JP3822388B2 - Displacement measuring device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、三次元測定機などの変位測定装置に関し、特に三次元測定空間の各軸方向の熱的な変化による誤差を極力少なくするようにした変位測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
三次元測定機では、三次元測定空間を構成する各軸に沿って配置されたスケールを基準とするスケール座標系の中で、種々の測定子が使用されて測定が行われる。この種の三次元測定機では、測定子の交換前後の測定子間の偏差量による測定誤差が生じないように、スケール座標系の中に機械座標系を構築する。図11は、この様子を示す図である。三次元測定機の測定機座標系Xs,Ys,Zsには、マスターボール100が配置されており、このマスターボール100の先端球の中心位置が機械座標系Xm,Ym,Zmの基準原点Omとして定義される。各測定子による測定に先立って、その測定子によりマスターボール100を球測定してその中心座標Omを求める。そして、測定機座標系の原点Osと機械座標系の原点Omとの間のオフセット量Vsm(ベクトル)を記憶して、スケールの読み取り座標値からオフセット量を補正することによって測定子の交換前後の偏差量による測定誤差を取り除く。
【0003】
実際の測定においては、機械座標系Xm,Ym,Zmの中に、更に測定物(ワーク101)の設計図面情報に対応させて測定物座標系Xw,Yw,Zwが構築される。以下、これら機械座標系、測定物座標系を合わせて「測定座標系」と呼ぶことにする。測定物座標系を構築することにより、機械座標系の原点Omと測定物座標系の原点Owとのオフセット量Vmw(ベクトル)についても補正され、測定物座標系に基づく測定値が求められる。いま、図11における測定物座標系(Xw,Yw,Zw)を基準として得られる測定点Pの座標Vwp(ベクトル)は、下記数1のように表すことができる。
【0004】
【数1】
【0005】
従来の三次元測定機では、精密な三次元測定を可能にするために、例えば20℃に正確に制御された測定室で測定作業を行うのが一般的であるため、一度設定された機械座標系及び測定物座標系による測定は、温度変化がないことが前提となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、より高精度の加工を可能にするため、製造ラインの中で加工された製品を逐次測定して、その測定値を加工条件の補正値にフィードバックしていくような、いわゆるインライン型の計測システム等が採用されるに至り、従来のような理想的な温度条件の中での測定が困難になりつつある。このため、測定環境の温度変化が、高精度測定において無視できない測定誤差を招来し、測定精度の低下につながるという問題が生じるようになってきた。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、周囲の温度環境が変化しても、常に高精度な測定を行うことができる変位測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る変位測定装置は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸からなる三次元測定空間が設定され、ベース面がX軸及びY軸と平行な水平面と一致するように配置された、測定対象を載置するベース部材と、このベース部材に対してX軸方向に延びるビーム部材と、このビーム部材を前記ベース部材に対してY軸方向に相対的に移動させるY軸駆動機構と、前記ビーム部材に支持されてX軸方向に移動するコラム部材と、このコラム部材に支持されてZ軸方向に移動するスピンドル部材と、このスピンドル部材に取り付けられて前記測定対象の測定個所を指示する測定子と、前記ビーム部材にX軸方向に沿って一部のみが固定されるように取り付けられて前記ビーム部材に対する前記コラム部材のX軸方向の変位を検出するX軸スケールと、前記ベース部材にY軸方向に沿って一部のみが固定されるように取り付けられて前記ベース部材に対する前記ビーム部材のY軸方向の変位を検出するY軸スケールと、前記コラム部材又はスピンドル部材にZ軸に沿って一部のみが固定されるように取り付けられて前記コラム部材に対する前記スピンドル部材のZ軸方向の変位を検出するZ軸スケールとを備えた変位測定装置において、前記X軸スケール、Y軸スケール及びZ軸スケールは、熱膨張による測定個所での前記各軸方向の寸法変化を考慮した補正値が最も少なくなる特定の部位で固定されていることを特徴とする。
【0011】
例えば、前記ビームの熱膨張係数をα、前記X軸スケールの熱膨張係数をβ、前記ベース部材の熱膨張係数をγとし、α>β、γであるとき、前記X軸スケールは、前記ビーム部材の前記ベース部材における支持位置に近い方の端部で前記ビーム部材に固定される。
【0012】
また、例えば前記ビームの熱膨張係数をα、前記X軸スケールの熱膨張係数をβ、前記ベース部材の熱膨張係数をγとし、α=β=γであるとき、前記X軸スケールは、前記ビーム部材の任意の位置で固定されていれば良い。
【0013】
同様に、前記Y軸スケールは、例えば、前記ベース部材の中心に近い位置で前記ベース部材に固定される。
【0014】
また、前記Y軸スケールの熱膨張係数をβ、前記ベース部材の熱膨張係数をγとし、β=γであるとき、前記Y軸スケールは、前記ベース部材の任意の位置で固定されていれば良い。
【0015】
前記コラム又はスピンドルの熱膨張係数をα、前記Z軸スケールの熱膨張係数をβとし、α>2βであるとき、前記Z軸スケールは、前記コラム又はスピンドルの下端部に近い位置で固定されるようにすればよい。
【0016】
また、前記コラム又はスピンドルの熱膨張係数をα、前記Z軸スケールの熱膨張係数をβとし、α≦2βであるとき、前記Z軸スケールは、前記コラム又はスピンドルの上端部に近い位置で固定されるようにすればよい。
【0017】
この発明によれば、各軸スケールの取付形態や熱膨張係数に応じた各スケールの適切な取付形態を選択することにより、測定誤差を抑制して高精度の測定が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、この発明の一実施例に係るCNC(Computerized Numerical Control)三次元測定システムの構成を示すブロック図である。
