
図22には、本実施の形態5のプラズマ処理装置の他の例を示している。このプラズマ処理装置は、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3の内部に、多孔質体62が、回転電極1と基板Sとの間隙に形成されるプラズマ発生空間Pと同程度の大きさになるように設けられている。この多孔質体62は、反応ガスを通流することができるようになっており、反応ガス供給管3内において、反応ガス供給路を形成している。他の構成については、上記の図21に示すプラズマ処理装置を同一の構成になっており、その構成及び動作については説明を省略する。
【0173】
このプラズマ処理装置では、反応ガス供給管3内部に多孔質体62を設け、この多孔質体62によって、反応ガスを供給するための反応ガス供給路が形成されており、これにより、反応ガス供給管3内を通流する反応ガスのガス流れを安定化することができ、また、回転電極1の内部と反応ガス供給管3との間隙部分において、反応ガスのガス流れを安定化することができる。
【0174】
また、さらに、反応ガス加熱機構を設け、この反応ガス加熱機構によって反応ガス供給管内に設けられた多孔質体62を加熱するようにすれば、加熱された多孔質体62より効率良く反応ガスに熱伝達が行われ、加熱された状態の反応ガスを基板Sと回転電極1との間隙に形成されたプラズマ発生空間Pに供給することができる。
【0175】
図23には、本実施の形態5のプラズマ処理装置のさらに他の例が示されている。
【0176】
このプラズマ処理装置では、反応ガス供給管3の内部には、実施の形態1の反応ガス供給管3に形成される反応ガス供給路5と同程度の大きさに形成された反応ガス供給路63が形成されている。そして、回転電極1の外周には、所定間隔毎に形成された孔部ではなく、反応ガスを通流させることができる多孔質体64が外周の全面にわたって均一に形成されている。他の構成は、図21に示すプラズマ処理装置と同様の構成を有している。
【0177】
このプラズマ処理装置では、回転電極1の内部に設けられた反応ガス供給管3の反応ガス供給路63から供給された反応ガスが、回転電極1の外周面に形成された多孔質体64を介して、回転電極1と基板Sとの間隙に形成されたプラズマ発生空間Pに供給されるので、回転電極1の外周部の反応ガスが供給される部分において、反応ガスのガス流れによる不安定な乱流が発生することなく、安定して反応ガスをプラズマ発生空間Pに供給することができる。その結果、基板Sの表面処理の安定化を図ることができる。
【0178】
(実施の形態6)
図24は、本実施の形態6のプラズマ処理装置の概略を示す斜視図である。
【0179】
このプラズマ処理装置は、回転電極1の周面に、所定間隔毎に複数の孔部が形成される代わりに、回転電極1の回転軸の方向に沿ってスリット状の反応ガス通気口65が、所定間隔毎に互いに平行になるように形成されている。
【0180】
他の構成については、上記実施の形態1〜5のいずれかの構成を有しており、詳しい説明は省略する。
【0181】
このように、本実施の形態6のプラズマ処理装置では、回転電極1の周面に、回転軸方向に沿ったスリット状の反応ガス通気口65が形成されており、このスリット状に形成されたガス通気口65により、基板Sと回転電極1との間隙に形成されるプラズマ発生空間Pに対して、回転軸方向に反応ガスの供給量の分布が生じることを防止することができ、基板Sに対してプラズマにより表面処理する場合に、表面の処理特性に回転軸方向に分布が生じることを防止することができる。
【0182】
また、逆に、基板Sに発生する温度分布、高周波電源2から回転電極1に印加される高周波電圧の安定波分布によって、表面処理が実施される基板Sの表面に加工量分布、処理特性分布、成膜分布等が発生する場合には、上記のスリット状のガス通気口65のスリット幅に、回転電極1の回転軸方向に分布を有する形状とし、ガス通気口65の穴密度、形状、寸法等に対して、回転軸方向に所望の分布を設定するようにしてもよい。このようにすれば、基板Sの表面に発生する温度分布、高周波電圧の安定波分布、処理特性分布、成膜特性分布等の影響を緩和し、基板Sの表面上の処理特性を均一にすることができる。
【0183】
また、さらに、スリット状に形成されたガス通気口65を、回転電極1の周方向に、穴密度、形状、寸法等の分布を持たせるようにしてもよい。このようにすれば、回転電極1と基板Sとの間隙に形成されるプラズマ発生空間Pに供給される反応ガスのガス供給量が回転電極1の回転周期以下の非常に短い周期で変化するようにして供給することができる。
【0184】
【発明の効果】
本発明のプラズマ処理装置は、所定の処理が行われる基板表面に近接して回転可能に配置された回転電極は、内部に中空の空洞部が形成されていると共に、基板表面に対向する表面には、空洞部に連通する通気口が形成されている。そして、この回転電極の空洞部には、電源から印加される電圧によってプラズマを発生させる反応ガスを、回転電極と基板との間隙に供給する反応ガス供給路が形成された反応ガス供給手段が設けられている。
【0185】
この反応ガス供給手段によって、回転電極と基板との間隙に反応ガスを効率良く供給することができ、反応ガスの利用効率を向上することができる。その結果、基板の表面処理に要するコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のプラズマ処理装置の概略を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A’線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B’線に沿う断面図である。
【図4】高周波電圧を印加した時点での回転電極1と基板Sとの間隙を示す要部拡大図である。
【図5】回転電極及び反応ガス供給管を支持する具体的な構造を説明するための断面図である。
【図6】図5のC−C’線に沿う断面図である。
【図7】図5のD−D’線に沿う断面図である。
【図8】反応ガス供給管の回転機構を取り付けた状態を示す背面図であり、(a)は、反応ガス供給管が回転移動される前の初期状態を示しており、(b)は、反応ガス供給管が所定の角度だけ回転移動された状態を示している。
【図9】反応ガス供給管3が所定の回転角aだけ回転移動された状態を示す断面図である。
【図10】実施の形態1のプラズマ処理装置の他の例を示す要部拡大図である。
【図11】実施の形態1のプラズマ処理装置の他の例を示す要部拡大図である。
【図12】実施の形態1のプラズマ処理装置の他の例を示す要部拡大図である。
【図13】実施の形態1のプラズマ処理装置の他の例を示す要部拡大図である。
【図14】実施の形態1のプラズマ処理装置の他の例を示す要部拡大図である。
【図15】実施の形態2のプラズマ処理装置の概略を示す断面図である。
【図16】実施の形態3のプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図17】実施の形態3の他のプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図18】実施の形態3のさらに他のプラズマ処理装置における概略を説明する断面図である。
【図19】実施の形態4のプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図20】実施の形態4のプラズマ処理装置の他の例を示す断面図である。
【図21】実施の形態5のプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図22】実施の形態5のプラズマ処理装置の他の例を示す断面図である。
【図23】実施の形態5のプラズマ処理装置のさらに他の例を示す断面図である。
【図24】実施の形態6のプラズマ処理装置の概略を示す斜視図である。
【図25】従来の回転電極を用いたプラズマ処理装置を示しており、(a)は、その概略構成を示す斜視図、(b)は、側面図である。
【図26】従来の回転電極を用いた他のプラズマ処理装置を示しており、(a)は、その概略構成を示す斜視図、(b)は、側面図である。
【符号の説明】
1 回転電極
2 高周波電源
3 反応ガス供給管
4 反応ガス導入路
5 反応ガス供給本体路
11 定盤
12 基板ステージ
13 支持ハウジング
15 スリーブ
16 外側ベアリング
17 内側ベアリング
18 マグネットカップリング
19 連結部材
20 反応ガス導入管
21 ステッピングモータ
22 駆動ギア
23 回転ギア
52 第二反応ガス供給経路
53 ガス吸引経路
30 対向電極
34 クリーニングガス供給路
35 ガス吸引路
36 ローラ
41 電極カバー
42 開口
43 反応ガス導入管
44 開口
46 反応ガス供給管
47 反応ガス供給経路
48 電極部分カバー
61 反応ガス供給路
62 多孔質体
63 反応ガス供給路
64 多孔質体
65 反応ガス通気口
101 回転電極
102 回転軸
103 高周波電源
104 基板
106 穴つき回転電極
P プラズマ発生空間
107 空洞部
