JP3821251B2 - 異物判定装置および異物判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハなどの基板上に付着した異物を検査する異物検査装置が、ピンセットなどでつけた基板上の傷を異物として検出する場合に、検出された全異物の位置を示す座標データから、傷による異物とそうでないものとを区別し、傷による異物の数を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置内の異物は、歩留りの低下を引き起こす。歩留りの低下を避けるため、半導体製造装置内の壁面などに付着した異物などを除去する必要がある。異物の除去は、半導体ウェハ上の異物の個数が予め決められた値になったときに、行われる。半導体ウェハ上の異物は異物検査装置によって検出され、検出された異物の個数を数えることにより、半導体ウェハ上の異物の数を知ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
異物検査装置は、ピンセットなどによって半導体ウェハが傷つけられている場合、その傷を複数の異物として検出する。つまり、異物検査装置は、パーティクルなどの異物と、傷による異物とを異物として検出する。
【0004】
このため、単に、異物検査装置が検出した異物の数が、予め決められた値を超えたからといって、半導体製造装置を清掃する必要があると判定することはできない。異物検査装置が検出した異物の数から、傷による異物の数を引いた値が、予め決められた値を超えた場合に、半導体製造装置を清掃する必要があると判定する必要がある。つまり、半導体ウェハ内の傷による異物の数を求めなければならないという問題点があった。傷による異物とは、ピンセットなどによって半導体ウェハが傷つけられ、異物検査装置が、半導体ウェハの傷を異物として検出したものをいう。
【0005】
本発明は、上記問題点を鑑み、傷による異物を数えることができる異物の数を測定する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の異物判定装置は、基板上に存在する異物を検知してその座標位置を計測する異物検査装置によって計測された各異物の座標位置を記憶する記憶部と、CPUとを有する異物判定装置であって、前記CPUが、前記記憶部に記憶された任意の異物の座標位置を中心として予め設定された大きさの第1の領域を設定する第1設定手段と、前記第1の領域中に含まれる異物を前記記憶部の座標位置から抽出する第1抽出手段と、前記第1抽出手段によって抽出された異物の分布方向を示す直線を求めて、該直線に平行であって前記第1の領域の中心を通る第1直線上に、予め設定された大きさの第2領域を、前記第1の領域に接した状態で設定する第2設定手段と、前記第2の領域を前記第1の領域の周縁部の全周に沿って移動させた場合に、前記第2の領域の面積が、前記第1の直線上において最大、かつ、該第1の直線と直交する直線上において最小であって、前記移動に伴って単調に変化するように設定する第3設定手段と、前記第2の領域を前記第1の領域の周縁部の全周に沿って移動させた場合に、その移動に伴って該第2の領域内に順次新たに含まれる異物を前記記憶部の座標位置から抽出する第2抽出手段と、前記第1抽出手段と前記第2抽出手段とによってそれぞれ抽出された異物の数の合計が予め決められた数以上であるかを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
前記第1設定手段は、前記第1抽出手段および前記第2抽出手段にて抽出された異物の座標位置以外の異物の座標位置を中心として前記第1の領域を新たに設定して、前記第2設定手段、前記第1抽出手段、前記第2抽出手段および前記判定手段による動作が繰り返すことを特徴としてもよい。
【0010】
前記動作の繰り返しが、前記記憶部に記憶された全ての異物の座標位置が1度ずつ抽出されるまで行なわれることを特徴としてもよい。
【0011】
前記第1の領域および第2の領域は、それぞれが円、楕円、正方形、六角形のいずれかであるか、前記第1の領域が円であって前記第2の領域が楕円であることを特徴としてもよい。
【0014】
また、本発明は、請求項1に記載の異物判定装置による異物判定方法であって、前記第1設定手段によって、前記記憶部に記憶された任意の異物の座標位置を中心として予め設定された大きさの第1の領域を設定する第1設定工程と、前記第1抽出手段によって、前記第1の領域中に含まれる異物を前記記憶部の座標位置から抽出する第1抽出工程と、前記第2設定手段によって、前記第1抽出工程にて抽出された異物の分布方向を示す直線を求めて、該直線に平行であって前記第1の領域の中心を通る第1直線上に、予め設定された大きさの第2領域を、前記第1の領域に接した状態で設定する第2設定工程と、前記第2設定手段によって、前記第2の領域を前記第1の領域の周縁部の全周に沿って移動させる場合に、その移動に伴って前記第2の領域の面積が、前記第1の直線上において最大、該第1の直線と直交する直線上において最小であって、前記移動に伴って単調に変化するように設定する第3設定工程と、次いで、前記第2抽出手段によって、前記第2の領域を前記第1の領域の周縁部の全周に沿って移動させる場合に、その移動に伴って該第2の領域内に順次新たに含まれる異物を前記記憶部の座標位置から抽出する第2抽出工程と、
前記判定手段によって、前記第1抽出工程および前記第2抽出工程にてそれぞれ抽出された異物の数の合計が予め決められた数以上であるかを判定する判定工程と、を前記CPUが順次実行することを特徴とする。
【0015】
前記第1抽出工程および前記第2抽出工程において前記記憶部に記憶された全ての異物の座標位置がそれぞれ1度だけ抽出されるまで、前記全ての工程を繰り返し実行すことを特徴としてもよい。
【0016】
前記第1の領域および第2の領域は、それぞれが円、楕円、正方形、六角形のいずれかであるか、前記第1の領域が円であって前記第2の領域が楕円であることを特徴としてもよい。
【0043】
作用を説明する。
【0044】
本発明は上記した構成によって、密集している異物を第1および第k(kは2以上の整数)の閉曲線内で抽出し、抽出した異物の位置を示す座標データを記憶装置に記録する。異物検査装置は、ピンセットなどでつけた基板上の傷を密集した多数の異物として検出するため、検出した全異物の位置を示す座標データから密集している異物の座標データのみを抽出することにより、検出された全異物に対して、傷による異物とそうでないものとに分類できることとなる。
【0045】
さらに、傷による異物の場合、密集した異物の集合体が点線のように少し距離を開けながら点在している場合があるため、異物が密集している方向に位置する第kの閉曲線を拡大することにより、密集した異物の集合体が少し距離を開けながら点在している場合でも、本発明では、それらの異物を抽出することができることとなる。なお、閉曲線を拡大するために、閉曲線が円の場合は半径を、楕円の場合は長軸を長くしている。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の異物の数を測定する方法を、図面を参照しながら説明する。
【0047】
(実施形態1)
以下に、本発明の第1の実施形態における異物の数を測定する方法を図1(a)〜1(c)を用いて説明する。
【0048】
図1(a)〜1(c)は、領域100に異物が分布していることを示している。半導体ウェハ上の異物の位置は、異物検査装置によって、予め求められている。
【0049】
図1(a)には、領域100における、複数の異物と、点111を中心とする半径aの第1の円110とが示されている。第1の円110に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX1とする。任意の点111は、予め求められたある異物の位置にある。
【0050】
図1(b)には、領域100における、複数の異物と、第1の円110と、その第1の円110に接する半径bの第2の円120とが示されている。第2の円120に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX2とする。なお、第2の円120の半径bは、第1の円110の半径aと同じであってもよい。
【0051】
図1(c)には、領域100における、複数の異物と、第1の円110と、その第1の円110に接する半径bの第2の円120と、その第1の円110の円周に接するように移動させた複数の第2の円130、140および150が示されている。なお、第2の円は、第1の円と接しながら一周する。
【0052】
第1の円と接しながら移動した第2の円130に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX3とする。同様に、第1の円と接しながら移動した第2の円140、および150...のそれぞれに囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をそれぞれX4、X5...とする。第1の円と接しながら一周する第2の円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、SX2=X2+X3+X4+X5...となる。
【0053】
異物の数X1と異物の数SX2との合計が、予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。なぜなら、傷による異物は、まんべんなく領域100に存在する確率が低く、領域100のある部分に密集する確率が高いからである。なお、パーティクルなどの異物は、まんべんなく領域100に存在する確率が高く、領域100のある部分に密集する確率が低い。
【0054】
同様に、上述した動作が繰り返される。具体的には、領域100における、点111を除く他の任意の点を中心とする半径aの第1の円に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。上記他の任意の点を中心とする半径aの第1の円に接する半径bの第2の円に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。さらに、第1の円に接するように第2の円を一周させ、その第2の円に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。
【0055】
第1の円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数と、第1の円と接しながら一周する第2の円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数との和が、予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。
【0056】
上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0057】
図2は、本発明の異物の数を測定する方法を実行する装置の一例を示している。
【0058】
異物検査装置5は、半導体ウェハ上の異物の、位置と数とを検出する。異物検査装置5としては、例えば、KLA Instruments Corporation製:KLA2130などが用いられてもよい。
【0059】
CPU10は、後述する、本発明の異物の数を測定する方法の処理を実行する。本発明の異物の数を測定する方法の処理を表すプログラムは、フロッピーディスクおよび光ディスクなどの記憶媒体(図示されず)に記憶されていてもよい。CPU10は、その記憶媒体から、本発明の異物の数を測定する方法の処理を表すプログラムを呼び出すことができる。
【0060】
なお、上記プログラムは、リードオンリーメモリ(ROM)(図示されず)に書き込まれていてもよい。この場合、CPU10は、そのROMから、上記プログラムを呼び出すことができる。
【0061】
記憶部20は、異物検査装置5によって検出された異物の座標データなどを格納する。座標データは、X座標データとY座標データとからなる。図3に示すように、記憶部20は、X座標データを格納するフィールド21と、Y座標データを格納するフィールド22と、座標データが抽出されたか否かを示すフラグの値を格納するフィールド23とを有する。座標データが抽出されるまで、フィールド23には、0が格納されている。座標データが抽出された場合には、フィールド23に1が格納される。座標データが抽出されるとは、X座標データとY座標データが抽出される場合をいう。