このCNC三次元測定システムは、三次元測定機1と、この三次元測定機1を駆動制御すると共に三次元測定機1から必要な測定値を取り込むためのコントローラ2と、このコントローラ2を介して取り込まれた測定値を処理するホストコンピュータ3と、三次元測定機1の測定環境の温度を測定して、その温度データをコントローラ2に供給する一又は複数の温度センサ4とにより構成されている。
【0019】
三次元測定機1は、例えば図2に示すように構成されている。
除振台11の上には、定盤12がその上面をベース面として水平面と一致するように載置され、この定盤12の両側端から立設されたビーム支持体13a,13bの上端でX軸方向に延びるビーム14を支持している。ビーム支持体13aは、その下端がY軸駆動機構15によってY軸方向に駆動される。また、ビーム支持体13bは、その下端がエアーベアリングによって定盤12にY軸方向に移動可能に支持されている。ビーム14は、垂直方向(Z軸方向)に延びるコラム16を支持する。コラム16は、ビーム14に沿ってX軸方向に駆動される。コラム16には、スピンドル17がコラム16に沿ってZ軸方向に駆動されるように設けられている。スピンドル17の下端には、接触式のプローブ18が装着されている。このプローブ18が、定盤12上に載置されたワーク19に接触したときに、プローブ18からコントローラ2にタッチ信号が出力され、そのときのXYZ座標値をコントローラ2が取り込むようになっている。また、定盤12上の所定位置には、後述する機械座標系を構築するためのマスターボール20が装着されている。
【0020】
図3、図4及び図5は、上記三次元測定機1の各軸のスケールを示す図である。
図3〜図5において、ビーム14の下面、定盤12の左縁部及びスピンドル17の前面には、それぞれX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の変位を測定するためのX軸スケール21、Y軸スケール22及びZ軸スケール23が配置されている。温度センサ4は、ビーム14、定盤12、各軸スケール21,22,23、ワーク19などに配置される。各スケール21,22,23は、それが取り付けられる固定要素との間の熱膨脹差による熱応力や歪みの発生を防止するため、その一部のみを固定し、他の部分は固定要素に対してフリー状態となるように装着される。
【0021】
スケール21〜23のこのような装着方法は、例えば図6に示すような構成によって実現できる。即ち、スケール21(22,23)は、その複数個所で、ビーム14(定盤12,スピンドル17)のような固定要素に固定された挟持部31によって支持される。挟持部31には、針状又は球状のコロ軸受(ニードル・ローラー・ベアリング)32が配置されており、これによりスケール21(22,23)は、挟持部31に対してその長手方向の移動に対する摩擦係数の低減を図った状態で支持される。そして、スケール21(22,23)の一端は、固定部材33によって固定される。
【0022】
次に、このように構成された、このシステムの動作について説明する。
図7は、コントローラ2によって実現される測定処理のフローチャートである。
まず、測定に先立って、機械座標系の設定処理が実行される(S1)。機械座標系の設定は、プローブ18によってマスターボール20を球測定することによって行う。マスターボール20の中心位置が機械座標系の原点になる。次に、測定物座標系の設定を行う(S2)。測定物座標系は、プローブ18によってワーク19の基準位置を測定し、ワーク19の設計図面に対応させることにより設定する。測定座標系の設定後、座標系設定フラグを0にリセットする(S2)。次に割り込みタスクで使用するデータTPn,T1,H1を初期化して、割り込みタスクを起動する(S3)。
【0023】
続いて、測定が開始される。パートプログラムの1ラインに対応した測定コマンドの実行(S4)毎に、測定終了のチェックをする(S5)。測定終了でない場合には、座標系設定フラグをチェックし(S6)、座標系設定フラグが1でなければ、次の測定コマンドを実行する。座標系設定フラグは、温度変化有りの場合、後述する割り込み処理によってセットされる。したがって、この座標系設定フラグが1になっていれば、測定座標系の再設定を行うべく、プローブ18を現在位置から座標系再設定の安全位置、即ち機械座標系設定及び測定物座標系設定を行ってもプローブ18がワーク19と干渉しないと思われる安全な位置まで退避し(S7)、機械座標系の設定(S8)と、測定物座標系の設定(S9)とを行って、割り込みを禁止してから(S10)、座標系設定フラグを0にリセットし(S11)、温度データT1と時間データH1とを更新する(S12,S13)。そして、これら2つの座標系設定フラグのリセットとデータの更新が終了したら割り込みを許可して(S14)、次の測定を継続する。
【0024】
次に、割り込みタスクである座標系設定フラグの設定処理を図8に基づき説明する。まず、温度センサ4からの温度測定値を監視して、温度勾配Gを算出する(S21)。具体的には、tを割込みタスクの周期時間としたときに、nタスク前の温度TPnと現在の温度TCより、温度勾配Gを次式により求める(S21)。
【0025】
【数2】
G=|TPn−TC|/n*t
【0026】
次に、現在の温度TCと前回座標系変更時の温度T1とにより、温度変化ΔTを下記のように求める(S22)。
【0027】
【数3】
ΔT=|TC−T1|
【0028】
また、現在の時刻HCと前回座標系変更時の時刻H1とにより、時間経過ΔHを下記のように求める(S23)。
【0029】
【数4】
ΔH=HC−H1
【0030】
そして、温度勾配として、例えば3℃/h(0.05℃/m)未満であれば「温度変化小」とし、それ以外であれば「温度変化大」とする(S24)。もし、温度変化が小であれば、前回座標系変更時との温度変化ΔTが、例えば0.1℃以上であれば、温度が変化したものとする(S25)。また、温度変化大のときは、前回座標系変更時との時間経過ΔHが、例えば5分以上経過した場合に「座標系変更が必要」とする(S26)。以上のように、温度変化有りの条件が満たされた場合には、座標系設定フラグが0であるかどうかを判定する(S27)。座標系設定フラグが1であれば、座標系設定中であるため割り込み処理を終了するが、座標系設定フラグが0であれば、座標系設定フラグを1にセットする(S28)。
