JP3820074B2 - 写真測量用画像処理装置、この写真測量画像処理装置を用いた写真測量方法、および写真測量用画像処理プログラムを格納した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数のデジタル画像を用いて測量図を作成する写真測量に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真測量は地図の作成に広く使用され、交通事故の現場検証等の局所的な状況の記録においても極めて有効な手段として活用されている。交通事故の現場を撮影した画像を証拠として用いる場合には、画像は撮影後の改竄が不可能であることが要求され、実際には銀塩フィルムに記録されることが多い。
【0003】
近年のデジタル技術の発達に伴って測量図をパーソナルコンピュータ等により作成する試みが行われ、このような測量図作成では上述のような銀塩フィルムに記録された画像をスキャナ等によりデジタル画像に変換する処理が必要となる。また、測量図作成に必要な長さの基準となるデータや撮影条件等の種々のデータを各画像毎に対応付けて手入力する処理が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし写真測量において用いられる画像の枚数は極めて多いため、上述の処理に要する時間は多大であり、またオペレータにとって非常に煩雑な作業である。また、デジタル画像は汎用の画像処理プログラムを用いて改竄が容易であり、その改竄の検出が困難なため、交通事故現場の証拠としての信頼性は低い。
【0005】
本発明は、この様な点に鑑みてなされたものであり、デジタル画像を用いた写真測量において、測量図作成を迅速に行うと共に、改竄を容易に検出し交通事故現場の証拠としての信頼性を高め得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による写真測量用画像処理装置は、画像記録媒体から同一の被写体およびターゲットを含む第1および第2画像に関する測量画像データを読み込む読込み手段と、測量画像データに基づいて第1画像および第2画像をモニタ画面に表示する画像表示手段と、モニタ画面上の第1画像において被写体上の所定の測量点が投影された第1像点を指定する第1指定手段と、第1像点の2次元座標と測量画像データに含まれ少なくともターゲットの寸法形状の情報を有する写真測量用データとに基づいて測量点が第2画像に投影された第2像点を含み得る補助線を定義し第2画像に表示する補助線定義手段と、モニタ画面上の第2画像において被写体上の所定の測量点が投影された第2像点を指定する第2指定手段と、補助線定義手段により得られた補助線と第2指定手段により指定された第2像点との距離の最小値が所定許容値以上の場合に第1画像または第2画像の少なくとも一方が改竄されたと判定する改竄検出手段と、改竄検出手段により改竄が検出されない場合にのみ、第1像点および第2像点と写真測量用データとに基づいて測量点の3次元座標を算出する測量点算出手段とを備えることを特徴としている。これにより、測量図作成の迅速化が図られ、同時に改竄を容易に検出し得る。
【0007】
写真測量用画像処理装置において処理される測量画像データは、具体的には、歪曲収差を有する撮影光学系により結像され、撮像素子により光電変換されることにより得られた第1および第2画像のデジタル画素データを含み、写真測量用データが歪曲収差を補正するためのデータを含む。これにより、高精度の測量図が作成できる。
【0008】
写真測量用画像処理装置において、測量図作成および改竄判定に用いられる写真測量用データは、具体的には、少なくともターゲットの寸法形状に関するデータと、撮影光学系の焦点距離のデータである。
【0009】
写真測量用データは、さらに、ターゲットの撮影時における方位および水平面に対する傾斜角のデータと、ターゲットの相対位置を判別するためのデータとを有していてもよい。これにより、多数の画像を用いて広範囲の測量図を作成することができる。
【0010】
また本発明による写真測量方法は、歪曲収差を有する撮影光学系を備えた写真測量用カメラを用いて、同一の被写体およびターゲットを異なる方向から撮影し、第1および第2画像のデジタル画素データを得る第1ステップと、写真測量用カメラにより、第1および第2画像のデジタル画素データと、少なくともターゲットの寸法形状に関するデータと撮影光学系の焦点距離のデータとを含む写真測量用データとを併せて画像記録媒体に格納する第2ステップと、写真測量用画像処理装置を用いて、第1画像または第2画像の改竄の有無を検出すると共に、測量図を作成する第3ステップとを備えている。ここで、写真測量用画像処理装置は、画像記録媒体から同一の被写体およびターゲットを含む第1および第2画像に関する測量画像データを読み込む読込み手段と、測量画像データに基づいて第1画像および第2画像をモニタ画面に表示する画像表示手段と、モニタ画面上の第1画像において被写体上の所定の測量点が投影された第1像点を指定する第1指定手段と、第1像点の2次元座標と測量画像データに含まれ少なくともターゲットの寸法形状の情報を有する写真測量用データとに基づいて測量点が第2画像に投影された第2像点を含み得る補助線を定義し第2画像に表示する補助線定義手段と、モニタ画面上の第2画像において被写体上の所定の測量点が投影された第2像点を指定する第2指定手段と、補助線定義手段により得られた補助線と第2指定手段により指定された第2像点との距離の最小値が所定許容値以上の場合に第1画像または第2画像の少なくとも一方が改竄されたと判定する改竄検出手段と、改竄検出手段により改竄が検出されない場合にのみ、第1像点および第2像点と写真測量用データとに基づいて測量点の3次元座標を算出する測量点算出手段とを備えることを特徴としている。これにより、測量図作成の迅速化が図られ、同時に改竄を容易に検出し得る。
【0011】
また本発明による記録媒体は写真測量用画像処理プログラムを格納していることを特徴としており、この写真測量用画像処理プログラムは、以下に示す複数のルーチンを備える。即ち、画像記録媒体から同一の被写体およびターゲットを含む第1および第2画像に関する測量画像データを読み込む読込み処理ルーチン、測量画像データに基づいて第1画像および第2画像をモニタ画面に表示させる画像表示処理ルーチン、モニタ画面上の第1画像において被写体上の所定の測量点が投影された第1像点を特定する第1像点特定処理ルーチン、第1像点の2次元座標と測量画像データに含まれ少なくともターゲットの寸法形状の情報を有する写真測量用データとに基づいて測量点が第2画像に投影された第2像点を含み得る補助線を定義し第2画像に表示させる補助線定義ルーチン、モニタ画面上の第2画像において測量点が投影された第2像点を特定する第2像点特定ルーチン、補助線定義ルーチンにより定義された補助線と第2像点特定ルーチンにより特定された第2像点との距離の最小値が所定許容値以上の場合に第1画像または第2画像の少なくとも一方が改竄されたと判定する改竄検出ルーチン、改竄検出ルーチンにより改竄が検出されない場合にのみ第1像点および第2像点と写真測量用データとに基づいて測量点の3次元座標を算出する測量点算出ルーチンである。記録媒体は例えばハードディスクやCD−ROMであり、汎用のパーソナルコンピュータにより写真測量用画像処理プログラムを実行させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による写真測量用画像処理装置、写真測量用画像処理装置を用いた写真測量方法、および写真測量用画像処理プログラムを格納した記録媒体の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本実施形態の写真測量の撮影状況を示す図であり、測量対象である道路の外形RGおよび白線RWを鉛直上方から見た水平面図である。同図には、撮影地点を示すカメラ位置M1〜18が黒丸点で示され、各カメラ位置M1〜18は写真測量用カメラ(符号100;図5参照)に設けられた撮影光学系の後側主点位置に一致する。カメラ位置M1〜18からそれぞれ伸びる矢印は撮影光学系の光軸の方向を示している。
【0014】
この写真測量においては同一の測量対象に対して異なる2方向からの撮影が連続して行われる。詳述すると、例えば測量対象がT字路の場合、このT字路の左側(図中下方)のカメラ位置M1から撮影が開始され、次に右側(図中右方)のカメラ位置M2からT字路が撮影される。カメラ位置M1およびM2で得られた2フレーム分の画像は第1ペア画像として定義され、図中L字で示されるターゲット(符号10;図2参照)を共通に写し込んでいる。
【0015】
続いて、カメラ位置M3およびM4、カメラ位置M5およびM6、・・・、カメラ位置M17およびM18の順に撮影が行われる。このように、1つの測量対象に対する異なる2方向からの撮影が繰り返し行われ、第1〜第9ペア画像が得られる。
【0016】
撮影地点の移動に伴って、ターゲット10はターゲット位置RP1からRP2、およびRP3へ順次移動させられる。同一位置のターゲット10が写し込まれている画像は1つのグループとして定義付けられる。例えば、ターゲット10がターゲット位置RP1に配された時に得られた第1〜第3ペア画像、即ちカメラ位置M1〜6の画像は第1グループGP1として定義される。同様に、ターゲット位置RP2に対応する第4および第5ペア画像(カメラ位置M7〜10の画像)は第2グループGP2として、ターゲット位置RP3に対応する第6〜9ペア画像(カメラ位置M11〜18の画像)は第3グループGP3として定義される。
【0017】
図中、三角点で示される接続点RC1〜4には、例えばコーン等の目印が置かれる。この接続点RCは異なるターゲット位置RPの略中間に置かれ、同一グループ内の複数ペア画像の少なくとも1ペアには必ず写し込まれる。
【0018】
図2は撮影に用いられるターゲット10の平面図である。ターゲット10は一端部で互いに連結される2本の柱状部材12、14を備える。柱状部材12、14は長方形断面を有し、内部は中空に形成される。これら柱状部材12および14の一面には、後述する写真測量用画像処理装置においてカメラ位置M1〜18を定めるための6個の視認用の指標部材20が設けられる。指標部材20は白色を呈し、それら周囲には境界を明確にするために黒色の円板部材22が設けられる。
【0019】
柱状部材12上には4個の指標部材20が一直線上に設けられ、また柱状部材1上には2個の指標部材20が一直線上に設けられる。柱状部材12の自由端部、柱状部材12および14の連結部、柱状部材14の自由端部に位置する3つの指標部材20の中心はそれぞれ基準点t1、t2およびt3として定義される。基準点t1およびt2間の距離は基準点間距離L1として示され、同様に、基準点t2およびt3間の距離、基準点t1およびt3間の距離はそれぞれ基準点間距離L2、L3で示される。