108 孔部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a plasma processing apparatus for processing the surface of a substrate with plasma, and more particularly to a plasma processing apparatus using a rotating electrode having an electrode surface that moves in the vicinity of the substrate surface by rotation.
[0002]
[Prior art]
In recent semiconductor manufacturing apparatuses, a substrate is placed between a pair of electrodes, and a high-frequency power is applied in a state where a reactive gas is supplied between the electrodes. A plasma processing apparatus is widely used that generates plasma by decomposing into seeds and the like, and performs surface treatment such as etching, thin film formation, and surface modification on the substrate placed between the electrodes using this plasma. ing.
[0003]
As this plasma processing apparatus, a plasma processing apparatus using a rotating electrode having an electrode surface that moves in the vicinity of the substrate surface by rotation is described in JP-A-9-104985.
[0004]
A plasma processing apparatus using such a rotating electrode will be described with reference to the drawings.
[0005]
FIG. 25 shows a plasma processing apparatus using a rotating electrode described in the above publication, FIG. 25 (a) is a perspective view showing the schematic configuration, and FIG. 25 (b) is a side view.
[0006]
The plasma processing apparatus using the rotating electrode has a flat substrate stage (not shown), and the
[0007]
A high
[0008]
The substrate stage on which the cylindrical rotating
[0009]
For example, when a silicon film such as an amorphous Si film or a polycrystalline Si film is formed on the
[0010]
FIG. 26 shows another plasma processing apparatus using a rotating electrode. Fig.26 (a) is a perspective view which shows the schematic structure, FIG.26 (b) is a side view.
[0011]
The holed
[0012]
In the plasma processing apparatus using the rotating
[0013]
Furthermore, in the plasma processing apparatus in which a plurality of
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described plasma processing apparatus using the rotating electrode, the gap between the
[0015]
Further, the reaction gas supplied to the gap between the
[0016]
Further, even when the film forming process is performed using a mixed gas in which two or more kinds of gases are mixed as a reaction gas, the reaction gas flows along the rotation direction of the
[0017]
On the other hand, in the plasma processing apparatus using the holed
[0018]
In addition, since a single reaction gas is ejected from each
[0019]
Further, the method of supplying the reaction gas to the
[0020]
Further, it is not specified that the reaction gas is sucked from each
[0021]
In addition, since a single reactive gas is ejected in all directions from each
[0022]
Moreover, it is not specified that each
[0023]
The present invention has been made to solve the above problems, and in a plasma processing apparatus using a rotating electrode, a sufficient reactive gas can be supplied to the gap between the narrowed rotating electrode and the substrate, It is an object of the present invention to provide a plasma processing apparatus that does not generate a surface treatment characteristic distribution.
[0024]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, a plasma processing apparatus according to the present invention includes a rotating electrode rotatably disposed near a substrate surface on which a predetermined process is performed, a driving unit that rotates the rotating electrode, and the rotating electrode. The rotating electrode has a hollow cavity portion formed therein, and a vent hole communicating with the cavity portion is formed on the surface thereof. A reaction gas supply having a reaction gas supply path for supplying a reaction gas that generates plasma by a voltage applied from the power source to a gap between the rotation electrode and the substrate through the vent hole in the cavity of the rotation electrode Means are provided.