【0062】
さらに、図4に示すように、記憶部20は、X座標データを格納するフィールド31とY座標データを格納するフィールド32とを有している。
【0063】
図5は、本発明の第1の実施形態における異物の数を測定する方法の処理手順を説明するフローチャートを示している。
【0064】
ステップS100では、CPU10が、記憶部20のフィールド21および22に格納され、フラグの値が0である異物の座標データから任意の座標データ(m,n)を抽出する。異物の座標データは、異物検査装置5によって検出され、記憶部20のフィールド21および22に記憶されている。
【0065】
ステップS101では、CPU10は、抽出された座標データ(m,n)に対応するフラグの値を0から1に変更する。
【0066】
ステップS102では、CPU10は、抽出された座標データ(m,n)を中心とする第1の円を設定する。第1の円の半径は予め決められた値であり、本実施形態では10μmとする。
【0067】
ステップS103では、CPU10は、第1の円に囲まれる部分に存在し、対応するフラグが0である異物の座標データを記憶部20から抽出する。
【0068】
ステップS104では、CPU10は、ステップS103において、抽出された座標データに対応するフラグの値を0から1に変更する。
【0069】
ステップS105では、CPU10は、ステップS103において、抽出された座標データを記憶部20のフィールド31およびフィールド32に格納し、処理はステップS106に進む。
【0070】
ステップS106では、CPU10は、第1の円に接する第2の円を設定する。第2の円の半径は、予め決められた値であり、本実施形態では10μmとしている。
【0071】
ステップS107では、CPU10は、第1の円に接するように、第2の円を第1の円の外周を等間隔で移動させる。本実施形態では、図6に示すように、第2の円は、第1の円に接するように、第1の円の外周を1゜ずつ右回りに移動する。なお、第1の円の周りに位置する異物を精度良く検出するためには、角度θを小さくすることが望ましい。
【0072】
ステップS108では、第2の円が第1の円の外周を等間隔で移動する毎に、CPU10は、第2の円に囲まれる部分に存在し、対応するフラグが0である異物の座標データを抽出する。具体的には、CPU10は、記憶部20に格納されている座標データを検索する。
【0073】
ステップS109では、CPU10は、ステップS108において、抽出された座標データに対応するフラグの値を0から1に変更する。
【0074】
ステップS110では、CPU10は、ステップS108において、抽出された座標データを記憶部20のフィールド31およびフィールド32に格納し、処理はステップS111に進む。
【0075】
ステップS111では、CPU10は、第2の円が第1の円の外周を一周したか否かを判定する。ステップS111において、CPU10が第2の円が第1の円の外周を一周したと判定する場合には、処理はステップS112に進む。ステップS111において、CPU10が第2の円が第1の円の外周を一周していないと判定する場合には、処理はステップS107に進む。
【0076】
ステップS112では、CPU10は、記憶部20のフィールド31および32に格納されている座標データの数が予め決められた数以上であるか否かを判定する。つまり、フィールド31および32に格納されている座標データの数が予め決められた数以上である場合に、第1の円および第2の円に含まれる異物が、傷による異物であると見なす。
【0077】
ステップS112において、記憶部20のフィールド31および32に格納されている座標データの数が予め決められた数以上である場合には、ステップS113に進む。ステップS112において、記憶部20のフィールド31および32に格納されている座標データの数が予め決められた数以上でない場合には、ステップS114に進む。
【0078】
ステップS113では、CPU10は、記憶部20のフィールド31および32に格納されている座標データと同じデータを、記憶部20のフィールド21および22から削除し、対応するフラグの値も記憶部20のフィールド23から削除する。このことは、傷による異物の座標データを、記憶部20のフィールド21および22から削除することを意味する。
【0079】
ステップS114では、CPU10は、記憶部20のフィールド31および32に格納されている座標データを削除する。
【0080】
ステップS115では、CPU10は、フラグの値が0である任意の座標データが存在するか否かを判定する。ステップS115において、フラグの値が0である任意の座標データが存在する場合には、処理はステップS100に進む。つまり、ステップS100〜115までの処理を、フィールド23の値が0であるフラグが存在しなくなるまで繰り返す。
【0081】
ステップS115において、フラグの値が0である任意の座標データが存在しない場合には、処理は終了する。
【0082】
本実施形態によれば、第1の円に接するように、第2の円を第1の円の外周を一周させ、第2の円内に存在する異物を抽出する。このことによって、密集している異物が第1の円からはみ出た状態で分布していても、本実施形態は、そのような異物を検出することができる。つまり、異物検査装置で検出した全異物の座標データから密集した異物の座標データを自動的に削除することができる。
【0083】
第1の実施形態では、密集している異物を検出するために円を用いたが、円の代わりに楕円などの閉曲線や多角形を用いても同様の効果を得ることができる。
【0084】
以下に、第1の実施形態において、第1および第2の円の代わりに、第1および2の楕円を用いた異物の数を測定する方法を図7(a)〜7(c)を用いて説明する。
【0085】
図7(a)〜7(c)は、領域100に異物が分布していることを示している。半導体ウェハ上の異物の位置は、異物検査装置によって、予め求められている。
【0086】
図7(a)には、領域100における、複数の異物と、点211を中心とし、長軸の長さがa1であり短軸の長さがa2である第1の楕円210とが示されている。第1の楕円210に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX1とする。任意の点211は、予め求められたある異物の位置にある。なお、一度数えた異物は、重複して数えられない。
【0087】
図7(b)には、領域100における、複数の異物と、第1の楕円210と、その第1の楕円210に接する長軸の長さがb1であり短軸の長さがb2である第2の楕円220とが示されている。なお、第1の楕円210と第2の楕円220との接線は、第2の楕円220の短軸と直交する。
【0088】
第2の楕円220に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX2とする。
【0089】
図7(c)には、領域100における、複数の異物と、第1の楕円210と、その第1の楕円210に接する第2の楕円220と、その第1の楕円210に接するように移動させた複数の第2の円230および240が示されている。なお、第2の楕円は、第1の楕円と接しながら一周する。
【0090】
第1の楕円と接しながら移動した第2の楕円230に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX3とする。同様に、第1の楕円と接しながら一周する第2の楕円240に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX4とする。第1の楕円と接しながら一周する第2の楕円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、SX2=X2+X3+X4...となる。
【0091】
異物の数X1と異物の数SX2との合計が、予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。なぜなら、傷による異物は、まんべんなく領域100に存在する確率が低く、領域100のある部分に密集する確率が高いからである。なお、パーティクルなどの異物は、まんべんなく領域100に存在する確率が高く、領域100のある部分に密集する確率が低い。同様に、上述した動作が繰り返される。上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0092】
以下に、第1の実施形態において、第1および第2の円の代わりに、第1および2の楕円を用いた異物の数を測定する他の方法を図8(a)〜8(c)を用いて説明する。
【0093】
図8(a)〜8(c)は、領域100に異物が分布していることを示している。半導体ウェハ上の異物の位置は、異物検査装置によって、予め求められている。
【0094】
図8(a)には、領域100における、複数の異物と、点311を中心とし長軸の長さがa1であり、短軸の長さがa2である第1の楕円310とが示されている。第1の楕円310に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX1とする。任意の点311は、予め求められたある異物の位置にある。なお、一度数えた異物は、重複して数えられない。
【0095】
図8(b)には、領域100における、複数の異物と、第1の楕円310と、その第1の楕円310に接する長軸の長さがb1であり短軸の長さがb2である第2の楕円320とが示されている。なお、第1の楕円310と第2の楕円320との接線は、第2の楕円320の長軸と直交する。
【0096】
第2の楕円320に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX2とする。
【0097】
図8(c)には、領域100における、複数の異物と、第1の楕円310と、その第1の楕円310に接する第2の楕円320と、その第1の楕円310の円周に接するように移動させた複数の第2の円330および340が示されている。なお、第2の楕円は、第1の楕円と接しながら一周する。
【0098】
第1の楕円と接しながら移動した第2の楕円330に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX3とする。同様に、第1の楕円と接しながら一周する第2の楕円340に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX4とする。第1の楕円と接しながら一周する第2の楕円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、SX2=X2+X3+X4...となる。
【0099】
異物の数X1と異物の数SX2との合計が、予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。なぜなら、傷による異物は、まんべんなく領域100に存在する確率が低く、領域100のある部分に密集する確率が高いからである。なお、パーティクルなどの異物は、まんべんなく領域100に存在する確率が高く、領域100のある部分に密集する確率が低い。同様に、上述した動作が繰り返される。上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0100】
以下に、第1の実施形態において、第2の円の代わりに、第2の楕円を用いた異物の数を測定する方法を図9を用いて説明する。
【0101】
図9は、複数の異物と、点411を中心とする第1の円410と、第1の円410に接する第2の楕円420および430とを示している。第2の楕円420および430の長軸から延びる線は、第1の円410の中心を通る。なお、第1の円410と第2の楕円420との接線は、第2の楕円420の長軸と直交する。
【0102】
第1の円410に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX1とする。任意の点411は、予め求められたある異物の位置にある。なお、一度数えた異物は、重複して数えられない。