【0020】
図中2点鎖線で示される直線AX1は基準点t1およびt2を通り、基準点t2およびt3を通る直線AX2は直線AX1に対して垂直である。後述する写真測量用画像処理装置においては、基準点t1を原点とし、直線AX1およびAX2を座標軸とする3次元直交座標系(以下、基準座標系と記載する)が設定され、カメラ位置M1〜18はこの基準座標系における座標値で表される。
【0021】
3個の基準点t1、t2およびt3によって定義される基準平面は、ターゲット10が地面上に載置された時水平面に略一致する。柱状部材12および14の内部には基準平面の水平面に対する傾斜角を測定するセンサ、具体的には水平面に対する基準平面の直線AX1周りの傾斜角を測定する第1傾斜角センサ32と、直線AX2周りの傾斜角を測定する第2傾斜角センサ34が設けられる。第1傾斜角センサ32および第2傾斜角センサ34から得られた2つの傾斜角θ1、θ2に基づいて、基準平面は厳密に水平面に一致すべく補正される。
【0022】
また、柱状部材12の連結側端部には方位センサ36が設けられ、例えば直線AX1の方位DRが測定される。これにより直線AX1を方位DRに基づいて北方向に一致させるべく補正することができる。
【0023】
このように、傾斜角θ1、θ2および方位DRに基づいて、基準座標系の座標軸の1つ例えばY軸を鉛直方向に一致させ、かつ他の座標軸の1つ例えばZ軸を北方向に一致させることができ、同一のターゲット位置RP、即ち同一グループGPのカメラ位置Mの相対関係が容易に特定できる。
【0024】
図3はターゲット10の電気的構成を示すブロック図である。ターゲット10はターゲット制御部12を備え、第1傾斜角センサ32、第2傾斜角センサ34および方位センサ36の出力は、ターゲット制御部12により所定時間毎にモニタされ、適当な信号処理を受けた後、傾斜角θ1、θ2および方位DRとしてRAM68に一時的に格納される。ターゲット10にはEEPROM40が設けられ、EEPROM40にはターゲット10固有のターゲット識別番号、および基準点間距離L1、L2、L3の値が予め書き込まれる。これら基準点間距離L1、L2、L3は設計値ではなく、製造後に測定されたターゲット10固有の値である。
【0025】
ターゲット10は電池等の電源部42と、電源の投入および停止を切替える電源スイッチ44とを備える。ターゲット制御部12は電源スイッチ44のオンの切替え回数をカウントする機能を有する。電源スイッチ44は、1つの現場における一連の撮影、図1においてはカメラ位置M1〜18の撮影の間は終始オンに切替えられた状態が保持される。従って、切替え回数の値の違いは異なる現場における撮影であるとみなせる。ここではこの切替え回数をターゲット10の設置回数と定める。
【0026】
また、ターゲット制御部12は電源オン時のターゲット10の相対的に大きな移動の回数をカウントする機能を備える。例えば、図1においては電源スイッチ44がオンの状態でRP1、RP2、RP3の順に2回移動しており、このとき移動回数は2度カウントされる。従って、移動回数の値の違いは異なるターゲット位置RPであるとみなすことができる。
【0027】
ターゲット制御部12により定められるターゲット10の設置回数および移動回数のデータはRAM68内に格納され、電源オフ後もRAM68内に保持される。
【0028】
EEPROM40内のターゲット識別番号、基準点間距離L1、L2、L3のデータ、およびRAM68内の傾斜角θ1、θ2、方位DR、設置回数および移動回数のデータの双方は、一定時間毎に読み出されターゲットデータとして集約される。ターゲットデータは送信部46において変調されて例えば無線により写真測量用カメラ100に送信される。
【0029】
図4はターゲット制御部12において実行される送信処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0030】
この送信処理ルーチンは電源スイッチ44の切替え操作により電源が投入されることにより開始され、ステップS102が実行される。ステップS102においてはRAM68内に格納されていた設置回数および移動回数が読み込まれ、それぞれ1ずつカウントアップされて再びRAM68に格納される。例えばRAM68から読み込まれた設置回数および移動回数がそれぞれ0の場合、双方の値は共に1に更新される。
【0031】
次にステップS104が実行され、ターゲットデータの送信の有無を判定するための送信フラグFsが立てられ、その初期値として0が代入される。Fs=0のときはターゲットデータが送信されていないことを示す。
【0032】
ステップS104において送信フラグFsが0と設定された後、ステップS106においてターゲット制御部12により第1傾斜角センサ32、第2傾斜角センサ34および方位センサ36の出力が30ms毎にモニタされ、さらにステップS108において連続した3回分、即ち90ms間の傾斜角θ1およびθ2の変化量が算出される。なお、ステップS104におけるモニタの間隔は30msに限定されず、またステップS108において変化量算出を5回分毎に行ってもよい。
【0033】
ステップS110においては、ステップS108で算出された90ms間の傾斜角θ1およびθ2の変化量が、それぞれ±1度以内であるか否か、即ちターゲット10が移動中か否かが判定される。変化量が±1度より大きければ、ターゲット10が移動しているあるいは安定していないとみなされ、ステップS114において送信フラグFsが0となり、ステップS106に戻る。即ち、傾斜角θ1およびθ2の変化量の双方が±1度以内になるまでステップS106、S108、S110、S114が繰り返し実行される。
【0034】
なお、本実施形態においてはターゲット10が安定して設置された状態で写真測量を行うために90ms間の変化量が±1度以内という判定値でもってターゲット10の安定状態を検出しているが、これはペア画像に写し込まれるターゲット10が厳密に同一位置であることが写真測量の精度上要求されるためである。しかし、変化量の判定値は±1度以内に限定されず、用途や使用状況に応じて適宜設定変更してもよいし、またターゲット10の安定状態を検出する必要がない場合にはステップS108を省略してもよい。
【0035】
ステップS110において傾斜角θ1およびθ2の変化量がそれぞれ±1度以内であると判定されると、さらにステップS112において傾斜角θ1およびθ2の値がそれぞれ±30度以内であるか否か、即ちターゲット10の基準平面の水平面に対する傾きが30度より小さいか否かが判定される。傾斜角θ1またはθ2のどちらか一方でも±30度より大きい値であれば、ターゲット10が通常の使用状態ではないとみなされ、ステップS114において送信フラグFsが0となり、ステップS106に戻る。ターゲット10の通常の使用状態とは、基準平面が地面に対して略平行となるように載置された状態である。傾斜角θ1およびθ2の双方の値が±30度以内になって初めてステップS116に進む。
【0036】
なお、本実施形態においては傾斜角θ1およびθ2の値が±30度以内という判定値でもってターゲット10の使用状態を検出しているが、これは測量対象が道路でありターゲット10が道路上に設置されることが前提とされるからである。しかし、判定値は±30度以内に限定されず、使用状況に応じて適宜設定変更してもよいし、またターゲット10の用途が異なる場合にはステップS112を省略してもよい。
【0037】
このように、ターゲット10が移動中や安定していない状態、あるいは基準平面が地面に略平行ではない場合にはステップS106〜S114が繰り返し実行され、ターゲットデータは送信されない。即ち、写真測量用カメラ100が受信し得るターゲットデータは所定位置に安定した状態でおかれたときのデータであり、その信頼性は向上する。
【0038】
ステップS116においては、送信フラグFsが1であるか否か、即ちターゲットデータが送信されたか否かが判定される。ターゲット10が移動して安定した直後には送信フラグFsは0に設定されているので、ステップS116ではターゲットデータが送信されていないと判定されてステップS118が実行され、ここでRAM68内の移動回数は1だけカウントアップされ、ステップS120に進む。ステップS116において送信フラグFsが1である、即ちターゲット10の安定した状態において既にターゲットデータが送信された場合にはターゲット10は移動していないとみなされ、ステップS118は実行されずにステップS120へ進む。
【0039】
ステップS120、S122およびS124ではEEPROM40およびRAM68内のターゲットデータが読み出され、3つに分割されて送信部46により送信される。ステップS120ではターゲット識別番号、設置回数および移動回数が送信され、ステップS122では基準点間距離L1、L2、L3が送信され、ステップS124では傾斜角θ1、θ2および方位DRが送信される。ステップS124が終了すると、送信フラグFsは1に更新される。
【0040】
続いてステップS128が実行され、ここでは電源スイッチ44がオフに切り替えられたか否かが判定される。電源スイッチ44がオンのままであればステップS106に戻り、電源スイッチ44がオフであると判定されれば送信処理ルーチンは終了する。
【0041】
以上のように、ターゲット10は所定位置に安定した状態で置かれた場合には、所定時間おきにターゲットデータを送信し、これにより写真測量用カメラ100はターゲットデータを容易に得ることができる。従ってオペレータによる測定作業が省略でき、撮影に要する時間を大幅に短縮し得る。なお、ターゲットデータの送信の順番については本実施形態に限定されない。
【0042】
図5は写真測量用カメラ100の内部の主要構成を模式的に示すブロック図である。写真測量用カメラ100は被写体の光学像を電気信号として適当な画像記録媒体、例えばICメモリカード180に記録するカメラユニット110と、このカメラユニット110に着脱自在な受信ユニット160とを備える。
【0043】
カメラユニット110全体の動作はシステムコントロール回路112により制御され、受信ユニット160全体の動作はレシーバーコントロール回路162により制御される。システムコントロール回路112およびレシーバーコントロール回路162は接続端子114および164の係合により互いに接続される。
【0044】