【0031】
上記の割り込みタスクによる座標系の再設定処理によれば、監視中の温度勾配が例えば3℃/h未満のようになだらかな場合、指定された温度変化(例えば0.1℃の変化)が観測された時に割り込み座標系再設定処理が行われる。また、温度勾配が例えば3℃/h以上と急な場合には、指定された間隔(例えば、5分)を待って割り込み座標系再設定を行う。これにより、温度勾配がなだらかな場合には、所定の温度変化が観測された時点で測定座標系の再設定がなされ、温度勾配が激しい場合には5分毎に座標系設定フラグが1になって測定座標系の再設定がなされることになる。
【0032】
以上のシステムによれば、測定環境において温度変化が生じたときに、測定座標系の再設定を行うので、温度変化による影響は、スケール21,22,23とワーク19の熱的な寸法変化のみになる。そこで、温度変化に対するスケール21〜23及びワーク19の指示精度の変化を予め求めて関数化しておいて、測定値を補正することにより、温度変化が激しい環境にあっても、極めて高精度の測定が可能になる。
【0033】
また、上述したようなスケールの支持構成を採用しない一般的な場合では、スケール、その支持部材、測定物等の複数の要素の熱的特性を全て勘案した上で、各温度におけるスケール21,22,23の位置や指示精度等を予め求めておいて、これをテーブル化しておいて、補正値として使用すれば良い。
【0034】
監視する温度としては、測定空間内の任意の位置における温度、測定空間内の10〜20個所の位置における温度の平均値、機械の温度、測定物の温度等で最も有効なものを予め決めておけばよい。
【0035】
なお、測定座標系の再設定処理は、マスターボール20に対する測定を含む実際の測定による測定座標値の再設定処理の他に、温度に応じてスケール21,22,23の取付位置変化や寸法変化を考慮した補正値VX,VY,VZを算出し、演算処理によって測定座標値を再設定するようにしても良い。
【0036】
以下、この補正値VX,VY,VZとこれを最小化するスケール21,22,23の好ましい固定位置と、各部材の好ましい熱膨張係数について説明する。
いま、マスターボール20の取付位置が任意であるとした場合、スケール21,22,23の固定位置として最も合理的な位置を考慮すると、次のようになる。
【0037】
(1)X軸スケール21
図3に示すように、測定機座標系のX軸方向の基準位置x0からX軸スケール21の固定位置x1までの距離をL1、固定位置x1から実際の測定位置x2までの距離をLXとし、ビーム14の熱膨張係数をα、スケール21の熱膨張係数をβ、定盤12の熱膨張係数をγとし、基準温度(20℃)と現在の温度との温度差をΔTととすると、温度差ΔTのときのX軸方向の寸法補正値VXは、下記数5のように表すことができる。
【0038】
【数5】
VX=(ΔT・α・L1)+(ΔT・β・LX)−[ΔT・γ・(L1+LX)]
【0039】
上記数5において、ビーム14はステンレス、スケール21はガラス、定盤12は花崗岩で構成されるものとすれば、それらの熱膨張係数α、β、γは、それぞれ、
【0040】
【数6】
α=23.4×10-6/℃
β= 8.0×10-6/℃
γ= 8.0×10-6/℃
【0041】
となるので、αがβ、γの約3倍近くになる。従って、温度補正値VXを小さくするためには、測定機座標系の基準位置x0からスケール21の固定位置x1までの距離L1ができるだけ短い方がよい。つまり、X軸スケール21に関しては、図中左端部をビーム14に対する固定部24とし、その他の部分は、ビーム14に対して移動可能とするのが望ましい。但し、もし三次元測定機1の各部の材料の選定によってα=β=γとすることができるのであれば、X軸スケール21の取付位置に拘わらず、VX=0となるので、固定部24は、X軸スケール21に対して任意の位置とすることができる。
【0042】
(2)Y軸スケール22
また、図4に示すように、測定機座標系のY軸方向の基準位置y0から実際の測定位置y1までの距離をLYとすると、Y軸方向の寸法補正値VYは、下記数7のように表すことができる。
【0043】
【数7】
VY=(ΔT・β・LY)−(ΔT・γ・LY)
【0044】
ワーク19は定盤12のどの位置に載置されるか不明であるが、通常は中心に配置されるものと思われるので、上記数7より、温度補正値VYを小さくするためには、スケール22の固定位置は定盤12の中央部とした方が良い。つまり、Y軸スケール22に関しては、その中央部を固定部25とし、その他の部分は定盤12に対して移動可能とするのが望ましい。但し、もし三次元測定機1の各部の材料の選定によってβ=γとすることができるのであれば、Y軸スケール22の取付位置に拘わらず、VY=0となるので、固定部25は、Y軸スケール22に対して任意の位置とすることができる。
【0045】
(3)Z軸スケール23
また、図5に示すように、測定機座標系のZ軸方向の基準位置(定盤12の上面位置)z0からビーム14の位置z1までの長さをL5、ビーム位置z1からZ軸スケール23の0点(上端)位置z2までの長さをLZ、Z軸スケール23の0点位置z2からZ軸スケール23の下端位置z3までのスケール長さをLS、Z軸スケール23の下端位置z3から実際の測定位置z4までの距離をL6、測定機座標系の基準位置z0からマスターボール20の中心までの距離をL7とし、更にビーム支持体13a,13b及びスピンドル17の熱膨張率をビーム14の熱膨張率と等しいαとし、プローブ18及びマスターボール20の熱膨張率をδとすると、Z軸方向の寸法補正値VZは、次のように表すことができる。
【0046】
【数8】
【0047】
この場合、Wは、Z軸スケール23の固定位置には関係しない値であり、Pは、スケール23が下端で固定された場合に特有の値である。そこで、Pに着目すると、LZ=0のときにPの最小値−ΔT・(α−β)・LSが得られ、LZ=LSのときに、最大値0が得られる。ここで、ΔT=1℃とし、LSを400mm程度として前述した数6の数値を用いてPの取りうる範囲を求めると、次のようになる。
【0048】
【数9】
−6.16≦P≦0
【0049】
【数10】