【0103】
第2の楕円420に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX2とする。
【0104】
第2の楕円は、第1の円と接しながら予め決められた角度θだけ移動する。つまり、第2の楕円は、楕円420の位置から楕円430の位置に移動する。第1の円と接するように移動した第2の楕円430に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX3とする。
【0105】
同様に、第2の楕円は、第1の円を一周するまで、予め決められた角度θだけ移動して、移動した第2の楕円に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。一周する第2の楕円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、SX2=X2+X3...となる。
【0106】
異物の数X1と異物の数SX2との合計が、予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0107】
以下に、第1の実施形態において、第2の円の代わりに、第2の楕円を用いた異物の数を測定する他の方法を図10を用いて説明する。
【0108】
図10は、複数の異物と、点511を中心とする第1の円510と、第1の円510に接する第2の楕円520および530とを示している。第2の楕円520および530の短軸から延びる線は、第1の円510の中心を通る。なお、第1の円510と第2の楕円520との接線は、第2の楕円520の短軸と直交する。
【0109】
第1の円510に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX1とする。任意の点511は、予め求められたある異物の位置にある。なお、一度数えた異物は、重複して数えられない。
【0110】
第2の楕円520に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX2とする。
【0111】
第2の楕円は、第1の円と接しながら予め決められた角度θだけ移動する。つまり、第2の楕円は、楕円520の位置から楕円530の位置に移動する。第1の円と接するように移動した第2の楕円530に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX3とする。
【0112】
同様に、第2の楕円は、第1の円を一周するまで、予め決められた角度θだけ移動して、移動した第2の楕円に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。一周する第2の楕円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、SX2=X2+X3...となる。
【0113】
異物の数X1と異物の数SX2との合計が、予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0114】
以下に、第1の実施形態において、第1および第2の円の代わりに、第1および2の正方形を用いた異物の数を測定する方法を図11(a)〜11(c)を用いて説明する。
【0115】
図11(a)〜11(c)は、領域100に異物が分布していることを示している。半導体ウェハ上の異物の位置は、異物検査装置によって、予め求められている。
【0116】
図11(a)には、領域100における、複数の異物と、点611を中心とする第1の正方形610とが示されている。第1の正方形610に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX1とする。任意の点611は、予め求められたある異物の位置にある。なお、一度数えた異物は、重複して数えられない。
【0117】
図11(b)には、領域100における、複数の異物と、第1の正方形610と、第1の正方形610の辺612に沿って等間隔で移動する第2の正方形とが示されている。
【0118】
第2の正方形は、辺612に沿って第2の正方形620から第2の正方形630まで等間隔で移動し、第2の正方形に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX2とする。なお、本実施形態では、正方形に囲まれた部分とは、正方形の上の境界上の異物も含むが、正方形の上の境界上の異物を含まないように、異物の数を数えてもよい。
【0119】
図11(c)には、領域100における、複数の異物と、第1の正方形610と、第1の正方形610の辺613に沿って等間隔で移動する第2の正方形とが示されている。
【0120】
第2の正方形は、辺613に沿って第2の正方形630から第2の正方形640まで等間隔で移動し、第2の正方形に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX3とする。
【0121】
同様に、第2の正方形は、辺614および615に沿って等間隔で移動し、第2の正方形に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をそれぞれX4およびX5とする。
【0122】
第1の正方形の辺612〜615に沿いながら等間隔で移動する第2の正方形に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、SX2=X2+X3+X4+X5となる。異物の数X1と異物の数SX2との合計が、予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0123】
以下に、第1の実施形態において、第1および第2の円の代わりに、第1および2の正方形を用いた異物の数を測定する他の方法を図12を用いて説明する。
【0124】
図11を用いて説明した方法では、第1の正方形の辺に沿うように、第2の正方形が等間隔で移動した。第1および2の正方形を用いた異物の数を測定する他の方法では、第2の正方形が等間隔で移動する代わりに、第2の正方形が角度θで移動する。なお、角度θとは、移動する前の第2の正方形の中心と、第1の正方形の中心と、移動した第2の正方形の中心とがなす角度を意味する。
【0125】
第1の正方形710の辺712〜715に沿いながら角度θで移動する第2の正方形に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が数えられる。
【0126】
第1の正方形に囲まれる部分に含まれる異物と、移動する第2の正方形に囲まれる部分に含まれる異物の合計が予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0127】
以下に、第1の実施形態において、第1および第2の円の代わりに、第1および2の六角形を用いた異物の数を測定する方法を図13(a)〜13(c)を用いて説明する。第1および2の六角形は、正六角形であってもよい。
【0128】
図13(a)〜13(c)は、領域100に異物が分布していることを示している。半導体ウェハ上の異物の位置は、異物検査装置によって、予め求められている。
【0129】
図13(a)には、領域100における、複数の異物と、点811を中心とする第1の六角形810とが示されている。第1の六角形810に囲まれた部分に位置する異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX1とする。任意の点811は、予め求められたある異物の位置にある。なお、一度数えた異物は、重複して数えられない。
【0130】
図13(b)には、領域100における、複数の異物と、第1の六角形810と、第1の六角形810の辺812に沿って等間隔で移動する第2の六角形とが示されている。
【0131】
第2の六角形は、辺812に沿って第2の六角形820から第2の六角形830まで等間隔で移動し、第2の六角形に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX2とする。なお、本実施形態では、六角形に囲まれた部分とは、六角形の上の境界上の異物も含むが、六角形の上の境界上の異物を含まないように、異物の数を数えてもよい。
【0132】
図13(c)には、領域100における、複数の異物と、第1の六角形810と、第1の六角形810の辺813に沿って等間隔で移動する第2の六角形とが示されている。
【0133】
第2の六角形は、辺813に沿って第2の六角形830から第2の六角形840まで等間隔で移動し、第2の六角形に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をX3とする。
【0134】
同様に、第2の六角形は、辺814〜817に沿って等間隔で移動し、第2の六角形に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が全て数えられる。数えられた異物の数をそれぞれX4〜X7とする。
【0135】
第1の六角形の辺812〜817に沿いながら等間隔で移動する第2の六角形に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、SX2=X2+X3+X4+X5+X6+X7となる。異物の数X1と異物の数SX2との合計が、予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0136】
以下に、第1の実施形態において、第1および第2の円の代わりに、第1および2の六角形を用いた異物の数を測定する他の方法を図14を用いて説明する。
【0137】
図13を用いて説明した方法では、第1の六角形の辺に沿うように、第2の六角形が等間隔で移動する。第1および2の六角形を用いた異物の数を測定する他の方法では、第2の六角形が等間隔で移動する代わりに、第2の六角形が角度θで移動する。なお、角度θとは、移動する前の第2の六角形の中心と、第1の六角形の中心と、移動した第2の六角形の中心とがなす角度である。
【0138】
第1の六角形910の辺912〜917に沿いながら角度θで移動する第2の六角形に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が数えられる。
【0139】
第1の六角形に囲まれる部分に含まれる異物と、移動した第2の六角形に囲まれる部分に含まれる異物の合計が予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。なお、一度数えられた異物は、重複して数えられない。
【0140】
上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0141】
(実施形態2)
第1の実施形態では、第2の、円、楕円、および多角形の1つが、第1の、円、楕円、および多角形の1つに接するように移動するが、第2の実施形態では、第2の、円、楕円、および多角形の1つが、第1の、円、楕円、および多角形の1つに交わるように移動する。
【0142】
以下に、本発明の第2の実施形態における異物の数を測定する方法を図15を用いて説明する。
【0143】
図15は、領域100における、複数の異物と、第1の円160と、その第1の円160に交わる第2の円170と、第1の円160と交わるように移動する複数の第2の円180および190が示されている。第1の円160の半径は、aであり、第2の円170、180および190の半径は、bである。第1の円160の中心は、領域1における、ある異物の位置である。
【0144】
CPU10が、記憶部20のフィールド21および22に格納され、フラグの値が0である異物の座標データから任意の座標データ(m,n)を抽出する。異物の座標データは、異物検査装置5によって検出され、記憶部20のフィールド21および22に記憶されている。
【0145】
CPU10は、抽出された座標データ(m,n)に対応するフラグの値を0から1に変更する。CPU10は、抽出された座標データ(m,n)を中心とする第1の円を設定する。
【0146】