カメラユニット110には、複数のレンズからなる撮影光学系116が設けられ、この撮影光学系116の背後には絞り118およびCCDイメージセンサ120が配置され、撮影光学系116を経た光は、CCDイメージセンサ120の受光面上に導かれてそこに結像される。図示しないレリーズボタンの半押しにより測光スイッチ122がオンとなり、測光センサ124の出力に基づいて露出制御回路126が駆動する。露出制御回路126は絞り118の開度を制御すると共に、必要な電荷蓄積時間を算出してその算出値をCCD駆動回路128に与える。
【0045】
CCDイメージセンサ120は被写体の光学像を電気信号であるアナログ画素信号に変換し、このアナログ画素信号はシステムコントロール回路112の制御下でCCD駆動回路128により所定の電荷蓄積時間経過後にCCDイメージセンサ120から順次読み出される。
【0046】
CCDイメージセンサ120から読み出されたアナログ画素信号は、順次、アンプ130による増幅後、A/D変換器132によりデジタル画素信号に変換され、画像処理回路134に入力される。画像処理回路134ではバッファメモリ138に一端格納された1フレーム分のデジタル画素信号(以下、デジタル画素データと呼ぶ)が適当な画像処理、例えばガンマ補正やシェーディング補正等を受ける。
【0047】
画像処理回路134の画像処理が終了すると、デジタル画素データはエンコーダ140に出力され、ここで同期信号の付加等の処理が施されて一連のビデオカラー信号に変換される。ビデオカラー信号はビデオ出力端子142から出力され、ケーブル144、ビデオ入力端子165を介して受信ユニット160のLCD駆動回路166に入力される。LCD駆動回路166はレシーバーコントロール回路162の制御下においてLCDディスプレイパネル168を駆動し、ビデオカラー信号に基いてLCDディスプレイパネル168に被写体像を再現する。
【0048】
レリーズボタンが半押しされた状態において、撮像から被写体像再現までの一連の動作はシステムコントロール回路112の制御に基いて所定時間毎に繰り返し行われ、これによりLCDディスプレイパネル168には被写体像が動画として表示される。
【0049】
カメラユニット110および受信ユニット160の側方にはアンテナ170が設けられ、受信ユニット160の内部にはこのアンテナ170に接続された受信部172が設けられる。ターゲット10から送信されたターゲットデータは、アンテナ170を介して受信部172により受信され、データデコーダ174により復調されてレシーバーコントロール回路162に出力される。さらに、ターゲットデータはレシーバーコントロール回路162により必要に応じて読み出されて8ビットのシリアルデータ信号に変換され、接続端子164、114を介してカメラユニット110のシステムコントロール回路112に入力され、RAM113内に一端格納される。なお、RAM113にはターゲットデータの他、撮影光学系116に対応して予め定められた固有値である座標変換のためのパラメータCm等が格納される。
【0050】
カメラユニット110はEEPROM115を備え、EEPROM115内にはカメラユニット110の固有のデータ、例えばカメラ識別番号と、撮影光学系116の歪曲収差を補正するためのディストーションデータと、CCDイメージセンサ120の水平および垂直方向の画素数W、Hと、画素間距離Px、Pyとが格納される。歪曲収差の補正にはKararaのモデルが採用され、ディストーションデータは具体的にはKararaの式に用いられる6つのパラメータP1 、P2 、D2 、D4 、D6 および画像中心ずれ量Xc、Ycを含む。
【0051】
EEPROM115に格納されたカメラユニット110の固有のデータと、RAM113に格納されたターゲットデータ以外の写真測量用カメラ100に関するデータとを併せてカメラデータと呼ぶ。
【0052】
レリーズボタンが全押しされると、レリーズスイッチ146がオンとなり、デジタル画素データがバッファメモリ138から記録制御回路148へ出力され、同時にその時点でRAM113およびEEPROM115に格納されているターゲットデータおよびカメラデータがシステムコントロール回路112により読み出されて記録制御回路148へ出力される。記録制御回路148はシステムコントロール回路112の制御下でICメモリカード180の書込みおよび読出しを制御する。
【0053】
本実施形態においては、ターゲットデータおよびカメラデータを格納するためのRAM113およびEEPROM115はカメラユニット110に設けられているが、これらを受信ユニット160に設けてもよい。
【0054】
1フレーム分のデジタル画素データおよびターゲットデータおよびカメラデータは記録制御回路148により所定のフォーマットに基づいてICメモリカード180に書込まれる。このとき、デジタル画素データにはシステムコントロール回路112により画像番号および撮影日時が自動的に付され、これらデータもICメモリカード180に書込まれる。
【0055】
カメラユニット110は電源としてのバッテリ150を備え、このバッテリ150から電源回路152を介してシステムコントロール回路112に電圧が供給される。一方受信ユニット160は内部に電源を有しておらず、カメラユニット110内のバッテリ150から電源出力端子154、ケーブル156、電源入力端子175および電源回路176を介してレシーバーコントロール回路162に電圧が供給される。
【0056】
図6は受信ユニット160のレシーバーコントロール回路162において実行される受信処理ルーチンを示すフローチャートである。この受信処理ルーチンは、受信ユニット160がカメラユニット110に接続された状態でさらにカメラユニット110の電源が投入されることにより開始される。
【0057】
まず、ステップS152においてカメラユニット110との通信開始が許可され、また記憶フラグFkおよび送信フラグFrがたてられる。記憶フラグFkはターゲットデータがレシーバーコントロール回路162の所定の記憶領域に格納されているか否かを判定するためのフラグであり、初期値0(格納されていない)に設定される。また送信フラグFrはターゲットデータがカメラユニット110に送信されたか否かを判定するためのフラグであり、初期値0(送信されていない)に設定される。
【0058】
次にステップS154が実行され、ターゲット10からのターゲットデータの受信、即ち受信部172による受信動作およびデータデコーダ174による復調動作が行われる。なお、ターゲットデータは3段階に分かれて送信されるので、ステップS154ではターゲットデータの全てが受信できるまで次のステップには移行しない。
【0059】
ステップS156では記憶フラグFkが1であるか否か、即ちレシーバーコントロール回路162内のターゲットデータの有無が判定される。ここで、レシーバーコントロール回路162に格納されたターゲットデータを一時記憶データとし、これに対してターゲット10から受信したターゲットデータを受信データと定義する。
【0060】
レシーバーコントロール回路162に一時記憶データが無ければ、ステップS158に進み、ここで受信データが一時記憶データとして新たに格納され、記憶フラグFkが1に更新され、ステップS154に戻る。レシーバーコントロール回路162に一時記憶データがある場合にはステップS160に進み、一時記憶データと受信データとの値が比較される。
【0061】
ステップS160の終了後、ステップS162において送信フラグFrが1であるか否かが判定され、送信フラグFrが1の場合にはステップS164に進み、送信フラグFrが1の場合にはステップS166に進む。ステップS164およびステップS166の双方では、ステップS160の一時記憶データと受信データとの比較結果に基づいて双方のデータが一致するか否かが判定される。
【0062】
ステップS164で一時記憶データと受信データとが一致していないと判定された場合、またはステップS166で一致していると判定された場合にはステップS168においてカメラユニット110への受信データの送信動作が行われ、ステップS170において送信フラグFrが1に更新される。
【0063】
ステップS166で不一致が判定されるとステップS154に戻り、ステップS166で不一致が判定されるとステップS167において記憶フラグFkが0に更新された後、ステップS154に戻る。
【0064】
具体的に説明すると、カメラユニット110との通信が開始されると、一時記憶データを未だ一度も送信していない(Fr=0)ので、受信データを一時記憶データとして格納した後、格納された一時記憶データに次の受信データが一致するまでステップS154〜S166が繰り返し実行され、連続して受信されたターゲットデータが一致したとき初めて受信データを送信する。ターゲット10・写真測量用カメラ100間の送受信に何らかの不具合があって、受信データが送信したターゲットデータと異なった値になった場合は、カメラユニット110へ送信されず、これにより、カメラユニット110が得るターゲットデータの信頼性が向上する。
【0065】
一方、受信データを既に一度でも送信している場合(Fr=1)には、ステップS162からステップS164へ進み、受信データが一時記憶データと一致しなくなった場合にのみ受信データを送信する。即ち、受信データが一時記憶データと一致する間はカメラユニット110に送信する必要がないのでステップS154〜S164が繰り返し実行され、受信データが異なる値になって初めてその受信データを送信する。
【0066】
ステップS168の送信処理後、ステップS170において送信フラグFrが1に更新される。その後、ステップS172においてカメラユニット110の電源がオフであるか否かが判定され、電源がオンであればステップS154に戻り、電源がオフであると判定されれば受信処理ルーチンが終了する。
【0067】
図7は、本発明の画像記録媒体の一実施形態であるICメモリーカード180に格納される測量画像データのフォーマットを示す図であり、画像18フレーム分の測量画像データ(図7では2番目〜5番目の測量画像データが示される)が順次格納される。1つの測量画像データPDはヘッダ領域Hとデジタル画素データ格納領域IMDとフッタ領域Fとを備え、デジタル画素データ格納領域IMDにはレリーズスイッチ146がオンとなった時点の1フレーム分のデジタル画素データ列が格納される。例えば、図7に示す測量画像データPD4 のデジタル画素データ格納領域IMDには、カメラ位置M4における撮影により得られたデジタル画素データ列が格納される。
【0068】