【0050】
Qに着目すると、LZ=0のときにQの最小値−ΔT・α・LSが得られ、LZ=LSのときに、最大値ΔT・(α−β)・LSが得られる。そこで、前述と同様にQの取りうる範囲を求めると、
【0051】
【数11】
−9.36≦Q≦6.16
【0052】
【数12】
【0053】
R1に着目すると、LZ=0のときにR1の最小値−ΔT・α・LS+ΔT・β・LS/2が得られ、LZ=LS/2のときに、最大値−ΔT・(α−β)・LS/2が得られる。前述と同様にR1の取りうる範囲を求めると、
【0054】
【数13】
−7.76≦R1≦−4.68
【0055】
【数14】
【0056】
R2に着目すると、LZ=LS/2のときにR2の最小値−ΔT・α・LS/2が得られ、LZ=LSのときに、最大値ΔT・(α−β)・LS/2が得られる。前述と同様にR1の取りうる範囲を求めると、
【0057】
【数15】
−4.68≦R1≦3.08
【0058】
よって、全体としては、下記数16のようになる。
【0059】
【数16】
−7.76≦R≦3.08
【0060】
ここで、L5=695mm、L6=400mm、LS=400mm、L7=190mm、α=23.4×10-6/℃、δ=11.0×10-6/℃として、Wを求めると、
【0061】
【数17】
【0062】
となる。従って、この場合のように、α≒2δであれば、P,Q又はRが最小のときにVZも最小になる。また、仮にα=δ=23.4×10-6/℃であるとした場合でも、W=11.349μmとなるので、P,Q又はRが最小のときにVZも最小になる。
【0063】
数値代入時のP,Q,Rを図示すると、図9のようになる。図の交点のLZは、βLS/α≒137(mm)であり、LSの約1/3であるので、この場合には、下固定の場合が最も有利である。ちなみに、PとQを比較すると、
【0064】
【数18】
【0065】
となる。上記のWと対応させて、ΔT=1℃とし考えると、α>βで且つLZ≦βLS/αのときP≧Q、LZ>βLS/αのときP<Qであり、図9とも一致する。以上の点から、
・α>2βならばLZの大半でP<Q(下固定有利)である。
・β<α<2βならばLZの大半でP≧Q(上固定有利)である。
・α≦βならば常にP≧Q(上固定有利)である。
【0066】
これをまとめると、一般的に次のことが言える。
・α>2βならば下固定が有利である。
・α≦2βならば上固定が有利である。
【0067】
従って、もしα=βであれば、Z軸スケール23は、上固定とした方が有利であり、そのときには、
【0068】
【数19】
【0069】
となる。上式の右辺第3項のΔT・α・LZは、LZが0〜LSと変化するときに、0〜ΔT・α・LSと変化するので、第1項と第2項の和を−ΔT・α・LS/2とするのが、Z軸の全範囲を使用する場合に有利である。このとき、
【0070】
【数20】
δ/α=(L5−LS/2)/(L6−L7)
【0071】
となるδを持つ材料を選定するのが望ましい。
【0072】
なお、以上は、CNC三次元測定システムにこの発明を適用した例について説明したが、図10は、マニュアル型の三次元測定システムにこの発明を適用した例を示している。この場合、三次元測定機1からマニュアル操作によって得られたXYZの各方向の変位情報と温度センサ4からの温度情報とがカウンタ5を介してホストコンピュータ3に取り込まれる。ホストコンピュータ3は、測定環境内に設置した温度センサ4により温度を監視し、温度が変化したと判定された場合に、オペレータに警告音又は警告表示を与える。そして必要に応じて測定中断処理を実行する。オペレータは、警告音又は警告表示がなされたときに、測定を中断して割り込みの座標系再設定のタスクを起動して、測定座標系の再設定を行う。以後、設定された新たな座標系により測定が行われる。このような方法によっても高精度の測定が可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、測定対象の変位を読み取るスケールと、これを支持する支持手段の熱膨張による測定位置の変動が最も少なくなるように、スケールが固定手段に固定され、或いは最適な熱膨張係数の材料が選定されるので、
▲1▼測定環境内の温度が変動しても、測定誤差を抑制することができ、常に精度の良い測定結果を得ることができる、
▲2▼測定途中で温度変化が大きい実際の測定環境でも、高精度測定が可能である、
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るCNC三次元測定システムを示すブロック図である。
【図2】 同システムにおける三次元測定機の外観斜視図である。
【図3】 同三次元測定機のX軸スケールを示す正面図である。
【図4】 同三次元測定機のY軸スケールを示す上面図である。
【図5】 同三次元測定機のZ軸スケールを示す正面図である。
【図6】 同スケールの支持構造の一例を示す側面図及び平面図である。
【図7】 同システムの測定処理を示すフローチャートである。
【図8】 同システムの割り込み座標軸設定タスクを示すフローチャートである。
【図9】 Z軸スケールの固定位置とZ軸補正値との関係を示すグラフである。
【図10】 本発明の他の実施例に係るマニュアル型三次元測定システムを示すブロック図である。
【図11】 三次元測定機における測定座標系の設定処理を説明する為の図である。
【符号の説明】
1…三次元測定機、2…コントローラ、3…ホストコンピュータ、4…温度センサ、5…カウンタ、12…定盤、14…ビーム、16…コラム、17…スピンドル、18…プローブ、19…ワーク、20…マスターボール。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a displacement measuring apparatus such as a three-dimensional measuring machine, and more particularly to a displacement measuring apparatus that minimizes errors due to thermal changes in the respective axial directions of a three-dimensional measurement space.