[0025]
In the above plasma processing apparatus of the present invention, it is preferable that the vent formed in the rotating electrode is a plurality of holes formed over the entire peripheral surface of the rotating electrode.
[0026]
In the plasma processing apparatus of the present invention, the reactive gas supply means is configured to react the reactive gas supplied to the reactive gas supply path at a desired position in the plasma generation space formed in the gap between the rotating electrode and the substrate. It is preferable that it can move so that can be supplied.
[0027]
In the plasma processing apparatus of the present invention, the reaction gas supply path is branched so that the reaction gas can be supplied to a desired position in the plasma generation space generated in the gap between the rotating electrode and the substrate. Is preferred.
[0028]
In the plasma processing apparatus of the present invention, it is preferable that the reaction gas flow rates in the branch portions of the reaction gas supply path are different from each other.
[0029]
In the plasma processing apparatus of the present invention, the reactive gas supply means preferably has a plurality of reactive gas supply paths.
[0030]
In the plasma processing apparatus of the present invention, it is preferable that reaction gases having different compositions, flow rates, pressures, and the like are supplied from the reaction gas supply paths of the reaction gas supply means.
[0031]
In the plasma processing apparatus of the present invention, a gas suction path for sucking a gas component existing in a gap between the rotating electrode and the substrate is formed in the gas supply means through a vent hole formed in the rotating electrode. It is preferable that
[0032]
In the plasma processing apparatus of the present invention, the reaction gas supply path formed in the gas supply means is upstream of the rotation direction of the rotary electrode in the plasma generation space formed in the gap between the rotary electrode and the substrate. The gas suction path is formed to face the plasma generation space so that the gas component on the downstream side in the rotation direction of the rotating electrode of the plasma generation space is sucked so that the reaction gas is supplied. It is preferable.
[0033]
In the plasma processing apparatus of the present invention, a counter electrode is provided on the downstream side in the rotation direction of the rotary electrode with respect to the plasma generation space so as to face the rotary electrode. In order to form a cleaning plasma in the gap between the counter electrode and the rotating electrode for removing reaction products generated due to the plasma generated by the reaction gas and adhering to the surface of the rotating electrode, A cleaning gas supply path for supplying a cleaning gas generated by application of a voltage from the power source is formed, and at a downstream side of the rotation direction of the rotating electrode of the cleaning gas supply path, in a gap between the counter electrode and the rotating electrode. It is preferable that a suction path for sucking the existing gas component is formed.
[0034]
In the plasma processing apparatus of the present invention, a plurality of substrates are arranged around the rotating electrode, and the counter electrode is disposed downstream of the rotating electrode in the rotation direction of the rotating electrode. The reaction gas supply means is formed with reaction gas supply passages for supplying a reaction gas for generating plasma for processing the substrate surface so as to face each substrate surface. A cleaning gas supply path for supplying a cleaning gas for generating plasma for removing reaction products adhering to the surface is formed to face each counter electrode, and each substrate and each counter substrate and the rotating electrode are connected to each other. A gas suction path for sucking a gas component existing in the gap is adjacent to each reaction gas supply path and each cleaning gas supply path on the downstream side in the rotation direction of the rotary electrode. It is preferred to be formed.
[0035]
In the plasma processing apparatus of the present invention, it is preferable that the substrate is a flexible substrate, and a rotatable roller around which the flexible substrate is wound is provided around the rotating electrode.
[0036]
In the plasma processing apparatus of the present invention, the reactive gas supply means includes a plurality of reactive gas supply paths for supplying a reactive gas and gas suction paths adjacent to the reactive gas supply paths. Is preferred.
[0037]
In addition, the plasma processing apparatus of the present invention includes a rotating electrode rotatably disposed near a substrate surface on which a predetermined process is performed, a driving unit that rotates the rotating electrode, and a high-frequency voltage or a direct current applied to the rotating electrode. A power source for applying a voltage, and the rotating electrode has a hollow cavity portion formed therein, and a vent hole communicating with the cavity portion is formed on the surface of the rotating electrode. Is characterized by being covered with an electrode cover that substantially covers the outer periphery of the rotating electrode, except for the introduction opening for introducing the reaction gas and the lead-out opening facing the substrate.
[0038]
In addition, the plasma processing apparatus of the present invention includes a rotating electrode rotatably disposed near a substrate surface on which a predetermined process is performed, a driving unit that rotates the rotating electrode, and a high-frequency voltage or a direct current applied to the rotating electrode. A power source for applying a voltage, and the rotating electrode has a hollow cavity portion formed therein, and a vent hole communicating with the cavity portion is formed on the surface of the rotating electrode. Is provided with a partial electrode cover that partially has an introduction opening for introducing the reaction gas and partially covers the rotary electrode, and the hollow inside the rotary electrode has an introduction opening of the partial electrode cover A gas flow part is provided for allowing the reaction gas introduced into the cavity through the vent to flow through the gap between the substrate and the rotating electrode.
[0039]
In the plasma processing apparatus of the present invention, the reaction gas supply path formed in the reaction gas supply means is formed to have a size corresponding to the plasma generation space generated in the gap between the substrate and the rotating electrode. preferable.
[0040]
In the plasma processing apparatus of the present invention, it is preferable that a porous body capable of flowing a reaction gas is provided in a reaction gas supply path formed in the reaction gas supply means.
[0041]
In the plasma processing apparatus of the present invention, it is preferable that a porous body capable of flowing a reaction gas is provided on the entire surface of the rotating electrode.
[0042]
In the plasma processing apparatus of the present invention, it is preferable that the vent formed in the rotating electrode is a slit-shaped gas vent formed in a plurality along the axial direction of the rotating electrode.