ヘッダ領域Hには、フレーム番号H1の他、RAM113およびEEPROM115内に格納されたカメラデータが格納され、具体的には画像番号H2、撮影日時H3、カメラ識別番号H4、撮影条件H5およびディストーションデータH6が含まれる。撮影条件H5には、パラメータCm、CCDイメージセンサ120の水平および垂直方向の画素数W、Hおよび画素間距離Px、Pyが含まれる。ディストーションデータH6は、パラメータP1 、P2 、D2 、D4 、D6 および画像中心ずれ量Xc、Ycである。なお、ヘッダ領域Hには上記データの他、水平および垂直方向の画角等の種々データを格納してもよい。
【0069】
フッタ領域Fにはターゲット10から送信されたターゲットデータが格納され、具体的にはターゲット識別番号F1、設置回数および移動回数F2、基準点間距離F3およびターゲット位置F4である。基準点間距離F3は、ターゲット10固有の基準点間距離L1、L2およびL3(図2)である。ターゲット位置F4には撮影時点におけるターゲット10の傾斜角θ1、θ2および方位DRが含まれる。
【0070】
このように、写真測量用カメラ100は、ターゲット10からターゲットデータを受信し、撮影時には被写体像のデジタル画素データと共に受信したターゲットデータおよびカメラデータを併せて測量画像データPDとし、ICメモリーカード180に格納する。ターゲットデータおよびカメラデータは後述する写真測量用画像処理装置における測量図作成に必要なデータであり、これらデータを撮影時に自動的に記録することにより、手動によるこれらデータの測定作業および記録作業が省略でき、撮影に要する時間の大幅な短縮が図られる。
【0071】
さらに、実際の写真測量においては多数の画像を撮影することが多く、また測量精度の低下を防止するために撮影範囲は相対的に狭く設定される。このため、一直線の道路等変化の乏しい被写体を多数回に分けて撮影する場合には類似した画像が多くなる。従って、目視でこれら画像の判別し、手動で画像とターゲットデータおよびカメラデータとを対応付ける作業は煩わしく、特に撮影者以外の者にとってはこの作業は困難を極める。しかし、本実施形態の写真測量用カメラ100を用いれば、画像とターゲットデータおよびカメラデータとの対応付けの作業が自動的に行われるので、作業の大幅な効率化が図られる。
【0072】
図8は、ICメモリカード180に格納された測量画像データPDに基づいて測量図を作成する写真測量用画像処理装置を示す図であって、その主要構成を示すブロック図である。
【0073】
写真測量用画像処理装置200は、装置全体の動作を制御するCPU210と、測量画像データPDをICメモリカード180から読取るためのカード読取装置212と、画像および測量図を表示するモニタ装置214とを備える。また写真測量用画像処理装置200は、像点指定や種々の指示に用いるマウス216およびキーボード217を備える。CPU210、カード読取装置212、モニタ装置214、マウス216、プリンタ218およびスピーカ219は、直接または間接的にバス230に接続される。
【0074】
マウス216およびキーボード217にはバス230に接続された入力制御部226が接続され、マウス216およびキーボード217からの入力がバス230に転送され、またこれらの入力モード等が設定される。
【0075】
また、プリンタ218およびスピーカ219にはバス230に接続された出力制御部228が接続される。作成された測量図はプリンタ218により必要に応じて印刷される。スピーカ219は、マウス216およびキーボード217からの入力間違い等の警告音を発生し、オペレータに報知する。
【0076】
ICメモリカード180はカード読取装置212に挿入され、ICメモリカード180内に格納された18フレーム分の測量画像データPDが装置内に適宜読み込まれる。なお、ICメモリカード180からの読み出し後、ICメモリカード180内に格納されていた測量画像データPDは消去され、測量画像データ読出しの重複を防止している。
【0077】
カード読取装置212の読込み動作および書込み動作は、バス230に接続された記録媒体制御部222により制御される。記録媒体制御部222にはハードディスク213が接続され、このハードディスク213にはICメモリカード180から読み込まれた測量画像データPDが格納される。なお、ハードディスク213内に格納された測量画像データPDや、作成された測量図のデータは必要に応じて光磁気ディスク215に記録される。
【0078】
バス230には表示メモリ242および作業メモリ244がそれぞれ接続される。表示メモリ242はモニタ装置214で表示すべき内容をデジタルデータとして保持し、バス230に接続された表示制御部224は保持されたデジタルデータをモニタ装置214のためのアナログRGB信号に変換する。作業メモリ244はCPU210による演算、処理におけるキャッシュメモリ等に使用される。
【0079】
CPU210は、入力状態管理部232、表示状態管理部234、演算処理部236およびデータ管理部238を備え、必要な管理、演算、処理を実行する。入力状態管理部232はマウス216およびキーボード217の設定を管理し、また入力された情報、例えばマウス216の座標、キーボード217から入力された文字等を所定のデジタルデータに変換する。表示状態管理部234はモニタ装置214に表示すべき内容を管理し、表示に関する設定の変更等があったときには表示内容を変更する。演算処理部236は後述する測量図作成のための種々の演算処理に使用される。データ管理部238はICメモリカード180から読込んだデータ内容を管理し、また読み込まれたデータに基づいて作成された座標データ等を管理する。
【0080】
実際には、写真測量用画像処理装置200には汎用のパーソナルコンピュータが適用され、またデータの読込みから作図までの一連の写真測量用画像処理プログラムは写真測量用画像処理装置200に着脱自在な記録媒体であるCD−ROM250、または写真測量用画像処理装置200に内蔵された記録媒体であるハードディスク213に格納される。ハードディスク213内に写真測量用画像処理プログラムが格納されていない場合には、CPU210はCD−ROMドライブ248を介してCD−ROM250から写真測量用画像処理プログラムを読み出し、ハードディスク213にインストールする。既にハードディスク213にインストールされている場合には、CPU210はハードディスク213内の写真測量用画像処理プログラムを起動して種々の画像処理および測量図作成処理を行う。
【0081】
図9および図10は、CPU210において実行される写真測量画像処理プログラムのメインルーチンを示すフローチャートである。このメインルーチンは、写真測量画像処理プログラムの起動をマウス216等で指示することにより開始される。なお、以下の説明においては図1に示す撮影により得られた18フレーム分の測量画像データPDを用いた場合について説明する。
【0082】
先ずステップS202において、測量画像データPDの読込み開始がマニュアルで指示され、カード読取装置412に装着されたICメモリカード180から、カメラ位置M1〜18における撮影により得られた測量画像データPDが読み込まれる。このとき、各測量画像データPDに含まれるデジタル画像データ、カメラデータおよびターゲットデータは作業メモリ244に格納され、ICメモリカード180から測量画像データPDが消去される。ここでフレーム数を示すパラメータjmaxには「18」が代入される。なお、カメラ位置M1〜18において得られた画像には、撮影順に画像番号1〜18が付されている。
【0083】
次にステップS204が実行され、18フレームの画像が前述したように3つのグループ、即ちカメラ位置M1〜6の画像が第1グループGP1、カメラ位置M7〜10の画像が第2グループGP2、カメラ位置M11〜18の画像が第3グループGP3に定義付けられる。ここでグループ数を示すパラメータgmaxには「3」が代入される。
【0084】
このグループ分けには、各測量画像データPDに含まれるターゲットデータの設置回数および移動回数(測量画像データPDのフッタ領域F2に格納される;図7参照)が用いられ、設置回数および移動回数の双方の値が一致する画像が同一グループに登録され、グループの順番は移動回数の値が大きくなる順、即ち撮影順に1、2、3、・・と自動的に定められる。ここでは18フレーム分の測量画像データPDにおいて設置回数は同値であり、実質的には移動回数のみが参照される。
【0085】
ステップS206〜ステップS214においては、カメラ位置M1〜18のそれぞれについてカメラパラメータが算出される。カメラパラメータとは、ターゲット10に設定された基準座標系におけるカメラ位置Mの3次元座標と光軸の方向を示す3軸周りの回転角である。
【0086】
図11はカメラ位置Mj(jは画像番号を示すパラメータ)における撮影状況を示し、特にターゲット10との位置関係を示す斜視図である。図12は同撮影状況により得られた画像IMjのカメラパラメータとターゲット10との関係を概念的に示す図である。図中、撮影光学系116の光軸は一点鎖線CLjで示される。
【0087】
ここで、ターゲット10の基準点t2を原点とし、直線AX1をX軸、直線AX2をZ軸とする基準座標系(X,Y,Z)が設定される。なお、基準座標系は基準平面であるXZ平面が水平面に平行となるべく、傾斜角θ1、θ2および方位DR(測量画像データPDのフッタ領域F4に格納される;図7参照)により補正され、これによりY軸は鉛直方向に一致する。
【0088】
基準点t1、t2およびt3の基準座標系における座標値(以下、基準座標と呼ぶ)は、それぞれ(−L1,0,0)、(0,0,0)、(0,0,L2)である。L1およびL2は測量画像データPDのフッタ領域F3に格納された基準点間距離(図7参照)である。
【0089】
カメラ位置Mjの相対位置は基準座標(ΔXj,ΔYj,ΔZj)で表され、また光軸CLjの傾きは基準座標系の3軸に対する回転角(Δαj,Δβj,Δγj)で表される。これら6つのパラメータΔXj、ΔYj、ΔZj、Δαj、ΔβjおよびΔγjがカメラパラメータである。
【0090】
図12には、撮影光学系116の歪曲収差のない場合の結像面であるスクリーンSjが示される。このスクリーンSjはカメラ位置Mjから所定距離だけ離れた平面であり、その中心Cjにおいて光軸CLjが直交する。スクリーンSjに投影された基準点t1、t2およびt3の像点T1j、T2jおよびT3jは、カメラ位置Mjと各基準点t1、t2およびt3とを結ぶ直線上にそれぞれ位置する。
【0091】