[0002]
[Prior art]
In a three-dimensional measuring machine, measurement is performed using various measuring elements in a scale coordinate system based on a scale arranged along each axis constituting a three-dimensional measurement space. In this type of coordinate measuring machine, a machine coordinate system is constructed in the scale coordinate system so as not to cause a measurement error due to a deviation amount between the measurement elements before and after the exchange of the measurement elements. FIG. 11 is a diagram showing this state. A master ball 100 is arranged in the measuring machine coordinate system Xs, Ys, Zs of the three-dimensional measuring machine, and the center position of the tip sphere of the master ball 100 is set as a reference origin Om of the machine coordinate system Xm, Ym, Zm. Defined. Prior to measurement by each measuring element, the master ball 100 is measured by the measuring element to determine its center coordinate Om. Then, the offset amount Vsm (vector) between the origin Os of the measuring machine coordinate system and the origin Om of the machine coordinate system is stored, and the offset amount is corrected from the read coordinate value of the scale before and after the replacement of the probe. Remove measurement error due to deviation.
[0003]
In actual measurement, the object coordinate system Xw, Yw, Zw is constructed in the machine coordinate system Xm, Ym, Zm in correspondence with the design drawing information of the object to be measured (work 101). Hereinafter, the machine coordinate system and the measurement object coordinate system are collectively referred to as a “measurement coordinate system”. By constructing the measurement object coordinate system, the offset amount Vmw (vector) between the origin Om of the machine coordinate system and the origin Ow of the measurement object coordinate system is also corrected, and a measurement value based on the measurement object coordinate system is obtained. Now, the coordinates Vwp (vector) of the measurement point P obtained with reference to the measured object coordinate system (Xw, Yw, Zw) in FIG. 11 can be expressed as the following equation (1).
[0004]
[Expression 1]
[0005]
In a conventional coordinate measuring machine, in order to enable precise three-dimensional measurement, it is common to perform measurement work in a measurement chamber accurately controlled at, for example, 20 ° C. The measurement using the system and the measured object coordinate system is based on the assumption that there is no temperature change.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in recent years, in order to enable higher-precision processing, the so-called in-line type, in which products processed in the production line are sequentially measured and the measured values are fed back to the correction values for the processing conditions. Measurement systems and the like have been adopted, and measurement under ideal temperature conditions as in the past is becoming difficult. For this reason, a temperature change in the measurement environment causes a measurement error that cannot be ignored in high-accuracy measurement, leading to a problem that the measurement accuracy is lowered.
[0007]
The present invention has been made in view of these points, and an object of the present invention is to provide a displacement measuring apparatus that can always perform highly accurate measurement even when the ambient temperature environment changes.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
Ru engaged to the present invention displacement of the measuring apparatus is set three-dimensional measurement space of X axis, Y axis and Z axis orthogonal to each other, arranged so that the base surface coincides with the X-axis and Y-axis parallel to the horizontal plane A base member on which the measurement object is placed, a beam member extending in the X-axis direction with respect to the base member, and a Y-axis drive for moving the beam member relative to the base member in the Y-axis direction. A mechanism, a column member that is supported by the beam member and moves in the X-axis direction, a spindle member that is supported by the column member and moves in the Z-axis direction, and a measurement location of the measurement object attached to the spindle member An X-axis scale for detecting a displacement of the column member in the X-axis direction with respect to the beam member attached to the beam member so that only a part thereof is fixed along the X-axis direction. A Y-axis scale attached to the base member so that only a part thereof is fixed along the Y-axis direction, and detecting a displacement of the beam member in the Y-axis direction relative to the base member; and the column member or spindle A displacement measuring device comprising a Z-axis scale attached to a member so that only a part thereof is fixed along the Z-axis and detecting a displacement of the spindle member in the Z-axis direction with respect to the column member. The scale, the Y-axis scale, and the Z-axis scale are fixed at a specific portion where the correction value considering the dimensional change in each axial direction at the measurement location due to thermal expansion is minimized.
[0011]
For example, when the thermal expansion coefficient of the beam is α, the thermal expansion coefficient of the X-axis scale is β, the thermal expansion coefficient of the base member is γ, and α> β, γ, the X-axis scale is The member is fixed to the beam member at an end portion closer to the support position of the base member.
[0012]
For example, when the thermal expansion coefficient of the beam is α, the thermal expansion coefficient of the X-axis scale is β, the thermal expansion coefficient of the base member is γ, and α = β = γ, the X-axis scale is What is necessary is just to be fixed in the arbitrary positions of a beam member.
[0013]
Similarly, the Y-axis scale is fixed to the base member at a position close to the center of the base member, for example.
[0014]
Further, when the thermal expansion coefficient of the Y-axis scale is β, the thermal expansion coefficient of the base member is γ, and β = γ, the Y-axis scale is fixed at an arbitrary position of the base member. good.