第1の実施形態と同様に、第1の円160に囲まれた部分に含まれる異物の数が数えられる。第1の円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、X1となる。
【0147】
第2の円170は、第1の円160と交わるように配置される。第1の実施形態と同様に、第2の円170に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が数えられる。なお、第1の円160の一部と第2の円170の一部とに囲まれ、まだ数えられていない異物の数が数えられてもよい。
【0148】
第2の円は、第1の円160と交わりながら、予め決められた角度だけ移動する。移動した第2の円に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が数えられる。なお、第1の円の一部と移動した第2の円の一部とに囲まれ、まだ数えられていない異物の数が数えられてもよい。
【0149】
第1の円と交わりながら一周する第2の円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、SX2となる。
【0150】
異物の数X1と異物の数SX2との合計が、予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。なぜなら、傷による異物は、まんべんなく領域100に存在する確率が低く、領域100のある部分に密集する確率が高いからである。
【0151】
上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0152】
第2の実施形態の異物の数を測定する方法を実行する装置の一例は、上述した図2装置と同じであるので、第2の実施形態の方法を実行する装置の説明は省略する。
【0153】
図16は、本発明の第2の実施形態における異物の数を測定する方法の処理手順を説明するフローチャートである。
【0154】
ステップS200では、CPU10が、記憶部20のフィールド21および22に格納され、フラグの値が0である異物の座標データから任意の座標データ(m,n)を抽出する。異物の座標データは、異物検査装置5によって検出され、記憶部20のフィールド21および22に記憶されている。
【0155】
ステップS201では、CPU10は、抽出された座標データ(m,n)に対応するフラグの値を0から1に変更する。
【0156】
ステップS202では、CPU10は、抽出された座標データ(m,n)を中心とする第1の円を設定する。第1の円の半径は予め決められた値であり、本実施形態では10μmとする。
【0157】
ステップS203では、CPU10は、第1の円に囲まれる部分に存在し、対応するフラグの値が0である異物の座標データを記憶部20から抽出する。
【0158】
ステップS204では、CPU10は、ステップS203において、抽出された座標データに対応するフラグの値を0から1に変更する。
【0159】
ステップS205では、CPU10は、ステップS203において、抽出された座標データを記憶部20のフィールド31およびフィールド32に格納する。
【0160】
ステップS206では、CPU10は、第1の円に交わるように第2の円を設定する。第2の円の半径は、予め決められた値であり、本実施形態では10μmとしている。
【0161】
ステップS207では、CPU10は、第1の円に交わるように、第2の円を第1の円の外周を等間隔で移動させる。本実施形態では、図15に示すように、第2の円は、第1の円に交わるように、第1の円の外周をθずつ右回りに移動する。なお、第1の円の周りに位置する異物を精度良く検出するためには、角度θを小さくすることが望ましい。
【0162】
ステップS208では、第2の円が第1の円の外周を等間隔で移動する毎に、CPU10は、第2の円に囲まれる部分に存在し、対応するフラグが0である異物の座標データを抽出する。具体的には、CPU10は、記憶部20に格納されている座標データを検索する。
【0163】
ステップS209では、CPU10は、ステップS208において、抽出された座標データに対応するフラグの値を0から1に変更する。
【0164】
ステップS210では、CPU10は、ステップS208において、抽出された座標データを記憶部20のフィールド31およびフィールド32に格納する。
【0165】
ステップS211では、CPU10は、第2の円が第1の円の外周を一周したか否かを判定する。ステップS211において、CPU10が第2の円が第1の円の外周を一周したと判定する場合には、処理はステップS212に進む。ステップS211において、CPU10が第2の円が第1の円の外周を一周していないと判定する場合には、処理はステップS207に進む。
【0166】
ステップS212では、CPU10は、記憶部20のフィールド31および32に格納されている座標データの数が予め決められた数以上であるか否かを判定する。つまり、フィールド31および32に格納されている座標データの数が予め決められた数以上である場合に、第1の円および第2の円に含まれる異物が、傷による異物であると見なす。
【0167】
ステップS212において、記憶部20のフィールド31および32に格納されている座標データの数が予め決められた数以上である場合には、ステップS213に進む。ステップS212において、記憶部20のフィールド31および32に格納されている座標データの数が予め決められた数以上でない場合には、ステップS214に進む。
【0168】
ステップS213では、CPU10は、記憶部20のフィールド31および32に格納されている座標データと同じデータを、記憶部20のフィールド21および22から削除し、対応するフラグも記憶部20のフィールド23から削除する。このことは、傷による異物の座標データを、記憶部20のフィールド21および22から削除することを意味する。
【0169】
ステップS214では、CPU10は、記憶部20のフィールド31および32に格納されている座標データを削除する。
【0170】
ステップS215では、CPU10は、フラグの値が0である任意の座標データが存在するか否かを判定する。ステップS215において、フラグの値が0である任意の座標データが存在する場合には、処理はステップS200に進む。つまり、ステップS200〜215までの処理を、フィールド23の値が0であるフラグが存在しなくなるまで繰り返す。
【0171】
ステップS215において、フラグの値が0である任意の座標データが存在しない場合には、処理は終了する。
【0172】
なお、図15を用いて説明した異物の数を測定する方法では、以下に示す条件(1)〜(3)を満たしながら、第2の円が、第1の円と交わるように移動することが好ましい。
【0173】
(1) 交点162と円160の中心161との距離は、第1の円の半径以下である。
【0174】
ただし、交点162は、移動する前の第2の円170と移動した後の第2の円180との交点の内、第1の円の中心に近い交点である(図17)。
【0175】
(2) 交点172と円160の中心161との距離は、第1の円160の半径より大きい。
【0176】
ただし、交点172は、第1の円160の中心161と第2の円170の中心171とを通る線と、第2の円170が交わる交点の内、第1の円160の中心161から遠い交点である(図17)。
【0177】
(3) 第1の円160の中心161と第2の円170の中心171との間の距離が一定である。
【0178】
本実施形態によれば、第1の円に交わるように、第2の円を第1の円の外周を一周させ、第2の円内に存在する異物を抽出する。このことによって、密集している異物が第1の円からはみ出た状態で分布していても、本実施形態は、そのような異物を検出することができる。つまり、異物検査装置で検出した全異物の座標データから密集した異物の座標データを自動的に削除することができる。
【0179】
第2の実施形態では、密集している異物を検出するために円を用いたが、円の代わりに楕円などの閉曲線や多角形を用いても同様の効果を得ることができる。
【0180】
以下に、第2の実施形態において、第1および第2の円の代わりに、第1および2の楕円を用いた異物の数を測定する方法を図18を用いて説明する。
【0181】
図18は、領域100における、複数の異物と、第1の楕円260と、その第1の楕円260に交わる第2の楕円270と、第1の楕円260と交わるように移動する複数の第2の楕円280および290が示されている。第1の楕円の、長軸の長さがa1であり、短軸の長さがa2である。第1の円260の中心261は、領域1における、ある異物の位置である。第2の楕円270の、長軸の長さがb1であり、短軸の長さがb2である。
【0182】
第1の楕円260に囲まれた部分に含まれる異物の数が数えられる。第1の楕円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、X1となる。
【0183】
第2の楕円270は、第1の楕円260と交わるように配置される。第2の楕円270に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が数えられる。なお、第1の楕円260の一部と第2の楕円270の一部とに囲まれ、まだ数えられていない異物の数が数えられてもよい。
【0184】
第2の楕円は、第1の楕円260と交わりながら、予め決められた角度だけ移動する。移動した第2の楕円に囲まれ、まだ数えられていない異物の数が数えられる。なお、第1の楕円の一部と移動した第2の楕円の一部とに囲まれ、まだ数えられていない異物の数が数えられてもよい。
【0185】
第1の楕円と交わりながら一周する第2の楕円に囲まれ、重複せずに数えられたすべての異物の数は、SX2となる。
【0186】
異物の数X1と異物の数SX2との合計が、予め決められた値以上である場合、それらの異物は密集していると見なされ、傷による異物であると判定される。なぜなら、傷による異物は、まんべんなく領域100に存在する確率が低く、領域100のある部分に密集する確率が高いからである。上述した動作を繰り返すことによって、領域100の中で、密集している異物、つまり、傷による異物の数を数えることができる。
【0187】
また、傷による異物の数を数えるために、図19に示すように、第2の楕円370が第1の楕円360と交わるように、第2の楕円が角度θで移動してもよい。
【0188】
なお、図18および19を用いて説明した異物の数を測定する方法では、以下に示す条件(4)〜(7)を満たすように、第2の楕円が、第1の楕円と交わるように、移動することが好ましい。
【0189】
(4) 第2の楕円の長軸または短軸の長さを延ばした線が第1の楕円の中心を通る(図20)。
【0190】
(5) 交点362と第1の楕円360の中心361との距離は、交点363と第1の楕円360の中心361との距離以下である(図20)。
【0191】
ただし、交点362は、第2の楕円370と第2の楕円380との交点の内、第1の楕円360の中心361に近い交点である。交点363は、第1の楕円360の中心361と交点362とを通る直線と第1の楕円360との交点の内、交点362に近い交点である。
【0192】
(6) 交点372と第1の楕円360の中心361との距離は、交点364と第1の楕円360の中心361との距離より大きい(図20)。
【0193】
交点372は、第1の楕円360の中心361と第2の楕円370の中心371とを通る直線と第2の楕円370との交点の内、第1の楕円360の中心361から最も遠い交点である。交点364は、第1の楕円360の中心361と第2の楕円370の中心371とを通る直線と第1の楕円360との交点の内、第2の楕円370の中心371から近い交点である。
【0194】
(7) 第2の楕円が第1の楕円の周りを移動するとき、第2の楕円の中心が描く軌跡が、第1の楕円と相似形である。
【0195】
また、傷による異物の数を数えるために、図21に示すように、第2の楕円470が第1の円460と交わるように、第2の楕円が角度θで移動してもよい。このように第2の楕円が移動する場合、第2の楕円470の長軸から延びる線は、第1の円460の中心461を通る。
【0196】