[0043]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the plasma processing apparatus of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0044]
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a perspective view showing an outline of the plasma processing apparatus of the first embodiment. 2 is a cross-sectional view taken along line AA ′ in FIG. 1, and FIG. 3 is a cross-sectional view taken along line BB ′ in FIG.
[0045]
This plasma processing apparatus has a flat substrate stage (not shown), and a substrate S is placed on the substrate stage. A cylindrical
[0046]
A high
[0047]
In the first embodiment, a high-
[0048]
The
[0049]
A reaction
[0050]
In the reaction
[0051]
As shown in FIGS. 2 and 3, the reaction gas
[0052]
The cylindrical
[0053]
Next, a structure for rotatably supporting the
[0054]
FIG. 5 is a cross-sectional view along the axial direction of the
[0055]
In the plasma processing apparatus of the first embodiment, as shown in FIG. 5, a
[0056]
[0057]
A
[0058]
The
[0059]
A cylindrical connecting member that communicates with the reaction
[0060]
A stepping
[0061]
FIG. 8 is a side view showing a state in which such a rotation mechanism of the reactive
[0062]
FIG. 9 is a cross-sectional view showing a state in which the reaction
[0063]
As shown in FIGS. 8A and 8B, when the
[0064]
When the driving of the stepping
[0065]
Next, the operation of the plasma processing apparatus of the first embodiment having the above configuration will be described.
[0066]
First, the substrate S to be surface-treated is placed on the
[0067]
Next, the reaction gas used for performing the surface treatment of the substrate S is filled in a reaction vessel (not shown) under a pressure condition near atmospheric pressure.
[0068]
Then, the rotating
[0069]
For example, when a SiC film is formed on the substrate S, He and H 2 And SiH Four And CH Four As a reaction gas, the reaction vessel contains a gas component mixing ratio of SiH. Four / CH Four The reaction gas having a mixture ratio of <1 is filled, and the reaction
[0070]
For example, when a silicon thin film such as polycrystalline Si or amorphous Si is formed on the substrate S, the reaction vessel is filled with only He gas, and the reaction
[0071]
The reaction gas supplied from the reaction gas supply means (not shown) is transferred from the reaction
[0072]
As described above, in the plasma processing apparatus of the first embodiment, the reaction gas filled in the reaction vessel is rotated on the
[0073]
In this state, when a high frequency voltage is applied from the high
[0074]
FIG. 4 is an enlarged view of a main part showing a gap between the
[0075]
A chemical reaction occurs due to the plasma generated in the plasma generation space P, and a desired surface treatment such as etching, thin film formation, and surface modification is performed on the surface of the substrate S by this chemical reaction. .
[0076]
In the plasma processing apparatus of the first embodiment, the reaction gas supply
[0077]
10 to 14 are enlarged views of main parts showing other examples of the plasma processing apparatus of the first embodiment.
[0078]
In FIG. 10, the reaction gas supply
[0079]
As described above, since the reaction gas can be supplied to a desired position with respect to the plasma generation space P, various conditions such as the type, the mixing ratio, the pressure, and the temperature of the reaction gas supplied from the reaction
[0080]
FIG. 11 shows an outer peripheral side portion of the reaction gas supply
[0081]
As described above, the reaction gas supply
[0082]
For example, when a silicon thin film such as an amorphous Si film or a polycrystalline Si film is formed, He and H 2 And SiH Four When gas is filled in a reaction vessel (not shown) and the reaction gas is supplied to the plasma generation space P by the reaction gas flow caused by the rotation of the
[0083]
Further, maintaining the composition ratio of the reaction gas in the plasma generation space P constant is not limited to the case where the silicon thin film is formed, but also when performing other film forming processes. Can be applied.
[0084]
Moreover, not only when performing the film-forming process to the surface of the board | substrate S, but He, O, for example 2 , CF Four Even in the case where etching is performed on a glass substrate using a mixed gas composed of, for example, a reaction gas, the He gas is supplied to the reaction gas supply
[0085]
In addition, the supply amount of the reactive gas supplied to each of the upstream region, the middle flow region, and the downstream region of the plasma generation space P is not limited to the case where the supply amount is increased toward the downstream region as described above. Depending on the characteristic distribution generated by the surface treatment of S, a desired supply amount of reaction gas can be appropriately set.
[0086]
FIG. 12 shows an example in which the second reaction
[0087]
Thus, by forming the pair of reaction
[0088]
For example, He and H 2 And SiH Four When a silicon thin film such as an amorphous Si film or a polycrystalline Si film is formed using a mixed gas composed of a gas, the rotation direction of the
[0089]
Also, for example, He, H 2 , SiH Four , CH Four Even in the case of forming a SiC film using a mixed gas composed of, etc., Four The first reactive
[0090]
FIG. 13 shows an example in which the reaction gas supply
[0091]
In this way, by allowing the gas components present in the plasma generation space P formed outside the
[0092]
FIG. 14 shows a reaction gas for supplying a predetermined reaction gas to the upstream region in the rotation direction of the
[0093]
As described above, in the plasma generation space P formed outside the
[0094]
The reaction vessel is filled with a rare gas such as He or Ar, and a reaction gas such as a source gas or an etching gas is supplied from the reaction gas supply
[0095]
In the example shown in FIGS. 13 and 14, the gas component sucked from the
[0096]
(Embodiment 2)
FIG. 15 is a cross-sectional view schematically showing the plasma processing apparatus according to the second embodiment. The schematic configuration of the plasma processing apparatus of the second embodiment is the same as the plasma processing apparatus of the first embodiment, and the same configuration is shown in FIG. 1 showing the plasma processing apparatus of the first embodiment. Referring to FIG. 9, in the following description, only different configurations will be described in detail.