[0015]
When the thermal expansion coefficient of the column or spindle is α, the thermal expansion coefficient of the Z-axis scale is β, and α> 2β, the Z-axis scale is fixed at a position close to the lower end of the column or spindle. What should I do?
[0016]
Further, when the thermal expansion coefficient of the column or spindle is α, the thermal expansion coefficient of the Z-axis scale is β, and α ≦ 2β, the Z-axis scale is fixed at a position close to the upper end of the column or spindle. What should I do?
[0017]
According to the present invention, by selecting an appropriate attachment form of each scale according to the attachment form of each axis scale and the thermal expansion coefficient, it is possible to perform measurement with high accuracy while suppressing measurement errors.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a block diagram showing a configuration of a CNC (Computerized Numerical Control) three-dimensional measurement system according to an embodiment of the present invention.
This CNC coordinate measuring system includes a
[0019]
The
A
[0020]
3, 4, and 5 are diagrams illustrating the scales of the respective axes of the coordinate measuring
3 to 5, an
[0021]
Such a mounting method of the
[0022]
Next, the operation of this system configured as described above will be described.
FIG. 7 is a flowchart of the measurement process realized by the
First, prior to measurement, a machine coordinate system setting process is executed (S1). The machine coordinate system is set by measuring the ball of the
[0023]
Subsequently, measurement is started. Every time the measurement command corresponding to one line of the part program is executed (S4), the end of measurement is checked (S5). If the measurement is not finished, the coordinate system setting flag is checked (S6). If the coordinate system setting flag is not 1, the next measurement command is executed. The coordinate system setting flag is set by an interrupt process described later when there is a temperature change. Therefore, if this coordinate system setting flag is 1, in order to reset the measurement coordinate system, the
[0024]
Next, the coordinate system setting flag setting process, which is an interrupt task, will be described with reference to FIG. First, the temperature measurement value from the
[0025]
[Expression 2]
G = | TPn−TC | / n * t
[0026]
Next, a temperature change ΔT is obtained as follows from the current temperature TC and the temperature T1 when the previous coordinate system was changed (S22).
[0027]
[Equation 3]
ΔT = | TC−T1 |
[0028]
Further, the time lapse ΔH is obtained as follows from the current time HC and the time H1 when the previous coordinate system was changed (S23).
[0029]
[Expression 4]
ΔH = HC-H1
[0030]
For example, if the temperature gradient is less than 3 ° C./h (0.05 ° C./m), “low temperature change” is set, and otherwise “high temperature change” is set (S24). If any temperature change is small, the temperature change ΔT of the previous coordinate system changes, for example if 0.1 ° C. or higher, it is assumed that the temperature is changed (S25). Further, when the temperature change large, the time lapse ΔH between the previous coordinate system changed, and "coordinate system needs to be changed" if the elapsed example more than 5 minutes (S26). As described above, when the condition with temperature change is satisfied, it is determined whether the coordinate system setting flag is 0 (S27). If the coordinate system setting flag is 1, the interrupt process is terminated because the coordinate system is being set, but if the coordinate system setting flag is 0, the coordinate system setting flag is set to 1 (S28).
[0031]
According to the coordinate system resetting process by the interrupt task described above, the specified temperature change (eg, 0.1 ° C change) is observed when the temperature gradient being monitored is gentle, for example, less than 3 ° C / h. When it is done, the interrupt coordinate system resetting process is performed. When the temperature gradient is steep, for example, 3 ° C./h or more, the interrupt coordinate system is reset after waiting for a specified interval (for example, 5 minutes). Accordingly, when the temperature gradient is gentle, the measurement coordinate system is reset when a predetermined temperature change is observed. When the temperature gradient is severe, the coordinate system setting flag is set to 1 every 5 minutes. Thus, the measurement coordinate system is reset.
[0032]
According to the above system, when the temperature change occurs in the measurement environment, the measurement coordinate system is reset. Therefore, the influence of the temperature change is only the thermal dimensional change of the
[0033]
Further, in a general case where the scale support structure as described above is not adopted, the
[0034]
As the temperature to be monitored, the most effective temperature is determined in advance, such as the temperature at an arbitrary position in the measurement space, the average value of the temperature at 10 to 20 positions in the measurement space, the temperature of the machine, the temperature of the measurement object, etc. Just keep it.
[0035]
Note that the measurement coordinate system resetting process is not limited to the measurement coordinate value resetting process based on the actual measurement including the measurement with respect to the
[0036]
Hereinafter, the correction values VX, VY, VZ, preferred fixing positions of the
Now, assuming that the mounting position of the
[0037]
(1)
As shown in FIG. 3, the distance from the reference position x0 in the X-axis direction of the measuring machine coordinate system to the fixed position x1 of the
[0038]
[Equation 5]
VX = (ΔT · α · L1) + (ΔT · β · LX) − [ΔT · γ · (L1 + LX)]
[0039]
In
[0040]
[Formula 6]
α = 23.4 × 10 −6 / ° C.
β = 8.0 × 10 −6 / ° C.
γ = 8.0 × 10 −6 / ° C.