この相対位置関係により、基準座標系における像点T1j、T2jおよびT3jの位置を特定すれば、カメラパラメータΔXj、ΔYj、ΔZj、Δαj、ΔβjおよびΔγjの値が得ることができる。なお、基準座標系における像点T1j、T2jおよびT3jの位置は、スクリーンSjにおける2次元座標とパラメータCmとに基づいて特定することができる。スクリーンSjは画像IMjとみなせるので、画像IMjにおいて基準点t1、t2およびt3を特定しその2次元座標を読取ることにより、像点T1j、T2jおよびT3jの2次元座標が得られる。パラメータCmは、測量画像データPDのヘッダ領域H5に格納された値(図7参照)である。
【0092】
図9のフローチャートを再び参照する。ステップS206においてカウンタjに初期値1が代入され、ステップS208では第j(=1)番目の画像IMjについて、基準点ti (i=1、2、3)が2値化処理等の所定の画像処理により特定され、第j画像IMj上における2次元座標が読取られる。
【0093】
続いてステップS300のカメラパラメータ算出サブルーチンが実行され、ステップS208により得られた基準点ti の読取座標と、基準点間距離L1、L2およびパラメータCmとに基づいて、カメラパラメータΔXj、ΔYj、ΔZj、Δαj、ΔβjおよびΔγjが算出される。
【0094】
なお、実際に得られる画像IMjは撮影光学系116の歪曲収差により微少量湾曲し、また光軸CLjが画像IMjと交差する点と画像IMjの中心とは厳密には一致しない。このため、カメラパラメータΔXj、ΔYj、ΔZj、Δαj、ΔβjおよびΔγjを未知のパラメータとして基準点t1、t2およびt3のスクリーンSjにおける2次元座標を求め、さらに歪曲収差や中心ずれ量を加味し、得られた値が基準点ti の読取座標に一致するようなカメラパラメータを算出している。歪曲収差や中心ずれ量の補正にはKararaの補正モデルが用いられ、測量画像データPDのヘッダ領域H6に格納されたディストーションデータ(パラメータP1 、P2 、D2 、D4 、D6 および画像中心ずれ量Xc、Yc)が用いられる。このKararaの補正によって高精度なカメラパラメータが得られる。
【0095】
そしてステップS210において、ステップS208により得られた基準点ti の読取座標と、ステップS300により得られたカメラパラメータΔXj、ΔYj、ΔZj、Δαj、ΔβjおよびΔγjとが、第j画像IMjに対応付けられ、これら数値および対応付けを示すデータは作業メモリ44に格納される。
【0096】
ステップS212ではカウンタjがjmax(=18)に一致するか否かが判定され、カウンタjがjmax未満であればステップS214においてカウンタjが1インクリメントされてステップS208に戻る。即ち、カウンタjが18になるまでステップS208〜ステップS210が繰り返し実行され、これにより全18画像について基準点ti の読取座標およびカメラパラメータが得られる。なお、ここまでの処理は測量画像データ読込み開始がマニュアルで指示されることにより自動的に行われる。
【0097】
ステップS212でカウンタjがjmax(=18)に一致すると判定されると、ステップS215においてモニタ画面には図13に示すペア接続確認画面が表示される。画像表示領域GDAには、所定サイズに縮小された画像IM1〜18の全てが画像番号順に2列に表示される。図13では画像IM1〜10のみが示されており、画像IM11〜18を表示させるためにはマウス216によりスクロールバーSRBを操作すればよい。
【0098】
ここで、水平に並ぶ2画像、例えば第1画像IM1および第2画像IM2はペア画像として定義される。また、異なるグループの境界は即ち移動回数の値が変わる場合には境界線BDL(一点鎖線で示す)の表示によりオペレータに報知される。画像表示領域GDAの表示順は画像番号(測量画像データPDのヘッダ領域H2に格納される;図7参照)に基づいており、グループが異なる2画像が水平に並ぶ可能性もある。グループが異なる2画像はペア画像になり得ないので、この場合には警告のメッセージが表示される。
【0099】
モニタ画面の右上隅に設けられた完了ボタンCIBをクリックすると、その時点で定義付けられたペア画像の情報が作業メモリ244に格納される。なお、画像表示領域GDAに測量図作成に不要な画像やペア画像にならない画像が表示された場合には、マウス216の操作により退避領域TMPAに移動させることができる。
【0100】
ここで、同一グループ内では相対位置関係を特定する基準座標系が同一であるが、異なるグループ間では基準座標系の配置が異なっているため、相互の位置関係が把握できない。このため、次のステップS216〜S222においてはグループ間の相対位置を定義付ける接続処理が行われる。具体的には、ターゲット位置RP2およびRP3を原点とする各基準座標系が、座標変換により、最初のターゲット位置RP1を原点とする基準座標系に統一される。
【0101】
ステップS216ではグループの順番を示すカウンタgが設定され、初期値として2が代入される。ステップS218では第g(=2)グループについて、1つ前のグループである第(g−1)(=1)グループへの接続が定義され、第(g−1)(=1)グループの基準座標系への座標変換を定めるパラメータ、具体的にはターゲット位置RP1に対するターゲット位置RP2の移動変位量、およびX軸(またはZ軸)の回転変位角が求められる。ここで、Y軸は何れの基準座標系においても鉛直方向に一致するので考慮しない。
【0102】
図14は、モニタ画面に表示されるグループ接続画面の概念図である。ここでは第2グループGP2を第1グループGP1に接続する場合について説明する。モニタ画面の上段には、第1グループGP1の第5画像IM5および第6画像IM6が表示され、下段には第2グループGP2の第7画像IM7および第8画像IM8が表示される。これらの画像IM5〜8には接続点RC1およびRC2(図1参照)が写し込まれており、マウス216により各像点が特定されることによりそれぞれ対応付けられる。
【0103】
詳述すると、第1の指定モードボタンKB1がクリック指定された後、画像IM5〜8において4点RC15、RC16、RC17、RC18が連続して指定されてその2次元座標が取得され、これら4点が接続点RC1の像点として対応付けられる。同様に、第2の指定モードボタンKB2のクリック後、画像IM5〜8において、接続点RC2の像点RC25、RC26、RC27およびRC28が指定される。
【0104】
ペア画像である第5画像IM5および第6画像IM6のカメラパラメータは既に求められており、像点RC15およびRC16の2次元座標から接続点RC1の3次元座標が算出される。なお、この3次元座標はターゲット位置RP1の基準座標系における値である。一方、像点RC17、RC18の2次元座標に基づいて、ターゲット位置RP2の基準座標系における接続点RC1の3次元座標が算出される。2種の3次元座標の比較によりターゲット位置RP1に対するターゲット位置RP2の移動変位量が算出される。接続点RC2についても同様の処理が行われ、接続点RC1の処理により得られた移動変位量との平均が取られる。
【0105】
回転変位角は、ターゲット位置RP1およびRP2における直線AX1の方位DR(測量画像データPDのフッタ領域F4に格納される;図7参照)に基づいて算出される。
【0106】
2つの接続点RC1およびRC2の対応付けが完了したときには、完了ボタンOFNを指示することにより、接続処理が完了する。なお、完了ボタンOFNの下には処理を中断するためのキャンセルボタンOCSが設けられる。なお、像点指定の際には図示しない倍率設定メニューにより像点の近傍の画像を任意に拡大でき、像点指定が高精度に行われる。
【0107】
次に、ステップS220が実行され、第2グループGP2のターゲット位置RP2の移動変位量および回転変位角が座標変換データとして登録され、作業メモリ244に格納される。
【0108】
ステップS222ではカウンタgがgmaxに一致するか否かが判定され、カウンタgがgmax未満であればステップS224においてカウンタgが1インクリメントされてステップS218に戻る。即ち、カウンタgが3になるまでステップS218〜ステップS222が繰り返し実行され、これにより全3グループについて座標変換データが得られる。
【0109】
ステップS222の終了後、ステップS400の測量図作成サブルーチンが実行され、前述の接続処理と同様、ペア画像において測量点qi に対応する第1像点AQi1および第2像点AQi2をそれぞれ指定して、その3次元座標を算出し、測量図を作成する。
【0110】
ステップS400により得られた測量図は、ステップS224において必要に応じて編集される。そして、ステップS226においてプリンタ218による紙等への印刷処理が実行され、ステップS228では作業メモリ244に格納されていたデータがハードディスク213または光磁気ディスク215へ書き込まれ、以上で写真測量用画像処理プログラムが終了する。
【0111】
図15は、カメラパラメータ算出サブルーチン(ステップS300;図9)の詳細を示すフローチャートである。
【0112】
まず、ステップS302において第j画像IMjについてカメラパラメータ(ΔXj,ΔYj,ΔZj,Δαj,Δβj,Δγj)が初期化される。
【0113】
次いで、ステップS304において基準点ti (i=1〜3)の基準座標は(1)式により座標変換され、写真測量用カメラ100に設定された3次元座標系(Xm,Ym,Zm)(図12参照)における座標値(以下、カメラ座標と呼ぶ)に変換される。3次元座標系(Xm,Ym,Zm)の原点はカメラ位置Mj、そのZm軸は光軸CLjに一致する。Xm軸およびYm軸は写真測量用カメラ100に設定された水平方向および垂直方向である。
【0114】
具体的には、(1)式の(xi ,yi ,zi )にはそれぞれ基準点t1、t2およびt3の基準座標t1(−L1,0,0)、t2(0,0,0)、t3(0,0,L2)が代入される。また、(1)式のカメラパラメータ(ΔXj,ΔYj,ΔZj,Δαj,Δβj,Δγj)には適当な値が代入され、これにより基準点ti (i=1〜3)のカメラ座標(cxij,cyij,czij)が算出される。
【0115】
【数1】
【0116】
ステップS306において、(2)式により、基準点ti のカメラ座標(cxij,cyij,czij)から、基準点ti をスクリーンSjに投影した像点Tijの2次元座標(以下、スクリーン座標と呼ぶ)に変換される。スクリーンSjには2次元座標系(Xs,Ys)が設定され(図12参照)、その原点は結像中心Cjであり、Xs軸およびYs軸はそれぞれXm軸およびYm軸に平行である。(2)式には基準点ti のカメラ座標(cxij,cyij,czij)およびパラメータCmが代入され、基準点ti のスクリーン座標(Xij,Yij)が算出される。
【0117】
【数2】
【0118】