[0097]
This plasma processing apparatus has a flat substrate stage (not shown), and a substrate S is placed on the substrate stage. A cylindrical
[0098]
In the plasma processing apparatus of the second embodiment, a
[0099]
The
[0100]
The reaction
[0101]
The cleaning gas supplied from the cleaning
[0102]
The reaction gas is supplied from the reaction
[0103]
Plasma generation spaces P and C generated respectively below and above the
[0104]
The reaction
[0105]
The cylindrical
[0106]
Next, the operation of the plasma processing apparatus of the second embodiment having the above configuration will be described.
[0107]
First, the substrate S to be surface-treated is placed on a substrate stage (not shown).
[0108]
Next, a reaction vessel (not shown) is filled with a rare gas such as He or Ar under a pressure condition near atmospheric pressure.
[0109]
Then, the rotating
[0110]
In this state, when a high frequency voltage is applied from the high
[0111]
At this time, in the gap between the
[0112]
A chemical reaction occurs due to the plasma generated in the plasma generation space P formed in the gap between the
[0113]
At this time, in the gap between the
[0114]
In this way, surface treatment such as film formation, etching, and surface processing on the surface of the substrate S can be performed in the plasma generation space P formed in the gap between the
[0115]
(Embodiment 3)
FIG. 16 is a cross-sectional view showing the plasma processing apparatus of the third embodiment. The schematic configuration of the plasma processing apparatus of the third embodiment is the same as the plasma processing apparatus of the first embodiment, and the same configuration is shown in FIG. 1 showing the plasma processing apparatus of the first embodiment. With reference to FIG. 9, in the following description, different configurations will be described in detail.
[0116]
This plasma processing apparatus has a cylindrical
[0117]
Each substrate S fixed to each substrate stage is arranged so as to be parallel to the rotation axis of the
[0118]
In the plasma processing apparatus of the third embodiment, the
[0119]
The
[0120]
The reaction
[0121]
Reactive gas is supplied from the reaction
[0122]
Plasma generation spaces P1 to P3 and C1 to C3 generated at respective positions on the outer peripheral surface of the
[0123]
The plasma generation regions P1 to P3 and C1 to C3 generated at the respective positions on the outer peripheral surface of the
[0124]
The cylindrical
[0125]
Next, the operation of the plasma processing apparatus of the third embodiment having the above configuration will be described.
[0126]
First, the substrate S is placed on each substrate stage (not shown).
[0127]
Next, a reaction vessel (not shown) is filled with a rare gas such as He or Ar under a pressure condition near atmospheric pressure.
[0128]
Then, the rotating
[0129]
In this state, when a high frequency voltage is applied from the high
[0130]
A chemical reaction occurs due to the plasma generated in the plasma generation spaces P1 to P3 formed in the gaps between the
[0131]
At this time, the gap between the
[0132]
In the plasma processing apparatus according to the third embodiment, a plurality of substrates S are arranged opposite to the periphery of one
[0133]
As described above, in the plasma processing apparatus according to the third embodiment, the surface treatment is simultaneously performed on the plurality of substrates S without contaminating the reaction container by the single
[0134]
Such a plasma processing apparatus of
[0135]
In this case, first, a glass substrate on which the solar cell is formed is fixed to a substrate stage (not shown) disposed on the right side of the
[0136]
From the reaction
[0137]
Next, the glass substrate on which the first film has been formed is transported and fixed to a substrate stage disposed below the
[0138]
Subsequently, the glass substrate on which the second film is formed is transported and fixed to the substrate stage disposed on the left side of the
[0139]
In each of the above steps, after the substrate S is fixed to the substrate stage in the reaction vessel, a plurality of film forming steps can be performed in the same reaction vessel without removing the substrate S from the reaction vessel. Since it is not necessary to perform supply of reactive gas, film formation, discharge of reactive gas, cleaning, deaeration, etc. every time one film formation process is completed, a plurality of film formation processes can be easily performed. And productivity can be improved.
[0140]
In addition, the plasma processing apparatus of the third embodiment can simultaneously perform the same surface treatment on a plurality of substrates S arranged around the rotating
[0141]
FIG. 17 shows another plasma processing apparatus of the third embodiment. This plasma processing apparatus has a configuration suitable for continuous processing on the substrate surface when the substrate on which the surface treatment is performed is a flexible substrate.
[0142]
In this plasma processing apparatus,
[0143]
In this plasma processing apparatus, a single flexible substrate S is disposed so as to face the
[0144]
The flexible substrate S is moved in a direction indicated by an arrow B in FIG. 17 by a
[0145]
As described above, this plasma processing apparatus can perform a plurality of surface treatments on one flexible substrate S. For example, a film laminated in three layers is continuously formed on the substrate. be able to.
[0146]
FIG. 18 is a cross-sectional view for explaining an outline of still another plasma processing apparatus according to the third embodiment.
[0147]
In this plasma processing apparatus, a substrate S on which surface treatment is performed is disposed below the rotating
[0148]
In this plasma processing apparatus, since the reaction
[0149]
(Embodiment 4)
FIG. 19 is a cross-sectional view showing the plasma processing apparatus of the fourth embodiment. The schematic configuration of the plasma processing apparatus of the fourth embodiment is the same as the plasma processing apparatus of the first embodiment, and the same configuration is shown in FIG. 1 showing the plasma processing apparatus of the first embodiment. With reference to FIG. 9, in the following description, different configurations will be described in detail.
[0150]
This plasma processing apparatus has a flat substrate stage (not shown), and a substrate S is placed on the substrate stage. A cylindrical
[0151]
In the plasma processing apparatus of the fourth embodiment, an
[0152]
The
[0153]
A
[0154]
A reaction gas supplied from a reaction gas supply means (not shown) is supplied to the gap between the
[0155]
The cylindrical
[0156]
Next, the operation of the plasma processing apparatus of the fourth embodiment having the above configuration will be described.