また、傷による異物の数を数えるために、図22に示すように、第2の楕円570が第1の円560と交わるように、第2の楕円が角度θで移動してもよい。このように第2の楕円が移動する場合、第2の楕円570の短軸から延びる線は、第1の円560の中心561を通る。
【0197】
また、傷による異物の数を数えるために、図23(a)および23(b)に示すように、第2の正方形670が第1の正方形660と交わるように、第2の正方形が等間隔で移動してもよい。
【0198】
また、傷による異物の数を数えるために、図24に示すように、第2の正方形770が第1の正方形760と交わるように、第2の正方形が角度θで移動してもよい。角度θとは、移動する前の第2の正方形の中心と、第1の正方形760の中心と、移動した第2の正方形の中心とがなす角を意味する。
【0199】
なお、図23および24を用いて説明した異物の数を測定する方法では、以下に示す条件(8)〜(10)を満たしながら、第2の円が、第1の円と交わるように移動することが好ましい。
【0200】
(8) 第1の正方形のある辺と、第1の正方形のある辺に対向する第2の正方形の辺は、平行である。
【0201】
(9) 第2の正方形の全体は、第1の正方形に含まれない。
【0202】
(10) 第1の正方形のある辺を延ばした直線と、第1の正方形のある辺に対向する第2の正方形の辺を延ばした直線との間の最短距離が一定である。
【0203】
また、傷による異物の数を数えるために、図25(a)および(b)に示すように、第2の六角形870が第1の六角形860と交わるように、第2の六角形が等間隔で移動してもよい。
【0204】
また、傷による異物の数を数えるために、図26に示すように、第2の六角形970が第1の六角形960と交わるように、第2の六角形が角度θで移動してもよい。角度θとは、移動する前の第2の六角形の中心と、第1の六角形960の中心と、移動した第2の六角形の中心とがなす角を意味する。
【0205】
(実施形態3)
第3の実施形態では、第1および2の、円、楕円、または多角形の大きさが固定されるのではなく、第1および2の、円、楕円、または多角形に囲まれる部分に存在する異物の密度に応じて、第1および2の、円、楕円、または多角形の大きさが変化する。異物の密度が大きい場合、第1および2の、円、楕円、または多角形の大きさは、大きくなる。このことにより、傷による異物を効率よく見つけることができる。
【0206】
第3の実施形態の異物の数を測定する方法を実行する装置は、記憶部20に記憶されるデータの記憶形式が、第1の実施形態の方法を実行する装置のものと異なる。具体的には、記憶部20は、上述した図3に示すフィールド21〜23と、図27に示すフィールド33〜36を有している。
【0207】
フィールド33にはX座標データが格納され、フィールド34にはY座標データが格納され、フィールド35には、円の半径が格納され、フィールド36には、フラグの値が格納される。フィールド33のX座標データおよびフィールド34のY座標データを中心とする第1の円が設定されるまで、フィールド36のフラグの値は、0である。
【0208】
以下に、本発明の第3の実施形態における異物の数を測定する方法を図28を用いて説明する。
【0209】
図28は、本発明の第3の実施形態における異物の数を測定する方法の処理手順を説明するフローチャートを示している。
【0210】
ステップS300では、CPU10が、記憶部20のフィールド21および22に格納され、フラグの値が0である異物の座標データから任意の座標データ(m,n)を抽出する。異物の座標データは、異物検査装置5によって検出され、記憶部20のフィールド21および22に記憶されている。
【0211】
ステップS301では、CPU10は、抽出された座標データ(m,n)に対応するフィールド23のフラグの値を0から1に変更する。さらに、CPU10は、抽出された座標データ(m,n)と、半径aと、1とを、フィールド33〜36のそれぞれに格納する。半径aは、予め決められた値である。
【0212】
ステップS302では、CPU10は、抽出された座標データ(m,n)を中心とする半径aの第1の円を設定する。
【0213】
ステップS303では、CPU10は、第1の円に囲まれる部分に存在し、対応するフィールド23のフラグが0である異物の座標データをフィールド21および22から抽出する。CPU10は、抽出された座標データに対応するフィールド23のフラグの値を0から1に変更する。
【0214】
ステップS304では、CPU10は、第1の円に囲まれる部分に存在する異物の数を数える。
【0215】
ステップS305では、ステップS303で求められた異物の数および第1の円の面積に基づき、半径bの大きさを求める。具体的には、第1の円の中に分布している異物の密度に基づいて、円の半径の大きさが求められる。
【0216】
ステップS306では、CPU10は、ステップS303で抽出された座標データと、ステップS306で求めた半径bとをフィールド33〜35にそれぞれ格納する。
【0217】
ステップS307では、CPU10は、第1の円に接し、ステップS305で求めた半径bである第2の円を設定する。
【0218】
ステップS308では、CPU10は、第1の円に接するように、第2の円を第1の円の外周を等間隔で移動させる。本実施形態では、第2の円は、第1の円に接するように、第1の円の外周を1゜ずつ右回りに移動する。なお、第1の円の周りに位置する異物を精度良く検出するためには、角度θを小さくすることが望ましい。
【0219】
ステップS309では、第2の円が第1の円の外周を等間隔で移動する毎に、CPU10は、第2の円に囲まれる部分に存在し、対応するフィールド23のフラグが0である異物の座標データをフィールド21および22から抽出する。座標データは、フィールド21に記憶されているX座標データとフィールド22に記憶されているY座標データとからなる。さらに、CPU10は、抽出された座標データに対応するフィールド23のフラグの値を0から1に変更する。
【0220】
ステップS310では、CPU10は、第2の円に囲まれる部分に存在する異物の数を数える。
【0221】
ステップS311では、ステップS310で求められた異物の数および第2の円の面積に基づき、円の半径cの大きさを求める。具体的には、第2の円の中に分布している異物の密度に基づいて、円の半径の大きさが求められる。
【0222】
ステップS312では、CPU10は、ステップS309で抽出された座標データと、ステップS311で求められた半径cとをフィールド33〜35にそれぞれ格納する。
【0223】
ステップS313では、CPU10は、第2の円が第1の円の外周を一周したか否かを判定する。ステップS313において、CPU10が第2の円が第1の円の外周を一周したと判定する場合には、処理はステップS314に進む。ステップS313において、CPU10が第2の円が第1の円の外周を一周していないと判定する場合には、処理はステップS308に進む。
【0224】
ステップS314では、CPU10が、値が0であるフラグがフィールド36に存在するか否かを判定する。ステップS314において、値が0であるフラグがフィールド36に存在する場合には、処理はステップS315に進む。ステップS314において、値が0であるフラグがフィールド36に存在しない場合には、処理はステップS318に進む。
【0225】
ステップS315では、CPU10が、値が0であるフィールド36のフラグに対応する座標データと、その座標データに対応する半径とを、フィールド33〜35から抽出する。
【0226】
ステップS316では、CPU10が、ステップS315で抽出された座標データおよび半径に基づき、第1の円を設定する。
【0227】
ステップS317では、 CPU10は、ステップS315で抽出された座標データに対応するフィールド36のフラグの値を0から1に変更する。その後、ステップS303に進む。
【0228】
ステップS318では、CPU10は、記憶部20のフィールド33および34に格納されている座標データの数が予め決められた数以上であるか否かを判定する。つまり、フィールド33および34に格納されている座標データの数が予め決められた数以上である場合に、第1の円および第2の円に含まれる異物が、傷による異物であると見なす。
【0229】
ステップS318において、フィールド33および34に格納されている座標データの数が予め決められた数以上である場合には、ステップS319に進む。ステップS318において、フィールド33および34に格納されている座標データの数が予め決められた数以上でない場合には、ステップS320に進む。
【0230】
ステップS319では、CPU10は、フィールド33および34に格納されている座標データと同じデータを、フィールド21および22から削除し、対応するフラグの値も記憶部20のフィールド23から削除する。このことは、傷による異物の座標データを、フィールド21および22から削除することを意味する。
【0231】
ステップS320では、CPU10は、記憶部20のフィールド33〜36に格納されているデータを削除する。
【0232】
ステップS321では、CPU10は、フィールド23のフラグの値が0である任意の座標データが存在するか否かを判定する。ステップS321において、フィールド23のフラグの値が0である任意の座標データが存在する場合には、処理はステップS300に進む。つまり、ステップS300〜321までの処理を、フィールド23の値が0であるフラグが存在しなくなるまで繰り返す。
【0233】
ステップS321において、フィールド23のフラグの値が0である任意の座標データが存在しない場合には、処理は終了する。
【0234】
上述したように、ステップS305およびS311では、円の中に分布している異物の数とその円の面積とに基づき、円の半径が求められる。円の半径は、図29に示される円の半径と異物との関係に基づいて、求められてもよい。
【0235】
図29は、円の半径と単位面積当たりの異物数との関係を示している。
【0236】
図29に示される横軸は単位面積当たりの異物数(x)であり、図29に示される縦軸は円の半径(y)である。Δyは予め設定された範囲である。図29に示される曲線は、(1)式で表される。
【0237】
y=a{1−exp(−bx)}+c ・・・(1)
ここで、a,b,cは定数であり、Δyの最小値はcであり、Δyの最大値はa+cである。
【0238】
さらに、円の半径は、図30(a)〜30(d)に示される円の半径と異物との関係に基づいて、求められてもよい。
【0239】
図30(a)は、傷による異物が、傷以外による異物よりも少ない場合における、円の半径と異物との関係を示している。図30(b)は、図30(a)の曲線を直線で近似したものである。また、図30(c)は、傷による異物が、傷以外による異物よりも多い場合における、円の半径と異物との関係を示している。図30(d)は、図30(c)の曲線を直線で近似したものである。
【0240】
以下に、図29および図30(a)〜30(d)に示される関係から1つの関係を選択する方法を説明する。
【0241】
ある領域に含まれる、傷による異物と傷以外による異物との数を、上述した実施形態1〜3と後述する実施形態4および5との内の1つの方法を用いて、CPU10が求める。CPU10は、傷による異物/傷以外による異物を求める。傷による異物/傷以外による異物を割合Pとする。
【0242】
割合P<0.5という条件式を満足する場合には、図30(a)または30(b)に示される関係が選択される。CPU10は、図30(a)または30(b)に示される関係に基づき、円の半径を計算する。なお、図30(a)に示される関係を記憶することができないほど、記憶部20の記憶容量が小さい場合には、図30(b)に示される関係が記憶部20に記憶される。
【0243】
0.5≦割合P≦1.5という条件式を満足する場合には、図29に示される関係が選択される。CPU10は、図29に示される関係に基づき、円の半径を計算する。
【0244】
1.5<割合Pという条件式を満足する場合には、図30(c)または30(d)に示される関係が選択される。CPU10は、図30(c)または30(d)に示される関係に基づき、円の半径を計算する。なお、図30(c)に示される関係を記憶することができないほど、記憶部20の記憶容量が小さい場合には、図30(d)に示される関係が記憶部20に記憶される。
【0245】