[0041]
Therefore, α is nearly three times as large as β and γ. Therefore, in order to reduce the temperature correction value VX, it is preferable that the distance L1 from the reference position x0 of the measuring machine coordinate system to the fixed position x1 of the
[0042]
(2) Y-
As shown in FIG. 4, if the distance from the reference position y0 in the Y-axis direction of the measuring machine coordinate system to the actual measurement position y1 is LY, the dimension correction value VY in the Y-axis direction is Can be expressed as
[0043]
[Expression 7]
VY = (ΔT · β · LY) − (ΔT · γ · LY)
[0044]
It is unclear at which position on the
[0045]
(3) Z-
Further, as shown in FIG. 5, the length from the reference position (upper surface position of the surface plate 12) z0 to the position z1 of the
[0046]
[Equation 8]
[0047]
In this case, W is a value that is not related to the fixed position of the Z-
[0048]
[Equation 9]
−6.16 ≦ P ≦ 0
[0049]
[Expression 10]
[0050]
Focusing on Q, a minimum value of -ΔT · α · LS is obtained when LZ = 0, and a maximum value ΔT · (α-β) · LS is obtained when LZ = LS. Therefore, when the range that Q can take is obtained in the same manner as described above,
[0051]
[Expression 11]
−9.36 ≦ Q ≦ 6.16
[0052]
[Expression 12]
[0053]
Focusing on R1, when LZ = 0, the minimum value of R1 −ΔT · α · LS + ΔT · β · LS / 2 is obtained, and when LZ = LS / 2, the maximum value −ΔT · (α−β) is obtained. -LS / 2 is obtained. As with the above, when the range that R1 can take is calculated,
[0054]
[Formula 13]
−7.76 ≦ R1 ≦ −4.68
[0055]
[Expression 14]
[0056]
Focusing on R2, when LZ = LS / 2, the minimum value of R2−ΔT · α · LS / 2 is obtained, and when LZ = LS, the maximum value ΔT · (α−β) · LS / 2 is obtained. can get. As with the above, when the range that R1 can take is calculated,
[0057]
[Expression 15]
-4.68 ≦ R1 ≦ 3.08
[0058]
Therefore, the following
[0059]
[Expression 16]
−7.76 ≦ R ≦ 3.08
[0060]
Here, L5 = 695mm, L6 = 400mm , LS = 400mm, L7 = 190mm, as α = 23.4 × 10 -6 /℃,δ=11.0×10 -6 / ℃, when obtaining the W,
[0061]
[Expression 17]
[0062]
It becomes. Therefore, as in this case, if α≈2δ, VZ is also minimum when P, Q, or R is minimum. Even if α = δ = 23.4 × 10 −6 / ° C., W = 11.3349 μm, so that VZ is minimized when P, Q or R is minimum.
[0063]
P, Q, and R at the time of numerical substitution are shown in FIG. The LZ at the intersection point in the figure is βLS / α≈137 (mm), which is about 3 of LS, and in this case, the bottom fixing is the most advantageous. By the way, comparing P and Q,
[0064]
[Formula 18]
[0065]
It becomes. Considering ΔT = 1 ° C. in correspondence with the above W, P ≧ Q when α> β and LZ ≦ βLS / α, and P <Q when LZ> βLS / α, which is consistent with FIG. . From the above points,
If α> 2β, P <Q (lower fixed advantage) in most of LZ.
If β <α <2β, P ≧ Q (upper fixed advantage) in most of LZ.
・ If α ≦ β, always P ≧ Q (upper fixed advantage).
[0066]
In general, the following can be said.
・ If α> 2β, bottom fixing is advantageous.
・ If α ≦ 2β, top fixing is advantageous.
[0067]
Therefore, if α = β, it is advantageous that the Z-
[0068]
[Equation 19]
[0069]
It becomes. Since ΔT · α · LZ in the third term on the right side of the above equation changes from 0 to ΔT · α · LS when LZ changes from 0 to LS, the sum of the first term and the second term is expressed as −ΔT. • α · LS / 2 is advantageous when the entire range of the Z-axis is used. At this time,
[0070]
[Expression 20]
δ / α = (L5-LS / 2) / (L6-L7)
[0071]
It is desirable to select a material having δ such that
[0072]
Although the example in which the present invention is applied to the CNC three-dimensional measurement system has been described above, FIG. 10 illustrates an example in which the present invention is applied to a manual three-dimensional measurement system. In this case, displacement information in each direction of XYZ obtained by manual operation from the coordinate measuring
[0073]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the scale is fixed to the fixing means so that the variation of the measurement position due to the thermal expansion of the scale that reads the displacement of the measurement object and the support means that supports the scale is minimized, Alternatively, the material with the optimum coefficient of thermal expansion is selected,
(1) Even if the temperature in the measurement environment fluctuates, measurement errors can be suppressed, and accurate measurement results can always be obtained.
(2) High-precision measurement is possible even in an actual measurement environment where the temperature change is large during measurement.
There is an effect.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a CNC three-dimensional measurement system according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an external perspective view of a coordinate measuring machine in the system.
FIG. 3 is a front view showing an X-axis scale of the coordinate measuring machine.
FIG. 4 is a top view showing a Y-axis scale of the coordinate measuring machine.
FIG. 5 is a front view showing a Z-axis scale of the coordinate measuring machine.
6A and 6B are a side view and a plan view showing an example of a support structure of the same scale.
FIG. 7 is a flowchart showing measurement processing of the system.
FIG. 8 is a flowchart showing an interrupt coordinate axis setting task of the system.
FIG. 9 is a graph showing a relationship between a fixed position of a Z-axis scale and a Z-axis correction value.