[0157]
First, the substrate S to be surface-treated is placed on a substrate stage (not shown).
[0158]
Next, a desired reaction gas or a rare gas such as He or Ar is filled in a reaction vessel (not shown) under a pressure condition near atmospheric pressure.
[0159]
Then, the rotating
[0160]
In this state, when a high-frequency voltage is applied from the high-
[0161]
A chemical reaction occurs due to the plasma generated in the plasma generation space P formed in the gap between the
[0162]
In this way, surface treatment such as film formation, etching, and surface processing on the surface of the substrate S can be performed in the plasma generation space P formed in the gap between the
[0163]
FIG. 20 shows another example of the plasma processing apparatus according to the fourth embodiment.
[0164]
In the example shown in FIG. 20, an
[0165]
In the plasma processing apparatus shown in FIG. 20, the reaction gas introduced into the electrode portion cover 48 from the reaction
[0166]
(Embodiment 5)
FIG. 21 is a sectional view showing the plasma processing apparatus of the fifth embodiment. The schematic configuration of the plasma processing apparatus of the fifth embodiment is the same as the plasma processing apparatus of the first embodiment described above, and the same configuration is shown in FIG. 1 showing the plasma processing apparatus of the first embodiment. With reference to FIG. 9, in the following description, different configurations will be described in detail.
[0167]
This plasma processing apparatus has a flat substrate stage (not shown), and a substrate S is placed on the substrate stage. A cylindrical
[0168]
The
[0169]
A reaction
[0170]
By operating the plasma processing apparatus of the fourth embodiment having the above-described configuration, desired surface treatment such as film formation, etching, and surface processing is performed on the substrate S. Since the operation of the plasma processing apparatus of the fifth embodiment is performed in the same manner as the operation of the plasma processing apparatus of the first embodiment, detailed description is omitted.
[0171]
As described above, in the plasma processing apparatus of the fifth embodiment, the entire plasma generation space P formed in the gap between the
[0172]
FIG. 22 shows another example of the plasma processing apparatus of the fifth embodiment. In this plasma processing apparatus, the
[0173]
In this plasma processing apparatus, a
[0174]
Furthermore, if a reaction gas heating mechanism is provided and the
[0175]
FIG. 23 shows still another example of the plasma processing apparatus of the fifth embodiment.
[0176]
In this plasma processing apparatus, inside the reaction
[0177]
In this plasma processing apparatus, the reaction gas supplied from the reaction
[0178]
(Embodiment 6)
FIG. 24 is a perspective view showing an outline of the plasma processing apparatus of the sixth embodiment.
[0179]
In this plasma processing apparatus, instead of forming a plurality of holes at predetermined intervals on the peripheral surface of the
[0180]
About another structure, it has the structure in any one of the said Embodiment 1-5, and detailed description is abbreviate | omitted.
[0181]
As described above, in the plasma processing apparatus of the sixth embodiment, the slit-like
[0182]
Conversely, the processing amount distribution and the processing characteristic distribution on the surface of the substrate S to be surface-treated by the temperature distribution generated in the substrate S and the stable wave distribution of the high-frequency voltage applied from the high-
[0183]
Furthermore, the
[0184]
【The invention's effect】
In the plasma processing apparatus of the present invention, the rotating electrode disposed so as to be rotatable in the vicinity of the substrate surface on which the predetermined processing is performed has a hollow cavity formed therein, and is on the surface facing the substrate surface. Has a vent hole communicating with the cavity. The hollow portion of the rotating electrode is provided with a reactive gas supply means in which a reactive gas supply path for supplying a reactive gas that generates plasma by a voltage applied from a power source to the gap between the rotating electrode and the substrate is formed. It has been.
[0185]
By this reaction gas supply means, the reaction gas can be efficiently supplied to the gap between the rotating electrode and the substrate, and the utilization efficiency of the reaction gas can be improved. As a result, the cost required for the surface treatment of the substrate can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view schematically showing a plasma processing apparatus according to a first embodiment.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line AA ′ in FIG.
3 is a cross-sectional view taken along line BB ′ of FIG.
4 is an enlarged view of a main part showing a gap between a
FIG. 5 is a cross-sectional view for explaining a specific structure for supporting a rotating electrode and a reaction gas supply pipe.
6 is a cross-sectional view taken along the line CC ′ of FIG.
7 is a cross-sectional view taken along the line DD ′ of FIG.
FIG. 8 is a rear view showing a state in which a reaction gas supply pipe rotating mechanism is attached; (a) shows an initial state before the reaction gas supply pipe is rotated; (b) The reaction gas supply pipe is shown as being rotated by a predetermined angle.
FIG. 9 is a cross-sectional view showing a state in which the reaction
FIG. 10 is an enlarged view of a main part showing another example of the plasma processing apparatus of the first embodiment.
FIG. 11 is an enlarged view of a main part showing another example of the plasma processing apparatus of the first embodiment.
FIG. 12 is an enlarged view of a main part showing another example of the plasma processing apparatus of the first embodiment.
FIG. 13 is an enlarged view of main parts showing another example of the plasma processing apparatus of the first embodiment.
FIG. 14 is an enlarged view of the main part showing another example of the plasma processing apparatus of the first embodiment.
FIG. 15 is a cross-sectional view schematically showing a plasma processing apparatus according to a second embodiment.
FIG. 16 is a cross-sectional view showing a plasma processing apparatus of a third embodiment.
FIG. 17 is a cross-sectional view showing another plasma processing apparatus of the third embodiment.