本実施形態では、第1の円と第2の円を用いて、傷による異物の数を数えている。第1の実施形態と同様に、第2の、円、楕円、および多角形の1つが、第1の、円、楕円、および多角形の1つに接しながら移動するように本実施形態を改変してもよい。
【0246】
第2の楕円が、第1の楕円に接するように移動する場合、第1の楕円の中に分布している異物の数と第1の楕円の長軸の長さおよび短軸の長さとに基づき、第2の楕円の長軸の長さおよび短軸の長さが求められる。
【0247】
第2の正方形が、第1の正方形に接するように移動する場合、第1の正方形の中に分布している異物の数と第1の正方形の辺の長さとに基づき、第2の正方形の辺の長さが求められる。
【0248】
また、第2の正六角形が、第1の正六角形に接するように移動する場合、第1の正六角形の中に分布している異物の数と第1の正六角形の辺の長さとに基づき、第2の正六角形の辺の長さが求められる。つまり、第2の正多角形が、第1の正多角形に接するように移動する場合、第1の正多角形の中に分布している異物の数と第1の正多角形の辺の長さとに基づき、第2の正多角形の辺の長さが求められる。
【0249】
本実施形態では、第1の円と第2の円を用いて、傷による異物の数を数えている。第2の実施形態と同様に、第2の、円、楕円、および多角形の1つが、第1の、円、楕円、および多角形の1つに交わりながら移動するように本実施形態を改変してもよい。
【0250】
第2の楕円が、第1の楕円に交わるように移動する場合、第1の楕円の中に分布している異物の数と第1の楕円の長軸の長さおよび短軸の長さとに基づき、第2の楕円の長軸の長さおよび短軸の長さが求められる。
【0251】
第2の正方形が、第1の正方形に交わるように移動する場合、第1の正方形の中に分布している異物の数と第1の正方形の辺の長さとに基づき、第2の正方形の辺の長さが求められる。
【0252】
また、第2の正六角形が、第1の正六角形に交わるように移動する場合、第1の正六角形の中に分布している異物の数と第1の正多角形の辺の長さとに基づき、第2の正多角形の辺の長さが求められる。つまり、第2の正多角形が、第1の正多角形に交わるように移動する場合、第1の正多角形の中に分布している異物の数と第1の正多角形の辺の長さとに基づき、第2の正多角形の辺の長さが求められる。
【0253】
また、楕円を用いる場合には、円の中心座標を記憶部20に記憶する代わりに楕円の2つの焦点座標を記憶し、円の半径を記憶部20に記憶する代わりに楕円の長軸の長さおよび短軸の長さを記憶してもよい。
【0254】
また、円や楕円以外の閉曲線を用いる場合には、円の中心座標および半径の代わりに、閉曲線を形成する点の座標を記憶部20に記憶してもよい。
【0255】
多角形を用いる場合には、円の中心座標および半径の代わりに、多角形の角の座標を記憶部20に記憶してもよい。
【0256】
(実施形態4)
第4の実施形態では、第2の、円、楕円、または多角形の大きさが固定されるのではなく、第1の円、楕円、または多角形に囲まれる部分にある異物の分布する方向に基づいて、移動する第2の、円、楕円、または多角形の大きさが変化する。
【0257】
第4の実施形態では、傷による異物がの集合体が、点線のように少し距離を空けながら点在していても、傷による異物が密集している方向に位置する第2の円の大きさを拡大することによって、傷による異物が密集している方向の異物を第2の円の中に取り込むことができる。
【0258】
以下に、本発明の第4の実施形態における異物の数を測定する方法を図31を用いて説明する。
【0259】
図31には、領域100における、複数の異物と、第1の円1010と、その第1の円1010に接する第2の円1020、1030、および1040などが示されている。
【0260】
第2の円は、その大きさを変化させ、第1の円と接しながら第1の円の周りを移動する。第1の実施形態と同じように、第2の円に囲まれ、まだ数えられていない異物が数えられる。
【0261】
以下に、第2の円の位置と第2の円の大きさとの関係を説明する。
【0262】
第2の円の半径の大きさは、第2の円の中心が直線1013上にあるとき、b1となり、最大になる。直線1013は、第1の円1010の中心1011を通り、近似直線1012に平行である。近似直線1012は、第1の円1010に囲まれた部分に存在する全ての異物の位置データから求められる。近似直線1012は、最小2乗法によって求められてもよい。近似直線は、異物の分布方向を示している。
【0263】
第2の円の半径の大きさは、第2の円が、第2の円1020が存在する位置から移動すると、単調的に小さくなる。第2の円の中心が直線1014上に位置するときに、第2の円の半径の大きさは、b2となり、最小になる。直線1014は、直線1013に垂直であり、第1の円1010の中心1011を通る。
【0264】
また、第2の円の半径の大きさは、第2の円が第2の円1030が存在する位置から移動すると、単調的に大きくなる。上述したように、第2の円の半径の大きさは、第2の円の中心が直線1013上にあるとき、最大になる。
【0265】
図32に、第2の円の半径と、角度θとの関係を示す。
【0266】
角度θは、直線1013と、第1の円の中心および第2の円の中心を通る直線とがなす角である。本実施形態では、第2の円の半径と角度θとは、区間「0〜π/2」、「π/2〜π」、「π〜3π/2」、または「3π/2〜2π」では、比例関係にある。第2の円の半径は、予め設定された範囲内で変化する。
【0267】
また、本実施形態では、第2の円の半径と角度θとの関係は、上述した区間で比例関係にあるが、第2の円の半径と角度θとの関係は、図33および34のように、角度θに対して第2の円の半径がある区間で指数的な関係であってもよい。
【0268】
第4の実施形態の異物の数を測定する方法を実行する装置は、第1の実施形態の方法を実行する装置と同じであるため、説明を省略する。
【0269】
以下に、第4の実施形態における異物の数を測定する方法の処理手順を説明する。第4の実施形態の方法の処理手順を示すフローチャートでは、第1の円に囲まれる部分に存在する異物から異物の分布方向を求めるステップが追加される点と、第2の円を設定または移動するステップの代わりに、異物の分布方向に基づいて、半径を変化させた第2の円を設定または移動するステップを設ける点とが、図5に示すフローチャートと異なっている。
【0270】
第1の円に囲まれる部分に存在する異物から異物の分布方向を求めるステップを図35を用いて説明する。
【0271】
第1の円に囲まれる部分に存在する異物から異物の分布方向を求めるステップは、図35に示すステップS400〜402を包含している。
【0272】
ステップS400では、CPU10は、図3に示されるフィールド21および22から、第1の円に囲まれる部分に存在する異物の座標データを読み出す。
【0273】
ステップS401では、CPU10は、読み出された座標データから近似直線の傾きを求める。
【0274】
ステップS402では、CPU10は、第1の円の中心を通り、近似直線の傾きを持つ、第1の直線を求める。
【0275】
上述したステップS400〜402は、図5に示されるフローチャートのステップS103〜105の間で実行される。
【0276】
異物の分布方向に基づいて、半径を変化させた第2の円を設定するステップを図36を用いて説明する。
【0277】
異物の分布方向に基づいて、半径を変化させた第2の円を設定するステップは、図36に示すステップS410〜413を包含している。
【0278】
ステップS410では、CPU10は、第1の円の中心および設定される第2の円の中心を通る第2の直線を求める。
【0279】
ステップS411では、CPU10は、第1の直線と第2の直線とがなす角度θを求める。
【0280】
ステップS412では、CPU10は、ステップS411で求められた角度θと、図32〜34のうちの1つに示される関係によって、第2の円の半径を決定する。
【0281】
ステップS413では、CPU10は、ステップS412で決定された半径を持ち、第1の円に接する第2の円を設定する。
【0282】
ステップS410〜413が、図5のステップS106の代わりに実行される。
【0283】
次に、異物の分布方向に基づいて、半径を変化させた第2の円を移動するステップを図37を用いて説明する。
【0284】
異物の分布方向に基づいて、半径を変化させた第2の円を移動するステップは、図37に示すステップS420〜423を包含している。
【0285】
ステップS420では、CPU10は、第1の円の中心および移動すべき第2の円の中心を通る第2の直線を求める。
【0286】
ステップS421では、CPU10は、第1の直線と第2の直線とがなす角度θを求める。
【0287】
ステップS422では、CPU10は、ステップS421で求められた角度θと、図32〜34のうちの1つに示される関係によって、移動すべき第2の円の半径を決定する。
【0288】
ステップS423では、CPU10は、ステップS422で決定された半径を持ち、移動すべき位置に第2の円を移動する。
【0289】
ステップS420〜423は、図5のステップS107の代わりに実行される。
【0290】
本実施形態によれば、第1の円の中の異物が密集している分布方向の、異物を検索するための部分すなわち第2の円を大きくとることが可能である。
【0291】
本実施形態では、第1の円と第2の円を用いて、傷による異物の数が数えられる。第1の実施形態と同様に、第2の、円、楕円、および多角形の1つが、第1の、円、楕円、および多角形の1つに接しながら移動するように本実施形態を改変してもよい。
【0292】
第2の円の代わりに、第2の楕円を用いた、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を図38を用いて、説明する。
【0293】
図38には、領域100における、複数の異物と、第1の円1110と、その第1の円1110に接する第2の楕円1120、1130、および1140などが示されている。
【0294】
第2の楕円は、その大きさを変化させ、第1の円と接しながら第1の円の周りを移動する。第1の実施形態と同じように、第2の円に囲まれ、まだ数えられていない異物が数えられる。
【0295】
以下に、第2の楕円の位置と第2の楕円の大きさとの関係を説明する。
【0296】
第2の楕円の長軸の長さは、第2の楕円の中心が直線1113上にあるとき、b1となり、最大になる。直線1113は、第1の円1110の中心1111を通り、近似直線1112に平行である。近似直線1112は、第1の円1110に囲まれた部分に存在する全ての異物の位置データから求められる。近似直線1112は、最小2乗法によって求められてもよい。近似直線は、異物の分布方向を示している。
【0297】
第2の楕円の長軸の長さは、第2の楕円が、第2の楕円1120が存在する位置から移動すると、単調的に小さくなる。第2の楕円の中心が直線1114上に位置するときに、第2の楕円の長軸の長さは、b2となり、最小になる。直線1114は、直線1113に垂直であり、第1の円1110の中心1111を通る。
【0298】
また、第2の楕円の長軸の長さは、第2の楕円が第2の楕円1130が存在する位置から移動すると、単調的に大きくなる。上述したように、第2の楕円の長軸の長さは、第2の楕円の中心が直線1113上にあるとき、最大になる。なお、第2の楕円が移動しても、第2の楕円の短軸の長さは一定である。第2の楕円が長軸の長さを変えて移動することによって、傷による異物が数えられる。
【0299】
また、第4の実施形態の異物の数を測定する方法は、第2の円の代わりに第2の楕円を用い、さらに、第1の円を第1の楕円に改変してもよい。
【0300】
第1および2の円の代わりに、第1および2の正方形を用いた、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を図39(a)および39(b)を用いて、説明する。
【0301】
図39(a)および39(b)には、領域100における、複数の異物と、第1の正方形1210と、その第1の正方形1210に接する第2の正方形1220などが示されている。
【0302】