FIG. 10 is a block diagram showing a manual type three-dimensional measurement system according to another embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a diagram for explaining measurement coordinate system setting processing in the coordinate measuring machine.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (9)
ベース面がX軸及びY軸と平行な水平面と一致するように配置された、測定対象を載置するベース部材と、
このベース部材に対してX軸方向に延びるビーム部材と、
このビーム部材を前記ベース部材に対してY軸方向に相対的に移動させるY軸駆動機構と、
前記ビーム部材に支持されてX軸方向に移動するコラム部材と、
このコラム部材に支持されてZ軸方向に移動するスピンドル部材と、
このスピンドル部材に取り付けられて前記測定対象の測定個所を指示する測定子と、
前記ビーム部材にX軸方向に沿って一部のみが固定されるように取り付けられて前記ビーム部材に対する前記コラム部材のX軸方向の変位を検出するX軸スケールと、
前記ベース部材にY軸方向に沿って一部のみが固定されるように取り付けられて前記ベース部材に対する前記ビーム部材のY軸方向の変位を検出するY軸スケールと、
前記コラム部材又はスピンドル部材にZ軸に沿って一部のみが固定されるように取り付けられて前記コラム部材に対する前記スピンドル部材のZ軸方向の変位を検出するZ軸スケールと
を備えた変位測定装置において、
前記X軸スケール、Y軸スケール及びZ軸スケールは、熱膨張による測定個所での前記各軸方向の寸法変化を考慮した補正値が最も少なくなる特定の部位で固定されている
ことを特徴とする変位測定装置。A three-dimensional measurement space consisting of an X axis, a Y axis and a Z axis orthogonal to each other is set,
A base member on which a measurement object is placed, the base surface being arranged so as to coincide with a horizontal plane parallel to the X axis and the Y axis;
A beam member extending in the X-axis direction with respect to the base member;
A Y-axis drive mechanism for moving the beam member relative to the base member in the Y-axis direction;
A column member supported by the beam member and moving in the X-axis direction;
A spindle member that is supported by the column member and moves in the Z-axis direction;
A measuring element attached to the spindle member and indicating a measurement location of the measurement object;
An X-axis scale attached to the beam member so that only a part thereof is fixed along the X-axis direction and detecting a displacement of the column member relative to the beam member in the X-axis direction;
A Y-axis scale attached to the base member so that only a part thereof is fixed along the Y-axis direction, and detecting a displacement of the beam member in the Y-axis direction relative to the base member;
A displacement measuring device comprising: a Z-axis scale attached to the column member or the spindle member so that only a part thereof is fixed along the Z-axis, and detecting a displacement of the spindle member relative to the column member in the Z-axis direction. In
The X-axis scale, the Y-axis scale, and the Z-axis scale are fixed at a specific portion where the correction value considering the dimensional change in each axial direction at the measurement location due to thermal expansion is minimized. Displacement measuring device.
前記X軸スケールは、前記ビーム部材の前記ベース部材における支持位置に近い方の端部で前記ビーム部材に固定されている
ことを特徴とする請求項1記載の変位測定装置。When the thermal expansion coefficient of the beam is α, the thermal expansion coefficient of the X-axis scale is β, the thermal expansion coefficient of the base member is γ, and α> β, γ,
The displacement measuring apparatus according to claim 1 , wherein the X-axis scale is fixed to the beam member at an end portion of the beam member closer to a support position of the base member.
前記X軸スケールは、前記ビーム部材の任意の位置で固定されている
ことを特徴とする請求項1記載の変位測定装置。When the thermal expansion coefficient of the beam is α, the thermal expansion coefficient of the X-axis scale is β, the thermal expansion coefficient of the base member is γ, and α = β = γ,
The displacement measuring apparatus according to claim 1 , wherein the X-axis scale is fixed at an arbitrary position of the beam member.
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の変位測定装置。The displacement measuring apparatus according to claim 1 , wherein the Y-axis scale is fixed to the base member at a position close to the center of the base member.
前記Y軸スケールは、前記ベース部材の任意の位置で固定されている
ことを特徴とする請求項1又は3記載の変位測定装置。When the thermal expansion coefficient of the Y-axis scale is β, the thermal expansion coefficient of the base member is γ, and β = γ,
The displacement measuring apparatus according to claim 1 or 3 , wherein the Y-axis scale is fixed at an arbitrary position of the base member.
前記Z軸スケールは、前記コラム又はスピンドルの下端部に近い位置で固定されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の変位測定装置。When the thermal expansion coefficient of the column or spindle is α, the thermal expansion coefficient of the Z-axis scale is β, and α> 2β,
The displacement measuring device according to claim 1 or 2 , wherein the Z-axis scale is fixed at a position close to a lower end portion of the column or spindle.
前記Z軸スケールは、前記コラム又はスピンドルの上端部に近い位置で固定されている
ことを特徴とする請求項1又は3記載の変位測定装置。When the thermal expansion coefficient of the column or spindle is α, the thermal expansion coefficient of the Z-axis scale is β, and α ≦ 2β,
The displacement measuring device according to claim 1 or 3 , wherein the Z-axis scale is fixed at a position close to an upper end portion of the column or spindle.
前記X軸スケールは、
VX=(ΔT・α・L1)+(ΔT・β・LX)−[ΔT・γ・(L1+LX)]
で表される前記X軸方向の補正値が、最小になる位置に固定される
ことを特徴とする請求項1記載の変位測定装置。The distance from the reference position in the X-axis direction to the fixed position of the beam member on the X-axis scale is L1, the distance from the fixed position to the actual measurement position is LX, the thermal expansion coefficient of the beam member is α, When the thermal expansion coefficient of the X-axis scale is β, the thermal expansion coefficient of the base member is γ, and the temperature difference between the reference temperature and the current temperature is ΔT,
The X-axis scale is
VX = (ΔT · α · L1) + (ΔT · β · LX) − [ΔT · γ · (L1 + LX)]
The displacement measuring device according to claim 1, wherein the correction value in the X-axis direction expressed by
ことを特徴とする請求項8記載の変位測定装置。The displacement measurement apparatus according to claim 8 , wherein the detected measurement value of displacement in the X-axis direction is corrected by the correction value VX in the X-axis direction.
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