FIG. 18 is a cross-sectional view illustrating an outline of still another plasma processing apparatus according to the third embodiment.
FIG. 19 is a cross-sectional view showing a plasma processing apparatus according to a fourth embodiment.
20 is a cross-sectional view showing another example of the plasma processing apparatus of the fourth embodiment. FIG.
FIG. 21 is a sectional view showing a plasma processing apparatus in a fifth embodiment.
FIG. 22 is a cross-sectional view showing another example of the plasma processing apparatus of the fifth embodiment.
23 is a cross-sectional view showing still another example of the plasma processing apparatus of the fifth embodiment. FIG.
FIG. 24 is a perspective view showing an outline of a plasma processing apparatus according to a sixth embodiment.
25A and 25B show a plasma processing apparatus using a conventional rotating electrode, in which FIG. 25A is a perspective view showing a schematic configuration thereof, and FIG. 25B is a side view.
26A and 26B show another plasma processing apparatus using a conventional rotating electrode, in which FIG. 26A is a perspective view showing a schematic configuration thereof, and FIG. 26B is a side view thereof.
[Explanation of symbols]
1 Rotating electrode
2 High frequency power supply
3 Reaction gas supply pipe
4 Reaction gas introduction path
5 Reaction gas supply main path
11 Surface plate
12 Substrate stage
13 Support housing
15 sleeve
16 Outer bearing
17 Inner bearing
18 Magnet coupling
19 Connecting member
20 Reaction gas introduction pipe
21 Stepping motor
22 Drive gear
23 Rotating gear
52 Second reaction gas supply path
53 Gas suction route
30 Counter electrode
34 Cleaning gas supply path
35 Gas suction path
36 Laura
41 Electrode cover
42 opening
43 Reaction gas introduction pipe
44 opening
46 Reaction gas supply pipe
47 Reaction gas supply path
48 Electrode cover
61 Reaction gas supply path
62 Porous material
63 Reaction gas supply path
64 Porous material
65 Reaction gas vent
101 Rotating electrode
102 Rotating shaft
103 high frequency power supply
104 substrates
106 Rotating electrode with hole
P Plasma generation space
107 cavity
108 hole
Claims (9)
該回転電極を回転させる駆動手段と、
該回転電極に高周波電圧または直流電圧を印加する電源とを備え、
該回転電極は、内部に中空の空洞部が形成されていると共に、その表面に、空洞部に連通する通気口が形成されており、
該回転電極の空洞部には、前記電源から印加される電圧によってプラズマを発生させる反応ガスを、前記通気口を介して該回転電極と前記基板との間隙に供給する反応ガス供給路を有する反応ガス供給手段が設けられており、
前記反応ガス供給手段は、前記反応ガス供給路に供給される反応ガスが前記回転電極と前記基板との間隙に形成されるプラズマ発生空間の所望の位置に反応ガスを供給し得るように移動可能になっていることを特徴とするプラズマ処理装置。 A rotating electrode disposed so as to be rotatable in proximity to a substrate surface on which a predetermined process is performed;
Drive means for rotating the rotating electrode;
A power source for applying a high frequency voltage or a DC voltage to the rotating electrode;
The rotating electrode has a hollow cavity portion formed therein, and a vent hole communicating with the cavity portion is formed on the surface thereof.
A reaction having a reaction gas supply path for supplying a reaction gas for generating plasma by a voltage applied from the power source to a gap between the rotation electrode and the substrate through the vent in the cavity of the rotation electrode. Gas supply means are provided,
The reaction gas supply means, movable as a reaction gas supplied to the reaction gas supply passage capable of supplying a reactant gas to a desired position of the plasma generating space formed in the gap between the substrate and the rotary electrode A plasma processing apparatus characterized by the above.
該回転電極を回転させる駆動手段と、
該回転電極に高周波電圧または直流電圧を印加する電源とを備え、
該回転電極は、内部に中空の空洞部が形成されていると共に、その表面に、空洞部に連通する通気口が形成されており、
該回転電極の空洞部には、前記電源から印加される電圧によってプラズマを発生させる反応ガスを、前記通気口を介して該回転電極と前記基板との間隙に供給する反応ガス供給路を有する反応ガス供給手段が設けられており、
前記反応ガス供給路は、前記回転電極と前記基板との間隙に発生されるプラズマ発生空間の所望の位置に、反応ガスを供給し得るように分岐していることを特徴とするプラズマ処理装置。 A rotating electrode disposed so as to be rotatable in proximity to a substrate surface on which a predetermined process is performed;
Drive means for rotating the rotating electrode;
A power source for applying a high frequency voltage or a DC voltage to the rotating electrode;
The rotating electrode has a hollow cavity portion formed therein, and a vent hole communicating with the cavity portion is formed on the surface thereof.
A reaction having a reaction gas supply path for supplying a reaction gas for generating plasma by a voltage applied from the power source to a gap between the rotation electrode and the substrate through the vent in the cavity of the rotation electrode. Gas supply means are provided,
The reaction gas supply passage, said at a desired position of the rotating electrode and the plasma generating space generated in a gap between the substrate, the plasma processing apparatus characterized by being branched so as to supply reactive gases.
該回転電極を回転させる駆動手段と、
該回転電極に高周波電圧または直流電圧を印加する電源とを備え、
該回転電極は、内部に中空の空洞部が形成されていると共に、その表面に、空洞部に連通する通気口が形成されており、
該回転電極の空洞部には、前記電源から印加される電圧によってプラズマを発生させる反応ガスを、前記通気口を介して該回転電極と前記基板との間隙に供給する反応ガス供給路を有する反応ガス供給手段が設けられており、
前記反応ガス供給手段は、複数の反応ガス供給路を有しており、前記各反応ガス供給路からは、それぞれ、組成、流量、圧力等の条件が異なる反応ガスが供給されることを特徴とするのプラズマ処理装置。 A rotating electrode disposed so as to be rotatable in proximity to a substrate surface on which a predetermined process is performed;
Drive means for rotating the rotating electrode;
A power source for applying a high frequency voltage or a DC voltage to the rotating electrode;
The rotating electrode has a hollow cavity portion formed therein, and a vent hole communicating with the cavity portion is formed on the surface thereof.