第2の正方形は、その大きさを変化させ、第1の正方形と接しながら角度θで第1の正方形の周りを移動する。第1の実施形態と同じように、第2の正方形に囲まれ、まだ数えられていない異物が数えられる。第2の正方形は移動しながら、第2の正方形の辺の長さは変化する。
【0303】
以下に、第2の正方形の位置と第2の正方形の大きさとの関係を説明する。
【0304】
第2の正方形の辺の長さは、第2の正方形の中心が直線1213上にあるとき、b1となり、最大になる。直線1213は、第1の正方形1210の中心1211を通り、近似直線1212に平行である。近似直線1212は、第1の正方形1210に囲まれた部分に存在する全ての異物の位置データから求められる。近似直線1212は、最小2乗法によって求められてもよい。近似直線は、異物の分布方向を示している。
【0305】
第2の正方形の辺の長さは、第2の正方形が、第2の正方形1220が存在する位置から移動すると、単調的に小さくなる。たとえば、第2の正方形が、角度θ移動すると、第2の正方形の辺は、2θ(b1−b2)/πだけ小さくなる。b2は、大きさが変化する第2の正方形の辺の長さの最小値である。
【0306】
第2の正方形の中心が直線1214上に位置するときに、第2の正方形の辺の長さは、b2となり、最小になる。直線1214は、直線1213に垂直であり、第1の正方形1210の中心1211を通る。
【0307】
また、第2の正方形の辺の長さは、第2の正方形が第2の正方形1230が存在する位置から移動すると、単調的に大きくなる。たとえば、第2の正方形が、角度θ移動すると、第2の正方形の辺は、2θ(b1−b2)/πだけ大きくなる。上述したように、第2の正方形の辺の長さは、第2の正方形の中心が直線1213上にあるとき、最大になる。第2の正方形が辺の長さを変えて移動することによって、傷による異物が数えられる。
【0308】
第1および2の円の代わりに、第1および2の六角形を用いた、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を図40を用いて、説明する。
【0309】
図40には、領域100における、複数の異物と、第1の六角形1310と、その第1の六角形1310に接する第2の六角形1320および1330が示されている。
【0310】
第2の六角形は、その大きさを変化させ、第1の六角形と接しながら角度θで第1の六角形の周りを移動する。第1の実施形態と同じように、第2の六角形に囲まれ、まだ数えられていない異物が数えられる。第2の六角形は移動しながら、第2の六角形の辺の長さは変化する。たとえば、第2の六角形が、角度θ移動すると、第2の六角形の辺は、2θ(b1−b2)/πだけ変化する。b1は、大きさが変化する第2の六角形の辺の最大値であり、b2は第2の六角形の辺の最小値である。第2の六角形が辺の長さを変えて移動することによって、傷による異物が数えられる。
【0311】
本実施形態では、第1の円と第2の円を用いて、傷による異物の数を数えている。第2の実施形態と同様に、第2の、円、楕円、および多角形の1つが、第1の、円、楕円、および多角形の1つに交わりながら移動するように本実施形態を改変してもよい。
【0312】
図41は、第2の円が、第1の円に交わりながら移動する、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。第2の円は、その大きさを変化させ、第1の円と交わりながら第1の円の周りを移動する。第2の実施形態と同じように、第2の円に囲まれ、まだ数えられていない異物が数えられる。
【0313】
以下に、第2の円の位置と第2の円の大きさとの関係を説明する。
【0314】
第2の円の半径の長さは、第2の円の中心が直線1063上にあるとき、b1となり、最大になる。直線1063は、第1の円1060の中心1061を通り、近似直線1062に平行である。近似直線1062は、第1の円1060に囲まれた部分に存在する全ての異物の位置データから求められる。近似直線1062は、最小2乗法によって求められてもよい。近似直線は、異物の分布方向を示している。
【0315】
第2の円の半径の長さは、第2の円が、第2の円1070が存在する位置から移動すると、単調的に小さくなる。第2の円の中心が直線1064上に位置するときに、第2の円の半径の長さは、b2となり、最小になる。直線1064は、直線1063に垂直であり、第1の円1060の中心1061を通る。
【0316】
また、第2の円の半径の長さは、第2の円が第2の円1080が存在する位置から移動すると、単調的に大きくなる。上述したように、第2の円の半径の長さは、第2の円の中心が直線1063上にあるとき、最大になる。第2の円が半径の長さを変え、第1の円と交わるように移動することによって、傷による異物が数えられる。
【0317】
図42は、第2の楕円が、第1の円に交わりながら移動する、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。第2の楕円は、その大きさを変化させ、第1の円と交わりながら第1の円の周りを移動する。第2の実施形態と同じように、第2の楕円に囲まれ、まだ数えられていない異物が数えられる。
【0318】
以下に、第2の楕円の位置と第2の楕円の大きさとの関係を説明する。
【0319】
第2の楕円の長軸の長さは、第2の楕円の中心が直線1163上にあるとき、b1となり、最大になる。直線1163は、第1の円1160の中心1161を通り、近似直線1162に平行である。近似直線1162は、第1の円1160に囲まれた部分に存在する全ての異物の位置データから求められる。近似直線1162は、最小2乗法によって求められてもよい。近似直線は、異物の分布方向を示している。
【0320】
第2の楕円の長軸の長さは、第2の楕円が、第2の楕円1170が存在する位置から移動すると、単調的に小さくなる。第2の楕円の中心が直線1164上に位置するときに、第2の楕円の長軸の長さは、b2となり、最小になる。直線1164は、直線1163に垂直であり、第1の円1160の中心1161を通る。
【0321】
また、第2の楕円の長軸の長さは、第2の楕円が第2の楕円1180が存在する位置から移動すると、単調的に大きくなる。上述したように、第2の楕円の長軸の長さは、第2の楕円の中心が直線1163上にあるとき、最大になる。なお、第2の楕円の短軸の長さは一定である。第2の楕円が長軸の長さを変え、第1の円と交わるように移動することによって、傷による異物が数えられる。また、第4の実施形態の異物の数を測定する方法は、第2の円の代わりに第2の楕円を用い、さらに、第1の円を第1の楕円に改変してもよい。
【0322】
図43は、第2の正方形が、第1の正方形に交わりながら移動する、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。第2の正方形は、その大きさを変化させ、第1の正方形と交わりながら第1の正方形の周りを移動する。第2の実施形態と同じように、第2の正方形に囲まれ、まだ数えられていない異物が数えられる。
【0323】
以下に、第2の正方形の位置と第2の正方形の大きさとの関係を説明する。
【0324】
第2の正方形の辺の長さは、第2の正方形の中心が直線1263上にあるとき、b1となり、最大になる。直線1263は、第1の正方形1260の中心1261を通り、近似直線1262に平行である。近似直線1262は、第1の正方形1260に囲まれた部分に存在する全ての異物の位置データから求められる。近似直線1262は、最小2乗法によって求められてもよい。近似直線は、異物の分布方向を示している。
【0325】
第2の正方形の辺の長さは、第2の正方形が、第2の正方形1270が存在する位置から移動すると、単調的に小さくなる。たとえば、第2の正方形が、角度θ移動すると、第2の正方形の辺は、2θ(b1−b2)/πだけ小さくなる。b2は、第2の正方形の辺の長さの最小値である。
【0326】
第2の正方形の中心が直線1264上に位置するときに、第2の正方形の辺の長さは、b2となり、最小になる。直線1264は、直線1263に垂直であり、第1の正方形1260の中心1261を通る。
【0327】
また、第2の正方形の辺の長さは、第2の正方形が第2の正方形1280が存在する位置から移動すると、単調的に大きくなる。たとえば、第2の正方形が、角度θ移動すると、第2の正方形の辺は、2θ(b1−b2)/πだけ大きくなる。上述したように、第2の正方形の辺の長さは、第2の正方形の中心が直線1263上にあるとき、最大になる。第2の正方形の辺が長さを変え、第1の正方形と交わるように移動することによって、傷による異物が数えられる。
【0328】
図44は、第2の六角形が、第1の六角形に交わりながら移動する、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。第2の六角形は、その大きさを変化させ、第1の六角形と交わりながら第1の六角形の周りを移動する。第2の実施形態と同じように、第2の六角形に囲まれ、まだ数えられていない異物が数えられる。
【0329】
第2の六角形は、その大きさを変化させ、第1の六角形と交わりながら角度θで第1の六角形の周りを移動する。第2の実施形態と同じように、第2の六角形に囲まれ、まだ数えられていない異物が数えられる。第2の六角形は移動しながら、第2の六角形の辺の長さは変化する。たとえば、第2の六角形が、角度θ移動すると、第2の六角形の辺は、2θ(b1−b2)/πだけ変化する。b1は、第2の六角形の辺の最大値であり、b2は第2の六角形の辺の最小値である。第2の六角形が辺の長さを変え、第1の六角形と交わりながら移動することによって、傷による異物が数えられる。
【0330】
(実施形態5)
第5の実施形態では、第2の、円、楕円、または多角形の大きさが固定されるのではなく、第1の円、楕円、または多角形に囲まれる部分にある異物の、数と分布する方向とに基づいて、移動する第2の、円、楕円、または多角形の大きさが変化しする。
【0331】
第5の実施形態では、傷による異物がの集合体が、点線のように少し距離を空けながら点在していても、傷による異物が密集している方向に位置する第2の円の大きさを拡大することによって、傷による異物が密集している方向の異物を第2の円の中に取り込むことができる。
【0332】
以下に、第5実施形態における異物の数を測定する方法の処理手順を説明する。 第5の実施形態の方法の処理手順を示すフローチャートでは、第1の円に囲まれる部分に存在する異物から異物の分布方向を求めるステップが追加される点と、第2の円を設定または移動するステップの代わりに、異物の分布方向に基づいて、半径を変化させた第2の円を設定または移動するステップを設ける点とが、図28に示すフローチャートと異なっている。
【0333】
第1の円に囲まれる部分に存在する異物から異物の分布方向を求めるステップは、図35に示されているステップS400〜402と同じである。ステップS400〜402は、図28に示されるフローチャートのステップS303〜307の間で実行される。
【0334】
異物の分布方向に基づいて、半径を変化させた第2の円を設定するステップは、図36に示されるステップS410〜413と同じである。ステップS410〜413が、図28のステップS307の代わりに実行される。
【0335】
また、異物の分布方向に基づいて、半径を変化させた第2の円を移動するステップは、図37に示されるステップS420〜423と同じである。ステップS420〜423は、図28のステップS308の代わりに実行される。本実施形態によれば、第1の円の中の異物が密集している分布方向の、異物を検索するための部分すなわち第2の円を大きくとることが可能である。
【0336】
本実施形態では、第1の円と第2の円を用いて、傷による異物の数を数えている。第1、3および4の実施形態と同様に、第2の、円、楕円、および多角形の1つが、第1の、円、楕円、および多角形の1つに接しながら移動するように本実施形態を改変してもよい。
【0337】
本実施形態では、第1の円と第2の円を用いて、傷による異物の数を数えている。第2、3および4の実施形態と同様に、第2の、円、楕円、および多角形の1つが、第1の、円、楕円、および多角形の1つに交わりながら移動するように本実施形態を改変してもよい。
【0338】