ステップS308では、スクリーン座標(Xij,Yij)には、Kararaの補正モデルを用いて実際の画像IMj上の2次元座標に近づける補正が施される。即ち、(3)式にスクリーン座標(Xij,Yij)およびパラメータP1 、P2 、D2 、D4 、D6 および画像中心ずれ量Xc、Ycが代入され、歪曲収差および画像中心ずれを加味したディストーション補正座標(DXij,DYij)が求められる。
【0119】
【数3】
【0120】
さらにステップS310では、画像中心を原点とする2次元座標系から、第j画像IMjの左上隅を原点とし水平および垂直方向の画素数で表される2次元座標系に座標変換される。即ち、(4)式に、基準点ti のディストーション補正座標(DXij,DYij)、水平および垂直方向の画素数W、Hおよび画素間距離Px、Pyとが代入され、ピクセル座標(PXij,PYij)が算出される。
【0121】
【数4】
【0122】
カメラパラメータ算出サブルーチンの実行前に、ステップS208で基準点ti (i=1〜3)の2次元座標が読取られるが、この読取られた2次元座標である読取座標(AXij,AYij)は、第1画像IM1の左上隅からの水平および垂直方向の画素数で表される。即ち、ステップS310で算出されたピクセル座標(PXij,PYij)は、読取座標(AXij,AYij)と同一の2次元座標系で表されており、(1)式に代入されたカメラパラメータ(ΔXj,ΔYj,ΔZj,Δαj,Δβj,Δγj)が正しい値であれば両者が一致する。
【0123】
ステップS312では、(5)式を用いて、ステップS208で読取られた読取座標(AXij,AYij)と、ステップS310により求められたピクセル座標(PXij,PYij)との誤差Φ、具体的には距離の2乗が算出される。
【0124】
【数5】
【0125】
ステップS314では、誤差Φが最小値であるか否かが判定され、最小値でない場合は、カメラパラメータ(ΔXj,ΔYj,ΔZj,Δαj,Δβj,Δγj)の値が更新され、再びステップS304〜S314の処理が繰り返される。このようにして、誤差Φが最小値となる、即ち読取座標(AXij,AYij)とピクセル座標(PXij,PYij)とが実質的に一致するようなカメラパラメータが算出される。
【0126】
ステップS314において誤差Φが最小であることが確認されたら、ステップS316に進み、現在の値が第j画像IMjのカメラパラメータ(ΔXj,ΔYj,ΔZj,Δαj,Δβj,Δγj)として登録され、作業メモリ244に格納された後、カメラパラメータ算出サブルーチンが終了する。
【0127】
このように、カメラパラメータ算出サブルーチンにおいては、未知のパラメータであるカメラパラメータに初期値を与えてピクセル座標(PXij,PYij)を定義し、ピクセル座標(PXij,PYij)と読取座標(AXij,AYij)とが実質的に一致するようにカメラパラメータの値を変えながら演算を繰り返し行う逐次近似解法により、カメラパラメータが算出される。
【0128】
図16は測量図作成サブルーチン(ステップS400;図10)の詳細を示すフローチャートであり、図17は測量図作成におけるモニタ装置14のモニタ画面を概念的に示す図である。
【0129】
ステップS402においてペア画像および測量図がモニタ画面に表示され、パラメータiは1に初期化される。モニタ画面には1組のペア画像を表示するための画像表示領域IMAが設定され、画像表示領域IMAの上方には画像表示領域IMAに表示すべきペア画像を選択するためのペア選択タグPIMTが設けられる。図17においては、第1ペア画像である第1画像IM1および第2画像IM2が並列して表示され、このとき画像番号を示すパラメータjは1または2の値をとる。
【0130】
第1画像IM1および第2画像IM2は測量画像データに含まれるデジタル画素データに基づいて表示され、水平方向にW個、垂直方向にH個の画素が配列される。W、Hは整数(W≧H)であり、例えばW=1000、H=800である。
【0131】
画像表示領域IMAの下側には作図領域DRAが設けられ、全画像IM1〜18に基づいて作図された測量図、具体的には道路の外形RGを示す実線LGが描かれる。測量図は道路を鉛直上方から見た水平面図である。なお、測量点q1 、q2 、q3 、q4 およびターゲット位置RP1、RP2およびRP3は、作図領域DRAにおいて点表示される。ターゲット位置RP1を示す基準点t2は、第1画像IM1および第2画像IM2においてそれぞれ像点RP11およびRP12で示される。
【0132】
画面の左方にはメニューMMが設けられ、種々のコマンドの選択や、測量図のの表示倍率や表示方向等を適宜指定し得る。また作図領域DRA内には作図のためのメニューDRMが設けられ、このメニューDRMにおいて描画線の線種や色等が指定される。例えば「直線描画」が指定されている場合、測量点q1 およびq2 が連続して指定されると、この2点q1 およびq2 を結ぶ直線L1が自動的に作成され、作図領域DRAに表示される。
【0133】
ステップS404〜ステップS414においては、測量点の各画像における像点がマニュアルで指定されて対応付けられる。ここでは道路の角の測量点q(i=1) について第1画像IM1および第2画像IM2上の像点、即ち第1像点AQi1および第2像点AQi2を指定し、測量点q(i=1) の基準座標を算出して作図領域DRAに点表示する場合について説明する。
【0134】
まず、ステップS404において、作図を継続するか否か、即ちメニューMMに設けられた終了ボタンをクリックしたか否かにより判定される。作図を終了する場合にはこの測量図作成サブルーチンは終了する。
【0135】
作図を継続する場合にはステップS406が実行され、ここで第1画像IM1において第1像点AQ11がマウス216によりマニュアル指定される。第1像点AQ11は、マウス216の指定によりその読取座標(AX11,AY11)が取得され、作業メモリ44に格納される。
【0136】
第1像点AQ11の指定が完了するとステップS500が実行され、第1像点AQ11の読取座標(AX11,AY11)に基づいて、第2像点AQ12を含み得る視認用の補助線ADLが求められ、第2画像IM2に重ねて表示される(図17参照)。
【0137】
続いてステップS408において補助線ADLを参照しながら第2像点AQ12が指定され、マウス指定により読取座標(AX12,AY12)が得られる。ここでステップS600の改竄判定サブルーチンが実行され、ステップS408で指定した第2像点AQ12と補助線ADLとの距離が所定誤差範囲内であるかが検出され、誤差範囲内であれば返り値GOODが、誤差範囲でなければ返り値NGが返される。
【0138】
ステップS410では返り値がGOODであるか否かが判定され、GOODの場合は測量点q1 の像点として第1像点AQ11および第2像点AQ12が互いに対応付けられ、ステップS700の測量点算出サブルーチンにより測量点q1 の基準座標(x1 ,y1 ,z1 )が算出される。そして、ステップS414において作図領域DRAに測量点q1 が点表示され、ステップS416においてiが1だけインクリメントされてi=2となり、ステップS404に戻る。
【0139】
ステップS410において返り値がNGである場合には、第1画像IM1または第2画像IM2が改竄されたと判定され、モニタ画面にエラーメッセージが表示され、その確認後測量図作成サブルーチンは終了する。
【0140】
このように、これら第1像点AQ11および第2像点AQ12の読取座標に基づいて測量点q1 の基準座標(x1 ,y1 ,z1 )が算出されるとともに、作図領域DRAに測量点q1 が点表示される。測量点q2 、q3 、q4 についても同様、像点AQ21と像点AQ22、像点AQ31と像点AQ32、像点AQ41と像点AQ42がそれぞれ互いに対応付けられ、作図領域DRAに測量点q2 、q3 およびq4 が点表示される。
【0141】
なお、本実施形態においては、始めに第1画像IM1の像点指定が行われ、補助線ADLは第2画像IM2上に示されるが、指定の順序が逆、即ち第2画像IM2の像点指定を先に行っても良い。この場合、補助線ADLは第1画像IM1上に表示される。このように、一方の画像で像点を指定すると、他方の画像に対応する像点を含み得る補助線ADLが自動的に表示されるので、オペレータは対応する像点を容易に指定し得る。
【0142】
ここで、改竄および補助線ADLについて述べる。写真測量用画像処理装置200において画像IMは実際にはデジタル信号として扱われるため、汎用の画像処理プログラムにより容易に加工し得る。交通事故現場等においては事故現場の忠実な再現のために、測量に用いる画像の改竄は避けられるべきである。このため従来では証拠として採用される画像記録媒体としては、改竄が容易に検出できる銀塩フィルムが用いられる事が多い。
【0143】
また、デジタル画像を用いる場合には何らかの検出するためのフラグデータを撮影時に付加する機能を有する電子スチルカメラを用い、このフラグデータの変更や消去があった場合には改竄があったと判定する方法も提案されている。しかし、一度撮影された画像をカラープリンタ等で出力し、得られた画像を再びこの電子スチルカメラで撮影すれば、改竄があったのにも関わらずフラグデータは検出される。
【0144】
そこで、本実施形態の写真測量用カメラ100および写真測量用画像処理装置200を用いた写真測量においては、一対のペア画像において同値であるべきターゲットデータおよびカメラデータを用いて改竄の有無を判定している。具体的にはペア画像の一方で像点(第1像点)を指定し、この像点とターゲットデータおよびカメラデータとに基づいて他方の画像上の像点の候補となるべき点の集合(補助線ADL)を求め、実際に指定された像点(第2像点)が補助線ADLに対して全く離れた位置にあれば、真のペア画像ではない、即ち改竄があったと判定する。
【0145】
このように、測量点qi の基準座標を算出するために用いられるターゲットデータおよびカメラデータが、改竄を検出するためのフラグデータの機能をも有し、画像の改竄は容易に検出し得る。即ち、写真測量用カメラ100で得られる測量画像データPDは、交通事故現場等の証拠として用いるだけの十分な信頼性を有する。
【0146】
図18は補助線ADLおよび測量点qi 、第1像点AQi1および第2像点AQi2の関係を概念的に示す図である。iは測量点の数を示すパラメータである。
【0147】