A reaction having a reaction gas supply path for supplying a reaction gas for generating plasma by a voltage applied from the power source to a gap between the rotation electrode and the substrate through the vent in the cavity of the rotation electrode. Gas supply means are provided,
The reaction gas supply means has a plurality of reaction gas supply path, wherein from the reactant gas supply passage, respectively, composition, flow rate, and wherein the conditions of the pressure may vary from the reaction gas is supplied to the plasma processing apparatus.
該回転電極を回転させる駆動手段と、
該回転電極に高周波電圧または直流電圧を印加する電源とを備え、
該回転電極には、内部に中空の空洞部が形成されていると共に、その表面に、空洞部に連通する通気口が形成されており、
該回転電極の空洞部には、前記電源から印加される電圧によってプラズマを発生させる反応ガスを、前記通気口を介して該回転電極と前記基板との間隙に供給する反応ガス供給路と、該反応ガス供給路の前記回転電極の回転方向の下流側に隣接して、前記基板と前記回転電極との間隙に存在するガス成分を吸引する反応領域用ガス吸引路とを有する反応ガス供給手段が設けられており、
前記プラズマ発生空間に対して前記回転電極の回転方向の下流側に、前記回転電極に対向して対向電極が設けられており、
前記反応ガス供給手段には、前記反応ガスによって発生するプラズマに起因して発生し前記回転電極の表面に付着する反応生成物を除去するためのクリーニング用のプラズマを前記対向電極と前記回転電極との間隙に形成するために、前記電源からの電圧の印加によって発生させるクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給路が形成されると共に、該クリーニングガス供給路の前記回転電極の回転方向の下流側に隣接して、前記対向電極と前記回転電極との間隙に存在するガス成分を吸引するクリーニング領域用ガス吸引路が形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。 A rotating electrode disposed so as to be rotatable in proximity to a substrate surface on which a predetermined process is performed;
Drive means for rotating the rotating electrode;
A power source for applying a high frequency voltage or a DC voltage to the rotating electrode;
The rotating electrode has a hollow cavity portion formed therein, and a vent hole communicating with the cavity portion is formed on the surface thereof.
In the cavity of the rotating electrode, a reaction gas supply path for supplying a reaction gas that generates plasma by a voltage applied from the power supply to the gap between the rotating electrode and the substrate through the vent, and A reaction gas supply means having a reaction region gas suction passage for sucking a gas component existing in a gap between the substrate and the rotation electrode adjacent to the downstream side of the rotation direction of the rotation electrode of the reaction gas supply passage; Provided,
Wherein the downstream side in the rotation direction of the rotating electrode with respect to the plasma generation space and the counter electrode provided in opposition to the rotating electrode,
Wherein the reaction gas supplying means, a plasma cleaning for removing the reaction products generated due to the plasma generated by the reaction gas adheres to the surface of the rotating electrode and the counter electrode and the rotary electrode to form the gap, the cleaning gas supply path for supplying a cleaning gas to be generated by the application of a voltage from the power supply is formed, adjacent to the downstream side in the rotation direction of the rotating electrode of the cleaning gas supply path to a plasma processing apparatus, wherein the cleaning area for gas suction path is formed for sucking a gas component present in the gap between the rotating electrode and the counter electrode.
隣接する前記反応ガス供給路および前記反応領域用ガス吸引路が、前記複数の基板表面に対向するようにそれぞれ複数形成され、隣接する前記クリーニングガス供給路および前記クリーニング領域用ガス吸引路が、前記各対向電極に対向するようにそれぞれ複数形成されている、請求項5に記載のプラズマ処理装置。Wherein being adapted to a plurality of substrates on the periphery of the rotating electrode is disposed, the downstream side in the rotation direction of the rotating electrode for each substrate are arranged respectively the opposing electrode,
The reaction gas supply path and the reaction region gas suction passage adjacent the plurality of the plurality formed so as to face the substrate surface, the cleaning gas supply path and the cleaning area for gas suction passage adjacent said The plasma processing apparatus according to claim 5 , wherein a plurality of plasma processing apparatuses are formed so as to face each counter electrode.
隣接する前記反応ガス供給路および前記反応領域用ガス吸引路が、前記基板の表面における複数の領域に対向するようにそれぞれ複数形成され、前記各領域の前記回転電極の回転方向の下流側に、隣接する前記クリーニングガス供給路および前記クリーニング領域用ガス吸引路が、前記各対向電極に対向するようにそれぞれ複数形成されて、隣接する前記クリーニングガス供給路および前記クリーニング領域用ガス吸引路に対向して前記対向電極がそれぞれ形成されている、請求項5に記載のプラズマ処理装置。The substrate is a flexible substrate, and a rotatable roller around which the flexible substrate is wound is provided around the rotating electrode ,
A plurality of adjacent reaction gas supply passages and reaction region gas suction passages are formed so as to face a plurality of regions on the surface of the substrate, respectively , on the downstream side of the rotation direction of the rotating electrode in each region , A plurality of adjacent cleaning gas supply paths and cleaning area gas suction paths are formed so as to face each of the counter electrodes, and face the adjacent cleaning gas supply path and the cleaning area gas suction path. The plasma processing apparatus according to claim 5 , wherein each of the counter electrodes is formed .
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