本発明の異物の数を測定する方法では、第2の正方形や六角形などの多角形が第1の正方形や六角形などの多角形の周りを等間隔で移動する。例えば、等間隔とは、第1の多角形の一辺の1/10であってもよい。また、第1の多角形と第2の多角形との辺の長さが同じ場合には、多角形の一辺の長さで、第2の多角形が移動してもよい。この場合、異物の数を測定する時間を短縮することができる。
【0339】
なお、第1、2、3、4および5実施形態では、半導体ウェハ上で検出された異物について、異物の数を測定するが、液晶を製造するためのガラス基板やレチクル(マスク基板)などの基板上で検出された異物の数を測定する場合でも同様の効果を得ることができる。
【0340】
【発明の効果】
本発明の異物の数を測定する方法は、異物の位置を示す座標データに対して、第1の線で囲まれた第1の領域の中に含まれる異物の数を数え、第1の領域の周りに位置する第2の領域の中に含まれる異物の数を数えることによって、密集している異物の座標データを抽出することができる。密集している異物は、傷による異物である確率が非常に高い。つまり、異物検査装置などが検出した異物の位置を示す座標データから、密集している異物の座標データを削除し、パーティクルなどの異物の位置および数を求めることができる。異物検査装置が検出した異物の数から、傷による異物の数を引いた値が、予め決められた値を超えた場合に、半導体製造装置を清掃することによって、半導体製造装置が製造する半導体が良品である確率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、複数の異物と第1の円とを示す図であり、(b)は、複数の異物と、第1の円と、第1の円に接する第2の円を示す図であり、(c)は、複数の異物と、第1の円と、第1の円の円周に接するように移動させた第2の円を示す図である。
【図2】本発明の異物の数を測定する方法を実行する装置の一例を示す図である。
【図3】図2の装置の記憶部が有するフィールドを示す図である。
【図4】図2の装置の記憶部が有するフィールドを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における異物の数を測定する方法の処理手順を示す図である。
【図6】第1の円に接するように、第2の円が移動する一例を示す図である。
【図7】(a)は、複数の異物と第1の楕円とを示す図であり、(b)は、複数の異物と、第1の楕円と、第1の楕円に接する第2の楕円を示す図であり、(c)は、複数の異物と、第1の楕円と、第1の楕円の外周に接するように移動させた第2の楕円を示す図である。
【図8】(a)は、複数の異物と第1の楕円とを示す図であり、(b)は、複数の異物と、第1の楕円と、第1の楕円に接する第2の楕円を示す図であり、(c)は、複数の異物と、第1の楕円と、第1の楕円の外周に接するように移動させた第2の楕円を示す図である。
【図9】複数の異物と、第1の円と、第1の円に接する第2の楕円とを示す図である。
【図10】複数の異物と、第1の円と、第1の円に接する第2の楕円とを示す図である。
【図11】(a)は、複数の異物と、第1の正方形とを示す図であり、(b)は、複数の異物と、第1の正方形と、第1の正方形のある辺に沿って等間隔で移動する第2の正方形とを示す図であり、(c)は、複数の異物と、第1の正方形と、第1の正方形の他の辺に沿って等間隔で移動する第2の正方形とを示す図である。
【図12】第2の正方形が、第1の正方形の辺に沿って移動する一例を示す図である。
【図13】(a)は、複数の異物と、第1の六角形とを示す図であり、(b)は、複数の異物と、第1の六角形と、第1の六角形のある辺に沿って等間隔で移動する第2の六角形とを示す図であり、(c)は、複数の異物と、第1の六角形と、第1の六角形の他の辺に沿って等間隔で移動する第2の六角形とを示す図である。
【図14】第2の六角形が、第1の六角形の辺に沿って移動する一例を示す図である。
【図15】複数の異物と、第1の円と、第1の円と交わるように移動する第2の円を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態における異物の数を測定する方法の処理手順を説明する図である。
【図17】複数の異物と、第1の円と、第1の円と交わるように移動する第2の円を示す図である。
【図18】複数の異物と、第1の楕円と、第1の楕円と交わるように移動する第2の楕円を示す図である。
【図19】複数の異物と、第1の楕円と、第1の楕円と交わるように移動する第2の楕円を示す図である。
【図20】複数の異物と、第1の楕円と、第1の楕円と交わるように移動する第2の楕円を示す図である。
【図21】複数の異物と、第1の円と、第1の円と交わるように移動する第2の楕円を示す図である。
【図22】複数の異物と、第1の円と、第1の円と交わるように移動する第2の楕円を示す図である。
【図23】(a)は、複数の異物と、第1の正方形と、第1の正方形と交わるように等間隔で移動する第2の正方形を示す図であり、(b)は、複数の異物と、第1の正方形と、第1の正方形と交わるように等間隔で移動する第2の正方形を示す図である。
【図24】第2の正方形が、第1の正方形と交わるように移動する一例を示す図である。
【図25】(a)は、複数の異物と、第1の六角形と、第1の六角形と交わるように等間隔で移動する第2の六角形を示す図であり、(b)は、複数の異物と、第1の六角形と、第1の六角形と交わるように等間隔で移動する第2の六角形を示す図である。
【図26】第2の六角形が、第1の六角形と交わるように移動する一例を示す図である。
【図27】図2の装置の記憶部が有するフィールドを示す図である。
【図28】本発明の第3の実施形態における異物の数を測定する方法の処理手順を説明する図である。
【図29】円の半径と単位面積当たりの異物数との関係を示す図である。
【図30】(a)〜(d)は、円の半径と単位面積当たりの異物数との関係を示す図である。
【図31】複数の異物と、第1の円と、半径が異なりながら第1の円に接する第2の円を示す図である。
【図32】図31に示す第2の円の半径と、角度θとの関係を示す図である。
【図33】図31に示す第2の円の半径と、角度θとの関係を示す図である。
【図34】図31に示す第2の円の半径と、角度θとの関係を示す図である。
【図35】第1の円に囲まれる部分に存在する異物から異物の分布方向を求めるステップを示す図である。
【図36】異物の分布方向に基づいて、半径を変化させた第2の円を設定するステップを示す図である。
【図37】異物の分布方向に基づいて、半径を変化させた第2の円を移動するステップを示す図である。
【図38】第2の円の代わりに、第2の楕円を用いた、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。
【図39】(a)および(b)は、第1および2の円の代わりに、第1および2の正方形を用いた、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。
【図40】第1および2の円の代わりに、第1および2の六角形を用いた、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。
【図41】第2の円が、第1の円に交わりながら移動する、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。
【図42】第2の楕円が、第1の円に交わりながら移動する、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。
【図43】第2の正方形が、第1の正方形に交わりながら移動する、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。
【図44】第2の六角形が、第1の六角形に交わりながら移動する、第4の実施形態の異物の数を測定する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
100 領域
110 第1の円
111 点
120 第2の円
130 第2の円
140 第2の円
150 第2の円
Claims (7)
- 基板上に存在する異物を検知してその座標位置を計測する異物検査装置によって計測された各異物の座標位置を記憶する記憶部と、CPUとを有する異物判定装置であって、
前記CPUが、
前記記憶部に記憶された任意の異物の座標位置を中心として予め設定された大きさの第1の領域を設定する第1設定手段と、
前記第1の領域中に含まれる異物を前記記憶部の座標位置から抽出する第1抽出手段と、
前記第1抽出手段によって抽出された異物の分布方向を示す直線を求めて、該直線に平行であって前記第1の領域の中心を通る第1直線上に、予め設定された大きさの第2領域を、前記第1の領域に接した状態で設定する第2設定手段と、
前記第2の領域を前記第1の領域の周縁部の全周に沿って移動させた場合に、前記第2の領域の面積が、前記第1の直線上において最大、かつ、該第1の直線と直交する直線上において最小であって、前記移動に伴って単調に変化するように設定する第3設定手段と、
前記第2の領域を前記第1の領域の周縁部の全周に沿って移動させた場合に、その移動に伴って該第2の領域内に順次新たに含まれる異物を前記記憶部の座標位置から抽出する第2抽出手段と、
前記第1抽出手段と前記第2抽出手段とによってそれぞれ抽出された異物の数の合計が予め決められた数以上であるかを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする異物判定装置。 - 前記第1設定手段は、前記第1抽出手段および前記第2抽出手段にて抽出された異物の座標位置以外の異物の座標位置を中心として前記第1の領域を新たに設定して、前記第2設定手段、前記第1抽出手段、前記第2抽出手段および前記判定手段による動作が繰り返されることを特徴とする請求項1に記載の異物判定装置。
- 前記動作の繰り返しが、前記記憶部に記憶された全ての異物の座標位置が1度ずつ抽出されるまで行なわれることを特徴とする請求項2に記載の異物判定装置。
- 前記第1の領域および第2の領域は、それぞれが円、楕円、正方形、六角形のいずれかであるか、前記第1の領域が円であって前記第2の領域が楕円であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異物判定装置。
- 請求項1に記載の異物判定装置による異物判定方法であって、
前記第1設定手段によって、前記記憶部に記憶された任意の異物の座標位置を中心として予め設定された大きさの第1の領域を設定する第1設定工程と、
前記第1抽出手段によって、前記第1の領域中に含まれる異物を前記記憶部の座標位置から抽出する第1抽出工程と、
前記第2設定手段によって、前記第1抽出工程にて抽出された異物の分布方向を示す直線を求めて、該直線に平行であって前記第1の領域の中心を通る第1直線上に、予め設定された大きさの第2領域を、前記第1の領域に接した状態で設定する第2設定工程と、
前記第2設定手段によって、前記第2の領域を前記第1の領域の周縁部の全周に沿って移動させる場合に、その移動に伴って前記第2の領域の面積が、前記第1の直線上において最大、該第1の直線と直交する直線上において最小であって、前記移動に伴って単調に変化するように設定する第3設定工程と、
次いで、前記第2抽出手段によって、前記第2の領域を前記第1の領域の周縁部の全周に沿って移動させる場合に、その移動に伴って該第2の領域内に順次新たに含まれる異物を前記記憶部の座標位置から抽出する第2抽出工程と、
前記判定手段によって、前記第1抽出工程および前記第2抽出工程にてそれぞれ抽出された異物の数の合計が予め決められた数以上であるかを判定する判定工程と、
を前記CPUが順次実行することを特徴とする異物判定方法。 - 前記第1抽出工程および前記第2抽出工程において前記記憶部に記憶された全ての異物の座標位置がそれぞれ1度だけ抽出されるまで、前記全ての工程を繰り返し実行することを特徴とする請求項5に記載の異物判定方法。
- 前記第1の領域および第2の領域は、それぞれが円、楕円、正方形、六角形のいずれかであるか、前記第1の領域が円であって前記第2の領域が楕円であることを特徴とする請求項5または6に記載の異物判定方法。
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