測量点qi は、第1画像IM1(図中、破線で示される)上に第1像点AQi1(図中、白丸で示される)として投影される。測量点qi は、理想的には第1撮影位置M1と第1像点AQi1とを結ぶ直線ELの延長線上に位置するはずであるが、現実には撮影光学系116が歪曲収差を有するために直線ELから外れてしまう。そこで、測量点qi を第1スクリーンS1に投影し、その投影された像点を第1補正像点Qi1(図中、黒丸で示される)として示す。測量点qi は第1撮影位置M1と第1補正像点Qi1とを通る直線EL上に位置する。
【0148】
測量点qi の基準座標(qxi ,qyi ,qzi )と第1補正像点Qi1のスクリーン座標(QXi1,QYi1)との関係は、前述の(1)式および(2)式における基準点ti の基準座標(xi ,yi ,zi )とスクリーン座標(Xij,Yij)との関係と同一である。
【0149】
第2撮影位置M2に関しても同様に、実際の結像面である第2画像IM2、および理想的な結像面である第2スクリーンS2における測量点qi の像点が、それぞれ第2像点AQi2および第2補正像点Qi2として示される。測量点qi が直線EL上にあることから、直線ELを第2スクリーンS2に投影した直線(以下、投影線と呼ぶ)PEL上には、第2補正像点Qi2が位置する。
【0150】
この投影線PELを歪曲収差を考慮して変換すれば、変換された線上には第2像点AQi2が位置するはずである。本実施形態では、この変換された線を補助線ADL(図中破線で示される)として定義し、図18に示すように第2画像IM2に重ねて表示させている。このように補助線ADLは撮影光学系の歪曲収差を考慮して求められており、これにより第2像点AQi2を容易かつ高精度に指定し得る。
【0151】
具体的には、直線EL上にあってかつ測量点qi を含み得る所定範囲内にあるn個の補助点h1 〜hn を抽出し、これら補助点h1 〜hn を第2スクリーンS2に投影し、さらに歪曲収差に基づいて変換して補助像点AP1 〜APn (図18にはAP1 およびAPn のみを示す)を得、連続する補助像点AP1 〜APn を結ぶことにより補助線ADLを生成する。補助点の数nは多い方が好ましく、少なくとも水平方向の画素数Wより大きい値に設定される。この場合、水平方向において1画素単位で補助線ADLを表示でき、高精度かつ滑らかな補助線ADLが得られる。
【0152】
補助点h1 〜hn が抽出される所定範囲としては、第1撮影位置M1から1m以上50m以下の範囲が好ましい。この下限値1mおよび上限値50mは、像点指定を高精度に行うために撮影範囲が1m以上50m以下程度に限られることから経験的に得られた数値であり、特に限定されるものではない。図17に示す画面上のメニューMMで所定範囲を適宜変更しても良い。本実施形態においては水平方向の画素数Wが1000であり、1mから50mの範囲を1000等分することにより1000個の補助点hn (1≦n≦1000)が定義される。
【0153】
補助点hn の基準座標(hxn ,hyn ,hzn )は、(6)式により定義される。(6)式においてtは距離を示すパラメータであり、Rは直線ELの方向を示す方向ベクトル(rX ,rY ,rZ )である。この方向ベクトルRは第1カメラ位置M1からの単位ベクトルである。
【0154】
【数6】
【0155】
補助点hn の第2スクリーンS2に投影されたスクリーン座標(Xn2,Yn2)は、前述の(1)式および(2)式を用いて求められる。ここで、パラメータiにはn(1≦n≦1000)が、パラメータjには2がそれぞれ代入され、xi 、yi およびzi にはそれぞれ補助点hn の基準座標hxn 、hyn およびhzn が代入される。
【0156】
補助点hn のスクリーン座標(Xn2,Yn2)は、前述のKararaの補正モデル((3)式)を用いて、歪曲収差および画像中心ずれ量を考慮したディストーション補正座標(DXn2,DYn2)に変換される。変換後の点は補助像点AHn で示される。ディストーション補正座標(DXn2,DYn2)は、さらに前述の(4)式によって第2画像IM2におけるピクセル座標(PXn2,PYn2)に変換される。
【0157】
そして、1000個の補助像点AHn は、算出されたピクセル座標(PXn2,PYn2)に基づいて、第2画像IM2上に例えば赤色の点で表示され、補助像点AHn を連続して結ぶことにより補助線ADLが得られる。
【0158】
このように、補助線ADLはカメラデータおよびターゲットデータに基づいて得られる。補助線ADLを構成する補助像点AHn のピクセル座標は撮影光学系116の歪曲収差を考慮した値であり、画像IM上の読取座標に高精度に一致し得る。
【0159】
図19は補助線描画サブルーチン(ステップS500;図16)の詳細を示すフローチャートである。
【0160】
まずステップS502が実行され、第1画像IM1のカメラパラメータ(ΔX1 、ΔY1 、ΔZ1 、Δα1 、Δβ1 、Δγ1 )および第2画像IM2のカメラパラメータ(ΔX2 、ΔY2 、ΔZ2 、Δα2 、Δβ2 、Δγ2 )が作業メモリ244から読み出される。次に、ステップS550の方向ベクトル算出サブルーチンが実行され、直線ELの方向を定義付ける方向ベクトルR(rX ,rY ,rZ )が算出される。
【0161】
ステップS504では、ステップS550で算出された方向ベクトルR(rX ,rY ,rZ )により直線EL((6)式)が定義され、次のステップS506では定義された直線EL上の補助点hn が定義される。具体的には(6)式のパラメータtに数値が代入される。本実施形態においては、距離tには1m以上50m以下の範囲を1000等分した数値が代入される。即ち、ステップS506により1000個の補助点hn (1≦n≦1000)およびその基準座標(hxn ,hyn ,hzn )が得られる。
【0162】
次にステップS508が実行され、上述したように(1)〜(4)式に補助点hn の基準座標(hxn ,hyn ,hzn )および第2画像IM2のカメラパラメータが代入されて、1000個の補助点hn を画像IM2に投影した補助像点AHn の高精度なピクセル座標(PXn2,PYn2)が得られる。
【0163】
そしてステップS510において、1000個の補助像点AHn を連続して結んだ補助線ADLがモニタ装置14の画面上の第2画像IM2に重ねて表示され、補助線描画サブルーチンが終了する。
【0164】
図20は、図19の方向ベクトル算出サブルーチン(ステップS550)の詳細を示すフローチャートである。ここでは、方向ベクトルRの先端である第1カメラ位置M1から距離1だけ離れた点RB(図18)を第1画像IM1に投影した点と、指定した第1像点AQi1とが実質的に一致するような、rX 、rY およびrZ の値が求められる。
【0165】
始めにステップS552において、方向ベクトルRのrX 、rY 、およびrZ に適当な初期値が与えられる。次に、ステップS554において(1)式により点RBのカメラ座標が算出される。続いて(2)〜(4)式により点RBのスクリーン座標、ディストーション補正座標、ピクセル座標が順に算出される(ステップS556、558、560)。そしてステップS562が実行され、ステップS560により求められた点RBの第1画像IM1におけるピクセル座標(PXRB,PYRB)と、指定した第1像点AQi1の読取座標(AXi1,AYi1)との距離の2乗で表される誤差Ψが(7)式により算出される。
【0166】
【数7】
【0167】
ステップS314においては誤差Ψが最小値であるか否かが判定され、最小値でないと判定されるとrX 、rY およびrZ の値がより近似した値に変えられてステップS554に戻る。即ち、誤差Ψが最小値に収束するまでrX 、rY およびrZ の値が順次変えられて誤差Ψの算出が繰り返し行われる。誤差Ψが最小値であると判定されると、ステップS566において現在のrX 、rY およびrZ の値が方向ベクトルRとして登録され、方向ベクトル算出サブルーチンが終了する。
【0168】
図21は、改竄判定サブルーチン(ステップS600;図16)の詳細を示すフローチャートである。
【0169】
まずステップS602が実行され、改竄の有無を判定するための返り値が初期化される。次にステップS604において補助線ADLを構成する全画素の2次元座標が取得される。本実施形態では1000個の補助像点AHn (1≦n≦1000)のピクセル座標(PXn2,PYn2)である。ここで、パラメータnmaxには読取られた画素数、即ち1000が代入される。
【0170】
続いてステップS606〜616においては、補助像点AHn と第2像点AQi2との距離の最小値が算出される。具体的に説明すると、ステップS606においてピクセルの順番を示すパラメータnには初期値1が代入され、補助像点AHn と第2像点AQi2との距離の最小値を示すパラメータdminには十分に大きい初期値、例えば画像を構成する水平方向の画素数Wが代入される。
【0171】
ステップS608では第n(=1)番目の画素と、ステップS408(図16)において指定された第2像点AQi2との距離d(n=1) が算出される。ステップS610では距離d(n=1) とパラメータdminとの数値の大小が比較され、距離d(n=1) がパラメータdminより小さければステップS612が実行されてパラメータdminはd(n=1) の値に更新され、距離d(n=1) がパラメータdminより大きければステップS612は実行されずパラメータdminの値は更新されない。
【0172】
次のステップS614ではパラメータnがnmaxに一致するか否かが判定され、nmaxに一致しなければステップS616においてnが1インクリメントされてステップS608に戻る。即ち、ステップS608〜614がnmax回繰り返され、これによりパラメータdminには補助像点AHn と第2像点AQi2との距離の最小値が格納される。
【0173】
ステップS614でパラメータnがnmaxに達したと判定されると、ステップS618に進み、ここで最小値dminが所定の許容値δより小さいか否かが判定される。最小値dminが所定の許容値δより小さければ、実質的に第2像点AQi2が補助線ADL上にあると判定され、第1画像IM1および第2画像IM2の改竄が行われていないとみなされる。この場合にはステップS620において返り値がGOODに設定される。
【0174】
一方ステップS618において最小値dminが所定の許容値δ以上であると判定されると、実質的に第2像点AQi2が補助線ADL上にない、即ち第1画像IM1または第2画像IM2の改竄が行われたとみなされる。この場合にはステップS622が実行され、返り値がNGに設定される。
【0175】
ステップS620またはステップS622において返り値が設定されると、この改竄判定サブルーチンが終了し、測量図作成サブルーチンのステップS410(図16)へ戻る。
【0176】
なお、画像IMにおいて、像点の取り得る誤差は大きくなるため、許容値δはカメラ位置M1からの距離tに応じて適宜定められる。
【0177】
図22は、測量点算出サブルーチン(ステップS700;図16)の詳細を示すフローチャートである。ここでは測量点qi の基準座標(qxi ,qyi ,qzi )が前述の(1)〜(5)式を用いた逐次近似解法で算出される。基準座標(qxi ,qyi ,qzi )を未知のパラメータとする以外は、図15のカメラパラメータ算出サブルーチンと実質的に同一であり、対応する処理については図15のステップ数に400を加算して示している。
【0178】
即ち、この測量点算出サブルーチンにおいては、基準座標(qxi ,qyi ,qzi )を未知のパラメータとして測量点qi のピクセル座標(PXij,PYij)が定められ、このピクセル座標(PXij,PYij)と読取座標(AXij,AYij)とが実質的に一致するような基準座標(qxi ,qyi ,qzi )が算出される。
【0179】
このように、写真測量用画像処理装置200を用いれば、高精度な測量図が得られるだけでなく、画像IM1〜18の改竄の有無が検出できる。また、測量図作成および改竄判定に用いるターゲットデータおよびカメラデータがデジタル画素データと共にICメモリカード180に記録されているので、オペレータの手入力などの処理が省け、測量図作成処理に要する時間が大幅に短縮できる。
【0180】
【発明の効果】
本発明の写真測量用画像処理装置、または写真測量用画像処理プログラムを用いた写真測量によると、測量図作成が迅速に行え、かつデジタル画像の改竄を容易に検出して交通事故現場の証拠としての信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真測量の撮影状況を示す図であり、測量対象である道路の外形および白線を鉛直上方から見た水平面図である
【図2】写真測量の撮影に用いられるターゲットの平面図である。
【図3】図2に示すターゲットの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図3のターゲット制御部において実行される送信処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】写真測量の撮影に用いられる写真測量用カメラの主要構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】図5に示す受信ユニットのレシーバーコントロール回路において実行される受信処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】ICメモリーカードに格納される測量画像データのフォーマットを示す図である。
【図8】本発明の写真測量用画像処理装置の実施形態を示す図であって、その主要構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示す写真測量用画像処理装置のCPUにおいて実行される写真測量画像処理プログラムのメインルーチンの前半を示すフローチャートである。
【図10】写真測量画像処理プログラムのメインルーチンの後半を示すフローチャートである。
【図11】所定位置のカメラ位置とスクリーンおよびターゲットとの位置関係を示す斜視図である。
【図12】図11の位置関係においてカメラパラメータとターゲットとの関係を概念的に示す図である。
【図13】図8に示す写真測量用画像処理装置のモニタ画面に表示されるペア接続確認画面の概念図である。
【図14】図8に示す写真測量用画像処理装置のモニタ画面に表示されるグループ接続画面の概念図である。
【図15】図9に示すカメラパラメータ算出サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図16】図10に示す測量図作成サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図17】図8に示す写真測量用画像処理装置のモニタ画面に表示される測量図作成画面を概念的に示す図である。
【図18】測量点と、この測量点に対応する第1像点および第2像点と、補助線との関係を概念的に示す図である。
【図19】図16に示す補助線描画サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図20】図19に示す方向ベクトル算出サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図21】図16に示す改竄判定サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図22】図16に示す測量点算出サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ターゲット
100 写真測量用カメラ
116 撮影光学系
200 写真測量用画像処理装置
250 CD−ROM
t1、t2、t3 基準点
IM1 第1画像
IM2 第2画像
q1 、q2 、q3 、q4 、qi 測量点
AQ11、AQ21、AQ31、AQ41、AQi1 第1像点
AQ12、AQ22、AQ32、AQ42、AQi2 第2像点
h1 〜hn 補助点
AH1 〜AHn 補助像点
ADL 補助線
Claims (6)
- 画像記録媒体から同一の被写体およびターゲットを含む第1および第2画像に関する測量画像データを読み込む読込み手段と、
前記測量画像データに基づいて前記第1画像および第2画像をモニタ画面に表示する画像表示手段と、
前記モニタ画面上の前記第1画像において、前記被写体上の所定の測量点が投影された第1像点を指定する第1指定手段と、
前記第1像点の2次元座標と、前記測量画像データに含まれ少なくとも前記ターゲットの寸法形状の情報を有する写真測量用データとに基づいて、前記測量点が前記第2画像に投影された第2像点を含み得る補助線を定義し、前記第2画像に表示する補助線定義手段と、
前記モニタ画面上の前記第2画像において、前記測量点が投影された第2像点を指定する第2指定手段と、
前記補助線定義手段により得られた補助線と、前記第2指定手段により指定された第2像点との距離の最小値が所定許容値以上の場合に前記第1画像または前記第2画像の少なくとも一方が改竄されたと判定する改竄検出手段と、
前記改竄検出手段により改竄が検出されない場合にのみ、前記第1像点および前記第2像点と写真測量用データとに基づいて、前記測量点の3次元座標を算出する測量点算出手段と
を備えることを特徴とする写真測量用画像処理装置。 - 前記測量画像データが、歪曲収差を有する撮影光学系により結像され、撮像素子により光電変換されることにより得られた前記第1および第2画像のデジタル画素データを含み、前記写真測量用データが前記歪曲収差を補正するためのデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の写真測量用画像処理装置。
- 前記写真測量用データが、少なくとも前記ターゲットの寸法形状に関するデータと、前記撮影光学系の焦点距離のデータとを有することを特徴とする請求項1に記載の写真測量用カメラ。
- 前記写真測量用データが、前記ターゲットの撮影時における方位および水平面に対する傾斜角のデータと、前記ターゲットの相対位置を判別するためのデータとを有し、
前記ターゲットの相対位置を判別するためのデータは、前記ターゲットの設置回数及び移動回数を有することを特徴とする請求項1に記載の写真測量用カメラ。 - 歪曲収差を有する撮影光学系を備えた写真測量用カメラを用いて、同一の被写体およびターゲットを異なる方向から撮影し、前記第1および第2画像のデジタル画素データを得る第1ステップと、
前記写真測量用カメラにより、前記第1および第2画像のデジタル画素データと、少なくとも前記ターゲットの寸法形状に関するデータと前記撮影光学系の焦点距離のデータとを含む写真測量用データとを併せて画像記録媒体に格納する第2ステップと、
請求項1に記載の写真測量用画像処理装置を用いて、前記第1画像または前記第2画像の改竄の有無を検出すると共に測量図を作成する第3ステップとを備えたことを特徴とする写真測量方法。 - 画像記録媒体から同一の被写体およびターゲットを含む第1および第2画像に関する測量画像データを読み込む読込み処理ルーチンと、
前記測量画像データに基づいて前記第1画像および第2画像をモニタ画面に表示させる画像表示処理ルーチンと、
前記モニタ画面上の前記第1画像において、前記被写体上の所定の測量点が投影された第1像点を特定する第1像点特定処理ルーチンと、
前記第1像点の2次元座標と、前記測量画像データに含まれ少なくとも前記ターゲットの寸法形状の情報を有する写真測量用データとに基づいて、前記測量点が前記第2画像に投影された第2像点を含み得る補助線を定義し、前記第2画像に表示させる補助線定義ルーチンと、
前記モニタ画面上の前記第2画像において、前記測量点が投影された第2像点を特定する第2像点特定ルーチンと、
前記補助線定義ルーチンにより定義された補助線と、前記第2像点特定ルーチンにより特定された第2像点との距離の最小値が所定許容値以上の場合に前記第1画像または前記第2画像の少なくとも一方が改竄されたと判定する改竄検出ルーチンと、
前記改竄検出ルーチンにより改竄が検出されない場合にのみ、前記第1像点および前記第2像点と写真測量用データとに基づいて、前記測量点の3次元座標を算出する測量点算出ルーチンと
を備える写真測量用画像処理プログラムを格納していることを特徴とする記録媒体。
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JP2000042934A JP3820074B2 (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | 写真測量用画像処理装置、この写真測量画像処理装置を用いた写真測量方法、および写真測量用画像処理プログラムを格納した記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2000042934A JP3820074B2 (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | 写真測量用画像処理装置、この写真測量画像処理装置を用いた写真測量方法、および写真測量用画像処理プログラムを格納した記録媒体 |
Publications (2)
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